ゆかり「ほんとう、マキさんは都合のいい女ですねぇ」 (29)

ゆかり「まず、朝起こしてくださいというとその時間に起こしてくれます」

ずん子「はあ...」

ずん子(なにかはじまりましたね)

ゆかり「しかも朝食付きで」

ずん子「そこは大事なんですね」

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ゆかり「しかも前日に食べたいものを言っておくとそれにしてくれるんです」

ゆかり「今日はパン、昨日はごはん」

ゆかり「コーンスープも思うままに」

ずん子「私は朝はずんだ餅を食べます」

ゆかり「そしてそのまま、私の着替えを手伝ってくれます」

ゆかり「朝の時間の無い、時間帯にです」

ゆかり「私は何もしなくてもマキさんに着せてもらえばいいのですよ」

ずん子(それはマキさんがどうとかよりも自分でやった方が良いんじゃ)

ゆかり「そして、歯磨きです」

ゆかり「これも、当然マキさんの仕事です」

ずん子「あのー...」

ゆかり「なんでしょう?」

ずん子「そのレベルなら自分でやった方が」

ゆかり「ギクッ...私は腕を動かすのも億劫なので...」

ずん子(愛してるんですねえ...)

ゆかり「そして、靴を履かせてもらい、家を出ます」

ゆかり「鍵もマキさんが閉めるので、空いてた事なんてありません」

ずん子(いつも一緒にいるんですねぇ)

ゆかり「毎日学校を行くのに億劫な道もマキさんに後ろから押して...」

ゆかり「そう!!マキさんブーストで私は楽チンです!!」

ずん子(ゆかりさんが歩くのが遅いだけじゃ)

ゆかり「そして、学校に着いた後もマキさんに何でもやらせちゃいます」

ゆかり「まずは机の中の掃除ですね」

ゆかり「マキさんには汚い汚い机の中を掃除してもらいます」

ずん子(自分で自分の机を汚いって言ってますねえ)

ゆかり「教科書もすべてマキさんに入れてもらってるので安心です」

ずん子「でも、マキさんは忘れても一緒に見せてくれますよ?」

ゆかり「....はい」

ずん子(本当はくっ付いていたんですねえ...)

ゆかり「シャーペンもお揃い!」

ゆかり「消しゴムもお揃い!」

ゆかり「筆箱もストラップもお揃い!」

ずん子「でも、前にゆかりさんだけ変なストラップつけてませんでした?」

ゆかり「それは...」チラッ

ずん子(全部マキさんに買ってもらわないと、自信が持てないんですね)

ゆかり「ノートもたまに取らせちゃいます!」

ずん子「ゆかりさん偶に居眠りしますもんね」

ずん子「でもそういうときっていつも...」

ゆかり「怒られます...」シュン

ずん子(まるで、怒られた子猫のようですね)

ゆかり「そして、お弁当!」

ずん子「私はずんだ餅を食べました」

ゆかり「私はマキさんに作らせたお弁当です」

ゆかり「もちろんタコさんウィンナーじゃないとだめです」

ずん子(なるほど、それでいつも)

ゆかり「そして、昼食後は屋上でお昼寝です」

ずん子「そういえば、いつもお昼休みに居なくなるのって..」

ゆかり「その間もマキさんを働かせます」

ゆかり「私の枕としてね....休みはありません」

ずん子(いつも午後の授業はハイテンションで受けてるのを知らないんでしょうか?)

ゆかり「そして放課後」

ゆかり「放課後はブーストなしでゆっくり帰ります」

ずん子(毎朝ギリギリ登校なので急いでるんでしょうね)

ゆかり「その途中おいしそうな食べ物がゴロゴロ」

ずん子「ずんだ餅とか」

ゆかり「そういう、心を断ち切るのも、マキさんの仕事です」

ずん子「でも、前にゆかりさんがだだこねてるところを茜さんと葵さんが見たって」

ゆかり「///」

ずん子(本当、親子みたいですね)

ゆかり「そして、お家に帰ってからもマキさんを働かせます」

ゆかり「まず、私を着替えさせて、晩御飯の準備です」

ずん子「早いですね」

ゆかり「マキさんには美味しいごはんを出すように指示してますからね」

ずん子(おそらく、最初からその気しかないですよ)

ゆかり「ご飯ができるまで、私はソファーでゴロゴロしています」

ゆかり「もちろん、お手伝いなんてしません」

ゆかり「しかし、偶には監視が必要なので、数分に一回のペースで見に行きます」

ずん子(寂しいんですね)

ゆかり「そして、長い時間をかけてつくった料理を二人で食べます」

ゆかり「そして、晩御飯と朝ごはんはマキさんが食べさせてくれます」

ずん子「へー」

ゆかり「でもお昼はしてくれないんですよ」ショボーン

ずん子(恥ずかしいんでしょうか?)

ゆかり「お腹が膨れたらお風呂です」

ずん子「お風呂を洗ったのも?」

ゆかり「もちろん、マキさんです」

ゆかり「お風呂に入るとき、まず脱がしてもらいます」

ゆかり「そしたら、髪を洗ってもらい」

ゆかり「次に体」

ゆかり「最後に顔をマッサージしてもらうんです」

ゆかり「流石に働かせすぎとは思いますが、マキさんは都合のいい女なので」

ずん子(おそらく、マキさんにとってはこれもご褒美でしょうね)

ゆかり「就寝時間まで、一緒にお勉強をします」

ゆかり「分からない問題があればマキさんが」

ゆかり「読めない漢字があればマキさんが」

ゆかり「聞きそびれた話はマキさんがしてくれます」

ずん子(マキさんがいなくなったらゆかりさんの成績はどうなるんでしょうか?)

ゆかり「一通り、お勉強が終わったら、就寝の時間です」

ずん子「早いですね、何時に寝るんですか?」

ゆかり「私は10時まで起きてるんですよ」フフン

ずん子(何故か誇らしげですね)

ゆかり「寝る時にはマキさんの子守唄が欠かせません」

ゆかり「本当によく眠れます」

ゆかり「優しい声でウトウトと...」

ゆかり「とりあえず、マキさんは眠るまで働かせるのです」

ずん子(まだまだ甘えん坊ですね)

ゆかり「まあ、こんな風に都合の良いマキさんを私は」

ずん子「あのー...ゆかりさん...」チョンチョン

ゆかり「何ですか?せっかく人が話してるときに...」フッ

マキ「ヒック...ウウ...」ポロポロ

ゆかり「ま....マキさん!?」

マキ「ゆかりんが私をそんな風に思ってたなんて」

ゆかり「ち...違います....これは...その」アタフタ

マキ「もういい!!ゆかりんなんか知らない!!」ダダダダダ

ゆかり「ち、違うんですよぉ」ガクガク

ゆかり「まって、ください、マキさん、マキサアアアアアアアアン」ダダダダ

ゆかり「ヒック....ウウェエエン....マキシャアアン...マッテ....マッテエエエエエ」ボロボロボロ

ダダダダダダダ

ずん子「ふふ...」

ずん子「末永くお幸せに」

おわり

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