奈緒「なあ、お父さん」 (59)

モバP「どうした、奈緒」

奈緒「なんで私の仕事にか、かか可愛い恰好のヤツ持ってくるんだ!こういうのは加蓮とかの仕事だろ!」

モバP「なに言ってるんだ、うちの可愛い可愛いなおなおに可愛い仕事を持ってきてるんだぞ?お父さん頑張ってるのに」

奈緒「頑張らなくていい!!可愛い恰好で人前に出るの嫌だって毎回言ってるだろー!?」

モバP「でもなおなおが可愛い恰好したそうだし……」

奈緒「そんな気を使わなくていいだろ!というかなおなおって呼ぶなぁ!!」

モバP「えー、いいじゃん別にー」

奈緒「16にもなって父親からなおなおなんて呼ばれたくないわ!!」

モバP「お父さん悲しい……娘が反抗期だ。この前までパパだったのにお父さん呼びになっちゃったし」

奈緒「それは!……だ、だって、恥ずかしいだろ……」

モバP「なおなおは可愛いなぁ!!」

奈緒「だ、だから呼ぶなって!!」

凛「………」

加蓮「………」

モバP・奈緒「「………はっ!??)」」


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奈緒「ぷ、ぷぷぷプロデューサーさん!ととととと、とにかくあたしに可愛い恰好はあんまり持ってこないでくれよ!」

モバP「おおおおおおお、おおう、ももももちろんだぜ」

奈緒「じゃ、じゃああたしはこれで」

凛「はい奈緒」

加蓮「はーい、こちらへどうぞー」

奈緒(あ、死んだな)

モバP(奈緒、死んだな)

凛「いろいろと聞きたいことがあるんだけど」

加蓮「ねぇ、面白そうなこと話してたじゃん、聞かせてよ」

奈緒(二人とも目が笑ってねぇぇぇぇ)

モバP(奈緒、強く生きるんだ……)

奈緒「な、な、なんだよ?」

加蓮「そうだね、いろいろと聞きたいことがあるんだけど……」

凛「なんでプロデューサーのことお父さんって呼んでたの」

奈緒・モバP(いきなりキタァァァァァァァァ)

奈緒「き、聞き間違いじゃないのか!?あたしがプロデューサーさんのことお父さんなんて、言う訳ないだろ!」

凛「ふーん、そうなんだ……そんなこともあるのかな」

奈緒「あるあるある!ちっとやそっとの聞き間違い、よくあることだ!!」

加蓮「……パパ」

奈緒・モバP「「ぶっ!!??」」

加蓮「奈緒、パパって、何かな」

奈緒「ぱ、パパっていうのはほら……えーっと、あたしがプロデューサーさんにパパスの物まねできるって言ってたところが、そ、そんな感じになったんじゃないかな!」

加蓮「へぇ……じゃあプロデューサー」

モバP「ど、どうした加蓮」

加蓮「パパスの物まね」

モバP「……っえ」

凛「はい、3・2・1、キュー」

モバP「え、え、……ぬ、ぬわぁー」

凛「……」

加蓮「……」

奈緒「……」

加蓮「奈緒、言い訳は?」

奈緒「すんませんでしたぁ!!!!」

訂正

×奈緒「ぱ、パパっていうのはほら……えーっと、あたしがプロデューサーさんにパパスの物まねできるって言ってたところが、そ、そんな感じになったんじゃないかな!」

〇奈緒「ぱ、パパっていうのはほら……えーっと、プロデューサーさんがあたしにパパスの物まねできるって言ってたところが、そ、そんな感じになったんじゃないかな!」


凛「奈緒、どうして謝るの?」

加蓮「そうだよ奈緒、まだ私たち何も言ってないよ?」

奈緒(その目が激烈に物語ってるんだよぉ!!)

モバP「んん!お前たち、そろそろレッスンじゃ」

凛「奈緒のお父さんはちょっと黙ってて」

加蓮「そうそう。奈緒のお父さんには後で質問があるから」

モバP「……はい」

奈緒「えと、その、これにはふかぁい訳があってだな……」

凛「ふーん……」

加蓮「へぇ……」

奈緒「こう、あたしがまだ子供だったころな?両親が共働きでさみしかった時、き、近所に住んでたのがプロデューサーさんでさ。昔からよく面倒見てもらってたんだ!その頃の癖で今でもたまにお父さんって呼んじゃうんだよ!」

加蓮「ダウト」

奈緒「へ!??」

加蓮「奈緒の家にこの前行ったときにお母さんいたじゃん」

奈緒「あ、あれはたまたま休みで」

凛「平日も休日も、訪れたときはいっつもいるって、偶然にしてはすごいね」

奈緒「…………すんませんでしたぁ!!!」

凛「だから奈緒」

加蓮「なんで謝るの?」

奈緒(誰か助けてくれぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!)

加蓮「はい、奈緒」

奈緒「な、なんだよ」

加蓮「このビデオに向かって『今まで黙っていてすいませんでした、わたくし神谷奈緒はプロデューサーのいち娘であり、そのことを誰にも言わずにいたことで精神的優越感に浸りながら仲間のアイドルを裏切っておりました。本当にごめんなさい』って言って」

奈緒「んな!?なんでそんなこと!」

凛「奈緒」

奈緒「っぐ……そもそも優越感なんて」

凛「はい3,2,1、キュー」

奈緒「……今まで黙っていてすいませんでした……わ、わたくし神谷奈緒はプロデューサーの娘であり……これ本当に言わなきゃダメか?」

凛「ダメ」

加蓮「ダメ」

奈緒「うう、だ、誰にも言わずにいたことで、精神的優越感に浸りながら仲間のアイドルを裏切っておりました。本当にごめんなさい」

加蓮「はい撮ったよ」

凛「ごくろうさま加蓮。じゃあ私たちはこれで」

奈緒「ま、待ってくれよ、さっきの何に使うんだよ!」

加蓮「そりゃあ」

凛「グループラインにでも」

奈緒「    」

奈緒「待ってくれ!!それだけは!!それだけはどうか!!!」

加蓮「えー?」

凛「どうして?」

奈緒「ど、どうしてもこうしても、そんなことしたら血祭りになっちゃうだろ!!」

加蓮「それはそれ」

凛「これはこれ、だね」

奈緒「頼むよう……お願いだから……グス、もうやめてくれよぅ……」

加蓮「…………」

凛「……………」

奈緒「グス……ヒック……」

加蓮「……可愛い」

凛「……可愛い」

奈緒「グス……え?」

加蓮「可愛い!」

凛「可愛い!」

奈緒「な、なんだ?」

加蓮「可愛い!!可愛いよ!!!」

凛「あー可愛い!!もう我慢できない」

加蓮・凛「「かーわーいーいー!!!!」」

あ……奈緒は17歳だった
すごいやらかした

奈緒「な、なんなんだ!?」

加蓮「凛、見た?あの涙目!」

凛「うん、見たよ。尊いとはこのことだね」

加蓮「奈緒の涙目は」

凛・加蓮「「尊い」」

凛「あとあの嫌々ながら謝罪させられた表情」

加蓮「うん、あの困り顔の八の字眉毛」

凛「奈緒の八の字眉毛」

凛・加蓮「「尊い」」

奈緒「な、な、なんだぁ!?」

加蓮「いやー、奈緒は可愛い」

凛「奈緒は可愛いね」

凛・加蓮「「奈緒は可愛い!!」」

奈緒「ちょ、ストップ!ストォォップ!!」

奈緒「なんだよ急に!?さっきまでの険悪な空気はどこいったんだよ!」

加蓮「いや?もともと奈緒の可愛さを引き出すための芝居だったし」

奈緒「はぁ!?」

凛「アドリブだったけど、腕を上げたね、加蓮」

加蓮「凛こそ、完璧だったじゃん」

奈緒「アドリブって……じゃあ、たったそれだけのために動画まで撮られたのか!?」

凛「まあ、そうだね」

加蓮「グループラインに挙げるかどうかは今後の奈緒次第ってところかな」

奈緒「け、消せ!今すぐに消してくれ!!こんなこと和久井さんや早苗さんに知られたら殺される!!」

凛「じゃあ奈緒、とりあえず質問に答えてくれたら考えるよ」

奈緒「し、質問?」

凛「うん、質問」

加蓮「はい、奈緒先生!プロデューサーの年齢は?」

奈緒「ぷ、プロデューサーの年齢!??」

加蓮「え、なんでそんなに驚くの」

奈緒(お父さんがめちゃくちゃ首振りながら人差し指立ててる……)

凛「奈緒、言わないの?」

加蓮「言わなきゃラインに」

奈緒「ああわかった!わかったから!!」

奈緒(お父さんがすごい勢いでうなだれてる……)

奈緒「……プロデューサーは、今年41歳だ」

凛「え、そうなの」

加蓮「ほ、ほんとに?あんな20代前半の見た目してて?」

奈緒「お、おう、そうだぞ」

凛「じゃあ奈緒はプロデューサーが24歳の時に出来た子なんだね」

奈緒「……なぜかはわからないけど、友達にそういうこと言われるのって嫌だな……」

加蓮「私たちがプロデューサーの年齢は26歳だろうと予想を立ててた中、心の中でほくそえんでたんだ」

凛「『あたしはもっと上だと思うけどな……』とか言ってたね」

奈緒「なんでそうなるんだよ!?」

加蓮「はい、次の質問!」

奈緒「まだ続くのか!?」

加蓮「奈緒って、どういう経緯で父親のプロデュース受けてるの?」

奈緒「げぇ!?」

凛「え、そんなに驚くの?」

奈緒「ぜ、ぜんぜん驚いてないぜ?」

奈緒(や、やばい、こればっかりは答えたくない……)

奈緒「えっとだな!高校入学したときに部活みたいな感じで、あーっと、さらっとだな、オーディションを受けたんだ!」

加蓮「嘘ついてそうだからラインに挙げるね」

奈緒「あー!!わかった!わかったから!!」

凛「奈緒は全然演技力上がらないね」

加蓮「素直な奈緒可愛い」

奈緒(ちくしょー!!)

奈緒「その、子どもの時から……」

加蓮「ん?」

奈緒「子どもの時から、ずっとお父、プロデューサーからプロデュースされてた」

凛「え?」

奈緒「だ、だから!生まれたときから事務所に所属してたんだ!!」

加蓮「え、ほんと?」

奈緒「う、嘘じゃないぞ!だからラインに挙げないでくれよな!」

凛「ほ、本当みたいだね……」

加蓮「じゃあもしかして……」

凛「奈緒さん?」

加蓮「いや、芸歴17年なんだからもっと敬わないと」

奈緒「いやいやいや!そんなところ気にしなくていいから!」

凛「奈緒殿?」

加蓮「ちょっと古いね」

凛「じゃあ奈緒様」

加蓮「いいね」

奈緒「よくない!!いつも通りでいいだろ!」

凛「でも芸歴は命より重いって泰葉……先輩が」

奈緒「前まで泰葉に先輩つけてなかっただろ!何されたんだよ!」

加蓮「でも、泰葉……先輩よりも奈緒の方が芸歴長いんだから、必然的に泰葉……先輩よりかも上の敬称がないと」

奈緒「いらない!というか泰葉にいったい何されたんだよ!」

凛「プロデューサー、奈緒の活動記録は?」

モバP「あるぞ」

凛「全部PDFで送ってきて」

モバP「ああいいぞ」

奈緒「そこぉ!!なにしてるんだよ!!」

凛「はい、奈緒様」

奈緒「だぁーーーーーーー!!もーーーーーー!!!」

奈緒「とにかく!!いつも通りでいること!!!」

加蓮「はい、奈緒様……奈緒」

凛「奈緒さ……奈緒」

奈緒「ぶっちゃけわざとだろ!!」

凛「そりゃあね」

加蓮「いちいち反応してくれるからいいよね」

凛「可愛い」

加蓮「可愛い」

奈緒「うるさいうるさい!可愛いって言うな!」

加蓮「はい、奈緒様」

凛「奈緒様」

奈緒(くっ、反応したら負けだ……)

加蓮「奈緒様!」

凛「奈緒様!」

加蓮「なおなお!!」

凛「なおなお!!」

奈緒「なおなお言うな!!!」

加蓮「いやーしかし、なんでプロデューサーさんが奈緒のお父さんって黙ってたの?」

奈緒「それは……お父さんが口止めしてたっていうのもあるけど……」

凛「けど?」

奈緒「なんていうか、その……贔屓だと思われたくなくて……」

加蓮「なおなお……」

凛「なおなお……」

奈緒「湿っぽい感じで言っても駄目だからな?」

加蓮「プロデューサーさん、実際のところ贔屓したでしょ」

モバP「めっちゃした」

奈緒「お父さん!!???贔屓しないって言ってたじゃん」

モバP「しないようにしたんだけど」

凛「一応しないようにはしてたんだね」

モバP「プロデュース初めて三か月であきらめた」

奈緒「あたしまだ赤ん坊!!」

加蓮「まあ奈緒は可愛いし、特に贔屓とかではないと思うけどね」

凛「たしかにそうだね、奈緒の可愛さは天地創造を超えるから」

奈緒「ずいぶんオーバーだな!」

モバP「これ奈緒が七歳の時のオーディション」

加蓮「なんでむくれてるの?」

モバP「可愛い恰好が気に食わなかったらしい」

凛「でもうれしそうだね」

奈緒「なにナチュラルにアルバム引っ張ってきてるんだお父さん!!」

凛「後でZIPでちょうだい」

モバP「もちろんだ」

奈緒「やらなくていいから!!見なくていいから!!!もう!こうなるから嫌だったのに!!」

加蓮「奈緒の成長記録だよ?四肢が引き裂かれてでも見ないと」

奈緒「だからオーバー!」

凛「そんなに嫌なら芸歴17年の力で押さえつければ……ねえ?」

奈緒「ねえ?じゃない!!そんな力あるか!!」

加蓮「じゃあラインにでもあげよっかなー」

奈緒「なんでだよ!さっきまで割と好き放題やらせてただろ!」

加蓮「芸歴に力がないならなおなおを恐れる必要がないからね!」

奈緒「あーもう!!わかった!!!芸歴17年!だからやめろ!!これでいいだろ!」




泰葉「…………え…………」

凛・奈緒・加蓮「「「あ」」」

一応終わりです
奈緒のお父さんになりたいだけの人生だった
気が向いたら別のアイドルのお父さんになるかもしれません

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