[ガルパン×孤独のグルメSS]井之頭五郎「アンツィオ高校の鉄板ナポリタン」 (84)

・ガールズ&パンツァーと孤独のグルメのクロスSSです。
・アンツィオ高校の面々と井之頭五郎が出てきます。
・キャラクターの性格の崩壊は、たぶんありません。




~ 静岡県 清水港 ~


ザザーーン………


井之頭(少し、早く着きすぎてしまった……)

井之頭(今回の客は学園艦、アンツィオ高校の戦車道の隊長、安斎千代美さん。
    ここの学園の校長とは長い間懇意にしていただいている。
    イタリアのアンティークを何度も注文して頂いた…昔の話だが)

井之頭(アンツィオ高校の資金難が深刻になってからは、久しくお呼びが
    掛からなかったが…まさか戦車道の隊長さんからアポイントがあるとは…。
    しかもその注文内容が、戦車そのものとは……)

井之頭(一応ツテは持っていたのでイタリア式の戦車をいくつかピックアップしてきたが、
    お気に召すものはあるだろうか?そもそも…いくらアンティークといっても
    戦車だからそれなりに値が張るのだが…予算は足りているのだろうか?)

井之頭「……ここで考えていても仕方ない、か」

井之頭(まだ時間もあるし、アンツィオ高校は資金難を少しでも工面すべく、
    学園艦に観光客を招いているらしい。
    しばらくご無沙汰だったし、少し今のアンツィオ高校を見て回るとしようか)


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ワーワー ワーワー



井之頭(何というか、昔から明るい学校だったが……)

井之頭「随分、様変わりしたな……」

井之頭(見渡す限りの、出店、出店、出店……しかも全てが食べ物とは…)

井之頭(そういえば、ここの校長との取引が終わった後も、よくイタリアンの
    美味い店に連れて行ってもらったか……。
    あの人も食べることに関しては強いこだわりを持っていたな……)

井之頭(あの人はもう引退していると聞いた……。 
    もしまた逢う機会があれば、次は俺が美味い店に連れて行って
    やりたいもんだ)

モブA「いらっしゃい、いらっしゃい!
    アンツィオ名物、パニーニだよ~!とっても美味しいよぉ~!」

井之頭(パニーニ……確かイタリアのサンドイッチ……だったか?
    ここからでもパンの香ばしい匂いやチーズの濃厚な匂いが漂ってくる…)

モブA「あっ!そこのダンディなおじさんっ!一つ食べてかないっ!?」

井之頭「あっ、いや……今は………」ペコッ

井之頭(今から仕事だ……、こんな濃厚な香りを漂わせて相手に会うわけには
    いかない。まあ、仕事でなければ、一つご相伴していたところだろうが)

モブB「らっしゃいらっしゃい!アンツィオ名物ミネストローネだよ!
    あっ、そこのおっさん一杯どうっ!?」

モブC「アンツィオ名物マルゲリータ、たった今焼きあがったよ!
    あ、そこのおじさん一枚ど~うっ!?」

井之頭(……………………………)

井之頭(ここにいてはアンツィオ名物の面々に押しつぶされてしまいそうだ。
    少し早いが戦車道隊長さんに会いに行くとするか……んっ!?)

井之頭「うわっ!?」


ブオーーーーーーーン


モブD「あっ、ごめんなさいイカしたおじ様~~!」

井之頭「イカしたおじ様って…………」

井之頭(あれは、確かカルロ・ヴェローチェだったな。
    こんな出店のひしめく間をあの速度で走れるとは、流石豆戦車)

井之頭(観光客も生徒も笑顔でカルロ・ヴェローチェに手を振っている…。
    どうもこのノリにはついていけそうにない、歳だろうか……)


カルパッチョ「井之頭さん、遠路はるばるようこそお越しくださいました。
       私はアンツィオ戦車道副隊長、カルパッチョと申します」ペコリ

ペパロニ「同じく副隊長のペパロニっす。よろしくお願いしまっす!」ペコリ

アンチョビ「そして私が今回依頼をさせてもらった、
      総帥(ドゥーチェ)アンチョビだ、よろしく頼むぞ!」

井之頭「あっ……えっと……確かご依頼主のお名前は『安斎千代美』様と
    伺っているのですが………」

アンチョビ「その名前で呼ばないでくれ!ここでは『アンチョビ』で
      通してるんだ!」

井之頭「は、はぁ……………」

カルパッチョ「すみません、我々は互いをソウルネームで呼び合っているんです」

ペパロニ「アンチョビ姉さんはアンチョビ姉さんっす!
     断じて安斎ではないっすよ!」

アンチョビ「だからその名前で呼ぶなっつーーの!」

井之頭(……………)

井之頭(どうやら、相当変わったお客さんらしい。
    まあ、必要書類に本名さえ書いてくれれば、呼び方などどうでもいいか…)

井之頭「わかりました……では、アンチョビ…さんでよろしかったですね?
    今回のご注文は、イタリアの戦車ということで、
    いくつか資料をお持ちさせていただきました」つ資料

アンチョビ「おおっ、有難う!……流石に腕利きの個人貿易商と聞き及んだ
      だけはある……色んな戦車があるみたいだな」

ペパロニ「どれもセモベンテやカルロ・ヴェローチェよりも強い戦車ばっかりっすよ!
     これから始まる全国大会に導入できれば、心強いっすね!」

カルパッチョ「井之頭さん。この戦車は全てアンティークとして保管されて
       いるものだと聞いていますが、現在もきちんと動くのでしょうか?」

井之頭「その点は問題なく。こちらのアンティークを保有している業者は
    戦車道連盟に戦車をたびたび納品していることもあり、
    定期的に整備も行っています。納品後すぐに試合に投入することも
    可能であることは保証いたします」

カルパッチョ「それを聞いて安心しました!でも、こちらの戦車は全て
       外国から輸入するのですよね?
       購入することになった場合、納期はどれくらいになるのでしょうか?」

井之頭「そうですね、今回お持ちした資料に記載されている戦車は、
    私が業者に頼んで他に買い手がつかないよう一時保管しているものですので…。
    本日ご購入となった場合すぐに業者に連絡するといっても
    処々の手続きもありますし、仮に重戦車をご希望の場合は輸送の関係上
    船で運ぶことになりますので……一、二ヶ月ぐらいはみていただきたいかと…」

アンチョビ「一、二ヶ月か……少なくとも全国大会の一回戦には間に合わないな…」

ペパロニ「一回戦の相手のマジノ女学院との試合で投入したかったっすね~」

アンチョビ「それは仕方がない、急遽無理を言って資料を持ってきてもらったのは
      こちらだからな」

井之頭「どうされますか?全国大会で使用できるか検討されるということでしたら、
    本日は資料のみお渡しするということでも……」

アンチョビ「いや、本日購入させてもらう。一回戦には間に合わなくても
      その次の試合で本格的に秘密兵器として投入したいからな!
      よし、もうちょっとじっくり見させてもらうぞ!」

井之頭(全国大会一回戦に勝つことは既に彼女の中では確定済みらしい。
    戦車道の隊長ともなればそのくらいの気概がなければ務まらないのだろう。
    その意気やよし、といったところか…)

アンチョビ「………………よし!色々悩んだが、やっぱり当初の予定どおり、
      この戦車を購入させていただこう!」つ資料

井之頭「……カルロ・アルマート。P40重戦車ですね。
    こちらの戦車は先ほど申し上げた通り船での輸送になりますので
    納期も少しお時間を頂くことになるかと……」

アンチョビ「それは構わん!2回戦にでも間に合えばいいんだ!
      1回戦は今まで通り、我々のノリと勢いで乗り越えれば済む話だ!」

ペパロニ「さすがドゥーチェ!潔いっす!」

カルパッチョ「その場合、何としても一回戦に勝たないといけなくなりますね……」

アンチョビ「大丈夫!今まで必死に練習してきたのは何のためだ!
      ここで負けるなど有り得ない!我々は頑張ってきたじゃないか!」

カルパッチョ「…そうですね、ドゥーチェ」

井之頭「……えっと、では早急に手配させて頂くとして、お支払いの方は
    どうされますでしょうか?一括でも分割払いでもお好きな方で…」

アンチョビ「もちろん一括だ!ちまちましたのは嫌いなんでな!
      口座番号を教えてもらえば、期日までに振り込ませてもらう!」

ペパロニ「いままでコツコツ貯金した甲斐があったっすね~。
     昔なら確実に1000回の分割払いを頼んでたところっすよ」

井之頭(……その場合一体完済までにどれほどの年月がかかるのだろうか)

井之頭「あの……貯金したとおっしゃいましたが、この戦車を買えるほどの貯蓄を、
    どうやって……」

アンチョビ「そりゃあずーーーーっと前の戦車道の代からコツコツと。
      おやつの回数を減らしたりして」

井之頭(………気が遠くなるというレベルではない気がするが)

井之頭「わかりました。では今から購入手続きの用紙をお渡ししますので、
    そちらにご記入を……」


       ・



       ・



       ・



井之頭「では、入金が確認され次第、早急に手配させていただきます。
    具体的な納期は後日お電話させていただきますので…」

アンチョビ「うむ、よろしく頼む!ところで井之頭さん、この後はすぐに
      帰ってしまうのか?」

井之頭「え?いえ、特に用事は入っていないですが……」

アンチョビ「であれば私たちがこの学園艦を案内させてもらいたいと
      思うが、どうだ?アンツィオには楽しいところが沢山あるぞ!?」

井之頭「……えっ!?はぁ、まあそれは、有難いですが…」

ペパロニ「屋台の沢山出てるところに案内しますから、遠慮なく食べて、
     遠慮なくお金を落としていってほしいっす!」

カルパッチョ「ちょっとペパロニ!井之頭さんに失礼ですよ!
       すいません井之頭さん、彼女、本音を隠すのが下手で……」

井之頭(………そういうことか。確かに美味そうな出店が軒を連ねていたし、
    何より俺も…………)



井之頭(腹が)

井之頭(減った)



井之頭「わかりました。アンチョビさんたちのお勧めの出店を紹介して下さい」ズイッ

アンチョビ「んおっ!?わ、分かった。じゃあ行こうか。丁度昼時だしな!」

ペパロニ「井之頭のおっさん……急に眼の色が変わったような……」

カルパッチョ「ど、どうしたんでしょうね……」

アンチョビ「さぁ、井之頭さん!とくと御覧じろ!ここがアンツィオの屋台が
      最も多く出店している場所だ!」

カルパッチョ「と言いますか、アンツィオは学園艦の端から端まで色んな場所に
       お店や観光名所がありまして。ここは観光に来られたお客さんが学園艦の
       観光名所を回る中で、必ず通る場所なんですよ」

ペパロニ「ほら、そっちにコロッセオが見えるっしょ?あっちの端っこには真実の口。
     この通りの裏側の開けた場所にはパラティーノの丘があって
     ここで買った食べ物を休憩がてら食べる観光客も多いんすよ」

井之頭「はぁ……………」

井之頭(確かに以前からこの学園艦にはイタリアの名所を模した建造物がいくつも
    そこかしこにあったが、観光客を招いてお金を取れるほど綺麗ではなかったと
    記憶していたが……)

カルパッチョ「不思議そうですね、確か井之頭さんは前校長と懇意にしてらっしゃったと
       伺っています。昔のアンツィオを御存じなら、今の賑わいぶりに困惑
       されるのも、無理ないと思います」

アンチョビ「いよいよ資金難が深刻になってきた時に、今の校長がこの学園艦そのものを
      観光地にして観光客を呼び寄せようと提案したそうでな、金もないのに
      事前投資ということで、無理して各建造物や名所を補修したそうだ。
      当時は批判も強かったらしいけどな」

ペパロニ「それが今じゃこの盛況っぷりなんすから、校長の先見の明もすごいっすよね~」

井之頭(確かに、現校長様の采配には恐れ入るが、それよりも恐ろしいのは
    この辺り一面に充満する芳醇な香りだ)

井之頭(さっきからトマトの酸味やオリーブオイルの独特な香りが鼻腔をくすぐる。
    腹が物凄い勢いで絞まっていく。さっさと飯を食えと俺に催促している)

井之頭(右も左もイタリアン。今日の昼飯はイタリアン以外有り得ない。
    というかイタリア料理以外腹が受け付けないだろう)

井之頭(やはり最初は王道のパスタからいくか?いや、右を見てみろ。
    さっき喰いそびれたパニーニがある。遠目に見てもさっきの出店とは
    入っている具が違う)

井之頭(……いかん、落ち着くんだ。目に見える全てに食いついていては
    食のバランスを欠く。全てイタリア料理、使われる具材もある程度は
    決まってくる。考えなしに食べていては……しかしそんなことを
    考える余裕もないほど全ての食い物が美味そうに見える。
    いや、実際に美味いんだろう。匂いがそれを物語っている)

井之頭(駄目だ、落ち着け。俺はただ、腹が減っているだけなんだ。
    食べたいものを食べればいいだけなんだ)

ペパロニ「……さっきから井之頭のおっさん、出店をきょろきょろ見ては
     唸ってるっすよ。完全に不審者っすね」

アンチョビ「何から食べようか迷ってるんだろう。良い事じゃないか、その食への
      飽くなき欲求!まるで普段の我々を見ているようだ!」

カルパッチョ「ああ……さっきから変な既視感を感じてたんですけど、それだったんですね」

井之頭「………よし」

井之頭「すいません、きのこリゾットを一杯下さい」

モブD「は~い、250円ね!」

井之頭「………えっ!?」

モブD「ふぇっ!?あ、あの…何か…?」ビクッ

井之頭「あ……いえ、すみません。急に大きな声を出してしまって……」

井之頭(250円!?安い、見たところかなり具だくさんで大きめのお茶碗ぐらいの
    プラスチック容器にたっぷりと入っているのに、250円……。
    少し罪悪感を感じてしまう……)

井之頭「えっと……では、これで」つ250エン

モブD「あっ……ま、毎度あり~」ビクビク

井之頭(完全に怯えている……悪いことをしてしまった。
    しかし、これは………)


アンツィオ名物1 きのこたっぷりリゾット
えのき、しめじ、エリンギ……色んな種類のきのこが盛り沢山!
コンソメも控えめ、食欲増進にぴったり!


井之頭(まず一口………)ハフッ

井之頭「んっ!」

井之頭(美味い、柔らかくてきのこはそれぞれが別々の食感で楽しい。
    バターとオリーブオイルの香りが効いてて、するする食えてしまう。
    そして、少し散らしてあるパセリが良いアクセントになってて……)ハフハフ

井之頭(……おいおい、あっという間に一杯食べてしまったぞ。
    もう一杯!いや、焦るな。まだまだ出店は沢山ある。
    じっくり次の品定めをしなくては)

ペパロニ「……猛烈な勢いでリゾットを貪ってると思ったら、空になった容器を
     ションボリしながら見つめてるっすね」

カルパッチョ「お仕事をしてらっしゃる時とは、まるで別人ね……」

アンチョビ「何というか、前の校長があの人をえらく気に入っていたという理由が
      分かった気がするな!」


ダージリン「があああああっ」
ペコ「それ以上はいけません」


井之頭(リゾットのお蔭で程よく胃が温まってきた。今ならいくらでも
    食べられそうだ……ん?)

モブE「アンツィオ名物ペペロンチーノだよ~!シンプルな味わいで美味しいよ~!」

井之頭「ペペロンチーノ………」

井之頭(ミートソース等と並んでパスタの定番ともいえる……よし。
    最初はこいつから攻めるとするか!)コクッ

ペパロニ「今何で頷いたんすかね、姐さん?」

アンチョビ「お目当ての料理を決められたからじゃないか?
      見てみろ、井之頭さんのあの表情。喜色に満ち満ちているじゃないか!」

井之頭「すいません、ペペロンチーノを一皿下さい」

モブE「は~い、300円ね、強面のおじ様!」

井之頭(………………………)

井之頭(どうやらさっきの屋台でのやり取りを見られていたらしい。
    この子は物怖じはしていないが、強面のおじ様って……)

井之頭「えっと……では、これで」つ300エン

モブE「丁度ね、毎度!じゃあこれ、どうぞ!ちょっと盛り、サービスしといたよ!」つパスタ




アンツィオ名物2 安心の味、ペペロンチーノ
ニンニクとオリーブオイルの匂いが食欲を誘う。
少しベーコンやパセリがちりばめられていて、見た目も映える。




井之頭(サービスは有難いのだが、この盛りで300円は大分安い。
    ちゃんと利益が出ているのか心配になる)

井之頭(おっと、いかんいかん。せっかくのパスタが冷めてしまう。
    とりあえず、一口………)パクリ

井之頭「おっ!」

井之頭(見た目あっさりかと思ったら、以外にもブイヨンでしっかりめに
    味がつけてある。それが少し入っているベーコンの塩味によく合っていて…。
    それにたっぷりニンニクが入っている……リゾットを先に食べて正解だった。
    シンプルながらに毎日でも、いくらでも食べられる味だ、美味い)ガツガツガツガツ

カルパッチョ「表情はムスッとしてるのに、勢いよくパスタを口に運ぶ様は、何というか…」

ペパロニ「端から見たら近寄りがたいけど、あたしは結構気に入ったぜ、井之頭のおっさん。
     めっちゃ面白ぇ!」ケラケラ

カルパッチョ「ペパロニったら、またそんな…。まあ、ユニークな方ではあるから
       気持ちは分かるけどね」クスクス

ペパロニ「おっしゃ!何か井之頭のおっさん見てたら、ウチもウズウズしてきたぜ!
     ドゥーチェ!カルパッチョ!ちょっとここ頼むッス!秒で戻ってくるんで!」シュタッ

カルパッチョ「えっ!?ちょっとペパロニ!?……行っちゃいましたね。
       どうしましょうドゥーチェ?」

アンチョビ「どうせペパロニの料理人魂に火がついたんだろう。
      井之頭さんはまだあの調子だし、好きにさせたらいいじゃないか」ハッハッハ

井之頭(…おい、何てことだ。またあっという間になくなってしまったぞ。
    それでいて腹はさらにイタリアンをと俺を責め立ててくる…。
    イタリアン恐るべし……いや、アンツィオ名物恐るべしといったところか…)

井之頭(リゾット、ペペロンチーノ……。今まで食べたのは美味ながら食欲を
    増進させる代物だった…。ここらで一つ、ガツンとインパクトのあるものを食べたい。
    何かないだろうか………おっ!)

井之頭(さっきからずっと視界に入り続けていたパニーニ…。イタリアでは日本でいう
    ところのおにぎりに当たるとも言われる家庭的な料理だが…。
    あの質量…まさに今の俺が求めているガッツリ系の料理ではないか…)

井之頭(よし、次はあれを……いや、まて!)

井之頭(何てことだ……少し離れた場所にもう一軒パニーニの屋台があるぞ…。
    しかもそれぞれが違う具材を挟んでいる……どうする?
    片方は生ハムがこれでもかというほど入っているパニーニ…。
    もう片方は美味そうに焦げ目のついたパンに具材とチーズが挟んである…。
    迷うぞ、どうする……?どちらのパニーニも甲乙つけられない…。
    ここで食い逃すのは惜しいとさえ思えてしまう………ええい!)

井之頭「すいません、パニーニ一つ下さい」

モブF「はいよっ、400円」

井之頭「えっと………では、これで」つ400ヒャクエン

モブF「どうも、出来たての熱々だよ!気を付けて食べてねっ」つパニーニ

井之頭(そして、もう一つ………)ザッザッ

井之頭「すみません、パニーニを一つ下さい」

モブG「え?あ、はい……400円です」

井之頭(………)

井之頭(やはり一つ目を買った足ですぐ二つ目の購入は不自然だったか……。
    しかしどちらかを選べない以上二つとも買うしかない。
    俺が今まで食べた料理は、全てこれを食べるための準備運動だったのだろう。
    そうとしか思えない……)

井之頭「えっと……じゃあ1000円から」つ1000エンサツ

モブG「はい、えっと……600円のお釣りです。出来たてなので気を付けて下さいね」つ600円、パニーニ

井之頭「どうも」

井之頭(よし、準備は整った…。ここじゃなんだからそちらのベンチで頂くとしよう)

アンツィオ名物3 具材色々、熱々パニーニ
生ハムぎっしりのパニーニと、とろけるモッツアレラが食欲を誘うパニーニ。
舌もお腹も大満足!



井之頭(おぉ……何という壮観な光景だ。両手に華とはまさにこのこと……)

井之頭(まずは右手の華……否。パニーニから……)ガブリンチョ

井之頭「うん……!」

井之頭(美味い…!パンはしっとりとしていながらも弾力があって、噛むほどに小麦の
    旨味が口いっぱいに広がる!それに生ハムの柔らかい食感、程よい塩加減が!
    さらにその下に敷かれたレタスのパリッとした食感と瑞々しさが!
    絶望的に良く合っている!シンプルながら最高の組み合わせだ…!)モグモグモグ

井之頭(よし、次は左手のパニーニを……)ガブリュッ

井之頭「おぉ………!」

井之頭(思わず感嘆の声を上げてしまった……。
    パンは香ばしく焼き上げられていて焦げ目がまた食欲をそそる。
    カリッとした食感に、パンからはみ出てしまっているとろけたモッツアレラチーズ。
    そしてモッツアレラに包み隠されていた独特な塩味が癖になるベーコンに
    これは……しめじだろうか?とにかくたっぷりのキノコ、みじん切りにされた
    玉ねぎの食感、オリーブの香り…!)モグモグモグ

井之頭(まるで蓋を開けてみたら宝物がぎっしり詰まっていたって気分だ。
    これが福袋なら大当たりだな…)モグモグモグ

井之頭(いかん、手が止まらん。これだけのボリュームなのにあっという間に
    小さくなってゆく。顎が疲れているはずなのに咀嚼が止まらない。
    大の大人の男を魅了する……。これが、イタリアン……いや)モグモグモグモグ

井之頭(アンツィオ高校の、イタリアンか………!)モグモグモグモグ


井之頭「………ふう。…………あ」

アンチョビ「………………」

カルパッチョ「………………」

井之頭「す、すみません。せっかく案内して頂いたというのに、私だけ勝手に食べてしまって…」

アンチョビ「いやいや、全然構わないぞ!元々それが目的で案内したようなものだからな。
      井之頭さんの見事な食べっぷりに見惚れていただけだ!」

カルパッチョ「声を掛けるのも悪いかなと思いまして。井之頭さんって食事をなさる時は
       お仕事をされている時とはまた違った、真剣な表情をされるので面白くて…。
       あ、すみません。気を悪くしないで下さい。悪い意味で言ったわけでは
       ありませんので……」

アンチョビ「我々アンツィオ高校の生徒は食事に掛けてはとかく真剣だからな!
      井之頭さんがあんなに真剣に我が校の料理を味わってくれていたのが
      嬉しかったのだ!だから決してカルパッチョの言ったことは悪い意味では
      ないぞ!本当だぞっ!?」

井之頭「は、はぁ……。それは、どうも…。……あれ?そういえばペパロニさんはどちらに?」

アンチョビ「ああ、あいつならそろそろ戻ってくると思うけど………」

ペパロニ「お待たせしました~~!井之頭のおっさんはまだ何か食べてるっスか?」

カルパッチョ「だからペパロニっ!井之頭さんの目の前でおっさん呼ばわりは……!」

井之頭「ああ、いえいえ。好きに呼んで頂いて構いません。今は仕事というわけでは
    ないですし、私もざっかけない呼び方の方が性に合ってますので…」

ペパロニ「さすが井之頭のおっさんは懐が広いッスね~。そんなおっさんにこのペパロニ
     特製!鉄板ナポリタンを振舞わせて頂くッス!!」つナポリタン

ペパロニ「もちろん代金は頂くッスけど。300万リラ」

井之頭「………………………………………えっと。では、これで」つ300エン

ペパロニ「ノリが悪いッスよおっさん!そこは『なんでやねん!』とかツッコミを
     入れてくれないと~」

井之頭(……ざっかけない方が好きとは言ったが、いきなりノリツッコミを求められても

アンツィオ名物4 卵トロトロ!鉄板ナポリタン
熱々の鉄板に山盛りのナポリタン。
濃厚な卵とトマトの香りが最高のハーモニー!



井之頭「あ、では失礼して……」パクリンチョ

井之頭「んっ…………!」

井之頭(美味い。固すぎず柔らかすぎず、適度な歯ごたえのパスタにケチャップとはまた
    違うトマトソースが絡められていて。主張し過ぎないように加えられた薄い輪切りの
    ピーマンの苦みが良いアクセントになっている)パクパクパク

井之頭(何よりパスタの上に掛けられているスクランブルエッグ……!ただのスクランブルエッグじゃない。
    ひき肉が入っているしオリーブオイルの香りがプンプン漂ってくる!
    パスタにも使われているトマトソースがこれにもふんだんに使われていて、
    濃厚なのにパスタに絡めると不思議とまろやかになって…………!)バクバクバク

ペパロニ「どうッスか?腕によりをかけたんスけど……」

井之頭「んぐっ………。最高に、美味しいです……!」

ペパロニ「だろっ!?へへへ…アンツィオ秘伝トマトペーストに朝採れの卵を使ってるから
     美味なのは当然なんスけどね~!」

井之頭(……………………………)

井之頭「あの、アンチョビさん」

アンチョビ「ん?」

井之頭「今食べた鉄板ナポリタンには朝採れの卵が使われていて、ボリュームもかなりあります。
    それが300円というのは流石に安すぎる気が……」

井之頭「先ほど食べた料理もそうです。どれもふんだんに色々な具材が使われていて、しかも
    食べ応えがかなりありました。しかしそのどれもが500円以下…。
    経営難の一助とするべく出店をここまで出店していると伺っていましたが、
    この料金設定で本当に利益が出ているのですか?」

アンチョビ「うーん、我が校で生産できる食材を大量に使っているし、安く食材を入荷
      できるルートを持っているから利益は出ているが、基本的には薄利多売だな。
      沢山売らないと赤字だ!」

井之頭「どうして………。今食べた料理は他の店で食べれば確実に800円以上はするでしょう。
    こんなに安価にする理由は、一体………」

アンチョビ「そりゃあ、安くしないと皆気軽に食べられないじゃないか」

井之頭「え………」

カルパッチョ「井之頭さん。確かに私たちは経営難を何とかするべく出店を増やしました。
       でも先ほどドゥーチェも申していたように、私たちはこと食事に関しては
       戦車道と同じくらい真剣なんです」

ペパロニ「ウチの戦車道では、試合で勝っても負けても、試合に関わった全ての人に
     ウチらの最高の手料理を振舞います。試合で疲れた体にパスタは沁みるッスよ!」

アンチョビ「我々は食事に関してはどんな労をも惜しまん!しかしその食事も自分たちだけで
      食べていたのでは美味しさが半減する!
      本当に美味な料理とは、皆で分かち合って食べてこそその真価を発揮するんだ!
      だから皆ワイワイ食事を楽しめるように計らう!
      それこそが、我がアンツィオの流儀なんだ!」ドヤッ

井之頭「……………………」

井之頭(なるほど……。そういえばあの人も美味な料理屋を見つけたらすぐに俺を
    誘ってくれたっけか。あの人の精神は彼だけでなく、このアンツィオ高校に
    根ざしたものだったのだろう)

井之頭(舌や胃袋だけでなく、人々の心までも満腹にしようという見返りを求めない心)

井之頭(やはりアンツィオ高校は、昔から何も、変わっていなかったらしい)

酔っ払い「オラオラぁ~~~!もっと酒を寄越せって!金ならあるんだからよぉ~」つカネ

モブH「あ、あのお客さん!もうベロベロに酔ってらっしゃいますしその辺で止めた方が…」

酔っ払い「何だぁ~~!お嬢ちゃんお客に指図すんのかぁ~~!?いつからそんな偉く
     なったんだここの生徒はぁ~~!?」

モブH「うひぃ………!」

井之頭「あれは………………」

ペパロニ「あーあー。まぁ~たあの手の輩が出たッスか」

井之頭「また、とは……?」

カルパッチョ「ここには観光客向けにイタリアのワインやビールを提供する出店もありまして…。
       観光客の中にはこのお祭りの雰囲気に羽目を外して飲み過ぎて、あのように
       泥酔してしまう方がいるんです…」

アンチョビ「他の観光客やウチの生徒にちょっかいを掛けることも多くて困ってるんだ…。
      とにかくすぐに警備を呼ぶからちょっと待って………」

井之頭「…………………………」スタスタスタ

カルパッチョ「えっ……………?」

ペパロニ「ちょ………井之頭のおっさん?」

アンチョビ「ん……、どうした?」

井之頭「あの」

酔っ払い「んぁ~~~~~?何だぁお前ぇは……!?」

井之頭「ここは美味しい物を食べて、皆が笑顔になるための場所です。
    お酒が飲みたいのなら別の場所で飲んでいただけませんか」

酔っ払い「あぁ……!?何だぁてめぇ………!いきなり現れて説教かぁ……!!?
     何様なんだお前ぇはよぉ………!!?」ギリギリ…

井之頭「止めましょう。貴方は今正常な判断力を失っている。
    何かするにしてもここは人が多すぎる。もっと別の場所で……」

酔っ払い「うっせぇ!!ゴング鳴らしたのはお前ぇだろうがぁ~~~!!」グワッ

カルパッチョ「ああっ!!」

アンチョビ「あ、危ないっ!!」

井之頭「」バッ

井之頭「」バッ

井之頭「」ギュッ

酔っ払い「がああああああ」ギリギリ

酔っ払い「」ドサッ

観光客「お、おい……。すげぇぞあのおっさん……」ヒソヒソ

観光客「酔っ払いを一瞬で倒したぞ……」ヒソヒソ

観光客「何をしたか全く見えなかったわ………」ヒソヒソ

ペパロニ「す、すげぇッスよ井之頭のおっさん!まるで必殺仕事人みたいな動きで感激したッス!!」

カルパッチョ「で、でも井之頭さん。この場を収めて頂いたのは嬉しいのですが、暴力沙汰は…」

アンチョビ「いや……カルパッチョ。見てみろ……」

カルパッチョ「ドゥ……ドゥーチェ?」

アンチョビ「この酔っ払いに別段外傷はない。ただ少し腕の筋肉を傷めているだけだ。
      しかし気絶した。これがどういうことか分かるか……?」

ペパロニ「全然分からないッス。どういうことッスか姉さん?」

アンチョビ「お前はもうちょっと考えろ!つまりだな、井之頭さんの技……アームロックは
      組み合ったあの一瞬で大の大人が気絶するだけの痛みを与えたっていうことだ」

カルパッチョ「な、なるほど……。しかしドゥーチェ?それが何か重要な事なのですか?」

アンチョビ「ああ……どうやら全国大会の1回戦。マジノ女学院との戦いの戦略。
      光明が見えたようだな………!」

井之頭(ああ………いかん。やってしまった。こんな公衆の面前で堂々と技を掛けて
    しまうとは…。注目を集めてしまっているし、食事はこの辺りで切り上げて
    この場を離れなければ………)

アンチョビ「井之頭さん!」

井之頭「あ……アンチョビさん。これは……どうも、申し訳ないことを……」

アンチョビ「いやいや!逆にこちらがお礼を言わなくてはいけないくらいだ!
      迷惑な酔っ払いを鎮圧してくれた上に、世界大会の新たな戦略のヒントを
      くれたんだからなっ!」

井之頭「へ…?ヒント、ですか?」

アンチョビ「ああ、やはり井之頭さんに今回の件を依頼して正解だったぞ!
      これからもよろしく頼む!贔屓にさせてもらうからな!
      酔っ払いのことは気にしなくていいぞ!こっちで片付けておくから!」

井之頭「え、あ……ああ。それは大変、有難いのですが……」

アンチョビ「では、こちらから食事に誘っておいて失礼は承知だが、今日の所はこれで
      失礼させてもらうぞ!早速具体的に作戦を練らないといけないからな!
      カルパッチョ、ペパロニ!皆に緊急招集をかけてくれ!
      うはははは、これは絶対にいけるぞぉ~~~~~!!!」ドドドドド

カルパッチョ「ああ、ドゥーチェ待ってください!い、井之頭さん。申し訳ございませんが
       今回はこれで失礼いたします。納期の電話、お待ちしておりますので!
       ドゥ、ドゥーチェ~~~~~!!」ダダダダダ

ペパロニ「何か急に生き生きしだしたなぁ姉さん。じゃあ井之頭のおっさん、今日は失礼
     させてもらうッス。今度は一緒に飯食いましょうね!
     待ってくださいよドゥーチェーーーーーー!!」ズダダダダ


井之頭(……………………)

井之頭(行ってしまった……。本当に、台風のようだったな…)

井之頭(さっきのアンチョビさんたちのはしゃぎぶりのお蔭で俺への注目も
    逸れているようだ。今のうちにこの場を離れようか……)


ゴロー ゴロー ゴロー イ・ノ・ガシラッ foooo~


井之頭(贔屓にするぞ、か……。これからもお呼びの度に彼女らのテンションに
    付き合わされることになるのだろうか……)

井之頭(……アンツィオ高校に来る楽しみが増えたな……)

井之頭(あの人とは別に、今度は彼女たちを俺のお勧めの店に連れていくか……)


ゴロー ゴロー ゴロー イ・ノ・ガシラッ foooo~






終わり

一旦終わりですが、後日談をすぐに投下します。
好みが分かれるとは思いますが、ずっと書きたかった展開なので
お付き合いいただければ幸いです。
あとふらっとQUSUMIはやりません。すみません。

後日談 「これが本当の、アンツィオ戦です!」


・ガルパンキャラのアンツィオ高校の面々と大洗の面々が出てきます。
・キャラの根本的な性格の崩壊は、まずないと思っています。
・筋肉はいいぞ。




_人人人人人人人人人人人_
>  前回のあらすじ  <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y ̄


戦車道全国大会の1回戦。
マジノ女学院との試合に臨んだアンツィオ高校は恐るべき作戦を展開する!
それはカルロ・ヴェローチェの機動力で素早く敵戦車に近づき、
敵戦車に単身乗り込み、搭乗員を引きずり出す!
動揺する敵搭乗員に素早くアームロックを仕掛け、一瞬のうちに戦闘不能にするのだ!
これによりフラッグ車の車長を含む全ての搭乗員をアームロックにより気絶させ、
見事アンツィオ高校は1回戦を突破することができたのだ!!
このままアンツィオ高校の快進撃は続くのか!?
しかし次の2回戦、アンツィオ高校も思いもよらぬ強敵が待ち構えているのであった!



ブオーーーーーーーン

ペパロニ「今頃あいつらビビッて十字路で立ち往生してるぜ?
     戦いは火力じゃない、おつむの使い方だぁ……」ドヤァ……

味方A「ペパロニ姉さん!発見しました!敵隊長車、Ⅳ号です!」

ペパロニ「他の車両は?」

味方B「見当たりません!Ⅳ号一両のみです!」

ペパロニ「よぉーーし、ここでⅣ号を戦闘不能にすれば他のチームも総崩れに
     なるぜ?なんせⅣ号の車長はあの西住流なんだからな」

ペパロニ「おっしゃぁ!!てめぇら!Ⅳ号から乗員を残らず引きずり出せぇ!
     このペパロニに続けぇ!地獄の果てまで進めぇーー!!」

味方s「「「「「おおおおおぉぉぉぉーーーーーーー!!!」」」」」ドドドドド

味方A「ペ、ペパロニ姉さんっ!?」

ペパロニ「ん?どうした?」

味方B「よ、Ⅳ号の中に………人影がありません!」

ペパロニ「はぁっ!?どういうことだ!?」

味方A「分かりません!砲手も装填手も、操縦手すら見当たりません!」

ペパロニ「何だとっ!?ウチらの『孤独のグルメ』作戦がバレてたってのか!?
     じゃあⅣ号の乗員は一体どこに………」

???「ふふふ……、やはり私の偵察は的確だったでありますなぁ……。 
    しかしアンツィオ高校も爪が甘いであります。
    一度使った戦術が何度も通じると思ったら大間違いです……」ヌッ

ペパロニ「だ、誰だっ!!」

優花里「別に答える必要はないであります。なぜなら貴方達はここでリタイアする
    ことになるのですから……」つギプス

ペパロニ「た、たった一人じゃねぇか!そんなギプス外したって怖くも何とも……!」

優花里「ふふふ………(U^ω^)<にしずみどのー 」グムグムグム………

優花里「(U^ω^)<にしずみどのー  (U^ω^)<にしずみどのー
    (U^ω^)<にしずみどのー  (U^ω^)<にしずみどのー 」グムグムグムグム

優花里「……(U^ω^)<にしずみ、どのー 」メキメキメキ

ペパロニ「なっ………………!!?」

味方A「筋肉が…………肥大化した………!?」

優花里「」ザッ

味方A「ひっ…………」

優花里「パンツァー・ナックル!!!」ヌワッハァーー

味方A「ごあっ!!」ドゴォ!!

味方A「」ドサッ

味方B「ペ、ペパロニ姉さんっ!?」

ペパロニ「狼狽えんじゃねぇ!!筋肉が膨張したことでその輪郭はよりはっきり
     分かるようになったぜ!アンツィオの機動力についてこれるかってんだ!
     囲んで袋叩きにしちまえぇ!!」

味方C「スィー」

味方BCDE「「「「」」」」ザッ!!

優花里「ほぉ……円陣を組んで一気に攻めるつもりですな?
    しかしそれが通じるかどうか………」

ペパロニ「スパーラッ!!」

味方BCDE「「「「[ピーーー]ぇ~~~~~~~~~!!!!」」」」バババッ

味方BCDE「「「「っ!!!???」」」」ピキィーーーン

味方BCDE「「「「」」」」ドサドサドサッ

ペパロニ「なっ!!?どうしたお前らっ!!?」

ペパロニ「な、何だ……?首筋に、花が刺さって………?」

???「神経を麻痺させるツボを突きました。後遺症は残らないですが、しばらく
    四肢は動かせませんよ」ザッ

ペパロニ「こ、今度は誰だよっ!!」

華「五十鈴流暗殺術……平成の世では使う場所はないと思っていましたが、
  まさかアンツィオ高校がこのようなゲリラ戦法で来るとは…。
  私も久々に暴れさせていただきます……」ザッザッ

放送コードにひっかかったので再投下します。すみませんでした。


味方B「ペ、ペパロニ姉さんっ!?」

ペパロニ「狼狽えんじゃねぇ!!筋肉が膨張したことでその輪郭はよりはっきり
     分かるようになったぜ!アンツィオの機動力についてこれるかってんだ!
     囲んで袋叩きにしちまえぇ!!」

味方C「スィー」

味方BCDE「「「「」」」」ザッ!!

優花里「ほぉ……円陣を組んで一気に攻めるつもりですな?
    しかしそれが通じるかどうか………」

ペパロニ「スパーラッ!!」

味方BCDE「「「「ちねぇ~~~~~~~~~!!!!」」」」バババッ

味方BCDE「「「「っ!!!???」」」」ピキィーーーン

味方BCDE「「「「」」」」ドサドサドサッ

ペパロニ「なっ!!?どうしたお前らっ!!?」

ペパロニ「な、何だ……?首筋に、花が刺さって………?」

???「神経を麻痺させるツボを突きました。後遺症は残らないですが、しばらく
    四肢は動かせませんよ」ザッ

ペパロニ「こ、今度は誰だよっ!!」

華「五十鈴流暗殺術……平成の世では使う場所はないと思っていましたが、
  まさかアンツィオ高校がこのようなゲリラ戦法で来るとは…。
  私も久々に暴れさせていただきます……」ザッザッ

味方F「ペパロニ姉さん!ここは私たちに任せて、ドゥーチェの元へ行ってください!」

ペパロニ「馬鹿野郎っ!!ペパロニ様がお前らを置いて退けるかってんだ!!」

味方F「姉さんはドゥーチェにとって必要な人です!ここでむざむざ討たれたら
    誰がドゥーチェを守るんスか!!?」

ペパロニ「お、お前ら………くっ!お前ら、絶対無茶するんじゃねぇぞ!!
     危なくなったらすぐに退くんだ!!分かったな!!?」バッ

???「残念だが、お前たちに逃げ場はもうないぞ」ザッ

ペパロニ「なっ……後ろからっ!!?」

麻子「お前たちをここで討ち、フラッグ車を孤立させる。 
   それが西住さんから与えられた、私たちの役目だからな」つジュース

ペパロニ「くっ……てめぇ一人で何ができるってんだ!!そんなジュースを飲んで
     余裕ぶっこいてんじゃ……!!」

麻子「」チュー

麻子「」ゴクンッ

麻子「」ボンッ!!

麻子「」ボボンッ!!!

麻子「キャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!」メキメキメキッ!!

ペパロニ「なっ……ジュースを一口飲んだだけで、巨大化して………」ゾクッ

麻子「キィイイイイイイイイイイイイイ!!!」ザッ

味方F「姉さん、危ないっ!!!」バッ

麻子「ドーピング・ナックル!!!」ヌワッハァーー

味方F「ごあっ!!」ドゴォ!!

味方F「」ドサッ


ペパロニ「く、くそっ………すまねぇ、お前らっ!!」バッ

???「だから麻子も言ってたでしょ?もう貴方達に逃げ場はないの」ザッ

ペパロニ「またかよ………今度は誰だっ!!!」ギリッ

沙織「やだもー。そんなに睨み付けたってここから逃げられるわけじゃないんだから。
   じゃあ皆盛り上がってるみたいだし、私も………」つゼクシィ

ペパロニ「こっちは部下の想い背負ってるんだよ!!そんな婚活雑誌読んだくらいで、
     何が…………!!」

沙織「………」パラパラパラッ

沙織「」パタンッ

沙織「」カッ

沙織「ああああぁぁぁぁ~~~~~………!!!」メキメキメキッ

ペパロニ「ぐっ………あいつらほどじゃないけど、筋肉が肥大化して、圧縮している…!?」

沙織「やだもーパンチっ!!!」ヌワッハァーー

ペパロニ「ごあっ!!」ドゴォ!!

ペパロニ「―――――っは………」フラッ

ペパロニ「………調子に乗りやがってぇええええええええ!!!!!!」ビキビキビキッ!!!

チュンチュンチュン……



アンチョビ「………………」ソワソワ

アンチョビ「……おい、『孤独のグルメ』作戦はどうなっている?」

ペパロニ『すいません、今それどころじゃないんで後にしてもらえますか……ごあっ!!』ドゴォ!!

アンチョビ「うぇっ!!?お、おい!何か尋常じゃない打撃音が聞こえたぞ!?
      何が起こってるんだ?」

ペパロニ『Ⅳ号の搭乗員と交戦中です。なんでアームロックが効かないのかなぁ……?』

アンチョビ「ちゃんと渡したトレーニングメニューやったんだろうなっ!?」

ペパロニ『ちゃんとやりましたよ、1日3時間』

アンチョビ「はぁあああああ!!???1日3時間じゃ筋肉量足りないから、敵が巨大化
      したら押さえこめないだろうか!!?」

ペパロニ『あ、そっか……さっすが姉さん、賢いッスね………ごあっ!!』ドゴォ!!

アンチョビ「うわぁああああ!?とにかくすぐ向かうから、お前は何とか持ちこたえろよ!いいなっ!?」

アンチョビ「おい、出撃だ!敵はすぐそこまで来ている!!」

カルパッチョ「はいっ!」

アンチョビ「1日最低15時間の筋トレと制服に20キロの鉛を仕込むようあれほど
      言ったのに、何で忘れちゃうかなぁ………」ブロロロロ……

やぁ~~~ってやるやってやるやぁ~~~~~ってやぁるぜっ☆



アンチョビ「ん?何だ、この歌は…………?」

みほ「い~~やなあ~~~いつをっ」つノッキングガン

アンチョビ「お、おい……西住流の……何でアンタ、上着を脱いで……」

みほ「」バキンッバキィン

みほ「」グム……グム…………

みほ「………ぼぉ~~~~っこぼっこぉにぃ~~~~~~」ビキビキビキ………

アンチョビ「あ……………えっと…………………」

カエサル「」つマフラー

カエサル「はぁああああああああ…………」ビキビキビキ……

カルパッチョ「っ!!あの筋肉の膨張……貴ちゃんっ!?」キッ!

カルパッチョ「Ⅲ号突撃砲のリーダー兼装填手は、私に任せて下さいっ!」バッ

アンチョビ「えっ!?それって誰のこと……お、おいカルパッチョ!!
      私を一人にするなぁ~~!!」

みほ「………」ザッザッ

アンチョビ「ひぇ………」ジリッ


ペパロニ「アンチョビ姉さぁ~~~~~~~ん!!!」ドドドドド

アンチョビ「おおペパロニ……って!お前敵に追われてるじゃないか!?
      しかも顔がトマトみたいに膨れ上がってるぞっ!?」

ペパロニ「姉さんっ!!!」ドドドドド

典子「ナックル・スパイクいくよっ!!そぉ~~~~~ぅれっ!!!!」ブワッ!!

ペパロニ「ごあっ!!」ドゴォ!!

ペパロニ「」ズダンッ ズダンッ ズザザザザザ…………

アンチョビ「くぅ…………!!ドゥ、ドゥーチェ・ナックル!!」ゴウッ!!

みほ「」スカッ

みほ「ボコパンチッ!!!」ヌワッハァーー

アンチョビ「ごあっ!!」ドゴォ!!

アンチョビ「う………は………………」ヨロヨロ……

アンチョビ「…………うはぁ…………」ドサッ

ジャッジ『アンツィオ高校フラッグ車車長、戦闘不能っ!!」

ジャッジ『よって大洗女子学園の、勝利っ!!!』

みほ「………………んふっ♪」




終わり

これで終わりです。
皆さんお気付きだと思いますが、典子が放った『ナックル・スパイク』のみ拳圧をペパロニに飛ばし、
その背中を殴りつけています。
他の大洗女子たちの技名は皆即席でつけただけで、実際はただの右ストレートです。
構図としては皆右ストレートで左頬をぶん殴られています。
ここまで読んでくださってありがとうございました。ようやく完結させられました!

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2018年03月17日 (土) 16:27:04   ID: eekra-qM

ガルパンSS そういうのもあるのか

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