エド「1年A組エドワード・エルリックです。」【鋼の錬金術師ss】 (46)

実写化記念。
鋼の錬金術師のキャラで高校生活を送る日常系ss。
原作とは違う設定やキャラ崩壊がありますので注意してください。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1465295091

街の外れの裏路地。

バゴン

ザコ「ぐけぇー!」

エド「立てよド三流!まだ終わりじゃねえだろ?」

エドワード・エルリックは今日も喧嘩に明け暮れていた。
ハガレン高校1年A組に所属。
右手と左足にオシャレで鋼の鎧をつけている事から世間からは《鋼の番長》と呼ばれている。
見た目は小さ…小柄だが、もう少しで2年生になる。

アル「もう止めてよ兄さん。相手はもう立てないよ。」

アルフォンス・エルリックは今日も兄の喧嘩を止めていた。
兄と同じく1年A組に所属。
趣味で日常生活内で全身鎧を着ている。
見た目からよく《鋼の番長》と間違えられるが、本人は好戦的ではなく、静かに場を収めたいタイプらしい。
でも、怒ると怖い。

ザコ「く…!死ね!」

アル「危ない兄さん!!」

カコン

ザコが不意打ちを狙って刺したナイフはアルが防いだ。

エド「大丈夫かアル!」

アル「うん。大丈夫。」

ザコ「こ…こいつ!」

アル「早く逃げないと僕も手加減しないよ…?」

ザコ「う…うわぁぁぁぁぁ!」

ザコは一目散に逃げて行った。

エド「お前も段々ヤンチャになって来たな。」

アル「兄さんと一緒にしないでよ。登校途中にケンカなんか売らないでよね。」

エド「だってあいつオレの事豆粒ドチビって言ったんだぜ?」

アル「言ってないよ。」

アル「ってヤバッ!早くしないと遅れちゃうよ!」

エド「はいはい。走るぞアル。」ダダダダダッ

アル「ちょっと待ってよ!」ガシャンガシャン

エド「その鎧いい加減脱げよ!」

アル「ダメだよ。これがないとしっくりこないんだ。兄さんこそその鎧外したらどう?」

エド「これがないとカッコ良くないんだ。」

アル「えぇ…」

ウィンリィ「エドー!アルー!」ダダダダダッ

ウィンリィ・ロックベル。
エドやアルの幼馴染。
優れた医療技術を持っており、将来は看護師を目指している。
機械関連にも強く、エドやアルの壊れた鎧の修理もしている。
金にがめつい。

エド「おお!お前も遅刻か?」

ウィンリィ「アンタと一緒にしないで。忘れ物したから取りに帰っただけよ。」

アル「見えた!正門だ!」

ロイ「おお。鋼の。今日も遅刻か。」

エド「ゲッ!風紀委員長…!」

ロイ・マスタング。
エドと同じく1年A組の風紀委員長。
学校では《炎の風紀委員長》として恐れられている。
どうでもいいが、よく癖で指パッチンをしている。
そして雨の日になると無能委員長になる。

ロイ「あと30秒だ。間に合ってみろ!」

リザ「委員長。正確にはあと28秒でした。」

ロイ「おっとすまない。私としたことが…ありがとう副委員長。」

リザ・ホークアイ。
同じく1年A組。
風紀副委員長を務めており、マスタング委員長のサポートをしている。
正確な計算、正確な判断、そして正確な射撃の命中率から《鷹の目》として恐れられている。
常日頃からマスタング委員長とは一緒におり、周りからはおちょくられている。

アル「おはようございますマスタング委員長。」

ロイ「おはようアルフォンス。今日も真面目だな。」

エド「あの野郎!いつの間に抜け駆けしやがった!」

アル「ホークアイ副委員長おはようございます。」

リザ「おはようアルフォンスくん。」

ウィンリィ「おはようございます!!」

ロイ「おはよう。ウィンリィはもうちょっと余裕を持って登校しろ。」

ウィンリィ「すみません!」

エド「こうなったら…」

ロイ「3…2……1………」

パァン

エドは両手を合わせた。

ロイ「!」

ロイ(ま…まさか…!)

エド「お願いしますマスタング委員長!今回は見逃してください!」

キンコンカンコン

リザ「時間です。」

ロイ「はい鋼の遅刻〜。」

エド「情けぐらいかけろよ!」

こうして、ハガレン高校の騒がしい1日が始まる。

つづく…

一旦休憩してから続き書きます

キング「さて…エドワーズ・エルリックくん。君を呼び出した理由はお分かりかね?」

エド「…遅刻の件ですか?」

キング「ご名答。」

エド(こ…怖ェ〜……)

キング・ブラッドレイ
ハガレン高校の校長を務める60歳。
その圧倒的威圧感からハガレン高校の絶対的権力を持っている。
温和そうなおじいちゃんのような見た目からは考えられない動きを見せ、ヤンキーたちからも恐れられている。
また、愛妻家でもある。

キング「今回の件に関しては大目に見ようとは思っている。」

エド「ほ…」(ため息)

キング「だが…次に遅刻した時には停学…いや……それ以上を覚悟しておくように。」

エド「ほ…」(絶句)

キング「以上だ。行って構わんよ。」

エド「し、し、失礼します。」

ガチャリ

ロイ「…気をつけろ鋼の。校長を怒らせたらこの学校がどうなるか分からんぞ。」

エド「は…はぁ。」

エド「というかわざわざ待っててくれたの?」

ロイ「そうだとよかったんだがな…イズミ先生にお前を連れてこいと言われたからだ。」

エド「へい。」

………

イズミ「てなわけでエドくん。廊下でバケツを持ちながら腕立て伏せプラスメイスンの特別授業を受けてね。」

エド「やりすぎだろ!」

イズミ・カーティス。
エドたち1年A組の担任。
エドとアルにとっての恐怖の対象でもあり、尊敬の対象でもある。
実はエルリック兄弟が小さい時から知り合っており、エルリック兄弟には色んな事を教えていた。

イズミ「何か言ったかエドワーズ・エルリックくん…?」

エド「いえ!何も言ってません先生!」

イズミ「よろしい。」

エド(ふざけんなよ…!絶対逃げ出してやる!)

………

メイスン「どうしたエド?まだ授業終わってないぞ?」

メイスン。
1年A組の副担任。
イズミ先生の元教え子で昔ヤンチャしてた頃に更生させてもらったらしい。

エド「あ…あの〜…縄を解いてもらえないですかね…?」

メイスン「イズミ先生がエドはスキを見て逃げ出すから縄で縛ってその上にバケツを置いて授業しろだって。」

エド(何でもお見通しかよ…)

その後…エドは1時間目にして干からびた。

アル「大丈夫兄さん?」

エド「み…水をくれ…」

アル「はい。」

エド「サンキュー。」ゴクゴク

アル「そういえば今日ロゼさん来てないね。」

エド「あぁ。そうだな。」

アル「何があったんだろう。」

エド「今日家に行ってみるか。」

アル「うん。」

放課後、ロゼがいるリオール地区に行く事にした。
リオール地区は宗教家が多い地区である。

ピンポーン

アル「…いないね。」

エド「ロゼの両親は仕事中だな。」

アル「両親から学校に連絡こないという事は登校はしてるんじゃないかな?」

エド「つまり登校途中に何かあったってことか。」

アル「…嫌な予感がするね。」

エド「予想では教会が怪しいと見た。」

アル「なんで?」

エド「最近あいつ宗教に興味を示していたからな。もしかしたらあの教会に行ったのかもしれない。」

アル「あそこあまり良い噂聞かないよね…もしロゼがいなくても何か手がかりがつかめるかも。」

アル「でも、いたとしてもどうやって中に入るの?」

エド「簡単だよ。だけどその前にインチキ神父を追い詰める証拠を手に入れないとな。」

………

エド「僕たち実はレト教に興味があって入信したいんです。」

クレイ「あなた方もコーネロ様のお近づきになりたいのですね。どうぞ中へ…」

エド(チョロいもんだぜ…ぐへへ。)

エド「どれくらいの人がいるんですか?」

クレイ「リオール地区の住民はほとんど入信してますよ。」

エド「へぇ〜…」

クレイ「この中にコーネロ様がいらっしゃいます。ぜひ挨拶をなさって………」

バコン

エド「失礼するぜ!」

クレイ「こ、こら!扉を蹴り上げるなんて神への冒涜だぞ!!」

アル「まあまあ。」

コーネロ「おや?新たな入信者かね?」

エド「残念不正解。聞きたい事がある。正直に答えろ。」

エド「ロゼはどこにいる?」

コーネロ「…誰の事だね?」

エド「早く答えろインチキ神父。」

コーネロ「…クレイ。」

クレイ「はい。」

コーネロ「彼らが来なかった事にしなさい。」

クレイ「…はい。」ニタリ

アル「兄さん!こいつら僕らを…」

エド「知ってるよ!」

バゴ

クレイ「ぐ…!鎧!?まさかこのチビ…!」

エド「誰が豆粒ドチビだーーーー!」

クレイ「ぐへぇー!そんなこと言ってない!!」

コーネロ「ほぉ〜…《鋼の番長》とは君の事だったのか。」

エド「だからどうした!」

ロゼ「やめて下さい神父様!」

エド・アル「ロゼ!」

コーネロ「ロゼ。君の彼にはもう少しで会えるから待っときなさいと言っただろ。」

アル「どういう事ですか神父さん!」

コーネロ「彼女はね。好きな人がいたんだ。だけど突然彼女からいなくなったんだよ。だから彼女はその人に合う方法を探すためにこの教会を毎日訪れ、神に祈っていたんだ。」

コーネロ「だから私は彼女のために彼に会わそうとしているんだ。どんな手段だろうと…」

エド「騙されるなロゼ!この神父はお前を誘拐しようとしているんだ!」

コーネロ「な…何のことだね?」

アル「ここに最近この近辺での誘拐事件のリストがあります。そして未成年者誘拐事件が発生した場所が全てこの教会の半径1km以内なんです。」

エド「こんな偶然あるわけねえよな?そして今回のターゲットはたまたま教会で祈りを捧げていたロゼだったってわけ。」

コーネロ「言いがかりはよしたまえ!」

エド「じゃあ神に誓って宣言してくれ。私は誘拐犯などではなく、1人の少女の悩みを解決しようとした紳士です…ってな。」

コーネロ「もちろんだとも…」

ロゼ「そうです!神父様はこのリオール地区のほとんどの人の悩みを解決してきたんです!悪い人なはずありません!」

ロゼ「そうですよね神父様…?」

コーネロ「安心してくれロゼ。」

コーネロ「私は…」

コーネロ「お前らを殺して、人々を金で騙し!子供を誘拐しては金を要求する極悪人だからな!!!ははははは!!!!!」ゴゴゴゴゴゴゴ

ロゼ「神父様!?」

エド「本性を現したな!」

コーネロは教壇に隠していたマシンガンを乱発した。

アル「隠れて!!」

エド「アルに隠れろ!」

ロゼ「は、はい…!」

ドドドドドド

カンカンカンカン

アル「イテテテテ!」

コーネロ「くそ!隠れてないで出てこい!」

エド「そのつもりだぜ!」

コーネロ「なに!いつの間に背後に!」

バゴン

コーネロ「ぐお!」

エド「一発じゃ殴りたらねえぞ!」

コーネロ「く…くそ!出てこい化け物!!」

番犬「グルルルルル…」

エド「い…犬……なのか?」

コーネロ「あぁ。昔まではな。今は鍛えすぎて化け物になっちまった。」

コーネロ「さあ行け!あのクソガキを咬み殺せ!!」

番犬「グルルルルル!!」

エド「弟ガード!!」

ガゴン

アル「あぁあああ!?僕の頭の鎧が!!!!」

エド「そして!!」

エド「鋼の鉄拳!!!」

番犬「アゥゥゥウン!」

コーネロ「バカな!!」

エド「こんなんで負けるようじゃ先生に怒られちまうからな。」

コーネロ「かくなる上はこれを…」

警官「そこまでだコーネロ!」

アル「良かった!警察が来たみたいだ。」

コーネロ「なに!?警察なんていつ呼んだんだ!」

アル「僕がついさっき鎧の中で。」

コーネロ「は…ははは…」

エド「おいロゼ。見たか。あれがお前を助けようとしていたはずの神父様だ。」

ロゼ「……」

エド「ロゼ…死んだ人間は生き返らないんだ。立って歩け。前へ進め。あんたには立派な足が…」

ロゼ「なにを言ってるんですか?彼は生きてますけど?」

エド「…へ?」

ロゼ「一言も死んだなんて言ってません。」

アル「確かに。」

エド「そ、それじゃあいなくなったってのは?」

アル「フラれたの。それだけよ。」

エド「…………」

アル「…………」

ロゼ「…………」

エド「まぁ…その…なんだ。」

エド「頑張れよロゼ。きっと会えるさ。」

ロゼ「…ありがとうエド。意外と優しいんだね。」

アル「兄さんは優しいよ。ただ恥ずかしがり屋なだけで。」

エド「それ以上喋るなー!!」

ロゼ「はは!」

コーネロ「私の出番はこれだけですか…」

警察「早く乗れ!」

コーネロ「はいはい…」

バタン

警察?「さてと…それじゃあその証拠品…私に渡してくれるかな?コーネロ。」

コーネロ「お…おまえは…!」

警察?「気をつけてくれ。いつでも私の息子たちがおまえを狙っているからな。」

コーネロ「あ…あぁ…」

つづく。

ここまでです。
続きは水曜日中に!

イズミ「また派手に暴れたらしいね。」

エド・アル「ごめんなさい。」

イズミ「まあ今回はロゼを助けたって事で大目に見るけど気をつけなよ。」

エド・アル「はーい。」

シグ「おい。そろそろ授業だぞ。」

イズミ「悪いねあんた。ほら。とっとと行きなさい。」

シグ・カーティス。
ハガレン高校の体育教師。
イズミの夫でもある。
力は高校でもトップクラスを誇る。

シグ「…………」

イズミ「どうしたの?」

シグ「今日も美しいなと思って。」

イズミ「照れるじゃないのあんた!」

エド・アル(バカ夫婦だ。)

………

ヨキ「ほらそこ!服装が乱れてるね。マイナス5点内申点から引くぞ!」

生徒「すみません…」

ヨキ。
ハガレン高校の教頭。
ブラッドレイの腰巾着で偉そう。
何かといちゃもんをつけてくる。

エド「教頭のやつ今日も調子乗ってんな〜。」

アル「早いとこ逃げよう。」ダダダダダッ

マルコー「おや、エドワードくんにアルフォンスくんじゃないですか。」

ティム・マルコー。
ハガレン高校の社会科教師。
温和な性格で歴史について詳しい。
隠れた趣味で石集めにハマっている。

アル「おはようございますマルコー先生!」

マルコー「廊下は走っちゃダメだぞ。」

エド「おっとごめんよ!」ビュン

マルコー「な!」

マルコー「教師を飛び越えるとは何と無礼な!」

アル「すみませんマルコー先生!」

マルコー「君が謝るのかね…まったく…」

………

エド「何とか巻いたみてえだな。」

アル「巻いた以前に向こうは追ってきてないけどね。」

ボムン

エド「何の音だ?」

アル「理科室からだ。行ってみよう。」

………

ガララー

タッカー「ゴボッゴボッゴボッ!また失敗か。」

ショウ・タッカー。
ハガレン高校の理科教師。
休み時間にいつも研究をしている。
完成した実験品は授業中に見せているが、最近は受けが悪いらしい。
妻と娘がいる。

アル「大丈夫ですかタッカーさん!」

エド「けむいな。」

タッカー「エルリック兄弟か…大丈夫だ。実験は失敗したけどね。」

エド「また失敗かよ。いつも失敗してんな。」

タッカー「はは…今度こそはと思ったんだけどな〜。」

エド「もっと簡単なの作ったらどうだ。」

タッカー「そうだね〜…そろそろ成功させないと、生徒や先生たちの信頼がなくなるかもしれないしね…」

ガララ

ニーナ「お父さん!」

タッカー「ニーナ!」

アレキサンダー「バウ!」

タッカー妻「勝手に来てごめんなさいあなた。」

タッカー「どうしたんだ急に学校に。」

タッカー妻「ニーナがあなたが仕事している姿が見たいって言うから連れてきたのよ。ごめんなさいね。」

タッカー「い…いや…構わないよ。」

アル「初めまして。僕はここの生徒のアルフォンス・エルリックと言います。」

エド「オレはエドワード・エルリック。」

タッカー妻「いつも夫がお世話になっております。」

アル「いえいえ。こちらこそタッカー先生には授業でお世話になっています。」

タッカー妻「あら。礼儀正しい良い生徒を持っているのねあなた。」

タッカー「はは…」

ニーナ「ねえねえエドワード一緒に遊ぼうよ!」

エド「呼び捨てすんな!」

ニーナ「じゃあお兄ちゃん!アレキサンダーも遊びたがっているよ!」

アレキサンダー「バウ!」

エド「そうだな…ちょうど昼休みで暇だし遊んでやるか。」

ニーナ「やったー!」

エド「ただし、オレと遊ぶからにはとことん付き合ってもらうぞ!」

ニーナ「はーい!」

アレキサンダー「バウ!」

エド「うわ!!襲うなこのデカ犬!!」

ニーナ「はははは!」

タッカー妻「それじゃあ私は家に帰るわね。ニーナとアレキサンダーは一緒に連れて帰ってきてね。」

タッカー「ああ。分かったよ。」

タッカー妻「お仕事頑張ってね。」

タッカー「…もちろんさ。」

………

エド「そうだタッカーさん。次の実験はロボットを作ったらどうだ?」

タッカー「ロボット?」

エド「おう。」

タッカー「…そうだね。作ってみようかな。」

エド「マジ!?よっしゃー!」

タッカー「その代わりと言っては何だが、全身鎧を1着私に貸してくれないか?フォルムの参考にしたいんだが。」

エド「そんな事ならいくらでもあるんだよなー。メガネをかけた鎧から舌を出した鎧まで何でも揃えてんぜ。」

アル「どこから鎧出してんの兄さん…」

タッカー「それじゃあ借りるよ。2時間後ぐらいにまた来てくれ。」

エド「おう!ほら行くぞデカ犬!」

タッカー「おっと!この研究にはちょっとニーナとアレキサンダーの力も借りないと作れないんだ。」

エド「そうか。分かった。じゃあなニーナ、デカ犬!」

ニーナ「バイバイお兄ちゃん。」

アレキサンダー「バウ!」

ガララ

タッカー「何としても良い所を見せなくては…次こそは…」

………

アル「お邪魔しますタッカーさん。」ガララ

エド「どうだ!ロボットは完成したか?」

タッカー「やぁ2人とも…出来たよ。完成品だ。」

エド「おお!」

タッカー「人語を理解するロボットだ。」

タッカー「彼の名前はエドワードだ。」

ロボット「エド…ワード…」

アル「すごーい!」

エド「…すげぇ。本当に喋った。」

アル(兄さん驚いてるな。昔からロボットとかに憧れてたもんなー。)

エド「すげぇ…」

アル「あれ?ニーナとアレキサンダーは?」

タッカー「いつの間にか居なくなっていたよ。散歩でもしてるんじゃないかな?」

ロボット「エドワード…エドワード…」

ロボット「おに…」

ロボット「お兄ちゃん!バウ!」

エド「!!」

その時、エドに衝撃が走った。
気づいてはいけない何かに気づいたのだ。
いっその事気づかなければよかった。
そうエドは思っただろう。

エド「タッカーさん…質問してもいいかな…?」

タッカー「なんだい?」

エド「タッカーさんがロボットの制作に取り掛かったのはいつだっけ?」

タッカー「ええと…2時間前だね。」

エド「ニーナとアレキサンダーがいなくなったのは?」

タッカー「………2時間前だね。」

エド「もうひとつ質問いいかな…オレが貸した全身鎧どこやった?」

アル「!」

タッカー「…君のような勘のいい子供は苦手だよ。」

エド「ふざけんな!!」

エドはタッカーの胸ぐらを掴もうとしたが、そのまま自分の脚を叩いて悔しがった。

エド「オレが貸した全身鎧を改造してロボットを作り、自分の娘と犬を使い、オレたちどころか学校中の人を騙そうとした!」

アル「なんでそこまで…」

エド「こんな事が許されると思ってるのか!?こんな…子供の好奇心をもてあそぶような事が!!」

タッカー「子供の好奇心?はは!そう子供の好奇心!《鋼の番長》!君のその手足と弟の鎧!」

タッカー「それも君たちの‘子供の好奇心’とやらが動かされた結果じゃないのかな!?」

エド「ぐ…!」

タッカー「もう…これしかなかったんだ。前回生徒達にバカにされたから今回こそはとね…」

エド「ニーナとアレキサンダーにまで協力させて恥ずかしくないのか!」

タッカー「別に。彼らも進んで協力した事だ。なあニーナ。」

ニーナ「うん!」

エド「そ…そんな…」

アル「兄さん…」

タッカー「はは…きれいごとだけでやっていけるかよ。」

アル「タッカーさん。それ以上喋ったら今度は僕がブチ切れる。」

タッカー「……」

アル「行こう。兄さん。」

タッカー「なんでわかってくれないんだろうねニーナ。」

ニーナ「またお兄ちゃんと遊べるの?」

タッカー「…さあね。」

ニーナ「きっと遊べるよ!ねえお兄ちゃん!」

エド「…ああ。もちろんだ。」

エド「タッカーさん。そういえばひとつ言い忘れてた事があるんだ。」

タッカー「?」

エド「その全身鎧。一度着ると外れないんだよ。」

タッカー「!!」

タッカー「う…ウソだ!!」

エド「試してみなよ。外れないから。」

タッカー「ニーナ。動くなよ。アレキサンダーも。」

ガチャガチャ

タッカー「そんな…!」

ニーナ「どうしたのお父さん?」

エド「子供の好奇心をもて遊んだ罰だ。無理に溶接とかしたら死んじゃうよ。」

タッカー「く…クソ!!」

タッカー「私が悪かった!だから娘を出してくれ!」

エド「ふざけるのはそれぐらいにしてよタッカーさん。オレを敵に回したら…」

エド「どうなるか分かってたんでしょ?」ニヤァ

タッカー「うわぁぁぁぁぁぁ!」

アル(やっぱり兄さんは兄さんだ…)

アル(その後、無事にニーナとアレキサンダーは回収された。タッカーさんの研究は今回で終わりでこれからは真面目に先生をする事にしたらしい。理科の授業…受けにくいな…)

エド「おいデカ犬!こっちに来い!」

アレキサンダー「バウ!」

エド「ちょ!早いって!!」

ニーナ「ははははは!」

アル(まぁ…いっか。)

仲良く遊んでるエド達を遠くから見つめる男がいた。

スカー「エドワード・エルリック…」

スカー「覚えておこう…」

つづく

次回は来週の水曜日予定しています

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