優花里「今日は西住殿と買い物です!」 (45)

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アウトレットモール入口



優花里「雪~の進軍氷を踏んで~♪どーれが河やら道さえ知れず~♪」

優花里「ふふふ、西住殿まだかな~」



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不肖秋山優花里、今日は何と!西住殿と買い物へ馳せ参じることになったんです!

水着を選んでくれたお礼(※ウォーター・ウォー!参照)に、今度は私の洋服選びに付き合ってくれるなんて…。

くぅ~、流石西住殿!なんて器が大きい!

あ、ちなみに五十鈴殿は花道の展覧会の準備があるらしくお休みで、武部殿は冷泉殿と一緒に御祖母のお見舞いだそうです。

みんなで買い物出来ないのは、ちょっと残念です…。

ですが!ということは、今日は西住殿と二人きり!

アウトレットモールという名の戦場で、お互いの背中を預け合う姿は、空戦で例えるならまさにロッテ(2機編隊)!

勇猛果敢な西住殿は、さながらメルダースといった…!

は、話が逸れました…。

そんな訳で!今日は待ちに待った買い物当日なのであります!

優花里「どうーせ生きてはかーえらぬつもり~♪……お、あの後ろ姿は!」

西住「…………」

優花里「西住殿~、おはようございます~!」

西住「…………」クルッ

優花里「いやぁ、本日はお日柄も良く……」

まほ「…………」

優花里「買い物日和…」

まほ「…………」

優花里「…………」

優花里「…あ…れ……?」

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
病院


沙織「今頃どうしてるかな~、あの二人」

麻子「買い物してるんじゃないか」

沙織「そんなの知ってるわよ!そういう意味じゃなくてさぁ」

麻子「じゃあどういう意味なんだ」

沙織「ホント麻子って趣がないんだから……」

麻子「別にそんなものなくていい」

沙織「そうじゃなくてさ~、いつもみぽりんにご執心のあのゆかりんが…」

沙織「ご主人様と二人っきりで買い物デートだなんて…何が起こるか楽しみじゃん!」

沙織「もしかして~、あれがこうなってそうなっちゃうんじゃ…!?」

麻子「…いつも思うが、沙織の言ってることは8割型意味不明だぞ」

久子「あんた達静かにおし!!!」

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
アウトレット


優花里「…………」

まほ「…………」

優花里「…あ、あの~」

まほ「何かしら」

優花里「えっと…西住殿は…?」

まほ「…………」

優花里「あ、す、すみません!えっとえっと、みほ…さんは……?」

まほ「みほは来ないわ」

優花里「え…」

まほ「昨日の昼から熱を出したらしくて、今日は来られないわ」

優花里「え…あ…そ…」

優花里「そう…ですか…」

優花里「…………」ショボーン

まほ「ごめんなさいね」

優花里「い、いえ…そんな…!」

優花里「わざわざお伝えいただき、ありがとうございました…」

まほ 「…………」

優花里(……あれ?)

優花里「…えーっと…」

優花里「伝言を伝えるだけなら、メールでもよかったのでは…?」

まほ「…………」

優花里「…………」

まほ「…………」

優花里(…こ、怖い…)プルプル

まほ「…代わりに」

優花里「え?」

まほ「代わりに、今日は私が買い物に付き合うよう…」

まほ「みほから、頼まれたわ」

優花里「…え…」

まほ「…よろしくね」

優花里「…………」

優花里「……こちらこそ……」

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
花道展覧会 控室


.........パサッ.........


華「あ…スモモの花が…」

百合「華さん、どうかしましたか?」

華「あ、いえ……」

百合「あら、花が折れて…」

百合「おかしいわねぇ、この花、今朝業者さんから届いたばかりのものなのに…」

百合「誰も触ってないのに、どうして茎が折れたのかしら?」

華「さぁ……」

華(そういえば、みほさんと優花里さん、今頃お買い物中でしょうか…)

華(…うーん、私も行きたかったです)

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
再びアウトレット


優花里「あ、あの店!その筋には有名なミリタリーショップなんですよ!」

まほ「……そう」

優花里「私のこのバックパックもですね!あの店で購入したものでして……」

優花里「なんと!米軍の特殊部隊にも採用されている大変実用性の高い……!」

まほ「……そう」

優花里「……すみましぇん…興味無いですよね……」

まほ「いえ……」

優花里(うぅ……何を話せばいいのか分からない……)

優花里(お姿は西住殿にどことなく似ているのに、漂う雰囲気が全然違いますよ……)

まほ「…………」

優花里(西住殿はもっとこう…ぽわ〜っとしてて、笑顔が素敵で、優しくて……)

まほ「……あの」

優花里(でも一度戦車に乗り込むと、途端に凛々しい表情になって……)

まほ「……あの、ちょっといいかしら」

優花里「え~?そんな西住殿…」

まほ「…………」

優花里「す、す、す、すみませんすみませんすみません!またいつもの悪い癖が…!」

優花里「…な、何用でしょうか?」

まほ「…えっと、自己紹介がまだだったから」

優花里「あぁ、そういえば…」

まほ「私は…」

優花里「あぁ!皆まで言わないでください!」

優花里「西住まほ殿ですよね!?戦車道の名家である、西住家のご令嬢であり…」

優花里「西住流の正統後継者であらせられる、あの西住まほ殿!」

まほ「え、えぇ…」

優花里「しかも!戦車道の名門校である黒森峰高校では隊長を務められていて…!」

優花里「昨年の全国大会ではなんとMVPにも選ばれ、国際強化選手にもなった超有名人!」

まほ「え、えぇ…」

優花里「し・か・も!我が大洗女子のロンメルこと、西住みほ殿のお姉様でいらっしゃるという……!」

まほ「…………」

優花里「……す、すみません……また悪い癖が……」

まほ「いえ……」

優花里(あうう……また舞い上がってしまった……)

優花里(有名人と戦車を前にすると、どうしても自分が抑えられなくなってしまう……)

まほ「…………」

優花里「……あぁ、えっとですね、私は……」

まほ「秋山優花里さんね」

優花里「えっと秋山…え?」

まほ「大洗女子戦車道部所属……」

まほ「搭乗戦車はⅣ号D型、担当は装填手」

優花里「わ、私のことを知っているのですか!?」

まほ「戦車道において、情報収集は基本中の基本よ」

優花里「…なるほど。敵を知り、己を知れば百戦危うからず」

優花里「ですね…?」ドヤァ

まほ「…………」

優花里「…………」

優花里「い、いやぁ~!それにしても!」

優花里「あの西住まほ殿に、私のことを知っていただけているなんて~…!」

優花里「か…感激ですぅ!」

まほ「…私は、そんなに凄い人間じゃないわ」

まほ「尊敬される様な人物でもない」

優花里「な、何をおっしゃるんですか!?」

優花里「卓越した状況把握能力と、指揮官としての優れた才能…そしてなにより、いつでも冷静沈着な態度!」

優花里「まほ殿は凄いお方ですよ!」

まほ「…………」

優花里「わ…私、僭越ながらまほ殿の試合は全て拝見させて頂きました……」

まほ「え…?」

まほ「全部って……え?」

優花里「黒森峰での公式戦は勿論、国際大会における勇姿も!全てです!」

まほ「そ、そうなの…」

優花里「戦車道の本場、ドイツで勇猛果敢に戦うまほ殿の姿…」

優花里「私、とっても感動しました!」

優花里「同じ日本人として、とても誇らしかったです!」

まほ「…ありがとう」

優花里(あ!笑った!)

優花里(おぉぉぉ~!本日初笑い!これは距離が縮まったのでは!?)

優花里(……っていうか、笑った顔…西住殿そっくりで可愛い……)

優花里(…っと、調子に乗ってはいけないぞ、優花里…またまほ殿を呆れさせて…)

まほ「…ここで立ち話するのも何だし」

優花里「へっ?」

まほ「ちょっと、そこの喫茶店に入らない?」

―――――
喫茶店



優花里「わ~、このモンブラン美味しいですぅ!」

まほ「そう」

優花里「まほ殿のミルフィーユも美味しそ…」

まほ「…………」

優花里「あっ、すみません…さっきから勝手にまほ殿なんて…」

まほ「べつに、何て呼ぼうが構わないわ」

優花里「そ、そうですか…」

優花里(う、うーん…さっき笑ってくれたときはちょっと距離が縮んだように感じられたのですが…)

優花里「やっぱり…まだ距離感が掴めません…」

まほ「…そうか、気を遣わせてしまって申し訳ない」

優花里「え…ああっ!?」

優花里(し、しまった~…!声に出てたー!?)

優花里(ど、どうしよう…)

まほ「…どうも、いけないな」

優花里「え?」

まほ「私はどうも、こうして二人きりになると、相手に気を遣わせてしまうようだ」

優花里「そ、そんな…そんなことないでありますよ!?」ガスッガスッ

まほ「…そうか、フォーク反対になってるぞ」

優花里「あっ…ああ!?」

優花里「あ、あうう~…」

まほ「…っぷ、ふふふ」

優花里(…え…?)

まほ「ふふ…ふぅ、すまない」

優花里「あ、あの~…」

まほ「君があまりにも緊張している様子だったから、つい笑ってしまった」

まほ「気分を害したというなら、謝罪する」

優花里「…い、いいえぇ!?そんなこと全くないでありますよ!?」

優花里「む、むしろ、いくらでも笑ってやってください!」

まほ「ふふ、そうか」

優花里(わ、わ~…)

優花里(な、なんだかよく分からないけど、これはもしや良い雰囲気というやつなのでは…!?)

優花里(こ、これは鉄十字勲章ものの戦果ですね!よくやった!私!)

優花里(…それにしても、やっぱり)

優花里(笑った顔が、西住殿に似てるなぁ)

まほ「…さっき、私といると調子を狂わせてしまうかもしれないと言ったけど」

まほ「どうやら君も、私とは違う意味で相手の調子を狂わせるみたいね」

優花里「え、そ、それって…その…」

まほ「別に非難したわけではないわ」

まほ「ただ、君とこうして話していると…」

まほ「初対面なのに…なんだか気が緩むというか」

優花里「そ、そうでありますか…?」

まほ「ええ、なんだかほっとする」

優花里「…へ?」

まほ「あなたのような友達が側にいるなら、もうみほは大丈夫そうね」

優花里「えっと…それって…?」

まほ「…………」

まほ「…ねえ、あなたの他にも、みほが仲良くしている友達っているのかしら?」

優花里「え…ええ!それはもちろん!」

優花里「まずあんこうチームのメンバーは全員…!あっ、あんこうチームっていうのはⅣ号戦車のメンバーのことなんですけどね?」

優花里「武部殿に五十鈴殿、そして冷泉殿」

優花里「特にこのメンバーとは、同じクラスなので仲も良くてですね!」

優花里「…あっ、ついでに私も西住殿とは仲良くしていただいていて…!」

まほ「…そう」

まほ「武部さんって子は、どんな人なの?」

優花里「武部殿ですか!武部殿はですね~!」




そのあと、まほ殿とは日が暮れるまでたくさんお喋りをしました

主に、大洗に来てからの西住殿の様子や、あとはその友達との関係など

私が、西住殿は今や大洗女子の中心人物として欠かせない存在になっていると話したら

まほ殿は、少し驚いたような、嬉しそうにも見えるような、なんだか穏やかな顔をしていました

本当はまほ殿から戦車についての話とか、試合に対しての考え方とか、色々聞きたいことはあったのですが…

西住殿のことを話していたら、あっという間に時間が過ぎてしまいました

まほ殿のことは、以前から尊敬していたものの、少し怖い人なのかな想像していたのですが

ちゃんとこうして話してみると、とても温かい人なんだと、よく分かりました

こんな優しいお姉さんがいるなんて、西住殿が少しうらやましいであります…



まほ「もうこんな時間か」

まほ「すまない、こんな時間まで着き合わせてしまって」

優花里「い、いえ!とっても楽しかったであります!」

まほ「そうか、ならよかった」

まほ「…もう大会は終わったとはいえ、本来であれば私たちは敵校どうしだ」

まほ「こうして気軽に会うのを、よく思わない部員も少なからずいるのだけれど」

まほ「そんなことを忘れてしまうほど、今日は穏やかな時間を過ごせたわ」

まほ「ありがとう、秋山さん」

優花里「いえそんな…こ、こちらこそ…!」

まほ「私は、今年で高校での戦車道大会も引退となる身だ」

まほ「高校は違うとはいえ、もう、これまでのように戦車道を通じてみほのことを見守ることができない」

まほ「だから、最後に…みほがどんな友達に支えられているのか、それが知りたかった」

優花里「まほ殿…」

まほ「あなたになら、いえ、あなた達になら、安心してみほを預けられます」

まほ「どうか、あと1年…いえ…」

まほ「これから先も、友達として、みほのことを支えてあげてください」

優花里「ま、まほ殿ぉ~…!」

優花里「…お、おまかせください…!必ずや、任務を完遂すると誓います!」

まほ「…ありがとう」

―――――
その後



優花里「それではまほ殿、今日はありがとうございました!」

まほ「ああ、こちらこそ」

まほ「みほに、大洗の人たちによろしく頼む」

優花里「はい!おまかせください!」

優花里「…えっと、つきましてはその~…」

まほ「…なにかしら?」

優花里「あ、あのですね…今日は西住殿の話をするので夢中になってしまったので、その~…」

優花里「戦車のことについて、全然聞けなかったので…その…」

優花里「えっと…!ま、またこうして、お話しをしたいであります!」

まほ「あ、ああ…」

まほ「そうね、また話しましょう」

まほ「今度は…みほも一緒に」

優花里「は、はい!」

優花里「それではまほ殿!また!」

まほ「ああ、また」


「…うぉぉぉ!テンション上がりまくりだぜぇぇぇ!!!!」


まほ「…本当に、面白い子だったな」

まほ「秋山優花里さん、か…」

―――――
時間は少し遡り…
昨夜 みほの住むアパートの一室にて



みほ「ごめんねお姉ちゃん、わざわざ来てもらって…」

まほ「気にするな、元々こちらには大会運営の会合で、明日まで滞在する予定でいたんだからな」

まほ「ビジネスホテルも、ここも、対して変わらないよ」

みほ「そっか…」

まほ「熱の具合はどうだ?」

みほ「うん、昼間よりは良くなったと思う」

みほ「えへへ、この様子なら明日には治っちゃってたりして…」

まほ「だめだ。明日までちゃんと寝ていないと…」

みほ「あうっ…」

まほ「…ほら、まだこんなに熱い」

まほ「熱は夜寝てる間が一番上がりやすいからな、あまり油断はしない方がいい」

みほ「うん…」

みほ「…ふふ、お姉ちゃんの手、冷たいね」

まほ「そうか?」

みほ「うん、昔と同じ…」

みほ「昔から同じ…私の好きな冷たい手」

まほ「…そうか」




…ブー、ブー、ブー、ブー



みほ「あ、携帯鳴ってる…」

まほ「ほら」

みほ「あ、ありがとう」

みほ「えっと…秋山さんから…」

みほ「…あっ!しまった…!」

まほ「どうした?」

みほ「そうだった、明日、秋山さんとアウトレットで買い物する予定があったんだ…」

みほ「熱が出てすっかり抜けてた…どうしよう…」

まほ「…………」

みほ「明日行けそうにないって、ちゃんと謝らないと…」

みほ「でも…こんな時間になってからの連絡じゃ、秋山さん怒るよね…」

まほ「…みほ」

みほ「え、なに…お姉ちゃん」

まほ「その買い物って、何時からする予定だったんだ?」

みほ「…えっと、13時からだけど…」

まほ「そうか…」

まほ「…なあみほ、その明日のその買い物なんだが」

まほ「私が代わりに行っても、構わないかな?」

みほ「えっ、お姉ちゃんが…?」

みほ「でも、明日は会合あるんじゃ…」

まほ「午前中で終わるから、急いで行けば間に合うと思う」

まほ「…まあ、みほが良ければの話なんだが」

みほ「えっと、私は別にかまわないけど…」

みほ「それじゃあ、秋山さんに連絡してOKかどうか聞いてみるね」

まほ「あ…悪いんだが、私が明日行くのは伏せてもらっててもいいか?」

みほ「えっ…どうして?」

まほ「…その、恐らく私が来ると知ったら、友達も嫌がると思うし」

まほ「たぶん、そうでもしないと会ってくれないと思ってな」

みほ「そんなことないと思うけど…」

まほ「まあ、とにかくだ」

まほ「みほがいいなら、明日は私が代わりに行く」

みほ「…そっか」

まほ「私から謝っておくから、みほは安心して寝ていろ」

みほ「うん…わかった…」

みほ「…それじゃあ、おねがい…」

みほ「…………」

まほ(…寝たか)

まほ(みほの友達…か)

まほ(知らない子と話すのはあまり得意じゃないんだが…大丈夫かな…)

まほ「さて、どんな子なのだろうか…」

―――――
週も開けて月曜日 大洗高校 教室



優花里「西住殿!熱下がったんですね~!」

みほ「うん、お陰さまで」

みほ「秋山さん土曜日は本当にごめんなさい…」

みほ「行けなかっただけじゃなくて、断りもなしにお姉ちゃんにも会ってもらっちゃって…」

優花里「いえ!まほ殿との時間は実に有意義でした!」

優花里「西住殿と一緒に買い物できなかったのは少し残念でしたが…」

優花里「それでも二人でたくさんお喋りできて、貴重な時間が過ごせましたよ!」

優花里「むしろ、とても貴重な時間をどうもありがとうございました、と言いたいくらいです!」

みほ「そっか…よかったぁ」

みほ「最初は気まずくなったりしないかなってちょっぴり心配もしてたけど」

みほ「後でお姉ちゃんから話聞いたら、なんだか楽しそうに話してくれたから…」

みほ「秋山さん、本当にありがとう」

優花里「そ、そんな西住殿~…照れますよ~」

みほ「買い物は、また今度一緒にいこうね」

みほ「今度は、みんなと一緒に」

優花里「はい!是非!」

沙織「なになに!?ゆかりんみぽりんのお姉ちゃんとデートしたの!?」

優花里「で、デートだなんて!?そ、そんな~…!?」

沙織「すっごい気になるなぁ~!ちゃんと一から十まで報告して!」

麻子「…沙織、朝からうるさい」

華「あらあら、今日もにぎやかですねぇ」




…ピンポンパンポーン…


「…あー、西住ちゃーん、悪いんだけどさー、なんか今からお偉い人の視察が来るみたいでさー」

「どーも戦車動いてるとこ見せろってことらしくてねー、めんどくさいんだけどぉ、ちょっと話したいことあるからさー」

「今から大至急生徒会室まできてねー。以上~」

「…あ、その他の部員はグランドに今からしゅーご~…はい、今度こそ以上~」


…ピンポンパンポーン…



麻子「…なんだこの雑な連絡は…」

華「なんだか、偉い人が来るとか言ってましたねぇ」

沙織「よく分かんないけど、やっぱ行った方がいいよね?」

みほ「…うん、そうだね」

優花里「うーん、急なこととはいえ、本来授業がある時間に戦車動かせるだなんて、なんだかテンション上がります~!」

みほ「それじゃあ、行こうみんな」




こうして、今日も楽しく戦車が動かせる時間がやってきたのであります

こんな楽しい毎日も、いつかは卒業と共に終わってしまうのでしょうが…

仲良しのみなさんと、戦車道を通して知り合えた仲間たちと、こうして一緒にいられる時間は、今はとっても幸せです

この後、戦車道大会での優勝が取り消されて、学校が再び存続の危機に立たされるという事件も起こるのですが…

それはまだ、これからの話

とにかく、今みなさんとこうして過ごせる時間こそが

私にとって、一番最高の瞬間なのであります!



おわり

おしまい

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