少年「クラリネット壊しちゃった」仗助「直してやるよ」 (32)

少年「ど、どうしよう~ッ!」

少年「ぼくの大好きな『クラリネット』を……パパからもらった『クラリネット』を……」

少年「壊しちゃったァ―――――ッ!!!」





仗助「……ん?」

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罠だァーーー!!直すなアーーーーーーーッ!!!

仗助「おめー……どうしたんだよ?」

少年「ハッ!」

少年(この人……高校生かな?)

少年(もしかしたら『バンド』かなにかやってるかもって感じではあるけど……)

少年(とてもじゃあないけど楽器を『修復』できるようには見えない……)

少年(でもいいや……「ダメ元」で話してみよう……)

脳内再生余裕

少年「実は……ぼくのクラリネットが壊れちゃったんです」

仗助「壊れたぁ~? どういう風にだよ」

少年「壊れて出ない音があるんです」

仗助「どの音が出ねーんだ?」

少年「『ド』と『レ』と『ミ』と『ファ』と『ソ』と『ラ』と『シ』の音が出ないんです」

仗助「全部じゃあねーかよ……」

少年「今朝、枕元にパパからの手紙と一緒にこれが置いてあったんだけど……」

少年「あまりの嬉しさに、誕生日ケーキのなかなか消えないローソクの火を吹き消すように吹きまくってたら」

少年「壊れちゃったんです……」

仗助「ふぅ~~~ん、なるほど……『父親からのプレゼント』ってことか」

少年「せっかくパパからもらったのに……」

仗助「いいぜ! だったらオレが直してやるよ」

少年「えッ!?」

少年「『直す』ってどうやって? もしかしてお兄さん『楽器職人』だったりするんですか?」

仗助「いや、そんなんじゃあねーけどよぉ~……」

仗助「『クレイジー・ダイヤモンド』!」ズオン

少年「?」

仗助「この『クラリネット』を……直す!」ズギュン

少年「?」

少年「……あれッ!?」

少年「ぼくの大好きな『クラリネット』が……変形していくッ!」

少年「す、すごいッ! 本当に直っていくぞッ!」

仗助「いや……待て……こりゃあ、なにかおかしいッ……!」





グニュルグニュルグニュルグニュルグニュル…

グニュグニュグニュグニュグニュ…

少年「えッ!?」

グニュグニュグニュグニュグニュ…

少年「えええッ!?」

グニュグニュグニュグニュグニュ…

少年「こっ、これはッ! これはまさかッ!」

グニュグニュグニュグニュグニュ…

少年「『クラリネット』が――」

すごく続き気になるw

少年「『パパ』になったァ―――――ッ!!!」







父「…………」


バァ―――ン!!!

ファッ!?

父「これはこれは……驚きだ」

父「まさか……この私の『能力』を……」

父「『解除』できる者がいるなんてね……」

┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨





少年「ああああああああああ~~~ッ!」

仗助「マジかよぉ~~~ッ! ……あの『クラリネット』は『父親』が化けたものだったのかッ!」

仗助「まさか、あんた……『スタンド使い』かッ! 『能力』を持ったッ……!」

父「そう、そのとおり……」

父「私はどんな『楽器』にも姿を変えることができる……」

父「『ピアノ』だろーが『エレキギター』だろーが『シンセサイザー』だろーがなんだろーがね」

父「もちろん『打楽器』になることもできるが……あんなものになるもんじゃあないね」

父「変身中は痛みを感じないが、他人に叩かれるってのはやっぱりいい気分じゃあないからね……」

仗助(この能力……本体とスタンドが一体化してるタイプってやつかよぉ~……)

仗助(能力自体は、未起隆の能力を『楽器に特化させたバージョン』って感じだなぁ~?)

仗助(ま、あいつは『スタンド使い』なのかなんなのかよく分かんねーけどよぉ~~~~~)

バイオリンの弦で首切りそう

少年「パパッ! どうしてッ!? どうして『クラリネット』なんかに変身してたの!?」

仗助「そうだぜ! いったいなんの目的があって、あんなことをッ!」

父「目的……? そんなもの、決まってるじゃあないか……」

┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨





父「お前にねだられたからだよ」

少年「ハッ!」

父「お前に『クラリネット』をねだられた時……私は本当に嬉しかったッ!」

父「私と同じく、お前もまた楽器や演奏が好きな子供になってくれたのだと」

父「しかし……さっそく近所の『ヤマハのショップ』に行ってクラリネットの値段を調べると……」

父「とてもじゃあないが、私の「安月給」で手が出るシロモノではなかった……」

父「かといって安物で済ますようなマネもしたくなかった……」

父「だから久しぶりに自分の『能力』を使ってお前にプレゼントすることにしたんだ」

仗助「そうだったんスか~……じゃあ純粋に自分の子供のために……」

少年「パパ……ぼくのおねだりに応えるために……」

少年「あ、そうだ! だったら『クラリネット』の音が急に出なくなったのはどうして!?」

父「それはおそらく……私も『能力』を使うのは本当に久しぶりだったし……」

父「私の持つ能力を操る『パワー』が、「ガス欠」を起こしてしまったのだろう……」

父「全ての音が出なくなってしまうとは……とんだポンコツクラリネットだ……」

仗助はこういう時そっと治すよ
ソースはthebook

父「愛する我が子に満足に『プレゼント』することもできないなんて……まったく情けない父親だよ」

父「見知らぬ高校生君、お騒がせしてすまない。どうか私のことは笑い飛ばしてくれ……」

仗助「いや、そんなことねーっスよ。グレートっスよ」

父「え……」

仗助「子供のために『変身』してでも楽器をプレゼントするなんて、見上げた親心じゃあないスか」

仗助「どっかのじじいにも見習わせてやりてーくれーっス」ニッ

父「……ありがとう」

少年「パパッ!」ダッ

父「!」

少年「パパ……ステキなプレゼントをどうもありがとうッ!」

父「感謝してくれるのか……この私に」

少年「もちろんだよ、パパ!」

少年「だけど吹いてみて分かったよ……ぼくにはクラリネットはまだ難しすぎるって!」

少年「もうしばらくは学校の授業で使ってる『リコーダー』で練習するよ!」

父「そうか……いつの日か『本物のクラリネット』買ってやるからなッ!」

少年「うんっ!」

>>19
小説版は賛否両論が多いから例に挙げない方がいいよ

父「じゃあ私たちはこれで……」ペコッ

少年「お兄さん、どうもありがとう!」

仗助「おう!」

仗助「……あぁ、そうだ」

仗助「おめー……親父さんが『スタンド使い』だったってことは」

仗助「もしかしたらお前もいつか『スタンド』に目覚める可能性がある」

仗助「もし妙な『能力』に目覚めたら、オレに相談しな。オレは東方仗助ってんだ」

少年「うん、分かった! ありがとう、仗助さん!」

仗助(道草こいてたら奇妙な父子に出会っちまった)

仗助(この杜王町にはまだまだスタンド使いがいるのかもしれねえなぁ~~~)

仗助(だけどちょっと待てよ?)

仗助(クラリネットってようするに『笛』だよなぁ~?)

仗助(っつうことは、あの子供はずっと父親に『キス』してたってことになんのか……グレート)







< TO BE CONTINUED… >

父親のスタンド『オーパッキャマラド』…本体と一体化しているスタンド。楽器に変身することができる。

なんか楽しめた乙

ほのぼのした。乙



>>22
thebookですらそうなのか、普通に名作なのに
日記と自分の宣伝があれなのは知ってる


個人的にはスタンドじゃなくて「岸辺露伴はグッチに行く」のバックみたいなものでもよかったと思う
特別なクラリネットとか

乙、面白かった

おもろかった

なかなかグレートですよ

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