ヴァルバトーゼ「イワシを喰え。話はそれからだ」弓塚さつき「生臭いよぉ」 (44)


■魔界

さつき「――シオン。本当に数百年も血を吸わず、吸血衝動を克服した吸血鬼っているの?」

シオン「はい。裏情報できちんと確認をとりました。問題ありません」

リーズ「……本当に信用をおける筋なんだろうね。人間界に居る時空の渡し人は守銭奴だから、だいぶ取られたんだけど」

シオン「大丈夫です。少なくても、マジカルアンバーよりは信用できる筋です」

さつき「うわぁあ」

シオン「なんですかさつき。その顔は」

リーズ「底辺と比べられてもね。シオンもわりとウッカリ属性を持ってるからなぁ」

シオン「失礼なことを言わないで下さい。私の計算は完璧です」




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さつき「魔界に来るの初めてだけど、どんな所なの?」

シオン「さぁ?」

さつき「……え」

シオン「昔は魔術の研鑽やらのために魔界に出向く魔術師もいたようですが、近代ではほぼいないので、どんな所かは分かりません」

リーズ「謂わばどんな場所か分からない魔境に、最低限の装備を持っている状況だ」

さつき「――……か、帰れるんだよね」

シオン「それは問題ありません。帰還用のオーブは持ってます。これでいつでも帰還可能です」

さつき「あ、なら安心……なのかな」


プリニーA「ん。誰ッスか。見慣れない顔ッスね」

プリニーB「地獄の辺境、腐敗ヶ原に居るなんて、よっぽど変人ッス」

さつき「え、なに、このどこかのネコに似た雰囲気の生物は」

シオン「コレはプリニーですね。罪を犯した人間が死後に、生前の罪と同じ金額を稼ぐまで贖罪を続ける、魔界の下等生物です」

プリニーB「……間違っては無いッスけど、なんかイラってくるッス」

プリニーA「まあまあ落ち着くッス。どうせオイラ達じゃ敵わないんッスから、聞き流すッス」

※トリ付け忘れてたorz

プリニーA「で、なんでこんな所に居るんッスか」

さつき「あ、私たちは吸血鬼を探してて。吸血鬼に心当たりはある?」

プリニーB「――ないなッス」

シオン「ふむ。ヴァルバトーゼ閣下と言うのですか」

プリニーB「なっ――」

シオン「いつもは地獄でプリニーを教育していると。場所はわかりました。行きますよ。さつき、リーゼ」

月姫SS久しぶりに見た

型月の時空の渡し人ってまさかゼルレ……
あとネコっぽいのはネコサーベルでは?

ネコアルクとプリニーのマスコット感が似てるってことでしょう


プリニーA「……行ったッス。考えを読むとは、サトリとかの妖怪の類いッスかね」

プリニーB「どうでも良いッス。少しむかついたッスけど、コレの事は気付かれなかったッス」

プリニーA「本当に、大丈夫ッスか? とてつもなく怪しいモノッスよ」

プリニーB「どうせ後が無い身ッス。どうせなら、コレを使って出来るだけ世界を混沌としてしてやるッス」

プリニーA「……」

プリニーB「後悔するようなら、戻ればいいッス。後は俺が勝手にするッス」

プリニーA「……せっかくの同期ッス。最後まで付き合うッスよ」

プリニーBの前に掛けてある袋の中に、黄金色に輝く、魔力に満ちた杯があった


■魔界 地獄 中枢部

さつき「わぁ、今まで違って賑やかなところだね」

リーズ「うん。割と人(?)がいるね。私たちが想像していた地獄とは少し違けど――」

シオン「二人とも、ヴァルバトーゼと言う吸血鬼を探しますよ」

さつき「あ、シオン。あの子に訊いてみたら? なんか人間の中学生みたいな感じの子」

リーズ「賛成だ。悪魔達に訊くよりも、少しはまともそうだ」

シオン「……2人がそう言うなら、分かりました。訊いてみましょう」


ローゼンクイーン商会店員「フーカさん。甘い物はもう売れ切れです」

フーカ「どういうことよ! 地獄の殺伐とした日々には、スイーツと言う癒やしが必要なのよ!! イワシを入荷する暇があれば、スイーツを入荷しなさいよ」

ローゼンクイーン商会店員「ウチとしてもスイーツを入荷したいんですがね? ヴァルバトーゼ閣下が暗黒議会で、意見を通したことで、少し滞ってまして――」

フーカ「ああもう! 天界、魔界、人間界、更には宇宙すら支配した銀河皇帝のお願いなのよっ」

ローゼンクイーン商会店員「いやー、暗黒議会で意見を通して貰わないと、こちらとしてはどうすることも」

エミーゼル「……フーカ。いい加減にしろよな。ボクも暇じゃ無いんだ」

フーカ「デスコがいないんだから、荷物持ちが必要でしょう?」

エミーゼル「ボクの知ったことか!!」


フーカ「あのね。女の荷物持ちぐらいするのが男の甲斐性ってもんでしょう。そんなのだと結婚できないわよ」

エミーゼル「心配なくても、お前達といたお陰で、ボクに結婚願望はなくなったから安心しろ」

フーカ「ちょっと。それってどういう意味よ!」

エミーゼル「そのままの意味だよ!」


さつき「あのー、ごめんなさい。ちょっと訊いても良いですか?」

フーカ「あれ? なんか見かけない顔ね」

さつき「えっと、ある人に用事があった来たんですけど、その人がどこに居るか分かりますか?」

フーカ「名前なんて言うの?」

さつき「えっと……確か」

シオン「ヴァルバトーゼ閣下です」

さつき「そう。ヴァルバトーゼさん、です」


フーカ「ヴァルっちに用事? 新党地獄への入党したいとか?」

さつき「あ、いえ、私は吸血鬼でして、血を数百年吸わずにいるというヴァルバトーゼさんに、吸血衝動に抗う秘訣を聞きに来ました」

フーカ・エミーゼル「「……」」

フーカ「あー、ヴァルっちの場合は、うん、ちょっと特別というか、アレだから、参考にはできないと思うわよ」

エミーゼル「中々難しいだろうなぁ。……って、お前は、シオン・エントナム・アトラシア!!」

さつき「え、シオン、地獄に知り合いがいたの?」

リーゼ「……研究で魔界に来たことがあるのかい」

シオン「ありません。少なくとも、この子供と会うのは初めてです」

>>12
リーゼとなってますが、リーズの間違いです。
脳内変換お願いします

フーカ「エミーゼル。なんで、あの人の名前知ってるのよ。あ、ああいうのが好みとか?」

エミーゼル「違う! ……人間界で生きている人間の内、死後、地獄に送られ、転生の費用を稼ぐ費用が多いランキングがあるんだ。そこで見事にベスト10入りしてたんだよ。そこの女は」

さつき「つまり、シオンが死んだら、プリニーになって転生するまで強制労働確定ってこと」

エミーゼル「ああ」

リーズ「因みに金額はどれぐらいなんだい」

エミーゼル「約一京ヘル。1ヘルは1円と同じ価値だ」

さつき・シオン・リーズ「「「1京ヘルぅぅぅぅ」」」


さつき「しし、シオン。何したの」

シオン「……何もしてません。いえ、多少、罪は犯しましたが、1京もの罪は犯した記憶がありません」

リーズ「――あ! し、シオン、オシリス改」

シオン「……………………………………………………………………………………あ」

さつき「あー、確かにシオンが原因だったよね」

フーカ「オシリス改?」

さつき「えっと、全人類抹殺して墓を建てようとしたオシリスを、シオンが改造して、似たような事を引き起こしたんです」

エミーゼル「書類にも起因がシオン・エントナム・アトラシアとなってたからな。これから善行を積めば少しは減るんじゃ無いか?」

シオン「…………………………因みにですが、回避する方法は?」


エミーゼル「死神のボクに訊くことか? まぁいいや。基本的には死ねば魂は地獄に送られて、プリニーとなる」

エミーゼル「だから、死後、魂を消滅させるか、或いは世界と契約して英霊にでもなれば、プリニーにならなくて済むけどな」

エミーゼル「ただ世界と契約して、消えることの無く永遠に存在するなら、終わりのあるプリニーをオススメするよ」

シオン「……」ガクリorz

リーズ「あー、ほら、ヴァルバトーゼ閣下。ヴァルバトーゼ閣下に会いに来たんだろう?」

さつき「そうそう。ヴァルバトーゼさんは居ますか」


フーカ「ヴァルっちならいないわよ。今はイワシに潜ってる最中よ」

さつき「え。イワシに、潜る?」

フーカ「そうそう。チバで水揚げされたイワシに潜って、味とかの存在能力をあげてるの。イワシのね」

リーズ「すまない。少し理解できない。イワシに潜るとはどういうことだい」

フーカ「魔界では、アイテムの中に潜って、そのアイテムを強化することが出来るの。それ次第で、棍棒だって伝説の剣並に強くなるんだから!」

リーズ「へぇ、それは凄いな」

エミーゼル「ほぼさっき潜ってたから、しばらくは戻ってこないと思うぞ」

さつき「えっと、それじゃあ、帰ってくるまで待たして貰っても良いですか?」

フーカ「良いわよ。自己紹介がまだだったわね。私の名前は【風祭フーカ】。で、こっちの小っこいのが死神の【エミーゼル】」

エミーゼル「小っこいは余計だ!」

さつき「あ、弓塚さつきです」

シオン「……シオン・エントナム・アトラシアです」

リーズ「リーズバイフェ・ストリンドヴァリだ。よろしく」



>>6
>>7
マスコット感と言うよりは雑魚感が似てるって意味合いです
時空の渡し人は――。

言っちゃっていいか分かんないんだけどさ…1HL=100円なんだよね…

オシリス よしながさんにのガ―ゴイルか

時期的に円安なんじゃねえの?(適当)


■魔界 地獄 辺境

プリニーA「それでこれからどうするッスか。『ソレ』を使って英霊を喚び出して、反逆するッスか」

プリニーB「無駄ッス。――『コレ』で喚べば、バランサーとして対となる英霊が喚ばれるッス。結局、プラマイゼロ、どころか絶対に負けるッス」

プリニーA「……じゃうどうするッス?」


???「実に面白そうなモノをお持ちですねぇ」


プリニーB「な、何者ッス!」

???「LINE友であるマオさんと楽しい(実験の)一時を過ごしていたら、こんなモノに出くわすなんてラッキーです。」

???「あ、私ですか? そうですね――。ほうき少女マジカルアンバー、とでも、名乗っておきましょうか」


■魔界 地獄 中枢部 客室

フーカ「へぇ、さつきちゃんも大変な人生だったんだ」

さつき「……はい」

フーカ「私もパパが造った妹に殺されて地獄に堕とされて、散々だったわ」

エミーゼル「……お前の場合は、幼いときに世界征服を企んだのがそもそもの原因だろ」

フーカ「子供の可愛い妄想じゃない! それを真に受けて、最終兵器を造る方がどうかと思うわっ」

リーズ「キミも大変だったんだねぇ」

シオン「……ブツブツブツ……納得いきません……なぜ私が死後にあんな大金を……これも全ては……ブツブツ」


ヴァルバトーゼ「……妙に姦しいと思えば、小娘共が増えていたのか」

デスコ「おねえさま。ただいまデス」

フーカ「あ、ヴァルっちおつかれー。デスコもお帰り」

さつき「……フーカさん。その子が妹……?」

フーカ「そうよ」

デスコ「初めましてデス。デスコは、最終兵器DESCO(暗黒殲滅水陸両用戦闘生物の略)なのデス」

さつき「へ、へぇ――。す、凄いね」


エミーゼル「ヴァルバトーゼ。コイツラは、あんたに用事があるみたいだぞ」

ヴァルバトーゼ「俺にだと」

フーカ「……訊いても意味ないと思うけどなぁ」

デスコ「?」

さつき「え、えっと、……、ヴァルバトーゼさん、数百年も吸血衝動に飲まれず、人間の血を吸わずに居られる秘訣を教えて下さい!」

ヴァルバトーゼ「そんなことか。良いだろう、教えてやる!」


ヴァルバトーゼ「イワシだぁ!!」


さつき・シオン・リーズ「「「え」」」


>>18
ディスガイアインフィニットで、為替レートが、1ヘル=1円って説明されてたので、てっきりそのままかと。
4では1ヘル=100円でしたっけ。記憶が曖昧でした
脳内変換をお願いします

ディスガイアと型月のクロスとか俺得
続き待ってます


■魔界 地獄 辺境

プリニーA「で、それを使って何をするつもりッスか」

マジカルアンバー「さてさて、何をしましょうか? とりあえず私たちはかなり無力な存在なので、多少強いボディーガードが欲しいところです」

プリニーB「でも、下手するとバランサーとして対となる英霊か喚ばれるッス」

マジカルアンバー「確かに。ですが、これはその辺りにある聖杯とは違います。アイテム界で鍛えられた究極の聖杯。謂わば超ドラ○ン○ールのようなもの」

マジカルアンバー「神霊でも、魔王でも、なんでも喚び出すことができる一品」

マジカルアンバー「試しに魔王でも召喚してみましょうか」

キィィィィィィンンンンンン

「……――」


マジカルアンバー「えっと、クラスはバーサーカーですか。魔王クラスとはいえ、やはりクラスには縛られますか――」

プリニーA「見た事も無い魔王ッスよ」

プリニーB「強いんッスかね」

マジカルアンバー「そこは、引き運ですねー。……☆5を召符で出すぐらいの運が必要かもですが」

「私に、何か、よう?」

マジカルアンバー「聖杯で面白いことをしようと思ってますので、少し護衛をお願いします」

「……対価、は」

マジカルアンバー「……何か欲しいものでも?」

「――血。人の、人間の、美味しい血。鮮血」

マジカルアンバー「――はぁ。とことこ私には、そちら系と縁があるようですねー。いいです。きちんと働いてくれたら、血をお渡ししまょう」

「……」

マジカルアンバー「あ、一応、名前を教えて貰っていいですか?」

「忘れ、た。もう、何百年も、名前も、訊かれないし、名乗ってもいない。だから、好きに、呼べば良い」


プリニーA「なんッスか。このぼっち系魔王は……」

プリニーB「シィィッス。ぼっちとはいえ魔王ッス。オイラ達では太刀打ちできないッス」

マジカルアンバー「んー。どうしましょうねぇ。とりあえずは、クラスのバーサーカーと呼びましょう」

「それで、いい」

マジカルアンバー「あ、ところで、私と貴女、どこから合ったこと無いですか?」

「分からない。もう、ずっと、私は、1人だから」

マジカルアンバー「……そうですか。因みに、魔王である貴女は、何ができまいす?」

「……これぐらい、しか、できない」

――魔奥義・枯渇のウロボロス――

「かつて唯一、私が、吸血鬼の頃に持っていた、魔法に近い魔術、それが魔奥義となった。これは世界を覆い、全てを吸い尽くす。最後には、自分さえ、も。全て、全て、全て全てスベテ――」

弓塚さつきじゃないか


■魔界 地獄 中枢部 客室

さつき「い、イワシ? イワシってあの鰯ですか?」

ヴァルバトーゼ「そうだ!」

さつき「えぇ――。鰯で、吸血衝動が抑えられるなんて……嘘くさいなぁ」

ヴァルバトーゼ「俺が嘘をついていると言う気か」

さつき「ひぃ。そ、そういうつもりは、ないです、けど」

ヴァルバトーゼ「いいだろう。お前達に、イワシにより暴君と呼ばれた時以上に磨きがかかった俺の力を見せてやろう!」

シオン「……ちょうどいいです。いきますよ、さつき。リーズ」

さつき「ええ! ちょっと、シオン――」

シオン「血を飲まずにイワシを食べる吸血鬼の実力を測るには、実践が一番です」

シオン「決して! 死語のプリニー化に関しての事でイライラしていて、何かにぶつけたいからではないの、誤解無きようにっ」

リーズ「そっちの方が割合的に大きい感じがするが――。相手が相手だ。護りは任せてくれ」

さつき「しょうがないなぁ」

ヴァルバトーゼ「かってくるがいい!」

ヴァルバトーゼ「かってくるがいい!」

イワシを?


三対一のバトルは数での不利をモノともせず、ヴァルバトーゼは終始優位に立っていた

ヴァルバトーゼ「見よ! これが魚強の力だぁ!!」

――魔奥義・悪夢のシェペシュ――

さつき「……え」

シオン「――ッ」

リーズ「気を付けろ! 来る、、」

ヴァルバトーゼ「レベル1からやり直すが良い!!」

――ブラッドスティング――

>>32
ごめんなさい

正しくは

ヴァルバトーゼ「かかってくるがいい!!」

です


ヴァルバトーゼ「……この程度か。人間界産の吸血鬼と戦うのは、久方ぶりだが。以前のはもう少しできたがな」

フーカ「へぇ。ヴァルっちって人間界でも吸血鬼と戦ったことあるんだ」

ヴァルバトーゼ「……アルティナに会う以前に、数回、別個体とな。相手の名前も知らん。ただ戦い合っただけだからな」

フーカ「ふぅん。あ、さつきちゃん達。大丈夫?」

さつき「――ぅぅ」

フーカ「暴君となったヴァルっちと戦ったらこうなるかぁ。デスコ、運ぶから手伝って」

デスコ「了解デス」


フェンリッヒ「閣下。こちらにお出ででしたか」

ヴァルバトーゼ「どうした?」

フェンリッヒ「魔界の魔力及び生命力が何者かに吸われております。この調子でいけば、大凡で5時間後には、この魔界は消滅します」

エミーゼル「な、なんだって!!」

ヴァルバトーゼ「神の仕業か」

フェンリッヒ「当事者は誰かは不明です。ですが、閣下が居られる魔界においての蛮行――。このままにはしておけません」

ヴァルバトーゼ「当然だ! まだまだ教育するべきプリニーは大量に居るっ。それを残して消滅なぞさせるか! 征くぞ、フェンリッヒ」

フェンリッヒ「はっ!」

>>30
マジカルアンバーさんとこの魔王さんとは白髪の人関係で繋がりがありますから、その縁で呼ばれました

たぶん後3回程度の投稿で終わる予定

乙乙



フェンリッヒ「閣下。偵察隊によると、あの者達が元凶のようです」

ヴァルバトーゼ「……。この距離でこれほどのエナジードレインとはな。どこの魔王だ」

フェンリッヒ「不明です。マィキペディアで検索をかけましたが、該当件数はありませんでした」

ヴァルバトーゼ「そうか。どこかの魔王かは知らぬが、これ以上、この魔界を好き勝手にさせる訳にはいかん!」



マジカルアンバー「あ、あのー、そろそろ止めて欲しいんですけど」

バーサーカー「なん、で?」

マジカルアンバー「いえ、こっちも少ししんどくなってきてましてね。これ以上されると、保つことが、厳しいと、いいますか」

バーサーカー「そう。……でも、止められ、ない。止める、つもりも、ない」

マジカルアンバー「――え」

バーサーカー「こんな世界、消え去ればいい。誰も、彼も、私を置いて、いなくなる」

バーサーカー「違う。違ウ。私が、消ケシタ。私ガぁぁぁぁああああアアアアアアアア■■■■■■■■■■」

マジカルアンバー「狂化ッ。このタイミングでですか。不運にもほどがありますよ!」


ヴァルバトーゼ「――止めろ。これ以上、魔界から吸い取ると言うのなら俺が相手になる」

バーサーカー「……ヴァルバ、トーゼ」

ヴァルバトーゼ「む。俺を知っているのか。貴様、何者だ」

バーサーカー「――■■■■■!!」

ヴァルバトーゼ「グッ。まるでブラックホールだ。全てを無作為に吸い込み、残るのは死だけ、か」

ヴァルバトーゼ「見た目からして吸血鬼だろう。ふ、吸血鬼族の王として、貴様を教育してやろう!!」

バーサーカー「■■■■」


○地獄 病院


さつき「ん――、あ、あれ、私は」

シオン「目が覚めましたか、さつき。私たちはヴァルバトーゼと戦って敗北。風祭フーカに病院まで運ばれてきました」

リーズ「いやー、強かった強かった。さすが吸血種だ。地上じゃあ戦いたくないね」

シオン「はい。血を飲まずにあれほどのパワーを出せるのなら、イワシ効果を試す価値はありそうです」

さつき「……それはどうだろう。と、何かさっきから騒がしくない?」

シオン「ええ。プリニーから訊いたところによると、なにやら別次元の魔王が襲来して、魔界のマナなどを無制限に吸収しているとのことです」

シオン「謂わばさつきの固有結界のようにですね。こちらの場合は、現実世界でそれをやってますから、質が悪いですが」

さつき「――ヴァルバトーゼさん達、大丈夫かな」

リーズ「私たちが束になって敵わなかったんだ。と言っても、なんの根拠にもならないか」


さつき「……」

シオン「どうしましたかさつき?」

さつき「……分からない。でも、なんだか行かないといけない気がする」

シオン「来襲したのは魔王クラスですよ。我々が行ったところで、どうこうなる相手ではないでしょう」

シオン「ざっと計算したところ、魔王クラスの上位勢力ならば、死徒二十七祖平均×100倍の戦闘力は覚悟しなくてはいけません」

さつき「う゛。で、でも、いかないと、いけない気がするんだよ」

リーズ「直感に頼るのも、たまにはいいんじゃないか?」

シオン「――はぁ。分かりました。ですが、ピンチなればすぐ撤退しますからね」

さつき「うん」


○地獄 辺境


ヴァルバトーゼ「――」ガクッ

フェンリッヒ「ヴァルバトーゼ閣下!」

ヴァルバトーゼ「来るなっ、フェンリッヒ!」

フェンリッヒ「し、しかし、閣下!」

ヴァルバトーゼ(まさか数合手合わせしただけで、これほどまで体力と魔力を吸い取られるとは――)

ヴァルバトーゼ(魔奥義で暴君に戻ろうとも、1秒も持たずに戻される)

ヴァルバトーゼ(……だが、これほどの能力。なにかしらのデメリットはあるはずだ)

ヴァルバトーゼ(ラハールがいる魔界で起こった異変の時のように吸収した物を己の力にしていないだけ、まだ、マシといえるか)

ヴァルバトーゼ(身体能力だけ見れば二流の魔王。存在能力と魔奥義の質だけは魔王上位クラスだ)

※途中、酉を忘れてました

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