千秋「佐城さんの家にお邪魔したらネズミ捕りに引っかかったわ」 (28)

・雪美大好き痴秋さんが出てくるお話
・とても短いです。
・本当の黒川千秋さんはもっとクールでストイックです。

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雪美「奏……見て……」

奏「どうしたの? あら映画のディスク、どうしたの?」

雪美「うん……ペロが……拾ってきた……。 奏…違う……?」

奏「私のじゃないわ」

雪美「そう……これ……おもしろい……?」

奏「ホームアローンよね、結構面白いと思うわよ」

雪美「怖くない…?」

奏「大丈夫よ。 楽しい映画だから」

雪美「そう……」

奏「一緒に見る?」

雪美「…………いいの……?」

奏「いいわよ。 私も暇だったし」

雪美「…ありがとう……」

雪美「奏……膝……載せて……」

奏「えっ」

雪美「e席…リザーブ……した……」

奏「そう、それなら仕方ないわね。ふふっ」

雪美「うん……」

奏「それじゃぁ見るわよ」

雪美「待って……ジュース……取ってくる……」

奏「準備は大切よね」

雪美「うん…………」

奏「じゃぁ見るわよ」

雪美「…うん……」

――――――――――

奏「久々に見たけれど面白かったわね」

雪美「……すごい……私も……やる……」

奏「えっ?」

雪美「……家……防犯……がんばる…………」

奏「そ、そう……頑張ってね」

雪美「奏……また……映画……見よ…」

奏「いいわよ。 またね」

雪美「……またね………」

奏(そういえばあの映画、誰のだったのかしら)

―――――夕方

千秋(今日もハードなレッスンだったわ)

千秋(でも本当に有意義な時間を過ごせたわ)

千秋(あら、こんなところに映画がおいてあるわ)

千秋(たまには見てみましょうかしら)

千秋(これも芸の肥やしよね)

翠「千秋さんお疲れ様です。 映画ですか?」

千秋「えぇ、たまたまここにあったから見てみようと思って」

翠「懐かしいですねこれ、子どもの頃に見ました」

千秋「そう」

翠「私も一緒に見てもいいですか?」

千秋「もちろん良いわよ」

――――――――――

千秋「閃いたわ!」

翠(あかん!)

翠「千秋さん?」

千秋「佐城さんって鍵っ子じゃない?」

翠「鍵っ子」

千秋「だから夜中って寂しいじゃない?」

翠「夜中」

千秋「だから訪問してあげるのよ」

翠「訪問」

千秋「いくらライバルといえども同じ事務所の仲間ですもの。 助け合わないとだめよね」

翠「仲間」

千秋「翠さんどうかしたの?」

翠「あ、いえ……大丈夫です」

千秋「疲れてるみたいね。 早く帰って休みましょう」

翠「そ、そうですね……」

千秋「送って行くわ」

翠「あっ、いえ、結構です。 失礼します」

千秋「そう……」

――――――――――

雪美「……ただいま……」

ペロ「にゃぁ」

雪美「ペロ……防犯……トラップ………つくる…………」

ペロ「?」

雪美「まず……新聞紙……もってきて……」

ペロ「にゃっ!」

雪美「私は……両面テープと……蓄光テープ…………」

ペロ「にゃにゃ!」

雪美「ふふっ……楽しみ……」

ペロ「ゆきゆきさん、今日は何を作るの?」

雪美「ペロリ……今日は……夜用……ネズミ捕り……作る……」

ペロ「わーい♪」

雪美「まず……新聞紙……広げる……」

雪美「それから……隅に……蓄光…テープ……貼る……」

ペロ「額縁みたいになったね」

雪美「うん……それから……あいてる部分に……両面テープ……」

ペロ「べた~って貼っていくんだね♪」

雪美「そう……いっぱい……偉い人……くれた……」

ペロ「ゆきゆきさん、でもこれちゃんとくっつくの?」

雪美「大丈夫……すごく……強力……」

ペロ「へぇ~すごいや」

雪美「出来上がり……。 …床に…置く……。 踏まないで…ね……?」

ペロ「は~い」

―――――夜

雪美「ふふっ……やっぱり……綺麗に……光ってる……」

雪美「綺麗……やっぱり……蓄光テープ……好き………」

雪美「ペロ……一緒に……寝よ……。」

ペロ「にゃっ!」

雪美「ペロ……ほかほか……おやすみ……」

―――――

千秋(というわけで1人寂しく夜を過ごす佐城さんに会いに来たわ)

千秋(きちんと鍵は閉めているわね)

千秋(流石しっかりものの佐城さんだわ)

千秋(佐城さんを起こすわけにもいかないからちょっと行儀が悪いけれどあけましょうか)

千秋(確かこうやって……………できたわ)

千秋「おじゃまします」

千秋(当たり前だけれど静かね)

千秋(上の階からゆきみを感じるわね)

千秋(とりあえず階段を探しましょう)

千秋(……!?!?!)

千秋(えっ? 光っている枠?)

千秋(なんだかへばりついているのだけど……)

千秋(きゃっ! なによこれ両足とも!?)

千秋(どうしましょう………)

千秋「佐城さんのお家にお邪魔したらネズミ捕りに引っかかったわ」






雪美「………音……?」

雪美「……ペロ……違う………何……?」

雪美「ペロ………ついてきて………」

ペロ「にゃっ!」

雪美(……誰か……居る……?)

雪美「誰……?」

千秋「その鈴を転がすような美しい声は佐城さん!?」

雪美(千秋……? とにかく……電気……つける……)パチッ

雪美「千秋……どうして……?」

千秋「佐城さんが1人だと寂しいと思って会いに来たのよ」

雪美「ありがとう……でも……大丈夫……。 ペロ……居るから……」

千秋「あらそう」

雪美「千秋……捕まってる……」

千秋「このネズミ捕りみたいなの、佐城さんが作ったの?」

雪美「そう……綺麗……でしょ……?」

千秋「そ、そうね」

雪美「…………」パチンッ

千秋「えっ、どうして電気を消すの?」

雪美「千秋……暗闇……綺麗………」

千秋「こけると危ないから電気をつけてちょうだい」

雪美「……………うん」パチンッ

千秋「佐城さん、いったいこれでどうするつもりだったの?」

雪美「…怖い人……捕まえる……」

千秋「ふふっ、ホームアローンみたいね」

雪美「うん……今日……見た……」

千秋「奇遇ね、私も今日見たの」

雪美「ふふっ……お揃い……ね……」

千秋「ふふっ、そうね」

雪美「……………」パチンッ

千秋「電気を消さないでくれる?」

雪美「……ふふっ…………」

雪美「ワープ……みたい……綺麗……」

千秋(もしかして佐城さん、私で遊んでる?)

千秋(でもまぁ、それも一興ね)

雪美「電気……つける……」パチンッ

千秋「ちょっと行儀が悪いけれど靴下脱ぐわね」

雪美「千秋……ごめんなさい……靴下……」

千秋「いいのよ、私の不注意だから」

千秋「それよりこの罠、折角不審者用に用意したのに私がはまっちゃって申し訳ないわ」

雪美「ううん……大丈夫……また作る……」

千秋「そう」

千秋(トラブルはあったけれどなんとか佐城さんの家に入れたわね)

千秋(あとは佐城さんと………)

ペロ「にゃーっ!」

千秋「きゃっ! 急にどうしたの!? やめて!」

雪美「ペロ……ダメ……」

ペロ「にゃっ…」

雪美「ふふっ……千秋……ネズミ捕り……引っかかったから……ペロに……襲われた……ね……」

千秋「佐城さんうまい!」


終わり

以上です!
これからも膝の上の恋人こと佐城雪美ちゃんをよろしくお願いします!!

前作です。
千秋「膝の上にバミりのテープをはってみたわ」
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