橘ありす「・・・Pさんが、病気?」 (61)

モバマスSSです。
口調とか呼称とか展開とか細かい所とか滅茶苦茶です。それでも良ければどうぞ読んでって下さい。
最後まで書き溜めてあります。



ありす「Pさんが、病気?」

ちひろ「そうなの。先週からずっと顔色が悪かったでしょ?今日はついに病欠の連絡が有って・・・」

ありす「あの人が病気というのも珍しいですが、お仕事を休まれるのはもっと稀有なことですね。・・・そこまで悪いんですか?」

ちひろ「それが病院に行っても分からないそうなのよ。今日大きな病院で検査してくるらしいけど・・・」

ありす「・・・分かりました。仕事のことなら心配しないで下さい。スケジュールはちゃんと頭に入ってますから。送迎も不要です。」

ちひろ「ありがとう。でも、送り迎えは木場さんに頼んであるから大丈夫よ。流石にありすちゃん一人で移動させるのは事務所として不味いから。」

ありす「・・・そうですか。」








ありす「Pさん、今日もお休みですか?」

ちひろ「え、ええ!なんでも検査が長引いてるみたいでね!ほら、今ってインフルエンザが流行ってるでしょう?病院も混んでるみたいで・・・」

ありす「・・・そんな子供騙しの嘘、聞きたくありません。・・・一月も掛かる検査なんて、ある訳がないじゃないですか。」

ちひろ「・・・流石にありすちゃんには通用しないか。・・・誰にも言わないって、約束出来る?上には止められてるんだけど、Pさんの担当アイドルのありすちゃんには知っておいて欲しいの。」

ありす「分かりました。話して下さい。」

ちひろ「・・・Pさんね、病気なの。それも、物凄く重い。」

ありす「・・・・・・治らないんですか?」


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1464473439

ちひろ「いいえ。でも、手術費用が莫大でね。・・・二千万円、必要らしいの。」

ありす「二千万円・・・でも、そのくらいなら、Pさんのご両親がお家を売るとかすれば・・・」

ちひろ「・・・Pさん、身寄りがないのよ。生まれつき。だから・・・」

ありす「・・・そんな・・・」

ちひろ「今Pさんは休職中ということになってるわ。でも、事実上解雇扱いね。」

ありす「・・・なんとかならないんですか?事務所からお金を出すとか・・・」

ちひろ「残念だけど、一従業員の為にそこまでの出費は出来ないというのが事務所の出した結論よ。・・・私もどうにかしようとしたんだけど、駄目だったわ。」

ありす「・・・・・・・・・」

ちひろ「本当に、ごめんなさいありすちゃん。弱い大人で・・・ごめんなさい。」

ありす「・・・私が、私がなんとかします。」

ちひろ「・・・ありすちゃん、気持ちは分かるけどね、二千万円っていうのは「いいえ!」

ありす「いいえ。なんとかしてみせます。・・・絶対に。」

ちひろ「・・・ありすちゃん・・・」










司会者「へー!それでありすちゃんは今、こうやってテレビに出る度に募金をお願いしてるんだね。」

ありす「はい。・・・繰り返しますが、私とPさんは決してプロデューサーとアイドル以上の関係ではありません。・・ですが、プロデューサーとアイドルとしては、最高の関係でした。」

ありす「私はあの人を失くす訳にはいかないんです。これから先、アイドルを続けていく為に。」

ありす「ですから皆さん、勝手なお願いだとは分かっています。ですがどうか、どうかご寄付をお願いします。」

司会者「ううーん、泣かせるなぁ!テレビの前の皆さん、こんな小さな子がこんな立派に頭下げてるんですから、応援してあげましょう!」

ありす「・・・ありがとうございます、ありがとうございます・・・」ポロポロ

司会者「わわ!ありすちゃん泣いちゃ駄目!ほら、〆るから笑顔笑顔!今週のゲストは橘ありすちゃんでした!それでは来週も~~~」

ありす・司会者「生っすか、サンデー!」

オツカレサマデシター
ココツギツカウンデサンジュップンデテッシュウオネガイシマスー

司会者「ありすちゃん、お疲れ様!」

ありす「お疲れ様でした。・・・すいません、最後、あんな醜態を見せてしまって。」

司会者「ううん!大丈夫!・・・無理もないもん。・・・Pさん、具合はどう?」

ありす「・・・どんどん悪くなってる、そうです。お医者さんの話では、あと、は、半年、持たないかもって」

司会者「・・・良し!ありすちゃん!私もありすちゃんの手伝いしても良いかなっ?」

ありす「て、手伝いですか?」

司会者「うんっ!私、今持ってる番組全部でありすちゃんが募金してるお話するよ!毎週!それで少しは力になれるかも!」

ありす「・・・!!ほ、本当ですか?--さんほどの方にそうして頂ければ・・・でも、この番組でこの話をするのも、かなり無理を言ってやらせて頂いたのに、この上そんな・・・」

司会者「あははっ、ありすちゃんはそんなこと心配しなくて良いんだよっ!」

ありす「・・・あ゛、ありが、あ゛りがと゛うございま゛す」

司会者「・・・今なら、泣いて良いよ?」

ありす「・・・う、うああああああああ!!」

司会者「よしよし・・・ありすちゃんの気持ち、私ちょっと分かるんだ。」

司会者「・・・大丈夫だよ。きっと、大丈夫。」








木場「ただいま。橘君、無事家まで送ってきたよ。」

ちひろ「あっ、おかえりなさい木場さん。ありがとうございます。・・・すいません、アイドルの送迎に加えて、こうして書類仕事まで手伝って貰っちゃって。」

木場「なに、こんな時だからね。・・・しかし、彼が元々していた仕事量の凄まじさが伺いしれるね、これは。」

木場「彼が戻ってきても、私は彼の仕事を手伝おうと思うよ。」

ちひろ「・・・そうですか。」

木場「ところで・・・橘君のこと、どう思う?」

ちひろ「・・・無理し過ぎ、ですね。元々頭の良い子だとは思ってましたけど、一人で勝手に物凄い量の仕事を取ってきてます。そうして出た番組、ラジオ、雑誌の取材等の全てでPさんへの募金を呼び掛けてる。」

木場「実際、募金の方はどうなんだい?」

ちひろ「・・・一千万円ほどは集まっています。が、それも私達身内が出せるだけ出して、の合計額です。」

木場「そして必要額は二千万・・・あと一千万円か。」

ちひろ「ありすちゃん以外にも、頑張ってくれている子達は沢山居ます。みんなギャラの殆どをPさんの手術費用として寄付してくれているんですよ。・・・それでも・・・」

木場「現実は遠い、か。」

ちひろ「私、事務員として会社の帳簿を何時も整理してて、少し感覚が狂ってました。・・・二千万円くらいなら、なんとかなるかもって。」

木場「・・・まだ分からんさ。・・・なぁちひろさん、子供達があんなに頑張っているんだ。大人の私達が弱音を吐いちゃいけない。」

ちひろ「・・・ごめんなさい。」

木場「・・・あと二か月、か」








急がないと。急がないと。急がないと。

このところ毎晩、Pさんが死んでしまう夢を見る。その度に私は飛び起きる。

急がないと。急がないと。急がないと。

元々私のファンは、私のことを好いてくれて、応援してくれている人達だ。私が男の人の為に頭を下げるのを見て良く思わない人は沢山居るらしかった。

私は普段の三倍は努力し、歌い、笑い、頭を下げた。けれど、お金は思うように集まらない。

急がないと。急がないと。急がないと。

考えろ。私に出来ることを。

私はアイドルだ。自分の顔で、身体で、歌で、演技で、お金を稼ぐことが出来るはずの存在だ。

もっと、もっと何か出来る筈だ。

急がないと。急がないと。急がないと。


時間が、無い。

Pさんがあと半年、と言われてから五ヵ月が経とうとしている。

残り、八百万円・・・






見つけた。一日で八百万円稼ぐ方法。

私はタブレットの画面を覗き込みながら、それを決心する。

これがどんな行為なのかは知っている。理解している。ネットに流れた情報は、二度と消すことが出来ないということだって分かっている。

それでも、それでも。






木場「泉君、橘君を見なかったかい?」

泉「ありすちゃんですか?さっき打ち合わせが終わって帰ってきてましたけど・・・その辺りに居ませんでした?」

木場「それが見当たらなくてね。・・・例の頃まで、もうあと二週間だ。今彼女を見失うのはかなり不味いことだよ。行先に心当たりはないかい?」

泉「すいません、ちょっと分からないです・・・とりあえず、ちひろさんに電話してみますか?」

木場「ああ、そうだね。そうして欲しい。・・・いや、やっぱり良い。丁度ちひろさんから電話だ。ーーもしもし?」

ちひろ「き、木場さんっ!直ぐに五階のサーバールームに向かって下さい!」

木場「どうしたんだねそんなに慌てて。サーバールーム?そんなもの有ったか?」

ちひろ「あるんですよ!うちは自社のネットコンテンツはほぼ全て自前のサーバーで発信してるんです!そこにありすちゃんが!」

木場「橘君が?彼女がどうしてそんな所に?」

泉「・・・・・・・・・」

ちひろ「ああっ、もう!何でも良いから何かネットを見てみてください!Twitterとかで良いです!」

木場「一旦落ち着き給えよ。ええと、Twitter・・・なんだこれは?」



ーーーあのアイドル橘ありすが裸配信中!お前ら急げ!

ーーーガセかと思ったらマジじゃねぇか!

ーーーそういや最近募金募金言ってたな。にしてもそこまでするか普通?

ーーーおいお前らやめろ!ありすちゃんはまだ小学生だぞ!

ーーー本人が頼んでるんじゃねぇかww何も悪いことはしてねぇよww

ーーー振り込んだ奴らは絶対後で逮捕だからな。勿論俺達ファンもゆるさねぇ。絶対にだ。

ーーーならお前らが金用意してやれよwwJSアイドルの裸見れんならなんでもいいわww

木場「・・・な、なんだこれは!」

ちひろ「ありすちゃんです!ありすちゃんがーーー自分の体を売ってお金を作ろうとしているんです!」

泉「・・・な、何これ?なんで?聞いてたのとちが・・・・」

ちひろ「とにかくサーバールームに向かって下さい!そこまで行けば外部からでも通信の遮断は可能です!」

木場「よし、分かった直ぐに・・・」

泉「ま、待って!駄目なんです!」

木場「何?どういうことだね泉君?」

泉「わ、私、ありすちゃんに頼まれて・・・ネットで大々的に募金を募りたい、土下座配信をしてなんとか同情を誘うって・・・こ、こんなことするなんて私」

木場「頼まれた!?何を!」

泉「サ、サーバーの設定を弄ったり、動画配信が出来るようにしたり・・・い、今はあそこの一室はこのビル内では完全なスタンドアローン状態なんです!中に入らなきゃどうやっても止められません!」

ちひろ「木場さん!?木場さんどうしたんですか?

木場「くっ・・・賢すぎる子供というものは!とにかくサーバールームへ向かう!五階だったな!」








ありす「・・・そろそろ気取られた頃ですね。ですが、なんとか間に合いそうです。」

ありす「皆さん、今日は私の為に集まって下さって、どうもありがとうございます。さて、本日行うのは、まぁ、野球拳のようなものだとでも思って下さって構いません。」

ありす「ただし、脱ぐのは私だけです。百万円の寄付があるごとに一枚、脱ぎます。口座番号は画面の左上に見えているものです。ふふ・・・シンプルで良いでしょう?」



木場「橘君!ここを開けたまえ!橘君!」ドンドンドンドン

泉「だ、駄目です!ここまでするということは、物理的に計画を阻止されることへの対処も相当しているはず!並大抵のことではこのドアは開きません!」

木場「くっ・・・」



ありす「来ましたか。・・・時間制限がありますので、皆さんどうかお急ぎを。では、始めます」

ありす「おや・・・既にもう三百万円も寄付が有ったみたいですね。ありがとうございます。」

ありす「・・・それでは、三枚。」

泉「ど、どうすれば、どうすれば!・・・そうだ、晶葉ちゃんの作業用ロボを!確かこのビルにも置いてあったはずです!あれなら!」

木場「・・・いや、必要ないよ。泉君、このビルはね、全館禁煙なんだ。」

泉「え?そ、それがどうかしたんですか?」

木場「やれやれ・・・父が喫煙者だったことに感謝するのは初めてだよ。」

木場「大人を舐めるなよ、橘君。」




ジリリリリリリリリリリリリリリリリ!!!!!!!!!



ありす「!?な、何が・・・つめたっ!?」

ありす「これは・・・スプリンクラー!?・・・パ、パソコンが!」




泉「そうか、防火設備!」

木場「・・・このビルは災害対策がきっちりしていてね。全館全室に消化装置が備え付けてある。当然、サーバー自体はこれでは壊れないように保護なりなんなりされている可能性はあるが・・・彼女が使っているPC自体は、どうかな。」

泉「配信切れてます!よ、良かったぁ・・・」

木場「やれやれ、形見のライターがびしょびしょだよ。・・・ありがとう、お父さん。」

346プロのパソコンなら防水加工くらいされてると思ったのに(入金手前)

ありす「・・・どうして」

ありす「どうして、邪魔をするんですか!Pさんが・・・Pさんが死んじゃったら!私は!」

ありす「う、うあああああああーーー!!!」



泉「・・・どうしますか?」

木場「・・・なに、お腹が空けば出てくるさ。わざわざ壁をくり抜くような真似は必要無い。それに・・・」

木場「彼女が服の袖を乾かす時間も、必要だろうしね。」






二週間後



ちひろ「・・・とんでもないことをしてくれましたね、ありすちゃん。」

ありす「・・・・・・・・・」

ちひろ「このビル全体のスプリンクラーが作動したことで出た諸々の損害・・・そんなことは些事に過ぎません。最大の被害に比べればね。」

ちひろ「うちの評判はガタ落ちですよ。株価が幾ら落ちたか、聞いてみますか?ワイドショーはあなたの話題で持ちきりです。」

ちひろ「局関係者からも、もううちのアイドルは使いたくない、との声が上がってきています。・・・この損害、どう責任を取るんですか?」

ありす「・・・・・・にが・・・」

ちひろ「・・・なんですか?」

ありす「・・・なにが、なにが損害ですか!何が被害ですか!・・・あの人が、あの人が死んじゃうことと比べたらそんなことどうだって良いじゃないですか!」

ありす「あとちょっと、あとちょっとだったのに!」

ちひろ「・・・あの人、とは誰のことですか?誰が死ぬんですか?」

ありす「何を言ってるんですか!あの人はあの人に決まって・・・」

P「よっ」

ありす「・・・・・・・・・・・・えっ?」

ちひろ「・・・・・・」

P「いやぁ、ソファーの裏に隠れてるの結構キツかったよ。久しぶりだなありす。」

ありす「・・・どっ、どうして!まさか病院から抜け出してきたんですか!?だ、駄目ですっ!早く戻って」

P「違うわ馬鹿。お陰様で元気になったんだよ。手術を受けてな。・・・まぁ、まだ腹の穴が完全には塞がってないからほんとは止められはしたが。」

ありす「ど、どういう・・・」

ちひろ「・・・あなたが馬鹿なことをして稼いだお金でね。配信が止まった時点で丁度合計八百万円の振り込みが有ったのよ。それと今までのお金で。」

ありす「でっ、でもあれは中断されて・・・」

ちひろ「我々も返金の意志はありましたよ?・・・勿論、小学生のいかがわしい配信にお金を払った、と名乗り出る人が居ればの話ですが。」

ありす「・・・じゃ、じゃあ」

P「そういうこと。もう俺はすっかり健康体だよ。・・・まぁ、再発の可能性があるから二か月に一回は病院通いだが。それでも、もし再発しても今度は薬で散らせばそれで収まるってさ。」

ありす「・・・ぷ、プロデューサーさん」

P「ん」

ありす「プロデューサー、さん、プロデューサーさん、プロデューサーさん!!」

P「おっと、ちょっと待て。まぁ、抱きしめてはやるが、その前に、だ。」

ありす「えっ」パァァァァン!

ありす「・・・うっ」

P「・・・馬鹿野郎!!!二度とこんな真似するな!!!!」

ありす「・・・ごめ、なさい」

ちひろ「・・・(かなり本気ね、今のビンタ。)」

ちひろ(それでもありすちゃんは泣かない、か。)

P「・・・んじゃ、約束通りだ」ギュー

ありす「あ・・・」

P「本当に、すまなかった。それから・・・これは言うべきじゃないんだろうが、」

P「ありがとう。愛してる。ありす。」

ありす「・・・うっ・・・えぐっ・・・わ、わたしも・・・」

ありす「わ゛たし゛もです゛!゛わたじも、だい゛すきです!Pさ゛ん」

ありす「ごめんなさい・・・ごめんなさい!ごめんなさい・・・!!」

P「よしよし」

ちひろ「・・・・・・・・・」






普通に考えればこのP一人で100人以上プロデュースしてたわけやん?
ならこのPがいなくなった場合の損害の方がヤバいんじゃ…
そう考えたらお金出して復帰して貰った方がまだプラスになるんじゃ…

ありす「ぐすっ・・・」

P「・・・もう良いか?」

ありす「・・・ま、まだまだ駄目です。・・・絶対駄目です。」

P「はは、参ったな。」

ありす「・・・でも、今は」

ちひろ「やっと私の存在を思い出して貰えましたか。・・・まさか三時間もそうしてるとは思いませんでしたよ」

P「すいません、ちひろさん・・・」

ちひろ「Pさんは良いです。今は・・・彼女がどう責任を取るか、です。」

P「・・・・・・・・・」

ありす「・・・ちひろさん・・・いえ、千川さん。」

ありす「この度は私の勝手な行動で、プロダクション全体に多大な被害を及ぼしたこと、本当にすいませんでした。いかなる罰もお受けします。損害金も、一生かけてお返します。」

ちひろ「・・・さっきとは言う事がまるで違うわね、ありすちゃん。」

ありす「・・・さっきの暴言も、本当に申し訳ありませんでした。」

ありす「事務所は、辞めます。必要なだけ矢面に立ちます。プロダクションは、あくまで馬鹿な小娘から被害を受けた側と見えるように振舞います。」

ちひろ「・・・何を言っているんですかあなたは?」

ちひろ「そんなことで償えるほど軽いものじゃないんですよ、あなたがしたことは。」

お嬢様ズがいればちがったんやろか

ありす「・・・・・・では、私はどうすれば」

ちひろ「この誓約書にサインしなさい。・・・とりあえずそれで、当面は矛を収めておきます」

ありす「分かりました。どんな内容でもサインします。・・・これは」

ちひろ「どうしました?さぁ早く。」

ありす「・・・以下橘ありすを甲、○○プロダクションを乙とする。
甲は満30歳を迎える迄、乙にてアイドルとして活動し、乙の経営に可能な限りの貢献を行うものとする。
また、甲は本契約を満了するまでに、合計四年間の休暇を取ることを認めるものとする。」

ありす「これは・・・」

ちひろ「ただでさえ落ちた評判をこれ以上下げる訳には行きませんからね。スキャンダルを起こしたアイドルを尻尾切りすれば世論はあなたの味方をする可能性すらあります。」

ちひろ「それに、あなたのような子供の力では損害金を賠償するにしても限度があるでしょう。それならば、当プロダクションにて適切にあなたを運用し、最大限あなたの価値を引き出す。それが最も事務所の為になる。」

ちひろ「それだけの判断ですよ。・・・幸い、その為に必要な人材も、うちに戻って来たことですしね。」

ありす「・・・分かりました。・・・ちひろさん、私」

ちひろ「何も言わないで。・・・さぁ、ご両親が迎えに来ています。行きなさい。」

ありす「・・・はい。Pさん、それでは」

P「ああ。また後で電話するよ。・・・また明日、会えるしな。」

ありす「・・・・・・は゛い゛」ガチャ

というか小学生に責任うんたらってのもどうなんだ

ちひろ「・・・行きましたか」

P「ちひろさん、悪者になるのが下手ですね」

ちひろ「・・・元はと言えば、私に力が足りなかったせいですから。本心から怒る気には、なれません。・・・最初から私が事務所を説得出来てさえいれば」

P「でも結局は、話を通して下さったんですよね?」

ちひろ「・・・何を」

P「結局ありすの例の配信の金だけじゃ、足りなかったんでしょう?」

P「すいません、社長から聞いちゃいました。・・・ちひろさんが、会社の帳簿の裏を探し出して、社長を脅したって。その上で、俺の手術費用を会社から出すように土下座して頼んでくれたって。」

ちひろ「・・・あの狸」

P「ちひろさん。」

ちひろ「・・・・・・・・・」

P「ありがとう。」

ちひろ「・・・うっ・・・うわああああ!Pさん!Pさん・・・うわあああああ!」ギュー

P「ありがとうちひろさん・・・ありがとう・・・」ポロポロ













ーーーなんか例のあの橘とかいうアイドル、芸能界復帰するらしいぜ?あり得なくね?

ーーー別に結果的には何も犯罪は犯してないし、良いだろ。そもそもまだ小学生だぞ。やり直しのチャンスくらい有って良い。

ーーーいや、明らかに精神異常だろ。それにあのプロデューサーとかいう男とデキてんじゃねぇの?そんな奴がアイドルって

ーーーねーよ。小学生に手出す馬鹿が居るか。少なくとも、メディアでの露出見てる限りそういう男には見えなかったぞ俺は。

ーーーありすちゃんはただ、お世話になったプロデューサーさんを助けたかったんだよ。俺は応援するぞ。

ーーーまーこれからの態度次第じゃねーの?駄目だったら勝手に消えていくだろ














P「ありす、誕生日おめでとう。」

ありす「ありがとうございます。・・・まさか今年も歳の数の苺の乗ったケーキをくれるとは思いませんでした」

P「えー?でもありす苺好きだろ?」

ありす「この歳でこの量はちょっと・・・」

P「何言ってんだ、まだまだ若いだろ」

ありす「・・・ほんとにそう思います?」

P「当たり前だ。礼子さんなんか、31の時にアイドル初めてまだ一線で女優やってるんだぞ。」

ありす「ふふ・・・そうですね。」

ありす「・・・でも、私はもうアイドルはやれそうにないです。女優とかも、今はまだ。」

ありす「・・・Pさん、沢山沢山、待たせちゃいましたね。」

P「・・・ありす。」

ありす「Pさん・・・待てましたか?」


終わり

くぅ~疲
これにて終了となります。朝早い投下にも関わらず合いの手を下さった皆様、またこの拙作をお読み下さった方全員にお礼申し上げます。

>>11 ありすのは多分自前のノートPCですね。あんたみたいなのが居るからこんな事件が起こるんだ!

>>17 一応僕の脳内設定ではデレアニみたいに部署ごとにアイドルを持っている設定です。ので100人は行ってないかも・・・?まぁこのPは有能だったみたいなので二千万の価値はあったかもしれませんけどね

>>19 ですね。ですが万一手術費用が貯まらなかった場合、何処かのおでこが素敵なアイドルが手を回してくれる予定だったとかそうでもないとか。因みに名前が出た晶葉は持ち前の技術でかなりの金額を稼いでいます。

>>21 そこはまぁ、芸能界だからということで。

自分のために一人の人間がこんなことしてくれたらもうなんもいえねえな
手段はともかく
おつー

>>26 一人の、じゃないじゃないですかやだー
ちひろさんも木場さんもその他みんな頑張ってる設定ですよ。因みに木場さんのお父さんは昔肺ガンで亡くなっていて父とPを重ねている脳内裏設定です。子供がアホしたら大人がちゃんとカバーすればええねん。

では今夜ぐらいに過去ログ申請(?)をしてようと思います。初めてSS書きましたが、楽しかったです。地の文無いと表現力の無さを隠しようがないね……
酉も残しておきます(出来てるかな?)

最後にこれだけは言わせて欲しい。皆さん、依田芳乃をよろしくお願いします。

>>27
後書きでできてる三点リーダをなぜ本編でできなかったのか…

嘘つけ絶対初めてじゃないゾ

>>28 おお、突っ込んでくれる人が居るとは。三点リーダーちゃんと知ってますアピです。
個人的に・・・が駄目な理由って紙で読む時見辛いからだと思ってるのでこういう場ではこっちかなーって。いかんせんそういうに詳しくなくて……三点リーダーの方が良かったんですかね?

>>29 ホントだろ全然ゆるケツじゃん!(文章力的な意味で)
その他sage進行の方が良いとかそういうアドバイスがあればなにとぞ~あとで必ず全て読みますので。

>>30
・・・の方が好きで使ってたら散々ツッこまれた挙句「こっちのが好きなんすよ」って言ったら「負け惜しみ乙」「ガイジ認定だな」って言われてガッツリ荒されたからあんまりしない方がいいよ
ここのやつらは気まぐれに荒らすから

三点リーダーなんか大した問題じゃないしな
なんか文章書いてるフリしてる奴ほどそういう所にこだわるんだよな
前に「」の中に。を書くのは間違いだ!とその理由だけで荒らしてたバカがいたけど
。を書いても間違いじゃないと指摘されたらそそくさと去っていったよ

>>32-33 災難でしたねーまぁ荒らす気も起きないくらい良いものを書けるように頑張れば良いのです!
では一応…の方を使うように心掛けますか。次を書く予定がある訳ではないですがっ

>>34 まぁ、文章の書き方にローカルな好みはあってもルールは無いと思いますので、その辺りはご愛嬌を。
感想とか聞けると>>1さん喜んじゃうな!

おつ。このありす、将来ヤンデレ化しそう

気持ちはわかるが、そんなに頻繁にレス返してると変な奴に目をつけられる目をつけられるから自重した方がいいかも

>>37 相思相愛だからセーフセーフ(遠い目)
まぁ、100%荒らしでない限りは無視はしないが方針なので。何事も吸収してこそ!それに嫌な人は大抵夜更かしさんなので、朝早くならきっと大丈夫です。
お心遣い、深く感謝致します。

つまりはありすはカワイイ結婚したいってことか(洗脳感)

>>39 やち天も忘れてはいけない(戒め)
それからくれぐれも依田芳乃を、CDデビューの決まった依田芳乃を、アイドルマスターシンデレラガールズスターライトステージにてSSRピックアップ中の依田芳乃(よりたよしの)をよろしくお願い致します。

んでありすの裸配信はいくらかね?

>>41 八枚脱げば全部見えるように着込んでいたようですねありすは。こんなことしてるのに妙に律儀そうなイメージが僕の中である。
っていうか振り込んでんじゃねぇよ!そんな金が有ったらガチャを回すんだよガチャを!
因みにありすは「分かってない」ので靴下まで脱いでしまいます。

50連くらいしてもこなかったぞ芳乃ぉ!!···芳乃ぉ···芳乃···

この業界闇が濃すぎる

>>43 僕は80連目(くらい)で二人いっぺんに来ました(ニッコリ
今回の芳乃は実際マジで出にくい。死を覚悟することが必要。まあスカウトチケット待っても良いとは思いますけどねー
>>44 生放送で泉とありすが並んで謝罪、というオチも考えたんですがちょっと嫌かなって。

いおりんっぽいレスが二つも!ここは桃源郷か!
確かに全レスはちょっとやり過ぎだったかもしれないですね。では適度にレス返しさせて頂きます。html申請は今夜か明日早朝辺りにしておきます~

やっぱりもう申請してきました。ここはURLの最初のh抜かなくて良いんですね・・・
では皆様、ありがとうございました。

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom