吹雪の艦娘になる前 (658)

注意 キャラ崩壊 拙い文章 日本人とは思えない日本語 その他諸々
それでも良い方はそのままお読みください

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男「オラァ!!」ドゴッ!

「ぐっ...」


男の拳が少女の腹にめり込む。少女は少しよろめきしゃがみ込むが、その体勢から飛び上がり男の顎にアッパーをくらわせる。


男「ぐぁ...」バタッ


下からの強烈な衝撃により、男の体がふらつきそのまま倒れて気絶する。


「はっ、偉そうにぬかしてた癖にこのザマか?2度と私の前にその汚え面出すんじゃこのクズが!」ペッ!


男の顔を踏みつけると、唾を吐き捨てる。

「次はどいつだぁ!!ビビって足も動きやしねぇか!?」


男B「このクソガキが!なめやがって!」


「良いね良いねぇ!さっさとかかってこいや!てめぇもこのクズみたいにボコボコにしてやるよ!」


今度は二人の男が同時に少女に飛びかかってくる。


「ケッ!一人じゃ勝てないと見込んで二人でかかってきやがったか!上等だ!」


片方が正面から突っ込んでくると、もう片方は後ろに回り込んでくる。


男B「くたばれクソガキィ!!」


「そんなクソみたいなパンチが当たると思ってんのか!?人を殴るときはなぁ!」


少女は男Bの拳を飄々といなすと、そのまま男Cに勢いを使って投げ飛ばす。


「殺意を込めて拳を振らねえと当たんねぇんだよ!!」


倒れた男達に馬乗りになると、何度も何度も顔面に拳を降り下ろす。


「オラァ!!オラァ!!一方的に殴られる気分はどうだ!?あぁ!?」


男達は鼻から血を流し始め、気絶する。

男D「クソガキが!調子に乗りやがって!これでくたばれや!」ブゥン!


「っ!」


寸での所で男D降り下ろした鉄パイプを回避する。回避したことによって、下に居た男Bの頭部にクリーンヒットする。


「なんだなんだぁ!?仲間割れかぁ!?」


男Bの頭部からはドクドクと血が流れ始める。


男D「チッ!」


「っと、危ねえ!」


何とか降り下ろされた鉄パイプを両手で受け止める

男D「今だ兄貴!やっちまえ!!」


男E「おうよ!」


男Dの後ろから新たに鉄パイプを持った男Eが現れる。


「しまっ」


男E「オラァ!!」ブゥン!


「ごふっ...!」


男Eが振りかぶった鉄パイプが少女の腹にめり込む。先程の拳よりも数倍の痛みを感じる。


男D「死ねやゴラァ!!」ブゥン!


「ガッ...」バタッ


今度は男Dの振りかぶった鉄パイプが頭部に命中する。少女はそのまま地面に倒れ込み。動かなくなる。


男D「ケッ!手間取らせやがって」


男E「死んだか...ざまぁみやがれ。とっとと帰るぞ」


「...」ピクッ


男達が鉄パイプを投げ捨てると、そのまま公園から出ようとする。


男D「あんのクソガキが...こっちの仲間が三人もやられちまった...」


男E「...!?おい!後ろだ!!」


男D「は?」


さっきまで倒れていた少女が、鉄パイプを持って男Dに振りかぶっていた。男Eが気づいた頃には既に遅く、男Dが振り向いた瞬間に鉄パイプが、顔面に命中する。


「はっ、あんなんで死ぬと思ってんのか?思ってんのならお前らの頭ん中はお花畑だってことだな!」


男E「よくも弟をやりやがったな!」


「今度はこっちにも得物があるんだ!お前なんかに負けるかよ!」


男Eが再び鉄パイプを拾い、二人が同時に構えた時

警察「そこまでだ!!」


突然現れた多くの警官に少女と男Eが取り押さえられる。


「な、なんだてめぇら!どっから現れやがった!!」


警察「通報があった!公園で殺し合いをしてるとな!」


「くそが!放しやがれ!」


精いっぱい暴れる。しかし四人に取り押さえられ、全く歯が立たない。


警察「暴れるな!押さえ込め!」


少女を地面に倒し、四肢を力づくで固定すると両手首に手錠をする。


「クソッタレが!!放せ!放せってんだよ!!」


結局為す術もなく、そのままパトカーに運び込まれてしまう。

~~とある室内~~


刑事「また君か...」


「.........」


刑事「何かあったのか?何かあったなら話を聞かせてくれ」


「...話してあんたに何が分かるってんだ」


刑事「さぁな、だが思ってること全部吐いた方が楽になるぞ」


しばしの沈黙が部屋のなかに訪れる。


「...気に入らねぇんだよ」


数十分経って、最初に口を開いたのは少女の方だった。


刑事「何?」


「頭が悪いからってバカにするあいつらが気に入らねぇんだよ!」


刑事「どういうことだ?


「私の家は貧乏で金が払えず小学校は2年生で退学。その1年後には両親は離婚して私は捨てられた。ずっと放浪してこのザマさ」


刑事「それなら奨学金を...」


「ああ、役所まで言って申請したさ。なら、役人は何て言ったと思う?」


あまりの少女の威圧感に刑事の額に汗が出始める。


「『他の申請者の方が重大なので、貴方達に奨学金を渡すことはできません』だとよ」

「いくら奨学金を貰えるからと言って、貰えるのはたったの一人か二人、それも勝手に第三者が判断すると来た。選ばれた奴は少しは生活が楽になるだろうさ。だが、選ばれなかった奴はどうする?『残念だなぁ』で済むと思ってんのか?あんときの私は小学二年になったばかりだったが、あの役人の言葉だけ絶対に忘れねえ。ああいう奴は他人の苦労を知らずに生きてんだよ」


刑事「そうか...」


「あーあ...全部吐いたのに全然スッキリしねぇ、それどころか余計むしゃくしゃしてきやがった」


少女は髪を毟る。


「んで、私はまた少年院にでも送られるのか?」


刑事「いや、実は君を保護したいという人が居てな 」


「は?」


刑事「どうぞ」


刑事が扉の外に合図をすると、外からスーツ姿の好青年が入ってくる。

スマホの充電が無くなってきたので少し休憩、充電完了しだい再開します。

再開しまーす

青年「やぁ、君が例の子だね」


「あ?何だあんた。もしかしてあんたが私を保護したいってか?」


青年「ああ、その通りだ」


「プッ...ククク...アハハハ!」


あまりの可笑しさに少女から笑いが出る。


青年「何か可笑しいかい?」


「はぁ...なるほど、あんたは私を売れば金になるとでも思ってんだろ?ならそれは検討違いだな。私は勉強はおろか女らしいことも出来やしない。残念だったな」


青年「残念なのは君の方さ。俺はそんなことを微塵も思ったことはない」


「?なら何に使う気だ?こっちには常識もねえぞ?」


青年「ここでは言えない。俺についてきてくれたら、教えることが出来る」


「ケッ、きったねえ手を使いやがる」


青年「さあ、どうだい?私についてくる気になったかな?」


「はぁ...分かった分かったよ。少年院にぶちこまれて、ずっと暮らすのも退屈だからな」


青年「それでは刑事さん、この子は俺が引き取りますね♪」


刑事「ああ、気を付けてな。そいつは何度も暴力罪で捕まっている。私もこれで2回目だ」


青年「ご忠告ありがとうございます♪」


青年は少女をつれて、警察署から出ていく

>>19
残念ながら現在高校に在学中のちゃんとした日本人なのです。それでは再開します

~~車の中~~


青年と少女が乗った車は警察署を出て、高速道路を通っていた。


青年「どうだい?この車の乗り心地は?」


「今まで寝てたベンチよりは断然良い。ただ、落ち着かねえ」


青年「ははっ、ずっとベンチで寝てたろうから、急にシートになって体が驚いてるんだろう」


「んで、この車はどこに向かってるんだ?ついていったら教えてくれるんだろ?」


青年「ああ、そうだったね。今僕たちは横須賀に向かっているんだ」


「横須賀?そこにあんたの家でもあんのか?」


青年「まぁ、そんな感じかな」

「はぁ~...とにかく私は寝る。着いたら起こせ。頼んだぞ」


青年「それは人に物を頼む態度じゃないと思うが...まぁ良いか」


少女がシートベルトをしたまま、扉の方に体を向ける。


「......なぁ」


青年「?何かな?」


「これ倒せねえのか?このままじゃ寝にくい」


青年「ああ、ならシートの横にあるレバーを引いてみると良い」


少女が座席の横に手を突っ込みレバーを引くと、椅子がゆっくりと倒れる。


「助かった。ありがとな」

二人が車に揺られて五時間、その間少女はずっと寝続けていた。


青年が車をとある駐車場に停めると、少女を揺らして起こそうとする。


青年「ほら、着いたよ」ユッサユッサ


「...あぁ......?」


少女は大きなあくびをすると、ゆっくりと体を起こす。


青年「ほら、目的地に着いたよ。車から出て」


「はいはい...ふぁ~...」


二人が車から出ると、目の前には大きな建物が建っていた。


「何だこのでっけぇ建物、こんな所に住むのか?」


青年「いや、僕たちが住むのはその隣のあの
建物さ」


大きな建物から目を外し、横に動かすと先程の建物よりも小さな建物があった。

「あれが新しく住む場所か。まぁどんなところだろうが公園よりはマシだ」


青年「あ、そうそう。僕たちが住む部屋に既に一人住んでるから」


「は?聞いてねえぞそんな話」


青年「だって聞かれてないからね」


「フンッ、あんたのそういうところが気に入らねぇ」


青年「まぁまぁ、君と同じ女の子だから、案外気が合うかもしれないね」


「だと良いがな」


二人は目的の建物に入り、二階に上がって自分の部屋の前に着く

「ここがか?」


青年「223号室、間違いないこの部屋だよ」


「ならさっさと入るか。邪魔するぞ」


青年「まったく...君と言う女の子は...」


勢いよく少女が223号室の扉を開け放つ。


??「ちょっと、ノックぐらいしてくださいよ」


「は?何で、んなことしなければいけないんだ?」


??「貴女に常識は無いんですか?」


「残念ながら私に常識はねえよ」


??「はぁ...」


相手が呆れた様にため息をつく。

青年「すまないな、彼女は悪気があってやったんじゃないんだ」


??「悪気が無いのなら何でこんなことをしたんですか?」


青年「本当に彼女は礼法作法を知らないんだよ」


??「...そんな子がこんな所に何故居るのです?」


青年「僕が連れてきたんだ。良い艦娘に成ると思ってね」


??「...どうなっても知りませんよ」


青年「安心してほしい。この子は僕がちゃんと面倒を見る」


「おい、私をペット扱いするな。ぶん殴られたいか?」


??「これからが不安です...」


本日はここまで
また明日、再開します

再開します

少女はズカズカと部屋のなかに入っていくと、椅子に座り込む。


「へぇ~...ここが私の住む部屋か。案外良いじゃねえか」


青年「こらこら、自己紹介ぐらいしたらどうだい?これからは一緒に住むんだ」


「んなこと言ったってなぁ...私は名前なんて全く覚えてねえぞ?」


??「...本当にこの子大丈夫ですか?」


青年「ははは...流石に想定外だよ...」


??「しょうがないです。私だけでも自己紹介しましょう」


そういうと咳払いをし、二人の前に立つ

??→白雪「私は、特型駆逐艦二番艦『白雪』になる予定の〇〇(白雪の本名)です。新しい名前に慣れるためにも白雪と呼んでください」


青年→少佐「白雪か。僕は...そうだな。少佐とでも読んでもらおうかな。今は研修生みたいなものさ」


「あんた軍人だったのか?」


少佐「ああ、といってもまだ少佐だから鎮守府の運営はできない。出来るとしたらそこの責任者の補助ぐらいかな」


「ほうほう...ならこっちの質問に答えてもらおうか。私をここに連れてきた理由はなんだ?」


少佐「...君に艦娘になってほしい」


部屋に謎の空気が漂う。


「...艦娘って何だ?」


白雪「艦娘とは深海棲艦と戦う女の子のことです。主に孤児や志願者が多いですね。割合は孤児が8割、志願者が2割と聞いたことがあります」


少佐「そういうことだ。もちろん深海棲艦と戦うということは、危険が生じる」


「...はぁ~あ、どうせここから出てもまたあの殴り合いの日常さ。いつ野垂れ死ぬかも分からねえ。それなら飯が食えるこっちに居る方が楽ってもんさ」


少佐「ということは...?」


「なってやるよ艦娘ってやつに」

~~現在~~


提督「これが俺たちの出会った時の話だな」


深雪「うわぁ...」


叢雲「吹雪...あんた...」


吹雪「わー!わー!」アセアセ


白雪「常識知らず、それに何かと問題を起こす」


提督「それに深海棲艦に殴りかかるあのときの吹雪は恐ろしかったな。まるで鬼の形相だった」


吹雪「もうその話は止めましょう!!ね!?ね!?」


吹雪が手で提督の口を両手で抑えようとするが、それを白雪が吹雪を羽交い締めにして阻止する。

提督「俺は艦娘たちの願いを叶えてやる権利がある」キリッ


吹雪「司令官の裏切り者~!白雪ちゃんの裏切り者~!」ジタバタジタバタ


磯波「し、司令官...」


提督「ん?何だ、磯波。何か聞きたいことがあるのか?」


磯波「吹雪お姉ちゃんは、今はとても優しいですけど話を聞く限り乱暴者としか思えません」


吹雪「もう良いよね!?そんなに掘り返さなくても良いよね!?」ジタバタジタバタ


白雪「ほらほら、暴れない暴れない」ググッ!


吹雪「放してー!司令官!絶対に許しませんからね!?」


提督「おお、怖い怖いww」


白雪「ほら、私達は別室はお話をしましょう♪」


吹雪「うがー!!」ジタバタジタバタ


吹雪がズルズルと部屋の外に引っ張られていく。

今日はここまで

再開します

提督「さてと吹雪が居なくなったところで...磯波、何か聞きたいんだったよな?」


磯波「はい...吹雪お姉ちゃんが昔の性格から今の優しい性格になった訳を知りたくて...」


叢雲「あのポンコツの事だし、どっかに頭でもぶつけて変わったんじゃないの?」


初雪「あの姉なら...ありえる」


磯波「ヒャァ!?」


提督「初雪...お前どっから現れた...」


初雪「あそこ...」


初雪が指を指す方向には、一人が寝るには十分な大きさの布団があった。


深雪「えぇ...」


初雪「布団あるところに初雪あり...」


提督「まぁいい、吹雪の性格が変わったきっかけだったな?」


磯波「はい...お願いします...」


提督「そうだな、あれは私が吹雪に艦娘になれと言った、3週間後の話だな」

~~5年前~~


「あ~あ、かったりぃ...体力テストだの実技テストだの、めんどくせえんだよなぁ...」


白雪「そのテストを乗り越えてから正式に艦娘となれるのです」


少佐「二人とも、次のテストは演習だ」


「演習?何だそりゃ」


白雪「実戦と同じ艤装を使って、6対6で戦うんです。実弾ではなく演習弾を使います」


「お前ってやたら詳しいよな。前もって勉強でもしてんのか?」


白雪「当たり前です。このテストを失敗すれば次はいつ再テストを受けられるか...」


少佐「まぁ、僕が選んだってその子が必ずしも艦娘となれるかどうかは分からないから、テストは二人に任せるしかない」


「ふぅ~ん」


少佐「君はどうだったんだい?あまり勉強する時間は少なかったと思うが...」


「ん?あぁ、こいつに教えてくれた通りにやれば簡単にできたよ」


白雪「実技はどうでした?」


「航海と舵取りって奴だろ?簡単簡単、あんなもんで艦娘なんて決めて良いのか?」


少佐「本来は実技が一番難しいはずなんだがなぁ...」

「そうなのか?まぁ、所詮はあんなもんだろ」


白雪「貴女は凄いのか凄くないのかよく分からないです...」


少佐「もしかしたら、君も特型駆逐艦になれるかもしれないね」


「特型駆逐艦?」


少佐「速力、火力、雷撃、対空...駆逐艦の中でもとても優秀な部類に入る駆逐艦だよ。ただ、かつての船体がかなり軽量化され重武装されたのを、そのまま艤装に反映されてるからかなり扱いが難しい」


白雪「私もあの艤装には苦労させられました...」


「あっそ、まぁ何とかなるだろ。落ちたら落ちたでそんときはまた受ければ良いんだよ」


白雪「簡単に言いますね...」


「私はこの男に選ばれたんだ。なら、悪いのはこいつだろ?」


少佐「確かに私の目が狂っていたと言われるかもしれないが、君も期待に応えられなかった出来損ないって言われるかもしれない」


「はぁ...やりゃあ良いんだろ?やりゃあ...ったく私はめんどくさいのに保護されたな...」

あまりの眠さに
今日はここまで
明日は10回更新したいと思っています

再開します

~~試験海域前~~


試験官「それでは、ただいまより演習試験を行う!この試験ではチームワークと協調性を調べる。初対面の仲間でどれだけ協力し勝利するかだ!各自自由な戦い方で戦ってくれ!」


男性が前のステージから降りると、今度はスピーカーから女性の声が聞こえてくる。


『それではただいまより、抽選を行います。自分の番号を呼ばれた人は前へ出てきなさい』


「番号か...私は47番か。お前はどうだ?」


白雪「21番です」


「んまぁ、お互い頑張ろうや」


白雪「敵同士になるか、味方同士になるか。まだ分かりませんけどね」


『15...40...32...27...9...6...今呼ばれたものは前に出なさい』


二人の周りからだんだんと人が減っていく。なかなか呼ばれないので焦れったくなってきた。


「なぁ...まだか?」


白雪「残り20人...結構呼ばれないものですね...」


『30...47...2...50...29...5...呼ばれたものは前に出なさい』


「呼ばれたか。じゃあ行ってくる」


白雪「頑張ってください」


人を避けて前に出ると、既に5人が前に立っていた。

??「遅いわよ。何グズクズしてるのかしら。死にたいの?」


「死ぬとしてもお前だけには殺されることはねぇよ」


試験官「お前たちはEグループだ。検討を祈る」


少女を含んだ6人は各々の艤装を身に纏い、海に出る。少女が身にまとった艤装が、少し扱いが変わっていた。


「?何だこの艤装?バランスが悪いな」


??「何?言い訳?」


「ちげぇよ、前扱ってた艤装と感覚が違うんだよ。バランスが悪いったらありゃしない」


??「ふん、言い訳じゃない」


「だからちげぇって言ってんだろ。しつけぇな」


??「もう、曙ちゃん...ちゃんと仲良くしないとダメだよ?」


曙と呼ばれるその女の子は、腕を組むと少女を睨み付けていた。


??→潮「わ、私、潮って言います...どうか曙ちゃん共々、よろしくお願いします」


深くお辞儀をすると、中々頭が上がることがない。


??→曙「こんな奴によろしくお願いすることなんてないわよ」


潮「もう!曙ちゃん!」


曙「ふん...」


??「何?喧嘩?」


同じEグループの子の3人が、なにかを感じてやって来た

「何でもねえよ。んで、あんたらは何だ?」


??→陽炎「あれ?名乗ってなかったっけ?私は陽炎になる予定の○○(陽炎の本名)陽炎って呼んで!よろしくね!」


??→夕立「夕立になる○○(夕立の本名)っぽい!」


??→朝潮「朝潮になる○○(朝潮の本名)です!勝負なら、いつでも受けて立つ覚悟です!」


「暑苦しい感じか...めんどくせえのが集まったな」


申し訳ない、やっぱり10回も更新するのは無理でした。寝ます。また明日

因みに設定としては
何年かに1度、艦娘の総入れ替え(先代から新人)を行います。駆逐艦娘、軽巡洋艦娘、重巡洋艦娘、航空母艦娘、戦艦娘、潜水艦娘、様々な種類と名前の中から、身体能力、脳波の波長、頭の良さ、筋肉の動き方、そして思考力の測るテストの結果を元に選んでいき、名前を振り分ける。
更に名前が振り分けられると、再びテストを行い艤装の適正具合を調べます。そこで合格してようやく正式な艦娘となれます。因みに特型駆逐艦は、火力や雷撃、対空能力がかなり高いがあまり安定性が高くないため、実技がとても良かった者に振り分けられます。
※少女はテストを途中から参加したことによって、余っていた朝潮型の艤装を使っていました。

再開します

自己紹介を終え、演習海域へ向かう。少女は逆さダルマの様な極悪のバランスの悪さを何とか抑え、最後尾となってついていく。


潮「ほ、本当に大丈夫ですか?」


「気にすんな。これぐらいならやれないこともない。それにお前のお連れはご機嫌斜めみたいだ」


前方から曙が大声で怒鳴ってくる。潮が必死に抗議しているのだが、少女はそれを止めさせ元の配置に着く様に促す。


「ほら、さっさとあいつがキレる前に戻れ。迷惑かけるのは私だけで良いんだよ」


潮「で、でも...」


「言うこと聞けねえ奴だな。ほら、さっさと戻れ。それともなりたい艦娘を蹴ってまで私を助けるか?」


潮「うぅ...分かりました...」


潮が渋々了解すると、速力を上げ前列に戻っていく。少女も艤装の速力を上げ、追いつこうとするのだが、その度に倒れそうになる。

それから1分もすると、支給された無線から試験官の声が聞こえてくる。その内容は、6対6の試験戦闘の開始の合図だ。


試験官『ただいまより試験戦闘を始める!各チーム連携して勝利をもぎ取ってくれ!』


無線が切れ、その3秒後に大きな空砲がなる。


曙『突っ込むわよ!』


朝潮『ちょっと待ってください!流石にいきなり突っ込むのはダメだと思います!距離を保って様子を伺うべきだと思います!』


陽炎『私もその方がいいと思うなぁ~』


夕立『えぇ~突っ込んだ方が良いっぽい!』


潮『えっと...あの...』


早速チーム内で意見が別れる。様子を伺うべきと言う慎重派と、突っ込むべきと言う攻撃派、そしてどちらとも決められない優柔不断な潮、と3つの派閥に別れた

「喧嘩するのは良いが、お前ら負けたいのか?」


曙『はぁ!?んな訳無いでしょ!ふざけてんじゃないわよ!!』


「ふざけてんのはどっちだ!あぁ!?」


曙『...っ...!?』ビクッ


無線越しでも曙が怯えたのが分かる。続けざまに少女は怒鳴る。


「偉そうにギャアギャアギャアギャア喧しいんだよ!!自分は英雄のつもりか、あぁ!?」


曙『わ、私は』


「自分が偉いんだと思ってんならやめちまえ!目障りなんだよ!」


曙『ひぐっ...』


先程まで威勢の良かった声は涙声になり、ワーワーと騒いでいた他の子達も黙ってしまった。


「他の奴らも分かってんだろうな?」

全員の顔を見なくても、皆無表情もしくは怯えた顔をしているのは用意に想像がついた。


「っと...やっと艤装にも慣れてきた。さて、どうするんだ?」


吹雪が5人の列に追い付くと、無線を完全に切る。無線は使わず、肉声で話始める。曙は潮に寄りかかって泣いていた。


陽炎「私はあまり距離を詰めすぎてもダメかなぁ~って...」


夕立「夕立は、突撃したいっぽい...」


「なら、2つに分かれろ。突撃する奴と、後ろから砲撃する奴にだ」


潮「で、でもそれじゃ火力が半減して...」


「なぁお前、さっき自分で意見言わなかったよな?そんな奴が他人の意見に反対するのか?」


潮「わ、私はそんなつもりじゃ...」


「なら、さっきは何でなんも言わなかったんだ?私はな、自分でやらないくせに偉そうに喚く奴が大嫌いなんだ」

今日はここまで。明日から戦闘シーンです

再開、忙しくて更新できませんでした。申し訳ありませんでした

「ケッ、もう勝手にしてろ。私も勝手にさせてもらう」


曙「ま、待ちなさいよ!」


「あ?」


曙「っ...あんた一人で突っ込む気なの!?あんたも何か考えなさいよ!」


「考えてるさ。だが、ろくに話を纏められないお前らに言っても意味があるのか?」


陽炎「話してもらっても...良いかな?」


「はぁ...なら良く聞け。まずは部隊を2つに分ける。分けると言っても二人と四人にだ」


潮「二人と四人にですか...?」


「ああ、二人の方は陽動だ。相手を誘い込み残りの四人が挟み込む。陽動をしたくないなら私一人でやる」


潮「わ、私がやります...!」


曙「潮...あんた...」

潮「私は...これでも特Ⅱ型駆逐艦なんです...!」


「分かった。なら、私についてこい。残りの四人は各自の判断で挟み込め。そこまで命令しきれない」


陽炎「私に任せて!こう見えても指示は得意だから!」


「よし、私が合図したら別行動だ」


少女がカウントを始める。曙の顔は凍り、息でもしようものなら、殺されてしまうのかと聞きたくなるほどじっと黙っていた。


「4...3...2...1...

「進め!!」


少女の号令のもと、6人の駆逐艦が二人と四人に分かれる。


「さて、潮...だったか?」


潮「は、はい!」


「さっきは言い過ぎたな。悪かった」


潮「い、いえ...私も何も発言しなかったのに文句ばかり言ってごめんなさい...」


「さて、お互いに謝ったことだ。敵にあったらどうするかを説明するから良く聞いてくれ」


潮「は、はい!」


「まず、敵を見つけたらとにかく相手に向けて撃て」


潮「う、撃つんですか...?見つかってしまいますよ...?」


「あのなぁ...私達は陽動だ。むしろ見つからないとダメなんだよ」


潮「な、なるほど...」


「お前、本当に大丈夫か...?」


潮「ひゃ、ひゃい!」


「(これはダメなやつだな...)」

それから5分、航行を続け索敵をする。


「おっと...あれか...」


双眼鏡の向こうには、さっきの四人とは違う艦隊が現れた。


「潮、敵を見つけた」


潮「こ、こちらでも確認しました!」


「なら、早速砲弾をさしあげるとしよう。砲塔10時方向、角度上へ20度修正...」


潮「......」ゴクッ


あまりの緊張から潮が息をのみ、左手を砲塔に添える。


「撃て!!」


潮「や、やーー!!」


潮が一心不乱に敵艦隊へ打ち続ける。

少し携帯の充電をします。少しお待ちを

充電完了、それでは再開

二人が放った砲弾は相手の周辺に全て落ちる。当たりはしなかったが、それでも不意をつき相手を混乱させることはできた。


「撃ち方やめ!」


潮「ふー...ふー...」


「潮、疲れてる場合じゃないぞ。こっちに向かってきてる。後はあいつらが後ろに回り込むまで待つぞ」


潮「は、はい...」


今の速射で疲れたのか、潮の息が荒くなっていた。息を吐く度に肩が下がり。肩で呼吸をしていた。


「大丈夫か?」


潮「う、生まれつき体が弱くて...」ゼェゼェ


「あと一踏ん張りだ。砲撃を食らわないように回避行動をとる」


「はい...」ゼェゼェ


相手も二人を捉えたようで、砲撃が飛んでくる。それこそ、当たりはしないが、相手は六人なのでその分砲弾の数も多い。

「おーおー、仕返しにと相手も撃ってきやがる。潮、このまま回避行動をしながら...」


バシャン!


何か海水に叩きつけられた音がする。砲弾にしては音が小さすぎ、波にしては不自然である。


「おい潮、今の音は...!?」


潮「はぁ...はぁ...」ゼェゼェ


潮が顔を真っ赤にして、顔を海水に突っ込んでいた。


「おい!くそっ!!」


今日はここまで。さすがに寝ないと明日寝坊の可能性が

再開します

少女が倒れた潮を仰向けにして、制服の襟を引っ張って交代する。


「おい!意識あんのか!?」


潮「は......い......なん...とか...」ゼェゼェ


「体が弱いにも程があんだろ!」


潮「すみ......ません...」ゼェゼェ


そんな二人の状況をお構いなしに、相手からの砲弾が多数降り注ぐ。


「くそっ!何か起こるとは思ってたけどこれは想定外だよ!!」


潮「私を...置いてって...ください...」


「自己犠牲気取りか!?こんなのただの演習だろうが!気にしてんじゃねえよ!」


潮「で...でも...」


「駄弁ることができるんなら、適当にでも良いから砲撃してろ!」


必死に回避行動をする。しかし、曳航しているだけあって、速度がでない。

※訂正
交代→後退

「ああもう!お前ら!まだか!?こっちは潮が倒れて大変なんだよ!!」


陽炎『あと30秒待って!』


「くそったれ!酸素魚雷でも食らってろ!」


魚雷菅から酸素魚雷が放たれる。あくまで演習用の魚雷であるが、威力を落としただけで性能は酸素魚雷何ら変わりはなかった。


魚雷が海中を進みぐんぐんと進んでいくが、砲弾と比べたらとても遅い。酸素魚雷だから雷跡がないとはいえ、それでも目のいい者にはすぐにばれる。


「チッ!外れたか...!」

陽炎『待たせたわね!!砲撃いくわよ!』


2時方向から砲弾が敵艦隊へ飛んでいく。辺りを水柱で埋めつくし、混乱状態となる。


曙「潮!大丈夫!?」


3時方向から曙がやって来る。一足先にこちらへやって来たようだ。


「良いタイミングだ。潮を任せた」


曙「ちょ、ちょっと!?」


「安心しろ、これは何も考えないで突っ込むんじゃない」


曙「だ、だったら何のために...」


「勝つためだよ!」

休憩、明日のあさ更新します

再開

速力を上げ混乱した敵艦隊に突撃する。何人かが気づいてこちらに砲塔を向けるが、今だ止まない陽炎らの砲弾に阻まれ砲撃できない。


「さっさと脱落しろ!!」


少女の放った砲弾が3人に当たる。その内、二人は轟沈判定となり、残り一人は大破判定をとなった。


『そこまで!!Fグループ旗艦『霞』轟沈判定!よって勝者はEグループ!』


試合が終わり、少女は潮の所へ駆け寄る。


「おい、大丈夫か?」


潮「は...はい...何とか......」ゼェゼェ


「そんな真っ赤になった顔で言われても信じらんねえよ」


「曙、潮を医者の所に連れていけ。私が説明しといてやる」


曙「う、うん...」

陽炎「お疲れーー!!!」


陽炎が手を振って出迎えている。


夕立「とても格好良かったっぽい!!」


朝潮「是非お手本にさせてください!!」


「あ、暑いんだが...」


陽炎「じゃあ、皆戻ろっか!」


残った四人が談笑しながら鎮守府に戻っていく。

白雪「おかえりなさい。どうでした?」


「勝ったよ。色々あったけどな」


白雪「そうですか、ならよかったです♪」


「......なぁ、白雪...」


白雪「?どうしました?」


「私ってそんなに怖いか?」


白雪「はぁ...何かあったのですか?」


少女は白雪に何かあったのか全て話した。

白雪「そうですね、まずはその話し方を変えたらどうでしょう。そうすれば少しは泣かれるもないでしょうし...」


「話し方か...例えばどんなのだ...?」


「『~です』とか『~ ますね』とか」


「いきなりそんなこと言われてもな...」


白雪「なら、あの男性のことを『司令官』と言ってみましょう。まずはそこからです♪」


「わ、わかった...」


白雪「というか、今更そんなことを気にしたんですか?」


「うるさいな!まさか泣かれるとは思わなくて...」


白雪「!ほら、やって来ましたよ」


話が終わったのか、役人と話をしていた少佐がこちらにやって来る。

昼はここまで。また今夜

再開

少佐「やあ、お疲れ様。見事だったよ♪」ニコニコ


「あ、ありがとう...し...し」


少佐「?し?」


少女が真っ赤に顔を染め、必死に『司令官』と呼ぼうとするが口が震えてなかなか言い出せない。


少佐「顔が赤いな。熱でもあるのかな?」


「あわわわわわわ」


白雪「頑張って!」ボソッ


「し......し......!」


少佐「?やけに様子が変だな。どうしたんだ?」


「し...!司令官...!!」

白雪「言った...!!」


少佐「」( ゚д゚)ポカーン


「ううぅ......///」


突然の出来事に表情が凍りつく。


少佐「......か」


白雪「...か?」


少佐「かわいい」


「かわっ...!?」


少佐「ああ、かわいい。今までのギャップがある分、余計にな」


「っ...!」ポカポカポカポカ


少女が少佐の軍服に顔を埋めて、両手で胸を叩く。


白雪「かわいい」


少佐「う、うるさい!黙れ黙れ!///」

~~現在~~


提督「今思えば、これが今の吹雪になり始めていった頃だな」


叢雲「うわぁ...」


磯波「ふ、吹雪お姉ちゃんは昔から繊細だったんですね!」


深雪「いや、これは繊細とは違うと思う(確信)」


初雪「凄い...変わってる...」


提督「さて、他に何か聞きたいことはあるか?」

95
※訂正
少佐→少女
※追加
少佐「かわいい」

今日はここまで。何か間違いが多い気が...

再開、そろそろネタがヤバイですかね

深雪「はいはい!吹雪の初出撃を聞かせてほしいな!!」


提督「初出撃か。ああ、とても記憶に残ってる。白雪と一緒だった」


叢雲「吹雪と白雪は一緒だったの?」


提督「そうだ。俺達は訓練過程の後、まずは舞鶴鎮守府に着任したんだ。この時は南西海域攻略作戦が予定されてたから、俺達3人だけなんだったんだ」


叢雲「確かに、あのときは私達とにかく先代とひたすら特訓ばっかりしてたわね」


磯波「やっぱり艦娘は違うなって思いました」


提督「流石に鎮守府を空にするわけにはいかないからな。そこで俺達が配属したということだ」

~~4年と半年前~~


少女→吹雪「へぇ~...ここが舞鶴鎮守府か。司令官、ここで何をするんだ?」


少佐→提督「半年間の訓練を出撃などで発揮してくれたら良いよ」


白雪「それでは吹雪と司令官。この舞鶴でよろしくお願いしますね♪」


提督「ああ、よろしく頼むよ」


吹雪「よろしく」


3人はそれぞれの荷物を持って門を通る。入り口には守衛が立っていたが3人を見るなり、すぐに敬礼をする。


吹雪「でけぇな。前の横須賀と同じくらいか?」


提督「多分それくらいだろうね。僕たちの任務は日本海側の防衛だよ」


白雪「防衛なのに二人で良いんですか?」


提督「さっきも言った通り、今は南方海域に戦力を集中させたいんだろう。かといって、こっちを攻められたら元も子も無いんだけどね」

3人はまず執務室に向かう。がらがらとタイヤの音だけが廊下に響く。3人以外に人が居らず、ただただ虚しく進んでいくだけである。


提督「人が誰も居ないな。まだ、門に立っていた守衛しか人を見ていない」


吹雪「寧ろ居たら怖いだろ。それともお化けをお望みで?」


提督「いえ、そう言うわけでは無いんだが...」


白雪「まぁまぁ、いきなり大人数でも混乱するだけですし、ね?」


提督「それもそうだな。っと、そんなことを言ってたら着いたようだ」


立ち止まった扉の横には、『ズラカベル入ニ手勝、室務執ハココ』と書かれた張り紙が張られている。


提督「えっと...これは、入って良いのか?」


吹雪「こう言うものは堂々といけば良いんだよ。失礼するぞ」ガチャッ


吹雪は何の躊躇いもなく扉を開ける。後ろでは白雪が大きな溜め息をついていた。


白雪「ほんとに常識のない...」

今日はここまで。

昨日は申し訳ない。いつの間にか寝落ちしてたようです。再開

吹雪が執務室の扉を開け放つと、真っ先に目に入ったのが、ど真ん中に置かれた新品同様の提督机とその机の上にある万年筆だった。


吹雪「誰も居ねぇじゃねえか。お二人さんは何を躊躇ってたんだ?」


白雪「はぁ...今回は誰も居なかったものの、もしお偉方が来てたらどうするんですか?叱責で済めば良いものですよ...全く...」


提督「まぁ、大丈夫だったから結果オーライなんじゃないかな?」


白雪「司令官も!貴方は優しすぎます!これまで半年間ずっと一緒に過ごしてきましたが、その優しすぎる性格はどうにかならないんですか!」


吹雪「何でお前は怒ってるんだよ」


白雪「誰のせいだと思っているんですか!全くもう!」


提督「まぁまぁ、白雪。落ち着いてくれ。今は怒らずに執務室の準備をしよう、な?」


白雪「むぅ...分かりました...」


白雪はプクッと頬を膨らませ、自分の荷物を整理し始める。

提督は提督机に鎮守府内の見取り図を広げる。


提督「なるほど、食堂は1階で仮眠室はこの執務室の隣か。かなり広いな、目が回りそうになる」


吹雪「なぁ、私達が寝るところはどうなるんだ?」


提督「艦娘は寮があるはずだから、と言いたいところだが、流石に二人だけで寮に住むのは嫌だろう?」


白雪「ではどちらに?」


提督「この向かいの部屋は秘書艦娘の使う部屋らしいがそこに二人で居ててくれないか?」


吹雪「はいはい、寝れるところがあるなら何でも良いや」


白雪「あくまで他の艦娘が来るまでですよね?」


提督「ああ、その通りだ」

吹雪と白雪は執務室からでると、向かいの部屋の扉を開ける。執務室よりは小さいが、それでも十分な大きさがあった。


吹雪「ほう、秘書艦ってのはこんな部屋に一人で居られるのか」


白雪「テレビまでありますね。流石に優遇され過ぎではないでしょうか...」


二人はここにも置いてあった机に荷物を置くと、それぞれの荷物を出し始める。二人の荷物の中には、下着や制服の替えがあり、全て上から送られた支給品であった。


吹雪「ん?何だ、この変な形をした服は?」


白雪「それはブラジャーです。胸を外に晒さない様にするための下着ですよ」


吹雪「じゃあこれは?」


白雪「それはパンツです。て言うか、それすらも知らないんですか!?」


吹雪「ああ、初めて見た」

朝はここまで。また寝落ちしてごめんなさい

再開します

白雪「ったく...貴女は本当に...」


白雪は言葉を発した後、ハッとした顔で吹雪の顔を見つめる。


白雪「ちょっと待ってください。まさか...穿いてない?」


吹雪「何を穿くんだ?このスカートの下なら...」ピラッ


白雪「見せなくていいです!!早くこれを穿いてください!!」


吹雪「あ、ああ、これってズボンと同じように穿けば良いんだよな?」


白雪「その通りです!その通りですので早く穿いてください!」


吹雪「そんなに怒らなくたっても...」ハキハキ


吹雪は白雪にパンツを無理矢理渡されると、スカートの下に穿く。


吹雪「これで良いのか?何か変な感じなんだが...」


白雪「こっちからしたら穿いてない方が変な感じです...」

吹雪「まぁ良いや、他の荷物もさっさと出そう。下着という言葉も知れたしな」


白雪「むしろ知ってるのが当たり前なんですよ...」(ーдー)


吹雪「そうなのか?」


白雪「当たり前じゃないですか...これが特型駆逐艦一番艦の『吹雪』だなんて...他の人が知ったらどんな反応をするでしょうか...」


吹雪「んなこといわれても、勝手に私の艤装をすり替えた奴が悪いんだろうが」


白雪「ホント誰ですか?。この人に特型駆逐艦の艤装とすり替えた人は...」


提督「あ、それ俺だ」


外で話を聞いていたのか、タイミングよく部屋に入ってきて白雪の質問に答える。


提督「いやはや、艤装が余ってたから無理を承知ですり替えてみたら見事に使いこなすもんだからね。上も適合者を探してたみたいだから、誉めてもらえたよ。ハハハ」


白雪「ハハハじゃないですよ!もう!」

提督「あ、そうそう。さっき上から船団護衛の任務が来てね。早速だけど出撃してくれるか?」


吹雪「船団護衛?輸送船か?」


提督「その通りだ。北方から燃料と鋼材、弾薬とボーキサイトを腹にたくさん溜め込んだのが20隻、佐世保に向かうのを護衛してくれとのことだ」


白雪「早速の大仕事ですね。腕がなります」


吹雪「それにしても20隻をたった二人で護衛するのか。少し無茶じゃないか?」


提督「今は日本海側の深海棲艦が少ないからね。その内に資材を佐世保に送ろうということだ」


白雪「リンガは遠くて深海棲艦も多いですからね。佐世保が妥当だと思います」


吹雪「んじゃ、早速出撃するか」


提督「初陣頑張ってくれ。健闘を祈る」

二人は艤装を装着すると、海を駆けていく。前方はゆらゆらと視界が揺らめき、生暖かい海風がやって来る。


吹雪「んで、輸送船との合流海域はどこだ?」


白雪「現地点から10km直進した所の海域が合流海域です」


吹雪「なら、さっさと合流しよう。多分船団護衛はこれだけじゃないだろうしな」


白雪「ですね。それにしてもなぜ私達は舞鶴に送られたのでしょうか。今は少しでも戦力を集中させたいでしょうに...」


吹雪「船団護衛でもさせたかったんじゃないのか?
駆逐艦の役目だしな」


白雪「それならば睦月型が居るでしょうし...」


吹雪「まぁ良いじゃんか。それよりも今は障害物を排除するのが先らしいがな」


側面から駆逐イ級が1隻で迫ってくる。完全にこちらを認識し今にも砲撃してきそうである。


吹雪「んじゃやりますか。単縦陣、右砲雷撃戦用意!撃てー!」

休憩、もしかしたら夜に再開するかも?

再開、試験が来週からあるので更新が少なくなるかもです。

二人がイ級と向い合わせになり、だんだんと距離を詰めていきながら砲撃を始める。


イ級「ーー!」


砲撃を受けたイ級は反撃にと砲撃をし返してくる。深海棲艦がたった1隻だけなのもあって、こちらには1発も当たらない。二人が全て避けているのである。


吹雪「深海棲艦ってのは雑魚だな!沈みやがれ!」


白雪「よし、ここで沈めます!」


イ級「ーー...!...」


イ級が吹雪の砲弾を避けると、それを読んでいたかのように白雪の砲弾が命中し、イ級が真っ二つに割れて海に沈んでいく。


吹雪「白雪、早く合流海域向かおう」


白雪「そうですね」


二人は最大戦速で海原を駆けていく。

30分分程駆けていると、前方に大きな輸送船が20隻見えてくる。今回の任務の主役だ。


吹雪「あれか。20隻、全ているな。途中で沈められた様子は無さそうだ」


白雪「間に合いましたね。これならちゃんと任務を達成できそうです」


輸送船団に近付いていくと、甲板からこちらに旗を振っている男性がいた。


船長「オーイ!君達が護衛してくれる子達かわー!?」


白雪「はい!その通りです!ここから佐世保まで三時間程、護衛させていただきます!」


船長「それはよかった!!今から俺達は全速力で佐世保に向かうが、それまでよろしく頼むよ!!」


白雪「お任せ下さい!!」


船長が甲板から姿を消すと、輸送船は大きなラッパを鳴らして航行を再開する。


やはり輸送船は遅く、駆逐艦でいう原速程度の速さしか出ない。

吹雪「何事も無く佐世保まで行ければ良いけどな」


白雪「流石に深海棲艦も輸送船団を狙わないほどバカではないでしょう。それにこれだけ遅いのです。1隻2隻沈められるのは覚悟しておかないと...」


二人は輸送船団を牽引するように前を走る。近すぎず遠すぎず、絶妙な距離感を保ったまま日本海を航行していた。


吹雪「やっぱり狙ってきたか。気の早い奴らだ」


前方を確認すると軽巡と駆逐で編成された深海棲艦の水雷戦隊が近付いてくる。


吹雪「白雪、後方の警戒を頼む。何もなさそうだったら助けに来てくれ」


白雪「あの水雷戦隊に一人で突っ込むと?」


吹雪「そうだ、前方に集中させ過ぎて後方から沈められるのは嫌だからな」


白雪「分かりました。前方はお任せします」


白雪は航路を反転させ輸送船団の後ろにつく。

吹雪「それじゃ、私の華々しい戦果作りと行きますかね!」


再び吹雪は速力を上げ、敵水雷戦隊に突っ込むでいく。


ホ級「ーー!」


ホ級はこちらを声にならない声で威嚇し、配下の駆逐艦に指示を下す。すぐさま単縦陣を組み、こちらに向かってくる。


吹雪「さぁ、人間とは違った面白さを見せてくれよ?」


ここに1対6の圧倒的吹雪が不利の状態で戦闘が始まった。


吹雪「そんじゃやりますか!!」


試しに吹雪は砲弾を何発か程撃ち込む。全て命中しなかったものの、今のでどれくらいの距離なのかを測ることが出来た。

今日はここまで。明日は検定試験で忙しいっす。申し訳ない

検定試験終わりました。結果は分かりませんが、まぁ気を楽にして待ちながら更新していきます。

ホ級「ーー!」


吹雪からの砲撃を挑発と受け取ったのか、後ろの輸送船団には目もくれず一心不乱に吹雪を狙い始める。


吹雪「はっはぁ!6隻で狙ってそのザマか!?もう一回訓練からやり直してきやがれ!」


深海棲艦は人を言葉を解することが出来るのか、それとも本能的な何かなのか。吹雪が挑発的な言葉を発する度に深海棲艦からの砲撃が強くなり、吹雪の回りに水柱を立てている。


吹雪「失望もんだな。良いか化け物、こういう戦いってのはなぁ...」


吹雪が口を閉じたとき、駆逐イ級が大きな爆発に巻き込まれ真っ二つに割れる。もう一体のイ級が爆風で動かされ、ホ級とぶつかりパニック状態となる。


吹雪「挑発に乗ると負けるんだよ」

白雪が敵艦隊の背後に回り、酸素魚雷を放っていた。それほどまでに吹雪に執着していたのか、未だにホ級は吹雪から狙いを外していなかった。


白雪「弾幕張ります!撃ち方始め!」


白雪が砲撃を開始する。それに気付いたホ級がようやく砲を旋回させるが、既に遅かった。


吹雪「沈んでろ、化け物が!」


全速力で近付いていた吹雪は、超至近距離で魚雷を放つ。それを避けるには遅く、ホ級に死がやって来た。


白雪「敵艦隊旗艦ホ級撃沈。他の駆逐艦も皆一目散に逃げていきますね。吹雪、戻ってきてください」


吹雪『ハイよ。ちょっと待ってろ。今から向かう』


数十秒後、米粒程の大きさだった吹雪が数mの近さまで来ていた。

今日はここまで。更新少なくてすみません。期末考査も来ておりまして...

ビジネス文書検定、期末考査共に終了しました!結果は2週間後とのことなのでそれまでのんびり更新していきますよ♪

吹雪「後方はどうだった?」


白雪「大丈夫です。何もいませんでした」


吹雪「なら、さっさと輸送船団を佐世保に向かわせよう。早く終わらせたい」


白雪「それもそうですね」


二人は再び輸送船団の先頭を進み、先導していく。


船長『あー、あー、二人とも聞こえるか?』


吹雪「ん?何か用か?」


船長『もしも弾薬や燃料が足りなくなったら言ってほしい。いつでも補給しよう』


白雪「で、ですが、そんなのしたら...」


船長『大丈夫大丈夫。これだけの資材があるんだ。少しくらいくすねたってバレはしないさ』


吹雪「ありがとうな、おっさん。だけど、一応こっちも軍人だ。勝手にするわけにはいかないのさ」


船長『そうか、分かった。だか、本当にヤバくなったらこっちを頼ってくれよ?』


吹雪「ああ、させてもらうよ」


無線を切ると航路の前方に意識を集中させる。しかしその集中は隣からの言葉で無くなることとなる。


白雪「成長しましたね」


吹雪「はぁ?私がか?」


白雪「ええ、初めてあったときとは大違いです。あの時は本当に自分勝手で...」


吹雪「その話はもういいだろ!?」


白雪「いえ、いつか他の特型駆逐艦と会えたらこの話をします。その方が面白いでしょう?」


吹雪「か、勝手にしろ!」


白雪「ふふふ♪」


二人と輸送船団はこの後何事も無く佐世保まで着くことが出来た。

~~佐世保鎮守府前海域~~


吹雪「ようやく着いたな。長かった」


白雪「三時間ほどでしたから、後はあちらからの無線が飛んでくれば...」


『あー、あー、鎮守府に近づく艦は直ちに所属と目的を述べよ。さもないとこちらから攻撃を行う』


白雪「こちら舞鶴鎮守府所属、白雪と吹雪です。資材を積んだ輸送船団を連れてきました」


『了解、確認した。港への停泊許可を出す。そのままこちらへ向かってきてくれ』


白雪「了解しました」


吹雪「何だって?」


白雪「このまま入港します。輸送船の皆さんは私たちの後ろについてきてください」


二人は輸送船団を港に停泊させると、すぐさまクレーンとトラックがやって来て、中に溜めていた資材が運び出されていく。


吹雪「後は帰るだけか?」


白雪「いえ、戻る前に佐世保の司令官に報告をしてから帰ります」


吹雪「チッ、めんどくせぇなぁ...」


白雪「あと少しの辛抱ですから、ね?」

二人は陸に上がり、道中で会った艦娘に挨拶しながら執務室へと向かう。


吹雪「ここの司令官はどんな奴なんだ?」


白雪「怖い方らしいですよ。なんでも毎日怒号が飛ぶのが当たり前だとか...」


吹雪「あっそ、まぁどうでもいいや」


白雪「どうでもいいって...ならなんで聞いたんですか...」


吹雪「ん?聞いてみただけだよ」


白雪「えぇ...」


吹雪「それよりももう着いたみたいだぞ」


舞鶴で見た扉と立て掛けがあった。それを見てすぐに執務室だと分かった。

昼はここまで。また夜更新します。

再開します

吹雪「んじゃ、さっさと入るか」


吹雪はすぐにドアノブに手を伸ばす。それを隣にいた白雪が手をはたいて止める。


白雪「ちょ、ちょっと待って下さい!」


吹雪「って、何すんだよ」


白雪「いやいやいや、今ノックもせずに入ろうとしましたよね!?」


吹雪「ノック?」


白雪「扉を軽く叩いて中の人に入室の許可を貰うんです!貴女は一応舞鶴を代表する艦娘何ですからね!」


吹雪「ノックをしてから入ればいいんだな?」


白雪「それと、言葉を丁寧に、『です』『ます』口調でお願いしますよ!」


吹雪「はいはい、分かったよ」


吹雪が扉をノックすると、中からいかにも厳しそうな声が返事をしてくる。


佐世保提督「入れ」


吹雪「失礼します」


二人は執務室の中に入り、最後に入ってきた白雪が静かに扉を閉める。


吹雪「任務結果報告をしに参りました」


そういうと海軍式の敬礼する。


佐世保提督「続けてくれ」


吹雪「損害0。輸送船20隻全て佐世保まて護衛しました」


佐世保提督「そうか、ご苦労。舞鶴からここまで長かっただろう?」


吹雪「いえ、それよりも私達からの報告は以上です。他に何かありますか」


佐世保提督「いやない。下がっていいぞ」


吹雪「失礼します」


二人は再び敬礼すると、執務室から出ていく。

白雪「...やれば出来るじゃないですか...」


吹雪「あ?あんなの口調を変えただけだ。ふぁ~...眠くなってきた。さっさと帰るぞ。寝たい」


白雪「ずっとその口調で続けてくれたら良いのに...」


吹雪「なんか言ったか?」


白雪「気にしないで下さい」


二人は鎮守府から海に出ると原速で舞鶴まで、向かう。

寝ます。
お休みなさい

おはようございます。再開していきます。

二人が佐世保鎮守府と舞鶴鎮守府の中腹辺りまで来た頃には、西に日が沈みかけていた。


白雪「そろそろ夜が来ますね。電探も探照灯もが無い状態での夜戦は危険です。出来るだけ戦闘は避けていきましょう」


吹雪「ああ。夜か、時間が経つのは早いもんだな。帰った頃には飯が用意されてるといいが」


白雪「あの人のことです。用意してくれているでしょう」


吹雪「だな、そうと決まればさっさと帰って...」


その時だった。吹雪の二、三m右横でとても大きな水柱がたつ。衝撃で転覆しそうになり、何とか体勢を立て直す。


吹雪「うわっ!?何だ何だ!?」


白雪「6時方向!敵戦艦ル級確認!あの距離で初弾からこの正確さ...まさか電探...!?」


吹雪「電探か何か知らねえが、今は逃げるぞ!夜になったらまずいんだろ!」


白雪「針路このまま!すぐにここから離脱して...っ!?」


前方から昼に遭遇した水雷戦隊の生き残りが前からやって来た。


吹雪「あん時の取り巻き共か...!全部沈めておけばよかった...!」


白雪「夜になる前に前方の生き残りを沈めます!行きますよ吹雪!」


吹雪「分かってる!」

速力を上げ、回避運動をしながら敵に近付いていく。こちらからも仕返しとして砲撃をするが、回避運動によって著しく低下した命中率は、深海棲艦に当たることはない。


吹雪「ケッ、囲まれてんな。あん時みたいだ」


白雪「駄弁ってる暇があるなら手を動かして下さい!このままお互い死にますよ!」


吹雪「おお、怖い怖い。なら、突っ込むか」


白雪「はい!?」


吹雪「駆逐艦は近距離での戦闘で強くなるんだろ?だったら近付いて沈める。幸いま砲弾と魚雷はあるからな」


白雪「本当にあなたと言う人は...良いでしょう!こうなれば私も自棄です。一気に距離を詰めて攻撃で良いんですね!」


吹雪「よしよし、なら行くぞ。私が魚雷を撃ったら二手に別れて攻撃する...用意」


ある程度敵からの砲撃が治まってきた頃、吹雪は合図の魚雷を放つ。


吹雪「散開!」


魚雷の進路を軸にして別れていく。後ろにいる敵戦艦ル級が何かに気付いたのか吹雪へ砲撃をするが、そんなことお構い無し進み続ける。

朝はここまで休日は朝2回、昼2回、夜2回更新していきたいです

昼再開

吹雪「白雪、聞こえるか?」


白雪『ええ、何ですか?』


吹雪「舞鶴に連絡入れとけ。『敵戦艦ル級ト交戦中、少々遅レルガ心配ノ必要無シ』ってな」


白雪『あの方は、優しくて人一倍心配性ですからね♪』


吹雪「そういうことだ。さてと、後ろにいる戦艦が撃ってきたら突っ込む。準備はいいか?」


白雪『いつでも』


吹雪が駆逐艦からの砲撃を回避しながら、後ろにいるル級を監視し続けるとピカッと光る。


吹雪「突っ込め!!」


吹雪が砲弾を放ちながら、敵残存艦隊に突撃する。吹雪が居た位置には大きな水柱が立っていた。

全速力で敵残存艦隊に向かって駆けていく二人は、砲弾の雨に見舞われる。


吹雪「ぐぁ...!」


白雪『吹雪!?』


軽巡からの砲弾が肩に当たってしまいに当たってしまい、左肩が外れた痛さで声が出てしまう。


吹雪「こっちは気にすんな!それよりも魚雷の準備はいいか!?」


白雪『タイミングは任せます!』


吹雪「よっしゃ!酸素魚雷、一斉発射だ!いけー!!」


発射管から弾けて出ていった魚雷は、一直線に向かっていく。すぐさま二人は離脱して、戦艦からの砲撃にだけ、集中する。


囲むようにして放った魚雷は敵を混乱させるには十分であり、避けようと駆逐艦同士が回避しようとして魚雷が命中する。

昼終了、盆地は暑いですね...

再開、題名はいったいどこへ行ったんだ?

吹雪「このクソが!」


イ級と密着した吹雪は、右手の連装砲で精一杯殴り沈める。


吹雪「って~...硬すぎんだろ。左肩は外れたし...そうだ、白雪はどうなった?」


白雪「吹雪!大丈夫ですか!?」


近くまで近づいてきた白雪は、吹雪の体を心配する。


吹雪「ああ、大丈夫。それよりも早く逃げるぞ、あの野郎まだ追ってきてやがる...」


白雪「早く治療をしなければいけません。急ぎますよ!」


吹雪「あ、おい!」


白雪は吹雪を連れて、現戦闘海域を離脱する。獲物逃したル級は、怒りなのか海に向かって吼える。

白雪「ここまでくれば大丈夫でしょうか...」


吹雪「砲撃のおかげで私の服がボロボロだ。代えは舞鶴にあるが...」


吹雪の破れてボロボロになった制服の中からは、ブラジャーとパンツが見えていた。


白雪「吹雪、肩を見せてください」


吹雪「大丈夫だって、こんなもん...」


白雪「いえ、ダメです。ちゃんと治療しないと、今後戦えなくなりますよ」


吹雪「はぁ...ほんと白雪はセコいわ...」


諦めたのか大人しく左肩の部分の袖を破り、白雪に見せる。


白雪「完全に肩が外れてますね。応急処置をします。少しというか、かなり痛みますから覚悟を決めてください」


吹雪「...よし、いつでもこい」


白雪「それでは行きますよ!せーのっ!」


バコッ!と鈍い音が響き、吹雪の顔が苦痛で歪む。

今日はここまで。お休みなさい」

再開します

吹雪「ったぁ~...!」


白雪「これで良し。後は安静することなので固定させるのですが...服を代用しましょうか」


白雪は服を脱ぎ、それを縦に裂いて包帯代わりする。慣れた手つきで腕を固定させると、すぐに連装砲を拾い周囲を見渡す。


白雪「周囲に敵影無し。一時間程、予定時刻から遅れています。周囲を見ながら帰還しましょう」


吹雪「はいはい、それにしても肩が外れただけでこんなことする必要あるか?元に戻すだけでいいと思うんだが...」


白雪「ダメです。骨が変にくっついたらどうするんですか?まともに腕が動かなくなるかも知れませんよ?」


吹雪「今までそんなことは無かったし、別にしなくてもいいと思うが...」


白雪「ダ メ で す」


吹雪「分かった、分かったから顔を近づけるなって!」

二人は再びエンジンの出力を最大まで上げ、速やかに舞鶴鎮守府へと向かっていく。


白雪「初の輸送船団の護衛、どうでした?」


吹雪「めんどくさい。戦闘だけなら楽だが迂闊に突撃出来ないからなぁ...」


白雪「戦闘狂ですか貴女は」


吹雪「うっせーよ。服を堂々と海上で脱ぐお前は露出狂だろ」


白雪「なっ!?貴女の為にわざわざ私の服を犠牲にして、応急処置をしてあげたのになんですかその態度は!」


吹雪「それにしては感謝してるけどさ。だからといって、服全部を犠牲にしなくても...」


白雪「それなら貴女は服の破れた所から私にブラジャーとパンツを見せつけてるじゃないですか!」


吹雪「しょうがねえだろ!?こっちは戦艦からも狙われてたんだよ!沈んでないのを喜んでほしいものだね!」


白雪「そんなことを言い続けると、髪の毛を整えたり、朝起こしたりしてあげませんよ!」


吹雪「ぐっ...それは...」


提督『君達、無線を開けたまま痴話喧嘩は止めて欲しい。聞いてるこっちが恥ずかしくなる』


提督の言葉を聞いた白雪は顔を真っ赤にする。

白雪「し、司令官!?ど...どこから聞いてました...?」


提督『白雪が輸送船団護衛について聞くところからだな』


白雪「最初から最後まで聞いてるじゃないですか!」


提督『しょうがないだろう。無線で連絡しようとしたら、いきなり二人の声が聞こえてきたんだ。君たちは夫婦か何か?』


白雪「違います!それに私たちは女の子同士ですよ!?」


司令官『関係無いさ。外国では同性婚が認められている所もあるらしいからな。別に良いんじゃないか?』


白雪「ここは日本で他国とは違います!それよりも入渠ドックとお風呂と服の替えをお願いします!早急にですよ!」


提督『あ、ちょ、まっ』


ブチッと一方的に白雪が無線を切ると、まだ若干顔を赤くしたまま進んでいく。

今日はここまで。お休みなさい

再開します

既に日は沈み、ほとんど前が見えない中、微かに届く月の光で羅針盤を確認し、進んでいた。


白雪「おかしいですね...本来ならもう到着しても良い頃のはず...まさか方向を間違えた?」


吹雪「おい、今は私たちが向かってるのは南西だぞ?近くまで来てるはずなら、南東に向かえば良いはずだが?」


白雪「え?私の羅針盤ではこの方向が南東ですよ?」


この時、二人の頭の中に嫌な予感がよぎる。もちろんその予感は正確であり、同時に舞鶴へと帰れないことを意味する。


白雪「そんな...羅針盤が壊れた...?」


吹雪「ああ、その通りだろうな。そして、このままじゃ帰れない。お手上げ状態だ」


白雪「ど、どうするんですか!?」


吹雪「落ち着けよ。こんなときに焦っても仕方ないさ。それに最悪何処かの陸に上がって野宿すれば良い」


白雪を落ち着かせるようにして話す。

白雪「そう...ですね。ここで焦っても仕方ありません...何とかして夜を明かすことを考えましょう」


吹雪「ああ、そうなんだが...」


白雪「?」


吹雪「何か、音が近づいてくる...」


白雪「敵...?」


吹雪「さぁ?一応砲を構えとけ。今見てる方向を12時として、3時の方向か。」


白雪「了解」


何かが海の上を滑る音が聞こえ、だんだんと音が大きくなってくる。


吹雪「近いぞ...」


突然バシャッと音がすると、強い光が二人を襲い、目がやられる。


白雪「キャッ!?」


吹雪「クソッタレ...!砲撃始め!」


提督「待った待った待った!!俺だって!」

ここまで、このまえ写真撮ったのですが、やたらライトが強いと思ったのは私だけでしょうか?

再開していきます

吹雪「何だお前かよ...撃ちそうになったじゃねえか。驚かせるなよ...」


提督「それはこっちの台詞だ。レーダーに二人を捉えたと思ったら突然、鎮守府から真反対の方向に向かうもんだから焦ったぞ」


白雪「?おかしいですね。私たちは鎮守府の方向へ向かっていたはずです...」


吹雪「んー?まぁ、難しいことは良いや。さっさと帰ろうぜ。眠いし腹へった」


提督「そうだな、二人とも船に乗ると良い。その格好じゃあ恥ずかしいだろう?」


バッと白雪が胸を隠すのを、隣で吹雪が不思議そうに見ている。


吹雪「?何で隠す必要があるんだ?」


白雪「知らないなら知らないで良いです!それよりも司令官!早く船を出してください!」


提督「はいはい、じゃ飛ばすから気をつけろよ!」


3人が乗った船は、時速80㎞程の速さでこの海域を後にし、鎮守府へと向かっていく。

提督「あ、そうそう。二人に話があるんだが...」


吹雪「何だ?迷子になったことか?それとも服がボロボロなことか?」


提督「違う違う。明日の昼また船団護衛任務をしてもらうんだが、もう一人追加の艦娘佐世保から来るらしい」


白雪「新しく来たとしても、三人ですから結構大変ですが頑張っていきましょう」


提督「その意気だ、白雪。吹雪ももっと話し方とか性格柔らかくしたらどうだ?

寝ます。また、明日の朝

再開

~~翌日 午前6時~~


白雪「んぅ...今何時ですか...」ガサゴソガサゴソ


顔を枕に突っ込んだまま手探りで、時計を探す。替えの服や荷物を手でどかしていくと、手に大きなものが当たり、それを掴む。


白雪「...6時ですか...ふぁ~...」


まだ寝ようとする体を無理やり起こすと、大きなあくびと伸びをする。隣では吹雪がまだ、小さな寝息を立てながらぐっすりと眠っていた。


吹雪「すぅ......すぅ......」


白雪「まだ吹雪を起こす時間ではありませんね...ふぁ~...顔を洗って眠気を覚ましましょう...」


よたよたとふらつきながら、部屋の中に設置された洗面台に向かっていき、蛇口を捻って水を出す。てでおわんを作るとそこに水を貯めて顔にぶつける。この作業を5回ほど繰り返していた。


白雪「ふぅ...よし、今日も頑張っていきましょう。そういえば新しい人が来る予定でしたね。執務室に向かいましょう」


部屋の扉を開けると、目の前の執務室の扉の前に白雪と同じぐらいの少女がたっていた。


白雪「ん?あの、どちら様ですか?」


??「ひゃっ!?」


後ろから声をかけると、飛び上がってこちらに振り返る。


??「もう、驚かせないでよ!」


白雪「しー...まだこの部屋で寝てる人が居るんです。出来るだけ静かにしてください」


??「あ、ご、ごめん...」

白雪「それで、どちら様ですか?どこかで見たような...?」


曙「私は特Ⅱ型駆逐艦『曙』、今日からこの舞鶴で輸送船団護衛任務を手伝うことになったわ。多分これからずっとお世話になると思うけど」


白雪「ああ、試験で吹雪と一緒のチームになってた人でしたか」


曙「あいつの話は止めて」


白雪「?」


曙「...私、あいつのこと苦手なの」


白雪「どうしてです?」


曙「私が悪いってのは分かってるんだけど、未だに頭からあの怒鳴り声が全く離れなくて...」


白雪「あー...その事なんですか...」


白雪は途中まで言うと話すのを止めてしまった。頭の中で『黙ってた方が面白いことになるかも』と考えていたのだ。


曙「?どうしたの?」


白雪「いえ、何でもないです」

白雪「多分、司令官も起きているでしょうし、執務室に入りましょうか」


容赦なく開けると、中で提督が優雅にコーヒーを飲んでいた。


提督「おや、白雪。もう起きていたのか。後ろの子は?」


白雪「今日、新しく佐世保からやって来た子です。それでは自己紹介をどうぞ」


曙「特Ⅱ型駆逐艦『曙』です。今日からこの舞鶴鎮守府に着任することになりました」


少し気怠けな感じで自己紹介をすると、敬礼をして立っている。


提督「そうか、よく来てくれた。部屋は...佐世保ではどうしていた?」


曙「友達と相部屋でしたが」


提督「そうか...どうしたものかな...3人で奇数だから一人余るんだよな...俺と相部屋するか?」


曙「ぜっったいに嫌です」


提督「ただのジョークだよ。ジョーク。海軍はユーモアなジョークを言えて初めて一人前になれるらしいからな」


曙「...そんな言葉を初めて聞きましたが?」


提督「ははは、まぁ3人で相部屋してもらうか、白雪、悪いが起こしてきてくれるか?」


白雪「分かりました」


白雪は執務室からでていくと、吹雪を起こしに行く。

朝はここまで。次の更新で初出撃編を終わりたいと思います。

再開、昼は那珂ちゃんと川内のレベリングで更新できませんでした。申し訳ありません。

曙「......」


提督「あ、そうそう曙」


曙「何ですか?」


提督「無理に敬語にしてるのバレてるからな。無理するぐらいならいつもの口調で良いぞ」


曙「分かったわ」


提督「おお、曙は物分かりが早くて助かる。ここの旗艦はビックリするぐらい頑固だからな」


曙「ふん、知らないわよ。嫌われてるんじゃないの?」


提督「いや、それは無いな。何せ半年も一緒に過ごしてきたんだ。お互い信頼し合えてることは分かる」


曙「それ、あんたの思い込みじゃなかったら良いわね」


提督「ははは、そんなはずは...あ、いやでもどうだろう。もしかしたら嫌われてるかもしれないな」


<コンコン


外から執務室の扉を叩く音が聞こえ、提督が許可を出す。入って来た吹雪を見た曙がギョッとする。

吹雪「チッ...まだ6時半だろうが...起こすんじゃねえよ...」


曙「......」ガクガクガク


提督「すまないな吹雪、昨日言ってた子が来たからね」


吹雪「んで、誰なんだ?その新しいやつは?」


提督「君の右斜め後ろにいる子だ。振り返ってみると良い」


吹雪「あ?」クルッ


寝起きで不機嫌のせいか睨むようにして後ろに居る曙を見る。


曙「ヒッ...!?」


白雪「やっぱりこうなりましたか」


吹雪「ん?何だお前。どっかで会ったか?」


曙「と、特Ⅱ型駆逐艦の『曙』よ!あんたのこと忘れてないんだからね!」


吹雪「ハァ?てか、わざわざこいつを私に紹介させるために起こしたのか?ただでさえ眠いのに6時半に起こすとか頭おかしいのか?」


曙「こ、こいつって...!」


提督「そうだった、寝起きの、もしくは7時よりも早く起こした吹雪は機嫌が悪いんだったな。すまない、残りの30分間。ぐっすりと寝てくれ」


吹雪「ケッ、くそが...」


目を半分閉じながら、執務室を出ていきまた部屋に戻っていく。

曙「ね、なんなのよあいつ...!」


そう言う曙の脚はガクガクと震えていた。


提督「すまないな...寝起きの機嫌が悪いのを忘れてたんだ。あの時の吹雪は眼つきで人を殺しかねない」


白雪「ちゃんと7時頃に起こして、機嫌を取れば良いんですが...あの吹雪はどうしようもできません」


提督「まあ、怖い思いをさせてしまったがあれがこの艦隊の旗艦だ。次会うときは機嫌も悪くないと思うから、安心して欲しい。確約は出来ないがね」


曙「ほんっと最悪よ...出来るなら佐世保に帰りたい...潮に会いたい...」


提督「まあ、頑張ってくれ」

~~現在~~


提督「とまあ、こんな感じだな」


深雪「うん、吹雪がなんで砲撃戦強いか良く分かった」


叢雲「まるで狂犬ね。良く白雪はストレスで死ななかったわね」


提督「話を聞く限りではそう思うかもしれないが、実際はあの二人とても仲が良かったからな」


磯波「そう言えば、1度お姉ちゃんと一緒に寝たことがあったんですが...」


~~回想~~


吹雪「それじゃ電気消すよ~!」


<パチッ


吹雪「えへへ、磯波ちゃんと一緒に寝るの初めて♪」


磯波「わ、私も初めてです!」


吹雪「初めてで興奮するのも良いけど、明日は早く起きないとだから、ね?」


磯波「はいっ!」


そうして私と吹雪お姉ちゃんは眠りについたのですが...その...真夜中に厠に行きたくなってしまって...でも、皆で怪談話をしたせいで部屋の外が怖くて...吹雪お姉ちゃんを起こしたんです。


磯波「吹雪お姉ちゃん、起きてください...」ユッサユッサ


吹雪「んぅ...」ムクッ


磯波「厠までついてきてください...」


吹雪「......さっさと行け...」


磯波「...え?」


吹雪「...聞こえなかったか...?」


磯波「い、いえ!早く厠に向かいます!」

急ぎ足で厠に向かいました。吹雪お姉ちゃんからの威圧がとても怖くて...怪談話の怖さを忘れるぐらいで...厠の中でも...


吹雪「ま~...だ~...か~...」


磯波「ヒッ!?もうすぐ終わります...!!」


急いで用を足して、厠から出ていきました。


磯波「お、終わりました...!」


吹雪「...さっさと寝るぞ...」


磯波「はひっ...!」


~~回想終了~~


磯波「ということがありまして...」


叢雲「寝起きの吹雪と関わらないでおこ...」


磯波「その日は私も眠かったので...聞き間違いかと思ったのですが...今回の話で確信しました。あの日の吹雪お姉ちゃんの言葉は聞き間違いじゃなかったんですね...」


提督「まあ、これで吹雪のことをもっと知れたわけだし、深雪が言ってた初出撃のことを言えたし、他に聞きたいことはあるか?無かったらこれで終わりとするが...」

今日は終わります。次はどんな過去か悩み中です

再開、要望があったので吹雪の口調が変わるシーンを書いていきます。

叢雲「そう言えば吹雪の口調ってその時と比べて凄く変わってるわよね。何かあったの?」



提督「吹雪の口調の話か?その事なら白雪が話した方が早いしな...少し待ってろ、呼んでくる」


提督が部屋からでていくと叢雲が大きな溜め息をつく。


叢雲「はぁ~...人は外見だけで判断できないものね。...もしかしてだけど、貴女達も昔は暴力的だったとかじゃ無いわよね?」


深雪「あたしは病気でいつも寝込んでたから、むしろ今の方が活発だな!」


初雪「小さい頃は友達と外で遊んでた...」


叢雲「なら、何があんたをそうさせたのよ...」


磯波「わ、私はあまり覚えてないです。で、でも皆で一緒に遊んでたことだけは覚えてます...」


叢雲「それを聞けて安心したわ...深雪や初雪はともかく、磯波が暴力的だったら気絶してたかも」


磯波「あ、でも1回だけ男の子を泣かしたことがあって...」


深雪「おっと?何だか雲行きが怪しくなってきたな」


磯波「何でかは覚えてないんですが...その...多分喧嘩で泣かせちゃったんだと...」


叢雲「もうやだこの吹雪型...何でこんなのばっかりなのよ...」

白雪「入りますよ」


ドアをノックして入って来た白雪は、口に猿轡を付けられ、体を縄でぐるぐる巻きにされた吹雪を引きずって部屋の中に入ってくる。


吹雪「んん~~!!」ビッタンビッタン


深雪「これは酷い...」


叢雲「なんてことしてんのよ!?」


白雪「どうせなら吹雪にも一緒に聞いてもらおうかと思いまして♪」


叢雲「あんたも十分狂ってたわ...」


磯波「吹雪お姉ちゃん...大丈夫ですか...?」


吹雪「ん~!んん~~!!」ビッタンビッタン


白雪「少しうるさいですよ」ドスッ


白雪が吹雪のお腹に向かって、拳を降り下ろす。それをモロにくらった吹雪はピクピク痙攣する。


深雪「これは酷い...」


叢雲「あんた...もしかしていろいろ吹雪に対して溜まってるものがあった...?」


白雪「いえ、全くありませんよ♪寝相が悪くていっつも蹴られてたとか、服を脱ぎっぱなしにして部屋を散らかしていつも片付けさせられてたとか、そんなの一個もありませんでしたよ♪はい、ありませんでした♪」


深雪・叢雲・初雪・磯波「(うわぁ~...めっちゃストレス溜まってるやつだ~...)」


白雪「それで、吹雪の口調が変わった時の話ですね。そうですね~...皆さんが1年前に着任したから...その頃と同じ頃ですね」

朝は導入部分て終わります

再開、吹雪の口調が変わるのは現在から役1年前の出来事です。

~~1年前~~


吹雪「最近この鎮守府にも艦娘がたくさん集まってきたなぁ...」


4年半前に比べ、南方海域での大規模作戦、そして北方海域での大規模作戦を終え、各地に均等に艦娘が割り振られ、舞鶴には約70名程の艦娘が割り振られていた。


白雪「いきなりですね。どうしました?」


吹雪「どうやら明後日、他の特Ⅰ型が来るらしいんだ...」


白雪「良かったじゃないですか。また賑やかになりますよ」


吹雪「そうなんだけどさぁ~...流石にこのしゃべり方じゃ相手を威圧してしまうかも知れ無いしさ...」


白雪「確か着任する特Ⅰ型は『深雪』『初雪』『叢雲』『磯波』でしたね。皆、どんな子か楽しみです」


吹雪「そこが問題なんだよ...」


白雪「?」


吹雪「もしかしたら、かなり前みたいに泣かしてしまうかもしれない...」


白雪「ああ...睦月型の子に泣かれてましたね...」


吹雪「そこで何だが...白雪」


白雪「はい?」


吹雪「女の子らしい話し方を教えてくれ!」


白雪「」( ゚д゚)ポカーン


吹雪「だ、ダメか...?」


白雪「い、いえ!とんでもない!分かりました、この白雪、全力で教えましょう♪」


吹雪「助かる!」

白雪「そうですね...まずはちゃん付けすることから始めましょうか♪」


吹雪「ちゃん付け?」


白雪「『~ちゃん』みたいな感じです。ちゃんを付けるだけでもかなり印象が変わりますよ」


吹雪「なるほど...白雪だったら『白雪ちゃん』みたいな感じか?」


白雪「はい、それと話し方を根本から変えていきましょう」


吹雪「??」


白雪「今の話し方じゃあまりにも女の子っぽくありません。ので、声のトーンや高さを全て変えましょう!」


吹雪「そんな無茶な...」


白雪「嫌なら良いですよ?皆に泣かれると良いです」


吹雪「分かった!分かったから!」

白雪「それでは、発声練習といきましょう」


吹雪「あ~↑あ~↑↑あ~↑↑↑」


白雪「ただ声の高さを上げてるだけじゃダメです!心から小さな子供をあやすような感じで!」


吹雪「あ~...あ~......あ~.........」


白雪「その声で白雪ちゃんと行ってみてください♪」


吹雪「し、白雪ちゃん...」


白雪「う~ん...何かがダメですね...」


吹雪「えぇ~...渾身の出来だと思うんだが...」


白雪「何か変な裏声入ってません?あまり無理に声を出さないように!」


吹雪「あぁ~...こほん。白雪ちゃん♪」


白雪「~!もう一回!もう一回お願いします!」

夜はここまで。

再開、少し遅れてしまいました。申し訳ありません。

吹雪「ええっ!?もう一回って...ちょっと待ってくれ...あぁ~...あー~...」


白雪「~~♪」ワクワクワクワク


吹雪「あぁ~...よし。こほん、白雪ちゃん♪」


白雪「~~!!やっぱり吹雪は最高です!!いつも私の期待以上のことをしてくれます!!」ダキッ


嬉しさのあまり、白雪が吹雪に抱きつく。


吹雪「もが!わかっ、分かったから抱きつくな!」


白雪「はっ!すみません...興奮のあまり我を忘れてしまいました...」


吹雪「なんか、白雪って初めて出会ったときと比べると結構変わったよな」


白雪「そうですか?」


吹雪「ああ、最初の頃は堅苦しかった。何かする度に1回1回文句を言ってくるから、正直イライラしてた」


白雪「な、中々辛辣ですね...」


吹雪「昔の話だよ。今の白雪のことを言ってるんじゃない」

白雪「まあ、時が経てば人は変わると言いますから、私もそうなのでしょう。それを言ったら吹雪もそうですよ」


吹雪「分かってる。それは私が一番理解してるさ。泥水を啜ってでも、人を殴ってでも、地べたを這いずり回ってでも生きようとしてたあの頃に比べたら、この生活が一番安定してる」


白雪「深海棲艦は居ますけどね」


吹雪「はははっ!違いないや!」


二人の間に、悲しげな空気が流れ、暫しの沈黙がやって来る。


白雪「...なんか、しんみりとしてきちゃいましたね」


吹雪「おいおい。私か白雪、どちらかが沈んで消えたわけでもあるまいし、もしどっちかがもう沈んでたらこんなバカみたいな会話してないだろ?」


白雪「ふふふ、それもそうですね♪」


また会話が途切れる。どちらも話題を探すが、何も見あたらない。この気まずい空気を打破するため、吹雪が再び会話を始める。


吹雪「あ、そうそう白雪」


白雪「?」


吹雪「白雪と出会って4年が経ったけど、これから先の残りの任期、よろしく頼むぞ?」


白雪「...えぇ、私からもお願いします♪それまで、沈まないで、生き延びて下さいね?貴女が言った以上、一方的に話を無かったことにされても困りますから」


吹雪「それはこっちもだ。白雪は私より戦闘能力は低いんだからな」

白雪「その通りですが、貴女が私よりも指揮能力が低いのも事実です♪」


吹雪「私は突撃をするのが役目みたいなもんだからな」


吹雪が立ち上がり、少し前に出て、振り返り白雪と目を合わせる。


吹雪「そんじゃ、私は言葉の練習を、部屋に戻ってすたすらしてくるよ。じゃあな」


白雪「また、会いましょう♪」


吹雪が駆け足で、部屋に戻っていく

申し訳ありません。寝落ちしてしまいました。また、今日の夜に再開します

遅くなりましたが再開します。

~~2日後 初雪ら着任の日~~


深雪「いや~、ここが舞鶴か!思ってたよりもでっかいなぁ!」


叢雲「はしゃぎすぎよ。それに前に1度来てるじゃない」


深雪「そうだっけ?」


叢雲「はぁ...」


初雪「...めんどくさい...」


磯波「あの...」


叢雲「ん、どうしたの?気温が向こうと比べて低いからお腹でも壊した?」


磯波「そうじゃなくて...この鎮守府の噂って本当なのでしょうか...?」


深雪「噂?何かあったけか?」


磯波「ここの秘書艦さんは暴力的で、昔は殴り合いばっかりしてたとか...」


叢雲「そんなの嘘に決まってるでしょ...そうよね?」


深雪「こっちに振るなよ。初雪、何か知ってるか?」


初雪「...その噂なら...こっちも聞いた...」


叢雲「今更だけど、横須賀に帰りたくなったわ...」


深雪「ここまで来たんだ。覚悟を決めよう」


深雪が率先して鎮守府の扉を叩く。すると、中から明るい声が聞こえてきた。


??「はいはーい!少しお待ちくださいね!」


ドタバタと走る音が聞こえると、数秒後に扉が開いた。


??「どちら様ですか?」


叢雲「私たちは今日、この舞鶴鎮守府に転属することになった艦娘よ」


??「なるほど!初雪ちゃん、深雪ちゃん、叢雲ちゃん、磯波ちゃんだね!ようこそ舞鶴鎮守府へ!」


磯波「えっと...貴女は誰ですか...?」


??「自己紹介してなかったっけ?まぁ、いいや。こほん」

??→吹雪「私は特Ⅰ型駆逐艦一番艦、そして舞鶴鎮守府秘書艦の『吹雪』です!」


叢雲「(ねぇ磯波...これがあんたの言ってた噂の秘書艦?暴力的なんてどこにも見あたらないんだけど?)」ヒソヒソ


磯波「(多分...秘書艦が変わったんだと思います...)」


叢雲「(あぁ...それなら納得だわ。暴力的な秘書艦なんてずっとそばに置いとく司令官も居ないからね)」ヒソヒソ


磯波「(少し...聞いてみましょうか?)」ヒソヒソ


叢雲「(待ちなさい。こう言うのは深雪に任せた方がいいのよ)」


吹雪「???」


叢雲「(深雪、1つ秘書艦に聞いてほしい事があるんだけど...今の秘書艦が何代目か聞いてみて)」ヒソヒ


深雪「(何で?)」


叢雲「(噂を確かめるためよ。この艦娘が噂の秘書艦とは思えないもの)」


深雪「(まあ、いいけどさ)」

今日はここまで。お休みなさい。

再開します。

深雪「なあなあ秘書艦殿」


吹雪「吹雪で良いよ♪それでなにかな?」


深雪「じゃあ吹雪、秘書艦って今で何代目なんだ? 」


吹雪「私が昔から秘書艦だから、まだ1代目だよ?それがどうかしたの?」


深雪「だってさ」


叢雲「そう、なら磯波の聞いた噂は嘘ね。いったいどこからその噂を聞いたのかしら」


磯波「うぅ...」


初雪「さっさと...部屋で寝たい...」


吹雪「ちょっと待ってね初雪ちゃん。司令官に挨拶してもらわなくちゃいけないから」


初雪「むぅ~...」


叢雲「なら、さっさと挨拶しちゃいましょ。こんなところで話しても無駄だわ」


吹雪「じゃあ案内するね。ついてきて」

吹雪は四人を連れて、執務室へと向かう。途中で様々な艦娘と出会うが皆驚いたような顔をしていた。


叢雲「あんた会う人全員に驚かれてたけど何かしたの?」


吹雪「あはは...まあ、ちょっと私が変わったからかな?」


叢雲「?まあ、何のことだか分からないけど別にいいわ」


五十鈴「吹雪秘書艦!やっと見つけた!」


吹雪「五十鈴さん?どうしました?」


五十鈴「また北上と阿武隈がもめてるの。止めてくれないかしら」


吹雪「あの二人は...!分かりました。五十鈴さんはこの子達を執務室へと案内してあげてください」


五十鈴「任されたわ」


そう言うと猛ダッシュで吹雪が駆けていく。


五十鈴「それじゃ行きましょうか、ってあら」


叢雲「お久しぶりです。五十鈴さん」


五十鈴「懐かしい顔が揃ってるわね。半年ぶりかしら?」


叢雲「五十鈴さんもこちらに?」


五十鈴「ええ、て言ってもここの鎮守府は海域攻略が主な任務じゃなくて船団護衛任務が主な任務になるわ」

五十鈴「あ、そうそう。ここの秘書艦には気を付けてね。怒らすと本当に怖いから」


深雪「怖い?」


五十鈴「なんて言ったらいいかわ分からないけど、とにかく怒らさないようにね?」


磯波「は、はい...」


五十鈴「まあ、近頃の秘書艦は軟らかくなったし、怒るようなことは無いとは思うけどね」


叢雲「へぇ~昔の秘書艦ってどんなんだったんですか?」


五十鈴「さあ?詳しく知りたかったら白雪か提督に聞いたらどうかしら、秘書艦に聞いても答えてくれないし」


叢雲「そうですか...」


五十鈴「ほら、着いたわよ」

今日はここまで。明日で口調変化編は終了したいと思っています

再開、こんなに吹雪(荒)が人気だなんて、このパートが終わったら番外編で出しましょうか。

コンコンッと扉を叩くと中から優しそうな声が帰ってくる。


提督「ん?誰だ?」


五十鈴「五十鈴です。新しく着任した子達を連れてきました」


提督「お、そうか。入ってくれ」


五十鈴「失礼します」


中には入ると、提督の横に白雪が立っていた。


白雪「五十鈴さん?吹雪はどうしました?」


五十鈴「秘書艦なら阿武隈と北上の仲裁に行っています」


白雪「そうですか。もう大丈夫ですよ」


五十鈴「分かりました。失礼しました」


五十鈴が執務室から出ていくと、早速提督が四人に話しかける。

提督「確か四人はリンガ泊地から転属だったな?」


叢雲「はい、向こうでは哨戒任務わ主としていました」


提督「この舞鶴は主な任務として船団護衛を請け負っている。あまり、大規模攻勢等には参加しないが最前線基地への資源輸送は我々が任されているため、我々が作戦の合否を握っているといっても過言ではない」


深雪「へぇ~...」


提督「そして、ここの最古参は吹雪と白雪だ。何か分からないことや困ったことがあったら、二人に聞くと良い」


叢雲「分かりました」


提督「それと、その敬語を止めてくれるか。むず痒くい。それと、今なら俺が質問に答えられる。何かあるか?」


叢雲「なら、司令官に聞くけど、吹雪って昔はどんなんだったの?」


奥で紅茶を入れていた白雪が、クスクスと笑っていた。それにつられて提督も、顔がにやけていた。


叢雲「...何か変なことでも聞いた?」


提督「いや、吹雪の過去か。残念だが、いまは話せない。じきに話すから待っていてくれ」クスクス


叢雲「...?」

~~現在~~


白雪「こんな感じです」


叢雲「なるほど、原因は私たちってことね」


白雪「そうですね♪貴女達が原因です♪」


磯波「私たちの為に口調を変えてくれたんですか...?」


白雪「ついでに雰囲気やその他もろもろのことを変えようと決心したみたいですよ♪」


深雪「へぇ~」


初雪「眠い...」


朝はここまで。また夜に番外編をちょこっと書いていきます!

それでは番外編です。明石のイタズラによって、ちょっと困ったことが起きてしまいます。

明石「吹雪さん。こっち、こっちです」


吹雪「明石さん、この装置何ですか?」


明石「名付けてワープ装置です!この装置が完成すればわざわざ資材を輸送船で運ぶ必要もなくなり、船団護衛で戦力を割く必要がありません!!」


吹雪「それって、この鎮守府の存在意義を消してますよね...?」


明石「細かいことは気にしないでください!」


吹雪「はぁ...」


明石「それでですね!先程鋼材で調べてみたんですが、なんと成功したんです!!まだ、ボーキサイト等では試してないんですが、恐らく成功するでしょう!」


吹雪「良かったじゃないですか」


明石「そこでふと思ったんです。艦娘本人がワープして移動すれば良いんじゃないかと思いましてね!!」


吹雪「それで私に試してみてほしいと...」


明石「はい!是非ともお願いします!!」

寝落ちが多くて申し訳ない。今日はちょっと早めに再開しますよ。

吹雪『えっと...中に入りましたけど...これで良いですか?』


明石「はい!バッチリです!」


明石「(あっ、そう言えばこの増殖ボタンは試していませんでしたね...少し試してみましょうか...♪)」


明石「それでは、転送ボタンON!!」


明石がボタンを押し込むと、装置がガタガタと震え始め大きな音がし始める。


吹雪『ちょっ、明石さん!?これ本当に大丈夫ですか!?』


明石「安心してください♪明石製は安心の故障率50%です!」


吹雪『それって、半分の確率で故障するじゃないですか~!!』


やがて装置から光が消えると、あれだけ騒いでいた吹雪の声が消えていた。


明石「吹雪さ~ん。大丈夫ですか~?」


吹雪「んっ...」


明石「良かった良かった。何ともなさそうですね。良かった良かっ...た...」

吹雪?「んぅ...何だ?」


明石「だ、誰ですか貴女は!?」


吹雪?「?誰って吹雪だよ。忘れたのか?」


明石「確かに姿形は吹雪さんですが、中身がまるで違います!!」


吹雪「んっ...どうなりました...?」


明石「吹雪さん!起きてください!一大事ですよ!!」


吹雪「なんですか...一大事っ...て...」




吹雪?「」


吹雪「」


吹雪・吹雪?「私だー!?」

今日はここまで、設定とか無視してますが番外編なのでご容赦願います

再開、増殖した吹雪はいったいどうなるのか!?(棒)

~執務室~


提督「ああ、とても幸せな時間だ。誰にも邪魔をされない。そして、静かな朝...」


ダッダッダッ!


廊下を誰かが駆けている。それはだんだんと執務室にへと近づいていた。


提督「...騒がしいな...吹雪か?いや、吹雪は昔とは変わったからな...そうすると島風辺りか...」


吹雪?「司令官!!」


提督「吹雪?どうしたんだ?そんなに慌てて」


吹雪?「知らねえよ!!とにかくあそこを見ろ!!」


提督「...?」


吹雪「あははは...」


提督「はぁ...?」


吹雪?「なあ!どうすれば良い!?」


提督「...いったい何が起きてるんだ...?」

吹雪「それは...ですね...」


吹雪?「明石が余計なことをしてこんなことになったんだよ」


提督「なるほど、その明石はどこだ?」


明石「こ、ここに...」ヒョコ


提督「明石...」


明石「すみません!罰ならちゃんと受けますから許してください!」


提督「...明石、顔をあげろ」


明石「...」


提督「よくやった」


明石「へっ...?」


提督は右手でガッチリとグッジョブと親指を逸るぐらい力を込めて喜んでいた。


吹雪「ちょ、司令官!?何許しちゃってるんですか!?」


吹雪?「そうだ!こっちはこんな目に遭ったんだぞ!」

提督「いやぁ、吹雪が二人も居たら、両手に花状態じゃないか」


吹雪「...ねぇ...」


吹雪?「...お前の言いたいことも、何がしたいかも分かった。そしてそれに私は協力する。


吹雪「せーのっ!」


提督「んっ?ぐへっ!?」


二人の吹雪が提督の前後に立つと、お互いがそれぞれの力でラリアットをくらわせる。


吹雪?「司令官も少しは反省しろ」


吹雪「その通りです!」プンスカ


提督「お、おう...っ!?」


いきなり提督から鼻血が噴き出す。


吹雪?「?なんだよ、何か変なもんでも付いてるか?」


提督「我が生涯に、一片の悔い無し...!」


吹雪「?...っ!?キャアアア!!」


吹雪?「何だよ!?お前まで声あげて!」


吹雪「パンツを穿いてください!今すぐに!!」


吹雪?「はっ?...っ!?」バッ!

今日はここまで

再開しますよ

~~混乱から10分後~~


その後、騒ぎを聞き付けた白雪が二人の吹雪を見つけると、真っ先に吹雪と白雪の相部屋へと連れていった。


白雪「それで...どうしてこんなことになったんですか?」


吹雪「明石さんの実験に付き合ったらこんなことになっちゃって...アハハ...」


白雪「アハハじゃありません!こんなものを他の艦娘に見られたら鎮守府で騒ぎになりますよ!幸いまだ少しの人間にしか見られてませんが!」


吹雪?「なぁ、何で私たちが怒られてるんだ?悪いのは私たちじゃなくて明石だろ?」


白雪「明石さんにも怒っておきました!まったく...!それでどっちがどっちなのですか?」


吹雪「え?どういうこと?」


白雪「もう片方の吹雪のことです。いたずらで口調を変えてるのかも知れませんもちろん、あの吹雪もグルでね」


吹雪→吹雪?「チッ、バレタカ」


吹雪?→吹雪「やっぱり白雪ちゃんにはバレちゃった...」


白雪「区別が面倒ですね。そうですね...こっちを芋雪にしてそっちを荒雪としましょうか」

吹雪→芋雪「芋雪!?」


吹雪?「ちょっと待て!荒雪ってなんだよ!?」


白雪「貴女たちを区別するためです。それに二人の特徴を捉えたものです。当たっているでしょう?」


荒雪「それを言ったら白雪だって芋じゃねえか!」


白雪「私は二人の『吹雪』を区別するためにあてた名前です。私が芋っぽくても白雪で分かりますから」ニコッ


芋雪「ちょ、ちょっと待って白雪ちゃん!私は何で芋雪なの!?」


白雪「だって貴女の方は芋が満ちてるじゃ無いですか♪」ニコッ


吹雪「芋が満ちてる!?」(|| ゜Д゜)

すみません、今日はここまで。ちょっと首の痛みが酷いので病院いってきます。

再開します。皆さん、外で作業するときは必ず塩分と水分を摂れる物を持参しましょう。熱中症にはお気をつけて

金剛「ブッキー!居ますカー!」


芋雪「こ、金剛さん!?」


荒雪「また面倒くさいのが...!」


金剛「ファッ!?ブッキーが二人居まマース!?」


白雪「あら、金剛さん。こんにちわ」


金剛「し、白雪?これはどういう状況ですカー...?」


白雪「吹雪が芋雪と荒雪になっただけです。何の心配も要りません♪」


金剛「オ、オーウ...何やら危険な香りがするネー...」


芋雪「そ、そうだ!指輪...!!」


思い出したかのように、すぐさま左手の薬指を確認する。そこには銀色でキラリと輝く指輪がちゃんとはまっていた。


芋雪「良かった...ちゃんと残ってたぁ~...」


荒雪「こっちの指にもちゃんとあるぞ」


芋雪「えっ?」


もう一人の吹雪の薬指にもまったく同じものがあった。

白雪「それで、金剛さんはここに何をしに来たんですか?」


金剛「おっと、忘れる所だったネー!実は演習の旗艦をブッキーに頼みたいのデース!」


芋雪「私にですか?」


金剛「YES!でも、どっちのブッキーが出るんですカー?」


荒雪「なら私に任せろ。どうみても私の方が強そうに見えるからな」


芋雪「なっ!?そうとは限らないよ!私の方が強いかもしれないよ!」


荒雪「なら殴り合いで試してみるか?1発KOさせてやんよ!」


芋雪「調子に乗るなぁ!!」


二人の間で殴り合いが始まる。


白雪「二人とも本質は全く同じですか...金剛さん、旗艦には私がなりますから行きましょう」


金剛「りょ、了解ネー...」

お疲れさまでした。今日はここまで。

すみません、熱中症によるダウンとマブラブにうつつを抜かしていました。再開していきます。

荒雪「ほら、来いよ。どっちが本当の吹雪か、殴り合いで決めようじゃないか」


芋雪「言わせておけば...!元々は私も近接特化...!貴女には絶対に負けません!」


荒雪「へっ、そうかよ!おらぁ!!」


荒雪の拳が、下から芋雪の顎めがけて振られる。


芋雪「そんな攻撃...!」パシッ


荒雪「...」ニヤァ


荒雪が振りかぶった拳を受け止められると、広くなった死角に入り込み、容赦なく肘をめり込ませる。


芋雪「おぷっ......!?」


荒雪「おいおい、倒すんだろ?こんなフェイントに騙されるようじゃ、私には傷1つつかねえぞ」


芋雪「うるっ...さいっ...!」


荒雪「ふんっ、おらぁ!」


芋雪「けほっ...!」


今度は四つん這いになった芋雪に、荒雪が助走をつけて芋雪の腹を蹴る。


芋雪「つ......!」


荒雪「...その生意気な目で見んじゃねえよ。出来損ないが」


横たわっている芋雪に追撃として、横腹に本気の踵落としをくらわせる。何やらボキンと鈍い音が聞こえたような気がした。


芋雪「ギャッ!?ゲホッゲホッ...!!」


咳と一緒に、口から血が出てくる。


荒雪「司令官の役に立つ前に私に殺されるかもな、アハハハ!!」グリグリ

芋雪「(いつもの様に体が動かない...!このままじゃホントに...)」


荒雪「おら、黙ってねえでさっさと立てや。それとも肋でも折れて痛みで立てやしねえか?」


芋雪「まだ...まだぁ...!」


よろめきながらも、必死に力を振り絞って立ち上がる。


荒雪「殴ってこないのか?このままだと私に一方的に殴られるだけだぞ?」ドゴッ!


芋雪「ぐっ...私は...」


荒雪「あ?」


芋雪「私は...!自分を殴れないような雑魚なんかじゃない!!」


必死に力を振り絞って、右拳を荒雪の左頬めがけて殴る。荒雪は一歩も動かず、殴られた衝撃で顔が右に少しばかり動いただけだった。


荒雪「......」


芋雪「これで...!」


荒雪「なめてんのか?」


芋雪「え...」


荒雪「ホントのパンチってのはな!こうやって殺意を込めて振るんだよ!!」


荒雪が繰り出した本気のパンチは、芋雪を二三メートルほど吹き飛ばした。


芋雪「ぁ...ぅ......」


殴られた芋雪目を少しだけ開けただけで、何やら呻き声を出したりしていただけだった。そこへ荒雪が芋雪へ馬乗りになり、何度も殴り続けていた。

ちょっと今日はここまで。

再開、ちゃんと最初から文を書いてる者ですよ~

荒雪「終わりか?これで力の差が分かっただろ。目が覚めたらさっさと解体してもらうことだな」


芋雪「...」


荒雪「それと...」


荒雪が芋雪の制服の襟をつかみ、持ち上げる。


芋雪「ぅ...」


荒雪「2度と私の前に出てくるな。同じ顔をした出来損ないなんて消えちまえば良いんだ」


そのまま地面へ叩きつける。ガンッと強い衝撃が芋雪の後頭部にやってくると、芋雪の意識が完全に消える。


芋雪「」ガクッ


荒雪「チッ...こいつが頭の中に出てくるだけでイライラしてくる」


白雪「ただいま戻りました...って何をしてるんですか!?」


荒雪「あ?同じ顔をした出来損ないを始末してただけだよ」

再開、寝落ちして申し訳ない。それとなんですが、酉の付け方が分からんのです...

白雪「やりすぎです!大丈夫ですか、吹雪!!」


芋雪「...」


芋雪からの反応はなく、顔の至るところから血が出ているだけであった。


白雪「早く医務室に連れていかないと...!貴女も手伝ってください!」


荒雪「はぁ?何で私が」


白雪「っ...~!もう良いです!」


白雪が芋雪を背負って、走って医務室に向かう。


荒雪「...何であいつばかり...」

芋雪「...ぅ...」


白雪「良かった...目が覚めましたね」


芋雪「白雪ちゃん...あの子は...」


白雪「部屋にいます。司令官が話をしてくれているはずですが...」


芋雪「行かないと...」


白雪「行くって、そんな怪我ではダメです。肋も折れていたんですから。それに、どこへ行く気ですか?」


芋雪「あの子のところに行かないと...」


白雪「ダメです。今会えばまた殴られるんですよ?」


芋雪「でも...」


白雪「ダメなものはダメです。当分の間、このベッドで安静にしててください」


芋雪「...うん...」


白雪「よし、それでは私は荒雪のところに行ってきます。何故こんなことをしたのか、聞き出さないと」


そう言うと、白雪は部屋を出ていった。


芋雪「違う...違うの白雪ちゃん...殴られて分かったの...あの子の気持ちが...」 

~~吹雪・白雪の部屋~~


荒雪「......」


司令官「どうしてこんなことをしたんだ?」


荒雪「...」


司令官「確かに君と同じ顔がもう1つあってビックリしたとは思うが、ここまでやらなくても良かっただろう?」


荒雪「...」


荒雪は一切喋らず、ずっと黙り込んでいた。


司令官「話す気はないか...う~ん、どうしたものかなぁ?」


白雪「司令官」


司令官「白雪、調度良いところに来てくれた。この子が全く話してくれなくてな、私は退室するから後は白雪に任せるよ」

白雪「分かりました。後はお任せください」


提督は部屋から出ていき、白雪と荒雪の一対一となる。


白雪「何で吹雪を殴ったんですか?包み隠さず全て話してください」


荒雪「...」


白雪「黙っても私は聞き続けますよ。だからいくら黙っても無駄です」


荒雪「...はぁ...」


白雪「何で溜め息をつくんですか?」


荒雪「...白雪は何であいつのことが大切なんだ?前よりも弱くなってるし、あいつは必要ないだろ」


白雪「あの吹雪だって今までずっと過ごしてきた家族みたいなものです。なのに、この鎮守府から追放することは出来ません」


荒雪「...」


白雪「貴女から質問してきた以上、こちらの質問にも答えていただきます。何故、殴ったんですか?」



そう質問する白雪の声には、少し怒りが混じっていた。

ちょっとここまで。また夜に再開するかもですね

再開、一応ルールを見直して、やってみたんでこれで良いんですかね?

荒雪「...チッ...」


白雪「っ~!」


白雪はイスから立ち上がり、荒雪の制服の襟をもって上に引っ張る。


白雪「いい加減にしてください!!」


荒雪「...!」


白雪「どうして貴女はひねくれてるんですか!どうして貴女は正直に話そうとしてくれないんですか!!どうして貴女は吹雪を傷付けるようなことをしたんですか!!どうして...!!」


荒雪「っ~...!」


白雪「私の質問に答えてくれないんですかないんですか...!!」


そう言う白雪の目からは、涙が溢れていた。


白雪「私は...ただ貴女の口から訳を聞きたいだけなのに...!!」


荒雪「すまない...白雪...」


荒雪が走って部屋から出ていく。


白雪「待って吹雪...!」


白雪は腕を伸ばし腕を掴もうとするが、白雪の手は虚しく虚空を掴むだけであった。


白雪「うぅ...ひぐっ...」


部屋には白雪の泣き声が響き渡るだけだった。

~~防波堤~~


荒雪「はぁ...はぁ...」


ひたすら走り続け、気が付けば荒雪は町外れの防波堤までやって来ていた。


荒雪「逃げちまった...ははは...」


立ち止まると、海に足を投げ出しコンクリートに座り込む。


荒雪「ははっ...情けないね...ただあいつが憎かっただけなのに......?」


ふと荒雪の頭の中に疑問が沸いてきた。


荒雪「何で私はあいつが憎いんだ...?確か...私はあいつのもう一人で...口調と雰囲気を変えて...あれ...?」


頭の中がパニックで爆発しそうになる。


荒雪「あれ...おかしいな...?私は吹雪であいつも吹雪...?訳が分からなくなってきた...あいつが吹雪で...私は何だ...?今までの記憶はあるのに...」


荒雪「私って何だ...?吹雪って何だ...?」

すみません、今日はここまで。
また明日更新します

再開、助言通り酉をしながら今日も頑張っていきたいです。

気が付けばもう日は沈み、海を航行する船の光が1段と眩しく思える様な時間になっていた。未だ疑問は解けず、何度自分を問いただしても、ただ自分が何者なのか分からなくなっていくだけだった。


荒雪「...私は...」


海に足を投げ出していたのも、いつの間にか引っ込め膝を抱えるようにしていた。私は誰なんだろう。あいつは私の何なんだろう。そんな疑問で頭の中を埋め尽くされ、後ろから近づく人に気づかなかった。


提督「吹雪...こんな所に居たのか。遠くまで行くから探すのに苦労したぞ」


荒雪「司令...官...」


彼の顔を見た荒雪の顔は涙でクシャクシャになり、目の回りは赤くなっていた。



提督「どうしたんだ?何か悲しいことでもあったのか?それとも白雪にキツく怒られたか?」


荒雪「...なあ司令官...」


提督「おっ、相談か?よし、存分に聞こうじゃないか」


荒雪「...私って何だ...?」


提督「は?」


荒雪から思いもしなかった質問をされ、提督は答えるどころか固まることしか出来なかった。やがて、提督は精一杯考えた答えを口に出す。


提督「お前は吹雪だろう?」


荒雪「私は吹雪じゃない...だって吹雪は今ベッドで寝ているはずだから...」


提督「吹雪...ちょっとこっちに来なさい」


荒雪「...?」


荒雪は立ち上がり、ゆっくりと提督の方へ近付いていくと、いきなり腕を引っ張られ、抱き寄せられる。


荒雪「...え...?」

提督「よしよし、君も君なりの悩みを持っていたんだな。ここで全部吐き出してくれて、夫として嬉しいよ」


そっと荒雪の頭を撫で、そのまま抱き続ける。提督の体がとても暖かく感じ、涙が止まらなくなる。いつしかみっともない泣き声を出し続け、提督は嫌な顔を一切せずただ泣き続ける荒雪を撫で続けていた。


荒雪「あ゛あ゛ぁ゛~~~~~~...!!」


提督「......」


涙と声が共に枯れるまで泣き続ける。いつしか提督の肩は荒雪の涙でビッチャリと濡れていた。


提督「よしよし、もう大丈夫、大丈夫だ。白雪にもちゃんと話そう。吹雪にもちゃんと話そう。話せば分かってくれる。ここで君が流した涙も無駄じゃ無くなるんだ」


その後、数分は泣き続け、声共に涙も枯れていった。弱々しく吐き出され続ける、泣き声は最後は提督の胸の中へと消えていった。

提督「もう大丈夫か?」


荒雪「ごめん司令官...軍服こんなに汚した...」


提督「気にするな、また洗えば良いさ。じゃ帰ろうか、鎮守府へ」


荒雪「ああ...」


二人は、提督の乗ってきた車に乗り込み、道を通っていつもの鎮守府へ帰る。車内では、二人は一切の会話を交わさなかったが、内心静かに心を落ち着かせたいと思っていた。


帰るのが嫌だ。なんて、しょうもない気持ちは全く出てこない。むしろ吹雪にも白雪にもちゃんと謝って、許してほしいという気持ちが湧いてくる。弱くても良い。むしろ弱い方が強いんだ。そんな考えが荒雪の頭の中で固まった。


荒雪「なあ...司令官...」


提督「どうした?」


荒雪「二人は許してくれるか...?」


提督「安心しろ、私よりも何倍も優しい二人なら絶対に許してくれる。だから、躊躇わずに謝罪をすれば良い」


荒雪「...そうする...」


提督「おやおや、あの吹雪がここまで素直に言うことを聞くとは、明日は大雪か?」


荒雪「ぅ、うるさい!!私は寝る!鎮守府に着いたら起こしてくれ!」


提督「はいはい、ゆっくりお休み」

~~鎮守府 医務室~~


芋雪「退屈だなぁ~...」


白雪「まだ安静にしてなきゃダメですよ。肋を折られて大ケガもしてるんですから」


芋雪「ほ、ほら、私の体は頑丈が取り柄だから...」


白雪「ダメです」


芋雪「うぅ...」


そんな会話をしていると、医務室の扉が提督によって開けられる。その後ろからは、荒雪が一緒に入ってきた。


吹雪「あ、司令官...それに...」


提督「ほら、ちゃんと正直に話してこい」


荒雪がゆっくりと芋雪に近付いていく。白雪が少し警戒しながら、荒雪を睨み付けるが、芋雪は笑顔で荒雪を迎えていた。

荒雪「ごめん吹雪、昼はあんなことをして...許されないのは分かってる。所詮、私は吹雪の劣化コピー、ただ力が強いだけで感情の制御も上手くできない。吹雪を殴ってる途中で分かったんだ。殴ることで、罵声を吐くことで私の気持ちを抑えようとしているのを分かって、それでも殴ることを、罵声を吐くのを止められなかった。私を殴っても良い。蹴っても良い。罵っても良い。だから、この鎮守府にだけは居ることを許してほしい...!」


医務室に暫しの沈黙がやって来る。許されなかったらどうしようか。そんな荒雪の予想を、芋雪はいとも容易く裏切った。


芋雪「良いよ、許してあげる」


荒雪「...えっ...?」


芋雪「私もね、吹雪ちゃんに殴られてて分かったの。寂しいんだって、悲しいんだって。1回1回殴られる度にそんな気持ちが伝わってきた。いきなり目の前に自分と同じ顔をした子が居て驚いたよね。記憶はあるのに自分の存在を否定されてるようで嫌だったよね」


一言一言が荒雪の心に突き刺さる。その言葉を吐き気がして、イライラして、黙らしたくなる。


芋雪「でも、それこそが吹雪ちゃんの本当の気持ちだし、私はそれを受け止めてあげたい。こんなの私のエゴだし、周りからしたら気持ち悪いだけかも知れないけど、これで人を救えるのならどれだけ周りから気持ち悪がられてもいい。だから吹雪ちゃん、これからは私と白雪ちゃんと一緒にずっと過ごそうよ。喧嘩もしちゃうかもしれないけど、私たちなら大丈夫だと思うから♪」

眠くなってきたのでここまで。また明日~ノシ

再開します。

~~翌日~~


芋雪の体はほぼ回復したが、折れた肋は手術で無理矢理くっつけており、無理は禁物であった。


芋雪「さてと...私の体も治ったことですし!今日も楽しくやっていきましょう!!」


白雪「オー!...と言いたいところですが」


芋雪「??」


白雪「あの子の件、まだ終わったわけじゃありませんよ」


芋雪「あぁ~...そうだったね。それじゃ司令官の所に行こうか」


二人は荒雪が居る提督の部屋に向かう。


芋雪「司令官、中に居ますか?」


提督「ああ、入ってきて良いぞ。むしろ入ってきてほしい」


芋雪「失礼しますね♪」

二人が部屋に入ると、提督はコーヒーを淹れていたが荒雪はベッドでくるまっていた。


提督「おはよう、二人とも」


白雪「荒雪はどうしたんですか?ベッドでくるまっている様ですが...」


芋雪「ほら、吹雪ちゃん、起きないと~...」ユッサユッサ


荒雪「う、うるさい///めくるな///」


ベッドの横には荒雪の服がきちんと畳まれて置いてあった。


芋雪「?...っ!?まさか!」


白雪「うわぁ...司令官...なんて見境のない...」


提督「いや、俺から誘った訳じゃないんだが...」

今日はここまで。ちょっと提督と吹雪の初夜をR板で書いていこうかと、ね?

因みに題名は『吹雪の艦娘になる前 ~~夜戦編~~』ですので見たかったらどうぞ。

再開、R版はこのSSと同じ進行速度でやっていきますので、そちらもよろしくお願いします。

芋雪「この私というものもありながら~!!」


提督「落ち着け吹雪。この子もお前と同じ吹雪だ。何も問題ないだろう?」


芋雪「問題無い訳無いじゃ無いですか~!!体と名前が同じなだけで感覚が同じではないんですよ~!!」


白雪「(ん...?さっき『も』って言った?)」


提督「あはは...あんなにせがまれるとは思わなくてな、泣かれる勢いだったからつい」


芋雪「司令官のバカー!」


提督「すまん、吹雪...」


芋雪「何で私も誘ってくれなかったんですか~!!」


提督「...は?」


白雪「やっぱり...」

芋雪「だって、私とこの子、一緒に頂けるチャンスだったんですよ!?」


提督「お、おう?」


白雪「ほら、芋雪。落ち着いて...どうどう...」


芋雪「ふぅ...ふぅ...!」


提督「と、とりあえず次からは吹雪も呼ぶとするよ」


芋雪「当たり前です!」フンス


白雪「いったい貴女の中で、どんな心境の変化があったんですか...」


芋雪「え?私はただ一緒に気持ちよさを感じたいだけだよ?」


白雪「(あぁ...どんどん吹雪がそちらの方向へ沈んでいきます...あの頃の純情な吹雪はどこへ行ったのでしょう...)」

芋雪「それはそうとして」


吹雪は懐から書類を出し、机の上に乗せる。


提督「...これは?」


芋雪「昨日、サボった分の書類です♪潮ちゃんの第二改造の書類、資材運搬の書類等々、たくさんありますから、今日中にちゃ~んと終わらせてくださいね♪」


提督「ゲッ...吹雪、手伝ってくれるとかは...」


芋雪「自分が撒いた種は、ちゃんと自分で処理してくださいね♪」


白雪「(あ、こっちの書類関連は鬼でしたね)」


提督「分かったよ...」


芋雪「あ、そうだ」


提督「?」


芋雪「また、今夜もお願いしますね♪荒雪ちゃんも一緒に♪」


~~番外編 終了~~

番外編終了により、今日はここまで。次はどんな話にするか、悩んでいます。

真夜中から再開、何やらボーノの要望が多いので艦娘交流編という感じで書いていきますね。それと今回はW吹雪で書いてみようと思いますが、もし吹雪は一人だけで良い、と思う人は後で言って下さい。

~~艦娘交流 曙編~~


曙「はぁ...最近退屈だわ...」


自分専用の机に座り、ジュースを飲みながらぼやく。他の第七駆逐隊のメンバーは、船団護衛の任務を言い渡され今頃は北の方の大湊に向かっているだろう。


曙「何しようかしら...」


ふと机の中から1枚の写真を取り出す。そこには吹雪、白雪、提督、そして曙の四人が写っていた。


曙「確かこれって...あのクソ提督が少将に昇格した記念で撮った写真ね。懐かしいなぁ...」


コンコンッ


何者かによって部屋のドアがノックされる。


曙「誰よ」


白雪「白雪です。曙さんの部屋に入っても良いですか?」


曙「?とりあえず待って、今そっちに向かうわ」


写真を机にしまい、部屋の鍵を開けて白雪を迎え入れる。すると、後ろから他の特Ⅰ型も入ってきた。


曙「他の特Ⅰ型も勢揃いなのね。吹雪は?」


白雪「安心してください。今頃は私たちの部屋で寝ていると思いますよ」


曙「なら良かったわ」


磯波「曙さん...今回はよろしくお願いしますね...!」


曙「ええ、と言っても何でこの部屋に来たのか分からないのだけど」

白雪「皆が吹雪の過去を知りたいようなので、良かったら曙さんの吹雪に関する過去を聞かせて頂ければと」


曙「なるほど、そう言うことね」


曙は奥からジュースをコップに入れて持ってくると、5人の前に出す。氷も一緒に入れられ、コップの外側には水滴がついていた。


曙「好きに飲んで良いわよ。上手く作れてるとは思うけど」


深雪「っんく...ぷは~!何これめっちゃ美味しいじゃん!!」


曙「レモネードよ、来客用に作ってたの。まぁ、結局あのピンクが飲んでるんだけどね」


白雪「意外ですね。こんなことも出来るなんて」


曙「ネットでレシピを見ただけよ。まぁ、多少自分で工夫したけどね」

白雪「それでは曙さん、望み本題に入っても良いですか?」


曙「ええ、確かあいつの過去だったわね。えっと、初めてあったのが4年半前だから、あの事件は4年3か月前ね」


磯波「な、何かあったんですか...?」


白雪「ああ、あの事ですか、でもあれは曙さんの不注意だとしか...」


曙「しょ、しょうがないでしょ!地図見ながらじゃないと道が分からなかったんだから!」


磯波「お、落ち着いて下さい!」


曙はレモネードを飲んで気分を落ち着かせる。


曙「はぁ...はぁ...」


白雪「そのすぐに興奮する癖は治さないといけませんね」


曙「うるさいわよ。本題に戻るわ」


咳払いをし、1度雰囲気を切り替える。


曙「外出許可貰って少し出掛けてた時なんだけど」

ここまで、また10時頃に再開します

再開、曙編やっていきます。

~~4年3か月前~~


吹雪「鎮守府休止日だ?」


提督「ああ、南方海域攻略も相まってこの鎮守府の功績を認められてな。1週間の休みをもらえた」


曙「良かったじゃない。それで、その1週間の間何をするつもりなのかしら」


提督「5泊6日で温泉にでも行こうじゃないか。慰安旅行だ」


白雪「まぁ...確かにずっと船団護衛で疲労も溜まっていますし...良い機会なのではないでしょうか」


提督「なら、車を手配しよう。3人は荷物の整理でもしておいてくれ」


提督は黒電話のダイアルを回し、ある所へ電話を掛ける。


吹雪「あ~あ、ならさっさと部屋で準備でもするか」


吹雪が出ていこうとすると、提督が手でジェスチャーをしながら吹雪が出ていこうとするのを止める。


吹雪「なんだよ」


電話で返事をしながら何やらペンを持って、メモ用紙に書き始める。

吹雪「『お金渡すから、私服買ってきて』?」


白雪「そう言えば私服って持ってなかったですね」


曙「なるほど、この服装で旅行は行けないってことね」


吹雪「ならその金はどこにあるんだよ」


提督が笑顔で受け答えをしながら、ポケットから財布を取り出し、一人当たり10000円と外出許可証を机に置く。


白雪「分かりました。というか、なんで財布に外出許可証を入れてるんですか...」


提督「あ、はい。こちらは4人なので...」コクコク


吹雪「はいはい、ならさっさと買いにいくぞ」


3人はそれぞれ外出許可証と10000円を持って、鎮守府から出て町の服屋に向かう。

3人は30分ほどバスで揺られ、ようやく街中のバス停に着いた。


吹雪「よっと、やっと着いたか。ふぁ~...」


曙「あんた、ずっと寝てたわね」


吹雪「寝ないとやってられねえよ」


曙「はぁ...」


白雪「まぁまぁ、今回の私たちの目的は私服の購入です。速く済ませば速く戻れますし」


吹雪「なら、この町のどこに服屋があるんだ?」


白雪「...曙さん...?」


曙「わ、私に聞かれても知らないわよ!」


吹雪「...しらみ潰しかよ」


白雪「地図はありますから、それを便りに探しましょう」

曙「はぁ...とにかくこんな大きな町ならすぐに見つかるでしょ。適当に歩いてたら...あれ?」


辺りを見回すと、既に人は居らず、何人もの通行人が視界を遮る。


曙「最悪...あいつらぁ...!!」


曙はイライラしながら歩み始める。


曙「ほんっと信じられない!!勝手に先に行くとか
バカじゃないの!?」


下を向いてイライラしながら歩いていたせいか、いつの間にか路地裏に来ていた。


曙「...」ブツブツ


その時、曙の肩に何かが当たる。


曙「った...」


不良「あ?」


曙「げっ...」

一旦ここまで。またよる会いましょう

申し訳ありません。まさかの午後7時に寝るという失態をおかしました。今から再開します

不良「おいこらぁ、何ぶつかってくれとんじゃ、あぁ!?」


曙「わざとじゃ無いわよ。悪かったわね。それじゃ」


不良「おいまてこら」


立ち去ろうとする曙を、不良が肩を掴んで阻止する。


曙「何よ。謝罪ならしたじゃない」


不良「謝罪だけで済むと思ってんのか?金目の物全て出して行きやがれ」


曙「嫌よ。なんであんたのためにお金を出さないといけないのかしら」


不良「そうかい」


ガシッ!


突然、後ろから曙が羽交い締めにされる。


曙「ちょ!何すんのよ!!」


不良B「可愛い顔してんじゃねえか」


不良「口にガムテープでも貼っとけ。叫ばれると困る」


不良B「あいよ」


背負っているカバンからガムテープを出し、曙の口に貼って声が出せないようにする。

曙「むぐっ...!!」


必死に抵抗して何とか逃れようとするが、男の筋肉の力には勝てなかった。


不良「ちょっとは大人しくして、ろ!」


不良の拳が曙の腹にめり込む。その衝撃で胃の中にあるもの全てを吐きそうになったが、懸命にこらえる。


曙「っ...!?」


不良「よし、連れていけ」


二人が曙をどこかへ連れていこうとするが...


吹雪「お前ら、私の仲間を持ってどこへ行くつもりだ」


不良「あ?」


吹雪が路地裏の入り口から不良二人組に向かって話しかける。


吹雪「だから、お前らは私の仲間を持ってどこへ行くつもりだって聞いてんだよ、このド低脳」


不良「調子に乗ってんじゃねえぞ、お前みたいなガキが何を出来るってんだよ」


吹雪「てめえら雑魚位なら余裕で捻り潰せるが?」


不良「何だと!?このクソガキ!」


不良から拳が飛んで来る。それを吹雪はいとも容易く弾き、バランスを崩したところで腰を下げ顔を蹴りあげる。


吹雪「鈍い鈍い。これだったらあいつらの方が強かったぞ?」

不良B「こいつ!!」


曙を放り投げ、吹雪をしとめにナイフを持って走ってくる。


吹雪「お前も来んのか?少しは粘ってくれよ?」


不良B「このクソガキがぁ!!」


ナイフを吹雪に突き刺そうとするが、手首を掴まれてしまう。


吹雪「お前も期待はずれだ。少しは出来ると思ったんだがなぁ...」ギリギリギリ


一気に手首を掴んでいる手に力を入れると、メキメキメキッと嫌な音がする。


不良B「ガァッ!?」


そのまま不良Bの体を引き寄せ、足を払って地面に倒し右腕を間接の方向と逆の方向に曲げる。


ボキッ!


吹雪「さてと、これで良いか。曙、大丈夫か?」


曙の口からガムテープを剥がす。


曙「ぷはぁ!はぁ...助かった...わ...」


吹雪「まさか見失うと思わなくてな。すまなかった」


曙「速く服を買って...痛っ...」


吹雪「どこか怪我をしたのか?」


曙「さっきお腹殴られて...」


吹雪「...ちょっと待ってろ」

不良Bは腕を押さえてひたすらうずくまっていた。


吹雪「おい!」


不良B「ヒッ!?」


吹雪「さてと、次はどこを折ってやろうか...」


不良B「悪かった!俺たちが悪かったからもう見逃してくれ!」


吹雪「そうか、そんなに謝るんだったら見逃してやる」


不良B「た、助かった...」


吹雪「んな訳ねぇだろうがバーカ!」


帰り際に両膝の関節を踏み潰し、動けなくしてたら、曙のところに戻る。


吹雪「待たせたな」


曙「...」ガクガクガクガク


吹雪「そんな震えんなって。お前にはあんなことしねーよ」


曙「...」


吹雪「まあ良いか、ほら、さっさと服を買うぞ。まだ買えてないんだから」


曙「え、ええ...」


曙の心の中では、吹雪に対する恐怖しか出てこなかった。

数分後、吹雪は白雪と待ち合わせをしていた場所に着いた。白雪はイスに座って袋を持っていた。


吹雪「おい白雪、曙見つけてきたぞ」


白雪「早かったですね。それと私の分は先に買いましたので、早く貴女たちの分を買いましょうか」


吹雪「はいはい、じゃあ白雪に服装は任せた。私じゃ多分ダサくなる」


白雪「でしょうね」


曙「ね、ねぇ白雪。あんたっていつもこんなのと付き合ってたの?」


白雪「こんなのって、吹雪のことですか?訓練生の時からの腐れ縁の様なものですね


曙「あんたを尊敬するわ...」


白雪「ん?...もしかしてまた吹雪がやらかしたのですか?」


曙「いや...何でもないわ。それよりも早く服を買いましょ!」


白雪「??ええ、そうですね。吹雪、はぐれないでくださいよ!」


吹雪「分かってるってば、今日で何回目だよ...」

昨日出す分を今出しました。また昼に会いましょう

申し訳ない。夏休みの課題におわれて、今日は無理そうです。

再開、ちょっと余裕ができたので今のうちに

~~とある服屋~~


一行ははぐれることなく、全員服屋に辿り着いた。中には男性用、女性用の服がたくさん掲示されていた。


白雪「何度入ってもこのお店は大きいですね」


吹雪「知ったこっちゃねえよ。さっさと買うぞ」


白雪「あ、服を2着、スカートもしくはズボンを1着買ってくださいね。一万円以内で」


曙「まぁ、それくらいなら足りるか...よし、私はあっちを見てくるわ」


白雪「どうぞ~」


曙は二人から離れ、奥の方の服を見に行く。


曙「服ねぇ~...今までずっと制服だったから私服なんて考えたことも無かったわ」


店員「何かお困りですか?」


曙の呆けた顔を見て気になったのか、店員が曙に話しかけてきた。


曙「あっ、いえ、一万円以内で私服を買おうと思ってるんですが...」


店員「一万円以内ですか。それなら、あちらの商品が半額となっておりますのでいかがでしょうか」


曙「(へぇ~...そんなのもあるんだ...)」


曙「分かりました。ありがとうございます」


店員「いえ、何かお困りになりましたらまた呼んでください♪」


そう言って店員は笑顔でどこかへ行く。

曙「半額になっているのは...これか...何か露出が多くない?」


夏ということもあり袖は無く、体に合わせてみてもお腹の辺りの制服が見えている。


曙「値段は1980円...他のにしたいけどもう1つ服を買わないといけないし...これにしよう」


かごに入れるともう1つの服とズボンを探す。


曙「次は...これかな」


スカートを手に取る。少し丈は長く、膝下辺りまであった。


曙「よしこれ」


今度は悩むこと無くすぐに決めることができた。


曙「後は...もうこれで良いんじゃないかしら」


適当に赤色の服を取る。いろいろとめんどくさがり、服同士の組み合わせは考えなかった。


曙「よし、後はさっさとお会計を」


試着もせず会計をしにレジに向かう。

会計を済ますと店を出る。既に外では吹雪と白雪が待っていた。


曙「あんたたち早いわね。私も出来るだけ急いだつもりなんだけど...」


白雪「吹雪に似合う服はかなり限られてきますから、選ぶのが簡単なんです」


曙「あぁ~...」


曙はなぜか納得ができた。


吹雪「何だよ」


曙「な、何でも無いわよ」


白雪「うふふ...♪」


吹雪「どうかしたか?」


白雪「いえ、仲が良いんだなぁって♪」


曙「私はこいつが嫌いよ!」


吹雪「奇遇だな。私も生意気なお前が嫌いだ」


二人が睨み合う。


白雪「うふふ...やっぱり仲が良いんですね♪」

~~現在~~


曙「とまあ、こんな感じかしら」


深雪「吹雪って、やっぱ怖いんだな...」


曙「怖いわよ。あれはただの暴力ね」


白雪「......」


初雪「レモネードうま...」


曙「?白雪、どうしたの?」


白雪「いえ、『口は災いの元』とは良く言ったものですね...曙さん、ご冥福をお祈りします」


磯波「あわわわわわ...」


曙「いったいどうした...の...よ...」


曙が振り返ると、吹雪が二人たっていた。


荒雪「よう曙、誰が暴力だって?」


芋雪「ちょっとお話ししたいかな~って♪」


荒雪と芋雪に襟を掴まれ、引きずられていく。


曙「たっ...たすけ」


バタン!

ココまで。次の更新は何時か分かりません。

課題がようやく終わりました。長かった...それでは再開。次は...そうですね、空母として鎮守府に一番早く着任した『蒼龍』でも書きましょうか。それと、曙がその後どうなったか書くのは未定です。

~~艦娘交流 蒼龍編~~


蒼龍「~~♪」


蒼龍は笑顔で机に向かっていた。


蒼龍「それでよしっと、飛龍に見せたら喜んでくれるかなぁ~...」


コンコンコン


蒼龍「はーい、どちら様~?」


白雪「白雪です。少しお時間よろしいでしょうか」


蒼龍「はいはーい、ちょっと待ってね~」


蒼龍が戸の鍵を開ける。


蒼龍「ありゃ?白雪ちゃんがここに来るなんて珍しいね♪何々?出撃?」


白雪「いえ、蒼龍さんの吹雪に対する感想を聞きたくて」


蒼龍「あぁ~...あの子の事か~...話すと結構長くなっちゃうんだけど~...それでもいいかな?」


深雪「あ、別に良いっすよ、用事とか無いんで」


蒼龍「そっか、そこのちゃぶ台で座って待ってて。お茶を持ってくるからね♪」


蒼龍は奥の台所に消えていった。

叢雲「ねぇ、この鎮守府って輸送が主な任務でしょ?何で空母が居るの?」


白雪「その事ですか?」


深雪「確かに気になったな~...何で空母が居るんだ?」


白雪「そうですね、北方海域攻略のための前線基地になる『大湊』に向かっていたんです」


白雪「大湊に向かう途中、敵空母機動部隊に待ち伏せをされてたんです。輸送船は10隻沈められ私たちも轟沈寸前まで追い詰められました」


初雪「......」


白雪「吹雪に関しては自ら殿で買って出て、1度沈んでるんですけどね」


磯波「え...?」


白雪「そんなことは良いんです。それよりも蒼龍さんの話を聞いた方が有意義ですよ」


叢雲「そんなことじゃ済まされないこと聞いたわよ!?」


蒼龍「お待たせ~」


奥からお盆にお茶をのせて蒼龍が出てくる。

ちょっとココまで。寝落ちして申し訳ない。

再開、反省して早めに始めます。

蒼龍「ほらお茶、それに茶菓子ね。ちょっとお茶を苦めにしてるから、無理して飲まなくてもいいからね~♪」


白雪「ありがとうございます、蒼龍さん」


蒼龍「良いの良いの~、この鎮守府正規空母は私と瑞鶴しか居ないし、こうやって来てくれると嬉しいんだよね~♪」


叢雲「ちょっと失礼して...苦ぃ...」


蒼龍「あははは、やっぱり苦いかぁ~」


白雪「蒼龍さん、そろそろ本題に入ってもらってもいいですか?」


蒼龍「それもそうだね。昔話をしながらの方が分かりやすいかな。確か北方海域攻略の為に大湊に向かうつもりだったんだけど、急遽舞鶴に向かうことになってね?横須賀から陸路で1日かけて舞鶴に向かったんだけど...」

~~3年9ヶ月前~~


蒼龍は陸路で1日かけて横須賀から舞鶴までやって来た。鎮守府内は慌ただしく、艤装の修理が急がれていた。


蒼龍「ここが舞鶴かぁ~...結構慌ただしいだなぁ...」


門の前で守衛の男に止められたが、艦娘としての証明書を見せるとすぐに敬礼し道を開ける。


蒼龍「さてと、執務室はどこかなぁ~...」


白雪「貴女が正規空母の『蒼龍』さんですか?」


蒼龍「あ、うん。君ってここの娘?」


白雪「はい、貴女が来たら執務室まで案内するように言われています」


蒼龍「そうなの?ねら、案内してもらってもいいかな?」


白雪「はい、こちらです」


白雪は蒼龍を執務室まで案内する。

蒼龍「ねえねえ、ここって私以外に空母って居るの?」


白雪「今は居ませんが翔鶴型の『瑞鶴』さんも今日中に着任される予定です」


蒼龍「へぇ~、瑞鶴も来るんだ」


白雪「お知り合いなのですか?」


蒼龍「ちょっとね、訓練生時代に仲良くしてたってぐらいだけど」


白雪「へぇ~、そうですか」


蒼龍「そう言えば君の名前って聞いてなかったね。何て言うの?」


白雪「特Ⅰ型駆逐艦二番艦『白雪』と言います。『白雪』とお呼びください」


蒼龍「ふーん、なら白雪ちゃん」


白雪「白雪ちゃん...?」


蒼龍「白雪ちゃんって、訓練生時代に仲良くしてた娘って居たの?」


白雪「居ますよ。同じ舞鶴です」


蒼龍「へぇ~」


白雪「着きました」


突然白雪が止まるので、蒼龍が後ろから追突しそうになる。

白雪「少々お待ちください」


コンコンコン


白雪「司令官、蒼龍さんがやって来ました」


提督「分かった、通してくれ」


白雪「分かりました。それでは蒼龍さん、入って下さい」


白雪が扉を開け中に蒼龍を入れる。


蒼龍「蒼龍型正規空母『蒼龍』。ただ今よりこの鎮守府に配属となりました。よろしくお願いします」


蒼龍は先程のヘラヘラとした態度とは売って変わってまじめに敬語で話す。


提督「私はこの鎮守府の提督だ。君に来てもらったのは輸送船の航路上に存在する敵空母機動部隊を排除してもらう為だ」


提督「二日前、敵空母機動部隊の襲撃により『大湊』へ航行中の護衛艦隊と輸送船団が大打撃を受けた。この事から航路上の敵空母機動部隊を排除しない限り、輸送船団が『大湊』へ向かうことが不可能と判断、そして今に至る」


蒼龍「分かりました。出撃はいつですか?」


提督「瑞鶴がやって来次第出撃だ。それまで待機していてくれ」

ココまで。明日午前5時に家を出発するのでもう寝ます。また明日更新できたらします

再開します

蒼龍「了解、それともう1つ良いですか?」


提督「ん?なんだ?」


蒼龍「秘書官さんはこの白雪ちゃんですか?それとも他の誰かですか?」


提督「あぁ~...その事か...」


蒼龍「あれ?ダメなことを聞いちゃいました?」


白雪「えっと...」


提督「良いさ。白雪、蒼龍を連れていってあげてくれ」


白雪「ですが...」


提督「変に誤魔化すより知ってもらった方がいい。頼んだ」


白雪「了解です。それでは蒼龍さん、こちらへ」


蒼龍「あ、うん」


白雪と蒼龍は執務室を後にし、とある部屋へと向かう。

蒼龍「ねえねえ、ここの秘書艦ってどんな人なの?」


白雪「...吹雪はとても強かった人です。さっき言った訓練生時代からの知り合いです」


蒼龍「へぇ、凄い娘なんだね~♪」


白雪「ええ、確かに凄い娘ですよ...自ら死にに行くような娘ですから」


蒼龍「え?」


白雪「着きました、ここが秘書艦の部屋です」


そこは重々しく鉄の枠で作られた扉があった。


蒼龍「ここが秘書艦の部屋?それにしては重苦しい感じだけど...」


白雪「開けますよ」


白雪が扉を開けると中から消毒剤の臭いと血の臭いが混じった不快な臭いがする。

蒼龍「うっ...なにこの臭い...!」


白雪「中に入って下さい。すぐにわかりますよ」


蒼龍が言われるがまま中へ進んでいくと、ベッドに横たわり血が滲んだ包帯を身体中に巻かれた無惨な少女が居た。


白雪「吹雪...新しい艦娘が来ましたよ」


吹雪「...?誰か...居るのか...?」


白雪「私が居ますよ。吹雪」


白雪が吹雪の手を強く握る。


吹雪「しら...ゆき...?耳が...聞こえないんだ...何か...話してるのか...?」


白雪「蒼龍さん、左手を握ってあげて下さい。多分分かると思いますから」


蒼龍「う、うん」


ベッドの逆側にむかい、左手を握りしめる。


吹雪「...?誰だ...?曙でも...居るのか...?」


白雪「違いますよ。新しく来た蒼龍さんです」


吹雪「......」


吹雪からの反応はない。目に巻かれた包帯も、血が滲んでいた。

白雪「はぁ...蒼龍さん、そろそろ行きましょう」


白雪が吹雪から手を離すと、吹雪の手が何かを探るように動く。


吹雪「あれ...どこ行った...?待ってくれ...おいてかないで...」


蒼龍「...えっと」


白雪「大丈夫です。離してください」


蒼龍も吹雪から手を離す。


吹雪「...暗い...深い...助けて...嫌だ...」


二人とも部屋から出て扉を閉じる。さっきまでの不快な臭いが嘘のように消え、涼しい風が廊下を吹き抜けていた。


蒼龍「ねえねえ...あの子って治るの...?」


白雪「...1つだけあります。とてもリスクが高いですが...」


蒼龍「何?」


白雪「『改二』へと改装することです。改装するとき、艦娘の体は元の健康な体に戻り怪我も治りますが、リスクが高いのです。容易に選んで良い選択肢ではありません」


蒼龍「でも、それしか手は無いんだよね」


白雪「はい、一応1週間後の予定です。一応ですがね」

ここまで。また明日

再開します

~~現在~~


蒼龍「と、こんな感じで当時の秘書艦は大ケガで死んでいないのが奇跡なぐらいだったね~」


白雪「そうですね、あの消毒剤の臭いと血の臭いが混じった不快な臭いは忘れることが出来ません」


叢雲「ちょ、ちょっと待って!?笑い話のようにしてるけどそれって笑い事じゃ済まないことよね!?」


深雪「消毒剤と血の臭い...うっぷ...」


磯波「こ、ごめんなさい、私少し気分が...」


蒼龍「あ、吐くなら厠で吐いてね」


磯波が駆け足で厠に向かう。


初雪「...zzz」


深雪「おい、初雪。何で寝て...いや、寝てて良かったか...?」


蒼龍「それで1度だけ白雪ちゃんの代わりに秘書艦の面倒を見ることになってね」

~~夜 吹雪の部屋~~


蒼龍「し、失礼しまーす...」


蒼龍はそっと扉を開ける。先日に嗅いだ不快な臭いが再び蒼龍の鼻につく。


吹雪「水底...暗い...冷たい...助けて...嫌だ...誰か...助けて...」


未だに訳の分からないことを呟いており、正直なところこの娘と関わりたくないという気持ちでいっぱいいっぱいだった。


蒼龍「だ、大丈夫ですよ。秘書艦」


そっと吹雪の手を握る。


吹雪「...誰だ...?この手の大きさは白雪じゃない...」


蒼龍「正規空母の『蒼龍』です」


耳が聞こえないと分かっていても言葉で答えてしまう。


吹雪「暖かい...誰でもいい...このまま...手を握っていてくれ...」


蒼龍「分かりました。秘書艦が落ち着くまでこのまま握っています」

ココまで。

再開、暑さに負けず頑張っていきますよ

吹雪の手を握り続けていると、先程まで苦しそうに呼吸をしていたが、だんだんと穏やかな呼吸になる。


蒼龍「(こんな娘が...こんな酷い目に遭わないといけないなんて...)」


吹雪「...誰か...知らないけど...頼みがある...」


蒼龍「?」


吹雪「この包帯...取ってくれ...目が痒い...」


そう言うと包帯で巻かれた手で目の包帯を触る。


蒼龍「えっ、えっと...取っても良いのかな...?」


吹雪「頼む...お願いだ...」


蒼龍「わ、分かりました」


少しだけ顔を上げ、包帯をゆっくりと取っていく。





蒼龍「そっと...傷付けないように...」


全部包帯を取り終わると、中から目から血が溢れており、蒼龍はすぐに台に置いてあった布で血を拭く。


吹雪「あぁ...うっすらとだけど...顔が見える...良かった...」


少しだけ開かれた目は、赤色に染まっていた。

蒼龍「っ!?その目って...!」


吹雪「痒い...痒い...」


包帯の手で目を擦る。その度に手の包帯に血が付く。


蒼龍「(あの目...深海棲艦の目に似てる...ただの思い違いだといいけど...)」


吹雪「手を握って...冷たいのは嫌だ...」


蒼龍「...えっ?あ、はい、分かりました」


再び吹雪の手を握る。先程よりも冷たい吹雪の手がとても不気味に思える。


吹雪「あぁ...暖かい...♪」

ねむいです。夜更新します

再開します

二人はその後一時間ほど手を繋ぎ続けていた。うっすらと開かれたには蒼龍の姿が映っていたのだろうか。一切吹雪は蒼龍から目をそらさず、真っ赤に染まった目で蒼龍を見つめ続けていた。


吹雪「誰か知らないけど...ありがとう...♪まだ目は痒いけど...怖くなくなった...♪」


蒼龍「......」


話さない代わりに笑顔を吹雪に見せる。今の吹雪の目はその笑顔を見たのか、吹雪の口角はあがりぎこちない笑顔が顔に出ていた。


吹雪「海の底ってさ...」


蒼龍「?」


突然の吹雪の言葉に、蒼龍は呆気に取られそうになる。


吹雪「暗くて...冷たくて...悲しくて...怖かった...爆撃で沈められて...頭の中が揺らされてるみたいに気持ち悪くなって...誰かが私を呼んでるみたいで...」


蒼龍「深海棲艦...?もしくは何かの怨念とかかな...?」


吹雪「司令官は私を見棄てたんだって...白雪達が私を見棄てたんだって...私から殿を買って出たってのに皆が何故か憎くなって...」


吹雪「今日だけで良い...ずっと手を握ってくれ...一人になると怖くなるんだ...」


蒼龍「大丈夫、今日はずっとこうやって居ます」

部屋に充満していた不快な臭いも気にならなくなり、ただただ助けてあげたいという気持ちが溢れるばかりであった。


蒼龍「(明日...明日の改装で絶対に良くなるはず。それまで我慢だからね...!)」


吹雪「アハハ...ザマァないね...こんなんじゃあいつの役に立てない...期待してくれない...もっと...もっと強くなれたら...」


蒼龍「...大丈夫...今のままでも秘書艦は強いですよ...他人のために我が身を犠牲にして守るなんて...強くないとできないことです...だから...1度休んだ方が良いんですよ...」


それから朝まで、ずっと二人は手を握っていた。

~~翌朝~~


白雪「吹雪は大丈夫でしょうか」


夜のうちに全ての業務を終わらせ、朝早くに吹雪の部屋へと向かっていた。


白雪「改装の為に...」


吹雪の部屋の前に着くとノックもせずに中に入る。


白雪「吹雪、改装の準備に...」


中に入ると、蒼龍が吹雪の手を握ったまま座って寝ていた。


白雪「ずっと吹雪のことを看ててくれたんですか...包帯も全て変わってる...」


白雪は蒼龍の体を揺らし、起こそうとする。


白雪「蒼龍さん、起きてください。蒼龍さん」


蒼龍「ふぇ...ふぁ~...私いつの間にか寝ちゃってたんだ...」


白雪「一日間、私の代わりにありがとうございました」


蒼龍「あぁ、良いよ良いよ。私もいろいろと教わったことがたくさんあったから」


白雪「それじゃ蒼龍さん。続けてで悪いのですが、吹雪を背負って工廠まで運んでくれませんか?」



蒼龍「良いよ」


白雪が吹雪を起き上がらせ、蒼龍の背中にしがみつくように誘導する。

白雪と蒼龍は吹雪を連れ、工廠へと向かう。


吹雪「どこに行くんだ...?まさか...解体...?」


白雪「蒼龍さん、返事しても無駄ですからね?」


蒼龍「わ、分かってるよ」


白雪「口が開きかけてましたよ。無駄なことをしても何にもなりません。今の吹雪、爆撃で耳が完全にやられています」


蒼龍「も、もしかしたら耳が元に戻ってるかも...」


白雪「奇跡に時間を割くわけにはいきません。効率良く、最小限の時間でこなすしかないのです」


蒼龍「...何でそんなに効率を求めるの?奇跡を願ったって...」


白雪「...そんな曖昧なんて信用なりません。確実で絶対じゃなければ選択肢なんて選んではいけないのです」


蒼龍「そんなの...おかしいよ...」


白雪「...っ!」


白雪が蒼龍の前で振り返る。

白雪「貴女に...空母である貴女に何が分かると言うんですか!!」


蒼龍「!」


白雪「航空機を操り、遠くから戦う貴女に私たち駆逐艦のことが分かるわけないでしょう!」


顔を真っ赤にして白雪が怒りだす。


白雪「重巡以上の敵艦には有効的なダメージは与えられず、撤退戦での魚雷なんて信用することができません!それでも戦艦や空母、輸送艦を我が身を犠牲にしてでも最後まで護衛する。そんな捨て駒の役割を果たすのが私たちです!それが駆逐艦の生き様です!」


蒼龍「...」


白雪「今まで私たちが上手くいっていたのも全て運が良かったから!轟沈しなかったのも運が良かったから!戦艦の砲撃で1発、空母の爆撃機、雷撃機で1発ずつ、重巡の砲撃で2発で沈む柔な私たち駆逐艦は、奇跡に頼っていられる時間はないのです!より確実で!安全で!効率が良い選択肢を選ぶしか道がないのです!」


興奮したせいか、白雪が息切れをする。数秒ほど休むと血が頭に上っていたが、顔色もいつもの調子に戻り落ち着いた口調に戻っていた。


白雪「...すみません。興奮してしまいました」


蒼龍「こっちもごめん。勝手に自分勝手なことを話しちゃって...」


白雪「そろそろ工廠です」


蒼龍「うん...」


二人の間には沈黙が流れ、無言で工廠まで近づいていた。

ここまで、明日で蒼龍編は終わります

再開、やっていきますよ

二人は工廠に着くと扉を開け、中に入った。


提督「遅かったな。何かあったのか?」


白雪「少しだけありました。そう言う司令官こそ仕事は終わったのですか?」


提督「ああ、終わった。それじゃ早速改装を始めようか。蒼龍、吹雪をそっちの装置に入れてくれ」


蒼龍「分かりました」


蒼龍は背負っていた吹雪を装置の中に入れる。手を離そうとすると、吹雪が力強く握ってくる。


吹雪「行かないで...一人にしないで...」


蒼龍「大丈夫です。また、改装が終わったら会いましょう」


蒼龍が吹雪の手を振り払う。


吹雪「あっ...」


提督「こっちには吹雪の艤装を入れて...と、白雪頼んだ」


白雪「お任せください」


ボタンを押すと扉が閉まる。ガチャンと鍵の閉まる音がすると、装置の中から光が溢れ出る。


提督「これで10分ほど待てば改装が完了する」


白雪「それまで待っていましょう。蒼龍さん、戻っていても良いですよ」


蒼龍「ううん、ここで装置から出てくるのを待ってる」


白雪「...そうですか」


工廠から提督が出ていき、音をならす装置だけが動いていた。

~~装置内~~


吹雪「暖かい...眩しい...」


装置の中にいる吹雪は、暖かさと眩しい光に包まれていた。そして、目を包帯で巻いているはずなのに何故かはっきりと目の前に映像が現れる。大きな艦が砲弾を撃ち合い、共に傷つき沈んでいく。そんな泥沼の戦闘を終わらせるために航空機が飛んでくるが、上空でも泥沼の戦闘になる、そんな映像。初めて見るはずなのにどこか懐かしくて吐き気がする。真ん中の艦よりも一回り小さく、周りを円のようにして包んでいる艦が真っ先に砲弾を受けている。そして自分の視点は空から見下げるようにして、海の下から見上げるようにして海上を見ている。1隻の艦が大きな艦に近づいている魚雷に自ら当たりに行き沈んでいく。


吹雪「そうだ...あれが駆逐艦の生き方。死んでも護衛する、それ以外に任務はない...だから、私は強くなりたい。仲間を守る力を、あいつの役に立つ力を...!」


海中から海上に浮かび始め、空から海上に落ちていく。海面にぶつかるとき、はっきりと海中から、空からやって来る自分の姿がはっきりと見えた。

~~工廠~~


音を鳴らしていた装置は10分ほど経ってようやく止まり、扉が開く。


白雪「......」


蒼龍「......」


二人とも無事に吹雪が出てくることを見守っていた。


吹雪「......」


中から吹雪が出てくる。目の包帯は取れていなかったが、完治しているのは見るだけで分かった」


白雪「吹雪...」


吹雪「悪いな、心配かけた」


白雪「いえ、気にしないでください。それよりもちゃんと治って良かったです。今目の包帯を取りますね」


念のためゆっくりと包帯を取っていく。徐々に露になっていく吹雪の目は少し赤の混じった綺麗な色になっていた。


吹雪「やっと前が見える。それで、そこの奴は...いや今言わなくても分かる」


吹雪は蒼龍の前に行くと手をだす。


吹雪「ずっと手を握ってくれてありがとう。お陰で助かった♪」


蒼龍「い、いえ」


吹雪「すまないが名前が分からない。教えてくれ」


蒼龍「私は蒼龍型正規空母『蒼龍』です。1週間前にこの鎮守府に転属してきました」


吹雪「蒼龍か、分かった。私は吹雪だ。司令官の所に行くから白雪、後は頼んだ」


白雪「分かりました」


吹雪は艤装を背負って工廠を出ていく。


蒼龍「...凄い娘だね」


白雪「でしょう?」

~~現在~~


蒼龍「という感じでね~♪やっぱりあの子は凄いよね~」


白雪「あぁ~...怒ったこともありましたね」


蒼龍「あの時はごめんね?」


白雪「いえ、気にしないでください♪もう大丈夫ですから」


深雪「いろいろとあったんだな~...」


磯波「ただ今戻りました...」


叢雲「あんた大丈夫?」


磯波「なんとかなりました...」


叢雲「なら良いけど」


深雪「そう言えば叢雲も第二改装してるよなぁ」


叢雲「ええ、ちゃんと火力も雷撃も上がってるわよ」


白雪「私に第二改装来るのはいつでしょうか...」


初雪「......zzz」


~~蒼龍編 完~~

ここまで。またいつか


新キャラとは?

再開、そうですね~...新キャラというのは多分今イベントで実装された艦娘だと思うので、ウォースパイトを出しますね。

~~艦娘交流 ウォースパイト編~~


提督「吹雪、少し話があるんだ」


吹雪「何ですか?」


提督「実は今日、英国から艦娘が訪問に来るんだ」


吹雪「...随分突然ですね...何で昨日話してくれなかったんですか?」


提督「完全に忘れてた。申し訳ないと思ってはいる」


吹雪「それで、いつ来られるんですか?」


提督「...5分前だ」


吹雪「...は?今なんと言いました?」


提督「...5分前だ...」


吹雪「」


提督「」(--;)


吹雪「このバカ野郎!!」


提督「ゴフッ!吹雪!素が出てる!素が出てるぞ!」

吹雪「んなことどうでも良いわ!お前は他人様に迷惑をかけて楽しいか、あぁ!?」


提督「悪かったって!わざとじゃないんだ!」


吹雪「分かってるわ!わざとだったらここでボコボコにしてるわ!」


提督「というかもう時間過ぎてるからもしかしたら門で待たせている可能性が...」


吹雪「あああ!!もういい!ここで身だしなみを整えてろ!私が迎えにいくから!」


提督「任せた」


吹雪「くそったれ!」


吹雪が勢い良く執務室の外に出ていくと、電が腰を抜かして怯えていた。


吹雪「あ」


電「はわ...はわわ...」


吹雪「お、脅かしちゃった...?」


電「ひっ!?何でもないのです!迷惑かけたのですー!」ピュー


吹雪「...行っちゃった...ってそんなことやってる場合じゃない!急がないと!!」

正門来ると、一人の日本人とは思えない女性が立っていた。


??「...遅いわね。日本人は人を待たせるのが得意なのかしら?」


吹雪「本当に申し訳ありません。司令官が忘れていました」


??「はぁ...良いわ。それよりAdmiralの所に連れていってくれないかしら」


吹雪「分かりました。こういうときは...follow me!」


??「分かったわ」

ここまで、また明日です

本当に申し訳ありません。気がついたら1週間ぐらい放置してしまいました。再開していきます

吹雪がウォースパイトを執務室へと案内する。英国の戦艦というだけあって、廊下を歩く姿がとても絵になる。


吹雪「ここが司令官の居る部屋です」


ウォースパイト「へぇ、人を待たせるようなAdmiralはどんな姿なのか、ちゃんとこの目で確かめるわ」


ウォースパイトがコンコンと4回扉をノックすると、いつもの提督の声が聞こえる。


提督「入ってくれ」


ウォースパイト「失礼するわ」


2人が中に入ると、いつものように提督が机に座っていた。


提督「君が英国からの戦艦か。なるほど、美しい身なりだ。それと待たせてすまなかった」


ウォースパイト「6分ほど待たされましたわ」

提督「本当に申し訳ない」


ウォースパイト「まぁ良いわ。それじゃ、自己紹介をさせて貰うわね」


ウォースパイト「我が名はQueen Elisabeth Class Battleship WarSpite!Admiral...今日1日よろしく、頼むわね」


提督「ああ、よろしく頼む」


ウォースパイト「それで、この鎮守府には金剛達は居るのかしら?」


提督「残念ながら、この舞鶴には戦艦がいない。居るのは正規空母、重巡、軽巡、駆逐艦しかいない。それも圧倒的に駆逐艦が多い」


ウォースパイト「そう、それは残念ね。なら私の泊まる部屋へ案内してほしいのだけれど」


提督「吹雪、任せた」


吹雪「はい、分かりました」

ここまでです。

再開します。

二人は廊下を歩いていると、前からもう一人の自分が歩いてくる。


吹雪「あ、荒雪ちゃん」


荒雪「ああ、吹雪か。何してるんだ?」


吹雪「今、英国から来た方の案内をしてるところだよ♪」


荒雪「へぇ~、どれどれ」ジー


荒雪はウォースパイトを舐め回すように見る。


ウォースパイト「な、何かしら」


荒雪「いや、外国人ってのを初めて見てな。私は特型駆逐艦一番艦『吹雪』だ。区別するために『荒雪』って呼ばれてる」


ウォースパイト「...ねぇ、1つ聞いて良いかしら?」


荒雪「ああ、どうぞ」


ウォースパイト「貴女達は双子なのかしら?全く同じ顔なのだけど...」


荒雪「ああ、それか。そうだな、双子と考えてくれて良い。それと私は隣にいるそいつと同一艦だ」

ウォースパイト「同一艦...?そんなこと聞いたことも見たこともないのだけれど...」


荒雪「あぁ...えっと、説明すると長くなるから気になるんだったら後で部屋に聞いてほしい」


ウォースパイト「そう、なら後でいろいろ聞きに行かせてもらうわ」


荒雪「待ってるよ。でも、夜7時からはあまり来ないでほしいんだ」


ウォースパイト「?どうして?」


荒雪「あと...えっと...」


吹雪「荒雪ちゃん、こう見えて付き合ってるんですよ♪」


ウォースパイト「でも、施設の中には男の人はあまり居ないでしょう?」


荒雪「あはは、同性愛ってやつだな。司令官とはいつでも出来るとは限らないし」


ウォースパイト「へぇ、日本の艦娘の恋愛事情は興味深いわね」


荒雪「おっと、長く話続けてしまった。そろそろ向かわないと遅れる」


ウォースパイト「例の恋人かしら?」


荒雪「遅れると怒られるからな。それじゃ、夕方頃会おう」


荒雪は駆け足で、待ち合わせ場所にへと向かう。

ウォースパイト「あの子、話しやすいわね」


吹雪「はい、流石は私ですね」


ウォースパイト「ねえ、貴女とあの子の関係って?」


吹雪「血液型、身長、体質、過去の記憶、全て同じの同一人物です」


ウォースパイト「貴女達ってもしかして...」


吹雪「部屋に着きましたよ。これでお話はおしまいです」


部屋に着くと、二人の会話が終わる。


吹雪「今日は私が貴女の案内役となっていますので、この機械で呼んでくれればすぐに駆けつけます。それではまた1時間後に来ますね♪」


扉を閉め、ウォースパイトがリラックスできるように静かに廊下を歩く。

ここまで

再開、まさかの感染性の胃腸炎になりました。

ウォースパイト「ふぅ...」


ベッドに座り、持ってきたカバンを開く。


ウォースパイト「本国へ到着したことを連絡しておかないと...」


ノートパソコンを開き本国へ送る文書を作る。


ウォースパイト「『日本の基地へ無事到着。基地内の雰囲気は良好。廊下は隅から隅まで掃除されており、埃は見られない。艦娘達は駆逐艦ばかりであったがとても高練度であり、とくに『吹雪』という艦娘は基地内で最高練度である可能性が高い。明日、駆逐艦『吹雪』に演習を申し込み練度を確かめる』と...」


文書を保存すると、本国へと送信する。


ウォースパイト「あと...50分はあるわね...どうせならあの子を呼んでみようかしら」


機械のスイッチを押しベルをならす。

吹雪「はい、ご用はなんでしょうか?」


ベルを鳴らしてから20秒ほどで吹雪が部屋にやって来る。


ウォースパイト「速いわね」


吹雪「いえ、それよりもご用はなんですか?」


ウォースパイト「あと50分あるのだけれど、私の話し相手になってくれないかしら?」


吹雪「はい、分かりました。どんなことを話題に?」


ウォースパイト「そうね、それじゃあ...」

ここまで、寝ます

ようやく胃腸炎治りましたので再開します。実は昨日辺りから体調はよかったのですが、次は肺炎になってるんじゃないか?という疑惑が発生し、医者に見てもらっていました。

ウォースパイト「それじゃあ1つ目、その指輪だけど既にAdmiralとは結婚してるのかしら?」


吹雪「はい、とはいってもカッコカリですけどね♪」


ウォースパイト「ふぅん、やっぱり更なる練度向上のためかしら?」


吹雪「はい、お陰さまで練度を数値にすると150です♪」


ウォースパイト「(あっちの子が最高練度だと思ってたけどこの子が最高練度なのね)」


吹雪「ちなみに、荒雪ちゃんも150ですよ♪」


ウォースパイト「ふ、二人ともなの?」


吹雪「はい、私は事務作業で荒雪ちゃんは戦闘と分けています。何か命令があれば私も出撃しますけどね♪」


ウォースパイト「(ここの基地の駆逐艦達は凄まじいわね...いったいどんな訓練をしているのかしら...?)」


吹雪「他に質問はありませんか?この基地に機密情報はほとんどありませんので、大抵のことなら大丈夫ですよ♪」

ウォースパイト「そ、そうね...なら2つ目はこの基地は他の基地と演習をしているのかしら?」


吹雪「一応はしていますが、あまり練度が上がっている気はしませんね」


ウォースパイト「そういう物なの?」


吹雪「はい、演習やるくらいなら船団護衛任務訓練と綾波ちゃんと近接戦闘訓練をしてる方が幾分か有意義です」


ウォースパイト「綾波...?もしかしてソロモンの...?」


吹雪「はい、やっぱり海外の人には人気なんですかね?」


ウォースパイト「当たり前よ!駆逐艦『綾波』と言えばソロモンの鬼神じゃない!今この鎮守府にいるの!?」グイッ


吹雪「ち、近いです。確かにこの鎮守府に居ますが今は出撃中かもしれませんし...」


ウォースパイト「会わせて欲しいわ!!」キラキラキラ


吹雪「わ、分かりました。それじゃあ、綾波ちゃんの部屋に行ってみましょうか」


ウォースパイト「ええ!」

~~綾波・敷波の部屋前~~


吹雪「ここが綾波ちゃんの部屋です。居ると良いんですが...」


コンコンッ!


敷波「はーい、どちら様~って吹雪じゃん」


吹雪「綾波ちゃん居るかな?」


敷波「残念、綾波なら今射撃訓練中。射撃場に行ってみれば良いじゃん」


吹雪「ありがとね、それじゃ」


敷波「んー」フリフリ


バタンッ


吹雪「どうやら綾波ちゃんは射撃場みたいですね。行ってみますか?時間はあと40分ほどですが」


ウォースパイト「ええ!もちろんよ!」


吹雪「それじゃあ、またついてきてくださいね」

~~射撃練習海域~~


吹雪「綾波ちゃーん!」


ウォースパイト「......」


吹雪「おかしいな、綾波ちゃーん!!」


遠くの方から綾波が吹雪に向けて、全速力で向かってくる。


綾波「吹雪!まさか吹雪の方から私の名前を呼んでくれるなんて!これも何かの運命でしょうか!?」ギュゥゥ!


綾波が物凄い力で抱きついてくる。


吹雪「綾波ちゃん、ちょっと痛いかなって...」


綾波「そんなことよりも!!」


吹雪「(私が痛いって言ってるのはそんなことなんだ...)」


綾波「吹雪!私に何の用ですか!?」


吹雪「綾波ちゃんに会いたいって人が居るんだけと」


綾波「??私にですか?」


ウォースパイト「私よ!!」


綾波「外国の方の様ですが、私に何か?」


ウォースパイト「あなた本物の鬼神よね!1度会いたかったの!ねえ!あなたの戦い方を見せて欲しいわ!」


綾波「私の戦い方...ですか。海上の戦闘は今は無理ですし...!」ピコーン!!


吹雪「(あ、嫌な予感...)」


綾波「吹雪!私の近接戦闘の相手になってください!」


吹雪「(やっぱり...)私は良いんだけど、ウォースパイトさんは...」


ウォースパイト「鬼神の近接戦闘...!是非とも見たいわ!!」


吹雪「(ダメだ...ノリノリだ...ある程度戦い方は思い出したけど、私は荒雪ちゃんより弱いんだけどなぁ...)」

吹雪「それじゃあ、ルールは?」


綾波「戦い方は個々の殺りやすいやり方で、気絶もしくは立ち上がれなくなったら負けにしましょう!」


吹雪「ハァ...分かった。やるからには本気で殺るからね?」


吹雪の目付きが鋭くなる。


綾波「はいっ!」


ウォースパイト「(丁度良いわ!この基地の最高練度の戦闘力も分かるし、鬼神の戦闘力も分かる!何て最高なのかしら!」


吹雪は、独特な構え方をすると、綾波と相対する。


吹雪「ウォースパイトさん、開始の合図をお願いします」


ウォースパイト「分かったわ。両者ともに準備は良いわね?Ready Fight!!」

ここまで

再開、二人は綾波が着任時から1週間間隔で手合わせをしています。

ウォースパイトが開始の合図を出すと、綾波が吹雪に飛び込み距離を詰める。


吹雪「...」


綾波「ハァ!」


足を振り上げ、吹雪の顔を狙う。それを確認すると、軽く顔を後ろに下げ綾波の足を掴む。


吹雪「...そんなに死にたい?」


綾波「っ!」ゾワッ!


綾波がすぐに距離を離す。鳥肌と悪寒がし、吹雪に掴まれていた右足は、少し赤みを帯びていた。


綾波「流石吹雪ですね」


吹雪「...殺す気でやるからね」


今度は吹雪がゆっくりと綾波との距離を詰める。綾波は構えを崩さず睨んでいた。


綾波「(明らかに戦い方が変わっています...どこかで見たような...)」


吹雪「...」ダッ


突如飛んでくる右手を寸での所で躱すと、後ろから強い衝撃がやって来て無理やり吹雪の方へ引っ張られたと思ったら、腹へ膝蹴りをくらわされ一二歩後ろへよろめくと追撃として横腹に更に蹴りをくらう。


綾波「ぐっ...!」


息のつく間もなく左足での蹴りを素手で受け止めると、その足を軸として吹雪が体を浮かせて右足で、綾波の顔を蹴る。


吹雪「油断しすぎだよ綾波ちゃん、これじゃ荒雪ちゃんに勝てないよ」


綾波「まだ、行けます!」


既に綾波の口からは血が垂れており、口の中を切っていた。

ウォースパイト「あの子...とても凄いわね。あんなに圧倒するなんて...」


提督「オーイ、綾波...ってまたやってるのかあの二人は...」


ウォースパイト「Admiral、凄いわねあの吹雪って言う子」


提督「ああ、元は柄の悪い子だったからな。殴り合いの毎日で身に付いた護身術は伊達じゃないんだろう」


ウォースパイト「へぇ~...」


提督「あっ、あれは決まったな」


綾波「やぁぁぁぁ!!」


綾波が一撃でも吹雪へダメージを与えようと右拳を突き出すがいとも容易く掴まれて、膝蹴りをくらい打ち上げられて背骨を膝に叩きつけられる。


綾波「カハッ...」


綾波の意識がなくなり地面に落ちる。


提督「そこまでだ。全く...やりすぎだぞ。おかげで高速修理材を使わなければいけない」


吹雪「綾波ちゃんが殺す気でって言ったんですよ」

提督「とにかく、綾波はつれていくぞ?」


吹雪「はい、お願いします」


提督が綾波をお姫様だっこして入渠施設へとつれていく。


ウォースパイト「...恐ろしいわねあなた...本当に殺そうとするなんて...」


吹雪「?いえ、まだ本気で殺す気じゃなかったですよ?」


ウォースパイト「え?」


吹雪「本当に殺す気なら膝にうちつけた時に背骨を折ってましたし、横腹に蹴りを入れた時には内蔵が潰れないように加減しましたから♪」


ウォースパイト「(な、何なのよこの子...本当に人間なの?)」


吹雪「私は人間ですよ?1つ違うとすれば少しばかり力が強いってことだけです」


ウォースパイト「少しなんて物じゃないわ...」

ここまで。次の更新でウォースパイト編はおしまいの予定です

再開します

ウォースパイト「...というか、あなたさっき嘘ついたわよね?」


吹雪「」プイッ


ウォースパイト「目をそらさない」


吹雪「私の記憶には何もありませんね」シラー


ウォースパイト「(...この子が秘書艦で本当に大丈夫なのかしら...?)」


吹雪「つ、次はどこに行きますか?あと30分ありますよ」


ウォースパイト「え、ええ...そうね...」


吹雪「Спешите! Спешите!」


ウォースパイト「あなたのその発音の良さ...腹が立つわね...」


ウォースパイト「そうね...それなら食堂に行きたいわ」


吹雪「分かりました!食堂ですね!行きましょう!GO!GO!」


ウォースパイト「(面白い子ね...)」

再開します完全に寝落ちしてますね。申し訳ありません

~~食堂~~


吹雪「ここが我が舞鶴鎮守府の食堂です」


二人が食堂に着くと、お昼時ということもありたくさんの艦娘達が食事を楽しんでいた。


ウォースパイト「賑わっているわね。それにこれだけの人数、食糧の消費も激しいのでしょう?」


吹雪「いえ、司令官も言った通りこの鎮守府には戦艦が居ません。正規空母の方も居ますが滅多に出撃されませんし、二航戦の蒼龍さんと五航戦の瑞鶴さんも一航戦の方々程大食いではありませんしね」


ウォースパイト「へぇ~...中々興味深いわね」


ぐぅ~~


朝から何も食べられていなかったウォースパイトのお腹が鳴る。吹雪がチラッとウォースパイトの顔を見ると、顔を赤らめて恥ずかしがっていた。


吹雪「...良かったらここで食べていきますか?」


ウォースパイト「...そうさせてもらうわ」


吹雪「それじゃあ、食事券を買いましょうか。メニューはありますから好きなのを選んでくださいね」


ウォースパイト「えっと...たくさんあるわね。ねぇ、このとろろかけ牛丼ってのは何?」


吹雪「牛丼に長芋を擦ったものをかけた食べ物です。もちろん、生卵を付いてますよ♪」


ウォースパイト「えっ...卵を生で食べるの...?」


吹雪「日本では牛丼に生卵をかける人が多いんです。英国では生卵を使わないんですか?」


ウォースパイト「ええ...ほとんどスクランブルエッグにしてパンに乗せたりして食べてるわ」

吹雪「ま、まぁ日本での食べ方を試してみるみたいな感じで」


ウォースパイト「分かったわ...」


機械のボタンを押し、下から食事券が出てくる。吹雪もウォースパイトの後に食事を選び、食事券を入手する。


吹雪「食事券を手に入れたら今度はカウンターまでいきます。食事券を出すだけで、分かってくれますので」


そう言うと、吹雪は持っていた食事券をカウンターに置くと、奥から女性が出てる。料理の名前を確かめると再び中に入っていく。


ウォースパイト「待ち時間はどれくらいなの?」


吹雪「数秒から数十秒、長くても1分ぐらいでしょうか」


ウォースパイト「早くない?」


吹雪「すごく早いです。1度厨房の改装を依頼された時に中に入ってみたのですが、何のおかしな所はなく、いたって普通の厨房でした。恐らく料理の作り方に工夫があるんでしょう」


ウォースパイト「へぇ~...って、そんなこと言っている間にもう出てきたわよ」


食事券を出してから7秒くらいで料理が出てきた。頼んだカツカレーはホカホカで湯気が出ていた。


吹雪「ほら、ウォースパイトさんも」


ウォースパイト「ええ」


ウォースパイトもカウンターに食事券を置くと、さっきと同じ女性が現れ料理の名前を確かめると、また中に入っていく。


吹雪「少しの辛抱です」


ウォースパイト「いや、早すぎて別に大丈夫よ」


今度は5秒ぐらいで牛丼が出ていく。丁寧に卵も添えてあった。


吹雪「今思えば彼女達が居てくれるおかげでこの鎮守府も回っているんですね。感謝です」


二人とも料理を持って空いている席を探す。奥の端の方に丁度空いている席があった。

ここまでです

夜なので再開します

吹雪「っと...ふぅ~、やっぱり食堂の空気は良いですね」


ウォースパイトが卵を持って腕を震わせていた。


ウォースパイト「生卵...本当にかけるの?」


吹雪「はい、ボトッとどうぞ♪」


コンコンッ ポトッ


ウォースパイト「...」ゴクッ


スプーンですくい、ゆっくりと口に近づけて頬張る。


ウォースパイト「...」モグモグ


吹雪「どうです?」


ウォースパイト「...美味しいわ...!卵の黄身が牛肉を包み込みあっさりとした味になり、それでいて後から来る牛肉の脂が卵の甘さと相まって私の口の中で踊りだす!」


目にも止まらない早さで牛丼を食べていく。


吹雪「よ、良く分からないですけど美味しそうで何よりです。私も...」


ポロッ


ウォースパイト「...?カラーコンタクト?」


吹雪「あっ...」ササッ


吹雪がすぐに落ちたカラーコンタクトを拾う。地面に落ちてしまったことで、もう目に付けられなくなった。


吹雪「...見ました?」


ウォースパイト「私はカラーコンタクトしか見てないわ。何かあったの?」


吹雪「い、いえ!見てないのなら良いんです!ほ、ほら!残っている牛丼、食べちゃってください!」


ウォースパイト「え、ええ...」


吹雪が誰もいない方向に向いてコンタクトケースを取り出して、何かをしている。


ウォースパイト「...何をしてるのかしら?」


机にあるコンタクトを見ると、黒色のカラーコンタクトだった。


ウォースパイト「?瞳の所が黒いわね」

吹雪「これで、良し!すみません、コンタクトを落としてしまって」


ウォースパイト「それは良いのだけれど...これ、カラーコンタクトよね、それも黒目の。日本人はほとんどが黒目って聞いたのだけれど、あなたがこれをする必要があるの?」


吹雪「少し事情があるんです。その辺りはあまり散策しないでもらえると...」


ウォースパイト「嫌なら良いわよ」


吹雪「ありがとうございます」


ウォースパイト「それでだけれど、次はどこに?」


吹雪「そうですね...あと10分ですから...もう執務室の方に向かいましょうか」


ウォースパイト「ええ」

今日の更新はここまで

再開します。生卵のことですが、実際に英国から転校してきた子に話を聞きました。色々と話を聞かせてもらったのでなかなか面白かったのですが、どうやら赤いライオンのマークが付いた卵は生で食べられるみたいですね。それに衛生面に関しては、日本は生の卵を食べられるらしいと言っているみたいなのでその辺りの説明が足りませんでしたね。申し訳ありませんでした。

~~執務室前~~


吹雪「司令官は居るでしょうか」


コンコンッ


提督「誰だ?」


吹雪「吹雪です。ウォースパイトすんをお連れしました」


提督「...5分前か。いいぞ、入ってきてくれ」


吹雪「失礼します」


中に入ると、叢雲が提督の隣で事務作業を手伝っていた。

叢雲「あ、吹雪が来たわね。司令官、休ませてもらうわよ」


提督「ああ、また必要になったら呼ばせてもらう。それまでゆっくりしていてくれ」


叢雲「分かったわ」


叢雲が執務室の隣にある仮眠室に入っていく。


提督「さて、5分早いが始めようか」


提督は天井にある装置からプロジェクターの映像を写すためのスクリーンを出す。


提督「さて、今回上から3つの事を君に教えろと命令が来た。1つ目はこの鎮守府の艦娘の練度。2つ目が現在の日本の状況。そして3つ目はそこに居る吹雪についてだ」


吹雪「え?私ですか?」


提督「ああ、吹雪の事は必ず説明するようにいわれた。すまないな」


吹雪「はぁ...ならあの時隠さなくて良かったじゃないですか...」


提督「そう落ち込むな。英国から日本に疑惑の目を向けられないようにするためだ」


吹雪「はい...分かってますよ...」


ウォースパイト「?この子に何かあるの?」


提督「上官から言われてないか?特型駆逐艦一番艦『吹雪』の調査をしろと」


ウォースパイト「あぁ...確かそんな任務もあったわね...」


提督「忘れてたのか。まぁ良い。まずは艦娘の練度についてだな」


提督はリモコンでプロジェクターの電源を入れると、スクリーンに映像を映し出す。

また昼に再開します

再開、流石に英国での生卵を使った料理は知りませんが、美味しいらしいですよ。料理名は忘れましたが。

すんって(笑)
ぶっきーかわいい(笑)

提督「この舞鶴鎮守府は駆逐艦『吹雪』を筆頭に『曙』『白雪』の駆逐艦3人が最も練度が高い。艦隊決戦は分からないが輸送任務はどの鎮守府よりも得意だと自慢できる」


ウォースパイト「へぇ~...私たちの駆逐艦よりも?」


提督「ああ、世界最高の船団護衛部隊と言っても過言ではないだろう」


吹雪「それは褒めすぎですよ。私達だって作戦失敗するときもありますし、4年近く前のことを忘れたんですか?」


提督「あれ以来してないだろ?」


吹雪「まぁそうですけど...」


ウォースパイト「それで、多方面作戦にもするのかしら?」


提督「もちろんだ。大規模作戦時にはリンガへ、トラックへ、大湊へ様々な所へ向かう」


ウォースパイト「なるほど...なら次ね。この基地がこのような役目を任せられてるのはやはり地理的な理由かしら?」


提督「恐らくな。この基地を襲いたければ大湊と佐世保のレーダー網を抜けなければならない」


ウォースパイト「それなら確かにここに資源を置くわね」


話を聞きながらウォースパイトは手帳にメモを取っていた。

待って、なんだこの『すん』は!?
ということで完全に誤字です本当に申し訳ない。
というか凄い恥ずかしいんですがw

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

吹雪「ひゃぁぁぁぁ!?掘り返さないで~!!」


荒雪「...哀れだな...」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

提督「それで二つ目の日本の状況についてだな。現在我が国の状況はあまりよろしくない」


リモコンを使い画面を切り替える。


ウォースパイト「そうなの?大規模作戦を何度か成功させたって聞いたけれど」


提督「成功させただけだ。完全なる撃滅には至っていない。それに最近は前よりも数を増やし勢力を拡大しているとの報告がある」


ウォースパイト「...確かにそれはよろしくないわね」


吹雪「それに、先週リンガ泊地は深海棲艦の襲撃を受けている。損害は軽微だが、次はどこに、そしていつ襲撃してくるかも分からない」


ウォースパイト「かなり厳しい状況なのね」


提督「ああ、最近はこの舞鶴に船団護衛の任務がたくさん入ってくる」


ウォースパイト「それならこの子は出さなくても良いの?この鎮守府の最高練度なんじゃ...」


提督「吹雪は最後だ。この鎮守府の最大戦力を簡単に出撃させられない」


ウォースパイト「ほぅ...」


提督「それと、最近は太平洋方面とアリューシャン列島方面が何かと騒がしい」


ウォースパイト「...そういうことね」メモメモ


提督「さて、最後の3つ目は吹雪だ」


ウォースパイト「と言ってもこの子は普通の艦娘でしょう?」


提督「吹雪、コンタクトをとれ」


吹雪「...分かりました」


吹雪は右手でカラーコンタクトをとる。コンタクトがとられ露になった吹雪の目は両目もと濃い紅色で染まっていた。


ウォースパイト「へっ...?」


吹雪「これが私の目です」


提督「見ての通り、4年近く前のある出来事によって吹雪の目はこうなった。この現象を深海棲艦化現象と呼称している」


吹雪「...」


提督「現在は薬を飲んで深海棲艦化の速度を抑えている」


ウォースパイト「なるほど、だからコンタクトをしてたのね」


吹雪「はい、体自体は何ともないので心配されないように周りにはバレないようにしてたんです」


ウォースパイト「ふぅん...」メモメモ

ここまで

再開します

ウォースパイト「あっ、そう言えばもう一人の吹雪はどうなの?」


提督「あの子か。あの子も一応は深海棲艦化はしてはいるんだが...」


ウォースパイト「?どうしたの?」


提督「どうも気が強いせいなのかは知らないんだが、症状が全く進行しないんだ」


ウォースパイト「あら、良いことじゃない」


提督「ああ、普通に考えればな」


ウォースパイト「どういうこと?」


吹雪「荒雪ちゃんの場合、気がつかないところで症状が進行していて、いきなり深海棲艦化する可能性があるんです」


提督「とはいえ、深海棲艦化なんて資料を調べても載ってないからな。予測しかできないが」


ウォースパイト「なるほど、これは本国にちゃんと報告しないといけないわね」


提督「そうだな、是非ともこの事は英国にも伝えてほしい」

~~1時間後~~


ウォースパイト「なかなか興味深い話が聞けたわ」


提督「何、命令だからな。それに深海棲艦化については特に知っておいて欲しいことだ。それじゃあ吹雪、ウォースパイトを部屋へつれていってくれ」


吹雪「分かりました、それじゃあウォースパイトさん。行きましょうか」


ウォースパイト「ええ、それじゃあAdmiral。また会いましょう」


提督「ああ、またな」


二人は執務室を出て扉を閉める。


提督「さてと、残りの書類を終わらせて...」


プルルルルルル


突然電話の音が鳴り響く。


提督「こちら舞鶴鎮守府です...元帥殿?突然どうされたのですか?」


提督「はい...はい...それは本当の事ですか?...はい...了解しました。横須賀鎮守府へ我が連合艦隊を送ります」


カチャッ


提督「...総力戦か...」

ここまで。ウォースパイト編が終われば、エピローグを書いてこのスレは終わりにしたいと思います。

再開します

吹雪「どうでしたかウォースパイトさん。司令官の話は?」


ウォースパイト「面白かったわ。深海棲艦化なんてあるのね。私の国もその事を考えないとね」


吹雪「英国の駆逐艦ってどんな方々なんですか?」


ウォースパイト「皆個性的よ。それに勇敢で頼もしい子達だわ」


吹雪「1度会ってみたいですね♪」


ウォースパイト「私も貴女をあの子達に会わせてあげたいわ。とても歓迎されるわよ」


吹雪「そうですね。いつか...っ?」


ドクンッ ドクンッ


吹雪「つっ...うっ...!」


いきなり心拍数が上がり呼吸が荒くなる。あまりのしんどさから壁に寄りかかり床に座り込む。


ウォースパイト「ちょ、ちょっと!?」


吹雪「はぁ...はぁ...!すみません...先に部屋に戻っててください...」


ウォースパイト「で、でも貴女が...」


吹雪「お願いします...こんな姿あまり見られたくないんです...!」


ウォースパイト「そこまで言うのなら...でも、無理はダメよ?」


吹雪「あはは...はい...分かってます...」


ウォースパイトが部屋へ戻っていく。


吹雪「薬...飲まないと...」


ポケットから薬を取りだし、何とか口に入れて飲み込む。


吹雪「ゲホッ...うっぷ...!おえええぇぇぇ...!」


気持ち悪さから遂には嘔吐をする。先程飲み込んだ薬も一緒に吐いてしまった。

吹雪「ゲホッ...ひっ...!?なに...これ...!?」


驚くのも無理はない。吹雪が吐いたものは胃液ではなく血だったから。


吹雪「意識を保たないと...!堕ちちゃダメだ堕ちちゃダメだ...!」


吹雪の手の甲の皮膚にヒビが入り始める。1部がベリッとめくれ、中から赤黒い血管の様な筋が張り巡らせてあるのが見える。


吹雪「まずい...意識が...こん...な...」


やがて完全に意識が消え、吹雪の体が床に落ちる。

ウォースパイト「大丈夫かしら...」


荒雪「お、ウォースパイトか」


ウォースパイト「荒雪...だったかしら?」


荒雪「ああ、さっきあいつと次の約束して別れたばかりだ。話するか?」


ウォースパイト「ええ、それは良いのだけれど...」


荒雪「ん?どうした?」


ウォースパイト「さっき吹雪が苦しそうに座り込んだから...」


荒雪「本当か?」


ウォースパイト「ええ」


荒雪「んじゃ、ちょっと見てくる。私の部屋はその角を曲がって手前から二つ目だ。そこで待っててくれ」


ウォースパイト「分かったわ」


二人は別れ、荒雪は吹雪の所へ向かう。

荒雪「んで、吹雪の奴はどこに居るんだ?」


吹雪を探しにウォースパイトが通ってきたと思われる通路を通る。


荒雪「ここを左か?ったく、どこに居るんだよ」


吹雪「ぅ...」


どこかから吹雪の呻き声が聞こえてくる。


荒雪「吹雪!どこだよ!」


次の曲がり角を右に曲がると、地面を血で汚して倒れている吹雪が居た。


荒雪「おい吹雪!何があった!しっかりしろ!!」


吹雪「うぅ...荒雪...ちゃん...?」


荒雪「良かった。ウォースパイトから話を聞いた。まずは医務室に行くぞ」


吹雪「だ、大丈夫...」


荒雪「だ、だが...」


吹雪「本当に大丈夫。ほら、何ともないでしょ?」


荒雪「なら良いんだが...」


吹雪「ほら荒雪ちゃん、ウォースパイトさんとお話があるんでしょ?」


荒雪「わかった。でも、医務室には行けよ?」


吹雪「うん、ちゃんとこっちで掃除しておくから!」

ここまで

再開、少しばかり遅れました。

~~荒雪の部屋~~


ウォースパイト「大丈夫かしら...」


荒雪「今戻った」


ウォースパイト「どうだったの?」


荒雪「一応は大丈夫らしいが、医務室に行くように言っておいたが...あいつのことだ」


ウォースパイト「そう...」


荒雪「それで、私に話を聞きに来たんだよな?」


ウォースパイト「ええ、ホントは同一艦って言ってたことを聞きたかったけど、どうしてあなたたちに深海棲艦化現象が起きてるのか聞きたいわ」


荒雪「分かった。あれは約四年前の大規模作戦遂行の為の船団護衛任務をしていたときのことだ」

~~約四年前~~


吹雪「周囲に敵艦影無し、全艦進め!!」


吹雪の号令で護衛艦隊と輸送艦隊が前進を始める。艦隊のメンバーは旗艦『吹雪』『白雪』『曙』『暁』『電』『敷波』だった。輸送艦隊の数は10隻とどの艦も溢れんばかりの資材を詰め込んでいた。


白雪「吹雪、少しスピードを落としましょう。皆、度重なる出撃で疲労が溜まっています」


既にこれで5回目の出撃であり、何とか二艦隊でローテーションしていたが、それでは資源の輸送は間に合わずほとんど休みなんてなかった。


暁「こんなの...ぜぇ...レディのすることじゃないわ...!...ぜぇ...」


電「もうクタクタなのです...一睡だけでも良いから目を閉じて休みたいのです...」


敷波「もう無理...休みたーい!」



吹雪「はあ、そうだな。少しゆっくり行こう」


曙「ねえ、ちょっと良い?」


吹雪「何だ?」


曙「今速度を落としたら敵からの良い的にならない?確かに皆の疲労の事を考えるのは立派だけど、今は居ない敵艦の事も考えておいたほうが...」

ここまで

再開、遅れました

吹雪「分かっている。だが、ただでさえ高速の航行は体力を消費するんだ。このまま戦闘になったら勝ち目はないな」


曙「でも...」


吹雪「はぁ...なら曙。少しの間、四人と輸送艦隊を頼む」


曙「ちょ、ちょっと!どこに行くつもりなのよ!?」


吹雪「辺りを警戒してくるから休んでろ」


曙「ま、待ちなさいよ!それじゃああんたが休めないじゃない!」


吹雪「気にすんな。私はまだ疲れてない」


そう言うと、速度をあげて艦隊から離れていく。


白雪「はぁ...やっぱり吹雪は自分勝手ですね...」


曙「白雪...」


白雪「今は速度を落として、ゆっくりと向かいましょう」


曙「...分かったわよ」


白雪が輸送艦の艦長に減速するように伝えると、艦隊全体の速度が落ち艦娘の負担は減ったが、その分敵艦からの砲撃の可能性が高まった。

~~艦隊から1㎞地点~~


吹雪「北側は敵艦の姿は無し、ソナーにも反応はないな。なら次は西側か、見てくるか......?」


吹雪が水平線の向こうに居る敵艦隊の1隻に違和感を感じた。



吹雪「敵艦隊...なんだあの姿は...?新型か...?」


吹雪が無線で白雪に連絡を取る。


白雪『はい、こちら白雪です。敵艦隊を見つけましたか?』


吹雪「ああ、1隻見たことのない型がいる」


白雪『...?新型ですか?』


吹雪「分からない...だが...」

~~舞鶴鎮守府 執務室~~


提督「輸送任務は順調か...ただ、全員の疲労が溜まっているな」


長良「司令官、輸送任務完了しました!」


長良が扉を開けて中に入ってくる。


提督「御苦労様、流石に君たちも疲れただろう?」


長良「駆逐艦の子達は疲れ切ってるね。このままだとちょっとまずいかな~」


提督「分かった。第二艦隊には三時間の休憩を与える。早く休むと良い」


長良「ありがとう!駆逐艦の子達に伝えてくるね!!」タッタッタッ!!


提督「少し休憩を与えないとな...第一艦隊も帰ってきたら休ませよう」


プルルルルルルっ!!


突然に机に設置されている電話が鳴り響く。


提督「はい、こちら舞鶴鎮守府です」


大湊提督『良かった。繋がった』


提督「おや、大湊の提督が何用で?」


大湊提督『だからそんな丁寧口調じゃなくて良いのに...まぁいいや、今こっちに向かってる輸送艦隊、今すぐ退却させて』


提督「?何故?」


大湊提督『さっき深海棲艦の艦隊がレーダー網を抜けて輸送艦目掛けて向かってる。こっちから艦隊を出したいけど主力艦はほとんど出払ってて対処のしようがない』


提督「了解」


大湊提督『それと、絶対に敵艦隊と戦闘させないで』


提督「?」


大湊提督『こんなこと言いたくないけど...軽巡や駆逐艦じゃ夜戦じゃない限り勝ち目は無いわ』

~~輸送艦隊~~


白雪「分かりました。吹雪は今すぐ戻ってきてください」


吹雪『いや、少し様子を見てから戻る』


白雪「そうですか、出来るだけ早く帰ってきてくださいね」


吹雪『分かった』


白雪「はぁ...」


曙「なんて?」


白雪「少し様子を見てから戻ってくるそうです」


曙「そう、なら良かったわ」


提督『白雪、聞こえるか?』


白雪「今度は司令官ですか?いったい何の用ですか?」


提督『さっき大湊からそっちに敵艦隊が向かってると連絡があった。どうやら新型の深海棲艦が居るらしい』


白雪「新型ですか...?」


提督『どうした?』


白雪「さっき吹雪から新型の深海棲艦を含む敵艦隊を見つけたと...」


提督『なんだって!?』

ここまで、また夜ですね

白雪「?どうしました?」


提督『今すぐ吹雪に退却命令を伝えてくれ!』


白雪「わ、分かりました」


白雪が吹雪に無線を飛ばす。


白雪「吹雪、聞こえますか?」


吹雪『……ぃ…』


微かに無線から吹雪の声が聞こえてくる。がノイズの酷さにほとんど聞き取れなかった。


白雪「(無線の調子が悪いんでしょうか…?)」


白雪「吹雪、聞こえますか。出来るだけ大きな声で話してください」


吹雪『……げ……くに…ろ…!』


白雪「何が言いたいんでしょうか?暁さん!」


暁「な、何かしら?」


白雪「少しの間、艦隊のことを頼みます。輸送艦を舞鶴まで退却させてください」


暁「貴方はどうするの?」


白雪「吹雪の様子を見てきます」

~~5分前~~


吹雪「やっぱり新型の深海棲艦か?」


背中からは主砲のようなものが見え、大きな口を開けこちらを見つめていた。


吹雪「さしずめ戦艦と言ったところか。戦艦1隻と駆逐艦の取り巻き共程度なら何とか...」


??「...♪」ニヤァ


吹雪「...!?」ゾクッ


吹雪「(何だ今の寒気は...?)」


そして砲撃してくるのかと思うと今度は航空機が大量に飛んでくる。


吹雪「空母...!?でも、それならあの主砲は...!」


航空機隊の突撃と同時に取り巻きの駆逐艦も突っ込んでくる。


吹雪「くそったれ!!」


突っ込んでくる駆逐艦は全て黄色のオーラに包まれており、いつもの敵艦とは速度が違った。

吹雪「くっ...!」


次々と吹雪の周りに着弾していく。直撃こそはしなかったものの、大きな水柱が立ち大きな波でバランスを崩す。


3隻の敵駆逐艦が輸送艦隊へと向かおうとする。必死に食い止めようとするが、上空からの敵機とこちらを狙っている新型と2隻の取り巻きがそれの邪魔をする。


白雪『吹雪、聞こえますか?』


吹雪「(何でこんなときに白雪から無線が...!)」


吹雪「早く逃げろ!!」


白雪『吹雪、聞こえますか。出来るだけ大きな声で話してください』


吹雪「(くそっ!何でうまく伝わらないんだよ!)」


吹雪「逃げろ!早く逃げろって言ってんだよ!!」


ブチッ


白雪からの無線が切れる。


吹雪「くそっ!」


耳から無線を外すと、どこかへ投げ捨てる。

お風呂に入るのでここまで、晩御飯食べて時間あれば更新します

復活!!考査終わりました。再開します

飛んでくる砲弾を必死に避ける。反撃しようにも航空機隊の処理もせねばならず、右手にある連装砲は熱気を放ち続け今にも壊れそうになっていた。


吹雪「持ってくれよ...!」


海からは砲弾が、空からは爆弾が途切れることなく降り続く。立ち上る水柱は森のように迷路を作り上げていた。


やっても死ぬ、やらなくても死ぬ。そんな理不尽な選択を迫られ、タイムリミットも迫っていた。


吹雪「燃料残り少し...どうする私...!考えろ...!」


考えるのを遮るように砲弾が飛んでくる。1発が吹雪の背中の艤装に直撃しそのまま爆発に巻き込まれ、10メートルほど吹き飛ばされる。


吹雪「つぅ...うっ...!」


頭からは血が滴り、目の前の海水を紅く染めていく。

意識が朦朧とする。視界が揺らぎ体が重い。


白雪「吹雪!!」


白雪が吹雪を助けるため敵艦隊へと砲撃を開始する。


吹雪「バカか...!」


勇ましく向かっていき、やがて敵の狙いは白雪へと切り替わっていった。


白雪「特型駆逐艦二番艦、白雪!参ります!」


砲弾の雨をものともせず、白雪の出せる最も速い速度で吹雪に近づく。


吹雪「何で逃げない...!」


白雪「吹雪を置いてはいけません!」


吹雪「輸送艦はどうした...!」


白雪「暁さん達に任せています!早く逃げますよ!」

お風呂タイム、少し中断します。

再開します

白雪が吹雪をワイヤーで繋いで曳航していく。


吹雪「げほっ...くそっ...」


お腹に刺さった連装砲の破片が内臓まで届いているのがわかる。血が止まることなく流れ、制服の白い部分が少なくなっていく。


吹雪「置いていけ...!」


白雪「!?何バカなことを言ってるんですか!!」


吹雪「このままじゃお互い沈むぞ!それでも良いのか!!」


白雪「!」ビクッ


吹雪「お前は特型駆逐艦二番艦だろ...?だったら一番艦の代わりに生き延びろ...」


白雪「ですが...」


敵機が二人を沈めようと大きな爆弾を放し、そのまま離脱していく。

白雪「しまっ...!」


思わず目を瞑る。大きな衝撃が白雪を襲う。だが、想像していた痛みは来ずその代わりに生暖かい液体が白雪の顔にかかる。


白雪「......?」


白雪がおそるおそる目を開ける。


吹雪「いっ...た...」


吹雪が海面に倒れる。


白雪「ふぶ...き...?」


目の前の光景に愕然とする。


吹雪「生き...ろ......」


白雪「あぁ......あ...」


白雪の口から声が出てこない。ゆっくりと吹雪の体が沈み始める。

白雪「だ、ダメ!!」


必死に沈み行く吹雪の腕をつかんで沈まないようにする。


白雪「ヤダヤダ!沈まないで! 吹雪が沈んだら私は...!私はどうすればいいの!?」


白雪は吹雪の腕を掴み続けるが、だんだんと鉛のように重くなり自分も引きずり込まれそうになる。


白雪「イヤだ...!お願い...沈まないで...!」


涙声になり、やがて...


白雪「ぁ...」


白雪の手から吹雪がこぼれ落ちる。

白雪「ぁ...あぁ......」


白雪の頭の中が真っ白になる。今まで心を支えてくれていた吹雪が消えた。この事実を受け止めるのに時間はかからなかった。


未だ敵からの砲撃止まず、あまりにも心配した暁が迎えに来た。


暁「もうダメ、輸送船も皆やられたわ!私達も逃げないと...!」


白雪「......して...」


暁「ほら!」


白雪「殺して...」


暁「え?」


白雪「お願いします...殺して下さい...」


暁「何言ってるの!ほら!」


暁が白雪の肩を担ぎ、無理矢理にでも連れて帰る。

ここまで、また夜にでも

再開、鼻炎キツイッス...

暁「電!聞こえてる!?白雪を曳航するのを手伝いに来て!!」


電『無理なのです!こっちも敵機の処理で手一杯なのです!』


白雪「殺して......殺して......」


暁「もう!ほら、白雪も動けるでしょ!?敵に砲撃してよ!」


白雪「......」


暁「吹雪なら生きてるわ!絶対に!」


白雪「そんなわけない...私の前で沈んだから...」


暁「沈んだからって死んだ訳じゃない!どこかの海岸にでも漂流してるわよ!!」

敷波「こっちこっち!!」


敷波も迎えに来る。左肩を担ぎ一緒に曳航する。少しだけだが、速度が上がり急いで海域を離脱していく。


暁「もうしつこいわね!あなた達に付き合ってる暇はないのよ!分かったらさっさと帰りなさい!」


暁は1度反転し、酸素魚雷を放てるだけ放つ。当たることは期待していなかったが、少しでも敵艦の速度が落ちればと願っていた。


電『暁ちゃん!今大湊から援軍が向かっているらしいのです!何とかそれまで耐えきるのです!』


暁「助かるわ!敷波、先に行って!」


敷波「はぁ!?」


暁「私は特Ⅲ型駆逐艦の一番艦よ?特Ⅱ型の姉を生かすのが普通でしょ?」


敷波「...っ!絶対に死なないでよ!!」


暁「ええ!」

今日はここまで、体調不良でダウンです。

再開、かなり遅れましたね。何とか今日の更新で取り戻していきたいところです

敷波は白雪を曳航し、ゆっくりとだが暁から離れていく。遠くでも見えるほど水柱や炎が見える。


敷波「つっ...!」


敷波の足から血が滴る。ふくらはぎに爆弾の破片が突き刺さり、それが3ヶ所程あった。


敷波「もぅ...!暁に曳航してもらえば良かった...!」


波によって体が揺れる度に足からの出血が酷くなる。それが道標の様に敷波の元へと続いていた。


敷波「電...どこ...!!」


電『敷波ちゃん!そのまま進んでほしいのです!電達も今から迎えにいくのです!』


敷波「電、足がヤバい...」


電『弱音を吐かないのです!』


敷波「あはは...」

その頃、電と曙は敵機のほとんどを処理し終え、辺りには残骸から火が上る。


曙「はぁ...はぁ...!」


輸送船は10隻全て沈められ、乗っていた乗組員達はほとんどが死んで1部が残骸にしがみつき何とか生き延びていた。


曙「くそっ...!」


電「曙ちゃん、今から敷波ちゃんと白雪ちゃんを迎えにいくのです」


曙「待って、吹雪と暁はどうしたの?」


電「暁ちゃんは二人の殿として敵も戦っているのです。吹雪ちゃんは...」


曙「...まさか...!」


曙はすぐに速度を上げて吹雪の所に行こうとする。


電「ま、待つのです!」


静止が間に合わず、後からついていく形で曙と共に向かう。

敷波「もう...ダメ...」


敷波が海面に倒れる。元々体が弱かった敷波は、疲労も溜まっていた事もあり、既に全身が限界に近かった。


白雪「......」


敷波「こんなことなら...艦娘なんてならなきゃ良かった...」


曙「敷波!!」


ちょうど曙達が敷波の元に辿り着く。


敷波「もう...おっそいよ...」


曙「白雪、あいつは!?」


白雪「......」


曙「答えなさいよ!!」


白雪「沈んじゃった...」


曙「...は...?」


白雪「......」


曙「......!」ギリッ


曙が白雪の頬を殴り付ける。すぐに後から来た電に止められるが、止められなかったらいつまででも殴っていたことだろう。

朝はここまでです

再開

電「曙ちゃん、暴力はダメなのです!」


曙「放して!このバカは約束を忘れてここに居るのよ!」


白雪「......」


白雪は何も答えない。その事が更に曙を怒らせていった。


曙「このっ!」


白雪「私は...」


寸での所で曙の拳が止まる。


白雪「私は...もう要らない艦娘です...」


曙「...だったら死ねばいいじゃない」


白雪「...」


曙「あんたみたいなクズは消えてしまえばいいのよ」


電「曙ちゃん!」


曙「ふん...」


曙は白雪の元を離れて暁の元へ向かう。

白雪「お願いします...私を沈めてください...」


白雪が電にすがり付く。目は虚ろになり、もう生気というものが感じられなかった。


電「...貴方はここで沈んだらダメなのです。司令官さんに吹雪さんの最期をちゃんと伝えてから解体するなり自沈するなり勝手にしたら良いのです。だから、それまで絶対に沈むことは許さないのです」


白雪「...」


電「さてと...暁ちゃんの救援は曙ちゃんに任せるのです。敷波ちゃん、白雪ちゃん、行きますよ」


敷波「ごめん...すっごく疲れた...」


電「足に破片が...」


破片が刺さった所からは血がまだ滴る。はいている靴下はほとんどが真っ赤になっていった。

曙「ほら、暁!助けに来たわよ!!」


暁「良いタイミングね!そろそろ大湊からの応援が来るわ!それまで耐えるわよ!」


曙「ふん、こんな奴ら私が沈めてやるわよ!」


対空砲が空を覆い尽くさんとやって来る敵機を一機一機的確に落としていく。


暁「何でこんなに敵機がいるのかしら...空母は1隻しかいないはず...」


曙「考える暇があるなら撃ち落としなさい!その頭が爆発で吹き飛ぶことになるわよ!」


暁「そうね。考えるのは後にするわ!」


ゆっくりと後退を始める。何とか応援に駆けつける艦隊が奇襲出来るようにこちらに注目を集めようとする。

ここまで、夜にでも更新できたら良いですね。

再開、夜ですね(白目)
本当に申し訳ありません。

電「ふぅ...司令官さんに報告しないと...」


電が鎮守府に無線を飛ばし、提督が応じる。


提督『私だ』


電「良かった...ちゃんと通じたのです...」


提督『今第二艦隊に出撃させた。そろそろ大湊からの応援も来るだろう。そちらの状況はどうだ?』


電「...輸送船は全て沈められ、電達の被害も甚大なのです」


提督『詳細を頼む』


電「駆逐艦白雪、小破。駆逐艦曙、小破。駆逐艦暁、小破。駆逐艦敷波、中破、駆逐艦吹雪...轟沈」


しばらくの沈黙が現れる。二人とも言葉を発さず、なにかが壁を殴るような音が聞こえると、提督が話始める。

提督『分かった。全艦に退却命令を伝えてくれ。これ以上被害を増やすわけにもいかない』


電「司令官さん...さっき聞こえた音は...」


提督『気にするな、それよりも頼んだぞ』


電「分かったのです!」


無線が切れる。


電「敷波ちゃん、動けますか?」


敷波「ごめん電...体が動かない...」


電「困ったのです...電一人では曳航は難しいのです...」

ここまで、できるだけ早めに更新するようにします。

すみません、更新遅れました。再開します

長良「電ちゃん達ー!!」


電「長良さん!それに他の方達も!」


長良率いる水雷戦隊が海域へようやくたどり着いた。


長良「良かった良かった。睦月ちゃんと如月ちゃんは敷波ちゃんと白雪ちゃんの曳航、あとの3人は私と一緒に曙ちゃんと暁ちゃんの援護に向かうからね。


電「私も行くのです!」


長良「ダメダメ、睦月ちゃん達と一緒に先に帰還してて、ね?」


電「...はい...」


電にとって暁の救出は何よりも優先すべきことの1つであるのだが、既に疲労によって足が震え力も入らなかったため、周りに迷惑をかけるだろうと思い長良の指示に従うしかなかった。

曙「はぁ...!はぁ...!」


曙と暁の限界を迎えていた。対空機銃の残弾は少なく、燃料もかなり減っていた。体の疲労も溜まり今にも海に倒れ込みそうになる。


暁「いつ来るのかしら!?流石にもう持たないわよ!」


『こちら大湊第一艦隊旗艦、一航戦の赤城です』


暁「やったわ!援軍よ!!」


赤城『そこの駆逐艦達、すぐに退却を始めなさい。あとは私たちが引き受けます』


遠くから零戦と艦爆、艦攻が編隊を組んでやって来る。


曙「退却よ!暁!」


暁「そうね。そうしましょうか」

その頃、舞鶴鎮守府では慌ただしく役員達が動いていた。


提督「入渠ドックを開けろ!三番四番も全部開けるんだ!資源を出し惜しむな!」


入渠ドックの建物が大きいサイレンが鳴り、普段は閉鎖している三番四番ドックを開けられる。


提督「建物には医者も呼んでおけ!毛布も用意するんだ!」


事務官「提督殿、三番四番を開けると資源の消費がとても激しくなりますが...」


提督「構わん、あの子達が死ぬのと資源の消費なんて天秤にかけるまでもない。すぐに三番四番を開けて迎え入れる準備をしてくれ」

ここまで、

再開

普段は三番四番の入渠ドックは閉鎖している。理由としては、入渠させるための資材が倍近くまで膨れ上がることだろうか。


提督「...っ!彼女達が帰ってきたぞ!」


睦月と如月が敷波と白雪を曳航しており、電がふらふらな体を自力で動かしている。


如月『司令官、ドックの用意はできているかしら?』


提督「もちろんだ。他の子達はどうした?」


如月『今、長良さん達が助けに行ってるわ。すぐに戻って来ると思うわよ』


提督「分かった。そのままこちらの港に向かってきてくれ」


如月『ええ』


如月が無線を切る。

やがて陸に上がってくる5人は睦月と如月除いてクタクタになっていた。


電「ごめんなさい...任務...遂行出来なかったのです...」


提督「今は体を休めろ。それが今のお前達の任務だ」


電「司令官さん...ありが...と...う...」


提督「おっと」


安心したのか、いきなり倒れそうになるのを提督が止める。


提督「睦月と如月、すまないが二人の艤装を外して毛布のところで休ませてあげてくれ」


睦月「はい!」


如月「分かったわ♪」

提督が電をお姫さま抱っこをして運ぶ。艤装が少々重く感じたが、何の苦労もしかなかった。


電「ごめんなさい...司令官...」


提督「俺こそすまない。君たちを危険な目にあわし、俺はこんなところで命令することしかできない」


電「艦娘は深海棲艦と戦うためにいるのです...だから...」


提督「喋るな。ゆっくりと眠りなさい」


電「あは...は...」


電の意識は深い闇の中に堕ちていった。


提督「すまない...」


ゆっくりと毛布の上で座らせ艤装を取り外し、ゆっくりと横にさせる。


提督「さてと、後は第2艦隊と曙と暁か...」

ここまで。

再開します。

提督はゆっくりと電を横にさせると、次は未だに俯いたままの白雪に近づく。


提督「白雪」


白雪「...」


提督「怒らないから言ってほしい。吹雪の最期がどうだったか...」


白雪「......た...」


提督「?」


白雪「私を...守ってくれました...」


提督「...そうか」


白雪「ごめん...なさい...」ガタガタ


毛布を握っている手が震え始める。


提督「おい、落ち着け」

ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい

提督「白雪!おい!白雪!誰か医者を呼べ!」


事務官「軍医!軍医!!」


事務官が少し離れた所にいる軍医を呼び寄せる。白雪はずっと『ごめんなさい』の言葉を呟きながら手を震わせ、息も荒くなっていく。


提督「落ち着くんだ白雪!お前のせいじゃない!」


軍医「少し失礼します」


軍医は白雪の背中を擦り、袋を口に当てさせる。


軍医「過呼吸状態に陥っています。30分程すれば落ち着くと思いますが...今の精神状況を鑑みるに、もしかすると一時間以上続くかも知れません。今日は提督殿の補助が必要かと...」


担架に白雪を乗せて医務室に運んでいく。


提督「...事務官、白雪のことを頼む...」


事務官「わ、私がですか?提督殿が補助についた方が...」


提督「俺は...この鎮守府の提督だ。私情の為に鎮守府の運営を放っておく訳にはいかないんだ...」


事務官「提督殿...」


提督「...頼んだ」


事務官「分かりました」

ここまでです

再開します

それから一時間すると次に第2艦隊が帰ってくる。長良が暁と曙を曳航し、他の三人が長良を囲う様にして航行している。


長良「司令官!二人を横にしてあげられる場所ある!?」


提督「入渠ドックの前に毛布がある。そこで寝させてあげてくれ」


長良「よし!」


長良は二人を一人で背負って走っていく。3人を援護していた3人も無事ではない。艦爆の放った爆弾の破片が足に刺さったりして出血していた。


提督「お前達も大丈夫か?」


弥生「大丈夫です...でも、ちょっと怪我したから...」


卯月「うぅ~...太ももに何か刺さってるぴょん...」


皐月「僕は怪我はないけど艤装の調子が悪いかなって」

そんなことを言って見せる皐月だが、左手を後ろに隠しちょっとずつ提督が離れていく。


提督「嘘をつくな、左手に怪我をしてるだろう。血が垂れてるぞ」


皐月「あはは...バレちゃった?」


提督「3人も入渠ドックに行ってこい。1週間ぐらいは出撃は無しだ」


弥生「で、でもそれって...」


提督「大湊の艦隊が日本海の制海権を奪取すれば、大湊の潜水艦達が吹雪の捜索を始める。それまでは出撃は無しだ」


卯月「やよぴょ~ん...うーちゃん疲れたぴょん...」


弥生「うん...それじゃあ司令官...休むね...」


提督「ああ、精一杯休んでこい」

提督は執務室に戻ると電話を手に取りダイヤルを回す。


提督「さて、あいつが良しとするか...」


3回目のコールが鳴った後、向こうから声が聞こえてくる。


横須賀提督『もしもし、こちらの横須賀鎮守府』


提督「俺だ」


横須賀提督『おやおや、舞鶴に配属になった者ではないか。久しぶりではないか』


提督「早速で悪いんだがな、そっちに余ってる空母は居ないか?」


横須賀提督『...は?』


提督「良いのか?ダメなのか?」


横須賀提督『ちょ、ちょっと待て。

横須賀提督『ちょ、ちょっと待て。突然どうした?舞鶴は輸送艦を護衛するのが主な任務だろう?なぜ空母が要る?』


提督「輸送海路の途中で敵の空母に襲われた。無理を言っているのは承知している。頼む!」


横須賀提督『...少し待て』


電話を切らずに机に置くと、何やら電話の向こうからガサゴソと何かを探すような音が聞こえる。数分ほどすると再び声が聞こえてくる。


横須賀提督『待たせたな、横須賀に要る艦娘のリストを見たところ、二航戦の蒼龍と五航戦の瑞鶴をそっちに回すことができる』


提督「蒼龍と瑞鶴と言えば、そちらの主力ではないのか?」


横須賀提督『大丈夫だ。雲龍型の空母が居る。それに、瑞鶴はそろそろ姉離れさせないとな』


提督「助かる」


横須賀『今日準備させて明日出発させる。明後日ごろには着くだろう。それじゃあな』


ガチャンと電話が切られる。


提督「ふぅ、吹雪...生きていてくれ...」

ここまで

再開します

PC版で書き込むと名前が変わるんですかね?

~~現在~~


荒雪「とまぁ、こんなところだ。どうだ?」


ウォースパイト「どうって...そんなの...」


荒雪「大抵みんなそんな反応だ。他に何が聞きたい」


ウォースパイト「そうね...」


そんな時だった。


『第一、第二艦隊旗艦吹雪両名は、直ちに随伴艦を連れ機関整備室に集合せよ。装備は既にこちらにあるため、保管室に向かわぬよう注意されたし。繰り返す...』


提督の声が吹雪達を呼ぶために鎮守府内に響き渡る。


荒雪「何だ?緊急の用事か?」


ウォースパイト「私のことは気にしなくていいわ。行って」


荒雪「分かった。じゃあ、またな」


ウォースパイト「ええ」


荒雪が部屋から出ていく。


ウォースパイト「...私はどうしようかしら?勝手に執務室に行くのも失礼ね...」


暇を潰すために支給されたノートパソコンを開ける。


ウォースパイト「...ん?」


メールが来ていないか見ていると、一時間程前に英国海軍上層部から帰還をせよとの命令があった。


ウォースパイト「帰還命令?まだ日本に滞在して一日と少ししか経っていないのに...」


本文を見ると、ウォースパイトの疑問が焦りに変わった。


ウォースパイト「そんな...!急いで戻らないと...!」


すぐさま荷物をまとめると、慌てて部屋を出る。すれ違った艦娘達は怪訝な顔をしてウォースパイトの方を見ていたがそんなこと気にしていられなかった。

これにて、ウォースパイト編は終了とさせていただきます。

再開、名前が変わっていましたが私です。PC版のssvipで投稿していました。

~~大規模作戦発令編~~


提督「よく集まってくれた」


提督は手に書類の束を持ち、顔はとても険しくいつものような優しい顔はしてなかった。


荒雪「んで、何で私達を呼んだ。今は英国からの客人が来てるだろうが」


提督「分かっている。だが、そんなことを言っていられなくなった。横須賀鎮守府から救援要請だ」


提督は12人に書類を手渡していくと説明を始める。


提督「先程、横須賀鎮守府が敵空母機動部隊からの攻撃を受け壊滅状態との連絡が入った」


吹雪「...横須賀鎮守府のレーダー網はどの基地よりも厳重なのでは...?」


提督「恐らく海面すれすれの超々低空で飛行し、爆撃したのだろう。そしてそれは今も続いている。陸路で向かいたいが敵爆撃機に狙われる可能性がある」


荒雪「だから海路から行くんだな」


提督「君たち艦娘は陸では無力だ。それなら海から向かわせる方が安全だからな」


事務官「提督殿、そろそろお時間てす」


事務官が腕時計を提督に見せ、時間が迫っているのを知らせると咳払いをした。


提督「ごほん、それでは一六:三五より舞鶴鎮守府は横須賀鎮守府救援任務及び横須賀鎮守府正面海域奪還を図る。全員戦闘準備!」


提督の号令によって12人が艤装を身につける。


提督「全艦抜錨!あの大いなる水平線に勝利を刻み込め!」


「「「「おぉぉぉー!!!」」」」

このスレはここまでにして、次スレからは横須賀鎮守府救援編としてやっていこうかと、もしかしたらそのまま存在が消えるかもしれませんがね...

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2017年02月13日 (月) 18:42:14   ID: Iy-5YhmI

続編楽しみにしてますね!

2 :  SS好きの774さん   2017年05月11日 (木) 05:23:06   ID: Non3KB-f

まだ終わりにしないで欲しい!!

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