海未「真姫と絵里は大丈夫でしょうか…」

海未「しかしツーリングですか…きっと峠を攻めたりするんでしょうね」

海未「山頂アタックならぬ峠アタック、ですね」

海未「…こういった形で山を攻めるのも悪くないですね」ｷﾗｷﾗ

海未「免許を取るための下調べをしてみましょう！」

海未「秋葉原から通える教習所はいくつかありますね」

海未「簡単にそれぞれを調べてみましたが、ＭＴ車で400ccまで運転できる免許となると費用は約２０万円ですか…」

海未「もし他に125ccや原付の免許を持っていれば安くなるようですが、私は上記の金額ですね」

海未「教習費用の他には免許センターで支払う費用もあるんですね」

海未「高校生には辛い出費です…」

海未「幸い貯金から出せる金額ではありますが、しばらくは穂乃果たちと遊べなくなりそうですね」ｶﾞｯｸﾘ

海未「教習は学科を２６時間、技能教習を１９時間受けるんですね」

海未「第一段階と第二段階とあるようですが、仮免試験がないのでその辺の事はあまり気にしなくてよさそうですね」

海未「学科と技能を一日一回受けたとして単純計算で２６日あれば卒業できる事になりますね」

海未「寒くなるとバイクに乗るのは辛そうですし、暖かい季節のうちにとってしまいましょう」

海未「他にお金が必要な事があるとすれば…バイク本体、ですね」

海未「400ccまで運転できるという事ですし、やはりここは400ccのバイクを選んだ方がお得でしょうか？」

海未「教習も400ccのバイクを使うようですし、卒業後にスムーズに運転できそうですね」

海未「なにより似たサイズの車体なら排気量が大きい方が有利なハズ」

海未「…調べてみますか」

海未「なんと！250cc以上のバイクは車検が必要になるんですね…」

海未「自分でやれば安く済むようですが、お店に依頼すると安くても６万円から、ですか」

海未「二年に一度とは言えこれは高校生にはちょっと厳しいですね」

海未「あれ、でも今買えば車検は高校卒業後にやる事になるんですよね？」

海未「進学しているか就職しているかは解りませんが、その頃なら払える…？」

海未「250cc以下は本体価格も比較的安いですね」

海未「それに400ccと比べると車体が小さいので女性でも扱いが難しくなさそうです」

海未「ただ…車検が無いので点検はおろかメンテナンスすらされずに乗られているものも少なくないようですね…」

海未「そんなハズレを引いてしまった暁には無駄な出費が増えてしまいそうです…」

海未「買う時は信頼できるお店で買うか、詳しい人と一緒にお店に行くのが良さそうですね」

海未「その他にかかる費用といったら…何がありますかね？」

海未「インターネットで調べてみましょう」PCｶﾀｶﾀ


検索（・８・）中♪


海未「ふむ、自賠責保険と任意保険…ですか」

海未「自賠責保険は購入時に絶対に加入しなくてはいけないもの」

海未「そして任意保険はその名のとおり任意で加入するもの、ですか」

海未「何かあった際に自賠責では補いきれないような時に任意保険を使用する、といった感じでしょうか」

海未「任意保険は加入しないという人もいるようですが、私のような初心者こそ加入しておくべきですね」

海未「…いや、まだ免許をとってないどころか教習所に通ってすらいませんけどね」

海未「保険についてはバイクの先輩である絵里と真姫にあとで相談するとしましょう」

海未「他に出費があるとすれば…装備ですかね？」

海未「まずは最低限ヘルメットとグローブがあれば良いでしょうか？」

海未「挙げればキリがありませんし、必要になったら順次揃えていくとしましょう」

海未「大事な事を忘れていました…未成年ですし両親の許可が必要ですね」

海未「真姫はあっさりと許可を得られたそうですが、果たして私の両親は納得してくれるでしょうか…」

海未「…いえ、ならば納得してもらえるようなプレゼンテーションをすれば良いのです！」

海未「絵里に話を聞きつつプレゼンの内容を練る事にしましょう」

海未「大雑把ではありますが、ここまでの経費をまとめてみましょう」

海未「教習費用と…免許センターでの費用…バイク本体に保険に…装備…」ｿﾛﾊﾞﾝ ﾊﾟﾁﾊﾟﾁ

海未「バイク本体の費用によって結果は変わりますが、おおよそ５０万円と言ったところでしょうか」

海未「…え、５０万円もするんですか？」ﾏｼﾞﾃﾞ?

海未「えー…」

海未「計５０万円もかかる物の説得って難しくないですか？」

海未「１６歳から免許が取れるのに乗ってる人が少ない理由が解った気がします」

海未「>>1も金銭的なことで高校生の時の免許取得を諦めたようですしね」

海未「まぁ…頑張って説得する内容を考えるとします」

海未「…一生懸命考えたのに…せっかく夜も寝ないで昼寝して考えたのに！」

海未「まさか免許費用を出してもらえるとは思ってもいませんでした」

海未「車体の購入はさておき、身分証にもなるし免許取得はいずれさせるつもりだったと言われました」

海未「勿論それは二輪ではなく四輪の予定だったようですが、とにかく今回の教習費用は出してもらえる事になりました」

海未「想定より出費が減りましたし、バイク選びに幅が出そうですね！」

海未「というか乗りたいバイクもまだ決めていませんが…おいおい考えるとしましょう」

海未「父の知り合いの方からバイクを譲ってもらえる事になりました！」

海未「250ccのバイクで、しかも無料です！」

海未「なんですかここ最近のラッキー続きは…死んじゃったりしませんよね？」

海未「それはともかく、今度実物を見せていただく事になりました」

海未「楽しみですね…インターネットでどんなバイクなのか見てみましょうか」

海未「なんて名前でしたっけ…」





海未「そうだ、エリミネーターです！」

PCｶﾀｶﾀ

海未「…ちょっと女子高生が乗るにはゴツすぎません？」

海未「かっこいいとは思いますが…ねぇ？」

海未「真姫のバイクは失念しましたが、絵里のバイクは確かスズキのカタナ…」

海未「そうなるとアメリカンタイプではツーリングの際に置いていかれそうですよね、排気量の差もありますし」

海未「ん～…」

海未「…なんて思っていましたが、実物を見たらダメですね、一目惚れしてしまいました」

海未「十年近く前の物らしいですがメンテナンスをしっかりとされていたようで見た目は非常にキレイでしたね」

海未「跨ったところを写真に撮ってもらいましたが、意外と様になってるんじゃないですか？」

海未「私みたいな大和撫子がアメリカンに乗っているというギャップも最高だと思います！」

海未「このまま話を進めてもらうよう父に伝えてきましょう」

穂乃果「海未ちゃーん、ことりちゃーん、帰ろうよー！」

海未「穂乃果、すみませんが今日も予定がありまして…」

ことり「今日もまた？」

穂乃果「じゃあまたね」

海未「はい、それではお先に失礼します」ｽﾀｺﾗｻｯｻｰ

穂乃果「最近なんだか海未ちゃん忙しそうだね」

ことり「放課後だけじゃなく休日もずっとだよね、お家の事で何かあるのかなー？」





海未「さぁ今日から第二段階です、気を引き締めていきますよ！」

海未「絵里から話を聞いていたおかげでスムーズにここまで来ました」

海未「内容は真姫編と一緒なので描写は省略していますが、ペースは真姫より順調です」

海未「この調子なら公道編も真姫みたいに慌てたりはしないでしょうね」ﾌﾌﾝ

海未「さあ、二人とのツーリングに向けて最後まで頑張りますよ！」

真姫「まさか海未まで免許を取るなんて思ってもなかったわ」

絵里「あら、真姫は知らなかったのね？私は何度か相談を受けていたから知ってたわよ」ﾄﾞﾔｯ

真姫「クッ、その顔…でも免許を取って早速ツーリングに誘われるだなんてね」

絵里「そうね、今日のツーリングも楽しみね」

真姫「ところで海未はどんなバイクを買ったのかしら」

絵里「それは私も聞いてないのよね…海未の事だから手堅くスーフォアでも買ったんじゃないかしら？」ｸｽｸｽ

真姫「確かに、海未ならありそうね」ﾌﾌｯ

ﾌﾞﾛﾛﾛﾛﾛ

海未「絵里、真姫、お待たせしました」





おわり