貴音「喜怒哀楽」 (36)

亜美「真美のバカー!」プンプン!


真美「亜美のおたんこなすー!」ギャアギャア!


貴音「どしたのですか?亜美、真美」


真美「あっ!お姫ちん!」


亜美「聞いて下さいよ~四条の旦那ぁ!」


亜美「真美ってば、亜美と付き合いが長ーい人を消しちゃったんだYO!」


貴音「……はて?」



真美「ドラクエのセーブデーター消しちゃっただだけっしょ!」



真美「亜美だって、真美の一部になる予定の物、強奪したっしょ!」



貴音「……?」きょとん



亜美「真美のゴージャスプリン、食べちゃっただけっしょ!」


亜美「せっかく兄ちゃんとの通信対戦で勝てるようにしたのに、どーすんのさー!」ギャアギャア!


真美「ゴージャスプリンだって、来月まで手に入らない代物なんだYOー!」プンプン!


亜美・真美「「うぅ~!」」






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貴音「……………」


貴音「亜美、真美」


貴音「私が聞いた限りでは、2人共双方に悪い点が見受けられます」


貴音「今、2人がなすべき事は」


貴音「互いに、自分が反省すべき点はどこか見つけ出す事です」


亜美「うぇ〜?」


真美「亜美が先にやったのにぃ……」



貴音「お二人は、このまま仲が険悪のままで良いのですか?」


亜美「………」


真美「………」


亜美「…亜美は、勝手に真美のプリン食べた事、だよね」


亜美「ごめんね、真美、冷蔵庫で他に目ぼしいものがなくって、つい……」エヘヘ


真美「亜美……」


真美「真美も、怒ってゲーム消しちゃってゴメン!データ削除はないよね!」


真美「真美も手伝うから、またレベル上げしよ!」


亜美「うん!亜美も今度おいしいお菓子買ってくんね!」


貴音「…これにて一件落着、ですね」

亜美「ありがとね、お姫ちん!」


真美「お姫ちんが重罪人になってくれなきゃ、亜美とギスギスな関係になってたYO!」


貴音「……仲裁人、でしょうか?」


真美「じゃあ亜美、早速ゲームやろやろ!」


亜美「オッケー!失った時間を取り戻す旅が、今始まるYOー!」


貴音「その前に亜美?真美?」


貴音「時刻の確認を怠っておりませんか?」


真美「へ?……あぁ!」ガバッ


亜美「うぁうぁ〜!この後レッスンだったの、忘れてた!」バタバタッ


貴音「まだ、開始時刻まで少し余裕があります」


貴音「必要品を揃えて、忘れ物をしないよう、慌てず、落ち着いて来るのですよ」



貴音「私は一足先に、れっすん場に行っておりますので……では」すたすた


亜美「あっ、うん!」


真美「また後でね、お姫ちん!」



バタンッ



真美「いやぁ〜、お姫ちんには助けらればかりですなぁ」


亜美「ね〜」


亜美「そんでそんで、あのクールで飄々とした態度……かっくいいよね!」


真美「性格イケメンNo.1は、バリバリ最強お姫ちんに決まりだね!」


P「貴音が何最強だって?」


亜美「あっ、バリバリ普通の兄ちゃん」


P「ば、バリバリって……」


真美「お姫ちんって、事務所で一番クールでカッコイイよね〜って!」


亜美「たまに感情出す時も、大人びてるからイマイチ捉えにくいんだけど」


真美・亜美「「そこがまた、良いんだよNEー!!」」


P「……そうか?」


真美「え〜?兄ちゃん、クールなの好きじゃないの?」


亜美「もしかして、亜美達みたい、元気いっぱいの女の子の方がいいのかなぁ〜」ニヤニヤ


P「い、いや、クールが嫌とかじゃくてだな」


P「まず、貴音がクールっていうのに引っかかって」


真美・亜美「「え?」」


P「いやな、俺が思うに」


P「貴音ほど、感情豊かな奴はいないと思うがな」

真美「うぇ〜!?」


亜美「兄ちゃん、それ本気で言ってんの!?」


P「あぁ、態度を見てるとよく分かるよ」


P「歳相応の、女の子らしい、感情の豊かさだと思うぞ」


亜美「いやいや、そんな事ないって!」


真美「街角アンケート取っても、3人中3人がお姫ちんがクールって答えるはずだYO!」


P「もうちょっと調査人数を増やす努力をしろよ……」


P「いやぁ、貴音は喜怒哀楽ハッキリして、クールとは言い難いと思うがな……」


亜美「兄ちゃんはお姫ちんを分かってないね、うん!」


真美「プロデューサーとして、それはどうかと思いますなぁ〜」



P「そうかな……?」





ーーー
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ーーーーーーーーー
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ーーー



次の日


P「CDレコーディング、お疲れ様、貴音」


P「ほぼ一発撮りだなんて、凄いじゃないか」


貴音「現場の方々が環境を良く整えて下さったので、順調に事を運べ」


貴音「周りの方々が優しい人ばかりだったので、心に温もりを感じながら、収録が出来ました」


P「そうか、楽しんでやれたようだな」


P「貴音が楽しんでやれる事が、一番大切な事だからな」


P「さてと……思ったより早く終わったから、空き時間が出来ちゃったな」


貴音「なんと……まだお昼にもなっておりませんね」


P「事務所に戻っても、多分机整理しながら音無さんの愚痴聞くだけだろうし……」


P「……ちょっと一緒に、どこかに行くか?」


貴音「!」


貴音「2人っきりで……あなた様と、ですか?」


P「あ、1人でどこかに行きたいなら、それでいいけど……」


貴音「いえ!共に参りましょう!あなた様!」



P「そ、そうか?じゃあ、どっか行こうか」


貴音「えぇ………喜んで」



貴音「……ふふふ///」にこっ


P(おっ、笑顔)


P「それで、どこ行きたい?」


貴音「そう……ですね」


貴音「……どこかへ行く、というのはやめましょう」



P「え?それって…?」


貴音「この辺り、近辺を散歩いたしましょう」


貴音「清流が見える河川敷を、しばらくご一緒に……」


P「成る程、目的地は無しって事か」


P「じゃあ、一緒にゆっくり歩こうか」スタスタ








貴音「あなた様、少し前までは桜が連なっていましたが、もう木々の葉が緑一色に染まっておりますね」にこにこ


貴音「春から夏への季節の移りを、身を持って感じられます」にこにこ


P「あぁ、何でかわかんないけど、春は短く思えるよな」


P(凄く無邪気な笑顔……散歩を始めてからずっとだ)


P(久々に、休息の一時を味わえてるからだろうな……アイドルランクが上がるに連れ忙しかったし)


貴音「あなた様は、夏はお好きでしょうか?」


P「あぁ、好きだよ」


貴音「……ふふっ、私も、です///」にこにこ

P「……おっ、あそこで何か売ってるな」


貴音「……おや、とても香ばしい匂いが……」くんくん


P「あぁ、あれ、たい焼きの屋台だ」


貴音「たい焼き……?お寿司の部類でしょうか?」


P「いやいや、お米も魚も使用してないぞ」


貴音「なんと!魚材を使用せず、たい焼きと……!?」


貴音「まさか、一時期出回った偽装表示の残党が……!」



P「ち、違う違う」


P「まぁ、実物を見てみたら分かるさ」


P「じゃあ、ちょっと買ってくるよ、餡子とカスタード、食べれるよな?」タタタ……


貴音「なんと……鯛に餡、かすたぁど……」


貴音「面妖な」











P「あ、すみません、たい焼き餡2つとカスタード2つ」


P「……いや、もっと頼むべきだろうか……」うーん……


P「……ん?あれ?」ジー


P「…………!!」

貴音「……………」


貴音「なかなか、戻って来られませんね……」


貴音「何か、いざこざでもあったのかも知れませんね」


貴音「様子を伺いに行きましょう」とてとて…








貴音「……おや、何やら屋台の方と話し込んでおりますね」


貴音「あなた様、何か困り事でも……」ススス…


P「いやぁ、本当に君、アイドルの素質あるよ!」


P「まさか、こんなに可愛い女の子が屋台でアルバイトしてるとは思わなかったよ!」


P「ねぇ、君、アイドルやってみないか!?色々な体験が出来て、充実するよ!」


P「このアルバイト終わったらさ、この名刺の所に電話してみてよ!あ、資料もあるから、これも見てみてよ!後は、ご両親と相談して……あ!一人で事務所来るの不安だったら、家族同伴でも構わないからさ!細かい事は、は電話してくれたら話すからさ!」ペラペラペラ……


貴音「…………」


貴音「………………」


貴音「…………………………」












貴音「むぅ……」むすぅー


P「うん、じゃあ、興味が沸いたらすぐ電話してよ!」


P「それじゃ……おっと、たい焼き忘れてたよ、ははは」スッ







P「いやー、まさか偶然にも、あんなにも素晴らしい人材と出会うとはなぁ……」スタスタ


P「……あっ、長い時間話し込んだから、貴音に待ちぼうけ食らわせちゃったな」スタスタ…


P「謝らないと……お、いたいた」


P「いやぁ、遅くなってゴメンゴメン」


貴音「…………」


P「ほら、たい焼き買ってきたぞ、確かこれがカスタード味のだ」スッ


貴音「…………」


貴音「…………」ぷいっ


P「……ん?貴音?」


貴音「…………」つーん…


P「ど、どうしたんだよ?ほら、食べよう」スッ


貴音「…………」


貴音「先程の女性と、ご一緒したらいかがでしょうか?」むすぅ…


P「あ……見てたのか」


P「ゴメンゴメン、素質が良さそうな子だったからさ、スカウトしてたんだよ」



P「長い時間待たせちゃったよな、本当ゴメン!早く食べたいはずだし、たい焼き冷めちゃうもんな!」


貴音「……………」


貴音「……そのような理由で、腹を据えかねているのではありません」ぷくっ


P「え?じゃあなんで怒って……?」


貴音「………」むむっ…


貴音「もう、あなた様なんて、知りませんっ」ぷいっ


P「え、えぇ……?」

貴音「……………」すたすた


P「……………」すたすた


P「ほ、ほら、貴音、また街に戻って来たな」すたすた


P「何かジュースでも飲むか?あ、他に食べたい物でもあれば一緒に食べに……」スタスタ


貴音「……………」しーん


P(……まいったな、何か分からないが虫の居所が悪くなった様だ)


P(何で怒ってるんだ……?……あ、まさか)



P(自分がアイドルとして、さっきの子より低く見られたと勘違いしてるのか?)


P(うん……きっとそうだ、よく俺の勘は鋭いって言われるからな)うんうん


P(よし、ここは貴音の良い所を挙げて、貴音も一目置いてる事を伝えないと)


P「……あの、さ、貴音」


P「俺は貴音の事、十分に評価してるよ」


貴音「…………」じー



P「貴音のその、容姿端麗な所は勿論、艶美な風情、そして精神面もしっかりして逞しがある所、素晴らしい要素だと思う」


貴音「……………」


P「あと、これは個人の意見だけど……」


P「時折見せる、貴音の純潔な子供らしい部分、俺は可愛いくて好きだぞ」


貴音「………!」


貴音「……真、でしょうか?」


P「あ、あぁ!勿論!貴音の個性は業界の方々やファンからも高くて……」


貴音「評価の話では無く、最後に仰られたその……好き、という……」


P「え?あ、あぁ、好きだぞ?」


貴音「………そう、ですか」


貴音「……ふふっ///」にこっ


P(おっ、笑顔を見せた……どうやら機嫌を直してくれたらしい)ホッ



P「……お、この雑誌宣伝ポスターは」ピタッ


貴音「どうかいたしましたか?……おや」


貴音「この宣伝貼紙に写っているのは……如月千早、ですね」


P「あぁ、今月のグラビア雑誌に千早が載ってるからな」



貴音「なんと……あの如月千早が、ぐらびあを」



P「あぁ、少し嫌がってたが、お願いして何とか撮ってもらったんだ」


P「それで、実はさ、その千早のグラビアの、俺凄く気に入ってるんだよ」


貴音「……お気に入り、ですか」


P「あぁ、初めお目に掛かった時は、もう釘付けになってさ」


P「フォルムが俺の好みにドンピシャだったんだよ、本当」


P「……よーし、個人として一冊買うか、ちょっと待っててくれ」タタタ…











貴音「……………」


貴音「如月千早の……グラビア……」ぽすたぁ、じー……


貴音「……………」チラッ


貴音「私の……体のふぉるむ……」胸じー


貴音「……………」


貴音「………くっ」しゅん…



P「いやー、残り一冊だったよ、危ない危ない」スタスタ


P「またまた待たせちゃってゴメンな、さっ、散歩の続きを……」



貴音「……………」しゅーん……


P「……ん?貴音?」


P「どうした?ショボくれた顔して……なんか嫌な事あったのか?」


貴音「……いえ、大丈夫……です」


貴音「………むぅ……」シュン……


P「ほ、本当か?まぁ、貴音がそういうなら、そうなのか……」



P「それにしても、雑誌が買えて良かったよ良かった」


P「凄く気に入っててさ、本当」


P「撮影見てた時も、こう、ズキューンって胸撃ち抜かれたというかさ」ハハハ



貴音「……………」



貴音「……………」ぶすー…


P「いいよなー、千早のグラビア……」















P「の、この水着」


貴音「……………」


貴音「………はて?」




P「この水着、構造が良く考慮されててさ」


P「着用性も、見栄えもすこぶる良いんだよ」


P「デザイン、柄も、艶やかで美々してく、その上晴れやかで爽快感もある」


P「いやぁー、いいよなぁー!今度、この水着の会社に企画持ち込んでみようかな……」ペラペラ



貴音「……………」


貴音「………水着の話……」


貴音「……………」ほっ



P「ん?どうした?表情が柔らかくなった様だが……」



貴音「……いえ、なにもありませんよ」にこっ


P「……?」


P(何だったんだろう……落ち込んだり、笑み浮かべたり)


P(まぁ、何だか嬉しそうだし、いいか)


P「……あ、そういえば、貴音」


貴音「はい?」


P「実はさ、昨日亜美と真美がさ」


P「貴音があまり、表情を出さないって話してたんだ」

P「だから、貴音は事務所1、クールだとか何だか言ってたんだ」


貴音「私が、くぅる……ですか」


P「あぁ、でも俺は貴音はクールキャラ…とは思えないんだよな」


貴音「それでは、あなた様は私の事をどの様に捉えて……?」


P「そうだなぁ……やっぱり、女の子らしくて、可愛げのある子だと思うぞ」


P「嬉しい時には喜んで、哀しい時は落ち込んで」


P「辛いときなんかは、隠れて泣たりしてるもんな」


貴音「………!///」どきっ


貴音「み、見て、おられたのですか……?///」かあぁ…


P「ははっ、たまたま見かけちゃったんだよ、ゴメンゴメン」ハハハ…



貴音「むぅ……こっそり見て……いけずです、あなた様」


P「でも、事務所では他のみんなも、貴音はクールって言うんだ」


P「その度、俺は引っかかるんだよな、俺の思ってるイメージと違うなって……」


P「……もしかしてさ、貴音」


P「俺の前だけ、素をさらけ出して、表情を緩くしてる……とか?」


P「なんて、これはちょっと自惚れが過ぎたかな」ハハハ…


貴音「…………」


貴音「ふふ……」すすすっ……


P「ん?何だ、近づいて来て……」


ぎゅっ


P「!?」


P「えっ、な、どうしたんだ?腕に抱きついて来て……!?」


貴音「先程の疑問について、その答えは……」


貴音「トップシークレット……です///」ぎゅぅ…





このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2019年04月12日 (金) 23:42:04   ID: GiltiovV

p×貴音の好作

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