果南「恋になりたい?」千歌「アクアリウム!」 (43)

初ssです

書き方、マナー等、アドバイスいただけると幸いです

時系列は恋アクドラマパート前後(少々ネタバレ有)

書きため有
恋愛はほぼありません

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1464591801

千歌「おーい!果南ちゃーん!」

果南「おー?」

千歌「すっごいこと思いついたんだよ!みんなで水族館にいくんだよ!」

果南「また唐突な…今度は何たくらんでるのさ…?」

千歌「今度のPVだよ!水族館をテーマにした曲だから、水族館でPVとるの!みんなで下見して、PVにふさわしい場所を探すの!」

果南「あれ、意外とまともな提案かも…なんか面白そうじゃん」

千歌「でしょー!みんなにも話してみようよ!部室いこ!」

―――――

千歌「ふふふーん、たらららったらー」スキップ

果南(ふふ、はしゃいじゃって…千歌は小さいころから水族館好きだったからね)

千歌「果南ちゃんとすいぞっくかんー」ルンルン

果南「わたしと水族館なんて何回も行ったでしょ?そんなに楽しみ?」

千歌「たのしみだよー!だってだってー果南ちゃんお魚のことすっごく詳しいし!さっすがダイビングショップ生まれだよ!」

果南「別にお店で生まれたわけじゃないけど…」

果南(まぁ悪い気はしないかな。海の知識はわたしの数少ない誇れるところだし…)

千歌「せっかくいろんなお魚が見れるんだもん!お魚の勉強にも時間をさかないと!…あ、ちなみに今のはー」

果南「説明しなくていいから…」

―部室―

千歌「と、いうことで、今度の週末にみんなで水族館に行きます!」

梨子「すごく説明がはぶかれたけど…」

曜「この辺りには3つ水族館があるよね?どこに行くの?」

千歌「全部!」

曜「おぉ…これは一大プロジェクトだよ…」

花丸「みんなで水族館かぁ…楽しみだねールビィちゃん!」

ルビィ「うん!学校の外でPV撮影なんて、ちょっと緊張しちゃうけど…」

善子「ふっ、ついにこの堕天使の美しさを校外にも」

ダイヤ「お待ちなさい」

善子「ちょっ、最後まで聞きなさいよ!」

ダイヤ「PVを水族館でとらせていただくためにはできるだけ早くあちら側の許可をとる必要があります」

ダイヤ「このあたりにはなぜか…なぜか!3か所も水族館がありますから、3か所すべてを全員で回ってから許可をとるのでは遅くなってしまいます」

千歌「…つまり?」

ダイヤ「つまり!3班に分かれて3つの水族館を回るのが最も効率的ですわ!」

曜「なるほど…それなら今週末だけで全部まわれそうだね」

梨子「で、その班分けは…」

千歌「わ、わたしは果南ちゃんと…」

ダイヤ「一人一人の希望を聞いていては時間がかかりますから、ここは学年でよいでしょう。ちょうど3人ずつになりますし」

千歌「えぇー!ていうか別に全員でまわってもいいじゃん!急いでまわれば今週の土日だけでまわれるよ!」

ダイヤ「遊びに行くのではないのでしょう?PVにふさわしい場所を探すにはある程度時間をかけて見てまわる必要があります」

千歌「うぅ…でも…」チラ

果南(!…ふぅ…)

果南「ダイヤの言う通りだよ、千歌」

千歌「…え」

果南「今回は遊びに行くのが目的じゃないんだし、ね?」

千歌「…」

果南(ちょっとかわいそうだったかな…)

ダイヤ「では決定ですわね。班は学年別で、日時と場所の割り当ては…」

―帰り道―
(2年生トリオ)


千歌「…」ムスッ

曜「千歌ちゃん?なんか元気ないね」

梨子「水族館のこと?仕方ないよ、ダイヤさんのいうことは正しいもん」

千歌「最近…」

曜「え?」

千歌「果南ちゃんがかまってくれない…」

梨子「予想外の答えが返ってきたね…」

千歌「最近3年生のみんなといることが多いし、さっきもダイヤちゃんに味方してたし」

梨子「それは…3年生は教室だって一緒だし、仕方ないと思うけど…」

曜「それにさっきのも別に千歌ちゃんに意地悪したってわけじゃ…」

千歌「水族館、一緒に行きたかったのになぁ…」トボトボ

千歌「あっ、別に二人と行くのが嫌っていうんじゃなくて…小さいころから水族館に行くときはいつも果南ちゃんと一緒だったから…」

曜「わかってるよ。わたしも果南ちゃんと水族館行ったことあるけど、すごいもんねー」

梨子「すごいって?」

曜「海のことならなんでも知ってる!って感じ!前いっしょに行ったときはねー…」

(3年生トリオ)


鞠莉「この3人で水族館なんて、エキサイティング!」

ダイヤ「遊びに行くのではないのですから、あんまり浮かれないでくださいな」

鞠莉「えぇーダイヤは堅いんだよー、もっと楽しんでいかなきゃ!」

ダイヤ「いーえ!中途半端な気持ちでは水族館の方々にも迷惑がかかります!だいたい鞠莉さんはいつもいつも…」


果南「…うーん、」

鞠莉「…ちかっちのこと?」

果南「え」

鞠莉「さっきから果南もダークな顔してるよ?悩みがあるならこのマリーに言ってごらん?」

果南「別に悩みってほどじゃ…」

鞠莉「さあ!どこからでも!かかってきたまえ!」ヘイヘイカモン

果南「いやいや…」

鞠莉「……ね、今度駅前にクレープの屋台がくるんだって!ちかっちを誘ってあげなよ!」

果南「え?なんで急にそんな話に…」

鞠莉「あーあ、その時はダイヤと二人で帰るのかぁ…肩こりそう…」

ダイヤ「ちょっと!?わたくしの話を聞いていますの!?しかもわたくしといたら肩がこりそうってなんですの!?」

鞠莉「別にー肩はいつもこるよー?ダイヤと違って・・・」チラ

ダイヤ「なぜわたくしの胸をみるんですの…?…上等ですわ!あなたには一度徹底的に説教が必要だと思っていましたの!あなたはいつもわたくしを堅いだのうっとおしいだのと言いますがねぇ!…」

果南「あはは…」

週末
―水族館―

(2年生トリオ)


梨子「はぁ…なんでここまできてカエル…」

曜「まあまあ、水族館はまだまだこれからだから」

梨子「千歌ちゃんと一緒だと心配ごとがつきないよ…」

曜「って!?言ってるそばからあっちに走って行ってる!?」

梨子「ちょ!?千歌ちゃん!?どこ行ってるのー!?」




千歌「じゃあー次はねー梨子ちゃん」クルッ

千歌「誰もついてきてない…」

千歌「…」

千歌「はぐれちゃった!?」


千歌「どどどどーしよー!どこ行っちゃったんだろう二人とも!?」アタフタ

千歌「急いで戻らなきゃー!」ダダダ



――――――――――――



千歌「なんか…余計迷った…?」

千歌「はぁあ…」トボトボ


なんか、昔もこんなことあったな…
水族館で迷子になって、不安で、泣いちゃって
係りの人がいろいろ聞いてくれたのに全然答えられなくて


でも果南ちゃんが一生懸命探し回って見つけてくれたんだっけ


千歌「…」


あのころからなーんにも成長してないなー、わたし

この間の話し合いの時もわがまま言っちゃったし

だから最近一緒にいてくれないのかな…

わたしが振り回してばっかりだから?
だから大人な3年生と一緒にいたほうが楽しいのかな…


千歌(…これからだんだん一緒にいる時間が少なくなっていくのかも)


千歌(果南ちゃん3年生だし、卒業したらお店で本格的に働くのかな…もしかしたら都会の大学に行くってことも…果南ちゃん、頭いいし…)


わたしはずっと突っ走ってばっかりで、きっと気が付いたら後ろには誰もついてきてないんだ

千歌「ひとりになっちゃうのかな、わたし」


千歌「…っ」ウルッ



「あっ!いたいたー!」

千歌「!」

曜「もー、突っ走りすぎだよー」

千歌「…ご、ごめ、ん」ヒック

曜「へっ!?」

梨子「曜ちゃーん?見つかったのー?」タタタ

千歌「り、りこちゃ・・ごめ、ん、なさ・・」ポロポロ

梨子「え!?ちょっと曜ちゃん!?見つけたら説教だ!って言ってたけど、やりすぎだよ!?」

曜「ち、ちが!わたしは…!」

千歌「ちが、うの、りこちゃ…わたしが、かって、に…」ポロポロ


梨子「…曜ちゃーん…?」ゴゴゴゴ

曜「ご、誤解だってー!」

(3年生トリオ)


果南「ペンギン、無事保護されてよかったね」

鞠莉「あーあ、わたしのペンギン…」

ダイヤ「いつからあなたのになりましたの…?」

鞠莉「ダイヤは悔しくないの!?あんなに頑張ってサーチして!キャッチして!
それがわたしたちの責任だって!」

ダイヤ「!」

鞠莉「…ダイヤの言う責任って、もうこれで終わり…?」

ダイヤ「そ、そんな…いや、しかし…」フルフル

果南「いやいや!これでいいんだって!これがあのペンギンが一番幸せな道だって!」

ダイヤ「!」

鞠莉「…ふふっ、果南に一本とられちゃった」

果南「え?」

ダイヤ「わたくしたちのエゴのためにペンギンを縛ってはならないと…
仲間たちと暮らす、この地を守ることこそ、わたくしたちの責任」

鞠莉「大人の事情でキッズが悲しむなんて、そんなの、誰もハッピーにならない」

果南「いや、そこまで言ったつもりは…っていうかキッズじゃなくてペンギンだし…」


鞠莉「はっ!?まさか…」

ダイヤ「?どうしましたの?」

鞠莉「このペンギンたち…エスケープするほどに故郷へ帰りたがっているんじゃ…?」

ダイヤ「なっ!?」



鞠莉「……これより、ミッションを開始する」

―――――――――



果南「…」

今二人は係員さんに叱られています

そりゃ水族館のペンギンを逃がそうとすれば怒られるでしょ

ダイヤは水族館の責任者を呼んで来いとか言ってたし、
鞠莉は裏から忍び込もうとしてたし…


果南「あーあ、退屈だー」ウロウロ


果南(おっ、クラゲの水槽だ)

三津シーのクラゲの水槽は「クラゲの万華鏡」と呼ばれていて、水槽の色がカラフルに変わる


果南(千歌はクラゲの水槽見るの大好きだったっけ)

小さいころから水族館に行くときはいつも千歌と一緒だったから、
何を見ても千歌の笑顔とか「うえぇ、この子気持ち悪―い」とか言ってる
しかめっつらが目に浮かぶ

果南(ふふっ)

クラゲは千歌のお気に入りだ

クラゲが何を考えているのかが気になるらしい

何も考えてないんじゃない?ってわたしが言うと、千歌は
「何にも考えてないなんてわたしみたーい!」
なんてはしゃいでいたけど


果南(ほんとにクラゲみたいなのはわたしの方だよ)

クラゲは自力で泳ぐことも少なくて、水槽に水流をつくってあげなければ、
沈んでしまって動けなくなるんだって


自分からは何もしない、千歌がやりたいことに身を任せてフラフラしてばっかり

きっと千歌がいなければ、わたしは暗い海の底に沈んでしまうんだろう


鞠莉とダイヤは、いつだって自分のやりたいことにまっすぐ進んでる

わたしは…?家がダイビングショップだからダイビングをして、千歌に誘われたからアイドルをして…



「やっぱ果南ちゃんは頼りになるね」って言ってくれることに甘えてる

わたしが千歌を支えてるんだって

本当はわたしは一人じゃ何にもできないのに

鞠莉やダイヤになんてとうてい追いつけない

果南(なんか、自身なくなってきちゃうな)





鞠莉「あーあ、疲れたー」

果南「あ、終わったの?」

誤字:自身→自信
です。



鞠莉「ダイヤはまだお偉いさんと話してるけどー…ん?どうかしたの?暗い顔して」

果南「んー、二人はすごいなーって」

鞠莉「えー?なになにー?ほめてもキッスくらいしかでないよー?」

果南「わたしは二人みたいに自分にまっすぐにはなれないよ」

鞠莉「んー?果南も果南がやりたいようにやったらいいんじゃない?」

果南「わたしは…やりたいことがないっていうか…今まで千歌や周りがやることについてきてばっかりだったから…アイドルも、ダイビングも」



鞠莉「……ね、果南はダイビングは好き?」

果南「え?うーん、まぁ好き、だよ」

鞠莉「じゃあ、ちかっちのことは?」

果南「うぇえ!?」

鞠莉「どうなの?どうなの?」ニヤニヤ


果南「そりゃまぁ、すき、だけど///」

鞠莉「じゃあ果南もやりたいこと、やってるじゃん!」

果南「え?」


鞠莉「やりたいことってなかなか見つからないかもしれないけどね、やってみて初めて好きになることってあると思うの!」

鞠莉「わたしだって、メタルとかロックとか以外は認めてないーなんて言ってたけど、」

鞠莉「今じゃ天下のスクールアイドルだもん!」

果南「で、でも…他人に頼ってばっかりなのは…」

鞠莉「もーう、果南は細かいこときにしすぎ!!お世話になったらセンキュー!」

鞠莉「それだけでみんなハッピーって思わない?」



果南「…ふふ」



果南(千歌はいつも「果南ちゃんありがと!」って言ってくれてたっけ)

果南(…今度会ったとき、わたしもちゃんと伝えてみよっかな)



果南「ほんと、鞠莉はすごいよ」



後日
PV案ミーティング後
―部室―


曜「じゃあ水族館にはわたしとダイヤさん、果南さんで連絡しておくよ」

千歌「うーん、シーラペンガエル…どっかいないかなー…いないなら作るしか…」ブツブツ

善子「この子…とんでもない悪魔を呼び出そうとしているわ…」

千歌(はっ!?もう迷惑かけないって決めたのに…だめだよこんなんじゃ…)ズーン


ダイヤ「三津シーにはこの間多大なご迷惑をお掛けしてしまいましたから…」

ダイヤ「連絡しづらいですわね」ズーン

果南「あはは…じゃあこの辺でお開きってことで」

果南(…よしっ)


果南「千歌、一緒に帰ろっか」

千歌「へっ?…う、うわーもうこんな時間!?わたしこの後用事あったんだよねー!」アセ

曜「えー、そうなのー?」

千歌「うん!みんな先に帰ってていいから!」タタタ

果南「…んーこれは…」

梨子「どうかしたんですか?」

果南「長年の勘ってやつだよ。みんなは帰ってていいよ」

梨子「?」



屋上


千歌(「一緒に帰ろう」なんて、なんか久しぶりだったな)

千歌「!」ブンブン

千歌(だめだめ、果南ちゃんは3年生といるほうがいいんだから…)

千歌(あ、みんなが校門から出ていくのが見える)


果南「なーにやってんの?」

千歌「!帰っていいって言ったのに…」

果南「いいでしょー別に、で?なんか見える?」


千歌「…みんながちっちゃく見えるよ!高みの見物だ!なんちゃって…」

果南「ふふっ…今のはちなみに、千歌の苗字と、高みの見物をかけたんでしょ」

千歌「!…うふふさすがだね!」

果南「何年幼なじみやってると思ってるの?」


千歌「なんでもおみとおしだね」

果南「千歌がなんかうじうじ悩んでることもね」


千歌「!…もう…大きなお世話だよ…」

果南「どうしたの?千歌らしくないよ?」

千歌「いわない」

果南「千歌―?」



千歌「…もう果南ちゃんには頼らないって決めたの!」

果南「!」

千歌「いっつも迷惑かけてばっかりで、きっとわたしといると疲れるだろうし、それに…!」

果南(わたしだって、いつもあなたに支えられてきたのに)

千歌「お店とか大学とか…果南ちゃんのやりたいことをわたしが邪魔しちゃうかもしれないし…!」ポロポロ

果南(幼なじみでも、ちゃんと言葉にしなきゃ伝わらないこともあるんだ)

千歌「うぅ…いつも、ごめ、んね」グス

果南(でもわたしに必要な言葉は「ごめん」じゃないよね)



果南「……あのね、千歌」ダキッ

果南(わたしからも、ちゃんと伝えなきゃ)


千歌「へっ?か、かなんちゃん?」

果南(いつも千歌が言ってくれるみたいに)


果南「わたしはね、自分の好きなことをやってるんだよ」

千歌「…」

果南「好きだからダイビングやってるし、好きだから千歌と一緒にいる」


千歌「…うん」

果南「今まで千歌に迷惑かけられてきたってのは、まぁその通りかもしれないけど」

千歌「うっ…」グサッ

果南「でもね、好きなことを見つけるのが苦手なわたしにいろんなものを見せてくれた」

果南「アイドルなんておっきな夢も教えてくれた」


千歌「かなんちゃん…」ウル

果南「だから…ありがとう、千歌」

千歌「…うん」ポロポロ


果南「だからいっぱいわたしを振り回してよ!その後で一言「ありがとう」って言ってくれたら、それだけで気持ちは伝わるから」

果南「わたしも、千歌にいっぱいありがとうって言うから」


千歌「…うん…ありがと…!」

果南「ふふっ、じゃあ帰ろっか!」

千歌「うん!」



―帰り道―



果南「~♪」

千歌「ねぇ、果南ちゃん」


果南「んー?」

千歌「さっき、わたしのこと好きって言った?」

果南「ぶはっ!?」

千歌「ねぇ~え?」ニヤ

果南(鞠莉に毒された~////)





千歌「わたしも…」

果南「へ?」

千歌「わたしも果南ちゃんのこと、好きだよ」

果南「」




千歌「…なんでも知ってる幼馴染さんに一つ教えてしんぜよう!」

千歌「ちゃんとかまってくれなきゃ、すねちゃうんだからね」ボソッ

果南「」

千歌「ふふっ、さーかえろー!」






果南(ほんとに彼女は…わたしの知らないことを教えてくれる)

果南(この気持ちはなんだろうか……/////)


果南(でも…)


果南「嫌じゃない…かな?////」



おわり


これにておわりです

読んでくださった方、ありがとうございました

感想、アドバイス等お待ちしております

駄文失礼しました

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