【R-18】 ラブアロー魔法少女ウーミン 【ラブライブ!】 (282)

音ノ木坂上空を二羽の鳥がぶつかり合いながら落下していく。一羽は白く輝き、もう一羽は黒く妖しく光っている。両者は最後に一度激しく衝突して、そのまま真っ逆さまに落ちる ―音ノ木坂学院へと。



第一話 『魔法少女ウーミン誕生』




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 ―音ノ木坂学院・一年生教室


凛(勉強しないと勉強しないと。赤点だけは避けないと……海未ちゃん怖いもんね)

??(凛……凛、聞こえますか?)

凛(……? なんだろ? 空耳かな……)

??(凛、聞こえていますか? 聞こえているなら「にゃー」と返事をしてください)

凛(おかしいなあ、まだ聞こえる……凛、疲れてるのかな)

??(お・へ・ん・じ・ください~♪ りんりんりんがべ~♪)

凛(!?)

凛(えっ? えっ!? 頭の中から声がする!)

??(うふふ、ようやく気づきましたね)

凛(だ、誰なの!?)

??(私ですか? 私の名は、白鳥 ≪ホワイトバード≫)

凛(ホワイトバード……外人さんなの?)

白鳥(まあ、そんなところかしら……それで、凛に頼みたいことがあるのだけれど)

凛(頼み事? 凛はいっぱいお勉強しなくちゃいけないのに……)

白鳥(まあ、話を聞いてみて。凛に頼みたいこと、それは……魔法少女よ!!)

凛「えっ? 魔法少女!?」


真姫「……!」ビクッ

花陽「凛ちゃん!?」

先生「星空さん、魔法少女がどうしたのかしら?」

凛「う、あ……何でもありません///」

白鳥(ふふっ授業中は静かにしてなきゃダメよ)

凛(うぅ、恥ずかしかったよ……///)

白鳥(詳しい話はあとでしてあげるから。お昼休みに理事長室にいらっしゃい)

凛(理事長室? もしかしてホワイトバードさんってことりちゃんのお母さんの知り合い? )

凛(……)

凛(おーい! ホワイトバードさぁん!)

凛(……返事来なくなっちゃった)


 ―昼休み・理事長室前


凛「星空凛です。ホワイトバードさんに呼ばれて来ました」コンコン

理事長「あら、星空さんね。待ってたわよ、入ってらっしゃい」

凛「失礼します」ガチャ

凛「……あの、ホワイトバードさんは?」キョロキョロ

理事長「ホワイトバードさんならここにいるわよ」

凛「??」


理事長「私の頭にね」ペカー


凛「わわっ!! とさかが光った!」

とさか「こんにちは、さっきぶりね」

凛「ひぇぇ……とさかが喋ってる。理事長先生って妖怪だったの!?」

理事長「違うわよ!突然光る鳥が私の頭にぶつかって来たと思ったら、髪が急に話し出したのよ」

凛「え~? そんなわけ……」チラリ

とさか「何かしら?」

凛「……あるみたい」

理事長「飲み込みが早くて助かるわ。それでね、このホワイトバードさんが星空さんに話したいことがあるんですって」

凛「話したいこと……あっ! さっき言ってた魔法少女のこと?」

白鳥「ええ、あなたには才能があるわ」

凛「才能って、もしかして……」

白鳥「そう、魔法少女……」

凛「……」ゴクリ



白鳥「……のマスコットの才能よ!」


凛「えっ……?」

白鳥「聞こえなかったかしら? 凛、あなたにはマスコットの才能があるのよ!」

理事長「そういうことみたいなの」

凛「……はい」

白鳥「あら? どうしてしょぼくれた顔をしてるの? マスコットの才能を有する者は魔法少女に適した人間よりも少ないのよ」

凛「そう言われても……」

理事長「その気持ちはわかるわ」

白鳥「ええい! マスコットになれるのは名誉なことなのよ! 凛には早速働いてもらわないとなりません」

凛「でも、凛はお勉強をしないと……」

理事長「星空さん、本当にまずい事態になってるみたいなの。ホワイトバードさんの話を聞いてあげて」

白鳥「その通りです。黒鳥 ≪ブラックバード≫を退治しなくてはなりません」

凛「ぶらっくばーど?」

白鳥「ええ。ブラックバードとは怒りや憎しみといった、人間たちの負の感情が集まって意思を持ち形を成したものなの。世界に災厄をまき散らす恐ろしい存在なのよ。そして、今日ブラックバードが出現した……百年ぶりにね」

凛「それを退治するのが……」

白鳥「そう。そのブラックバードを退治するため、地球の意志により生み出されたのがこの私、ホワイトバードなの。凛、あなたの役目は魔法少女のスカウトとサポートよ」

凛「そんなこと言われても、赤点取っちゃったら……ホワイトバードさんがやったらいいと思うなー」

白鳥「私だって自分でスカウトしたいわよ! マスコットキャラになってみたかったわよ! でも私に与えられた権限はマスコットのスカウトだけ……一度、地球の意志に頼んだのだけど『ブラックバードを倒すには魔法少女一人だけじゃ心もとない。お前はマスコットを増やすのに専念しろ』の一点張り……」グチグチ

凛「あはは……ホワイトバードさんも大変なんだね」

白鳥「だから! 凛には魔法少女のスカウトをしてほしいのです」

凛「で、でも……テストが……」

理事長「試験については星空さんに限って延期することにします。ホワイトバードさんの頼みを聞いてくれないかしら?」

凛「魔法少女のマスコットなんて、凛にはちょっと難しいかなー。他の人に……」

理事長「えぇい! あんまりぐちぐち言わないの! 留年にしちゃうわよ!」

凛「うわぁ……大人の汚いやり口だ」

理事長「何とでも言いなさい。マスコットと留年、どちらをするの?」

凛「うぅ……マスコットをやります」

理事長「ふふっ、それでいいのよ♪」

白鳥「やる気になってくれたようですね。じゃあ私に手を載せなさい。マスコットの力を授けてあげるわ」

凛「はい……理事長、失礼します」ポンッ

白鳥「それじゃあ、行くわよ!」ピカー!

凛「わわっ、まぶしい!」メツムリ

凛「……」

凛「……?」

白鳥「いつまで目をつぶってるの? もう終わったわよ」

凛「あの、特に変わった感じがしないんですけど。姿が変わるとか……」

白鳥「ああ、マスコット化のことね。それはね、魔法少女が変身したときにあなたも一緒に姿が変わるようになってるの。まずは魔法少女の素質を持つ者を探すのが先ね」

凛「でもどうやって探せばいいのかな……」

白鳥「今の凛には魔法少女の適性を見抜く能力が備わっているわ。試しに南理事長を見つめてみなさい」

凛「あれ? 頭の上に数字が……」ジトー

理事長「私の値はどれくらいかしら」ワクワク ≪0%≫

凛「……0パーセントです」

理事長「そう……」シュン

白鳥「少女って年じゃないんだから当たり前だわ」

理事長「はうっ!」グサリ

凛「あはは……」

白鳥「注意しとくけど、あなたが契約できるのは一人だけだからなるべく数字が大きい子を見つけるのよ」

白鳥「さあ、凛! 魔法少女の適合者を探しに行くのです。まずはこの音ノ木坂学院から!」

凛「は、はい! 行ってきます」

理事長「授業はちゃんと受けるのよー」

凛「わかりました! 失礼しました」バタン




理事長「……」

理事長「凛ちゃん大丈夫かしら」

白鳥「あら? 自分の生徒を信じられないの?」

理事長「いえ、そういうわけではないけれど……やっぱり心配だわ」

白鳥「大丈夫よ! 凛のマスコット適性値は100パーセントよ。場合によっては魔法少女一人だけで黒鳥を倒せるわ」

白鳥「それにあと二人マスコットの才能を持つ子がこの学院内にいるわ。この学院は凄いわよぉ!」

理事長「そうなの? それならお昼休みが終わる前にすぐ呼び出さないと」

白鳥「そうしたいのはやまやまなんだけど、マスコット化にも魔力を使うから。私の魔力が回復しないと……」

理事長「回復するのってどれくらいかかるの?」

白鳥「一週間日よ」

理事長「その間に黒鳥が襲ってきたらどうするの!?」

白鳥「黒鳥が地上で力を蓄えるには時間がかかるの。逆に、一週間日以内に黒鳥が憑依している人間を見つけられれば楽に退治できるわ……そんなことはめったにないけど」

理事長「黒鳥を見つけるレーダーみたいのはないのかしら?」

白鳥「そんなのがあったら苦労しないわよ!」

理事長「役に立たないわね」

白鳥「……」

白鳥「わっ私だって頑張ってるのに……ひどい! ひどいわ!! ほんとはマスコットやりたかったのにぃ!!」ギャーギャー

理事長「わ、わかったから落ち着いて! 頭の上でぎゃんぎゃんわめかないで!! ああっもう!!」


………………


凛「たっだいまー!」

花陽「あ、凛ちゃん帰って来たよ」 ≪65%≫

真姫「理事長室に呼ばれたって、また悪さでもしたの?」 ≪55%≫

凛「違うにゃー! 理事長先生から大事なお仕事をもらったんだよ」

花陽「大事なお仕事って……?」

凛「それは……」

真姫「何よ?」

凛「凛と理事長先生だけの秘密!」

真姫「何それ? 胡散臭いわね。変なことでも頼まれたんじゃないの?」

花陽「ことりちゃんのお母さんだから大丈夫だと思うなぁ……凛ちゃん、頑張ってね!」

凛「うん! 頑張るよ!」

真姫「困ったことがあったらいつでも私たちを頼りなさい」

凛「真姫ちゃん、優しいにゃー」スリスリ

真姫「ああ、もう! くっつかないで!」

花陽「ふふ♪」


………………………………


 ―放課後・校庭


海未「……」ソワソワ

海未「呼ばれたのは校舎裏でしたよね。まだ帰って来ないのですか?」

穂乃果「もうっ、そわそわしたって仕方ないじゃん」

海未「穂乃果は気にならないのですか!? ことりが告白を受け入れたら……」

穂乃果「穂乃果は海未ちゃんと違って、ことりちゃんのことが恋愛的に好きってわけじゃないから、ちゃんと祝福するよ」

海未「う……」

穂乃果「ことりちゃんを取られるのが嫌だったら、もう自分から告白しちゃえばいいのに」

海未「ことりはとても可愛く優しくて、それでいて芯の強いところもあって……私なんかとは釣り合いませんよ」

穂乃果「え~そうかなぁ? 海未ちゃんだって後輩の子からモテモテじゃん」

海未「私なんかよりことりの方が皆さんから好意を持たれています!ことりは一年生だけでなく三年生の方々からも人気があるではないですか。弓道部の先輩もことりの大ファンで、いつも可愛い可愛いと……そんなことは言われなくてもわかってます!!」

穂乃果「お、落ち着いて……あっ、ことりちゃん帰って来た! おおーい!!」

海未「……!」ピクッ

ことり「二人ともお外で待ってたの? 中で待っててくれればよかったのに」

穂乃果「海未ちゃんが『気になりますどうしましょう』ってうるさいから外に出たんだよ」

海未「ほ、穂乃果! 余計なことは言わなくていいです!」

穂乃果「へへ~ん、ほんとのことだもんね~」

ことり「ふふっ♪ 海未ちゃん、そんなに気になってたんだ。ちょっと嬉しいかも♪」

海未「そっ、それより! ことりはどう返事をしたのですか!?」

ことり「え~、そんなこと聞くのぉ? ことりにだってプライバシーがあるんだよっ♪」

海未「それはそうですが……」

ことり「お断りしたよ」

海未「え? あ、ああ。そうですか……」

ことり「海未ちゃん、ことりのお返事がとっても気になってたみたいだけど、何でかなぁ?」ニコニコ

海未「それはもちろん……幼馴染だからですよ。穂乃果だって気になっていたのでしょう?」

穂乃果「そりゃあそうだけど」

ことり「……そうだよね、幼馴染だもんね」

ことり「あ! もうこんな時間、早く練習に行かないと遅刻しちゃうよ!」タタタッ

海未「そうですね、急ぎましょう」タタッ

穂乃果「わわっ、待って! 置いてかないで」


………………


 ―下駄箱前


穂乃果「あれ? まだ時間たっぷり残ってる」

ことり「ごめんねっ! ことり、見間違いしちゃったかも」

海未「ことりにしては珍しいですね。でもまあ、早めに着いて悪くはないですから」カパッ

海未(ん? 下駄箱の中に手紙が。ハートのシールで封をしてありますね)

ことり「……」ジー

穂乃果「こ、ことりちゃん、なんだか怖い顔になってるよ」アセアセ

ことり「えっ!? ナンデモナイノヨナンデモ」

穂乃果「そ、それならいいけど」

穂乃果(ことりちゃんのあんな顔、初めて見たかも)



< ホノカチャーン! ウミチャーン! コトリチャーン!



海未「おや? この声は」

穂乃果「凛ちゃんだ!」

凛「おーい!」ダダダッ

凛(一年生で一番はかよちんの65%……他の学年の人はどうなんだろう)

穂乃果「どうしたの?」 ≪60%≫

ことり「何かご用かな?」 ≪52%≫

海未「凛! 廊下を走ってはいけませんよ」 ≪100%≫

凛「……!!」

凛「海未ちゃん!!」

海未「何ですか? そのような大声で」

凛「ちょっとこっち来て来て!」グイグイ

海未「わわっ! いきなりぐいぐい引っ張らないでください。穂乃果、ことり、先に行っていてください」



<ドコニイクノデスカ?

<リジチョウシツニャ!



穂乃果「海未ちゃんと凛ちゃん行っちゃったね」

ことり「うん……」

穂乃果「先に部室行ってよっか」

ことり「……」

ことり「うん、そうしよっか♪」ニコッ

穂乃果(ことりちゃん、笑顔がぎこちない……)


………………


 ―理事長室

白鳥「カクカクシカジカ……」

理事長「……ってことなのよ」

海未「わ、私が魔法少女に!?」

凛「海未ちゃんは魔法少女100%なんだよ」

海未「そんなこと言われましても、いきなり過ぎます。それに魔法少女って、あの、そういう可愛らしい格好で……恥ずかしいです///」

理事長「あら? 海未ちゃんならとっても似合うと思うわよ」

凛「そうにゃそうにゃ! みんなの注目の的だよ」

海未「皆さんに見られるなんて……/// すみません、この話はなかったことに」

白鳥「凛、何やってるのよ、逆効果じゃないの! 適性値100%の子なんてめったにいないのよ、なんとか説得なさい!」

凛「ううっ、人使いの荒いとさかだなぁ」

凛「ねえ、海未ちゃん」

海未「な、何ですか? たとえことりにお願いされたとしても魔法少女は嫌ですからね」

凛「ブラックバードをほっといたら大変なことになるんだよ? 早くやっつけないと。それには海未ちゃんが魔法少女になって……」

海未「……他の方に頼んでください」

凛「海未ちゃんみたいに適性が高い人なんてめったにいないんだよ。他の人を見つけるのに時間がかかっちゃってブラックバードがどんどん強くなってちゃうかもしれないんだよ」

白鳥「そうよそうよ!」

海未「それは……」

凛「それに海未ちゃんは適性が高いだけじゃなくって、弓道とか剣道とかもできるんでしょ。そんな海未ちゃんが魔法少女になったら絶対かっこいいと思うな~」

海未「……」

海未「……わかりましたよ。魔法少女、受けましょう。私が断ったら他の方がその危険なことをしなければなりませんからね」

凛「海未ちゃん!!」パァァ

理事長「ふふっ♪ 海未ちゃんの魔法少女姿、私も気になるわ」

海未「やめてください、おば様///」



白鳥「むっ! むむむっ!」ピョンッピョンッ

理事長「ちょっとホワイトバードさん、頭の上で暴れないで」

凛「理事長先生のとさかが跳ね回ってて、なんかすごい変……」

白鳥「大変よ! 出たわよ!」

海未「出たとは? まさか!」

凛「ブラックバード!」

白鳥「いえ、これは……怪人の気配がするわ。ブラックバードは怪人を生み出せる能力があるのよ」

理事長「凛ちゃん、魔法少女の契約を!」

凛「はい!」

海未「け、契約って、何を!?」

凛「海未ちゃん! 『ラブアロー魔法少女ウーミン誕生!』って言って!!」

海未「ええっ!?」

理事長「その言葉を唱えることによって契約が完了するの」

海未「え、えと……ラブアローまほう///」ボソボソ

白鳥「もっと大きな声で!」

海未「うぅ……ラ、ラブアロー魔法少女ウーミン誕生!!」


シーン…


海未「……?」

白鳥「はい! これで契約完了よ」

海未「あの、特に何も変わってないのですが」

白鳥「そりゃそうよ。契約をしただけですもの。魔法少女に変身するには呪文を唱えないと」

海未「その呪文とは?」

白鳥「『魔法少女ウーミン参上!』よ」

海未「他の言葉ではダメですか?」

白鳥「何よ! 不満があるの!?」

凛「変身呪文はホワイトバードさんの趣味で決めてるんだって。変える気はないみたいだから、海未ちゃんあきらめるしかないにゃ」

海未「ううぅ……」チラリ

理事長「さんざん説得したのだけれど、ホワイトバードさんすごい頑固で……」

白鳥「何ぐずぐずしてるの! 早く変身なさい!!」

理事長「ここは我慢して。ねっ?」

海未「……はい」

海未「……」スゥ…



海未「ラ、ラブアロー魔法少女ウーミン参上!!///」


ピカー!!!


海未「わわっ! 急に光って!?」


スパーン!!


海未「……!? 服が脱げて!? ちょっ、ちょっと!!」


シャキーン!!


理事長「これが……」

白鳥「魔法少女ウーミンよ!」

リン「魔女っ子海未ちゃん、可愛いニャー☆ でもこの衣装どっかで見たことあるかも」


ウーミン「……」ムスー

白鳥「どうしたの? 不満そうな顔して。似合ってて、とても可愛いらしいわよ」

ウーミン「聞いてませんよ……変身するときに裸になるなんて!!」

白鳥「魔法少女に変身するときは光がピカーってなって裸のシルエットが映るものでしょ?」

ウーミン「そんなの知りません!」

理事長「あら? 知らないなんて言っちゃって。海未ちゃんが子どもの頃、ことりや穂乃果ちゃんと一緒に魔法少女のアニメに夢中になってたじゃない♪」

ウーミン「……!! む、夢中になってたわけでは///」

リン「謎の光で全然見えてなかったから大丈夫ニャ! それにホワイトバードさんに何を言っても無駄だと思うニャア☆」

ウーミン「ええ……そうですね。人がいないところで変身すればいいだけですからね」

理事長「それに、後輩のみんなからモテモテの海未ちゃんが魔法少女だってばれたら大騒ぎになっちゃうから、そうしたほうが賢明ね♪」

ウーミン「うぐっ……からかわないでください、おば様」

理事長「うふふ♪」

リン「あー!! ウーミン、顔真っ赤ニャー☆」

ウーミン「もう、凛まで一緒になって……って、あれ? 声はするのに凛の姿が見えません」

リン「リンはこっちだニャ☆ 下を向くニャー!」

ウーミン「下って……おや? 猫が……いつの間に入り込んだのでしょう」

リン「ウーミンの目の前にいるのがリンニャ☆」

白鳥「凛はマスコット化すると猫になるみたいね」

ウーミン「なかなか愛らしい姿ですね。凛が猫になったら本当にこんな感じなのでしょうね」

リン「褒められると照れるニャー/// ……んん?」



リン「んにゃお!!」


ウーミン「どうしたのです? 突然変な声を出して」

リン「感じる……感じるニャ! 怪人の気配を!」

ウーミン「気配?」

白鳥「マスコットは怪人の居場所を察知することができるのよ」

リン「ウーミン! 怪人がどこにいるかわかったニャ! 案内するから肩に乗っかるニャー」ヒョイ

ウーミン「わっ……! 猫といえども肩に乗っかられたら……あれ? 重くない」

リン「普通の猫ちゃんと違って今のリンはとっても軽いんだニャ」

白鳥「ぬいぐるみくらいの重さしかないのよ。肩に乗せたままでも疲れないわ。すごいでしょ!」エッヘン

リン「案内するニャー☆ 魔法少女ウーミン出撃ニャ!」

理事長「魔法少女海未ちゃんの初舞台ね♪ 窓を開けるわね」カラカラ

ウーミン「窓って……そこから飛び降りるのですか!?」

リン「ニャー! 大丈夫ニャ、魔法少女の能力ですすいのすいニャ!」

理事長「ふふ、玄関から出てってもいいのよ♪」

ウーミン「う……覚悟を決めます! 魔法少女ウーミン出陣です!」ピョン


ウーミン「……」フワッ


ウーミン「わぁ♪ 浮いてます浮いてますよ! 凛!」

リン「やっぱり海未ちゃんは魔法少女の才能かあるんだニャ! よーし今度は飛んでみてニャ☆ 怪人はあっちにいるよ」ユビサシ

ウーミン「はい!」ススー

白鳥「やるじゃない。なかなかさまになってるわよ」

理事長「ほんとに、ことりにも見せてあげたいわ。あの子きっと大喜びするわ」

ウーミン「それではおば様、ホワイトーバードさん。この園田海未、初陣を切らせていただきます!」

白鳥「ええ、期待してるわよ! 怪人なんてけっちょんけっちょんにやっつけてやりなさい!」

理事長「行ってらっしゃい、気を付けてね」

ウーミン「行ってきます!」

リン「行っくニャー!!」


………………


ウーミン「そういえばこの衣装、ことりが前に作ってくれたのとそっくりなのですが……」

リン「あー! どこかで見たことあるって思ったら、ホームページに写真を載せるからってことりちゃんが海未ちゃんに無理矢理着せたやつだニャア」

ウーミン「なぜこの衣装に……」

リン「コスチュームは魔法少女の記憶の中を参考にして決められるんだって」

ウーミン「確かに、魔法少女みたいな衣装は他に着たことがありませんが」

リン「やっぱり、ことりちゃんが作っただけあってとっても似合ってて可愛いニャ☆」

ウーミン「ことりの衣装に包まれて戦う……いいかもしれません」

リン「ウーミン、顔がにやけてるけど、どうしたの?」

ウーミン「……!!/// な、何でもないです///」

ウーミン「と、ところで! さっきから私のことを『ウーミン』と呼んでいますが、なぜですか?」

リン「『ウーミン』っていうのは海未ちゃんの魔女っ子ネームだニャ。いつも通りに『海未ちゃん』って呼んだら正体がばれちゃうでしょ? 凛のこともマスコットキャラっぽく『リン』って呼んでニャ☆」

ウーミン「『リン』ですか? 『凛』との発音の違いがいまいちわからないのですが……」

リン「そこらへんはテキトーでいいニャー☆ おっと、そろそろ目的地に到着ニャ!」

ウーミン「ん? あれは……雪穂に亜里沙!」

リン「鳥っぽい怪人にからまれてるニャ。急ぐニャ、ウーミン!」

ウーミン「はい!」


………………


 ―ウーミンとリンがまだ理事長室にいた頃


ハト怪人「カラスの兄貴、どこを襲いやしょう」

カラス怪人「そうだなあ、総統にはどこを襲えと特に命令されてるわけじゃあないが……おっ、ここなんかいいんじゃないか」

ハト怪人「学校……校門には音ノ木坂中学校と書いてあるっすね」

カラス怪人「ふははっ! 善良な中学生を恐怖のどん底の落としてやるって寸法よっ!」

ハト怪人「さすが兄貴! 悪行にかけては天下一品……ん? 向こうから誰か走って来ますぜ」

カラス怪人「ちょうどいい、まずはそいつを人質にしよう。おいハト、校門の影に隠れるぞ」サッ

ハト怪人「へいっ!」ササッ


………………


亜里沙「雪穂ー! 遅いよー!」タタタッ

雪穂「ちょっと亜里沙、待ってよ!」タタッ

亜里沙「今日はμ'sの見学に行くんでしょ。早くしないと遅れちゃう!」タタタッ

雪穂「まだ、時間大丈夫だから。歩いてこうよ」タタタッ

亜里沙「えっ、そうなの? じやあそうする」テクテク


………………


ハト怪人「むっ! あいつら走るのをやめましたぜ」

カラス怪人「相手は二人か……よしハト、お前は金髪の小娘を捕まえろ。俺はもう一人の方だ」

ハト怪人「へい、兄貴」


………………


亜里沙「お姉ちゃんと海未さんの練習見るの楽しみだな~♪」

ハト怪人「……」スススッ

雪穂「……!!」

雪穂「亜里沙!! 変なのが近づいて……

ハト怪人「……」ニヤリ


ガシィ!!


亜里沙「は、ハラショー」


亜里沙を片手で抱きかかえる、二メートルはあろうかという筋肉隆々の大男。しかし頭はハトの形をしており背中には二本の翼、体全体も灰色の羽毛に覆われている……ハトと人間が混ざり合った異様な姿。


雪穂「うっ……何こいつ」

亜里沙「ねえねえ雪穂、この人って怪人さん役なんでしょ! 日本の文化のヒーローショーを学校でやるなんて聞いてなかったよ!」キラキラ

雪穂(そうなの? でも着ぐるみにしてはリアル過ぎ……)

ハト怪人「おいおい、ヒーローショーなんかじゃないぞ」

雪穂(いやいや、そもそもヒーローショーやるなんて連絡なかったでしょ。着ぐるみだとしても変質者には違いないんだから……)

雪穂「亜里沙、離れて! そいつは変質者!」

亜里沙「えっ!?」

ハト怪人「そうはいかねえな。逃がさないぞ」ギュー

亜里沙「うぅ……痛いよ」

雪穂「くっ……亜里沙を離せえ!!」ダッ

カラス怪人「おおっと、人のことばかりじゃなくて自分の心配をしろよ、嬢ちゃん」ガシッ

雪穂「うっ……! 変態がまだいたなんて!」


先生A「この変質者! 高坂さんと絢瀬さんから離れなさい!」


雪穂「先生!」


先生B「A先生、刺股持って来ました!」

先生C「三人ががりで行きましょう!」


ハト怪人「ちょっと待ちな。この娘がどうなってもいいのか?」チャキッ


先生A「あれは!?」

先生B「拳銃!」

先生C「ハトの分際で!」


亜里沙「雪穂ぉ……」ブルブル

雪穂「ぐっ……」ギリリッ

ハト怪人「手出しするなよぉ」

カラス怪人「ふっはっはっ!」


………………


―音ノ木坂中学校・校庭の隅


リン「亜里沙ちゃんが危ないニャ!」

ウーミン「くっ、どうすれば……」

リン「リンにまかせるニャ☆」


…………


先生A「これじゃうかつに手を出せない」

先生B「卑怯者!」

先生C「そだそだ!」


カラス怪人「怪人に卑怯者もヘチマもねえよ。せいぜいわめいてろ!」

ハト怪人「兄貴の言う通り……ん?」


リン「ニャー」テクテク


ハト怪人「うわおぉぉぉ!! ね、ねねね、猫ぉお!?」

カラス怪人「う、うう、うろたえるな! たかが猫一匹、ただの鳥だったときならともかく今なら怖くなんぞ、ね、ねえだろ!」

ハト怪人「そうは言っても兄貴。本能が、本能が逃げろと警報をならしてやす!」


リン「ニャー」ピョンッ


ハト怪人「ひえっ!! 飛びついて……! もう無理だぁ!!」ダダッ

カラス怪人「おい! 人質放ったらかしてどこ行くんだよ!」

先生A「絢瀬さん、今のうちにこっちへ!」

亜里沙「は、はい!」タタッ


カラス怪人「あっ、小娘! 逃げるんじゃねぇ! ハト戻って来い! おい聞いてんのか!?」


リン「ニャー」テクテク


カラス怪人「おまえはこっち来んな! 止まれ、止まりやがれ!!」


リン「ニャー?」ピタッ


カラス怪人「そうだそうだ、話せばわかるじゃねえか。ほらあっち行けっ! しっしっ!」


リン「……」

リン「しゃーー!!!」


カラス怪人「ひえぇっ……!! 怖っ! 怒った顔すげえ怖っ!」

雪穂「……!」(力が緩んだ!? 今がチャンス!)

雪穂「くっ!」タタッ

カラス怪人「あっ、おい、待ちやがれ!」


リン「ウーミン、もう大丈夫だよ!」


カラス怪人「こいつ……!? 猫がしゃべりやがった、ネコマタか!?」」

ハト怪人「兄貴、違うっすよ。そいつたぶんマスコットです。近くに魔法少女がいるはずです」

カラス怪人「おっハト、今までどこに行ってた?」

ハト怪人「あっちの木の影に……ぐげっ!!

鈍い音がして、ハト怪人の巨大な体躯が数メートルも吹き飛ばされる。カラス怪人が音の出所に目を向けると、そこには右脚を蹴り上げた魔法少女ウーミンの姿。


ウーミン「魔法少女ウーミン見参。観念なさい悪党ども!」

カラス怪人「出たな! 魔法少女!」ブンッ!


カラス怪人が拳を振り上げてウーミンへと叩きつける。しかし、身を反らしてそれを難なくかわし、逆にカラス怪人のアゴへと拳骨を穿つ。


カラス怪人「うぐあっ!! 星が……星が見える」クラクラ


休むことなく第二の拳撃……カラス怪人のみぞおちに見事な正拳突きが決まる。


カラス怪人「ぐげっごげげっ……!!」バタンッ


急所を撃ち抜かれその場に倒れ込む。さらに追撃の踵落としを喰らわせようとウーミンが足を振り上げ……


ハト怪人「このっ、兄貴から離れろ!バイオレンス魔法少女!」パンッパンッ


ウーミンに狙いを定めて、ハト怪人の拳銃が火を吹く。


ウーミン「むっ……!」ババッ


迫る二発の弾丸をやすやすと手のひらで叩き落とす。


ハト怪人「くっ……! 俺のビーン・ショットじゃ魔法少女には歯がたたないか……!」

※『ビーン・ショット』(炒った豆を拳銃から発射する。自動リロード機能付き。豆の弾は食べることができる。美味しい)


カラス怪人「おぉい……ハト。一旦距離を取って態勢を立て直すぞ」ヨロヨロ

ハト怪人「へい、肩をお貸ししやす!」


ウーミン「こら、待ちなさい!」

リン「ウーミン、ちょっと待ってニャ」

ウーミン「何です?トドメをささないといけませんのに」

リン「校舎を見るニャー!」



< 何あれ? 鳥頭の変なのがいる!?

< 何かの撮影じゃないの?

< 先生に聞いたら違うって

< 見て見て! 魔法少女もいるよ!

< 可愛いー♪

< よくわからないけど魔法少女ちゃん頑張れー!!



リン「ウーミン大人気ニャー!」

ウーミン「……! こ、こんなに注目されて……ちょっと恥ずかしいです///」

リン「魔法少女は受けた声援を魔力に変えることができるニャ。何か感じないかニャ?」

ウーミン「そういえば……心なしか力が湧いてきます」

リン「よーし、もっと声援を集めて一気に決めるニャー! ウーミン、これ受け取って!」ポイッ

ウーミン「わっと、これは……もしや」

リン「そう、魔法のステッキニャ。ウーミン、『ラブ・ブレード』って唱えてみてニャ!」

ウーミン「はい! ラブ・ブレード!」

※『ラブ・ブレード』(魔力を帯びた日本刀。悪しき力を祓う力を持つ。ダイヤモンドでさえ両断できるが生物を傷つけることはない、という安全安心設計)


ウーミンの言葉に応じてステッキが光り輝き、形を変えていく。そして現れたのは……


ハト怪人「日本刀じゃねえか!!」

カラス怪人「なんつー血なまぐさい魔法少女だ」



< 魔法少女ちゃんが刀持ってるー! ちょっとミスマッチだけど似合ってるかも

< むっ、構えた! あの構えは只者じゃないわね

< 構えただけなのに、雰囲気が凄い張りつめてる……

< 可愛いのに、カッコいい……

< いけー! 魔法少女ちゃん! そんな奴らなんてやっつけちゃえー!

< あの魔法少女ちゃん、ウーミンっていうんだって。おともの猫ちゃんがさっきからそう呼んでるよ

< ウーミン、頑張ってー!



リン「反応は上々ニャー! バッサバッサって切って、さっさとやっつけちゃうニャ☆」

ウーミン「はい!」チャキッ


ハト怪人「どうしやしょう兄貴! あいつこっちに来やすぜ!」

カラス怪人「ただでさえ近接戦じゃ敵わんのに、これじゃ魔法少女にポン刀……ならぬ鬼に金棒だ。二人がかりでも勝てる気がしねえ……よし、飛び道具で攻めるぞ!」

ハト怪人「へい! ビーン・ショット!」

カラス怪人「フェザー・カッター!」

※『フェザー・カッター』(体に生えている羽毛を硬化させ、刃と化したそれを敵へと飛ばす)


リン「何かいっぱい飛んでくるニャー!」

ウーミン「大丈夫ですよ、リン」


言い終えると同時に走り出す。真っしぐらに突き進み、豆鉄砲と羽刀の雨あられに臆することなく突っ込む。


ハト怪人「自分から飛び込んでくるとは馬鹿な奴め!」

ウーミン「はっ!」ピョンッ


ぶつかる直前、地面を蹴り上げ空高く舞い上がる。


ハト怪人「ちくしょう、飛んで避けやがった!」

カラス怪人「ええい、焦るな!上だ! 上を狙え!」


ウーミンは空中で方向転換。怪人たちに向かって急降下する。
迫り来る敵の猛攻。しかし、顔色一つ変えることなく刀を振るい……


ウーミン「ふっ! はっ!」カキンッカキンッ


弾と羽刀を瞬く間にはじき落とす。


ハト怪人「ああぁっ……! なんて奴だ!」

カラス怪人「怯むな! 撃て! 撃てっー!!」


ウーミン「なんの!」カキッカキンッ


怪人どもの乱れ撃ちを苦もなくいなし、ハト怪人へと真っ直ぐ攻め進む。


ハト怪人「ひい!! 来るな! 来るな~!!!」




  ザシュ!!



一閃。ウーミンの一太刀がハト怪人を切り裂く。


カラス怪人「ハトおぉぉぉ!!!」


ハト「くるっぽ~」


カラス怪人「なんてこった、ハトの野郎がただのハトに戻っちまった」

ウーミン「次はあなたです。雪穂と亜里沙に手を出したことを後悔させて差し上げます」ギロリ

カラス怪人「ひっ……!!」ガクガク


リン「ウーミンウーミン! ちょっと待つニャー☆」

ウーミン「……って、またですか。もう決着がつくところでしたのに。 今度は何です?」


カラス怪人(何だか知らんが助かった。今のうちに離れておくか……)コソコソ


リン「ウーミンにはもう一個武器があるからそっちも使ってみるニャ☆ 実戦練習ニャー!」」

ウーミン「え? でも慣れない武器をいきなり使うのは……」

リン「初めてなのにラブ・ブレードをあんなに使いこなしてたのに何言ってるニャ。それにあの怪人弱っちいから心配ないニャ☆」

ウーミン「それもそうですね」


カラス怪人(あいつら俺を舐めやがって、こうなったらあの技を使ってやる。奴らが目を離してる隙に魔力を溜めてと……)シュゥゥ!!


リン「ラブ・アローって唱えるニャー☆」

ウーミン「わかりました……! ラブ・アロー!」


ラブ・ブレードが光を放ち、今度は長弓の形になる。


リン「それで敵を撃つんだニャー!」

ウーミン「それ言われましても……あの、矢がないのですが」

リン「それは魔力を変換して作るんだニャ。矢が実際にそこにあるって風にイメージしてみてニャ☆」

ウーミン「はい!」


精神を集中させて矢の形を思い浮かべる。脳裏で矢を想像した途端、右手に形を成した矢が実際に現れる。


ウーミン「これが……」

リン「それであいつを撃つニャー!」


カラス怪人「はんっ!てめえら、その余裕もここまでだ! 俺の取って置きを喰らえ!」


カラス怪人「フェザー・ストーム!!」

※『フェザー・ストーム』(全身の羽毛を刃に変えて一斉に放つ。撃った後は丸坊主になるので、再び羽が生えてくるまでは技が使えなくなる)


舞い散る何十何百もの黒き羽刀。斬撃の嵐がウーミンを襲う。


ウーミン「くっ……! これではさすがに避け切れない……!」

リン「ウーミン、撃つニャー! 『ラブ・アロー・シュート』って叫びながら撃つニャ!!」

ウーミン「ええっ!? なぜそれを!? なぜ叫ぶ必要が!?」

リン「掛け声をかけると矢の威力がアップするニャ!早くしないとこっち来ちゃうニャ!」

ウーミン「は、はい!」

ウーミン「……」コホンッ




ウーミン「ラブ・アロォー・シュゥゥーート!!」



光り輝く矢が放たれる。濃密な魔力のオーラをまとい唸りをあけながら突き進む。いとも容易く黒い嵐をかき消し、残りは丸裸の敵のみ。


カラス怪人「なんだとっ!? 俺の切り札がっ……ぐぎゃぁぁぁああ!!!」


怪人に突き刺さり爆発、轟音。立ち昇る砂煙がゆらめく。


カラス「ガァガァ!」


リン「やったニャー☆ ラブアロー魔法少女ウーミン、初勝利ニャ!」



< わぁー! 簡単にやっつけちゃった!

< 可愛いだけじゃなくって、とっても強い!

< ウーミン! ウーミン!



リン「みんなウーミンに歓声を送ってるニャー☆」

ウーミン「あぅ……/// こんなに皆に見られて///」

リン「さっきまでノリノリで魔法少女やってたのに何言ってるニャ☆」

ウーミン「それは、気分が高揚して……もうっ、敵を倒したんですから行きますよ!」

リン「あっ、待ってニャー。肩に乗せてってニャー」ピョンッ


………………


雪穂「亜里沙、大丈夫だった!? ケガはない!?」

亜里沙「……」ボケー

雪穂「亜里沙?」


亜里沙「ハラショー!!」


雪穂「わわっ!」ビクッ

亜里沙「ねえねえ、見た見た? バッーってやっつけちゃった!」

雪穂「う、うん。見てたよ。凄かったよね、助けてくれた魔法少女さん」

亜里沙「綺麗でカッコよかったなぁ……」キラキラ

雪穂「ははん……亜里沙、あの魔法少女さんのファンになっちゃったな。海未さんがいるのに」

亜里沙「むむっ、スクールアイドルと魔法少女は別だよ! それに魔法少女さんじゃなくて魔法少女ウーミンだよ!」

雪穂「はいはい」


雪穂(でも何だかあの魔法少女さん、海未ちゃんに似てたかも。亜里沙が好きになるわけだ)


………………


―音ノ木坂学院へと帰る道中


リン「空を飛ぶのって気持ちいいニャー☆」

ウーミン「あの……あのことをどうして知ってるのですか?」

リン「あのことって?」

ウーミン「ラブアローシュートのことです……」

リン「それはね、マスコットは契約した魔法少女の能力を知ることができるんだけど、その中に『ラブ・アロー・シュート』っていうのがあったんたニャ」

ウーミン「あっ……そうですか」ホッ

リン「それがどうかしたの?」

ウーミン「いっ、いえ、何でもありませんよ!」アセアセ

リン(ほんとは海未ちゃんがいつもラブアローシュートやってるの知ってるけど黙っとこ)


………………


―音ノ木坂学院・屋上


絵里「はい、今日の練習はこれでおしまい」

穂乃果「海未ちゃんと凛ちゃん、理事長室に行ったまま帰って来ないね」

ことり「うん……」

真姫「凛はともかく海未まで呼び出しなんて珍しいわね」

花陽「凛ちゃんだって、そんなには呼ばれてないよぉ……」

にこ「練習の直前に理事長から連絡があったわ。用があるならもっと早く言ってほしいわね」

ことり「ごめんね、にこちゃん」

にこ「いやっ、ことりのせいじゃないわ! ほらほら、そんな顔しないで! にっこにっこにー♪」

ことり「うん、ありがとう。にこちゃん♪」


ことり(そうだよね……お母さんが呼び出したんだから、海未ちゃんと凛ちゃんの間に何にもないよね)


希「おっ、さすがにこっち。ことりちゃんがあっという間に笑顔になったやん♪」

にこ「にこはスーパーアイドルなんだから、これくらい当たり前にこっ♡」

絵里「ふふっ、亜里沙も『にっこにっこにー』が大好きだって言ってたわ」

にこ「そうなの!? 亜里沙ちゃんにありがとって伝えてにこ♡」


ことり「……」


希(ことりちゃんの様子がおかしい……嫌な予感がするんよ)




次回予告!



見事、初陣を制した魔法少女ウーミン。次の敵は怪人……じゃなくてアンチ魔法少女!? かしこくてかわいい電撃がウーミンを襲う! 窮地に陥るウーミン、一体どうなってしまうのか!?


 第二話 『苦痛と快楽のビリビリ』に続く!


ウーミン「次回もラブアローシュートです!」

今回はここまでです。続きは、でき次第あげていきます。


………………


??「絵里ちゃん、マカロン作ってみたんだけど、食べてみてくれないかな」

絵里「ええ、もちろん。あなたが作るお菓子はどれも美味しいもの♪」

??「はい、どうぞ」

絵里「いただきます」パクッ

絵里「……」モグモグ

絵里「……!?」

??「ふふふ……梅入りマカロン美味しい?」

絵里「ん……!くっ……! 何でこんなこと……!?」

??「絵里ちゃん、私のためにアンチ魔法少女になって♪ おねがぁい♡」

絵里「あっ……! いやっ! いやぁぁあ……!!」


………………




第三話 『苦痛と快楽のビリビリ』




………………

 ―音ノ木坂学院・二年生教室、昼休み


ことり「あれ、海未ちゃんは?」

穂乃果「海未ちゃんならさっき出てったよ。どこ行くのって聞いてみたら『凛に用事があるので、そちらへ』だって」

ことり「……」

穂乃果「ことりちゃん?」


希「どうしたん、ことりちゃん? 元気出すやん♪」ワシワシ


ことり「ひゃんっ!!」

穂乃果「あっ、希ちゃんだー!」

希「おっ、穂乃果ちゃん」ワシワシ

ことり「の、希ちゃん/// ワシワシやめて///」

希「おおっと、ごめんごめん」パッ

ことり「うぅ……///」

穂乃果「二年生の教室に何か用事でもあるの?」

希「ちょっと人に会いになー」

穂乃果「もしかしてリリーホワイトのことで? 海未ちゃんなら凛ちゃんのとこに行ったけど……」

ことり「……」

希「いや、うちが会いに来たのはことりちゃんやん。なーんか調子が悪そうやったから」

穂乃果「そういえば、ことりちゃん昨日からちょっと様子が……」

ことり「えっ? そ、そうかなぁ。いつも通りだと思う、よ……」フラッ

穂乃果「わわっ、ことりちゃん危ない」ガシッ

ことり「ご、ごめんね。やっぱり調子が悪いのかな。ちょっと保健室に行って来るね」

希「うちらも一緒に行こか?」

ことり「ううん、大丈夫。そんなにはひどくないから」

ことり「じゃぁ、行って来るね」ガラッ



穂乃果「ことりちゃん、何だか無理してる気がする……」

希「そうやなぁ……穂乃果ちゃん、ことりちゃんに何かあったら教えてな」

穂乃果「うん!」


………………

 ―空き教室


海未「この部屋を自由に使っていいと許可を貰いました。魔法少女のこととか、人に聞かれるとまずい話はここでしましょう」

凛「魔法少女ウーミンの秘密基地だね」

海未「ええ、そんなところです。凛にも部屋の鍵を渡しておきますね。ただし、魔法少女にも学業にも関係ないものをここに持ち込んではダメですよ」

凛「大丈夫だよ!カップラーメンなんか持ち込まないよ!」

海未「……もし万が一見つけたら罰として40kmマラソンですからね」

凛「わ、わかってるよ!」

凛(絶対に持って来ないようにしよう)


海未「では、お喋りはここまでにして前回の戦いについての反省会をしましょう」

凛「反省会って言っても……前の戦いはウーミンの圧勝だったよ」

海未「いえ、ちょっと気になることが。ラブアローシュートを放ったときのことなのですが……」

凛「どうかしたの?」

海未「あれを撃ったとき、私の魔力が目に見えて減ったのです」

凛「ああ、それはね。ラブアローシュートの矢は自分の魔力から作るんだ。だから撃てる数に制限があるの」

海未「なるほど……無闇に撃たずに、ここぞというときに使う技なのですね」

凛「ラブアローシュートって凄く強いんだけどね。おいしい話はないってことかにゃ」

海未「ふむ……基本的にはラブ・ブレードによる接近戦で、それでは刃が立たない相手にはラブアローシュート、という風に戦いますか。実践的な剣術の鍛錬もしなくてはなりませんね。お父様に教えを乞いましょう」

凛「恥ずかしがらないで声援をたくさん受ける練習もねー」

海未「むぐっ……善処します」


………………

 ―廊下


??『何を悩むことがある。お前の望みを叶えてやるというのに』

ことり(そんなので恋を叶えるなんて、やだよ……)

??『さっきから当てもなく歩き続けて、そんなことをしてもどうにもならないぞ。魔法少女さえ倒せば思いを実らせてやる。やるべきことは一つだ』

ことり(うるさい! お願い黙って!)

??『おや? あれを見てみろ』



海未「では今日はこれくらいにしておきましょうか」

凛「何だか関係ないお喋りばっかりしてた気がするにゃ」

海未「戦いに関してはあまり話すこともなかったですからね。それに凛と二人だけで話すなんて珍しいですからついつい話し込んでしまいました」

凛「海未ちゃんのこといっぱい聞けて楽しかったなぁ。それにしても海未ちゃんがことりちゃんのこと好

海未「りっ、凛! やめてください///」ドンッ

海未「あっ、ぶつけてしまいすみま……



ことり「……」


海未「って、ことり!! 今の話聞いてなかったですよね!?」

ことり「二人とも中で何してたの?」

海未「へ?」

ことり「何してたの?」

海未「あっ、はい、凛と話をしてただけですよ」

ことり「何の話?」

海未「大した話ではないですよ」

ことり「大した話じゃないのにそんなとこに隠れてコソコソ話してたの?」

海未「え、えと……」

凛(ことりちゃんがこんな怖い顔するなんて……でも、何だか辛そう)

ことり「言えないようなことしてたの!?」

海未「こ、ことり、落ち着いてください」

ことり「うっ……」クラッ

海未「ことり! 大丈夫ですか!?」

ことり「ちょっとめまいがしただけだから……心配しなくても大丈夫だよ」

海未「大丈夫って……保健室に行きましょう。私も一緒に行きます」

ことり「ううん、一人で行けるから」

海未「いえ、心配ですから」スッ


ことり「触らないで!」


凛「……!」ビクッ

海未「えっ……」

ことり「大丈夫だから、ついて来ないで」

海未「……はい」

??(これは好都合、利用できるな)


…………


凛「ことりちゃん行っちゃったね」

海未「……」

凛「海未ちゃん?」

海未「うっ、うぅ……ことりに嫌われてしまいました」

凛「そ、そんなことないよ! たまたまことりちゃんの調子が悪かっただけだよ」

海未「そうですか……?」

凛「そうだよ! ことりちゃんが落ち着いたときに話し合ってみよう。きっと仲直りできるよ!」

海未「はい……」

凛(海未ちゃんとっても落ち込んでる。穂乃果ちゃんにも協力してもらった方がいいよね……)


………………


??『どこへ行っている。お前が向かうべきはそちらではなないぞ』

ことり(ことりは気分が悪いだけだもん)

??『保健室などとやらに行ってもどうにもならないぞ。あの二人、海未と凛と言ったか』

ことり(……)

??『私にかかればあの二人の仲を引き裂くのも簡単なことだ』

ことり(まだ二人が付き合ってるって決まったわけじゃないもん。それに恋人同士だったとしても、無理矢理仲を引き裂くなんて絶対に嫌)


??(くくくっ、だいぶ弱っているな。一時的なら体を操ることもできそうだ)


??『ほう、殊勝なことを言う。だがお前の本心は違うみたいだぞ』

ことり(えっ? どうして足がこっちに動いて……)

??『そうだ、お前が進むべき道はこちらだ。このままアンチ魔法少女の元に向かうぞ』

ことり(あなたことりに何かしたの!?)

??『お前の体が欲望に素直に従うようにしただけだ』

ことり(じゃ、じゃぁ……私の本当の気持ちは)

??『そうだ、それがお前の本当の姿だ』

ことり(やだ、やだよぉ)

??『認めろ、お前は自分のためなら仲間を利用する醜い人間だ』

ことり(いやっ! 止まって、止まってよ!)

??『お前には何もない。お前のことなんか誰も好きにならない。お前は私の力に頼ることしかできない』

ことり(や、やだ……あなたになんて頼らない)ググッ


??(こいつ……まだ抵抗する気か)


ことり(私が進むのはこっちじゃない)グググッ


??(仕方がない、魔力を使うしかないか)ズズズッ


ことり(うっ……足が、また動いて……)

??『それがお前の本心だと言ったろう? いくら否定しても醜悪な性根がなくなるわけではない』

ことり(そんな、やだっ、止まって!)


………………

 ―三年生教室


絵里「あら、ことりじゃないの。誰かに用事でもあるの?」

ことり「……」 (やだっ!絵里ちゃんを巻き込みたくない!)

絵里「ことり……?」

ことり「うん、絵里ちゃんに用があって来たんだ。ちょっとこっちに来て」 (用事なんてない! 絵里ちゃん、私の言うことを聞かないで)

絵里「ええ、いいわよ」


……


絵里「そういえば……朝練の後にもことりに呼ばれなかったけ?」

ことり「そうだったかな?」 (あのときも、こんな風に自由がきかなくて……)

絵里「私の思い違いかしら……?」


絵里「……」


絵里「ええと……だいぶ校舎の奥まで来ちゃったけど、まだかしら?」

ことり「うん、ここまで来ればいいかな」 (ダメ、絵里ちゃん逃げて!)クルッ

絵里「ことり……どうしたのよ、その顔。今にも泣き出しそうな……」

ことり「絵里ちゃん、お願いがあるの♪」 (逃げて逃げて!)




ことり「アンチ魔法少女に変身して、魔法少女をやっつけて♪ おねがぁい♡」


今回はここまでです。


………………

 ―空き教室

凛「ねっ、海未ちゃん元気出して!」

海未「はい……そうですよね! いつまでもくよくよしてても仕方ありません。案ずるより産むが易し、という言葉もありますし」

凛「その調子だよ!……ん? にゃにゃ!?」

海未「どうしました?」

凛「怪人の気配がするよ。あれ? でもこの感じ、ちょっと違うような……」


白鳥『二人とも聞こえる!?』


凛「わわっ!? いきなり大声でテレパシーしないでほしいにゃ」

海未「突然どうしたのですか? これから怪人退治をしますのに」


白鳥『その怪人のことよ! いや、実はあれは怪人ではないのよ』


凛「確かに、魔力の感じが怪人のとは違うみたい」


白鳥『今回現れたのはアンチ魔法少女よ!』


凛「えっ!?」

海未「アンチ魔法少女?」


白鳥『アンチ魔法少女っていうのは、魔法少女と対になる存在。わかりやすく言うと《ブラックバード版魔法少女》ってとこかしら。魔力が強大なブラックバードだけが生み出せるのよ』


凛「でも、まだ一日しか経ってないのに」


白鳥『ええ、本来ならありえない。今回のブラックバードはおそらく、今までの中で最も手強いわ』


凛「そんなのが相手なんて……」

海未「腕がなりますね!」

凛「えっ?」

海未「くよくよしたってしょうがない。そうでしょう?」ニコリ

凛「海未ちゃん……」

凛「うん!」


白鳥『まあ、例えアンチ魔法少女相手でも適正値100%の魔法少女なら負けることはないわ。でもブラックバード本人が出て来るかもしれないから用心はしといてね』


海未「はい! さっさとアンチ魔法少女をやっつけて、ことりとも仲直りです!」

凛「魔法少女ウーミン出撃にゃー!」


………………

 ― 一年生教室

真姫「あら、凛は?」

花陽「海未ちゃんのとこに行くって言ってたよ」

真姫「また? あの二人こそこそ何してるのかしら」

花陽「理事長先生から頼まれてるお仕事が長引きそうなんだって。海未ちゃんも一緒だから大丈夫だと思うけど……」

真姫「海未もたまにおかしなこと言い出すから安心できないわよ」

花陽「あはは……」


 『ピンポンパーン♪ 理事長室より緊急の連絡です』


真姫「緊急の?」

花陽「何だろう……?」


 『秋葉原大通りにてアンチ魔法少女が出現しました。午後からの授業は休講にします。皆さんの声援が魔法少女の活力の源です。ぜひぜひ応援に行きましょう!』


真姫「理事長、何言ってるのよ。意味わかんない」

花陽「魔法少女……!!」ガタッ

真姫「……!」ビクッ

真姫「急に大声出して、どうしたのよ」




にこ「花陽!! 今の聞いた!?」ドアバーン



花陽「はい!」

真姫「って、にこちゃん!? もっと静かに入ってきなさいよ、恥ずかしいじゃない!」

にこ「何よ!? 魔法少女よ、魔法少女!」

真姫「魔法少女がどうしたのよ?」

花陽「魔法少女はみんなの声援を受けながら敵に立ち向かうんです」

にこ「その姿はアイドルに通じるものがあるわ。前の戦いは見逃しちゃったけど、今度はちゃんと応援できそうね!」

花陽「真姫ちゃんも一緒に行く?」

真姫「私はどっちでも……」


ことり「真姫ちゃん、ちょっといい?」


花陽「あっ、ことりちゃん」

にこ「ことりも魔法少女のことで来たの?」

ことり「う~ん、ちょっと違うかな」

真姫「そりゃそうでしょ。花陽やにこちゃんじゃないんだから」

花陽「じゃ、じゃあ、にこちゃんと二人で行ってくるね」

ことり「ごめんね、花陽ちゃん、にこちゃん」

にこ「いいのよ、用事があるんだったら仕方ないもの。それじゃ行くわよ、花陽!」

花陽「はい!」




ことり「ごめんね、真姫ちゃんも一緒に行きたかったよね」

真姫「私は別に……そりゃ少しは興味があるけど」

ことり「ふふっ♪」

真姫「って! それより、用事があるんでしょ? さっさと済ましちゃいましょ」

ことり「うん、こっちに来て……うふふ♪」


………………

 ―秋葉原大通り


エリチカ「ハラショー! エリチカ公爵のお通りよ!」

マトリョシカ怪人「ズドラーストヴィチェ」


< あれって噂になってる魔法少女じゃない?

< おとものマスコットキャラってあんなだっけ? なんかいっぱいいるし……

< 猫って聞いてたんだけど……あれじゃマトリョシカに手足が生えた化け物じゃない

< 私が見た魔法少女ちゃんと違う……


エリチカ「違ーう! 魔法少女なんかじゃないわ。私はアンチ魔法少女、エリチカ公爵よ!」


< アンチ魔法少女? 何それ?

< 魔法少女の敵ってことなのかな?


エリチカ「そのとーり!総統に仇なす憎き魔法少女を倒すのが私の使命!」

マトリョシカ怪人「ニェットニェパニャートナ」

エリチカ「行きなさい、マトリョシカ怪人。秋葉原を地獄に変えて奴をおびき出すのよ!」

マトリョシカ怪人「ウラー!!」ババッ


< ひっ! こっち来る!?

< 手足がムキムキ!? こいつら気持ち悪い!

< に、逃げないと!


エリチカ公爵「ほらほら、もっと必死になって逃げないと捕まっちゃうわよ」

マトリョシカ怪人「ウーラー!!」ダダッ


< きゃー!!

< 足めっちゃ速い!?

< 捕まりたくない!




??「待ちなさい悪党ども! 狼藉はそこまでです!」



< ビルの上に誰かいるよ!

< あっ、あれって!?

< 魔法少女ウーミン!!



にこ「ぜぇ……はぁ……間に合ったみたいね」

花陽「ふぅ……はぁ……前の戦いは見逃しちゃったから、よかったです」



エリチカ「出たわね、魔法少女! マトリョシカたち、やってしまいなさい!」

マトリョシカ怪人「ハラショー」ビョィン


鍛えあげられた脚から繰り出される跳躍力。マトリョシカ怪人たちがウーミンへと襲いかかる。


ウーミン「いざっ!」


ビルから飛び降り、臆することなく怪人たちに正面からぶつかっていく。


ウーミン「ラブ・ブレード!」

マトリョシカ怪人「ダスヴィダーニャ!」ズバッ


ラブ・ブレードで一刀両断。斬り捨てられた怪人は断末魔をあげ、鈍い音を立てて地面に激突する。


ウーミン「はっ! せいっ!」

マトリョシカ怪人「ヤラーニェン!」バサリッ

マトリョシカ怪人「パカー!」ズバッ


エリチカ「ちょっとちょっと! もう少し頑張りなさいよ!」

リン「弱っちいニャ☆」

エリチカ「うるさいわよ! マスコットは黙ってなさい!」



< もっとやっちゃえー!

< かっこいい♡

< ハラショー!


花陽「これが魔法少女……凄い人気です!」

にこ「立ち回りが美しいわ。まるで踊ってるみたい」

花陽「かっこいい系の魔法少女だねっ!」

にこ「私たちも声援を送るわよー!」

花陽「はい!」

ウーミン「邪魔です! 退かぬば斬ります!」

マトリョシカ怪人「パマギーチェ!」ズシュ


行く手を遮る怪人どもをバッサバッサとなぎ倒す。ウーミンが狙うはただ一人、アンチ魔法少女!


ウーミン「次はあなたです」ギロリ

エリチカ「ひっ……! マトリョシカたち、あいつを止めなさい! 鉄壁戦法よ!」


マトリョシカ怪人「パニャートナ!」


ウーミンの目の前に怪人が集まり、マトリョシカの壁となって立ち塞がる。


ウーミン「無駄ですっ!」

マトリョシカ怪人「パマギーチェ!」バサッ 「ヤラーニェン!」ザシュ 「ダスヴィダーニャ!」ズバッ


目にも留まらぬ速さで怪人を払い斬る。怒涛の猛攻にマトリョシカの壁はあっという間に崩れさる。跡には倒れ込んだ怪人の死屍累々。


マトリョシカ怪人「パカー!」ザシュッ

ウーミン「今ので最後です。あなたを守るものはもうありません、覚悟なさい!」チャキッ

エリチカ「くっ……あまり私を舐めない方がいいわよ。喰らいなさい、『KKサンダー』!」

※『KKサンダー』(指先から電撃を射出する。その電撃は術者の思い通りに動かせる。主人の言うことをよく聞く愛犬のような、まさに『かしこいかわいいサンダー』である)


真っ直ぐに飛んで来る電撃。ウーミンを苦もなくそれを捉えて刀を振りかざすが……


ウーミン「むっ……!」

エリチカ「ふふっ」ニヤリ


突如、雷光はその軌道を変えてウーミンの側面に回り込む。


ウーミン「なんのっ……!」


手首を回転させ、横払いに電撃を斬り落とす。


エリチカ「ふんっ、なかなかやるじゃない。でも、これならどうかしら!」


両手から放たれる十もの雷撃。ぐにゃりぐにゃりと生き物のように曲がりくねりウーミンに襲いかかる。


ウーミン「そんな単純な動きでは……はっ!」


ひと振りで三つの雷をかき消す。数度刀を振るうだけで雷の嵐は消え去ってしまう。


ウーミン「私を捕らえることなどできません」


エリチカ「な、何よそれ! あなた魔法少女でしょ!」

リン「魔法少女(物理)だニャ☆




< つ、強い! 相手を圧倒してる!

< ウーミンさん、かっこいい♡

< ハラショー!!


花陽「バン! バン! バーン!ってあっという間に……!」

にこ「凄い……凄いわ! これが魔法少女……!」ゴクリ



エリチカ「くぅぅっ……! こうなったらもうやけよ! KKサンダー!」


乱れ飛ぶ雷。だがそんなものは何の障害にもならない。


ウーミン「くどいっ!」


勢いよく踏み込み、猪突猛進。雷の束に飛び込む。


ウーミン「はっ……!」


電撃を斬り捨てながら、速度を落とすことなく突き進む。


エリチカ「KKサンダー! KKサンダー!」


雷を放ち続けても悪あがきにしかならない。二人の距離はぐんぐん詰まる。
もはや勝負あり、誰もがそう思ったとき、




パキィ



ウーミン「……!」


雷を斬り払った瞬間、刀身が真中からぽきりと折れる。


エリチカ「今よ……! KKサンダー!」

ウーミン「くっ……!」


無防備になってしまい、横に跳んで避けようとするが、


マトリョシカ怪人「ウラー!」ガシィ

ウーミン「……っ!」


倒れていたはずの怪人が跳び起き、ウーミンに掴みかかる。動きを封じられたウーミンを容赦なく敵の猛攻が襲う。


ウーミン「うぐっっ……!!」ビリビリ

エリチカ「もういっちょ、KKサンダー!」

ウーミン「あぅぅうっ……!!」ビリビリ


リン「ウーミン!」

エリチカ「マトリョシカ、ハラショーよ!」

マトリョシカ怪人「ハラショー!」

リン「なんで!? 怪人は倒したはずなのに!」

エリチカ「ふふっ♪ マトリョシカたちは体が小さくなる代わりに、五回までやられても大丈夫なのよ。倒れてから回復するのに時間がかかるのがちょっと難なのだけれどね」

リン「ふにゃ!? そういえばさっきよりもちっちゃくなってるニャ!」

マトリョシカ怪人「ドーブラエウートラ」

ウーミン「くっ……ラ、ラブ……」

エリチカ「おっと、そうはさせないわよ。KKサンダー!」

ウーミン「あぐぅぅう……!」ビリビリ

エリチカ「あの程度の数を受け止めただけで武器が壊れちゃうなんて、あなた身体能力は化け物級だけど魔力は大したことないわね」

ウーミン「うっ……かはっ、ラブ……」

エリチカ「KKサンダー!」

ウーミン「あぁぁぁっ……!」ビリビリ

エリチカ「あきらめが悪いわね。しゃべれなくなるまで痛めつけてあげるわ。たっぷりと味わいなさい、KKサンダー!」

ウーミン「ぐっ……あぐっ……!」ビリビリ


全身を電流でいたぶられる。痛みのあまり溢れ出す悲痛な声。


ウーミン「がっ……! あぁっ……!」ビリビリ


なんとかしてその場を逃れようとするが、体が痺れ手足をただ震わすことしかできない。

エリチカ「ほらほら、どんどん行くわよ。KKサンダー!」

ウーミン「うっ……あっ……」ビリビリ


呻き声さえ弱々しくなる。体を支えることができなくなりその場に崩れ落ちる。だが追撃の手は緩まない。


エリチカ「KKサンダー!」

ウーミン「かはっ……」


筋肉が痙攣し、ろくに呼吸もできない。力なくその場にへたり込み、その表情にはもう戦う意志など見えない。

エリチカ「ふふっ、これぐらいで十分かしらね。マトリョシカ、ショーを始めるわよ」

マトリョシカ「ハラショー!」グイッ

ウーミン「ぐっ……」


ウーミンの髪を掴んで強引に立ち上がらせる。さらに後ろから羽交い締めにして、がっちりと拘束する。


エリチカ「ふふっ♪」サスリ


エリチカ公爵が近寄って来て、愛でるようにウーミンの頬を撫でる。


エリチカ「よく見ると綺麗な顔してるじゃない……今からその顔をたっぷりと歪めてあげるわ♪」

ウーミン「くっ……」



エリチカ「魔法少女公開陵辱ショーの始まりよ!」



今回はここまでです

マトリョシカ怪人「ハラショー!」 「ハラショー!」 「ハラショー!」


いつの間にやら復活していた怪人たちが一斉に歓声をあげる。



< 魔法少女公開陵辱ショー!?

< 見たいけど、見たくない!

< 公衆の目前で何てことを!


花陽「あわわ……どうしましょう」

にこ「これも魔法少女の宿命……最後まで見届けるわよ

エリチカ「ふふっ♪ まずは、と……」


ウーミンの前襟に手をかけて一気に引きちぎる。無惨にも衣装の前が破り取られる。


ウーミン「くっ……よくも……この衣装はことりの」

エリチカ「ふんっ!」


エリチカ公爵の拳が腹部にめり込む。


ウーミン「かはっ……!」


エリチカ「衣装なんかより自分の心配をした方がいいんじゃないかしら?」

エリチカ「それにしても……体も引き締まってて、とても綺麗……」


ウーミンの脇腹を愛おしそうにさする。


ウーミン「うっ……や、やめなさい」

エリチカ「やめないわよ、ここからが本番ですもの」

エリチカ「そこのマトリョシカ二人、ちょっとこっちに来なさい」

マトリョシカ怪人「ダー」「

エリチカ「足を広げてあげなさいっ♪」


怪人たちがウーミンの足を一本ずつ抱えて担ぎ上げ、その両足を左右に開き広げる。


エリチカ「スカートが邪魔ね……取っちゃいましょう♪」


スカートが破り取られ、開脚されたままの姿でショーツが剥き出しになる。

ウーミン「うっ……こんなっ……!」


屈辱敵な姿に見る見る顔が赤らむ。逃れようと気力を振り絞りジタバタと暴れて抵抗する。だが、後ろからも羽交い締めにされガッチリと三人がかりで固定されているので、それは徒労にしかならない。


ウーミン「離してっ……離しなさい!」

エリチカ「暴れちゃダーメっ♡」ビリッ

ウーミン「あぁぁっ……!」ビリビリ

エリチカ「下も脱がしてあげるわね♪」

ウーミン「や、やめて……それだけは」


ショーツに手をかけて一息にもぎ取ろとした、その時……



リン「ウーミンをいじめるなー!!」


エリチカ公爵目がけてリンが飛びかかる。


エリチカ「KKサンダー」

リン「ふにゃぉぉん!!」ビリビリビリ

リン「ふにゃぁ……」バタンキュー


だが電撃で軽くいなされ、気を失って倒れ込む。


ウーミン「リン!」

ウーミン「くっ……! ラブブレ……

エリチカ「しつこいわよ」ビリッ

ウーミン「うぐっ……」ビリビリ

エリチカ「あら、まだ抵抗する気力が残ってたみたいね……もうちょっと痛めつけてあげる必要がありそうね」ビリッ

ウーミン「あぐっ……!」ビリビリ

エリチカ「ふふふっ♪」ビリ

ウーミン「あっ……うっ……」ビリビリ


何度も何度も放たれる電撃。雷鳴と苦悶の声が交互に響く。


ウーミン「もう……やめて……」


度重なる責め立てに、全身の力が抜けて四肢はブラリと垂れ下がり、目も虚ろに懇願の声を繰り返す。

エリチカ「逆らうからそうなるのよ。おとなしくしてればもうビリビリはやめてあげるわ……わかった?」

ウーミン「……」

エリチカ「返事はなし……まあいいわ、続きを始めましょう」

エリチカ「ブラも邪魔だから取っちゃいましょうね♪」


上の肌着を剥ぎ取られ、ウーミンの乳房が露わになる。


ウーミン「くっ……///」

エリチカ「ふふっ、胸は慎ましいのね♡」


エリチカ「さて……いい加減始めないとね。観衆の皆さんをあまりお待たせしちゃダメだわ」


そう言うと、指をバチバチと放電させる。



< 何をする気なの!?

<もしかして、魔法少女ちゃんの敏感なとこを電気責めにする気じゃ……



エリチカ「そう、その通りよ。そこの子正解、いちハラショーあげちゃうわ」

ウーミン「うぐっ……」

エリチカ「あら、そんな怯えた顔しなくても大丈夫よ。今度は痛いビリビリじゃなくて、気持ちいいピリピリをしてあげるんだから」


ポケットから小瓶を取り出す。その中には怪しげな液体。


エリチカ「口を開けなさい、飲ませてあげるわ」

ウーミン「嫌です……そんな得体の知れない物など」

エリチカ「嫌なの……?」


見る見る不満げな表情になり、両手をバチバチと鳴らして威圧する。


ウーミン「ひっ……!」


感電の痛みと恐怖が脳裏によぎり、思わず口が開いてしまう。


エリチカ「そうよ、いい子ね。素直に言うことを聞く子は好きだわ♪」


ウーミンのあごに手を添え上を向かせ、小瓶の中身を注ぎ入れる。


エリチカ「ちゃんと全部飲み込むのよ」

ウーミン「……」ゴクリ

エリチカ「えらいえらい♪ いい子のウーミンちゃんには、ご褒美をあげちゃうわ♡」

指先から二筋の光が発せられ、ウーミンの両胸の突起に達する。


ウーミン「うっ……」

エリチカ「ふふっ♪ 気持ちいいかしら?」

ウーミン「こんなの、全然気持ちよくなんてありません!」

エリチカ「その強がりも時間の問題よ」

ウーミン「いい加減なことを……」

ウーミン「んっ……」


突如ぞわぞわとした感覚が走り、無意識に身をよじる。


エリチカ「あら、さっき飲ませたのがもう効いてきたのね」

ウーミン「くっ……一体、何を飲ませて……」

エリチカ「媚薬よ、あなたがよがる姿を皆に見てもらおうってわけ♪」

ウーミン「そんな薬なんかに……私は負けません!」

エリチカ「うふふっ♡ その強がりもいつまで持つかしらね」


話している間にも昂奮が内から湧き出す。身体が熱を帯びて、肌がじわりと汗ばむ。


ウーミン「んっ……ふっ……」


甘い吐息が漏れる。ビリビリとした痺れが快感に変わり、それはますます大きくなっていく。胸の突端の、神経が集まった部分を責められ続け身をくねらせる。


ウーミン「くっ……んんっ!」


ついには声まで溢れ出る。凛とした表情はもう無くなり、顔が緩み目付きはとろけ始める。


エリチカ「あんな威勢のいいこと言ってたわりには、もうこんなになってるじゃない♡ ふふ、こっちにもあげるわね♪」


さらにもう一本光を放ち、ウーミンのクリトリスを刺激する。


ウーミン「ひゃんっ♡」


艶めかしい声が思わず口をついて出る。

エリチカ「あらあら♪ 可愛いらしい声……あの勇ましい魔法少女はどこ行っちゃったのかしら」

ウーミン「んっ♡ くっ……♡」


快楽がどんどん大きくなる。体の内が強く蠢く。


ウーミン「んんっ……あっ♡」


何とか湧き上がるものを抑えようとする。しかし、喘ぎ声が自然に漏れてしまう。


エリチカ「我慢しないで、快楽に身をゆだねなさい。それっ♪」ピリッ


ウーミンの両耳に電撃を走らせる。


ウーミン「ひっ♡ だめっ♡ ああっ……♡」


甲高い嬌声、悦楽が一気に押し寄せる。


エリチカ「ウーミンちゃんは耳が弱いのね、ふふっ♡」

ウーミン「あ……♡ う……♡」


理性のタガが緩み、悦楽の衝動にされるがままになる。とろけた表情で、湿った息を吐きながら、淫らに喘ぐ。


ウーミン「あっ♡ あ♡」

エリチカ「そんなに気持ちよさそうにしちゃって……みっともない顔ね♪ 薬なんかに負けないんじゃなかったの?」

ウーミン「まだ……んっ♡ 負けたわけ、ひゃん♡ あっ……♡ ああっ♡」

エリチカ「もう呂律もろくに回ってないじゃない。こんな大勢の人に見られてるっていうのに……ふしだらな子ね♡」




< ウーミンがあんな顔するなんて

< 辱しめにあってるウーミンさん……いいかも♡

< 魔法少女は凌辱される運命なの!?

< こんなの、ハラショーだけどハラショーじゃないよ!



ウーミン「やっ、やだ♡ 見ないで♡」

エリチカ「そんなとろけ切った顔で、何言ってるのかしら? ほんとは皆に見られて感じちゃってるんでしょ、淫乱魔法少女ちゃんっ♪」

ウーミン「ちがっ♡ ひゃっ♡ んんっ……♡ あ♡ ああっ♡」

エリチカ「もう限界ね……皆に見られながらそのままイッちゃいなさい♡」

ウーミン「やっ……♡ あっ♡ んっ♡ んん……♡♡」


衆人環視の中で絶頂を迎える。頭の中が真っ白になる。
焦点の定まっていない恍惚とした顔。快楽のよどみに浸かり切った痴態をさらけ出す。



< あの凛々しいウーミンがこんな姿になっちゃうなんて

< すごく気持ちよさそう……私も変な気分になっちゃう♡

< うぅ……ウーミンが、ウーミンがぁ……

< わっ!? 亜里沙が倒れた!



エリチカ「無様ね……でも、怖い顔して戦ってるよりも、こっちのあなたの方がずっと魅力的だわ♡」

ウーミン「あっ……♡ ん……♡」


ゆっくりと引いて行くオーガズムを味わうことで頭がいっぱいで、エリチカ公爵の言葉はもはや届いていない。


エリチカ「完全に出来上がっちゃったみたいね。もっと遊んでいたかったのだけれど、これじゃもういじめ甲斐がないわ……終わりにしましょう」


電を放つのを止めて、自身の両手に帯電し始める。パチパチと火花が散り、段々と大きな音を立て始める。


エリチカ公爵「フルチャージのKKサンダーを味わわせてあげる……そうね、敏感な部分に撃ったらどうなっちゃうのかしら? きっと変身が解けちゃうでしょうね♪」

ウーミン「う……♡ あ……♡」




< ウーミンの正体をバラす気なの!?

< そんなの魔法少女のルールに反するわ!

< そだそだ!



エリチカ「それがどうしたの? 私は“アンチ”魔法少女なのよ。魔法少女のルールに反する……? そんなの知ったこっちゃないわ!」



< くっ……なんて言いぐさなの

< アンチ魔法少女だか知らないけど、魔法少女を相手にしてるんだからルールを守れー!

< こんなに辱しめて、しかも正体までバラすなんて……鬼畜!


にこ「あいつ……」

花陽「にこちゃん!」

にこ「ええ、行くわよ!」



エリチカ「ふふん、文句があるんだったら止めてみなさい……マトリョシカたちがお相手するけどね♪」



< こらー! ウーミンから手を放しなさーい!

< そうですっ! ルール違反はダメです!



エリチカ「あら? 無謀な子たちがいたものね。一体どんな子なのかしらね」クルッ

にこ「あんたみたいな悪い魔法少女は、このにこにーにこちゃんが許さないわ!」タタタッ

花陽「私だって許せません!」タタタッ

エリチカ「……!」

エリチカ(あれって……にこと花陽? あれ?私、こんなところで何して……って、私? 私ってエリチカ公爵よね? ん……頭が、痛い……)

エリチカ「うぅ……」クラクラ

マトリョシカ怪人「?」オロオロ

ウーミン「うぅ……」ズルリ


にこ「マトリョシカたちの拘束が緩んだ!」タタタッ

花陽「今がチャンスですっ!」タタタッ


にこ「ウーミンを放しなさい」ドンッ

マトリョシカ怪人「バリートゥ!」ズテッ 「ハラショッ!」ドテンッ 「プローハ!」ステンッ

花陽「ウーミンさんこっちです!」グイッ

ウーミン「うっ……あっ……」フラフラ


エリチカ「うっ……私は……一体……誰?」クラクラ

マトリョシカ怪人「??」オロオロ



リン「ふにゃ!」ビョンッ


花陽「あっ……! 猫ちゃん起きたみたいだよ」

ウーミン「うっ……リン、大丈夫ですか?」

リン「にゃにゃ!? ウーミンの方が大変なことになってるニャ!」

にこ「ほとんど裸だものねぇ」

リン「取りあえず服を元通りにするニャー!」


ウーミン「はいっ」ピカー


花陽「ウーミンさんが光って……!?」

にこ「まぶしくて何にも見えないわ。これって、変身シーンでよくあるやつよね。初めて生で見たわ!」

リン「これでばっちりニャ☆」

ウーミン「ありがとうございます。ところで、敵は……?」クルッ


エリチカ「私は……私は……」クラクラ

マトリョシカ怪人「シトースヴァーミ?」オロオロ


ウーミン「あれは……一体?」

リン「よくわかんないけど、チャンスみたいだニャ! ウーミン、ラブアローシュート!」

ウーミン「はい! 二人とも危ないの離れてくださいね」

花陽「はいっ!」タタッ

にこ「わかったわ!」タタッ


ウーミン「ラブ・アロー!」


弓が具現化する。さらに左手に意識を集中させて魔法の矢を形作る。


ウーミン「敵は……」


弦を引き絞り、アンチ魔法少女に狙いを定める。


マトリョシカ怪人「!」


ウーミンの射抜くような視線に怪人の一人が気づく。慌ててエリチカ公爵を背に担いで猛ダッシュ、一目散に逃げ出す。


ウーミン「……」ススッ


動じることなく、再度目標を補足する。統制を失ったマトリョシカたちはオロオロするばかりで、守りに付こうとする者は誰もいない。




ウーミン「ラブ・アロォ・シューート!!」



閃光と共に放たれる一撃。轟音を響かせながら激進する魔力の塊が敵を撃ち抜こうと……その時!


??「……」バッ


目にも留まらぬ速さで、射線に割り込む人の影。


??「ナイト・ヘロン」


何者かの右手より撃ち出される光束。それによりウーミン渾身の一撃はあっけなくかき消されてしまう。


ウーミン「何者っ……!?」

リン「あ、あれは……!」

??「ふふふっ♪」




リン「ブラックバード!!」



??「それはちょっと違うかな。ブラックバードさんは私のとさかに憑いてる人だよ。私はコトリーヌって言うんだっ♪」

コトリーヌ「今日はご挨拶だけにしておくね。エリちゃんを送らないといけないしね」クルッ

コトリーヌ「エリちゃん、帰るよ♪」スタスタ

ウーミン「あっ、待ちなさい! 逃げるのですか!?」

コトリーヌ「逃げる……?」ピタッ

コトリーヌ「逃げるんじゃなくて見逃してあげるんだよ♪ ねぇ、ウーミンちゃん……私に勝てるって本気で思ってるの?」

ウーミン「……!」ゾクッ

ウーミン(くっ……気圧されてどうするのです!?)

ウーミン「ラブ・ブレード!」


気を取り直して武器の名を叫ぶも刀は出てこない。


ウーミン「どうして……?」

リン「ウーミン、魔力切れニャ。ここは敵の言うことを聞くしかないみたいニャ」

ウーミン「むぐっ……」

コトリーヌ「じゃぁね♪ またすぐ会えるから楽しみに待っててね♡」


そう言い残し、エリチカ公爵をおぶった怪人と共に戦いの場を後にする。おろおろと戸惑っていたマトリョシカ怪人たちもその後に付いていく。
後に残されたのはウーミン、リン、そして観衆たち。



< 敵っぽいのどっか行っちゃったね

< つまり、撃退したってこと!?

< 魔法少女ちゃん、よく頑張ったよー!

< ハラショー! ウーミン、ハラショー!

< 亜里沙、意識が戻ったばっかなんだから、そんなに動いちゃダメ!



リン「みんなもウーミンの健闘を讃えてるニャー! こんなにたくさんの人が応援してくれたんだニャ☆」

ウーミン「本当に凄い人の数……あっ/// さっき私、あんな淫らな姿をこんなに大勢の人の前で……/// 破廉恥ですっ……!」シュバッ

リン「にゃ!? ちょ、ちょっと、置いてかにゃいでニャー!!」タタタッ


花陽「にこちゃん……」

にこ「言いたいことはわかるわ、花陽。ウーミンはコトリーヌって奴の足元にも及んでなかった……」

花陽「アンチ魔法少女にも……」

にこ「ええ、たぶんウーミンよりエリチカとかいう方が強い」

花陽「私たちがウーミンさんにできることは……」

にこ「……精いっぱいの応援よ!」

花陽「はいっ! あっ……でも、今日は戦いに割り込んじゃったね」

にこ「ルールを破る方が悪いのよ。でも正直、怖かったわ……今頃になって震えが来たわ」

花陽「体が勝手に動いちゃったもんね……アンチ魔法少女の様子がおかしくなっちゃったおかげで助かりました」

にこ「急にどうしたのかしらね? まっ、おかげでウーミンを助けられたんだし、結果オーライってとこね」

花陽「それにしても、生で見る魔法少女、カッコよかったです……次も応援に行こうね!」

にこ「もちろん!」

………………

…………

……


エリチカ「うっ、うぅ……ここは?」

コトリーヌ「あっ、エリちゃん正気に戻ったんだ♪」

エリチカ「コ、コトリーヌ総統!? すみません、お手をわずらわせてしまって……」

コトリーヌ「うぅん、気にしないで。私の大切なアンチ魔法少女ちゃんのためだったら、こんなの何てことないよ」

エリチカ「総統……!」ジーン

コトリーヌ「あそこまで追い詰めたんだから、エリちゃんはよくやったよ♪」

エリチカ「でも、今回はしくじってしまって……次こそは必ず!」

コトリーヌ「う~んとね……今度は私がお相手してみようと思うんだ」

エリチカ「総統みずからっ!?」

コトリーヌ「ごめんね、エリちゃんももっと魔法少女ちゃんと遊んでみたいんだろうけど……」

エリチカ「いえいえ、そんな! 総統の手にかかればあの魔法少女もおしまいですね」

コトリーヌ「あとね、新しくマキちゃんって子を仲間にしたんだ。頭脳派のアンチ魔法少女ちゃんだよ♪ お暇なときでいいから、マトリョシカ怪人さんたちを改造しにもらいに行ってね」

エリチカ「はい! 善は急げと言うますし、早速行って来ますね」タタッ

コトリーヌ「行ってらっしゃーい♪」フリフリ


コトリーヌ(ふふっ♪ ウーミンちゃんかぁ……いっぱい苦しめてあげるからね♡ 今から楽しみだなぁ♡)



次回予告!



辛くもアンチ魔法少女を撃退したウーミン! しかし休む暇はない! 悪の親玉、コトリーヌ総統との一騎打ち! 力の差は歴然、ウーミンはどう立ち向かう!?


第三話 『血みどろ陵辱ショー』へ続く!


コトリーヌ「次回も魔法少女マケミンちゃんをお楽しみにねっ♪」

今回はここまでです。次の更新は少し遅くなりますがご了承くださいませ

 ―理事長室


コンコン


理事長「入ってらっしゃい」

凛「失礼します」ガチャリ

理事長「ホワイトバードさんからお話があるみたいなの」

白鳥「昨日の戦いについてよ」

凛「あぁ……あのアンチ魔法少女のことですね。もうちょっとでやっつけられたのにブラックバード本人が来るなんて、惜しかったなぁ」

白鳥「凛……気づいているんでしょう?」

凛「……」

白鳥「ウーミンは魔力が低すぎるわ。あそこまで追い込めたのは元々の身体能力が高かったから……魔法による身体強化が弱くても大丈夫だったってだけ」

凛「でも……ラブ・ブレードが壊れる前にやっつけてれば勝てたよ!」

白鳥「その武器が弱すぎるのよ、魔力不足のせいでね。今度は相手も対策をしてくるはず……勝てる見込みはゼロに近いわ。ましてや、ブラックバード相手なら手も足も出ないでしょうね」

凛「……」

白鳥「適正値100パーセントの魔法少女にしては弱すぎるのよ」

白鳥「ねえ、凛……本当に100パーセントだったの? 見間違いじゃなかったんじゃないの? 次の魔法少女を増援できるようになるまでは時間がかかるのよ。あんな弱い魔法少女じゃ……」

理事長「ちよ、ちょっと! あなたね……」


凛「違うもんっ!!」


白鳥・理事長「……!」ビクッ


凛「見間違いなんかじゃない! 海未ちゃんは強いだもん! あんなに頑張ってる海未ちゃんが弱いはずなんてないよ!」


理事長「り、凛ちゃん、落ち着いてね?」

凛「……すみません。失礼します」


ガチャン


理事長「……」

白鳥「……」

理事長「あなたねぇ……焦る気持ちはわかるけど、言い方ってものがあるでしょう」

白鳥「反省するわ……」シュン


理事長(ウーミンの魔力が低いのは確か。でも、凛ちゃんは意外としっかりしてるから見間違えたとは思えない……本来の力を発揮できない、何らかの理由があるのかしら?)




第三話 『血みどろ陵辱ショー』



……話は、ホワイトバードとブラックバードが地上に降りて来たときまで遡る


 ―音ノ木坂学院・二年生教室


先生「えーと、サヨナキ鳥は英名でナイチンゲールと言い……」


海未「……」カキカキ

ことり「……」チラチラ


穂乃果(ことりちゃん、さっきから前の海未ちゃんの席、覗き見してる……何だろう?)


ことり(真剣な顔して授業受けてる海未ちゃんもカッコいい♪)ヤンヤンッ♡


シュンッ


ことり「……!?」ビクッ

ことり「う……」クラッ

穂乃果「どうしたの、ことりちゃん? 気分でも悪い?」

ことり「ううん……大丈夫だよ」

海未「ことり」クルリ

海未「無理しない方がいいですよ、声が弱々しいです。顔も少し青ざめて……穂乃果」

穂乃果「うんっ」


穂乃果「せんせーい! ことりちゃんが調子悪いみたい」

先生「ん? おーい保健委員! って、それは南か」

穂乃果「海未ちゃんが一緒に行くみたいです」


海未(ちょっ、穂乃果……)ヒソヒソ


先生「うん、園田なら適役だな。付き添い頼んだよ」


海未「えっ、あっ……はい!」

 ―保健室


海未「調子はどうですか? 落ち着きましたか?」

ことり「うん……だいぶよくなったみたい。私はもう大丈夫だから、海未ちゃんは先に戻ってて」

海未「はい……そうですね。何かありましたら、私か穂乃果の携帯に連絡をください」

ことり「うん」

海未「それでは……きちんとお休みになってくださいね」


ガラガラ ピシャン


ことり「ふぅ……」

ことり(さっき何かが体の中に入ってくる感じがして……何だったんだろう)


ことり「……!」ドクンッ


ことり(えっ? 何? うぐっ……頭が!)

??『思うままに成せ。欲望を閉じ込めるな』

ことり(うっ……あなた……誰?)

??『我が名は黒鳥 ≪ブラックバード≫、お前の望みを叶えてやる』

ことり(頭の中が、ぐるぐるして……あっ……)


『海未ちゃんを私だけのものしたい』 『誰にも渡さない』 『あなたたちと違ってずっと一緒にいたのに』 『許さない』 『これからもずっと一緒』 『心も体も私のもの』


ことり(何これ……おかしな考えが、どんどん湧き上がって……)

黒鳥『おかしな考え? いいや、違うね。それがお前の本心だ』

ことり(そんなっ! いやっ……! うぅ……)

黒鳥『認めてしまえば楽になれるものを』

ことり(うぐ……私は、私は……)



ガラガラ


穂乃果「海未ちゃんってば授業中もぼんやりしてて……ことりちゃんのことそんなに心配だったんだー」ウシシ

海未「もうっ! また穂乃果はからかって……ことりが寝てるベッドはこちらですよ」

穂乃果「はーい♪」



ことり(この声……穂乃果ちゃん……海未ちゃん!)

黒鳥(ちっ、邪魔が入ったか。まあよい、じっくりと精神を蝕んでいってやろう)

………………

後輩「南先輩、好きです……付き合ってください!」

ことり「えと……お付き合いはできないかな」

ことり「……ごめんね」

後輩「……」

後輩「園田先輩……ですか?」

ことり「……」ピクッ


黒鳥(ほほぅ……)


後輩「園田先輩と一緒にいるときの南先輩、本当に楽しそうで……でもたまに寂しそうな顔して」

ことり「……」


黒鳥(あちらの小娘、心がだいぶ不安定になっているな。どれ、精神干渉ができそうだ)ジジジ……


後輩「……」

後輩「ねえ、知ってますか? 園田先輩って一年生からとっても人気があるですよ」

ことり「うん……」

後輩「みんな園田先輩のことを狙ってます。南先輩が出る幕なんてないですよ」

ことり「っ……!」ビクッ

後輩「だから私と……って、あれ? 私、何てことを、言って……」チラリ

ことり「……」ブルブル

後輩「ごめんなさい! 私、どうかしてました! あ、あの……失礼します!」ペコリ


ダダダッ


黒鳥(ふふふ、さてどうかな。お前には何色の感情が湧く? 『怒り』か、『憎しみ』か?)


ことり(やっぱり……私なんかじゃ、海未ちゃんとは……)


黒鳥(なるほど、『自己卑下』か……これは使える)

………………

黒鳥『おい、長髪女の下駄箱を覗いてみろ』

ことり「……」チラリ


海未「……」コレ ハ ラブレター?


黒鳥『あれは、恋文というものか……先の娘が言っていた通り、海未とやらは後輩たちから慕われているようだな』

ことり「……」ジー


穂乃果「こ、ことりちゃん、なんだか怖い顔になってるよ」アセアセ

ことり「えっ!? ナンデモナイノヨナンデモ」

穂乃果「そ、それならいいけど」


黒鳥(くくっ、感じるぞ……お前の心がかき混ぜられるのを。負の感情がふつふつと湧き上がって来るのを!)

………………

凛「海未ちゃん!!」



黒鳥(あの小娘は……)


海未「何ですか? そのような大声で」

凛「ちょっとこっち来て来て!」グイグイ

海未「わわっ! いきなりぐいぐい引っ張らないでください。穂乃果、ことり、先に行っていてください」



<ドコニイクノデスカ?

<リジチョウシツニャ!




穂乃果「海未ちゃんと凛ちゃん、行っちゃったね」


黒鳥『凛、と言ったか……あの二人、随分と仲がよさそうだな』


ことり「うん……」


黒鳥『同じμ'sのメンバーで、liliy whiteとやらにも共に所属している。どうりで仲がよいわけだな』


ことり「……」



黒鳥『一体、何の用で連れてったのだろうな?』

ことり(やめてっ! さっきからずっと、うるさいよ!)

黒鳥『ふふふっ』


穂乃果「先に部室行ってよっか」

ことり「うん、そうしよっか♪」ニコッ



黒鳥(今のうちにたっぷりと笑っておくがよい。精神への侵食は着々と進んでいる)


穂乃果(ことりちゃん、笑顔がぎこちない……)

………………

海未「はい、朝の練習はここまでです。お疲れ様でした」


黒鳥『さあ、アンチ魔法少女を作り出すのだ。絵里とやらにその梅入りマカロンを食べさせ、弱ったところに『セイレーン・ソング』を聞かせてやれ』

ことり(やだよ……絵里ちゃんまで巻き込むなんて。いい加減にしてっ!)

黒鳥『それが本心でないことくらいわかっているぞ。もしそうなら、なぜそれを作った? なぜ捨てずにここまで持って来た?)

ことり(う……こんなものっ!)バッ

黒鳥『無駄だ。お前はそれを捨て去ることなどできない』

ことり(うぐぐっ……! 腕が、動かない……!)グググ

黒鳥『自分のためなら仲間を利用することも厭わない……それがお前の本性だ!』

ことり(何で……動いてよ! こんなのやだよ……)ググッ


黒鳥(だいぶ侵食も進んだな。精神が不安定になっているときならば、体をちょっと操るくらいなら可能になった)

ことり(うぅ……)グググッ


絵里「あら、ことり。その手に持ってるのって……ふふっ♪ またお菓子を作ってきてくれたの?」


ことり(ダメッ! 絵里ちゃん、こっちに来ちゃ……)

黒鳥『獲物が向こうから来たぞ。さあ、言え! 言うのだ!』


ことり「……!」ピクッ

絵里「ことり……?」

ことり「うん♪ 絵里ちゃんに試食してほしいんだ。こっちに来てっ♪」(何で……口が、勝手に…)

絵里「ええ、いいわよ♪」

………………


エリチカ「はい! 善は急げと言うますし、早速行って来ますね」タタッ

コトリーヌ「行ってらっしゃーい♪」フリフリ


コトリーヌ(ふふっ♪ ウーミンちゃんかぁ……いっぱい苦しめてあげるからね? 今から楽しみだなぁ?)


コトリーヌ「うっ……!」フラッ

コトリーヌ「あれ……? 私、私は何を……して? 私? 私は……誰?」

コトリーヌ「んぐっ……!」シュン


ことり「うぅ……」ガクリ


黒鳥(もう変身が解けたか……まだこんなものだな。そのうち、完全に乗っ取ってやる)


ことり「あ、あっ……! 私、絵里ちゃんに、何てことして……!」


黒鳥(そうだ、もっと苦しめ。お前の心が弱まっていくのを感じるぞ! くくっ、完全支配も近いな)

今回はここまでです


………………

 ―ウーミンとエリチカ公爵との激闘から翌日の朝、登校中のことり


ことり「……」テクテク

海未「ことり、おはようございます。あの、昨日は……」

ことり「あっ、おはよう海未ちゃ……」クルリ


ことり「……!」ドクン


海未「ことり?」

ことり「あ……う……」


『海未ちゃんがほしい』 『誰にも渡さない』 『私なんかじゃ』 『取らないで』 『苦しい』


ことり(海未ちゃんを、見ただけで……心が、かき乱されて……)


ことり「うぅ……」フラッ

海未「ことり!」ガシッ

海未「大丈夫ですか? 体調がすぐれないのでしたら、今日は休んだ方が……」

ことり「ううん、ちょっと立ちくらみしただけだから……先に学校行ってるから、穂乃果ちゃんに伝えといて」

海未「いえ、私も一緒に行きます。『ことりと先に行っている』と、穂乃果に携帯で連絡して……」

ことり「ん……いいから、私は一人で大丈夫だから」

海未「そんな……心配ですから」



ことり「来ないで!」



海未「……!」ビクッ

ことり「あっ……ごめんね」

ことり「先に行ってるね。ことりは大丈夫だから、心配しないで」タタタッ

海未「ことり……」


海未「……」


穂乃果「あっ! 海未ちゃん、おはよー!」

海未「……」

穂乃果「あれ? 海未ちゃん、どうしたの?」

海未「ほのかぁ……」ウルウル

穂乃果「わわっ、どうしたの!?」


……

海未「……ってわけなんです」

穂乃果「う~ん、ことりちゃん最近調子悪そうだから、気にしなくてもいいと思うけどなぁ。たまたまだよっ!」

海未「でも、私の顔を見て突然、様子が変に……あんな大きな声を出すなんて、ことりが、昨日も!」

穂乃果「海未ちゃん、何言ってるかわからないから……」

海未「ことりぃ……」

穂乃果「ほらほら、落ち着いて。学校に着いたら、ことりちゃんにどうかしたのか聞いてみよう?」

海未「はい……」


穂乃果(ことりちゃんの事になると海未ちゃん、情けなくなっちゃうんだから……でも、ことりちゃんの様子がずっとおかしいのは気になる。希ちゃんに伝えとこうっと)


………………

 ―音ノ木坂学院・二年生教室 ≪一限目後の中休み≫


海未「あ、あの、ことり?」

ことり「ごめんね、海未ちゃん。ちょっと……」ササッ

海未「あっ……」


海未「ほのかぁ……」クルリ


穂乃果「うっ、うん! ねえ、ことりちゃん!」

ことり「えと……何かな?」

穂乃果「海未ちゃんと何かあったのかな?って、ホームルームのときも避けてるみたいだったし」

海未「私に悪いところがあったら直しますからぁ……」

ことり「ううん、海未ちゃんは全然悪くないよ。全部ことりのせいだから」メソラシ

海未「昨日の事ですか? 空き教室で凛と不純同性交遊なんてしてませんからぁ……」

ことり「わかってる……わかってるよ、凛ちゃんとは何もないって」ウツムキ

海未「ことり……こちらを向いてください。目を合わせてください」

ことり「ごめんね……私、用事があるから」タタッ

海未「あっ、ことり……」


海未「ほのかぁ……」ウルウル


穂乃果(わっ、海未ちゃん今にも泣き出しそう。ほんとにショックを受けてるみたい……)

穂乃果「私からもことりちゃんに聞いてみるから。ほらそんな顔しないで、落ち着こうっ!」

海未「うぅ……ことりぃ」


穂乃果(一昨日からことりちゃんの様子がおかしい。絶対何か原因があるはずなんだけど、一体なんなんだろう? 海未ちゃんに関係があるのは間違いないと思うんだけど……)


………………


ことり「……」テクテク


黒鳥『“わかってる”だと? 思ってもない事を口にする。本当は猜疑心でいっぱいだというのに』

ことり(お願い、静かにして……お願いだから)

黒鳥『私が黙ったところで、お前の心の中が変わるわけではないぞ。それがお前の深意だ。認めてしまえ』

ことり(海未ちゃんは、嘘なんて……私は、信じて……)


黒鳥(ふふっ、その疑念は私が膨らましたのだがな。このまま、じわじわと負の感情で満たしていってやろう)



希「おーい! ことりちゃん、そんな深刻そうな顔してどうしたん?」


ことり「あっ……希ちゃん」


希(穂乃果ちゃんから連絡があったから来てみたけど……ことりちゃん、声も弱々しいし段々やつれてってるみたい。このままだと……思い切って聞き出してみよか)


希「ことりちゃん最近辛そうだけど、何かあったん?」

ことり「……」

希「ウチじゃ力になれないかもしれへんけど、悩みを吐き出すだけでも気が楽になるで」

ことり「うん……」

希「二限目は休むって、ウチから穂乃果ちゃんに連絡しとくから、じっくり話し合おう?」


………


ことり「……って事なの」

希「う~ん、ユニット練習のときとかも、そんな素振りなんて全然ないんやけど……そもそもあの二人がそういう事を隠すなんて器用な真似できるかなぁ?」

ことり「そうかも……」

希「特に海未ちゃんなんて、ババ抜きのときでさえあんなに表情がコロコロ変わるくらいやからね」ウシシッ

ことり「ふふっ、笑ったら悪いよぉ」クスクス


希(おっ! 笑顔が戻った。このまま、ことりちゃんの心をほぐしていってと)


黒鳥(ちっ、余計な事を。また無駄に魔力を使うはめになるとはな)ズズズッ


ことり「……!」ビクッ

希「ことりちゃん?」

ことり「あっ……ダメっ! また……なんで!? うぐっ……!」ヨロッ

希「ちょ、ちょっと! どうしたの!?」ガシッ

ことり「私は……信じて、でも、なんで……疑う気持ちが、止まらなくて……」

希「ことりちゃん! 肩かすから、保健室行こな? 大丈夫? 歩ける?」

ことり「あ……うぅ……」フラフラ


………………

 ―保健室


海未「ことりっ!」ガラッ


保険医「園田さん、心配なのはわかるけど保健室ではお静かにね」


海未「あっ……すみません」


希「海未ちゃん、こっちやで」


海未「はい」スタスタ

希「あれ? 穂乃果ちゃんにも連絡しといたはずなんやけど」

海未「穂乃果でしたら、そろそろ……」


穂乃果「失礼します」ガラッ


海未「……来ましたね」

穂乃果「もうっ! 海未ちゃんってば、授業中なのに何も言わないで、いきなり走って教室を出て行くんだもん。先生びっくりしてたよ」

海未「すみません……」

穂乃果「穂乃果がちゃんと説明しておいてあげたからね」

海未「ありがとうございます、面目ないです……」

穂乃果「それで、ことりちゃんは……」


ことり「……」スヤスヤ


希「今は落ち着いて、寝付いてるよ」

穂乃果「取りあえず、一安心ってとこかな」

海未「ええ……」

希「じゃあ、ウチは教室に戻ってるよ。穂乃果ちゃんと海未ちゃんがいれば安心やしね」

海未「はい、今は授業中ですものね」

希「それに、ウチがいなくてえりちが寂しがってるかもしれへんしね♪」

海未「ふふっ……希、ことりを介抱していただき、ありがとうございました」

穂乃果「希ちゃん、ありがとう」

希「じゃあなー♪」



ガラガラ ピシャン


海未「……」

海未「では、私も教室に戻っていますね」

穂乃果「えっ!?」

海未「ことりは……私の顔を見ると辛そうにするんです。それではかえって体調を崩してしまうでしょうから」

穂乃果「海未ちゃん……」

海未「ことりの事、よろしくお願いしますね」ニコリ


ガラガラ


海未「……」チラリ


ことり「……」スヤスヤ


海未「ことり……」


ピシャン


………………

 ―二年生教室 ≪二限目後の中休み≫


穂乃果「ことりちゃん、無理してない? まだ休んでた方が……」

ことり「ううん、もう大丈夫。私は元気いっぱいだよ」ニコリ

穂乃果「また体調が悪くなったら言ってね」

ことり「うん。海未ちゃんにも心配かけちゃって、ごめんね」

海未「いえ……ことりの身に何もなければ、私はそれで……」メソラシ


黒鳥『お前と目を合わそうとしないな。あれだけ露骨に避けられたら愛想も尽きるというものだな』


海未「それでは、私はちょっと外に出ていますね」

ことり「う、うん……」

穂乃果「ちょっとちょっと! 海未ちゃん、ちゃんと説明しないと」

海未「え……あっ! これは、ことりを避けてるわけではないんです。あの、その、ことりは……私と顔を合わすと調子が悪くなってしまうので」

ことり「うん、わかってるよ……」

海未「では……」スタスタ


黒鳥『顔を合わせると調子が悪くなる? 海未とやらもそんな事を本気で信じているわけではあるまい。さぞかし不快に感じているだろう。まあ向こうも、お前を相手にしなくもよい理由ができて好都合だと思っているかもしれないがな』


ことり「……」

穂乃果「ことりちゃん……」


………………

 ―空き教室 ≪昼休み≫


海未「それでは、前回の戦いの反省会を始めましょうか」

凛「その前に聞きたい事があるんだけど」

海未「何です?」

凛「海未ちゃんがなんで『空き教室に入るのは時間をずらして別々に入るように』って言ったのかなって」

海未「あぁ、それはですね。昨日ここを出るとき、ことりと鉢合わせしたでしょう?」

凛「まだ、凛と海未ちゃんが『破廉恥です!』な関係だって疑われてるの?」

海未「いえ、そんな関係ではないとわかってる、と言ってくれているんですが……でも、何だかことりの様子がおかしくて」

海未「あと、何ですかその『破廉恥です』の言い方。私の声真似ですか? どうやら凛はもっとたくさん練習がしたいようですね」

凛「にゃっ!? ご、ごめんなさい!海未ちゃんなんか元気なかったら笑わそうと、許してっ!」

海未「ふふっ、冗談ですよ。後輩に気を使わせてしまって……でも、その気持ちは嬉しいです。ありがとうございます」

凛「にゃー!μ'sは先輩後輩は無しだよ!」

海未「ふふふっ、そうでしたね」

……

海未「では雑談はここまでにして、反省会を始めましょうか」

凛「そうするにゃー」

海未「昨日の対アンチ魔法少女戦……はっきり言って私の完敗でした」

凛「えっ……そんなことないと思うけど。もうちょっとで、エリチカなんとかってのをやっつけられそうだったよ」

海未「いえ……凛も本当はわかっているのでしょう? にこと花陽の助けがなければ、衆目の中で正体をばらされていました」

凛「でも、途中までは勝ってたもん」

海未「確かにそうでしたが、私の魔力の低さが露呈した今、相手も戦い方を変えてくるでしょう……例えば、雷をひたすら連発するとか。そうなったら勝ち目はありません」

凛「でもでもっ!」

海未「凛が気にやむ事ではありません。すべては私の弱さのせいです」

凛「そんな……」

海未「私にできるのは、次の魔法少女が生まれるまで精いっぱい役目をまっとうする事です。そこまで耐え切れば二人がかりで敵に立ち向かう事ができますから」

凛「海未ちゃん……」

海未「ほら、そんな悲しそうな顔をしないでください。笑顔の凛に応援された方が私も嬉しいですから」ニコリ

凛「そうだよね……」

凛「うん! 凛も元気いっぱいでサポートするからねっ! 海未ちゃんを勇気りんりんにしてあげるよ!」

海未「ふふっ、頼もしいです」


………………

 ―その頃、廊下を進み歩くことり


ことり「……」テクテク

黒鳥『こっちの方向は……やはり、あの二人が気になるか』

ことり「……」

黒鳥『口先では信じていると言いながら、本当は猜疑心にまみれている。うわべをつくろった、実に姑息な事だ』

ことり「……」ピタッ

黒鳥『着いたか。さてさてどうなるか、見物させてもらおうか』


………………

 ―再び、空き教室

海未「それでは、今日はここまでにしましょうか」

凛「じゃっ、出よっか」

海未「あっ、凛が先に出てください。私はその後に退出しますので」

凛「あー、わかったにゃー! じゃあ、お先に」


ガラガラ ピシャン


海未「ふぅ……」

海未(あと五分ほど経ったら私も出ましょう)


………………


凛「♪」ガラガラ ピシャン



ことり「……!」

黒鳥『ほう、例の小娘が出て来たな』

ことり「……」サッ


凛「……♪」スタスタ


ことり(行っちゃった。海未ちゃんは……)チラリ


シーン……


ことり(……いないみたい)ホッ

黒鳥『何を安心している。お前は人間の小ずるさというものをわかってないな』

ことり(どういうこと?)

黒鳥『いいからそこで待っていろ』


黒鳥(人間の生体反応が一つ……おそらく、あの娘であろうな。実際に何をしていたのかはどうでもよいが、この機会をしっかりと利用させてもらおうか)


……

 ―五分後

ことり「……」ソワソワ


黒鳥(時が経つごとに不安がどんどん大きくなっていくのを感じるぞ。だが、その中に微かな期待も残っている。その期待さえ砕かれたとき、お前の心はどうなるかな?)


ガラガラ


ことり「……!」ピクッ


海未「……」ススッ


ことり「あ……」

黒鳥『想い人のご登場だ』


ピシャン

海未「……」テクテク


ことり「あ……ああっ……」ペタンッ

黒鳥『わざわざ教室を出る時間をずらして、念の入ったことだ。余程お前にばれるのが嫌だと見える』

ことり「うぅ……」

黒鳥『これでもまだ、奴の言い分を信じるか?』

ことり「あっ……う……」


『どうして?』 『わざわざそんなことして』 『やっぱり……』 『嘘つき』 『信じてたのに』 『悲しい』 『苦しい』


黒鳥『さえ使えるようになれば、奴の心も自由にすることができるぞ。そのためには、より魔力を蓄えて成長する必要がある。魔法少女を倒し、魔力を吸収するのだ! さすれば貴様の望みは達せられる!』


『私なんかじゃ』 『それでも』 『海未ちゃんが私だけのものに?』 『本当に叶うの?』 『ダメ』 『そんなので』 『心を操るなんて』 『でも』 『辛い』 『苦しい』 『楽になれるなら』


黒鳥『お前はもう充分苦しんだ。これ以上我慢する必要がどこにある? 自己の欲求のままに振る舞え! さあ!』



 ……私の意識はここで途切れた。

今回はここまでです。

 ―二年生教室


海未「ただ今戻りました」

穂乃果「あっ、海未ちゃん、おかえりー」

海未「ことりは……?」キョロキョロ

穂乃果「ことりちゃんなら、ちょっと前に出てったよ」

海未「そうですか……ことりの様子は相変わらずですか?」

穂乃果「う~ん、やっぱり調子が悪いみたい」

海未「心配ですね……」

穂乃果「ことりちゃんはもちろん。穂乃果は海未ちゃんの事も心配かなぁ」

海未「私が、ですか?」

穂乃果「うん。だって海未ちゃん、いつもより元気がないもん」

海未「……うわべに出ていましたか。私もまだまだ修練が足りませんね」

穂乃果「いやいや! 海未ちゃん、けっこう感情が表に出てるから!」

海未「えっ……! そうだったのですか!?」ガーン

穂乃果「やっぱり気づいてなかったんだ。海未ちゃんって抜けてるとこもあるもんね」

海未「むぐぐ、穂乃果に言われるとは」

穂乃果「ちょっと海未ちゃん、それどういう……」



< ウミチャアァァン!! ダダダダッ



穂乃果「んん? この声……」

海未「凛、ですね」


< タイヘンダヨッ!! ダダダッ


穂乃果「大変って、何かあったのかな?」

海未「おそらく、理事長先生から頼まれている仕事関連のことでしょう。ちょっと行って来ますね」

穂乃果「行ってらっしゃーい」フリフリ


……

凛「た、大変だよっ!」

海未「また出たのですね。怪人ですか? それともアンチ魔法少女?」

凛「違うよ! 今度のは!」


白鳥『ブラックバードよ!』


凛「またホワイトバードさんが割り込んで来たにゃ」

海未「敵の本丸のご登場ですか……早速駆けつけましょう。凛、相手の居場所はどこです?」

凛「え、えと、それは……」

海未「凛、私の事はいいですから。先ほど、応援すると言ってくれたじゃないですか」

凛「でも、やっぱり……」


白鳥『海未、今のあなたじゃ、とてもじゃないけどブラックバードには勝てないわよ。それでも行くの?』


海未「ええ。ホワイトバードさんが止めたとしても行きますから」


白鳥『あなたがそう言うんなら私は止める気はないけど、南理事長がちょっとね……今替わるわ』


理事長『海未ちゃん、本当に行く気なの? いいのよ、ホワイトバードさんなんかに気を使わなくても。ここで止めたとしても誰も文句は言わないわ』

白鳥『なんかってひどいわ! 私だって頑張ってるのに!』

理事長『言葉の綾ってやつよ』

海未「お気遣い頂きありがとうございます。それでも、魔法少女の役目をまっとうしたいのです。私が役目を放棄する事によって、もし誰かが被害を受けるなら、そちらの方が嫌ですから」


理事長『そう……わかったわ。ちゃんと考えた上での決心なら私も止めない。凛ちゃん、ブラックバードが居る場所を教えてあげて』


凛「うん……」

海未「ほら、凛も元気を出して。あなたは優しい子ですから心配になるのはわかりますが……私を励まして勇気りんりんにするのでしょう? そんな顔では私の気分まで沈んでしまいます。いつもみたいに元気に笑っていてください」

凛「……」

凛「魔法少女をサポートするのがマスコットの役目だもんね。海未ちゃんが『戦う』って言ってるんだから、凛だってしっかりしないと……うん! 凛も応援するから! 頑張って、ウーミン!」

海未「はい! 頑張ります」ニコリ

凛「それじゃあ、ブラックバードのとこに出発にゃー!」


……

 ―二年生教室


穂乃果「あっ、希ちゃん! 何か、ご用?」

希「うーんと、ことりちゃんの様子を見にな」

穂乃果「ことりちゃんは出て行ってて、今はいないよー。それと、やっぱり調子は悪いみたい。笑ったりとかも全然しないで……」


希(う~ん、風向きは悪いままか)


希「あれ? 海未ちゃんもいないんだ」

穂乃果「さっき凛ちゃんがやって来て、一緒に出てっちゃったよ。たぶん理事長先生の仕事のことでじゃないかなぁ?」

希「ふーん、一体どんな仕事を頼まれてるんやろ?」

穂乃果「わかんない。海未ちゃんってば『秘密です』って言って教えてくれないんだもん」

希「おっ、海未ちゃんのモノマネ似てるなぁ。その言い方、本人そっくりやん!」

穂乃果「えへへ、海未ちゃんの真似には自信があるんだ! でも、目の前でやると『やめてください///』って怒るんだけどね」

希「あはは、照れた感じもそっくり……」


 『ピンポンパーン♪ 理事長室より緊急の連絡です』


穂乃果「あれ? 昨日のお昼も緊急放送なかったっけ?」

希「もしかして、またアンチ魔法少女ってのが現れたんかな?」


 『秋葉原大通りにて敵の親玉……ブラックバード! が出現しました。午後からの授業は休講にします。皆さんの声援が魔法少女の活力の源です。そして今度の敵は強大です!ぜひぜひ、応援に行きましょう! 声が枯れるまで声援を送り続けましょう!』


穂乃果「理事長先生……今日の放送はずいぶんと気合いが入ってるね」アハハ

希「理事長がここまで言ってるんやから応援しに行ってもいいんやけど……今はことりちゃんと話したいかな。それでな、穂乃果ちゃんも一緒に来てくれる?」

穂乃果「うん、もちろん! それじゃ、ことりちゃんに連絡しとくね」

希「返事来るまで、なんか話でもしてよっか」

穂乃果「いいね! リリホワでの海未ちゃんとか気になるし」

希「おっ! 幼馴染としてはやっぱり気になる? そうそう、この前こんな事が……」


 ―秋葉原大通り


コトリーヌ「うふふ♡」


< あれが……ブラックバード!?

< 凄まじい気迫を感じるっ……!

コトリーヌ「みなさん、こんにちは♪ 私はブラックバードさんの宿主で、コトリーヌって言います。アンチ魔法少女ちゃん達からはコトリーヌ総統って呼ばれてるんだぁ♡」


< うっ!? 何て、ふわふわした甘い声なの!

< 脳がとろけそうだわ!

< 恐るべしコトリーヌ……! さすがはブラックバードの宿主だけあるわね



花陽「なんだか、声も見た目も優しい感じだけど……」

にこ「ああいうのに限ってほんとは恐ろしいやつだったりするのよ」



コトリーヌ「う~ん、ウーミンちゃんなかなか来ないなぁ、退屈だなぁ……よーし♡ ここにいる可愛い女の子をおやつにして時間を潰してよっと♪」ギラリ


< ひっ! 今、目が光った!

< 残忍な猛禽類の目だわ!

< ハラショォ……雪穂ぉ……

< 亜里沙、狙われちゃう! 逃げないと!




 「待ちなさい!!」



コトリーヌ「あれぇ? このお声って♪」


ウーミン「罪無き人々に対する悪行は、この魔法少女ウーミンが許しません!」


コトリーヌ「ふふっ♪ 待ってたよ、ウーミンちゃん♡ 凛々しくて綺麗で可愛いなぁ♪ コトリーヌのおやつにしてあげますっ♡」


ウーミン「ラブ・ブレード!」


魔法の剣を現出させ、勢いよくコトリーヌへと斬りかかる。


コトリーヌ「やんやんっ♡ ウーミンちゃんはせっかちさんだね♪」


しかしコトリーヌが身をそらすだけで、ウーミンの猛攻は容易にかわされてしまう。


ウーミン「何の!」


すかさず二撃目。


コトリーヌ「当たらないよー♪」


刃先が空を斬る。またもや易々と回避される。


ウーミン「それならもう一度です!」

ウーミン「はっ……!」

コトリーヌ「ふふっ♡」


だが、三撃目、四撃目もコトリーヌを捉える事はできない。


コトリーヌ「ほらほら、頑張って♪」

ウーミン「くっ……!」


何度も何度も刀を振るうが、かすりさえしない。只々、もて遊ばられるだけのウーミン。


コトリーヌ「もう避けるのも飽きちゃったかな。よーし……えいっ♪」

ウーミン「……!」


バシンと両手を打って、ラブ・ブレードを白刃取りにする。


ウーミン「くっ、この……!」


刀を引き抜こうとするがびくともしない。


コトリーヌ「ウーミンちゃんって元々の身体能力が高いんだね。貧弱な強化魔法しかかかってないのに、そんなに動けるんだもん」

ウーミン「ぐっ……! 抜けない……!」

コトリーヌ「でもね……」




ボキンッ!!



鈍い音。コトリーヌが少し力を込めただけで、ラブ・ブレードはいとも容易く折られてしまう。


コトリーヌ「強力な身体強化の魔法をかけちゃえば、ウーミンちゃんなんて敵じゃないんだよっ♪」

ウーミン「ならば!」


拳をきつく握り、正拳突き。だがコトリーヌは他愛もなくそれを制し、手首をつかむ。


コトリーヌ「だからムダだってば」

ウーミン「この……!」グイグイ

コトリーヌ「わわっ、暴れちゃダメだよ♪ そんな悪い事しちゃう子にはお仕置きですっ♡」グイッ


コトリーヌが腕を引き上げる。


ウーミン「えっ……?」フワッ


宙に浮くウーミンの体。勢いよく腕を振り切り、そのまま投げ捨てる。


ウーミン(何て腕力……!?)


放り上げられたウーミンは空中で姿勢を立て直し、難なく足裏から着地する。


ウーミン「さすがに……強いですね」


リン「ウーミン!」タタッ

リン「ラブ・アロー・シュートを使うニャ! それしか勝ち目はないニャ!」

ウーミン「ええ、それしか勝つ手段はないでしょう。しかし、無闇に射つ事はできません。射ててもせいぜい二発まででしょうから。何とか隙を作る事ができれば……」

リン「それじゃ、これを使うニャ」ヒソヒソ

ウーミン「それは……ブラックバード相手に効きますかね?」ヒソヒソ

リン「他に方法もないんだし、取りあえずやってみるニャ」ヒソヒソ


コトリーヌ「いつまでお話してるのかな? もう攻撃しちゃうよ♪」


コトリーヌの背中から突如生える天使の様な、しかし漆黒の一対の翼。


コトリーヌ「頑張って避けてね♡ フェザー・カッター♪」


二つの翼から一斉に羽根が飛び散り、黒い雲となってウーミンへと襲いかかる。



リン「来たニャ!」

ウーミン「やってみるしかなさそうですね」ダッ


前斜めへと走り出すウーミン。


コトリーヌ「回り道して避けようとしてもダメだよ。それっ♡」


斬撃の嵐が左右に広がる。さらに上からも覆い被さり、行く手を完全に遮る。


ウーミン(弾雨がだいぶ薄くなりましたね……これならば!)


ウーミン「ラブ・ブレード!」


剣を片手に嵐の中へと突っ込む。


コトリーヌ「さぁて♡ ウーミンちゃんはコトリーヌのもとまで無事にたどり着けるのでしょうか♪」


走りつつ身を反らし、四方八方から飛ぶ羽の刃を紙一重でかわしていく。


ウーミン「むっ……!」ガキンッ


避け切れない攻撃は刀で斬り落とし、足を止めることなく進み続ける。


ウーミン(敵のもとに到着するのが先か、刀身が壊れるのが先か……あまり多用はできませんね)


コトリーヌ「ふふ~ん♪」チョイチョイ


コトリーヌが指先を動かすと、それにつられて刃の雲は形を変え、一気にウーミンへと押し寄せる。


ウーミン「くっ……」ガキッ


弾幕は濃密さを増し、もはや体をずらす程度では対応しきれない。やむを得ずに刀を振るう。


コトリーヌ「そんな魔力不足の武器で、どこまで耐えられるかな?」

ウーミン「あなたを一刀両断するまで!」

コトリーヌ「へぇ……」クイッ



勢いを増して迫る猛撃。回避できずに二度目、三度目の剣撃を行う。


コトリーヌ「ふふふ♡ そんなに使っちゃって大丈夫?」


ウーミン(多少のケガは覚悟しなくてはなりませんね)


コトリーヌ「そぉれ♪」

ウーミン「ぐっ……」


羽刀が太ももをかする。肌に赤い線が引かれ、血がにじみ出す。


コトリーヌ「やんやん♡ 綺麗なお肌に傷が付いちゃったね。もっといっぱい付けてあげるね♪」


ウーミン「うっ……!」


今度は二の腕をかすめる。


ウーミン「うぐっ……!」

コトリーヌ「あぁっ♡ 白いお肌に赤のアクセント、最高だよ♡」


さらに脇腹を切られる。だが少しも怯む事なく突き進む。


ウーミン(直撃さえしなければ構う事などありません。しかし……)


ウーミン「ちぃっ!」ガキンッ


四度目の剣撃。


ウーミン(回避するだけで全ての攻撃をいなすのは無理がありますね。剣は、もって後一振りというところでしょうか)


コトリーヌとの距離をグングン詰める。残り十メートル。


ウーミン(もう少し……!)


コトリーヌ「このままだとウーミンちゃんに斬られちゃう♪ 困ったなぁ、そうだ! えいっ♡」シュッ

ウーミン「……!」


手の中に隠し持っていた羽刀が飛ばされる。


ウーミン(かわし切れない!)


ウーミン「くっ……!」ブンッ



バキリッ!!



斬って落としたと同時に刀身が砕け散る。残り二メートル。



ウーミン「ラブ……」


右手を掲げて武器の名を唱える。


コトリーヌ「ムダだよ。剣を作った瞬間にすぐ壊しちゃうんだから♪」クイッ


舞い飛ぶ羽の軌道を変えて、ウーミンの右手へと集中砲火。
だがウーミンはにやりと笑い、右手を引っ込める。


ウーミン「グレネード!」ブンッ


服に隠していた物を取り出し、左手でコトリーヌ目がけて放り投げる。


コトリーヌ「他にも武器があったんだ。でもムダだよ♪」

飛び交う羽に、投擲物はあっけなく真っ二つにされる。
嘲りの笑みを浮かべるコトリーヌ。しかしウーミンはそれを意に介することなく、指先に魔力を込める。


ウーミン(今です!)クイッ



ボフンッ



中から粉塵が飛び出し、コトリーヌを包み込む。


コトリーヌ「うっ……! こ、これって!?」


リン「『ケホケホ爆弾』ニャ!」

※『ケホケホ爆弾』 (お手玉の中に、ウーミンの魔力を込めたコショウと唐辛子パウダーを詰めて封をした物。リンが手作りした特製品)



コトリーヌ「あぅ……目が! うぐっ……」ケホケホ


両手で顔を覆い、苦しそうによろめき歩く。
縦横無尽に飛び交っていた羽刀も魔力を失い、ただの羽毛と化して舞い落ちる。


リン「効いてるニャ! ウーミン、今ニャ!」


ウーミン「はい! ラブ・アロー!」

コトリーヌ「うぅ……魔力を、早く、痛っ!」ゲホゲホ


弓を引き絞る。的はふらふらとよろめくコトリーヌ。



ウーミン「ラブ・アロォ・シュゥゥート!!」



怒濤のごとく射出される轟音と閃光。コトリーヌを光と熱の爆発が包み込む。


リン「やったかニャ!?」

ウーミン「……!」


光の霧が晴れると……そこにあるはずの人影がまったく見えない。


ウーミン「くっ……どこに!?」


リン「ウーミン後ろニャー!」


振り向くと、加虐の笑みを浮かべたコトリーヌの姿。


コトリーヌ「ナイト・ヘロン♪」

※『ナイト・ヘロン』 (青白く輝くレーザー光線を手から放出する。威力を調整すればレーザーポインターにもなって便利)


コトリーヌ「一応魔力を込めてたんだね。ちょっと目が痛いかな」

ウーミン「う……」

コトリーヌ「あんな弱いエンチャントでもこうなっちゃうなんて、私もまだまだ成長が足りてないみたいだね。早く魔力を蓄えないと♪」


自然治癒の魔法により負傷した部分が回復する。意識もはっきりとして来る。
戦意はまだ失われていない。コトリーヌを見据えて武器の名を唱える。


ウーミン「ラブ……」

コトリーヌ「ダーメ♡」シュッ

ウーミン「がっ……!」


羽刀がウーミンの右手のひらを貫く。
砕ける骨、流れる鮮血。突き刺す激痛。


ウーミン「んぐっ……!」


唇を噛んで耐える。魔力を使い、必死に痛みを打ち消す。


コトリーヌ「ふふっ……左手でも武器を握れるよね」シュッ

ウーミン「あがっ……!」


左手も貫かれる。
疼く手の平。神経が焼け切る。両手が震える。


ウーミン(痛みが、抑えないと、はやく、痛い)


コトリーヌ「苦しそうに悶えるウーミンちゃんのお顔、とっても可愛いよ♡ もっと見てみたいなぁ」

ウーミン「あ……! ぐっ……!」

コトリーヌ「戦いの真似っ子はここまでにして、今度はウーミンちゃんをいじめて遊んじゃいますっ♪」

今回はここまでです

.>>118>>119の間が抜けてました



ウーミン「がっ……!」


直撃。紙くずのように吹き飛ばされ、ビルの壁に叩きつけられる。


コトリーヌ「あんなの効くわけないよ。簡単に騙されちゃったね♪」

ウーミン「うぐ……」


背中を強打した痛み。内臓への損傷。焼けた皮膚。視界が点滅する。目まいがする。

ウーミン(何とかして……逃げない、と。隙を見て、走れば……まずは、痛みを、はやく)


コトリーヌ「さぁて♪ どうやってウーミンちゃんをいじめてあげようかなぁ♡」


ウーミン(逃げるチャンスは、必ず来るはずです。今は耐えて……)


コトリーヌ「あっ! その前に……」クイッ

ウーミン「がぁ……!」


両手の痛みをろくに抑えられてないままに、左足の甲まで数本の羽刀で貫かれる。
走る激痛。悲痛な呻き声が漏れる。


ウーミン「ぐっ……ひっ……!」


ウーミン(痛みを……痛みを抑えて)


コトリーヌ「ああぁ♡ ウーミンちゃんの苦しむ姿、最高だよぉ♡ 可愛らしい悲鳴をもっと聞きたいなぁ」スッ


宣告を下すように、人差し指をウーミンへと向ける。


ウーミン「や、やだ……」

コトリーヌ「それっ♪」クイッ

ウーミン「がっ……!あぐぐっ……」


さらに右の甲も貫かれる。


ウーミン「ひっ……うぐっ……」


ウーミン(痛い痛いイタイ! はやく魔力を使って、いたい、おさえて、はやく、痛みを)


あまりの痛みに頭をかき回され、魔法に集中もできずに、痛覚を遮断する事もままならない。

コトリーヌ「悶え苦しんじゃう可愛い可愛いウーミンちゃん♪ でもコトリーヌは、そんなウーミンちゃんに一つだけ不満があります」クイッ

ウーミン「ひぐっ……!」


数枚枚の羽がウーミン目掛けて飛びかかり、衣服ごとその肌を切り裂く。


コトリーヌ「なんであなたがその衣装を着てるの?」クイッ

ウーミン「うぐっ……! や、やめっ……!」


さらに肌を切り刻まれる。傷口から鮮血がにじみ出し、生地を赤く染める。


コトリーヌ「おかしいよね?」クイッ

ウーミン「あぐっ……!」

コトリーヌ「う~ん……決めましたっ♪ フェザー・カッターでウーミンちゃんを衣装ごと、ずたずたに引き裂いちゃいます♡」

ウーミン「ひっ……! や、やだっ……」


腕を使って地面を這い、必死にその場から逃れようとする。


コトリーヌ「あはは♪ なにその格好、おもしろーい♪」

ウーミン「うっ……あうぅ……」ズリズリ


逃げることだけで頭はいっぱいになる。身体を走る痛み、這いつくばる自分の惨めな姿など意に介さずにひたすら腕を動かす。遅々とした、逃げ切れるとは思えない速さで、がむしゃらに体を前に運ぶ。


コトリーヌ「ウーミンちゃんがみじめに逃げてる姿を見てるのも楽しいんだけど、その衣装をいつまでも着られてるのは嫌だからもうやっちゃうね♡」スッ


舞い上がる鳥毛。黒き雲はもくもくと広がり、ウーミンを取り囲む。


コトリーヌ「もう逃げ場はないよ♪」

ウーミン「や、やめて……」

コトリーヌ「ウサギさんみたいにぶるぶる震えちゃってかわいそー。でもね……」

ウーミン「うぅ……」

コトリーヌ「やめてあげませーん♪ 怯えきってるウーミンちゃん、とっても魅力的なんだもん♡ 大丈夫だよ、お顔は傷つけないから」

ウーミン「嫌です……お願いします……やめて……」

コトリーヌ「ウーミンちゃんのお願いは聞けませんっ♪ ずたずたにしてあげるね……それっ♡」スッ


コトリーヌが指し示した途端、羽刀が四方八方からウーミン目掛けて飛びかかる。



ウーミン「ひっ……!」


けたたましい風切り音。迫る墨染めの塊。押さえ付けられる心臓。震える身体。怖気。諦め。
斬撃の嵐が到達する一瞬間に、頭の中が目まぐるしく回る。だがそれも束の間……


ウーミン「ぎっ……! がっ……! いぃっ……!」


焼け悶える痛み。
背中を、二の腕を前腕を、脇腹を、太腿を、滅茶苦茶に切り裂かれ、全身の神経が信号を発する。


ウーミン(痛い痛い痛い痛い痛い痛い)


それだけで頭がいっぱいになる。


ウーミン「ひっ……! あぁぅっ……!」

コトリーヌ「ウーミンちゃんの悲鳴、心地いいよぉ♡ もっと、もーっと、聞かせてっ♡」


荒れ狂う黒風に何度も何度も切り刻まれる。


ウーミン「あぐっ……! がっ……ぐっ……!」


無数の風切り音とウーミンの呻き声が辺りに響く。
皮膚に赤い線を刻まれ、鮮血が滴り、衣装を染めていく。


コトリーヌ「ふふっ♡ ウーミンちゃんにはその色がお似合いだよ。でも、時間が経ったら茶色になっちゃうかぁ♪」

ウーミン「うっ……あ……ぐっ……!」


背中を丸め、頭を抱えててその場にへたり込む。逃げる意志さえなくし、辛苦の息を漏らしながら、悶え、責め苦が過ぎ去るのをただひたすらに耐え続ける。


コトリーヌ「あぁっ♡ あなたが苦しんでる姿を見ると、なんだかとってもドキドキします♪ もっともっと痛めつけてあげるからねっ♡」



< ちょっとちょっと! やり過ぎじゃない!?

< いくらなんでもこれは……

< 残忍な猛禽類よ! ブラックバードは残虐非道の猛禽類!!


花陽「いくらブラックバードが悪者だからって……こんなに残酷なことするなんて……」

にこ「こんなことするなんて本に載ってる記録にもなかったわ。降臨したばかりなのにアンチ魔法少女を生み出したことといい、こいつは異常よ!」


< このままじゃウーミンが死んじゃう!?

< この人殺し! 魔法少女殺しの猛禽類!

< これ以上はやめてー!!

< そだそだ!



コトリーヌ「うるさいなぁ……魔法少女は頑丈なんだから、これくらいじゃ死なないよ。そ・れ・に♪ ウーミンちゃんはアンチ魔法少女にして私の仲間にするんだから、間違っても殺しちゃったりはしないよ♡」



< 残忍な猛禽類のいうことなんて信用できるかー!

< どっちにしても、もうやめてっ!

< そだそだ!



コトリーヌ「さっきからゴチャゴチャうるさいよ! お客さんたちは黙って見ててよ。おしゃべりはやめてほしいなぁ……」


リン「やめるのはお前の方ニャ!」


いつの間にやら、こっそりと近づいて来ていたリンが果敢に突進。爪をふりかざして飛びかかる。


コトリーヌ「おっとっと♪」グイッ

リン「ふにゃっ!?」


だが、あっけなく首根っこをつかまれ捕らえられる。


コトリーヌ「襲いかかるときに声を出しちゃバレバレだよ。まあ、どっちにしてもマスコット程度じゃ私に引っ掻き傷もつけられないだろうけどねっ♪」

リン「ニャニャニャ! ウーミンを傷つけるをやめるニャ!」

コトリーヌ「そんな格好で命令されてもなぁ……あなたの言うことなんて素直に聞くと思ってるの?」

リン「うにゃにゃ……」

コトリーヌ「うんっ! もうウーミンちゃんを切り刻んで遊ぶのはやめます♪」

リン「にゃっ!?」

コトリーヌ「別の方法でいじめてあげますっ♡」

リン「ふにゃっ!? このっ、ろくでなしバード!」ジタバタ

コトリーヌ「わわっ!? 暴れちゃダメだよ。おとなしくして、おねがぁい♡」

リン「うにゃっ!?」カチンコチン



< あっ! あの猫ちゃん、ぬいぐるみみたいに動かなくなっちゃった!?

< これもブラックバードの能力!?

< 持って帰って家に飾りたい♪



コトリーヌ「あなた達もうるさいから、黙って見ててね。おねがぁい♡」



(!?)

(こ、声が……)

(体も全然動かない……)



コトリーヌ「魔力がない普通の人には効果抜群だね。一気に全員にかけることができちゃった♪」

ウーミン「あぁ……ぐっ……! うぅ……」

コトリーヌ「ああ、ごめんね。ほったらかしになっちゃってたね」


ウーミン(うぐっ……傷をふさいで、早く、逃げて……体勢を立て直さないと……)


コトリーヌ「衣装はズタズタになっちゃったし、身体中も血みどろだね♡ ウーミンちゃんは今どんな気持ち? 辛い? 苦しい?」

ウーミン「うぅ……」ズルズル

コトリーヌ「こらこら♪ 逃げちゃダメだよ」ゲシッ

ウーミン「がはっ……!」


蹴り飛ばされ宙に浮くウーミン。そのまま放物線を描いて落下、硬い地面にしたたか打ちつけられる。


ウーミン「がっ……! ぐっ……」

コトリーヌ「さてさて、そろそろおしまいにしよっか♪」

短いですが今回はここまでです
更新が遅くなってしまいすみません

コトリーヌ「エリチカちゃんから借りてきたこれを使ってと……」ポイッ


マトリョシカ人形を三体、懐から取り出し放り投げる。



ボフンッ!!



人形たちが白い煙に包まれたかと思うと、瞬く間に怪人へと変化する。


マトリョシカ怪人s「「「ハラショー!!!」」」

コトリーヌ「それじゃぁ、ウーミンちゃんを抑えつけてね♪」

マトリョシカ怪人「ダー!」グイッ


怪人たちの一体がウーミンを強引に起こし立たせる。


ウーミン「ぐっ……」


さらに後ろから羽交い締めにし、宙ぶらりんに吊るし上げる。


ウーミン「う……あ……」

コトリーヌ「ふふっ♪」

マトリョシカ怪人s「「ハラショー!!」」


次には二体のマトリョシカが片足ずつ持ち上げて、ウーミンの脚を左右に広げる。


ウーミン「いったい……なにを……」

コトリーヌ「こうするんだよっ♡」ビリッ


スカートごとウーミンのショーツを引きちぎる。


ウーミン「ぐっ……///」

コトリーヌ「これぐらいで照れてちゃダメだよ。これからウーミンちゃんはもっともっと恥ずかしい目にあうんだから♪」

ウーミン「もう……いやです……やめてください!」ジタバタ

マトリョシカ怪人「アスタナビーティシ!」ガシリ

コトリーヌ「暴れてもムダだよ♪ マトリョシカちゃん、あれを出して」

マトリョシカ怪人「パニャータナ!」


一体のマトリョシカの頭がパカッと割れて、棒状のものが飛び出す。


コトリーヌ「おっとっと……」キャッチ


コトリーヌが受け取ったのは……ディルド。しかしそれは、ウーミンの腕よりも太い。


ウーミン「それは……」

コトリーヌ「これ? もちろんこうするんだよ♡」


膣口にそれをあてがう。

ウーミン「じょ……冗談ですよね。そんなもの、入るわけ……」

コトリーヌ「魔法少女の身体は頑丈なんだから、ちょっとくらい無理しても大丈夫だよっ♪」

ウーミン「そ、そんな……い、いやです! 離してください!」ジタバタ


渾身の力を振り絞ってマトリョシカたちを払いのけようとするが、がっしりと固定されたままで全く逃れられない。


コトリーヌ「悪足掻きなんてしちゃダメだよっ。おとなしくして、ねっ♪」

ウーミン「そんなものを入れられそうになってるのに、おとなしくなんてできますか!?」ジタバタ


腰をくねくねと動かして必死に抵抗する。


コトリーヌ「うぅ~ん……そんなに暴れられると、ちゃんと入らないよ。どうしよう……そうだ!」

コトリーヌ「えいっ♡」ドンッ

ウーミン「ぐっ……!」


空いた方の手を、ウーミンのみぞおちに叩きつける。


コトリーヌ「えいえいっ♡」ドンドンッ

ウーミン「げっ……! ごっ……!」


何度も何度も、執拗に腹部を殴る。拳を振り下ろす度にカエルが潰れたような声が漏れ出る。


コトリーヌ「ふふっ、変なお声♡ おもしろーい♪」ドンッドンッ

ウーミン「がっ……! や、やめ……ぐっ……!」


繰り返し繰り返し……ウーミンが目に見えて弱ってきて、ようやく叩くのをやめる。


ウーミン「え……うっ……」

コトリーヌ「やっとおとなしくなったね。それじゃ、入れちゃうよっ♪」

ウーミン「や……やめて……はじめては……こと」

コトリーヌ「よっと♡」ググッ

ウーミン「ぎっ……!!」


自身の腕よりも太いディルドを力まかせに押し込められる。


ウーミン「あがっ……! ひぐっ……!」


辛苦の呻きを絞り上げる。目は見開かれ、指先はわなないて、四肢がぶるぶると震える。


コトリーヌ「うーんと、奥にまで入ったかな?」グイグイ

ウーミン「ぐがっ……! けひっ……!」

コトリーヌ「苦しそうなお顔♪ 痛いよね、辛いよね」グイグイ

ウーミン「ああぅ……ぐうぅ……!!」

コトリーヌ「悶えるウーミンちゃん可愛いよぉ♡ もっと痛くしてあげるね♡」


握っているディルドを荒々しく前後に動かす。

ウーミン「あぐぅぅ……! やめっ……! しんじゃ……がっ!! ごふっ……!」

コトリーヌ「だから、これくらいじゃ死なないよー♪ まだまだいじめてあげるからねっ♡」グニグニ


さらに、上下左右にぐりぐりと乱暴に動かし回す。


ウーミン「ひぐっ……! あああぁっ……!!」

コトリーヌ「ああっ♡ マケミンちゃんかわいいよぉ♡♡ もっともっと悲鳴を聞かせて♡」グリグリ

ウーミン「ううぅぅ……!! あがっ……!」

コトリーヌ「あっ♡ 血が垂れてきたよ。こんなにいっぱい♡」グイグイ

ウーミン「ぐっ……! あっ……ああっ!!」」

コトリーヌ「さっき『はじめては』とか言ってたから、ウーミンちゃんはまだ経験がないんでしょ♪ これは膜が破れた血かなぁ?」グニグニ

ウーミン「ああぁっ……!!」

コトリーヌ「こんなにいっぱい出てるのは中が裂けちゃったせいだと思うなぁ♡ 魔力不足のマケミンちゃんのことだから、これくらい乱暴しただけでも膣壁が傷ついちゃってるんだよ♪」ググッ


力を込めて奥にまで無理やり押し込む。


ウーミン「あがあぁぁっ……!!」


苦悶の絶叫。その叫びを聞き、コトリーヌは恍惚とした笑みを浮かべ、動かす手をさらに荒々しく速める。


ウーミン「うぐぁぁ……!! あがっ! ああぁぁっ……!!」

コトリーヌ「身体の次は、中をグチャグチャの血だらけにしてあげるね♡」


暴れ狂うディルド。次から次へと血が滴り落ちる。


ウーミン「ああっ! ああっ……!! ひぐっ……!」

コトリーヌ「あはは♡ マケミンちゃん苦しい? 辛いよね?」

ウーミン「ぐがっ……! ううぅぅ……!!」

コトリーヌ「うんうんっ♪ そうだよね、苦しいよね。かわいそうだから、もうやめてあげるね♡」ズボッ

ウーミン「ぎっ……!?」


一気に引き抜く。血染めのディルド。ウーミンの膣口から溢れ出る鮮血。

ウーミン「かはっ……けひっ……!」

コトリーヌ「次は~フェザー・カッターを中に入れてみようかなぁ♡」

ウーミン「ひっ……!」

コトリーヌ「心配しなくても大丈夫だって♪ 私からも魔力を送ってあげるから、ショック死とかになったりしないよ。気を失わないようにも、ちゃーんとしてあげるから♡」

ウーミン「そんな……! やだ……いやですっ!」ジタバタ

コトリーヌ「わっ、まだそんなに力が残ってたんだ。でもムダだよ……そんなに嫌がられると、よけいにしたくなっちゃいます♡」

ウーミン「ひっ……! やっ、やめて!! おねがいですから!」

コトリーヌ「ふふふ♡」



にこ(もうこんなの見てられないわよ! くっ……体が動けば……!)

花陽(せめて、声だけでも出せれば……気をそらせるのに……)



「ウーミンを……いじめるな……これ以上は……許さないニャ……」



コトリーヌ「あれれ? マスコットちゃん、しゃべれるようになっちゃったんだ。やっぱりまだまだ魔力が弱いのかなぁ……」

ウーミン「リン……!」

リン「ウーミン……今……助けるニャ……」

コトリーヌ「『助ける』って……体を動かせないで、しゃべることもろくにできないのに何ができるのかなぁ♪」

リン「黙るニャ……おまえなんかの好きには……させないニャ……」

コトリーヌ「黙るのはあなたの方です♪ おとなしく黙って見てて、おねがぁい♡」

リン「……!」ムグムグ

コトリーヌ「あはは♪ 残念! マスコットちゃんはなんにもできませんでした♪


リン(ウーミン、役に立たなくてごめんニャ……)ウルウル


ウーミン「リン……」

コトリーヌ「邪魔が入っちゃったね。それじゃぁ、今度こそ……ん?」



< ことりちゃん、ここにいるかな?

< 海未ちゃんに魔法少女の格好させて喜んでたくらいだから、見に来てるかもしれへんよ

< あれれっ? みんな固まっちゃってるよ!

< スピリチュアルなことになってるやん!?



コトリーヌ「新しいお客さんが来たみたいだね。あの娘たちにもバード・ソングをかけてあげなきゃ♪ ……って、あれ? あの二人どこかで……」

※『バード・ソング』(コトリーヌの甘い声を聞かせて、相手の身体と精神を操る。魔力が弱い者に対しては特に効き目があるが、それとは関係なくウーミンには効果抜群)



穂乃果「みんながこうなってるのって、ブラックバードっていうのの仕業なのかなぁ……?」

希「せやろなぁ……魔法少女がこんなことするはずないし……んんっ? 穂乃果ちゃん、あれ!」ユビサシ

穂乃果「えっ、何?」クルッ


振り向いた先には、こちらを見て絶句しているブラックバードと、怪人たちに拘束されている血まみれの魔法少女の姿。


穂乃果「……!!」ダッ

希「ちょっ……穂乃果ちゃん!?」


考えるよりも先に体が動く。まっすぐに駆け抜け、ウーミンから剥がし取ろうとマトリョシカの腕を力いっぱい引っ張る。

穂乃果「はなせー!!」グイグイ

マトリョシカ怪人「アスタナビーティシ!」アセアセ


コトリーヌは、穂乃果の顔をじっと見つめたまま考え込んでいたが、ようやく口を開く。


コトリーヌ「あなた……どこかで……」


コトリーヌの声に応えて穂乃果が振り向く。その顔には静かな怒りを湛えている。


コトリーヌ「あっ……」ズキリ

コトリーヌ(なんで……胸がちくりってして……)


希「穂乃果ちゃん! ウチも手伝うよ!」

ウーミン「二人とも……危ないですから、離れて……」


にこ「なーに言ってるのよ、危ないことになってるのはあなたでしょ。さっきまであんな散々な目にあったってのに」

花陽「あんなにむごいことをするなんて……許せません……!」

希「やっぱり二人も来てたんやね!」

マトリョシカ怪人「パマギー」チラチラッ


助けを求めてコトリーヌに視線を送るマトリョシカたち。しかしコトリーヌは全くそれには気付かずに、目も虚ろにぼんやりと佇ずんでいる。


コトリーヌ(頭がぼやけて……目の前がもやもやして……私は一体……私? 私は、コトリーヌ……違う。私は……私は、『南ことり』)




ズキンッ



脳裏に、今さっきまでウーミンにしてきた行いが浮かんでは巡り周る。自らのしてきた事に恐怖し、心臓が押しつぶされて、手が震える。


ことり(あ……あぁ……わ、わたし、なんてことして……)


視界がかすむ。魔法少女を取り囲む四人が遠くにいるように感じる。


ことり(こんなこと……もう、いや……ごめんなさい、たすけて……そうだ。わたしがことりだって、正体を明かせば……)


コトリーヌ「……っ……ぅ……!?」


ことり(なんで……!? 声が、出ない……!)

黒鳥『無駄だ、お前には≪ブラックバードの呪い≫がかかっている。正体を明かす事は決してできない』

ことり(そんな……!)


黒鳥(これ以上はもう無理だな。そろそろ潮時か……)



のぞほの「はなせー!!」グイグイ

にこ「はなしなさい、この化け物!」グイグイ

花陽「はなしてくださーい!」グイグイ

マトリョシカ怪人「パマギーチェ!」アセアセ


黒鳥『おい、聞こえるか? マトリョシカども』


マトリョシカ怪人「!?」キョロキョロ


黒鳥『探しても無駄だ、テレパシーで話しかけているからな。いいか、コトリーヌを抱えて走って逃げろ。魔法少女? 今はそんなもの放っておけ。この場を離れる方が先だ」


マトリョシカ怪人「ハラショー!!!」ポイッ

ウーミン「うぐっ……!」ドテンッ


ウーミンを放り投げて、コトリーヌのもとに駆け寄るマトリョシカたち。そのまま三人がかりで担ぎあげると一目散に逃げて行く。


ウーミン「ま……待ちなさい……」


弱々しい声を絞り出し、よろよろと立ち上がろうとするが、穂乃果に制される。


穂乃果「そんなにボロボロじゃ追いつけないよ。もう無理しないで……」

希「傷の具合をちょっと見してな」


血まみれの破れた服を捲る。素肌には痛々しい傷口が幾重にも刻まれている。


ウーミン「うぅ……ぐっ……」

花陽「ひどい……傷だらけになってます」

にこ「下のほうもめちゃくちゃにされたみたいね……」



リン「ウーミーン!!」タタッ


花陽「あっ……マスコットの猫ちゃん」

にこ「あんたも動けるようになったのね」

リン「強力な魔法をかけられたせいでなかなか動けなかったニャ。ウーミンの様子はどうかニャ?」

希「全身傷だらけで、下も……むごいことになっとるね」

穂乃果「こんなになるまで痛めつけるなんて……許せないよ」

にこ「傷まみれね。回復魔法かなんかで治したりできないの?」

花陽「でも……魔法少女ちゃんぼろぼろで、苦しそうで……魔法なんて使えるのかな……?」

希「せやなぁ……」

にこ「う~ん……」

穂乃果「どうしよう……」


リン「大丈夫ニャ!!」ピョーン


花陽「あわわ……!? 猫ちゃん急に飛び上がっちゃって、どうしちゃったの?」

リン「かよ……そこの炊き立てのお米みたいなお胸と柔肌で、中身も見た目もとってもかわいい高校生ちゃん、ちょっといいかニャ?」


穂乃果(なんだかよくわからないけど、花陽ちゃんのことすっごくほめてる……)

希(マスコットちゃんは花陽ちゃんがお気に入りみたいやね)


にこ「花陽、呼んでるわよ」

花陽「……えっ? わ、わたしのこと!?」

リン「そんなにかわいい高校生なんて、ほかに誰がいるニャ! かよ……花陽ちゃん! リンの首輪についてる宝石を取ってニャー!」

花陽「は、はい……!」プチリ


日の光を受けて、摘まみ取った輝石が琥珀色にきらめく。


穂乃果「なんか高そう……!」

希「トパーズやね。それをどうするん?」

リン「ウーミンの体の上に置いてニャー!」

花陽「こ、こう?」スッ


体の上に載せた途端、宝石から光の雲が溢れ出してウーミンの全身を包み込む。


にこ「う……まぶしい。これは、何が起きてるのよ?」

リン「いざって時のために、リンの魔力をこの宝石に少しずつ溜め込んでたんだニャ。今のウーミンの傷を治すくらいのことはできるはずニャ!」

穂乃果「あっ、見て見て!」

花陽「傷がみるみるふさがっていきます……!」

希「マスコットって、単なる魔法少女の飾りじゃなかったんやね。ちゃーと役に立ってるやん♪」ニシシ

リン「リンのこと、バカにしないでほしいニャー! ほら、見てみてよ! 服までもと通りになってるニャ」エッヘン

にこ「はいはい、ウーミンが目を覚ますわよ」



ウーミン「ん……うぅ……」


リン「ウーミン、体の調子はどうニャ?」

ウーミン「ええ……大丈夫です。コトリーヌは……」

にこ「もういないわ。ほんと、あのマトリョシカの化け物たち、あんな図体してすばしっこいわね」

ウーミン「う……また、私は……」

リン「ウーミン……」


にこ「なーにくよくよしてるのよ!」


リン「ふにゃ!?」

にこ「過ぎたことで悩んでもしょうがないでしょ。あんたはできるだけのことをした……あんなやつ相手に正面から立ち向かったんだから」

花陽「そうです!ウーミンさん、とってもカッコよかったです。見てる人たちもそう感じてます……みんなの声を、聞いてみてください」



< ウーミン、大丈夫!?

< よくやったよ……あんな凶暴なの相手によくやったよ

< ウーミンがまた撃退したんだっ!



希「こんなに声援をもらって、ウーミンちゃんは人気者やね♪」

にこ「魔法少女がいつまでも落ちこんだ顔してたら、みんなも不安になっちゃうわ。大事なのはにっこり笑顔よ、にっこにこにー♪」

希「おっ? にこっちの十八番やね。ウチだって負けへんよ?……希パワーたーっぷり注入! はーい、プシュッ☆」

穂乃果「穂乃果だって……! ウーミンちゃんファイトだよ!」グッ

花陽「え、えと……花陽は……ダレカタスケテー!」

希「花陽ちゃん、それはちょっと違うんやない?」ニシシ

リン「かわいいからどっちでもいいニャー☆」


ウーミン「ふふっ……」

ウーミン「皆さん、ありがとうございます。元気を貰えました。私はもう大丈夫です! 次こそはブラックバードを倒しますね!」

リン「その調子ニャー!」

ウーミン「それでは……リン、行きますよ!」

リン「わかったニャ」ピョンッ

穂乃果「あっ……! ウーミンちゃん……」


何かを言いかけて口をつぐむ穂乃果。ウーミンはそれにぎこちない微笑みで応える。


ウーミン「私は大丈夫ですから……では、またお会いしましょう」

ウーミン「リン、しっかりつかまっているのですよ」

リン「言われなくてもわかってるニャー☆」

ウーミン「はっ……!」ダッ


路面を蹴り上げ、宙に舞い上がる。


ウーミン「……」クルリ


最後にもう一度、歪に微笑んで手を振り、そのまま飛び去る。
その後ろ姿はみるみると小さくなっていく。




希「なんか、無理して笑ってるみたいやったね。やっぱりまだ……」

にこ「そりゃそうよ。体中を切りきざまれて、下もあんな……口にできないようなこともされたんだし、身体の傷がなおっても心の中までは……」

穂乃果「ウーミンちゃんのために何かできることってないのかなぁ……」

花陽「あんな怪物相手じゃ私たちにはどうしようもないです……でもっ! ウーミンさんを応援することはできます。ひとりだけじゃ大して魔力を送れないかもしれませんけど、たくさん人が集まれば大きな力になるはずです……!」

にこ「次からは希と穂乃果も一緒に応援しに来なさいよー」

希「もちろんやん♪ ウチのスピリチュアル・エールをたーっぷりと注いであげる!」

穂乃果「学校のみんなも誘わないとね!」



………………


リン「にゃにゃ☆ 空を飛ぶのって気持ちいいニャー」

リン「どこで降りて変身解除しよっか?」

ウーミン「……」

リン「ウーミン?」チラリ


不思議に思って顔を覗いてみる。映ったのは、潤んだ眼をして唇を噛むウーミン。


ウーミン「すみません、みっともないところを」スッ


視線に気づいて顔を逸らす。


リン「海未ちゃん……」


リンも顔を曇らせて言葉に詰まるが、思い直して元気よく呼びかける。


リン「ウーミンウーミン、リンのオススメのラーメン屋さんがあるんだ。一緒に行こうよ!」

ウーミン「ふふっ、リンは本当にラーメンが好きですね。案内してください。そこまで飛んで行きますよ!」

リン「あっちニャー!」


………………

 ―路地裏


ことり「あ……うぅ……私、あんなひどいこと……」

黒鳥『なかなか面白いショーだったな。邪魔が入らなければ、もっと面白いものが見られたというのに……実に残念だ』

ことり「あんなに……血だらけで……私が……私が、あんなになるまでして……うぷっ……!」

ことり「おぇっ……」

黒鳥『やれやれ、お前がえずいてどうする。相手の方が肉体も精神も傷をつけられたというのに』

ことり「うっ……おぇっ……」


黒鳥(お前の心が罪悪感と自己嫌悪で満ちていくのを感じるぞ。実に心地よい。完全に精神を乗っ取れるまでもう間近だ。さてさて、いつまで持つかな?)



次回予告!



コトリーヌの非道な行いにより、身も心もズタボロにされたウーミン! 身体の傷は治っても、心の傷までは治らない! さらに、ことりとの関係もギクシャクしたまま! そんなウーミンにうねうねした魔の手が迫る!!


 第四話 『触手にまみれて』に続く!


エリチカ「次回の魔法少女陵辱ショーもお楽しみにね♪」

 ―――――――――


 『痛い痛い痛い痛い!』

 『もう……嫌です……魔法少女なんて……』

 『でも、私が頑張らないと……皆が……』

 『ことり……』


 ―――――――――


< PiPiPi♪ PiPiPiPi♪


海未「……」ガバッ

海未「朝ですか……嫌な夢でしたね……」ゴシゴシ

海未「ん……?」


目をこすると、温かく濡れたものが触れる。


海未「あはは……これしきのことで……私もまだまだ修行が足りませんね」




第四話 『触手にまみれて』


………………

 ―通学路



穂乃果「海未ちゃん、おはよー!」

海未「はい、おはようございます」

穂乃果「え、ええと……ことりちゃんのことなんだけど、今日も一人で登校するみたい……」

海未「ええ、知ってますよ。私の方でも携帯電話に連絡が入っていました」

穂乃果「ねえ、海未ちゃん」ジー

海未「何です? 私の顔に何か付いてますか?」

穂乃果「うーんとね、昨日よりもっと辛そうっていうか、悲愴……って言うのかな?そんな感じがする」

海未「……いえ、昨日と変わりありませんよ。私は大丈夫ですから」

穂乃果「そうかなぁ……」

海未「そんなことより、早くしないと遅刻しますよ!」スタスタ

穂乃果「ちょっとちょっと、まだまだ時間あるってば! 海未ちゃん、歩くの早すぎるよ。待ってよー!」タタッ

すみません。パソコンの調子が悪いので、また明日に続きを更新します

………………

 ―音ノ木坂学院・二年生教室


穂乃果(もうお昼休みなのに二人とも話すどころか、顔を合わそうともしないよ!)


海未「お昼は向こうで食べてきますね。では……」スタスタ

穂乃果「あっ、海未ちゃん! 今日は一緒に……って、もう出てっちゃった」

穂乃果「じゃあ、ことりちゃん。二人で食べよっか」

ことり「……うん」


穂乃果(ことりちゃんもだんだん元気がなくなってるし、ここは穂乃果がどうにかしないと……!)


穂乃果「ねえねえ、ことりちゃん。 昨日、魔法少女ちゃんとブラックバードの戦いを見てたの?」

ことり「……!」ピクッ

ことり「なんで……そう思ったのかな?」

穂乃果「えっ? え、えと……昨日のお昼に、ことりちゃんのスマホに連絡を入れといたんだけど、なかなか返事が来なかったから……」


穂乃果(うぅ……ことりちゃん、また怖い顔になってる。ことりちゃんには笑っていてほしいよ。そのためには……ファイトだよ、私!)


穂乃果「魔法少女ちゃんを見るのに夢中になってて気づかなかったのかなぁって思って……ほら、この前海未ちゃんに魔法少女の衣装を着せて喜んでたし」

ことり「ごめんね、お家に帰るまで気づかなかったんだ」

穂乃果「あっ、そうなんだ……ことりちゃん最近体調が悪いみたいだから気づかなくてもおかしくないよね!」

ことり「そんなことより、『話したいこと』って何かな?」

穂乃果「それは希ちゃんが一緒にいるときに……」




「失礼しまーす」



穂乃果「ん? この声……」


「あっ、 東條先輩!」

「 二年生の教室に来たってことは……」

「リリホワ……」

「やっぱり、海未ちゃんに何か用事があってですか?」


希「ん~……今日は海未ちゃんじゃなくて」


穂乃果「おーい、希ちゃーん!」

希「やっほー、穂乃果ちゃん。ちゃんと、ことりちゃんもおるね」

穂乃果「希ちゃん、何かご用?」

希「二年生のみんなと親睦を深めるんために、一緒にお昼を食べようかなって思ったんやけど……海未ちゃんはおらへんね」

穂乃果「うーんと……いろいろあってね」

希「海未ちゃんとはリリホワでわちゃわちゃして、もう十分仲良うなってるしね。巷では、凛ちゃんと合わせてリリホワ三姉妹とか呼ばれとるんよ」

穂乃果「リリホワ漫才トリオじゃなくって?」

希「おっ、穂乃果ちゃん。言うようになったやん」

穂乃果「えへへ♪」


穂乃果(希ちゃんの本当の目的はことりちゃんのことだよね。穂乃果じゃ自信ないけど、希ちゃんだったらことりちゃんの悩みを聞き出せるはず……精いっぱいサポートするよ!)

希(穂乃果ちゃんもウチの目的に気づいとるようやね。よし、まずは雑談でもして場をあたためて……)


希「そういえば、ことりちゃん。昨日の魔法少女ちゃんの戦いを見てたん?」

穂乃果「見てなかったみたいだよ」

ことり「……」

希「今度はことりちゃんも一緒に応援しに行こう♪ ここだけの話……あの魔法少女ちゃん、海未ちゃんに似とるんよ」

穂乃果「そっくりだったよね!」

希「せやろ? 海未ちゃんに魔法少女のカッコをさせても恥ずかしがってうつむいたままやけど……なんと! あの魔法少女ちゃんはノリノリで戦ってるみたいなんよ!」

穂乃果「へー、それはぜひ見ないとだね! 海未ちゃんそっくりの魔法少女ちゃんがあのカッコで戦うと思うと……カメラで撮って、海未ちゃんにも見せてあげようっと」ウシシ

希「そんなんしたら、きっと海未ちゃん怒るでー。どうなっても知らんよー」ニシシ

穂乃果「大丈夫だよ! そうなったら、ことりちゃんの『お願い』で鬼の海未ちゃんの怒りを鎮めてもらうから。ねっ、ことりちゃん!」

ことり「うん……そうだね」

穂乃果「……」

希「……」


穂乃果(うっ……魔法少女海未ちゃんっていう、ことりちゃんが大好きな話をしてるのに、食いついてくるどころかろくに話も聞いてないみたい)

希(これは重症やね……この雰囲気、ウチには荷が重いんよ。でも雑談を続けんと……)


希「あー……でも、またあんなことになるんやとしたら、ことりちゃんには見せられへんかなぁ。にこっちから魔法少女ちゃんが何をされたのか聞いたんやけど……」

穂乃果「あれは酷すぎるよ! あんなのことりちゃんが見たらショックで寝込んじゃう!」

ことり「……」

希「穂乃果ちゃんかなり怒ってたもんなぁ。あんなおっかない顔したとこ初めて見たよ」

穂乃果「ブラックバードは許せないよ! 穂乃果も魔法少女になれたら一緒に戦うのに」


ことり「……」カタカタ


のぞほの「……!」ビクッ

希「ことりちゃん……?」

穂乃果「こ、ことりちゃん、どうしたの? 膝が震えて……」

ことり「ごめんね、私ちょっと調子が悪いみたい。保健室に行ってくるね……」

穂乃果「え、えと……それじゃ、一緒に行こっか」

ことり「ううん、一人で行けるから」

穂乃果「でも……」

希「穂乃果ちゃん、ことりちゃんがこう言ってるんやから」

穂乃果「そう、だね……じゃあ、何かあったらスマホに連絡してね!」

ことり「……ごめんね」カタンッ


ことり「……」スタスタ


穂乃果「ことりちゃん……」

希「ことりちゃん、ずいぶんと表情が強張ってたね。何かまずいことでも言ったんかなぁ……」

穂乃果「う、うぅ……ことりちゃんが何を悩んでるのかさっぱりわからないよ。ごめんなさい、幼馴染みなのに……全然ことりちゃんを助けてあげられなくて。海未ちゃんも元気がないし……こんなのじゃ幼馴染み失格だよ……」ショボン

希「ちょ、ちょっと、穂乃果ちゃんまでそんなんなったら……!」

穂乃果「でもぉ……」

希「大丈夫やって! 海未ちゃんとことりちゃんほどじゃないけど、ウチだって穂乃果ちゃんをサポートできるんやから!」


穂乃果「希ちゃん……!」

希「穂乃果ちゃん……!」


のぞほの「もっぎゅー!」ダキッ



「穂乃果ちゃんと東條先輩……何してるの?」

「美しい友情愛だよ!」

「えっ!? のぞほの漫才の練習じゃないの?」

………………

 ―同時刻・理事長室


理事長「昨日のことについてなんだけど……」

海未「先日の戦いは私の圧倒的な敗北でした……いえ、勝負にさえなってませんでしたね。コトリーヌにただ弄ばれているだけでした」

凛「……」

理事長「いいえ、わたしが言いたいことはそうじゃなくってね。もう魔法少女はやめてほしいの」

海未「何故ですか? 確かに私は力不足ですが。それでも……」

理事長「違うわ。もうこれ以上あんな目に遭ってほしくないのよ。ブラックバードがあんなに凶暴なんて……ホワイトバードさんはそんなこと言ってなかったのにね」ジロリ

白鳥「ちょっとちょっと! あんな凶悪なブラックバードが生まれたのは今回が初めてよ。わざと隠してたわけじゃ、間違ってもないんだから!」

理事長「それもそうね。あなたは嘘付きじゃなくて、能力不足なだけですものね。今更、役立たずのホワイトバードさんを責めても仕方がないし」

白鳥「能力不足に役立たずって……反論できないけど」ショボン

理事長「とにかく、これ以上うちの生徒をあの様な酷い目に遭わすことはできません」

凛「凛も……理事長と一緒の考えかな」

海未「凛、昨日は『応援する』と言ってくれていたではないですか」

凛「だって、あんなことになるなんて……海未ちゃんが傷つくなんて、もうやだよ!」

海未「凛……」

理事長「私も、個人的なことを言わせてもらえば、海未ちゃんがあんな惨いことをされるなんて嫌なのよ。あなた達三人が小さい時からずっと見てきたのですから」

海未「しかし……!」



??『アーアー……聞こえてる?』


凛「にゃっ!?」

海未「何奴!?」


??『誰かいないの? 聞こえてるならテレパシーで返事しなさい。魔翌力を持ってる人間なら受信できてるはずよ』


白鳥「聞こえてるわ……」


??『ちゃんと聞こえてるみたいね。送信も受信もできる。アンテナの電波に魔翌力を載せた、広域テレパシーの実験は成功ね!』


理事長「あなたは一体……?」


??『私? 私はプロフェッサー・マキ、アンチ魔法少女よ』


凛「何の用だニャ!」


マキ『あら、そんなの決まってるじゃない。ウーミンも聞こえてるんでしょ。何か言ってみなさいよ』


海未「宣戦布告……というわけですか?」


マキ『ふふっ、わかってるじゃない。二回も横槍があったんだから、今度は邪魔が入らないように戦いの場所を事前に教えてあげるってわけ』


海未「いいでしょう、受けて立ちます。決闘の場はどこですか?」

凛「ちょっと待ってよ、ウーミン! 相手の言うことなんて聞いちゃダメだよ!」

白鳥「リンの言う通りよ! 声援がないと魔翌力供給もされないのよ。それにどんな罠があるかわかったもんじゃないわ」


マキ『断るっていうなら、こっちにも考えがあるわ。そうね……これから指定する時間から十分遅れる毎に、人間どもを一匹ずつ捕らえて人体実験でもしようかしら。もちろん、このことを外に漏らしたりしちゃダメよ。そんなことしたら、集まった人間どもを一網打尽にして実験室送りにしちゃうんだから』クスクス


凛「にゃにゃ!? 何てことする気ニャ、この悪魔! アンチ魔法少女!」

白鳥「今度のブラックバードは手下のアンチ魔法少女まで残忍ね!」


マキ『初めからあなた達に選択権はないわ。正義の魔法少女が罪もない人間を見殺しにするわけないでしょうからね』クスクス


海未「もとより、私はあなたと一戦交えるつもりです」

凛「ウーミン!?」


マキ『そうこなくっちゃね。西木野病院って知ってるわよね。そこのすぐ近くの花猫倉庫っていう場所で待ってるわ。時間は……電波が届く範囲から考えると、遠くに居たとしても一時間あれば着く距離ね。今から一時間以内に指定場所まで来なさい、遅れたらどうなるかはさっき言ったわよね』


海未「しかと受け取りました。私は決して逃げません」


マキ『ふふっ、楽しみにまってるわ。それじゃあ、また後で会いましょう』プツンッ

海未「西木野病院の近く……すぐそばですね。凛、一緒に来てくれますか?」

凛「凛はマスコットだもん。魔法少女の海未ちゃんが戦うって言うんだったら、ちゃんとサポートするよ! ……でも危なくなったら、ちゃんと逃げてね」

海未「ええ、善処します」

理事長「行くのね」

海未「すみません……」

理事長「いえ、いいのよ。海未ちゃんは昔から正義感の強い子だったもの。罪もない人が酷い目に遭うのを放っとけるわけないでしょうし。だけど……無事に帰って来てね」

海未「はい!」

海未「行きますよ、凛!」

リン「リンはもう準備万端だニャ!」


海未「ラブアロー魔法少女ウーミン参上!」ボフンッ


ウーミン「それでは……」クルリ

ウーミン「行ってきますね」ニコリ

理事長「ええ……気を付けてね」


ウーミン「とうっ!」ダッ


リン「あっ! ちょっと待ってニャ! 置いてかないでニャー!」ピョンッ


< ウーミンはいっつも先走りすぎニャー!

< す、すみません!


白鳥「ウーミン……無理に笑顔を作ってたわね」

理事長「……そうね」

白鳥「……ごめんなさい」

理事長「いえ……あんなのが出て来たのは今回が初めてなんでしょ。それじゃ仕方ないわよ」

白鳥「けれど……」

理事長「それに、あなただけじゃなくて私にも責任があるわ。謝るんだったら海未ちゃんによ。ブラックバードを倒したら一緒に謝りましょうね」

理事長「それよりも今後のことを考えましょう。 次に契約ができるようになるまで何とか耐え切らないとね」

白鳥「南理事長……」ウルウル

白鳥「厚意が身にしみて……涙が溢れちゃうわ! このホワイトバード、ウーミンのためだったら一皮どころか羽毛を全部むしってあげるわ!」

理事長「ちょ、ちょっと……頭が濡れてきてるんだけど。どこから涙が出てきてるの!? ああっ、もう! いいから泣き止んでー!」

今回はここまでです

>>165 を再投稿します



??『アーアー……聞こえてる?』


凛「にゃっ!?」

海未「何奴!?」


??『誰かいないの? 聞こえてるならテレパシーで返事しなさい。魔力を持ってる人間なら受信できてるはずよ』


白鳥「聞こえてるわ……」


??『ちゃんと聞こえてるみたいね。送信も受信もできる。アンテナの電波に魔力を載せた、広域テレパシーの実験は成功ね!』


理事長「あなたは一体……?」


??『私? 私はプロフェッサー・マキ、アンチ魔法少女よ』


凛「何の用だニャ!」


マキ『あら、そんなの決まってるじゃない。ウーミンも聞こえてるんでしょ。何か言ってみなさいよ』


海未「宣戦布告……というわけですか?」


マキ『ふふっ、わかってるじゃない。二回も横槍があったんだから、今度は邪魔が入らないように戦いの場所を事前に教えてあげるってわけ』


海未「いいでしょう、受けて立ちます。決闘の場はどこですか?」

凛「ちょっと待ってよ、ウーミン! 相手の言うことなんて聞いちゃダメだよ!」

白鳥「リンの言う通りよ! 声援がないと魔力供給もされないのよ。それにどんな罠があるかわかったもんじゃないわ」


マキ『断るっていうなら、こっちにも考えがあるわ。そうね……これから指定する時間から十分遅れる毎に、人間どもを一匹ずつ捕らえて人体実験でもしようかしら。もちろん、このことを外に漏らしたりしちゃダメよ。そんなことしたら、集まった人間どもを一網打尽にして実験室送りにしちゃうんだから』クスクス


凛「にゃにゃ!? 何てことする気ニャ、この悪魔! アンチ魔法少女!」

白鳥「今度のブラックバードは手下のアンチ魔法少女まで残忍ね!」


マキ『初めからあなた達に選択権はないわ。正義の魔法少女が罪もない人間を見殺しにするわけないでしょうからね』クスクス


海未「もとより、私はあなたと一戦交えるつもりです」

凛「ウーミン!?」


マキ『そうこなくっちゃね。西木野病院って知ってるわよね。そこのすぐ近くの花猫倉庫っていう場所で待ってるわ。時間は……電波が届く範囲から考えると、遠くに居たとしても一時間あれば着く距離ね。今から一時間以内に指定場所まで来なさい、遅れたらどうなるかはさっき言ったわよね』


海未「しかと受け取りました。私は決して逃げません」


マキ『ふふっ、楽しみにまってるわ。それじゃあ、また後で会いましょう』プツンッ

………………

 ―花猫倉庫・エントランス前


ウーミン「人の気配がまったくないですね。雑草も生え放題ですし」

リン「最近、社長が夜逃げしたみたいだニャ。『西木野病院の近くの倉庫会社が潰れた』って真姫ちゃんから聞いたことあるニャー!」

ウーミン「ふむ……」ガチャリ

ウーミン「ドアは開けっ放しのままですね……いえ、プロフェッサー・マキとやらが開けておいたのでしょうか」


マキ『逃げ出さずにちゃんと来たみたいね』


スピーカーからマキの声が響く。


リン「ふにゃ!?」

ウーミン「約束通り、遅れることなく到着しましたよ」


マキ『随分と早かったわね、いい心がけだわ。おかげで時間を無駄にしなくて済んだわ』


リン「なんでリンたちが来たってわかったニャ!?」


マキ『監視カメラで見てたからよ。電気の代わりに魔力を流して機械を動かしてるの。あなたたちの動きは筒抜けだから妙なことをしても無駄よ』


ウーミン「私は初めから正々堂々と勝負を挑むつもりです」


マキ『さすがは正義の魔法少女ね。清々しいほどだわ』クスクス

マキ『入って来なさい』


ウーミン「言われなくても」カツン

リン「気をつけるニャ、ウーミン。絶対罠があるはずニャ!」


マキ『信用されてないわね……大倉庫で待ってるから早く来なさいよ』プツンッ


リン「切っちゃったニャ。勝手な奴だニャ!」

ウーミン「戦いの前にお喋りなんてしてもしょうがないですから、それはいいでしょう」

ウーミン「大倉庫ですか……ええと、こっちですね」カツンカツン

リン「にゃにゃ!? そんなに速く歩いて!? もっと慎重に進むニャー!」

ウーミン「大丈夫ですよ。先ほどから魔力探知を行っていますが何の反応もありません」

ウーミン「そこの扉の先を除いては」


一人と一匹の前には両開きの重厚な扉。不穏な空気をまといながらどっしりと構えている。


リン「この先はどんな罠があるかわからないニャ。武器を用意してた方がいいニャ」

ウーミン「そうですね……ラブ・ブレード!」チャキンッ


剣を構えたまま、扉を少しだけ開いて中の様子をうかがう。
倉庫の中は明りが点いており、棚や箱などといったものもなくがらんとしている。扉の反対側の壁には白衣姿のプロフェッサー・マキの姿が。そしてその横には、うねうねと触手を動かしている植物の化け物が陣取っている。


マキ「そんところでぼやぼやしてないで早く入って来なさいよ。よく調べてみなさい、罠なんてないでしょ?」


リン「ああ言ってるけど……ウーミンどうかニャ?」

ウーミン「ええ、あのアンチ魔法少女とその隣の魔物から以外、どこからも魔力を感じませんね」


マキ「だから、さっきから言ってるでしょ。ここに罠なんてないわ」


ウーミン「行きましょう」スッ

リン「にゃっ!」テクテク


倉庫内へと体を滑り込ませ、警戒しつつ歩みを進める。


マキ「ほんとに疑り深いわねぇ……」

ウーミン「相手の陣地に入って行くのですから、これくらいは当然の用心です」

リン「アンチ魔法少女の言うことなんて信用できないニャ。きっと隠れたところに罠があるはずニャ!」

マキ「だから、ここにはないって言ってるでしょ……ここにはね」スッ


マキが袖の中にしまっていたスイッチを取り出す。。


ウーミン「何を……!?」ダッ


それを見たウーミンが一気に駆け寄ろうとするが、


マキ「もう遅いわ」ポチッ




 『マキチャン カワイイ カキクケコ!!』
 『マキチャン カシコイ カキクケコ!!』



大音量でスピーカーから合成音声が流れる。


ウーミン「なっ……!?」ガクリ

リン「にゃっ!?」ステン


その場にへたり込む一人と一匹。


ウーミン「足に力が……!?」ググッ

リン「体に力が入らないニャ!?」


マキ「トマト怪人、やってしまいなさい」

トマト怪人「うねうねっ!」シュッ


マキの真横にいる触手の化け物……トマト怪人が先端に針の付いたツタをうねらせ、ウーミン目がけて一斉に射出する。
満足に体も動かせないウーミンに乱れ飛ぶ棘針が容赦なく襲いかかる。


ウーミン「ぎっ……!!」

リン「ウーミン!?」


木綿針のような棘が、腕に足に何か所も突き立てられる。


マキ「もういいわね。スピーカーをオフに、と……」ポチリ

ウーミン「ぐ……体が……痺れて……」

マキ「あなたの負けよ、魔法少女。エリチカ公爵もコトリーヌ総統も、馬鹿正直に正面から挑まないで初めからこうすればよかったのよ」

ウーミン「あ……う……」グタリ


ウーミンの四肢から力が抜け切り、仰向けに崩れ落ちる。


マキ「あっけないわ。話に聞いてたどおりの弱さね」

リン「ウーミンは弱くないニャ! そうにゃ、あのおかしなスピーカーのせいで……何をしたニャ!?」

マキ「何をしたっかって? 簡単な話よ。さっき『電気の代わりに魔力を流して機械を動かしてる』って言ったでしょ? 魔力の発生装置を放送室に置いといてマイクへと流し込む。そして電線を伝って流れきた魔力を、スピーカーから出てくる音波に乗せたのよ。それを聞いたあなた達は拘束魔法にかかって、体が動かせなくなったってわけ」

トマト怪人「うねっ♪」

マキ「このトマト怪人は耳がないから自由に動ける……簡単な話よ」

リン「最初から罠にはめる気だったのかニャ!? 卑怯ニャ!」

マキ「私は魔法少女の駆除に来たのよ。掃除をするのに卑怯も何もないでしょ?」

リン「うにゃにゃ……ろくでもないやつニャ!」

マキ「ふふっ♪ 勝手に言ってなさい」

トマト怪人「うねうね♪」


ウーミン「う……あ……」


マキ「あら、魔法少女がほったらかしになってたわね。こっちに引っ張ってきなさい」

トマト怪人「うねっ!」ヒュッ

ウーミン「あ……」ガシッ


ウーミンの片足にツタをからませ、ずりずりと引きずり始める。


マキ「トマト怪人については、実演しながら説明してあげるわ」

ウーミン「う……」ズルズル

マキ「あらあら、針が痛々しいわね。これだけ刺さってればしゃべることもできないはずだわ。これからする遊びに邪魔だから抜いてあげる」サッサッ

ウーミン「ぐ……」


手足に突き刺さった棘針を手際よく抜いていく。


マキ「まずはこの針について教えてあげる。トマト怪人、あの猫を捕まえなさい」

トマト怪人「うねねっ!」シュッ

リン「うにゃ!?」タタッ


マキの言葉を耳にして逃げ出すも、たやすく触手でぐるぐる巻きにされてしまう。


リン「何する気ニャー!? 動物虐待はダメだニャー!!」ジタバタ

マキ「この怪人はミニトマトの苗を改良して造ったの。ツタを自由自在に動かせるのよ」

リン「放すにゃっ! 放さないとこうだニャ!!」バリバリ

マキ「細胞の一つ一つに魔力が込められてるの。細胞壁だって魔法で硬化されてるんだから、猫に引掻かれたくらいじゃ傷ひとつ付かないわ」

マキ「そして攻撃方法はこれよ!」

トマト怪人「うねっ!」ピュッ

リン「ふぎゃっ!!」プスリ


注射針ほどの針がリンの尻に刺し込まれる。


マキ「ツタの先端から撃ち出す毒針。これをくらうと全身が麻痺して発声もできなくなるのよ。猫程度の大きさだったらこれくらいの量でも充分みたいね」

リン「にゃ、にゃ……」グタリ

マキ「ふふっ、危ないから抜いてあげるわ」スッ

リン「にゃ……」

マキ「さて、ここからが本番。麻痺毒で体が動かなくなった相手をどうするか?」

ウーミン「く……」

マキ「心も身体も壊れるまで触手で遊んであげるのよ」

トマト怪人「うねうね」グッ


触手を持ち上げてウーミンを片足逆さ吊りにする。


ウーミン「う、あ……」


両腕と、ツタに絡まれていない方の足をだらりと垂らし、口をぱくぱくさせながらマキを睨みつける。


マキ「その目……まだあきらめてないのね。まあいいわ、強情な方が壊しがいがあるもの」

トマト怪人「うねね!」スッ


さらにウーミンへと触手を伸ばし、両腕と残りの片脚に絡める。ツタを器用に動かし、ウーミンをくるりと回して大の字にさせ、手足をきつく引き伸ばす。


トマト怪人「♪」ギチギチ

ウーミン「い……ぐ……」

マキ「ふふ……痛いでしょう。このまま手足を引きちぎっちゃおうかしら」

ウーミン「あ、あ……」

マキ「そんな怯えた顔をしなくても大丈夫よ。生きたまま連れて来いって総統に命令されてるからね」

ウーミン「う……」

マキ「その前に、たっぷりと可愛がってあげるわ。えーと、カメラを……」モゾモゾ


白衣のポケットをまさぐって、


マキ「あったわ。あとはこれも……」


ポケットの大きさとは不釣り合いのカメラと三脚をぐぐいと取り出す。


ウーミン「い……あ……」

マキ「魔法少女が苦しみよがるところを撮って、総統のおみやげにするのよ」


口を動かしながら、手際よく三脚を設置してその上にカメラをしっかりと取り付ける。


マキ「立ったままだと疲れるから」


またもや白衣から、今度は手すり付の立派な椅子を取り出し、ゆったりと腰掛ける。


マキ「さて、それじゃあそろそろ始めようかしら。『魔法少女の触手凌辱ショー』をね」

今回はここまでです。

トマト怪人「うねー♪」ニョロニョロ


触手をウーミンの口元へと伸ばす。


ウーミン「あ……う……」


ツルの先端が唇に触れる。歯の隙間をこじ開けて、中へ中へとじわじわと滑り込む。


ウーミン「がぁ……ぐ……」

トマト怪人「うねー♪」ピュピュッ


触手の先から粘液が放たれる。


ウーミン「ぐっ……」


舌を震わせて掻き出そうとするが、さらに奥へと入り込んでいく。


トマト怪人「うねうねー♪」ビュビュー

ウーミン「ごっ……がっ……」


のど奥へと粘液が注ぎ込まれる。無理やり飲み込まされ、苦しさにウーミンの顔が歪む。


ウーミン「げほっ……ごほっ……! うぐっ、何を飲ませて……!?」

マキ「麻痺毒の解毒剤よ。しゃべれるようにしてあげたってわけ……魔法少女の悲鳴が付いてた方が見応えがあるでしょうからね」

ウーミン「悪趣味な……!」

マキ「そうそう……そんな風に見苦しくわめきなさい」

ウーミン「くっ……ラブ・ブレード!」


刀を呼び寄せるも、指一本さえ動かすこともできずに、手のひらを滑り落ちていってしまう。


ウーミン「うっ……」

マキ「あらあら、落っこちゃったわね。悪あがきなんてしても無駄だっていうのに……お仕置きしてあげなさい」

トマト怪人「うねっ!」シュルル


ウーミンの下半身へと触手をしゅるしゅると伸ばす。
素足を這いずる不快感、湧き上がる嫌悪感に思わず身をよじる。。


ウーミン「やっ……やめなさい!」

トマト怪人「うね~?」

マキ「この子は耳がないんだから、ちゃんとテレパシーで会話しないと通じないわよ。まあ……私以外の言うことは聞かないんだから、そんなことしても無駄だけどね」

トマト怪人「うねねー♪」シュルル


スカートの中にツタが入り込み、ウーミンの下腹部を下着越しに撫で回す。

ウーミン「い、いや……! やめなさい!」

マキ「あら、やめてほしいの? トマト怪人、ちょっと待ちなさい」

トマト怪人「うね!」ピタッ

ウーミン「うっ……」

マキ「今からあなたの生殖器に触手を入れようって思うんだけど……嫌なの?」

ウーミン「当たり前です!」

マキ「ふーん……そうねえ、『お願いします、マキちゃん様』って言えば、今入れるのはよしてあげるわ」

ウーミン「ぐっ……そんな屈服するような台詞など……」

マキ「いやなら別にいいのよ。あなたの中に何本も突っ込んでズタボロに掻き回してあげるわ……トマト怪人、続けなさい」

トマト怪人「うねっ!」

ウーミン「まっ、待ってください!」

トマト怪人「うね?」

ウーミン「言えばよいのでしょう! ……言いますから」

マキ「ふふっ……」


ウーミンは唇をかみしめ、一呼吸おいてから再び口を開く。


ウーミン「そのようなことをするのはやめてください……お願いします……マキちゃん様」

マキ「ふふっ、ちゃんと言えたわね。感情が全然込もってないのが不満だけれど……それはまあいいわ。約束通り、今入れるのはやめてあげる」

ウーミン「……」

トマト怪人「うねー?」

マキ「別のところを痛めつけた後に入れてあげるわ♪」

トマト怪人「うねねー♪」

ウーミン「なっ……!? あなた、嘘を……!」

マキ「嘘なんてついてないわよ。『今入れるのはよしてあげる』って言っただけで、入れる事自体は否定してないもの」

ウーミン「ぐっ……謀りましたね!」

マキ「きちんと聞いてない方が悪いのよ。まずは……そうね、引っ張りっこから始めましょうか」

トマト怪人「うねっ!」ググッ


ウーミンを捕らえている四本の触手に力を込めて引っ張り始める。


ウーミン「うっ……!」


ぎちぎちと引き絞られて、手足が悲鳴をあげる。


ウーミン「うっ、あっ……」


関節技を決めらたときのように靭帯が痛みを発する。


ウーミン「んっ、ぐっ……」


くぐもった声をあげるウーミンをマキは楽しそうに見つめている。


マキ「苦しいんだったら、我慢しないで泣き叫んでもいいのよ」

ウーミン「誰が……これしきのことで。お父様の稽古と比べればこんなもの何ともありません!」

マキ「あら、そう……トマト怪人、力が弱いらしいわよ」

トマト怪人「うねねっ!?」グググッ

ウーミン「ぎっ……!!」


右腕に絡めている触手を一気に引っ張る。


ウーミン「あああぁぁっ……!!」


肩の関節を外される。靭帯がぶちぶちと千切れる。


ウーミン「あ……がっ……! ぐっ……!!」


神経が絶え間なく信号を発する。背中がぞわぞわとして、額には冷や汗が溢れ、手足の裏は汗まみれになる。


マキ「そうよ。それが聞きたかったの」

ウーミン「くぁっ……! ふっ……!」

トマト怪人「うっねっねっ♪」


マキが満足そうに微笑み、トマト怪人も調子をとって触手を揺らす。


マキ「さてと……肩が外れたままじゃ可哀想だから治してあげなさい」

トマト怪人「うねっ!」プスリ


先端の針をウーミンに刺し込んで、何やら液体を注入する。


ウーミン「んぐっ……!! んんっ……」

ウーミン(ん……? 痛みが引いて来て……)


マキ「魔力をたっぷりと溜め込ませた薬を注射したわ。この薬はね……肉体を再生することができるのよ! 千切れた靭帯もあっという間にくっついて元通り……ふふっ、素晴らしいでしょう♪」

トマト怪人「うねね♪」

ウーミン「くっ……そんな敵に塩を送ることをして、一体どういうつもりですか!?」

マキ「『どういうつもり』かは体で教えてあげるわ……トマト怪人!」

トマト怪人「うねっ!」ググッ


再び右腕を勢いよく引っ張る。


ウーミン「あがぁぁっ……!!」

マキ「あらあら……せっかく治ったのに、また千切れちゃったわね」

ウーミン「がっ……ぐぐぐっ……! あっ、ううぅぅ……!!」

マキ「こういうことよ……肉体が損傷しても、治療して何度でも苦痛を与えられる……治してあげなさい」

トマト怪人「うねねー!」プスリ

ウーミン「あっ……うぅ……」

マキ「どう? まだ耐えられるかしら?」

ウーミン「これくらい……大したことありません!」

マキ「ふふっ♪ それはよかったわ。まだまだ試してみたいオモチャがあるしね……トマト怪人、次はを棘のツタを使いなさい」

トマト怪人「うねー!」スススッ


伸び上がる四本の触手。その表面には茨のように棘がびっちりと生えている。


マキ「たっぷりと遊んであげなさい」

トマト怪人「うねっ!」


迫る茨の触手。身動きのとれないウーミンはただ受け入れるしかない。


ウーミン「ぐっ……!」


両腕に一本ずつ、前腕から上腕へとゆるゆると絡み付く。棘が皮膚を突き破り、じわりと血がにじみ出る。


トマト怪人「うねっ♪」シュルル


両手足を支えていた触手を引き戻す。茨のツタに全体重がかかり、棘針が肉に食い込む。


ウーミン「うぐっ……! んんっ……!」


溢れ出る苦悶の呻きを、唇を噛んで必死に抑え込む。


マキ「うふふ、いい表情になってるわね……今度は脚をしてあげなさい」

トマト怪人「うねうねっ!」シュッ


ウーミンの左足へと棘の触手を伸ばして足首に絡ませる。


ウーミン「うっ……!」


ゆっくりゆっくりと舐めるように、脚を這い上って行く。


ウーミン「あっ……! うぅっ……!」


ひと回りひと回り、巻き付く度に小さな悲鳴が漏れ出る。


ウーミン「ぐっ……あっ……!」


脛から膝、太ももへと、じっくりいたぶりながら絡み付かせていく。
肌を突き破る棘。滲み出す血潮。脳を揺らす疼痛。


トマト怪人「うねねー♪」

ウーミン「あぐっ……はっ……!」

マキ「もっとゆっくり巻きなさい」

トマト怪人「うねっ!」

ウーミン「ぐっ……あぁっ……!」


くぐもった悲鳴が辺りに響く。
マキは微笑を浮かべ、トマト怪人も楽しそうに触手をくねらせる。
ウーミンは成すすべもなくなぶられて呻き続ける。リンはその姿を声を上げることもできずに黙って見ているしかない。


じわじわとたっぷりいじめ抜き、ようやく巻き終える。


マキ「左足は終わったみたいね」

トマト怪人「うねっ!」

マキ「じゃあ次は右ね」

トマト怪人「うねねー♪」シュッ

ウーミン「うぐっ!」


先ほどと同じように、たっぷりと時間をかけてウーミンを責めさいなむ。


ウーミン「がっ……! ぐっ……んんっ……!」

マキ「そうそう……そういうふうにゆっくりとね。焦っちゃダメよ、いっぱい苦しめてあげなさい」

トマト怪人「うねっ!」

ウーミン「あっ……んぐっ……!」


呻き声が響き続ける。棘針に手足のすみずみまで凌辱されて、血がじわりじわりと流れ出し、
右足も巻き終えた頃には触手は赤く染まっていた


マキ「あらあら……随分と血が流れちゃったわね」

トマト怪人「うねね♪」

ウーミン「ぐっ……」

マキ「痛いんだったら我慢しないで、さっきみたいに泣きわめいていいのよ」

ウーミン「くっ……さきほどの痛みに比べればこんなものなんて蚊に刺されたようなものです」

マキ「ふーん……まあ、靭帯破裂と比較したら大したことないかもしれないわね」

トマト怪人「うね??」

マキ「それじゃあ今度は趣向を変えて、下の方を弄ってみようかしら」

トマト怪人「うねっ♪」

ウーミン「なっ……!? ま、待ちなさい! そんなの嫌です!」

マキ「なによ、急に騒ぎ出したりして。さっきみたいに黙って耐えてなさいよ」

ウーミン「こ、こんなっ、破廉恥なのは嫌です!」

マキ「そんなの私の知ったことじゃないわ……やってしまいなさい」

トマト怪人「うねー♪」ササッ


二本の触手が素早く伸び進み、ウーミンの腰をつんつんと突く。


ウーミン「やっ、やめなさい! こんないやらしいこと!」


ウーミンの制止など聞く耳を持たずに、服の上を探るように這い回る。


トマト怪人「うね♪」

ウーミン「うっ……///」


やがてスカートの中に入り込み、うねうねと踊り始める。


ウーミン「うぐ……や、やめっ/// こんなの破廉恥です!」

マキ「これくらいで何泣きごと言ってるのよ……今からもっとひどい目に遭わせてあげるんだから」

トマト怪人「うーね♪ うーね♪」


二本の触手がウーミンの鼠蹊部を撫で回した後、そのうちの一本が下着の中に滑り入る。


ウーミン「い、いやっ!」


先端で何かを探るように、触手がくねくねと動き回る。


ウーミン「やめなさい……!」

トマト怪人「うね~?」


ついに膣の入り口を探り当てる。ツタの先っちょを何度も出し入れしてウーミンをもてあそぶ。


ウーミン「やだっ……! やめてっ!」

トマト怪人「うねねー♪」ズイッ

ウーミン「いっ……!」


少しもためらうことなく一気に奥まで挿入する。無理な力がかかり、膣壁は裂けて血が滲み出す。


ウーミン「うっ……あぐっ……!」

トマト怪人「うねねー♪」グイッグイッ


触手がうねうねと暴れ回り、中を強引に押し広げてこれでもかと傷を与えていく。


ウーミン「いっ……あっ……!」

マキ「これくらいどうってことないでしょ? 昨日はもっと太いものを入れられたんだから」クスクス

ウーミン「うっ……やめっ……!」

マキ「それじゃ、もう一本行ってみようかしら」

ウーミン「やっ……! もう、これ以上は……!」

トマト怪人「うねうね♪」ズズッ

ウーミン「ぐっ……がっ……!!」


さらにもう一つの触手が無理やりに隙間をぬってねじ込まれる。


トマト怪人「うねうーね♪」グッグッ

ウーミン「いっ……! ぎっ……」


狂ったように中でくねり暴れる。


ウーミン「もう、止めて…………ぐっ……!」

トマト怪人「うね♪」


苦痛に歪むウーミンの顔を見て、責めをますます加速させる。いっぱいとなった膣を無理やり広げようと渾身の力を込めて触手を波打たせ、さらには膣壁に押し付けたツタを上下に動かし、ごりごりと擦っていく。


ウーミン「あぐっ……! ふっ……がぁっ……!!」

マキ「ふふっ、そんなに苦しそうな声を出して、可愛いそうに。そろそろやめてあげなさい」

トマト怪人「うね!」ズルリ

ウーミン「ぐっ……!」


ぐいっと触手を引っ張り出す。その先端は粘液と血にまみれており、見せつけるようにウーミンの前で揺らし遊ぶ。


マキ「あら……随分と汚れちゃったわね。ちゃんと綺麗にしときなさい」

トマト怪人「うねっ!」ズボッ

ウーミン「むぐっ……!?」


自身のもので汚れた触手を口の中に突っ込まれる。


ウーミン「うぐ……あぐっ……!」


口内を強引に広げられ、汚れたものを舌の上、口蓋、歯列に擦り付けられる。


トマト怪人「うねー♪」ズイッ

ウーミン「ごっ……!!」


のどにまで入り込まれる。せり上がる嘔吐感。涙が溢れる。食道が痙攣する。


トマト怪人「うねうね♪」スッ

ウーミン「うっ……げぇっ……!」


散々口内をなぶった後、ようやく触手を引き出す。
ウーミンはえずき苦しみ、唾きを舌で必死に掻きだす。


ウーミン「うっ……あぅ……」

マキ「辛そうねえ……あら、せっかくの衣装も血だらけになっちゃってるわね」


腕から流れ出た血が衣服を伝わり、脇腹を赤く染めている。足の指からも赤い液体がぽたぽたと滴り落ちる。


マキ「あれだけいじめてあげたんだから、スカートの下も血まみれになってるでしょうね♪」

トマト怪人「うっねっねっ♪」

ウーミン「ぐっ……」

マキ「さて、最後にあれを使ってみようかしら」

トマト怪人「うねっ!」シュシュッ

ウーミン「うぐっ……!」


茨のツタが一本ずつ、胸と腹部にぐるりと巻き付く。


マキ「ふふっ♪」

ウーミン「何をするかと思えば……今さらこれしきの痛みなど」

マキ「心配しなくても大丈夫よ。とっておきのを今から味わせてあげる」

トマト怪人「うねっ!」ピュピュッ


巻き付いた触手の幾多もの棘から一斉に粘液が放たれ、皮膚の下へ入り込んでいく。


ウーミン「いっ……!?」

マキ「ふふっ……」


突如、びりびりと痺れる感覚。神経が悲鳴をあげる。


ウーミン「あぐっ……! ああああぁっ!!」

マキ「疼痛物質がたっぷり入ったお薬の味はどうかしら?」

ウーミン「いっ……! があっ!!」

マキ「聞いてないわね……まあいいわ。そうそう、あなたの手足に絡み付いてるそれ、そこからも出せるようになってるのよ」

トマト怪人「うねね~♪」ピュピュッ

ウーミン「いっ! ぐっ……! あがぁああぁ!!」


胴体から四肢から、体中の神経が狂ったように信号を発する。のたうち回りたいけれど、指一本さえ動かせず、のどを枯らしてただ叫び続けるしかてきない。


マキ「まだまだこんなものじゃないわよ! あそこにもたっぷりと注いであげなさい」

トマト怪人「うねねっ!」スススッ


再び二つの触手がスカートに侵入する。一気に下着の中にまで潜り込み、躊躇なく膣を突き上げる。


ウーミン「あぁっ……!ぐっ……ぎっ……!!あぐっ!」

マキ「あらあら、また入れられちゃったわね。もっとも、痛みでそんなことまで気にしてられないと思うけど」

トマト怪人「うっねっねっ!」

マキ「でもね……まだまだ痛くなるのよ!」

トマト怪人「うねねー!」ピュピュ


ウーミンの中で触手から粘液を放たれる。。


ウーミン「ぎぎっ……! あがっ! あががっ……!!」


裂けた膣壁に染み込む。乱れ狂うほどの痛みが走り回る。


ウーミン「あっ……あああっ!! うううっ……! ぎっ!! がっ……!!」


耳をつん裂く絶叫。悲鳴が部屋中で反響する。


マキ「まったく……ぎゃんぎゃんうるさいわね」

ウーミン「がっ、ぐぅ……!! あぐっ! があぁ!!」

マキ「言ったそばから……ちょっと黙らせなさい」

トマト怪人「うねねー!」シュルシュル


触手をウーミンの首まわりに絡み付かせて……


トマト怪人「うねっ♪」ギュギュッ


きゅっと締め付ける。


ウーミン「……がぁっ!?」

トマト怪人「うねねー♪」ギュー


さらにゆるゆると締め上げていく。


ウーミン「くふっ……! かふっ……!!」


声をあげることもできなくなる。のどを通り抜ける空気がむなしく音をたてる。


トマト怪人「うっねっね♪ うねね♪」ギュッギュッ

ウーミン「ふっ……! かひっ……!」

マキ「ほらほら、あんまりやり過ぎると死んじゃうわよ♪ それくらいにしといてあげなさい」

トマト怪人「うねー!」サッ

ウーミン「うっ……」

ウーミン「ごほっ!! げほっ……!!」


ようやく窒息の苦しみから解放される。だが安堵もつかの間。再び痛みの波がさざめき立つ。


ウーミン「いっ……!! やっ!! ぐっ……! があぁっ……!!」

マキ「また始まったわ、忙しいこと……それにしてもうるさいわね」


両手で耳を押さえて、悲鳴を上げ続けるウーミンをつまらなそうに見つめる。


マキ「何だか飽きてきちゃったわ」

トマト怪人「うね?」

マキ「後はあなたに任せるわ。ある程度遊んでから……そうね、変身が解けるくらいいじめてあげれいいかしら。そしたらコ私たちのアジトに連れて来なさい」

トマト怪人「うねっ!」

マキ「それじゃあ先に帰ってるから、よろしくね」

トマト怪人「うねねー♪」フリフリ


触手の先を器用に動かして、ドアを開けて出ていくマキに愛想よく振る。
ばたん、と扉がしまり、残されたのはトマト怪人と悲鳴を上げ続けるウーミン、そして声も出せずに横たわったままのリンだけ。

今回はここまでです

リン(理事長先生……ホワイトバードさん……聞こえてますかニャ?)

リン(……)

リン(さっきからテレパシーしてるのに全然つながらない……)キョロキョロ


かろうじて動く目だけを頼りに辺りを見回す。


リン(にゃっ!?)


カメラのすぐ側に一メートルぐらいの発信アンテナが立っているのを見つける。


リン(あそこから妨害電波が出てる……そうだ、スマホで連絡すれば……)

リン(……)

リン(学校のバッグに入れっぱなしだったニャ)


落胆している合間にもリンへと叫び声が降り注ぐ。


リン(うにゃ、落ち込んでる場合じゃないニャ! とにかく、ウーミンを助けないと……)ググッ


懸命に力を込めるも、微かに指を震わすことしかできない。


リン(動いてニャ! ウーミンがあんなに苦しんでるのに!)


必死になって動かそうとするも、腕も足もぴくりともしない。


リン(うぅ……ウーミン……)



ウーミン「がっ……!! ぐっ!! ああぁぁっ……!!」

トマト怪人「うねうーね♪」


与えられた玩具が苦しみ悶える姿を見て、トマト怪人は喜びの声をあげる。


トマト怪人「うねっ!?」ピコーン


何やら思いついたトマト怪人。両方の手首と足首に棘の付いていないツタを絡みつかせ、茨の触手をほどいていく。さらには膣に入ったままの触手もずるりと抜き出す。


ウーミン「がぅっ……! あ……ぐっ……! ううぅ……」


ようやく疼痛物質から解放されて痛みが少し和らぐ。


ウーミン「はぁ……うっ……! はっ、ふぅ……」


何度も息を出し入れして呼吸を整える。

トマト怪人「うねねー♪」シュルシュル

ウーミン「うっ……!?」


息をつけたのも束の間、うねうねと波打ち触手が迫り来る。


ウーミン「や、やめっ……!」


何本もの触手が太ももを這い上り、ウーミンの秘部や臀部を下着越しに撫で回す。


ウーミン「ぐっ……! もう、やめて……」


首もとから袖から、強引に潜り込んで中をまさぐる。


ウーミン「うっ……あっ……」

トマト怪人「うねっ♪ うねっ♪」


触手がのたうち暴れる度に、ぼこりぼこりと布地が膨らみ泡立つ。ウーミンは弱々しく呻きながらなすがままにされている。


ウーミン「もう……いやです……」

トマト怪人「うねっ!」グイグイッ


力まかせにぐいぐいと引っ張る。


トマト怪人「うねー♪」ビリビリ

ウーミン「うぅ……」


無理やりに上衣を引きちぎられ、前が露わになる。白い肌は赤く塗れて、茨で傷つけられた部位からはまだじわりと血が浸み出している。


トマト怪人「うねうねー♪」クネクネ


棘の触手を見せつけるようにウーミンの前でくねらす。


ウーミン「いやっ……! お願いですから……やめて……」

トマト怪人「うねっ!」ヒュッ


懇願むなしく茨のツタが振り下ろされる。


ウーミン「いぎっ……!! あがぁああ!!」


棘が肌を貫く。染み込んだ疼痛物質が神経をいたぶる。


トマト怪人「うねっ♪」バシンッ

ウーミン「があっ!!」

トマト怪人「うねうね♪」バシバシンッ

ウーミン「ごっ……!!あがっ……!!」


腹部を、肩を、腕を、足を滅多打ちにする。肌は裂け、肉を穿たれ、鮮血が飛び散る。

ウーミン「ぎいっ……!! や、やめ……がぁっ!!」

トマト怪人「うねねー♪」バシンッ

ウーミン「いぃっ……!!」

トマト怪人「うねっねっ♪ うねねっ♪」ビシバシバシンッ

ウーミン「ぎがっ……!! あぁううぅ……!!」


鞭打つ音が鳴る。のどを枯らす程の絶叫。血に染まる触手。涙が流れ落ちる。


トマト怪人「うねっ!」ピタリ


突然、触手を振るうのをやめる。


ウーミン「あぁ……ぐっ! ううぅ……」


神経があげ続ける悲鳴に悶え苦しむ。素肌に穿たれた点から血が溢れ、赤い筋となって流れ下りていく。


トマト怪人「うねね~!」ググッ


両手足を縛る触手に力を込める。


ウーミン「いっ、いやっ! ゆるして! お願いですからっ!!」


何をされるか感づいて必死に叫ぶ。


トマト怪人「うねっ!」グッ


しかしそんなことなど意に介さず、子供が玩具をもて遊ぶみたいに、ぐいっと四肢を無理やりに引っ張る。


ウーミン「いぃぃぃぃ……!! がっ!! があぁぁっ……!!」


絶叫。左肩の靭帯が破裂する。


ウーミン「ぐぅぅっ!! いっ……!! ああぁぁっ!!」

トマト怪人「うねうね♪」プスリ


ウーミンに回復薬入りの粘液を注射する。


ウーミン「うっ……あぁぅ……」


みるみると痛みが引いていき、靭帯が再び繋がる。

トマト怪人「うねねっ♪」グッ

ウーミン「やだっ! そんなっ……!」


触手が再度力み始める。


トマト怪人「うねっ♪」グイッ

ウーミン「いっ……がっ!! がぁああ……!!」


右膝の靭帯がちぎれる。


ウーミン「ぐぅっ……あぐっ……!」

トマト怪人「うねっ♪」プスリ


靭帯が再生する。触手に力が込められる。


ウーミン「うぐ……いや……ゆるして…」


惨めに涙を流しながら、かすれた声で許しを乞う。


トマト怪人「うねねっ♪」グイッ

ウーミン「ひぐっ……!! あがぁあっ……!!」


何度も何度も靭帯を引き裂いては再生させ、また引きちぎる。苦悶の悲鳴と哀れに懇願する声とが繰り返し響く。


トマト怪人「うねっ!」グイッ

ウーミン「あがぁっ……!! ひぐぅ……!!」

トマト怪人「うねー♪」プスリ

ウーミン「ぐっ…………! うぅ……もう、いや……」

トマト怪人「うねうね♪」シュルル


ウーミンの下腹部へと触手を伸ばす。


ウーミン「もういやです……こんなことなら……魔法少女になんて……」

トマト怪人「うねっ!」グイッ


スカートを下着もろ共引きちぎる。露わになった秘部に触手を這わす。


ウーミン「うっ……」

トマト怪人「うねー♪」ズッ

ウーミン「ぐぅっ……!」


ウーミンの中へと入り込む。二本の触手が暴れ回り、膣を強引に押し広げる。


ウーミン「んぐっ……あぐっ……!」

トマト怪人「うねねー♪」シュルシュル


さらにもう一本の触手を無理やりねじ込もうとする。

ウーミン「いっ……!! これ以上は……! 入らな……」

トマト怪人「うねねっ!」ズズッ


三本目がわずかな隙間をこじ開けて入ってくる。


ウーミン「ぐぅ……かっ……!!」

トマト怪人「うねー♪」ピュピュッ


中で粘液が放たれる。


ウーミン「いいぃっ……!!」


裂けた膣壁を疼痛液が覆い、悶えるほどの苦痛に晒される。


ウーミン「ひがっ……!! がぁああっ!!」

トマト怪人「うねうねー♪」ススッ


棘付きの触手を掲げて、


トマト怪人「うねっ!」ヒュッ


力一杯ウーミンに叩きつける。


ウーミン「ががっ……!! あぐっ……!」

トマト怪人「うっねっねっ♪」ピュピュッ


触手の先から粘液を吐き出し、身体中にしたたかかける。


ウーミン「いっ……!!」


傷口から疼痛物質が中へ中へと浸み込み、神経をなぶる。全身がびりびりと疼く。


トマト怪人「うねー♪」グイグイッ

ウーミン「ぐっ……!! ううぅぅっ……!」


膣内を力まかせにかき回す。


トマト怪人「うね?♪」ピュピュッ

ウーミン「がぐっ……!! ひぐっ……!!」


放たれる粘液。収まりきれない液体が吐き出され、触手と太ももをぬらぬらと伝い落ちる。

トマト怪人「うねねー!」ビシバシンッ

ウーミン「ぐうっ……!!」


中をなぶったまま、茨のツタでウーミンの肌を執拗に鞭打つ。


ウーミン「あぅぅっ……! いいぃっ……!!」

トマト怪人「うねねっ♪」ピュピュッ


ほとばしる粘液がウーミン目がけて降り注ぐ。それは血液と混ざり合い薄紅色に染まる。


ウーミン「ひぎっ……!!」

トマト怪人「うねっ!」バシンッ


悶えるウーミンにさらに鞭を加える。


ウーミン「あがっ……! ごふっ……!!」


一振りするごとに赤く濁った粘液が飛び散る。白い素肌に新たな穴をうがたれ、だらりだらりと血が流れ出る。


トマト怪人「うねね?♪」グイグイッ

ウーミン「ぎっ……!! ぐがっ……あがぁっ……!!」


中に疼痛物質を吐きながら、触手が暴れ回り膣壁を削る。身体の外も中もいたぶられ、涙がとめどなく溢れる。


トマト怪人「うねっ」ピタリ


触手の動きを止め、鞭打ち遊びをやめる。

ウーミン「あぐっ……! あっ、あぁ……」

トマト怪人「うねねっ♪」グッ


両手足に絡めたツタに力を込める。靭帯ちぎりの遊びを再び始める。


トマト怪人「うねっ!」グイッ

ウーミン「あがぁあぁっ……!!」


右手首に絡まっている触手を思いっきり引っ張る。肩の靭帯がぶちぶちと裂ける。


トマト怪人「うねねっ!」グイッ

ウーミン「ひぎっ……!! がああぁ……!!」


次は左肩。


トマト怪人「うねー♪」ググイッ

ウーミン「ぎぎっ……!! ごっ、ぐがっ!! ああぁああっ……!!」


今度は左右の足を一ぺんに。両膝が外れる。


ウーミン「あっ、ああ……ぐぅっ……!」

トマト怪人「うっねっねっ♪」スルスル


両足の太ももを触手で絡めて、


トマト怪人「うねねっ!」ググイッ

ウーミン「いぎっ……!! あがっ!! あがぁぁあっ……!!」


股関節を靭帯ごと外す。


ウーミン「あっ、ああぁっ……んぐっ……!!」

トマト怪人「うねー」シュルル


ウーミンの胴部に触手を巻き付けて体を固定させ、人形遊びのように両手足をぐねぐねと動かす。

トマト怪人「うねねー♪」グッグッ

ウーミン「そんな、むり……ぎぃっ……!!」


脱臼した手足を無理な方向に引っ張る。


ウーミン「やだっ……! ぐっ……! あごっ……!!」

トマト怪人「うねねー!」グイググイッ

ウーミン「いいぃぃい……!!」


ぐにゃりぐにゃりと歪な体勢を無理やりに取らされる。筋が千切れる。骨がきしむ。


トマト怪人「うねー♪」グイッグイッ

ウーミン「いっ……! ぐぎっ……!!」

トマト怪人「うねっ♪」ピタリッ


散々いたぶり、ようやく満足する。


トマト怪人「うねね」スススッ

ウーミン「うっ……」


四肢を縛る触手を外す。胴体だけで支えたまま、ウーミンをぶらぶらと揺らす。


トマト怪人「うねうね♪」ユラユラ

ウーミン「くっ……あっ……」


関節を外された手足が弱々しく振り子を描く。仰向けにされ身体が弓なりになる。


ウーミン「もう……ゆるしてください……」

トマト怪人「うね~?」


戦意もプライドも捨て去り、か細い声で許しを願う。けれども、その言葉はトマト怪人にはとどかない。


トマト怪人「うねー♪」クルリッ

ウーミン「うぐっ……!」


ぐるりと勢いよく身体を上下に裏返す。首は地面に垂れて、弾みのついた手足が遅れて重力に従い落ちる。


トマト怪人「うねうねー♪」クルクル

ウーミン「うっ……やめて……! ぐっ……!」


何度も何度も繰り返し上下を反転させる。半回転する度に手足がばたばたと壊れた人形みたいに暴れ踊る。

トマト怪人「うねっ!」シュルシュル


次に、棘付きの触手をぐるぐると廻して中空の円を重ね、コイル状にする。円筒の高さは一メートル半ほど、穴の大きさは人ひとりがやっと入る程度だ。


トマト怪人「うねねっ!」ピタリ


揺さぶるのをやめて、足先を地面に向かせてまるで立たせるようにウーミンを吊るし下げる。


ウーミン「う……うぅ……」

トマト怪人「うねー♪」クイクイ


ウーミンの頭部にツタを這わして、茨の円筒がよく見える位置に顔面を動かす。


ウーミン「なにを……」

トマト怪人「うねねっ♪」ススッ


棘の囲いの上まで移動させる。


ウーミン「ま、まさか……」

トマト怪人「うねねー♪」


ゆっくりとウーミンを下ろしていき、顔だけが円筒の上に出た宙吊の状態にする。

ウーミン「や、やだっ……! やめてっ!!」

トマト怪人「うねっ!」ギュッ

ウーミン「ぎっ……!!」


触手を締め付ける。全身に茨の針が食い込む。


ウーミン「がぁあああっ……!!」


さらに疼痛物質が注入される。


ウーミン「いぃっ……!! がはっ……!!」


身体中が悲鳴をあげる。脳をがんがんと揺さぶる激痛。


トマト怪人「うねー♪」グニグニ


今度はウーミンを締め付けている触手をぐねぐねとうねらせる。


ウーミン「ひっ……!! ががっ……!! いぃいいっ……!!」


全身に絡みついた茨の触手が肌を裂き、肉を削る。血がとめどなく溢れる。


ウーミン「がぁっ……!! あぐっ!! あがぁああっ……!!」


触手の動きが激しくなる。鮮血と粘液、剥がれた皮膚に抉り取られた肉とが混じり合う。


ウーミン「ががぁっ……!! いぎぎぎっ!!」


耳をつんざく悲鳴。肌という肌をぐちゃぐちゃにされ、のど奥から苦悶の絶叫を絶え間なく搾り出す。


ウーミン「ひぃっ……!! ひぐっ!! かひっ……!」


神経が焼け切れる。もはや呼吸もままならない。叫び声がだんだんと弱々しくなっていく。


ウーミン「あっ……ああっ……」


声がかすむ。意識が白む。目の中でばちばちと光が弾ける。


ウーミン「あ……」


そう一声漏らしたのを最後にウーミンの意識は途切れた……

取りあえず今回は書き終えたところまで

………………


リン(うにゃにゃ……! アンテナを倒さないないと。リンの体、動いてニャ!)ググッ



ボフンッ!!



リン(にゃっ!?)


突然、煙に包まれる。白煙が晴れた後に現れたのは制服を着た、人間の姿の凛。


凛(もとに戻った……? そうか、海未ちゃんが気絶したから変身がとけたんだ)


腕を動かしてみる。猫の姿のときとは違い、わずかながらも持ち上げることができる。身体が大きくなったぶん、麻痺薬の効き目が弱まったようだ。


凛(よし……このままアンテナを倒せば)グッ


両手足に満身の力を込めて重い体を引きずる。ゆっくりじりじりと、だが確実に妨害アンテナまで這いずっていく。


凛(海未ちゃん、すぐに助けるからねっ!)


………………

トマト怪人「うねうね~♪」シュルシュル


この遊びにも満足し、円筒の触手をほどいていく。茨の触手は鮮血で染まっており、棘には細かな肉片がこびり付いている。


トマト怪人「うね~?」


中から現れたのは変身が解けた海未の姿。ズタボロになった制服は真っ赤に染まり、肌という肌に切り傷や肉を抉られた痕をつけている。


トマト怪人「うねっ!?」


魔法少女ではなく見知らぬ少女が出てきたことに驚く。


トマト怪人「うねね~? うね……うねっ!」


しかしそこは植物の浅ましさ。不思議に思いつつも人形遊びを再開する。


トマト怪人「うねっ♪」ポイッ


海未を投げ捨てる。地面に叩きつけられた身体がどちゃりと音を立てる。


トマト怪人「うねうね♪」シュルシュル


左右の足首を掴んで逆さ吊りにする。裂傷や肉穴から血がたらたらと流れて、指先から垂れ落ちていく。


トマト怪人「うねねっ!」シュルル


茨のつるを引っ込めて、今度は棘無しのもので海未をいたぶることにする。

トマト怪人「うねー♪」サワサワ


身体中に触手を這わす。傷穴にその先っちょをぐいぐいと差し込むと、血がだらだらと溢れ出す。


トマト怪人「うねうねー♪」ズポッ


血にまみれた触手を口に突っ込む。上歯と下歯の間を押し広げ、さらにもう一本押し込む。


トマト怪人「うねねっ!」グニグニ


無理やりに二本のつるを口腔でうねらせる。
頬がぼこぼこと盛り上がり、海未の顔面はされるがままに歪む。


トマト怪人「うねねっ!」ビュビュッ


口内に多量の粘液を放つ。両頬が膨らみ、収まり切れない分泌物がごぽごぽと唇からこぼれ落ちる。


トマト怪人「うねー♪」シュルル


今度は両足首をつかんで股を開かせる。


トマト怪人「うねっ!」ズイッ


膣内へと触手を押し込む。


トマト怪人「うねうねっ!」グイグイッ


さらにもう一本をねじ込み、二本の触手を交互にピストンさせていく。もの言わぬ海未の身体が動きに合わせてかくんかくんと揺れる。


トマト怪人「うねっ!」ビュビュッ


粘液を膣内へとぶちまける。溢れ出たものが血と混じり合いながら腹部へと流れ落ちる。


トマト怪人「うねうねー♪」


海未の四肢がなぶられるがままにかくかくと震える。触手がぐちゃぐちゃとたてる物音、血と粘液の混合物がぽつぽつと指先から垂れ落ちる音とが辺りに響く。
魔法少女の陵辱はまだまだ終わりそうにない……

………………


凛(変身がとけちゃってるのに……こんなのひどいよ。助けを、はやく助けをよばないと)グッ

凛(うにゃにゃっ! もうちょっと、もうちょっと……)ズルズル

凛(ここまでくれば……!)


腕を伸ばす。指先がアンテナにぶつかる。



ガチャンッ!!



凛(倒れた!壊れれば、これでつながるはず……)


凛『理事長先生、ホワイトバードさん……聞こえますか?』

理事長『凛ちゃん、何かあったの?」


凛(やった……!)


凛『大変なんです! 海未ちゃんが! 海未ちゃんが……』


………………




ガチャンッ!!



トマト怪人「うねっ!?」


突然鳴り響くけたたましい音にびっくり仰天。妨害アンテナの方を振り返る。


トマト怪人「うねねっ!?」


続けざまに驚きの声をあげる。猫のマスコットがいたはずの場所に制服姿の女子高生が寝っ転がっていたからだ。


トマト怪人「うね~? うねうね~??」


完全に混乱にしてしまう。触手をわちゃわちゃと動かしながら、何やら真剣に考えている。


トマト怪人「うねっ!?」


そしてトマト怪人は思い出す、「変身が解けた魔法少女をアジトに連れて帰る」という自分の任務を。


トマト怪人「うねねー」ジー


辺りを注意深く見渡すが、魔法少女はどこにもいない。今吊り上げている少女こそ魔法少女ウーミンであることにはまったく気づかず、必死になって視線をさまよわす。


トマト怪人「うねっ!」


これだけ探してもいないとなると外に逃げたのだろう……という考えに至る。


トマト怪人「うねうね!」ポイッ


地べたに海未を放り捨てる。


トマト怪人「うねっ!」ヒョイッ


今度はカメラを回収して、いそいそと出口に向かい……



バタンッ!!



器用に扉を開けて外に出て行った。

………………


凛(出てった……?)

凛(なんだかよくわからないけど、助かったのかな……?)チラリ


冷たい床に転がっている海未に視線を向ける。
白絹の肌は切り裂かれ穴を穿たれて、鮮血が流れ続けている。黒い艶髪も血と粘液にまみれてぐちゃぐちゃだ。


凛(うっ……こんなに血が! はやくしないと海未ちゃんが……!)



<海未ちゃーん! 凛ちゃーん! どこにいるのー? 返事してー!



凛(理事長先生の声だっ!?)


凛「こっちです! 海未ちゃんが大変なんです!」


………………


 ―コトリーヌのアジト


マキ「で……倉庫の周りを探したけど見つからなかったから帰って来たってわけ?」

トマト怪人「うねー」ショボーン

コトリーヌ「まあまあ、そんなに怒らないで♪ カメラはちゃーんと持って帰ってきたんだし、許してあげようよ」

マキ「総統がそう言うんだったら別にいいけど……」

コトリーヌ「マキちゃんとトマト怪人ちゃんが撮ったのを見るの楽しみだなぁ♪ 魔法少々ちゃんが悶えて苦しんじゃって……想像しただけでやんやんしちゃう♡」

マキ「それじゃあ私は研究室に戻ってるわね。トマト怪人を量産しなくちゃいけないから」ガチャリ

コトリーヌ「ふふっ♪ お仕事がんばってね」フリフリ

トマト怪人「うねうねー」フリフリ

コトリーヌ「トマト怪人ちゃんもいってらっしゃい♪」

トマト怪人「うねっ!」



バタンッ!!



コトリーヌ「……」



黒鳥『おい、起きろ小娘』

ことり(んっ……うぅん……)

黒鳥『とっとと目を覚ませ。今から面白いものを見せてやる』

ことり(うっ……なにを、見せる気なの?)

黒鳥『そう怖い顔をするな。心湧き踊る実に素晴らしいものなのだから……魔法少女の陵辱ショーというな』

ことり(!?)

ことり(や、やだっ! そんなの見たくない!)

黒鳥(暴れようとしても無駄だ。身体の支配権はこちらにある)ポチッ


プロジェクターが起動する。映されたのは、触手で四肢を拘束されて大の字にされている魔法少女の姿。


ことり(うっ……)


顔を逸らそうとするがぴくりとも動かない。それどころか視線の向きさえ自由がきかず、画面へと釘づけになってしまっている。


黒鳥『まったく……せっかくの珍しい見せ物なのだから最後までしっかりと観ておけ』

ことり(やだ……やだよ……)


画面の中の魔法少女が両手足を引っ張られて苦悶の声を漏らしている。
そして、触手がその右手を思いっきり……



『ぎっ……!!』

『あああぁぁっ……!!』



ことり(!?)

黒鳥『はははっ! 愉快愉快! プロフェッサーには研究費を増額してやらんとな』

ことり(ひどいよ、こんなの……)

黒鳥『まだまだ映像はたっぷりと残っているぞ』


再生が進んでいく。
身体中を棘の触手に巻きつかれ血を垂れ流す姿、膣をかき回されて呻き声を絞り出す魔法少女の様が映し出される。


ことり(こんなに血がいっぱい出て……それにあんなところに触手を……)

ことり(うっ……)


昨日の光景が脳裏によぎる。
苦しみ叫ぶ魔法少女。ディルドを強引に押し込む自分の手。流れ出る血。


ことり(あっ……うぅっ……! 私が、私がもっとしっかりしてれば、魔法少女ちゃんがこんな目にあわなくても……)

映し出される動画はさらに凄惨なものになっていく。
靭帯を何度も何度も裂かれる苦悶の絶叫。棘のツルで鞭打たれて裂ける肌。飛び散る鮮血。中に無理やり突っ込まれて血をだらだらと流す膣。中も外も血みどろにされて泣き叫ぶ魔法少女。
目を覆うことも耳をふさぐこともできずに、悲惨な光景をまざまざと見せつけられる。


ことり(ひどい……ひどすぎるよ。私がもっと……私のせいで魔法少女ちゃんが、こんな……ごめんなさいごめんなさい)


黒鳥(だいぶ追い詰められているな。もう長くは持つまい)


トマト怪人が茨の触手で円筒を作り、その上にウーミンを吊るすシーンが映し出される。


黒鳥『おい、見てみろ。植物にしては殊勝なことを思いついたものだな』

ことり(あれって……もしかして、そんなっ……)

黒鳥『お前の想像する通りだろうな』

ことり(もうやめてよ……これ以上、魔法少女ちゃんを傷つけないで!)

黒鳥『何をおかしなことを。これは録画されたものなのだぞ。陵辱ショー自体はもうとっくに終演している』

黒鳥『ほら、お楽しみが始まるぞ』



『ま、まさか……』

『やっ、やだっ……! やめてっ!!』



棘だらけの円筒の中にぶら下げられる魔法少女。
そして……



『ぎっ……!!』

『いぃっ……!! がはっ……!!』

『ひっ……!! ががっ……!! いぃいいっ……!!』

『がぁっ……!! あぐっ!! あがぁああっ……!!』



肉を削る苦悶に泣きわめく魔法少女。スピーカーから流れるけたたましい悲鳴が部屋中の空気を震わす。


ことり(うぅう……なんで、こんなこと……ごめんなさい、わたしのせいで)



『ひぃっ……!! ひぐっ!! かひっ……!』

『あっ……ああっ……』



黒鳥『叫び声が弱まってきたな。いよいよ魔法少女の正体が判明するぞ』

ことり(ごめんなさいごめんなさい……わたしが、もっとしっかりしてれば)



『あ……』



その一声を最後に魔法少女は意識を失う。変身解除の光が辺りを包み込む。

ことり(え……?)

黒鳥『ほほう……』

ことり(そんなっ!? なんで……)


光が晴れて明らかになる魔法少女の正体。


ことり(海未ちゃん!!)

黒鳥『これはこれは。実に愉快だ』

ことり(私がっ……! 私のせいで、海未ちゃんがっ!)

黒鳥『それだけではない。お前自身の手でも陵辱したのを忘れたのか? 昨日のことだぞ』

ことり(う……あ……)

黒鳥『可哀想にな。あのように血だらけになるまで嬲られて』

ことり(あっ……あ……)

黒鳥『見てみろ。気を失っているというのにあの怪人……なかなか見込みのある奴だな』


逆さ吊りにされて、乱暴に口内と膣をかき回される海未の姿がスクリーンいっぱいに映される。
スピーカーからは触手のうごめく物音と、血が滴り落ちる音……。


ことり(なんで……海未ちゃんが……)

ことり(わたしが、わたしのせいで……うみちゃんが……)

ことり(わたしのせいで……わたしがもっと……うみちゃん……ごめんなさい)


黒鳥(そろそろ限界か。これでようやく完全に乗っ取ることができるな)


無表情で画面を見つめるコトリーヌ。その瞳から涙が一筋、つっとこぼれ落ちた。



次回予告!



度重なる責め苦に心は限界。ついに海未は変身ができなくなってしまう。一方、ことりも部屋に引きこもってしまう。暗雲立ち込める二人の行く末。このままブラック・バードの思い通りになってしまうのか!?


 第五話 『二人の幼馴染み』に続く!

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