グラン「合コン?」 (38)

ヴェイン「グラン、合コンしないか?」

グラン「合コン? なにそれ?」

ヴェイン「男と女が一緒に飲み食いして仲良くなることだ」

グラン「へえ」

ヴェイン「そろそろ俺達にも出会いがあってもいいと思わないか?」

グラン「でも、女の子なら僕らの騎空団にもいるよ?」

ヴェイン「いや、まあそうなんだけどな……それは置いといて、やってみないか、合コン?」

グラン「うーん……その合コンって楽しいの?」


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ヴェイン「楽しいぞ~、一緒にゲームとかするんだ」

グラン「へえ~」

ヴェイン「……それにな、上手く仲良くなると、女子をそのままお持ち帰りで来ちゃうかもしれないんだ」

グラン「お持ち帰り?」

ヴェイン「一緒に宿に行ったりとかそういうのだよ、どうだグラン、やってみないか?」

グラン「……わかった、やってみよう」

ヴェイン「そうこなくっちゃ……さて、実はやるにしても一つ問題があるんだ」

グラン「問題?」

ヴェイン「俺に女の子の知り合いがいないんだ」

グラン「え、それだと出来なくない?」

ヴェイン「だからさ、グランのツテで女の子を呼べないか?」

グラン「僕のツテか……」

ヴェイン「この騎空団は俺が入る前から全空中を飛び回っていたんだろ? なんかノリの良さそうな女の子の知り合いとかいないか?」

グラン「そうだね……何人か当たってみるよ」

ヴェイン「さすが我らの団長だ、とりあえず三人用意してくれ、こっちも三人でいくから」

グラン「三人? 僕とヴェインともう一人?」

ヴェイン「ランちゃん連れて行くんだ」

グラン「ランスロットを連れて行くの?」

ヴェイン「ランちゃんはエリートイケメンだぞ、グランも女の子にランちゃんのことを伝えてくれ、食いつきが違うはずだ」

グラン「わかった」

翌日


ランスロット「こんな恰好で大丈夫なのか? どうにも着なれないから落ち着かないな……やはり、鎧ではダメなのか?」

ヴェイン「合コンに鎧着ていくやつなんかいないって、それにその服もバッチリだぜ、ランちゃん」

ランスロット「そうか……」

ヴェイン「グラン、女の子はもう店の中にいるんだよな?」

グラン「うん、いるよ」

ヴェイン「しかし、昨日提案した話なのに、もう女の子をセッティングできるなんて、すごいなグラン」

グラン「そうかな?」

ヴェイン「ああ、さすがは全空をまたにかける騎空団の団長だぜ、顔の広さが違う」

グラン「あんまり褒められると照れるよ」

ランスロット「話はその辺りにしよう、あまり女性を待たせては悪い」

ヴェイン「そうだな、よっしゃあ、気合入れて行こうぜ!」

グラン「うん」

飲み屋

ロゼッタ「あら、素敵な殿方ね」

マギサ「そうね、でも女性を待たせるのは感心しないわよ?」

カリオストロ「もう、カリオストロちゃん待ちくたびれちゃったぞ☆」

ヴェイン「……グラン、ちょっとこい」

グラン「どうしたの?」

ヴェイン(あれはなんだ?)

グラン(ロゼッタたちの事? 合コン相手だよ?)

ヴェイン(思いっきり身内じゃねえか!)

グラン(ダメだった?)

ヴェイン(ダメっつーか、合コンは女の子と出会うためにやるんだから、面識ない女の子を連れてこないと意味ないだろ!)

グラン(でも面識のない女の子はそもそもご飯に誘えないよ?)

ヴェイン(それはそうなんだが……いや、それにしたってなんであの三人なんだよ! ノリの良さそうな女の子って言っただろ!)

グラン(三人とも話したらノリノリだったよ)

ヴェイン(そこじゃねえ! 問題は「女の子」の方だ! もっと若い……)


バン!


マギサ「あら、どうしたのロゼッタ?」

ロゼッタ「ごめんなさいね、虫がいたから踏みつぶしちゃた」

マギサ「そうなの、それなら仕方ないわね」


グラン(ヴェインは若い女の子がよかったの?)

ヴェイン(いや、なんでもない……)



カリオストロ「ねえねえ、そこの二人、いつまで内緒話してるのぉ? カリオストロちゃんを放っておくなんて、いけない事なんだぞ☆」


ヴェイン(……もうロゼッタとマギサはいいとして、なんでカリオストロを連れてきたんだ?)

グラン(ヴェインの望む若い女の子だよ)

ヴェイン(あいつ男なんだろ!?)

グラン(でも見た目は女の子だよ、ほら可愛くない?)

ヴェイン(いや、見た目はそうかもしれないが……)



カリオストロ「……おい、いい加減にしろよ、これ以上オレ様を放っておくとウロボロスの餌にするぞ」


ヴェイン(……ウ、ウロボロス!?)

グラン(あの目は本気の目だね)

ヴェイン(冷静に言ってんじゃねえよ! やっぱり見た目は可愛くても中身ヤバすぎだろうが!)


ランスロット「ヴェイン、グラン、女性を目の前にして放っておくのは失礼じゃないのか?」

ヴェイン「そ、そうだな……」

グラン「それじゃあ合コンを始めよう、ヴェイン、まず何するの?」

ヴェイン「え? えーとまずは乾杯から……」

グラン「それじゃあ乾杯」

ロゼッタ・マギサ「乾杯」

ランスロット「乾杯」

カリオストロ「乾杯☆」

ヴェイン「か、乾杯……」

グラン「ヴェイン、乾杯の次は?」

ヴェイン「次は……自己紹介なんだが……」

グラン「自己紹介だね、僕はグラン、騎空団の団長をしているよ」

ロゼッタ「あら、騎空団の団長さんだなんてすごいわ~、どんな騎空団なのかしら」

ヴェイン(いや、アンタの所属してる騎空団だろ……)

ランスロット「わ、私は白竜騎士団の団長で……い、今はグランの騎空団に身を寄せている」

マギサ「ふふ、緊張してるのかしら? 大丈夫よ」

ヴェイン(この自己紹介に何の意味が……?)

カリオストロ「そっちの短髪は?」

ヴェイン「た、短髪って俺か!? ……俺は白竜騎士団の副団長で今はランちゃんと同じくグランの騎空団にいるけど……」

カリオストロ「なんか前の二人に比べて地味だな」

ヴェイン(悪かったな、てか知ってるだろ!)

グラン「じゃあ今度はそっちの自己紹介ね」

ロゼッタ「ロゼッタよ、趣味は植物の手入れ」

グラン「へえ、ロゼッタってそんな趣味があったんだ」

ロゼッタ「今度見に来る?」

ヴェイン(もう完全に身内同士の会話じゃないか、グランの自己紹介の時のすっとぼけ設定はどこいった……)

ロゼッタ「あと年齢は17歳よ」

ヴェイン(嘘つけ!)

マギサ「私はマギサ、魔女よ、オフの日はずっと部屋でゴロゴロしてるわ」

グラン「へえ、あんまりそんなイメージなかったなあ」

マギサ「魔女は怠惰な生き物なの」

グラン「そうなんだ」

ヴェイン(もうこの会話にはツッコまんぞ)

マギサ「それと、私も17歳よ」

ヴェイン(……くっ、ツッコまんぞ!)

ランスロット「マギサもロゼッタも17歳だったのか、私と同じくらいだと思っていたが、意外と若いんだな」

ヴェイン(ランちゃんも信じるなよ! ピュアか! ……あ、ツッコんじまった)

カリオストロ「カリオストロちゃんはぁ、永遠の美少女だよぉ☆ 真理を見たこと以外はぁ、普通の女の子だから☆」

ヴェイン(真理を見た普通の女の子なんかいないだろ! つうかお前男だろ!)

グラン「これで自己紹介も終わったね、次は何するの?」

ヴェイン「……次は、まあ適当に話して和やか雰囲気にするんだが……」

グラン「適当に話すのか……あ、そういえばロゼッタ、僕にくれたあの短剣はどういう意味だったの?」

ロゼッタ「ふふ、秘密よ」

マギサ「モーさんももっと細かく動けるようなら私の代わりに色々やらせられるのだけど……」

カリオストロ「お前面倒くさがりすぎだろ、部屋も汚いしな」

マギサ「部屋が実験道具で溢れているあなたに言われたくないわ」

ランスロット「部屋の片づけは私も苦手だな、ついつい後回しにしてしまう」

グラン「あ、そういえ今度、クラウディアたちが汚い部屋を全部掃除するって言ってた」

マギサ「クラウディアたち、というとドロシーも?」

グラン「うん」

カリオストロ「やべえな、オレ様の実験道具が全部燃やされちまう」

ランスロット「私もなんとか自分の部屋を片付けよう……」

ヴェイン「……」

ヴェイン(……もうこれ合コンの会話じゃないよな、ここにいない奴の名前出てきて普通に会話が成立してる時点で、ただの知り合い同士の世間話じゃねえか)

30分後

グラン「あ、すっかり話しこんじゃったけど、そういえばこれ合コンだったね」

ロゼッタ「そうね、ヴェイン、合コンは話すこと以外何かしないのかしら?」

ヴェイン「え? あー……まあ、和やかなムードになったらゲームとかでもっと場を盛り上げるけど……」

マギサ「ゲームって何をするの?」

ヴェイン「王様ゲームとかかな」

カリオストロ「王様ゲームって何だ?」

ヴェイン「まず数字と当たりが書かれてるくじを作って、それを全員で引いて、当たりのくじを引いたら王様として他の人たちに何か命令ができるんだ」

ランスロット「……それだと私は参加できないな」

グラン「え、何で?」

ランスロット「私の王はただ一人、カール王だけだ」

ヴェイン「いやランちゃん、これゲームだからな……?」

カリオストロ「じゃあランスロット抜きでやるぞ、グラン、お前くじ作れ」

グラン「わかったよ」

ヴェイン「えぇ……」

3分後

グラン「出来たよ」

カリオストロ「で、このくじを引けばいいのか?」

ヴェイン「えっと……みんなで一斉に引いて、数字を他人に見せないようにするんだ、ただ、当たりくじを引いた人はそれをみんなに公開するけど」

グラン「じゃあみんなで一斉に引いて、どうぞ」

ヒョイ

ヴェイン「当たりを引いた王様は誰だ?」

カリオストロ「オレ様だ」

ヴェイン(よりにもよってカリオストロかよ……)

カリオストロ「よしお前ら、ひざまずいてオレ様の足を舐めろ」

ヴェイン「王様ゲームはそういうゲームじゃねえよ!」

グラン「えーと、舐めればいいんだよね?」

ヴェイン「グランもやろうとするな! やり直しだ! 王様ゲームはもっとソフトにやるゲームなんだよ!」

2回目

ヴェイン「王様は誰だ?」

グラン「僕だ」

ヴェイン「グラン、ソフトなやつでいいからな?」

グラン「うん、それじゃあ……マギサが僕にひざまくらをする」

マギサ「あら、いいわよ、いらっしゃい」

ヴェイン「待て、命令を出す相手は数字で呼べ」

グラン「数字?」

ヴェイン「命令を出す側も誰に命令を出すのかはわからないようにするんだ」

グラン「そうなの? うーん、じゃあ適当な番号になっちゃうけど……」

マギサ「……ねえロゼッタ、今空いているグラスは何個あるかしら?」

ロゼッタ「2個よ」

マギサ「そう2個なの、2個空いてるのね、2個か……なるほど、2個……」

グラン「……2番が僕にひざまくらをする」

マギサ「あら2番のくじを引いたのは私だわ、団長さん、ひざまくらをしてあげるからいらっしゃい」

グラン「やった」

ヴェイン(これは……まあ、ある意味正しい王様ゲームのやり方なのかもしれないが……)

3回目

ヴェイン「王様は誰だ?」

ロゼッタ「私ね……命令はどうしましょう……」

ヴェイン「余興っぽいことをやらせるのもありだぞ」

ロゼッタ「そうなの? それじゃあ……3番が4番の足を舐める」

ヴェイン「それ余興かよ!?」

ロゼッタ「3番は誰?」

ヴェイン「お、俺だけど……」

ロゼッタ「4番は?」

カリオストロ「オレ様だ」

ヴェイン「げっ」

カリオストロ「よかったな、全空一の美少女の足を舐められて……余興ついでにご褒美が貰えるなんてお前は幸せだぞ?」

ヴェイン(このゲーム全然楽しくねえ……!)

一時間後

グラン「あ、そろそろいい時間だし、お開きにしようか」

ロゼッタ「そうね、王様ゲームも結構盛り上がったわね」

ヴェイン「……」

ランスロット「大丈夫かヴェイン、なんだかやつれているように見えるが」

ヴェイン「ランちゃん、俺も王様ゲームやらない方がよかった……一回も王様になれなかったし、いつも理不尽な命令されるし……」

ランスロット「やはり、我々の王はカール王だけだということだ」

ヴェイン「うぅ……カール王万歳……」

グラン「ヴェイン、終わる時は何かしないの?」

ヴェイン「……えぇ? まあ、仲良くなった男と女でまた別の店に行ったりとか、そういうのはすると思うけど」

マギサ「あら、それなら私と団長さんは合コンでとても仲良くなれたわ」

ロゼッタ「ズルいわ、私もよ」

カリオストロ「あっ☆ じゃあカリオストロも☆」

ランスロット「ははは、グランはモテモテだな」

ヴェイン「……そうだな」

グラン「もうだいぶ夜も遅くなったし、別のお店じゃなくて飛空艇に戻ろうか……あ、そういえばヴェイン、女の子と一緒に帰るのってお持ち帰りって言うんでしょ?」

ヴェイン「……まあ、そうはいうけれども……」

ロゼッタ「あら、私達グランにお持ち帰りされちゃうの?」

マギサ「団長さんったら大胆ね」

カリオストロ「いやあん、美少女に何するつもりぃ☆ 団長さんのエッチ☆」

ヴェイン「……グラン、一つ聞くけど、グランサイファーに帰るんだよな?」

グラン「うん、当たり前じゃないか、みんなで一緒に帰ろう?」

ヴェイン「……そうだな」

END

後日談

グラン「楽しかったね、合コン」

ヴェイン「……ああ」

グラン「またやろうよ」

ヴェイン「……いや、もういい」

グラン「何で? あんなに乗り気だったのに」

ヴェイン「どうせ来るのは身内だし、しかも若い女の子じゃないし……とにかくやる意味がないだろ」

グラン「そうなんだ……」

ヴェイン「まあ、やりたいっていうのなら、一度やったんだからもうグラン一人でできるだろ、適当に騎空団の女を誘ってやれよ」

グラン「いや、団員じゃない女の子を誘えたからもう一度をヴェインとやろうと思ったんだ」

ヴェイン「……え?」

グラン「ショチトル島のあの5人の巫女の女の子たちが誘えたから、ヴェインもどうかなって思ったけど、やりたくないのなら他の人を当たるね」

ヴェイン「……グラン」ガシ

グラン「な、なに?」

ヴェイン「是非、もう一回合コンをしよう! 俺達で!」

グラン「う、うん……」

END

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