【ジョジョの奇妙な冒険】JOJO「続・安価で出来たスタンド使いを倒す」【安価】 (53)

これは『ジョジョの奇妙な冒険』の二次創作SSです。
ジョジョの奇妙な冒険の主人公が、安価でつくった敵を倒す一話完結バトル。
タイトルまんまのSSです。


 簡単に言えば、お題をもらって>>1がSSを書く形式のSSです。

 以下。簡単な流れの説明。


① 敵キャラの名前。
② スタンド能力。
③ スタンド名。
④ 性格。

 を、安価で決める。




 敵キャラが決まった後は。

ジョジョの奇妙な冒険第3部~第7部のキャラを指定して。
誰が戦うかを安価で決めます。


 その後。完了次第あげます。


 以下繰り返す。

 こんな感じです。


 ごめんなさい。

前スレ
同名
【ジョジョの奇妙な冒険】JOJO「続・安価で出来たスタンド使いを倒す」【安価】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1428331647/)


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1465392361

 以前、エタらせてしまったスレの続きです。

前スレの最後の安価で書きたいと思います。
1年振りですね・・・。


JOJOキャラ : ジョセフ・ジョースター(第3部)

対戦相手

名前:シャール・ウィンチェスター
性別:女性

スタンド名:サヨナラ=ヘブン

能力: 今日の曜日に関する能力になる

月=幻
火=火
水=水
木=木
金=金
土=土
日=全能力


性格:アイドル気質
   光を好む
   気が変わりやすい

「序」


 ジョセフ・ジョースター。
彼は、ニューヨークでは知る人ぞ知る人間である。
いわゆる、富裕層の一人、成功者として語られるべき男。

 義手を軋ませ、過去の旅の疲れを癒しながら、その男は今日も町へ歩を進める。


 これは、ニューヨークの不動産王であり、死線を超え続ける波乱万丈な男。
ジョセフ・ジョースターが体験した。



 奇妙な1週間の物語である。

ジョセフ「子守ィイイイ!? ワシが子供をじゃとォオオオッ!?」


 月曜日の朝、ジョセフは目を見開いて叫ぶことから始まった。
寝起きに歯を磨いているとき、横で化粧をする妻のスージーQから思いがけないことを言われたからだ。


スージーQ「そうよー。先月言っておいたはずよ?
      私、社長夫人達の1週間の世界弾丸旅行に行くって」
   

ジョセフ「そのワケのわからん旅行の件は聞いとるわいッ!
     ワシのスケジュール帳にも書いてあるしのオ。
     でも、子守を任されるなんて聞いちゃおらんぞッ!」


スージーQ「アッレエェ?言ってなかったかしらア~ン?」


 スージーQが、とぼけた顔で、天井を見上げ、人差し指を顎に添える。
その仕草が、さらにジョセフの苛立ちを加速させる。


ジョセフ「言っとらんわッ!それと、齢を考えろその仕草ぁ!」


スージーQ「まあまあいいじゃないのよ。 娘も救って孫も救って。
      子供を1週間世話するぐらい、ワケないでしょう?」


 そう、ジョセフは先週まで、海外を渡り歩いていた。
そのワケも、自分の娘が、自らの一族の因縁に巻き込まれたが故。
その決着をつけるべく、自分の孫や仲間たちと、過酷な1か月余りを過ごしてきたのだ。


ジョセフ「それとこれは、まったく別じゃろーがッ!」


 しかし、その過酷な旅と比べるには。
目の前の妻が依頼する内容は、逆に浮世離れするほどだった。


スージーQ「はいはい。なんと言おうと、決定してるんだから。今更覆すことはムーリー!
      それじゃ、この時間のバスに乗ってくるハズだからね!ヨロシク!」


 化粧を先に終えたスージーQは、メモ帳にさっと時間と場所を書いた紙をジョセフに渡して。玄関へと足早に、逃げるように向かった。


ジョセフ「おい!スージーッ!
     お前、帰ったら覚えておくんじゃなッ!」


スージーQ「はーい、覚えておくわよー。
      なんだかんだ言ってやってくれるあなたを、私は愛してるわよン」


 にこりと笑うスージーQに、ジョセフは顔を一変させ、ため息をつきながら広角を緩める。
結局のところ、ジョセフ・ジョースターという男は。スージーQに言わせれば。

チョロい男なのである。




ジョセフ「調子のいいこと言いおってからに……」


スージーQ「うふふ」


―同日・バスターミナル―


ジョセフ「ったく……。まあ適当に飯を食わせてテレビ見せておけばええじゃろ。
     確か……おッ? ちょうどあのバスかの?」


 正直、ジョセフはこの1週間は羽を伸ばせると思っていた。
一週間もの間、妻はどうあがいても帰っては来ない。それ故、なにをしようとバレることはない。

 アレをするか、コレをするかと。3日前くらいからジョセフの脳内は遠足前日の小学生並みだった。


 しかしながら、現実は、子供のお守りなんていう足かせを手渡されてしまう。
ジョセフは、自分がしようとしていることが既に妻にはバレていたんじゃあないかと思うほどだ。


 ブロロロロロ プシュー


ジョセフ「えっと……。お、あの子か」


 珍しく時間ぴったりに到着したバスから、数人の大人に混じって。
目立つほどに小さな人影、子供の姿があった。
彼女はまるで、ディズニー映画のヒロインのように、手すりで半回転しながら陽気にバスを降りてきた。


「…………ギシュのおじちゃんッ!」


ジョセフ「おーよくきたのー!ウィンチェスター不動産のシャールちゃんかい?」


シャール「うん!アタシ、シャール!
     ママがりょこーに行くから、ギシュのおじちゃんと暮らすの!」


ジョセフ「そーじゃのー。でもワシは義手のおじちゃんじゃあないぞ?
     ジョセフじゃ、そう呼んでくれるか?」


シャール「うん!わかったー! ジョセフおじちゃん!」


ジョセフ「おーおー。ええのう。じゃあ早速じゃが、おうちに行こうか」


ジャール「うーん!わかったー!」

 こうして二人は、ジョセフの家へと、手をつないで歩いて行った。
そして、この時の。つまりはこれから起こる一週間の出来事を……。
ジョセフは未来にこう語る。






 あの1週間は、カイロにいた時よりもつらかった……と。






『序』……完

『01』


ジョセフ「ほい、ここがワシの家じゃ。別に日中遊びに行くのは構わんが、夜は帰ってくるんじゃぞ?ワシが怒られる」


シャール「うーん!わかったー!」


ジョセフ「部屋はスージーの部屋を使わせればええか……。
     流石にワシの部屋で一緒に寝るわけにもいかんしの……。
     まあ、見たところまだ小学生くらいじゃし、問題はないじゃろうが」


シャール「テレビみていーい?」


ジョセフ「ん?おーいいぞ?アッチにあるよ」


シャール「わーい!」


ジョセフ「ふう……」


 ゆっくり息を吐き、シャールの後を追うように、自分もリビングに向かう。
その時ッ!!


スージーQ「あなた?」


ジョセフ「ウォオオ!! スージー?なんじゃお前!行っとらんかったんか!?」


 ……………。


ジョセフ「あれ?どうしたんじゃ?誰もおらん。
     もしかしてワシ、スージーが一週間おらんことを、結構寂しがっとる?」


 何もない空間で、スージーの幻聴が聞こえた。
ジョセフは、そんな自分にちょっとガッカリしながら、リビングへと向かった。

 リビングでは、子供向けのアニメを見ながらはしゃいでいるシャールがいた。
その後ろ姿を眺めつつ、ジョセフは冷蔵庫からウィスキーを取り出し、一口含みつつソファに腰掛ける。


ジョセフ「このアニメ、まだやっとるんか……。ホリィも好きじゃったのー」


ホリィ「あら?今でも大大ダァーイ好きよ?パパ?」


ジョセフ「ウォオオオオ!! ゲホッゲホッ!! ホリィィイイイ!?」


 まただッ!またしても横からッ!
今度はホリィの声ッ!しかも今度は、横目に姿までもが確認できたッ!

 しかしッ!

横を向いたその時には、その姿はなかった。


ジョセフ「なんじゃなんじゃ?ワシ、もう酔っとるんか?」


シャール「どしたのー?ジョセフおじちゃん」


ジョセフ「なんでもない。気にするな、アニメを見なさいッ!」


シャール「わかったー!」

 今日は酒はやめようと、手のウィスキーをそっと冷蔵庫に返した。
そして、コーヒーメーカーのスイッチを入れる。


ジョセフ「旅の疲れが残っとるんかのオ。まあ、ゆっくりするか……」


承太郎「おいジジイ、俺もブラックを」


ジョセフ「自分で入れろッ!……って?承太郎ッ!?」


承太郎「なんだよジジイ、驚いた声出して」


ジョセフ「え?は?ン~? なんでお前ここにおるんじゃアアア!?」


ジョセフ「って……あれ?」


 三度ッ! 今度は孫の承太郎ッ!。それも、目の前に確かに一瞬存在していたッ!
さらに言えば、会話も往復したッ!

 しかしッ!

またしてもしかしッ!瞬きをした瞬間に……。消えるッ!
初めからいなかったように忽然とッ!

 さすがに3度も続けば、気のせいだとは思わないのが人間。
ジョセフも、額に汗を流すッ!


ジョセフ「OH MY GOD!!
     ワシ、ついにおかしくなったんか!! ノーーーーーー!!」

シャール「どしたのおじちゃん」


 キッチンで項垂れているジョセフを心配して、シャールが小さな足音で駆け寄ってきた。


ジョセフ「お前さんは本物なんじゃよな?
     スージーがいないから寂しくて幻覚見とるわけじゃーないんじゃよな?」


シャール「あ、そーなんだー!じゃあおじちゃんもお友達いっぱい会えるんだ!」


ジョセフ「ん?何の話じゃ?」


シャール「今日ね!月曜日だからね!
     みんな、友達にいっぱい会える日なんだよ!」


ジョセフ「じゃからなんの話…………。ん?おい……。
     オイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイ!!」


 ジョセフの顔から、一瞬で血の気が引くッ!
シャールは齢5歳の少女。

 それ故会話も支離滅裂だと思っていたのだが……。


 合点が行く。それも若干嫌な方向で。


ジョセフ「嘘じゃろォオオオ!?
     OH!   MY!     GOOOOOOOOOOOOD!!」


 シャールの後ろで、ケラケラと笑う半透明の何か。
ヴィジョン……。



 それは一つの結論に達するッ!


ジョセフ「シャールちゃんスタンド使いィイイイ!?」


シャール「すたんどぉー?」



 ┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨ド



「01」・完

>>1です。

saga つけるの忘れてた……。
続きはすでに書いてあるので、推敲次第投下したいと思います。

「02」


 落ち着きを取り戻したジョセフは、改めてシャールと向かい合って座り。
シャールのスタンドについて話を聞いた。


ジョセフ「な……なるほど……。
     それじゃあシャールちゃんは。毎日いろんなことが出来るのか?」


シャール「うん。そだよー!今日はお友達いっぱいだすのー!
     明日は、いっぱい燃やせてねー?明後日はいっぱい濡らせるのー!」


ジョセフ「…………こりゃヤバいのー……。
     凄くヤバい……。どうしたもんかのー……」


シャール「あ、でも大丈夫だよジョセフおじちゃん!ダメなら……やんないよ?」


ジョセフ「お、おお……本当か?じゃあ、すまんがそのいっぱい出す遊びは、ワシとおるときはせんでくれんか?」


シャール「わかったー!」


ジョセフ(話の分かる子で助かったわい……。
     でも、スタンド使いなら先にそう言っておいてくれスージー……。
     いや、スージーにわかりようもないか……)

 そして、月曜日の夜が来る。
なんとか初日は特に問題なく過ごせる。そうジョセフは安心していた。


ジョセフ「さあシャールちゃん。そろそろ寝ようか」


シャール「おじ……ちゃん……」


ジョセフ「ん?」


シャール「一緒に寝て?」


ジョセフ「あー。やっぱりまだ一人で寝れる歳じゃあないんかのー……。
     仕方がないの。わかったわい」


シャール「わーい!」


ジョセフ「それじゃ、一緒に寝よう。じゃあ、電気を消すぞー?」


シャール「えっ!? ヤダー!!」


ジョセフ「え?」

シャール「電気消すの……ヤダ……」


ジョセフ「え?えー…………おいおい。でもじゃの……」


シャール「暗いの怖いもん……ヤダモン……グズ……ェグ……」


ジョセフ「だーめーじゃ!電気付けたまま寝ても疲れはとれんぞ!?」


シャール「ェグ……フェエエエエエエエエン!!」


 シャールが瞳に涙を浮かべて、そのダムが決壊する。
そして、それと同時にッ!


ポルナレフ「おいおいジョースターさん!?何を泣かせてんだよチッコイ子供をさー!?」
アブドゥル「見損ないましたよ。子守はさすがに苦手だったんです?」
スピードワゴン「ジョースターさん!子供を泣かせるなんてアンタらしくもねぇ!」
花京院「はあ……なにをしているんですか?ちょっと貸してください」


ジョセフ「うぉおおお!? なんかいっぱい出てくるじゃあないかッ!
     全部幻覚……ッ!シャールちゃんかッ!?
     まさか、泣いてしまって無意識に能力を出しちまっとるんかァッ!?」


エシディシ「……ニヤリ」
ワムウ「………ゴクリ」
カーズ「ゴゴゴゴゴゴゴゴ」


ジョセフ「OH! こりゃ幻覚でもヤバすぎる!
     わわわわわかったシャールちゃん!電気付けるから!じゃから泣くな!
     明るい場所で寝よう! な!?」


シャール「ヒグ……ェグ……本当?」


ジョセフ「本当じゃとも!ワシは嘘をついたことなんてない男じゃ!」


シャール「わーい!おじちゃん大好き!」


 シャールに笑顔が戻ると同時に、幻覚たちは霧になって消えていった。
しかし、ジョセフの背中の、大量の冷汗は。

当分、引きそうにもなかった……。


ジョセフ(ワシ1人でなんとかしなきゃイカンのかコレを!?)

―火曜日―

ジョセフ「ほーい。おひるごはんできたぞー」


シャール「わーい!」


シャール「あ……ピーマン……」


ジョセフ「なんじゃ?シャールちゃんピーマン嫌いか?
     ダメじゃ!好き嫌いせず食べなさい!」


シャール「ニガいもん……ヤダもん……ェグ……」


ジョセフ「ハッ!!」


シャール「ウェエエエエエエエエエエン!!」


 シャールの涙と一緒に。
ピーマンが発火するッ!


ジョセフ「火曜日ッ!!つまり今日は火を出すのかッ!?」


 ゴウゴウと、そのままさらに、テーブルに火が燃え移る!


ジョセフ「わかったわかった!ピーマン食べなくていい!食後にケーキあるから!
     な?機嫌なおしておくれシャールちゃん!」


シャール「本当……?」


ジョセフ「ああ、本当じゃ……」


シャール「やったー!」

―水曜日―


シャール「このアニメ飽きたー」

ジョセフ「何言っとるんじゃ。これは昨日見始めたばっかじゃろう」


シャール「でも、ほかのがいーい!」


ジョセフ「わがままばっか言うんじゃあないッ!」


シャール「ェグ……」


ジョセフ「ハッ!!」


シャール「ビェエエエエエエエエエエ!!」


 キッチンの蛇口が、勢いよく水圧で吹き飛ぶっ!!


ジョセフ「水曜日じゃから水なのかァアアアアアアッ!?」






―木曜日―


ジョセフ「今日はなにもなく終わりそうじゃ……。
     シャールちゃんももう寝たし。久しぶりに平穏な一日じゃのー……
     それにしても毎日電気をつけたままで寝るのも嫌じゃのう。
     シャールちゃんも完全に寝たし、今日は電気を消すか……」


 カチリ


シャール「パチリ」


ジョセフ「OH NOOOOOOOO!!」


シャール「ビュヤァアアアアアアアアアアアアア!!」


 寝室の観葉植物が部屋を侵食するッ!!


ジョセフ「勘弁してくれェエエエエエ!!」

―金曜日―


ジョセフ「……………」


シャール「ねー。もうおひるだよー?ごはんはー?」


ジョセフ「勝手に食べてくれ。なんかあるじゃろ……」


シャール「なんにもなかったよ-?」


ジョセフ「よくみろ!なんかあるじゃろ!コンビーフでもなんでも勝手に食べろ!
     誰のせいでワシがこんなに疲れとるとッ!   ハッ!」


シャール「ゴベンバァアアアアアアアアアアアアイ!!」


 鉄くずが部屋中に降り注ぐッ!!


ジョセフ(だれか……助けてェエエエエエエエ!!)

―土曜日―


ジョセフ「……あと二日……あと二日耐えれば……」


シャール「ねえ、おじちゃん……。ママ、まだ帰ってこないの……?」


ジョセフ「んー?おお、そうじゃのう。帰ってくるのは日曜日の夜じゃ。
     もうちょっとじゃ……」


シャール「ママに……会いたい……」


ジョセフ「え?」


シャール「ママに……アイダィ……ェグ……」


 地面がぴしりと。地鳴りを始める音が聞こえた


ジョセフ(こりゃマズイ!じゃがしかしッ!!
     ウィンチェスター夫人の電話番号なんか知らんぞォオオオ!?)


シャール「ェグ……ママ……ママ……」


ジョセフ(どうするどうするどうする!?
     ハッ! そうじゃあああああッ!!)




ジョセフ「【隠者の紫(ハーミット・パープル)】ッ!!」




 ジョセフは、イバラをッ! 自分のスタンドを、リビングのテレビに巻き付けるッ!!
そして、そこから波紋を流し込みッ!! 念写能力を発動させるっ!!


ゆっくりと、テレビが映像を映し出すッ!!


 その映像は、弾丸旅行をする社長夫人達の姿ッ!!


シャール「あっ!!ママだ!!」


ジョセフ「ふう……なんとか……なったのう……」


 それから数十分。シャールは満足したのか。笑顔のままお昼寝を始めた。


ジョセフ「さて……と……。ワシ……も……ちょっと……休…………もう」



 バタリ……。







「02」・完

「終」

―日曜日―


 その日のジョセフは、なんとも目覚めがいい日だった。


ジョセフ「なんじゃこの居心地の良さは……?
     ん?なんじゃこれ……ワシ、何で寝とるんじゃ?」


 寝たままの体制で、布団を触る。
ひんやりとしていながら、温かいその不思議な感触は……ッ!!


ジョセフ「水? こりゃウォーターベッドか?
     しかも、背中が妙に温かい、まるでお灸でもしてもらっとるようじゃ。
     そしてこの森のようなさわやかな香り。マグネシウムでもあるかのような首元。
     低周波マッサージでもされているような心地のいい痺れ……」



ホリィ「気持ちいい?」


ジョセフ「ホ……ホリィ?」


ホリィ「私は幻覚よ。本当の娘じゃあないわ。
    でも、私がいれば、休まるでしょ?」


ジョセフ「幻覚……?ん?
     あ、そうじゃ!シャールちゃんッ!?」


 ジョセフは勢いよく起き上がりッ! 部屋を見渡すッ!
すると、膝を抱えてうつむくシャールが視界に飛び込むッ!!


ジョセフ「どうしたんじゃシャールちゃんッ!?」


 ジョセフが駆け寄ると、シャールはゆっくり顔を上げる。


シャール「おじちゃんが……。私のせいで疲れちゃったから……。
     今日はゆっくりしてもらおって。でも、私がいたらおじちゃんゆっくりできないし……」


ジョセフ「シャールちゃん……」


シャール「ごめんなさいジョセフおじちゃん。 今日は私、なんにもわがまま言わない。
     ずっとここで静かにしてるから。ゆっくり休んで……?」


ジョセフ「シャールちゃん……」


シャール「多分ね。ママもそうなんだ……。
     全然怒んなくなったから……。多分、いっぱい出すからイヤなんだと思うの。
     出したくないのに……。出しちゃうんだもん……」


ジョセフ(この子はある意味。ホリィと一緒じゃ……。
     自分のスタンドが、この子にとって悪影響になっとる……。
     じゃが、この子のスタンドは、自力で発動したもの……。
     能力をなくす方法はワシには分からんが……。だが、出来ることはあるッ!)

 ジョセフは一度大きく背伸びをして、目を見開く。
そして、シャールを勢いよく抱きかかえ、天井に向かって突き上げるッ!


シャール「うわー!高いよーおじちゃん!」


ジョセフ「そうじゃろそうじゃろ!高いじゃろう!!
     シャールちゃん……。たしかにお前さんは我儘じゃったッ!!
     でも、シャールちゃんのおかげで、ワシは今すっごく気分がいいんじゃ!」


シャール「だって……。
     これを日曜日にやってあげると、ママすっごい喜ぶんだよ!」


ジョセフ「いや、スタンド能力の事じゃあないッ!
     ワシのために、シャールちゃんが何かやってくれること、そのものが嬉しいんじゃッ!
     子供はわがままで笑顔が一番じゃからのーッ!反省する暇があったら、遊ぶのが子供の役目ッ!
     ありがとうシャールちゃん!ワシは元気になったぞッ!」


シャール「本当!?」


ジョセフ「ああ、本当じゃ!!
     もう少し大きくなったら、またワシの所に来いッ!
     いっぱい出す能力を上手に使える方法を教えてやるッ!」


シャール「じょーずにつかう? いっぱい出すのを?」


ジョセフ「ああッ!
     まー、いまはまだ難しいかものー?
     (波紋呼吸法なんて小学生に教えるレベルじゃないじゃろーし)」


シャール「わかったー!!」


ジョセフ「よーしッ!
     じゃあシャールちゃん!! ママを迎えに行こうかッ!!
     空港で、ハンバーグ食べるか? もちろん付け合わせのピーマンはワシが食べるッ!」


シャール「やったー!わーい!ハンバーグ!」


ジョセフ「そうと決まればいくぞーッ!」


シャール「いくー!」


【シャール・ウィンチェスター:サヨナラヘブン
 これからもずっと、天真爛漫な子供へ成長し続ける
   再起可能ッ!!】

 これが、ジョセフジョースターの体験した。
奇妙な一週間である。


 シャール・ウィンチェスターが、いままで実家でどのように過ごしていたのか。
そして、これから当分の間、どのように育っていくのかは、ジョセフは全く知らないが。


 ただ……。


旅行から帰ったスージーQに、焦げた机や破裂した水道管などの理由を説明するのに。
一晩では足りなかったということが。


 この一週間で一番ツラかったということは永遠に覚えているだろう。



「終」・完

第2話 『ジョセフ・ジョースター VS  シャール・ウィンチェスター』

To Be Continued →

【以下安価ルール】

① 敵キャラの名前。
② スタンド能力。
③ スタンド名。
④ 性格。

 を、安価で決める。

①敵キャラの名前
(それぞれの部にあったモノを出来るだけお願いします。)(Ex:5部ならカタカナ、4部なら両方可(出来れば日本名)、7部ならカタカナ))
(性別も一緒に記載してください)

②スタンド能力
(既存のスタンド能力の引用はご遠慮ください。
(それと、他作品の能力をまんま流用したり、『相手は死ぬ』等のチート能力や下ネタもご遠慮ください)
(その他、>>1の独断で再安価になる場合がございます。しかし、>>1が可能だと判断する限り安価に従うつもりです)

③スタンド名
(出来るだけ横文字でお願いします。日本語の場合は、「爪ータスクー」のように英訳させていただきます)
(こちらは②と違って、既存の作品名や曲名、アーティスト名で構いません)
(最低限、能力との関連性にご配慮いただけたら幸いです)(NG例 炎を操るスタンドの名前が『エターナルフォースブリザード』)

④性格
(1つのキャラにつき、3つを合わせるので。1つで完成しないような言葉にしていただくと嬉しいです。
  EX「不器用」「正義感が強い」「髪型にこだわりがある」)

(DIOの配下など、既存のジョジョキャラとの関連性を決める性格安価は1つまで。しかし、特定少数や設定破綻にならない程度。 )

(性格安価での多重投稿はご遠慮ください)

【以下 対戦相手のキャラ】

(例えばティナーサックス等が選ばれてしまうと。ちょっと書きにくいので。
 予めキャラを制限させていただきます。ご了承ください)


3部 ポルナレフ    
4部 億泰  康一  吉良  由香子  
5部 ブチャラティ フーゴ ナランチャ アバッキオ ディアボロ  トリッシュ

6部 エルメェス  FF 
7部 ホットパンツ ジャイロ  DIO

では。次に書くキャラを従来通り、安価で決めたいと思います。


 対戦するジョジョキャラ
>>24
(>>22の下の一覧から選んでください)


①敵キャラの名前・性別
>>26
②スタンド能力
>>28
③スタンド名
>>30
④性格
>>32
>>33
>>34
(全てにおいて、前の安価と被った場合は。以下の安価が1つずつずれます。
注意事項等は >>1を参考に)
(安価ルールは>>22を参考にしてくれたら幸いです)

ブチャラティ

ボーボール・ゴルヴァチョフ 男

バンプ・オブ・チキン

とある音を聴いたら語尾にザンスがついてしまう

>>28
というか能力先じゃね?

というわけで感覚を左右上下反転させる

石仮面の形をしたスタンド
被っている間は吸血鬼の能力を得る事ができる
スタンドに直接攻撃可能
ただし紫外線を浴びると能力は解除される

能力先でしたね…

 安価がズレるので。

今のところ。

対戦相手 ブチャラティ

敵スタンド
名前:ボーボール・ゴルヴァチョフ 男
能力:とある音を聴いたら語尾にザンスがついてしまう
性格:嘘を吐くことにためらいがない


で、能力名と性格安価 を再安価

能力名
>>37

性格(あとふたつ)
>>39
>>40

ソウルドラキュラ

潔癖症

利他主義

では決定です。

対戦するジョジョキャラ 

ブチャラティ


敵スタンド
名前:ボーボール・ゴルヴァチョフ 男
能力:とある音を聴いたら語尾にザンスがついてしまう
性格:嘘を吐くことにためらいがない
   潔癖症
   利他主義


今回はエタらないように投下します。
ではでは。

 おっと。忘れてました。
スタンド名:ソウルドラキュラ

です。

第3話『ブローノ・ブチャラティ VS ボーボール・ゴルヴァチョフ』

『序』


 イタリアには、『パッショーネ』というギャング組織がある。
ネアポリスの町のホテルや賭博場。果ては葬儀屋など。
裏で糸を引くのは彼らである。


 反映する街には裏の闇あり。とはよく言ったものであるが。
彼らはまさに、その裏の闇の象徴だった。


 そして、今。
刑務所で面会する二人の男もまた。その『パッショーネ』の一員である。

 牢獄に入れられている男の名前は。ポルポ。
そして、ガラス越しに起立の姿勢で話を聞く男が。ブローノ・ブチャラティである。

ブチャラティ「契約……ですか?」


ポルポ「あ~そうだ。契約だよ。君に今から命令する内容は、『契約』だ。
    最近、ここで大きく稼ぎ始めている、ボーボールホテルに出向いて契約するんだ」


ブチャラティ「上納金……は、彼らは既に支払っているはずですが?」


ポルポ「ブフゥー……。違うんだよブチャラティ。
    いや、最近は……さア? ここら辺の町も、【治安が悪くなってきた】と思わないかい?」


ブチャラティ「……なるほど」


ポルポ「おォッ!? 物分かりがいいじゃあないかブチャラティ。
    何が「なるほど」なのか。 言ってみろ……」


ブチャラティ「ホテルでお客様が健やかに過ごせるように。我々が周辺警備の仕事を請け負う。
       その契約に行けとおっしゃるのでしょう?」


ポルポ「フゥ~ン。いいよ、素晴らしいよブチャラティ……。
    やはり君は、『信頼』できる男だよ……。『信頼』は最も大事だ。だから君に命令する」

 ポルポは、およそ受刑者とは思えない空間で。
ワインを飲み、クラッカーを貪りながら高らかに笑った。

 ブチャラティはそのさまを、眉一つ動かさず。口だけを動かし会話を続ける。


ブチャラティ「日時は?」


ポルポ「今からだ」


ブチャラティ「分かりました」


ポルポ「いいかい?君を『信頼』しているんだよ?
    それを『侮辱』で返す行為。つまりは失敗するということは……。
    有り得ない」


ブチャラティ「勿論です。心得ていますよ」


ポルポ「ブフゥー……。うれしいよブチャラティ。
    さあ、吉報を連れて帰ってきてくれたまえ」


ブチャラティ「……はい」

 端的に言えば、それは上納金の値上げに等しい。
そもそも、ネアポリスで安全に商売をする名目として、ギャングへの上納金を。
ほぼすべてのネアポリスの商売人には命じているのだ。

 しかし、件のボーボールホテルは。目まぐるしく発展し、今ではネアポリスでは知らない人はいない、高級ホテル。
上納金の割だけでは、正直パッショーネはいい思いはしなくなる。


 それ故、上納金の値上げ。等という『信頼を裏切る行為』ではなく。
ホテルのボディーガード代金として。新たにパッショーネへの金の流れを作ることにした。


 その実行を任されたのが。

 ひとつのギャングチームのリーダーである。ブローノ・ブチャラティだ。


ブチャラティ「服は新調していくか……。
       確かあのホテルの支配人は、とんでもない潔癖症だった覚えがあるからな……」


 多少、ブチャラティ個人の感性では気が引けるが。
上司の命令は逆らえないのがギャングの世界。
さらに言えば、失敗しましたで済まぬのもギャングだ。
とどのつまり、ブチャラティに許された未来は。
契約を、穏便に、成功すること。それだけだった。

 ―ボーボールホテル―

 ネアポリス郊外の、大きな敷地内の真ん中に、そのホテルは聳え立っている。
最上階では、ネアポリス全体が一瞥できると、もっぱらの評判である。

 着慣れないスーツ姿に身を包み、ブチャラティはエントランスのドアをくぐった。


ブチャラティ「どうも。早速だが、支配人と話がしたい」


 受付に立つ女性に、開口一番でそういった。


「あ、あの。どちら様で……」
ブチャラティ「ブローノ・ブチャラティ。その名を伝えれば大丈夫だ」


「あ、はい。かしこまりました。 少々お待ちください」


・・・・。


「今、迎えのものが参りますので。ソファにおかけになってお待ちください」


ブチャラティ「グラッツェ」

 ブチャラティが、エントランスのソファでコーヒーを飲んでいると。
恰幅のいい若い青年が一礼をしながら向かってくるのが見えた。


「初めましてブローノ・ブチャラティさん。僕は副支配人でス。
 お話はかねがね、支配人から聞いておりまス。
 支配人の執務室へご案内しまスので……。どうぞご一緒に」


ブチャラティ「副支配人?前来た時にはいなかったが?」


「そりゃアそうでしょう。僕が就任したのはつい半年前でス」


ブチャラティ「そうか……。では改めて初めまして。ブローノ・ブチャラティだ。
       案内をお願いします」


「ええ、ええ。どうぞこちらへ……。
 と、それにしてもこの辺。虫が多いでスねェ」


ブチャラティ「虫?どこにいるんだ?」


「おや?虫の音、モスキート音っていうんでスか?
 プゥーンって、聞こえません?」


ブチャラティ「いや?全く……」


「ああ、そうですか。いえ、お気になさらず……。あ、どうぞコチラへ」


ブチャラティ「ん? あ、ああ」


「ニヤリ」


「序」・完

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