百合SS総合スレッド (381)

二次創作、オリジナルを問わない百合系SSを投稿するスレです。
主に、一レスや少ないレス数で終わる短いSS、小ネタを投稿します。
また、百合SSについて雑談したり紹介したりします。

1.他人の作品を煽ったりするのは控えましょう。
2.誰でも投稿OKです。
3.誰かがSSを投下している最中に割り込まないよう気を付けましょう。
4.R指定や極端な鬱展開など、人を選ぶ内容のものは投下前に注意書きをしましょう。
5.読む側も気に入らないものはスルーしましょう
6.百合死ね先輩が巡回に来たりしますが生暖かく見守ってあげましょう、彼らはきっと百合に親を殺されたのです。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1411054292

こんなスレあったんだね。短いし以前お題スレで投下したものだけどせっかくなのでこちらにも投下させてくださいな

ボーイミーツガール(いつか、彼女は巡り会う)


丁度、1年前のこと。この学校には双子の美少女姉妹が在籍していたのでした。

なんで過去形なのかって?そんなの答えは決まってる。

双子の片割れ、妹の方が事故で死んでしまったの。まあ、私のことなのだけれど。


事故直後の姉の取り乱し方は、それはそれは大変なものでした。

いつも明るく気丈で優しく正しい姉が、まるで人が変わったかのように泣きわめいて。

そんな姉の姿を自分の死が引き出したのだと思うと、私の胸は言葉にならぬ満足感で満たされました。

生きて共に成長していれば、いつか訪れたであろう別れ。

いかに仲の良い瓜二つの姉妹であっても、避けられぬ別離。

しかし私は死という手段を用いて、それを永遠に克服したのです。

私の隣にもう、姉は居なくて。けれど、寂しさは微塵もありません。

つらい思い出、悲しき別れ。私の死を克服できない、可哀想な姉さん。

私なしでは生きて行けない。そんな彼女の姿があるから。

だからこそ、私達は永遠に互いを求めて生きていける。

例えこの体が燃え尽き、灰になったとしても。

永遠に、愛し合うことが出来るのです。



「………というのが私の理想かしら」

「妄想の中とはいえ、自分を殺すのは辞めときなさいよ、あんた」

呆れ顔でため息をつく姉さん。私は結構、本気なのだけれど。

血が繋がっている上に、同性の私たち。きっと幾ら望んでも、永遠に赦されない形の愛。

それなら多少は強引だけれど、お互いの心に傷を付けて、傷痕を永久に残してしまう他ないでしょ?

……本当は、分かっているの。いつか姉さんも男の人と出会って、恋をして。そして、私の傍から離れていく。

当たり前よね。姉さんみたいに魅力的な人を男が放っておくはずないもの。

けれど、今は。今だけは私に独り占めさせて。

独占欲ばかり強くて、甘えたがりな私も、きっと何時かはひとりで。姉さんが居なくても独りで生きていけるくらい、強くなるから。


「ねえ……手、繋いで帰らない?」

「いいけど……恥ずかしいからイヤって、いつもは姉さんが断る癖に」

「今日はそういう気分なの。……イヤなら無理強いはしないけど?」

「……バカ。そんなの、うれしいに決まっているわ」


笑顔も温もりも、今は私だけの貴女。

優しさも厳しさも、全部私の為だけに見せて。

その思い出があれば、たった独りの人生でも。

私は姉さんと共に生きていくことが出来るから。


ボーイミーツガール(けれど願わくば、巡り会わぬままで)

以上。お題は「ボーイミーツガール」でした。

なずな 控えめ、受動的 いつも自分が間違ったことしてないかとか気にしちゃうタイプ

もみじ 不良生徒、教師からの評価は悪いが、女の子にしたわれやすい、面倒見がいい バイトっ子

はなび 陸上部、真面目 スポーツ大好きで男女問わず人気がある

こかげ 不思議ちゃん、空気読まず爆弾発言したりする

誰が誰と付き合ってるのか想像しながら読みましょう


お昼休み

なずな「今日、自分でお弁当作ってみたんだけど、どう、かな……?」

はなび「ぉお、すごいすごい、美味しそうだよ~」

こかげ「ふむぅ、なずぅが指に絆創膏まいてたのは、こういう?」

もみじ「おいおい、なれねーことすんなよ、なずな?」

なずな「あ、……ぅん、ごめんね?」

もみじ「って、なんでアタシにあやまってんよ、アンタは……」

はなび「ねぇ、なずな、この卵焼き、一つもらってもいい?」

なずな「うんっ、食べて、みて……」

こかげ「はなびずるい……、なずぅの、アスパラ巻きも美味しいよ~」

なずな「よかったらもみじちゃんも、食べて? いつも学食でパン買ってきてるだけだし……」

もみじ「だけってのは余計だが、んじゃあ、一つ……」

こかげ「もみじんっ、なずぅのお弁当美味しい?」

もみじ「普段料理してねぇって割にはイケる、かなー」


以上です。
ご推測と根拠、お待ちしております。

レスどうもです。

自分的にはこかげ×はなびのニュアンスで書きました。
はなびの発言が少ないので、少し難しいですが、

1.はなび、スポーツ少女で物を隠しにくい(付き合ってるのがバレちゃいそう)
なので、自分からこかげに話そうとはしない
2.なずぅ、もみじんと二人を愛称呼びに対して、はなびだけ呼び捨て
「はなびずるい……」の間で少し嫉妬 など

重ね重ねお付き合いどうもです。
また気が向いたら書きます

ちなみに、なずなはもみじのことが好きなんじゃないかな?
(憶測)

・サーシャ お姫様 腰際までの黒長髪 女の子好き 小悪魔で、自由を欲する

・リン 冒険者 金髪ポニテ まっすぐで少年漫画の主人公のような女性 ノンケだけど、押しに弱い むっつり

サーシャ「今夜、私のお部屋でもう少しお話を聞かせてはくれませんか?」

リン「いいですよっ、私なんかでよければ」

・夜

サーシャにベッドへ、押し倒されるリン

リン「お、お姫様っ!?」

サーシャ「静かにしないと、人が来てしまいますよ……♪」

リン「あ、あの、……、えっと……」

サーシャ「……可愛い♪ ……、女の子に抱かれるのは初めて?」

リン「始めてもなにも、その、困ります……っ」(小声

サーシャ「ねぇ、もし今夜、これからのことが気に入ったら、私を……」

サーシャ「お城から連れ出して、くれない?」リンの首筋に小さくちゅぅ……


……みたいなの需要あるなら書きたい(願望

ボーイッシュ受け?な感じかな?
大好物です

>>38
んー、心は少年的なこう、純粋な感じのー
一般的なボーイッシュとはちょっと違うのかなー

以下続き R18なんで、お願いします

リン「んぅ……」

サーシャ「……、声、可愛い、……、ここ弱い……?」

リンの首筋にカプぅって甘噛み

リン「サーシャ、さん、冗談じゃすまされなくなっちゃうから、やめっ……」

サーシャ「冗談でも、嘘でもなんでもないわよ? んー、一目惚れ?」

リンの唇を指で撫でて

サーシャ「無理やり唇を奪うのは本意じゃないの、……、私のこと、好きになってくれない……?」

リン「……、だ、だめですよ……」(顔真っ赤

サーシャ「簡単にいかないのも嫌いではないですけど……」

服の上からリンの控えめな胸を指で撫でて

サーシャ「脱がしますね……? 抵抗したりしたら人を呼びますから、お互いのためにもおとなしく、ね……?」

シムーンのアーエル的な感じかなと思ったけど違うのかなww

>>40
まったくの無知だったので調べました、可愛いキャラですね!
んー、既存キャラだと、リンはハガレンのウェンリィみたいな感じをイメージしてもらえれば
(見た目だけ)

以下続き

サーシャ「水色で、思いの外可愛らしい下着をつけてるんですね……?」

リン「……」フイッ

サーシャ「思いの外、なんて失言でしたわ とてもあなたにように可愛らしいですよ?」

リン「……ぅう///」

サーシャ(この方、かなりリアクションが正直で面白いですね……♪)

サーシャ「でも、今は邪魔なだけ……」

慣れた手つきでリンの下着のホックを外してしまい……

リン「……、みないで」

サーシャ「見ないでといわれましても、あなたがそんなにぎゅっと手で隠していたら見えませんよ?」

リンの頬にサーシャが手を添えて

サーシャ「緊張してるんですね……? リラックスリラックス……」

耳元でつぶやきながらリンの首筋を人差し指でなぞって……

リン「んぅ……やっ……」

サーシャ「リンさん、少し艶っぽくなってきましたね……♪」

ちゃんと書こうとすると百合えっちってすごい長くなるね()

妹「ねーねーおねえちゃん」

姉「んー?」

妹「今日おかあさんたちいないし、……ね?」

姉「もうっ、……妹は甘えん坊さんだからー」

妹「そういって、おねえちゃんだって、出来るタイミング探してたじゃん……」
後ろから抱きついてギュー……

姉「分かったから、んー、する前にお風呂はいらせて、ね?」

妹「えー……、いいよ、シャワーなんか浴びなくったって」
姉の首筋にちゅぅ……

姉「んぅ……、ちょ……、臭うかもしれないでしょ?」

妹「私、おねえちゃんの匂い、大好きだし……」
ソファーに押し倒し……


みたいなシチュが好きです()

姉妹百合最高
>姉「んぅ……、ちょ……、臭うかもしれないでしょ?」
>妹「私、おねえちゃんの匂い、大好きだし……」
あと、ここ好き
ここに二人の愛情を感じる

>>46の続き

姉「ほんと、だめっ、だから……」

妹「ダメじゃない、でしょー?」
服の上から姉の胸をふにゅぅって……

姉「……、ぅう……」

妹「えへへー、まだ起きてからおねえちゃん着替えてなかったからねー」

妹「寝てる時もブラしないと、崩れちゃうよ? それとも――」
下着をつけてない、姉の乳首探して出して、服越しにギュゥ♪って……

姉「んぅっ、んぁ……」

妹「――私のこと、本当は誘ってた……?」
耳舐めちゃって……

姉「や、だ……、変なとこ、舐めない、で……?」

妹「えー、なんでー? おねえちゃん可愛いからさ、本当に食べちゃいたいくらい……♪」
プツプツって姉の部屋着のボタンの中途半端に外しちゃって……

顔を姉の胸に埋めちゃって
妹「えへへー、おねーちゃん、いい匂い……」


……、いや、まぁ。
姉×妹でも良かったんだけど、気づいたら妹×姉になってた。
年下責め受け付けない人おったらごめんね>

百合
ある2人の女たちが「互いに相手を(性的に)好き」である状態、またはそのカプ
その2人1組を“百合”と呼び、各人を単独で“百合”とは言わない
ガチ百合かゆる百合かで程度の差はあるが、その相手にしか(性的に)興奮しない
対義語は薔薇

レズ
ある1人の女が「女性を(性的に)好き」であること、またはその人
レズ2人が百合カプになるケースはもちろんある
(ストライクゾーンの女性ならば)誰にでも(性的に)興奮する
対義語は女性ならノンケ、男性ならゲイ(※ホモはゲイとレズの総称)


こんな認識だったんだが合ってる?

既存作品の二次創作SSで宜しければ

けいおん!
紬「唯ちゃんは私の王子様だから」

スト魔女×ガルパン
みほ「さよならは言いません」

前者は甘々系の百合SSの中では一番好き

後者は久しぶりに読んでみたけど、やはり互いに想いが通じ合っているのに、住む世界が違うが故に離ればなれになるのが何とも切ないな。

女「いいか? 付き合うのはもっとお互いをよく知ってから付き合うべきなんだ……」

幼馴染「じゃあ私たち付き合えるね!」

女「ばっかじゃねーの? 女同士で付き合うとか世間に知られたらどうなるかわかってんの?」

幼馴染「うーん……なかなかの難問だね! でも私答えがわかったよ!」

女「そうか、じゃあ答えをどうぞ」

幼馴染「『井の中の蛙大海を知らず』だね!」

女「は?」

幼馴染「ふっふーん、女ちゃんはわかってないなぁ? それじゃいつまでたっても世間知らずって馬鹿にされちゃうよ?」

女「いや、お前のほうが世間知らずだろ」

幼馴染「女ちゃんと結婚できない世間なら私は世間知らずでもいいよ」

女「いや世間のこと知ってもらっとかないと将来的に私が困るだろ? 結婚するにしてもなんにせよ」


みたいなね? 

女「レズに犯されたっぽい」
女「レズに犯されたっぽい」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1420296357/)

狐娘「契約に従い馳せ参じたぞ!」女「ハックション!」
狐娘「契約に従い馳せ参じたぞ!」女「ハックション!」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1420257566/)
女「狐娘ちゃんといちゃいちゃする日々」
女「狐娘ちゃんといちゃいちゃする日々」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1420343090/)

自分のssの紹介だけど、最近のオリジナルだと

A Rabbit's Life (オリジナル百合)
A Rabbit's Life (オリジナル百合) - SSまとめ速報
(https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1442897449/l50)

妹「私の事好きなの?」姉「そんなこたないのよ」 (オリジナル百合)
妹「私の事好きなの?」姉「そんなこたないのよ」 (オリジナル百合) - SSまとめ速報
(https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1441819694/)



読んでるかもしれないけど、最近の他の作者のssのオリジナルだと、

女「酔ったみたい」友「そら、そんだけ飲んだらね」  ※百合です
女「酔ったみたい」友「そら、そんだけ飲んだらね」  ※百合です - SSまとめ速報
(https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1441898103/)

↑友の台詞がいちいちカッコいい。さらっとした読後感のある短編ss。

女生徒A「地面に埋まった」 女生徒B「… … …」
女生徒A「地面に埋まった」 女生徒B「… … …」 - SSまとめ速報
(https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1433673964/)

↑AとBのやり取りに萌え。色々なキャラと主にBが活躍する。明確な百合描写はない。登場人物みんな可愛い。現行(もうすぐ完結)の中編ss。

女騎士「くっ、殺せ!」介護ヘルパー「お風呂だよ、お風呂!」
女騎士「くっ、殺せ!」介護ヘルパー「お風呂だよ、お風呂!」 - SSまとめ速報
(https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1442732519/)

↑百合とは言えないかもしれませんが、隠れた名作的ss。文章をリアル描写で想像すると、大変切なくなる。人を選ぶ短編ss。

女「先輩のお世話をしないと」
女「先輩のお世話をしないと」 - SSまとめ速報
(https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1440739422/)

↑一人称の字の文が個人的に好き。台詞少なめなだけど、逆にすごく読みやすく、主人公に感情移入しやすくて面白い。百合と思ってみると痛い目に合う。現行の狂気系中編ss。

幼女「せんせーのことが好きです!」 女教師「えっ」
幼女「せんせーのことが好きです!」 女教師「えっ」 - SSまとめ速報
(https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1441614017/)

↑ロリ×教師×百合。うさぎドロップ好きな人におススメ。ゆるーいけど、少しエロチシズム。幼女の行動に振り回される女教師を楽しむ話。適度に更新あり。現行中編ss。



他にも隠れた名作とかあったら知りたい今日この頃
百合スレ過疎るの寂しい

リンク貼れてないねすまんね
現行は載せて良かったのかな……?

おっ、夜更けの影送りの紹介わすれてるゾ

>>269
ちょっとそっちは停滞中なので今は見ない方がいいかもですが、紹介ありがと!

最近オリ百合はちょくちょく見かける程度に増えてる気がする
二次創作百合は少し減ったような気がする

かく言う自分が二次創作百合しか書いてないんだけどさ

>>271
何の二次百合? ぜひ見たい
咲とラブライブ以外は減ったね
『がっこうぐらし』や『のんのんびより』はなかなかメジャーなのにあんま増えなくて悲しい
百合姫とかきらら系はすでに百合百合して供給が間に合ってるから書こうと思わないんかな


真下三部作とか、『天空侵犯』とか美少女アクション系の百合ss誰か書いて欲しい

>>272
まどマギの百合SS書いてるよ
ずっとそればっかりで他の書いたことないんだ

まどマギの百合もだいぶ減っちゃったな

>>272
オリジナルでよく見るトリの人だな
好みだったり好みじゃなかったりあるが色んなジャンル書いてくれるからありがたいです

>>267
おっワイのあるやんけ 嬉しス

>>273
ずっとか
すごいね

>>274
好みもあって良かった

>>275
どれか分からんけど
これからも頑張って

誤植 素直じゃないだった

不器用みたいな感じで

>>345

とある女子校の放課後
校舎の中を黒髪短髪の少女が走っていた

黒髪短髪(ヤバい…思ったより遅くなっちゃった……)

少女は下校しようとしたところを教師に呼び止められ、今まで雑務を手伝わされていた

黒髪短髪(まだ待っててくれてるかな……)

少女が校舎を走る理由はただ一つ
待たせているであろう友人の元へ一秒でも早く行く為だった

黒髪短髪(急がなきゃ……)

昇降口に辿り着くと靴を履き替え息を整える
そしてゆっくりと正門に向かい足を進めた

正門に近づくに連れ少女の胸は高鳴る
友人とは毎日一緒に帰っているが約束はしていない
期待と不安を感じながら少女は進む

黒髪短髪(……あっ!!)

正門には少女と同じ年頃の友人の姿があった

黒髪短髪(お嬢様…待っててくれたんだ……)

高鳴る胸を抑え、出来る限り平静を装い少女は友人に近づく

黒髪短髪「こ…こんな所で何してるの?」

お嬢様「何してるって……あなたを待ってたのよ?」

友人は少女に優しく微笑みながら言葉を返す

黒髪短髪「べ…別に待っててなんて頼んで無いし……」

お嬢様「……そうよね……迷惑だったわよね」

友人は一瞬驚いた顔を見せると悲しそうに俯く

黒髪短髪「あっ……」

お嬢様「ごめんなさい……」

黒髪短髪(……私のバカバカ!!なんであんな事言っちゃうのよ!!)

元々素直になれない性格の少女だったが、特にこの友人の前では心にも無いことを言ってしまう事が多かった

俯く友人に声をかけようと少女は手を伸ばす
しかし少女の手が肩に触れる寸前で友人は顔を上げた

お嬢様「じゃあ私は先に帰るね?」

友人は少女に微笑みながらそう言うと背中を向ける

黒髪短髪「……えっ!?」

お嬢様「じゃあね、バイバイ♪」

少し振り返って手を振ると友人は歩き始める

黒髪短髪「ちょっ……ちょっと待って!!」

お嬢様「……どうしたの?」

黒髪短髪「わ…私の事……待ってたんだよね?」

お嬢様「ごめんなさい…迷惑だとは思わなかったから……」

黒髪短髪「迷惑じゃないよ!!」

お嬢様「……なら私はどうしたらいいのかしら?」

イタズラっぽい表情で友人は少女を見つめる

黒髪短髪「うぅっ……」

お嬢様「……やっぱり迷惑みたいね?」

友人は再び背中を向け歩き出そうとする

背中を向け一人で歩き出す友人に少女は声をかける

黒髪短髪「い…一緒に……帰ろう……?」

友人は足を止めゆっくりと振り返った

お嬢様「……よく聞こえなかったわ」

黒髪短髪「……一緒に帰ろう!!」

お嬢様「でも……」

黒髪短髪「迷惑じゃない!!むしろ嬉しい!!」

その言葉を聞くと友人は少女の隣に戻ってきた

お嬢様「うふふっ、最初からそう言えばいいのに♪」

黒髪短髪「くっ……」

友人は少女の腕を取ると自分の腕を絡める

黒髪短髪「ななな…何やってんの!?」

お嬢様「たまにはいいじゃない……ね?」

黒髪短髪「む…胸が……当たって……」

お嬢様「私は気にしないわよ?」

黒髪短髪(こっちが気にするっての!!)

お嬢様「さぁ、帰りましょう♪」

二人は夕暮れの道を寄り添いながら歩き出した

約束だから書いたよ

雨が降っていた。しんしんと。しんしんと。
走る車が水溜まりを踏み、跳ねた水しぶきは縁石にぶつかって消えてしまった。

女「雨、ひどいね」
彼女「今週末までずっとだよ」

水溜まりが版図を広げる歩道を、同じ傘の下、制服姿の少女二人が並んで歩いている。
相合い傘をしているのだから当然、距離は近い。

彼女「こうも湿気が高い日が続くと、うなじが蒸れて鬱陶しい」
女「髪、長いもんね」

それでも彼女は髪を切るとは言わなかった。
何故なら――。

彼女「そうよ、貴女好みの長い髪よ」
女「本当にお美しい限りで……大好き。――そうだ、そこのお嬢さん、私にその綺麗な髪を結わせてくれんかね?」
彼女「……あら、本当に? では、是非その長く細い絹の布もかくやと言わんばかりの美しい指で私の髪を纏めてくれませんこと?」

女「……ふふっ」
彼女「――あは」
軽口に軽口で返し、可笑しくなったのか笑い出す二人。

不意に女が彼女の腕に抱きついた。それでも彼女は傘を取り落とすなど不作法な真似はしない。

女「では、私のお姫様、貴女の家につきしだい、その美しい髪に――大好きな髪に触らせ……髪を結わせて貰います」
彼女「あはは、うん、お願い」

彼女は自身の愛しい人の顔を見つめ、ある種の期待を混じらせ続けて言った。

彼女「……ねぇ、女が好きなのは私の髪だけ?」
女「――――」

彼女の言葉を聞き、幾ばくもしないうち、女が彼女に己の“ソレ”を近づけた。
何が起こったかは傘に隠れ、周りの人々には明確には分からない。けれど、そこには確かに二人だけの空間があった。
数瞬の後、名残惜しそうに二人の顔が離れた。

女「これが、私の気持ちなのだけれど……分かった?」
彼女「……もっと、教えて欲しいなって」

それを聞いた女は気恥ずかしそうに、けれども嬉しそうに、家に着いたらね、と言った。

雨が降っている。しんしんと。しんしんと。
二人、手を繋ぐ。強く繋がりあう。例え、何にぶつかっても、今、二人の共有している気持ちだけは消え去らない。

開け放たれ窓から風が通り、閉めきったカーテンを微かに揺らし日光を部屋に侵入させる。
そこから、鳥同士のいさかいからか甲高いさえずりが断続的に聞こえ、その耳障りな騒音をかき消すように車が音をたてて通りすぎた。
ザッピングしたまま適当に止められたバラエティ番組は昼を示す。近くの小学校から、お昼休みを伝えるチャイムの音が聞こえてきた。

平日の真っ昼間に、若い女二人がベッドの側面に背を預け、怠惰を貪っていた。その部屋は煙草の臭いで満ちている。

義姉「――――ふう」

義姉は気だるげに溜め息をつくと同時に煙を吐き出した。その右手には煙をくゆらせた煙草がある。
その様を、隣にいたその煙草を吸っている女より幾分か若い見た目をした女が、何の感動もなしに見つめ、不意に――

女「……すぅ」

女は義姉が吐き出した煙を何の抵抗もなしに吸った。初めの頃はむせずにはできなかったその行為だが、今ではすっかり慣れたもので、義姉が混じったその煙草の煙を味わうようにゆっくりと吸っている。

女は未成年だ。本来ならこの時間は高校にいかなきゃいけない。

女「お義姉ちゃん……」

女はすがるように最愛の人の名前を呼ぶと、そこら辺に転がっていた缶を取った。
すっかりぬるくなったチューハイ缶のプルを引くと、容器を唇に当て、口の内に流し込んだ。

そして、アルコールを口内に含んだまま義姉にキスをする。

義姉「――――」

義姉は抵抗するでもなく、それを無防備に受け入れた。彼女は女が混じったチューハイをされるがまま飲み干す。
ついには飲みきり、けれども唇を離すことなどせず、深く己同士を交わらせ互いを貪った。

女「お義姉ちゃん……」
義姉「女……」

唇を離すと名残を惜しむように互いに互いの名を呼び、そして義姉は愛しげに女の頭を撫でた。

ヤニの臭いと、煙草の煙が部屋を包むその部屋。そこは――そこだけが女と義姉、二人の世界。二人の全て。

女は恍惚に溶けたとろけた目で、働きもせず家事もしない、自身と半分だけ同じ血を別けた存在を見つめる。
女「大好き」

義姉はその言葉に嬉しそうに頬を弛ませ、学校にいかず親に喧嘩を売るしか脳のない、自身と半分だけ同じ血を別けた存在を見つめ返した。
義姉「私も好き、愛してる」

異母姉妹の二人。実父には先に死なれ、もう血の繋がった肉親で二人の事を理解できるのは、互いの目の前にいる混じり血の、姉妹的にも社会的にもでき損ないしかいない。
だからこそ、二人は互いを求めた。だからこそ、その姉妹は二人して怠惰だった。

「好き、愛してる」

煙草の臭いと怠惰に満ちた二人の空間。
そこに愛の言葉が満ちる。今も、これからも――ずっと。
そこは二人にとって都合のいい世界。煙がくゆる二人の歪んだ愛の世界。

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