海未「叛逆の60分」 (68)



ザァァァァァァァァ…



にこ「……」カタカタカタ



海未「……」パラパラ



にこ「……」カタカタカタ



海未「……」ペラペラ



にこ「……」…ッターン!



海未「……」パラパラ



にこ「…はぁ。伝伝伝の新作注文受付開始の16:00まであと30分。待ちきれないったらありゃしない…」



海未「……」パラパラ



にこ「大体、全国ににこと同じように画面の前で待ち構えてる人間がごまんといるんだからもっと早くから受付してくれてもいいじゃない。どうせ勝負は一瞬なんだから」



海未「……」パラパラ



にこ「……」



海未「……」パラパラ



にこ「はぁ…暇ね」

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ザァァァァァァァァ…



希「〜♪」ペラペラ



真姫「……」カキカキ



ことり「……」チクチク



希「〜♪」パラパラ



真姫「……」カキカキ



ことり「……」チクチク



希「〜♪」ペラペラ



真姫「……」ケシケシ



ことり「……」ヌイヌイ



希「よ〜し今週はおとめ座が1位や。ふっふっふ。ウチの占いと雑誌の占い、三週連続一致やで」



真姫「……」カキカキ



ことり「……」チクチク



希「……」



真姫「……」ケシケシ



ことり「……」チクチク



希「雨止まへんなぁ…」



ザァァァァァァァァ…



穂乃果「……」カタカタ



穂乃果「……」カタカタ



穂乃果「……」



穂乃果「……」



穂乃果「……」カタカタカタ



ザァァァァァァァァ…



絵里「……」カツン…カツン…



絵里「……」ガラガラガラ



絵里「ハラショー。雨が強くなってきたわね…」



絵里「……」カツン…カツン…



絵里「……」ガラガラガラ



絵里「二階の窓は全て閉めたわ。次は三階へ行きましょう」



ザァァァァァァァァ…



にこ「……」ポチッ…ブシモッ!



海未「……」パラパラ



にこ「……」シャンシャン



海未「……」パラパラ



にこ「……」シャンシャン



海未「……」パラパラ



にこ「……」…ビシッ!



海未「……」パラパラ



にこ「くぅぅぅ!最後のノーツ忘れてたわ!なによ!全然ピュアガールズじゃないわこの譜面!!」



海未「……」パタン



にこ「!?」



海未「……」ガサゴソ



にこ「……」



海未「……」クイッ…ゴクゴクゴク



にこ「……」



海未「……」パラパラ



にこ「さ。大人しく待機してましょ。」



ザァァァァァァァァ…



希「〜♪」パラパラ



真姫「……」カキカキ



ことり「……」ヌイヌイ



希「〜♪」パラパラ



真姫「……」カキカキ



ことり「……」ヌイヌイ



希「うっし」パタン



真姫「……」



ことり「……」



希「次はこっちの風水の本でも読もうかな〜♪」



真姫「……」



ことり「……」



真姫「……」カキカキ



ことり「……」ヌイヌイ



ザァァァァァァァァ…


穂乃果「……」カタカタ



穂乃果「……」カタカタ



穂乃果「……」カタカタ



穂乃果「……」



穂乃果「……」ッターン!



穂乃果「……」



穂乃果「……」カタカタ



ザァァァァァァァァ…



絵里「……」カツン…カツン…



絵里「……」ガラガラガラ



絵里「……」カツン…カツン…



絵里「……」ガラガラガラ



絵里「!!」



絵里「この辺の床びっしょびしょじゃない…拭かないと……」



絵里「……」



絵里「不自然ね。まだ風が強いわけじゃない、横殴りの雨でもない。なのにこの階の一部の床だけがびしょ濡れ。しかも二階は全く濡れてなかった…」



絵里「……」



絵里「……」ブルッ



絵里「ま、まあ、いいわ。さっさと拭いちゃいましょう。16:00までには終わらせないと…」



ザァァァァァァァァ…



にこ「……」カタカタ



海未「……」



にこ「……」カタカタ



海未「……」



にこ「……」カタカタ



海未「……」



にこ「この後、雨が強くなるみたいよ」



海未「……」



にこ「早く帰った方がいいんじゃない?」



海未「……」



にこ「海未!あんた聞いて…」バッ



にこ「!!」



海未「……」スゥスゥ…



にこ「……」



にこ「…ったく」カタカタ



海未「……」チラッ



海未「……」



ザァァァァァァァァ…



希「〜♪」パラパラ



真姫「……」カキカキ



ことり「……」ヌイヌイ



希「〜♪」パラパラ



真姫「……カキカキ



ことり「……」ヌイヌイ



希「ウチ、これ読み終わったらそろそろ行くでな?」パラパラ



真姫&ことり「!?」



真姫「……」コクッ



ことり「……」コクッ



希「〜♪」



真姫「……」



ことり「……」





真姫(海未、何をやっているの?既に答えは出したはずよ)



ことり(海未ちゃん……)



ザァァァァァァァァ…



穂乃果「……」カタカタ



穂乃果「……」カタカタ



穂乃果「……」カタカタ



穂乃果「……」



穂乃果「……」ッターン!





穂乃果「!!」



ザァァァァァァァァ…



絵里「……」フキフキ



絵里「……」



絵里「これで三階もよし。さあ、最後は四階ね」



ザァァァァァァァァ…



にこ「……」カタカタ



海未「……」



にこ「……」カタカタ



海未「……」



にこ「ああああああもう長すぎるわ!!たかだか20分っていつからこんな長くなったのよ!!」



海未「……」



にこ「……」



海未「……」



にこ「この大銀河宇宙No.1アイドル矢澤にこにーを待たせるなんていい度胸じゃない。いいわ。絶対にゲットしてみせるんだから!!」



海未「……」




海未「……」






海未(一体どうすればいいのでしょうか)




私園田海未は今、人生最大のピンチを迎えています



ーー今から約40分前ーー



穂乃果「いくよー!いっぱい撮ってあげるからね!!」



絵里「もう穂乃果ったら…一発でビシッと決めてちょうだい?時間がないんだから…」



希「ふふっ♪ええよ穂乃果ちゃん。可愛く撮ってな?」



理事長「穂乃果ちゃん。これは学校存続に伴う音乃木坂学院のホームページの更新に使うの。学校の顔になるような非常に大切な写真になるから、しっかりした写真をお願いね?」



穂乃果「うん!じゃあ三人共…」



絵里「……」



希「……」



理事長「……」




穂乃果「はい!チーズ!!」




ビュオオオオオオオオ…カシャ!




穂乃果「うわ…!風が強いな……」



ポツポツ……




サァァァァァァァァァァ…




絵里「雨だわ…」



希「あちゃ〜撮影会は中止やね」



理事長「一枚撮れたしそれを使えばいいわ。二人とも、今日の16:00からの生徒会会議頼むわね?私や先生方も出席するから、あらためて皆さんでこの音乃木坂学院を発信していけるよう努めましょう?」



希&絵里「はい!」



サァァァァァァァァァァ…



穂乃果「うわぁ強くなってきた」



絵里「穂乃果、ありがとね!私たちは行くから…写真送っといて?」



穂乃果「う、うん!」



希「ほな〜」



サァァァァァァァァァァ…



穂乃果「みんなー!おまたせ!!」



ことり「ホノカチャンお疲れ様♪」



海未「すみません穂乃果。この雨なので練習は中止になってしまいました」



凛「退屈だにゃ〜」



真姫「しょうがないでしょ凛?はぁ…でもほんとやんなっちゃうわねこの雨」カミノケクルクル



穂乃果「あれ?にこちゃんと花陽ちゃんは?」



真姫「あぁ…二人なら部室で……」



サァァァァァァァァァァ…



にこ「……」カタカタ



花陽「……」カタカタ



にこ「ついに来たわね花陽」



花陽「はい!各地のスクールアイドルのお宝映像を集めたDVD。伝説のアイドル伝説 DVD全巻BOX。ネット店頭共に発売と共に瞬時に売り切れてしまう正に伝説の伝説の伝説!略して伝伝伝!」



にこ「その最新作がついに今日発売されるわ!!花陽、これはコンマレベルの世界での戦争よ。全国のファンが一斉に注文ボタンを押すその瞬間を今か今かと待ち続けているわ!」



花陽&にこ「絶対に手に入れてみせる!」



サァァァァァァァァァァ…



真姫「…って感じ。ずっと部室のパソコンの前で待機してるわ」



穂乃果「あははは…そうなんだ…」



海未「ところで穂乃果?音乃木坂のホームページに載せる絵里たちの写真を撮ってきたのですよね?…もしよろしければ私たちにも見せてくれませんか?」



凛「あ!凛も見たいにゃ!!」



ことり「絵里ちゃんたちの可愛い写真が載るなんて素敵だよね♪」



真姫「まあ…興味がないわけじゃないけど、音乃木坂の生徒として見ておく必要があるわね」



凛「真姫ちゃん素直じゃないにゃ〜」



真姫「う、うるさいっ!///」



穂乃果「ふっふっふ…ではではこのスーパーカメラマン穂乃果の撮った写真をお見せしましょう…これだっ!!」ジャン




五人「!?!?!?!?!?」




穂乃果「そ…そんな……」



ことり「ホノカチャン…さすがにこれはマズいんじゃ…」



真姫「い…イミワカンナイわ。最低よ。最低で最低のphotographよ」



凛「ちょっとマズすぎるにゃ…寒いってレベルじゃないにゃ……」



海未「…こんな、こんな写真を載せたら…音乃木坂は再び廃校の危機に陥ります!!穂乃果!なぜこんな写真を!?」



穂乃果「し、知らないよ!!」



ことり「この写真、まだ絵里ちゃんたちに送ってないよね!?」



穂乃果「……」



海未「穂乃果…あなたまさか……」




穂乃果「ごめんなさい…ここに来る前に送っちゃった……」



四人「!?!?!?!?」




真姫「あなた何やってるの!?ちゃんと確認して送らないからそうなるのよ!!」




穂乃果「だって!これ撮った後すぐ雨降ってきちゃったから一枚しかなかったんだもん!!」




海未「穂乃果…具体的にどこに送信したのですか…?」




穂乃果「えっと…この後会議で使うっていう絵里ちゃんのパソコンと、希ちゃんの携帯!」




凛「もうおしまいだにゃあ…」




海未「………」





海未「取り戻しましょう。」




四人「えっ!?」



海未「一番まずいのは16:00から始まる重要な生徒会会議でこの画像が映し出され出席した方たちの目に触れてしまうこと。今回は生徒会だけでなく先生方や理事長も参加するはず。それだけは絶対に避けなければいけません。」



海未「画像を送信してからまだ時間は経っていません。今から動けばもしかしたら画像の削除に成功するかもしれません」



穂乃果「で…でも…」



海未「穂乃果。もしこの画像が会議で公になってしまった時、最終的に大目玉を食らうのは撮影を行った穂乃果ですよ?」



穂乃果「えぇぇ!?や、やだよそんなの!!」



海未「そうならないためにも、今すぐ画像を削除しに行きましょう」



真姫「ま、待って海未!動くって…絵里たちに内緒でってこと!?普通に事情を話した方がいいんじゃない?それに、一枚しかない画像を消しちゃったらその会議はどうするのよ?」



海未「今回の会議は今の生徒会にとっての集大成になるでしょう。絵里たちに余計な口出しをして邪魔をするべきではありませんし、そうしたらあの画像を見てもらうことになります。それは絶対にダメです。画像がないのなら…雨で撮れなかったので後日、天候のいい日に撮影しますと、絵里ならなんとか取り繕ってくれることでしょう。その場合何故送信しなかったのかと、どのみち穂乃果は怒られますがマシな選択です」



穂乃果「うぅ…撮影なんて頼まれなければよかったよ……」



真姫「で、具体的にどうするつもり?」



サァァァァァァァァァァ…



絵里「希。まだ早いけど、みんなが来る前に準備してしまいましょう?」



希「せやな」



絵里「……」



希「ウチらの生徒会としての活動もこれが最後……絵里ちとはμ'sに入るよりもっと前から一緒におったけど…あっという間やったな」



絵里「ええ…そうね。ほんと、あっという間だったわ…」



希「次の生徒会長はもう決まったん?」



絵里「ふふっ…ええ。あの子なら廃校から立ち直ったこの音乃木坂を更に飛躍させてくれるわ」



サァァァァァァァァァァ…



海未「今回の目的は、穂乃果の送信先にある例の画像を会議…いえ、二人が見る前にすべて削除することです」



真姫「じゃあ、希の携帯と絵里のパソコンね」



海未「いえ、違います」



凛「にゃ?どういうことにゃ?」



海未「希はともかく、絵里の端末はパソコンです。更に絵里は送られてきたファイルをすぐさまUSBに保存する癖があります。前に生徒会の仕事を拝見させていただいた時にそうしていました」



ことり「保存する時に画像をじっくり見ちゃうんじゃないかなぁ…」



海未「いえ…まあ、これも運ですが絵里は送られてきたものを確認せずカチカチっと何でも構わず保存するので…確認していない可能性も十分あります。それで容量がいっぱいになってパニックになっていた時もありましたから…」



穂乃果「え…絵里ちゃん……」



海未「だから削除が必要なのは希の携帯、絵里のパソコンとそのUSBです」



海未「次にそれぞれに有り付く方法ですがこれがまた難しい…おそらく二人はそろそろ生徒会室にて会議の準備を始めるでしょう。絵里の気を反らせて部屋の外に出すのはともかく希は一筋縄ではいきません。それに携帯ですから肌身離さず持ち歩くはず…まあ、絵里がUSBを持ち歩く可能性も十分にありますが…」



真姫「どうすればいいの?」



海未「最初に役割を分担します。全員で固まって動くと怪しまれるのでなるべく自分の担当以外の人とはかかわらないように。まず、真姫とことりに希と絵里を部屋の外へおびき寄せてもらいます」



真姫「ヴェェェ!?無理に決まってるじゃない!!」



海未「方法はあります。二人を部屋から出した後、穂乃果と私は同時に部屋に入り私が希の置き去りにした携帯、穂乃果が絵里のパソコンを担当します。私はそれを持って速やかに部室まで避難。穂乃果は削除が済み次第生徒会室をを出て部室に来てください」



ことり「この教室にはもう戻ってこないの?」



凛「凛はー?凛は何すればいいの?」



海未「ふふふ…凛、ことり…それに真姫も。安心してください。私に完璧な作戦があります」



サァァァァァァァァァァ…



絵里「さて…カチカチッ。あとは各机に資料を配布するだけね」



希「ふーっ…そういえば絵里ち、さっきの穂乃果ちゃんの画像見た?」



絵里「あ、そういえば見てなかったわ。勢いで保存しちゃったから…」



希「ふふっ♪絵里ちはそういうところあるよな?この前もUSBの容量がいっぱいになっちゃってめっちゃ慌てとったよな?」



絵里「やめてよ希……///」



絵里「…まあ、一応確認しておこうかしら?」



希「せやね」



サァァァァァァァァァァ…



真姫「成る程…驚いたわ。確かにこの作戦なら多少運は絡むけど上手くいくかもしれない…」



ことり「うん。この教室に戻ってこない…これない理由にも納得がいくし…」



凛「凛にも仕事があるにゃー!」



海未「ええ。凛、あなたも重要な役割ですから頼みますよ」



穂乃果「よーし!急ごう!早くしないと画像を確認されちゃう!!」



海未「現在15:00。タイムリミットは60分。各自、健闘を祈ります。出動!」



四人「おー!!」



サァァァァァァァァァァ…



絵里「えーと確か穂乃果のメールは…」



希「うーんと…穂乃果ちゃんのメールは…」




真姫「希!」バタン!




絵里「真姫!?それに…ことり!?」



希「二人ともどないしたん?」



ことり「希ちゃん!今日は【週刊 スピリチュアル・フォーチュン大全集】の発売日だよ!」



希「!!!」



真姫「しかもさっき図書室に追加されていたわ。珍しいわね…希ならすぐに駆けつけると思っていたのに…」



希「アカン…ウチとしたことがそんな大事なこと忘れとるなんて……絵里ち!会議までには戻るから!!ほな!!!」ビュン!



絵里「はぁ…全く、希ったら……」



真姫「それにしてもひどい雨ね……」



ことり「うん…さっき一階の窓全開でびっくりしたよね」



絵里「!?!?」



絵里「そうだわ…!戸締りするの忘れていたわ…ハラショー、先生に怒られちゃう!!」ビュン!



真姫「……」



ことり「……」



真姫「思ったより単純だったわね」



ことり「う、うん…本当はことりが雨と携帯の電波で頭痛が酷くなるって言って希ちゃんから携帯を手放そうとしたのに……」



真姫「ええ。運…って言ったのは電源切られて持って行かれるかもしれないってとこだったけど…杞憂だったわ。まさかあそこまで占いの本に目が無いなんて…」



ことり「さて、もうすぐホノカチャンたちが来てくれるね♪ことりたちの役目も終わったし先に部室に行こ?真姫ちゃん♪」



真姫「……」



ことり「真姫ちゃん?」



真姫「何か引っかかるのよね…ことり、希を追うわよ」タッタッタッ



ことり「えぇぇぇえぇ!?待ってよ真姫ちゃーん!!」タッタッタッ




タッタッタッ…


海未「……」スッ



海未「希に絵里…そして真姫にことりも部屋を出ましたね……行きますよ穂乃果!」



穂乃果「うん!」



バタン!


海未「ありました希の携帯!…では穂乃果、ここは任せましたよ!」



穂乃果「うん!任せて!」



ザァァァァァァァァ…



凛「……」ソワソワ



凛「やっぱ一人じゃ心細いにゃ…」






ザァァァァァァァァ…



海未「ふぅ……」バタン



にこ「あら?海未じゃない。珍しいわね一人で来るなんて」



花陽「海未ちゃんどうしたの?」



海未(そうでしたね。部室にはこの二人がいるのでした…まあ、害はないでしょう)



海未「いえ、大丈夫です。最近は部室が落ち着くので少し休んでいくだけです」



花陽「そうだったんだ。ゆっくりしていってね?」



にこ「花陽、私たちはうかうかしていられないわよ。時間まで精神を研ぎ澄ませていなきゃいざその瞬間、ボタンを押せないわ」



花陽「うん!」



海未(真姫たちが先に来ていると思ったのですが…一体どこへ?)



ザァァァァァァァァ…



希「えーっと今週のピリフォーは……あった!!」




真姫「はぁっはぁっ…希ー!」タッタッタッ



ことり「はぁっはぁっ…希ちゃーん!」タッタッタッ



希「あれ?真姫ちゃん、ことりちゃんどないしたん?」



真姫「私たち、傘を忘れて帰れないのよ。だからせっかくだし希とゆっくりしようかなって…ほら、なんか珍しい組み合わせだし雨の日に静かな図書室でお話なんて、なんか素敵じゃない?」



こと「そ、それにその本に書いてある占い、ことりたちにもやってほしいな〜って…」



希「ふふっ♪ええで。ウチは会議までしかいられないけど、それまでは三人でゆっくりしようやん?」



ザァァァァァァァァ…



にこ「……」カタカタ



花陽「……」カタカタ



ブブブブブ…



花陽「ん?メールだ。誰だろう?」





To: pana_rice.war117@….jp

From: 凛ちゃん

件名:

本文:

かよちん助けて!穂乃果ちゃんたちの教室にいます。今すぐ来てお願い!!





花陽(り、凛ちゃん!?どうしたんだろうこんな切羽詰まって…何かあったのかな…)



花陽「……」チラッ



にこ「ふぅ…今回の伝伝伝はA-RISEのプライベートに深く迫った超激レア映像があるから絶対入手したいわね…その分前回を上回る倍率だろうけど…」



花陽「……」



海未(さて、そろそろ画像の削除を…)




花陽「にこちゃん!!」



にこ&海未「!?!?」



にこ「ど、どうしたのよ急に大声出して…」



花陽「ご、ごめんなさい!私、行かないといけないの!」



にこ「はぁ!?今から準備しておかないと伝伝伝が手に入らなくなるかもしれないのよ!?」



花陽「そ、そうだけど…凛ちゃんが…凛ちゃんが呼んでるから!伝伝伝も大事だけど、凛ちゃんはもっと大事!!今すぐ行ってあげないと…!!」



海未(凛が…?何かあったのでしょうか?)



にこ「はぁ…全く、勝手にしなさい」



花陽「う、うん…本当にごめんね?」



にこ「…」スッ



にこ「パソコンとスマホ、二刀流で攻めるわ。あんたの分と私の分、絶対にとってみせるから安心しなさい」



花陽「にこちゃん…!!」



にこ「早く行きなさい。凛が待ってるんでしょ?」



花陽「うん!」タッタッタッ



ザァァァァァァァァ…



希「よーし、まずは真姫ちゃんから占ってみせよう」フンス



真姫「ええ、お願いするわ」



ことり「……」





ことり『はぁ…はぁ…真姫ちゃんなんで希ちゃんを追うの?』タッタッタッ



真姫『考えてみて?そう簡単に携帯を開くことができると思う?』タッタッタッ



ことり『あっ…まさか……』





ザァァァァァァァァ…



にこ「……」カタカタ



海未(さて、希の携帯を…)



海未「……」



海未(そ、そんな……)



海未(暗証番号…!分かりません……)





真姫『そう。携帯には何かしらのロックがかかってるはず。おそらく、海未は携帯が開けなくて困るはずだわ。だからなんとかして希から携帯のロックを解く方法を聞き出して海未にメールするのよ』タッタッタッ



ことり『はぁ…はぁ…そんなことできるの…?』タッタッタッ



真姫『分からない…でもやるしかないわ』タッタッタッ



ことり(ああ言ってはいたけれど…真姫ちゃんどうする気だろう…)



希「コホン、真姫ちゃん。今週の占いは新作や。名付けて共鳴占い!」



真姫「共鳴占い?」



希「まず真姫ちゃんがウチに悩みを言います。その後占う側のウチは同じような場面でどのように解決しているかを提示します。そうして同じ方法で真姫ちゃんが幸せになれるかどうかをタロットで占い、よければウチとの相性抜群な上に悩みも解決して幸せになれる!ってやつや」



真姫「……」ニヤリ



真姫「へえ…面白そうじゃない。やってみるわ…じゃあ、希。私の悩みを聞いてもらっていい?」



希「ふふっ♪いつでもええで」



ザァァァァァァァァ…



海未(くっ…誤算でした…暗証番号ってところまで頭が回りませんでした……どうしましょう。闇雲に数字を打ち込んでログイン制限でもされたら困りますし…一体どうしたら…)


にこ「ふぅ…ってあれ!?こっちのパソコン使えなくなってるじゃない!!……バンバン!…ったく、調子悪かったとは言えなんで今壊れるのよ…まあ、花陽はどっちみちダメだったってことね…私も、こっちで保存用の分入手するのは不可能……私の二刀流にかかってるってことね」



海未(……)



海未(落ち着いて考えましょう…)



ザァァァァァァァァ…



凛「はぁ…かよちん、来てくれるかな?」



凛「!!」



凛「そうにゃ…今日は伝伝伝の発売日だった…忘れてた……かよちん今頃にこちゃんと…」



花陽「凛ちゃーん!!!」タッタッタッ



凛「か、かよちん!?」



花陽「はぁ…はぁ…どうしたの!?大丈夫!?」



凛「ごめんかよちん!伝伝伝が…」



花陽「ううん凛ちゃん。私は凛ちゃんの方が大事だから…伝伝伝はもしかしたらいつか手に入るかもしれないけど、凛ちゃんとの友情はもっとかけがえのないものだから♪」ニコッ



凛「かよちん…ありがとう」ギュッ



花陽「と、ところで、一体どうしたの?」



凛「うん…実は……」





花陽「その画像オクッチャッタノー!?」



凛「うん。だから凛も会議でその写真が露わになるのは避けたいんだにゃ」



花陽「確かに…それは一大事だね。ところで、私たちは何をすればいいの?」



凛「もう少しで絵里ちゃんが戸締りをしに階段を上がってくるはずにゃ。だから少しでも時間を稼ぐために床に水を撒いておくにゃ」



花陽「ええ!?そんなことして大丈夫!?」



凛「今は生徒会だけでなく学校の未来がかかってる…だからかよちん、力を貸して!」



花陽「う、うん…分かったよ凛ちゃん!」


凛「それに、凛たちにはもう一つ重要な役割があるよ」


花陽「重要な役割?」


凛「三階に水を撒いたらすぐさま四階へ向かうよ。そこで仕掛けるにゃ」



ザァァァァァァァァ…



希「さあ、真姫ちゃん。悩みを教えて?」



真姫「私、携帯にロック掛けたいんだけど、色々種類があってどれがいいのか分からないわ。一応セキュリティって大事だし、どうすればいいかなーってのが今の悩みよ」



ことり(真姫ちゃん上手い…!)



希「うーんなるほど。ウチは四桁の数字にしとるよ?他も色々あるけれど、一番メジャーで慣れちゃえば手軽やからこれが一番適していると思う」



真姫(かかったわね)



希「さあ!その方法で真姫ちゃんは幸せになれるのか!スピリチュアルドロー!ふむふむ…塔の逆位置か……」



真姫「それが何を意味するするの?」



希「最悪の状況の一歩手前で踏みとどまる状態。不幸中の幸いだとかそんな感じや。良くはないけど極端に悪いってわけでもない。…あと、大丈夫だと思っていたものが実はそうでなかったなんて状態も表しとる」



真姫(……)



希「まあだから、もしかすると暗証番号設定した後ド忘れちゃって大パニックになるかもな。指紋とかにした方がええで?ちな、ウチとの相性は…」



真姫(海未……)



ザァァァァァァァァ…



凛「にゃ!四階の真ん中の廊下水浸し完了!トラップスタンバイOKにゃ」



花陽「凛ちゃん。これってどういうこと?勝手にワックスなんか持ち出して大丈夫かな…?」



凛「いい?かよちん?絵里ちゃんはこの後窓を閉めに上の階へ少しずつ上がってくる。ここまではいいよね?」



花陽「うん。さっき聞いたよ」



凛「問題は二階に上がる時、絵里ちゃんが東と西、どっちの階段を使うか。もし東からだったら二階の窓を閉めながら廊下を進んで、二階〜三階の階段は逆の西を上がってくる。そうなると三階も同じようにして今度はまた東階段から四階に上がってくる。つまり絵里ちゃんはジグザグにこの校舎を登ってくるにゃ」


花陽「うん。だけどそれが…」



凛「今から凛とかよちんでそれぞれ東と西の階段に別れて、絵里ちゃんが一階〜二階の階段を上がってきた方が合図を出すにゃ。ジグザグだから一階〜二階で姿を確認した側の階段から絵里ちゃんは四階へと上がってくるはず。だから、上がってきた方と逆側の方の廊下に急いでワックスを塗って、凛たちは絵里ちゃんが上がってきた方の階段に近い教室に身を隠すにゃ!つまり、例えば絵里ちゃんが東から上がってきたら東階段、凛たちの潜む教室、水浸しの廊下、ワックスの廊下、西階段といった順になるにゃ」



花陽「えぇ!?なんでそんなことするのぉ!?」



凛「それがさっき言った重要な役割にかかわってくるにゃ。じゃあ、凛は西階段、かよちんは東階段ね?」



花陽「う、うん…」




花陽(今日の凛ちゃんなんかすごい頭使ってる気がする…)



ザァァァァァァァァ…



希「さてさて、次はことりちゃんかな?」



ことり「はい♪お願いします!」



真姫(頼むわよことり…)



希「ではでは、悩みを教えてください」



ことり「ことりは今携帯電話の暗証番号を決めたいんだけど、誕生日とかだと分かりやすいし、適当だとある時忘れちゃって困りそうだし…どうしたらいいかなーって思ってます!」



真姫(さすがよことり)



希「お?ことりちゃんも携帯の悩みかー。せやな、ウチは最初は自分の誕生日だったけど、ウチらにとってもっと大事な日があるから…今はそっちに変えたんや」



真姫(くっ…正確な数字が聞き出せない…)



ことり(そんな……)



希「さあ!ことりちゃんはその方法で幸せになれるのか?スピリチュアルドロー!」



希「…あちゃー…吊るされた男の逆位置や…」



ことり「それは…?」



希「これは努力や作戦が失敗し無駄に終わるってことや…だからことりちゃんも下手に暗証番号いじらん方がええで」



ことり「そうなんだ…」



希「ちなみに、今もう一枚引いてしまったのがこれ。月の正位置や」



ことり「??」



真姫「どういう意味?」



希「不安や不信感、何かの危険を意味する。そしてこれはウチのことや。なあ、二人とも。ウチに何か隠してるんとちゃう?」



ことり&真姫「!?!?」



ことり「ど、どういうこと?」



希「さっきから二人ともおかしいんよ。いつも雨が降って傘が無い時は海未ちゃんや花陽ちゃんに入れてもらっとるやろ?だから一緒に帰ればええやん?それに、二人が一緒になって生徒会室のウチの所に来たのも、その後わざわざ占いをしに図書室に来たのも、同じような質問をするのも……あまりにも不自然。真姫ちゃん、ことりちゃん。信じてへんとは言わへんけど、ウチの占いはよく当たるんよ?だから下手な思惑はやめといた方がいいとか、今の灰色の気持ちでその大切な日を記念日に使ってほしく無いとか出たんとちゃうかな?」



ことり「……」



真姫(マズいわ…さすが希。全てお見通しってわけね…)



真姫(ん?大切な日?)



真姫(……)




真姫(…なるほど、だからさっき『ウチらにとって』なんて言い方したのね)



真姫「別に何もないわよ。不自然不自然って…雨の日に私とことりが希の占い聞きに図書室に来るのがそんなに現実的じゃないかしら?」



ことり「たまにはそう言うのもいいかなって思ったんだけど…希ちゃん、迷惑だったかな?」



希「いやそういうわけじゃ…ごめんな?ピリフォーが嬉しくてつい占いに熱くなってたかもしれへん……」



真姫「別にいいわ。はぁ…なんだか疲れちゃった。占いの結果も悪いし今日は雨が弱まるまで大人しく勉強してくわ」



ことり「うん…ことりも衣装の細かい装飾作って帰るよ…」



希「ほんまごめんな……?」



ことり「気にしてないよ希ちゃん♪」



真姫(甘かったわね希。海未…今から答えを送信するわね。音乃木坂を救う四桁の数字を)



ザァァァァァァァァ…



にこ「……」カタカタ



海未(……)



海未(落ち着くのです。冷静になって考えましょう)



海未(計画通りに進んだのは希と絵里を部屋から出したところ、生徒会室に希の携帯電話があったところ)



海未(計画通りではないのが、この暗証番号と、何故かことりと真姫が部室にいないことです)



海未(……!)



海未(もしかしたら真姫が機転を利かせて図書室にいるであろう希から暗証番号を聞き出そうとしているのではないでしょうか?)



海未(私の計画の穴を埋めるために自ら行動してくださってるに違いありません…不甲斐ない……後で二人には感謝しなければ)



海未(そうなると私の携帯にメールが……と、これは希の携帯でしたね)



海未(……)ゴソゴソ



海未(……)ゴソゴソ



海未(……)





海未(今日、携帯家に忘れたんでした)



ザァァァァァァァァ…



凛「……」



花陽「……」




花陽「……!!」



花陽「凛ちゃん!!」ブンブン



凛「ん?…あ!かよちんが手振ってる!…ということは絵里ちゃんは東階段から…つまり西階段側の廊下にワックスを塗れば!よし!!」



凛「あんま露骨に塗るとベタベタになるから薄めでいいにゃ」ペタペタ



凛「うん!これでよし!……ワックスを片付けて……」タッタッタッ



凛「かよちん!隠れるよ!!」



花陽「うん!!」





りんぱな「……」ドキドキ



花陽「教室の窓閉めたし、部屋には入ってこないよね?」



凛「大丈夫にゃ…」



花陽「……」



凛「………」ギュッ



花陽「凛ちゃん?」



凛「凛ね、最初は一人で絵里ちゃんの担当するつもりだったんだけど、どうしても心細くてかよちんを呼んだの。でも凛はその時かよちんは来てくれないんじゃないかって疑っちゃって…でもかよちんは来てくれて…嬉しかったんだけどなんか申し訳なかったんだにゃ」



花陽「……」



凛「でもね、かよちん。かよちんが来てくれたおかげで心が軽くなったらこんなアイデアが思い付いたんだよ?かよちんと協力して絵里ちゃんを止められるアイデアが…ありがとうかよちん」



花陽「……」ギュッ



凛「かよちん……?」



花陽「私もね、凛ちゃんが私を頼ってくれてすごい嬉しかったんだよ?いつも私が困って動けない時あっちこっち引っ張っていってくれる凛ちゃんだから…いつか逆に助けてあげたいなって思ってて…えへへ、だからこうやって役に立てることが幸せです♪」



凛「かよちん……」ウルッ



花陽「絶対成功させようね!」



凛「うん!!」



ザァァァァァァァァ…



穂乃果「うぅ…パソコンなんてこんな真面目な使い方したことないから全っ然分かんないよ…」



穂乃果「……」



穂乃果「これかな?」カチッ



穂乃果「違う……」



穂乃果「うぅ…どうしたら…」



ザァァァァァァァァ…



希「〜♪」ペラペラ



真姫「……」カキカキ



ことり「……」チクチク



希「〜♪」パラパラ



真姫「……」カキカキ



ことり「……」チクチク



希「〜♪」ペラペラ



真姫「……」ケシケシ



ことり「……」ヌイヌイ



希「よ〜し今週はおとめ座が1位や。ふっふっふ。ウチの占いと雑誌の占い、三週連続一致やで」



真姫「……」カキカキ



ことり「……」チクチク



希「……」



真姫「……」ケシケシ



ことり「……」チクチク



希「雨止まへんなぁ…」



真姫(おかしいわね…あれから時間が経つけど海未から返信が来ないわ…計画にないシナリオだからメールに気づいてないのかしら?)



ザァァァァァァァァ…



にこ「……」カタカタカタ



海未「……」パラパラ



にこ「……」カタカタカタ



海未「……」ペラペラ



にこ「……」…ッターン!



海未「……」パラパラ



にこ「…はぁ。伝伝伝の新作、注文受付開始の16:00まであと30分。待ちきれないったらありゃしない…」



海未「……」パラパラ



にこ「大体、全国ににこと同じように画面の前で待ち構えてる人間がごまんといるんだからもっと早くから受付してくれてもいいじゃない。どうせ勝負は一瞬なんだから」



海未「……」パラパラ



にこ「……」



海未「……」パラパラ



にこ「はぁ…暇ね」



海未(くっ…真姫はもう既にメールを送ってくれているかもしれない…なのに今日に限って携帯を忘れるとは……)



にこ「気分転換にスクフェスでもするか…」



にこ「……」ポチッ…ブシモッ!



海未「……」パラパラ



にこ「……」シャンシャン



海未「……」パラパラ



にこ「……」シャンシャン



海未「……」パラパラ



にこ「……」シャンビシッ!



海未「……」パラパラ



にこ「くぅぅぅ!最後のノーツ忘れてたわ!なによ!全然ピュアガールズじゃないわこの譜面!!」



海未「……」パタン



にこ「!?」



海未(落ち着きましょう…先ほどのようにアイデアが浮かぶはず…)ガサゴソ



にこ「……」



海未「……」クイッ…ゴクゴクゴク



にこ「……」



海未「……」パラパラ



にこ「さ。大人しく待機してましょ…」



海未(考えるのです、園田海未…)



ザァァァァァァァァ…



希「〜♪」パラパラ



真姫「……」カキカキ



ことり「……」ヌイヌイ



希「〜♪」パラパラ



真姫「……」カキカキ



ことり「……」ヌイヌイ



希「うっし」パタン



真姫(まさか…教室を出る気?)



ことり(海未ちゃん…早く返事をして…)



希「次はこっちの風水の本でも読もうかな〜♪」



真姫(ホッ)



ことり(よかった…)



真姫「……」カキカキ



ことり(でも…希ちゃんが部屋を出ちゃうのも時間の問題…)



ザァァァァァァァァ…



にこ「……」カタカタ



海未「……」



にこ「……」カタカタ



海未「……」



にこ「……」カタカタ



海未「……」



にこ「この後、雨が強くなるみたいよ」



海未「……」



にこ「早く帰った方がいいんじゃない?」



海未「……」



にこ「海未!あんた聞いて…」バッ



にこ「!!」



海未「……」スゥスゥ



にこ「……」



にこ「…ったく」カタカタ



海未「……」チラッ



海未(雨なんて関係ありません。今は真姫たちが送ってくれるであろうメールを確認する方法を考えなければ……)



海未(ん?メール?)



にこ「……」カタカタ



海未(そうです!まだ希望はあります!!)


ザァァァァァァァァ…


希「〜♪」パラパラ



真姫「……」カキカキ



ことり「……」ヌイヌイ



希「〜♪」パラパラ



真姫「……カキカキ」



ことり「……」ヌイヌイ



希「ウチ、これ読み終わったらそろそろ行くでな?」パラパラ



真姫&ことり「!?」



真姫「……」コクッ



ことり「……」コクッ



希「〜♪」



真姫(ついに来たわねこの宣告…まあ、もう15:40だし…いつ言われてもおかしくないと思っていたけど)



ことり(どうしたら…)



真姫(海未、何をやっているの?既に答えは出したはずよ)



ことり(海未ちゃん……)



真姫(…まさか、海未。あなた…携帯電話を家に忘れているんじゃ…)



真姫(なるほど…だからメールが確認できないわけね…でも、仮に今海未が部室にいるのなら、そこにはパソコンがあるわ。…おそらく、にこちゃんと花陽が使ってるだろうけど…海未なら気付いてくれるはず。なんとかしてパソコンを奪って…)



真姫(しまった…!パソコンの方のメールアドレス分からないわ。くっこのままじゃ送れないじゃない……)


ことり「……」スッ


真姫(ことり…!?)


ことり(真姫ちゃん。多分ここに書いたメールアドレスなら使えるかもしれない…ことりはさっきの作戦の辻褄合わせのために携帯を持ってきてないの。だから真姫ちゃんが送って……)


真姫(ことり…考えてることは同じみたいね。ありがとう…海未、頼むわよ!)



ザアアアアアアアアアアアア!!



海未(そうです…!ただ一つ、真姫たちと連絡をとる方法…それはパソコンです!)



海未(しかし、ことりが機転を利かせて私のパソコンのメールアドレスに送ってくれでもしないと上手くいきません…それに)チラッ



にこ「ああああああもう長すぎるわ!!たかだか30分っていつからこんな長くなったのよ!!」



海未(それに、今パソコンはにこが使っていますし絶対離れる気はなさそうです…)



にこ「……」



海未(花陽の使っていたもう一つのパソコンも壊れているみたいですし…くっここまでか……)



にこ「この大銀河宇宙No.1アイドル矢澤にこにーを待たせるなんていい度胸じゃない。いいわ。絶対にゲットしてみせるんだから!!」



海未「……」




海未「……」






海未(一体どうすればいいのでしょうか)




私園田海未は今、人生最大のピンチを迎えています



ガラガラガラガラガラ!!



にこ&海未「!?!?」



こころ「お姉さま!」



ここあ「お姉ちゃん!」



こたろう「あめー」



にこ「どうしたのこころ!こたろう!あなたたちなんでこんなところに……」



こころ「ふふっ♪じゃん!傘です!!」



ここあ「お姉ちゃん、今日忘れていったでしょ?」



こたろう「あめつよーい」



にこ「あんたたち…わざわざ届けてくれたの?」



海未「えっと…にこの妹さんたちですか?」



こたろう「……!!」



海未「?」



にこ「ええそうよ…あなたたち寒かったでしょ?ごめんね?わざわざありがとう…」ギュッ



こころ「うふふ…」



ここあ「えへへ…」



こたろう「バックダンサー」



にこ「花陽、ごめんなさい。あなたは伝伝伝より大切な友達を選んだわ。でも、私もそうよ。私も伝伝伝やどんなアイドルグッズたちよりもこころたちが大事。だから注文はできない…許してちょうだい。あなたなら分かってくれるわよね?」



にこ「……」



にこ「さあ。こころ、ここあ、こたろう!帰るわよ!!今夜はにこに〜特製のスペシャルハンバーグよ!!」



にこ「…じゃあ、海未。戸締り頼むわね。お疲れ様…」



こころ「わーい!!」



ここあ「ハンバーグ!」



こたろう「バックダンサー」



ガラガラガラガラガラ…



海未「行ってしまいました」



海未「ですが、ついにメールを確認できます!!」バッ



海未「頼みます…どうかメールよ届いていてください……」カタカタ




海未「!?」




To: sonoda_aiyumi315@…jp


From: 真姫


件名:


本文:

0630。これが答え。私たちが9人になった日よ。あなたのこと信じてるからね海未。





海未「……」



海未「ふふっ。希らしいですね」



海未「暗証番号は…通りました!」



海未「穂乃果のメールはまだ未開封…削除!!」



海未「ふぅ……」



海未「……」



海未「こうしてはいられません。早く携帯を戻しに行かないと…」



ザアアアアアアアアアアアア!!



凛「……」



花陽「……」



カツン…カツン…



りんぱな(来た…!)



凛(やっぱり東階段から上ってきたにゃ)



花陽(凛ちゃん。机の影に隠れて)ボソッ



絵里「……」カツン…カツン…



絵里「……」ガラガラガラ



りんぱな(……)ドキドキ



絵里「は、ハラショー…また廊下が真ん中だけ濡れてるわ…もしかして、やっぱこの学校何かいるんじゃ……」



花陽(あれ?絵里ちゃんなんだか怖がってる…?)コソッ


凛(やっぱり…絵里ちゃん……スカートのポケット抑えながら床拭いてる。胸のポケットのが携帯だとすると…間違いないにゃ。あれはUSB!!落ちないように押さえてるんだにゃ!!)



凛「いくよかよちん!」ボソッ



花陽「うん!凛ちゃん!」ボソッ



絵里「さ…さっさと拭いて部屋に戻りましょう…」ブルッ




ガランガランガランガラン!!!!


ドカンドカンドカンドカン!!!!


ガシャンガシャンガシャン!!!!




絵里「!?!?!?!?」




凛(もっと激しくぶつけるにゃ!!)



花陽(机壊れちゃわないかなー…)




絵里「ひいいいいいいいいいいおばけええ〜!!!!」タッタッタッ



ツルッ!…ステーン!!



花陽「!?」



凛「ワックスで転んだにゃ!…って、ポケットから出たのは……チョコレート!?」ボソッ



花陽「凛ちゃん…どうやら早とちりだったみたいだね」ボソッ



凛「あはは…うん。でも、持ってなかったならそれでいいにゃ」ボソッ



絵里「……」ヒョイ



絵里「……」




絵里「うわあああああああん!!エリチカおうちかえるー!!!!!」タッタッタッ



凛「え…絵里ちゃん…」



花陽「凛ちゃん。私たちのやることは終わったし、机直して掃除して、残りの戸締りしたら部室へ行こう?」



凛「うん!」



ザアアアアアアアアアアアア!!



希「〜♪」パラパラ



ことり「……」



真姫「…!」



真姫(メールだわ)




To: maki_tomatoma419@…com


From: sonoda_aiyumi315@…com


件名:


本文:

任務完了。携帯を戻しに生徒会室へ向かいます。真姫、ことり。あなたたちは最高です。




真姫(……さすがね)



真姫(……)スッ…



ことり(……!)



ことり(……)コクッ



希「さーて。ウチはもう行くで」ガタン



真姫「え、ええ。分かったわ」



ことり「ことりたちはもう少しここにいるね?」



希「いや、ことりちゃんはウチについてきてな?」



真姫&ことり「!?!?」



ことり「う、うん!分かったよ…じゃあね真姫ちゃん…」



希「ほな〜」



真姫「……」



真姫「ことり……」



ザァァァァァァァァ…



穂乃果「……」カタカタ



穂乃果「……」カタカタ



穂乃果「……」



穂乃果「……」ッターン!



穂乃果「はぁぁぁ終わったぁぁ!!なんだ…一番最初の画面からいけたんだ……」




海未「穂乃果!!」バタン!



穂乃果「海未ちゃん!!」



海未「こっちは画像を消せました!そっちは…」ゴトッ



穂乃果「うん!たった今終わったところだよ!!」



海未「そうですか!よくやりました穂乃果!!さぁ、会議が始まる前に部室へ行きましょう!!」



穂乃果「うん!!」




絵里「うわあああああん!!」バタン




穂乃果&海未「!?!?!?!?」



穂乃果「え…絵里ちゃん…」



海未「絵里……」



絵里「ほ…穂乃果!海未!あなたたちどうしてここに……」



希「おー。絵里ちも二人を呼んどったんやな?」



穂乃果&海未「!?!?!?」



穂乃果「の、希ちゃん!?」



海未「それに…ことり!?」



ことり「ホノカチャン!海未ちゃん!」



希「さて、絵里ち。あのことを伝えよう」



絵里「そうね。穂乃果……ことり……海未……」



穂乃果(うっ……)



ことり(そんな……)



海未(バレていましたか…もはやここまで……)





絵里「あなたたちを、この音乃木坂学院の新生徒会に推薦します」



ことほのうみ「!?!?!?!?!?」



海未「どういうことです!?」



希「ずっと絵里ちと話してたんや。ウチらは今日が生徒会としての最後の大仕事。時期的に二年生から生徒会を選ばなければいけないやろ?」



絵里「でも、だれにするか決めるのにそう時間はかからなかったわ。そもそもこの音乃木坂が廃校から立ち直ったのはスクールアイドルを始めたってことが大きいと思うの。その発起人であり…それに、私を含め多くの人の心を動かしこれからの音乃木坂を引っ張っていってくれるのにふさわしい人材。高坂穂乃果。あなたが次の生徒会長よ」



穂乃果「絵里ちゃん…」



希「ふふっ。でも穂乃果ちゃん抜けてるところあるから、幼馴染の二人がしっかりサポートしたってな?海未ちゃん。ことりちゃん。二人が副生徒会長や」



海未「希……」



ことり「希ちゃん……」



絵里「三人とも、しっかり頼むわね?」



ことほのうみ「はい!!」



希「三人には、この後の会議に出席してもらうで。そこで理事長たちに挨拶してな?」



穂乃果「任せてっ!」





真姫「……」



真姫「なるほど。そういうことだっのね…」



ポツポツ…ポツ……



ガチャッ



凛「あ!真姫ちゃん!!」



花陽「お疲れ様真姫ちゃん」



真姫「凛に…花陽?あなた凛と一緒だったの?…それに、にこちゃんは?」



花陽「うん!にこちゃんは…私が帰ってきたら既にいなくて…ってあれっ!?こっちのパソコン壊れちゃってる!!」




真姫「はぁ…にこちゃん何やってるのよ…」




花陽「ん?これは…?」




真姫「ハンバーグのレシピ…にこちゃんの字ね。…きっとおつかいでもすっぽかしてたん
だわ」



花陽「そうだったんだ…」



花陽(にこちゃん、分かるよ。私がそうしたようににこちゃんも大切な人を選んだんだね?…またいつか二人で探そう!伝伝伝を…)



凛「ところで穂乃果ちゃんたちは?」



真姫「ああ、三人なら今頃生徒会会議に参加しているわ。新生徒会としてね?」



花陽「ええー!?穂乃果ちゃんたち生徒会にナッチャッタノー!?」



凛「すごいにゃー!!」



真姫「ええ。穂乃果たちならきっといい学校にしてくれるわ……」



真姫「…あら?雨が止んでるわ…」



花陽「花陽…ハンバーグのお話してたらお腹空いちゃいました…///」



凛「よーし!!穂乃果ちゃんたちの生徒会祝いにみんなでラーメン食べにいくにゃー!!!」



花陽「うん!行こう!!」



真姫「穂乃果たちいないじゃない…」



イラッシャイマセー



真姫「なんだか久しぶりね三人で来るの…」



花陽「うん…そうだね」



凛「凛たちね!すごかったんだよ!!あの絵里ちゃんを頑張って転ばせてUSB持ってるか確かめたの!!」



真姫「頑張って転ばせたって…なにそれ。
で結果はどうだったの?」



花陽「持ってなかったよ。ポケットから出てきたのはチョコレートだったの」



真姫「ふーん…絵里らしいわね」




真姫「え?」




凛「なんだか見たことない奴だったにゃ。赤と茶色のパッケージで…」




真姫「それって…それってまさか!!」



穂乃果「新生徒会長になりました!高坂穂乃果です!よろしくお願いします!!」



海未「新副生徒会長になりました!園田海未と…」



ことり「南ことりです!!」



ことうみ「よろしくお願いします!!」



パチパチパチパチパチパチパチパチ


ガンバレー!キタイシテルゾー!



理事長「三人とも。本当に立派になったわね。小さい頃から知ってるだけあって…鼻が高いわ」



絵里「続いて。これからの音乃木坂学院のホームページに使う新たな写真をご覧ください」



海未(ん?あれはチョコレート…)




絵里「……」キュポッ




ことほのうみ「!?!?!?!?!?」



穂乃果(あ…あれってUSBだったの!?)



海未(凛たち何をやっていたのですか!!)



ことり(これはマズい気が……)



絵里「これです!!我らが新音乃木坂の顔となる写真は!!!」ポチッ





穂乃果「」



海未「」



ことり「」



絵里「」



希「」



理事長「」



モブ「」



先生方「」



絵里「…なんで私白目を向いているのかしら?」



希「ウチなんて髪の毛逆立ってオバケみたいやん…それに……」



希「理事長はパンツ丸見えやん!うわっ…ド派手な黒のパンt……」



絵里「希」



希「あ…」



理事長「……」



理事長「みなさん。安心してください。これは何かの手違いですから。また撮り直しますよ♪」ニコニコ



穂乃果「あは…あは…あはははは…」



海未「穂乃果……」



ことり「ホノカチャン……」



絵里「以上にて生徒会を終わります。ありがとうございました!」ニコニコ



アリガトウゴザイマシタ!!



穂乃果「さ…さーて、帰ろうかな…」ソロソロ



理事長「穂乃果ちゃん?」ニコニコ



穂乃果「ひっ」



理事長「この後、理事長室へ来てくれる?」ニコニコ



穂乃果「いや、その…それは…」



絵里「穂乃果?」ガシッ



穂乃果「ひいいいいいい」



希「せっかく生徒会長になったんやし、四人でお話しましょうやん?」



穂乃果「う、海未ちゃ〜ん!ことりちゃ〜ん!!助けてー!!」ズルズル



海未「穂乃果…」



ことり「ふ…ファイトだよ!(・8・)」



穂乃果「ひ、ひどいよ二人とも!」ズルズル




希「ふふっ。言ったやろ?うちの占いはよく当たるって…」ボソッ






バタン!





穂乃果「いやあああああああああああああ!!!!!!!」




おわり


最後まで読んでくださってありがとうございました!

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