μ's VS Wake Up,Girls! (91)


【諸注意】


・ラブライブ!及びWake Up,Girls!のネタバレを含んでいます。まだ観ておらず、先の展開を知りたくない方はお引き返しください。


・実況や演出のノリは海外のプロレス団体WWEを意識していますので、ご存知の方はWWEの光景を思い浮かべていただくとわかりやすいと思います。でもするのはライブ対決です。


・今回、μ'sはヒール(悪役)ポジションです。演出とはいえμ'sが悪行をするのに耐えられないという方はお引き返しください。


・当事者からしたら洒落にならない悲劇を2件ほどネタにしています。御了承ください。


・劇中の過激な行為は、決して真似しないでください。Don't try this at home.




SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1466079683


-last week-









Wake Up,Girls!



Wake Up,Girls!



『WUGのコンサートもクライマックス!一体どのような締め括りになるのでしょうか?』


実波「みんなー!今日はありがとうー!この会場の………あ、あれ…?」


『…おい、どうしたんだ?』


『何やら様子が変ですよ』


『実波のマイクから音声が出ない!何が起こってる!?』


『機材トラブルでしょうか?ちょっと!あれを見て!』



会場のゲートには、μ'sの姿が。



彼女達は、邪悪な笑みを浮かべている。


『μ'sです!解散したはずのμ'sが何故ここに!?』


『まさかμ'sがやったというのか!?』


『あの顔を見てください!間違い無さそうですよ!』


穂乃果「いくよ!LOVELESS WORLD!」



~LOVELESS WORLD~
作詞 畑亜貴/作曲 山田高弘



『μ'sが勝手にライブを始めました!しかしファンは大盛り上がり!これはWUGのライブなのに!』


『いきなりLOVELESS WORLDがきたら、ノってしまうのも無理はない。WUGはどうなる!?』


『μ'sにライブを乗っ取られました!』



μ'sに場所を奪われたWUG。



真っ先に泣き崩れたのは、真夢だった。



真夢「こんなのって、ないよぉ……っ!」


藍里「まゆしぃ…」
  

-6 days ago-



ライブの翌日、ゴールデンタイムの番組でμ'sがゲストとして呼ばれていた。



スタジオにはμ'sのメンバーが集まっており、テーブルに"穂むら"印の和菓子の箱が置かれている。



穂乃果「昨日から色々な人達から言われるの。『何故?μ's、何故?』って。だから私は言ったんだよ。


だって、可能性感じないもん。


私達がすっごく悩んでμ's解散を決めたのに、WUGみたいな実力もないアイドルが平気で活動してる。それって、失礼じゃないかな?」


ことり「ファンのみんなの反応を見たら明らかだよね。私達はWUGに酷いことをした。でもみんな、盛り上がってくれたよ?」


海未「ファンは正直ですね。あんなことをしてもμ'sを否定することができないのですから。WUGでは、彼らを満たせないのですよ」


『酷い話だが、μ's復活を喜ばない奴がいるか?』


『いません。だから受け入れられているのでしょう』


穂乃果「それでμ'sは帰ってきたんだよ。実力のないアイドルにアイドルを名乗らせないために。

昨日のはμ'sにとって、新しい一歩に過ぎないの。
でもインパクトはあったし、みんなも喜んでくれたよね?だから昨日の祝賀会と、これからの門出に……私の実家の和菓子でパーティーをしようと思ってこれを用意し…!」



穂乃果が和菓子の箱を開けると…。



穂乃果「……!?」



中には、仙台ゆべしが詰まっていた!



『仙台の名産品です!』


『穂乃果の顔を見ろ!あれはμ'sが用意した菓子じゃないぞ!』


『仙台といえば彼女達しかいません!』





顔をあげた穂乃果の視線の先。



そこには、スタジオの扉を蹴破って現れたWUGの姿が!



にこ「ちょっと!?何よあんた達!」


真夢「こんにちは!私達!」


WUG「Wake Up,Girls!です!」


実波「よっぴー!」


佳乃「うん!聴いてください!タチアガレ!」



~タチアガレ!~
作詞 辛矢凡/作曲 神前暁



唖然としているμ'sを置き去りにし、お茶の間でWUGのライブが始まった。



その光景は昨晩に続き、ネットでも大盛り上がりを見せたという。

真夢「……」



歌い終え、μ'sを睨みつけるWUG。



穂乃果「ワクワクガールズさんが、何の用かな?これはμ'sの為に組んで貰った番組なんだよね」


佳乃「っ…Wake Up,Girls!!!!」


真姫「どっちでもいいわよそんなの。邪魔しないでくれる?迷惑だから」


夏夜「はあ?先に邪魔したのはそっちじゃん。馬鹿にしてんの?」


海未「馬鹿にもしますよ。あなた達、こんなことをしていいと思ってるんですか?」


菜々美「大丈夫よ。うちのマネージャーが責任取ってくれるから」


実波「え?そうなの?」














松田「うぃぃぃ!?」














穂乃果「…ねぇ、ド田舎アイドルが国際的スクールアイドルのμ'sに勝てるって言うのかな?」



ことりが一歩前に出て、Wake Up,Girls!を威圧する…。



だが、対峙するように未夕も前に踏み出す!



『見ろ!人気メイド対決だ!』

『伝説のメイドであるミナリンスキーを前にして、未夕は全く怯みません!』





緊迫した空気。



それを破るようにして現れたのは、丹下社長だった。



丹下「そこまでよ小娘達!子供だけで勝手なことしないで貰えるかしら!」


佳乃「しゃ、社長…」


凛「なんか変なオバサン出てきたにゃー」


丹下「誰がオバサンじゃいグォルァァッ!!!」


夏夜「でも社長!コイツらは私達のライブを潰したんだよ!」


丹下「わかってるわ。争うのは大いに結構。でもね、舞台はここじゃない。見なさい!あの恵美子さんが放置されてるじゃない!」


全員(これえみちゃんねるだったの!?)


丹下「あなた達のどちらが優れているか。ちゃんとした舞台で決着をつけなさい。Animelo Summer Slam!ライブ形式は、エリミネーション・チーム・ライブよ!」


藍里「エリミネーション…」


絵里「チーム・ライブ…」

ことり「って何?」


花陽「えええええ!?知らないんですか!?アイドルにとって伝統あるライブ形式ですよ!」


海未「そ、そうなんですか?」


花陽「互いのグループのアイドルが同時にライブをし、様々な理由で歌唱を継続できなくなった者から退場していくというライブ形式です!しかも誰かが抜ける度に歌のパートや立ち位置に対して臨機応変に対応しなくてはならないという、恐怖のライブ形式なんですよ!」


希「最後に残った者のグループが勝利ってわけやね」


花陽「ちなみに最初に行われたエリミネーション・チーム・ライブでA-RISEが某48アイドル全員を相手に勝利したのは伝説となっています」


全員(A-RISE凄ぇ!)


花陽「そのときの終盤に、英玲奈さんが目を血走らせながら叫んだ『来いやァッ!』は有名です。その場面が映ってる動画は削除されてますけど」


実波「ま、待って。それじゃあWUGが人数の差で不利なんじゃ…」


穂乃果「ふーん、人数差で負けてるのを言い訳にしたいんだ?不安ならにこちゃ…誰か一人μ'sから送ろうか?」


真夢「要らない」


にこ「ちょっと!なんで今アタシの名前出そうとした!?」


丹下「決まりね。WUGか、μ'sか。Animelo Summer Slamで最高のアイドルの座を争う勝負よ!もちろん、ここまで好き勝手やってくれたんだから逃げたりしないわよねぇμ's?」


希「逃げるつもりはあらへんよ。上等やん」


菜々美「キレイキレイだかビオレだか知らないけど、アンタ達なんかに負けないから」


凛「μ'sだにゃ!」



睨み合うμ'sとWake Up,Girls!と、上沼恵美子。



彼女達を映しながら、カメラがフェードアウトしていく…。














実波「あ、忘れてた!」


ぱくっ


実波「仙台ゆべし、うんめーにゃー!」




災厄に抗い、希望を運ぶ少女達。



佳乃「国際的スクールアイドル?μ'sが?」


実波「おばあちゃんのためにも、戦うって決めたから」


夏夜「劣化版KISSって呼ぶよ?」


菜々美「μ's倒すのも、光塚へのステップアップぐらいにはなるよね」


未夕「みゆのウイルスでμ'sも崩壊させちゃいますー!」


藍里「私の存在、忘れられなくしてみせる…!」





滅びを栄光に変えた、女神達。



ことり「笑顔を忘れなくても駄目♪」


海未「自分達が既に負けているのにも気づかないなんて、鈍いのですね」


真姫「何それ?意味わかんない」


凛「やっつけるにゃー!」


希「カードがうちに告げるんや。WUGに未来はないて」


にこ「宇宙NO.1アイドルにひれ伏しなさい!」


絵里「WUGの存在、認められないわ」


花陽「アイドルは残酷な格差社会でもありますから、WUGが消えるのもしょうがないんじゃ…」



立ち上がれ。



真夢「幸せに色んな形があったとしても、あなた達だけは絶対に幸せにしない!」



明日へと進め。



穂乃果「学校のためとか、ラブライブのためとかじゃなく、私、嫌いなの!WUGが!」














アイドルは戦争。






WWEじゃない何かが贈るエンターテイメント、Animelo Summer Slam。



テーマ曲
The Escapist/Nightwish

https://www.youtube.com/watch?v=7z_vEuA3IK8



バン!ババン!ボンババンボーーーン!!!



盛大に花火が上がり、Animelo Summer Slamの開催が告げられる!



キング「マディソン・スクエア・ガーデンへようこそ!今夜の会場は18000人以上の観客で、完全にフルハウスだ!実況解説はキングと!」


JR「JRです。私達のことを知りたければURL先をご覧ください」



https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%A9%E3%83%BC

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%A0%E3%83%BB%E3%83%AD%E3%82%B9



JR「今夜は様々なカードが目白押しですが、キングのイチオシカードは?」


キング「もちろん、μ's VS WUGだ!俺は物販コーナーにも並んだんだが、彼女達のグッズは買えなくてな。代わりにシェイマスのシャツを買ったぞ」


JR「あ、シェイマスいたんですねこの大会」


キング「急いでてSサイズを買っちまった」


JR「皆様、シャツの購入の際はサイズをご確認ください」


キング「μ's VS WUGについて話そう。WUGはアイドルの祭典で1度目は敗れ、2度目に優勝したご当地アイドル。対してμ'sはラブライブで1度は棄権し、2度目に優勝したスクールアイドルだ」


JR「さらに掘り下げましょう。WUGもμ'sも、結成当初はほとんど観客がいなかったという共通点があります」


キング「似た者同士だ。だが今は人気だぞ」


JR「それでもμ'sは海外メディアでも取り上げられ、国内でもファンに集まられて動けなくなるほどの人気を得ました」


キング「甲乙をつけたくはない。だが、ややμ'sの方が人気に思えるな」


JR「今夜また1つ、人気が増減するのでしょう」



マディソンスクエアガーデン、一般列。


太田「アメリカはWUGちゃんにとって未知の場所だろう。だがしかぁーっし!!!僅かな不安も吹き飛ばすつもりで、我々は声援を届けるぞぉーっ!!!」


わぐらぶ「おぃーっす!!!」


屋沢「ん?あれは?」



わぐらぶのすぐ近くに、日本人の夫婦と見られる二人がいた。



城本「見たところμ'sのファンのようですが、サイリウムを持っていないみたいです!」


太田「ライバルのファンとはいえ、アイドルを応援する気持ちは同じ。予備のサイリウムをお渡しするのだ!」


わぐらぶ「おぃーっす!!!」


浅津「あのー。これ、使います?」


穂乃果ママ「ご心配なく…」


じゃん!


穂乃果ママ「ありますから!」

~WUG控え室~


丹下「さあ!ついに来たわよアンタ達!ここで勝てば間違いなくWUGには色々なところからオファーが殺到するわ!いいとこ見せなさい!」


松田「社長、またそういうこと言う…」


丹下「言っとくけど、このライブで赤字になったら本当に松田に責任取って貰うからね!」


松田「マジで言ってんスか!?」


丹下「大マジに決まってんでしょーが!他に誰が取るっていうのよ!」


松田「社長が取ってくださいよ!」


ぎゃーぎゃー!


藍里「μ's…やっぱり強敵だよね」


未夕「実際、私達の目標の紅白出ちゃったぐらいですしね」


佳乃「だけど私達だって負けてないと思う。それに、あんなことをする人達には絶対に負けられないから」


真夢「そうだね…ここで負けるなんて、ありえない!」



実波「じゃあ松田さん!何かアドバイスください!」


松田「え、俺!?」


菜々美「基本無能なんだから、こんなときぐらい決めてよ」


松田「はっきり無能って言われた!」


丹下「ちゃんとしなさいよ!アンタの言葉が勝負を左右するんだから」


松田「めっちゃ責任重大!?」


WUG「じー………」


松田「……あ」


WUG「あ?」


松田「あ…あるもの…全てを…」



………………………………………………………………………………………………………。



藍里「え、えっと…え?」


夏夜「深町って呼ぶよ?」


未夕「いつから私達は烈海王になったんですか~!」


松田「あ、そっち方面もわかるんだ」


未夕「はい!お店でさくらんぼキッス歌うときも『突き突き』って替え歌しながらやってました!」


全員(濃い!)


真夢「よっぴー、仕切り直せる?」


佳乃「この空気から、やだな…」


松田「なんか申し訳ない!」



部屋の中心に集まり、円陣を組むWUG。



その間に松田は丹下社長に引っ張られながら追い出されていく。



佳乃「みんな、これはチャンスだよ。ここで勝てたら、アメリカでもWUGの名を広めることができる。でもその前に……WUGの誇りを守るために!絶対に勝とう!」


WUG「うん!!!」


佳乃「いくぞ!」


夏夜「がんばっぺ!」


WUG「Wake Up,Girls!」


~μ's控え室~



神妙な面持ちで、μ'sのメンバーが待機している。



穂乃果「……」


ぎゅっ


穂乃果「ことりちゃん…」


ことり「穂乃果ちゃん、緊張してるの?」


穂乃果「あ、あはは…やっぱり会場が大きいし、アメリカだからかな。ことりちゃんは緊張しないの?」


ことり「してるよ。でも、μ'sのみんなが一緒だって思えば頑張れるから」


穂乃果「……そうだよね」



そのとき、扉がノックされる。



コンッ、コンッ


絵里「誰かしら?出番にはまだ早い気がするけど…」


花陽「あ、開けるね?」


ガチャ



ツバサ「お久し振り。元気してる?」


穂乃果「ツ、ツバサさん!」


あんじゅ「あれ?緊張してた感じ?てっきり焼肉してるぐらいだと思ってたのに」


海未「どれだけ緊張感ないんですか…しかも何故焼肉…」


英玲奈「しかし、なんだ。なかなか凶悪なことをするというか…凄いな。正直あまり真似したくはないが」


穂乃果「……μ'sにも、譲れないものがありますから」


英玲奈「ふっ……そうか。なら私はこれ以上何も言わないとしよう」


穂乃果「……」


英玲奈「どうかしたか?」


穂乃果(来いやァッ…)





ツバサ「どう?WUGは?」


にこ「ふん!どうってことないわよ、あんな連中!」


ツバサ「…知名度の低さ、理不尽な裏切り」


花陽「ツバサさん?」


ツバサ「彼女達も、厳しい現実を乗り越えてきたアイドルよ。決して侮らない方がいいわ」


あんじゅ「赤味噌オールスターズに負けたことあったけどねー」


ドシュッ!!!


あんじゅ「ぐぴっ!」



失言をしたあんじゅは、英玲奈の鋭いローキックを食らい、動かなくなった。



海未「相手が誰であろうと、μ'sは全力で歌うだけ。そうでしょう、穂乃果」


穂乃果「海未ちゃんの言う通りだよ」




μ'sのメンバーは円陣を組み、手を重ね合わせた。



その間にツバサと英玲奈はあんじゅを立たせ、邪魔にならない場所へと移動している。



穂乃果「今までで一番大きな舞台だけど、アメリカでライブをするのは初めてじゃない。みんな、いけるよ!1!」


ことり「2!」


海未「3!」


真姫「4!」


凛「5!」


花陽「6!」


にこ「7!」


希「8!」


絵里「9!」


穂乃果「μ's!!!」


μ's「ミュージック、スタート!!!!」





『Let's go μ's!』

『Wake Up,Girls!』

『Let's go μ's!』

『Wake Up,Girls!』


JR「ライブが始まる前から、ファンがチャント合戦をしています」


キング「どちらも大歓声だ。だがライブの方はμ'sに比べて人数が二人少ないWUGが不利だぞ」


JR「エリミネーション・チーム・ライブ形式が取られました。ですが圧倒的な人数差を覆して勝利した前例もあります」






~タチアガレ!~
作詞 辛矢凡/作曲 神前暁



JR「まずはWUGが入場!WUGナー達が会場を緑に染め上げます!」


キング「サイリウムが会場で輝いている!ワイアットの入場よりも美しいぞ!」


太田「海外の同士達がこんなにも…!」


城本「WUGちゃんを応援していてよかったぁぁぁぁぁぁ!!!!」


真夢「凄い、こんなに…!」


藍里「行こう!まゆしぃ!みんな待ってる!」


真夢「うん!」


未夕「凄い!こんな光景、メイド in 仙台でも見たことないです!」


菜々美「いや…そりゃないでしょうよ」


実波「おばあちゃん!見てくれてるかな!?」


夏夜「国内で地上波放送もするって告知されてたから、きっと見てくれてるよ」


佳乃「アメリカの皆さん!こんばんWUG~!」


『こんばんWUG~!!!』


キング「世界よ!これがWUGだ!」


JR「大人気です!」




キング「ステージ上に上がったぞ!待ち構えるが、相手はラブライブ優勝者にしてアメリカでのライブも経験しているμ'sだ」


佳乃「……」


菜々美「いよいよ、だね」



~それは僕たちの奇跡~
作詞 畑亜貴/作曲 森慎太郎



『Yeahhhhhhh!!!』


『9人目はここにいるよー!!!』


キング「やっぱり大歓声だ!μ'sの人気は違うぞ!」


JR「異様に声量のある観客が何か叫んでいました」


キング「μ'sは既に9人だ。あの観客は何を言っている?それにしても、μ'sの人気はWUG以上だな」


JR「いえ、待ってください。本当にそうでしょうか?」


未夕「これって…」


藍里「μ'sへの声援、私達とあんまり変わらないね」


菜々美「なーんだ。μ'sも噂ほどじゃないじゃん。いや、私達の人気が上がった証拠かな?」


真夢「違うよ」


菜々美「え?」


真夢「これはμ'sが私達へ悪どい言動をしたというドラマがあったからこそ。μ'sの実力と人気は、この歓声の大きさでは計れないと思う」


絵里「やっぱりあの出来事で、WUGにファンが少し移ったみたいね」


にこ「ならアタシが呼び戻してあげるわよ」


絵里「え?」


にこ「みんなー!一緒にー!」


キング「出るぞJR!叫ぶ準備をするんだ!」


JR「わかりましたよ」


にこ「にっこにっこにー!」


『にっこにっこにー!!!』



にこのこのアピールだけで、μ'sへの声援が一気に増す!



菜々美「うわ、すごっ」


未夕「これがμ's…」


にこ「ふふん、どんなもんよ」


佳乃「こうなったら、かやたん!脱いで!リーダー命令!」


夏夜「なんでよ!?」


佳乃「一番スタイルいいんだから!ファンを取り戻そう!」


『HAHAHAHA!』


佳乃「あ」


キング「今のやり取りでWUGへまた声援が送られたぞ」


JR「で、かやたんは脱がないんですか?」


キング「……JR、お前意外と欲望に忠実だな」


穂乃果「こ、こうなったら…」


ことり「いいよ穂乃果ちゃん。早く行こう。もう時間がないよ」


海未「ことりの言う通りです。私達はステージ上で競い合えばいいのですから」


穂乃果「…それもそうだよね。ところでことりちゃん、時間がないって何?」


ことり「え」


海未「そうですよ。ライブ形式のこともあり、時間はあまり気にしなくていいと思いますが」


ことり「ナ、ナンデモナイヨー?」


穂乃果「?」




JR「今、μ'sもステージに上がりました」


キング「え?同じステージで同時にやるのか?」


JR「やるんです」



ステージに上がり、それぞれの位置につく両グループ。



穂乃果「言っておくけど、私達は全力で潰しにかかるよ」


真夢「その言葉、もう言われたことあるから」


緊迫した空気の中、ステージセンターの床下がせり上がってきた。



そこには白木が立っている。



白木「皆様、ようこそ御越しくださいました。I-1club、ゼネラルマネージャーの白木です。先程のスコット・スタイナーとモルデカイのラストマン・スタンディング戦は皆様さぞかし盛り上がっていただけたことでしょう」


キング「何だそのクソカードは」


白木「これから二つのアイドルグループが互いの歌を、踊りを、絆を、人気を競い合いますが、勝者が得るものは大きく、敗者が失うものもまた大きい。

ですが私は、この戦いをいつか必ず訪れる新しい希望への起爆剤になると考えています。

皆様は、モントリオール事件をご存じでしょうか。
プロレス団体WWFがライバル団体WCWに対抗するため、己の路線を大人向けの過激で下劣な内容に変更しようしたことがありました。
プロレスは健全であるべきとそれに反発した当時のWWFトップスーパースター、ブレット・ハートが受けた悲劇、それがモントリオール事件です。

段々と経営難に陥ったWWFは、高額なギャラのかかるトップスーパースターである3人、ショーン・マイケルズ、アンダーテイカー、そしてブレット・ハートのうち誰かを解雇せねばならなくなりました。
そう、選ばれたのはWWFのやり方に反発していたブレット・ハートだったのです。

ブレット・ハートは当時王座を所持していましたが、団体を去るものは王座を手放さなくてはならない。
しかし最後の試合を最愛の地元で行うことになったブレット・ハートは負けを拒否しました。そこで団体がブレット・ハートに示した妥協案が…」


凛「歌うにゃー!」


花陽「ちょ、凛ちゃん!?」



~Love wing bell~
作詞 畑亜貴/作曲 森慎太郎



凛「あーこーがーれの瞬ー間をー♪」


ドドドドドド!!!


凛「へ?」


JR「まだ始まっていないのに歌い始めた凛を、スタッフが数人がかりで止めます!」


キング「そこまでせんでも」


凛「だって話長すぎるにゃーーー!」



星空凛



退場



『Boooooooo!!!』



JR「凛が反則裁定で退場になりました!」


キング「まだ歌ってないのに!ファンは大怒りだ!」


JR「ちょっと歌ってましたよ?」


キング「あれを歌ったと呼ぶのかお前は」


白木「あの子、アホですか?」


真姫「否定できないのよね…」


白木「故に、私はこの勝負に期待しているのです」


キング「モントリオール事件の話どうなった!?」


白木「では、これよりエリミネーション・チーム・ライブを開始します。ルールは簡単。両グループが同時にライブを始め、歌唱が途絶えたり続行できなくなったりした者から退場していき、最後に残った者のグループが勝者となるのです。

μ's、Wake Up,Girls!、両者の健闘を祈っています。それでは、始めてください!」




花陽「ど、どうしよう!凛ちゃんが…!」


にこ「慌てんじゃないわよ!凛の続きは私達がやるのよ!」


絵里「そうね。今大事なのは私達が歌うことだけ!」



だーからねーあげるよ元気ー♪



にこ「あ、あれ?え?」


希「にこっち!?」


にこ「マイクの音声が……ま、まさか!」


佳乃「私はズルい人が嫌いだし、ズルいことも嫌い」


にこ「!」


佳乃「でもやられたらやり返す。一回だけね!」


JR「にこのマイクから音声が出ません!」


キング「佳乃の顔を見ろ!あいつめ、細工されたのをやり返したみたいだぞ!」


にこ「アンタら!覚えてなさいよ!」



矢澤にこ



退場




真夢「人数の不利はなくなったよ!」


未夕「私達もいきましょう!」



~7 Girls War~
作詞 辛矢凡/作曲 神前暁 田中秀和



実波「ゎ……ぁ」


夏夜「実波?」


キング「おい、なんか実波が固まってるぞ」


JR「あの様子はもしかして…」


夏夜「実波、そのマイク…」


実波「うわーん!直ってないー!」



片山実波



退場




佳乃「ちょっと!松田さんが機材チェックしてくれたんじゃなかったの!?」


未夕「だから自分達でもチェックしようって言ったんですよー!」


夏夜「とりあえず戻ったら殴る!」


キング「WUGが歌いながら揉めてるぞ」


JR「器用ですね」


キング「だがμ'sもWUGも平静さを取り戻し、ライブを続行だ。さすがの精神力だぞ」


真夢「幸せー掴ーむーたーめー♪」


穂乃果「くっ…!」


海未「穂乃果!」


穂乃果「対アメリカ用兵器、出すよ!」



~Angelic Angel~
作詞 畑亜貴/作曲 森慎太郎



キング「μ'sがアメリカで披露した楽曲を!これにはファンも大喜びだ!ていうか対アメリカ用兵器って言わなかったか?」


JR「えりちが色っぽいです」


キング「本当、今日は素直だなJR」


『Woooooooo!!!』


菜々美「やっぱり簡単にはいかないね…!」


藍里「大丈夫!私達だって、あれだけ特訓したんだよ!μ'sに負けてない!」


佳乃「そうだよ。みんな、思い出そう!今日に向けて特訓した日々を!」





~回想~




ぽとっ


未夕「あー!また失敗ですー!」


夏夜「両替してくる!」


菜々美「何よこの機械!アーム弱すぎるんじゃないの!」


ドカッ!ドカッ!


実波「駄目だよ蹴ったら!」


菜々美「じゃあ殴るのはいいよね!?」


佳乃「菜々美!五千円スったからって怒りすぎ!」


真夢「みんな」


夏夜「なに!?」


真夢「帰ろう」




菜々美「え…」


未夕「帰ろうって、諦めるってことですか…?」


佳乃「駄目だよ…取って」


真夢「確かに、いつ早坂さんにUFOキャッチャーの課題を出されてもいいように特訓するのは間違ってない。でも、そのために大金を使ったら意味がないんじゃないかな」


夏夜「そんな…せっかく両替してきたのに」



…………………………………………………………………………………………………。



真夢「ごめん。でも私はこれ以上続けるべきじゃないと思う」


実波「……そうだよね」


藍里「あと一回だけ」


真夢「藍里!」


藍里「最後に、全員でやってみない?みんなでボタンに手を添えるの」


菜々美「それ、やりにくくない?」


夏夜「いいじゃん、やってみようよ!」


佳乃「まゆしぃ、やっぱり諦めたくないよ。だって私達、まだ協力してないから」


真夢「……そうだね。わかった!みんなでやろう!」


ちゃりんっ


佳乃「いくぞ!」


夏夜「がんばっぺ!」


WUG「Wake Up,Girls!」




~回想終了~




佳乃「みんなで掴んだ力、こんなところで終われない!」


穂乃果「みんなで作る物語」


佳乃「!」


穂乃果「それがμ's!私達だって、みんなで特訓したよ!」





~回想~




ビュゴォォォォッ!!!


凛「寒いにゃー!」


海未「何を言っているのですか!この気候を想定しての防寒装備です!理論上、耐えられますよ!」


凛「無茶苦茶にゃー!」


花陽「なんで私達、極寒の雪山を登ってるんですか~!?」


ことり「特訓とは言ったけどこれは…」


希「海未ちゃん、諦める勇気も…」


海未「二度目から先はただの逃避です!」


真姫「死ねるわよこれ…」


バサッ


真姫「!」


にこ「ほら、着なさいよ」


真姫「にこちゃん…」


バサッ


にこ「わぷっ!?」


真姫「馬鹿ね。鼻水垂らしながら言うもんじゃないわよ、その台詞」


熊「がおおおおお!!!」


穂乃果「熊だー!」



絵里「落ち着きなさい!ロシアでは普通よ!」


海未「ふっ、流石ですね」


穂乃果「絵里ちゃん!猟銃とか持ってるの!?」


絵里「あるわけないじゃない」


花陽「じゃあロシアでは普通とか言ってないでちょっとは慌てましょうよ!」


海未「慌てたところでどうにもならないわ」


ガブッ


ことり「あ!希ちゃんが噛まれた!」


穂乃果「希ちゃああああああああん!!!!」


ぐっ、ぐぐ……!


希「安心しぃ、まだやられてへんよ…!」


絵里「希!」


海未「上手い!口の奥に手を突っ込んで顎を閉じられなくしている!」


希「覚えとき!うちは食う側や!」


バコッ!!!


希「ごふっ」


穂乃果「前肢で殴られてるー!」




~回想終了~



穂乃果「死ぬ気で頑張ったんだから!」


菜々美「こっちは英世(1000円札)が何人死んだと!?」


未夕「ななみん、それ人のネタですよ~!」


『This is awesome!This is awesome!(これぞ名勝負)』


キング「ファンもヒートアップ!μ'sも、WUGも、互いの意地をぶつけ合っている!」


JR「時間と共に、歌も踊りもさらに盛り上がります!」


佳乃(いける…いけるよ!私達も、世界に通用する!)


夏夜「よっぴー!危ない!」


佳乃「え?」


ガッ!



佳乃「ぁ…!」


ばたっ!


キング「佳乃がマイクコードにつまずいて転倒!」


JR「自分のマイクコードだけではありません!菜々美のも巻き込んでしまいましたよ!」


キング「マイクコードが抜け、歌唱が続行できなくなっちまった!」


佳乃「痛っ……!」


菜々美「よっぴー!」


佳乃「菜々美……あっ!ご、ごめん!私、なんてことを…!」


菜々美「馬鹿!そんなのいいよ!立てる?」


佳乃「大丈夫、1人で立て……っ…!」


菜々美「肩貸すから一緒に医務室行こう!みんなは気にしないで!よっぴーは私が連れてく!」


佳乃「菜々美…みんな……ごめんっ、本当に……ごめんね…!」


菜々美「気にしなくていいって。それより、大丈夫?」


佳乃「ちょっと痛むかな」


菜々美「……なんかそれ、曲がっちゃいけない方向に曲がってない?」



七瀬佳乃
久海菜々美



退場





JR「WUGから一気に2人退場!互角になったと思った人数差は7対4と、WUGが不利です」


キング「佳乃は大丈夫か?ファンも心配そうにしているな」


藍里「よっぴー…」


真夢「藍里!続けよう!」


藍里「まゆしぃ!?」


真夢「菜々美が任せろって言ったんだから、私達はその気持ちを無駄にしたら駄目!」


藍里「わ、わかった!」


希「……」


絵里「希?」


希「えりち、あとお願いな?」


絵里「それって…!」

ブチッ


希「あらー、うちのマイクコードも抜けてもうたみたいやわー」


絵里「希、あなた…!」


キング「希が謎の慈悲を見せた!自らマイクコードを抜いたぞ!」


JR「何が慈悲の心ですか。あのコードは偶然抜けたのです」


キング「いや、お前何言ってんだ」


JR「抜けたのです」


キング「あ、うん」


希「みんなごめんな。後任せるわ」



東條希



退場



絵里「希!あなたまで電源切る前にコードを抜くなんて!」


花陽「そこ!?」

キング「人数差はまた縮まった!勝負はわからないぞ!」


JR「確認しておきましょう。今残っているのはμ's側が穂乃果、海未、ことり、花陽、絵里、真姫の6人。対してWUGは真夢、藍里、未夕、夏夜の4人です」


キング「人数差は最初と同じ2人だ。どうなるかわからんぞ」



藍里「みんな、そろそろアレをやろう!」


夏夜「アレって……アレだよね?」


未夕「えー!本当にやるんですか!?」


藍里「でもこれ以上WUGが減ったら手遅れになっちゃう!今やるしかないよ!」


真夢「藍里の言う通りだよ。私達は勝たなくちゃいけない。そのために、反則じゃないなら何でもやるつもりでいこう!」


未夕「あいあいさー!」


JR「なんでしょう?WUGが歌いながら真姫を取り囲みましたよ」


キング「手は出せないぞ。じゃあ何をするんだ?」


真姫「え?な、なに……?」


キング「取り囲まれたまま歌われ、真姫が困惑している!」


JR「あれをやられると、確かに集中できなくなります。これは真姫といえども歌いにくいでしょう」


真夢(このまま威圧して打ち負かす!そのために…あなた達の歌、借ります!)




~無限大 ILLUSION~
作詞 吉田詩織/作曲 立山秋航



JR「激しい曲に乗り、WUGが頭を振り始めました!」


キング「男鹿なまはげーずの曲だぞ!歌えたのか!?」


真姫「嫌!何これ!?意味わかんない!気持ち悪い!」


穂乃果「真姫ちゃん!」


海未「行ってはなりません穂乃果!1度ああなってしまえば、近づいても犠牲者が増えるだけですよ!」


穂乃果「じゃあ真姫ちゃんを見捨てるって言うの!?」


海未「……私だって、辛いんです!」


JR「WUGが頭を振り乱し、真姫に迫り続けます!」


キング「真姫の歌声がどんどん弱々しくなっている!顔も泣きそうになってるぞ!」


真姫(無理、こんな状況で歌うなんて……)


JR「真姫が歌を止め、膝をつきました」


キング「これで真姫は退場……おい!あれは!?」



JR「矢澤にこ!既に退場になったはずです!」


キング「ステージに一直線に駆け上がった!未夕のマイクコードに手を伸ばしたぞ!」


JR「迷わず抜きました!にこが真姫を助けに来たのです!」


ブチッ!


未夕「しょぼぼーん!?」



岡本未夕



退場




にこ「がるるるる!!」


キング「にこ、襲来!」


JR「凶獣と化したにこが、今度は真夢のマイクコードに手をかけます!」


真夢「ひっ…!?」


キング「いや!待て!何だあれは!?」


JR「観客席から何者かがステージに上がりました!」


キング「誰なんだ!?帽子とサングラスでわからん!」


JR「しかしあの長髪と体格は、女性のようです!」



キング「乱入者がにこに鋭いタックルを食らわせた!真夢のマイクコードが抜かれるのを阻止したぞ!」


JR「にこがくの字になって押し倒されました!敗退した者が暴れるのは勝手ですが、逆に何をされても文句は言えません!」


キング「真姫がにこを介抱して退場していくぞ!」



西木野真姫



退場


46と47の間忘れ





にこ「オラァ!もう止まらないわよっ!真姫ちゃんを怖がらせたアンタらが悪い!」


キング「なんか時間超人みたいなこと言ってるぞ」


JR「またもマイクコードを引き抜きました!待ってください!あれは!」


キング「絵里のマイクコードだ!興奮して区別できていないぞ!」


ブチッ!


絵里「ちょ、!?」



綾瀬絵里



退場




真夢(私を助けてくれたの…?)


???「………」


JR「乱入者が去っていきます」


真夢「待って!あなた、もしかして…!」


???「次は私達と邪魔の入らない対決をするわよ、真夢」


真夢「志保…!」


ガッ!


志保「あ」


びたーん!


JR「片手を上げて去ろうとした乱入者ですが、真夢のマイクコードにつまずいて転倒!帽子もサングラスも取れました!伝説のショックマスターを思い出させます!」


キング「おい!あいつはI-1clubでネクストストームの岩崎志保だぞ!何故あいつがここにいる!?」


JR「真夢の良きライバルです!」


キング「そして今ので真夢のマイクコードが抜けました!真夢が退場になります!」


真夢「……」


志保「……」


真夢「……」


志保「…今度、豚骨ラーメンの美味しい店メールするから」


JR「志保が走り去っていきました!」


キング「かっこ悪っ!」



島田真夢



退場



藍里「みゅーとまゆしぃが!」


夏夜「狼狽えない!私達2人だけでもやるしかないんだよ!」


海未「よくもにこと真姫をあんな目に…!」


ことり「穂乃果ちゃん!早く決めちゃおうよ!」


花陽「WUGはあと2人だけ!一気にいっちゃおう!」


穂乃果「わかった!海未ちゃん!ことりちゃん!花陽ちゃん!いくよ!」


~No brand girls~
畑亜貴/作曲 河田貴央



『Oh yeah!Oh yeah!Oh yeah !』


キング「俺が一番好きな曲だぞ!」


JR「μ'sの楽曲の中でも特にテンションが上がるのが、No brand girlsです」


キング「μ'sはWUGにとどめを刺しにかかっているぞ!」


夏夜「こっちもいくよ!」


藍里「うん!」



~極上スマイル~
作詞 只野菜摘/作曲 田中秀和



キング「WUGもアゲアゲな応援歌、極上スマイルで対抗!」


JR「版権上はI-1clubの楽曲ですが、男鹿なまはげーずの楽曲のようにこの対決では使えます」


キング「そもそもI-1clubより先に歌ったのはWUGだ。2人だけでも怯まないぞ!」


穂乃果「やるね…でも最後まで諦めない気持ちは、私達も同じだよ!」



屋沢「す、凄い対決だ。一瞬だけツイートしておこう……ん?」


太田「おい!携帯の電源はオフって、お約束たいそうでも…!」


屋沢「こ、これは…!」


JR「μ'sもWUGも、パフォーマンスに全てを注いでいます…おや?この情報は…?」


キング「俺も今キャッチしたところだ。こりゃどういうことだ!?」


JR「本当だとしたら、大変なことです」




花陽「ほ、穂乃果ちゃん…ちょっと…」


穂乃果「花陽ちゃん!今から大事な…!」


ことり「なんか、お客さんの様子が変じゃないかな?」


ざわ…ざわ…


海未「確かに、これは盛り上がっているというより…」


『穂乃果……AV…』


穂乃果「…え?」




『いや、でも昔だろ?それに本人と決まったわけじゃ…(英語)』


『凄く似てるんだって。これ本人だろ(英語)』



μ'sとWUGが対決しているとき、ツイートでとある情報が拡がっていた。



高坂穂乃果、AV出演疑惑である。



穂乃果「え…なんで?そんなの私…」


海未「穂乃果?」


穂乃果「知らない!!私っ、そんなの出てないもん!!!」


藍里「なんか、μ'sの変な噂が拡がってるみたいだけど…」


夏夜「よく聞こえないけど、気にしてる余裕はないよ」


ざわ…ざわ…


穂乃果「違う…本当に違うのに…」


ざわ…ざわ…


穂乃果「信じてよぉ……っ」


JR「穂乃果が完全に泣き出してしまいました」


キング「俺はこの情報はガセだと思うが…」



ダァンッ!!!!!


全員「!」


海未「……誰ですか。こんなくだらない情報を流したのは」


穂乃果「ふぇ…海未ちゃん…」


海未「誰がやったのかと聞いているんです!!!」


ぐしゃっ!


キング「海未がブチギレたぞ!」


JR「ステージを降り、観客席へ飛び込みます!ところで、変な音しませんでした?」


キング「海未が夏夜のマイクコードを踏んで断線させた音だ」


夏夜「ちょ…コラァッ!」




高坂穂乃果
園田海未
菊間夏夜




退場



海未「あなたですか!」


観客『ち、違…!(英語)』


海未「あなた最低です!」


バキッ!


海未「あなたですか!」


観客『俺じゃない!(英語)』


海未「あなた最低です!」


バキッ!


海未「あなたですか!」


観客『ノー!』


海未「あなた最低です!」


バキッ!


JR「海未が片っ端から観客の胸ぐらを掴み、殴っています!」


キング「警備員は何してるんだ!」


JR「さっき殴り倒されたのが警備員ですよ」


キング「マジか!?」


海未「出てきなさい!陰茎引きちぎってあげます!」




JR「さ…さて、残ったのはことり、花陽、藍里のみとなりました」


キング「この勝負も終わりが近づいているぞ!」


藍里「私1人だけになっちゃった…」


花陽「穂乃果ちゃんと海未ちゃんが……で、でも大丈夫だよね!ことりちゃんがいるから!」


ことり「………」


花陽「ことりちゃん?なんか顔色悪いけど…」


ことり「花陽ちゃん…ごめんね」


花陽「え?」


ことり「私、もう行かなきゃいけないの」


花陽「行くってどこへ?」


ことり「空港だよ。実は留学が決まってて…」


花陽「え、ええ~っ!!!やめたんじゃなかったの!?」


ことり「μ's解散の後にまたその話がきて、今度は心置き無く行けると思ったらWUGとライブ対決することになっちゃって…言い出せなくてごめん!」


花陽「だから時間を気にして……それって、またキャンセルとかできないの?」


ことり「次キャンセルしたら殺すってお母さんが…」


花陽「殺す!?」


ことり「本当にごめんね!花陽ちゃんなら大丈夫だよ!」


花陽「あ、ちょっと!行かないでぇ~!」



南ことり



退場



キング「いきなりことりが走り去って行ったが」


JR「トイレでしょうか。しかしこれでことりは退場扱いとなります」


キング「残ったのは花陽と藍里だ。あと1人の脱落で勝負が決まるぞ!」


藍里「私だけでもやるしかない。WUGは私が守る!」


花陽「私がやらなきゃ……μ'sを負けさせたくない!」



~少女交響曲~
作詞 辛矢凡/作曲 田中秀和



~Happy maker!~
作詞 畑亜貴/作曲 前口渉



JR「続・劇場版前篇の主題歌と、最終話のED曲です!」


キング「決着にふさわしい楽曲だ!だが1人で歌いこなせるのか?合いの手がなきゃ盛り上がりにくいぞ」


『告っちゃえちゃえちゃちゃえ!』


『Yes!』


JR「観客がいます!」



凌ぎを削る藍里と花陽。



だが体力も消耗している2人に、さらなる試練が襲いかかった。



藍里(どうしよう…!)


花陽(こんなときに…!)


藍里(なんかマイクから異音がしてきた!)


花陽(お腹すいてきちゃった!)



とりあえず、藍里は思った。



帰ったら社長に、マネージャー代えて貰えるように頼んでみよう。


JR「どうしたのでしょう。先程から藍里がマイクを頻繁に叩いています」


キング「花陽も腹を押さえながら泣きそうな顔をしてるぞ」


JR「2人に何かが起こっています。ですが私達には見守ることしかできません」

~WUG控え室~


 
菜々美「よっぴー、本当に大丈夫?」


佳乃「うん、平気だよ。冷やせば多分治ると思う」


菜々美「足、逆の方向に曲がってるけど」



佳乃と菜々美の横で、藍里のマイクと繋がっている機材を部屋に運び込み、直そうとしているWUGがいた。



真夢「これ、どうやったらいいの!?」


実波「わかんないよ!かやたん、お願い!」


夏夜「あたし!?」


未夕「壊れたマイクの調整のバイトとかしたことないんですか!?」


夏夜「んな限定されたバイトしたことないわよ!」


真夢「ねえ、このツマミとかそれっぽくかな…?」


未夕「絶対それですよ!回してみましょう!」


藍里(なんかどんどん調子悪くなってる気がする!)


花陽(お腹がすいて声に力が……白いご飯が食べたい……今食べたら不自然かなぁ)


藍里(お願い!終わるまでもって…!)


花陽(誰か助けて~~~!)



2人の少女の願い。



神が聞き入れたのは…。



フッ



キング「なんだ!?会場が暗転したぞ!」


JR「まさかアンダーテイカーが乱入すると!?」


キング「いくらなんでもそれはない!何が起こるんだ!?」



真っ暗になり、ざわつく会場。



そして止まらない海未。














Wao!!!



JR「この曲は!」


~Aqours☆HEROES~
作詞 畑亜貴/作曲 渡辺和紀



キング「Aqours!なんてこった!ラブライブ!サンシャイン!!からAqoursが参戦!ステージに上がったぞ!」


花陽「あなた達は、Aqours!?」


ダイヤ「わたくし達が来たからには、もう心配は御無用ですわ!」


花丸「マル達がついてるずら!」


JR「花陽の後ろにつきました!花陽を援護するつもりですよ!」


キング「こんなことが許されるのか!?」


JR「誰も止めません!許されています!」


キング「凛の反則裁定に納得いかん!」


花陽(このCD買っといてよかった!私が歌えなかったら失格には変わりないよー!)




藍里「嘘…やっとあと1人だったのに……」


キング「正式な権利があるのは藍里と花陽だけだ。だが勢いだけは一気に1対10になっちまったぞ!」


JR「完全に藍里が気圧されています!」



~WUG控え室~



実波「かやたん!あいちゃんがピンチだよ!なんとかしてよ!」


夏夜「もうネジ外せるだけ外すかんね!?」


真夢「やるしかないよ!」


JR「藍里のマイクから変な音が止まりません!」


キング「残念だが、もう決着はついたも同然だ」


太田「そんな…WUGちゃんが…」




ブツッ!




Aqours「!?」


JR「Aqoursの歌が途絶えました!」


キング「歌が途絶えたんじゃない。Aqoursのマイクコードが抜かれたんだ!」


JR「WUGのメンバーでしょうか!?」


キング「いや、あれは…!」



JR「希!味方である希がAqoursのマイクコードを抜きました!」


キング「おい!にこも出てきたぞ!忙しい奴だな!」


にこ「希!なんで邪魔するのよ!」


希「フェアやないんと違う?せっかくええところやのに、水差したらあかんよ」


にこ「この勝負に負けるっていうのがどういうことかわかってんの!?」


希「わかってる。でも、μ'sはこんなやり方せんでも負けへんやろ?」


JR「希とにこが睨み合っています」


キング「にこは勝ちに固執して……希を突き飛ばしたぞ!」


JR「いえ!逆に巨乳に押し返されて吹っ飛ばされました!」


ドガシャァァァン!!!


JR「にこが!」


キング「パピー!スペイン語実況席へ落ちたぞ!机がバラバラだ!」


JR「希は何もしていませんが、唖然となっています!二人は卒業取り消しになりかねません」


キング「ヒャハッ!μ's解散は延期だ!」


JR「絵里は卒業しますよ」



キング「取り消せ!μ'sが見られるなら構わん!」


JR「絵里が不憫です……あれは!来ましたよ!」


キング「真姫!真姫がにこの仇を取りに戻ってきたぞ!」


JR「希に詰め寄ります!」


希「真姫ちゃん、にこっちは自分で飛んでいったんよ」


JR「希が弁明します」


キング「真姫をなだめているが……真姫のあの表情は!」


JR「言う気です!」




真姫「何それ?意味わかんない」





JR「真姫は聞く耳持たず!」


キング「希が真姫の胸に手を伸ばした!わしわしMAXで、暴力ではなく恥辱と快楽による沈静化を謀るぞ!」


JR「しかし真姫がかわし、希を抱えあげました!まさか!やるのでしょうか!?」


キング「出るぞ!衝撃に備えろ!」


JR「Pileドライバー!Pileドライバー!希の脳天をステージに叩きつけました!直前で微妙に止めてから落としましたけど」


キング「真姫の停学は間違いない!」


JR「退学も考えられます」


キング「それは俺が阻止してやる!」



~WUG控え室~



未夕「あわわ!なんか凄く熱くなっちゃってますよ~!」


夏夜「冷却する!水持ってきて!」


真夢「水!?」


藍里(なんかマイクから煙が!?)


ちらっ


藍里(やるなら今しかない!)


Pileドライバーに全員が目を奪われている中。



藍里は素早く自分と花陽のマイクをすり替えた!



花陽「いけない!歌わなきゃ!頑張っ…」


ボンッ!!!


花陽「ひええ~~!?」


JR「花陽のマイクが爆発を起こしました!」


キング「花陽にケガはないか!?」


JR「なさそうです。なさそうですが……」


キング「花陽は歌を続行できない!ってことは…」





小泉花陽





退場




キング「生き残ったのは藍里だ!WUGが人数の差による不利を覆し、μ'sに勝っちまった!」


JR「最後の最後に意地を見せたのは藍里でした!」


キング「言っちゃ悪いが、藍里はWUGで唯一プロダクションCクラスだった。それがやってくれたぞ!」


藍里「やった…私、勝ったんだ……」


真夢「藍里!」


藍里「まゆしぃ…」


真夢「ありがとう!頑張ってくれて、ありがとう!」


実波「あいちゃん、私達マイク直してたんだけど大丈夫だった?」


藍里「うん、そのおかげで勝てたよ」


佳乃「藍里……」


菜々美「よっぴーは寝てなって!それ絶対折れてるよ!」


藍里「え!よっぴー、あのとき折れたの!?」


佳乃「菜々美は大袈裟すぎるよ」


菜々美「顔真っ青にして脂汗流しながら言われても信じらんないよ!」


夏夜「とりあえず救急車、呼んどくから」


佳乃「……ごめん、迷惑ばっかりかけて」


未夕「迷惑なんかじゃないですよ。これは、誰か1人でも欠けたら掴めなかった勝利です!」


実波「それじゃあお祝いに何か食べに行こう!もうお腹ペコペコ!」


藍里「ふふ…みにゃみは食いしん坊だね」



μ's VS Wake Up,Girls!



戦いはWUGが勝利し、真のアイドルグループの座を得た。



…かに見えた。




フッ



WUG「!?」


キング「また会場の照明が落ちたぞ!これ以上何がある!?」


JR「わかりません!」



ざわつく会場。



そして止まらない海未。



スクリーンに映し出されたロゴは…。





THE IDOLM@STER




キング「なんだと!?」


JR「アイドルマスター!アイドルの頂点に立つメディアプロジェクトです!」


キング「アイマスが現れるなんて想像できたか!?」


JR「していません!」


キング「天海春香!高槻やよい!如月千早!三浦あずさ!菊地真!萩原雪歩!水瀬伊織!双海亜美!双海!真美秋月律子!我那覇響!四条貴音!星井美希!765プロの主力がゲートに!何をしにきたんだ!?」


JR「その場から動かず、軽い拍手をしながらWUGを見つめています。しかしその心中はわかりません」


キング「だがこれは、いずれWUGと激突することを意味していそうだぞ」


JR「765プロがWUGに狙いを定めました。WUGはどう出るのでしょうか」


キング「今はただ睨み合っているだけだ。だがいつか爆弾に火がつくだろう」



WUGと765プロが睨み合うところで放送はCMに入り、WUGはバックステージへと戻っていった。





バタンッ


真夢「ふぅ……」


穂乃果「せーの」


全員「お疲れ様でしたー!!!」


凛「楽しかったにゃー!」


真姫「始まる前に退場処分食らったじゃない」


凛「楽しかったにゃー!」


真姫「いや、まぁそう感じたのならいいけど……」


真夢「ありがとう。μ'sと全力でぶつかり合えて、凄く良い経験ができたよ」


穂乃果「こっちこそ、ありがとう!WUGとは一度同じステージに立ってみたかったの!」


佳乃「こんな機会が来るだなんて、人生わからないものだよね」


夏夜「よっぴー。救急車来たから行くよ」


佳乃「え、私もこの後打ち上げとか…」


真夢「そんなのまた後日にすればいいよ。よっぴーは怪我を治そう」


夏夜「ほら、付き添ってあげるから」


佳乃「…ごめん」


にこ「納得いかないわ!!!」



花陽「ど、どうしたのにこちゃん?急に大声出して」


真姫「ほら、髪にスペイン語実況席の欠片ついてる」


にこ「あ…ありがと。って、そうじゃなくて!なんでμ'sが悪役なのよ!?明らかにイメージ悪くなるわあの言動の数々!」


絵里「たしかに、それは思ったわ。WUGとあの…エリミネーションなんとかをするのに…」


花陽「エリミネーション・チーム・ライブ!」


絵里「エリミネーション・チーム・ライブをするのに、あんな芝居は要らなかったと思う。なんでわざわざあんなドラマを…」


菜々美「アメリカはそっちの方が受けがいいからじゃないの?」


にこ「誰よ!この話受けたの!」


藍里「多分……丹下社長じゃないかなぁ」


未夕「多分っていうか絶対そうですよね…」


実波「でも対決自体は私達の自由って話で、全力でやれたしいいんじゃないかな?………あ、私…また歌えなかったんだ………ぅっ」


夏夜「よしよし、みにゃみは頑張ったよ」


にこ「ていうかね、そっちのマイクに細工したのはドラマよ。で、勝負の内容は脚本関係無しなわけ」


佳乃「うん」


にこ「何やり返してくれてんのよ!」


夏夜「よっぴー!救急車来たよ!」


佳乃「急ごう!走るよ!」


ダッ!


にこ「足折れてんでしょーが!待たんかいコラァッ!」


穂乃果「そうだよ!あの噂、何なの!?私本当に知らないからね!?」


真夢「それに関しては私達のファンの人達が論破してくれてるらしいけど…」


希「真姫ちゃん」


真姫「……」


希「真姫ちゃん」


真姫「わ、悪かったわよ。ついカッとなって…」


希「直前に止めてくれたからあんまり痛なかったけど……あれはどうかと思うで?」


真姫「本当、反省してるわよ…」


希「というわけで」


ガバッ!


真姫「ひゃん!?」


希「お仕置きのわしわしMAXや~!」


真姫「ぁ…ちょっと……やだ!そこは…!」


にこ「……」


実波「鼻血出てるよ?」


にこ「はっ!?」


穂乃果「何はともあれ、本当にみんなお疲れ様!WUGのみんなとも、また対決してみたいね」


真夢「ううん、今度やるときは対決なんかじゃないよ」


穂乃果「あ…」


真夢「戦いの相手じゃなくて、共演者として一緒に歌おう!」


穂乃果「うん!」







絵里「おかしいわね」


希「えりち、どうしたん?」


絵里「何か忘れてる気がするのよ」









海未「その顔を剥いでやる!!!」





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