佐倉「野崎くんの誕生日……」 (19)

6月1日

佐倉「もうすぐ……もうすぐで野崎くんの誕生日!!」

佐倉「楽しみだなぁ……誕生日プレゼント何あげようかなぁ……どうやって祝おうかなぁ……」

佐倉「この誕生日パーティで……」









佐倉『野崎くん!! 誕生日おめでとう!!』

野崎『ありがとう佐倉!! その……誕生日プレゼントは……お前がいい!!』

佐倉『はい!!/// 喜んで!!///』










佐倉「……うふふ///」

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佐倉「……って、そんなことあるわけないよね」

佐倉「誕生日プレゼント……何あげようかなぁ」

佐倉「資料用の漫画とか……インクとか……Gペンとかかなぁ」











友達「彼氏の誕生日プレゼント、何がいいかなー?」

友達「財布とかどうかなー? 千代だったら何あげる?」

佐倉「……少なくともタヌキと無縁の物かな」

友達「「タヌキ!!?」」

佐倉「……はっ!!」

佐倉「そういえば野崎くんの誕生日を知ってる人ってどのくらいいるんだろう……」

佐倉「もしも誕生日を知ってる人が私しかいなかったら……祝うのは私だけになる……」

佐倉「……誕生日を祝う時に野崎くんを独り占めできる!!」

佐倉「野崎くんのことだから自分からみんなに祝ってって言うのは考えにくいし……」

佐倉「私と野崎くん……二人きりでパーティ……えへへへ///」

佐倉「早速みんなに聞いてみよう!!」

佐倉「ねーねー鹿島くん!! 結月!!」

鹿島「あっ千代ちゃん!!」

佐倉「二人は6月6日が誰の誕生日か知ってる?」

鹿島「えっと……誰だろう……先生知ってる?」

瀬尾「分かんね」

佐倉「そっかー知らないんだー」ニコニコ

瀬尾「えっ、どうしたの千代。 なんか気持ち悪いんだけど」













若松「6月6日……ですか?」

佐倉「うん!! 誰の誕生日か知ってる!?」

堀「分からねえな……若松は知ってるか?」

若松「いや、俺も全然……」

佐倉「そっかーやっぱり知らないんだー」ニコニコ

佐倉(中学の時に一緒だった若松くんも知らないんだー)

堀「な、なんでそんなニヤニヤしてんだよ……」














御子柴「6月6日? 野崎の誕生日だろ?」

佐倉「」

佐倉「さ、流石みこりん……私のライバルだけあるね」

御子柴「俺がいつ野崎を狙ってるって言ったんだよ」

佐倉「そういえばみこりんはどうやって野崎くんの誕生日を知ったの? 私は直接聞いたけど」

御子柴「俺はな……」










御子柴『今日こそグッドエンディングだすぜ!!』

野崎『頑張れ』

御子柴『……へー、この子の誕生日は6月6日なのか』

野崎『! 俺と一緒か』

御子柴『野崎、6月6日生まれなのか?』

野崎『ああ』












佐倉「そのキャラが6月6日じゃなければ……」

御子柴「すげー悔しそうだなお前」

佐倉「そういえば6日って学校もあるしアシスタントもあるよね」

御子柴「そういやそうだな」

佐倉「……そうだ!! じゃあ6日は野崎くん家に行って二人で祝おうよ!!」

御子柴「そうだな、そうすっか」

佐倉「みこりんは誕生日プレゼントあげるの?」

御子柴「俺か? まぁ一応な。 佐倉もなんかあげんのか?」

佐倉「うん!!」

御子柴「何あげるんだよ?」

佐倉「!! え、ええと……秘密!!」

御子柴「?」

6月6日、朝

野崎「早く学校に行こう」

プルルルル……

野崎「! 電話が……」

ピッ

野崎「もしもし」

野崎「……!! 真由……」

野崎「……!! そうだ、すっかり忘れてた。 今日は俺の誕生日だった」

野崎「……ああ、ありがとう」
















真由「……」

野崎父「お前……なんで無言で電話してるんだ?」

学校

野崎(漫画の事ですっかり忘れてたが……今日は俺の誕生日だった)

野崎(そういえば自分の誕生日は聞かれた時ぐらいにしか言ってない気がするな)

佐倉「野崎くん!! おはよう!!」

野崎「! 佐倉……おはよう」

佐倉「誕生日おめでとう!!」

野崎「!! 覚えててくれたのか?」

佐倉「うん!! 勿論!!」

野崎「嬉しいな……ありがとう」

佐倉「それでね……誕生日プレゼントなんだけどね……」

野崎「!」

佐倉「ごめん、家に置いて来ちゃったの!! だからその……アシスタントに行く時に持ってくるね!!」

野崎「ああ、分かった……忙しかったらまた明日渡しても大丈夫だぞ?」

佐倉「ううん!! 今日渡したいの!!……じゃあまたあとでね!!」

野崎「ああ」

野崎「……」スタスタ

御子柴「よう野崎、ハッピーバースデー」

野崎「! 御子柴……お前も覚えててくれたのか」

御子柴「まぁな」

野崎「ありがとう」

御子柴「誕生日プレゼント持ってきたけどよ、あとでもいいか? 人目につかないところで渡してえからよ」

野崎「!! 人目につかないところで……」

野崎(つまり人が沢山いるこの廊下では普通は渡さないもの……)

野崎「……ラブレターか?」

御子柴「ちげえよ!!」

その後・野崎の家

野崎「まさか渡したい物がフィギュアだとはな……」

御子柴「どうやったらラブレターって発想になるんだよ……」

野崎「……確かに鈴木がいるからほかの人にラブレターを渡すってことはないな」

御子柴「は?」

野崎「!! な、なんでもない……」

野崎「しかし……確かにこの女キャラのフィギュアは人目につくところで渡されるとお前が困るな」

御子柴「だろ? 兎に角そのフィギュア、資料用として使ってくれよな」

野崎「ああ、ありがとう……ところで佐倉はまだだろうか」

御子柴(あいつ……野崎には何渡すんだ?)

ピンポーン

野崎「! 佐倉か……?」

ガチャッ

野崎「はい」

佐倉「の、野崎くん!! 誕生日おめでとう!!!//////」

御子柴「!!!!? 佐倉お前……」

野崎「佐倉……どうして……」








野崎「どうしてセーラー服を着てるんだ?」

佐倉「あ、あのね!!/// 今まで着てって言われても着なかったから!!/// だから野崎くんの誕生日ぐらいは着ようと思って!!///」

野崎「佐倉……」

佐倉「あ、あと手作りケーキ!! これと資料用にセーラー服を着た私!! これが私のプレゼント!!///」

野崎「まさか佐倉……自分の家からずっとセーラー服で来たのか?」

佐倉「さ、流石にそれは恥ずかしいから!!/// 野崎くんのマンションの近くの公園のトイレで着替えたの!!///」

野崎「そうだったのか……」

御子柴「……つーかお前、すげー顔真っ赤だぞ」

佐倉「だ、だって恥ずかしいんだもん!!///」

野崎「佐倉……恥ずかしいにもかかわらず俺の為に……本当にありがとう」

佐倉「野崎くんが気にいってもらえたら何よりだよ!!///」

野崎「よし、その服を着るのも辛いだろうからさっさと撮ろう」

佐倉「えっ!? でもまだケーキが……」

野崎「ケーキは後でいいだろう。 まずは写真を撮ってからだ、これ以上佐倉に無理をさせる訳にもいかない」

佐倉「の、野崎くん……ありがとう……///」

野崎「じゃあ俺が指定したポーズを撮ってもらっていいか?」

佐倉「うん!///」










野崎「じゃあ次はこのポーズで頼む」

佐倉「は、はい!!///」

パシャ

野崎「次はこれで」

佐倉「はい!!///」

パシャ

御子柴「……なぁ、俺はいつまで目を瞑ればいいんだ?」

佐倉「ごめん、もう少しだけ我慢して!!///」

野崎「色々撮れた……ありがとう」

佐倉「ど、どうかな……?///」

野崎「ああ、これとか綺麗だな」

佐倉「き、綺麗!!? そ、そんな!!! わ、わわわわわわわ私なんか……///」

野崎「この窓をバックに撮った写真、外の景色が綺麗だ。 作業ばかりしてたがこんな身近に背景の参考になるのがあるとはな」

佐倉「」

御子柴「紛らわしいんだよお前……」

野崎「?」

佐倉「おまたせ!! 着替えたよ!!」

御子柴「やっと終わったか」

佐倉「えっと……じゃあ改めて……」

佐倉「……野崎くん!! 誕生日おめでとう!!」

御子柴「おめでとさん」

野崎「ああ、ありがとう」

野崎「……そうだ」

御子柴「なんだよ?」

野崎「今度の恋しよっはマミコが友達の誕生日を祝うネタにしよう」

佐倉「あっ!! いいねそれ!!」

野崎「二人が祝わないと思い浮かばなかったネタだ。 ありがとう」

佐倉「どういたしまして!!」

帰り道

佐倉「野崎くんが喜んでくれて本当に良かったー」

御子柴「あいつ、すげー嬉しそうだったな」

佐倉「どうしよう……これが好評でまた着ることになっちゃったら……」

御子柴「まぁ……無理して着る必要はねぇんじゃねえのか?」

佐倉「もし私が断ったら……みこりんが着ることになっちゃう!!」

御子柴「なんねえよ」

佐倉「だ、だって! みこりんの方が似合うもん!!」

御子柴「似合わねぇよ!!!」

その後

野崎(佐倉が頑張ってくれたお陰でいい資料を得れた)

野崎(早速この資料を漫画に使おう)












宮前『夢野さん、今回の話良かったです』

野崎「ありがとうございます」

宮前『けど一つだけ疑問が……』

野崎「なんですか?」

宮前『……なんで今回のマミコ、常時赤面なんですか?』

野崎「あ」

〜終わり〜

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