まゆ「そろそろちゃんと本気を出しておかないと思いまして」 (27)

智絵里「……はい?」

まゆ「思えば最近まゆはゆる過ぎたと思うんですよ」

まゆ「やれへっぽこだのやれ足が遅いだのと何ですかまったく」

泰葉「足は遅くない?」

まゆ「ふぐぅ……」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1464188493

まゆ「そこで今回ですね、こんなものを用意してみました」

泰葉「良い予感はしてないけど大丈夫?」

まゆ「大丈夫ですよ。今回用意したのは頑丈な素材のリボンと……」ゴソゴソ

泰葉「耐久性でリボンを選ぶ人初めて見たんだけど」

まゆ「包丁」

泰葉「包丁て」

泰葉「明らかに調理用ではないよねそれ」

まゆ「料理と言うこともできなくはないですよ?」

泰葉「うん、仕舞おうね」

まゆ「……まあ他にも色々用意してあるからいいですけど」ゴソゴソ

泰葉「危険性は抑えようか」

まゆ「はい、ハサミ」

泰葉「刃物から離れようか」

泰葉「智絵里さん」

智絵里「ごめんね、没収だって」

まゆ「ちぇっ」

智絵里「――ッ!」


ギチ・・・


智絵里「あれ……手、手が縛られて……」

まゆ「本気を出さないといけないので」

智絵里「……」チョコン

泰葉「アレどうやってほどくの」

まゆ「チョップは怖いので」

泰葉「……」ハァ

泰葉「とりあえず流血沙汰は絶対ダメだよ」

まゆ「紅いのに」

泰葉「だから何!?」

泰葉「考えても見てまゆさん、どんなスポーツでも血が出たら大抵場外に出ておかないといけないんだよ?」

泰葉「ましてや事件になるような流血はダメに決まってるじゃない」

まゆ「……じゃあどうやって邪魔者を排除すれば?」ゴソゴソ

泰葉「うん分かった、凶器のことは一旦忘れようね?」

まゆ「忘れろと言われても」

泰葉「っていうか邪魔者って何」

まゆ「それはもちろん……」

泰葉「事務所の誰かだっていうのならこちらにも考えがあるよ?」

まゆ「……百合厨」

泰葉「百合厨」

泰葉「なんだかよく分からないものに殺意を向けるんじゃありません」

まゆ「由里子さんに聞いた話によるとですね……」

泰葉「あの人の言うことはあまり真剣に聞いちゃダメって比奈さん言ってたでしょ」

まゆ「まゆを……その、女性のことが好きだという風に扱いたくて仕方ない方達がいるんだそうで」

泰葉「……」

泰葉「……はい?」

まゆ「考えてみてもくださいよ」

まゆ「そういう風潮が広まるってことはですね。まゆがそっちのケなんだと思われるってことはですね」

まゆ「まゆのPさんへの思いを踏みにじられるってことと同義なんですよぉ」

泰葉「……」

泰葉「……まあ、言わんとしてることはなんとか分かったけど」

まゆ「でしょう? ちょいとここらでハイライトブレイカーの本気を見せつけておかないとマズいことになりますよ」

泰葉「早速新たな謎用語を出すのはやめてくれないかな」

泰葉「あのね、まゆさん」

まゆ「なんですか。まゆの思いを無視して歪ませるような邪魔な風潮は消しにいかないと……」

泰葉「今の私達はアイドルなんだってこと、前提として覚えておいて」

まゆ「……? そんなの当然じゃないですかぁ」

泰葉「それなら続けるよ、いい?」

泰葉「私達はアイドルなの。舞台に立ち続ける限り。いい?」

まゆ「はい」

泰葉「だから、舞台に立つ以上はお客さんの、ファンの皆さんの期待にはなるべく応えなきゃ」

泰葉「なるべくでいい。譲れないものがあるなら、折り合いをつけること。どこかに妥協点を見つけて、応えていくの」

泰葉「ここまでいい?」

まゆ「……」ウーン

泰葉「まあ、まゆさんは妥協って苦手だもんね」

泰葉「それでも、表舞台にいる限りはそうしていくことって大事」

泰葉「だから、舞台から離れている間に、思いっきり自分の好きなようにしたらいい」

泰葉「Pさんのこともファンの皆さんも、譲れないほど大事なら、そうしてちょっとくらい『表』と『裏』の顔を作ってみること」

泰葉「どっちだって自分の正直に生きていることに変わりはない。それならきっと楽しいよね?」

まゆ「……まゆのことを応援してくれるなら性癖いじられるのはちょっと」

泰葉「せっかくいい話にしようと思ったのに」

まゆ「泰葉ちゃんストイックの塊じゃないですかぁ。妥協って言われても」

泰葉「だから、プライベートの大事さを知ったからこそ……」

まゆ「とりあえず流血沙汰にはしませんから、他に紅くする方法を……」ゴソゴソ

泰葉「そのこだわりは何!?」

まゆ「じゃあ行ってきますね。うふ、うふふ……」

泰葉「……」ハァ

泰葉(そういえばあの笑い方もなんか久しぶりだし、マズいかな……)

泰葉「……智絵里さん?」

智絵里「……は、はいっ! 寝てないですっ」

泰葉「結構余裕そうだね」

智絵里「それで、まゆちゃんは……?」

泰葉「うーん……」

泰葉「私もちょっと本気出すしかないかなって」

泰葉「まゆさん、ちょっと耳貸して」チョイチョイ

まゆ「今急いでるんですけど……」













泰葉「……………………芸歴」ボソッ

まゆ「!!!!」


泰葉「まゆさん」

まゆ「はい」

泰葉「おすわり」

まゆ「ふぐぅ……」ペタン



おしまい

毎度毎度何がやりたいかも分からないまま衝動的に書き殴っております故こんな話も生まれてしまいます
多分次書く頃にはこの辺の思想主張忘れてます

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2016年05月26日 (木) 07:39:48   ID: 1ne8adK_

>泰葉「……………………芸歴」ボソッ
>まゆ「!!!!」
まゆの中の人「!!!!」
(言うまでもなくシンデレラ一門で最長の芸歴27年を誇る牧野由依)

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom