提督「なんかもう性欲が抑えられんわ」五十鈴「」 (311)

提督「あ、ダメだもうこれ」

提督「立場上、今まで必死に我慢してきたけどいよいよ無理だわ」

提督「そもそも男しかいない士官学生時代で童貞力が極限まで高まってるんだよね」

提督「そんな状態で艦娘しかいない鎮守府に着任させられたんだから理性も保てんわ」

提督「この環境で逆に手ぇ出さないとかもうホモでしかないな」

提督「そして俺は断じてホモではない」

提督「というわけだから早速この煮えたぎったリビドーを解放しよう」

提督「やっぱりここは、着任当初から秘書官を務めてもらった五十鈴に頼むべきだろうな」

提督「よし、さっそく五十鈴を呼ぼう」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1434191388

そのトリップは割れてるので別のトリップにする事を強く勧める

10分後

コンコン

五十鈴「五十鈴です」

提督「来たか。入ってくれ」

ガチャ

五十鈴「来てあげたわよ。さ、五十鈴に何の御用?」

提督「ああ。実は非常に個人的な話で申し訳ないんだが・・・近頃、悩みがあってな」

五十鈴「悩み?」

提督「ああ。出来れば相談に乗ってもらいたいと思ってな」

五十鈴「・・・まあ、特別に聞いてあげないこともないけど」

五十鈴「それで、一体どんなことで悩んでるの?資材不足?またイベントで甲勲章が取れなかったこと?」

五十鈴「それとも大鳳建造の13連続失敗について?」

提督「いや、そんな高尚な話じゃない」

提督「ただ・・・な」

五十鈴「・・・ただ?」

提督「最近、性欲が凄まじくてどうしようもないんだ」

五十鈴「」

提督「如何せん、幼少の頃から軍人であった父に軟派な行為は許さんと厳しく躾けられていてな」

提督「恥ずかしながら、この歳になってまだ女子とろくに手を繋いだ経験さえないのだ」

提督「そういった教育の反動だからかもしれん・・・」

提督「この鎮守府で提督として勤めている内に、性欲が抑えらなくなっていってな」

提督「まあ、これだけ可愛い艦娘が大勢いる職場なのだから奥手だろうとノンケだろうと自然な発作だろうと思うんだが」

提督「五十鈴、どう思う?」

※トリップ警告ありがとうございました。変更しました。

五十鈴「・・・・・・」

五十鈴「むしろ、それを五十鈴に打ち明けた提督がどういうつもりなのか問い質したいわね」

提督「まあ単刀直入に言うとだな」

提督「今まで数々の修羅場を共に潜り抜けてきた俺と五十鈴の間柄だ」

提督「心の底から正直に己の心境と下卑た欲望を上手く説明すれば一発ヤラせてくれるんじゃないかってな」

提督「長い付き合いだし、結構好感度とかもカンスト間近まで上がってると思うんだよな」

五十鈴「ついさっきまでだったら、もしかしてそうだったのかもしれないわね」

五十鈴「でもそういうのって言葉に出して伝えられたら一気に下がるものだって今わかったわ」

提督「そうか・・・」

五十鈴「あのね、提督」

五十鈴「誰かさんの台詞じゃないけど、時間と場所を考えなさいよ」

五十鈴「執務時間中に、いきなり呼び出されて・・・え、『Hさせてください』なんて言われても」

五十鈴「それで体を許すのは社長秘書か欲求不満のOLだけよ」

提督「・・・そうだよな」

提督「すまない」

提督「なるべく嘘を吐くような真似をしたくなくて、あえて直球で伝えたんだが」

提督「逆に五十鈴を困らせてしまったようだ」

提督「悪かった。俺の不徳の致す限りだ」

五十鈴「・・・まあ、いいけど」

五十鈴「それで、提督はどうするの?」

提督「どうするとは?」

五十鈴「・・・だから、あれよ」

五十鈴「た・・・溜まってるんでしょ、いろいろと」

五十鈴「また机の一番上の引出の底板の下に隠してるえっちな本でどうにかするの?」

提督「ふむ」

提督「上官の実用極秘書物を把握されている事実も驚きではあったが」

提督「さて・・・どうしたものかな」

4,5が削除されたのはどういうこったい・・・

※すいません、気のせいでしたm(--;m

提督「まあ、五十鈴が嫌だと言うなら仕方ない」

提督「誰か別の艦娘に面倒を見てもらうことにしよう」

五十鈴「!?」

提督「そうだな・・・最初から全力オープンなイクか、日本文化にまだ慣れきっていないろーちゃんあたりにお願いしようか」

提督「純情ビッチそうな鈴谷か意味深発言ばっかりしてる如月なんかもいいかもしれない」

五十鈴「」

提督「わざわざすまなかったな、五十鈴」

提督「ご苦労だった。執務に戻ってくれ」

五十鈴「・・・ちょっと待ちなさいよ」

五十鈴「何よそれ」

五十鈴「提督は自分の性欲が発散できるなら誰でもいいって言うの?」

提督「そういうわけではないが・・・」

提督「このまま欲求が溜まっていけば、何をしでかすか自分でもわからんのだ」

提督「なんせ艦娘は皆、別嬪揃いだからな」

提督「本能に負け、上官の立場を悪用して肉体関係を迫るような卑劣な真似はしたくない」

提督「だがこのままいくと、いつか無理やりにでも襲ってしまいそうで恐ろしいんだ」

提督「そんな最悪な事態を招かない為にも、予め正直に胸の内を告白して承諾を得ておく」

提督「それが俺の出した解決策だ」

五十鈴「潔いのか諦めが悪いのかよくわからないわね」

提督「不器用だからな」

五十鈴「カッコよくないわよ」

提督「そうか・・・」

実用・極・秘書物と考えれば五十鈴だってそういう発想にも至るというもの

五十鈴「・・・それで?」

五十鈴「こんなムードも節操もない話を他の誰にしたのかしら?」

提督「?」

五十鈴「・・・とぼけちゃって」

五十鈴「もう誰かに断られたから五十鈴を呼んだんでしょ?」

提督「いや、これが初めてだが」

五十鈴「・・・そうなの?」

五十鈴「・・・・・・」

五十鈴「どうして・・・五十鈴にその話を最初にしたのよ」

提督「ふむ・・・どうしてだろうな」

提督「己の性を自覚した時、一番最初に浮かんだのが五十鈴だった」

提督「考えてもいなかったことだから、説明も出来ん」

五十鈴「・・・・・・そう」

五十鈴(・・・こんな馬鹿らしい話を、真剣な顔して言っちゃうんだから)

五十鈴(あの時も・・・同じ目をしてたわね・・・)

二年前
敵艦隊前線泊地決戦後

提督「五十鈴!大丈夫か!?しっかりしろ!!」

五十鈴「・・・てい・・・とく・・・?」

五十鈴「・・・馬鹿ね・・・どうして来たのよ・・・」

提督「こっちのセリフだ!あれだけ撤退しろと言ったのに・・・!」

提督「一人で残って・・・こんなにボロボロになるまで無理をして・・・!」

五十鈴「・・・言ったでしょ・・・?」

五十鈴「五十鈴は・・・提督を・・・全力で勝利に導くって・・・」

五十鈴「ふふ・・・私・・・ちゃんと勝ったでしょ・・・?」

提督「・・・勝利だと?」

提督「そんなものに何の意味がある・・・!」

五十鈴「・・・提督・・・?」

提督「どんな敵を打ち倒そうと・・・」

提督「どれだけの戦果を挙げようとも・・・!」

提督「お前を失ったのなら・・・何の意味もない・・・!」

提督「五十鈴の代わりなんて、誰もいないんだ・・・!」

五十鈴「・・・・・・」

提督「・・・約束してくれ、五十鈴」

提督「もう二度と、こんな無茶はしないって・・・」

五十鈴「・・・馬鹿ね。分かったから、そんな情けない顔しないでよ」

五十鈴「約束するわ・・・」

五十鈴「五十鈴は、もうこんな無理はしない・・・」

五十鈴「・・・提督と、ずっと一緒にいるから」

五十鈴「だからもう・・・泣かないでよ・・・」

五十鈴(・・・たった二年なのに、随分と長く一緒にいるような気がするわね)

五十鈴「・・・・・・ふぅ」

五十鈴「・・・わかったわよ」

提督「!?」

五十鈴「仮にも質実剛健の硬派軍人で通ってる提督が、実はこんな情けない悩みで悶々としてたなんて」

五十鈴「他の娘に知られたら、深海棲艦との戦いどころじゃないでしょ?」

提督「い、五十鈴・・・」

五十鈴「それと冷静に考えてもみなさいよ」

五十鈴「イクや他の二人はまだともかく、呂500にそんなお願いしたら」

五十鈴「憲兵さんに捕まるどころかドイツで公開処刑されるわよ」

五十鈴「ただでさえ日本式制服とか言って、あんな水着姿にしてるんだから」

提督「むぅ・・・あれは機能美に溢れた素晴らしい装備だと思うんだがな」

提督「しかし五十鈴の言うことももっともだ」

提督「獣欲に我を失い、危うく取り返しのつかない選択をするところだった」

五十鈴「自覚があるのは結構なことだと思うけど、自分で言うのはどうなのかしらね」

提督「ああ。留意しておこう」

提督「・・・・・・それで、五十鈴」

提督「先程の返答・・・了承してくれたと取っていいのかな?」

五十鈴「・・・しかたないでしょ」

五十鈴(約束・・・したものね・・・)

提督「そうか有難い。じゃあ早速この期待に満ち溢れた愚息をだな――――」カチャカチャ

五十鈴「ちょ・・・ちょっと待って!」

五十鈴「そんないきなり迫られても心の準備が・・・!」

提督「なんでだ!?なんかもう一気に童貞卒業できる雰囲気だっただろ今!!」

五十鈴「そ、そんな焦らなくてもいいでしょ!?」

五十鈴「っていうか提督って童貞だったの!?」

提督「ろくに手も繋いだことないって言っただろ!!」

提督「どうせ童貞だよ!!!!!!俺は!!!!!!!!!!」

五十鈴「」

提督「だからこそ理解できるだろう!?俺の逸る気持ちが!!今すぐにでも五十鈴と結合したいという俺の想いが!!」

五十鈴「で、でも五十鈴だってはじめ―――――」

五十鈴(ッ・・・!)カァアアアア

提督「・・・五十鈴?」

五十鈴「な、なんでもないわよ!!」

五十鈴(い、言えない・・・!)

五十鈴(いつも歴戦の提督たちに寵愛されていたなんて豪語してきた五十鈴が・・・)

五十鈴(実はまだ処女だなんて・・・!!)

提督「・・・どうしたんだ?ずいぶん顔が赤いようだが」

五十鈴「・・・ッ!?」

五十鈴「な、なんでもないって言ってるでしょ!?」

提督「あ、ああ・・・」




五十鈴(こ、こうなったらどうにかして誤魔化すしかないわね・・・!)

五十鈴(提督と夜戦に挑むとしても、まだ知識が足りていないわ・・・!)

五十鈴(でも、どうしたら・・・どうしたら・・・)

五十鈴「・・・・・・!」

五十鈴(そういえば、提督の書斎本棚の古語辞典ケースにそれっぽい本があったわね・・・)

五十鈴(あれを参考にするしかないわ!)

五十鈴「・・・ねえ提督」

五十鈴「物事には、順序というものがあるのよ?」

提督「じゅ、順序?」

五十鈴「そうよ!いま、童貞の提督が経験豊富な五十鈴と・・・その・・・え、Hしたら・・・」

提督「・・・したら?」(ゴクリ)

五十鈴「あそこが爆ぜて死ぬわ」

提督「死ぬの!?」

提督「しかも爆発するのか!?」

五十鈴「そう・・・えーと・・・快楽に耐えられずにね」

五十鈴「歴戦の五十鈴が言うんだから間違いないでしょ!」

提督「あ、ああ・・・そうだな・・・」

提督「しかし・・・そうなるとどうするれば・・・」

五十鈴「ふふん、心配しなくていいわよ!」

五十鈴「提督の筆おろしは五十鈴に任せなさい!」

申し訳ない・・・酔い潰れて寝てしまった・・・頭痛ぇ(ノω;`

提督「・・・なあ五十鈴。本当にこれで正しいのか?」

五十鈴「な、なによ・・・疑ってるの?」

提督「いや、そういうわけじゃないんだが・・・」

提督「さっきまで勢いに任せていた分、こうなると逆に恥ずかしいというか・・・」

五十鈴「もう、我慢しなさいよ」

提督(しかし・・・着衣のまま行為に及ぶ趣向があるのは知っていたが・・・)

提督(童貞はこういった方法から始めなければいけないとはな・・・)

五十鈴「じゃ・・・じゃあ始めるわよ?」

提督「あ、ああ」

五十鈴(まずは提督を背もたれの無い椅子に座らせて・・・)

五十鈴(後ろから、腰に抱きつくようにして手を回して・・・)

むにゅう。

提督(い、五十鈴の豊満になった胸が・・・!)

提督(出会った時より格段に大きくなっていたのは明白だったが)

提督(まさか・・・実際に触れるとこれほどまでとは・・・)

提督(いかん。爆死するのも構わずに暴走してしまいそうだ・・・)

五十鈴(ええと・・・)

五十鈴(提督が持ってた『艦楽天』って本には、確か男の人のを手で擦ってたわよね・・・)

五十鈴(手淫・・・って言ったかしら)

五十鈴(他にも口とか胸とかで色々やってたような気がするけど)

五十鈴(五十鈴には、そんな勇気ないわ・・・!)

五十鈴(今は提督の・・・アレ・・・どころか、顔を見るのだって恥ずかしくて死にそうなのに・・・!)

五十鈴(ともかく!今回はこうやって後ろから手で提督の情欲を鎮めるしかないわ・・・!)

カチャカチャ。ゴソゴソ。

提督「・・・っ」

提督(い、五十鈴のひんやりとした手が俺のズボンの中へ・・・!)

五十鈴「・・・!!」

五十鈴(し、下着越しに提督のぐにぐにした熱いのが・・・!)

提督「・・・・・・」

五十鈴「・・・・・・」

シーン・・・。

提督「・・・ど、どうかしたか五十鈴」

五十鈴「べっ・・・べべ、べつに!?なんでもないけど!?」

提督「そ、そうか・・・」

提督「なんだ、その・・・俺から頼んでおいて図々しいようなんだが・・・」

提督「早いところ続きをしてくれると有難い・・・」

提督「色々ともう限界でな・・・」

五十鈴「そ、そう・・・」

五十鈴「じゃあ・・・は、はじめるからね・・・?」

提督「あ、ああ」

提督(さっきも言ってなかったっけ・・・?)

もぞもぞ

五十鈴(手探りだからよくわかんないけど・・・)

五十鈴(とりあえず、提督の下着の中へ・・・)

もにゅ

びくんっ!

五十鈴「!!!!!???」

ギュッ!

提督「ぎゃあ!!?」








五十鈴「っ・・・!」

提督「す、すまんが五十鈴・・・」

提督「も、もう少し弱めに握ってもらえると・・・」

五十鈴「ご、ごめんなさい・・・」

五十鈴(さ・・・触っただけで、こんなにビクビクするなんて・・・)

五十鈴(びっくりして緊張しちゃったじゃない・・・)

五十鈴「・・・ごくっ」

五十鈴(提督の・・・下着越しに触ったときよりずっと熱くて・・・)

五十鈴(なんだか・・・ぐにぐにしてるのに硬い・・・)

五十鈴(えっと・・・たしか本では上下に手を動かしてたわよね・・・)

五十鈴(とってもデリケートな部分だってよく聞くし・・・優しく、優しく・・・)

コシュ、コシュ

提督「うっ・・・くあ・・・!」

五十鈴「あっ・・・!い、痛かった・・・?」

提督「い、いや・・・大丈夫だ」

提督「そのまま続けてくれ・・・」

五十鈴「そ、そう・・・?」

コシュ、コシュ、コシュ

五十鈴(て、提督のこれ・・・)

五十鈴(手を動かすたびにどんどん大きくなって・・・熱くなって・・・)

五十鈴(びくびくして・・・生き物みたい・・・)

五十鈴(・・・あ、なんだかぬるぬるしてきた)

五十鈴(これって・・・気持ちよくなると出るのよね・・・?)

五十鈴「ど、どう・・・?提督、気持ちいい・・・?」

提督「あ、ああ・・・」

提督「まさか、自分でやるのとこれほど違うとは思わなかった・・・」

五十鈴「ふ、ふふん。当然でしょ?」

五十鈴「この五十鈴がしてあげてるんだから」

シュッ、シュッ、シュッ

提督(くぅ・・・!五十鈴の動きが段々と早く・・・!)

提督(下着の中で五十鈴の手と・・・布が擦れて・・・!)

提督(もどかしいような快楽に腰が動きそうになる・・・!)

五十鈴「はぁ・・・はぁ・・・」

五十鈴(すごい・・・提督の・・・おちんちん・・・)

五十鈴(ますます熱く、おっきくなって・・・)

五十鈴(こんな・・・気持ち良さそうにビクビク震えて・・・)

五十鈴(そ、それに・・・提督の汗と、蒸れたアレの匂いも強くなって・・・)

五十鈴(もう・・・スボンに染み込むくらいベトベトにしちゃって・・・)

五十鈴「スン・・・スン・・・」

五十鈴(なんだか・・・頭がボーっとして・・・)トロン

しゅっ!しゅっ!しゅっ!

提督(うぅ・・・!五十鈴の動きが一段と激しく・・・!)

提督「く・・・!い、五十鈴・・・もう・・・!」

五十鈴「はぁ・・・!はぁ・・・!」

にちゅっ!ぢゅっ!にゅち!にゅち!

提督「くぁああ・・・!五十鈴・・・!五十鈴!!」

どぴゅう!びゅぷぷ!どぷっ!どぷぷ!

提督「ハァッ・・・!ハァッ・・・!」

五十鈴「はっ・・・はっ・・・はっ・・・」

ぬちゅ・・・。

どろ・・・。

五十鈴(あ・・・これが・・・提督の精液・・・)

五十鈴(こんなに・・・たくさん・・・)

五十鈴「スンスン・・・」

五十鈴(んっ・・・さっきより、もっとすごい臭い・・・)

五十鈴(嗅いでるだけで頭の奥が痺れて・・・唾液が溢れちゃう・・・)

五十鈴「・・・ごくっ」

提督「・・・す、凄かった」

提督「腰が抜けるかと思ったぞ・・・五十鈴・・・」ゼエゼエ

五十鈴「・・・あ、あら・・・」ハアハア

五十鈴「童貞の提督には、ちょっと刺激が強かったみたいね・・・」

提督「あ、ああ・・・」

提督「情けないようだが、反論出来ないな・・・」

提督「さすが、数々の名将を支えてきた実績を持つ五十鈴だ」

五十鈴「ば、馬鹿ね。当たり前でしょ?」

提督「ふ・・・そうだな・・・」

提督「では、この調子で引き続き童貞を卒業させてもらうとしよう」

五十鈴「!?」

五十鈴「ちょ、ちょっと待ってよ!!」

五十鈴「引き続きって・・・あんなに出したばっかりじゃない!」

提督「ああ・・・確かにいつもより凄まじい量の射精だったな」

五十鈴「で、でしょ?だから提督も少し休憩しないと・・・」

提督「いや、俺の愚息はこの通り意気軒昂だが・・・」クルッ

ビンビン!

五十鈴「きゃあああああっ!!?なんてもの見せるのよ変態っ!!」

バチーン!

提督「へぶっ!?」

五十鈴「あっ・・・!」

五十鈴(び、びっくりして、とっさに手が・・・!)

提督「うぅ・・・急にどうしたんだ五十鈴・・・」

五十鈴「え、えっと・・・あの・・・」オロオロ

提督「はっ・・・!」

提督「な、なあ・・・もしかして五十鈴・・・」

五十鈴(ドキッ!)

提督「俺の愚息は・・・どこか変なのか?」

五十鈴「へ、へ・・・?」

提督「いや・・・考えてみれば自分の一物が他人と比べてどうなのかなど想像したこともなくてな」

提督「書物や映像資料なんかだとモザイク処理されているし・・・」

提督「五十鈴が咄嗟に悲鳴をあげてしまうほど、どこか変わった特徴があるんだろうか・・・?」

五十鈴「そ、それはその・・・」

提督「ううーん・・・」

提督「この通りちゃんと剥けるから真正包茎というヤツではないと思うんだが・・・」ムキッ

五十鈴「」(カァアアアアアア……!)

提督「どうなんだ五十鈴、おかしな点があったら遠慮なく言ってくれ」グイグイ

五十鈴「う、うぅ・・・」

提督「・・・そうか。そんなに変なのか」ヘニョン

提督「困ったな・・・明石に頼めば診てくれるだろうか・・・」

五十鈴「!?」

五十鈴「べ、べつに変じゃないわよ!」

提督「なに!?そうなのか!?」

五十鈴「え、ええ・・・」

五十鈴(本物の男の人のなんて見たのは初めてだけど・・・)

提督「そうか、良かった・・・」

提督「だとしたら、五十鈴は一体なにが不満なんだ?」

五十鈴「え、えーと・・・」ダラダラ

五十鈴(考えるの・・・考えるのよ五十鈴・・・!)

五十鈴(提督を納得させて、この場を乗り切る方法を・・・!)

五十鈴「!」ピコーン

五十鈴「・・・提督、さっき五十鈴は順序があるって言ったわよね?」

提督「ああ。だからこそ既に準備は整ったと思うんだが・・・」

五十鈴「実はね・・・この準備にはまだ続きがあるの」

提督「な、なんだってー!?」

五十鈴「さっきのは、まだ初期段階でしかないわ」

五十鈴「この状態で、提督が五十鈴と本番に及ぼうとしたら・・・」

提督「・・・し、したら?」ゴクリ

五十鈴「今度は棒の部分だけが爆ぜて死ぬわね」

提督「また爆発するの!?」

提督「っていうかキンタマは無事なのに竿だけ爆発するってどういうことなんだ!?」

五十鈴(・・・あそこは竿って言うんだ)

五十鈴「あの・・・それはほら、あれよ・・・」

五十鈴「ある程度快楽に耐性がついて竿は耐えられるようになったけど」

五十鈴「その・・・き、きんたま(小声)・・・は無理ってことで・・・」

提督「・・・むう、なるほどな」

提督「全ての男性器部位が快楽に耐えられるよう訓練を積まなければいけないわけか」

提督「まさか、性行為に及ぶにあたってそんな苦労があったとは・・・」

提督「つくづく己の無知さ加減を思い知らされるな・・・」

五十鈴「え、ええ・・・そうね・・・」

提督「それは分かったが・・・それじゃあ、なんでさっき五十鈴は俺を殴ったんだ?」

五十鈴「そ、それは・・・」

五十鈴(うぅ・・・こうなったらもう、勢いで押し切るしか・・・!)

五十鈴「て、提督が身の程知らずにも五十鈴と本番行為に及ぼうとしたからよ!」

五十鈴「あの時、ああして止めてなければ提督の竿は弾け飛んでたんだから!」

五十鈴「内側から三式弾が炸裂したみたいに粉々にね!」

提督「お、恐ろしいな・・・」

五十鈴「だから、ゆっくりと慣らしていくしか方法はないの」

五十鈴「こうなった以上、提督の筆おろしは五十鈴が責任を持って面倒見てあげるから」

五十鈴「せいぜい感謝することね!」

提督「ああ・・・五十鈴に相談して本当によかったよ・・・」

五十鈴(な、なんとか誤魔化せたみたいね・・・)

五十鈴(途中から、自分でも何を言っているのかわかんなくなっちゃったけど・・・)

五十鈴(・・・後で、色々調べておかなきゃ)

五十鈴「ま、まあそういうワケだから・・・」

五十鈴「初日から張り切りすぎるのも体に悪いし、続きはまた今度ね」

五十鈴(気持ちの整理もしたいしね・・・)

提督「ああ・・・俺も次までに覚悟しておこう」

五十鈴(・・・ホッ)

五十鈴「じゃ、じゃあ五十鈴はこれで・・・」

提督「ああ・・・いや、ちょっと待ってくれないか」

五十鈴「な、なに・・・?」

提督「セックスに及ぶまで、前準備を段階的に踏んでいかなければいけないことはわかった」

提督「だが、今回の訓練は成功したと思っていいのか?」

五十鈴「え、ええ・・・そうだけど・・・」

提督「そうか・・・」

提督「ならばついでというか・・・重ね重ねで申し訳ないんだが・・・」

提督「五十鈴との初訓練で愚息が一向に落ち着いてくれなくてな」

提督「これではろくに執務にも戻れん」ビクンビクン

五十鈴「」

提督「というわけだから、出来ればさっきと同じ手法で処理してくれると助かるんだが・・・手淫だけに」

五十鈴「・・・うまくないわよ」





提督「ふむ・・・下着は脱いだが、後ろからするのは相変わらずなんだな」

五十鈴「・・・初心者なんだから、当たり前でしょ」

結局。
この後五回ほど五十鈴に抜いてもらい、すっきりした提督は無事執務に戻ることが出来たそうな。
五十鈴はこの夜、体が火照って眠れなかったそうです。

ちゃんちゃん

くー疲れました!
酔った勢いで初めてSS書いたけど予想以上に応援してもらえてホントありがたかったっす。
続きもまた思いついたら週末にでも書きたいなって思ってます。
読んでくださりありがとうございましたっ!ではでは!

数日後。
鎮守府内食堂。

五十鈴「・・・はぁ」

五十鈴(あれから何度か提督の性処理をしてきたけど・・・)

五十鈴(そろそろ同じやり方で誤魔化すのも限界になってきたわね・・・)

五十鈴(毎回なんとか強引に言い包めてるけど、提督の期待に満ち溢れた目をこれ以上直視できなくなってきたわ・・・)

五十鈴「・・・ふぅ」

長良「?」

名取「・・・?」

五十鈴(最初に提督に呼ばれた後、すぐ秋雲から借りてそういう本を読んでみたけど・・・)

五十鈴(まさか・・・あんなことや、こんなことまで・・・)

五十鈴(性欲は三大欲求の一つだって言うけど、ああまでアグレッシブかつ多彩な方法とか)

五十鈴(一体、どこの誰が何のつもりで本にしたのかしら・・・)

五十鈴「・・・ハァ」

五十鈴(提督の隠してるHな本でも少し知識はあったつもりだったけど・・・)

五十鈴(いざ自分が実践するとなると、こうまで気後れしちゃうものだったなんて・・・)

五十鈴(大体おっぱいや口はまだわかるけど、お尻とか腋や髪とかは、そういうことに使うものじゃないでしょ・・・?)

五十鈴(ホント、どこの変態が思いついたのかしら・・・)

長良「・・・ねえ五十鈴、食べないの?」

長良「今日は皆大好きカレーの日なのに」

長良「早く食べないと冷めちゃうよ?」

五十鈴「え?あぁ・・・そうね・・・」

名取「・・・ねえ五十鈴姉さん、何か悩みでもあるの?」

五十鈴「え!?な、悩み・・・?」

名取「ん・・・なんだか、ずっと溜息吐いてるから」

五十鈴(あ、相変わらず妙なところで鋭いわね・・・この子は・・・)





長良「あ、ひょっとしてダイエットとか?」

長良「だったらご飯を抜くのは体に良くないよ?食べた分以上に体を動かしたほうが健康にいいって!」

長良「だからちゃんと食べて一休みしたら、私と一緒に走り込みしよう!」

五十鈴(・・・長良は相変わらずで安心するけど)

五十鈴「べ・・・別に悩みなんて無いわよ? 気にしすぎだってば」モグモグ

名取(・・・五十鈴姉さんは分かり易いなぁ)

名取「あの・・・余計なお節介かもしれないけど」

名取「もし私達で力になれることだったら、いつでも言ってね?」

名取「なんの力にもなれないかもしれないけど、一人で悩んでるよりはいいと思うから・・・」

五十鈴(名取・・・)

五十鈴「・・・ええ、ありがと。その時がきたら、よろしくね?」

名取「うん」

長良「なーんだ。悩みなんてなかったんだ」

長良「てっきり、私は提督がいなくて五十鈴が寂しがってるのかと思っちゃった」

五十鈴「ぼふっ!?ゲホッ、ゲホッ・・・!」

長良「わっ!?ちょ、どうしたの!?」

五十鈴「い、いきなり長良が変なこと言うからでしょ!?」

名取(・・・あ、五十鈴姉さんの悩みって提督のことだったんだ)

名取(・・・最近、五十鈴姉さんが布団の中でもぞもぞしてることと関係あるのかな)

名取(・・・・・・)

↑の長良の「提督」は「司令官」に脳内変更よろしくお願いします・・・m(--;m
アカン酔いが早い・・・

長良「もー、そんな気にすることないでしょ?司令官が留守にするって言っても、ほんの2,3日なんだから」

長良「すぐに帰ってくるってば」

五十鈴「そ、そうじゃなくて・・・!」ゲホゲホ

名取「・・・あの・・・ね?」

名取「もし仮に、五十鈴姉さんが悩んでることがあるとしたら」

名取「やっぱり、詳しい・・・じゃなくて、頼りになる人に聞いたほうがいいと思うな」

五十鈴「た、頼りに・・・?」

名取「うん」

名取「えっと・・・例えば足柄さんとか、どうかな?」

五十鈴「な、なんで足柄さんなの・・・?」

名取「えっと・・・ほら、一応歴戦の名艦で『餓えた狼』って異名が付くほどの外見だし・・・」

五十鈴(一応・・って・・・)

長良(相変わらず名取は無邪気に毒舌ねえ・・・)

五十鈴「コホン・・・」

五十鈴「ま、まあ参考にはしておこうかしら・・・」

五十鈴「あ、あくまで参考にだからねっ!」

名取「うん」

長良「・・・え?話はまとまったの?」

長良「え?」

アカン眠い・・・飲み過ぎた・・・
申し訳ない・・・続きは後日でお願いしm

数十分後。
鎮守府内通路。

五十鈴(長良の言ってた通り、提督は士官学生時代の同期生達と親睦会であと二日ほどココを留守にするから・・・)

五十鈴(具体的なアドバイスや心構えを得るチャンスは今しかないわね)

五十鈴(そうなると多少不自然で脈絡はないけど、名取の言う通り的確な助言を与えてくれそうな人に意見を求めてみるのもいいかもしれない・・・)

『妙高型のお部屋』

五十鈴(この部屋ね・・・)

コンコン。

???「はーい、どちらさまかしら~?」

五十鈴(・・・?このノンビリとした声・・・?)

五十鈴「五十鈴です。あの、少しお話したいことがあって・・・」

ガチャ。

愛宕「あらあら~、五十鈴ちゃんがココ(重巡棟)に来るなんて珍しいわね~」ボヨンボヨン

五十鈴「愛宕・・・?どうしてここに・・・?」

愛宕「うふふ、時々こうやって妙高さん達の部屋に遊びに来てるのよ~」

足柄「愛宕ー?誰だったの・・・って、五十鈴じゃない」

足柄「どうしたの?妙高姉さん達に用があるんだったら、今は留守だけど」

五十鈴「え、ええ。それはむしろ有難いというか、なんというか・・・」

愛宕「???」

足柄「?」

五十鈴「実は・・・ちょっと足柄さんに相談したいことがあって・・・」

妙高型の部屋

足柄「さ、とりあえずお茶でもどうぞ」

五十鈴「ありがとうございます」

足柄「で、どうしたの?私に相談したいことって」

五十鈴「・・・・・・」

五十鈴「あの・・・単刀直入にお聞きするんですけど」

足柄「うん?」ズズー

五十鈴「・・・お、男の人と初めてHする時ってどうすればいいんですか?」

足柄「ゴボッフ!!?」

愛宕「あらあら~」

足柄「ゲッホゲホゲホ!!ゴホ!!」

五十鈴「だ、大丈夫ですか!?」

足柄「え、ええ・・・ゴホッ!ゴホッ!」

足柄「だ、大丈夫よ・・・問題ないわ・・・!ゲホッ」

五十鈴(本当かしら・・・)

足柄「ハア・・・ハア・・・」

足柄「ちょっといきなりで驚いちゃったけど・・・」

足柄「い、一体なんでそれを私に・・・?」

五十鈴「やっぱり、足柄さんは同じ艦娘の中でも『餓えた狼』って呼ばれるほどの精鋭で・・・」

五十鈴「人生経験も豊富だし、頼れるお姉さん的な存在ですから」

足柄「ふ、ふむふむ?」

五十鈴「月に一度の艦娘パジャマパーティーでも、凄くためになる恋愛経験を語ってくれていましたし・・・」

足柄「」

五十鈴「恥ずかしいとは思ったんですけど・・・やっぱり、こういう話は足柄さんに相談するのが一番かなって」

足柄(え・・・えええええええええええええ!?)

足柄(お、男とのSEX・・・!?それも初めてについてなんて・・・)

足柄(この私が分かるわけないでしょ・・・!?)

足柄(性行為どころかキスさえしたことないのに!!!!!!)

足柄「そ、そう・・・」

足柄「ま、まあ、あれよね・・・」

足柄「五十鈴もお年頃だし、そういう相手が出来ても不思議じゃないわよねぇ・・・」

足柄(いけない・・・)

足柄(間を持たせる為とはいえ、姪から恋愛相談を受けた親戚の叔母さん程度のことしか言えていないわ・・・!)

足柄(しっかりするのよ足柄・・・!)

足柄(ここで受け答えを間違えたら、今まで築き上げてきた『素敵な大人のお姉さん』ポジが水泡に帰してしまうわ・・・!)

足柄(まずは・・・そうね・・・)

足柄(現状確認をしっかりと行うところから考えましょう・・・!)

足柄「そ・・・それで?」

足柄「その・・・相手の人とはどこまでいっているのかしら・・・?」

足柄「様子から察するに、それなりまではいってそうだけど」

五十鈴「それは・・・あの・・・」カァアアア

足柄「恥ずかしがらなくてもいいのよ?」

足柄「大切な人とセ、セセセセックスしたいって気持ちは男だろうと女だろうと一緒なんだから」

足柄「次のステップに進む為にも重要なことなんだから、正直に白状しちゃいなさい」

五十鈴「・・・・・・はい」

足柄(まあ・・・せいぜいキスとかハグくらいかしら・・・)



足柄(ここ最近で随分と胸は大きくなったけど、五十鈴はまだ初心そうだものね)

足柄(それだったらなんとかなるわ・・・)

足柄(まだ早いわよ、とかそれっぽい意見で誤魔化して――――)

五十鈴「・・・その、手で・・・」

足柄「へ?て?」

五十鈴「・・・手で・・・性処理を何度か・・・」

足柄「」

足柄(助けて妙高姉さん!!那智!!羽黒ォー!!)

足柄(こ、この娘ついこの間までは私と大して変わらないおっぱいだったのに、もうそんなことしてる!!)

足柄(提督が箪笥の下から二段目の着替えの底に隠してる本みたいなことしてるぅううう!!)

足柄(最近の娘は性の乱れが激しいって聞いてはいたけど・・・!)

足柄(ま、まさかここまでだったなんて・・・!)

足柄(あまりの衝撃に大破着底しそうな勢いよ・・・!!)

足柄「ふふふふふふーん?そそそうなの?まま、まあ最近の娘はすすっす、進んでるものね」

愛宕「うふふ。若いっていいわね~」

五十鈴「・・・」カァアアア

足柄(ど、どうしよう・・・)

足柄(なんかもう、曖昧な言葉で誤魔化せるような状況じゃないみたいね・・・)

足柄(とは言え・・・これから初夜戦に挑もうとする娘にどんなアドバイスをすればいいのか・・・)

足柄(こんな時に限って、いつもなら溢れんばかりに浮かぶレディートーク(妄想)が発動しない・・・!)

足柄「う、うーん・・・そうね・・・」ダラダラ

足柄「や、やっぱり最初は普通にするのが一番じゃないかしら・・・?」

五十鈴「普通、ですか?」

足柄「え・・・ええ」

足柄(何が普通なのかなんて私にもわかんないけど・・・)

足柄「やっぱり、何事にも慣れって必要じゃない?」

足柄「後から色んなコトをするにしても、初めはこう・・・なんというか・・・」

足柄(え、えーと・・・えーとえーと・・・)

足柄「・・・そう、リラックス!リラックスして臨むのが一番だと私は思うわ!」

足柄「やっぱりどうしても緊張しちゃうかもしれないけど」

足柄「ほら、相手の人がリードしてくれるかもしれないじゃない」

五十鈴「その・・・実は相手も初めてで・・・」

足柄(難易度高っけぇ!!!!)シャッシャッシャッドーン‼

足柄「そそそそうねえ・・・となると~・・・」ダラダラダラダラ

足柄「あ、愛宕はどう思うかしら?」

愛宕「う~ん・・・」

愛宕「やっぱり大切なのは・・・ココじゃないかしら?」ボヨン

五十鈴「ココ・・・ですか?」ボヨン

足柄(ちっくしょう・・・!!)

愛宕「確かに足柄の言う通り、初めては緊張しちゃうわよね~」

愛宕「でもお互いが信頼し合ってるなら、そういうのってなんとかなるんじゃないかしら」

五十鈴「信頼・・・」

愛宕「焦らずに、ゆっくり落ち着いて考えていけばいいのよ~?」

愛宕「そうすれば、案外するっといけちゃうものだと私は思うわ~」

愛宕「ね、足柄」

足柄「へぇ!?そ、そそそうね!!」

足柄「私も焦らずゆっくりイケばいいと思うわ!」

五十鈴「な、なるほど・・・」

五十鈴(焦らずに・・・ゆっくりと・・・)

五十鈴「・・・わかりました!」

五十鈴「お二人の言う通り、ゆっくりとココで慣らしていくことにします!」ボヨヨン!

愛宕「うふふ、無理せずに頑張ってね~」

足柄「そうねっ!」

五十鈴「はいっ!ありがとうございました!」


――――――――――――――――――――――――――

五十鈴退室後。


愛宕「それにしても、やっぱり若いっていいわね~」ズズー

足柄「・・・ソウネ」白

愛宕(たぶん、ちゃんと伝わってはいないと思うけどー・・・)

愛宕(あの二人なら、もうちょっと時間を掛ければ問題ないだろうし)

愛宕(結果オーライよね~)

愛宕「提督も、幸せ者よね~」

足柄「・・・ソウネ」白

二日後。

五十鈴「―――というわけで、そろそろ次のステップに進めるわよ!」

提督「おお!ついに・・・!」

五十鈴(提督には練度が上がったから的な説明をして納得してもらえたのはいいけど)

五十鈴(い、いよいよとなるとちょっと緊張しちゃうわね・・・)

五十鈴(でも大丈夫・・・!足柄さんと愛宕の言う通り焦らずじっくりとココを使えば・・・!)ボヨン

五十鈴(部屋にあったコケシで練習もしたし、五十鈴に抜かりはないわ!)

提督「そ、それで五十鈴・・・今度はどういった訓練をするんだ?」ドキドキ

五十鈴「コホン・・・次の訓練は」

五十鈴「む・・・胸を使って提督の竿を鍛えるわよ!」バイン!

提督「なんだと!!!??」

五十鈴「」ビクッ

提督「胸を使うというのか!?」

五十鈴「な、なによ・・・不満なの・・・?」

提督「馬鹿な!そんなわけがないだろう!!」

提督「ま、まさか早くも五十鈴のその豊満な胸を使ってもらえるなんて・・・!」

提督「感激と興奮のあまり、俺の愚息はズボン越しでもこんな状態だ!!」ビキビキ

五十鈴「そ、そう・・・」ゴクリ

提督「早速だが始めてもらいたい!」

提督「正直、五十鈴に会えなかったこの三日間で俺の性欲袋は限界容量ギリギリだったんだ!」カチャカチャ!ガバッ!

五十鈴「!?」

ビグンッ!ビグンッ!

五十鈴(ちょ・・・!提督のコレ・・・!)カァアアアア

五十鈴(い、今までにも何度か見たことはあったけど・・・)

五十鈴(前よりもずっと大きくてビクビクしてるじゃない・・・!)

五十鈴(まだ触ってもいないのに先っぽからお汁が滲んでるし・・・)

五十鈴(たった三日我慢しただけで・・・こんなに・・・)

五十鈴(・・・す、凄い迫力・・・)ゴクッ

提督「・・・五十鈴?随分と顔が赤いようだが・・・熱でもあるのか?」

五十鈴「そそそ、そんなことないわよ?!」ドキドキ

五十鈴「じゃじゃ、じゃあ提督も待ちきれないみたいだし、そろそろ始めましょうか!」プチプチ

提督「あ、ああ!」ドキドキ

五十鈴「えっと・・・」

五十鈴「それじゃ、今からおっぱいでするから・・・」

五十鈴「い、いいわね?」

提督「・・・なあ、五十鈴」

提督「胸でしてくれること自体は願っても無いんだが」

提督「上衣は脱がないのか?」

五十鈴「」ドキッ

提督「恐らくというより、俺が絶頂したら十中八九汚れてしまうと思うんだが・・・」

五十鈴「え、えーと・・・」

五十鈴(ま、まさかまだ胸を直接見られるのが恥ずかしい・・・なんて言えないし・・・)

五十鈴(い、いつもみたいに勢いで誤魔化すしか・・・!)

五十鈴「・・・ま、前にも説明したけど」

五十鈴「童貞の提督は強い快楽や興奮状態には耐えられないの」

提督「う、うむ」

五十鈴「確かに最初より多少練度が上がったとは言っても」

五十鈴「今の提督が女の子のおっぱいを直に見てしまったら・・・」

提督「ま、また爆発するのか?」

五十鈴「・・・興奮のあまり脳内の全血管が切れて死ぬわね」

提督「日常的に起こり得る分こっちのほうが怖いな!?」

五十鈴「で、でしょう?」

提督「くっ・・・そうだったのか・・・」

提督(・・・提督に赴任したばかりの頃、五十鈴達の入渠を覗かなくて本当によかった)

五十鈴「とにかく、焦らないことよ!」

五十鈴「ゆっくり落ち着いて慣らしていけば、案外するっといけちゃうんだから!」

提督「ああ・・・肝に銘じておこう・・・」

五十鈴「ふ、ふふん。分かればいいのよ」

五十鈴「・・・じゃ、じゃあ、あらためて始めるからね?」

提督「お、おう!」

五十鈴(・・・落ち着くのよ、五十鈴)

五十鈴(秋雲に借りた本や提督の極秘書物で知識は得て、イメトレもした)

五十鈴(予行練習はこの二日間でみっちりやったし、大丈夫・・・!)

五十鈴(あとは緊張せず、リラックス・・・!)

五十鈴(大体、提督のおちんちんを胸で挟んでイカせるだけでいいんだから)

五十鈴(五十鈴には楽勝よ!)

五十鈴(こうやって椅子に座って提督の前に位置を合わせて・・・)

五十鈴(下の部分だけボタンを外したシャツの間から、谷間に提督のを入れて・・・)

にゅぷんっ

提督「!!!?」ビグッ!ビグンビグン!!

五十鈴「!!!?」ビクゥ!

提督「」

五十鈴「」

提督「・・・・・・すまん、五十鈴」

提督「あ、あまりの快楽に・・・軽く絶頂しかけてしまった・・・」

提督「す、少し落ち着くまで待ってもらえると・・・ありがたいんだが・・・」

五十鈴「そ、そそそ、そう」

五十鈴「まま、まあ無理もないわね」

上記脳内修正お願いします・・・m(--;m

×五十鈴(こうやって椅子に座って提督の前に位置を合わせて・・・)
〇五十鈴(こうやって椅子に座った提督の前に位置を合わせて・・・)


五十鈴(なななな、なに、これ・・・!?)

五十鈴(て、提督のおちんちん・・・手でした時よりもずっとビクビクしてる・・・!)

五十鈴(そ、それに・・・握った時より提督の熱が全体的に伝わってきて・・・!)

五十鈴(力強く脈打ってるのを、おっぱい全部で感じる・・・!)

五十鈴(い、いつもと違って正面に来てるから・・・臭いも凄くて・・・)

五十鈴「・・・っ」ビクッ

五十鈴(や、やだ・・・!)

五十鈴(まだ始まったばっかりなのに、もう腰が疼いちゃう・・・!)

五十鈴(て、提督の相手をするようになってから、なんだか身体が敏感になってきたような気はしてたけど・・・)

五十鈴(いつもだったら、こんなに早く感じないのに・・・!)

提督「・・・ふう。すまない、もう大丈夫だ」

提督「続けてくれ、五十鈴」

五十鈴「えっ・・・?え、ええ・・・」

もにゅ

五十鈴「う・・・動かすわよ・・・?」

提督「く・・・あ、ああ」

五十鈴「ん・・・んっ・・・」

にゅ、にゅっ、にゅぷ、にゅち

提督「」

提督(い、いかん・・・)

提督(これはいかん・・・!!)

提督(局部に万遍なく行き渡る快感のせいで、呻き声を出す余裕さえない・・・!)

提督(というか、改めてなんなんだこの途方もない柔かさは・・・!!)

提督(今までも背中越しにその感触を味わってはいたが・・・)

提督(別格・・・!!まるで別物・・・!!)

提督(直に味わうこの人肌の温かさ・・・!しっとりと柔かいのに確かに感じる弾力のハリ・・・!)

提督(例える言葉も比較する物も思い浮かばん・・・!!)

五十鈴「ん・・・はぁ・・・」

にゅっぷ、にゅぷ、にゅち、にゅぷっ

提督(しかもこの位置のせいで、五十鈴の甘い匂いをいつもより強く感じる・・・!)

提督(り、理性が壊れそうだ・・・!爆死するのも厭わず今すぐにでも五十鈴を押し倒してしまいたい・・・!)

提督(五十鈴の魅惑的な肉体を、欲望のまま思う存分に味わいたい・・・!)

提督(それがダメならせめて、五十鈴の胸を隠す上衣のヒラヒラだけでもめくり上げたい・・・!!!)

提督(だがそれは出来ない・・・!)

提督(何故なら俺は提督だからだ・・・!!)

提督(部下の模範たるべき将校が、己の欲望一つ律せずに死んだとなっては軍人の名折れ・・・!!)

提督(爆死も脳溢血もするわけにはいかんのだ・・・!!)

提督(耐えろ・・・!耐えろ俺・・・!!)

提督「」プルプル

にゅぷ、にゅち、にゅぷ

五十鈴「ん・・・ぁん・・・」

提督「」ギリギリ

五十鈴「ふ・・・ぁ・・・?」

五十鈴(な・・・なんだか提督の様子がおかしいわね・・・)

五十鈴(いつもだったら、すぐ気持ち良さそうに喘ぎだすのに・・・)

五十鈴(なんだか表情も苦しそうで・・・歯を食い縛ってるみたいだし・・・)

五十鈴(・・・・・・もしかして)

五十鈴(五十鈴のおっぱい・・・あんまり気持ちよくないのかしら・・・?)

五十鈴(・・・・・・・・・・・・)ジワ…

五十鈴(って・・・や、やだっ・・・!なんでちょっと泣きそうになってるのよ・・・!)

五十鈴(落ち込んじゃダメよ五十鈴・・・!)

五十鈴(足柄さんも愛宕も応援してくれたんだがら・・・!)

五十鈴(大丈夫っ・・・!落ち着いて、練習の成果を試してみれば、きっと・・・!)

にゅち・・・

提督「ぃ・・・ぃすず・・・?」

五十鈴(胸・・・提督ので、もう大分ベトベトだけど・・・)

五十鈴(こうやって挟んだまま、上のほうのボタンだけ外して・・・)プチ

提督(ぶっ・・・!?)

提督(待て五十鈴・・・!何をする気なんだ・・・!?)

提督(もう上衣の真ん中一つしかボタンが留められてないじゃないか・・・!)

提督(というか今改めて気付いたが下着も付けていない・・・!!)

提督(だとすれば脱ぐのか・・・!?ついに脱いでしまうのか・・・!?)

提督(五十鈴の生乳が披露されるのは狂喜乱舞せんばかりに喜ばしい限りだが・・・!)

提督(大丈夫か・・・!?俺の練度はもう五十鈴の胸を直視しても耐えられるくらいになっているのか!?)

提督(いかん・・・!訊ねてみたいが快楽のあまり声が張れん・・・!)

提督「ちょ・・・いす・・・」ゼエゼエ

五十鈴(えっと・・・胸の間に流れるよう、舌を突き出して・・・)

五十鈴「れ・・・れー・・・」

てろー・・・

提督「ずぅうううううううううううううううううううううううううううううう!?!!?」

五十鈴(滑りをよくしてから、もっと両手で圧し上げるように挟んで動かせば・・・!)

ずにゅっ!にゅぶ!にゅぷ!

五十鈴「んっ・・・!ふぁ・・・!んん・・・っ!」

にゅっぷ!じゅぷっ!にゅぷぷっ!

提督「~~~~~~~~~~~~~!!?」

ずちゅっ!にゅぶぷ!じゅぷっ!

五十鈴「ん・・・!はぁ・・・!んぁ・・・!」

提督「~~~~~~~~~~~~~!!!」

提督(―――あ、ダメだなこれもう)

びゅぷ!どぷぷぅ!びゅくっ!びゅぶぷ!どぴゅぷっ!

五十鈴「あんっ・・・!?」

提督「くぅ・・・ぉ・・・!!」

びゅくくっ!びゅく!どぷっ・・・!どぷ・・・どぷぷ・・・!

びゅく・・・っ!ぴゅくん・・・

五十鈴「・・・・・・」フゥ…フゥ…

提督「・・・・・・」ハァ…ハァ…




五十鈴(・・・提督の精液・・・すごい量・・・)ボー

五十鈴(胸どころか顔や髪もベトベト・・・)ドロ

五十鈴「・・・ね、ねぇ提督」

提督「・・・・・・」

五十鈴「ちゃんと・・・気持ち良かった・・・?」

提督「あ・・・ああ・・・」

提督「なんというか声を上げる余裕さえなかったが・・・」

提督「最後のほうはもう・・・とんでもない絶頂のあまり思考が一瞬真っ白になって・・・思わず素になるくらいだったな・・・」

提督「まだ頭がぼんやりしている・・・」

五十鈴「そ、そんなに良かったの・・・?」

提督「ああ・・・」

提督「五十鈴は改二になってから随分と胸が成長したと思っていたが・・・」

提督「まさかこれほどまでとはな・・・」

五十鈴「あ、あら・・・当たり前でしょ?」

五十鈴「なんて言ったって改二になったんですもの」



軽空母の部屋

龍驤(改二)「――――――ぅぐ!?」

龍驤(改二)「ガハッ!!ゴホォ!!」

千代田「ちょ!? お、お姉!!龍驤がいきなり・・・!!」ボヨンッ

千歳「ああっ!?寝ていた龍驤ちゃんが何故かいきなり吐血を!!」ボヨンッ

龍驤(改二)(な・・・なんやっ・・・!?急に胃と胸が・・・!!)キリキリ

龍驤(改二)「うごはぁッ!!?」ガクッ

千代田「りゅ、龍驤!?龍驤ォーーーーーーーー!!!?」

提督(いや・・・それにしても本当に凄まじい破壊力だった)

提督(あまりの射精量で五十鈴もどろどろになってしまった・・・)

提督(うん・・・なんだか、これはこれで酷く興奮する光景なんだが)

提督(このままにしておくわけにもいくまい)

提督「なあ五十鈴、一先ずは顔をきれいに――――」

五十鈴「・・・・・・」ジッ…

提督「・・・五十鈴?」

五十鈴「・・・・・・」ジッー・・・

五十鈴(提督の・・・)

五十鈴(あんなに出したのに、胸の間でまだ切なそうにヒクヒクしてる・・・)

五十鈴「・・・ごくっ」

五十鈴「ね、ねえ提督・・・」

提督「あ、ああ。どうした?」

五十鈴「その・・・提督のもまだ元気みたいだし」

五十鈴「このまま・・・く、口でしてあげてもいいわよ・・・?」

提督「!!!?」

五十鈴「・・・だめ?」

提督「いや!いやいやいや!断じて否!!」

提督「そんなことあろうはずもない!」

提督「あろうはずもないが……お、俺の一物はもうそこまでの段階に進んでいいのか!?」

五十鈴「え、ええ・・・」

五十鈴「提督も大分上達(?)してきたみたいだし・・・」

五十鈴「問題ないと思うわよ・・・?」

提督「そ、そうかっ」

提督「俺の愚息もようやく五十鈴の口淫に耐えられるだけ成長したと言うわけか・・・」

提督「なんだか感慨深いな・・・!」

五十鈴「そ、そうね・・・」

五十鈴(わ、私・・・何を言ってるのかしら・・・)

五十鈴(でも・・・五十鈴の胸で提督が気持ちよくなってくれたこととか・・・)

五十鈴(提督の・・・アレ・・・)

五十鈴(っ・・・精液の臭いを嗅いでるだけで・・・)

五十鈴(いつもより頭がぼうっとして・・・身体が熱くなって・・・)

五十鈴(んんっ・・・!お腹のあたりが・・・疼いちゃって・・・)

五十鈴(もう・・・提督のことしか・・・考えられなくなってきて・・・)

五十鈴「はぁ・・・はぁ・・・」

五十鈴(提督・・・)

提督「よ、よしっ!ならば早速―――」

―――――チュッ。

提督「!!!??」ビクビクビク!

五十鈴「ちゅ・・・ちゅぷ・・・ん・・・!」

五十鈴(ああ・・・な、舐めちゃってる・・・提督の・・・提督の・・・)

五十鈴「んぷ・・・ちゅっ・・・ちゅ・・・」

五十鈴(提督の・・・ぬるぬるしてる・・・)

提督「くぉ・・・!?」

五十鈴(精液の臭いもキツくて・・・)

五十鈴(頭の中が抉られるような味なのに・・・)

五十鈴(ビクビクしてる提督のおちんちん・・・何度も舐めちゃう・・・)

五十鈴「ちゅっ・・・れろ・・・」

提督(い、いかん・・・!)

提督(五十鈴に口淫してもらえる嬉しさで浮かれていたが・・・!)

提督(胸で絶頂した直後で愚息がかなり敏感になっているのを失念していた・・・!!)

提督(しかもまだ胸で挟まれているせいで竿と亀頭に別々の快楽が・・・!!)

提督(くうぉ・・・!?吐息が当たるだけでも腰が浮きそうに・・・!!)

提督(舌で一舐め・・・唇を押し付けられる度に絶頂しそうになる・・・!)

提督(まずい、まだ始まったばかりだと言うのに・・・っ!)

五十鈴「ん・・・ちゅっ・・・れろぉ・・・れろ・・・」

提督「」ゾクゾクゾク

提督「い、五十鈴・・・ちょっとまっ・・・」

はぷっ――――。

提督「!!!!!」ビグンッ‼

五十鈴「んれろっ・・・ちゅぅうう・・・ちゅっ・・・ちゅぷ!」

五十鈴(提督・・・提督の・・・)

提督「くおぉ・・・!い、五十鈴ぅ・・・!」

五十鈴「んちゅ・・・じゅぶ、じゅぷ・・・ちゅぶぶ、ちゅぶっ」

五十鈴(提督・・・提督・・・)

五十鈴「ちゅぶ、れろれろ、くちゅちゅ、ちゅっ、じゅるるるるっ!」

五十鈴「んぷっ、れろれろれろ、ぢゅぷぷ、じゅるっ、ちゅっ!」

五十鈴(提督・・・提督提督提督っ・・・!)

提督「くぅっ・・・!五十鈴・・・もう・・・!」

びゅくんっ!!びゅくびゅくびゅくっ!どぷぅ!!

五十鈴「んぷ・・・!?んっ・・・!んんんっ・・・!!」

提督「くぉおおあああ・・・!」

びゅくびゅくっ!びゅくっ!びゅくっ!・・・びゅくっ!

五十鈴「・・・んぷ・・・ふぷっ・・・」

提督(・・・こ・・・腰が抜けて失神しそうになった・・・)

五十鈴「んっ・・・んっく・・・」

提督(い、いや意識を保て俺・・・あまりの射精量で五十鈴が涙目になって苦しんでる・・・)

提督「す・・・すまん五十鈴、大丈夫か・・・?」

提督「無理をせず口を離してくれ。汚れても大丈夫だから―――」

五十鈴「・・・んっぷ・・・んん・・・ん・・・」

――――――ゴックン。

提督「」

五十鈴「んっく・・・ん・・・ふ・・・」

提督(五十鈴が・・・俺の精液を・・・)

提督(・・・な、なんだろう)

提督(精液塗れになった五十鈴を見た時もそうだったが・・・酷く興奮する)

提督(いや・・・それだけでなく・・・なんというか、こう・・・)

提督(なんだこの感覚は・・・)

五十鈴「ん・・・ふぅ・・・ふぅ・・・」

五十鈴「んちゅ・・・ぢゅるるるっ、ちゅうっ・・・」

提督(くぅ・・・尿道に残った精液まで・・・!)

五十鈴「ぷぁ・・・」

五十鈴「はぁ・・・はぁ・・・」

提督「・・・・・・」

五十鈴「・・・・・・」

提督(・・・な、何故だろう)

提督(五十鈴と目が合っただけなのに、やけに動悸が激しくなってきた)

提督(毎日毎日、顔を見合わせているのに)

提督(頼りになるしっかり者で、少し生真面目で、頑張るあまり意地になるところもあるが、ちょっと寂しがり屋で)

提督(いつも強気に微笑んで・・・気が付けば側で支えてくれている)

提督(ずっとずっと一緒に戦ってきた)

提督(五十鈴のことを全部わかったようなつもりでいた)

提督(だけど今の五十鈴は・・・俺の知らない表情をしている)

提督(危うげで弱々しいような・・・儚いような・・・)

提督(それでいてもの凄く妖艶な・・・そんな表情を)

五十鈴(・・・提督は)

五十鈴(だらしない上に計画性が無くて、なのにいっつも無理して格好つけるから、入ってから日の浅い娘達に『質実剛健』なんて呼ばれて、後で浮かれて失敗して落ち込んで・・・しかもこんなにエッチで・・・)

五十鈴(でも、いざという時は私達の事をしっかり想ってくれて・・・)

五十鈴(絶対に私達を無事に帰還させる為に、苦心してるのも知ってる)

五十鈴(本営所属<エリート>の同期生達から、臆病者呼ばわりされてるのも知ってる)

五十鈴(その事を隠して、平気なふりして笑ってるのも知ってる・・・)

五十鈴(名誉よりも、戦果よりも、勝利よりも・・・)

五十鈴(私達のことを大切に・・・本当に大切にしてくれる、強くて優しい人・・・)

五十鈴(・・・あの時出会ってから、ずっと一緒にいてくれる・・・)

五十鈴(私のいちばん大切な――――――)

五十鈴「・・・・・・提督」

提督「・・・・・・」

提督(・・・な、なんだこれは)

提督(か、体が勝手に動く・・・五十鈴のさらさらの髪を撫でてしまう・・・!)

五十鈴「・・・んっ」

提督(・・・あ、あれ・・・いつもなら『子ども扱いしないで!』とか『いやらしい手付きで触らないで!』って怒るんだが・・・)

提督(い、いやまあ・・・性的行為に及んでいながら今更なんだが・・・)

提督(ど、どうしたんだろう・・・五十鈴)

提督(というより、俺もどうしたんだろう・・・)

五十鈴「て・・・提督・・・」

提督「・・・・・・五十鈴」

提督(――――――駄目だ。理性がきかん)

提督(五十鈴の潤んだ瞳で見つめられるだけで・・・沸きあがってくる『何か』を抑制できん)

提督(もっと五十鈴に近づきたい。五十鈴の肌に触りたい。五十鈴の温もりを、もっともっと全身で感じたい)

提督(くっ――――しかし、いいのか俺)

提督(というか、いいのか五十鈴。大丈夫なのか本当に)

提督(このまま行くと確実に歯止めが利かんぞ)

提督(間違いなく本番行為まで及んでしまう・・・!)

提督(俺の愚息はもう大丈夫なのか・・・!?そこまでの耐久性はついているのか・・・!?)

提督(嗚呼―――しかし今は口を開くことさえもどかしい・・・!儘ならん・・・!)

提督(もうすぐ俺の身体が勝手に五十鈴を抱きしめ、その上で唇を重ねようとしている・・・!)

提督(五十鈴も拒むどころか、求めるように膝を立てて腕の中へ・・・!!)

提督(五十鈴っ・・・五十鈴・・・!!)

提督(俺は・・・俺はお前を・・・!)

ドンドンドンッ!!


提督・五十鈴「!!!!!??」ビックゥ‼

千歳『いらっしゃいますか提督!緊急報告です!』

提督「なぁっ・・・!?ちょ・・・そ、その声は千歳か!?」

千歳『はいっ、失礼します!』

バンッ!

千歳「良かった・・・やはりこちらに御出ででしたか・・・」

千歳「遅くまでの執務中だというのに、申し訳ありません」

提督「い、いやいやいや。全く構わない。問題ないぞ、うん」

千歳(・・・?)

提督「そ、それで一体どうしたんだ?」

千歳「あ、はい・・・実は先ほど龍驤が・・・」

提督「りゅ、龍驤が・・・?」

千歳「就寝中、いきなり吐血して倒れました」

提督「なんだと!!?」ガタッ‼(ガンッ)

提督「それで、龍驤は今どこだ!?」

千歳「先ほどドック入りして明石さんに診察を受けています」

提督「そ、そうか・・・容体は!?」

千歳「もうだいぶ落ち着いています」

千歳「明石さんの診断では急を要する状態ではなく、一時的なストレスによるものだろうとのことでしたが・・・」

提督「ストレス・・・くそっ、任務と休息の配分には気を遣っていたつもりだったが・・・!」

提督「まだ・・・甘かったか・・・!」

提督「自分の部下の疲労一つ察せないとは・・・不甲斐無い・・・!」

千歳「提督・・・」

千歳「あまり御自分を責めないでください・・・今日、龍驤の様子に変わったところはありませんでした。本当に、突然だったんです」

千歳「何が原因だったのか・・・室長の私がもっと早く気付いていれば・・・」

提督「お前のせいじゃない。これは俺の・・・」

提督「・・・いや、今は止めておこう」

提督「龍驤とは会えるのか?」

千歳「ええ。あの娘も喜ぶと思います」

提督「分かった・・・すぐに向かう」

千歳「千代田も提督を探しに寝室の方へ行かいましたから、そろそろこっちに・・・」

タッタッタッタ―――――。

千代田「お姉!提督は!?」

千歳「ああ、千代田。さっき報告していたところよ」

千代田「よかったぁ~・・・」

千代田「も~・・・ここにもいなかったらどうしようかって思ったわよ」

提督「苦労をかけてすまんな・・・今からドックへ向かうよ」

千代田「そっか・・・」

千歳「千代田、私達も一緒に行きましょう」

千代田「うん」

千代田「・・・あ、その前に五十鈴にも報せたほうがいいかな?」

提督「」ギクッ!

千歳「五十鈴ちゃんに?」

千代田「龍驤、明日の演習メンバーだったから。秘書艦の五十鈴にも早目に教えておいたほうがいいかなって」

千歳「ああ、そうかもしれないわね」

千代田「じゃあ、私はこのまま五十鈴の部屋に――――」

提督「あ、ああぁ~いや・・・もう五十鈴も寝ている頃だろう」

提督「代理の件については後で俺が選考しておくよ」

提督「一先ずはドックに向かうとしよう」

千歳「・・・そうですね。龍驤も大事には至らないと思いますし」

千代田「それもそっか。じゃあ早いところドックに・・・って、あれ?」

千代田「・・・(スンスン)」

提督「? どうした千代田」

千代田「ん~・・・お姉、なんか執務室が変なにおいしない?ちょっと生臭いような・・・」

提督「!?」

千歳「え?・・・あ、言われてみれば確かに・・・」

千歳「――――――ッ!」

千歳「コ、コホン!」

千歳「さ、千代田。そんなことより早く行くわよ」

千代田「えっ?」

千歳「ほら、提督も早く!」

提督「あ、ああっ・・・!」

千代田「ちょ・・・お姉、押さないでよ~」

バタン―――――。

五十鈴(・・・・・・)

五十鈴(・・・な、なんとか誤魔化せたみたいね)

ゴソゴソ

五十鈴(咄嗟に提督の執務机の下に隠れたのはいいものの・・・)

五十鈴(龍驤がいきなり血を吐いたなんて・・・)

五十鈴(聞いた時は驚いて机に頭をぶつけちゃったし・・・)

五十鈴(・・・・・・龍驤、大丈夫かしら)

五十鈴(後で私も様子を見にいかないと・・・)

五十鈴(・・・・・・)

五十鈴(・・・・・・提督)

五十鈴「・・・ふふっ」

五十鈴「でも、そうね・・・提督はああでなくっちゃ」

鎮守府・一階廊下

提督(龍驤は大丈夫だろうか・・・)

提督(容体は落ち着いていると聞いたものの、やはり心配だ・・・)

提督(しかし千歳と千代田の手前、提督である俺が慌てふためいて走り出すわけにもいくまい)

提督(・・・・・・机の下で話を聞いていた五十鈴も心配してるだろうな)

提督(・・・この廊下、こんなに長かったか・・・?)

千歳「(・・・あの、提督)」

提督「(ん・・・あ、ああ・・・どうした千歳)」

千歳「(・・・こんな時になんですけど)」

千歳「(その・・・提督も男の人だから仕方がないとは思うのですが)」

千歳「(ああいったことをする際には鍵をかけていただいた方がお互いの為じゃないかなって・・・)」

提督「ぶふっ!!?」

千代田「提督?どうかしたの?」

提督「あ、ああ~いやなんでもないぞ千代田。うん」

千代田「?」

提督「(ち、千歳・・・お前、気付いて・・・!?)」

千歳「・・・ん、んんっ!(咳払い)」

千歳「(と、とにかくお願いしますね!もう少しで凄く気まずいことになっちゃうところだったんだから!)」

提督「(・・・ハイ)」

提督(なんてこった・・・まさか千歳に全部気付かれていたとは・・・)

提督(いやまあ・・・あれだけ派手に出してれば気付くか・・・)

提督(こ、こんな場合だっていうのに・・・情けないやら恥ずかしいやら・・・)

提督(・・・・・・相手が五十鈴だっていうこともバレてるんだろうか)

提督「(・・・な、なぁ千歳・・・そのだな・・・)」

千歳「(これ以上は何も言いませんし、聞きません)」

提督「(うぅ・・・)」

千歳「(・・・ただですね)」

提督「(・・・なんでしょうか)」

千歳「(・・・・・・執務室の掛け軸の裏に隠してある本はそろそろ取り替えた方がいいかと思います。大分お使いのようなので)」

提督「」

千歳「(その・・・不衛生ですから)」

提督「(・・・・・・検討しておこう)」

千歳「(そうしてください)」

千代田「・・・むぅ~」

千代田「ちょっと提督?さっきからお姉と何をヒソヒソやってんのよ」

提督「・・・いや、大したことじゃない。気にしないでくれ」

千代田「む~・・・なぁんか怪しいなぁ・・・」

提督「・・・ハハハ」

提督(・・・・・・なんだか、色んな意味で俺の人望がどれだけ低いかを思い知らされるな・・・)

演習終了後


提督「よし、みんなご苦労だった。工廠へ艦装を収納した者から順次、休息を取ってくれ」

提督(あれから三日経った)

提督(心配していた龍驤の容態はすぐに良くなった)

提督(ストレスの原因は本人も心当たりがないようで、明石と一緒に首を捻ってはいたが・・・)

提督(まあ大事に至らなくて本当に良かった・・・)

提督(・・・これからはもっと皆の体調管理に気を配らないとな)

五十鈴「―――お疲れ様、提督」

提督「あ、ああ。五十鈴か」

五十鈴「新装備を応用した相互援助主体陣形の成果は良さそうね」

五十鈴「あれなら誰かが被弾しても、すぐにカバーが間に合うわ」

提督「そうだな。だが、気候や潮流の変化が激しい実戦ではこう上手くいかないだろう」

提督「まだまだ改善しなければいけない点は山ほどある」

五十鈴「ふふ・・・相変わらず、余念がないわね」

提督「いや、部隊を預かる指揮官として当然のことさ」

五十鈴「・・・・・・」

提督「・・・・・・」

提督(あの日から五十鈴と夜の訓練はしていない)

提督(べつに喧嘩をしたわけでもないんだが・・・)

提督(なんというか、こう・・・)

提督(五十鈴と会う度に、あの夜に二人で見つめ合っていた時のことを思い出してしまう)

提督(そうなると、なんだか急に気恥ずかしくなってきて・・・とてもじゃないが、言い出せないのだ)

提督(今こうして隣で話していても、なんだか顔が赤くなってしまって五十鈴の顔をまともにみれない・・・)

提督(そのせいで、いつも当たり前のようにしていた他愛の無い会話や、ちょっとしたやり取りがぎこちなくなってしまった)

提督(勿論、執務上のやり取りや任務報告なんかは滞りなく出来るんだが・・・)

提督(・・・嗚呼、沈黙が気まずい)

提督「・・・なあ五十鈴」

五十鈴「・・・あの提督」

提督「・・・・・・」

五十鈴「・・・・・・」

提督「い、五十鈴から先に言ってくれ」

五十鈴「え?え、ええ・・・」

五十鈴「その・・・えっと・・・あ、あの・・・」

提督「あ、ああ」

五十鈴「・・・あのね、提督。今夜のことなんだけど―――」

提督「・・・・・・(ゴクッ」

???「司令官!」

提督&五十鈴(―――――ッ!?)

提督「お、おお・・・朝潮か」

朝潮「はい!演習指揮、お疲れ様でした!」

提督「いや、朝潮のほうこそ」

提督「考案したばかりの新陣形で、みんなと上手く連携を取ってくれたな」

提督「ありがとう。良い動きだった」

朝潮「い、いえそんなっ・・・司令官の的確な指示のお陰です」

提督「そんなことはないさ。状況に応じて臨機応変に判断してくれていたよ」

提督「あ、それより、俺に何か用事か?」

朝潮「は、はいっ。じつは、先ほどの演習で使った新装備のことで少々――――」

朝潮「あ・・・」

朝潮「も、申し訳ありません、お取込み中でしたでしょうか・・・?」

提督「えっ!?あ、いや・・・」

五十鈴「い、いいのよ別に。大したことじゃないんだから」

五十鈴「じゃ・・・じゃあ提督、私は先に戻ってるから」

提督「・・・あ、ああ」

朝潮「その、すいません。お二人がお話し中だとは思わなくて・・・」

提督「ああ、いや・・・ただの世間話だよ。気にすることはないさ」

提督(朝潮の来た方向から考えると・・・建物が陰になって五十鈴の姿は見えなかったようだな)

提督「コホン」

提督「それで、どうしたんだ朝潮」

提督「どうやらさっきの演習で使った装備についてみたいだが」

朝潮「あ・・・はい」

朝潮「じつは、明石さんに改装してもらった副砲なんですけど――――――」

提督(うんうん・・・朝潮はいつでも一生懸命に頑張っているな)

提督(出来ればもう少し肩の力を抜いて、気負わずリラックス出来ればいいんだが・・・)

朝潮「―――――というわけで、少し反動に癖があるように感じまして」

提督「ふむ」

提督(しかし『初心忘れるべからず』とも言うからな。そういった点は俺がフォローしてなるべく・・・)

提督(・・・・・・初心、か)

提督(そもそも俺は若さからくる性欲の旺盛さに負けて五十鈴にああいったお願いをしたわけだが)

朝潮「――――なので、弾道に安定性を―――――」

提督(それってどうなんだろう。未だに童貞とは云え、幾らか猛る獣欲が解消された今、なんだか自分はとんでもない点を見落としている気がする)

提督(・・・・・・・・・・・・)

提督(・・・ん?あれ?そもそもこれって、あれじゃないか?うん?)

朝潮「――――それと、残弾数によって機動性にも若干感覚の変化がみられました」

提督「残弾数か、それは盲点だったな」

提督(いやいや落ち着け俺、状況を整理しよう)

提督(まず俺は童貞だ。それはいい、もう慣れた)

提督(そして俺は脱童貞を焦っていた)

提督(加えて、この鎮守府に配備された艦娘達は揃いも揃って容姿端麗。これで性欲を抑えろなんてのは無理な話だった。そこまではいい)

朝潮「――――とすれば、予め陣形の配置を―――」

提督「――――そうだな、ならば速度の高い者から――――」

提督(問題はそれからだ。俺はなんだか、こう・・・自分で言うのもなんだが、勢いに任せたまま五十鈴に・・・)

提督(・・・・・・んん?あれれ?)

提督(いやいや待て、俺は確かに最悪のケースを避ける為に事前に承諾を得て童貞を卒業させてもらおうと考え付いた)

提督(それは五十鈴にも説明した)

提督(そして承諾してもらってああいう訓練をするに至ったワケだが)

提督(んんんんん?なにか変だぞ?)

朝潮「――――なるほど!それなら緊急時の対応にも――――」

提督「となると、やはり装備の調整が必要だな。これは俺から明石へ――――」

提督(あの時は試行錯誤の末、最高にして最良の解決策だとか考えてたけど、いま思い直してみると五十鈴の都合を全く考えていないぞ?)

提督(っていうか全部俺の都合しか考えてないじゃないか)

提督(いや都合っていうか性欲だよ。性欲のことしか考えてねーよ)

提督(しかも五十鈴に断られた場合は他の誰かに・・・・・・)

提督(・・・・・・あれ、これって・・・もしかして・・・)

提督「・・・・・・・・・」

~幼少時~

提督父『いいか、男児たるもの軟派な行為は断じて許さん』

提督父『・・・得心がいかん、という顔だな』

提督父『いいか、我が息子よ』

提督父『確かに健全な男として若い身体を持て余す時期もあるだろう』

提督父『色事に興味が向くのも仕方がない。自然なことだからな』

提督父『だがな、人の意志とは稀薄なものだ』

提督父『慣れてしまえば、物事の本質を見失ってしまう』

提督父『それは『想い』といった感情も同じだ』

提督父『異性を好きになるなとは言わん』

提督父『将来を誓う相手を俺から強制する気も毛頭ない』

提督父『だが、お前が興味本位の欲望から女に溺れた時』

提督父『お前は本当の伴侶となるべき相手を見失う』

提督父『来たるべき時、その気持ちが本心の愛からきているのか、醜い肉欲からきているものなのか』

提督父『判別はつかなくなるだろう』

提督父『良い漢になれ』

提督父『そうすれば、必ず出会えるだろう』

提督父『全てを捧げて幸せにしようと思える女とな』

朝潮「――――さすがは司令官です!これなら十分実戦でm」

提督「うおおおおおおあああああああああああああああああああああああああああッ!!!」

朝潮「」ビクッ

提督「おっ・・・俺は・・・!!俺は・・・俺はぁあああああッ!!」

朝潮「し・・・司令官!?どうしたんですか!?」

提督「さ・・・最低だっ!!最低の提督だ・・・っ!!」

朝潮「し、司令官!?司令官!!?」

提督「た、立場を悪用するのを恐れてなどと言っておきながら・・・!」

提督「まるっきり強要したも同然じゃないかっ・・・・・・!!」

朝潮(ど、どうしよう・・・司令官が急に打ちひしがれて拳を地面に叩きつけてる・・・!)

朝潮(も、もしかして私が何か余計なことを・・・!?)

提督「お、俺は・・・!俺は最低の提督・・・いや最低の男・・・!!」

提督「いいや!!人間として最低だ!!」ガッ!

朝潮「し、司令官・・・あの・・・」オロオロ

提督「朝潮!!」

朝潮「は、はいっ!」

提督「俺を殴ってくれ!!」

朝潮「ええっ!?」

提督「頼む!俺は・・・俺はいま、自分自身が許せない!!」

提督「俺は大切な部下との過去を・・・!信頼を・・・!その輝かしい全てを自分で穢してしまった・・・!」

提督「いいや!!あろうことか俺はそれさえ利用して自分のエゴを通そうと・・・!!」

提督「くそっ!最低だ!!なんて最低のクズ野郎なんだ!!」

朝潮「そんなことありません!し、司令官はいつだって私達のことを・・・!」

提督「気遣わないでくれ朝潮!俺は自分を罰しないといけないんだ!!」

提督「だから殴ってくれ!!今すぐに!!」

朝潮「あ、あぅ・・・」

朝潮「で、でも・・・でも司令官に手を上げるなんて、そんな・・・やっぱり私にはできません・・・!」

提督「なら命令でもいい!いやこれは命令だ!!」

朝潮「う、うぅ・・・ご、ご命令・・・ですか・・・?」

提督「ああ!頼む、やってくれ!!」

朝潮「ぐすっ・・・わ、わかり・・・ました・・・」

朝潮「で、では・・・」

ぺちっ。

提督「朝潮ォ!!!」

朝潮「ひっ!」ビクッ

提督「なんでこんな俺に優しくするんだよ!!もっと強く!!思い切り!!」

朝潮「で、でも・・・でも・・・」

提督「あと手はパーじゃなくてグーだ!」

朝潮「グー!?」

提督「ああ!全力の拳でこい!!」

朝潮「う・・・グス・・・は、はい・・・」

朝潮「じゃ、じゃあ・・・いきますっ」

提督「応!!」

朝潮「せ・・・せいっ!」

ゴスッ!!

提督「グハァ!!」

朝潮「ああ・・・!?司令官・・・!」

朝潮「ご、ごめんなさいごめんなさいごめんなさい・・・!」

朝潮「だ、だいじょ・・・ひっく・・・だいじょうぶですか・・・!?」

提督「はあ・・・はあ・・・」

提督「あ、ああ・・・中々いい一撃だった・・・」

朝潮「う・・・ぐすっ・・・司令官・・・」

朝潮(なんで・・・どうして急にこんなことに・・・)

提督「朝潮・・・手は・・・大丈夫か?」

提督「拳を傷めてはいないか・・・?」

朝潮「そ、そんなことより御自分の心配をしてください!」

提督「そうか・・・ならもう一発頼む」

朝潮「!?」

提督「いや、拳のままだと朝潮が危ないな。やはり平手でいい」

提督「ただし全力でだ」

朝潮「ど、どうして・・・」

朝潮「どうして急に、こんなことを・・・!」ポロポロ

提督「・・・付き合わせてしまってすまない」

提督「でも・・・俺は、どうしても自分が許せないんだ」

提督「俺が俺として・・・改めて提督として生きられる為にも」

提督「・・・だからお願いだ、朝潮」

朝潮(司令官・・・)

朝潮(きっと・・・司令官は悩んでるんだ)

朝潮(この鎮守府を背負う重責に・・・いつもみたいに、私達のことを考えてくれて・・・)

朝潮(それなら・・・私が司令官の迷いを晴らす手助けになれるなら・・・!)

朝潮「・・・・・・わかりました」ゴシゴシ

朝潮「それが司令官のご命令・・・いえ、ご希望なのであれば」

朝潮「この朝潮、いつだってお応えしてみせます!」

提督「・・・ありがとう。俺は本当に良い部下に恵まれたな」

朝潮「では司令官・・・いきますっ!」

提督「ああ!こい朝潮!!」


―十分後―

朝潮「たぁ!」

ベチーン!

提督「へぶっ・・・!も、もっとだ朝潮!もっと手首のスナップを利かせて!」

朝潮「は、はい!やぁ!!」

バチンッ!

提督「ぐふう!そ・・・その調子だ!その感覚を忘れるな!」

朝潮「はあ・・・はあ・・・はいっ!」

提督「次は罵りを交えてくれ!思い切り俺を罵倒しながら打つんだ!」

朝潮「わ、わかりました!」

朝潮「えっと・・・し、司令官の・・・えっと・・・ばかっ!」

バチーンッ!

提督「がふっ・・・!ま、まだだぁ!まだ生温い!もっと責めてくれ!罪深いこの俺を!!」

朝潮「はぁっ・・・はぁっ・・・!は、はい・・・!」

朝潮「し、司令官の・・・バカーッ!」

ベッチーン!

提督「がほぉ!イ、イメージしろ朝潮!!俺を罵る満潮や霞・・・なんなら曙と摩耶でもいい!!」

朝潮「は・・・はいっ!」

朝潮「し、司令官の・・・クズ!」

バッチーン!!

提督「ごがはっ・・・!い、いいぞ!それだ!!流れに乗れ朝潮!!」

朝潮「はいっ!」

朝潮「し、司令官のクソ提督!」

朝潮「う・・・ウザいったら!」

朝潮「こっち見んな!」

朝潮「変態ッ!!」

朝潮「えっち!」

―さらに十分後―

朝潮「はっ・・・はぁ・・・はぁっ・・・」

提督「・・・ごふっ」

提督「い、今まで・・・よく・・・頑張ってくれたな・・・」

朝潮「し、司令官・・・ハァ・・・ハァ・・・」

提督「・・・次で・・・終わりにしよう」

提督「さあ、俺に極上の罰を与えてくれ・・・!」

朝潮「ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・っ」

朝潮「ごくっ・・・」

朝潮「あ・・・・・・あ、あなたって・・・」

朝潮「あなたって本当に最低の屑だわ!!」


提督(激しい動きで息を乱し紅潮した朝潮の最後の一撃は、今まで喰らった平手打ちの中でもっとも高く、鋭い音を響かせた)

提督(薄れゆく意識の中で、俺を呼ぶ声が聴こえる―――)

朝潮「司令官・・・!しっかりしてください・・・!司令官・・・!」

提督「あ、あぁ・・・朝潮・・・」

提督「すまなかった・・・」

提督「辛い思いを・・・させてしまったな・・・」

提督「手・・・痛く・・・ないか・・・?」

朝潮「私のことなんてどうでもいいんです・・・!司令官が・・・司令官がぁ・・・!」

提督「そうだ・・・なあ・・・朝潮・・・」

朝潮「・・・・・・?」

提督「・・・さっきの・・・装備の件・・・ちゃんと俺が明石に・・・頼んでおく・・・から・・・」

提督「安心して・・・くれ・・・」

朝潮「・・・しれい・・・かん・・・」

朝潮「こんな・・・こんな時まで・・・そんなっ・・・」

朝潮(こんなにボロボロになってまで・・・私達のこと・・・)

朝潮「・・・やっぱり、司令官は・・・しれ・・・かん・・・は・・・」

朝潮「しれいかんの・・・ばかぁ・・・!」

提督「・・・・・・ごめんな・・・あさ・・・しお・・・」

提督(殴られながら罵られたどの言葉より、朝潮の最後の一言は胸に刺さった)

提督(ぼろぼろと泣き出してしまった朝潮の涙を、最後の力を振り絞って拭った時)

提督(俺は、二年前の敵艦隊前線泊地決戦のことを思い出していた・・・)


ちなみにこの後、鎮守府内では『提督が朝潮に無理矢理SMプレイを迫って泣かした』という噂が立ち、提督は満潮と霞にこっ酷く叱られるのだが、それはまた別のお話。

2年前―――――敵泊地強襲作戦決行より三日前。
作戦司令本部・第三艦隊司令官室。

*「何故あの時命令通りに追撃しなかった!?あわよくばあの場で敵艦隊を殲滅できたのだぞ!?」

提督「確かにそうだったのかもしれません」

提督「しかし我が艦隊の被害も決して軽視できない状況でした。加えて連日の出撃による艦娘達の疲労やストレス」

提督「あのまま進撃しては危険だと、私の一存で撤退を判断しました」

*「馬鹿が!戦場で自軍の損害を気にしていて満足な戦果が上げられるか!」

*「大体、艦娘の一体や二体失ったところでなんだと言うのだ!」

*「アレは兵器だ!代わりなど幾らでも作り出せる!」

提督「・・・お言葉ですが少将殿」

提督「彼女達は単なる決戦兵器などではなく、自我を持ち己の意志で戦場を駆ける勇敢な兵士です」

提督「今後、国土の防衛を担い、国民の平和を護る要は彼女達『艦娘』の双肩にかかっているのだと私は考えております」

提督「掛けがえの無い『人』財を一時の功名心に焦り失うことは、愚の骨頂かと」

*「き・・・貴様・・・!」

*「い、今なんと言った!?青二才の新米将校の分際でこの私に向かってよくも・・・!!」

提督「・・・・・・」

@「・・・このあたりでよいのではないですか、少将殿」

@「先の警戒線突破作戦・・・彼は与えられていた役割以上の働きをしてくれました」

@「そして辛うじて退けた深海棲艦が、直後に未確認の敵増援勢力と合流したという事実もあります」

@「あの場で深追いしていたら、彼の艦隊が全滅した可能性は極めて高い」

@「貴方の命令に従った他の第三艦隊所属部隊のように・・・ですな」

@「そういった意味でも、彼の下した判断に間違いはない」

*「ぐっ・・・」

*「だ、だがこの男が私の命令に逆らったことは事実だろう!軍の規律では上官の下した命令は絶対だ!!見過ごすわけにはいかん!!」

@「しかし彼の艦隊が全滅の憂き目を見なかったからこそ、貴方が第三艦隊司令の椅子に座っていられるのも、また事実でしょう」

@「武勲を上げ、さらには上官の首を繋いだ者を罰するというのも些か酷に思えますが」

*「・・・これは私が指揮する第三艦隊の問題だ!!第一艦隊司令の貴様にとやかく言われる憶えはない!!」

@「確かに、その通りですね」

@「ですが彼には、今回の作戦で我が方の艦隊にも借りがあるのですよ」

@「余所様の事情とはいえ、目の前で起きている横暴を見て見ぬふりはできませんな」

*「げ、現場上がりの若僧が、何を世迷い言を―――――」

@「もう一つ、少将殿にご忠告を」

@「軍の規律を重んじるというのなら、上官に対する言動にもう少し気を配って頂きたい」

@「今回の一件・・・彼を不問に処すというなら、先ほどの発言は聞かなかったことに致しますが?」

*「ぐっ・・・ぬぅう・・・!!」

*「か、勝手にするがよかろう!おい!!貴様はさっさと持ち場に戻れ!!」

*「中将殿にもご退室願おう!!ここは私の部屋だ!!」

同日、作戦司令本部。
宿泊棟・談話室。

@「やれやれ、貴方も災難でしたね」

提督「・・・申し訳ありません、中将。御見苦しいところをお見せしてしまいました」

@「構いませんよ。さっきも言いましたが、貴方には部下が世話になりましたからね」

@「それに少将殿の猪突猛進な突撃命令は、彼を差し置いて私が第一艦隊指揮を任命されたことにも要因があるのでしょう」

@「むしろ、貴方や犠牲になった他の将兵達には気の毒なことをしてしまいました」

提督「いえ、そんな・・・」

提督「第三艦隊所属の自分が言うのもおこがましいですが・・・今回の作戦、中将が現場で指揮を執られていた第一艦隊の奮戦が無ければ、敵勢力をここまで追い込むことは出来なかったと思います」

@「そうですか・・・そう言ってもらえて、少し気が楽になりました」

@「まあ、私も貴方も地位の割には年若い身です」

@「不要な謗りは多いでしょうが、腐らずにいきましょう」

提督「・・・はい」

@「そうそう、部下から言伝を頼まれています」

@「『貴様に世話になった礼は、いつか絶対に返してやる』・・・だそうです」

@「そう言えば、彼と貴方は同期生でしたね」

提督「ええ、士官学校では互いに色々と学びました」

@「良いものですね。競い合える間柄が同僚にいるというのは」

@「私の戦友は、もう殆どが鬼籍に入ってしまいましたから」

提督「・・・・・・」

@「おっと、余計なことを言ってしまいましたね」

@「それでは私はこれで。お互い武運があるといいですね」

提督「はっ。失礼します」

@「・・・・・・ああ、最後にもう一つだけ」

提督「・・・?」

@「今回はなんとかなりましたが、少将殿は軍上層部の中でも古株です」

@「それだけにキナ臭い人脈も多い。多少の理不尽は平気で通してくるでしょう」

@「次の敵泊地強襲作戦、心して掛かることです」

提督「・・・・・・少将殿が私を死地へ追い込むと?」

@「そんなものは現場の判断でどうとでもなります」

@「私が言っているのは、この作戦を終えた後のことですよ」

提督「・・・!」

@「・・・部下を気遣う気持ちは痛い程よく理解できます」

@「ただし我々が軍人であるのもまた事実」

@「敵を斃せずして、周囲を納得させるだけの結果は示せません」

@「部隊を護る為に部下を犠牲にするか」

@「部下を護って部隊を犠牲にするのか」

@「選択するのも我々指揮官としての役割です」

提督「・・・っ」

@「少なくとも、私はそうやって生きてきました」

@「そして選んだ答えは正しかったのだと信じています」

@「数えきれない犠牲の果てに生き残った『部隊』は、死んでいった者達の想いを継いで強くなり、こうして戦えているのですからね」

提督「・・・・・・肝に銘じておきます」

@「結構。では今度こそ、私はこれで」


提督「・・・・・・」

五十鈴(改)「・・・・・・あの、提督」

提督「!」

提督「・・・はは、見てたのか」

五十鈴「提督の帰りが遅かったから、司令室の前まで様子を見に行って、その・・・」

五十鈴「・・・・・・ごめんなさい」

提督(・・・この様子だと、少将とのやり取りも聞かれてしまったようだな)

提督「五十鈴が謝ることじゃない。気にしないでくれ」

五十鈴「でも・・・」

提督「命令違反をしたのは事実だからな。少将にお小言をいただくのも仕方ない」

提督「まあ、慣れたもんだよ」

五十鈴「提督・・・」

提督(それにしても・・・まいったな)

提督(ただでさえ、これから大規模な作戦があるっていうのに・・・)

提督(五十鈴や皆には余計な不安を与えたくなかったんだが・・・)

提督「・・・なあ五十鈴、さっき聞いたことは皆には黙っていてくれないか」

五十鈴「・・・え?」

提督「まだ戦いの疲れも癒えてないのに、三日後にはまた出撃だ」

提督「これ以上、皆の心労を増やしたくない」

五十鈴「だけど、次の作戦で活躍できなかったら提督は・・・!」

提督「戦いが避けられないのなら、せめて皆にはいつも通りのやり方で戦ってほしい」

提督「『死んでしまったら次は無い。危なくなったら皆で一緒に即逃げろ』」

提督「それでいいんだ。勿論、五十鈴もな」

五十鈴「・・・・・・」

提督「・・・心配しないでくれ。俺なら大丈夫だから」

提督「出来れば五十鈴にも聞かせたくはなかったんだけど・・・ごめんな」

五十鈴「・・・馬鹿ね」

五十鈴「どうして・・・提督が謝るのよ・・・」

敵泊地強襲作戦。
最前線右翼側・新編第三艦隊展開海域―――旗艦内司令塔。

提督「早く後退しろ五十鈴!もう残ってるのはお前だけなんだぞ!?」

提督「俺達以外の第三艦隊は壊滅した!友軍の援護も期待できない!!」

提督「今までの戦闘で消耗した状態で、これ以上は無理だ!!」

五十鈴『・・・ば、ばかね・・・』

五十鈴『今作戦の最重要標的・・・泊地棲鬼が目の前に出てきたっていうのに・・・』

五十鈴『撤退なんて・・・出来るわけないでしょ・・・?』

提督「そいつは第一艦隊の包囲を突破してここまで来たんだ!並大抵の能力じゃない!」

提督「既に足柄達の退避も完了してる!だから――――!!」

五十鈴『・・・どんな形であれ・・・敵の大将首を獲れば・・・』

五十鈴『・・・これ以上の・・・戦果はないわよね』

提督「・・・!?」

五十鈴『最初に・・・会った時にも言ったでしょ・・・?』

五十鈴『五十鈴は・・・提督を全力で勝利に導くって』

提督「おい!今はそんなこと言ってる場合じゃ・・・!!」

五十鈴『・・・ねえ提督』

五十鈴『みんなのこと・・・よろしくね』

提督「!? 五十鈴!?おい!!」

提督「お前まさか・・・!!」

ザザッ・・・!ザ――――――・・・。

大淀「て、提督!五十鈴さんからの通信が途絶しました!!」

提督「くそっ!まさか五十鈴のやつ・・・!!」

足柄『・・・ちょ、ちょっと提督聞こえてる!?』

足柄『合流地点に五十鈴が来ないの!!』

足柄『もしかしてあの娘に何かあったんじゃ・・・提督!?提督!!』

ゴォオオオオオオ・・・!

泊地棲鬼「・・・・・・」

五十鈴「はぁ・・・はぁ・・・!!」

五十鈴(つ、強い・・・今まで戦ってきた深海棲艦とは比べ物にならない・・・!)

五十鈴(この五十鈴が・・・攻撃を躱すだけで精一杯だなんて・・・!)

泊地棲鬼「・・・・・・シズメ」チャキ

ドンッ!!

ザバーン!!

五十鈴「くっ・・・!」

五十鈴(でも随伴艦はあらかた片付いてる・・・)

五十鈴(あとは・・・こっちの主砲が当たりさえすれば・・・!)

五十鈴「・・・やあっ!!」

ドガア!!

五十鈴(今度こそ当たった!これで・・・!)

ヒュオオオオオ―――――。


泊地棲鬼「・・・・・・」


五十鈴「!?」

五十鈴(そんな・・・!?確かに直撃したはずなのに・・・!!)

泊地棲鬼「・・・・・・キエウセロ」

五十鈴「!!」

ドドォンッ!!

五十鈴「あっ・・・ぐ・・・!!」

五十鈴(・・・提・・・・と・・・く・・・)

ゴォオオオオオオオオッ・・・・。

泊地棲鬼「・・・・・・」

泊地棲鬼「・・・・オロカナカンムスドモメ」

泊地棲鬼「ニゲタヤツラモ・・・ヒトリノコラズシズメテ――――」


ぶわっ!!


泊地棲鬼「!?」

ガチンッ!!

五十鈴「・・・馬鹿ね」

五十鈴「アンタを斃すまで・・・五十鈴は・・・沈むわけにはいかないんだから・・・」

泊地棲鬼「キサマ・・・ナゼ・・・!」

五十鈴「あの至近距離とはいえ・・・」

五十鈴「砲弾を撃ち落とした誘爆で・・・このダメージだなんて・・・」

五十鈴「直撃したら・・・一溜りもなかったわね・・・」

泊地棲鬼「・・・・・・!!」

五十鈴「・・・随分と丈夫な装甲を持ってるみたいだけど・・・」

五十鈴「ゼロ距離からの射撃なら・・・」

五十鈴「どうかしら!!」

泊地棲鬼「――――――ッ!?」


ドォン!!


泊地棲鬼「・・・バ・・・カナ・・・コン・・・ナ・・・トコロ・・・デ・・・」

泊地棲鬼「ワタ・・・し・・・ガ・・・ぁ・・・」

ザパンッ・・・!

五十鈴(・・・やっ・・・た・・・)

五十鈴(やっぱり・・・この身体で・・・二度目の爆炎は・・・耐えられなかった・・・けど・・・)

五十鈴(これで提督は・・・私達の・・・指揮官で・・・いられる・・・)

五十鈴「・・・ふ、ふ・・・」

五十鈴(ここで・・・五十鈴が・・・いなくなっても・・・)

五十鈴(提督には・・・みんながいる・・・)

五十鈴(みんなが・・・提督を・・・支えてくれる・・・)

五十鈴「・・・・・・提・・・督」

バシャッ・・・。

敵泊地強襲作戦終了。
本土帰還途上・制海権確保済海域。
船上甲板。


提督「・・・・・・」

足柄「提督、指示通り艦の護衛は妙高姉さん達と交代してもらったわよ」

提督「ああ・・・足柄と愛宕か」

提督「安全海域に入るまで続け様に働かせてしまってすまなかったな」

提督「二人とも体調はどうだ?どこか違和感のあるところは・・・」

足柄「こんなの全然へっちゃらよ」

足柄「・・・あの娘に比べたらね」

提督「・・・・・・そうか」

提督「・・・長良と名取は?」

愛宕「一度、医務室に寄ってからこっちに来るって言ってたわねぇ」

提督「・・・あの二人にも気の毒なことをしてしまったな」

提督「本当ならすぐにでも五十鈴の元に駆けつけたかっただろうが・・・」

足柄「仕方ないわよ。想像以上に消耗が激しかったせいで、護衛艦隊の補給と編成に時間が掛かっちゃったんだから」

愛宕「そうねぇ、提督が気に病む必要はないと思うんだけど・・・」

提督「・・・・・・」

足柄「それにしても・・・あの娘、今回は随分と無茶したわね」

足柄「結果的には大勲章だけど、あの時提督が五十鈴を見つけられていなかったら、そのまま沈んでたわよ」

愛宕「う~ん・・・確かにいつもの五十鈴ちゃんらしくなかったわね~・・・」

足柄「・・・まったく、いくら武勲を立てても轟沈しちゃったら何の意味もないじゃない」

足柄「ちゃんと元気になったら、お説教してやるんだから」

提督「・・・・・・」

愛宕「・・・どうしたんですか、提督」

愛宕「なんだかぼうっとしているみたいだけど」

提督「五十鈴があんな事をしたのは・・・俺のせいなんだ」

足柄「え?」

提督「・・・・・・実は」

愛宕「そう・・・そんなことがあったのねぇ」

足柄「まったく・・・どうりで・・・」

提督「俺がもっとしっかりしていれば・・・」

提督「五十鈴にあんな決断をさせてしまうこともなかっただろう」

提督「・・・皆を危険な目に遭わせたくない等と、のたまっておきながら」

提督「五十鈴がこの艦隊の為に、そこまで思い詰めているとは考え至らなかった」

提督「結局俺は・・・口だけの情けない男だったな」

愛宕「・・・・・・」

足柄「・・・ハァ~~~~~」

足柄「提督!先に謝っておきます!!」

提督「え?」

ズンッ!

提督「お゛ぅ゛っ゛!!?」

足柄「失礼致しました!」ビシッ‼

愛宕「あらあら~」

提督「うごがががが・・・っ」

提督「あ、足柄・・・お前いきなり腹パンはちょっと・・・!」

足柄「・・・あのねぇ提督」

足柄「そういう大事なことを、どうして先に言っておかないのよ」

足柄「そんな事情があったなんて知ってたら、私達だってあの場に残って動かなかったわよ」

提督「い、いや・・・」

提督「これは俺の・・・艦隊を預かる提督としての問題だ」

提督「只でさえ過酷な前線で戦っているお前達に、これ以上余計な重荷を背負わせるわけには・・・」

足柄「はぁ・・・」

足柄「・・・いい?よく聞いてね提督」

足柄「私達にとっての『提督』は提督で、他の誰でもないの」

足柄「提督がいつもいつも、私達のことを気遣ってくれているのは知ってるつもり」

足柄「だからこそ・・・そんな『貴方』だからこそ私達はいつだって頑張れる」

足柄「私達のことをいつだって大切に想ってくれている貴方の為なら、なんでもする」

足柄「いつも私達を護ってくれている貴方を、私達だって護りたい」

足柄「それはあの娘・・・五十鈴だってそう」

足柄「五十鈴が護りたかったのはこの艦隊じゃない。提督、貴方自身なのよ」

提督「・・・・・・!」

足柄「・・・『余計な重荷』だなんて、寂しいこと言わないでよ」

足柄「もっと・・・私達を頼ってくれたっていいんだから」グスッ

提督「足柄・・・」

愛宕「そうねぇ」

愛宕「提督はいっつも一人で抱え込もうとしちゃうんだから」

愛宕「もっともっと、私達に甘えちゃってもいいのよ?」ナデナデ

提督「愛宕・・・だが俺は・・・」

愛宕「うふふ、大丈夫よ~」

愛宕「提督はきっと、甘えた分だけ強くも優しくもなれる人ですから」

愛宕「ね?二人とも」

長良「・・・うん、私もそう思う」

名取「はい・・・足柄さんと愛宕さんの言う通り・・・私達だって同じ気持ちです」

提督「長良・・・名取・・・」

提督「・・・すまない、みんな」

提督「俺は・・・ずっと大きな思い違いをしていたようだ」

提督「いつの間にか、何もかも一人でやらなくてはいけない気になっていて・・・」

提督「皆が支えてくれているという事実を・・・忘れていたのかもしれない」

提督「本当にすまなかった・・・!」

足柄「ふん・・・この事は、他のみんなにも言い触らしておくからね」

愛宕「あらあら~」

提督「ぐっ・・・多少・・・いや結構気恥ずかしいんだが・・・」

足柄「私達に隠し事した罰よ、罰」

足柄「・・・それより長良、五十鈴の様子はどうだったの?」

長良「あ、うん」

長良「明石さんが言うには、身体に異常はないから体力が回復したら目を覚ますだろうって」

長良「それでもしばらくは安静にしてないといけないみたいだけど・・・」

愛宕「そう・・・」

足柄「・・・ほら提督!こんなとこでいつまでもぼさっとしてないで、今回のMVPの側に行ってあげなさいよ!」

足柄「目が覚めたら、頑張ってくれた五十鈴に労いの言葉でも掛けてあげなきゃ!」

提督「あ、いや・・・」

提督「だが怪我をしたのは五十鈴だけではないし、特別扱いというわけにも・・・」

足柄「何をいまさら」

愛宕「うふふ・・・現場に着いた途端救命ボートで乗り出して、沈みかけたあの娘の為に海に飛び込んだ人の言葉とは思えないわねぇ~」

提督「」

長良「そうそう。司令官ってばあの時、まだ敵が残ってるかもって私達が止めても全然聞かなかったんだから」

名取「えへへ・・・提督さんが側にいれば、五十鈴姉さんも喜ぶと思います」

艦内。
医務室。

提督「・・・・・・」

コンコン

明石「はい?」

提督「俺だ。今は入っても大丈夫か?」

明石「提督でしたか。どうぞ、お入りください」

ガチャ。

提督「整備と補給で疲れているだろうにすまないな・・・少し邪魔するぞ」

明石「いえいえ。私は戦いに参加していませんから平気です」

明石「五十鈴さんのお見舞ですか?」

提督「・・・ああ。容態はどうだ?」

明石「まだ眠っています。外傷はそれほど酷くはありませんが、かなり体力を消耗したようですね」

明石「ですが心拍数や脈拍も正常ですので、帰投する頃には目を覚ますかと思います」

提督「・・・そうか。他の皆は?」

明石「装備の方こそボロボロでしたが、医務室にいなければならないほどの傷を負った人はいません」

明石「足柄さん達や護衛中の方以外は、万一に備えてドックで臨時の艦装を用意して休息しているはずです」

提督「そうか・・・大事に至らなくて本当に良かった」

明石「・・・・・・」

明石「あの、提督」

明石「私も少しの間、ドックで整備の手伝いをしたいんですけど、五十鈴さんを診ていて頂いても構いませんか?」

明石「念の為、今も計器は付けているので」

明石「何か変わったことがあったら、報せていただければすぐに戻ります」

提督「あ、ああ」

提督「分かった。明石も無理をしないようにな」

明石「はい。では、よろしくお願いしますね」

バタン――――。

提督(・・・・・・明石に気を遣わせてしまったか)

提督(五十鈴は・・・このカーテンの中か)

提督「・・・入るぞ、五十鈴」

ピッ――――ピッ――――ピッ――――

五十鈴「・・・・・・」

提督「・・・・・・」

提督(海から引き揚げた時は無我夢中で、傷を確認する余裕もなかったが・・・)

提督(・・・うん、包帯は巻かれているけど、これといって目立った外傷はないみたいだ)

提督(立ちっぱなしというのもあれか・・・備付けのイスに座ろう)

五十鈴「・・・・・・」

提督「・・・・・・」

提督(・・・静かだ。心電図の音しか聞こえない)

提督(五十鈴も身動ぎ一つしない・・・こうして見ていると、まるで・・・)

提督(・・・・・・)

そっ・・・。

提督(脈は・・・問題ないか。呼吸も規則正しいみたいだ)

提督(体温も正常値のようだな)

提督「・・・ほっ」

提督(そうだよな・・・明石が心配ないって言ってくれたんだ)

提督(・・・こうして生きて帰ってきてくれて・・・本当に良かった・・・)

提督「・・・・・・」

ぎゅっ・・・。

提督「・・・なあ、五十鈴」

提督「あの時・・・中将に言われた事・・・」

提督「部隊を生かすか部下を生かすか・・・」

提督「・・・正直、今でも答えが解らないんだ」

提督「いや・・・違うな」

提督「答えなら初めから出ていた。俺にお前達を犠牲にしてまで部隊を残せるはずがない」

提督「でも・・・それが正しいのかどうか・・・」

提督「俺には・・・解らなかった」

提督「・・・・・・怖かったんだ」

提督「お前達の内・・・誰か一人でも失ってしまったら・・・」

提督「俺はもう戦えない。もう二度と、提督として生きる事は出来ないと思う」

提督「それなら・・・どうせ提督としては生きられないならって・・・」

提督「・・・・・・こんなことを言う俺は、軍人として失格なんだろうな」

提督「・・・中将の選択は正しいんだろう」

提督「とても強い人なんだと思う。部下の命を軽視することなく、現実と葛藤しながら・・・それでも、託された想いに応えて、ああやって戦い続けているんだから・・・」

提督「それでも・・・それでも俺は・・・」

提督「今回の事でも・・・五十鈴が・・・お前があのままいなくなっていたかと考えると・・・」

提督「・・・震えが止まらないんだ」


ピッ――――ピッ――――ピッ――――

提督「・・・・・・だけど、耐えなきゃいけないんだろうな」

提督「それが・・・指揮官としての責務で」

提督「それこそが・・・皆が支えてくれている俺に出来る唯一の恩返しなんだから」

五十鈴『約束するわ・・・』

五十鈴『五十鈴は、もうこんな無理はしない・・・』

五十鈴『・・・提督と、ずっと一緒にいるから』

提督「・・・・・・」

提督「五十鈴・・・俺も約束するよ」

提督「俺は・・・俺はもっと強くなってみせる」

提督「他の人間に、どれだけ世迷い事だって嘲笑されようが」

提督「それでも俺は、これからも誰一人欠けることなくこの戦いを生き抜いてみせる」

提督「考えることを放棄しない」

提督「どんなにカッコ悪く見えたって、足掻き続けてやる」

提督「提督であることも、俺であることも迷わない」

提督「俺は・・・中将とは別の道を行く」

提督「それがどんなに険しい道だろうと・・・もう絶対に諦めない」

提督「今、そう決めた」

五十鈴「・・・・・・」

提督「だから五十鈴・・・」

提督「どうか見守っていてほしい」

提督「・・・俺のいちばんすぐ側で」

そして現在
鎮守府内・提督私室

提督「なんて!!」バッ!

提督「ことを!!」ザ゙ッ!

提督「言ったのに!!」ドンッ‼

提督「う゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!!」ゴロゴロゴロゴロ‼

提督「カスだ!俺は海軍史上最低のカス野郎だ!!」ダンッ‼

提督「あの時の約束を思い返した今だと、なんかもう益々最低最悪のクズ野郎じゃないか!!」ワシャワシャワシャワシャ

提督「ゲスめ!このゲス野郎め!!悪い子!!提督は悪い子!!」ガヅッ‼ガヅッ‼ガヅッ‼

提督「わ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!」バンバンバン‼

――――――十分後。

提督「・・・・・・」シュン……

提督「・・・・・・俺は、どうすればいいだろう」ゴロリ

提督「こんな最低極まりないドクズ提督の俺に」

提督「今まで・・・ずっと付いてきてくれた五十鈴になんて謝ったらいいんだ・・・」

提督「・・・いや、俺はもう・・・取り返しのつかない過ちを犯してしまったんだな」

提督「ずっと側にいてくれると言ってくれた五十鈴の優しさに付け込んで・・・」

提督「あんな・・・己の欲望を満たす為だけに・・・俺を信じてくれていた五十鈴を穢して・・・」

提督「・・・もう・・・謝罪の言葉なんて・・・なんの意味も無い・・・」

提督「・・・・・・・・・・・・」


――――コンコン。

提督「ああ・・・すまない、今ちょっと立て込んでいてな」

提督「急な用件でなければ、少し後に・・・」

五十鈴「あの・・・提督?」

提督「!? い、五十鈴か!?」ガバッ

五十鈴「ええ・・・」

五十鈴「提督の部屋の前を通りかかった娘達から」

五十鈴「なんだか提督がもの凄い勢いで発狂してるって報告を受けたんだけど・・・」

五十鈴「何かあったの?」

提督「い、いや・・・!それはその・・・!」

提督(いかん・・・!今このタイミングで五十鈴に入られては・・・!)

提督(というより情けなさすぎて五十鈴に合わせる顔がない・・・!!)

提督「なななな、なんでもないぞ!」

提督「少し昔を思い出して士官学校時代に流行った発声練習をしていただけだ!」

提督「大丈夫だ!だから何の問題もない!」


五十鈴「・・・・・・はぁ」

五十鈴「・・・・・・入るわよ」

提督「えっ!? いや待っ・・・!」

ガチャ。

五十鈴「失礼します・・・って、ちょっと!?」

五十鈴「ど、どうしたのよ提督!おでこのところが血塗れじゃない!!」

提督「い、いやこれはあの・・・!」

五十鈴「はやく手当てしなくちゃ・・・!」

五十鈴「提督!部屋にある救急箱使うわよ!」カチャカチャ

提督「う・・・」

提督「み・・・見ないで五十鈴・・・!こんな醜い俺を見ないでー!!」バッ‼

五十鈴「ちょっ・・・ふざけてる場合じゃないでしょ!?」

五十鈴「ほらっ、まずは消毒するからジッとしてて!!」

提督「来ちゃダメェー!何もないの!!なんでもないからー!!」

再び十分後――――。

五十鈴「はい、包帯巻けたわよ」

五十鈴「で・・・一体なにをどうすれば自分の部屋でこんな怪我するのよ」

提督「いや・・・うん、まあ・・・」

提督「・・・・・・すまん」

五十鈴「はあ・・・」

五十鈴「提督が時々こうやって暴走するのはいつものことだけど」

五十鈴「危ない事だけはしちゃダメじゃない」

五十鈴「ちょっとの油断が命取りだって、いつも提督がみんなに言い聞かせてるんだから」

提督「・・・・・・ハイ」

提督(ああ・・・こうして五十鈴と並んでシングルベッドに腰を沈めているというのに)

提督(俺の償い難き罪を自覚した今となっては、鼓動が高鳴るどころか罪悪感で胸が締め付けられるように痛い・・・)

提督(・・・これから俺は、五十鈴になんて言えば・・・)

五十鈴「・・・ね、ねえ提督」

提督「」ビクッ

五十鈴「あの・・・ちょっと気になってることがあるんだけど」

提督「ぁ・・・ああ・・・」

五十鈴「最近、提督は五十鈴と・・・その・・・」

五十鈴「よ、夜の演習をしてないけど・・・」

五十鈴「だ、大丈夫なのかしら・・・って・・・色々、あの・・・」


提督「・・・・・・」ダラダラ

提督(む・・・胸が苦しい!!息がーっ!!)

五十鈴「えっと・・・龍驤の件で中断しちゃったけど、そ、そろそろまた――――」

提督「い・・・いいい、五十鈴・・・」

提督「そ、そのこと・・・なん・・・だがな・・・」

五十鈴「・・・?」

提督「そのこと・・・なんだが・・・」

提督「お、俺からも・・・五十鈴に・・・話と言うか・・・その・・・」ゼエゼエ

五十鈴「て、提督?なんだか息が・・・」

提督「・・・・・・」

提督「―――――!!」カッ‼

提督「五十鈴ッ!!」ガバッ‼

五十鈴「え?きゃっ!」

提督(もはや形振り構っている余裕さえ無かった)

提督(勢いよく身を翻した俺は、突然の行動に怯んだように短い悲鳴をあげた五十鈴へと―――――)


提督「本っ当にすいませんでしたぁああああああああああああああああ!!」


提督(腹の底から全身全霊の謝罪を述べ、全力の土下座を敢行したのであった)

提督(to be continued.......)

五十鈴「・・・・・・」

五十鈴「えっと・・・あの・・・」

五十鈴「・・・急にどうしたの?」

提督「・・・やっと気付いたんだ」

提督「あの時・・・あまりに軽薄な浅ましい欲望で俺は・・・」

提督「五十鈴に・・・取り返しのつかない真似をしてしまった」

提督「今まで、俺の事を信頼してずっと付いてきてくれたのに・・・」

提督「その想いに付け込むような真似をして、俺は・・・!」

提督「・・・本当にすまない!」

五十鈴「・・・・・・」

提督「・・・今さら許してくれとは言わない」

提督「それでも・・・五十鈴の信頼を裏切った償いはさせてもらいたい」

五十鈴「・・・償い?」

提督「・・・厚かましいことは重々承知だが少しだけ時間をくれないか」

提督「堕ちたとは言え、俺はまだ提督だ」

提督「この鎮守府を・・・五十鈴や皆の事を託せるに足る後任を見つけた後・・・」

提督「僅かな綻びさえ生じさせないよう、しっかりとした引継ぎを済ませる」

提督「その上で・・・俺は・・・提督の席を辞任する」

五十鈴「!」

提督「それまでの間は・・・待ってほしい」

提督「この通りだ・・・!!」

五十鈴「」

提督「すべてが済むまで、どんな命令にも従う・・・!」

提督「その後でなら、俺のことを文字通り煮るなり焼くなり好きにしてくれ・・・!」

提督「腹を切れと言うならそうさせてもらう・・・!」

提督「だから・・・!」

五十鈴「・・・・・・」

五十鈴「・・・・・・・・・・・・」

五十鈴「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

五十鈴「・・・ハァ」

五十鈴「―――そう」

五十鈴「どんなお願いも聞いてくれるのよね?」

提督「ああ・・・!」

五十鈴「・・・提督、顔をあげて」

提督「・・・ああ、わかっ――――」


ちゅっ――――――。


提督「」

五十鈴「んっ・・・」

提督「・・・・・・」

提督(――――――!!!???)

五十鈴「ん・・・ちゅ・・・」

提督(!!!?・・・・・・!!!!??)

五十鈴「・・・ぷぁ」

提督「・・・・・・」

提督「・・・・・・・・・・・・」

提督「・・・・・・・・・・・・・・・・・・???」


五十鈴「・・・ねぇ提督」

五十鈴「五十鈴を呼び出した時、提督がなんて言ったか憶えてる?」

提督「・・・・・・へぁ?あ、え?」

提督「あ、いや・・・」

提督「え?」

五十鈴「・・・人を急に呼び出して、いきなりムードも節操もない話をしたでしょ」

提督「え?あ・・・うん。はい」

五十鈴「あの時、提督は『長い付き合いだから』なんて言ったけど」

五十鈴「・・・この五十鈴が、それくらいの事で体を許すと本当に思ったの?」

提督「・・・・・・」

提督「???」

五十鈴「・・・馬鹿ね」

五十鈴「だってその・・・て、提督に対する私の好感度なんて・・・」

五十鈴「もう・・・」

五十鈴「ずっと・・・ずぅっと前に振り切れてるんだから」

提督(・・・・・・・・・・・・)

提督「!!?!?」

五十鈴「・・・そのくらいじゃないと、あんな頼みごとされた時点で問答無用で撃ってるわよ」


提督「・・・・・・」

提督(・・・ん?んんん?ちょっと待て、これは一体どういう展開だ?)

提督(俺はついさっきまで五十鈴に頭を下げていて・・・それがどうしていきなりこんなキスカ島撤退みたいな雨過天晴状態になってるんだ?)

提督(いやこの諺を霧に救われた救出作戦に例えると少し妙だが・・・)

提督(違う違う違う、いや待て。落ち着け。状況を冷静に分析しろ)

提督(つまり俺は五十鈴に謝罪をしていたと思ったらいつの間にかキスされていて何気にこれがファーストキスなわけだが今になって思えば俺はキスさえ済まさずに五十鈴にあんな事やこんな事をしてもらっていた訳で改めて考えてみるととんでもない順序というか今になってなんだか急に心臓がばくばくしてきてさっきとは違う意味で胸が苦しくなってきたんだがそれはとりあえず置いておいてあれだ五十鈴の台詞から推測するにつまり五十鈴はとっくの昔に好感度が振り切れててだから俺を撃たなかったわけで別に長い付き合いだからとかそういう事は関係ないって話なんだけどもならどうして五十鈴は俺なんかのお願いを聞き入れてくれたのか分からなくなってきたというかどうしてなんだろうって不思議なんだけどそもそもこの場合の振り切れてるって上に切れてるのかな下に切れてるのかなそこが一番重要なところだと思うんだけど下だったらあんなことしてくれないよなでもどうなんだろう言葉を受ける側で日本語の難しいところが出てきてますって思ったりもしてみないでもないんだけどこの際いっそ上方面に考えるとしてそうなるとこれはつまりどういうことなのかなって)

提督(Hilfe でっち!!Erzählen でっち!!)

提督(いかん駄目だ混乱して全然思考がまとまらない)

五十鈴「・・・・・・」

提督「・・・・・・」

五十鈴「じゃあ・・・つ、次のお願いね」

提督「あ、ああ・・・」

五十鈴「提督の・・・答えを聞かせて」

提督「・・・俺の答え?」

五十鈴「・・・五十鈴の気持ちは伝えたつもり」

五十鈴「だから・・・提督は・・・」

五十鈴「提督は・・・どうなの・・・?」

提督「・・・ど、どうとは?」


五十鈴「・・・・・・もう、本当に馬鹿ね」

提督「い、いやその・・・」

提督「・・・すまん、急展開すぎて頭がついていけなくて」

五十鈴「・・・・・・い、一度しか言わないわよ」

提督「あ、ああ」

五十鈴「・・・・・・」

五十鈴「・・・提督は」

五十鈴「だらしなくて時々頼りないし、たまに暴走したりするけど」

五十鈴「それでも五十鈴は・・・優しくて、迷いながらでも絶対に諦めない貴方と一緒にいたい」

五十鈴「いつだって私達を守ってくれる貴方を支えていきたい」

五十鈴「・・・いつまでも、貴方の一番すぐ側にいたい」

提督「・・・・・・え?」

五十鈴「だ、だから・・・つまり、その・・・五十鈴は・・・」

五十鈴「~~~~~ッ!!」

五十鈴「あー、もう!!」

提督「い、五十鈴・・・?」


五十鈴「・・・好きよ。提督」

五十鈴「今まで出会ってきた誰よりも」

五十鈴「五十鈴は・・・貴方の事を愛してます」


提督(―――――――ああ、そうか)

提督(親父。あの時俺に言っていた言葉の意味がやっと分かったよ)

提督(『来たるべき時』・・・俺はずっと自分の事ばかり考えていた)

提督(だけど、違ったんだな)

提督(相手から真っ直ぐな想いを伝えられた時・・・)

提督(こんなにも・・・こんなにも自分を疑ってしまうものだったのか)

提督(五十鈴の告白に、葛藤していたのはどれくらいだろう)

提督(ほんの数秒にも、数十分にも思える奇妙な時間だった)

提督(人は最期の瞬間を迎えるときに走馬灯を見るというが、これもそうなのか)

提督(もしかしたら俺の人生にとって、死を迎えるのと同じほど大事な選択をする時なのかもしれない)

提督(いや、きっとそうなんだろう)

提督(ここまで真っ直ぐな想いを告げられてしまった以上、俺は提督としてだけではなく、一人の男としても五十鈴の人生を預かるか否かを決断しなければいけないのだから)

提督「・・・五十鈴」

提督「俺は・・・最低な男だ」

提督「今までの生き様の全てを卑下するわけではない。ではないが、俺は一時の情欲に負けて五十鈴に・・・」

提督「いや、若気の至りと言うには余りにも浅はかで愚かな衝動を発散できるのなら誰でも構わないとさえ考えていた程度の男だ」

提督「あの日の言葉を、誤魔化すつもりも言い訳をするつもりもない」

五十鈴「提督・・・」

提督「ただ・・・それでも・・・」

提督「それを踏まえたうえで尚も五十鈴が・・・俺を好いてくれるというのなら・・・!」

提督「俺は・・・五十鈴の想いに正直に応えたい・・・!」

提督「その言葉を口に出来る許しを得たい・・・!」

五十鈴「・・・!」

提督「・・・全て、全て承知の上だ。卑怯な言い回しだということは自覚している」

提督「こんなことを言える資格など無いことも・・・!」

提督「それでも、こんな見下げ果てたクズを、それでも好きだと言ってくれるのなら・・・!」

提督「俺はこの先、何があっても五十鈴を幸せにすると、今この場で誓う!必ず・・・絶対に!」

五十鈴「――――」

提督「・・・本当にすまない。これが俺の正直な気持ちだ」

提督「答えには・・・なっていないとは思う・・・」

五十鈴「・・・」

提督「・・・・・・」

五十鈴「・・・一つだけ」

五十鈴「一つだけ、約束したら許してあげる」

提督「え・・・?」

五十鈴「でもその前に、提督はもう少し自分の評価を改めるべきね」

五十鈴「例えばあの日・・・先に五十鈴以外の誰かを呼んでたなら・・・」

五十鈴「鈴谷でも、如月でも、潜水艦隊の誰かでも」

五十鈴「きっとその娘が、今こうしてこの場にいたと思う」

五十鈴「提督がどれだけ自分を省みずに私達の事を想っていてくれるかなんて、知らないのはきっと提督だけ」

五十鈴「本来、ただの兵器(使い捨て)として扱われるはずの私達が、こうして戦いの中で、人として生活を送れているのは・・・」

五十鈴「全部提督のお陰なの。提督が私達を兵器としてじゃなくて・・・たった一人の・・・」

五十鈴「代わりなんていない誰かとして見てくれたから、私達は私達でいられた・・・」

五十鈴「それだけできっと、五十鈴達は報われてたのよ」

提督「・・・そんなはずないだろう」

提督「誰かが誰かの代わりなんて、あっていいはずがない」

提督「いや、そんなこと論ずる余地もないほど当たり前の話だ」

提督「ましてや、五十鈴達を兵器だなんて・・・」

五十鈴「・・・ええ、そうね」

五十鈴「心の底から、そう思ってくれる提督だから・・・私は・・・」

五十鈴(・・・私達は)

五十鈴「・・・好きよ、提督」

五十鈴「何度でも言うわ。貴方の事を」

五十鈴「愛しています」

提督(自分でもよくわからない涙が出そうになるのを堪えるのに必死で、言葉を返せなかった)

提督(声を出そうとしても、喉の奥でせき止められたかのように)

提督(一秒でも、一瞬でも早く、答えなければいけないのに)

提督(今思えば・・・どれほど待たせたか分からないその時間を)

提督(五十鈴はずっと、待っていてくれたんだろう)

提督「・・・俺、も」

提督(ああ、我ながら・・・本当に、本当に)

提督「俺も―――――」

提督(なんて最低で情けなく、卑怯な答えだっただろうか)

提督「愛している。俺は……五十鈴を、この世界で誰よりも……!」

提督(その時の五十鈴の表情は印象的で)

提督(きっと、俺の考えなんて及びもつかない複雑な心境だったんだろう)

提督(一目見ただけで、そう感じさせる何かを含んでいた)

提督(それでも俺は・・・)

提督(目の前の少し困ったような、それでも嬉しさを堪えきれないように涙を流した笑顔を見て――――)

五十鈴「―――ええ。五十鈴も、誰よりも貴方を愛してます」

提督(――――例え何があっても、どんな事が起ころうと、彼女を護ろうと誓った)

お恥ずかしい・・・酉変えましたので、これからはこちらで・・・

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2016年12月12日 (月) 17:23:02   ID: siUm9s14

ブッ!!!(歓喜)

2 :  SS好きの774さん   2017年11月05日 (日) 02:36:55   ID: 3gfu1pWo

カハッ…((歓喜

3 :  SS好きの774さん   2017年12月09日 (土) 23:04:58   ID: 2POCXJ9H

オエ--!!(歓喜

4 :  SS好きの774さん   2017年12月13日 (水) 08:03:33   ID: oLuG_G8F

ヒャッハー(歓喜

5 :  SS好きの774さん   2017年12月13日 (水) 12:29:15   ID: f581h92u

グハァ(歓喜)

6 :  SS好きの774さん   2017年12月20日 (水) 13:18:02   ID: B22wnuyZ

謎の感動!

7 :  SS好きの774さん   2018年06月16日 (土) 14:49:47   ID: K2G2vYbP

ゴフッ……(歓喜)

8 :  SS好きの774さん   2018年11月05日 (月) 03:20:37   ID: cKUMQUjp

ゲファッ(歓喜

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