「ですが前半に力を使いすぎるため、時間が経つにつれいいパフォーマンスを維持できなくなっていますね。もっと自分の体力を計算して動きましょう」

未央「うぐ……はーい。走り込みとかしよっかなあ……」


卯月「わ、私はどうでしたかっ？」

「島村さんは……そうですね」


「普通……でしょうか」

卯月「えっ？」


「可もなく不可もなく。別段悪いところは見当たりませんが、特筆して良いところもない……」

「ただ、基本はしっかりとしているので、土台はそのままでレベルアップしていけば正しく成長できる筈ですよ」

卯月「は、はい。ありがとうございます……」

　

　



未央「ふー、終わった終わった。それじゃあいつもの場所にご飯食べにいこっか！」

凛「そうだね。このところハードなレッスン続きだから沢山食べちゃうよ」

未央「あー、分かる！　もうさ、食事の時間が至福だよねー。おかげで最近体重が……ゴニョゴニョ……」

凛「なに？　未央太ったの？　……あーでも確かに……」

未央「ちょっと！　確かに、なに！？　え、そんな見た目に現れるくらい太ってる！？　嘘でしょ！？」

凛「大丈夫……さっきトレーナーさんにも言われたじゃん。未央は元気と明るさが売りだって。そこは変わってないから……」

未央「いやいや！　なにそのフォロー！　そこはって、やっぱり体型は変わってんじゃん！　どこ！？　どこが変わってる！？」

凛「ふふっ……冗談だって。全然変わんないよ。そんな全力で気にしなくても……」

未央「冗談かーい！　やめてよねー、そういうの！　全く……ねぇしまむー、しぶりんったらちょっと酷くなーい？」

卯月「……」

　

未央「あり？　しまむー？」

卯月「……え？　な、なに？　ごめん、聞いてなかった！」

凛「卯月、大丈夫？　なんか心ここにあらず、って感じだったけど。もしかしてレッスンで大分疲れてる？」

卯月「う、ううん、そんなことないよ！　今はちょっとボーッとしてただけ！」

未央「しまむーにしては珍しいねー……それにしてもレッスンかー」

未央「今日は結構いい感じだと思ったけど……やっぱりまだダメ出し喰らうねー」

凛「そりゃまだまだ私達半人前のアイドルだし……でも、最初の頃に比べたらダメ出しも減ってきたじゃん」

未央「まあ確かに……最初の頃は怒られてばっかだったなぁ……」

未央「……あれ？　でも……しまむーは始めの頃からほとんどダメ出しとかされてなくない？」