侍「君は立派なモノをお持ちですなあ」銃士「アンタこそ、長くて太い得物だな」 (18)

ある日、2人の旅人が出会った。

存外、盛り上がっていた。


侍「いやあ、そのモノで何発も発射したんでしょう」

銃士「アンタこそ、何人切りを達成したんだ?」

侍「いやあ、残念ながらモノは立派なんだが、経験はあんまり無くてねえ」

侍「おじさん、ちょーっと理想が高いから、コイツだと思う相手じゃないとヌけないんだよねえ」

侍「いくら長くて太いと言っても、これじゃあ宝の持ち腐れだなあ、ナハハ」

銃士「いやあ、それはそれでいいんじゃないか、むやみやたらにヌくもんじゃないだろう」

銃士「俺は逆に発射しすぎて、少しばかりガタが来ちまっててなあ」

侍「そうなのかい?」

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銃士「俺は早撃ちでそれなりに名が知られていてな」

銃士「挑んでくる相手は沢山いるんだよ、いるんだけどさ」

銃士「どいつも俺の速射であっという間に終わっちまうからなあ、続かねえんだわ」

侍「さすがプロだねえ、一瞬で終わらせるとは恐れ入るよ」

銃士「いやさあ、速すぎるのも考えもんだぜ?」

銃士「俺はあまりに速すぎて全然盛り上がらねえんだ」

銃士「相手はみんなあっけに取られててな、いたたまれない気分になる」

侍「そういうものなのかあ」

銃士「撃つのが速いもんだからさ、俺は考えた」

銃士「そして複数人を相手することを考えついたんだ」

侍「なるほど、それで?」

銃士「撃つ数が多くなっただけで、時間当たりの発射数はあんまり変わらなかったな」

侍「それは残念だねえ」

銃士「アンタ、経験は少ないと言っても、何回かはヤったんだろう」

銃士「そんときはどうだったんだい?」

侍「そうだねえ、久しぶりに骨のある相手と巡り会えたと思って」

侍「張り切っておじさんは得物を見せびらかしたのさ」

侍「そしたらどうだい、相手はおじさんのソレを見ただけで、腰砕けになっちまった」

侍「結局、本番を迎えずに終了してしまったわけだよ」

銃士「そりゃあ残念だったな」

銃士「せっかくの機会だ」

銃士「アンタの実力、少しばかり見せてもらえないか?」

侍「うーん? まあいいかあ」

侍「あまりにも長い間相手がいなかったもんだから、おじさんも流石にヌきたくなってたところだよ」

侍「では……あの桜の花にしようか」

侍「……」スチャッ

侍「どうりゃあ!」ブンッ

侍「ていりゃあ!」ブンッ

スパパッ

銃士「!」

侍「こんなモノかなあ」

銃士「すげえ……見事に花びらだけを散らせやがった」

侍「さて、おじさんは見せたから、おじさんも見させてもらいたいねえ」

侍「君のソレが発射する様をね」

銃士「いいもん見せてもらったからな、お安い御用だ」

銃士「アンタのソレを見て俺にも火がついてな、俺のコイツを発射したくてウズウズしてたところさ」

銃士「あの花畑の中から、青い花だけを狙い打つぜ」

銃士「……」スチャ

銃士「そら!」バンッ

銃士「うりゃあ!」バンッ

銃士「ろぁあ!」バンッ

銃士「うっしゃあ!」バンッ

侍「!」

銃士「ざっとこんなもんだな!」

侍「ウホッ、すごいねえ、おじさん年甲斐もなく興奮しちゃったよお」

侍「金一封を送りたいほどの腕前だったよお」

銃士「ただ撃っただけさ、そんな褒めんなよ」

銃士「まあ、アンタの方こそすごかったじゃねえか」

銃士「満点をつけたいほどの妙技だったぜ」

侍「ここまで褒められると、恥ずかしいなあ」

侍「いやあ、今日はいい日だねえ、実にいいモノを見せてもらった」

銃士「俺の方こそ、イイもの見させてもらったぜ」

侍「また、会いたいものだねえ」

銃士「ああ、そうだな」

侍「次に会えた時は、百人切りを達成したと報告したいねえ」

銃士「俺も、少しでいいから長続きして楽しませようと頑張ってみるぜ」

侍「……」

銃士「……」

侍「じゃあ、おじさんはイくよ」

銃士「ああ、マタな」


こうして、ふたりは別れ、それぞれの旅を続けるのであった。

完ケツ

終わりです。
スレッドムーバーさんの反応が見たいので、html化依頼は1週間後に出します。

【速報】スレッドムーバーに引っかからないままで約一週間経過
まあ動きが鈍いようなのでもうちょっと待ってみます

二週間経ったけどR行きになる気配は無いのでhtml化依頼出してきます

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