やよい「なんだろうこの指輪……」 (24)

P「やよい、今日のLIVEは大成功だったな」
やよい「うっうー!とーっても楽しかったですー!」
P「よし、それじゃあ帰るか」
やよい「はい!……あれ?何か落ちてる。なんだろう」

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それは、やけに形の大きい指輪だった

やよい「あわわ……こんなに高価そうな物、どうしよう」
P「やよいー?早く行くぞー」
やよい「はわっ!?は、はーい!今行きます!」
 
白い魔法使い「……ふむ」

アイマス×ウィザードのSSです。初投稿なのでお手柔らかに(はぁと)

〜車内〜
やよい(どどどどうしよう……これ持ってきちゃった)
P「やよいは明日は伊織とレッスンだったな」
やよい「は、はい!」
P「伊織と会うのも久しぶりだな、未だ竜宮小町の勢い衰えずってとこか」
やよい「伊織ちゃん達、すごいですよね」
P「ああ、だがやよい達もすぐ有名にしてやるからな」
やよい「プロデューサーさん、私がんばります!」
P「ああ、その意気だ」
やよい(今日はもう遅いし、明日交番に届ければいいよね。これはかばんに仕舞っとこうっと)

需要…ある?

〜次の日・高槻家〜
やよい「もうっどうして目覚ましを止めたりしたの!お仕事に遅れたらお姉ちゃんだけじゃなくて他の人も困るんだよ!?」
長介「だって……姉ちゃん最近疲れてると思って……少しでも長く寝ててもらおうと……」
やよい「気持ちはすごくうれしいけど、やっていいことと悪いことがあるんだよ?それに長介もお兄ちゃんなんだから……
長介「うるさいよ!!姉ちゃんのバーカ!そんなに仕事が大事ならさっさと行っちゃえ!」
やよい「っ!言われなくてもそうするよ!!」

〜レッスン場〜
P「そう、そこでつま先を……」
伊織「ねえ、ちょっといいかしら?」
P「ん?どうした?難しいとこでもあったか?」
伊織「この完全超越スーパーアイドルの伊織ちゃんに難しいところなんてないわよ。……やよいのことよ」
P「やよいか、そういえば今日は少し元気がないな」
伊織「あんた、なんとかしなさいよ。これじゃ完璧なレッスンなんてできっこないわ」
P「うーん……やっぱり本人に直接聞くのが一番だろうな」

P「やよい、ちょっと来てくれ」
やよい「は、はい!どこか悪かったですか?」
P「いや、そうじゃなくてな。やよい、何かあったのか?」
やよい「いや、何も……」
P「あるんだな。どうした、言ってみろ。話したら楽になるかもしれん」
やよい「それが……」
P「なるほど、そんなことか」
伊織「ちょっとあんた、そんな言い方ないじゃない」
P「だって、今回の事で悪い奴なんていないからな。やよい、長介に謝りに行こう」
やよい「どうして私が謝るんですか?今回の事だって長介が……」
P「だってじゃない。悪いことをしたから謝るんじゃない。仲直りするために謝るんだ。」
やよい「でも……」
伊織「あんたってホントド直球よね。ほらやよい、行くわよ。あんたがしょげてたら私のレッスンまで悪くなるわ」
やよい「伊織ちゃん……」

バンッ!!
響「大変だぞやよい!!やよいの弟が!!」
P「うおっ、びっくりさせるな響、一体どうしたんだ?」
響「それが!逃げたオウ助を捜してたらやよいの家の前にかすみがいて!『長介兄ちゃんがが何かにさらわれた』って!!」
P「なんだと!?何かってなんだ!!」
響「自分にもわからないさー!!」
伊織「ちょっと二人とも、落ち着きなさいよ!とりあえず状況を……ってやよい?やよいがいないわ!!」
P「ななななんだって!?いろいろ起きすぎて何が何だか……そうだ落ち着け、こんな時は落ち着いて素数を数えるんだ。2、3、5、7、11、13…
響「やってる場合かーっ!!きっと長介を捜しに行ったんだ!イヌ美!ハム蔵!追いかけるんだ!!」
いぬ美「バウッ!」(やれやれ、だわ)
ハム蔵「ヂュイッ!!」(やれやれ、だぜ)
伊織「もしもし新堂?大至急長介を捜して頂戴。……ええ、そうよ、やよいの弟。頼んだわ」
P「よよよよし!俺達も行くぞ!!」
伊織&響「了解!!」

〜公園〜
やよい「はぁっはぁっ!!」(長介……どこにいるの?)
コートの男「おっと、お嬢さん、これはお嬢さんのかな?」
やよい「あ、私のかばん……あ、ありがとうございます」(あれ?私かばんなんて持ってきてたっけ?)
コートの男「最近は物騒なことが多いですからね、気を付けてください。さっきも小さい少年が一人で……」
やよい「っ!それどこでみたんですか!!」
コートの男「たしか町はずれの工場で……でも変ですね。あそこは廃工場だったはず。」
やよい「ありがとうございます!!」(長介……!)

コートの男「さて、どんな力を見せてくれるのかな?お嬢さん」

〜廃工場〜
長介「何すんだよ!!離せよ!!」
男「うるさいなぁ、静かにしててよ。山本さん、早いとここの子からファントムを生み出しちゃってよ。」
山本「わかったわかった、なら早いとこ教えてくれよ。どうしたら君は絶望する?」
長介「さっきからゼツボウゼツボウ何なんだよ!言っとくけど家に金なんてねーからな!!」
山本「そっか、なら」

山本の姿が……怪物『ファントム』へと形を変えた

ファントム「死への恐怖に絶望してもらうとしよう」
長介「う、うわぁ!なんだよお前!こっちくんなよ!!」

ファントムの腕が剣へと変わり、長介を追い詰める

ファントム「さあ、絶望するがいい!!」
長介「助けて…!!姉ちゃん…っ!!」


「長介!!」

長介の必死の叫びが届いたのか、そこに現れたのは

やよい「長介!!助けに来たよ!!」
男「あれあれ〜可愛いお嬢さん?ここは危険だから帰ったほうがいいよ〜」
ファントム「……なるほど、あれがお前の『希望』か。なら……まずはお前からだ!!」

ファントムが投げた石から数体のグールが現れ、やよいを取り囲む

やよい「長介!!今行くからね!!」
長介「姉ちゃん!危ない!」

グールが一斉にやよいに襲い掛かる
一般人の、しかも少女のやよいはなすすべも無く、地面へと押さえつけられる

やよい「ちょう…すけ…」
長介「姉ちゃん!!」

やよいは思った
『自分はこんなにも無力なのか』と
『長介を、家族を守る力が欲しい』と

どこからか声が聞こえた

『ならば我に従え』と

なんでもいい。長介を救えるのなら、この世にたった一人しかいない希望『家族』を、救えるのなら

「……従います。だから私に、力をください…っ!!」

『ならば使うがいい、我の力を…』

瞬間、やよいに龍が舞い降りた
やよいを押さえつけていたグールが吹き飛ばされる
そして、立ち上がったやよいの手に握られていたものは

やよい「昨日拾った指輪…?」

それは、キラキラ輝いて。
私も、こんなふうになりたい。そう思った。
体が勝手に動く。これが力なのだろうか。
…いや、違う。これは私の意志。
誰かを救いたいと願った---私の意志の力!!

やよい「変身!!」シャバドゥビタッチヘンシーンシャバドゥビタッチヘンシーン

『フレイム』ヒーヒーヒーヒーヒー!!

赤い光とともに現れた魔法陣が、やよいを包んだ

長介「ねえ…ちゃん?」
男「へぇ〜指輪の魔法使いかぁ〜」
ファントム「何だと!?」

それぞれが思い思い口に出している最中、やよいはグールたちを蹴散らす

やよい「まってて長介……私が、最後の希望だよ」

男「これはこれは……あの人に報告しないとね〜。それじゃあ山本さん、がんばってね〜」
そう言って男は去って行った

ファントム「ふん、逃げたか。まぁいい。こいつは久々に楽しめそうだよ。お嬢さん?どこまで耐えられるかな?」

ファントムは阿修羅みたいな三面顔っていうイメージで

ファントム「っは!所詮はその程度か!ぁあ!?」
やよい「うぐ…っ!」

相手は慣れている。相手を徹底的に潰すことに
やよいはただのアイドルであり、殴り合いの喧嘩なんてたかが知れてる
その差は歴然だった
倒され剣を突き立てられ、また倒され剣を突き立てられ。

ファントム「お前これで何回死んだぁ!?もう覚えてねえよ!!」
やよい「うがっ!!ぁああああ!!!」
長介「姉ちゃん!!おいお前!やめろよ!!姉ちゃんから離れろ!!」
ファントム「ああ?なんだって?聞こえないなぁ?オラァッ!」
やよい「ぁああああああっ!!」
長介「やめろよ……もうやめてくれよぉ……」
ファントム「きーこーえーなーいーなー!!」
やよい「あああああああああああああ!!!」

長介「姉ちゃん、ごめん……俺がちゃんとしてないから、俺が弱いから……」
やよい「そ…んな…ことない!!」
長介「今日の朝だって…姉ちゃん…ごめん……」
やよい「ねえ…聞いて?私…長介のこと…大好き…だよ…ちょう…すけ…は、私のこと…好き?」
長介「………」
やよい「今日の朝…ごめんね?長介が…私を心配してくれたのに」
長介「………だよ」
やよい「ごめんね…こんなだめなお姉ちゃんで……」
ファントム「ああ……もう飽きた。そろそろ[ピーーー]よ。お前」
やよい「ぁあああああああ……っ!ちょう…すけぇ…っ!」
長介「大好きだよ!!姉ちゃん!!いつも!!いつも!!俺たちのこと見てくれてる姉ちゃんが!!大好きだよ!!……だから…今日だって俺が悪かったんだ!だから…っ!!」
やよい「え…へへ…これで…仲直り…だね」
長介「うん。…うん!!姉ちゃん!」
やよい「じゃあ…帰ろっか…手をつないで…お家に…」
長介「うん!!帰ろう!!一緒に!!」

やよいの体が光に包まれた
ファントム「ぐ……なんだこいつは!!」


『家族とは、暖かいものだな…』

また声がした。
しかしすぐに光は消え、そして代わりに新たな指輪が手元にあった。


さっきよりも強い輝き
それは、やよいだけの力ではない。
家族の『絆』の力。


『インフィニティ』

手に握られたのは斧。
目の前の絶望を……打ち砕くための斧。

やよい「最後はね、みんなでハイタッチするの」
ファントム「ふ…ざけたこと言ってんじゃねぇぞ小娘がぁ!!!」

「いくよ?うっうー!はい、ターッチ!!!」

ハイターッチ!!『シャイニングストライク』

それは光。どんな絶望の闇も照らすような希望の光。

ファントム「う、ガァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」

ファントムは消え、辺りは静寂に包まれる

長介「姉ちゃん!!」
やよい「長介!!」
長介「姉ちゃんごめん!俺…俺…っ!」
やよい「ううん、いいんだよ。それよりも、ほら。はい、ターッチ!」

『イェイッ!!』

光に包まれたやよいの傷はなくなっており、この事件を知る者は2人だけとなった

P「いや〜、それにしても長介が一人で遊びに行ってただけだったとはな」
伊織「ホントよあいつ!今度会ったらみっちり説教してやるわ!」
響「まあいいじゃないか伊織。結局何事もなかったんだろ?やよい」
やよい「はい!長介には私がしっかり言っておきました!」
P「仲直りもできたことだし、一件落着だな!」
伊織「あんた何もしてなかったじゃない」
響「プロデューサーは素数数えただけだぞ」
P「ハッハッハ!まあいいじゃないか!さて、今日はヴィジュアルレッスンだな!」
響「無駄に発音いいのがムカつくぞ…」
やよい「うっうー!今日も頑張りましょう!はい、ターッチ!」
やよい&響&伊織『イェイッ!』
P「あれ、俺は…?」

くぅ疲。これにて中学生の[田島「チ○コ破裂するっ!」]は終了です。付き合ってくれてありがとう。

SSって書くの難しい

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