【FGO】マシュ「私がお姫様……ですか?」 (27)

「うん。バベッジが蒸気王でオレが蒸気の勇者で。なんか色々少年的で楽しかった」

マシュ「はぁ……」

「確かマスターって契約してるサーヴァントの夢を見るんだっけ。アレがそうなのかな」

マシュ「それとは些か趣きが異なるように感じますが……」

「そっか。でも楽しかったし、マシュも凄い可愛いかったよ。新鮮で」

マシュ「か、かわいい……」

「ドラゴンを倒してお姫様を助ける!……結局は夢オチだけど、良い体験だった」

「駆け寄ってきたマシュを抱き留めようとしたところで夢から覚めちゃったのが惜しかったけど……」

マシュ「抱き締め……ああ、そうなんですね…」

「ん?」

マシュ「私が姫……そして、あなたが勇者……」

マシュ「夢の中でさえ、あなたは……」

マシュ「嗚呼……そんなにも、強く求められたら、私……」



マシュ「……困って、しまいます……」

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「え、えっと……」

マシュ「やはり、あなたの優しさは……あの人の……」

「ご、ごめん。困らせるつもりはなかったんだけど……」

マシュ「ふふ……謝ることなんて。むしろ、私の方が」

「ま、マシュ?」

マシュ「この場所――あなたの隣は、心地が良い」

マシュ「だから、もう少し。もう少しだけ……この関係を」


「どうした? なんか、ヘンな……」


マシュ「いいえ。何もおかしいことなどありません」ピトッ


「……そう、だっけ……」


マシュ「私はマシュ・キリエライト。あなたを守護し、共に歩むもの……これまでも、そしてこれからも」


「……そう、か……」


マシュ「だから、あなたも普段通りでいいのです」


「……普段……通り……」



マシュ「はい。いつも通りに……勇ましく」

マシュ「私の――私だけの、英雄らしく――」

ロマン「あー、ごめん。ちょっといいかな」


「――はっ。一体、なにが」

マシュ「……魔術師……」


ロマン「あれ? てっきりキミの部屋にいるものかと思ったけど違ったか」


「えっと、ドクター? 何かあった?」

ロマン「定期健診の時間なんだけど、◼︎◼︎が見当たらなくてね……◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎、君も心当たりはないかい?」

マシュ「……」

ロマン「……◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎?」


「えっと、マシュは俺が起きた時からここにいたから。よく分からないけど」

ロマン「……マシュ?」

マシュ「……」

「?」

ロマン「もしかして、キミ……彼女が、マシュに見えてるのかい?」

「彼女が、マシュにって……だって」


思わず触りたくなるような銀の――長い、髪。

頼もしさを感じさせる大盾――の如き、大槍。

つい色々と構いたくなるような――困った、表情。



「どこからどう見てもマシュじゃないか」

ロマン「ああ、なるほどね」

「それに、どうでもいいじゃないか」

ロマン「ん?」

「俺だってローマで安珍でクリスティーヌでトロイアでマルタの妹とネロとメディアの弟と似ててシグルドでおかーさんなんだから」

ロマン「あ」


「彼女がマシュでも違くても」

「どうでもいいじゃないか(諦め)」


ロマン「あー……」

「それが嘘でも構わない――立ち続ける、動機になれば」

ロマン「うん。絶対にそういう意味の歌詞ではないよね」

マシュ「あなたも。私と彼を、遠ざけるつもりなの……?」

ロマン「……なるほど。これは重症だ。ボクにはどうしようもないな」

マシュ「……」

ロマン「ここは、専門家に頼るとしよう」

マシュ「……専門家?」


ナイチンゲール「病気と聞いて」

スカサハ「ルーンなら任せろ」


マシュ「……」

ロマン「キミと同格の英霊。さらにスカサハは神殺しのエキスパートだ。コレでも、まだ続けるかい◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎?」

スカサハ「今なら、まだただの戯れだがな。コレ以上に踏み込むのなら――」

ナイチンゲール「関係ありません。さあ、早く身を委ねなさい」

マシュ「……」

「えっと、ちょっと待ってみんな」

ブリュンヒルデ「……仕方ありません。今宵の夢は、ここまでとしましょう」


「あれ?」

スカサハ「懸命な判断だ。起きても覚めぬ夢など、興醒めでしかない」

ブリュンヒルデ「……」

スカサハ「まぁ…分からんでもないがな。此奴の魂は稀有なモノ。お主なら惹かれるのも無理はない」

スカサハ「まだ足りぬというなら、いつでも来い。無論、代償はいただくがな」



「あれ、れ? マシュ? ブリュンヒルデ? オレは……」

ナイチンゲール「黙りなさい」バキッ

「ガッ!?」

ナイチンゲール「あなたは、あなたです。あなたの唯一の強さを失って、どうするのですか」ドスッ

「ゲッ!?」


ロマン「……治療って、なんだろう」

ナイチンゲール「壊れたモノは叩いて直す。そう相場が決まっているのです」

ロマン「前時代的ってレベルじゃないな」

ナイチンゲール「コレが一番効きますから――ほら、しゃんとなさい!」ボカッ!

「ぐぇっ!?」



スカサハ「……と、このようにだ。独り占めなど、聖杯に願っても難しいであろうな?」

スカサハ「無論、それはお主が姿を借りたモノも例外ではない」

ブリュンヒルデ「あぁ……」

夜は明け、朝が来る。

覚醒が近付くにつれて、世界も薄れていく。

マイルームも、ロマンも、サーヴァントたちも――


ブリュンヒルデ「……マスター」

ブリュンヒルデ「コレは所詮、一時の夢にすぎません」

ブリュンヒルデ「白昼夢よりも曖昧な、ただの幻覚」

ブリュンヒルデ「……ですが」


――ただ、その中で。

彼女の顔だけが、ゆっくりと鮮明になって。


ブリュンヒルデ「覚えていなくても、コレだけは……」


柔らかいモノが、重なった。

……。


マシュ「……い! 先輩!?」

「あ、お……う?」

マシュ「大丈夫ですか。私の指は何本見えますか?」

「あ、ああ……三本立ててるね」


「えっと。さっきまで、何をしてたっけ」

マシュ「バベッジさんとの夢の話を。ですが、急にぼーっとして……」

「あぁ……」

マシュ「お疲れのようなので、今日の素材集めは中止にしますか?」

「……そうしようかな。マシュも一緒に寝る?」

マシュ「いっ、一緒に……!?」

「冗談だよ……おやすみ」

マシュ「……あ」




「おやすみなさい、良い眠りを」




おしまい

ブリュンヒルデ宝具強化はやく下さい


いちおかあさんとして言わせてもらうとジャックちゃんにとっておかあさんは自分を愛してくれる人を指す言葉であって誰かと混同してるわけじゃないんやで

>>22
それは知ってるけどただのノリだから細かいところは気にしないで下さい

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