ヒッキー! あたしとデュエルしようよ! (60)


前作
http://blog.livedoor.jp/h616r825/archives/47752275.html


プレミと誤字が酷かったので、今回は注意して書きました
よろしければご覧ください

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1466254656


放課後 部室



雪乃「バトル! <ダークリベリオン>でダイレクトアタック!」

八幡「ぐああぁぁ!!」

結衣「すごーい! またゆきのんの勝ちだあ!」

雪乃「ふっ、当然よ由比ヶ浜さん。
私がこの男に負けるなんて、モンキーボードが釈放されるくらいありえないわ」

八幡「ぐっ、ほぼ可能性0じゃねーか……」

結衣「これでゆきのんが十連勝だね!」


八幡(……雪ノ下とのデュエルに敗北した俺は、そのときの約束に従い、ほぼ毎日、部室でデュエルをしている)

八幡(由比ヶ浜も、デッキは持ってないがルールは把握しているらしく、俺と雪ノ下のデュエルを毎日観戦していた)

八幡(もはや奉仕部じゃなくて、ただのデュエルスペースだなこの部室……)


雪乃「ふう、デュエルもひと段落ついたことだし、今日の部活は終了にしましょうか」

結衣「デュエルが基準なんだ……」

八幡「最近依頼も来ないし、これじゃ奉仕部じゃなくてデュエル部だな」

雪乃「そうね、いっそ改名してしまおうかしら……?」

八幡「おいやめろ、本当になりそうで怖いから!」

八幡(こいつならマジでやりかねない……)


結衣「……」

八幡「ん? 由比ヶ浜、どうかしたのか?」

結衣「えっ?? い、いやなんでもないよ!」

雪乃「由比ヶ浜さん、この男に何かされたのなら話してちょうだい。
警察には私から通報しておくわ」

八幡「おい待て、なんで俺が原因なんだよ」

雪乃「どうせあなたのことだから、由比ヶ浜さんをいやらしい目で見ていたのでしょう?
下卑谷君?」

八幡「ちげーよ! 後その名前はやめてくださいお願いします」


結衣「ゆ、ゆきのん! 本当になんでもないから大丈夫だよ!
ちょっとぼーっとしてただけだから!」

雪乃「…そう、ならいいのだけれど……、
でも、もしなにかあったらすぐ言うのよ、その……由比ヶ浜さんは私の……と、友達なのだから」

結衣「! うん! ありがとーゆきのーん!」ダキツキ

雪乃「ち、ちょっと由比ヶ浜さん、苦しから離れてちょうだい!」アセアセ

八幡(ゆるゆりしてる二人に俺は見えてないようだ。
……俺もう帰っていいよね?)


帰り道

結衣「はあ……」

結衣(なんか最近ちょっと距離を感じるなー、
二人ともデュエルに夢中だし、特にゆきのんなんてすっごく楽しそう……)

結衣(あたしも一緒に……)

結衣「あれ? 今あの店から出てきたのって……ヒッキー?」

結衣「ここって……カードショップ?
……ちょっと入ってみようかな?」


ラッシャ-セ-

結衣(うわー、なんかすごい空間だなあ。
いたるところにカードがあるし、奥にはデュエルしてる人がたくさんいる……!)

結衣(ヒッキーはカード買いに来たのかな?
……そういえば、新しいデッキをつくるとか言ってたような……)

結衣(新しい……デッキ……?)

結衣「それだ!」

店員「ビクッ」

結衣(そうと決まれば……)

結衣「すいません、これください!」


放課後 部活

結衣「やっはろー!」ガラガラ 

雪乃「こんにちは、由比ヶ浜さん」

八幡「うっす、お前その挨拶どうにかならんのか」

結衣「えーいいじゃん!
ね、それよりさ、今日は二人に見せたいものがあるんだけど」ゴソゴソ 

雪乃「見せたいもの?」

結衣「うん! じゃっじゃーん!
私もデッキをつくってみたんだ!」

八幡「おお、えらい唐突だな。
なんで急に組む気になったんだ?」


結衣「えへへー、なんか二人とも楽しそうだったし、あたしも混ざりたかったんだよね~」

雪乃「その……ごめんなさい由比ヶ浜さん。
デュエルに夢中になって、あなた気持ちを蔑ろにしてしまっていたわ」

結衣「あ、謝らないでよゆきのん!
そんなこと気にしてないよー」

八幡「まあやっぱ見てるだけってのもつまらんよな。
これからは一緒にデュエルしようぜ」

結衣「うん! じゃあさっそくだけど……、
ヒッキー、あたしとデュエルしようよ!」


八幡「デュエルするのは構わんが、なんで俺なんだ? 雪ノ下とやらないのか?」

結衣「うん、ゆきのん強いし、とりあえずヒッキーに勝ってから挑戦するよ!」

雪乃「あなた随分舐められてるみたいね。
由比ヶ浜さん、勝ちを確信してるわよ」

八幡「ふっ、由比ヶ浜、一つ言っておくぞ。
確かに俺は雪ノ下に全戦全敗だ、
だがしかし! それはお前の勝てる理由にはならない」

結衣「ふっふっふ、それはどうかなー?
ヒッキーなんかすぐやっつけちゃうよ!」

八幡「妙に自信ありげだな……。
まあいい、そのデュエル受けて立つぜ」

雪乃「なら私は観戦させてもらうわね」



結衣・八幡「デュエル!」

八幡「先行は譲ってやるよ、由比ヶ浜」

結衣「えっ、いいの?
じゃああたしのターンからいくね!」

八幡(まあルールを知ってるとはいえ、実際のデュエルは初心者だからな。先行で自由にやらせてやろう)


結衣「あたしは手札から、<SRベイゴマックス>を特殊召喚!
さらに効果で<SRタケトンボーグ>を手札に加えて、そのまま特殊召喚するよ!」

結衣「<タケトンボーグ>をリリースして、デッキから<SR赤目のダイス>を特殊召喚!」

八幡(由比ヶ浜のデッキはSRか……)

結衣「<赤目のダイス>の効果で、<ベイゴマックス>のレベルを6に変更!」

雪ノ下「レベルの合計は7……、来るわよ! 比企谷君!」

八幡(アストラル……! いや、ユキトラル!)


結衣「いくよー! ヒッキー!
<ベイゴマックス>に<赤目のダイス>をチューニング! シンクロ召喚!
<クリアウイング・シンクロドラゴン>!」

結衣「あたしはカードを二枚伏せて、ターンエンドだよ!」

雪乃「SRとしては悪くない初動なんじゃないかしら? なかなかやるわね、由比ヶ浜さん」

八幡「ああ、動きもスムーズだし、初デュエルとは思えんな……」

結衣「えへへ~、いっつも二人のデュエルを見てたからね!
さあ次はヒッキーのターンだよ!」


1ターン目


結衣 場 クリアウイング
伏せ二枚

手札 二枚


八幡「俺のターン」ドロ-

八幡(クリアウイングは、レベル5以上のモンスターに対して無類の強さを発揮するカード……、だが!)

八幡「魔法カード<ワンフォーワン>を発動!
手札を一枚捨てて、デッキから<ミスティックパイパー>を特殊召喚する」

八幡「<ミスティックパイパー>の効果で、自身をリリースして一枚ドローする。
そして引いたカードがレベル1モンスターなら、もう一枚ドローできる!」

雪乃「これは……、レベル1軸のデッキかしら?
宝玉獣の他にもデッキを持っていたのね」

八幡「まあな、
本当はお前とのデュエルで披露するつもりだったんだが」

結衣(もしかして昨日カードショップに居たのは、このデッキを組む為だったのかな?)


雪乃「なるほど……、私に勝てない原因を、自分のプレイングではなくデッキに押し付けるのね。
宝玉獣達が泣いてるわよ、屑ヶ谷君?」

八幡「うるせえ、お前のデッキとは相性が悪いんだよ。」

八幡(しかもこいつ、二戦目以降ギャラサイ3積みしてくるし……、宝玉に除外はアカン)

結衣「でもなんでレベル1軸デッキなの?
ゆきのんのと相性のいいデッキなら他にもあるじゃん?」

雪乃「たしかに、気になるわね」

八幡「ふっ、二人とも全然わかってないな」

雪乃・結衣「??」


八幡「常に孤高の存在である俺にとって、1という数字こそ至高にして頂点!
そんな俺がこのデッキを使うのはもはや必然だろう?」

結衣「うわぁ……」

雪乃「ぼっちを拗らせ過ぎると、こうなってしまうのね……」

八幡「リアルに引くのは傷つくのでやめてください……。
ていうかお前も拗らせてる側の人間だろ!」

雪乃「あら、私には由比ヶ浜さんという、ちゃんとしたと、友達がいるわ。
あなたと一緒にしないでもらえるかしら」

結衣「ゆきのん……!」パアア

八幡(隙あらばゆるゆりし始めるなこいつら……)


八幡「もういい、デュエルを続けるぞ。
<ミスティックパイパー>の効果で引いたのは、レベル1の<イービルソーン>! よってもう一枚ドローする!」

八幡「俺は<イービルソーン>を召喚し、効果を発動! 自身をリリースして、デッキから二体の<イービルソーン>を特殊召喚する」

八幡「<イービルソーン>には、リリースした時300バーンする効果がある。
ダメージを受けてもらうぜ、由比ヶ浜」

結衣「うーん、しょうがないね」 LP7700

雪乃「地味バーンね、比企谷君の存在感と同じくらい地味だわ」

八幡「俺のステルスヒッキーを舐めるなよ。
存在感がなさすぎて、同じクラスなのに初めまして! って言われたからな」

結衣「悲しすぎるよヒッキー……」


八幡「俺はレベル1の <イービルソーン>二体でオーバーレイ!
ランク1 <希望皇ホープ・ルーツ>をエクシーズ召喚!」

結衣「ランク1のホープもいるんだねー」

雪乃(ルーツが出たということは……、多分由比ヶ浜さんは驚くでしょうね……)

八幡「行くぞ由比ヶ浜、
このカードは手札の<RUM>を一枚墓地に送り、場のホープに重ねてエクストラから特殊召喚できる!」

八幡「ランク10 <希望皇龍ホープ・ドラグーン>をエクシーズ召喚!」

結衣「すごーい! いきなりランク10が出てきたよゆきのん!」

雪乃「感心してる場合じゃないでしょう……
クリアウイングの攻撃力を、あっさり超えられたわよ」


八幡「行くぞ、バトルだ!
<ホープ・ドラグーン>で、<クリアウイング>に攻撃!」

結衣「ああ~、<クリアウイング>が……」 LP8000→6500

八幡「メイン2、一枚伏せてターンエンド……

結衣「まったー! エンド前に永続罠発動!
<リビングデットの呼び声>!
効果で<クリアウイング>を蘇生させるよー」

八幡「なるほど、だがそいつは俺のデッキとは相性最悪だと思うがな」

八幡「ほとんどのモンスターがレベル1、エクストラもほぼエクシーズだ。
エクシーズモンスターはレベルを持たないからな」

雪乃「なんですって?? レベルを持たないならレベル0ではないの??」

八幡(勝鬨くんェ……)


結衣「たしかにそうだね……、
でもあたしのデッキは、この子を活かす構築だから!」

八幡「なるほどな……、ならそいつの活躍を見せてみろよ、ターンエンドだ」

結衣「うん! 絶対ヒッキーをギャフンといわせてみせるし!」

雪乃「その意気よ由比ヶ浜さん。
その男が再起不能になるまで徹底的にやりなさい! 私が許可するわ」

八幡「なんの許可だよ、あとお前が言うと冗談に聞こえないんでやめてください……」

雪乃「私はいつだって本気よ、比企谷君」ニコッ

八幡(笑顔が怖いです、雪ノ下さん……)


2ターン目

八幡 LP 8000 手札 3枚

場 ドラグーン
伏せ1枚

結衣 LP 6500 手札 2枚

場 クリアウイング
リビデ(発動済み)
伏せ1枚


結衣「あたしのターン!」ドロ-

結衣「魔法カード <スピードリバース>を発動! 墓地のSRモンスターを蘇生させるよ」

結衣「あたしが選ぶのは、<SR赤目のダイス>!」

八幡(なるほど、狙いはさらなるシンクロ召喚か……)

結衣「いくよ! ヒッキー!
レベル7 <クリアウイング>に、
レベル1 <赤目のダイス>をチューニング!」

結衣「神聖なる光たくわえし翼煌めかせ、その輝きで敵を撃て! シンクロ召喚!
レベル8 <クリスタルウイング・シンクロドラゴン>!」

八幡(こいつも召喚口上を……、みんなデュエルになると羞恥心が消えるんですかねぇ…?)

雪乃(だって当然でしょ? デュエリストなら)

八幡(こいつ直接脳内に……!)


結衣「どうヒッキー? これがあたしのエースカードだよ!」フフン

八幡「確かにそいつは強力なモンスターだが、打点ではドラグーンに敵わないぞ」

結衣「あっ、ほんとだ?? どうしよう?
……とはならないからね!」

八幡(さすがに無策ではないか……)

結衣「手札から魔法発動!
<ハイ・スピード・リレベル>!」

結衣「墓地の<SRタケトンボーグ>を除外して、そのレベル×500ポイントを<クリスタルウイング>の攻撃力に加えるよ!」

雪乃「<タケトンボーグ>のレベルは3、
つまり1500ポイント分上昇して、攻撃力は……4500ポイントになるわね」

八幡「くっ、<ホープ・ドラグーン>の4000を上回られたか……!」


結衣「まだまだー!
手札から<SRダブルヨーヨー>を召喚!」

結衣「効果で墓地の<SR赤目のダイス>を釣り上げるよ!」

八幡「くそっ、またシンクロか……!」

結衣「レベル4の <ダブルヨーヨー>に、
レベル1の <赤目のダイス>をチューニング!」

結衣「シンクロ召喚!
レベル5 <HSRチャンバライダー>!」


結衣「バトルに入るよ!
まずは、<クリスタルウイング>で<ホープ・ドラグーン>に攻撃!」

結衣「”烈風のクリスタロス・エッジ”!!」

八幡「くっ……!」 LP8000→7500

雪乃「これで比企谷君の場に、モンスターはいなくなったわね……」

結衣「そして<チャンバライダー>でヒッキーにダイレクトアタック!」

結衣「<チャンバライダー>は攻撃する度に、攻撃力が200ポイント上がり、さらに二回攻撃ができる!」

結衣「二回の攻撃で、ヒッキーに合計4600のダメージだー!」

八幡「ぐああぁ!」 LP7500→2900


雪乃「連続シンクロで、一気に形勢が逆転したわね……、すごいわ由比ヶ浜さん」

結衣「えへへ、ゆきのんに褒められちゃった! あたしはこれでターンエンドだよ!」

結衣「エンドフェイズに <クリスタルウイング>の攻撃力は元に戻るよ」


3ターン目

八幡 LP 2900 手札3枚

場 伏せ一枚


結衣 LP 6500 手札0枚

場 クリスタルウイング
チャンバライダー
伏せ一枚


八幡「俺のターン!」ドロ-

八幡(くそっ、まさかここまで盤面を返されるとは……! しかも……)

雪乃(クリスタルウイングは、一回モンスター効果を無効にできる。
つまりこのターン比企谷君は、そこに対処しながら動かなくてはいけない……)

八幡(どの効果を無効にするかの選択は、由比ヶ浜次第だ……なら!)

八幡「俺は<青き眼の護人>を召喚して、効果を発動! 手札からレベル1の光属性チューナーを特殊召喚できる」

結衣(これを通すと、またドラグーンが出てくる可能性があるんだよね……。
……ヒッキーはもう召喚権を使ったし、ここは止めようかな)

結衣「チェーンして<クリスタルウイング>の効果を発動! その効果を無効にして破壊するよ!」

結衣「さらに破壊したモンスターの攻撃力分、<クリスタルウイング>は攻撃力が上昇する!」

結衣「護人の攻撃力を加えて、3800ポイントになったよ!」


雪乃(由比ヶ浜さんは定石通り、初動を止めたわね……、
これで比企谷君の手札は三枚、しかも召喚権も残っていない、圧倒的に不利……)

八幡「……」

結衣「ふふーん、もうヒッキーに逆転の手段はないよ! 次のターンであたしの……

八幡「由比ヶ浜……」

結衣「??」

八幡「そ れ は ど う か な?」

結衣「??」カンコ-ン


八幡「相手フィールドにのみ、エクストラから出たモンスターが存在することで、手札から<ミラー・リゾネーター>を特殊召喚する」

八幡「さらに手札から<ジェスター・コンフィ>を特殊召喚!」

雪乃「レベル1モンスターが二体並んだわ……!」

八幡「二体のモンスターでオーバーレイ!
エクシーズ召喚!
ランク1 <ゴーストリック・デュラハン>!」

八幡「<デュラハン>の効果発動! 素材を一つ取り除いて、<チャンバライダー>の攻撃力を半分にする」

結衣「? <クリスタルウイング>じゃなくて、攻撃力の低い<チャンバライダー>でいいの?」

八幡「ああ、問題ない。
まだ俺には奥の手があるからな」ニヤア


八幡「リバースカードオープン! <リミット・リバース>!
効果で墓地から攻撃力1000以下のモンスターを蘇生させる」

八幡「俺が特殊召喚するのは……、
<RRラスト・ストリクス>だ!」

結衣「レイドラプターズ?? いつの間に墓地に落ちてたの?」

雪乃「なるほど……、最初の<ワンフォーワン>で墓地に送っていたのね?」

八幡「ああそうだ、すでに布石は打たれていたんだよ由比ヶ浜!」


結衣「で、でもレイドラプターズなんて出してどうするの? しかもレベル1だし……」

八幡「ふっ、レベル1を甘く見るなよ」

八幡「<ラスト・ストリクス>は自身をリリースすることで、エクストラからRRエクシーズモンスターを特殊召喚できる効果を持っている」

結衣「えー! いきなりエクストラから??」

八幡「俺はエクストラからランク8の、
<RRサテライト・キャノン・ファルコン>を特殊召喚!」

八幡「ただし守備表示で効果は無効となり、このターン相手が受ける戦闘ダメージは0になる」

雪乃(これだけのデメリットを負ってまで出したということは、もうあれしかないわね……)


八幡「いくぞ由比ヶ浜!
俺は手札から、<RUM-スキップフォース>を発動!」

結衣「えっ?? ランクアップ??」

八幡「場のRRエクシーズを、二つ上のランクへと進化させる! ランクアップ! エクシーズチェンジ!」

八幡「ランク10!
<RR-アルティメット・ファルコン>!!
これが俺の奥の手だ!」

結衣「アルティメット……! なんかすごそうだよー、ゆきのーん!」

雪乃「勘がいいわね、由比ヶ浜さん。
確かにあれは驚異的な性能だわ……」

結衣「へ?」


八幡「<アルティメット・ファルコン>は、相手のあらゆる効果を受けない!
まさに、究極の効果を持っている!」

結衣「えー?? なんにも効かないってことー??
そんなのズルいよ!」

雪乃「そうよ、インチキ効果もいい加減にしなさい!」

八幡(すまんな、恨むんならこんな効果にしたKONMAIを恨んでくれ……)


結衣「で、でもまだ攻撃力は<クリスタルウイング>の方が高いし!」

八幡「残念だったな由比ヶ浜、
素材を一つ取り除いて、<アルティメット・ファルコン>の効果を発動!」

八幡「相手モンスター全ての攻撃力を、1000ポイント下げる!」

結衣「そんな……!」

雪乃「なるほど……、さっき<チャンバライダー>の攻撃力を半分にしたのは、この為だったのね?」

八幡「ああ、これで<デュラハン>で倒せるようになるからな。
さあ、バトルフェイズに入るぞ!」


八幡「まずは <デュラハン>で、<チャンバライダー>に攻撃!」

結衣「ううっ……!」

八幡「そして<アルティメット・ファルコン>で、<クリスタルウイング>に攻撃!」

結衣「ううっっ……!」

八幡「<ラスト・ストリクス>の効果で、このターン戦闘ダメージは発生しない。
が、盤面は完全にひっくり返したぞ」

八幡「俺はこれでターンエンドだ」

雪乃(完全に戦況が逆転したわね……)

雪乃(由比ヶ浜さんの手札は0枚……。
そして、比企谷君の場には超耐性の<アルティメット・ファルコン>がいる)

雪乃(さらに、<デュラハン>の効果もまだ一回残っている)

雪乃(ここからの逆転はほぼ不可能に近い……)


八幡「由比ヶ浜、お前はよくやったよ。
とても初めてのデュエルとは思えないタクティクスだった」

結衣「……」

八幡「だがそれもここまでだ。
また腕を磨いてから挑戦しに……

結衣「……諦めないよ!」

雪乃「!」

八幡「なんだと……?」

結衣「ヒッキー言ってたじゃん! デッキにはいつも可能性が残ってるって!
……だったら、可能性がある限り、デッキを信じる! あたしは絶対に諦めない!」

雪乃「由比ヶ浜さん……」

八幡「由比ヶ浜……」

八幡(そんなセリフ言った憶えないんだが……)


4ターン目

八幡 LP 2900 手札0枚

場 アルティメット(素材無し)
デュラハン(素材1)


結衣 LP 6500 手札0枚

場 伏せ1枚


結衣「いくよヒッキー! このドローに全てを賭ける! あたしのターン!」

結衣「シャイニング……ドロー!」

結衣(きた! アリガトウ、アタシノデッキ)

結衣「墓地の<スピードリバース>を除外して、効果を発動! 」

結衣「<SRベイゴマックス>を墓地から回収して、そのまま特殊召喚するよ!」

結衣「<ベイゴマックス>の効果を発動して、二体目の<タケトンボーグ>を手札に加える」

結衣「さらに手札から、魔法カード <死者蘇生>を発動! 墓地から<クリスタルウイング>を復活させるよ!」

八幡「くっ、また厄介な奴が……!」


結衣「場に風属性がいるから、手札から<タケトンボーグ>を特殊召喚して、そのまま効果発動!」

結衣「デッキからチューナーモンスター、
<SR三つ目のダイス>を特殊召喚!」

雪乃(これでこのターン、由比ヶ浜さんは風属性しか特殊召喚できなくなった……)

結衣「いくよ!
レベル3の<ベイゴマックス>に、
レベル3の<三つ目のダイス>をチューニング!」

結衣「シンクロ召喚! レベル6、
<スターダスト・チャージ・ウォリアー>!」

結衣「このカードがシンクロ召喚に成功した時、デッキから一枚ドローできる!」ドロ-

結衣(! これならいける……!)


八幡「……いいカードを引いたみたいだな?」

結衣「うん! ……ねえヒッキー?」

八幡「ん? なんだ?」

結衣「もしもさ、このターンであたしが勝ったらどうする?」

八幡「なんだと……??」

結衣「このターンでヒッキーのライフを0にできたら、なんでも一つお願いを聞いてくれる……っていうのはどうかな?」

八幡「お前……この状況が見えてないのか?
逆転だけでも難しいのに、このターンで勝利するなんてありえん」

結衣「じゃあ、それができたらお願いを聞いてくれるんだね?」

八幡「ああ、なんでもやってやるよ!
まあそんなことは不可能だけどな」

雪乃(この男、もう自分からフラグを建てにいってるとしか思えないわ……)


結衣「よーし、絶対だからねヒッキー!」

結衣「あたしは伏せてあった罠カード、<リサイコロ>を発動!」

八幡「最初のターンからずっと温存していたやつか……」

結衣「このカードの効果で、墓地から<三つ目のダイス>を特殊召喚!」

結衣「さらにサイコロを振って、出た目の数が<三つ目のダイス>のレベルになるよ!」

雪乃「なるほど……、賭けに出たわね」

八幡(シンクロするのは、レベル6の<チャージ・ウォリアー>だろう……、
シンクロ先が風属性のみだと考えると、当たりの目が出る確率はかなり低いはず……)


結衣(あたしの狙いは……、1の目!)

結衣「じゃあサイコロ降るね?
いけー! ダイスロール!」コロコロ

八幡(ダイスロールとか久々に聞いたな……)

結衣「出た目は……、やったー! 1の目だ!」

八幡「なんだと……??」

結衣「これで<三つ目のダイス>レベルは1になるよ!」

雪乃「日頃の行いでの差が出てしまったようね、不幸谷君?」

八幡「ぐっ、なにも言い返せねえ……」

八幡(というかこの状況はまずい……!)


結衣「レベル6の<チャージ・ウォリアー>に
レベル1になった<三つ目のダイス>をチューニング!」

結衣「シンクロ召喚!
レベル7、二体目の<クリアウイング・シンクロドラゴン>!」

八幡「またそいつか……!」

結衣「ふふーん、あたしのダブルエースが揃ったよ! これでヒッキーを倒すんだから!」

雪乃(これで<デュラハン>は封じたも同然……、
でも、肝心の<アルティメット・ファルコン>を処理できなければ状況は変わらない……)

雪乃(由比ヶ浜さん、いったいどうするつもりなの?)


結衣「あたしは<SRオハジキット>を通常召喚して、効果を発動!」

結衣「このカードと、自分か相手の墓地のチューナーでシンクロ召喚ができる!」

八幡「なにっ??」

結衣「あたしは墓地の<三つ目のダイス>を選択して特殊召喚!」

結衣「いくよー!
レベル3 <オハジキット>に
レベル3 <三つ目のダイス> をチューニング!」

結衣「シンクロ召喚!
レベル6 <HSR魔剣ダーマ>!」


結衣「<魔剣ダーマ>の効果発動! 墓地から機会族を除外して、500ポイントのダメージを与える」

結衣「そしてその効果を<クリスタルウイング>で破壊して無効にする!」

雪乃「これで<クリスタルウイング>の攻撃力は合計……5200!
比企谷君の<アルティメット・ファルコン>を完全に上回ったわ!」

八幡「バカな?? こんなことが……」


結衣「いくよ! バトル!
<クリスタルウイング>で、<アルティメット・ファルコン>を攻撃!」

八幡「ぐおおぉぉ!!」LP2900→1200

結衣「これでとどめだよ!
<クリアウイング>で、<デュラハン>に攻撃!
”旋風のヘルダイブスラッシャー”!!」

八幡「ぐああぁぁぁぁ!!」LP1200→0

雪乃(比企谷君、あなたはよく闘った……、眠りにつくがいいわ)


結衣「やったー! 勝ったよゆきのーん!」ダキツキ

雪乃「見事な逆転勝利ね、素晴らしかったわ由比ヶ浜さん」

結衣「いやー、最後は結構やばかったけどね、ラッキーだった!」

雪乃「運も実力のうちよ、そこの哀れな男を見てみなさい」

八幡「バカな……?? この俺が、初心者の由比ヶ浜に完敗…だと……??」


結衣「落ち込んでるとこ悪いけどさ、約束は覚えてるよね? ヒッキー?」

八幡「! 」

結衣「なんでも一つ、お願いを聞いてくれるんだったよね?」

八幡「くそっ、デュエリストに二言はない!
煮るなり焼くなり、好きにしろ!」

結衣「そんなことしないよ??
……そうじゃなくてさ、えーと…」

雪乃(ふふ、結局こうなるのね)クス


結衣「これからもあたしとデュエルしよ! ヒッキー!」


すいません、ミスしました
47の後に、↓でお願いします



八幡「ふっ、残念だったな由比ヶ浜」

八幡「そいつらの効果を使って、打点で
<アルティメット・ファルコン>を超えてくるつもりだったんだろうが……」

八幡「俺は<デュラハン>を使わないし、もうお前に効果を使わせる為のモンスターはいない!」

結衣「……」

八幡「まあもし破壊されたとしても、墓地には<スキップフォース>があるし俺の……

結衣「ヒッキー……」

八幡「あん?」

結衣「そ れ は ど う か な?」

八幡(! 既視感??)


これで終了です、お付き合い頂き、ありがとうございました

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2016年06月29日 (水) 05:51:21   ID: Z4ehIQ6L

除外はコズミックじゃない?

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