モバP「えっちえりん」 (25)


朝の事務所


智絵里「おはようございます」ガチャ

美穂「あ。おはよう、智絵里ちゃん」

卯月「おはようございます!」

智絵里「美穂ちゃん、卯月ちゃん。おはよう……ふう」

卯月「なんだかお疲れですね」

智絵里「今朝、すっごく暑くて。ここに来るまでで、なんだか体力使っちゃったような」

美穂「うん、本当に暑いよね。そろそろ夏かなあ」

卯月「暑さに耐えた智絵里ちゃんへのごほうびということで、冷たいお茶を持ってきましたっ」

智絵里「ありがとう……はあぁ、おいしい……♪」

美穂「じゃあわたしはうちわであおってあげようかな」パタパタ

智絵里「はあああ……♡」





P「えっちだ……」

まゆ「いきなりどうしたんですかぁ?」

P「えっちえりんだ……」

まゆ「……大丈夫?」


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P「見ろ、あの少女を。チエリ・オガタを」

P「なんだ今の『はあああ……♡』って喘ぎ声は! めちゃくちゃえっちじゃないか」

P「しかもノー靴下にノースリーブ! 何を考えているんだまったく!」

まゆ「まゆはPさんが何を考えているのかがわかりません」

P「あの子は性格おとなしめだけど案外肌は出してくる子なんだよ。特に夏になると露出が多くてな……」

まゆ「まゆも今すぐ袖引きちぎりましょうか?」

P「肩口ギザギザになるぞ」

まゆ「ワイルドでしょぉ? ギザまゆですよぉ」

P「ギザ十くらい評価に困りそうなまゆだな」

P「でも袖を破るのはダメだ。その服、お気に入りなんだろう?」

まゆ「そうですね……確かに、破るのはちょっと気が引けます」

まゆ「というわけで、脱いでいいですか」

P「誰かさんの十八番を奪う唐突さだ」

智絵里「二人のおかげで、だいぶ涼しくなったな……ふう」ストン

美穂「ぱたぱたぱた~」

智絵里「美穂ちゃん。もう扇がなくても大丈夫だよ?」

美穂「いえいえ。智絵里姫に満足していただくまでは」

卯月「ではでは、わたくしめも智絵里姫のためにぱたぱた~っと」

智絵里「も、もうっ……恥ずかしいよぅ」

美穂「顔が赤くなってきたから、またうちわで冷まさないとね」

卯月「ぱたぱた~♪」

智絵里「うう……もう」ニコニコ





P「安らぎまくってるおかげで、スカートがめくれかけていることに気づいていないぞ」

まゆ「本当ですね」

P「えっちえりんだ……」

まゆ「えっちえりんですねぇ」

まゆ「でも、Pさんもスケベですねぇ」

P「でもそんな俺が?」

まゆ「す・き♪」

P「はははこやつめ」

まゆ「うふふ」



凛「なにあのふたり」

P「おう、凛じゃないか。おはよう」

まゆ「凛ちゃんもこっちに来てえっちえりんしましょう」

凛「えっちえ……え、なに?」

智絵里「あ、そうだ。卯月ちゃん、美穂ちゃん……はい、これ」

美穂「うん? あ、これって」

智絵里「四つ葉のクローバーで作ったしおり。二人分できたから、どうぞ?」

智絵里「結構、上手にできたと思うから」

卯月「え……いいの?」

智絵里「いつもお世話になってるお礼……ううん」

智絵里「友達だから、プレゼント」

卯月「智絵里ちゃん……ありがとう」

美穂「大切に使わせてもらうねっ」

智絵里「うん……きっと、幸せを運んでくれると思うから」ニコッ





P「えっちえりんだ」

まゆ「えっちえりんですね」

凛「えっちえりんだね」

未央「いやおかしくない?」

P「おはよう、未央」

まゆ「えっちえりん、やります?」

凛「する?」

未央「そもそもするってなんなの? えっちえりんって行動の名前なの?」

P「しいて言うなら……うーん」

凛「概念?」

P「そうそう、それそれ!」

まゆ「概念ですよぉ」

P「さっきの『結構、上手にできたと思うから』のところで一瞬ドヤ顔になったのがえっちだ……」

まゆ「えっちえりん」

凛「えっちえりん」ウンウン

未央「なんなのこれ、なんなのなの」

P「ツインテールがえっちえりん」

まゆ「ツインテール」

P「手首がえっちえりん」

凛「手首」

P「ふとももがえっちえりん」

まゆ「ふともも」

P「腋がえっちえりん」

智香「腋」

P「笑顔がえっちえりん」

卯月「笑顔」

P「アホ毛がえっちえりん」

美穂「アホ毛」

未央「アホ毛ないけど!?」

P「未央も」

凛「どう?」

未央「い、いやだ……怖いよぉ」

智絵里「や、やっぱりこうなってた……!」アタフタ

智絵里「急に卯月ちゃんと美穂ちゃんの様子がおかしくなったから、そうじゃないかって」

未央「ちえりん!? ねえ、さっきからみんなおかしいの! これっていったい」

智絵里「ご、ごめんなさい! わたしのせいなの」

未央「え?」

智絵里「最近、ずっと天界に戻らずに人間界にいたから、身体の中のエンジェルエナジーを解放するタイミングがなくて……それで勝手に漏れちゃって」

未央「え、え?」

智絵里「エンジェルエナジーは聖気が強すぎるので生身の人間が浴びると悪影響が生じて、だからみんなわたしのことをおかしな目で見るように」

未央「ちょ、ちょっと待って」

智絵里「ちょ待てよ?」

未央「キムタクの真似してるわけじゃないから。本気でちえりんが何言ってるのかわからないだけだから」

未央「一個ずつ聞かせて。天界ってなに」

智絵里「お空の上にある天使たちの世界だよ」

未央「エンジェルエナジーってなに」

智絵里「天使の体内で構成され続ける聖気。あまり溜めすぎると危険なので、定期的に吐き出す必要があるんだ」

未央「その聖気ってやつにあてられて、みんなおかしくなったってこと?」

智絵里「うん。よかった、理解してもらえて」

未央「いやなにひとつ理解できてないから。なにこの状況」

智絵里「えっと、キムタクさんはアイドルで――」

未央「キムタクのことは理解してるよ!」

未央「うん、わかった。とりあえず理解はあきらめて飲み込むだけする」

未央「今大事なのは、どうすればアレがもとに戻るかだし」


P「えっちえりん!」

まゆ「えっちえりん!」

凛「えっちえりん!」



智絵里「ええと。とりあえず、解決方法はあります」

未央「あるの? なに」

智絵里「とりあえず、わたしの中の溜まっている聖気を使って、みんなが吸い込んじゃった聖気を消しちゃえばいいから」

未央「いいから?」

智絵里「太鼓を叩けば解決するかな」

未央「わかった。もう考えるのはやめた。太鼓、叩こう」

智絵里「うん!」

未央「でも、この部屋に太鼓ないよ?」

智絵里「お祭りで使うような大きなやつじゃないと……でも、今日はたまたま持ってきてなくて」

未央「逆に言うといつもは持ってきてるんだ」

智絵里「どうしよう。あの太鼓がないと……なにか代わりになるようなものがあれば」

未央「太鼓の代わりになるようなものなんて……」

ヴー、ヴー

未央「あ、携帯の通知が……」

未央「デレステのスタミナが全回復? 今はそれどころじゃ」

智絵里「デレステ!?」

未央「うわっ! なに!」

智絵里「デレステってまさか、あの!」

智絵里「かわいいアイドル達が100人以上登場して、みんなを自由な配置で踊らせることができて、しかもアイドルひとりひとりにストーリーが用意されていて、しかもしかもそれらすべてが基本無料で楽しめるすごい音ゲーのこと!?」

未央「う、うん」

智絵里「そうだ……デレステのパワーなら、わたしの太鼓のかわりになれるかも」

未央「デレステすごい」

未央「ていうか、ちえりんのスマホにはデレステ入ってないの?」

智絵里「天界のルールで、射幸心を煽るゲームはプレイに特別な申請が必要で」

未央「天界厳しい」

未央「じゃあ、私のスマホ貸すからデレステやろうよ。そうしたらみんな元通りなんでしょ?」

智絵里「う、うん。頑張っていっぱい叩くから……見ていて、ね?」

未央「うん。ちゃんと見てるからバチを懐から取り出すのはやめて。私のスマホが壊れるから」

智絵里「あ……そっか。指で叩くんだよね。うまくできるかな」

智絵里「もし上手にできなかったら、みんなはわたしのせいで……」

未央「……ちえりん」

未央「……とりあえず、チャレンジ!」

智絵里「未央ちゃん……」

未央「私たち、いつだってそうだったじゃん! 不安なことはたくさんあったけど、それでもみんなと一緒に頑張ってここまで来た!」

未央「だから今回だって、絶対うまくいく! みんなを元に戻せるよ!」

智絵里「………」

智絵里「ありがとう、未央ちゃん」

智絵里「智絵里、いきますっ!」


シャンシャンシャンシャンシャンシャンシャンシャンシャンシャン


未央(あ、これ余裕でいける)

翌日


卯月「おはようございます!」

凛「おはよう、卯月」

美穂「おはよう」

卯月「凛ちゃん、美穂ちゃん、おはようございます! 今日もがんばりましょう!」

凛「そうだね」

美穂「昨日のこと、なぜかよく覚えていないんだけど……今日は、ちゃんとがんばろうね!」





未央「……うん!」

未央「よかったよかった、みんなもとに戻って」

未央(改めて、当たり前の日常の大切さを思い知らされたよ……)

未央「ちえりんもこれからはエンジェルエナジーを溜めすぎないように気をつけるって言ってたし、終わりよければすべて」

凛「……ねえ、未央」

未央「あ、しぶりん。どしたの?」

凛「いや、どうかしたのはそっちのほうじゃない?」

未央「え?」

凛「なんか……生えてるんだけど。背中から、白い羽」

未央「………」チラリ

未央「え」

未央「………え?」



智絵里「あ、やっぱり……」

智絵里「昨日、どうして未央ちゃんだけ平気だったのかなって考えたら……聖気に適性がありすぎるからじゃないかって」

智絵里「だから、体内のエンジェルエナジーを取り去りきれなくて……半分天使になっちゃった?」

未央「」

智絵里「だ、大丈夫。半天使なら、羽をしまうやり方さえ覚えれば、人間とまったく変わらない生活を送れるから……うん」

未央「………」



未央「ちょ、待てよ!」



おわれ

ちょっと遅れてしまいましたが、緒方智絵里ちゃん誕生日おめでとうございます


つながっているようでつながっていない過去作

島村卯月「頑張ります禁止令?」モバP「そうだ」
棟方愛海「今日もみんなのお山に登ろーっと♪」
渋谷凛「お○んぽ」 新田美波「」

つながっていない過去作
モバP「やんでれちえりん」

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