ダイヤ「熱い吐息でルビィを虜にしてみせますわ!」 (34)



ルビィ「じゃあお姉ちゃんおやすみなさぁい」


ダイヤ「おやすみなさい。ふとんへ入ってからいつまでも起きているんじゃありませんよ?」ペラペラ


ルビィ「はーい。ふわぁ…」ペタペタペタ…


ダイヤ「………」パラパラ


ダイヤ「………」ペラペラ



ダイヤ「行きましたわね」パタン


ダイヤ「22:14分…いつもと同じ時刻ですわ…」


ダイヤ「……」スクッ



ダイヤ「先程のプレイをもう一度振り返ってみましょう」

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ダイヤ「『じゃあお姉ちゃん』、挨拶の前のこのワンクッション。注目すべきはこの『じゃあ』」


ダイヤ「本当はお姉ちゃんといつまでもお話して…挙げ句の果てにジュエリーでカラットな夜を共に過ごしたかった…」


ダイヤ「でももう寝なければいけない。悔しい、悲しい、名残惜しい!そんな感情からつい口に出てしまったのですわ」


ダイヤ「そこから間髪を入れずに繰り出した虜になる魔法の言葉『O YA SU MI NA SA I』」


ダイヤ「今日のおやすみは語尾が震えていて眠たそうでしたわね。でも眠たいけれども、あくまでお姉ちゃんと居たい気持ちが強いんですよ、これはやむを得ないんですよ感」


ダイヤ「その様子を悟られないよう平然を装うなんて…ふふっ♪お姉ちゃんはちゃんと気付いていましたわ」


ダイヤ「最初の一言で既に私は気が狂いそうでしたが負けじと攻めに転じましたの」



ダイヤ「あえてルビィがふとんに入ってからの様子に触れることで、あなたのプライベートを完全に把握していますよ?というさりげない警告」


ダイヤ「それにもしかしたら睡眠中に何かされているのではないかというドキドキで今ルビィの胸はいっぱいでしょう。今頃頬を赤らめ、枕に顔を埋め、足をジタバタさせて『ンヒーっ!』とでも叫びながら興奮しているに違いありませんわ…」


ダイヤ「…去り際のペタペタという可愛げな足音…汗で足の裏が湿っていたのでしょう。ふふっ。どうやら今夜は私の勝ちですわね」


ダイヤ「…読書などに集中できるはずがありませんわ。今の私は毎晩この部屋でルビィを待つのが生き甲斐ですの。時計が22:14を刻むまでの瞬間がどれほど遠いことでしょう……」


ダイヤ「授業中、ふと時計を見た時10:14だった時の私の気持ちが分かりますかルビィ?ご褒美であるルビィのおやすみまであと半日…待ち遠しいような、半分を超えた喜びに震えるような……」


ダイヤ「ああ…ルビィ。あなたはどうしてそんなに可愛いのでしょう!!」



ダイヤ「胸の奥から湧き上がる燃えるような熱い想い…ええ分かっていますわ。これが普通でないことが…」


ダイヤ「この私が同性…というだけでなく実の妹にこのようなやましい感情を抱いてしまうとは…」


花丸「うんうん。よーく分かるずら」


ダイヤ「そうでしょう?あんなに可愛いルビィがいけないのです。罪なのです。私の心をチクチクさせる程愛おしいルビィがたまらないのですわ」


花丸「とりあえずお茶でも飲んで一息つくずら」


ダイヤ「まぁ…ありがとう花丸さん」



ダイヤ「………」ズズッ


花丸「………」ズズッ



ダイヤ「ブフォっ!?」ドバッ


ダイヤ「熱っ!?熱っ!!ゲホッゲホッ!!」


ダイヤ「な…なな…なんで花丸さんがここにいるんですの!!?」


花丸「今日はルビィちゃんとお泊りの約束をしていたずら。ルビィちゃんのお母さんがお茶入れてくれて、ダイヤちゃんの分も持ってきたついでにお話でもしようかなと」


ダイヤ「い、いつからそこにいたのですか?」


花丸「うーんと、ダイヤちゃんがリプレイがどうのこうの…って」


ダイヤ「最初から聞いていたのですか!?いるならいると言ってくださればいいでしょう!!」


花丸「いやーダイヤちゃん自分の世界に入っちゃってて、終わるまで話しかけるのも悪いかなーって思って」


ダイヤ(ま、まずいですわ…花丸さんに私の闇を知られてしまいました…)


ダイヤ(このまま周りに広められてしまったら、家やAqoursだけでなく学校での立場も危うい…浦の星女学院の生徒会長はシスコンレズだと後ろ指をさされかねませんわ…)


ダイヤ(それに…ルビィとの関係も壊れ今までのように触れ合うことができなくなってしまいますわ!)



花丸「それにしてもダイヤちゃん……」


ダイヤ(くっ…ここまでですか……)



花丸「ルビィちゃんのこととっっても大好きなんだね!さすが、妹を思いやる優しいお姉ちゃんって感じずら!」



ダイヤ「へ…?」



ダイヤ「ま…まあ、そうですわね!私がいないと何しでかすか分かりませんからルビィは…姉として監視する義務がありますわ!」


ダイヤ(よかったですわ…幸い花丸さんはその道について疎いようですわね……)


花丸「マルもね、ルビィちゃんのこと大好きなんだよ!この間一緒に遊んだ時ね……」


ダイヤ(ん?待ってください?逆にルビィが私のことを愛してしまえば、私は立場を守れますし周りからは仲の良い姉妹にしか映らない。そして二人きりの時に思い切り愛し合う事ができますわ)


ダイヤ(だったら今の状況は千載一遇のチャンスですわ!)



花丸「それでね!善子ちゃんが振り回した傘が高級外車に当たって…」


ダイヤ「花丸さん」


花丸「ずらっ?」


ダイヤ「あなた、ルビィと仲がいいのですよね?」


花丸「うん!一番の友達ずら!それでね、善子ちゃんが…」


ダイヤ「今善子さんの話はどうでもいいのです!!」


花丸「!?」



ダイヤ「花丸さん。私にルビィと仲良くなる方法を教えてくれませんか?」


花丸「えっ!でも、今のダイヤちゃんとルビィはとっても仲がいいずら」


ダイヤ「いえ、ルビィがもっと擦り寄ってくるというか…その、私を求めてくるような方法です」


花丸「……」


ダイヤ「ご、誤解しないでください!ルビィはあっちこっちウロチョロするから姉としても心配ですの。もっと身近にいる時間を増やして監視できる時間を…」


花丸「あるずら!」


ダイヤ「へ?」


花丸「要は、まるでルビィちゃんがダイヤさんに恋しちゃうみたいに好きになればいいってことでしょ?その方法があるずら!!」


ダイヤ「!?」



ダイヤ(なんて事が上手く運ぶのでしょう…)


ダイヤ「それは…なんですか?」



花丸「それは……」



ダイヤ「それは……!」



花丸「なんと……」



ダイヤ「なんと……!」



マルちゃーん!何してるのー!?早く寝ようよー!!


花丸「あ、うん!今行くよー!」タッタッタッ


ダイヤ「!?」


ダイヤ「…」


ダイヤ「はぁ…」


ダイヤ「こうなったら花丸さんの行動を観察して自分で見つけるしかないですわね」



チュンチュン…


ルビィ「おはようお姉ちゃん!」


花丸「ダイヤちゃんおはよう!」


ダイヤ「おはようございます。早く朝食を食べて支度をしなさい。学校に遅れますわよ?……」モグモグ


花丸&ルビィ「はーい!」



マルチャンオチャイレテアゲルー!


アリガトルビィチャン!



ダイヤ(……)モグモグ



ダイヤ(本当に仲がよさそうですわね)モグモグ



花丸「じゃあ…ルビィちゃんにはご褒美あげる……」フゥゥゥゥ



ルビィ「ひゃぁん!?/// 耳はダメぇぇ!!」



ダイヤ「ブフォっ!?」ドバッ



ダイヤ「ムフォッ!?ゴホッ!!米粒が…米粒が鼻の穴にっ!!」ゲホッゲホッ


ルビィ「もうマルちゃん…///それは恥ずかしいからやめてって言ったでしょ!!」モジモジ


花丸「えへへっ…ルビィちゃんが可愛いからつい♪」


ダイヤ「ふ…二人とも、バカなことやってないで早く食べちゃいなさい!」


花丸&ルビィ「はーい」



ダイヤ(これですわ…!ルビィは耳が弱いのですね…!)



ダイヤ(いえ、それだけではありません。今のは花丸さんからのメッセージ。今までのようにただ待ち構えるだけではなく積極性を見せる事がルビィゲットの秘訣ですわ!よし…)



ルビィ「………」カキカキ


ダイヤ「ルビィ、お風呂から上がったら換気扇を回しておくようにと言ったでしょう?」


ルビィ「あ…ご、ごめんなさい……」


ダイヤ「ん?」


ダイヤ(数学の宿題ですわね…)


ダイヤ「…ルビィ。たまにはお姉ちゃんが勉強を見てあげますわ」


ルビィ「え…で、でもそんなに難しくないし…」


ダイヤ「いいえ。そういう基礎的な問題こそ間違って覚えないよう私がしっかり手ほどきするべきですわ。ほら、一緒に解きますわよ」


ルビィ「わ、分かったよお姉ちゃん…」


ルビィ「……」カキカキ


ダイヤ「……」


ダイヤ「……」スンスン



ダイヤ(なんていい香りなのでしょう…入浴剤に微かに混じるルビィの桃のような甘い香り……)


ダイヤ(それに小さくて赤ちゃんのようなルビィの耳。お風呂上がりでわずかに赤みを帯びていて…触ったら柔らかくてモチモチしているに違いありませんわ…)ゴクリ


ダイヤ(こ…これは反則ですわ……本当はこの楽園で永遠の時を過ごしたいところですが…このままだと私の理性が持ちません。短期決戦でいきましょう)


ダイヤ「ル、ルビィ…頭にゴミがついていますわ。お姉ちゃんが取って差し上げます」


ルビィ「ほんと?」クルッ


ダイヤ「こっちを向かないでください!!と、取れないでしょう?……///」


ルビィ「ご、ごめんなさい…」クルッ


ダイヤ「………」ドキドキドキ


ダイヤ(ルビィ……そうですね、善子さんに言わせれば私と共に堕ちましょう?と言ったところでしょうか……さあ、ルビィ!)



ダイヤ「………///」フゥゥゥゥ


ルビィ「」



ダイヤ(や…やりましたわ…!これでルビィと百合の楽園へ……)




ルビィ「ねえお姉ちゃん、まだ?いつまでじっとしていればいいの?」


ダイヤ「へ?」


ルビィ「もう勉強続けるよ?」カキカキ


ダイヤ「……」


ルビィ「あ、ねえお姉ちゃん。ここ分かんないんだけど……」



ダイヤ「ぬおおおおおおおおおおお!!!」ドタバタドタ…



ルビィ「お姉ちゃん!?」









ダイヤ「ありえませんありえませんありえませんわ……何故ですの何故ですの何故ですの!!!私の吐息が効かないなんて……花丸さんの時は何故……ンヒーーーっ!!!」ジタバタ



ルビィ(うわぁ…お姉ちゃん顔真っ赤にして枕に顔埋めて足ジタバタさせながら叫んでる…どうしたんだろう……今は関わらないほうがいいかも…)ソッ



ダイヤ「……」


千歌「あ!ダイヤちゃんだおはよう!!」


梨子「おはようございますダイヤさん」


千歌「あれ?元気ないけど大丈夫?みかん食べる?」


梨子「千歌ちゃん、ダイヤさんは犬じゃないんだから」


ダイヤ「ありがとうございます千歌さん」ムキムキモムモム


梨子「ダイヤさん…」


ダイヤ「千歌さん。梨子さん。あなたたちはとても仲の良い方に更に自分を好きになってもらいたい。そんな時どうしますか?」



梨子「ブフォっ!!」



ダイヤ&千歌「!?」


千歌「ど、どうしたの梨子ちゃん!?」


梨子「な、ななな…/// 急にどうしたんですかダイヤさん!ら…らしくないですよ?」


ダイヤ「お願いします。今の私にはそのスキルがどうしても必要なのですの。教えてください」


梨子「そ…それはその……///」チラッ


千歌「??」


梨子「わ…私もよく分からないです/// で、でもいつも側にいたら…いつか必ずそういう隙は見つかるのではないでしょうか…?」


ダイヤ「なるほど…隙ですか……」


千歌「千歌はねー!はいっ!あ〜ん♪」


梨子「!?!?」パクッ


千歌「こうやって千歌の大好きなみかんを一緒に食べるんだよ!そうすれば美味しいねって笑って話せるし、もっともっと友情が深まる気がするんだ!ね、梨子ちゃん?」


梨子「」


千歌「あれ?梨子ちゃん?」


梨子「ブクブクブク………」バタッ


千歌「梨子ちゃーーーーーん!!!!」




ダイヤ「なるほど、隙と食べ物ですか」



ダイヤ「あら?」


鞠莉「チャオ〜☆ダイヤ!」


善子「魔界ウラノホシの女帝が私たちに何の用?」


ダイヤ「あなたたちが昼休みに図書室だなんて珍しいですわね。鞠莉さん、善子さん」


鞠莉「うふふっ♪ヨハネったらとってもインタレスティングな本知ってるのよ?ほら見て!世界の悪魔ですって!!」


善子「ほら、これが堕天使サタナキアよ。アガリアレプトと共にヨーロッパやアジアに住まう堕天使の大将ね。」


鞠莉「アメイジング…この子も怖いわね……怒った時のダイヤみたいだわ」


ダイヤ「何かおっしゃいましたか鞠莉さん?」バキボキ


鞠莉「ンノーダイヤ。ダメよ。図書室ではシャラップよ」


ヨハネ「ちなみにこの堕天使サタナキアは女性を自分の意のままに操ることができるそうね」




ダイヤ「!?!?」



ダイヤ「善子さん!詳しく聞かせなさい!!どうすれば意のままに操れるのですか!!!」


善子「ちょっ!?急にどうしたのよ!!知らないわよそれ以上詳しいことが書いてないんだから!!」


ダイヤ「そうですか……」ガックシ


善子「ま…まあ、あなたもサタナキアに興味があるなんてお目が高いじゃないの。いいわ。このヨハネが好きな相手をリトルデーモンにする魔術を教えてあげないこともないわ」


ダイヤ「そ、それはなんですの!?教えて欲しいですわ!」


善子「それはギャップよ!」


ダイヤ「ギャップ?」


善子「いい?いつも一緒にいる人が今までと全く違う一面を見せたらどう思う?それまで知らなかった意外な一面に驚き、私はまだこの人のこと全然知らなかったんだ…知りたい…この人のこともっと知りたいっ!ってなるでしょ?」


ダイヤ「た…確かに……」


善子「最近の若い悪魔はそういうのに弱いのよ。女帝のあなたならちょっとそんな姿見せるだけで誰でもコロっと落とせるわ…そうね、あなたの場合堅物大和撫子って感じだからもっと外人みたいに砕けた感じがいいんじゃない?」


鞠莉「シャイニ〜☆」ギュッ


善子「こんな風に」


ダイヤ「なっ!?ちょ、ちょっと鞠莉さんいきなりなんですの!?」


鞠莉「スキンシップよ!」


ダイヤ「はぁ?」


鞠莉「ダイヤいい?アメリカでは挨拶の時に当然のようにハグをするのよ!甘い言葉に加えて体で気持ちを表現することでお互いの気持ちが縮まるのよ!」


善子「気を付けなさい。サキュバスはそう言って人を騙して生命力や運気をを吸い取っていくわ」


鞠莉「あら?だったらヨハネはとっくに吸い取られちゃってるんじゃない?ほら!この前だって漆黒がなんとかーって叫びながら傘振り回してたら運悪くカッコいい外車に…」


善子「それは言わないでって言ってるでしょー!!」



ワーワーギャーギャー


トショシツデハオシズカニ・・




ダイヤ「なるほど、ギャップとハグですか」



キーンコーンカーンコーン



果南「ダイヤ、途中まで一緒に帰ろ?」


ダイヤ「え、ええ。今日はご予定があるのですか?」


曜「ヨーソロー!この後果南ちゃんと海で泳ぐんだ!」


ダイヤ「そうなんですか…」


ダイヤ「………」


ダイヤ「二人とも、もしあなたたちに好きな人がいるとして、その人を振り向かせるためには何をしますか?」


曜「ブフォっ!!」



果南「だっ…だだ…ダイヤどうしちゃったの!?信じられないわダイヤがそんなこと言い出すなんて…」


曜「好きな人ができた…とか?…まさか千歌ちゃん……」ボソッ


ダイヤ「ち、違いますわ!!そ、その…最近ルビィや花丸さんが恋愛ドラマにハマってしまってそのようなことを話し合っていたので…私も姉としてつい気になってしまったのですわ!」


ダイヤ「いくら自分に興味のないこととは言え、周りのトレンドに乗り遅れるのは気が済みませんの」フンス


曜「ホッ」


果南「なーんだ、そういうことだったのか。びっくりしたよ。ダイヤが恋愛なんて天地がひっくり返るほどあり得ないからさ」


曜「う、うん。ダイヤさんが恋愛なんてしたら陸と海の比率がひっくり返る程の衝撃だよ」


ダイヤ「……」


ダイヤ(二人が私の現状を知ったら地球はどうなってしまうのでしょうか)


果南「そうだなー。とりあえずダイヤも来て?」


ダイヤ「??」



ザザーン…


曜「風の香り…波のうねり…空模様…うん!今日も泳ぐのにぴったりの天候だ!」


ダイヤ「あの…曜さん?」


曜「見て!この大海原!!どこまでも続く青い世界!!いつか船に乗ってどこまでも真っ直ぐ進んでみたいんだ!!」バッ


ダイヤ「は、はあ…」


曜「ダイヤさん。大事なのは相手のことを真っ直ぐ見つめてあげることじゃないかな?」


ダイヤ「え?」


曜「誰にでもそうだけど、自分の想いを伝えたり、相手の想いを受け止める時はしっかり目を見てあげることが大事だよ?そうすればお互いを心から分かり合えるしこんな風に気分が晴れ晴れするよ!!」


ダイヤ「確かに…一理ありますわ…」


ダイヤ「…って、果南さんはまだ更衣室から出てこないですの?ちょっと見てきますわ」



ダイヤ「果南さん。いつまで待たせるつもりですか?開けますわよ?」スッ




グイッ


ダイヤ「!?」


ダンッ!


果南「ダイヤ。好きだよ」イケボ


ダイヤ「!?!?!?!?////////」


果南「……」


果南「……」プッ


果南「あははははははは!!」


ダイヤ「か…果南さん!あなた何を!?」


果南「ごめんごめん♪ちょっとからかっただけだよ。ドキドキしたでしょ?」


ダイヤ「全くあなたは……」


果南「でも、さっきダイヤが言ってた好きな人を振り返らせる方法。この壁ドンがいいんじゃないかな?」


ダイヤ「壁ドン…ですか?」


果南「うん。TVで最近カップルの間で流行ってるって言ってたんだけど、こうやって相手を壁に追い詰めてその想いを伝えるとすごくドキドキしていいんじゃないかな?」


ダイヤ(確かに…ずっとルビィ一筋だったこの私が一瞬果南さんに惚れてしまいそうになりましたわ…この壁ドンとやらにはものすごい力があるのかもしれませんね……)



曜「どう?ダイヤさん。ルビィちゃんたちの話にはついていけそう?」


ダイヤ「ええ。大丈夫ですわ」


果南「まあ、流石にないと思うけどダイヤもあの二人と一緒になって恋愛恋愛ってキャーキャーしないでよ?…そうだ。私たちより鞠莉とかの方がそういうの詳しいんじゃないかな?」


ダイヤ「もう既に他のメンバーには聞きましたわ」



曜「ブフォっ!!」



果南「え!?そんなに聞き回ってたの!?」



ダイヤ「ええ」



曜「千歌ちゃんは……千歌ちゃんは何て言ってたの!?」



ダイヤ「確か千歌さんは…好きな人と一緒に同じ物を食べるといいと言っていましたね。そのまま梨子さんにみかんをあ〜んしていましたわ」



曜「ヨーソロー!!!!」ザッパーン!…ブクブクブク……



果南「曜!?どうしたの!?上がってきて!!!よおおおおおおお!!!!」





ダイヤ「アイコンタクトに壁ドンですか」


ダイヤ「ルビィ攻略の手立てが集まってきましたわね」



イラッシャイマセー



ダイヤ「母にお使いを頼まれていたのを忘れるところでしたわ。えっと……ん?」


ダイヤ「不思議な香りのアロマ?火をつけて部屋に置くと心地よく甘い香りが包み大好きなあの子のハートを鷲掴み…」


ダイヤ「……」


ダイヤ「これも使えますわね」




ガララララララララ


ダイヤ「ただいま帰りましたわ」


ダイヤ「ん?この靴……」



ワーワーキャッキャズラズラ



ダイヤ「花丸さんですか」




ルビィ「マルちゃんダメだってばぁ…///耳はホントにダメぇ……///」


花丸「へっへっへルビィちゃん。まだまだマルの攻撃は終わってないずら。それー!」


ルビィ「ピギィィィィィィィィィ!!!」




ダイヤ「……」


ダイヤ「花丸さん。残念ですがこれであなたの時代は終わりですわ。今夜ルビィは私と結ばれてしまいますの。大好きな親友を奪うのは少し心が痛みますが、これも運命だと思ってください…」グッ



ルビィ「……」カキカキ


ダイヤ「ルビィ。シャワーがちゃんと閉まっていませんでしたわよ?水道代が無駄になるでしょう?」


ルビィ「あ、ご、ごめんなさい…」


ダイヤ「……」


ダイヤ「ルビィ。今日も勉強を見てあげますわ」


ルビィ「え…今日も?」


ダイヤ「当たり前ですわ。昨日と同じ章でしょう?続けて教えなければ意味がありませんわ」


ルビィ(お姉ちゃん昨日放り出したじゃん)


ダイヤ「それに今日は…じゃん!スーパーで新作のアイスを買ってきましたわ!」


ルビィ「!?」


ダイヤ「これを食べながら一緒に勉強しましょう」


ルビィ「うん!ありがとうお姉ちゃん!!うわ〜♪美味しそう〜♪♪」


ダイヤ(かわいい)



ルビィ「〜♪」モグモグ


ダイヤ「……」ズズッ


ダイヤ(夢中にアイスを頬張るその様…なるほど。表向きは子供のように振る舞い、実はその気になればこれ程上手く口を這わせることができるんですよとアピールしているのですね。ルビィ…やはりあなたは私のことを…)


ダイヤ(ふふっ。私もアイスを選んだのには理由がありますわ。前回ルビィに吐息が効かなかったのはお風呂上がりで体が火照っていたためその熱で掻き消されたから)


ダイヤ(ならばアイスでルビィの体温を下げ、なおかつ私は熱いお茶で吐息の温度を上げます。これなら確実に吐息が効きますわ)


ダイヤ(しかしまだです。まだあわてるような時間じゃない。これを確実に成功させるために少しずつ堕としていきましょう)


ダイヤ「さて、気分転換にアロマでも焚きましょうか」チッ…ボッ…


ルビィ「うわぁ珍しいねアロマなんて」


ダイヤ「これを焚くとリラックス効果があるのです。勉強が捗りますわ」


ルビィ「いい香り〜」クンクン


ダイヤ(ふふっ。本当はアロマの中に微かに香る私のフェロモンに酔いしれているくせに…いいですわ。平静を装えるのもいまのうち…)



ルビィ「あ、お姉ちゃん。この後またマルちゃんが泊まりにくるから!」



ダイヤ「!?!?」



ダイヤ「な…そんな話聞いてませんわ!?」



ルビィ「さっき遊んだ時に約束したの」



ダイヤ「そ…そんな…」



ダイヤ(くっ…これからだと言うのに…一体どうすれば……)



ズズズズズズズズズズ…



ルビィ「!?!?」



ルビィ「じ、地震だ!!大きい!!」



ガタガタガタッ…ゴトン…ボボッ



ダイヤ(花丸さんが来る前になんとかルビィをモノにしないと…そのためにはまず隙を)



ルビィ「はわわわわ…ノートに火が燃え移った…!!どうしようどうしよう!!」ワナワナ



ダイヤ(今です…!)



ルビィ「お姉ちゃん!このままじゃ火事に…」



ダイヤ「ルビィ」グイッ



ルビィ「へ?」



ダイヤ「……」ドンッ!



ルビィ「!?!?」



ダイヤ「好きだぜルビィ」イケボ



ルビィ「!?!?!?!?」



ダイヤ「ルビィ。俺な?ずっとお前のこと好きだったんだ」



ルビィ「こんな時にどうしたのお姉ちゃん!?!?早く火を消さないと!!!」



ダイヤ「ルビィ。俺の目をしっかり見ろ」キリッ



ルビィ「はぁ!?!?」



ダイヤ「俺、胸のドキドキが止まらないんだ。こうしてると体が火照って…萌えちまったみたいだぜ」



ルビィ「そうだよ燃えてるんだよっ!!!
暑いのは当然だよ!!早く逃げないと!!」



ダイヤ「ほら、見てみろよ。俺のお茶。茶柱立ってるぜ。ははっ♪お前と一緒に居れてるから既にラッキーってやつだけどな 」



ルビィ「何がははっだよ!!!今は茶柱より火柱だよ!!!!本当にマズいよ死んじゃうよ!!!!」



ダイヤ「死ぬ?おいおい冗談だろ?俺、お前とやりたいことまだまだいっぱい残ってるんだよ……いつか一緒に109とかで買い物して…豪華なドレスに身を包んだお前と幸せに過ごせたらなって」


ルビィ「今は109より119でしょ!?!?豪華なドレスに身を包む前に業火に包まれて焼け死ぬよ!!!!!」



ゴオオオオオオオオ!!!



ルビィ「火…火が強くなってる!!ホントに逃げないとマズいよお姉ちゃん!!さあ、行くよ!!」



ダイヤ「ルビィ…」ギュッ



ルビィ「」



ダイヤ「もう離さねえよ。これがいけないことだって分かってるんだ…でも、炎のように燃え上がるこの気持ちを抑えられねえんだ」



ルビィ「いけないことっていうか犯罪だから。なんで分からない?現状の惨状。欲しいのは逮捕状?109行く前に110だぞてめえ」



ダイヤ「さあルビィ!花丸が来る前にジュエリーでカラットな夜にするぞ!!」




ダイヤ(決まりました…完璧ですわ!!Aqoursの皆さんの力を合わせた完璧な口説き文句!!これでルビィは堕ちましたわ!!!)




ダイヤ(…それにしても、あまりにも暑すぎますわ。いくらルビィをモノにしたとは言えこれは…)




ゴオオオオオオオオオオオ!!!




ダイヤ「!?!?!?」




ダイヤ「へ…部屋が燃えてる!?!?」






花丸「ルビィちゃん!!!」




ザッバアアアアアアアン!!!!




ジュジュジュジュジュ……



ダイヤ「……」ポタポタ…



花丸「大丈夫!?怪我はない!?!?」



ルビィ「うわぁぁぁああああああんマルちゃあああああああん!!!!」ダキッ



花丸「ルビィちゃん!」ダキッ



ダイヤ「る…ルビィ!?大丈夫ですか!?」



ルビィ「嫌い」



ダイヤ「え?」



ルビィ「お姉ちゃんなんか大っっっっっっっっ嫌い!!!!!!!!!!!!」



ダイヤ「」



ルビィ「マルちゃん!今日はマルちゃんのお家に泊まりに行くね!」



花丸「え!?いいの?」



ルビィ「うん!ルビィを助けてくれたマルちゃんが大好き!!…また地震が来るの怖いし…今夜はマルちゃんちに行きたいな…///」



ダイヤ「」



花丸「わ、分かったずら!ルビィちゃん。今夜はマルが抱き締めて守ってあげるずら!」エッヘン



ルビィ「うん♪行こう!!」



ルビィ「……」ギロッ



ダイヤ「……」ビクッ



ルビィ「さよなら。シスコンレズ」



ランランラ〜ン♪
ズラズラズ〜ラ♪



ダイヤ「」



鞠莉「グッモーニンみんな!!☆」


千歌「おはようみんな!!」


梨子「千歌ちゃん…///…その、またみかん食べたいな?///」モジモジ


善子「リリー。あなたそんな禍々しい禁断の果実に手を出すようになったの?」


千歌「はい、あ〜ん♪」


梨子「はむっ…///」



曜「まだだ。まだあわてるような時間じゃない」ダムッダムッ


果南「曜が昨日からずっとこんなんなんだけど」


鞠莉「ワ〜オ!バスケに目覚めたのねヨウ!!」


千歌「曜ちゃんはスポーツ大好きなんだよ!」


曜「諦めたらそこで試合終了。日々精進。日々ヨーソロー」ダムッダムッ


善子「いや、なんかヤバくない?呪われてるわよ多分」



ダイヤ「……」




果南「あ!ダイヤおはよう!どう?好きになってもらう秘訣は理解できた?」


千歌「あれ?ダイヤちゃん、果南ちゃんにも聞いてたの?」


善子「私たちにも聞いてきたわよね」


鞠莉「ンノー!ダイヤ浮気はダメよ?」


梨子「千歌ちゃん…///」スリスリ


曜「渡辺、競泳やめるってよ」ダムッダムッ




ダイヤ「我は浦の星女学院を統べしシスコンレズの女帝黒澤ダイヤ。我に統治されし愚民共よ。その女体を捧げるがよい」


千歌鞠莉善子果南「!?!?!?!?」



千歌「ダイヤちゃん!?」


果南「一体どうしたの!?シ…シスコンレズ…って、ルビィちゃんと何かあったの!?」


鞠莉「アメイジング…昨日の質問はそういうことだったのね。ダイヤったら大胆…」


善子「マズイわ…堕天使サタナキアに操られてるんだわ!!みんな逃げるわよ!!」タッタッタッ


千歌「う、うん!!」タッタッタッ


梨子「千歌ちゃん。どこまでもお供します…///」タッタッタッ


曜「好き…ダムッ…嫌い…ダムッ…好き…ダムッ…嫌い…ダムッ」タッタッタッ


果南「ドリブルで花占いなんて器用なことしないの!!」タッタッタッ


鞠莉「鬼ごっこなんて久しぶりね!わくわくするわ!」タッタッタッ


善子「楽しんでる場合じゃないわ!!捕まったら何されるか分からないわよ!!」タッタッタッ



ダイヤ「おーっほっほっほっほ!さあそなたたち!我が百合の花園へと導いて差し上げますわー!!!」タッタッタッ



ワーワーギャーギャー



花丸「ずら?」


ルビィ「どうしたのマルちゃん?」


花丸「なんでもないよ!行こっ?ルビィちゃん」ギュッ


ルビィ「うん…///」ギュッ



花丸「ふふふ…ルビィちゃんは誰にも渡さないずら」





おわり

最後までお付き合いいただきありがとうございました!
トリコリコPLEASE!!リリース記念に書きました。

宝石の国じゃないのか

40てんくらいの面白さ

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