仁ママ「艦娘?」 (33)

春巻「深海棲艦?」 のスレ主です。
春巻「深海棲艦?」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1465188576/)

今回は別枠として 仁ママ×艦これのクロスです。
春巻側とは一切繋がりがないので、単発で立てさせてもらいました。
今回は1話で完全完結です。


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1465377104

加賀「提督、新しい艦の建造が完了したわ」

提督「わかった、今行く」

スタスタスタ バタン

提督「今回は鋼材を多く使ったから戦艦が出来たんじゃないか?」ワクワク

加賀「そうね。報告では今まで見たことのないタイプの戦艦が来たそうよ」

提督「おお、それは助かる!確か電が先に迎えに行ってるんだったな」

加賀「ええ、そうよ」

提督「いやー、楽しみだなぁ!」ワクワク


―鎮守府 工廠―

仁ママ「鎮守府ってなによー!意味がわかんないわよぉー!」イライライライラ

電「はわわわわわ……」ブルブルブルブル

提督「……」

加賀「……」

提督「加賀、ひとつ聞いていいか?」

加賀「何?」

仁ママ「くぁぁぁあああー!」ガンガンガンガンッ

提督「新しい戦艦って……今、頭を壁にぶつけてる……アレ?」

加賀「そうよ」

提督「……間違いない?絶対?確実?憲兵とかじゃなく?」

加賀「えぇ。アレが新しい艦よ」

提督「アレが『艦』の『娘』って書いて……艦娘?艦娘なのか!?」

加賀「そうよ。……たぶん」

提督「たぶんってお前」

加賀「建造で出てきたのだから間違いなく艦娘よ。……おそらく」

提督「ちょくちょく曖昧なのは何なの」

加賀「報告書にはハッキリと『艦娘 新型戦艦 仁ママ』と書いてあるわ」

提督「『ママ』いらなくない?」

加賀「仁でも通じるとは思うけど。正式名称は『仁ママ』よ」

提督「俺はアレが『娘』だなんて言うのを絶対に認めんぞ。深海棲艦と言われたほうがよっぽど納得がいく」

加賀「深海棲艦に失礼よ」

仁ママ「艦娘って何だぁぁー!あたしのわかる言葉で言えぇぇぇー!」ブンブンブン

電「あばばばばばば……!」ガクガクガクガク

提督「いかん、まずは電を助けないと。オーイ!」ヒラヒラ

仁ママ「ん?」ギロリ

提督「ひぃっ!」ビクッ

加賀「情けない声出さないで」

提督「だってあいつ、人殺しの目だったよ!その目で俺を睨んだよ!?」

仁ママ「おい、そこのテメー!ここは一体どこなのよー!」電ポイー

電「きゅう……」パタリ

提督「ああ、ここは鎮守府の工しょ……」

仁ママ「だから鎮守府って何なんだぁぁぁあー!わかる言葉でいぇぇぇえー!」バチーン

提督「ちんじゅー!」

仁ママ「わかったわ!さては人攫いねー!この野郎ぉー!」ガンガンガンッ

提督「待て!落ち着け!順を追って話すから鋼材で叩くのやめて!」

仁ママ「うっせぇぇええー!」バキィ

提督「ぼーきー!」ベシャーン

加賀「ふん!」ガシッ

仁ママ「あら?」

加賀「せいっ!」ブンッ グシャー

仁ママ「ハルナァァア!」

ドサッ バタリ

提督「新造艦にジャーマン・スープレックスをする艦娘初めてみた」

加賀「こうでもしないと貴方の頭の形が変わっていたわ」

提督「うん、助かった。ありがとう。……これ本当に艦娘なの?深海棲艦側のスパイじゃなく?」

加賀「深海棲艦に失礼よ」

―1時間後―

仁ママ「艦娘?」キョトン

加賀「そう。あなたはここで艦娘の戦艦として生まれたのよ。提督は人攫いではないわ」

仁ママ「いきなりそんなこと言われても訳わかんないわ……」

提督「うーむ。浦安町にいたって話だけど……どうも話がかみ合わないなぁ」

加賀「もしかしたら記憶が混濁しているのかもしれないわね」

提督「だとしたら元の場所に戻したほうがいいんじゃない?息子がいるって話だし」

加賀「この子をここで養うかどうかは貴方の判断に任せるわ」

仁ママ「養う……?」ピクッ

提督「ん?どうしたの」

仁ママ「ねぇねぇ、ひょっとしてその艦娘っていうのになれば、お金や食べ物が貰えるの?」ニカッ

提督「まあ……食堂は自由に使っていいし、給料もそれなりに出るからそういう事になるな」

仁ママ「よっしゃぁぁああああ!」ガッツポーズ

提督「うわっ!」ビクッ

仁ママ「あたし、今日からここで艦娘になるわー!あたしは戦艦仁ママよー!」ルリルリルリルリ

提督「え、いいのそんな簡単で。ていうか息子は?まだ子供なんだよね?」

仁ママ「大丈夫。あたしがいなくても一人で暮らしていけるわ」ケラケラ

提督「えぇ……。こいつ母親失格だわ。息子さん可哀相に……」

仁ママ「うっせぇぇぇええー!」ガンッ

提督「オイルー!」

加賀「本人が納得してるんだからいいんじゃないかしら」

提督「ドライだなぁ……。ていうか仁さん、いちいち暴力振るうのやめてくれない?」

仁ママ「おめぇーがいちいち余計なこと言うからだろぉー!」ピクピク

提督「あ、はい。すみません……」

加賀「何で謝るのかしら……」ハァ

提督「と、とにかく加賀さんは仁さんに色々と教えてあげて」

加賀「わかったわ」

仁ママ「ねえねえ、ここの食堂って何食べてもいいの?」

加賀「貴方が艦娘としての責務を果たせば、いくら食べても咎められることはないわ」

ヨッシャー! シズカニシテ…… スタスタ……

提督「大丈夫かなあの人……。あ、電が気絶したままだった」



―3日後―

スタタタタタタ……

電「た、大変なのですー!」バタン!

提督「どうしたそんなに慌てて……何かあったのか?」

電「そ、それが仁ママさんが……」

提督「仁?彼女は今、演習を行っているはずだが……怪我でもしたの?」

電「いえ……その……」

提督「報告はキチンとしなさい」

電「それが……演習相手の提督さんを追い掛け回してるのです!」

提督「……は?」

仁ママ「ちんぺーさーん!」モケケケケケケ

演習提督「来るなー!来るんじゃねぇー!俺はちんぺーじゃねえって言ってんだろぉー!」シタタタタタ

仁ママ「あーん!待ってー!ちんぺーさぁーん!」モケケケケケケ

演習提督「しつけぇぇぇええー!何なんだこの艦娘はぁぁぁあー!」シタタタタタ

龍驤「コラァー!追い掛け回すのやめーや!」シタタタタタ

霞「待ちなさーい!あーもう、なんなのよぉー!」シタタタタタ

羽黒「こ、こういう場合はどうすれば……」オロオロ

提督「なにこれ」

大井「聞きたいのはこっちですよ!何よあのバケモノ!」

仁ママ「捕まえたわーん!ちんぺー(はぁと」ガシィ

演習提督「オエェェェー!離せ、離してぇ!誰か助けてくれぇー!」

長門「オラァァアアー!」シュッ ゴーン

仁ママ「どゅ!」バターン

長門「他の提督に迷惑をかけるな」スタスタ ズルズル

仁ママ「ちんぺー……」ピクピクピク

龍驤「こ、後頭部へのラリアットで一発OK……」

羽黒「さすが長門さん……」

―執務室―

提督「演習相手の提督にめっちゃ怒られた……」ズーン

加賀「あれは誰でも怒ると思うわ」

提督「うん。俺も怒る。ねえ、俺もあいつに追い掛け回されたりしないかな?」ビクビク

加賀「大丈夫よ。あの子は貴方には興味ないみたいだから」

提督「よかった……。好意を持たれなくて嬉しい艦娘なんて初めてだわ……」

加賀「これからどうするの?」

提督「どうしよう……もう演習で使うのはやめた方がいいかな?」

加賀「そうね。別の提督がまたあの子の好みのタイプだったら……」

提督「確実に今回の二の舞になるな」

加賀「あの子は実践で育てたほうがいいと思うわ」

提督「そうしようか。どうでもいいけど『子』っていうのはかなり無理があると思う」

―翌日 鎮守府海域・南西諸島防衛線―

仁ママ「オケケケケケケー!」シタタタタタタ

ホ級「鬼だ……艦娘の中に鬼ババがいる……」ガクガクブルブル

ロ級「うわあぁぁぁー!来るなぁー!来るなぁぁあー!!」ズドンズドン

ひゅんひゅんひゅんっ

仁ママ「そんなもんが当たるかぁぁあー!オラァァー!」ドガシャー

ロ級「ペキン!」グシャ

ロ 級 撃 沈

仁ママ「次はテメーだぁぁあああー!」

ホ級「トワッタ!ワヒィィイイ!」ズドンズドン

ひゅんひゅんひゅんっ

仁ママ「かぁーっ!」ゴンッ

ホ級「ほっぽー!」グシャ

ホ 級 撃 沈

仁ママ「次はどいつだぁぁああー!かかって来いコラァー!」

ヌ級「お、お前行けよ!行けよぉー!!」

ハ級「やだぁー!他の艦娘に撃沈されるのはまだしも、あいつは絶対やだぁー!」

仁ママ「見つけたぁー!」ニタァ

ハ級「ひぃっ!視線が合った……!」

仁ママ「オケケケケケェー!」ガサガサガサガサ

ハ級「うわぁぁああー!来たぁぁあー!」ドンドンドンッ

ワーワー ギェェェェー サモハンッ

隼鷹「やべぇ……」

天龍「こ、怖ぇ……」ブルブル

電「主砲を振り回して敵を撃沈するなんて凄いのです……!」

夕張「感心するとこそれ!?陣形も弾着観測射撃もあったもんじゃないわよ!」

満潮「ねえ、あいつ護衛する必要ある?」

天龍「絶対にいらねえと思う」

隼鷹「もう全部あいつ一人でいいんじゃないかな」

―数時間後 執務室―

提督「ちょっとまって。もう一回言って?」

電「仁ママさんが主砲による打撃で敵を全部撃沈したのです!」

提督「 打 撃 ?砲撃じゃなくて 打 撃 ?間違いない?」

電「なのです」

提督「あれれ?あれれれ、れれれ?提督の常識がおかしいのかな?」

電「?」キョトン

提督「何でキョトンとしてるのかな?あのね。主砲って『打つ』じゃなくて『撃つ』ものだと思うの」

電「あ、はい……なのです」

提督「この際、弾薬が全く減ってない事と主砲が一個壊れてる事はどうでもいいや」

電「はい」

提督「深海棲艦を打撃で撃沈させるって何だよ!聞いたことねえよ!怖ぇよ!」バンッ

電「はわわわっ!」ビクッ

提督「こんな報告書を本部に出せるか!下手すりゃ精神病院に連れてかれるわ!」バンバンッ

電「で、でも……実際に主砲による打撃で撃沈させてたのです」

提督「とりあえず仁を呼んできて……」

電「は、はい」

―数分後―

仁ママ「何よ提督。あ、もしかしてお金くれるの!?」スッ

提督「いや、給料日はまだ先だから……」

仁ママ「だったら呼ぶんじゃねぇぇえええー!」ガンッ

提督「ちんぺー!」

バターン ドガシャー

電「はわわわわ……」ブルブル

提督「待って!いや、待ってください!必要なことなんです!今後給料払うために!」

仁ママ「きゅうりょー」ピタ

提督(金のことになると聞き分けがよくなるなぁ……)

仁ママ「で、何の用なの?」

提督「い、いや、仁さんって何で敵を打撃で倒すのかなーって……」

仁ママ「何言ってるの?敵を倒すための武器でしょアレ」

提督「うん、まあ、そうなんですけどね。使い方が違うっていうか……」

仁ママ「使い方?」ピクッ

提督「うん、あれって主砲だから本来砲撃するものなんですよ。大砲と同じで……」

仁ママ「ほうげきー?電ちゃん、砲撃って何ー?意味わかんないんだけど」コリコリ

提督(こいつ根本的に武器の使い方がわかってねぇー!教育係何してんだよ!)

電「え、えっと……私達の武器は本来、叩くものじゃなくて撃つものなのです」

仁ママ「打ってるじゃない」シュッシュッ

提督「いや、その『うつ』じゃなくて……銃を撃つとかの『うつ』です」

電「つまり私達の武器は大きな拳銃みたいなものなのです」

仁ママ「え、そうなの!?」

提督「教育係の話を聞いてなかったんですか!?」

仁ママ「あんなつまんない話、1日経てば忘れるわよ」アクビー

提督「だめだコイツ……」

そして仁ママが艦娘として着任してから1週間の月日が流れた。
最初は強烈なインパクトで敬遠されていた仁ママであったが
日が経てば自然と艦娘達の間に溶け込んでいくことができた。


仁ママ「この肉おいしいわーん」グチャグッチャ

鳳翔「そんなに慌てて食べなくても大丈夫よ」ホンワカ

翔鶴「仁さんも食欲旺盛ね」ホンワカ

瑞鶴「二人ともアレを見て微笑ましくなれるってある意味凄いわ」

龍驤「食い方汚なー……食欲なくなるでぇ……」

仁ママ「あーん!この硬い部分も最高ー!」バリバリバリ

鳳翔「皿まで食べるなー――!」バチーン

仁ママ「モキャ!」ビターン

瑞鶴「うわっ!鳳翔さん意外と厳しい!」

仁ママ「痛いわーん」床ゴロゴロ

鳳翔「ほら、ちゃんと椅子に座って」

仁ママ「はっ……!」

光がキラリ

仁ママ「お金よー!」ズタタタタタ!

鳳翔「あらっ」カクッ

ガシャーン!ぴゅーん!

龍驤「わぁー!机を弾き飛ばすなやー!」

隼鷹「椅子も飛んでるし!」

仁ママ「オケケケケケー!かねかねー!」ガササササササ

鳳翔「コラァー!待ちなさーい!」

龍驤「お前はゴキブリかー!?」

ぴゅう~~~~……

瑞鶴「なぁぁー!?机が飛んで来たー!?あぶなっ!」ササッ

翔鶴「えっ」

ドガシャー!

翔鶴「てーぶー!」ガシャーン!

翔 鶴 中 破


瑞鶴「わぁぁあああー!翔鶴姉ぇぇええー――!」ズイズイズイズイ

赤城「ま、窓ガラスを突き破って外に……大丈夫かしら」

加賀「絶対に大丈夫じゃないと思います。ドックに運びましょう」

翔鶴「にゃっきー……」ピクピクピク

仁ママ「あららぁ~?なんだ、お金じゃなくて鋼材じゃない」ガッカリ

瑞鶴「このばかちーん!」バチーン

仁ママ「でどゅ!」ビターン

瑞鶴「翔鶴姉ぇに何してくれてんのよー!この……」ガシッ

隼鷹「うわっ!持ち上げた!」

瑞鶴「バカー!」ドシャーン!

仁ママ「ゴーギャーン!」

龍驤「うわぁ……直立型ブレーンバスターが綺麗に決まった……」

隼鷹「すげぇ……」

鳳翔「しょ、食堂が……」プルプル

―執務室―

加賀「……というわけで、翔鶴はしばらくドック入りよ」

提督「ああ……」

加賀「それと窓ガラスが3枚、机2つ、イスが4脚、それぞれ破壊。食堂の床に凹み発生」

提督「」

加賀「大丈夫?」

提督「なぁ加賀……。こんなこと言うのはなんだけど、奴の解体を一瞬本気で考えたわ」

加賀「それは良くない判断ね。あの子は貴重な戦力よ」

提督「うん。でも強力過ぎて他の艦娘や備品、提督達に被害が出てるし……」

加賀「弾丸消費なしで敵戦力を全滅させ、敵の攻撃を食らってもすぐ治ってドック入りの必要もなし」

提督「あ、ああ……」

加賀「他の子が全く視界に入らなくなるほど、インパクトの強い形相と体系と髪型で敵の注目を集め」

提督「お、おう……」

加賀「そのおかげで他の艦が狙われないため、大破する艦が全く出ず」

提督「それはすげぇ」

加賀「それどころか中破する艦すら出ないから出撃から戻ってきても修復材を使うことがなく」

提督「食堂では中破した子がいたけどね……」

加賀「一人で全ての敵艦をなぎ倒すから私達も極力資材を消耗せず」

提督「うん、最近、資材に困らなくなったよね。備品はいっぱい壊れてるけど」

加賀「当然の如く敵の旗艦を撃沈し、勝利を刻む」

提督「うん、全海域での勝率が凄いことになった。演習相手はいなくなったけど」

加賀「そんな規格外の子だけど、本当に解体するの?」

提督「やめとく」

加賀「そう。じゃあ今日はあの子を北方海域に連れていくわ」

提督「え、早くない?仁さんが着任してから一ヶ月もたってないよ」

加賀「早い……?提督、貴方本気でそう思ってるの?」

提督「いや、全然……でもちょっと働きすぎじゃないかなって」

加賀「あの子は食べものが沢山食べられて、給料が手に入れば喜んで出撃する子よ」

提督「あ、そうなんだ……じゃあお任せします」

―北方海域・北方AL海域―

仁ママ「オケケケケケケー!」シタタタタタタ

ロ級「砲撃、全く効果ありません!」ズドンズドンッ

リ級「何で!?どうして!?何あのバケモノ!?何が起きてるのー!?」ズドンズドンッ

仁ママ「もらったぁぁぁあああー!」ズゴー

ぐしゃーん

ロ級「じょやー!」

ロ 級 撃 沈

仁ママ「よっしゃー!」ガッツポーズ

リ級「あわわわわ……」ガタガタブルブル

コナイデー! ウッセェェェー!


北上「仁ママ、相変わらず凄いねー……」トオイメ

山城「ねえ、加賀さん」

加賀「何?」

山城「私達、必要……?」

加賀「必要よ。あの子は誰かが監視してないと、何をするかわからないわ」

葛城「えーと……つまり私達は仁さんの監視役……?」

北上「やっかいな猛獣を飼い慣らす調教師みたいなものだねー」ヘラヘラ

加賀「そうね。例えるならあの子は暴れ牛かしら」

霞「いえ、暴走戦車といった方がいいわね。とにかく戦闘が終わるまで仁ママさんには近寄らないようにしましょ」

山城「皆ひどい言い草ね……その通りだけど」



リ級「ぎゃああああー!来るな鬼ババァー!」

仁ママ「テメェェー!誰が鬼ババァだぁぁあー!」ガンガンガンッ

リ級「ぽりすー!」グシャー

リ 級 撃 沈


北上・山城・葛城・霞(鬼ババァはお前だよ、お前……)

北方棲姫「ばにゃあぁー!怖いぃー!あの艦娘怖いぃいいい!」ズォオオオー

仁ママ「まーてぇぇえええー!逃げるなテメェー!」オペペペペペ

北方棲姫「びええぇぇぇー!もうやだー!おうち帰るー!」ズォオオオー

北 方 棲 姫 敵 前 逃 亡

葛城「あー!敵の棲姫が逃げたわ!」

北上「いや、あれは逃げたくもなるっしょ……」

霞「すごい勢いで逃げていったわね……」

山城「よっぽど怖かったのね……」ホロリ

仁ママ「敵はどこだぁぁぁああー!全部ぶっ壊してやるー!クキィー!」

加賀「ふんっ!」ギュッ

仁ママ「うきゅ!」ピクンッ

ドサリ

加賀「さ、次に進みましょう」

北上(あの仁ママをチョークスリーパーであっさりと落とした……)

葛城(仁さんの扱いに手馴れてる……)

山城(実は加賀さんが一番怖いんじゃ……)

―数時間後 執務室―

提督「いやーすごいな!仁さん今回もMVPだよ!」

仁ママ「MVP?ねぇねぇ、MVPって何?」

電「一番活躍した艦娘が貰える勲章なのです!」

仁ママ「え、何?それじゃあお金が沢山貰えるの?ウレシー!」ワクワク

提督「え?いや、お金は貰えないよ。経験が増えることで……」

仁ママ「ふざけんなテメェェェエー!」主砲ブーン

ドガシャー!

提督「せんだいぃー!」

仁ママ「きぃぃいいー!せっかく沢山の敵を倒したのにぃぃいいー!」ガンガンガンッ

提督「ちくまー!」ゴロゴロ

電「はわわわ……」ガタガタ

仁ママ「このクソ提督ー!金よこす気あんのかぁぁああー!」ドカドカドカドカッ

提督「ま、待て!待って!お願い!とりあえず装備で殴るのやめて!」

仁ママ「うっせぇぇええー!」グシャー

提督「のしろー!」

仁ママ「キィィー!億万長者の夢がぁー!」シクシクシク

提督「わかった!わかりました!MVPを取った方には特別賞あげます!」

仁ママ「特別賞?」ピタ

提督「えーと……そう!金一封!MVPを多くとった艦娘には俺から金一封を贈呈します!」

仁ママ「ねえ、電ちゃん。金一封ってなに?いくらもらえるの?」

電「え、えっと……とにかく沢山お金が貰えると思うのです!」

仁ママ「沢山ってどのくらい?」ピク

電「え、えっと……それは……」

仁ママ「いくらか言えぇぇぇぇー!」ブンブン

電「あわわわわわ……きゅうぅ……」ガクリ

提督「い……一万!一万円出します!」

仁ママ「よっしゃぁぁぁあああー!あたしが一番敵をぶっ殺してやるわー!」電ポイー

提督「おい電、大丈夫か!」

電「」チーン

提督「あまりの恐怖で気絶したか……すまん」ホロリ

仁ママ「オケケケケケー!今すぐ出撃してお金をいっぱいもらうわーん!」ドタドタドタドタ

長門「猛スピードで廊下を走るなって何回言わせんだコラァー!」ボゴー!

仁ママ「あじゅー!」ステコーン

大井「うわぁ……あの長門さんのラリアットが直撃……」ブルブル

北上「ねえ、仁ママより長門さんや加賀さんの方が怖くない?」



こうして仁ママはMVPのために次々と深海棲艦を撃沈していく。
数週間後には仁ママの噂が深海棲艦全体に広がり
『艦娘鎮守府の鬼ババ』『深海棲艦を食べる艦娘』『深海棲艦の鬼以上のバケモノ』と恐れられるようになる。

―完―

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