サンシャイン「やめな、ソースの二度漬けは」雨宿まち「ひゃっ!」 (33)

・くまみこ×キン肉マンⅡ世
・(バトルは)ないです
・(需要も分から)ないです

ゆっくり書いていきます

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――都会のとある串カツ屋



サン「そいつはみんなで使うソースだ」

サン「一度口にしたものを漬けちゃ汚いだろ」サク

まち「ス……スミマセン……」シュン



まち(うぅ……このおじさん、すごく大きいよぉ……)

まち(ナツ……私、やっぱりこわいよ……)フルフル


……
…………
………………







――2日前


~スターばっクスでタんぶラヲかってクる~
なつ


まち『すたーばっくすー?』モグモグ

ナツ『そう、スタバ』

ナツ『今度のお休みに街まで降りて、タンブラーを買って来てくるんだよ』

まち『……』パリパリ

ナツ『……みりんせんべい食べるのやめてよ』

まち『むぐ……』モグモグ








ナツ『これは都会の高校に通う上で、必要最低限の社会性を身につけるための宿題です』

まち『』コクコク

ナツ『ちなみに、今回は良夫の車は使っちゃだめだからね』

まち『え、えぇ――っ!?』ガバッ

ナツ『自分の力で電車に乗って、自分の力でお店を探して、自分の力でタンブラーを買わなきゃ』

ナツ『この間のユニクロの時より難しくしないと、そろそろ意味がなくなっちゃうじゃん』

まち『そ、そんなぁ……』

ナツ『まぁいくらなんでも、まちだってスタバのことくらいは知ってると思うし』

ナツ『行けさえすれば、タンブラーを買うことだって問題ないでしょ』

ナツ『都会の人は皆やってるよ?』

まち『う……』ギクッ








まち『そ、そうよ……私だって、スタバくらい……』

ナツ『うん』

まち『……いいわよ、やってやるわよ……』

まち『その……“たんぷら”を買ってこればいいんでしょ』

ナツ『ん?』

まち『え?』

ナツ『なに、よく聞こえなかったよ』

まち『え、あ……』

まち『なんでも……ない』カァー…


……
…………
………………






――半日前


ガタンゴトン

まち(ようやく電車が来てくれたわ……)ハァ…

まち(スタバが国道沿いにあったらこんな時間、かけなくて済むのに)

まち(それに……たんぷらって何よ……)

まち(もぉ……ナツのばかっ)

まち(いくらなんでも、難易度が高すぎるのよ……)グスッ


まち『……』ブンブン

まち(泣き言を言ってる場合じゃないわ……!)

まち(一人でたんぷらを買って、ナツに吠え面かかせてやるんだから!)グッ


……
…………
………………







ワイワイ ガヤガヤ

まち『うぅ……』オロオロ

まち(電車を乗り間違えること数回、ようやく街に着いたのに……)

まち(お洒落な人ばかりで、視線がすごく気になるよぉ……)

まち(日ともたくさんいるし……人酔いしちゃう……)クラッ

まち(さっさと終わらせて、家に帰ろう)

まち(えっと……スタバスタバ……)キョロキョロ

まち(……!)


まち(さすが都会ね!駅のすぐ下にスタバがあるなんて……ツイてるわっ)ニコッ








『エスプレッソ、ソロで』

『ソイラテください』

『キャラメルフラペチーノのグランデをお願いします』

『かしこまりました!』


まち『……』ジーッ



まち(ひええぇぇぇ……何言ってるのか全く分からないよぉ……)オロオロ

まち(それに、誰もたんぷらなんて頼んでないよ……)

まち(どうしよ~っ!)








まち(……!)ガガーン


まち(待って……これは罠よ……!)

まち(私は都会に憧れるばかり、“すたーばっくす”とはてっきり喫茶店のことだと思い込んでいたけど……)

まち(きっと……“たんぷら”はもっと、別の場所で買うものなのよ!)

まち(……いいえ、その“たんぷら”という単語が正しいのかすら疑わしいわね)

まち(ナツの字が汚かったんですもの、読み間違えた可能性だって……!)

まち(ふふふ……危ない所だったわ……)ドヤァ


まち(それに……この揚げ物の匂いの出所……)クンクン

まち(そして、あのお店の名前……間違いないわ!)

まち(私の導き出した答え、それは……!)ゴゴゴ


……
…………
………………






――串カツ屋『星の後光』


ガラッ

店主『いらっしゃい』

まち『……』ドキドキ

まち『す、すみません……』ドキドキ




まち『“てんぷら”くださいっ!』

店主『へ?』


……
…………
………………



外出するので、続きは夜にかきます
ここまで読んでくださった方、ありがとうございます




――そして今に至る……


まち「……」カァー…

サン「……」サク…サク…


まち(どうしよう……すごく恥ずかしいよ……!)

まち(私のとんちんかんな勘違いのせいで)

まち(ここの人にさっそく、田舎者だって思われちゃったわ……!)








まち(もぉ~!天麩羅じゃないなら、そもそもここはなんのご飯屋さんなのよ~っ!)

まち(見た感じ、店のおじさんが串に刺さったものを揚げてるけど……)

まち(少なくとも熊出村じゃ、馴染みのない料理だわ……)


まち(でも、あの後すぐにキャベツを突き出されてそれを断れなかったせいで)

まち(ここを出ようにも出られない空気になっちゃったし……)

まち(キャベツばかり食べてちゃ、おじさんも気を悪くしちゃうだろうし……)


まち(……とりあえず、何か頼んでここを出なきゃ……!)グッ








サン「……」サクサク

サン「……ん」チラッ


まち「あ……ア……の……」フルフル

まち「す……すみ……すみ……」

店主「……」ジュージュ―



まち(うぅ……声が出ない……恥ずかしい……!)

まち(さっきあれだけの恥をかいちゃったから、店主のおじさんの目が見られないよ……!)

まち(は、はやく……頼まなきゃ……早く出なきゃいけないのに……!)








まち(あれ、でも……このたくさんのメニューから何を頼めばいいんだろう……?)

まち「!!」ハッ

まち(こういう雰囲気のお店って……もしかして……!)

まち(さっきのソースのことみたいに、絶対に守らなきゃいけない掟みたいなのがあって……)

まち(それを間違えると……)ガクガク


……
…………

店主『あぁん……?最初にシイタケだぁ!?』クワッ

サン『そいつぁタブーだ!この馬鹿野郎ッ!』ドンッ

店主『この物を知らねェ田舎モンがぁー!けえれー!』ギャオーッ

まち『ひぃーっ!』

…………
……


まち(って、なっちゃったりしたら……!)ブルブル








まち「……どうし……よぉ……」ウルウル

まち「……助けてよ……ナツ……」ポロ…ポロ…



サン「……おやじ」

サン「このお嬢さんに適当に見繕って揚げてやってくれ」

店主「あいよー」

まち「え……」グスッ








店主「はい、お待ちどう」コトッ

まち「あ……」

串カツ「」ホカホカ


サン「……」サク

まち「……え……」

まち「……えと……!」








まち(お、お礼を言わなきゃ……!)

まち「あ……の……」フルフル

サン「……あんた、こういう店は初めてか」

まち「え……は、ひゃいっ」ビクッ


サン「まぁ、気を楽にしていればいいさ……」

サン「他の客に迷惑が掛からねぇ程度にな」

まち「……」コクッ

サン「おいおい、せっかくの揚げたてが冷めちまうぜ」

サン「さっさと食ったほうがいい」

まち「あっ……ごめんなさい……」ビクッ








サン「このソース溜めに、カツを一度だけ漬けるんだ」

まち「は、はいっ」スッ


まち「ん……」サク…

まち(……おいしい……)モグモグ

サン「どうしてもソースを追加したいときは……」

サン「まだ口をつけていないキャベツを使って、ソースを掬ってかけてやればいい」

サン「あとは食いたいと思ったものを、素直におやじに頼む……それだけだ」

まち「……」サクサク

まち(この人、“くしかつ”業界の回し者の人なのかな……)ジーッ








サン「最近は大阪だけでなく、東北の街にもこういった店が増えてきた」

サン「今のワシのように……他にできることも無く放浪する身とあっちゃ、実に有り難い話だ」

まち(これ、ホタテかな……?)ジッ…

サン「思い出すな……」

サン「何年か前にも、こういう店でさっきみてぇに……」

サン「ガキを相手にソースの事で、注意をしたことがあった」

サン「そういえばあいつも丁度、お嬢さんと同じくらいの歳だったなァ」

まち(あ、シューマイだったぁ♪)サクサク








サン「なぁお嬢さん」

まち「ひゃっ」ビクッ

サン「アンタ、どっから来たんだ」

サン「さっきから見てると、ここいらのもんじゃねえみたいだが……」

まち「う……」


まち(見ず知らずの人なのに、なんでこんなこと聞いてくるんだろう……)

まち(なんか眼帯してるし、人相悪いし……よく見るとものすごく人間離れした体つきだし)

まち(もしかして、ナツの言ってた一筋縄にはいかないって……こういう事なの!?)ガーン








サン「……」サクサク

まち(すごく……あやしい……!)


まち(……でも)

まち(さっきは一度助けてもらってるし……)

まち(ここで質問に答えないのは……人として何かがおかしいわよね……)シュン


まち「……あの……実は……」


……
…………
………………



今日はここまでです
多分、明日には終わります

ここまで読んでくださった方、ありがとうございました

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