【甲鉄城のカバネリ】来栖「菖蒲様が可愛らしい」 (31)



来栖「わかるか!?」

吉備土「」

来栖「聞こえているのか吉備土!」

吉備土「取り敢えず落ち着け来栖」

来栖「これが落ち着いてなどいられるか!」

吉備土「……後ろを見てみろ」

来栖「なんだ!」クルッ

菖蒲「……///」

吉備土「菖蒲様がいらっしゃる」

来栖「」



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1464425090



来栖「……腹を切る」

吉備土「落ち着け来栖!?」

来栖「菖蒲様に見られていたのだぞ!?聞かれていたのだぞ!?」

菖蒲「落ち着いてください来栖!」

来栖「誰か!俺の自決袋を寄越せ!カバネになる前に果ててやる!」

吉備土「カバネに噛まれてなどいないぞ!?」

来栖「うるさい!!死なせてくれ!」



菖蒲「来栖!!」バチン

来栖「ありがとうございます!!」

吉備土「」

菖蒲「……あの、大丈夫ですか?強く張ってしまいましたけれど」

来栖「まだ正気じゃない恐れがあります。菖蒲様、もう一度私の頬を張ってください」

吉備土「私が代わりにやりましょう菖蒲様」

来栖「やめろ馬鹿!私は正気だ!」

吉備土「いくぞ来栖!」

ドスッ

来栖「ぐふっ!?……腹はないだろう……」バタッ



菖蒲「来栖はいったいどうしてしまったのでしょうか……」

吉備土「……きっと疲れが溜まっていたのでしょう」チラッ

菖蒲「……」

吉備土「後部車両にて休ませてきます」

菖蒲「あ、はい!お願いします」

菖蒲「来栖……」



━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

吉備土「というわけでここで来栖を見ていてくれないか」

逞生「よくわからねぇけど……」

生駒「任せてくれ」

吉備土「目を覚ましたら正気か確認して、ダメだったら腹に一発入れてくれ」

無名「おっけー、任せて」

鰍「来栖さんどうしちゃったのかなぁ……」

吉備土「私にもよくわからないんだ」


逞生「でもあの堅物の来栖が取り乱すんだからよっぽどのことなんだろうな」

生駒「うーん……」

逞生「案外菖蒲様でムッツリエロいことでも考えてたんじゃね」

生駒「逞生!」

吉備土「来栖に限ってそのようなことは……」

無名「起きたら聞いて見ればいいじゃん」

吉備土「そうだな……。俺は先頭車両に戻るから何かあったら知らせてくれ」



━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

来栖「……んん。……ここは」

鰍「あ、来栖さん!目を覚ましたんだね」

来栖「なぜ俺はこんなところにいるんだ……!早く菖蒲様の所に戻らなければッ!」

逞生「ストーップ!」

来栖「なっ!?貴様、退け!」

生駒「吉備土さんに頼まれてあんたのことを預かってるんだよ」

来栖「吉備土が?」

無名「いったい何があったの?」

来栖「……貴様らに言ったところで理解できまい」



無名「かっちーん!今のは頭にきたよ」

生駒「落ち着けって無名」

無名「私はカバネリだけど兄様には話の分かる無名ちゃんって呼ばれてるんだからね!」

生駒「ホントかよ……」

無名「今はまだだけどこれから呼ばれる予定!」

生駒「お前の願望じゃねぇか!?」

来栖「……」

鰍「来栖さん、遠慮せずに話してくださいよ。力になりますから!」

来栖「……」


無名「ほーら、早く喋らないとグーパンするよ」

生駒「やめろって」

来栖「……仕方がない。特別に話してやろう」

逞生「なんで上から目線なんだ……」

鰍「逞生は黙って!お願い、来栖さん」

来栖「……まず始めに。菖蒲様は可愛らしいお方だ」

無名・生駒・逞生(……ん?)

来栖「何をなさっていても可愛らしい!!歩いている姿も!お話されている姿も!そして!!お食事されている姿もだ!!」

逞生「あ、これダメなやつだ」



来栖「先日、私は見てしまったのだ……!!」

無名「なにを?」

来栖「領主の家にて!菖蒲様が!……菖蒲様が!」

逞生「もったいぶるなよ」

来栖「菖蒲様が、お菓子を頬張られていらっしゃったのだァァァァァ!!」

生駒「」
鰍「」
逞生
無名「」

来栖「ウォォォォォ\( 'ω')/!!!!」

無名「えいっ!」ドスッ

来栖「ぐはっ!」バタッ

逞生「……ナイス」



生駒「何がどうしたらこうなっちまうんだ……」

逞生「頭を強く打ったんだよ。それ以外考えられねぇよ」

無名「それってこの前の黒けぶりの時かな……」

生駒「そういうことにしておこう」

鰍「聞かなきゃ良かった……」

逞生「仕方がねぇよ。こんな地雷分かるわけがない」

生駒「吉備土さんにはなんて報告すればいいんだ……」

逞生「戦闘のし過ぎで頭のネジが飛んでいきましたっていうしかねぇだろ」

生駒「……いや、もう少しだけ様子を見よう」



━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

来栖「うぐっ!」

無名「あ、目を覚ましたよ」

生駒「あぁ」

無名「もう一回寝かしとく?」

生駒「そのままで大丈夫だ」

来栖「おのれ!先ほどはよくも!」

生駒「あんたも落ち着けよ」

来栖「クソッ!」

生駒「……あんたの気持ち、少し分かるぜ」

来栖「……なんだと?」



無名「生駒も何いってんの?」

来栖「貴様も菖蒲様の可愛いさが分かるというのか!!」

生駒「……いや、そうじゃねぇよ」

来栖「ならばなんだというのだ……」

生駒「俺は……無名が可愛いと思う!!」

無名「何いってんの!?///」

来栖「……ほぉ」





生駒「夜に一人で厠に行けなくなることとか」

無名「ちょっ!?///」

来栖「……ふむ」

生駒「ちゃんといただきますって言ってからお弁当食べるし」

無名「それは生駒が言えっていうから!!///」

来栖「すると貴様と私は同好の志というわけか……ふふっ、奇妙なものだ」グッ

生駒「そうだな」グッ

無名「生駒のばかー!」ポカポカ



生駒「……」ナデナデ

無名「撫でるな!」

生駒「……」スッ

無名「あっ……」

生駒「……」

無名「……」

生駒「……」ナデナデ

無名「ふん!///」

来栖「なるほど、確かに小動物に似た愛らしさがあるな。菖蒲様には劣るが」

生駒「こういうのは勝るとか劣るとかじゃねぇ……。みんな違ってみんな良いんだ!!」



来栖「確かに……今のは俺が間違えていた」

生駒「分かってくれれば良いんだ!」

ガシッ

無名「二人ともばっかじゃないの!」

コンコン
逞生「おーい、生駒ー。来栖の様子は大丈夫か?」

生駒「あぁ、もう問題ないぜ」

来栖「すまん、手間を掛けさせたな」

逞生「いや、別に構わねぇけどよ」

吉備土「来栖、気分はどうだ?」

来栖「大丈夫だ」

吉備土「一時はどうなるかとヒヤヒヤしたぞ」

来栖「悪かったな」



菖蒲「来栖、大丈夫ですか?」

来栖「菖蒲様!……申し訳ありません。先ほどはお見苦しいところをお見せいたしました」

菖蒲「いえ、私は気にしてなどいませんよ。来栖に頼りっきりで疲れさせてしまったのではと心配だったのです……」

来栖「……菖蒲様!」

吉備土「一件落着か?」

無名「……納得いかない!」


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

鰍「痛みが早い食料を使って甘味を作ってみました!どうぞ♪」

吉備土「かたじけない」

来栖「頂こう」

菖蒲「わぁ!よろしいのですか?」

鰍「えぇ!」



菖蒲「ではいただきます♪」

来栖「……」チラッ

菖蒲「んふふ♪」モキュモキュ

鰍「」キュン
吉備土「」キュン
来栖「……」

鰍「今のときめきはいったいなに!?」

吉備土「得もいえぬこの感覚は……いったい!」

来栖「ようやく理解できたようだな……」

鰍・吉備土「ま、まさか!?」

来栖「フハハハ!!やはり菖蒲様は可愛らしい!!」

菖蒲「!?///」



終わり



先日の菖蒲様が可愛いかったのでついついやってしまいました。

後悔はしていません!

またカバネリネタで書きますのでどうぞ良しなに

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom