【甲鉄城のカバネリ】生駒「無名が一人で厠に行けなくなった」 (34)


無名「……生駒、起きてよ」

生駒「……zZZ」

無名「……生駒!」

生駒「……zZZ」

無名「起きろ!」ガスッ

生駒「ぐはっ!?」

無名「早く起きなさい」

生駒「おい無名!何も蹴ることはねぇだろ!?」

無名「ふん!起きない奴が悪いんだから」

生駒「あのなぁ……」



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1464188489



無名「……きて」

生駒「って、またかよ」

無名「仕方ないでしょ!なに?あんた、私にここで漏らせっていうの?変態!」

生駒「誰が変態だ!」

無名「いいから早く付いてきて」

生駒「……ったく、わかったよ」ハァ

無名「それもこれも全部生駒とお[ピザ]が悪いんだからね!」

生駒「はぁ!?自分のせいだろ!」



生駒『ことの発端は俺と逞生の会話だった』


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

逞生「なぁ、生駒。久しぶりに鰍とか巣刈呼んで怪談でもしねぇか?」

生駒「なんだよ、唐突だな」

逞生「甲鉄城の中で過ごすのも暇だろ?やっぱり何らかの娯楽は必要だと思うんだよ」

生駒「それはそうかもしれねぇけど」

逞生「だろ?だからさ、今晩少しだけでもまたみんなで盛り上がろうぜ」

生駒「まぁ、多少ならいいか……」

逞生「決まりだな!んじゃ、声かけてくるわ!」

生駒「おう」



━━━━━━━━━━━━━━━━━

逞生「んじゃ、始めるか!」

巣刈「……なぁ、寝てもいいか?」

逞生「ダメに決まってんだろ!」

巣刈「なんで、俺がこんなことに付き合わなきゃいけないんだよ」

逞生「なぁ!頼むよ!この通り!!」バッ

巣刈「……はぁ、少しだけだかんな」

逞生「おうよ!」

鰍「はやくやろうよ!」ワクワク

生駒(すげぇ、ノリノリなんだけど……)


ガチャ

無名「あれ?こんなところで集まって何してるの?」



生駒「別に大したことじゃねぇよ」

無名「……ふーん。あっそう」ジー

生駒「……」

無名「……」

生駒「なんだよ、仲間に入りたいのかよ」

無名「べっつにー?そんなこと全然ないし」

生駒「ならさっさと寝ろよ」

無名「……」ジー

生駒「……」

鰍「……怪談話なんだけど、無名ちゃんも一緒にやる?」

無名「……る」ボソッ

生駒「聞こえねぇよ」

無名「やるっていったの!」



逞生「よし、じゃあ無名ちゃんも参加ってことで始めるか」

生駒「ていうか、お前怪談とか知ってるのか?」

無名「知らない」

生駒「あのなぁ!」

鰍「まぁまぁ!今回は聞き役に徹するで良いじゃない!ね?」

巣刈「なんでもいいからさっさと始めてさっさと終わらせようぜ」

逞生「なら、ますば俺からだな」

無名「……」ワクワク

逞生「これは雪が降る古い駅での出来事なんだけどな━━━」



鰍「━━━これでこの話はおしまい」

無名「ふーん……」

鰍「怖くなかった?」

無名「うん」

巣刈「次は生駒だな」

生駒「なら俺のとっておきの話でもするか」

逞生「よっ!待ってました!」

生駒「これは水にまつわる話なんだけど……」

無名「……」

生駒「古来より水には多くの穢れを祓ったりする力があるんだ。大陸を渡った先にあるところでは聖水なんてものが邪なものを祓うのに使われてる」

逞生「……」

生駒「その話を聞けば水は良いものの様に聞こえるかもしれねぇ。けど、考えてもみろ。よく幽霊は雨の日や湿った場所に出たりするじゃないか。これっておかしくないか?」


生駒「そこで俺は考えたんだ。水にはもしかしてエネルギーを溜めることの出来る性質があるはずなんだ」

巣刈「………」

生駒「綺麗な水にはもちろん魔を祓う力があるかもしんねぇ、けど、逆を言えば穢れた水には良くないものが溜まってるんじゃないかって……」

ピチョン
無名「……」ビクッ

生駒「そうなると穢れた水がある場所ってどこだ?……厠だ。厠には昔から幽霊が出たりするじゃねぇか」

逞生「………」

生駒「だからみんなも厠に行くときは気を付けろよ。そこに何かが佇んでるかもしれねぇからな」

無名「……オチは?」

生駒「おいおい、オチがあるってことはそこで物語が終わりってことじゃないか。この話は身の回りの話なんだから終わりなんてあるわけねぇだろ」

鰍「えへへ、なかなか怖かったね」





無名「全然怖くなんてないし!」

巣刈「そんなこと言って幽霊が出ても知らねぇぞ」

無名「幽霊なんて倒しちゃうし!だって私、強いから」

逞生「……なんで幽霊に触れられると思ってんだろうな」ボソッ

無名「……え?さ、触れないの?」

生駒「触れるわけねぇだろ。しかも、そんなに啖呵切ったら幽霊が気を悪くして祟りにくるかもな」

無名「……え?」ブルブル

逞生「さーてと、今日はお開きにするか」

鰍「そうだねー。私も明日早いから戻って寝るね」

巣刈「俺も寝るわ」

生駒「じゃあな」

無名「……はわわわ」ブルブル



生駒「さてと、俺たちも寝るか……」

無名「わ、私、厠に行ってくる!」

生駒「はいはい。せいぜい気を付けろよー」

無名「……」

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

無名(幽霊なんているわけない……。生駒もおデブも私を怖がらせようとしてるだけなんだから!)

生駒『厠には気を付けろよ。出るからな』

無名「……」

ギィ

無名「……!?」ビクン

ピチョン…ピチョン…

無名「」

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━



生駒(以上、回想終わり)

「生駒ー、ちゃんといるよねー?」

生駒「いるからさっさとしろよ」

「何処にも行かないでよー?」

生駒「いかねぇよ」

「生駒ー?」

生駒(うぜぇ……)

「ねぇ、生駒ー」

生駒(クソ眠い……)

「生駒ってば!返事してよ!」

生駒(……zZ)

「ね、ねぇ、生駒さん?」

ガチャン

無名「い゛こ゛ま゛ー゛」ウァァァァン

生駒「うわっ!?無名!お前なんで下履いてねぇんだよ!!?」

無名「返゛事゛し゛て゛よ゛ー゛!」グスン

生駒「わかったから下を履け!」




無名「ちゃんといてね」グスッ

生駒「わかったから泣くなよ……」ハァ

無名「ちゃんと返事してね」ギュッ

生駒「いいからさっさと用足せよ!」

無名「音聞いちゃダメだからね」

生駒「聞かねぇよ」

無名「耳塞いでて!」

生駒「はいはい」

無名「……あ、でもそしたら返事出来ないから……」

生駒「どうすりゃいいんだよ」

無名「あ、あんまり聞かないで///」

生駒「さっさとしてくれ……」


生駒「今度からな」

「なに?」

生駒「今度から怖いなら無理に聞かないでさっさと寝ろよ」

「……はーい」

生駒「さっさとしろよ。俺は眠いんだから」

「ごめんなさい……」

生駒「……」

生駒(……はぁ、なんで妹のことを思い出してんだよ)

ジャーー

無名「……終わった」

生駒「戻るぞ」

無名「……うん」



生駒「今日はもう起こすなよ」

無名「わかった」

生駒「……おやすみ」

無名「……」

生駒「……」

無名「……ねぇ、生駒」

生駒「なんだよ」

無名「近くで寝てもいい?」

生駒「……俺は寝るからな。勝手にしろ」

無名「……勝手にする」


「「おやすみ」」


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

菖蒲「来栖、来栖は居ますか……」

来栖「……んん、如何しました菖蒲様」ムクリ

菖蒲「あの、その……」

来栖「はやく寝ませんとお身体に障りますよ」

菖蒲「…やに……」

来栖「はい?」

菖蒲「怖いので厠に付いてきてください……///」

来栖「」

菖蒲「生駒たちの怪談を盗み聞きしていたら、怖くなってしまって……」

来栖「わ、わかりました……参りましょう」



来栖「菖蒲様が一人で厠に行けなくなった」




終わり



ノリと勢いだけで建てました。

またカバネリネタでSS書きたいです。
朝になったらHTML化依頼出してきます。

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom