【はいふり】ミケ「スタンドでピンチ!」 (67)

リン「………」ジー

ミケ「ココちゃん。天気図はどうなってる?」

ココ「ええと……しばらく雨は降らなそうです」

リン「(岬さん……寝癖付いてる…)」

リン「(あ……まただ…)」

リン「(なんだろう……最近、気がつくと岬さんの方を気にしてる)」

リン「(ちょっと前までこんなこと……)」

マロン「てぇへんだてぇへんだてぇへんでーい!」

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ましろ「何事だ!」

ミケ「機関部のどこか壊れてた?」

マロン「違ーう!」

ミケ「じゃあ、機関科の誰か体調が……?」

マロン「みんな元気でぃ!」

メイ「だったらなに?」

マロン「もう晴風は赤道越えてるじゃねぇか!」

ミケ「はぁ……」

ましろ「赤道…?」

ココ「ふむふむ…確かに…そうですね」

マロン「赤道sガシッ

マロン「えっ」

クロ「櫓投げ!」

ッダーン!

マロン「うげぇぇぇぇぇ!!」

マロン「なっ、なにすんでぃ!」

クロ「ふんっ!!」

ボゴォ

マロン「おごっ」

マロン「」

ミケ「………」

ましろ「………」

クロ「ふぅ……邪魔したわね」

ミケ「あ、うん……」

クロ「ほら行くわよ。マロン」ズルズル

マロン「」

リン「な…なんだったのかな……」

ココ「さぁ……」

メイ「でもさぁー晴風を補修してる間、暇だよねえ」

タマ「退屈………」

ましろ「仕方ないだろう」

メイ「そうだけどさー。あ、そうだ!気晴らしに一発…….」

ましろ「駄目だ」

メイ「え〜ケチー」

タマ「……ケチ」

ましろ「ケチとかそういう問題じゃない!」

リン「あはは……」

チラッ

ミケ「………」

リン「あ……」

リン「(まただ…また岬さんを見てた)」

リン「(こんなの岬さんにも変に思われちゃう)」

リン「(私、どうしちゃったんだろう……)」







モモ「ははぁ……それは恋っすね」

リン「えぇっ!?」

リン「こ…恋……?」

モモ「そうっす!知床さんは艦長に恋をしてるっすよ!」

リン「で、でも……女の子同士だよ……?」

モモ「いやいや、おかしなことじゃないっすよ」

モモ「閉鎖的な船の中、同性同士で恋愛に発展するというのは大昔からよくあることっす」

リン「そ、そうなんだ……」

リン「ところで、さっきからなに読んでるの?」

モモ「これっすか?」

モモ「これは、『ジョジョの奇妙な冒険』っす!」

リン「じょじょの奇妙な冒険……?」

モモ「知らないっすか?結構有名なんですけど」

リン「う、うん……私、少女漫画しか読まないから」

リン「……面白いの?」

モモ「それはもう!」

モモ「生理的にキモチ悪いシーンもありますけど、せまってくるようなスリルと本当にいるような登場人物がたまらないっす!」

リン「へぇ……そうなんだ」

モモ「それに、今の漫画はみんなジョジョの真似っすよ」

リン「えっ」

モモ「大小はあれど、みんなジョジョの真似をしてるっす」

リン「(それはどうなんだろう……)」

モモ「よかったら知床さんに貸すっすよ!」

リン「そう……?うーん……どうしようかな……」

ペラペラッ

リーマン「東方……仗助……」

サザエさん「出しな……てめ〜の……」

サザエさん「『キラー…………クイーン』……を…」

リン「ひっ……血だらけ!」

リン「こ、こんなの怖くて読めないよ〜!」

モモ「そうっすか?残念っす……」

リン「(怖かった〜……)」

リン「(……でも……なんだか引き込まれる絵……)」

リン「………」

リン「青木さん……や、やっぱり借りてもいい?」

モモ「!!」

モモ「ベネ!もちろんっす!」

リン「べ……べね……?」

ーリンの部屋ー

リン「結局借りてきちゃった……」

リン「やっぱりちょっと怖いけど……何かしてれば岬さんのことを考えずにいられるかも……」

ペラッ

『一九九九年もはや3ヶ月がすぎた。今年はあの有名なノストラダムスの恐怖の大予言の年とかで日本や世界のマスコミは大さわぎだがたいていの人々は晴れ晴れとした気分ではないにしてもいつも生活しているように春をむかえた』

リン「一九九九年……私まだ生まれてないなあ」

『ぼくの名まえはーー(まー…おぼえてもらう必要はないですけど)広瀬康一15さい…ぼくの場合は…受験の合格とこれから通う新しい学校への期待と不安で頭がいっぱいの3ヶ月だった』

リン「ーーーあ…」

リン「私と同じだ……」

コンコン

「リンちゃーん。ご飯だってー」

リン「は、はーい!」

ここまでのキャラ①

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ここまでのキャラ②

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ここまでのキャラ③

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ー食堂ー

ミケ「うんこのカレー美味しい!」

ミケ「ねっ、リンちゃん!」

リン「う、うん……」

ミケ「……?」

ミケ「リンちゃんちょっと元気ない?」

リン「えぇっ!?そ、そんなことは……」

ミケ「何かあったら相談してね。いつでも話聞くから」

リン「うん……ありがとう」

リン「(はぁ……青木さんにあんなこと言われた後だから余計に意識しちゃう)」

リン「(岬さん……やさしいな)」

リン「(やっぱり私…岬さんのことが好き……なのかな)」

モモ「知床さ〜ん」

リン「わっ、青木さん」

モモ「例のアレ、読んだっすか?」

リン「うん。ちょっとだけ……」

モモ「そうっすか〜。感想楽しみにしてるっす」

ミケ「何の話?」

リン「さっき、青木さんから漫画借りたの」

ミケ「へぇ〜。面白い?」

リン「うーん……まだ読み始めたばっかだから……」

ミケ「ふーん。そっかー」

モモ「(おやおや?これはもしや……)」

モモ「良かったら艦長も読むっすか?」

ミケ「いいの?」

モモ「もちろんっす!」

ミケ「じゃあ借りるね。ありがとう」

モモ「はいっす!」

モモ「知床さん。読み終わったら艦長の部屋に届けてあげてほしいっす」

モモ「(これで艦長の部屋で二人きりっす)」

リン「うん……って、えぇっ!?」

ミケ「どうしたの!?」

リン「あ……な、なんでもない……です」

ーリンの部屋ー

リン「………ふぅ。これで半分くらい……」

リン「……まだまだ長いし、とりあえず読んだ分だけ岬さんに渡して来ようかな」

リン「……なんか、ドキドキしてあまり頭に入ってないかも」



コンコン

リン「み、岬さ〜ん」

ガチャッ

ミケ「リンちゃん。漫画持って来てくれたの?」

リン「うん。半分だけだけど」

ミケ「ありがとう!入って入って!」

リン「お、お邪魔します」

ーミケの部屋ー

リン「(岬さんの部屋…)」

リン「(岬さんの匂いがする)」

ミケ「リンちゃん?」

リン「あっ……はい。これ」

ミケ「ありがとー」

ミケ「……なんか思ってたより厳つい絵だね」

リン「あはは……」

ミケ「面白かった?」

リン「え……う、うん。面白かったよ」

リン「ちょっと怖かったけど、出て来るキャラクターに信念があって……」

リン「(集中は出来なかったけど、これは本当に感じたこと、だよね)」

ミケ「そっか。リンちゃんが面白かったなら、私も読んでみるね」ニコッ

リン「………!」ドキッ

リン「………み、さき……さん」

ミケ「?」

リン「(やっぱり、私は……)」

リン「あ……」

リン「(あれって……)」

ミケ「ええと……ああこれ?」

ミケ「確か前にも見せたよね。モカちゃんとの写真」

リン「……うん」

ミケ「モカちゃん。早く助けてあげたいなー」

リン「……うん。そうだね」

リン「(……そうだよ。岬さんには武蔵の艦長さんがいるんだもん)」

リン「(小さな頃から家族同然に育った幼馴染で……それに比べたら私なんて……)」

リン「(私の入るスペースなんて……どこにもないよ……)」

リン「……私、部屋に戻るね」

ミケ「え?」

ガチャッ

ミケ「リ…リンちゃん……?」

バタンッ

ミケ「………リンちゃん…どうしたんだろう…?」

ーリンの部屋ー

リン「…………はぁ」

リン「……漫画でも読んで、気を紛らわそうかな」

パラッ

リン「私…やっぱりダメだなぁ……」

リン「人に憧れて、何にもせずに勝手に失恋して……」

パラッ

『「紙」にされたのがもし!バカだけどよォーおれをいつも元気づけてくれるあの女どもだったらと思うと…あの女どもの誰かだったらと思うと』

『てめーおれだってそうしたぜ!』

リン「…………」

パラッ

『小僧!きさまわたしを威すのかッ!』

『ママにも手を出させないッ!』

リン「…………」

リン「私にもこんな勇気があれば……変わったのかな……」

パラッ

リン「……!」

リン「……こ……これは……ッ!」

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リン「に……似ているッ!!」

ペラッペラッ

リン「ス……スタンド名……『チープ・トリック』……!」

ペラッ

リン「……!」

リン「う……嘘……!」

ド ド ド ド ド ド

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リン「『チープ・トリック』ッ!」

リン「代弁してくれている!」

ここまでのキャラ④

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ー翌日ー

リン「………」

モモ「あっ、知床さんおはようっす」

リン「おはよう。青木さん」

モモ「ジョジョ読んだっすか?」

リン「うん。あと少しで読み終わるよ」ニコッ

モモ「(あれ、何か……)」

リン「ねぇ青木さん」

モモ「…?何すか?」






リン「私、チープ・トリックになるね」

モモ「はー……」

モモ「………」

モモ「………えっ」

リン「………」スタスタ

モモ「ちょっ!知床さん!それは一体どういう……」

モモ「………今の知床さんの目……」

ド ド ド ド ド

モモ「何か……何か……『決意』めいた意思を感じたっす……」

ミケ「はぁ……補修まだまだ掛かりそうだなぁ……」

ミケ「モカちゃん……」グッ

ピタッ

ミケ「ひゃうっ!」

ミケ「な、なに!?」

リン「………」

ミケ「リンちゃん!?」

リン「………」

ミケ「ええと……リンちゃん、どうしたの?」

モモ「ああっ!遅かったっす!!」

モモ「これは正しくチープ・トリック!」

ミケ「モモちゃん!リンちゃんの様子が変なの!」

モモ「振り返っちゃダメっす!」

ミケ「えっ!?」

モモ「背中を見られると死ぬっすよ!」

ミケ「えぇっ!?」

ミケ「ど、どういうこと?」

モモ「チープ・トリック!
破壊力-E
スピード-E
射程距離-E
持続力-A
精密動作性-E
成長性-E」

ミケ「へ?破壊力?スピード?」

モモ「能力は背中にしがみついて囁くこと!」

モモ「一見何の脅威にもならなそうなスタンドですが、剥がそうとするとダメージが宿主に伝わり、背中を見られると血を吹き出して死んでしまうっす!」

ミケ「えぇーっ!?」

ミケ「な、なんでそんな恐ろしい能力が!?」

ミケ「………って、背中にいるのはリンちゃんだし、別に大丈夫だよね?」

リン「えっ」

モモ「あっ」

ミケ「ええと……何かの遊び?そろそろ離れない?」

リン「だ、ダメです!」

ミケ「えー……」

リン「背中見られたら(私が恥ずかしくて)死んじゃうよっ!」

ミケ「うーん……困ったなぁ……」

リン「ご、ごめんなさい……」

ミケ「………」

ミケ「うん。分かった!」

ミケ「しばらくこのままで生活しよう!」

リン「み、岬さん!」

モモ「艦長!」

モモ「そうと決まればみんなには私から話を通しておくっす!」

ミケ「ありがとう。お願いね」

リン「(ありがとう……青木さん……)」

リン「(それしか言う言葉が見つからないよ……)」

モモ「(ふふ……知床さん。あとは頑張るっすよ……)」

モモ「(青木百々はクールに去るっす)」

ミケ「……じゃあ…私達も戻ろうか」

リン「う……うん……」

ミケ「そういえばそろそろご飯の時間だよね」

ミケ「もう私お腹ペコペコ!」

リン「実は私も……」

グ〜……

ミケ「あ……えへへ……」

ミケ「これじゃあお腹が鳴っても隠せないね」

グ〜……

ミケ「あ、リンちゃんのお腹も鳴った!」

リン「は、恥ずかしいよぉ……」

ミケ「恥ずかしくないよ。お揃いだもん!」

リン「岬さん……」

ー食堂ー

ましろ「」

ココ「」

メイ「うわ……」

タマ「ドン…引き……」

「うわ、何あれ……」

「流石にキッツイよねー」

「ドン引きぞなー」

リン「うぅ……やっぱり目立ってるよぉ……」

ミケ「大丈夫だよ。堂々としてよう?」

リン「岬さん……」

モモ「艦長!お待ちしていたっす!」

モモ「ささ、こちらの角の席をどうぞ!」

ミケ「あ、ありがとう……」

リン「ありがとう……青木さん」

「ちょっとモモなにやってんの!?」

モモ「私は二人に敬意を表するっす!」

ミケ「えっと……どうやって座ろうか?」

リン「あっ……ごめんね…考えてなかった……」

ミケ「そっか。うーん……」

ミケ「あ、そうだ!」

リン「み、岬さん……あーん///」

ミケ「あーん。おいしー!」パクッ

ミケ「リンちゃんも食べてみなよ!」

リン「うん」

パクッ

リン「……ほんとだ。すっごく美味しいね」

メイ「あっ……あれは……!」

タマ「二人羽織……!」

ココ「別に二人羽織なんてしなくても艦長は普通に食べられるのに、あえて知床さんに食べさせて貰うなんて…なかなか出来ることじゃありません!」

モモ「流石艦長…!スタンドを完全に使いこなしているっす!」

マロン「おっしゃぁクロちゃん!」

マロン「マロン達も負けてらんねぇぞ!」

クロ「嫌よ。そんな恥ずかしいこと」

クロ「それにやるなら宗谷さんと……」

マロン「やだー!クロちゃんはマロンの女だーい!」

マロン「やろうぜやろうぜやろうぜーー!」

クロ「はぁ……しょうがないわね。一回だけよ」

マロン「おっしゃあ!さっすがクロちゃん!」

マロン「じゃあクロちゃんがマロンに食べさせてくれ!」

マロン「息の合う所見せつけてやろうぜぃ!」

クロ「はいはい……じゃあ行くわよ」




グサッ

マロン「あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”!!」

マロン「目があ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”!!」

クロ「あ……ごめん」

ーミケの部屋ー

ミケ「ご飯美味しかったねー」

リン「うん。ちょっと恥ずかしかったけど……」

ミケ「そうかな?私は結構楽しかったよ」

リン「……わ、私も楽しかったよ」ニコッ

ミケ「そっか、良かったー」

ミケ「リンちゃん。元気になったみたいだね」

リン「え?」

ミケ「ほら、昨日は元気無かったから」

ミケ「元気になってよかった!」

リン「(あ…まただ……)」

リン「(岬さんは私を見てくれる。私に優しくしてくれる)」

ミケ「でも、今朝は本当にビックリしたよー」

リン「(でも、それは私だけに向けられた物じゃなくて、きっと晴風のみんなにも同じ)」

リン「(武蔵の艦長さんとは……違う)」

リン「(だったら言わなきゃ)」

リン「(特別になりたいなら……ちゃんとやらなきゃ)」

リン「(チープ・トリックを……ちゃんとやらなきゃ……)」






リン「………岬さん」

ミケ「………なに?リンちゃん」

リン「お願いがあるの……」

ミケ「何かな?私に出来ることだったらーーーー」

リン「……お願い」






リン「ーーーー写真。焼いて」

ミケ「え……?」

ミケ「写真って……モカちゃんと撮った、この写真のこと……?」

リン「………」コクリ

ミケ「……どうしてそんなこと言うの?大事な写真だって言ったよね……?」

リン「私は……岬さんが写真を焼くまで離れないよ……」

リン「……そういうスタンドだから」

ミケ「……酷いよ」

リン「….写真焼いて……ね。写真……」

ミケ「嫌っ!離れてッ!」

ガシッ

リン「駄目……写真を焼くまで離れない……」

リン「ね?写真焼こ……?」

ミケ「誰か!誰か来て!!」

ドタドタッ ガチャッ

メイ「ど、どうしたの艦長!?」

タマ「泣い……てる……」

ミケ「お願い!リンちゃんを引き離して!」

リン「…………」

メイ「よ、よく分からないけど分かった!」

グイッ

メイ「うそっ!?力強っ!」ギギギ

メイ「タマ!せーので引くよ!」

タマ「ウィ!」

メイタマ「せーのッ!」

グイッ

リン「………ッ!」

メイ「ぐぬぬ……」ギギギ

タマ「…………無理……!」

メイ「だ、駄目だぁ……ビクともしないよ」

メイ「タマ!応援を呼びに行こう!」

タマ「……ウィ!」

ガチャッ バタンッ

ミケ「………どうして?」

リン「………」

ミケ「家族だと思ってたのに……すっごく楽しかったのに……」

リン「………」

ミケ「どうしてこんな事するの……?」

リン「………」

リン「………私がチープ・トリックだからだよ」

ミケ「意味わかんないよ!!」

リン「………岬さん……」















リン「………私はね。本当は写真なんて焼いて欲しくなかったの」

ミケ「……へ?」

リン「言ったよね。写真を焼くまで離れないって」

ミケ「……うん」

リン「最初は武蔵の艦長さんにちょっと嫉妬もしてたけど……そんなのはすぐに消えたの」

リン「武蔵の艦長さんとの思い出が消えたらきっと岬さんは悲しむけど、それは私や晴風の誰かでも同じ」

リン「……岬さんはそういう人なんだって、気づいたから」

ミケ「……リンちゃん。凄いよ…….意味わかんない」

リン「えぇっ!?」

リン「ええと……だから……写真焼いてくれないと離れないって言ったのは、岬さんが写真を絶対に焼かないって知ってたからで……」

ミケ「つまり……ずっと一緒にいたいからってこと……?」

リン「!」

リン「は……はい……」

ミケ「えぇー……ビックリだよリンちゃん……」

ミケ「それなら普通に言ってくれればよかったのに……」

リン「ごめんなさい……恥かしくて……」

リン「そ、それに……岬さんは海の仲間は家族だって言ってくれたけど、その中でも特別になりたかったから……」

ミケ「リンちゃん……」

リン「嫌な思いさせて本当にごめんなさいっ!」

ミケ「………」

ミケ「リンちゃん。私もね……さっき、リンちゃんとずっと一緒にいたいと思った」

リン「え……?」

ミケ「だって、ずっと一緒なんだよ?ご飯も食べさせあって、楽しいことも全部共有できて……」

ミケ「こんなこと、普通の家族じゃ出来ないよ!」

ミケ「私もリンちゃんと特別な家族になりたい!」

リン「岬さん……!」

ミケ「……ねぇリンちゃん。私って、みんなのこと、あだ名で呼んでるでしょ?」

ミケ「でもね、みんなは私のこと艦長艦長って、肩書きでしか呼んでくれないの!」

ミケ「違うのはモカちゃんとリンちゃんだけ……」

ミケ「……でも、家族のこと、苗字で呼ぶのって違うでしょ?」

リン「あ…………」

ミケ「リンちゃん。私のこと、あだ名で呼んでくれる?」

リン「………ミ……ケ…ちゃん…///」

ミケ「えへへ…リンちゃん♪」

ましろ「さっきから何を言ってるのか意味がわからないぞ!」

メイ「だからぁー!艦長が大泣きで助けを求めてきて、リンを引き抜こうとしだけど意外と力持ちで全然抜けなくて、とにかく大変なんだって!」

メイ「ね!タマ!」

タマ「ウィ!ウィ!」コクコク

ましろ「駄目だ……全然分からない」

ましろ「……第一艦長と知床さんはそこにいるじゃないか」

メイ「あれぇ!?」

あれから私と岬さ……ミケちゃんは、前よりずっと仲良くなりました。

ご飯を食べさせあいっこしたり、お風呂で背中を流し合ったり、一緒のベッドで寝たり。
そして、ベッドではたくさんの話をします。
ミケちゃんはモカちゃんとの思い出をたくさん話してくれます。
私も早くモカちゃんに会いたくなっちゃった。
私が話すのは失敗談。今迄たくさんのことから逃げてきたので、話すネタは尽きません。
私にとっては消し去りたい黒歴史だったけど、嫌な思い出もミケちゃんは受け入れてくれます。

自分に嫌気が差すような逃げ逃げ人生だったけど、私、今とっても幸せです。


ありがとう……青木さん


ありがとう……ミケちゃん





ありがとう………









チープ・トリック………

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「スタンドでピンチ!」

おわり

く疲こ完です!
実は百合というジャンルがすこぶる苦手な僕ですが、
はいふり愛でなんとか真面目な百合SSを書き切ることが出来ました!
拙い部分もありますが、はいふり愛で乗り切りましょう!

ちな過去作

【はいふり】リン「岬さんがちっちゃくなっちゃったのぉ!?」
【はいふり】リン「岬さんがちっちゃくなっちゃったのぉ!?」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1465477047/)

また何か思いつけば書くつもりです!
今ならほっちゃんに告った男への怒りでエネルギーは充分!

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