【咲】京太郎「今日から俺が須賀京子ちゃん?」巴「12まで来ちゃったのね【永水】 (1000)


○このスレは所謂、京太郎スレです

○安価要素はありません

○設定の拡大解釈及び出番のない子のキャラ捏造アリ

○インターハイ後の永水女子が舞台です

○タイトル通り女装ネタメイン

○舞台の都合上、モブがちょこちょこ出ます

○たまにやたらと重くなりますが笑って許してください

○雑談はスレが埋まらない限り、歓迎です

○(本番)エロは(本編には)ガチでないです





【咲ーSski】京太郎「今日から俺が須賀京子ちゃん?」【永水】
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【咲―Sakj】京太郎「今日から俺が須賀京子ちゃん?」春「そのに」ポリポリ【永水】
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【咲】京太郎「今日から俺が須賀京子ちゃん?」小蒔「その3ですね!」【永水】
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【咲】京太郎「今日から俺が須賀京子ちゃん?」湧「そん8っ」【永水】
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【咲】京太郎「今日から俺が須賀京子ちゃん?」小蒔「大大突入の10です!」【永水】
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【咲】京太郎「今日から俺が須賀京子ちゃん?」初美「11に来たのですよー」【永水】
【咲】京太郎「今日から俺が須賀京子ちゃん?」初美「11に来たのですよー」【永水】 - SSまとめ速報
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京太郎「この…!エロオナホ…め…!!」スパァン

初美「ひぃいいぃいんんっ♪♪♪」

再び動き出した京太郎の腰使いは、止まる直前とまったく変わらないものだった。
ただひたすらに快楽を求めようとするそれに初美は心底嬉しそうなメス声をあげる。
彼女にとって京太郎の欲望を受け止める事は自身の欲望を満たすのと同義なのだから。
独り善がりなピストンに身体が再び快楽地獄へと沈んでいく。

京太郎「俺のチンポが何処に挿入ってるのか分かってるのかよ…!!」

初美「し、子宮ですううっ♪♪わらひのしきぅううっ♥♥」

初美「赤ちゃんの部屋にご主人しゃまのチンチンが挿入っちゃってまひゅぅうっ♪♪♪」

京太郎「分かってて俺にオネダリしてたって事は…!!」

京太郎「もっとここをイジメて欲しいって事だよな…!!」パン

初美「はひぃいいぃいいいいっ♥♥♥」

無論、初美もそれがどれほど異常な事なのか分かっている。
幾ら何でも子宮にまで肉棒を招き入れるのはやりすぎだ。
本能が忌避感を覚えるのも当たり前だとおぼろげに感じる。
だが、それはもう彼女にとって興奮の餌にしかならない。


初美「れもっ♪♪でも、幸せにゃんれすうううっ♥♥♥」

初美「ご主人さまに子宮まで犯ひて貰えてぇえっ♪♪♪」

初美「お尻がパンパンにゃってぇええっ♪♪」

初美「チンチン一杯で幸せにゃんれすよぉおおっ♥♥♥」

初美「わらひ…ようやくセックしゅ出来てりゅんですうぅうううっ♪♪♪」

幾ら子宮が収縮するようになったと言っても、彼と彼女の体格差は絶望的だ。
最初よりは飲み込めるようになったが、その全てを受け入れる事は出来なかったのである。
だが、今の彼女は、京太郎の肉棒を全て飲み込む事が出来ていた。
持ち上げられた尻に京太郎の腰がぶつかって、パンパンと肉が弾ける音も鳴り始めている。
エロ動画によってセックスへの期待を植え付けられた彼女にとって、その音は念願叶った証だった。

京太郎「これがセックスなもんかよ…!!」

京太郎「俺の腰に合わせて、子宮がどれほど動いてるのか分かってるのか…!!」

京太郎「今だってジュッポンジュッポン鳴って俺のチンポに吸い付きやがって…!」

そんな彼女の子宮が京太郎の事を容易く手放すはずがない。
京太郎の肉棒をしっかり咥え込んだ子宮はそのピストンに合わせてズルズルと引きずり出されていく。
まるで行かないでと縋るようなそれは、しかし、永遠についていく事は出来ない。
入り口近くまで引き絞られる腰に何時しかチュポンと亀頭を手放して。


京太郎「エロ過ぎるんだよ…ぉお!!」スパァン

初美「あ゛ふぉお゛お゛おぉおおおっ♪♪♪」

そんな子宮口に肉棒が叩き込まれる。
京太郎が離れていった寂しさにアクメ汁を垂れ流す肉穴に再び『挿入』されてしまうのだ。
ふたつ目の穴を軽々と貫くそれに初美からヨダレと涙がこぼれ出す。
完全にアヘった初美に、京太郎は幾度となく肉棒を叩き込んだ。

京太郎「こんなエロいの童貞に味わわせて…知らねぇぞ…!」

京太郎「俺も…猿になるからな…!!」

京太郎「初美とのセックス大好きなエロ猿になっちまうから…ぁっ!!」

初美「ひぐう゛う゛うぅうううぅうううっ♥♥♥」

挿入しながらさらに挿入する感覚。
それは京太郎に二人の少女を同時に犯しているような錯覚を与えた。
潤滑油に塗れて、締め付けの良さと滑りの良いを同時に味わえるメス穴と自分を熱烈に歓迎し、決して手放すまいとするメス穴。
その両方から与えられる快楽は、童貞を夢中にさせるのに十分すぎた。

もうちょっとで終わりまでいけそうだけどちょっと眠気が出てきたので寝ます(´・ω・`)今日からまた大変なので…
続きはまた金曜日くらいになりそうです…


そしてちっぱいを愛でる京ちゃん了解です
どうせですから相手も決めちゃいましょうかーって事で下1

乙です
やっぱり子宮姦はヤバいよね(褒め言葉)

更新&移転乙~

こっちの板もこれからスレが色々充実してくるかと思うとアツいな


~全ての始まり~

京太郎「なぁ、穏乃」

穏乃「んー…?」ゴロゴロ

京太郎「実は俺、今までずっと幼馴染のお前にも隠してた事があるんだ」

穏乃「隠してた事?」

京太郎「あぁ。新年度も始まったし、いい機会だからさ」

京太郎「それをちょっと告白させて欲しい」

穏乃「こ、告白って言われるとなんか照れちゃうね」テレテレ

穏乃「でも、京太郎が告白したいって言うなら良いよ」スワリナオシ

京太郎「ありがとう」

京太郎「じゃあ、心して聞いて欲しいんだが…」

穏乃「…うん」ゴク



                      ,.  ⌒ヽ、/⌒ 、-- 、

                     /_,..-         ヽ  `  、
                    __../´     /    ∨   \
                      ,/ `i      / ,'     :    、 ヽ
.        Y ヽ        //   i   ., / /|  |  :.  | | |    ∨
        |  ‘,  .._/  i   i   . | |..|...|  |   _} | | | |  | :
        i   ∨    ̄ ̄.|   .i .{ ´| |\.{  |: , ´//}∧ |  | |
        ‘,   ∨     .|   .i , rⅥィ笊 从 {∨ /ィ笊_ヽ}/、 | |
.        ∧  .‘,     .i   i . { 从 Vり \∨' Vり /' / ∧{
r <                  i   i.}从lム     ; \     ,ノ /  \         実は俺、ちっぱいが好きなんだ!!!!!!
.', .\               _ .j   i  | ∧          ∧,イ
 ',   <    .∧         .i  Ⅵム  .-===-  ...イ //
.  ヽ    ` ─ .´ヽ        ∨  ヽl\       //イ
.     >                ‘ ,  |.≧` .ー . ´.≦|
     >  ´     /          ̄ ̄ ̄ ̄)三三└x
 > ´     _             __  ≦i.iミ&三三三ニ≧ -   _  、
(_  <   ∧           ィマY三三三三i.i三三三三三三三三三三.iニ',

           〕 ─  ´ ´/ィ三ミi i三三三‘,○三三三三三三三三三三.i三i
           i三.ミ x\ //三ニ/三三三三.i三三三三三三三三三三三i三.i
           i三三三≧彳三ニ././三三三三i三三三三三三三三三三三i三.i
           ∨三三三三三,///ニ,’三三三.i三三三三三三三三三三ニ.i三ミi

.            ∨三三三三/.//ニ/三三三三三三三三三三三三三三三三.∧
             ∨三三三ニノ/ニ/三三三三ニ.Yヽ三三三三三三三三三三三ミi
              マ三三三 /ミ/三三三三三ニ`´三三三三三三三三三三三ニi



       ,. :´: : : : : : : : : : : : :`:ヽ、-.、

      /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ:\
    /: : : : : : : : ∧: : : : : : : : : : 、 : : :ヽ:ヽ
   / : : : : : : : : : / ヽ: : : }: : : : : : ヽ: : : ヘ: ヽ
  /: :/ : : : : / : /  ヽ: : :}: : : : : : :ヽヽ: : }: : :ヽ

  {: /: : : ト、ハ: /    '; :人: :_レ: : : ',V/: }: : : :ヘ
  {:ハ: : : :i: i`'ト:L__  vi:,レへ:{\: : : }:!: :/: : : : :ヘ

   ハ: : :ハ! V      レ   ` V: /:}:./: : : : : : ハ
    ヽ: ハ 三三      三三三 i:V: :.ハ: : : : : : : : :ヽ
     V: } ww       ww   }: : : レi: : : : : : : :ハ:ヘ         はい?
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      V>. 、_ ー―'  z≦  !:. :/  }: j : : : : : :} ヽ
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          _ゞくトニiiニニ-:´ノ::::レく   レ i: : : :ハi
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      j::::::!:::::::::::〃:::::::::::::::::::::/:::::::::::}  レ'
       l::::::V::::::::::ll::::::::::::::::::::::/::::::::::::::::;
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穏乃「え、えっと…」

京太郎「いや、みなまで言わないでくれ!」

京太郎「お前、今まで巨乳好きだったんじゃないのかよ、とか」

京太郎「なんで俺の部屋でくつろいでる時にそういう事言うんだよ、とか」

京太郎「色々と突っ込みたい事はあるだろう!!!」

穏乃「そもそもちっぱいって何?」キョトン

京太郎「そ、そこからかー…」

穏乃「な、なんかごめんね」

京太郎「いや、大丈夫だ」

京太郎「恥ずかしいが、ちゃんと壱から説明しよう」

京太郎「ちっぱいとは小さなおっぱい!!」

京太郎「つまり穏乃みたいなぺたん娘が好きだって事なんだよ!!!!!!11111」



    /:/ /: :/: : :イ\:// /    /:/ : : : : : ノ: : : : : : :

    {/ {: : {: : /ハ:ハ:\ {     /:/: : : : :ノ:ノ: : : : : : : :
      l  i: :ハ:/:!/7c=ミヽ   ノ/: : : :ノ:ノ:ノ: : : : : : : :/
      ∨ V:ハ ん///゙    zヒ三/ァ'-<: : : : : : //
          /:/ 辷:ソ     7C≧、ノ /: : /://: :
          /:/ ""        ん///ハ /ィイ彡: /:/:       な、なんだってーーーーーー!?
        _{:ハ     ´      辷z:ソ ノ /:/⌒Yイ: : :
      /::/.{:{..\            ""   /:/   ノ/: ;/: :
    イ:::::::i....{{.../r\ ヽニ>     u  ,.、/:/..イ /:/'/: :
  /:::{:::::::i.....i{...{::{ヾ::ヽ.._.........―::::´:::/:/:::::::\:/ /: :

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穏乃「って京太郎、巨乳好きじゃなかったの!?」

穏乃「というか、なんで京太郎の部屋で二人っきりの時にそういう事言うの!?」

京太郎「予想通りのリアクション、ありがとう」

京太郎「貧乳好きは世間一般では特殊性癖扱いだから巨乳好きのフリをしてただけで」

京太郎「タイミングに関しては、丁度良い機会だって思ったからだよ」

穏乃「丁度良い機会?……あ」

京太郎「そう、今日は…」

穏乃「一週間後には私の誕生日だから!?」パァ

京太郎「あぁ、うん。それで良いや」

穏乃「そ、そっか…そうなんだ…」モジ

穏乃「確かに…私ももう16だもんね」

穏乃「結婚とか色々、出来ちゃうし、大人の仲間入りだよね」

京太郎「成人式はまだ先だけどな」

穏乃「四年後なんてきっとすぐだよ、多分」


穏乃「でも、そっかー…」

穏乃「京太郎、ちっぱいって言うのが好きだったんだ…」

穏乃「いっつも玄さんとか宥さんのばっかり見てるから騙されちゃったよ」

京太郎「ま、まぁ、その辺は俺もプロだからな」

京太郎「それらしく振る舞うなんて朝飯前よ」

穏乃「そうなんだー…」

穏乃「…………じゃ、じゃあ…さ」

穏乃「もしかして私の知らない間に、私の胸とか…見てたの?」

京太郎「そりゃもうバッチリ見てましたよ」ゲスカオ



                     o

              ○    o
                    ゚   O
           o
               . . : ̄: ̄: :- .、   ゚
             /: : : : : : : : : : : :`: 、
           /: : : /: : : : / ヽ: : : : : ヽ

              /: :!V: :/: : ハ: :{  V: }: : ハ:}
          /: : :i :V:{:ハ: !\L  /ハ:レ′
.          /: : : ∧: ハ:N ○   ○ハ}
          /: : : : : / \{:{"゙゙┌―┐゙゙):}
       /:/: : : : /   V ェ ゝ__ノ イ:j                  ~~~~~っ!!!
        /:/ : : : V   -くヘ  ート  レ
        {:ハ : : :V  /  ヽー、くハニ>、    r, r,
        iハ : : ハ  /     i  く: .V:ハ  r、/ V /フ_
         V: :ハ /    /  ヽ小イ \ { ヽ   /
         V:{  L二ー-/      } !'∧ ノ` _ノ
         ヾ;  /  7┘     ゚i K /  /
               /   く   /   i / ヽ   /
               \   `<   ゚ i/  ー‐'
             7―- _ヽ〃




穏乃「き、京太郎のスケベ…」モジ

京太郎「ぐへへへ。今まで堪能させて貰ったぜ」

穏乃「そ、そんなに私の胸、好きなの?」

穏乃「正直、玄さん達のと比べて見どころなんてまったくないと思うんだけど…」

京太郎「それはお前、卑下し過ぎだって」

京太郎「別に胸が小さいからってまったく見どころがない訳じゃないんだし」

京太郎「何より、俺はそういうのが好きなド変態野郎なんだぜ!」

穏乃「そこまで言わなくても良いんじゃない?」

京太郎「いいや!貧乳が好きなんて俺は変態の中の変態なんだよ…!!」

京太郎「本来なら太陽の下を歩く事さえ出来ないような奴なんだ…!!」

京太郎「だから、ずっとカミングアウト出来なくて…」

穏乃「そう…なんだ」

穏乃「一人で…ずっと悩んでたんだね」

京太郎「あ、あぁ」


穏乃「でも、私は京太郎の事変態だなんて思わないよ!」

穏乃「京太郎の良いところ沢山知っているし…」

穏乃「それに…それに…私は…」ギュ

京太郎「…穏乃?」







                   __
            , .-‐: : : : : : : : :`: . .、

         /`7: : : /: : : : : : : : : :ハ: :\
        /: : /:´: : //: : : : : :/: :/ / ヽ: : ヽ
.       /: : : /:\: :/:!: : : /:_:/: :/ /  ヽ: : : ,
.       /: : : :{ヽ: : : ハ: : :/:ハ:≧ト、    V: : :}
     /: : : : :i: : : : : : ヘ: ハ /んバ`ー zィ:ノ:.ハ

     /: /: : : :V: : :'⌒!: N   辷ソ   f:゙ハ:.ノ
    /:/: : : : : ヽ: :{  {: {     ,,,,     ,ゞi ′
    /: : : : : : / \: ーi:{  u         ''l             き、京太郎の事が好きだから…!!
   /:/: : : : : /:/   ヽ:ヘ:i       ⌒  丿
.  /:/: : : : : /i:/ _∠zヘ{`ヽ、  _ ィ:.j
 /:/i : : : : / レ/:::::::::::::ヽ:トz:::::《::7  }:/

./:/ !: : : :/ /:::::/:::::::::::::i:::::::::〃ト.―レ.、
.レ  !: : : :! /:::::/::::::::::::::::::::}::::::::::》:::::::::::::::ハ
   '; : : :{ i:::::;'::::::::::::::::::::::::}:::::::《::::::::;::/::::!

    ヽ: : V::::i:::::::::::::::::::\:ヘ:::::::}}::::::{::::::::::;
     \:/::::::::::::::::::::::::::::::::ノ::::::}}::::::{::::::::〈
        /:::::ヽ::::::::::::::::::::::::i::::::::ji:::::::}::::::::ノ
       /:::::::::ヽ::::::::::::::::::::::l::::::〃:::::j::::::::{




: : : : :/ : : : : : :| : : : :|.. : :. ゙、: . ゙、゙、. \
: : : : : |. : : : : :i |: : : :i:|. : : : ∧: :、.i. .i: : . ` 、
.: : : : : !: : : : : | |、: : :| | : : i | !: :|:| : |:、: : : : : : >
: : : : : :| : : |: i 「! ヽート!、: : リ  !: |ハ: ト : | ̄ ̄
.: : :,..-、|: : :i: :|: !゙、 _、!二゙、-| イ: リ ! |ヽ:|
: : / へ.゙、 :丶ヾヽ<´{::::i` ヽ! 1!|:/| :!ノ゙、リ

: :ヽ    \ : :!丶   ̄     Vイ:ハ |\:i
.: : 丶    \゙、        `> リ  `               (……アレ?)
ヽ: : :`┬ 、  ヾ          /
  i: ;ィノ    U     ,....-ィ /
,,:‐レリ    _       ̄ /
゛=!_    \ `ー-、_  _/
::::::゛== 、 \   / ̄ヽ、
::::::::::::::::::::::゛===-、    >




穏乃「き、京太郎も…私の胸、好き…なんだよね」

京太郎「お、おう」

京太郎「(いや、ちょっと待ってくれ)」

穏乃「じゃ、じゃあ…あの両思いってことで…良い…んだよね」

京太郎「そ、そうなるのかな?」

京太郎「(ま、待て待て待て待て待て!!)」

穏乃「そ、そっか。じゃあ……わ、私達……」

穏乃「……恋人って奴に…なるのかな?」チラ





        ,..-―へ/ . : : :ヽー- 、

        彡';´.:/.: : : ; : : ヽ: : .、ヽ
         //: : i: : : : :ハハ: : ;ハ:i、 iヾ、
   ー--‐':´: : : : |: : : | |   ゙、: ! И人ト、
   \__: : : /: :ヽ!、: |!    V     ハ
       / : /: : :/   r- 、 __, -‐'   !        (あばばばばばばばばばばばばば)
        !:∠:イ´   丶、 _     _,..ノ
        |ハ:(        U   ̄ ̄   /
        |;ヘー\            /
            \: ;ヽ、   r--‐'′
           r―┴┐ ├┬┐
          ノ::::::::::::::|i  ! _|O|_
          /:: ̄ ̄ ̄\「:::: ̄:::::::\


京太郎「(ど、どうしてこうなったんだ…!?)」

京太郎「(お、俺はただエイプリルフールに貧乳好きだって嘘を吐いただけなのに!!)」

京太郎「(明らかに嘘だって丸わかりなそれをなんで信じこんでるんだよ!!)」

京太郎「(幾らなんでも穏乃の奴、純真過ぎ…)」ハッ

京太郎「(い、いや、待てよ…!?)」

京太郎「(そうだ…!幾ら何でもコレはおかしい)」

京太郎「(幾ら穏乃でも、こんな簡単に騙されるなんてありえないんだ)」

京太郎「(だから、きっと、これは穏乃なりのカウンター)」

京太郎「(騙そうとした俺に対して、同じネタで騙し返そうとしているんだろう)」

京太郎「(ふぅ…それに気づいたらもう何も怖くないぜ)」

京太郎「(危ないところだったが…何とか持ち直した)」

京太郎「(しかし、毎年、俺に騙されてる穏乃がこうも頭を回すなんて…)」






/     ,     /   /   / /             |   |  :.   .   :.
    /     /   /    '    |   |     |   |  i|   |    .
  イ        '   /|    /|  l   |   |     |   |  l|   |    |
// /      |   | {   ' :.     |   |     }   |  l|   |   {
 ' 〃         |   |  | |   ト,  :     /| /| /|    '  ∧|
/ / .'   ,:  ' Ⅵ |_'. |  | |   | l   |     ' }/ }/ :  /  .イ `\        (正直、お前の事を侮ってたぜ、穏乃…!!)
{/ /   / /  / {  |  Ⅵ≧!、,|   | 、 |   _/ム斗七    /:. / }'
 '   ,イ / | { 从 | イ  {::しメ∧   l  Ⅵ   イ {::し刈 `ヽ'  ' }/
'  / /イ Ⅵ :.  Ⅵ    Vzり \  、 }  /  Vzり   }/  /
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/  { |ノノレノ レ ∨Vリノ}
| / fヘレl(;;;;;)  (;;;;)レ|}

| l|  ゞl |.иーT^ナ и) |
| l|   | {>==二==く.| !
V1  .ト、≧ヽ\L!‐|ヽレ'

  ゞ  |_| |   く\ | |
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   .\しj = |. =|ν




京太郎「(そうと分かれば、チキンレースだ)」

京太郎「(穏乃がヘタレるまで、こっちもそれに付き合ってやるよ…!)」

穏乃「き、京太郎?」

京太郎「あぁ、悪い。ちょっと考え事してた」

穏乃「考え事?」

京太郎「あぁ。どうして穏乃はこんなに可愛いんだろうって」

穏乃「ふぇ!?」カァァ

京太郎「穏乃が可愛いは宇宙の原理原則だが…」

京太郎「穏乃だから可愛いと言う原則があるのか、或いは原則があるからこそ可愛いのか…」

京太郎「その難題を解くのに必死でさ」

穏乃「よ、良く分からないけど…私、全然、可愛くないと思うよ」

穏乃「ガサツだし、万年ジャージだし、ちんまいし…」

京太郎「ばーか。そんなの関係あるかよ」ナデ

穏乃「ん…っ♪」

京太郎「穏乃は優しい奴だし、ジャージも似合ってるし、ちんまいけどぴょんぴょん動くし」

京太郎「なんつーか、一緒にいて楽しいし、目で見てても面白い奴なんだ」

京太郎「穏乃には穏乃の魅力があるんだから気にするなって」ナデナデ

穏乃「あうぅぅ…」


京太郎「ま、その辺の魅力はちゃんと俺が…」

京太郎「そう!恋人であるこの俺が!!分かってるからさ!!!」

穏乃「な、何だかそうやって強調されると恥ずかしいな…」モジ

京太郎「だろう?だから…」

穏乃「…で、でも、嫌な気分じゃないよ」ニコ

穏乃「さっき、京太郎、誤魔化そうとしてたみたいだし…」

穏乃「ちゃんと恋人だって言ってくれて…私、とっても嬉しい」

京太郎「そ、そっか。そりゃ何よりだぜ、ハニー」

穏乃「は、ハニー?」

京太郎「お、おう。俺、恋人ができたらそう呼ぶのが夢だったんだよ」

京太郎「ダメか?」

京太郎「(っていうかダメだと言ってくださいお願いします流石に三枚目キャラでハニーはきついんです)」

穏乃「い…良い…よ」モジモジ




             ___/ ̄ ̄\_
         ,  ´        <⌒
        ,:'            `ヽ、
       ,                \_
                      \ } ̄´
        '              ,  \
      / ,          |/} ∧ }`ー`

       {∧          「ノ|/}/イ
      '  、       | /`/ } '
         } ∧     /イ   /
         |' ,} \__/イ__ /            (ノゾミガタタレター)
         //////////∧

        _,.{///////////|

     -=≦//////|////////≧=-- 、_
  r≦//////////////////////////////ヽ
  |//l///////////|///////////////////∧
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  |///∧////////l|///////////////|/////|
  |//// }////////l!///////////////}/////}

チキンレースどころか一人でドツボに嵌まってるだけの模様


穏乃「わ、私も恥ずかしいけれど…」

穏乃「で、でも…わ、私なんかと恋人になってくれた訳だし…」

京太郎「…はい、それ禁止」

穏乃「え?」

京太郎「今後、私なんかとか言ったら、抱枕の刑にするから」

穏乃「ぅ」

京太郎「折角、こうして恋人になったってのに、卑下されるのはやっぱイヤだしさ」

京太郎「胸を張るとかは難しいだろうけれど、なんかとかは言わないで欲しいな」

穏乃「…が、頑張る」グ

京太郎「おう。その意気だ」ナデナデ

穏乃「んへー♪」ニコニコ

京太郎「(あー…ホント可愛いな、コイツ)」

京太郎「(あくまでも性的な興味を向ける対象じゃないけれど)」

京太郎「(小動物的な可愛らしさに頬が緩みそうになるわ)」


穏乃「あ、で、でも、それなら…」

穏乃「わ、私もこれからは京太郎じゃなくて…」

穏乃「だ、だだだだ…ダーリンって言ったほうが…良い?」

京太郎「う…」

京太郎「い、いや、無理はしなくても良いと思うな!」

京太郎「やっぱり恥ずかしいだろうし…」

穏乃「だ、大丈夫!」

穏乃「も、勿論、恥ずかしいのは恥ずかしいけど…」

穏乃「でも…京太郎の夢を叶えてあげる為にも…」ググ

穏乃「だ……ダーリン♥」

京太郎「ぐふっ…」

京太郎「(く、くそ…!穏乃の奴、本気でチキンレースやるつもりだな…!!)」

京太郎「(ここまでやって降りる気配も見せないなんて…!)」

京太郎「(だが…こっちも男だ…!!)」

京太郎「(ここで尻捲って逃げられるかよ…!!)」

京太郎「(ネタばらしまで付き合ってやるから覚悟しとけ…!!)」


穏乃「も、もうすっかり暗くなっちゃったね、ダーリン」トテトテ

京太郎「そ、そうだな。4月なんて言ってもまだ肌寒いからな」

穏乃「そう…かな?」キョトン

京太郎「ハニーは健康優良児過ぎるからなぁ…」

京太郎「まぁ、そういうところが可愛くもあるんだけど」

穏乃「えへへ…」テレテレ

京太郎「(…おかしい)」

京太郎「(アレからもう半日近く経ったのに、未だにネタバレの気配がないぞ?)」

京太郎「(一体…どういう事なんだ?)」

京太郎「(流石にそろそろネタバレしてくれないと…もう穏乃の家に着いちゃうんだけど…)」


京太郎「は、ハニー」

穏乃「ど、どうかした?」

京太郎「い、いや、あの…何か俺に言う事はないか?」

穏乃「言うこと?」キョトン

京太郎「あぁ。とてもとても大事な事だ」

穏乃「大事な事…」ウーン

穏乃「……あ、そうだ」

京太郎「お、思い出してくれたか!」

穏乃「…うん。あのね、ダーリン」




                        ___
               _ >: : ̄: : : : : : : : ̄: ー.、
                  /: / : : /: : : : : : : : : : : : : : :\
            /: : :´\ : /: : : : : :/: : : : : :∧: : : : :\

             /: : : /: : : : 7: : : : /:/: : : : /:/  V: : :ヽ: :ヽ
          /: : : /: \: : i : ! : :ハハ:\/ハ!   V: : :}} : : ヽ
            /: : : : : {:ヽ: : ヽ:!: ハ:/r‐r示ミ` {   __レ‐:j: : : :ハ
         /: : : : : : :、: : : : : :V: :V ん/ハ     zzレイ: : : : :ハ}
.         /: : : : : : : :∧: /⌒V:./ 弋/ソ     ん:i 〉レ: :ノ: :ハ
         /: : : : : : : : : :∧ヽ  l: :!  ヽヽ      辷/ ハレ レ
      /: : : : : : : : : : :/ \ヽ.!: l        `ヽヽ': |
     /:/: : : : : : : : ://   ヽ:!: !    { ̄  ァ   /: !
   /:/: : : : : : : : :_:/:/   rハ: {       _ /  ィj: :j            私、ダーリンの事、世界で一番、愛してるよ!!!!
 /:/: : : : : : : :/  ヽ` ーく  ヽ:{   - _   < l :/
´ /: : : : : /: :/    i   ヽ  '\ ∧_     〃
. : : :_: /: : /     }   \ / 〉{く}   ‐、  ノ
 ̄  /: : /        ノ     r‐ヽo Y∧〉  ハ
. /: : : /         //     !: . : V/:⌒:┐ / ,′
∠ ―へ       //   レ: .┬く . : / / ′

    \  ヽ    〃   く: . : . 小: . Y }' イ
      ┬ 、  ー-V      \:/oハ: . :> ! │
      /   >‐┘           j    ,  }
      /   /   、         o!    ノ―'j
    /   /    ヽ      /  ∠ィ ̄
    /    /       、    /  /  }


京太郎「…え?」

穏乃「そ、それだけ!!」

穏乃「さ、流石に恥ずかしいから…私、もう帰るね!」ダッ

京太郎「ちょ、し、しず!?」

穏乃「ま、また明日、会おうね、ダーリン!!」パタパタ

京太郎「い、行っちまいやがった…」

京太郎「(ホント、最後の最後まで人の事引っ掻き回しやがって…)」

京太郎「(…結局、ネタバレもなしだったし…)」

京太郎「(一体…明日からどうすりゃ良いんだよ…)」

京太郎「(…それに、何より)」


                ,. --- 、        ____
                  /,  ´ ̄ ̄` '⌒´     \
           、_/_/⌒ヽ , /            ヽ
            ,---、  / //    :       ヽ :.
           ,  / ̄-/ /' {   | |       | :
          / __   ̄,./ /-' l| l | |___ l |    |
            .:' /   ,イ _| | |ア__l { { | / }`| |    |
       /       ,:´ | { | l\{从 ∨ィ斧ミ、 |    |
    /\'´        /{  | 从{__,. \∨Vソ }イ ト、 ∧{
    ////\ r---  ´八 !∧  ̄   ,:  :.:.:  }/ノ/ リ         ……なんで穏乃相手にドキドキしちゃってるのかなぁ、俺よ
.   ///////\      \}∧         u 八/
  //////////〉        込、  __    ,.: /
  ///////// /          }>、   ` イ |从
 ,'//////// /   _      /--、l ` ̄ :,   |--、
.///////// /  イ/////\   {////}   /  「///|
'//////// /´// {////////ー '|////|   ,   |///l|
///////////// |l///////////ヽ// \    |////> 、
////////{/////{!/////////////////}--- /////////> 、

時間ないけど何とかどーにゅーだけ書こうと思ったらコレだよ!!!!(´・ω・`)出勤準備いいいいいい

乙だけど、これ愛でるとは違うような...



このままなし崩しっクスに行くかと思ったぜ

乙です
次は金曜日とか言ってたのに本当に>>1は病気やな(褒め言葉)

>>31
この勢いのまま致しちゃう別種のなし崩しックスの予感

とりあえず、穏乃が可愛い

しずかわ

しずが
かわいいので
よし!

シズかわ


初美「にゃ、なっれ良いでしゅよぉおっ♪♪」

初美「わ、わらひももうしゃるでしゅううううっ♪♪♪」

初美「チンチンらいしゅきなお猿ぅうう♥♥」

初美「子宮セックスしゅごいいぃいっ♥♥らいしゅきなのぉおおっ♥♥♥」

京太郎「う…っくぅ…」

初美の身体はもうボロボロだった。
子宮まで犯されてしまった彼女は高まり続けるアクメに身体中をビクンビクンと跳ねさせている。
しかし、それでも彼女はもう止まれない。
快楽と共に高ぶる欲望がその小さな腰を動かし、自分から京太郎を迎え入れさせる。

初美「そ、しょれに…逃げ場にゃんてないのですううっ♪♪」

初美「チンチン一杯しゅぎぅううっ♥♥」

初美「ジュッポンジュッポンしゅるの逃げられにゃいいいっ♪♪♪」

初美「どんなジュポジュポでも子宮負けひゃいましゅうぅう♥♥」

初美「わらひの子宮ぅっ♥♥かんじぇんにご主人様に堕としゃれまひたあああっ♥♥♥」ウットリ

京太郎「だからって自分から腰振るかよ…このエロオナホが…!!」

初美「お゛ふぉおぉおおおおおっ♥♥♥」プシャァア

その上、初美の言葉はあまりにも淫らが過ぎる。
男としての支配欲を満たすそれに京太郎の腰使いは激しくなる一方だった。
パンパンと肉がぶつかり合う音も一回毎に強くなる。
その変化を敏感な肉穴で感じ取る初美は、ついに潮を吹き出した。


初美「にゃ、なっれ良いでしゅよぉおっ♪♪」

初美「わ、わらひももうしゃるでしゅううううっ♪♪♪」

初美「チンチンらいしゅきなお猿ぅうう♥♥」

初美「子宮セックスしゅごいいぃいっ♥♥らいしゅきなのぉおおっ♥♥♥」

京太郎「う…っくぅ…」

初美の身体はもうボロボロだった。
子宮まで犯されてしまった彼女は高まり続けるアクメに身体中をビクンビクンと跳ねさせている。
しかし、それでも彼女はもう止まれない。
快楽と共に高ぶる欲望がその小さな腰を動かし、自分から京太郎を迎え入れさせる。

初美「そ、しょれに…逃げ場にゃんてないのですううっ♪♪」

初美「チンチン一杯しゅぎぅううっ♥♥」

初美「ジュッポンジュッポンしゅるの逃げられにゃいいいっ♪♪♪」

初美「どんなジュポジュポでも子宮負けひゃいましゅうぅう♥♥」

初美「わらひの子宮ぅっ♥♥かんじぇんにご主人様に堕としゃれまひたあああっ♥♥♥」ウットリ

京太郎「だからって自分から腰振るかよ…このエロオナホが…!!」

初美「お゛ふぉおぉおおおおおっ♥♥♥」プシャァア

その上、初美の言葉はあまりにも淫らが過ぎる。
男としての支配欲を満たすそれに京太郎の腰使いは激しくなる一方だった。
パンパンと肉がぶつかり合う音も一回毎に強くなる。
その変化を敏感な肉穴で感じ取る初美は、ついに潮を吹き出した。


京太郎「自分からチンポ迎えに来やがって…!」

京太郎「そんなにチンポが好きなオナホ女に容赦なんてされると思うなよ…!!」

京太郎「このまま射精してやる…!子宮に思いっきり射精してやる…からぁあっ!!」グイ

初美「ひいぃいいぃいいいいいいっ♪♪♪」

それを京太郎は初美を詰る材料に出来ない。
高まりすぎた彼の欲望と快楽は、射精以外の事を些事と切り捨てていたのだ。
だからこそ、京太郎はプシャリと潮を噴き出す初美の両腕をグイを持ち上げる。
畳にヨダレを垂れ流す彼女の顔を強制的に浮かび上がらせるそれに初美の悦楽が爆発した。

初美「お゛おおおおっ♪♪奥ぅうぅうううっ♪♪♪」

初美「これっ♥♥奥しゅごい来るのですよおおおっ♥♥♥」

初美「チンチンがああっ♪♪チンチンががちゅんってええっ♥♥」

初美「子宮の全部犯ひてりゅうぅうううっ♪♪♪」

初美「しきぅオナホになってましゅううううううう♥♥♥」

今の初美は京太郎によって半ば固定化されてしまった状態だ。
ピストンから与えられる衝撃や快楽をもう別のどこかに逃す事は出来ない。
その全てを自分で処理しなければいけなくなった子宮が、喜び悶えてイキ狂う。
とっくの昔に屈服していた子宮は、今までよりもさらに嗜虐的になったピストンを受け入れないはずがなかった。


京太郎「初美っ初美…ぃいっ」パンパン

それは京太郎にとっても諸刃の剣であった。
メスを屈服させる為の腰使いに、初美のメス穴はすぐさま媚び始めるのだから。
その肉ヒダ一つ一つから愛を伝えるように締め付けてくる彼女に、思考さえも薄れていく。
それと反比例するように強まるオスの欲望が、京太郎の肉棒をさらに逞しくさせた。

初美「はひいぃいいぃいいっ♥♥」

初美「わ、わらひですうううっ♪♪し、しきぅオナホ女のはちゅみれすううううう♥♥♥」

初美「らからっ♪♪らからもっとパンパンひてええっ♥♥」

初美「おにゃほピストンぅうっ♥♥射精セックしゅ欲しひのでしゅよぉおっ♥♥♥」

どうして京太郎が自分の名前を繰り返しているのか、今の初美には分からない。
彼女の思考はアクメに溶かされ、その言葉は既に反射に近いものになっているのだから。
しかし、それでも京太郎の肉棒が硬く、大きく、熱くなった事だけは分かる。
ジュポジュポと淫らな水音をかき鳴らす肉穴は今や初美の全てと言えるほど敏感になっていた。


京太郎「う…おぉおおおおおっ」ジュルル

初美「きゅぅううぅううううううううううううんっ♥♥♥」

京太郎「おぉおおおお!!!」スパァァン

初美「んにゃあ゛あぁああああああああっ♪♪♪」

そんな初美の中を京太郎は思いっきり蹂躙し続ける。
よりメスの最奥で射精しようとするその肉棒を、大きなストロークで子宮に叩き込んでくるのだ。
その背中から弓なりになって繰り出されるそのピストンに、初美はもう鳴き声しかあげる事が出来ない。
一突き毎に湧き上がるアクメに下半身もガクガクになり、プシャプシャと短い潮吹きを繰り返していた。

初美「(妊娠…しゃせられるうぅうう♪♪♪)」

初美「(ご主人様っ♥もうそれだけしか考えてにゃいいぃいっ♥♥)」

初美「(メスを妊娠しゃせる為のピストンぅううっ♥♥♥)」

初美「(種付け確定の…エロエロセックスぅううぅうう♥♥♥)」

初美「(そんにゃの…っ♪♪そんにゃの…嬉しいに決まってるじゃにゃいれすかあああっ♪♪♪)」

初美「(妊娠したひぃいってえええっ♥♥ご主人しゃまの赤ちゃん欲しいってええっ♥♥♥)」

初美「(オナホ女にゃのに思わされちゃうのですよぉおお♪♪♪)」

その胸中に浮かぶのはメスとしての幸福感だった。
その激しさも限界に達したピストンが、彼女をオナホではなく、メスに戻している。
結果、愛しいオスに種付けされる感覚は彼女の中で最高潮に達していた、
そこから生まれる幸福感と悦楽が、幾度となく初美のアイデンティティを書き換える。
メスにオナホにとまるで揺れる天秤のようなそれはどっちかに傾く事を許さなかった。


初美「(好きぃいっ♥♥好き好き好きぃいいっ♥♥♥)」

初美「(ご主人様ぁっ♥気持ち良くって…強くてあちゅくて硬くてぇええっ♪♪♪)」

初美「(愛してましゅぅうっ♥♥愛ひてりゅぅうううっ♥♥♥)」

初美「(世界中の誰よりも愛ひてりゅんですううぅううう♥♥♥)」

だが、それでも初美の愛は変わらない。
オナホであろうとメスであろうと彼女が完全に屈服させられた事実は覆らないのだから。
胸の底から湧き上がる愛の言葉は、揺れる天秤とは裏腹に、まったく動く事はない。
既に限界一杯に達したそれは初美の身体を乙女のようにときめかせ。

京太郎「あぐ…あぁあああああっ」

初美「~~~~~~~~~っ♥♥♥」

―― 瞬間、キュンと鳴ったのは初美の心臓だけではなかった。

まるで愛情すら燃料にするかのようにキュンと締まった肉穴。
それに言葉すら放棄してしまった京太郎が耐えられるはずがない。
ケダモノの叫び声をあげる京太郎はその肉棒の切っ先をビクンと震わせる。
瞬間、初美は自身の肉穴に熱いものが吐き出されていくのを感じた。


初美「(あちゅくてドロドロぉおおっ♪♪)」

初美「(これぇえええっ♪♪これでしゅぅうううう♪♪♪)」

初美「(精液ぃいっ♥これ絶対、ご主人しゃまのざーじるぅうううう♥♥)」

初美「(射精ひて…くれてるううっ♥♥ご主人様が私の子宮…にぃいっ♪♪)」

それを初美が今更、間違うはずがない。
一度、口の粘膜で射精を受け止めた彼女の本能は、それを同じものだと断定した。
瞬間、彼女の中に湧き上がるのは身悶えするほどの悦楽と多幸感。
ついに京太郎をイかせる事が出来たのだとそう思うだけでアヘった顔から涙が浮かぶ。

初美「(ドックンドックンって直接射…ひぃいいいぃいいいいっ♥♥♥)」

京太郎「うぐ…うぅうううぅう!!」

そんな初美の中を京太郎はグンと押し進む。
中途半端な決壊してしまった肉棒を最奥へと戻そうとするようなその動きに、初美の本能から悲鳴があがった。
子宮の天井に亀頭を擦れさせながらの射精はあまりにも気持ち良く、そして支配的過ぎる。
自身が本当に京太郎のモノになったのだと感じさせられるそれに初美の身体がビクンビクンと喜び震えた。


初美「(も、もう…ダメにゃのですよぉぉお…♪♪♪)」

初美「(わらひ…犯されひゃったぁあ…♥♥♥)」

初美「(ご主人しゃまに…全部穢されまひたぁ…♪♪)」

初美「(子宮まれ…マーキングしゃれてぇ…♥♥)」

初美「(完全…攻略済み…いいぃいい…♥♥♥)」

初美「(もう…戻れ…にゃいぃぃい…♪♪)」

初美「(ご主人様の精液にしゃえ…犯されてりゅみたいに…感じりゅぅうう…♪♪♪)」

京太郎の精液は二度目だとは思えないほど濃厚なものだった。
吐き出された場所にベットリと張り付くようなそれに、初美は子宮の壁が犯されているようにさえ感じる。
通常ではありえないそれは開発された初美の被虐感が生み出した幻想。
しかし、思考すら投げ捨てた今の初美に、そんな事が分かるはずもなかった。

初美「(し、幸…せぇえ…♥♥)」

初美「(幸せしゅぎて…アクメしひゃうぅう…♪♪)」

初美「(今までのと…じぇんじぇん、違うぅ…♥♥)」

初美「(幸せアクメぇ…え…♪♪♪)」

初美「(トロトロふんわりアクメに…堕ちちゃいそぉお…♥♥♥)」

彼女に分かるのは、今の自分が幸せだということ。
そしてその幸せによって、自分が新しいアクメに辿り着いてしまった事だった。
快楽面では弱々しいものの、心を満たすその心地良さに初美はずぶずぶと沈んでいく。
抵抗する事も考えられない甘い感覚は、彼女の意識を微睡みへと引きずり込もうとしていた。


初美「(蕩け…りゅぅう…♪♪♪)」

初美「(身体全部崩れていくのに…全然、不安じゃにゃいのですぅう…♥♥)」

初美「(子宮で…ご主人しゃまが射精ひて…くれてるからぁ…♥♥♥)」

初美「(わらひに暖かいのをずっとくれてりゅからぁ…♪♪)」

初美「(らから…私…幸せ…れぇ…♥♥)」

初美「(子宮を…ご主人様で満たされ…ちゃうぅう…♥♥♥)」

初美「あ゛あぁあ…♥♥あ゛あぁぁああぁぁぁあああ…っ♥♥♥」

そんな初美を現実へとつなぎとめているのは京太郎の射精だった。
京太郎の射精に身体中の感覚を削ぎ落とされていきながらも、それによってギリギリのところで繋ぎ止められている。
その矛盾に初美は気づく事もなく、甘く蕩けた顔からメスの鳴き声を漏らした。
射精されている事が幸せなのだと隠そうともしないその声に京太郎の身体は否応なく反応してしまう。

初美「(じゅっとおおおっ♪♪)」

初美「(ご主人様…♥ずっと射精っぱなし…ぃい♥♥)」

初美「(も、もう私の子宮…精液塗れなのにぃっ♪♪)」

初美「(まら…どぴゅんどぴゅんって幸せザーメンくれてぇ…♥♥)」

初美「(嬉しひぃ…♥こんにゃの…嬉しすぎましゅよぉおお…♥♥♥)」

元々、京太郎は性豪だ。
人並み以上なのは、オスの象徴だけではない。
だが、そんな彼がこうして長々と射精し続けられるのは目の前の初美がエロくてしかたがないからこそ。
ゴクンゴクンと美味しそうに精液を飲み込みながら、アへ声を漏らす彼女に獣欲が擽られてしまうのだ。


初美「(わらひ…がんばり…まひゅぅ…♥♥)」

初美「(もぉ…お腹いっぱいらけどぉ…♪♪)」

初美「(ご主人様の精液でパンパンらけどぉお…♥♥)」

初美「(ご主人しゃまのザー汁ぅ♥♥無駄にしらく…にゃいからぁ…♪♪♪)」

初美「(じぇんぶ…飲むぅう♥♥子宮でゴックンしゅるですよぉおお…♥♥♥)」

京太郎「くぅうう…!」

子宮内部に精液が溜まっていく感覚は、初美の中で圧迫感や忌避感に繋がったりしなかった。
ただひたすら多幸感だけをくれる白濁液を、彼女が拒めるはずがない。
子宮口をキュンと甘く締め付け、肉襞をやわやわと蠢かせてしまう。
まるでもっと精液が欲しいとオネダリするようなその動きに京太郎は声を漏らした。
瞬間、弱まりかけていた精液が勢いを取り戻し、再び初美の中を白濁で染めていく。

京太郎「はぁ…はぁぁ…」

初美「ん……お…ふぉ゛おぉ…おおぉおぉお…♥♥♥」ドサ

しかし、それも十分と続くものではない。
どれほど京太郎が性豪だと強いと言っても、精液の量は有限なのだ。
その殆どを初美の中へと解き放った京太郎は肩で大きく息をする。
少しでも多く酸素を取り込もうとしながら、京太郎は彼女の身体をゆっくりと畳へと降ろした。


初美「(お、おにゃかの中…もうパンパンにゃのですよぉ…♥♥)」

初美「(ご主人さまのチンチンと精液で…いっぱぁい…♪♪)」

初美「(すっごい…♥♥すっごい幸せ…ですぅ…♥♥♥)」

初美「(もう…わらひこれで良い…ぃ♪♪♪)」

初美「(一生、ご主人しゃまのオナホ女れ…ぇ♥♥精液袋で…良いれすうぅう…♥♥♥)」

無論、初美の中の多幸感は幾分、和らいではいる。
射精されている時のように天にも昇る心地とはいかなかった。
だが、それに初美は寂しさを覚えたりはしない。
その多幸感の源である精液は未だ彼女の子宮を満たしているのだから。
多幸感の衰えこそ自覚しているものの、それは初美にとって誤差と言っても良いものだった。

初美「にゃ…あ゛ぁあぁ…♪♪♪」

初美「ほ…お゛ふぉおお゛ぅ…ううぅ…っ♥♥♥」ビクンビクン

京太郎「っ」ゴク

結果、初美の身体は未だ絶頂の最中にあった。
京太郎の肉棒を咥え込んだ子宮と、そこから生まれる多幸感を貪る心。
その2つが交じり合い、彼女の意識を絶頂から降ろそうとしない。
そんな初美に京太郎はつい生唾を飲み込んでしまう。
セックスが終わった後もオルガズムから降りて来られない彼女の姿はいやらしく、支配欲を擽られてしまったのだ。


京太郎「初美…っ!」ジュルルル

初美「ひぃいいぃいいいいいぃいいんっ♥♥♥」

自然、高まる欲望を、京太郎は制御する事が出来なかった。
初美への膣内射精は人生最高と呼べるほど気持ち良いものだったのだから。
それによって精液が枯渇に近い状態だったとしても、京太郎は心から満足する事が出来ない。
自分のメスへと種付けする感覚に彼はもう心奪われてしまったのだ。

京太郎「何を休んでるんだよ…!!」

京太郎「まだまだ…こっからだぞ…!!!」

初美「ん゛あぁああああぁあああっ♪♪♪」

だからこそ、再び動き出す京太郎の肉棒に初美はメスの鳴き声をあげてしまう。
未だ色褪せぬ絶頂の中に浸っていた彼女は、悦楽によって意識を覚醒させられた。
水をぶっかけるよりも乱暴なその起こし方に、彼女の身体が悦ばないはずがない。
その口からアヘった叫び声を放ちながら背筋をその小さな尻をビクンと震わせた。


初美「(お、犯しゃれりゅうぅうう♥♥)」

初美「(ご、ご主人しゃま、じぇんじぇん満足ひてにゃいいぃいっ♪♪)」

初美「(二回も射精ひたのに…チンチン硬いまんまれえええっ♥♥)」

初美「(も、もう動き出しゅなんてっ♥♥ちゅよしゅぎですよぉおおおっ♥♥♥)」

初美「(わらひなんて…もうグロッキーにゃのにいぃっ♪♪)」

初美「(身体も心も…もう一杯にしゃせられひゃったんですからぁあっ♥♥)」

てっきりこれで終わりだと思っていたセックスが再び始まる。
それを子宮で受け止める初美は、その心に弱音を浮かばせた。
たった一回の射精で、これほどまでに追いつめられてしまった自分が次の射精まで保つとは思えない。
例え、保ったとしても、それはきっと【薄墨初美】の原型を留めたものではないだろうと思う。

初美「(れも…っ♪♪わらひは…おにゃほ女らからぁ…♥♥)」

初美「(ご主人しゃま専用の精液袋らからぁ…♥♥)」

初美「(ご主人様には逆らえ…にゃいぃ…♪♪♪)」

初美「(種付け…されひゃうぅう…♥♥)」

初美「(壊れるまで…アクメセックスされひゃうのですうぅう…♥♥♥)」

しかし、だからと言って、初美がそれを心から厭うはずもなかった。
彼女は京太郎以上のセックス中毒になってしまったのだから。
たった一回のセックスで自身の尊厳を含め、何もかもを売り払った彼女は、それを悦んでさえいた。
京太郎にもっと壊して貰えるのだと、どうしようもないところまで堕として貰えるのだと。
そんな言葉が浮かう度に肉穴を締め付けさせてしまうほどに。


京太郎「はは。初美もそのつもりみたいだな…!」

京太郎「ちょっと腰動かしただけでマンコから子宮までキュンキュン締め付けてきやがる…」

京太郎「ホント…お前は最高のオナホ女だよ…!!」

初美「お゛ほぉおおぉおおおおおおっ♪♪♪」

それを見逃す京太郎ではない。
射精していた時と変わらない肉穴の蠢きを指摘しながらその腰を振るう。
子宮の中でジュポジュポと前後するそれに、初美は精液がグルグルとかき回されるのを感じた。
敏感な子宮の中で再び暴れまわる精液に初美は震える唇を動かして。

初美「ごしゅっ♥ごしゅじんしゃまぁああっ♥♥」

初美「わ、わらひ…っ♪♪わらひぃいいぃいっ♪♪♪」

京太郎「安心しろよ…!ちゃんと飼ってやるから…!!」

京太郎「どんな初美になっても…俺は一生、お前の事を犯し続けてやる…!!」

京太郎「だから…!!!」

初美「~~~~~っ♥♥♥」キュンキュンキュゥゥゥン

それは初美が望んだ言葉だった。
今以上に壊れる事が確定した彼女にとって、その保証は喉から手が出るほど欲しいものだったのである。
それを感じ取った京太郎の言葉に、初美の身体は悦び、鳴いた。
その言葉だけで軽い絶頂へと押し上げられた初美は、肉穴を締め付けながら、全身を震わせて。


明星「う、うわー…」

巴「ま、まだやっちゃうの…?」

春「…絶倫」

湧「キョンキョン…わっぜかぁぁ…♥」

霞「はぁ…京太郎君…っ♥」

小蒔「あうあうあう…」

そんな初美の姿を六人はジっと見ていた。
アクメ声を撒き散らしながらのセックスは、防音設備などまるでないこの屋敷では致命的なのである。
すぐ近くの部屋で御茶会をしていた彼女たちは初美の鳴き声を聞き届け、初美の部屋の前に集まっていた。

明星「(わ、私もあんな風にされちゃうのかしら…)」トロォ

巴「(というか…そもそもアレ挿入いるものなの…?)」ハァハァ

春「(初美さんでも大丈夫なら大丈夫…と信じたいけど)」モジ

湧「(お腹ボコォってして…キョンキョンの浮きでとるぅ…♥)」クチュクチュ

霞「(欲しいわ…♪私も京太郎君が…欲しい…ぃ♥)」クリ

小蒔「(どうして…私、こんなにドキドキしちゃうんですか…)」

小蒔「(二人が何をやっているのかも分からないのに…)」キュンキュン

その反応はそれぞれ異なっていた。
だが、目の前の光景に見入る彼女たちの心は一つ。
京太郎に犯される初美が羨ましい。
自分もあんな風に犯して欲しいとそんな欲求が胸中から浮かび上がってくる。


巴「ど…どうします?」

明星「ど、どうするって言われましても…あ、あの…」

春「…止めるのは野暮」

湧「ん…あちきも初美さあの邪魔してあげたくなか」

霞「でも、あんなの魅せられて…皆、我慢出来る?」

小蒔「…そ、それは…」

無理だ。
その言葉が彼女たちの中で重なる。
二人のセックスに霞たちは完全に充てられてしまったのだから。
あれほど幸せそうな交尾を見せられて、オナニーで満足出来るはずがない。
それはその行為の意味すら知らない小蒔も同じだった。

小蒔「私は…し、して欲しいです」

小蒔「初美ちゃんと同じ事を…私にも…」

霞「…じゃあ、決まりね♥」

巴「そ、そうですね。姫様がそう言うのなら」モジモジ

春「皆で京太郎に…抱いて貰う…♥」

明星「は、初めてが多人数プレイになりますけど…仕方ないですよね…♥」ハァ

湧「楽しみ…っ♥」ペロ

そんな小蒔の言葉に否を唱えるものはいなかった。
彼女たちは皆、自身の欲望に負ける理由を探していたのだから。
それを誰よりも純真な小蒔がくれたのに、遠慮など出来るはずがない。
二回戦が終わったら踏み込もうと彼女たちはそれぞれ愛液を滴らせながら、セックスを見つめて。



―― 数十分後、部屋から漏れ始めた幾人もの嬌声は、丸一日中、収まる事はなかった。



ってところで初美のなし崩しックス終わりです
他スレがあったとは言え、こうも遅くなってしまい、本当にすみません
何度も訂正や書き直しを入れた事も含めて申し訳なく思っています…
最初にリクエストした方がこれで満足してくださったかは分かりませんが…(´・ω・`)個人的には久しぶりにガッツリエロ書けてよかったです

次から手隙の時間はちっぱい編の続きやっていきます(´・ω・`)と言いつつ寝る!!!!!

乙です。
せっかくなので、その後の全員分のプレイがほしいです。

乙ー
次はシズか…阿知賀スレを思い出すね
過去の>>1の恥ずかしい所をもう一度しゃぶるように読み返してくるわ


そりゃこんだけご主人様プレイヤってて外に漏れてないわけがないわなあ

阿知賀スレは生乳アコス先輩のインパクトが強すぎてあんまり目立たないけど
シズもしっかりチュートリアル完堕ちで初体験は同時(3P)のメイン級エロインでしたね

前スレ>>896
毎回言ってる気がするけど、まさか追いついてくれる人がいようとは…
ありがとうございます(´・ω・`)これからもたまに京咲は書くと思うので暇な時にでも覗いてください

前スレ>>898
ぜってー明星ちゃんと湧ちゃんは使い捨てキャラだろうなと思ってたんですが出てたんですか…!?
情報ありがとうございます(´・ω・`)コミックス派だからまだ手元にないけど次の巻がすっごい楽しみです
本編との差異が気になりますが、そう言ってくれるとここまで書いてきた甲斐があります

前スレ>>899
巴さん可愛いと言ってくださりありがとうございます
正直、不安だったのでそう言ってくれると嬉しいです
次はさらに面倒くさい事になってて、このまま出しちゃって良いのか不安ですが…(´・ω・`)巴編ラストなんでまた可愛いと言ってもらえるよう頑張ります

>>10
ロリキャラとは言えばやっぱり子宮姦ですよね(錯乱)
子宮までグッポグッポされてお゛ほおおおおおってなってるところを久しぶりに書けて満足です

>>12
どう考えてもSS速報で書き続ける理由がないですからねー…
こっちでも京太郎スレが増えてくれれば私も嬉しいです(´・ω・`)

>>24
ある種、穏乃から告白されちゃった時点で詰んでますからね…
チキンレースだって事で納得するしかなかったんでしょう(´・ω・`)が、現実は非情である

>>31>>32>>33
まだ導入ですし(震え声)
ここからちっぱいを愛でる流れになっていくと思います(´・ω・`)だが恐らくなし崩しックスはない
後、私は全然、普通ですよ(安藤弟の顔で)
寧ろ、最近、頻繁に更新出来なくてごめんなさい…(´・ω・`)本編もちゃんと書き進めてます

>>34>>35>>>37
しずかわありがとうございます(´・ω・`)これからもしずかわを合言葉に頑張っていきます

>>58
3Pが限界の私が8P書くとなったら間違いなく死にます…

>>59
やめてくれないか!人の黒歴史をねっとりと読み返すのは!!
でも、未だに読み返してくれる人がいるのは嬉しいです、ありがとうございます

>>60
途中から二人ともぷっつんしてましたしねー
それにはっちゃんは前々から言っている通り、ドMキャラなので(´・ω・`)そりゃもう駄々漏れである
阿知賀スレは割りと余裕持ってヒロイン攻略出来るようにしてたとは言え、アレは私も予想外でした…
書き手としてもインパクト強かったお陰で私が憧シズ書く時は大抵あのスレの設定が根本に来ます(´・ω・`)
そして山歩きって足裏が刺激されて性欲高まるらしいんで、シズがエロいのは当然なんですよ!!!!!1111(暴論)



~ザ・セカンド・デイ~

京太郎「(…アレから一日、待ったが、穏乃からの連絡はなかった)」

京太郎「(どうやら穏乃は本気で、俺の事を好きだと言ってくれたらしい)」

京太郎「(で、俺はそれを冗談の一種と受け取ってしまっていた訳で)」

京太郎「(今更だけど最低な事やっちゃったよなぁ…)」

京太郎「(正直なところ…これからどうすれば良いのか分からない)」

京太郎「(でも…このまま付き合い続けるって訳にはいかないよな)」

京太郎「(俺は穏乃の事が好きだけど、それはあくまでも幼なじみとしてなんだ)」

京太郎「(このまま流され続けたら、何時か必ずあいつの事を傷つける)」

京太郎「(それを避ける為にも…何とかこの関係をソフトランディングさせなきゃいけない)」

京太郎「(出来れば、自然消滅って形が一番なんだが…)」

京太郎「(一体、どうすればそこまで漕ぎ着けられるのか)」

京太郎「(恋愛経験皆無な俺じゃ一晩中考えても答えは出なかった)」

京太郎「(まぁ、それでも朝がやってきて…俺も学校に行かなきゃいけない訳で)」

京太郎「(憂鬱だけど、今日も頑張りますか)」ガチャ



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京太郎「!?」


~ザ・セカンド・デイ~

京太郎「(…アレから一日、待ったが、穏乃からの連絡はなかった)」

京太郎「(どうやら穏乃は本気で、俺の事を好きだと言ってくれたらしい)」

京太郎「(で、俺はそれを冗談の一種と受け取ってしまっていた訳で)」

京太郎「(今更だけど最低な事やっちゃったよなぁ…)」

京太郎「(正直なところ…これからどうすれば良いのか分からない)」

京太郎「(でも…このまま付き合い続けるって訳にはいかないよな)」

京太郎「(俺は穏乃の事が好きだけど、それはあくまでも幼なじみとしてなんだ)」

京太郎「(このまま流され続けたら、何時か必ずあいつの事を傷つける)」

京太郎「(それを避ける為にも…何とかこの関係をソフトランディングさせなきゃいけない)」

京太郎「(出来れば、自然消滅って形が一番なんだが…)」

京太郎「(一体、どうすればそこまで漕ぎ着けられるのか)」

京太郎「(恋愛経験皆無な俺じゃ一晩中考えても答えは出なかった)」

京太郎「(まぁ、それでも朝がやってきて…俺も学校に行かなきゃいけない訳で)」

京太郎「(憂鬱だけど、今日も頑張りますか)」ガチャ



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京太郎「!?」


京太郎「し、穏乃?」

穏乃「しずの?」キョトン

京太郎「あ、い、いや、ハニー」

穏乃「う、うん。…や、やっぱりまだ照れくさいね」テレテレ

穏乃「…でも、良かった」ニコ

京太郎「え?」

穏乃「私の事、ハニーって呼んでくれたって事は…」

穏乃「やっぱり昨日の事、夢じゃなかったんだよね」

穏乃「私、まさか京太郎と恋人になれるかわからなかったから…」

穏乃「昨日、寝ちゃうの凄い怖くて…」

京太郎「……で、徹夜しちゃったと?」

穏乃「…うん」

京太郎「まったく…馬鹿だな、ハニーは」ポン

穏乃「ぅ…?」

京太郎「そんなに不安なら何時でも電話してくれて良いんだぞ」

京太郎「俺はお前の彼氏なんだから」

穏乃「か…彼氏…っ!?」カァァ


京太郎「なんだよ、今更、顔を赤くして」

穏乃「だ、だって…彼氏だなんて初めて言われたし…」モジ

京太郎「どれだけ耐性ねーんだよ」

穏乃「こ、これからは慣れるよ、きっと!」グ

京太郎「ん。そうしてくれ」

京太郎「じゃないと、俺は何時までも恋人が目の下に隈を作るのを見続ける事になりそうだからな」

穏乃「…やっぱ出来ちゃってる?」

京太郎「一目で分かるレベルじゃないが、じっくり見てたら割りと分かるな」

穏乃「うぅぅ…ごめんね」

京太郎「なんで謝るんだよ」

穏乃「だって、私…元からあんまり可愛くないのに…」

京太郎「はい。ペナルティ」ダキ

穏乃「ふにゃ!?」ビックゥ

京太郎「今、私なんかに類する言葉を言おうとしたのでとりあえずハグの刑な」ギュゥゥ

穏乃「うにゃああ…♪」


京太郎「まぁ、隈が出来てるのが気にならない…と言えば嘘になるけど」

京太郎「それで穏乃が謝らなきゃいけない理由はねーよ」

京太郎「寧ろ、謝らなきゃいけないのはお前をそんなに不安にさせてまったく気づかなかった俺の方だ」

穏乃「そ、そんな事…」

京太郎「あるんだよ」

京太郎「(…それに他にも色々と謝らなきゃいけない事沢山あるしな)」

京太郎「(それを穏乃に言ってやる事は出来ないけれど…)」

京太郎「…ま、なんにせよだ」

京太郎「俺にも後ろ暗いところはあるんだから、あんまりネガネガしてくれんなって事」ポン

京太郎「ネガるにしても俺に頼る形の方が恋人としては嬉しいかな」

穏乃「……うん。分かった」

京太郎「よし。それじゃあ、本題に移ろうか」

京太郎「どうして朝っぱらからここに?」


穏乃「さっきも言った通り、私、昨日眠れなくて」

穏乃「それで朝になっちゃったからもう寝ずに学校行こうと思ったんだけど」

穏乃「でも、学校行く時間まで暇だったから…ダーリンが出てくるの待とうかなって」

穏乃「その方は…あの、恋人…らしいし…」モジ

京太郎「…それは別に構わないし、寧ろ、嬉しいけれどさ」

京太郎「それなら何でインターフォンの一つでも鳴らさねーんだよ」

京太郎「鳴らしてくれたら、こんなところで待たせる事はなかったのに」

穏乃「ま、まだ恋人の家にお邪魔するのは恥ずかしいかなって…」

京太郎「ほぼ毎日入り浸ってんだろうが」

穏乃「そ、それはそうだけど…でも、もう恋人なんだし…」

穏乃「インターフォン一つ鳴らすのも勇気がいるんだよぉ」

京太郎「そういうもんか」

穏乃「そういうもんなの」

京太郎「まぁ、それなら俺もとやかく言ったりしないけど…」

京太郎「出来れば次からはインターフォン鳴らすかスマホに連絡入れるかして欲しい」

京太郎「この辺は治安も良いけど…変質者が出ないとも限らないしさ」

京太郎「それで穏乃が傷つけられでもしたら、俺は穏乃の親御さんに顔向け出来ないし」

穏乃「…うん。次から頑張る」ググ


穏乃「…でも、また穏乃って呼んでる」ジィ

京太郎「あ、わ、悪い」

穏乃「良いよ、私はどっちでも嬉しいし」ニコ

穏乃「でも、ダーリンが慣れるまで…もっとダーリンって言った方が良いのかな?」ウーン

京太郎「あー…それなんだけど」

穏乃「ぅ?」キョトン

京太郎「アレから色々と考えたんだが…人前で恋人らしい事するのは控えないか?」

京太郎「別にし…ハニーと噂になるのが嫌だって訳じゃないんだが…」

京太郎「今はインハイ前でかなり大事な時期だろう?」

穏乃「…うん」

京太郎「その最中に俺と付き合いましたーってなったら、やっぱり部内の士気に響くと思うんだよ」

京太郎「浮かれてる…とまでは言われないだろうけれど、真剣じゃないくらいは思われるかもしれない」

京太郎「それで部の雰囲気が悪くなるのも悲しい話だし、インハイが終わるまでは内緒にしておかないか」

穏乃「あー……」

京太郎「ハニー?」




       ,. :´: : : : : : : : : : : : :`:ヽ、-.、

      /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ:\
    /: : : : : : : : ∧: : : : : : : : : : 、 : : :ヽ:ヽ
   / : : : : : : : : : / ヽ: : : }: : : : : : ヽ: : : ヘ: ヽ
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  {: /: : : ト、ハ: /    '; :人: :_レ: : : ',V/: }: : : :ヘ
  {:ハ: : : :i: i`'ト:L__  vi:,レへ:{\: : : }:!: :/: : : : :ヘ

   ハ: : :ハ! V      レ   ` V: /:}:./: : : : : : ハ          ゴメン。もう憧に言っちゃった…
    ヽ: ハ 三三      三三三 i:V: :.ハ: : : : : : : : :ヽ
     V: } ww       ww   }: : : レi: : : : : : : :ハ:ヘ
       i:{     、_,、_,、_,    u イ: : :/ !: : : : : : : :ハ:i
      V>. 、_ ー―'  z≦  !:. :/  }: j : : : : : :} ヽ
        ヽヽ: ヽ {::::エニ彡:::::ニ:}_/l: :/  |:∧: : : : /:}
          _ゞくトニiiニニ-:´ノ::::レく   レ i: : : :ハi
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: : / へ.゙、 :丶ヾヽ<´{::::i` ヽ! 1!|:/| :!ノ゙、リ

: :ヽ    \ : :!丶   ̄     Vイ:ハ |\:i                 マジかー…
.: : 丶    \゙、        `> リ  `
ヽ: : :`┬ 、  ヾ          /
  i: ;ィノ    U     ,....-ィ /
,,:‐レリ    _       ̄ /
゛=!_    \ `ー-、_  _/
::::::゛== 、 \   / ̄ヽ、
::::::::::::::::::::::゛===-、    >


穏乃「そ、その、ダーリンと付き合えるようになったの嬉しかったし…」

穏乃「それに…色々と憧に聞きたい事があったから…」

穏乃「その辺、全然、頭回ってなくて…ごめんね」シュン

京太郎「いや、俺もちゃんとハニーに根回ししとくべきだったわ」

京太郎「そりゃ幼なじみの憧にくらい言いたいだろうし…俺が遅すぎたのが悪い」

京太郎「でも、憧に聞きたい事って?」

穏乃「う、うん。その…私はダーリンも知っての通り、そういうのが皆無だったからさ」

穏乃「実際に恋人になって…ど、どういう風にすれば良いのか分からなかったんだよね」

穏乃「だから、その辺の事を経験豊富(意味深)そうな憧に聞こうと思ったの」

京太郎「…で、憧はなんて?」

          . :´ . : . : . : .`: .

        /: . : . : . : . : . : . :\
       /: . : . : . : . : . : . :ヽ: . \
      /: . : . : . : . : . : . : . :‘。: . ノ:。
     .′ : . : / : . : . : . :ト : . :‘./-‐゚。
     |__: . : . : .i: .|: . : . : .|: . : . : .| ゚,:}ヽ/:.‘。 :  ぃ
   /:.┼{ ―--..|:._|__ : //八: . : . :| 匕 }: . }: ゚: . }リ
 /: イ: .|∧ ミ . : |: .|: //フ7¬ }: . /| ィi爪㍉}:.:|:ハ /

/: ./ | : |: ∧\ : |: .|厶斗=ミ /イ 丿 |:il刈  :.:l/}/                恋人が出来た?
 :./  : ..|: . ∧ . : |: .|斤:i:i:(_,      弋''ツ  |: |: .i  ( \    -‐ 、      なら、まず(エッチする為の)下着を買いに行かないとね!!!!
: /  | : |: . : ∧: .ハ:卞::i:lil刈             |: |: .|   ヽ у´   ___}_
/    : . l: . : . ‘:,⌒!ム ゞ…″     `  :':':':゚|: |: .|   │ r  ̄     }
    |: . 。: . : . :∧ い  ゚:':':':     -┐   }: |i:∧    |    ――‐{
    | : ..。 . : . : ∧、vハ      ゝ __ ノ  / : |i: .‘    |       ー―{
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         /`7: : : /: : : : : : : : : :ハ: :\
        /: : /:´: : //: : : : : :/: :/ / ヽ: : ヽ
.       /: : : /:\: :/:!: : : /:_:/: :/ /  ヽ: : : ,
.       /: : : :{ヽ: : : ハ: : :/:ハ:≧ト、    V: : :}
     /: : : : :i: : : : : : ヘ: ハ /んバ`ー zィ:ノ:.ハ

     /: /: : : :V: : :'⌒!: N   辷ソ   f:゙ハ:.ノ
    /:/: : : : : ヽ: :{  {: {     ,,,,     ,ゞi ′           って…
    /: : : : : : / \: ーi:{  u         ''l
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 /:/i : : : : / レ/:::::::::::::ヽ:トz:::::《::7  }:/

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.レ  !: : : :! /:::::/::::::::::::::::::::}::::::::::》:::::::::::::::ハ
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    ヽ: : V::::i:::::::::::::::::::\:ヘ:::::::}}::::::{::::::::::;
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     /イ ,.. 、イ /}/⌒ヽ、/´   // /   、   、
       { { Ⅵ /   Vオ {从 /-}/-、  }  、 \
       | |  {/       ∨ィ=、}/  ,  |、 }  ̄
       / 乂   u      ::::::: Vソ' ,l ∧l |          オチラシいいいいいいいい!!!
        /イ , 八   ,...、    '   /ムイ,'∧ |
      /\ /  、 〈- 、\__     ム/ /   \
>----イ///\   .  `  ー '  イ/从
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/> ´   --、 ∨ム  //////////////}
     ´¨¨ヽ\〉 ∧///,イ/////////// |
        - \///{/イ//r- 、///////∧

あーなんかオチラシ感が弱いなー…
やっぱりコレで



          . :´ . : . : . : .`: .

        /: . : . : . : . : . : . :\
       /: . : . : . : . : . : . :ヽ: . \
      /: . : . : . : . : . : . : . :‘。: . ノ:。
     .′ : . : / : . : . : . :ト : . :‘./-‐゚。
     |__: . : . : .i: .|: . : . : .|: . : . : .| ゚,:}ヽ/:.‘。 :  ぃ
   /:.┼{ ―--..|:._|__ : //八: . : . :| 匕 }: . }: ゚: . }リ
 /: イ: .|∧ ミ . : |: .|: //フ7¬ }: . /| ィi爪㍉}:.:|:ハ /

/: ./ | : |: ∧\ : |: .|厶斗=ミ /イ 丿 |:il刈  :.:l/}/                恋人が出来た?
 :./  : ..|: . ∧ . : |: .|斤:i:i:(_,      弋''ツ  |: |: .i  ( \    -‐ 、      って事はエッチする訳よね!!
: /  | : |: . : ∧: .ハ:卞::i:lil刈             |: |: .|   ヽ у´   ___}_     なら、シズが真っ先にやるべきは何時エッチしちゃっても良いように下着を買いに行く事よ!!
/    : . l: . : . ‘:,⌒!ム ゞ…″     `  :':':':゚|: |: .|   │ r  ̄     }     それも穴あきとか超エッチな奴ね!!!
    |: . 。: . : . :∧ い  ゚:':':':     -┐   }: |i:∧    |    ――‐{
    | : ..。 . : . : ∧、vハ      ゝ __ ノ  / : |i: .‘    |       ー―{
   /: . : ゚: . : . : . ∧:vハ`   ..,,      /   } |i: . :;  ′     -- ′
.  /: . : . : 。: . : . : .:∧vハ__     ̄{ ̄: .|   }/}: . :.。 /\    }、
  ′: . : . : .。: . : . : . : .ⅵ\>―‐n: . :.{   / l: . : ∨/ / \  /:.入
 /: . : . : . : ./\: . : . : . : \: \   |{x=xハ    乂: .:// / / / `¨¨´:.:}


                   __
            , .-‐: : : : : : : : :`: . .、

         /`7: : : /: : : : : : : : : :ハ: :\
        /: : /:´: : //: : : : : :/: :/ / ヽ: : ヽ
.       /: : : /:\: :/:!: : : /:_:/: :/ /  ヽ: : : ,
.       /: : : :{ヽ: : : ハ: : :/:ハ:≧ト、    V: : :}
     /: : : : :i: : : : : : ヘ: ハ /んバ`ー zィ:ノ:.ハ

     /: /: : : :V: : :'⌒!: N   辷ソ   f:゙ハ:.ノ
    /:/: : : : : ヽ: :{  {: {     ,,,,     ,ゞi ′           って…
    /: : : : : : / \: ーi:{  u         ''l
   /:/: : : : : /:/   ヽ:ヘ:i       ⌒  丿
.  /:/: : : : : /i:/ _∠zヘ{`ヽ、  _ ィ:.j
 /:/i : : : : / レ/:::::::::::::ヽ:トz:::::《::7  }:/

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.レ  !: : : :! /:::::/::::::::::::::::::::}::::::::::》:::::::::::::::ハ
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    ヽ: : V::::i:::::::::::::::::::\:ヘ:::::::}}::::::{::::::::::;
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穏乃「と、言う訳で…あの、今週、買い物に付き合ってくれないかな?」

京太郎「それってやっぱり…」

穏乃「うん。私の下着買いに…」モジ

京太郎「い、いや、でも、それ俺行って良いのかよ」

穏乃「というか…ダーリンが来てくれないと困るよ」

穏乃「私、ダーリンの好みなんて分からないもん」

穏乃「そもそもそれダーリンに見せる奴だし…」

京太郎「そ、そう言われると断りにくいけど…」

穏乃「お願い!いっしょーのお願い…!!」パン

穏乃「バックプリントの下着で初体験は流石の私もダメだと思うの!!」

穏乃「だから…!」

京太郎「あー…」

京太郎「(…まさかここまで必死に拝み倒されるとは)」

京太郎「(格好に無頓着だった穏乃がこうも成長した事を喜ぶべきか)」

京太郎「(そこまで俺に対して本気なことに頭を抱えれば良いのか…)」

京太郎「(正直、今の俺には分からないけど……)」


京太郎「……分かったよ」

穏乃「ダーリン!」パァ

京太郎「ま、ついでだし、色々と服とかも買いに行こうぜ」

京太郎「その辺も憧の奴に言われてるんだろ」

穏乃「な、なんで分かったの?」

京太郎「そりゃ両方と幼馴染やらせて貰ってるからな」

穏乃「…幼馴染?」ジィ

京太郎「…勿論、ハニーの方は恋人でもあるけれど」ポン

穏乃「えへへ…」テレテレ

京太郎「ま、買いに行く日を何時にするかはまた後で話しあおうぜ」

京太郎「今はまず学校に向かわないと」

京太郎「急がないと遅刻するって程じゃないが、あんまりのんびりしてる暇はないしさ」

穏乃「う、うん。そうだね」



                ___
           . :´: : : : : : : : :`ヽ、
         /: : : : : : : : : : : : : : ヽヽ

         / : : : : ハ: : : : :、: : : : : : ハ
          /:/:/: :/ハ:ハ: : : }: : :}: : :/!: :\
        ハハ:ハ7┼ ハ廾: ハ: :j: : : :!: : : :ヽ
            ハ_L__  三'_ i:イ: : : ノ: : : : :ヽ
          ハ ヒソ   ヒソ ' }ト; :ィ: : : : : : :ハ          ……………(チラッチラッチラッ)
           i:ハ"" ' _ ""  }}ノ´ }: : : : : : : ハ
          {:{ > ` ┘ イ}}   i: !: : : : : :ハ
             {:!   7:: ̄ii:::::リ   }:ハ: : : : : ハ}
           !′_「:ヘ::三《彡 ̄:::::iく }: : : // `
              ハ:::V:ヘ::::::||:::::::::::::::l  ヽ: //
          / l:::::V:.ヘ:::|l::::::::::::::::{   ∨´
         ,′ |:::::::V:_ヘ|l::::::::::::::::V   ',
         l  l:::::::::V:´:ヽ:::::::::::::::ハ  ヽ

         l  l:::::::::::ヽ: : ヽ::::::::::::l ヽ  ヽ
            ,′ }:::::::::::::ヽrとニヽ:::::{ ヽ_ '、
         l   /}::::::::::::::::l|(ニ }一´ ̄   '
         l  ,' j:::::::::::::::::ll└-┴┬――‐┘
          l  { /:::::::::::::::::ll:::::::::::\\`.i
           {  l/::〃::::::::::::ll::::::::::::ヾ\. :'}


京太郎「…途中まで手を繋ぐか?」

穏乃「え、い、いや、でも…バレたら大変だし…」

京太郎「幼馴染なんだし、手をつなぐくらいでとやかく言われないっての」

京太郎「つーか、そんだけ見まくってたら丸わかりだわ」

京太郎「良いから大人しく手を繋がれとけ」ギュ

穏乃「はぅぅ…♪」

京太郎「よし。んじゃ行くか」

穏乃「う、うん」

穏乃「で、でも、その前に…」

京太郎「ん?」

穏乃「…ありがとうね、ダーリン♥」ニコ

京太郎「…」ズキ

京太郎「どういたしまして、ハニー」ニコ


~デート当日~

京太郎「んー…」

京太郎「(…そろそろ待ち合わせの時間過ぎてるんだけどなぁ)」

京太郎「(穏乃の奴、姿も形も見えないや)」

京太郎「(LINE送っても既読にすらならないし…)」

京太郎「(コレは寝坊した…と見るべきかな)」

京太郎「(まぁ、あいつもかなり楽しみにしてたし、忘れてる…なんて事はないだろう)」

京太郎「(だから、ここで俺が考えるべきは遅れて来た穏乃にどんな罰を与えるかだ)」

京太郎「(別に待たされる事そのものは嫌じゃないんだが…)」

京太郎「(何のお咎めもなしじゃあいつが気に病むだろうし)」

京太郎「(これから買い物に行く訳だから、出来れば懐が傷まないタイプの罰を考えとかないと…って)」

穏乃「うわああああああああああああ」ドドドドドドドドドド

京太郎「お」

穏乃「っっっ!!」キキィィイ

京太郎「よっす。ハニー」

穏乃「はー…はー…っ」




    //|: : : : | : : // |:∧/  |/           |八∧/ \ |;ハ: : :| : : : |)〉
    |:| |: : : : | : /:   ≫去干气ト         ィ去干气≪   |: :/: : : : |\
    |:| |: : : : |: :|:::; 〃 んJ:::::::爿         トJ:::::::::::爿ヾ |:/: : : : :/ : ∧
    |:| ∨: : :乂{::::〈{  V辷七歹        V辷七歹  }〉/ : : : : /: : : :∧
.   乂 \{\: Ⅵ  とつ'⌒~ /////// `⌒とつ  /|: : //: : : : : :∧     ゴメン!ほんっとうにゴメンっっっ!!!
         / `トh   /////////////////  ハl/Ⅳ: : : : : : : :∧
          { |: : :|ハ                     | ! : | }: : : : : : : : :∧
.        八|: : :l }       /~⌒^⌒^ヽ          j | : レ : : : : : : : : : ∧
        |: :从,_|      ´           `        厶イ : |: : : : : : : : : : : ∧
        |: :|  人                        人 : : : |: : : : : : : : : : : | }|
        |: :|   >                 <  |: : : :|: : : : : : : : : : : | ||
        |: :|       >          <     |: : : :|: : : : : : : : : : : | ||
        人_|       r=≦}___   T爪  {≧=ミ,   |: : : :|: : : : : : : : : : : | ||
                    |{      ̄`Y^Y´ ̄      }   | : : / : : : : : : : : : : /∥
     __          从  ー---〈 ∥---―=彡〈  ∧/ : : : : : : : : : : / /
   /     ̄¨ニ=- _幺  ー―===У===-一  r公=―=ニ¨ ̄ ̄  \:/



穏乃「き、昨日はね!何時もよりも早めに寝ようとしたんだよ!!」

穏乃「でも、ドキドキし過ぎて眠れなくて…!ようやく眠れたのは明け方で…!!」

穏乃「起きた時にはもう待ち合わせの三十分前でえええっ!!」

京太郎「大丈夫。分かってる」

京太郎「ハニーが別に意地悪で遅れた訳じゃないことくらい分かってるから」

京太郎「別に怒ってなんかねぇし、涙拭け」フキフキ

穏乃「う…うぅぅぅ」

京太郎「よし。これで綺麗になった」

穏乃「…ゴメンね」

京太郎「良いって。俺は別に気にしてねぇし」

穏乃「でも…」

京太郎「まぁ、今日は一緒に買物行く訳だしさ」

京太郎「何時もよりも可愛い格好見せてくりゃそれで良いよ」

穏乃「そ、それって結構、ハードルが高いような…」

京太郎「じゃないと罰にならないだろ」

京太郎「ま、こうして合流も出来た訳だし、一緒に歩こうぜ」

京太郎「お互い初心者でパッと決められる訳じゃないんだしさ」ニギ

穏乃「……うん」ニコー


~ランジェリーショップ RITUBE~

京太郎「(…で、こうしてランジェリーショップに来た訳なんだが)」

京太郎「(…あっちもこっちも下着だらけな上に…)」

「…」ジロジロ

京太郎「(明らかに異物である所為か、メッチャクチャ見られてる…!!)」

京太郎「(貴方、場違いなの分かってる?的な目が!目がああああっ!!)」

京太郎「(お陰ですっげぇ居心地悪いけど…でも…)」

穏乃「わ、わぁ…」

穏乃「だ、ダーリン、なんか凄い下着が一杯あるよ!」

京太郎「そりゃランジェリーショップだからな」


                     o

              ○    o
                    ゚   O
           o
               . . : ̄: ̄: :- .、   ゚
             /: : : : : : : : : : : :`: 、
           /: : : /: : : : / ヽ: : : : : ヽ

              /: :!V: :/: : ハ: :{  V: }: : ハ:}
          /: : :i :V:{:ハ: !\L  /ハ:レ′
.          /: : : ∧: ハ:N ○   ○ハ}
          /: : : : : / \{:{"゙゙┌―┐゙゙):}
       /:/: : : : /   V ェ ゝ__ノ イ:j          そ、そうだよね!下着屋さんだから当然だよね!!
        /:/ : : : V   -くヘ  ート  レ
        {:ハ : : :V  /  ヽー、くハニ>、    r, r,
        iハ : : ハ  /     i  く: .V:ハ  r、/ V /フ_
         V: :ハ /    /  ヽ小イ \ { ヽ   /
         V:{  L二ー-/      } !'∧ ノ` _ノ
         ヾ;  /  7┘     ゚i K /  /
               /   く   /   i / ヽ   /
               \   `<   ゚ i/  ー‐'
             7―- _ヽ〃



京太郎「(…明らかに穏乃の奴、浮ついてるよなぁ)」

京太郎「(下手すりゃ俺よりも動揺してるんじゃないかってくらいに)」

京太郎「(そんな穏乃の奴を放って逃げるのも格好悪い話だし…)」

京太郎「(何より、今回は俺が選ぶって話なんだ)」

京太郎「(穏乃へ罪滅ぼしをする為にも…ここは我慢しよう)」

穏乃「で、でもさ、私…こういうの似合うかな?」

穏乃「こういうのはもっと可愛い女の子が穿くものだよね」

京太郎「ハニーは十分可愛いから心配すんなって」

穏乃「で、でも…」

京太郎「良いから。こういうのは俺に任せとけ」




                /: ̄: >―:―: . .、
                   ,.´: : :/: : : : : : : : : : : :`: .、
              /: : : /: : : :/: : : : : : : : : : : :\
               / : : / : : : /: : : /: :/: :∧: ヽ: : : ヽ
            /: : : :i : : : /: : : /: : !: :/ i: : i : :i :}′
          /: : : : : :ト: : :ハ: : :_レイプ{  }`トi: :川
         /: : : : : : : :八: :ヽ:ハ: ハ ィテ示   fハ〉レイ
       /: : : : : : : : /´ ヽ:r┤:{'ゝ 辷ソ  └' !: !

        /: : : : : : 彡'′    { i: :! ,,,,,,,,    `''''ノ: {
        /: : :/ ̄/   --ミート::ヽ:ト    <フ / V:!
        レ"´      /     V::ヽ:ヽミフ>― ´   V           ダーリン…♥(キュン)
             /      }:::::::::::`ll彡!`ヽ
               〃     〈::::::::::::〃:..;   }
     _r彡 ̄::::::彡〈_',    V::.:.:.:.:ll.:.:/  /
    ///..:..:.:::::::::::::::::::::::ハ    V:::.:.:〃./  /
.  /  //:..:.:.:::::::::::::::::::::::::::ハ   V::.:〃:/   ,
  ′ {i{:.:.::::::::::::::::::::::::::::::::::ハ  V彡イ   /
 {   ヾ、::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ハ   V  {   ′
 '、    ゞ=三::::::::::〃:::/ i  ヽ {   !
  \       \-<   l   ハ l   !


京太郎「すみませーん」

店員「はーい」スタスタ

京太郎「この子に合いそうな下着、いくつか見繕ってくれますか?」

店員「あら、可愛い子」

店員「恋人さんですか?」

京太郎「えぇ。まぁ…そんなところです」

店員「羨ましいですねー」ニコニコ

穏乃「あ、あうぅぅぅ…」カァァ

店員「あら、恥ずかしがり屋さんなんですね。これは失礼しました」

店員「まず、こちらへどうぞ」

京太郎「はい」



店員「お客様のような年頃の女の子ですと…そうですね」

店員「この辺りが人気の商品になります」

京太郎「(レースで一部分が透けてるような下着とかばっかりだな…)」

京太郎「(勿論、彼氏同伴って事で勝負下着だろうと判断されてるんだろうけれど…)」

京太郎「(最初からこんな大胆なものを勧めるだなんて…この店員出来る…!)」

京太郎「だ、大分、過激なんですね」

店員「女の子にとって下着というのは戦装束に近いものですから」

店員「今時の小学生は、このレベルのものを一枚か二枚は持っています」

店員「それにこの辺りのものはデザインも良いですから」

店員「お客様が成長した後でも使える下着となっています」

京太郎「あー…その、言い難いんですが」

店員「え?」

京太郎「コイツ、高校生なんです」

店員「し、失礼いたしましたああああ!!」ペコペコ

穏乃「い、いえ、私がちんまいのが悪いですし…」


京太郎「(…というか、店員さん、穏乃の事どれくらいだって思ってたんだろう)」

京太郎「(流石に小学生…はないと思いたいが)」

京太郎「(中学生でも下手すりゃ犯罪だよな…)」

京太郎「(あの羨ましいですねーの笑顔の裏に一体、何を思われていたのか)」

京太郎「(正直なところ、気になるけれど…突っ込んでも自爆しかならないだろうからやめておこう)」

店員「あ、ありがとうございます」

店員「で、では、もう少し、大人向けのショーツをご案内させて頂きます」

穏乃「に、似合いますか…?」

店員「大人向けと言っても色々とありますから」

店員「そうですね…この辺りなどはお客様にも似合うと思います」

穏乃「ぴ、ピンク…」

店員「はい。桃色です」

店員「ですが、その色のお陰でさっきよりも過激なデザインがあまり気になりません」

店員「きっとお客様にも十分、満足いただけると思っています」

穏乃「で、でも…」


京太郎「…じゃあ、とりあえず一枚目はコレで」

穏乃「だ、ダーリン…!?」

京太郎「相手はプロなんだ。本当に似合わないなら勧めて来ないって」

京太郎「それにブラはともかく、ショーツの方は試着も出来ない訳だしさ」

京太郎「フィーリングで良いなって思ったものを買うのが一番だよ」

穏乃「…ダーリンは良いなって思ったの?」

京太郎「と言うより気になるって気持ちの方が大きいかな」

京太郎「ハニーが一体、これを身につけたらどう見えるのかってさ」

穏乃「あうぅぅ…」カァァ

京太郎「まぁ、本気で嫌だって言うのなら、他のを探して貰うけど」

穏乃「……ううん。買う」

穏乃「それ…買います…」モジモジ

店員「はい。お買い上げありがとうございまーす」ニコリ


穏乃「じゃ、じゃあ、ショーツは買い終わったし…」

京太郎「何言ってるんだよ、まだ一枚だけだろ」

穏乃「え?」

京太郎「色々と気に入らない可能性もあるし、残り四枚は買っておかないと」

穏乃「え、えぇぇぇぇえ…っ」

京太郎「えーじゃない。って事で店員さん、お願いします」

店員「はい」クス

穏乃「で、でも、私、そんなにお金持ってきてないよ…!?」

京太郎「俺が出してやるから心配すんなって」

穏乃「だ、ダーリンが…?」

京太郎「あぁ。そもそも事の発端は俺の為な訳だしさ」

京太郎「それくらい出させてくれ」

京太郎「(つーか、下手したら無駄な買い物になってしまうかもしれない訳だからな…)」

京太郎「(それを穏乃に出させる度胸は俺にはねぇし…是が非でも出させて貰わないと…)」


店員「ちなみにブラの方はどうなさいますか?」

店員「中には一揃いになっている商品もありますが…」

京太郎「どうする?」

穏乃「私、胸小さいので…」

店員「いえ、そういうお客様こそブラはするべきですよ」

店員「適切なサイズのブラは豊胸効果もありますから」

穏乃「いや、あの…で、でも…」

穏乃「ダーリンが…ち、小さい胸の方が好きだって言ってくれたので…」カァァ

京太郎「え、ちょ!?」

店員「あっ」サッシ

店員「…………そ、そうですか。それは失礼致しました」ススス

京太郎「(て、店員さんとの距離が!!)」

京太郎「(距離が目に見えて離れていく!!)」

京太郎「(ち、違う!!違うんです、店員さん!!)」

京太郎「(俺は貧乳好きでもロリコンでもないんですよおおおおお!!!)」


店員「アリガトウゴザイマシター」

穏乃「…い、一杯買っちゃったね」

京太郎「そうだなー」ルールー

穏乃「…ゴメンね、ダーリン」

穏乃「すっごいお金使わせちゃって…」

京太郎「気にすんなよ」

京太郎「俺は彼氏として当然の事をしただけだ」

穏乃「…でも」

京太郎「良いから」ポンポン

穏乃「ぅー…」

京太郎「その分はまた何時か返して貰うさ」

穏乃「だ、ダーリンのスケベ…」プイ

京太郎「(身体で…なんて一言も言ってないつもりなんだがなぁ…)」

京太郎「(ま、良いか。それより…)」


京太郎「ハニー、あそこの店入ろうぜ」

穏乃「う、うん。良いけど…」

京太郎「良し。それじゃあ…」スタスタ

店員「イラッシャイマセー」

京太郎「(うん。外から分かるように大分、カジュアル寄りの店だな)」

京太郎「(穏乃の奴は可愛いけど、同時にかなりの童顔な訳で)」

京太郎「(素材を完璧に活かそうとするとどうしてもロリ系に偏ってしまう)」

京太郎「(結果、その隣を歩く俺がロリコン扱いされかねないし…)」

京太郎「(ここはやっぱカジュアル系の服から穏乃に似合いそうなものを選んでいくのが良いだろう)」

京太郎「(って事で)」

京太郎「まずはこの辺りからかな」ササ

穏乃「タンクトップ?」

京太郎「あぁ。これから夏に近づいていく訳だし」

京太郎「何より、これなら穏乃も抵抗感なく着れるかなって思ってさ」

穏乃「うん。これくらいなら全然オッケーだよ」

京太郎「よし。それじゃあこの中から適当に良さそうなものを選んでいくか」

穏乃「おー」


京太郎「うーん…」ササ

穏乃「…ダーリン?」

京太郎「っと、悪い。ちょっと真剣になりすぎてた」

穏乃「それは良いけど…」

京太郎「とりあえずこれだけ試着してくれ」

穏乃「…あの、タンクトップだけで十着以上あるんだけど」

京太郎「これでも一応、厳選したんだぜ」

京太郎「ハニーのキャラに合わさなそうな奴は片っ端から落としてったし」

穏乃「…それで何でこんなに残るの?」

京太郎「そんなのハニーが可愛いからに決まってんだろ」

穏乃「そ、そう言ってくれるのは嬉しいけど…」

京太郎「ともかく、今は試着だ試着」

京太郎「それでまた絞り込んで最終候補を一着か二着にするから」

穏乃「うぅ…頑張る…」



京太郎「(そう言って穏乃は試着室に篭もり始めたけれど)」

京太郎「(はてさて…どうなる事やら)」

京太郎「(一応、全部、似合うと思って勧めた訳だけれど)」

京太郎「(こういうのは実際に着ると意外とイメージと離れてたりするしなぁ)」

京太郎「(何より、穏乃の場合、サイズの問題もあるし)」

京太郎「(あれだけ渡しても一体、どれほど残ってくれるか)」

京太郎「(流石に全滅ってオチは回避して欲しいんだが…)」

シャー

穏乃「どう?」ダボッ

京太郎「ぬぉ…!?」ビク


京太郎「(し、穏乃の奴、気づいてないのか…!?)」

京太郎「(元々、ダボっとしてるデザインな上にサイズが合っていなくて…!!)」

京太郎「(前かがみになると色々と見えちゃいそうなくらい胸元も空いてるんだけど…!!!)」

穏乃「ダーリン?」

京太郎「う、うん。その…な、なんつーか…」チラチラ

穏乃「……」ピコーン

穏乃「…………え、えいっ」マエカガミ

京太郎「ちょぉ!?」ガバッ

穏乃「わわっ!」オシコマレ

京太郎「な、何やってんだ…!?」ヒソヒソ

穏乃「だ、だって…ダーリン、私の胸…ジロジロ見てるし…」

穏乃「ち、ちっぱいって奴が見たくて、この服を選んだのかなって…」

京太郎「ま、まったくの事実無根だ…!」

穏乃「で、でも…ダーリンはちっぱいが好きなんでしょ?」

京太郎「そ、それは…」


穏乃「わ、私は…良いよ」

穏乃「下着も…その、買って貰っちゃったし…」

穏乃「それに…可愛いところ見たいって…ダーリン言ってたもん」

穏乃「は、恥ずかしいけど…でも、ダーリンなら…」

穏乃「私の恥ずかしいところ…見ても良い…よ」グイ

京太郎「っ!?」

京太郎「(し、穏乃の奴、自分から胸元広げてる…!!)」

京太郎「(お陰で…穏乃を見下ろす俺の視界に…ぴ、ピンク色が…!!)」

京太郎「(穏乃の小さいピンク色の乳首が完全に見えちゃってるんだけど…!!)」

京太郎「(し、しかも…)」

穏乃「ん…あぁ…♪」モジ

京太郎「(まるで俺に見られるのが興奮するって言うみたいに…エロい声漏らして…)」

京太郎「(匂いも…何だかとっても濃くなっているような気がする…)」

京太郎「(穏乃の胸元から立ち上るような…エロい香り…)」

京太郎「(フェロモンみたいに…ドキドキして…)」


京太郎「(い、いや、違う)」

京太郎「(俺は自他共に認めるおっぱいスキーだったはずだ)」

京太郎「(同志クロチャコフとの誓いは今も俺の心にある)」

京太郎「(だ、だが…穏乃の身体はエロいんだ)」

京太郎「(上から見て僅かに分かるレベルの膨らみも…)」

京太郎「(そこでピンと自己主張する乳首も…)」

京太郎「(宗派が違うはずの俺の視線を…引き寄せてしまう)」

京太郎「(こ、こんなの何かの間違いだって思ってるのに…)」

京太郎「(お、俺は…俺は…!)」スッ

穏乃「あ…♥」

店員「…お客様ー?」

京太郎「っ!!」ビックゥ

穏乃「っ!!!!」ビックゥゥゥゥ


店員「お二人での試着室のご利用はご遠慮いただいております」

京太郎「も、勿論、分かってます!!」

京太郎「た、ただ、ちょっとサイズが合っているか不安で…その…なぁ!?」

穏乃「は、はい!エッチな事しようとしてた訳じゃありません!!」

穏乃「とっても健全です!!ノーマルです!!!」

店員「…勿論、お客様達を疑っている訳ではありません」

店員「ですが、これも規則ですのでご不便をお掛けしますが、何卒ご容赦願います」

京太郎「は、はい!」

京太郎「と、とりあえずハニー。次のタンクトップに着替えようぜ」アセアセ

穏乃「う、うん!私、試着大好きー!!」シドロモドロ


シャー

穏乃「どう?」

京太郎「んー…………そうだな」ジィィィィ

穏乃「……」ドキドキ

京太郎「…やっぱそれが一番、可愛いかな」

穏乃「はー…やっと決まった」

京太郎「悪いな」

穏乃「別に怒ってる訳じゃないから良いよ」

穏乃「それだけダーリンが真剣なのは私も嬉しいし」

穏乃「ただ、ちょっと疲れちゃったかな…」

京太郎「そうだな。とりあえず買うものは決まった訳だし一回休憩しよっか」

穏乃「うん。じゃあ、着替えるね」

京太郎「あぁ。その間に俺も会計しとくわ」

穏乃「だめ」

京太郎「いや、でもさ」

穏乃「さっきは払ってもらったけど、ここは私が払う」

穏乃「今日はもうダーリンには一円もお金出させてあげないから」


穏乃「…それに私、これも買いたいし」

京太郎「それは最初の…」

穏乃「うん。ダーリンもコレ凄く気に入ってくれたみたいだから」

京太郎「ち、違う。俺はそんなタンクトップなんか…」

穏乃「…じゃあ、私が気に入ったから買う」

京太郎「でも、それ明らかにサイズが合ってないぞ」

京太郎「幾ら穏乃でもそれを普段に着るのは…」

穏乃「勿論、普段着には使わないよ」

穏乃「これは…その、所謂、勝負服…だから」

京太郎「勝負服…?」

穏乃「そう。ちっぱい好きなダーリンと…い、色々する為の服…」モジモジ

京太郎「色々…」ゴク

穏乃「ダーリン、こ、興奮…してる?」

穏乃「目…え、エッチ…だよ」モジ

京太郎「う、い、いや、これは…」アタフタ


穏乃「そんなに慌てなくても…良いよ…」

穏乃「こ、恋人…なんだもん」

穏乃「エッチな事考えちゃうのは…普通だよね」

穏乃「私だって…昨日…」

京太郎「昨日?」

穏乃「~~~~っ!!」ボン

穏乃「な、なんでもない!」

穏乃「それより…もうちょっと待っててね!」

穏乃「わ、私、すぐ着替えるから!!」シャー

京太郎「お、おう」


京太郎「(穏乃の奴、さっき何を言いかけてたんだろうか)」

京太郎「(もしかして…昨日、エロい事やってた…とか?)」

京太郎「(いや、それはないよな)」

京太郎「(だって、穏乃だし…うん、穏乃だし)」

京太郎「(それより今、俺が考えるべきは…)」スッ

京太郎「(…このドキドキをどうするかだ)」

京太郎「(穏乃に告白された日よりも…今の俺はドキドキしてる)」

京太郎「(それだけならまだ良いんだが…)」

京太郎「(そこには少なからず、男としての興奮が混じっていて…)」

京太郎「(穏乃の言葉も…心から否定する事が出来なかった…)」

京太郎「(しかも、それを穏乃に見破られていたんだから…もう目も当てられない…)」

京太郎「(このままだと…おっぱいスキーとしての俺のアイデンティティが深く傷ついてしまう…)」

京太郎「(それを防ぐ為にも、これからは気を引き締めないとな)」

京太郎「(ちっぱいは所謂、おっぱいの失敗作)」

京太郎「(気をつけていれば、これ以上、血迷う事はないんだ)」






   /  /     |  ハ       |  | i 、 ヽ  \     \_
.   i  /     |  | |       |  | |、 i  ゙、 、 \_     _>
   |  i   | i  |  | |       |  ハ ハ _i!_ i   \ ヽ` ̄ ̄
   |  |   |+--|、_|! |   | i! ,/.ィ'|"i´ ハ  | i  ヾ 、 ヽ
   |  |   |.|ヽ |、_|王!ー  |./i .;"´/=、!/ | ! |   \ 、i      人
.   !. r|   i.|、!,,ィ'":::._iミi!  |/ /彳:::: r:!ヽ,| ,イ | 、_   \      `Y´
.   | |^!.  N 《 _、o;;;;i_ 丶、/ / ┴゜‐'"´ !イ | λ i` ー--ヽ     (そう…!この俺がちっぱいになんて負けるはずがない…!!)
    ! | i、i、 ゙、  ` ̄ ̄   メ(        /^|イ `、|
   ノi \ヾi:.、、         i!      i ノリ   `
    |  ヽ__i                 |イ|/
    ヽ i、  i    ____....,     |/
      ヽ!、  i\   `ー-- ―'´  /、!
       i !i 、 \     ̄´  /!/       人
         |ハ,i、! 、 \      / ./.|       `Y´
         ト、! ゙、  `ー---'′ /|V



フラグも立てたところでちょいきゅーけー(´・ω・`)
どうでも良いですが



        __ __|_|__
     ∠┴.<ヘ7ユ. .-――. . . .、    _
     /:―. 二>:´: : : : : : : : : : : : ヽ/: : : : \
     /:―=:/: : : : : : : : : : : : : : : : :(: : : : : : : : :\
    (三三゙/: : /:/:ハー―ト: :ヽ:/: : : :ヽ : : : : : : : : ヽ
   /‐":::::::i : /:/ /_ミ: : :ノ: : : } : :/: : : :V: : : : : : : : :ヽ
  /:::::::::::::ハ: リ / んV:ノ: : ノ:ノ: : : : : : : : V : : : : : : : : ハ

  /:::::::::::::::::/ノ  /;ソイ: :/イ: : : : : : : : : :V: : : : : : : : : ヘ
 /:::::::::::::::::〈{ ///////:イ  ノ: : : : : : : : : : :V: : : : : : : : : :ハ
 !:::::::::::::::::::::ゝ「⌒ヽ /: /T: : : : : : : : : : : ノ V: : : : : : : : :i :ヘ

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 `ヽ、::::::::::::::::::::::::::::i::::::::::::\ニニミュ:ヽ     j: /: j : : : : : :}: : !
    ` <::::::::::::::::::!::::::::::::::::::::::::::::::::::::\ /:/ : / : : : : : ハ: :}

       ` <:::::::i::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::V:/ : /: : : : : : / }: :!
         /::ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:/ : /: : : : : : / j: :j

           /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:/ : /: : : : : : /  /:./      このAAのエロさは異常だと思う
        ,::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:/:./: : : : : : /  /:/
        i:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::://: : : : //  //
           ';:::::::::::::::::::::::::::::::::::::://: : : : /:/  /
            V:::::::::::::::::::::::::::::::::彡: : /:/<
          ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::>、_
            〈\::::::::::::::::::::::彡三三三ミ、:::::::::::::::::::::>、
          〉┘:::::::://       \\:::::::::::::::::::::二=-.、__

          {:::::::://  U          ヽ┬<三ニ=へミ、ミ,
          /:://           u   }        V::Vヘ
           〈:///                   }         ヽ:ヽハ
         //::′               j        )   V:ヘヘ
          〈《:::′                ノi     u  U   }::::ヘハ
         ヾ:{                  ' 〈          }:::::〉〉〉
            {    (          /   }          '::///
             ゝ    U         ィ ∥ /           ///
           {        - ‐ ´}´⌒/ゝ´          /
              ',             }  / 人   u         /
           ヽ           j /イ          ,
            ヽ             ,' / 〃           , ′
            ヽ  u         i / /            '
                 ヽ        ,'/ 〃         /
              ヽ       i/ し         /

一旦乙
阿知賀スレの設定とか言ってたから、憧に伝えたなんてどうなるかと思ったらオチ村さんの相方さんだった
そりゃシズも恋心を抱えて健全に育ちますわ

乙です
京太郎、既にちっぱいに完敗
とりあえず、この穏乃は和に真顔で反応したり、どなたですか?って言っちゃうんですかね

>>97>>98
アコチャーは普乳なので残念ながら今回は堕ちてません
が、代わりにオチてます(うまい事言ったつもり)
今回のしずはアコチャーの事を世界一位(意味深)だと思ってるんで和に対してもさすのどな反応をするんじゃないでしょうか


~ザ・セカンド・ウィーク~

京太郎「(先週は正直、ヤバかった)」

京太郎「(思わずコロっと穏乃っぱいに触ってしまいそうになったが…)」

京太郎「(今週の俺はひと味ちがうぜ)」

京太郎「(反省して気を引き締めた俺は、謂わばニュー京太郎)」

京太郎「(穏乃がどんなアプローチをしてこようが、二度と自分を見失ったりしない!)」キリリ

穏乃「ダ…京太郎」

京太郎「おう。どうした、穏乃」

穏乃「あの…今日も一緒にお昼食べない?」

京太郎「良いけど…でも、どうしてだ?」

京太郎「んなのいちいち、言わなくても何時も一緒に食べてるだろうに」

穏乃「そうなんだけど…でも、今日は特別なんだ」

京太郎「特別?」

穏乃「うん…その…」モジモジ




                    ___
                / ̄`ヽ ´         `
              /   /               \
          /    /   / : : / : : : : : : : . .    \
            / /  /  し'/ : : /: : : : : : :∧: : : : .   ヽ
          ′/ヽ:/ゝ,_/_: : /: : : : :/〃 ‘.:.|:| : : : |   ,
        /  ∧ :/ ´  ̄j: : : ハ、: : : ' /    }ハ| : : : |:...  ′          __
        . ′ {\:{ : : : ∧: : { リ\: :{ {    ノ | : : : |_|___j          / }
      /  . : |: : :|. .:|、:i} γ二ヽ \_/   ,斗/}:./j ̄` |      /  /
      :′ ..:.: : l: : :乂ノ \〃//;∧    ^^二ヾ  //.: : }ノ     ´    ′
     /   .:.: : :.:∨/ |: :i ⌒ 乂//ノ     /;ハ } :′:/:/__/    /
   .:′ . : : : : : :{  |: :|  ////// 乂/ノ 厶イノ/   、   /
   /  ..:: : : : : : : \_|: :|      -―- 、 // ∧r‐′    \/
.  /  . : : : : : : : :′ |: :ト、  /      \   //     、  \     お、お昼作ってきたの!(ビシ)
  ′ ..:..: : : : : : : i    :.:| \ ゝ ___,,-----ノ   \   \   }
 |: | .:.: : : : : : : : :|   {:.:|⌒¨¨¨¨¨¨¨¨¨´           \    ヽ/ー―-
 |: | .: : : : : : : : :|: |   ∧}             { \     ‘,  ノ__       `ヽ
 | ハ: : : : : : : : : |: |   {                  \ ー―/ ̄    ー―-- イ
 |:|│: : : : : : : : |: |    ,                 ,.>― ′         ハ ハ
 リ |: : : : : : : : :.|リ   ′  ┬───‐…… ヾ´   ̄ ¨¨¨¨¨`  ., r、}ト.ノ lノ/
   乂: : : : : : : :{     }ー‐/ニニニニニ\ \}            `¨¨   {


ザワザワワ

京太郎「(って穏乃さああああああああん!?)」

京太郎「(ここ教室だから!!昼休みになったばかりで沢山人いるから!!)」

京太郎「(そんなところでお昼作ってきました宣言とかどう考えても噂になるだろ!!)」

京太郎「(いや、必死なのはわかるし…そんなところも可愛いけど!!)」

京太郎「(秘密にするって約束思いっきり破ってんじゃねぇか!!」

穏乃「だ、だからね、あの…何時もみたいに憧達と一緒じゃなくて」

穏乃「二人っきりが…良いなって…」

京太郎「あー…うん。分かった」

穏乃「ホント!?」パァ

京太郎「おう。折角、穏乃が作ってきてくれたんだしな」

京太郎「でも、何処に行く?」

穏乃「あ、も、もう場所は決めてるんだ」

穏乃「ついてきて」




~阿知賀麻雀部室~

穏乃「失礼しまーす」ガララ

京太郎「ってココ、部室じゃないか」

京太郎「つーか、なんで穏乃が部室の鍵を…?」

京太郎「職員室にあるスペア以外は灼が持ってるんじゃなかったっけ」

穏乃「えへへ。朝練したいからって借りてきちゃった」

京太郎「で、俺と一緒に飯を食べるのに利用するのか」

穏乃「あ、朝練してるのは本当だよ!」

穏乃「私、皆の中で一番弱いし…ティンと来ないと一番、へなちょこだし…」

京太郎「ばーか」ポン

穏乃「ぅ」

京太郎「そのティンが勝負どころで必ずクるお前を、皆は信頼してるんだよ」

京太郎「弱いとかへなちょこだなんて事はないから心配すんな」

穏乃「…本当にそう思う?」

京太郎「あぁ。つか、外から見てて思うけれど…」

京太郎「お前は部内で一二を争うほど警戒されてるんだぞ」

京太郎「安定感のある強さじゃないけれど、それを補って余りある爆発力がある」

京太郎「アレだけの雀士に囲まれてそう思われるお前が、弱いはずないって」

京太郎「俺が保証してやる」ポンポン

穏乃「…うん。ありがとう」ニコ


京太郎「…ま、そんな事よりも今は飯食おうぜ」

京太郎「もう腹がペコペコだわ」

穏乃「うん。じゃあ、ちょっと待っててね」ガラララ ガチャン

京太郎「…って、何で鍵締めるんだ?」

穏乃「鍵だけじゃないよ」シャシャー

京太郎「って、カーテンまで…」

穏乃「…うん。これでよし」グッ

穏乃「これで…一応、二人っきりになったって言えるよね?」クル

京太郎「ってそう来たか」

穏乃「えへへ…そう来ちゃいました」

穏乃「勿論、秘密にしてなきゃダメって言うのは分かるけど…」

穏乃「でも、やっぱり私のお弁当食べてくれる時くらいは…恋人でいたいなって…」

穏乃「…ダメ、かな?」

京太郎「…ダメな訳ないだろ、ハニー」

穏乃「うんっ♪ありがとう、ダーリン♥」パァ


穏乃「と言う訳で…お弁当なんだけど」

穏乃「…実はあんまり上手には出来てなくて」

穏乃「ちょっぴり微妙かもしれないけど…あ、あの…」モジ

穏乃「い、一生懸命、愛情は込めたから!」ググ

京太郎「お、おう」

京太郎「でも、そんなの気にすんなよ」

京太郎「恋人の手料理ってだけで、男にとっては特別なんだ」

京太郎「食えないもんじゃなければ、喜んで食べるぜ」

穏乃「う、うん。でも、あんまり無理はしないでね」

穏乃「まずかったら遠慮なく、ペッしてくれたら良いから」

京太郎「んな行儀の悪い真似しないって」

穏乃「で、でも…」

京太郎「良いから早くくれよ」

京太郎「俺はもうハニーの愛情込めた弁当が気になって気になって仕方ないんだ」

京太郎「これ以上焦らされると腹の虫が鳴るぞ」

穏乃「うー…じゃ、じゃあ…」ハイ


京太郎「おう。ありがとう」ズシ

京太郎「…って大分、重いな」

穏乃「ダーリンは男の人だから、私よりも食べるだろうし」

穏乃「ご飯はあって困らないだろうから一生懸命、詰めてきたよ!」

京太郎「あぁ。だからか…」

京太郎「イメージしてたよりもずっとズッシリしててビックリしたわ」

京太郎「まぁ、何はともあれ…」シュル パカ

京太郎「おー…」

京太郎「(唐揚げと卵焼きと言う主役級に…)」

京太郎「(きんぴらごぼう、ポテトサラダ、アスパラのベーコン巻きと名だたる名脇役が揃ってる)」

京太郎「(しかも、それらが大きめの弁当箱にところせましとつめ込まれてるんだ)」

京太郎「(これは最早、手堅い布陣を通り越してファランクスの一種だと思っても良い)」

京太郎「(まったく料理なんてした事がなかった穏乃がここまでの弁当を準備するだなんて…)」

京太郎「(正直、焦げや異臭の一つくらいはするもんだと思って覚悟を決めてたんだが…)」


穏乃「ど、どう…?」

京太郎「…いや、驚いたわ」

京太郎「正直、予想よりもずっと美味しそうだ」

穏乃「そ、そう?なら良かった」ニコ

京太郎「でも、これ昨日今日、勉強したんじゃないだろ」

穏乃「ぎく」

京太郎「中学の途中までは俺の方が料理上手なくらいだったのが…ここまで上達するなんて一朝一夕じゃあり得ないし」

京太郎「一体、何時、料理の勉強とかしてたんだよ」

穏乃「……じ、実は中学の時からコツコツとやってたんだよ」

京太郎「そうなのか?でも…」

穏乃「私、不器用だから、あんまり上達しなかったんだ」

穏乃「自分でもダーリンと付き合えるとはあんまり思ってなかったし」

穏乃「でも、こうして付き合って、ハッキリとした目標が出来てからは…」

穏乃「もう帰ってから毎日、お母さんと料理の特訓してて」



                        ___
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         /: : : : : : : : : :∧ヽ  l: :!  ヽヽ      辷/ ハレ レ
      /: : : : : : : : : : :/ \ヽ.!: l        `ヽヽ': |
     /:/: : : : : : : : ://   ヽ:!: !    { ̄  ァ   /: !         ようやく今日、ダーリンに食べて貰える料理が出来たんだよ!
   /:/: : : : : : : : :_:/:/   rハ: {       _ /  ィj: :j
 /:/: : : : : : : :/  ヽ` ーく  ヽ:{   - _   < l :/
´ /: : : : : /: :/    i   ヽ  '\ ∧_     〃
. : : :_: /: : /     }   \ / 〉{く}   ‐、  ノ
 ̄  /: : /        ノ     r‐ヽo Y∧〉  ハ
. /: : : /         //     !: . : V/:⌒:┐ / ,′
∠ ―へ       //   レ: .┬く . : / / ′

    \  ヽ    〃   く: . : . 小: . Y }' イ
      ┬ 、  ー-V      \:/oハ: . :> ! │
      /   >‐┘           j    ,  }
      /   /   、         o!    ノ―'j
    /   /    ヽ      /  ∠ィ ̄
    /    /       、    /  /  }


京太郎「そ、そうか」ドキ

穏乃「うん。だから、安心して…って言うのは無理だと思うけれど」

穏乃「一応、お母さんにはダーリンに食べさせて大丈夫だって太鼓判貰ったし…」

京太郎「その辺、心配してないって」

京太郎「見た目からして美味しそうなのが伝わってくるんだ」

京太郎「正直、今すぐにでも齧りつきたいくらいだしさ」チラ

穏乃「…うん。どうぞ」

京太郎「よし。それじゃあ」パン

京太郎「頂きます」ペコリ

穏乃「…」ドキドキ

京太郎「(…さて、それじゃあまずはポテサラ辺りから攻めるか)」

京太郎「(ゆでたまごを使ってるコイツがこの中では一番、傷みやすいだろうし)」

京太郎「(シンプルな分、味付けも奥深いから、穏乃の実力を悟るには最適なはず)」パク

京太郎「……」モグモグ

穏乃「ど、どう…?」



   /  /     |  ハ       |  | i 、 ヽ  \     \_
.   i  /     |  | |       |  | |、 i  ゙、 、 \_     _>
   |  i   | i  |  | |       |  ハ ハ _i!_ i   \ ヽ` ̄ ̄
   |  |   |+--|、_|! |   | i! ,/.ィ'|"i´ ハ  | i  ヾ 、 ヽ
   |  |   |.|ヽ |、_|王!ー  |./i .;"´/=、!/ | ! |   \ 、i      人
.   !. r|   i.|、!,,ィ'":::._iミi!  |/ /彳:::: r:!ヽ,| ,イ | 、_   \      `Y´
.   | |^!.  N 《 _、o;;;;i_ 丶、/ / ┴゜‐'"´ !イ | λ i` ー--ヽ
    ! | i、i、 ゙、  ` ̄ ̄   メ(        /^|イ `、|
   ノi \ヾi:.、、         i!      i ノリ   `          う     ま    い(テーレレッテレー)
    |  ヽ__i                 |イ|/
    ヽ i、  i    ____....,     |/
      ヽ!、  i\   `ー-- ―'´  /、!
       i !i 、 \     ̄´  /!/       人
         |ハ,i、! 、 \      / ./.|       `Y´
         ト、! ゙、  `ー---'′ /|V


穏乃「ほ、ホント?」

京太郎「おう。この味付け、マジで好みだわ」

京太郎「変に甘みに逃げたりせず、おかずとして食べられるようにしてある」

京太郎「これだけでご飯一杯はいけそうだ」

穏乃「そ、そう。良かった」フゥ

京太郎「しかし…ハニーがここまで料理上手になるとはなぁ…」

穏乃「ま、まだまだだよ」

穏乃「私はまだ一人じゃそのポテトサラダも作れないと思うし…」

穏乃「レパートリーだって殆どないも同然だから」

京太郎「でも、ほぼ0に近い状態から、ここまで上達したんだ」

京太郎「誇っても良いと思うけどな」

穏乃「そ、そう?」テレテレ

京太郎「おう。少なくとも、俺にとってハニーは自慢の彼女だぜ」

京太郎「可愛い上に料理上手だってな」

穏乃「も、もう…褒めすぎだよぉ」ニマー


京太郎「お、こっちの卵焼きもしょっぱくて美味しいわ」モグモグ

穏乃「ダーリンの家の卵焼きって塩系の味付けだもんね」

穏乃「しっかりリサ……リサリサ?」

京太郎「リサーチか?」

穏乃「そうそれ。それやってるから」ニコニコ

京太郎「なるほどなー」

京太郎「これうかうかしてたらハニーに胃袋掴まれてしまいそうだ」

穏乃「えへへ。何時か絶対に掴んじゃうから」

穏乃「覚悟しててね」

京太郎「おう。その時を楽しみに待ってるぜ」パク

京太郎「って唐揚げもガーリックの風味が効いてて、旨いな」

穏乃「あ、うん。それはね…」


京太郎「ふー…食った食った」

京太郎「ごちそうさまでした」ペコリ

穏乃「うん。お粗末さまでした」ニコ

京太郎「いやー…マジで美味しかったわ」

京太郎「予想の上の上を行かれた気分だ」

京太郎「負けた感さえあるけれど、満足したぜ」ハフゥ

穏乃「…満足しっちゃったの?」

京太郎「ん?」

穏乃「あ、あのね、実は…まだデザートがあるんだけど…」カァァ

京太郎「デザート?」

穏乃「…うん。食べて…くれる?」

京太郎「まぁ、まだ腹には余裕あるし、貰えるんなら貰いたいけど…」

穏乃「じゃ、じゃあ…」スーハー




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.      {         {}           /


京太郎「ファッ!?」

穏乃「で、デザートは…わ、私でしたー……と、とか」マッカ

京太郎「ちょ、待て待て待て待て待て」

京太郎「それはヤバイ…ってかまず隠せ…!」

京太郎「年頃の女の子がそう簡単に肌晒すもんじゃねぇよ…!」

穏乃「か、簡単なんかじゃ…ないよ」

穏乃「これでも私…か、覚悟してる…もん」

京太郎「いや、覚悟って…」

穏乃「だ、ダーリン…私のちっぱい、好き…なんでしょ?」

穏乃「で、でも…全然、触ってくれないし…」

穏乃「遠慮…してるのかなって思って…」

穏乃「だから…それを憧に相談したら…」


                  -―…―-
         , -―‐-、/: : : : : : : : : : : : : \

         /γ  ̄ .ア: :/: :./ : : |: : : : : : : : : : .
.         i: :/    ./: : /:.、イ : ⅰ|: :.|: :|: : : : :’
.         |: |    i;イ:/ :Ⅳト|: :ハ:|';: |: | |: : : ;a‐┴- 、
        八:ヘ   |レ:.;ィrぉ!|: :l 弋マサ:|: : /: : ̄|` 、:\
.         ヘ:.ヘ    Yイ代リ`ヽ! 'で心'/ニ/: :j: : :|   \:\          童貞の京太郎なんてデザートに私を食べてって言えばイチコロよ!!
          \、「l /〉:|  ,    辷チハ_/ : ハ: :λ    \:\
.            _ | |7/.圦  、_ ,"" //./: :/: ヘ: : マ ̄ミ=-ヽ: \
.          / 「lY {:「!: :ぇ. ゝノ  /厶ク ∧: : ヘ: :ヘ ̄ィ二ニ_マ: :ヽ-、
.        /   ト}」テ了|: :ハ ¨爪/// 厶-\: :ヽ: ヽ: : : : _:ヘ: : ヘヾ
      \  / 入__ム/:厶≧「ミマム': :, イ    \: :\:\: : : : `:ヽ: :ヘ`ー-‐ァ
         `ー'`ー ´ ./:/    レ/: イ ム ___ 寸z_`: : : :―‐- \: ヽー‐'.       }.   ___
            /:/   く/ィチ_Y 厂/     ハ寸: ̄: : ‐--: 、ヾ\:\ミー‐ァ  ./' jγ ̄ `
             | {   //| ヽ._/      ,-<¨ \\: : : : : : : : :`\:\二_/ムィノ,
             | ト、 /イ/ 个ァ'   /  /    ̄ ̄ \ミー―--  _: : ヾー―----一´
             ヾ、 ハ|   /   /  ∠_        `ーニ=-一  ̄ヽ: :.
                   厶  '   //ゝo `     _   ク`了ユ
                 /     / λ        ー ´   ヽ:\
                        / 夕く`ー、 o            〉:.:.〉
                     ’     ./   ゝ:.:.:>、/|o        /:.:Y
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       ,. :´: : : : : : : : : : : : :`:ヽ、-.、

      /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ:\
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   / : : : : : : : : : / ヽ: : : }: : : : : : ヽ: : : ヘ: ヽ
  /: :/ : : : : / : /  ヽ: : :}: : : : : : :ヽヽ: : }: : :ヽ

  {: /: : : ト、ハ: /    '; :人: :_レ: : : ',V/: }: : : :ヘ
  {:ハ: : : :i: i`'ト:L__  vi:,レへ:{\: : : }:!: :/: : : : :ヘ

   ハ: : :ハ! V      レ   ` V: /:}:./: : : : : : ハ
    ヽ: ハ 三三      三三三 i:V: :.ハ: : : : : : : : :ヽ              …って
     V: } ww       ww   }: : : レi: : : : : : : :ハ:ヘ
       i:{     、_,、_,、_,    u イ: : :/ !: : : : : : : :ハ:i
      V>. 、_ ー―'  z≦  !:. :/  }: j : : : : : :} ヽ
        ヽヽ: ヽ {::::エニ彡:::::ニ:}_/l: :/  |:∧: : : : /:}
          _ゞくトニiiニニ-:´ノ::::レく   レ i: : : :ハi
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                / ,          |/} ∧ }`ー`
                 {∧          「ノ|/}/イ
                '  、       | /`/ } '          (あのオチラシは何時か泣かす)
                   } ∧     /イ   /
                   |' ,} \__/イ__ /
                   |ニニニ=-〈
                 /7ニニニニニニ=- ,,_
                 /二|ニニニニニニニニニニ=-
              -ニニニ|ニニニニニニニニニ/ニニ|
              |∧ニニニ|二ニニニニニニニ/二ニニ∧
              |=∧|ニニ:|二二ニニニニ\ニ/二ニニニ∧
              |=二|ニニ:|二二二二ニニニ∨二二二二∧
             r''=二:|ニニ:|二ニニニニニニ',ニニニニニ/
.              ノニ二:∧ニニV二二ニニニニニ',ニニニニ∧


穏乃「わ、私…馬鹿だけどイチコロの意味くらい…分かるよ」

穏乃「だから…ちゃんとこの前買ってもらった下着も穿いてきたし…」

穏乃「じゅ、準備…出来ちゃってるから」

京太郎「…」ゴク

穏乃「私は…ダーリンのモノだよ」

穏乃「ちっぱいも…ほ、他の部分も全部」

穏乃「だ、だから…ね、だから…」

穏乃「エッチな事も…しちゃって…良い…んだよ」

京太郎「は、ハニー…」

穏乃「…それとも…私じゃ…ダメ?」

穏乃「やっぱり…私の胸…小さすぎる?」

穏乃「こんな私の胸じゃ…」ニギ

穏乃「興奮しない…かな」ギュ

京太郎「~~~~っ!!!!」


京太郎「(こ、興奮…しない?)」

京太郎「(そ、そんな訳…そんな訳あるか)」

京太郎「(目の前で穏乃がちっぱい晒して…)」

京太郎「(あまつさえそこに俺の手を押し付けてる状態だってのに…)」

京太郎「(ドキドキしない男なんて…いるはずないだろ…!)」

京太郎「(俺も…ドキドキしてる…!)」

京太郎「(貧乳なんか…まったく興味なかったはずなのに…)」

京太郎「(穏乃のちっぱいに性的な興奮を覚えるなんてないはずなのに…)」

京太郎「(穏乃と同じくらい…興奮してる…)」

京太郎「(それを…お、俺は…もう抑えられなくて…)」

京太郎「(ダメだって分かってるのに…手が…手が…)」




                                 |    l /  ,  ´
                                    ;    /_,. イ
                                 /  / ̄
                     ,.. -―-  _,.. - '       ,..- 、  _
                      /               ,/_   }´/  }
                     /                /    、/   l
                  /_                    ,.イ     ,                ~~~~~~っ♥
               /_} }/      ,  ,.:r::、:::... / ''⌒  、 /
           _,..- ' ´ ノ     , ´ .::、:::::::'::::::,:'
         / /   _/    /    ...::::::::::/
       / /_.> ´     , ´    ` ー-,:'      /
     r;`:::::::>´     {⌒}ヽ /         /  ,     /
  - ''´ /:::::::..        /-イ ,'       / /    //
´    /  ̄´     ,.ィ / '´   {        /   ´    l {
.   ,       / {_ {      ヽ、__,../
   i      /     ,!    ヽ
   {   /     / }
  -` ´     /  |


京太郎「(や、柔らかい…)」フニフニ

京太郎「(見た目からは全然、膨らみが見えないのに…)」

京太郎「(俺の触っているところ…ふにふにしてて…)」

京太郎「(これ…男の胸と全然、違う…)」

京太郎「(小さいけれど…女の子の…穏乃の胸…)」

京太郎「(やばい…コレ思った以上にやらし過ぎる…)」

京太郎「(少し揉んだら…すぐに飽きて失望すると思ったのに…)」

京太郎「(飽きるどころか…俺、この柔らかさが好きになっていってる…)」

京太郎「(こ、こんなのはおかしい…)」

京太郎「(な、何かの間違いだ…)」

京太郎「(で、でも…)」クリ



                    ,.. -- 、_
                   /    }ヽ
         , -―― _,.. ´ {     / }  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  -

         /   / ,       、   / /              ` ヽ
       /  /  ヽ       ̄  ,:'
      /  /      、    _/ ,ィ/
    /   /       /   /,.._:.、-<z'`_ニ =-----―---- _
   ,    /            //:::´::ノ:::: ̄´:/
   /    /         _/:三ニ::-':::....
.  /   ,         /:/::ノ:::::::::::::::::::::::::...
 /   /         人::,:':::::::::::::::::::::::::::/
    ,         / /::::::::::::::  ''' ̄´                , ´
                //  ̄ ̄                   /_              ん…っ♪あぁ…♪
                〃                         , イ   ト、
            /                       /    /  !
           ,                      /     - '  /
           イ                  _, イ     ,ィ    ノ
          /|                 /     _   / {/ /_
         / ,'                ,.:'          У'/::、.. ..::
         /  /                 ,            /::::_::::}::::/
      /  ,.:'                ,            /::{::::´:::/:,イ
        /              /         /:::::::::> ' ´


京太郎「(穏乃の声…エロい…)」

京太郎「(ちっぱいは敏感だって言うけれど…俺の愛撫にもなってない手に反応して…)」

京太郎「(エロい声…出しまくってやがる…)」

京太郎「(こんな声聞かされて…童貞に我慢出来るかよ…!)」

京太郎「(あぁ…憧よ…。お前の考えは荒唐無稽だが…正しい)」

京太郎「(こんなの…マジでイチコロになるじゃないか…)」

京太郎「(例え、巨乳好きだとしても…抗えない…)」

京太郎「(どれだけ穏乃の胸をいじっても…満足出来なくて)」

京太郎「(もっと…穏乃のエロい声が聞きたくなって…)」

京太郎「(胸も乳首も…可愛がってやりたく…なる)」ツンツン




.          \
.              ‘,
.           ,、ヘ
¨` 、        / ヽヘ
.  \    i '´    ヘヘ
.     \   ‘,     ヘ.}-x _       ひぅぅう…♪
.       \  \    .,_:'::: :゙!: :`:'':‐
.    : : :(`:ー-==-‐'':´:::`:::::': : : : :

.    / :ヽ;:;:;::::::::::::::::::::::;:イ; : : :
    / : : : : `:ー: :=:::-::ニ´イ: : : :
.      : : : : : : : : : : : : : : : : :




穏乃「だ、ダーリン…♪」

穏乃「触り方…す、すごくエッチだよ…♥」

穏乃「や…やっぱり我慢してた…んだね…♥」

京太郎「い、いや、俺は…」

穏乃「でも…我慢しなくても良いんだよ…♪」

穏乃「私の…私のちっぱいはダーリン専用…なんだから♥」

穏乃「揉んだり突くだけじゃなくて…な、舐めたり…とかも…♪」

穏乃「遠慮しなくて…良いんだから…ね♥」

京太郎「~~~っ!」ガバ  チュゥ



ニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニ/             {  //////////////
ニニニニニニニニニニニニニニニニニニニ./              ∧       __
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ニ>-、ニニニニニニ/ニニニニニニニニ{ - ''"´           マ     、    ー― ′      し
/   マニニニニイニニニニニニニニニノ               V      \
     ∨ニニニ/ニニニニニ.>-..く⌒ ´                V      \              イ
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ニニニニニ≧x        ,                            i!   /          /
ニニニニニニニヽ     ′         i                   }   イ           {
ニニニニニニニニ\.   i        J                   、        __     >-- ―  -- .
ニニニニニニニニニ.ハ.   |                             ´  ̄ ̄                 \
ニニニニニニニニニ∧ ノ                  ,,..  -――                             マ
ニニニニニニニニニニi´                 '"´
ニニニニニニニニニニ|                        . . . .                              }
ニニニニニニニニニニ|                          ,.: : rzォ.: :.                           ,
ニニニニニニニニニニ|                      {: : :ゞ: ノ : :.         i                /
ニニニニニニニニニニ|                      乂: : : : : :.ノ           ′                .′
ニニニニニニニニニニ|   /                                   /       U
ニニニニニニニニニニ| /           i                     /               /
ニニニニニニニニニニ|                  ',                     /              /



京太郎「(穏乃の胸…!穏乃のちっぱい…!!)」

京太郎「(なんだよ…くそ…!!)」

京太郎「(すっげぇ良い匂いするじゃないか…!!)」

京太郎「(頭の中がクラクラするような…エッチな匂い…!!)」

京太郎「(デートの時よりも…ずっとフェロモン出しっぱなしにしてやがる…)」

京太郎「(胸の谷間から…男を誘う匂いさせてやがるんだ…)」

京太郎「(こんな匂い嗅いで…我慢なんて出来るかよ…!!)」

京太郎「(誘ったのは穏乃の方なんだ…)」

京太郎「(この小さくてエロくて敏感なちっぱいを…好きにさせて貰うからな…!!)」

京太郎「(思いっきり…俺の好きなようにさせて貰う…から!)」チュゥ レロォ




         ''l )l              |    '、
          ゙'l l             │   │
           "'、.           !     |
            ヽ          ′    |
            ヽ          /    j
             弋 ゙レ          丿
               i ..ヽ、        /′
              ヘ 丶、       ノ

               \  ゙゙''''   /
                `ゝ、_.....r"
                />、::ヘ''‐`''、

                /:::::冫::..:::::::::}
               /::::::::/::ょ、:::::/
          __..-ー''lぅ{'、_,,::`::''〉::::::;L_
       ,..ィ''´:::::::::::::::''` ''ニ と!弋 /‐::``ー、_

  _,,--‐‐''ぅj∟:::::::::::::,..-'′:::::::`::::::::::::::::::::::::::::`ヽ、   
-´      冖'::::rン' =∟::::::::::::::::::」::::::::::::::::::::::::::::::ヽ、                     んあぁああ…っ♪♪
          .. ´        -      _ ィJ``ヽ..,,、
         /ソ         ` ┐    ``      `゙'ヽ、



穏乃「(ダーリン…♥ダーリン…っ♥)」

穏乃「(本当に…私のちっぱいに…夢中になってくれてる…♥)」

穏乃「(大好き大好きって言うみたいに…ペロペロしてくれてる…ぅ♪)」

穏乃「(嬉しい…っ♪すっごく嬉しい…けど…ぉ♪)」

穏乃「(嬉しすぎて…ゾクゾクし過ぎちゃうよぉ♥)」

穏乃「(自分で弄るのとは比べ物にならない…♪)」

穏乃「(ダーリンの事好きになってから…ずっと…一人エッチしてたのに…♪)」

穏乃「(私の感じ方とか…もう分かってたはずなのに…♥)」

穏乃「(私よりも…私の事…気持ち良くしてくれてる…♪)」

穏乃「(私の身体もココロも…悦ばせてくれてるぅ…♥)」

穏乃「はぁ…ダーリ…ぃん♥」

穏乃「好きだよ…♥大好き…ぃ♥」ンハァ

京太郎「~~~っ!!!」ゾクゾクゥ


                         {: : : : : : : : : : : : : : :_,..-――-.、: : : : : : : : : : :
                      ヽ: : : : : : : : >''"´: : : : : : : : : : : ヽ : : : : : : : :

           /7 | |         ヽ__./: : :,..-‐'' : : : : : ,.ィ"´ } : : : : : : : :
           /   ノ ツ           r―,.イ: : : :/ : : : : : : : : / }_,./: : : : : : : : :
                {ヽ、    ι/: : : /: : : : : : : :.} レァ''"´ : : : : : : : : : : : :
                 ヽ ゝっ  /: : : /: : : : : :__,./:ヽ(: : : : : : : :ノ: : : : : : : :
        人_,ィ        ),ィ'ミァ{ : : /: : : : :,.ィヽ: : : : : : ヾ、: : : :/: : : : : : : : : :
 从人_     ___ ____,.../:`::::ヽ!: u: : :,. ィ"   ヽ、ヽ: : :,.. (``ヽ、 : : : : : : : :
ノ ,..-‐ '' "´  ,..:''"::::::ι::::::::{:::::::::/ヽ、/        ``'''" .ヽノ   \: : : : : :
/        =::::::::::::::::::::::::::::::ゞ::::;;;;;;;;ノ:::λ              0     \: : : :
           ゞ::::::::::::ノ(::::::::::U::::::::"::::::::ヽ っ      o           \: :
             `ヾ;:::::::::::::´::::;;::::i(:::::::::::::ヘ、    7  ト -j─         ``
                  `` ーU::::::::::!ノ::::::::::;;:;:} `ヽ、.{__ノ  二) ゃ  o
                    `` '' ー ''"´    \      7  ト -j─
                                   \    {__ノ  二) ゃ

穏乃「あふ…ぁああ…っ♪♪」

穏乃「(ダーリン…もっとやらしくなったぁ…♥)」

穏乃「(好きって言ったら…興奮…してくれたぁあ…♥)」

穏乃「(クリクリ乳首いじって…ぴちゃぴちゃ音…鳴らして…♥)」

穏乃「(す、すごく…すごくスケベ…だよぉ…♪)」

穏乃「(これ、エッチ過ぎる…ぅ♪)」

穏乃「(ダーリン、どんどん上手になってってるからぁ…♥)」

穏乃「(え、エッチなのが…すぐに堪ってくぅ…♪)」

穏乃「(私の気持ち良いのが…どんどん強くなってくの…♪)」

穏乃「(ダメ…♪このままじゃ…すぐに…イかされちゃう…♥)」

穏乃「(私…イった事はないのに…♥)」

穏乃「(怖くなって…途中でやめちゃうのに…♪)」

穏乃「(ダーリンの口と手には勝てなくて…♪)」

穏乃「(も、もうイくのが…見え…見えちゃ…ぁあ…♪♪)」










   l__ ll /7         ヽ: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
   |_  ./ ツ  人从ノ(_   ヽ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
  ― --  、.      て.   ヽ: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :

             `` ・  、     ヽ: :ノ: : : : : : : : : : : : : : :_,..-r- 、 : : : : : : : : : : : : : :
               ミ::....-...、..ム‐-r―┬―┬ ''"Y´  }__,.⊥-‐ヽ、: : : : : : : : : : : :
               =;::::::::::::::ヽ:::ヽ、〉、__,ィ:、__ノ_ヽ-‐'ー'"   !.(  ,.ノ=ミ-‐ァ''ア: : :
                -::::::::::::::::::::::::::::::::::::、;;::;;::}   _  _ ,ノ-‐''く  /: : : :i /: : : :
           u      ゞ;:::::::::::::::::::::::::::::::::Y"´Y´ 「  ヽ_,..'"T゙: : : : : :l { : : : :
                    ヾ;:::::::::::::::::::::::::::'ト 、ト、__,〉-‐''": : : :) {: : : : : : :U : : : :
                     `ヽ;;::::::::::::::::::::ヘ : : : : : : : : : : : : :ヽノ : : : : : : : : : : : :
                   ―┐       ``''…‐-ミヘ、: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
              ι  __| l | ―┐         ヽヽ、 : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
                  ノ . __| l |       ヽ ``ー- ,,_: : : : : : : : : _;,;,.
                        ノ           ヽ 人__     ̄ ̄ ̄ ̄ヽ : : :
                                     ',  (           \ :



穏乃「んあああっ♪あぁあああああぁああっ♪♪」ビビクン









穏乃「(い、イかされ…ちゃったぁ…♥)」

穏乃「(これ…絶対に…イかされちゃったよ…ぉ♪)」

穏乃「(エッチな声、思いっきり漏らして…♥)」

穏乃「(身体中、ビクンビクンして…♪)」

穏乃「(言い訳…出来ない…ぃ♥)」

穏乃「(絶対…ダーリンにも…バレちゃった…のにぃ…♪)」

京太郎「じゅるるるるるっ」

穏乃「きゅぅううううううんっ♪♪」

穏乃「(ダーリン…は、離してくれない…っ♪)」

穏乃「(わ、私のおっぱい…ジュルジュルレロレロしっぱなし…ぃ♥)」

穏乃「(これじゃ…ま、また気持ち良いのキちゃう…♪♪)」

穏乃「(わ、私…キスもまだ…なのに…ぃ♥)」

穏乃「(ダーリンに沢山…沢山イかされ…てええ……っ♪♪)」

穏乃「ひぃ…♪いぃいいぃんっ♪♪」ビビクン


~ 一ヶ月後 ~

京太郎「ふー…今日もご馳走様でした」

穏乃「お粗末さまでした」ニコ

京太郎「しっかし…ハニーの上達速度はすげーな」

京太郎「まさか一ヶ月でここまで上手になるなんて」

穏乃「こ、これも愛の力かなー…なんて」モジ

京太郎「…それ言ってて恥ずかしくねぇ?」

穏乃「恥ずかしいけど…で、でも、事実だし…」モジ

京太郎「まぁ、実際、愛がないと昼だけじゃなくて晩まで作ってくれないよなー」

穏乃「ダーリンの両親がいないから今日だけ代理みたいなもんだけどね」

穏乃「それに…多分、まだダーリンのお母さんほど料理上手じゃないし…」

京太郎「いや、そんな事ねぇよ」

京太郎「俺はハニーの味付け大好きだし」

京太郎「何より、今日はカップ麺になる事まで覚悟してたから作りに来てくれてすっごい有り難かったよ」

穏乃「それなら良かった」ニコ


穏乃「…じゃあ、今日も…デザート食べる?」ヌギ

京太郎「食べりゅううううううううっ!」ダキッ

穏乃「きゃぅん…っ♥」

京太郎「ふおお…っ相変わらずいい匂いだ…」

京太郎「穏乃の…穏乃のエロフェロモン…」スーハー

穏乃「ちょ…い、幾ら何でもそれは恥ずかしいよぉ…♪」

京太郎「でも、恥ずかしい方が興奮するんだろ」

穏乃「そ、それは…」

京太郎「この一ヶ月で上達したのはハニーだけじゃないんだ」

京太郎「ハニーの気持ち良いところを…俺はもうバッチリ掴んじゃってるし」

京太郎「誤魔化したって…無駄だぞ」サワ

穏乃「ふあぁ…あぁ…♪」ピクン


京太郎「しかし…ホント、ハニーの胸もエロエロになったよな…」

京太郎「周りちょこっと撫でただけですぐ乳首ピンピンになるなんてさ」

穏乃「だ、ダーリンの所為だよ…♪」

穏乃「ダーリンが一杯エッチな事するから…わ、私の身体、変になったの…♥」

京太郎「その割には最初から胸だけでイったりしてやたらと敏感だった気がするけどな」

穏乃「そ、それは…♪」

京太郎「ま、なんにせよ…俺はハニーのデザートが大好物なんだ」

京太郎「今日も骨の髄まで…」

京太郎「いや、ちっぱいの髄までしゃぶりつくしてやるから覚悟しとけ」チュゥ

穏乃「はきゅぅううっ♪♪」ビビクン


穏乃「はー…♪はー…あぁ…ん♪♪」クター

京太郎「ふぅ…」チュパ

京太郎「今日も美味しかったぜ、ハニー」

京太郎「ピンピンになった子ども乳首も…相変わらずペタンだけどモミ心地の良いちっぱいも」

京太郎「思う存分、ご馳走様になりました」

穏乃「お、おしょまつ…様れしたぁあ…♥」ポワァ

京太郎「…ま、五回以上はイってたし…今はまだ無理だろうけれどさ」

京太郎「落ち着いたら風呂入ってこいよ」

京太郎「下着とかヤバくて…そのままじゃ帰れないだろ」

穏乃「…やだ」ギュ

京太郎「ハニー…?」

穏乃「やだ…よ…♥」

穏乃「こ、このまま…帰ったり…したくない…♪」

京太郎「い、いや…でも…」


穏乃「い、一ヶ月…だよ」

穏乃「ダーリンに…は、初めてデザートを出してから…もう一ヶ月経ってるのに…」

穏乃「なんで…それ以上やってくれないの…?」

京太郎「それは…」

京太郎「(…それは流石に踏み越えていいか迷っているからだ)」

京太郎「(俺はもう一日に一回は穏乃のデザートをしゃぶらないと落ち着かない身体になったし)」

京太郎「(誠心誠意、尽くしてくれる穏乃の事を…以前と同じふうには思えていないけれど)」

京太郎「(でも…まだ穏乃の事が好きだって言う実感がないんだ)」

京太郎「(そんな状態で…一線を超えて良いかどうしても迷ってしまって…)」

穏乃「ダーリンだって…辛いんでしょ?」

穏乃「何時も…下の方、ズボン壊れちゃいそうなくらいパンパンにして…」

穏乃「これで満足だなんて…嘘ばっかり言ってるんだもん」

穏乃「我慢してるの…丸わかり…だよ…」


穏乃「な、何度でも…言うよ…」

穏乃「私はダーリンのモノで…ダーリンに何もかも捧げたんだって」

穏乃「だから、我慢も遠慮も…要らないんだよ」

穏乃「私はダーリンのしたい事…全部受け止めるから」

穏乃「エッチな事でも何でも…して良いから…」ギュ

京太郎「ハニー…」

穏乃「…じゃないと私、不安なの」

穏乃「ダーリン…私のちっぱいばっかりで…それ以上に進んでくれないから…」

穏乃「興味あるのは私のちっぱいで…私の方はそれほどじゃないのかなって…」

穏乃「最近は…そんな失礼な事まで考えちゃって…」

穏乃「胸の中がモヤモヤとムラムラでいっぱいになって…」

穏乃「どうにか…なっちゃいそう…なんだよ…」


京太郎「(…そうか)」

京太郎「(良かれと思って、何とか踏みとどまっていたけれど)」

京太郎「(でも、それも結局のところ、穏乃の事を追い詰めるだけで…)」

京太郎「(俺の独り善がりなものに過ぎなかったって事なのか…)」

穏乃「…だから、ダーリン…」

京太郎「…分かった」

京太郎「でも…その前に一つ話を聞いてくれ」

穏乃「話…?」

京太郎「あぁ、大事な話だ」

京太郎「俺達の今後を左右する…とても大事な」

京太郎「(…正直、迷いはある)」

京太郎「(それを口にしたら…穏乃を傷つけるだけじゃないかと思ってる)」

京太郎「(でも、このままなあなあで恋人関係を続けていたら…きっと何処かで破綻する)」

京太郎「(こんなに魅力的になった恋人を騙し続ける事に…俺自身が耐え切れなくなってしまうだろう)」

京太郎「(…なら、まだ取り返しのつく内に全てを話しておいたほうが良い)」

京太郎「(結果、俺と穏乃の関係が終わったとしても…彼女の貞操に傷をつけるよりずっとマシなはずだから)」ズキ


京太郎「…って事だ」

穏乃「……」

京太郎「…すまない」ペコリ

京太郎「謝ってもどうしようもない事だって分かってるけれど」

京太郎「今の俺には…穏乃に謝る事しか出来ない…」

穏乃「……………………」グッ

穏乃「……………………さいてー…だよ」

京太郎「…っ」ズキ

穏乃「なんで…なんで今さら、そんな事言うの…!?」

穏乃「私…私、ダーリンの事、好きになっちゃったんだよ…!!」

穏乃「告白された時よりもずっと好きになって…!!」

穏乃「毎日、幸せで幸せで仕方がなかったのに…!!」

穏乃「どうして…そんな事言うの…!!!」

京太郎「……ごめん」


穏乃「謝ら…ないでよ」

穏乃「謝られても…私、もう元に戻れないんだよ…」

穏乃「ダーリンの事…大好きなんだよぉ…」ポロ

穏乃「別れたく…ない…」ポロポロ

穏乃「ダーリンと別れるなんて絶対…絶対、いやぁあ…」グス

京太郎「穏乃…」

穏乃「…っ!」

穏乃「やだ…っ」ダキ

穏乃「…ハニーって呼んで」

穏乃「穏乃だなんて…そんな他人行儀な呼び方…しないで」

穏乃「私…な、何でもするから…」

穏乃「ダーリンに好きになって貰うためなら…お金だってあげるから…」

穏乃「だから…だからぁあ…」ギュゥゥゥ

京太郎「……」


京太郎「(ホント、格好悪いよな)」

京太郎「(こんなに…穏乃を、幼馴染を大泣きさせて…傷つけて…)」

京太郎「(それでようやく…自分のほんとうの気持ちに気づくんだから)」

京太郎「(…俺は絶対に穏乃に泣いて欲しくないって)」

京太郎「(コイツの事が…好きで好きで堪らないんだって…)」

京太郎「(胃袋や性癖まで掴まれて…もう逃げ場なんてないんだって事)」

京太郎「(今更…気づいちゃうんだからなぁ)」

京太郎「(…でも)」

京太郎「………ハニー」

京太郎「(でも、まだ間に合う)」

京太郎「(まだ穏乃を…ハニーの心に決定的な傷をつけないで済む)」

京太郎「(だから、今は恥ずかしさや躊躇いに構わず…)」チュ

穏乃「~~~~っ!?」


穏乃「ん…♪ふ…あぁ…♪」チュ

京太郎「…ふぅ」

穏乃「だ、だー…りん?」

京太郎「…そういやハニーとキスした事ないなって思ってさ」

京太郎「決意表明ついでにやってみた」

穏乃「決意表明…?」

京太郎「あぁ。…俺はハニーの事が好きだ」

京太郎「最初はただ流されていただけかもしれない」

京太郎「でも、ハニーとここまで恋人関係を続けてきて…」

京太郎「俺にとって、一番大事な人は…ハニーになっていたんだって」

京太郎「さっき…ようやく気づけた」

穏乃「え…あ…」フル

京太郎「不安にさせるような…不甲斐ないダーリンでごめん」

京太郎「でも…そんな俺で良かったら…改めて…付き合ってくれないか?」

京太郎「ハニーの全部が大好きな俺の…彼女になってください」





    //|: : : : | : : // |:∧/  |/           |八∧/ \ |;ハ: : :| : : : |)〉
    |:| |: : : : | : /:   ≫去干气ト         ィ去干气≪   |: :/: : : : |\
    |:| |: : : : |: :|:::; 〃 んJ:::::::爿         トJ:::::::::::爿ヾ |:/: : : : :/ : ∧
    |:| ∨: : :乂{::::〈{  V辷七歹        V辷七歹  }〉/ : : : : /: : : :∧
.   乂 \{\: Ⅵ  とつ'⌒~ /////// `⌒とつ  /|: : //: : : : : :∧
         / `トh   /////////////////  ハl/Ⅳ: : : : : : : :∧
          { |: : :|ハ                     | ! : | }: : : : : : : : :∧          ~~~~~っはい…っ!!!(ポロポロ)
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        |: :从,_|      ´           `        厶イ : |: : : : : : : : : : : ∧
        |: :|  人                        人 : : : |: : : : : : : : : : : | }|
        |: :|   >                 <  |: : : :|: : : : : : : : : : : | ||
        |: :|       >          <     |: : : :|: : : : : : : : : : : | ||
        人_|       r=≦}___   T爪  {≧=ミ,   |: : : :|: : : : : : : : : : : | ||
                    |{      ̄`Y^Y´ ̄      }   | : : / : : : : : : : : : : /∥
     __          从  ー---〈 ∥---―=彡〈  ∧/ : : : : : : : : : : / /
   /     ̄¨ニ=- _幺  ー―===У===-一  r公=―=ニ¨ ̄ ̄  \:/




京太郎「そっか…良かったぁ…」ハァァ

穏乃「ぐす…ひぐ…」ギュウ

京太郎「ホント、ごめんな」

穏乃「う゛うん…良い…」ズビー

穏乃「好きだって…初めて言ってくれ゛たから許す…」

京太郎「…それもごめん。まだ色々と確信がモテなくてさ」

京太郎「後、ハニーとの関係が居心地良すぎて壊したくなかったって言うのもあったから」

京太郎「でも…俺もう…心からハニーの事が大好きになったから」ギュゥ

京太郎「これからは不安になる暇なんて与えないくらい好きだって言ってやるから」ポソ

穏乃「~~~~~っ♥」ビクン

穏乃「…も、もっと言って…」

京太郎「好きだ、ハニー」

京太郎「世界で一番、愛してる」

穏乃「わ、私も…♥」

穏乃「酷い事されたけれど…それも全部、許しちゃうくらいに…ダーリンの事…愛してるよぉ…っ♥」スリスリ


京太郎「ありがとうな」

京太郎「ハニーにそう言って貰えると安心する」

穏乃「う、うん。でも…」チラ

京太郎「……」メソラシ

穏乃「ダーリン…が、ガチガチ…だよね…」カァ

京太郎「し、仕方ないだろ。俺は完全にハニーで性癖変わったんだから」

京太郎「今の俺は巨乳好きでもなく貧乳好きでもなく」

京太郎「ただただ穏乃フェチと言っても良いくらいなんだ」

京太郎「そんな俺にスリスリされると…そのやっぱり…な」

穏乃「え、エッチしたく…なっちゃう…?」

京太郎「ま、まぁ、端的に言うとそうなります」

穏乃「そ、そうなんだ…。じゃあ…」ジィィィ

京太郎「ちょ…!?」



京太郎「は、ハニー…何やって…!?」

穏乃「だ、ダーリンのせ、性欲処理…だよ♪」

京太郎「い、いや、でも、そんな焦らなくても良いだろ」

京太郎「両思いである事は分かったんだし…」

穏乃「で、でも、ダーリンは今、ムラムラ…しちゃってるんでしょ?」

京太郎「そ、それは…」

穏乃「私も…だよ…♥」

穏乃「ダーリンに告白してもらえて…身体…熱くなってるの…♪」

穏乃「今までで一番、興奮して…え、エッチしたく…なってるから…♥」

穏乃「ちゃ、ちゃんとこ、コンドームも用意してあるし…♪」ゴソゴソ



      /: : 彡: /X: V:V7ーi 、__ イ:T7: :/ ノ   /とニヽ

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    /:/ /   /  i-'⌒ヽゝ-、  , 彡´::::::′  ',   /´ 彡ニ'〉
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    ′ /   ///:::〃;.';        r;マ、:::::',  ', /  /
   /    //  !:::〃ン           ゞV!::::::}   ∨   ,
. /     / ´    ゝ〃    ノ     ' 、   }|:::::ノ   /   !
. /  _彡´       |:::|{ー‐ ´        ー-}|:イl   ′   l       私とエッチ…しよ…♥
 ´ ̄            }:::|{;           }|::ハ  {    j
              /::::|{:;              }|:::{ ヽ '    /
              〃:::|{:}              }|:::ハ ヽ   /
           /:j::〃j            }|:::::ハ ヽ /
          〃::::|{'′    `i´     }|::::::∧
             /:/:::〃            }|:::<\:;
            //:::::|{               }|:::::ヽヽ:、
          〈〃::::::|{                 }}::::::::\ヾ、
        /::/::::::::|{   \    ii   / }}:::::::::::::::ヘ





京太郎「じゃ、じゃあ、まず風呂に…」

穏乃「だー…め♥」ギュゥ

京太郎「ちょ…」

穏乃「…今日まで焦らしに焦らしてくれたんだもん…♪」

穏乃「もう一秒だって我慢出来ないよ…♥」

京太郎「い、いや、でも匂いとか…」

穏乃「私はダーリンの匂い大好きだし…問題ないよ…♥」

穏乃「それでもまだ時間が欲しいって言うなら…♪」スリスリ

京太郎「おぉおお…」ブル

穏乃「ダーリンの為に一杯勉強したエッチなやり方で…その気にさせちゃうんだから…♥」ペロ




―― この後、滅茶苦茶セックスした


愛でるだけならエロシーンは不要だよなーって思わなくもないので、ここで穏乃っぱいを愛でる京ちゃんは終わりです
後で別ルートとか書くかもしれませんが(´・ω・`)予定は未定です



ちょろっと時間あっても文章や展開が書けないってのがここのところ続いてるからほぼ休み無しで書けるイッチが羨ましい

乙です
穏乃フェチならしょうがないね
>>1が書く穏乃はいつもエロエロ


AA付きちっぱい描写がエロかったです(小並感)
別ルート…耳年増オチラシさんを本気で落としに行くのかな?

阿知賀麻雀部を一人ずつ落としていく9年間を描くのかな?

>>141
スランプって感じなんでしょうか
あんまり人に偉そうな事言えるほど立派な奴じゃないですが、スランプの場合は気にし過ぎないのが一番の解決策だと思います
今は書けないと諦めて色々な本を呼んで見るか、或いは確実に書けるであろう分量をノルマとして課して乗り越えるか
その2つのどちらかがおすすめですかね(´・ω・`)ちなみに私は後者でやってます



>>142

        ,.へ ,. -‐: :  ̄:二:>.、
      /: : /: : : : : :/: : : : : : :`: .、
    /: : : /: : : : : : :/: : : : : /ヽ:、: : :ヽ

    ,:´: : : : :': :丶: : : :/ : /:/_{:L l_l: : : ハ
  /: : :/: :.:.:{:.、: : : :ー:レ: T:ハハ{  j l'ト: ハ}
 /: : :.:/: :.:.ハ:.:.\: : : {: :ハz≦ ヽ f:ハ: ハ

./: :/:.:/ :/  ヽ:.:.:.:.r‐ヘ: 代ヒソ   ヾ,,V:、
': : :.:.:.i: :(     \:.(   V: :ゝ''''     ハ: :',
!: :.:.:.:ハ:ハ     >ーイヘ: :ヽ   ^/ V:.}
{: :.:.:.ハ:.{: :ヽ   rz==┴`z,\:\ ̄     ):.)
!: :.:.:.ハ:.{:. : :ヽ   V三/⌒\z\:ゝ    ノノ
{: :.:.:.{:. :!:. :. : ', ノ::::::{      ヽ ` こんなオスを誘ってるとしか思えない格好とスタイルのしずもんが
V: :.:.{:. :ヽ: : : :/{::::::::::{ 、     ヽ:\        エロくないはずないんだよなぁ(錯乱)
. V:.:.:ハ:. :.: i:ハ:{ ヽ:::::::ヽ \    ヽ::)
 ヽ:. :.ハ: :.:.:ハ:j  ヽ:::::::::\ヽ   ヽ;
  \:V:.:.:.:ハ:j   \::::::::::::ヘ    ヽ
     ヘ:.:./ j   / ヽ:::::::::::\     ヽ
     j:.ノ /  /   〈::::::::::::::::;ヽ     \
     レ /  /    ノ::::::::::::::::::;;ヘ     '、
.       /  /  /;:::::::::::::::::::::::::ヽ    ヽ
     /   / /;::::::;;/:::::::::::::::::::::::::〉\   \
    _/ / /:::::::::/::::::::::::::::::::::::::;;}  \  ヽ

 rrァ´ / ∠z―=二二=‐:::::::_::::::::::ヽ   \  ヽ
. (とニ/ /-イ ̄ ̄ {    ̄`‐=、\:::::j     ヽ \
   ̄  V;;;;(    ',        \ヽ〉     〉 } i〉
      \;ゝ    ゝ、        V:〉      '///
          ` \   ヽ         }゙       `´´
              `ヽ   {       j



>>144
おかしいな、それ私二年くらい前に書いた気がします…(´・ω・`)これがデジャヴと言う奴か…

>>143
やる夫AA録2さんが重くてAA探すのすっごい時間が掛かりましたが(´・ω・`)そう言ってくれると頑張って探した甲斐があります
今回はほぼコピペしかしてないのですが次回作では色々とAA交えていきたいなーと思ってます(´・ω・`)おりんりんDLして改変の勉強しないと

ちなみにこのスレのオチラシは耳年増ですが、原作同様男が苦手です
しず相手には強がったりもしますが、実は父親と幼馴染の京ちゃん以外とは碌に話せません
なので



       ,/  /     |  ハ       |  | i 、 ヽ  \     \_
       i  /     |  | |       |  | |、 i  ゙、 、 \_     _>
       .|  i   | i  |  | |       |  ハ ハ _i!_ i   \ ヽ` ̄ ̄
       .|  |   |+--|、_|! |   | i! ,/.ィ'|"i´ ハ  | i  ヾ 、 ヽ
       .|  |   |.|ヽ |、_|王!ー  |./i .;"´/=、!/ | ! |   \ 、i
       !. r|   i.|、!,,ィ'":::._iミi!  |/ /彳:::: r:!ヽ,| ,イ | 、_   \
       | |^!.  N 《 _、o;;;;i_ 丶、/ / ┴゜‐'"´ !イ | λ i` ー--ヽ
.        ! | i、i、 ゙、  ` ̄ ̄   メ(        /^|イ `、|
       .ノi \ヾi:.、、         i!      i ノリ   `              お前が欲しい!!(キリ)
        .|  ヽ__i                 |イ|/
        .ヽ'≡ミ .i    ____....,     |/
      ,ィ´    ム.\   `ー-- ―'´  /、!  ―-イ/> 、
      {        }、 \     ̄´  /!/ /      V///>、
     //|       |>、 、 \      / ./.|y       }//////>、
    ',/{        V/≧=: .`ー---'′ /|V        .{////////}
     /ム        V////≧      .V        !///////:/
て////ヽム        V///////ム   ../       /////////、
////////ム           V///////l{  ./       ///////////≧=: ..
/////////ム        :V//////{ ィ        ///////:V////////>、
//////////:ム        V/////ィ     、_ .メ//////:V////ィ´ ̄  Y
/////////////>、         V//イ′       /////////////     :}
//////////////j        ≧=′      メ//////////:/       |
//////////////ム          、__ ///////////イ        >:′
//////////////フヽ、=          ̄  /////////イ        /
///////イ´ ̄ ̄                 ミ二二二´        >'
//////{                   ィ              >′
/////ィ        l}        ,イ              >´
///ィ         /                    > ´

//{         :/                   >´
//V        /                 >´
//ム      彡                彡 ´
///≧=-
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           /: : : : |: : : |: : :.|: : : : : : :<^ヽ

             |: |::i:トA: : ∧⌒ト : iミ: : |: ト、 :|
.              八|:从笊 : | ィ筏㍉|:「 Y.:|: | |:|
             // :l ∧ ヒト :| ヒソ  |:|ノ|: |八 :|:|
         //  | |八/// u.jノ∨:.レ‐::.、\
.        //   :| |r‐|\ -‐ //::| //::::i  、\
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          /'    乂}::::::::、!::::::|:::/::/:/:::::::::::|: :‘, \\                     はい…っ♥(ドキドキドキーン)
      /'       ∧::::::::ヽ、:::|/:::::/:/::::::::::::ハ: : :‘,   \\
     //       / ∧::::::::::i∨:::::/:/ /:::::::::ハ| : : : ‘,   \\
    /: :/       / / : }::::::::::l |:::::::{ {:/::::::::::ハ |: :|: :     ヽ:ヽ
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  /: : i       / / :| : !::::::::|:::::}:::::′::::::::ハ: 〉: : :|: : :|      i: :|
 八: : :|      ./ / .八:|:!:::::::∨::}:::′::::::::ハ:::::\/|: : :|      } ノ
   \:|     |:/    ヽ!::::::: ∨}:′::::::::ハ::::::::::::ヽ : /     ノ
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                  |:::::::::::::{::::/:::::|:::::::::// ヽ





くらいで堕ちます


―― 暗い道を一人の少年が逃げていた。

身長は182cm。ついこの間、高校生になったばかりとは思えない長身だ。
その身体にガッチリと筋肉をつけた彼は、快活そうな顔立ちをしている。
だが、今の彼の顔には怯えの色しか浮かんでいない。

―― 何処なんだよ、ココは…!?

胸中に浮かぶその言葉を彼は声に出さなかった。
下手に物音を立ててしまえば、『追跡者』に見つかってしまうかもしれない。
何より恐ろしいその未来に、彼はグっと歯を食いしばる。
代わりにはぁはぁと荒い呼吸を繰り返しながら、彼は闇雲に夜の山道を走り続けた。


―― くっそ…どこまで言っても山の中…!!これでも大分、降りたはずなのに……!!!

彼が走りだしてから既に一時間近くが経過している。
鍛えられたその身体にも乳酸が溜まり始め、筋肉が強張っていくのが分かった。
だが、それほどまでに走り続けても彼は山から脱出する算段すらつかない。
行けども行けども山の中で、どっちの方向に進んでいるのかさえ分からない。

カサ

「っ!!」

瞬間、彼の近くで葉擦れの音が鳴った。
風もなしにいきなり起こったその音に彼は身を強張らせる。
もしかしたら、追いつかれてしまったのだろうか。
いや、そんなはずはない。
だが、ここで下手に動いてしまえば見つかってしまうかもしれない。
そんな言葉がグルグルと渦巻く彼の前をウサギらしく小動物が通り抜けていった。


「…はー」

そのため息は思いの外、大きなものになった。
走りだしてから一時間、ずっと『追跡者』の事を気にしていた彼には心理的疲労が溜まり続けていたのである。
肉体的なそれを遙かに凌駕するそれは彼の精神を間違いなく摩耗させていた。
『見えない敵』を前に追い詰められていた彼は、ふっと気を緩めて。

「京太郎」

「っっっっ!?」

後ろからかかった声に彼は悲鳴すら漏らす事が出来なかった。
その声は彼が誰よりも気にしていた『追跡者』のものなのだから。
一体、いつの間にこんな近くに。
そんな驚きと共に振り返った彼に『追跡者』はにこりと笑った。



「もう散歩は終わり?」

「し…穏乃」

穏乃と呼ばれた『追跡者』はとても愛らしい姿をしていた。
京太郎と同じ年頃の彼女は、小学校高学年からほとんど成長していない。
小柄な少女の多い阿知賀の地でも特に小さい彼女はその茶色いポニーテールを揺らしながら彼 ―― 京太郎はへと近づいていく。
その度に黒いジャージ姿から漏れるナマ足が月明かりに照らされ、幼い彼女には不釣り合いな色気を演出させた。
その小柄さからは想像も出来ない魅力に、京太郎の心臓がドクンと高鳴る。

「じゃあ、そろそろ戻ろっか」

「い、いやだ…」

「ぅ?」キョトン

それでも彼はそこで応とは返さなかった。
京太郎は目の前の穏乃から逃げる為にずっと走り続けていたのだから。
戻ろうと言われて、はいそうですかとなるはずがない。
その身体に怯えを走らせていても、彼は未だ諦めてはいなかった。


「どうして?」

「ど、どうしてって…あんな山奥の小屋に監禁されて逃げさないはずないだろ…!」

山奥の小屋。
そこは決して京太郎が望んで立ち入った場所ではなかった。
幼馴染の穏乃に山登りに誘われた彼はその途中で強烈な眠気に襲われ昏倒したのである。
気づいた時には小屋に繋がれていた彼は、監禁者である彼女の目をかいくぐり、ようやく逃げ出す事に成功した。

「でも、京太郎だって喜んでたでしょ?」

「ば、馬鹿な事言うな、俺は…」

「…私の中で一杯一杯、気持ち良くなったのに。好きだって言ってくれたのに。今更、そんな事言うの?」

「そ、それは穏乃が言わせたからで…」

無論、京太郎も穏乃のことが嫌いな訳ではない。
寧ろ、幼馴染として長年一緒に過ごしてきた彼女を好いていた。
だが、それは決して異性ではなく、家族としてのもの。
少なくとも、強引に服を剥かれ、逆レイプされて良しと思える類のものではない。


「ホント、京太郎は強情だなぁ…。アレだけ私の膣内でイったのに…まだ分かってないんだ」

「な、何をだよ」

「もう京太郎は私から逃げられないって事だよ」

―― 何より、その目は狂気に満ちていた。

月明かりに負けじと爛々と輝く穏乃の瞳。
その中にあるのは歪んだ京太郎への愛情だけ。
決して自分のことを女として見てくれない幼馴染への気持ちは、完全に狂気に飲み込まれてしまった。
そんな彼女の事が、京太郎は恐ろしくて仕方がない。
決して頭は良くないが、その分、愛嬌があった幼馴染の姿が、今の彼にはとても遠く思える。

「…それは無理矢理連れ戻すからか?」

「そんな酷いことしないよ」

「監禁しといて良くもまぁそんな事言えるもんだな…」

「それは悪いと思ってるけど…でも、仕方ないじゃない。私、京太郎の事が好きで好きで堪らないんだもん」

それでも最初は謝罪があった。
京太郎への申し訳無さに穏乃は最初、何度も謝っていたのである。
だが、今の彼女にはもう申し訳無さすら残っていない。
強引にでも想い人と結ばれる甘美さに彼女はもう完全にのめり込んでしまっていた。
だからこそ、穏乃は京太郎の言葉に心外そうな顔をして。


「それに…京太郎も同じでしょ。私の事が大好きなんだよね」

「そんな訳あるか」

「…ふーん。じゃあ…」ジィィィ

「っ」

穏乃の指がジャージのファスナーをゆっくりと下ろしていく。
瞬間、彼の視界に晒されるのは純白の肌だ。
毎週、山を駆け巡っているとは思えない白さに京太郎は思わず息を呑んでしまう。
シミひとつないその肌がどれほどきめ細やかで抱き心地の良いものなのか。
彼はそれをいやというほど教えられていた。

「私の裸を見ても…どうとも思わないんだよね」

「ぅ…」

そんな京太郎の前で、穏乃は完全にジャージの前を開ききった。
そのまま胸を開く彼女から、桃色の突起が顔を出す。
小柄な穏乃の身体に相応しいその小粒に京太郎の目は引き寄せられた。


―― 逃げなきゃいけない。

それは京太郎も良く分かっていた。

―― ここで穏乃に手を出せば、泥沼にハマってしまう。

それは京太郎も良く分かっていた。

―― 今が逃げ出す最大のチャンス。

それは京太郎も良く分かっていた。

―― 急にいなくなった自分のことを両親や友人たちも心配している。

それは京太郎も良く分かっていた。

分かっていた分かっていた分かっていた分かっていた分かっていた分かっていた
分かっていた分かっていた分かっていた分かっていた分かっていた分かっていた
分かっていた分かっていた分かっていた分かっていた分かっていた分かっていた
分かっていた分かっていた分かっていた分かっていた分かっていた分かっていた


「穏乃…っ」

「んふ…♪」

だが、それでも抗いがたいものがある。
フェロモンのような匂いに穏乃の気持ち良さ。
監禁されてからずっと味わい続けたそれに身体が先に陥落してしまう。
挑戦的に見つめる彼女についつい手を伸ばし、その平坦な胸を揉んだ。

「あぁ…あぁぁぁぁ…」

「…これで分かったでしょ?京太郎はもう私から離れられないんだって事。私のちっぱいが大好きになっちゃったんだって事」

「ち、違う…!お、俺は巨乳派だ!ち、ちっぱいなんて好きじゃない…!!」

「でも、京太郎の手は…ん♪そうは言ってないよ」

それを一時の気の迷いだと言えれば、まだ踏みとどまれたかもしれない。
だが、彼の手はそうして否定している最中も穏乃の柔肉を揉み続けていたのだ。
さわさわと脇腹から肉を集めるようなそれに穏乃の声も甘くなる。
言葉とは裏腹に身体が堕ち始めている彼の姿が、穏乃にとっては嬉しくて嬉しくて仕方がないのだ。


「ほら、何時もみたいにチュッチュしたら…そんな事も忘れるよ♥」

「い、嫌だ…」

「全部忘れて…私の言う事何でも聞いちゃう素直な良い子になって♥」

「嫌だ…!」

「ちっぱい好きの…変態さんになろうよ♥」

「嫌…だあ…!」

力強い抗いの言葉とは裏腹に、京太郎の顔は穏乃へと近づいていく。
晒された薄胸に惹かれるようにしてゆっくりと膝を折ってしまうのだ。
そんな京太郎に、穏乃は何もしない。
ただ自分の胸元を開いたまま、京太郎の事を待ち続ける。

「お、俺は…俺…は……ぁ」チュゥゥ

「ふ…うぅん…♪」

それは彼が絶対に勝つ事が出来ないと分かっているからだ。
自身が彼に植えつけた性癖は覆せるものではないと彼女は心から信じている。
しかし、それでも京太郎が自身の胸に吸い付いた時の喜びは格別だった。
愛しい人がまた一つ自分に堕ちたのだと言う実感に、ついつい顔を綻ばせてしまう。


「ふふ…♪良い子良い子…だね♥」ナデナデ

「う…ちゅるぅ…」

そのまま自身を撫でようとする手を彼は拒む事が出来なかった。
何度も繰り返された穏乃の調教は、完全に彼の性癖を書き換えてしまったのだから。
目の前に晒された貧乳を愛さなければいけない。
既に陥落してしまった心が浮かべるその言葉を、京太郎は一蹴出来ないのだ。

「それじゃ…今日もご褒美あげるからね…♥」

「京太郎のでっかいチンチン…沢山、可愛がってあげるから…♪」

「ふく…」

「それが終わったらまたあそこに戻ろうね…♥」

「私と…京太郎しかいない…愛の巣に…♥」

「ふあ…」

その姿はまるで街頭に引き寄せられた虫のようだ。
罠だとそう分かっていても、離れる事が出来ない無様な姿。
だが、それを穏乃は決して嘲笑ったりしない。
その小さな身体には不釣り合いな母性を、その声に浮かばせる。
そんな彼女の手がゆっくりと京太郎の身体を押し倒して。




―― それから数時間の間、誰もいない山の中にケダモノのような喘ぎ声が木霊するのだった。



おっぱいスキーな京ちゃんがちっぱいを愛でるとなったらやっぱ調教されるくらいしかないかなーって
ただ、こういう方向性で病んじゃうしずってのがちょっと違和感あったのであくまでも小ネタの小ネタ的なアレに(´・ω・`)


和「最近、私の事をオチ村呼ばわりする失礼な人たちがいるそうです」

京太郎「オチ村?」

和「えぇ。何でも存在そのものが落ちてるとか、出てくるだけで笑えるとか…」

和「面倒くさそうとかぼっちになりそうとかレズこじらしてそうだとか」

京太郎「酷い話だな」

和「えぇ。まったくです」

和「まぁ…別にここまでは別に我慢出来なくはありません」

和「あまりいい気分はしませんが有名税のようなものだと思えます」

和「ですが…」





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  ヾi 、:.\:.:\:.]〈  っ::::;:i    ̄`            _,∠|:|: : : : .:|:.|―-
    ヽ!:.i、`゙ー-r≧   >≠    ,      " "   /  |:! : : : :.:|:.!////
     |:.|:.:.:.:.:.:.:\!  ,, ,,                /   i!: : : : : ::i:.i////
     |:.|: : : : :.:.:.i i       r== "ヽ      /   i: : : : : :.:i:.|////
     | |: : : : : :.:i:.:|\     ∨__ノ)   /    /: : : : : :.:i.:|////
     |:| : : : : :.:.|:イ |:::|l`ー-..、    ̄ ̄   /     / : : : : : :.:|/////
      |.|: : : : : :.:|:∧ i:.:!i::::::::::::::`i ー-‐ '    ,..-‐:/: : : : : : :.:.i!/////



京太郎「ちょ、お、女の子が大声でそんな事言うもんじゃないって…!」アセアセ

和「仕方ないじゃないですか!」

和「幾ら何でも不名誉過ぎます!!」

和「よりにもよってチンポに弱そうだなんて!チンポに弱そうだなんて!!」

京太郎「なんで二回言うんだよ!?」

和「だ、大体ですね。私はそういうのプロですから」

和「常にネットで情報探ってイメトレやってる私がチンポに弱いはずがありません」

和「処女賭けても良いですよ!!!」バーン

京太郎「それはたやすく賭けるもんじゃない…」

京太郎「つか、落ち着け!さらに発言が際どくなってるから」

和「際どいからって何ですか!!」

和「際どいのが好きじゃなかったら、あんな私服着れませんよ!!!」






京太郎「ま、まぁ、とりあえず、とりあえずだ」

京太郎「和の言いたい事は大体、分かった」

京太郎「ネットの不名誉な風評をどうにかしたいって言う事なんだな」

和「察しが良くて助かります」コホン

京太郎「(…今更、楚々としてもなぁ)」

和「と言う訳で京太郎くんにお願いがあるんですが」

京太郎「お願い?」

和「はい」




             , ―<>‐'´,                   \ >-、
               {:::::::: j ::::::::::::}   // /   、  、      `マ::::::}
             } :::::印フ::::::::{  // / / ハ ハ `ト、ヽヽ 、    ヽ::〈
               {:::::: У::::::::::::} l / / / } } | l l l l li  ', ヽ  l::}
             ゝ=イj、::rーr'  | il l  |  | | | | | | l l| i l i l l l l::}
               /// : :|  |  | il l  |  | | | | | |ハノ| i l i l l | |::ト、
           /:::// ::::::|  | | 从 乂 ! ノイ ノ ハノx==リ<イイ!イ l | l:::\>
           {f^〈:rヘ::j  ト、ily{frうr1      ´frうr1}y!ノ ル'j | lヽ:::::〉
               l  |    ト、 ` 込:ン       込::ン ' ∧乃_ | | ∨
               l  |    | r'  .:::::::::    ,    .::::::::. /ノi l l | |          私の事を抱いてください
            イ /l   | ト--、              /  li l l | |
            / //!    | | | i {\     ー‐    /  li l l | |
            / // |   | | | i |  l>、     , < |  l |i l l | |
            ,イ // /|   | | | i |_|  ` ー ´|   |  l |i l l | |
        // // //|   |_| |_リ:::::l        「>-ト-、_l |i l l l 乂
       / / // /  |   l::| |::::::::::{        L::::::::\ f^Y^ヽ |  \
        / / // />' |   l::| | :::::::::ヽ__,  _ノ | ::::::::::::fr'ニニム     ,
     / / //// : ::::::|   l::| | :::::::::::::',-―――┤::::::::::::{レ―-、 iハ    ,
      / / /イ//rへ、 |   l::| |:::::::::::::::::',      /:::::::::::::::{レ―-、 | ハ   |
    l / / レ ∧  `1    l::リ:::::::::::::::::::',   /::::::::::::::::/Y7Ti  ト、ハ   |
    l / / / /  ヽ  l   ト、:::::::::::::::::::::ヽ  /:::::::::::::/,ノl:::::::|  ト、 ハ  |




: : : : :/ : : : : : :| : : : :|.. : :. ゙、: . ゙、゙、. \
: : : : : |. : : : : :i |: : : :i:|. : : : ∧: :、.i. .i: : . ` 、
.: : : : : !: : : : : | |、: : :| | : : i | !: :|:| : |:、: : : : : : >
: : : : : :| : : |: i 「! ヽート!、: : リ  !: |ハ: ト : | ̄ ̄
.: : :,..-、|: : :i: :|: !゙、 _、!二゙、-| イ: リ ! |ヽ:|
: : / へ.゙、 :丶ヾヽ<´{::::i` ヽ! 1!|:/| :!ノ゙、リ

: :ヽ    \ : :!丶   ̄     Vイ:ハ |\:i
.: : 丶    \゙、        `> リ  `            はい?
ヽ: : :`┬ 、  ヾ          /
  i: ;ィノ    U     ,....-ィ /
,,:‐レリ    _       ̄ /
゛=!_    \ `ー-、_  _/
::::::゛== 、 \   / ̄ヽ、
::::::::::::::::::::::゛===-、    >




和「お願いします…!こんな事、京太郎君にしか頼めないんです…!」

京太郎「いやいやいやいやいやいや」

京太郎「おかしいだろ!いや、マジでおかしいだろ!!」

京太郎「なんで、そこで抱いてなんて言葉が出てくるんだよ!!」

京太郎「火消しに協力してくださいとかそういうんじゃないのか!!」

和「その辺りは大丈夫です」

京太郎「大丈夫?」

和「はい。ちゃんと掲示板の皆さんを説得して…」

和「エッチしてるところを動画にとって証拠にすると約束してきましたから!!!」



            ,.  ´ ̄ ̄ `  、__
          /   ,      / /⌒Y
         /    /    ,:       | ̄\
        .:'    '  /__/   ,      |   \__
       /    /  ///\/ /   .'   '    {` ̄
     /イ ,.. 、イ /}/⌒ヽ、/´   // /   、   、
       { { Ⅵ /   Vオ {从 /-}/-、  }  、 \
       | |  {/       ∨ィ=、}/  ,  |、 }  ̄
       / 乂   u      ::::::: Vソ' ,l ∧l |
        /イ , 八   ,...、    '   /ムイ,'∧ |
      /\ /  、 〈- 、\__     ム/ /   \
>----イ///\   .  `  ー '  イ/从              あうとおおおおおおおおおおおおおおおお
////////\///    、   .  ´
//////////\{    /`¨¨ 、

////////////>、  {、     〉
/////////////(_)}   ∨、_,イ/\
///////////////`¨¨¨|/\////\

//////_,. --- 、//|    |///\////>--、
/> ´   --、 ∨ム  //////////////}
     ´¨¨ヽ\〉 ∧///,イ/////////// |
        - \///{/イ//r- 、///////∧


和「なんでですか!」

京太郎「いや、だって、それほぼ実名で動画流出させるようなもんじゃねぇか!!」

京太郎「人生終わるってレベルじゃねぇぞ!!」

和「大丈夫です。いざと言う時の為に目立つところにホクロつけておきますから」

和「最悪、よく似た別人だと言い逃れする事が出来ます」

京太郎「その準備の良さをどうしてもっと違うところに活かさないんだよ…」

和「それで…どうですか?」

京太郎「いや、どうもこうも…ダメに決まってるだろ」

京太郎「そんな理由で和の事抱きたくないし…」

京太郎「和の恥ずかしいところをネットの不特定多数に見られたいとも思ってないんだ」

京太郎「協力しないどころか、俺は全力で妨害しに行くぞ」

和「…そうですか」

京太郎「分かってくれたか?」



          ,>─.:::.──- .ィ─-、._
    __┌.、/          \/:::::|
    |:::::::∨′  .: : : : : : :. : : :.  ',::::::::}
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    {::::/  ,.! ! !:.:.|:.| :| :| ', :!:!:}: : : ',;;;;ィ゙
    ヽ ! .{: :{:| | | 」|:.| :|: :ィ‐十ト|:|:} : : }:::::\
   / |/{ |.!.| {斤人|ヽj\| .レ゙リリル: :ノ::::ィレ′

   ヽ:::::.{',从|レィ==、   ィ==x .リ/:|」|

     ├┤| :沁 ::::::::    :::::::: ノ/: : !
     |:.:.|',| : :人    r─‐┐  ハ/  /:|
     |:.:.|::| : : |> , `.-- ' ,∠// /! :|         つまり祖チン過ぎて心配だって事ですね!!!
     |:.:.|::|   .:|ィ‐=_,,} ー  {.__//゙ /_.| i|
     |...:|::| ! :リ.|::::{_   __.//゙ / ヽ!|
     |:.:.|:.| ! / /_,ヽ.∠ィ'/ /─=||
     |:.:.|:.| / /─'、,..ィ‐-、_,..|:|  |_    ||
     |:.:.|:.i!:../. :::      .:. . |:∨ ゙<  小.
     |:.:.|:.{ !      :∨:: . ヽ`>、 ∨ |. )
     |.:.:| | {     .:::      :} ! :!
     |:..:|∧ ',: : . .: : . : i.     ..ノ|: | リ
     |:../ ヾ.\__, : : :人: : : : :,.イ〃.ノ/
     ゝ |  `ーイ:: ::::/:|:::::::::/゙_.∠.ィ゙/
      |  ::\.|_ :::/ ::! ::,ィ゙    {"
      ∧  ::::\ } : ::::: ::/    ∧


京太郎「…はい?」

和「大丈夫ですよ。私は別に京太郎くんに期待してたりしません」

和「人の胸を毎日、チラチラ見てるのに手を出そうともしないヘタレ野郎ですし」

和「挿入即射精しちゃうような祖チンでも、別に幻滅したりしませんから」

京太郎「あの……」

和「寧ろ、そんな京太郎君だからこそ良いんです」

和「祖チンの京太郎君が即イキすれば、私がチンポに強い証明になりますし…」

和「京太郎君も気持ち良い想いが出来てwin-winですね!」

京太郎「……」

和「まぁ、コンドームとかはありませんが、京太郎君の粗チンじゃ私を妊娠させるなんてあり得ませんし」

和「その辺、心配しなくても大丈夫ですよ」

和「京太郎君はただ猿みたいにその粗チンを突っ込んで、情けないところを見せてくれたらそれで良いです」

京太郎「」ブチ




































         _, -、

        rく_)_)jノ                          , -vュ.-,
      .; | ´ i  i ;          |                 / ^´y'´ ;
       |  .ノ イ           |               ,  _ノィ         
       |    {           .i |             /    / ;      i  .
      ; i    ',    ___   | !  _        ; /  ーt- '     .i . | 
        .{  __ノ  .>.: : : : : <...| _{_j'_i~YY_  __ /___.′         | i |  
       ハ    ', /: : : : : : : -―| .ニニ<: : : >: :´: : : : : : : : :`:.<.     | | ! 
        '   ',ィ: : :ア : : : > . |´ : : : : : :ヾ´: : : : : : : : : : : : U : : : \  | | !          お゛ほぉおおぉおおお♥♥

           i.   ',: : /: : : :,イ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : 、 ! |           アクメマンコぉおおっ♪♪アクメマンコになってりゅぅうう♪♪♪
        .|.    ',: : : :/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ::.  .!            チンポちゅよしゅぎいい♥♥京太郎君のチンポしゅごいいいいいっ♥♥♥
         ハ    ', /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :',             イくの止まんにゃいいいっ♥♥じゅっとイっへるううぅう♪♪♪
          |: ,   ,. : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : }.  !           やらやらああっ♪♪負けひゃうううううっ♥♥♥
       /!: :',  /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.i : : : : : : : : : : ,  | |          京太郎きゅんのエロチンポで堕ちりゅぅううううう♪♪♪
       ; } V: :', / : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : }: :、: :|: : : : : : : : : :/,:  | |          イきしゅぎてもう頭馬鹿になっちゃうまひゅうぅううううう♥♥♥
      rく u`Y/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :/ ヽ `''|:<: : : : : : / ;   | .     _  ∩∩
       ,\ /: : : : : : : : : : : : : : : : : : :i : : : : : : : : : : /: : : :',: : : : :',__ .. イ: /    !  r-、_f | ..∪∪
       i: : :/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : :| i: : : : : : : :/ : : : : :} : : : :ノ   マ:〈     \__ `ー-、
       |: :/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :| |: : : : : :イ乂: : : : ノー‐ ´    ',:ヽ    .     | iニ二  __
       {: { : : : : : :u : : : : : : : : : : : : : :.| |.-= ´ \`''ー、: : ;イ       i: :ヽ      ゝ-、  )」└、
         V!: : : : : : : : : : : : : : : : : > ´ ! |        : ..、ヾ' }      u }: : : ',  .     ノ ノゝィ.r、ノ
       八: : : :ー― - - .、- "      .!         ',  {          , : : . ',  __    ̄  ..∪
          ヘ : : : : : : : : : : : \               ',*:,       ./: : : : : :.      ⊂ニ⊃◎
          ,: : : : : : : : : : : : : 、                     .ィ'、. : : : : : ': : : : : .'∩⊂、 ̄)∩
          ヘ: : : : : : : : : : : : : ',                  , --  =≦   \: : : : : : : : : :∪..//...∪
           ヘ: : : : : : : : : : : : i            .イ           \: : .        ̄∩   .__ (⌒⌒)
            .ヘ: : : : : : : : : : : { >: . ___  -=≦              > 、: : : : : : : : |.レ⌒ヽノ..} .\/
              ,: : : : : : : : : : ',                               > : : : : : ゝ-⌒ー┘
                 ',: : : : : : : : : : ヽ                               `  ̄




和「…卑怯です」

京太郎「いきなり何だよ」

和「この前の事ですよ!!」

和「あんなにチンポ強いだなんて聞いてないですよ!!」

和「とりあえずアリアハン出てスライム倒そうと思ったらゾーマが出てきたようなものじゃないですか!!!」

和「Lv1の処女じゃ幾らイメトレやってても勝てる訳ないです!!!」

京太郎「んな事言われても、俺も始めてだったからなぁ」

和「そ、そう…なんですか」

京太郎「おう」




:::::::::/: : : : : :,: : : :ヽ/::::::::::::::\ /::::::::::|
:::/: : : : : :/: : : : : :}:::::::::::::::::::「.|::::::::::::::ト、
/: : ‐--: :/: : : : : : : :|::::::::::::: >!ノ_:::::::::::/ ',
: : : : : : ::,': : : : \: : :!::::::::_//|:\:::::::::::〉 : :',
: : : : : : :.:: : : : : : : : : 7 ̄::: :ィ .}::::::\/.   !
: : : : : :,': : : : :: : : : ∠ィ、:::::::::| :|:::::::::}/: // リ
: : : : :.:|: : : : : : : : : : : / \_| :|/^リ/// /
:.:: : : : |: : : : : : : : : : / : : : :| : : |:////    ま、まぁ、別に興味ないですけどね

,: : : : :.',: : :,,,_: : : :〃 : : : : | : :! ̄ /       京太郎君が始めてか否かなんて別に気にしてないですけどー
ト、 ̄´: ',:.: : : : : : : :/ : :/: : |  !   ;
: :\: : : ヽ: : : : : : /  :./: : :.|  |   /
: ||: :\: : : : : : : :/  : /: ::|: i|  | /
: ||: : : :\/\:/  : /: : /!: i|゙  |′
: ||: : : : .リ   /  : /: : //!:.:i|.  |
: ||: : : ::/__./  : /: : //=!:.:.|.  |


和「し、しかし、このままじゃ引き下がれません!」

和「と言うか、イきすぎて失神してる間にカメラのメモリーカード抜かれてましたし!!」

和「掲示板の皆さんにも思いっきり煽られたじゃないですか!!」

京太郎「知らんがな」

和「いいえ、知らぬ存ぜぬなど言わせません」

和「ここまで来た以上、京太郎君には最後まで付き合ってもらいます!!」

京太郎「…まぁ、俺も役得だし、嫌だとは言わないけどさ」

京太郎「でも、程々にしといてくれよ」

和「善処します!!」

京太郎「(あ、コレダメな奴だな)」


                /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\==フl

             r-、_ /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::、:::::::::::::::\ |
            /   ゙、::::::, -―-、:::::/:::::/::::::|:::、::゙、:::、:::::::::::::゙!、
::ー -、         /   `Y >´   /::::/:::::/::;:::::::|::::|::::|:::::|:::::、:::゙、::!
、::\\       |   /ケヾ、    |:::/:::::/::/::::::::|:::::|::::|:::::|:::::|::::|ヾ|
:::\::\\二<三ミ、ー--'´/八    /:/:::::/::ィ:::::;::::|.|:::ハ:::|゙;;;|:::/|:::|::|
;\:::\:\;;;::::::::: (_゙、_ , ノ/   >、._/;|:|::::/::/ |::/|:;:ト|::/ |├,,|:/:::|::|:::|

-―、゙、:\::: ̄ ̄:`´//-‐-、 /)::::::::::::|::::|:::| .|:/´|/,,|/ |/什 \|/;/\

\___\;;:::::`ー--/:/`´`^ー/:::::::,--、|::::|:::|´ /5):|   ゛|   ゙、::::::::゙、
___.二..-‐::´/:::::::/:::::/ \:( ⌒ \|V  ` ー'"    `!    |::::::::::|          …とゆー訳で
;;;;;::-‐ ´::::::;::::::'´:::::;/:::::;∠__`ヾ、___    """"    /    /:::/:::/
::::::::::::::::::::::::_,:::-‐;´,::-‐:´::::::::::::::::: ̄/  ` 、       ´/、  /::/::/
:::::::::_, -‐;;´-ァ ´ __ ̄ ̄`゛ー--、_,.イ、`ー-、__`__>- 、__ .ノ  .Y´:/::;:ノ
_, -‐´ ̄//-‐::´:::;; ̄二ニ-‐ ´ ゙、 ``ニァ--イイ ̄ |    | ̄ ̄

    /::::::;: -‐ ´     /      ト、 |`´ ̄イ>、_/  、  |
..  /:::::/         /         !  ゙、___,,イ  \_  |_,┤
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レ'            |      ,  , /   \       〈!`l_
            (`(ー、_,、__,t、ィ|/ /       \     (`! |┼、.
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 __v'´ _, '彡三三彡イ__   .___|ι-、,-、r-、r-、r-、___,._゙、 (//≦、`ト、
イ/  ///, --、___  `ト ニ!ニ!ニ!ニ!〉_〉=========、h‐n|〉/´,.\)´ |

7  //´/ \   ̄`.|      |彳Y ̄!二!ー!┬!-ト、)__|ニtケト'´!`i   |‐-、
__// /   `ー―‐|      ト'`´ ̄   ト| ||ζ     | |  |. 〉   ト-、ζ




和「今回はコスプレで勝負です!」バーン

京太郎「コスプレっつーかほぼ私服だけどな」

和「でも、可愛くて良いでしょう?」

京太郎「あぁ。良く似合ってる」

和「えへー…♥」テレー



和「ハッ い、いけないいけない」

和「気を許しすぎては、これからの勝負に差し支えます」

和「卑怯者の京太郎くんがどんな手を使ってくるか分かりませんし、気を引き締めねば…」

京太郎「(酷い言われようである)」

和「まぁ…前回はちょこっと…ちょこっとだけ負けてしまいましたが」

和「今日の私に慢心はありません」

和「その上、今の私はコスプレ姿」

和「非日常感で私の魅力が50%はアップしているはずです」

和「これほどまでにパワーアップした私が京太郎くんに負けるはずがありません」

和「そう…」



                 _         __ ノ
              .   ´ : : : : :`>r<   /::ハ
          /. : : : : : : : : : 〈::: ::\:_:Y:::/:::〈   負  チ
          . ' . : : : : : : : : : : : :\::::人_:jく::: ::::::{.   け  ン
\      /. : : : : : : : : : :: : : : : : : V::::/:∧\:::_」.   な  ポ
.  \     ′: : : : : : : : : : : :ヽ :_:ヽ〈:/:!'::∧::::\   い  に
    \  .'. : : : : : : : : i: |: : Xハ : : V: :}:|:.んj~⌒   !  な
.       l. : : : :.l: : l: l: | : {: i:斗<ハ: :N: :|: : : :∨`ヽ     ん
.       |:l: : : : l乂:从:.人 j:人芹.竿ル'1: :.|: : : : ∨く     て
二ニ =─|:i: : : : N!/_ \ \ 入r以ハ |: : |i: : : : :∨}        r '
      从: : : :{ 化ハ     `≠''  リ: :.从: : : : :∨\     r ┘
      人: :ル八j匕j      """ /: :/ ノハ: : : : :∨:、:⌒⌒\

     /  \jル1ヘ""" .      /: :/ {: :i : : : : :.∨\: : : : : \
.   /     |::: ::|:.∧     つ   ./: :/  Ⅵ: : : : : : ∨:.:\: : : : : \
 /       .レヘ|:': : 〕ト .    /: :/   八: : : : : : : ∨: /:\: : : : : \
          /    |: : :.i:|  }Ⅴて/: :/  /:::::::\: : : : : : ∨. : : :ヽ: : : : : :\
.       /    |: : :.l:|  ∨: :/: :/ /:x≦三ミヘ: : : : : : .\   }: : : : : : : ヽ

































         , '  ̄``ヽ、

        /       ヽ
.         /            Y                    ___
        /               !           __   ,. --―‐ 、''´.   、`ヽ,―-、__
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      /             /  .l ,,>''" : : : : : : : : : : : : : : : : : >..、_ \ノし′: : : : : : : :ヽ、
.     /             }―'''"´ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :  ̄:`:`:ヽ.、                 ひぐうぅうううう♪♪ひぐ…うぅうううう♥♥♥
    /             /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : \                チンポ良いっ♪チンポ良いっ♪♪チンポ良ひぃいっ♪♪♪
.   /          , ' : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ               京太郎君のチンポらいしゅきですうううううっ♥♥
-‐/            /: : : : : :._____二二ニ-――― '´ ̄ ̄``ヽ、: : : : : : : Y              奥ちゅかれる度にイくのぉおおっ♪♪
ー--―‐''´ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄                          ヽ : : : : : : l               じゅっぷんしゃれるらけでアクメしゅるうううっ♥♥
                                            Y: : : : : :l                敏感マンコぉっ♪♪エロエロマゾマンコぉおおっ♪♪♪
                                              }:.: : : :.:.l                はひぃいっ♥♥そぉおっ♥♥♥
                                        ,ィ     !: : : : : l                そうなんれすううううっ♪♪♪
                                     /     /: : : : : :|                 もうチンポ癖ににゃったのぉおおっ♪♪
      /!¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨´ ̄ ̄ ̄``''‐<            _,. ィ'´       /: : : : : : !                京太郎きゅんのチンポ欲しくて誘惑ひたのおおっ♪♪♪
_,,..-‐''",.イ: : :.:/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ̄`¨¨i¨¨´ ̄         /: : : : : :.:.l                 ごめ…ごめんにゃしゃいいいっ♥♥
.     /ノ: : :/ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : l             ,.イ: : : : : : : :l                 エッチな和でごめんなさいいっ♥♥
    /イ:/: :/ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : l         ,.イ: : : : : : : : :.l                  エロエロでごめんなしゃいいぃいいっ♪♪♪
    /ヽ、;;;;人: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.:.l        , イ: : : : : : : : : : :!                  れも…ダメにゃのおおおっ♪♪♪
    / o_l:::ij:::トt': : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : !      ,イ: : : : : : : : : : : : :!                  イくイくイくイくイくぅううううっ♥♥♥
__ノi  ̄ l::ノ{ノ:::|ヽ: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : l u   ; ' .l : : : : : : : : : : : ::l   /               チンポに負けりゅぅううううううう♪♪♪
     。 {、;;;;人(!ノY: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :l    , '   .!: : : : : : : : : : : : !''"
 u  o ι  ァ‐'i(´',: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.:l  , '    l: : : : : : : : : : : : l
| {     :)k/   o ', : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : !, '      イ : : : : : : : : : : : !
|λ     , '       ',: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :..:.l--――'´ !: : : : : : : : : : :.:.l
| l人   !     u.    ',: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :l      l : : : : : : : : : : : l
| | o `ヽ,{   i |     .   ',: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.l       l : : : : : : : : : : : l
    O ヽ、U .|| || ||l ',: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : l      l : : : : : : : : : : : l
         ヽ、 || || |||  ',: : : : : : : : : : : : : : : : : : : :l       ..l : : : : : : : : : : : l


和「馬鹿ですか!!」

和「多少レベルあげただけの勇者が1.5倍になったところでゾーマに勝てるはずないじゃないですか!!!」

京太郎「いや、俺に言われても」

和「寧ろ、ゾーマの方もパワーアップしちゃったお陰で服もベッドもぐっちょぐっちょのドロドロになっちゃいましたし…」

和「洗っても何しても京太郎くんの匂いが取れなくなっちゃったですよ!!」

京太郎「あー…それは悪い」

京太郎「弁償しようか?」



            _ /: : : : : .:.:: : : : : : :`ヽ,.へ
           /::::/: : : : : : : : : : : : : ┌--、{|/:!
           {::/:.:.::.:.:./:.:.:/:.:.:/.:i:.:.:、 !:::::::-i):::::)
           |/::/:.i.:/.:.://:.:.:.i:.:.|、:!:.:i:7:::::::ハ:ヾ
           |!...ii..|..ト-、川:.:.:.|ゝ!‐ナフリ7フ::」レ′
          ム:.|、:N W_ ヽ.:| レ,ル'/:.`7 )!:|

               Y〉!:|" ̄>-―< ̄!:.:.:.:K.:.:|:|
              レ:.:i|y:':´:::::::::o:::::::`ヽ!:.:.:.|ノ-、:゙、        い、いえ、あの…京太郎君の匂いは嫌いじゃないので大丈夫です…(モジモジ)
               /;.:.:/__o_<_フヘ-r-/^|:.:.:.:.V"ヽ.:゙、
             //:.:/    __,、|;;ル┴┤:|:.:.:゙、 |:.:.゙、
        /:イ:.:./ rへrrイ_     |: |:.:.:i;:.V:.:.:.:i;゙、
       / /:.:./ ̄`Y´ ̄  \    |:.|:.:.:.ki:|:.:.:.:.:i:.i
       /  |i:/    |     !i \_| !:.:.:.レ:.|:.|:.:.ハ:!
       リ  !ノ       !      ヽ  V::N:.:.:.:.:.:ルレ リ
         /     ∧        ゙、 Vノ:.:,ィ:.ノ
        /         / i       i  Y:ノム
.       /        /   i       i   ハ\i
      /        /、   ゙、      |/  |:::::|)


和「しかし、私も前回の失敗で凝りました」

和「私に必要なのはパワーアップする事よりも京太郎君にデバフを掛ける事」

和「つまり光の玉を探す事です!!!!」

京太郎「そんなのあるかなー…?」

和「えぇ。ありましたよ」ニッコリ

京太郎「あったって…ま、まさか…」

和「ふふ。そう…!」

和「さっきから京太郎くんが飲んでるそのお茶には媚薬が入ってるんですよ!」バーン

京太郎「なん…だと…」

和「ふふふ。これで京太郎君は敏感のアヘアヘに」

和「私がちょっとチンポに弱くても五分以上の勝負に持っていけるはず…」ガシ

京太郎「…和」

和「え、あ、あの…き、京太郎君?」

和「ちょ、ま、待ってください、目が怖…」

和「ま、まだ心の準備が…いや、あ、あのあの…っ」


























                                        i^!.m _
                 i!                   r 、} iノ レ.ノ

                   ,ri V{               / ̄ ヽ   /
                / .'  .} /´ ̄ ー-               ',  ′
                {   〈 {                   i  i
                八    ',:   {             {  |  |
                 ヽ   ',   i       i      |  _! -===--  ..,,_                    ゆ、許ひれえええっ♪♪
               .> "´ ̄ ̄ ̄ `゙''<.    |    > ´          `'' <                 もう許してくだしゃいいいっ♥♥
          .>-rrァ´             '' < _|__.> ´                \               れき…出来心らったんでしゅうぅう♪♪♪
        /  /:/                   ′                ',  __.` <            京太郎君に一回らけで良いから勝ちたかったのぉおおっ♥♥♥
       /    /ニ′                 i  i                     Vニミ、  .Y           な、生意気れしたああっ♪♪わらひが馬鹿でしたあああっ♥♥♥
      .ィ{   /ニ{                   ,:  ',                  /ニニ}  .}ニヽ          チンポしゃまに勝てるはずにゃいいぃいっ♪♪♪
     / |ム   iニニ、               ノ   ヽ      \         .イニニ/  ./ニ.ト、         和は京太郎くん専用のマンコ奴隷ですうううううっ♥♥♥
    .′ |ニ、  |ニニ\          _           ー-r--ヽ      /ニニ./__,.ィニ/ .}         ら、らから…っ♪♪きゅうけっ♥休憩ぃいい♥♥
    i!  Vニー'ニニニニヽ       .ィ´    __ . ==ォ-     ー、ニヽ.. __ .ィニニニ/ニニ/  ..ィ{         ちょっとらけで良いから休憩くだしゃいいいっ♪♪♪
    ,.{乂__ ∨ニニニニニ\    ノニ}      ´  ̄       / マニニニニニニニニニニ ー≦ノ         もぉじゅっとズポズポぉおお♥♥
   .イ ヾニニニニニニニニニ≧=≦ニ/ ̄ `               Vニニニニニニニニニニニ/ニハ         お尻広げにゃがらのジュポジュポ良すぎるぅううう♪♪♪
  ′  \ニニニニニニニニニニニ.′   /     \.       ヽニニニニニニニニニニ>'  ',         こ、このままじゃトんじゃいましゅうううう♪♪♪
  .i       ヽニニニニニニニニニニ/     /  /.ィ==ミヽ ヽ       \ニニニニニニニニ/             意識ぶっ飛んで京太郎君に犯されるらけのオナホマンコにひぃいいいぃいいいいい♥♥♥
  .       Vニニニニニニニニ/     ,  /´ ⌒ヽ ハ  ',        VニニニニニニY      }
.  ',        }ニニニニニニ./´      { {/    i {  ',  }        ∨ニニニニニ乂      ,
   ',     .イニニニニニニ/        . /  i   .| !  \/          ∨ニニニニニニ\    /
    ヽ.  /ニニニニニニニ/        _.Vi. i |   .J  ∨ ヽ          ∨ニニニニニニ\ イ
     ./ニニニニニニニ/        ´ / | | |  i     ト.   ',         .∨ニニニニニニニ\
   /ニニニニニニニニ/          / | | |  |     | ヘ  ',         ∨ニニニニニニニニ\
  /ニニニニニニニニニ/          /.  ! ! |  |   i  i!  ヽ i         ∨ニニニニニニニニ
イニニニニニニニニニ/        .ィ / ,  |  |  |  !  |   |≧..      __..ィVニニニニニニニニ
ニニニニニニニニニニ/ー--, -- =≦  / /  .| i      |  |  .U   `  ̄ ヽ   ∨ニニニニニニニニ
ニニニニニニニニニ/   /        し   | |       |  |           \.  ∨ニニニニニニニ


和「…この前のは流石に酷いと思います」

京太郎「…ごめん」

和「一体、どれだけヤるつもりですか!!」

和「私、三回は意識ブっとんだんですけど!!」

和「トんでトんでトんでって昔の名曲じゃないんですよ!!!」

和「そ、その上、私のアナルまで指突っ込んだりして好き放題…!!」

和「お陰でちょっぴり開発されてトイレの時が気持ち良くって大変じゃないですか!!!」

和「後日、正式にアナル調教して貰いますから覚悟しておいてくださいね!!」

京太郎「お、おう」

和「よろしい。では…」




         ___ -= : : ̄ ̄ =- .    _
         /:::/  . : : :       \ /::::人
      r‐:::::ヘ/   : : : :      r─=ミ/::::〈
     ノー─/                  |:::::::::::::》-=ミ}___
    〉:::::/   /: :/ : : | . : :. : :|   i \::::::::::|\:::::::::::::>
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     |_/  i: :|: : :| : i: i| : : :| i : | : i__i  i⌒´| |:::::::/\  \: : : : : : : : : :=-
.      |   i: :| :i ]「 :ト八: : :|:T:Τ八八 Y^i: ,| ⌒j゙\: :\  \=- : : : : : : :             ……この前はすみませんでした
    八  i: :| :iァテ外 \:| ァテ笊芥ハ:i ル' |: : 八: \: :\  \  =-
.   /::::::\{八从 V(ソ  \  V (ソ ム/  八: : . \ : : : : \ニ=- _
   '⌒¨¨|: : i :∧ ::::::  、   ::::::: /{ミx   \: : . \ : : : : : : : : : : .  ̄
.        |: : .i rj入   _ _     /  /ニニ=-  \: : . \ : : : : : : : : : : :
      |  i / :|ニニ>  __ ,.     :/ニニニニ=-. \: : . \: : \: : : : : :
        ,  i | :|ニニニニト、 ヽ _/二ニニニニニ\\: : . \: : \ : : :
.      /   ∧八二ニニニ|=‐----/ニニニニニニニ=-ヘ, \: : . \: : \
     /  / ∨ \ニニニ|    /ニニニニニニ=- /⌒i   \: : . \: : :
.    /   /   ∨\\,ニ|   /ニニニニ=-.:/ /    \  \: : : : : :


京太郎「え?」

和「流石に…その私も反省してるんですよ」

和「無理矢理、クスリで…なんて最低だって」

和「勝ちたい一心で…京太郎くんの気持ちを蔑ろにしちゃったんだって」

京太郎「…和」

和「それに…この前ので分かりました」

和「京太郎君、我慢して…くれてるんですよね」

和「何だかんだで…私の為に自分を抑えてくれてて」

和「…その、こういう事言うの…変かもしれないですけど…」



                       _ -───- _
                    .               、
                    /:>                     \  __
            ___j/                 __ Y´::::ノ:ヽ
              |::::::::::/     . : : : :! :. . : : . : : : . : . .  {::::::::ヾ.イ::::〈
             !:::::::/ / /. : / /: : .:| ::|: : :;: : : :|: . : : :. ヽ::::::::::};}:::::::|
              l:::::/ / / . :/ /: : /| ::| : : :|: : : :ト、:|:|: : }´:::::::|ト__:/
           {:::/ /.: ; . :/ /: : ::{: :| ::|: : :!、: : | |: j、:|: : l:::::::ィ´ヾ:::ヽ、

           l_:l イ: : :|: :|: :ト{、: :ハ|: :| : : :|: ヽ :| }厶イ、 |丁/::::::::}:::::::〉、      ちょっぴり…嬉しかったです…
           /:| ハ: :| |: :l | `ト、}lヽ: :'、: :ト、斗匕/ l | ||| l::r‐く|ヽ/{´

            ヽl |_l: : |: :|: :|rテ干示ト'\lヽl´::rf苡圷¨} |/-|:  ̄:|: :l |
            レ \ト、 \ヽ 弋:ツ : : ::. ::.   ゞ夕 ノ/ ´|: : : :|: :|  |
                    イl| |\}l`.:xwx:. ,     .:xwx::.  _ノ;  ::| |  |
                / j|! ハ             // |  : :|:l: : :|
                  / .イ j|l介 、             /´   !  : :!:l: : : |
              / /| ||l|{  、 ´ `   イ_    |  : :l l: : 八
                / / l| |l|||  __」 ̄    {、:::::ヽ、  |  : :| !: : : ∧
            / // l| ||厶斗‐::´:r‐!     /::::::::::::`::|  : :ト、: : : : ハ
              l /   /| |::::::::::::::::::/-、   ァ´:::::::::::::::::::::八 . : }>、\: : :ヘ
              | 〃 ∧!  ト、::::::::::::::::l ̄ ̄ 7::::::::::::::::::::::::/  . :j   ヽ }: : :ヘ
             l//  }/'| 八::\::::::::::|    /:::::::::,.-‐::´:::// . ::/ /´∨: : : :ヘ
             // ∨ / ハ:.:.\::\::::l  /-‐::´:_,..:.: ̄// . ∨〃   }ヾ: : : :ヘ
          {イ  / / / l ヽ:.:.:}>-::!./-‐<:.:.:.:.:.:.:.:.:イ/   ∨イ     Vヽ 、: : }{
          |ハ  }ァ'./ {   `ー-ゝ、レ_∠≠=- ´ /   . :/ l|     ト:l | l: :ハ|
          | ∨} j |l|      {_j} /    / イ  Y ヾjl;     |::|Ⅳ}/ }|
              / / イ 八l      /:/:::Y    // l |/    Y      |::l / リ|
               l〃/l|   \   {::八::::}    /    |ハ|    }   ;/ |::|  /|


和「…だから、と言う訳じゃありませんけど」

和「今日は私から…お礼がしたいんです」

和「何時も私に付き合ってくれている京太郎君に…心からのお礼を」

和「どうか受け取ってもらえませんか…?」ジィ

京太郎「そんなの気にしなくても良いと思うんだけど…」

京太郎「でも、ここで受け取らない方が困るだろうしな」

京太郎「遠慮なく受け取らせて貰うよ」

和「…ありがとうございます。では…」クル

和「入ってきてくださーい」

京太郎「…ん?」

ガチャ

ゾロゾロ

京太郎「え?え…?」


和「チン弱三銃士を連れて来ました!!」ドヤァ

京太郎「…チン弱三銃士?」

和「女騎士、弘世菫さん」




| |.     ',
| l      ',
| |       ',                  ,  -=<ヽ
| |       ',               /::::::/::::::::`::::⌒ヽ
| |       ',              <:::::::イ><::::::::::::::::}:::::.
!          ',             ノ/ 、///_人_/:::ノ:::::i
  ',  /〃   ',  _        /::::i ヽ    Y//::::::::/
 Ⅵ∨/、 __',__>- 、--=彡--:込     <::::::::/:
 √ V ノ _ ̄彡⌒/   {斗r≦ニニ≧s=- r彡イ:/::::/
 i: 0 |ヽ   -=彡 /--- /⌒Yニ=----====彡:::::/:::::::/
__乂ノ、: :\¨ < __/  乂ノ::::::/ノ-      ̄i::::::::::::'
__ , '/ヽ: :i==ミx 、     <::/ニ (__        八::::::::i           よろしく頼む
    '/ i八 ̄ ̄ ̄\\     ノ<=ミ    /::::::::::::::|
  / /i: : :∧     \\/´ / ⌒>ヽヽ  /:::::::::::::::::|
 ,/ /_i|: :/: ∧      r ', /   /-=彡⌒ ::::::::::::::::::|
)Ⅹ(彡ヽ: :/: ∧__    >彡ヘ  イ:::/::::/::::::::::::::::::::::::::|
/∧  =≦=/_  ヽ<_/  ', ´ <::/::::/::::::::::::::::::::::::::::|
/  ゞ'   ノ〃/ _ }i_ノ- ≦ ',    \:/:::::::/::::::::::|i::::::::|
      ゝ'_/- ノ /       ', _   \: / ::::::::: |i::::::::|
        '/: :∧'     //      ヽ::::::::::::::|i::::::::|
          '/:/:∧   // ',         ̄ ̄ ̄ ̄


和「処女ビッチの新子憧さん」


                 /: : : : : : : : : : : : : : : : :.:\
                  : : : :/: : : : : : : : : : : : ヽ : : : : :ヽ
                _/.: : :/ /: : :/: : : :.|: : : : :',∨: ‐tr┴-ミ
.            /: ′: :.:l: |: :.:/l: : : : :|、: : \',∨:/ハТ' 、:\
            /: /| l: : :.l:⊥:.」_|_ : : : | \: ____|:|/:,': ' |  \:\
        //  | | : : |: |∨|八: : : :|  ̄\:.:.|:|:/|: ::||     ヽ: |
         |:|   :|八: :.|:Y忙㍉     代朮Y|:| /: : ||      | |
         |:|    |:.\|: l乂_ソ     乂_ツ |:|Y: :.:.||      | |
         |:|    |: : :.|: |, :::::   ,    ::::: _|:|′ : ||      | |
     _   |:|    !: : l: 込   、 _,   . イ: |:| : : : ||      | |
.〈\  | |  :|:|     : :八|:.:.个 _.   イ、:.:.:.|:|: : :.:八    | |
    ', | |  :|:|     ∧: : :V_,/、|_`´ _,」ノ\: lノ: : /__: ',     | |     噂通りのイケメンじゃん
.   〉 ∨ L____|:|    /:∧: .:.∨|  /^U^l   //: : :/ ∧ ',   :| |      サービスで初回はタダで良いよ(ふあああっ♪ほ、本物の須賀君だ、どうしよどうしよ…!?)」
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. 八       / l\ 厂// | j/      o}  :||:.|  }` ‐=L,_: : : ヽ
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     `ー<    // ,,l个r-       {     \ {: r'   _,}: : : : :|
.       /`┬ /才/:| 叭      o',     У'⌒\ ヽ: : : : |
      // : ア´ / /| l |/     }  __r‐┴     |\: : |

      : : : :| ̄|| ̄ l :| |_ノ         { 「/⌒   \ |ノ: :∧::|
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         |   /              l ∪ l | |ノ:、 \ノ   /
         |__{          o {  ∧j_|ノ:::::lーヽ}
           / ̄ ̄\_    _/ /|彡へ|::::::\_ ヽ

            | | | | l   ̄  / /_|   .>ミ|::::| ̄:,
              Т`'ト L_| | | / ∧/_| _/ ̄ ̄ヽl\::',
              |:::::::|:::::|:::::T=---':l::|_] ´        `ト:|::|
.              \::|:::::|::::::|:::::::l:::: |_lノ、           |_う′
             | \l\」\_「´|―‐|         |
                 ',          |  |          |


和「文学処女の宮永咲さん」






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         /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : \           \
       . : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : .  /  楽   い
      . : : : : : : : : : : : : .: : : .: .:: :. : : : : : : :. ′   し    っ
.     /: : : : : : : :i: ,:i: : : :ト、:,」L{i_:ハ:i: : : : : ::i     も    し
    厶イ: : : : : .:|i:八: : :.|.:ハ:i: :l|ノ州: : : : : .:|     う   ょ
      |.:: : : : :才Zノ\:|( 斗笊ミメ|: _: : -=j     よ   に
      | i: : : : ;抖笊ミ     Vーり l/ }: :/:八    !
      l人: : : :::.乂_り       ̄  .ノ.://   、
       乂: {:八 、、   '__  ``.刈乂      ー-----‐
         ヾ(      ヽ ノ  イリ
              >r‐   乂}ト。.
                Y^}     _./      、
     ___    /     |`` '"´ /       __:.
.   / 、Vn   ∧     :|  ̄ ̄ /      _/.  ;ミメ、
  〈 ュ`Yノ ノ  ′ト、    :|   /    ..:::イ :!′ } Ⅵ \
.   }⌒;´イ  {:!.!:.\  ;    ′ ....::::::/ ; |  / ∨\ ハ
   ハ   人  八 ;、:::.:\l   厶イ.:.::/---マ:!.:// . }  ヾ|
   [__フ_彡ヘ/  |  ー‐ミ以r‐… ´      |// {:八
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i :|.| :.:.:i   i i_:|、!、:.:.! i:!、i:.:.:.:.:.:.i:.:.i _;彡';tr=、 ヾ、"' /ヽ |':.:.:.:.:.:.i:.:|:.:.:.:
. ! i:i!  | ..:i :i:.:.:i`iー>ト-!、丶:.:.:.:.:i:、^V i_;:::::::ヽ /      i: : : : :.:|:.:|:.:.:.:         そして私を含めた四人で京太郎くんを骨抜きにします!!!
 、:!:i、:.:.i:.:.:.:.|:.i:、:.7メ'f:::::::ヾー\:.:.:.:、`ヾ  <;;;:ン ′     ノ : : : :.:.:!:.|:.:.:.:
  ヾi 、:.\:.:\:.]〈  っ::::;:i    ̄`            _,∠|:|: : : : .:|:.|―-
    ヽ!:.i、`゙ー-r≧   >≠    ,      " "   /  |:! : : : :.:|:.!////
     |:.|:.:.:.:.:.:.:\!  ,, ,,                /   i!: : : : : ::i:.i////
     |:.|: : : : :.:.:.i i       r== "ヽ      /   i: : : : : :.:i:.|////
     | |: : : : : :.:i:.:|\     ∨__ノ)   /    /: : : : : :.:i.:|////
     |:| : : : : :.:.|:イ |:::|l`ー-..、    ̄ ̄   /     / : : : : : :.:|/////
      |.|: : : : : :.:|:∧ i:.:!i::::::::::::::`i ー-‐ '    ,..-‐:/: : : : : : :.:.i!/////





                ,.  ⌒ヽ、/⌒ 、-- 、
               /_,..-         ヽ  `  、
             / /´     /    ∨   \
                ,  ´      / ,'     :    、 ヽ
           /   ,    , / /|  |  :.  | | |    ∨
         _/   / /  |_|__'_|  |   _}_|_|_| |  | :
         ̄ ̄´/ イ '  { ´| |/__{  |: , ´/}/_}∧ |  | |
            / / , rⅥィ笊 从 {∨ /ィ笊_ヽ}/、 | |

            / イ ∧{ 从 Vり \∨' Vり /' / ∧{             帰ってもらいなさい
            ´/イ }从lム     ; \     ,ノ /  \
                    | ∧          ∧,イ
                   Ⅵム    -  -    イ //
                _ヽl\       //イ__
                |////} `  ー  ´「////|
                |////|  :.   / |/[__}/|
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咲「エロマンガ的にそこは流されるところでしょ、京ちゃん!!!」

憧「なんで?あたしたちの事気に入らない?」

菫「くっ殺」

京太郎「いや、気に入らないなんて事はないっすよ」

京太郎「ただ…」




         /             /    /  / 〃                i{   | \
       /           /    /  / 〃         |         i{   |
      /              /    /  / i{          |         i{   l    ',
   __/      /     ′  〃 /{  ハ   {    |  |ヽ
 ⌒ ̄ ̄ ̄ ̄  ア        i{    l l  i{{ l i{   {    |  | }  i{       /
.          /  ィ'       i{    | l 从| l i{   {    |  | } 从   〃   ′    l
         {/ /       i{    |jI斗===ミ i{   {    |   厂}/}/ }/ }   /⌒ 、
            '         ∧  狄Ⅵ汞≧八  {\  | ィ'“ 汞笊ぅ/ / 厂^ l    ′
         /  /    { ', {   ∨こリ \l   、! /   Vこツ{/i /    从  ′
        /  /    人 ', ',{            }ノ          }/   / ハ/          恋人の和以外抱きたくないってだけだよ
       ∠  ∠   イ  l\ 、 V                       }   / /
                  八  !  Ⅵ ヽl          j               l=‐≦/
                   \〉   v 汯         {              爪 〃
                    }  ∧                        / //
                       \{ 込、    ___           /{ ィ/
                     _ -=\   に ̄ ̄_)       {从
                      〃    }N\            /   j_ノ_}Y
                       ri{      i{   、          /_ -=ニニニニ|
                       |ム      i{    ー―― r≦ニニニニニニニ=|
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: :|人小|ヽ:!.ィ爪沁ヽ /.:/ /,.イ爪心ヽ.! イ/.//′
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: :|人小|ヽ:!.ィ爪沁ヽ. /./ /,.イ爪心ヽ.! イ/.//′   U     } }
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    /   | |  |: ::|',/ ヽ| \: : |ィ/,ゞ..、\,!: :/: : :i! | :|
    ,' /: : |::{: .: :!:/| 〉|-.     \!" {_::rj::::', :リ/}:.:. ノ|/゙.:|
.   i ィ: : :.∨\"| /,ィうヽ      ィ゙:`::::ソ i} |/: ': : :|

.   |:/.!: : |: : : : |ヽ  {_,ィrj:::',       .`ー‐゙  ./: : : : : : !
    ! |: : |∨: : :ヽ{i ヾ,::::::ツ ::::::::::::::::: :::::::::  |: : : : : : |
     ヽ:.| \: : : \, `" ::::::::::::::::::::::_,,._ ::::::::: |: : : : : : {

.      'j  |: : ̄、 ̄ :::::::::::::: _,,. - "__\   {: : :  :'.,           ふぁっ!?
         !: : : :.ハ.       { ./      〉 ./!: : : : \
        .|: : :リ`ヘ.       V     ./ ,ィ=、|: : : : ト、::ヽ
.        |: :  : : :`..、,    `ー  " ./ |/ \: : : . :| i: :}
.        リ: ,': : : : :/: : :/  ー, --‐'    /   ヽ: : ::ヽ ̄ `ヽ
.        /: /: : : : /: : :/: : :/ {/〉,    /     〉,: : : :\   \
       /: /: : : : /: : : _,.ィ={ :|/. !.    /    /| \: : : ::\   }
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     /:/} : : :/   / / .:| :|_.    /   /  .! !  .\: : :  ヽ,
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                      \ } ̄´
        '              ,  \
      / ,          |/} ∧ }`ー`

       {∧          「ノ|/}/イ
      '  、       | /`/ } '              いや、ふぁじゃなくて
         } ∧     /イ   /
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和「だ、だって、彼女公認の据え膳ですよ!?」

和「男だったらルパンダイブしてハーレム作ってやるぜーってなるんじゃ」

京太郎「…まぁ、一瞬でもそれを考えなかったとは言わないけれど」

京太郎「でも、俺は結構、一途なタイプなんだぞ」

京太郎「恋人いるのに他の女の子に手を出すなんて失礼な真似したくない」

和「…私公認でもですか?」

京太郎「こればっかりは俺の問題だからなぁ」

京太郎「公認かどうかなんてあんまり大きな問題じゃないんだ」

京太郎「だから、折角来てもらって悪いけれど…」

憧「…まぁ、そういう理由ならしょうがないよね」

咲「…私、諦めないから」

菫「くっ殺」

京太郎「うん。なんだか不穏な言葉が聞こえた気がするけど全力でスルーしようか」




ドタドタ バタン

京太郎「ふー…何とか帰ってもらえたか」

和「…あの、京太郎君」

京太郎「先に言っとくけど謝るのはなしな」

京太郎「和なりに俺の事を思ってあの三人を誘ってくれたんだって事くらい分かってるし」

和「でも…」

京太郎「はい。でももすともなしっと」チュ

和「んぁ♪」

京太郎「…そんな風に落ち込むよりも何時もの和でいてくれた方が俺は嬉しいな」

和「じ、実はNTR気分を味わってみたかったなって…」モジ

京太郎「ある意味、平常通りで安心したような新しい不安が浮かんできたような…」

和「だ、大丈夫ですよ。浮気はしません」

和「私、身持ちは硬い女ですから」

和「…ただ、そんな私の想いにも関わらず、京太郎くんが他の女の子の毒牙にかかるシーンに興奮するだけで」

京太郎「業が深いにもホドがあるぞ…」


京太郎「まぁ、そんな和に本気で惚れ込んで告白した俺ほどじゃないかもしれないけどさ」

和「京太郎…君…♥」ギュ

京太郎「…和、良いか?」スッ

和「…はい♥今日も…一杯エッチな事してください…♥♥」

和「何時か…京太郎君の事を満足させられるように…♪♪」

和「京太郎君のチンポに絶対勝てない私を…鍛えてください…♥♥」

京太郎「喜んで」クス


                                / )---、
                            〈 イ_{┌‐‐
                               └'‐ク }
                              \  {  |┐
                              λ  / ∧
                                  〈-=彡' ∧
                               ∧__彡'   〉
                               {      {
                                ∨     ∧
                                |    / リ
                       __       |    ,/ /{
                 ----   〈:::::\     |   / / {
              ´       /\-、\    |  ,/   l|
          -/        \ 〈::::::::/\Χ__  | /    |
          {/  / /   \\  ヽ\/:::::∧ ∨:.} /| {
.          ///|   |  | lト、  l l イ:::∧ ∨ } l|     /          のどっち大勝利!
         | l | |l l  |  | l| 八从li |:::::::∧ ∨     /           希望の未来へレディ・ゴー!!
         | l | |l l\l\八从芹苅 i | ̄|l i/ ll     /
          八l | |l |芹苅     乂ツ 'l | l l||_// l|    /
.         /::\八从乂ツ     .::::::. l | レ´//   }   ,/
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          / / / / 个ト .      イ| || l/ }    /
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             .|/'  |: / ∨: !、:.::/ |>o。_          /  .!-ー--  .._
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チン弱三銃士がやりたかった…(´・ω・`)今では反省している

即オチ村さんェ…
咲ちゃんが真面目に恋愛したいのにギャグ時空バカップルに翻弄されて咲さん化したのはよくわかった

とりあえずイッチがエロAA使い倒したいっていう熱い気持ちは伝わってきたな

完全にただのギャグ漫画

阿知賀の娘はみんな病みが似合う不思議
最近の和は、みやなが家のオチ村のイメージが強い今日この頃(憧もオチラ子が強い)

>>1の書く穏乃で、しずのすきーになった(主に9年間)

チン弱三銃士との濃厚なプレイも見たい

このスレはみやながけだった?

咲ちゃんに普通に京ちゃんと恋愛させてあげてよぉ!

のどかわ

乙ですー。
AAまとめサイトにAAMZ Viewerというのもありますよ。

くっ殺さん流行ってるなぁ(言い出しっぺ)


だが待って欲しい。チン弱三銃士のうち、くっ殺や処女ビッチはチンポであればなんでも負けるが(風評被害)、
咲ちゃんだけは京のチンポにだけに負けたい子ではないだろうか

ここの作者の京咲にハッピーエンドは無い

>>193
真面目に恋愛したい(多人数プレイに参加する)
エロAAは使ってて楽しかったですが、見直すと色々と不満が出てきますねー
一枚のAAにセリフ全部詰め込むんじゃなくて断面図のAAとかもっと使いこなすべきでした…(´・ω・`)

>>194>>199
上の和はオチ村なだけじゃなくて、エロ村だったり、原村だったりするからね、仕方ないね
そんなネタと言っても過言ではない和を可愛いと言ってもらえるなんて思ってませんでしたの

>>195
あらたそはあんまり病みっぽくならないイメージがありますが(´・ω・`)他の四人は何時病んでもおかしくはない危うさがありますよね
そして私がキッカケだと言ってくださり、ありがとうございます
私も最初、アコチャーは飛び抜けて好きって訳じゃなかったのですが、九年で阿知賀で一番好きな子になりました(´・ω・`)そしてみやなが家さんは強すぎるんや…

>>196
5PとかSSでもAAでも死ねるので…(白目)
多分、何だかんだ言って、のどっち以外は処女なので一人ずつあへあへおほーってなっていくのをビクビクしながら見てたんじゃないでしょうか
で、自分の番が来るまでの間に下着がぐっしょりになって、京ちゃんのマジカル☆チンポに負けちゃうパターンな気が

>>197
咲ちゃんと京ちゃんが想い合うこのスレは立派な京咲スレ→つまり京咲の有名ドコロであるみやなが家と言っても過言ではないのではないだろうか(錯乱)
それはさておき、みやなが家さん勝手にネタにしてごめんなさい(´・ω・`)

>>198>>204
なんでや!小ネタやったらほのぼの恋愛させてるやないか!!

>>201
ありがとうございますー
とりあえず一息ついたら後で導入します…(´・ω・`)ページ開くのに二分とか三分かかるのは流石に時間がかかりすぎなので…

>>202
ピッコロさん?(難聴)

>>203
どの道、女の子は皆、京ちゃんのマジカル☆チンポには勝てないから一緒なのではないか(錯乱)
まぁ、何だかんだ言ってどの娘も嫌いな相手のチンポに負けたりしないと思います
くっ殺や処女ビッチものどっち経由で京ちゃんの事を知って、京ちゃんだったらって事できたんじゃないかな(´・ω・`)知らんけど


そして明日には恐らく本編投下出来ると思いますが…(´・ω・`)先に巴ファンの人にはごめんなさいしておきます(小声)


た、たぶん巴さんのメガネが割れるとかだろ…

>>205
> あらたそはあんまり病みっぽくならないイメージがありますが(´・ω・`)
晴絵に失望して全く麻雀をしなかったり見なかったりとか、昔に貰ったネクタイを今まで残してあってそれを身に付けてくるとか、激しく病みそうな要素が…

> 私も最初、アコチャーは飛び抜けて好きって訳じゃなかったのですが、九年で阿知賀で一番好きな子になりました(´・ω・`)
中学選択で阿知賀が選ばれてたら、>>1が濃厚な穏乃好きになってた可能性が…、 くっ!(´・ω・`)


巴は原作最新話で増量されたのに小さいままで描写するって事やろ(迷推理)

多人数プレイは書けないと言っておきながら複数ヒロイン物ばっかり書いてるのは何の因果だ...?

>>206
あながち間違いじゃないんですよね…(´・ω・`)

>>207
その辺、完全に忘れてました…(´・ω・`)ごめんなさい
そして穏乃は元から結構好きなのでこれ以上好きになっていたら、ここも穏乃スレになっていたかもしれませぬ

>>208
ぶっちゃけた話、ハーレムの方がヒロイン決めたりしなくて良いから楽なんですよねー…(´・ω・`)
それに私、ハーレムモノばっか書いてますけど多人数プレイは数えるほどしか書いた事ありませんし
それほど矛盾はしてないかなーと思ってます

そしてついにwindows10ちゃんに捕まってしまって遅くなってしまいました(´・ω・`)今から始めます


………

……







巴「うーん…」

目の前にあるのは大きな姿見を見つめながら、巴は声を漏らした。
何処か不安げなそれを聞き取る者は誰もいない。
今の彼女は自室に一人でいる状態なのだから。
ついさっきまで一緒に夕食を摂っていた京太郎も、今は自室へと戻り、準備を整えている。

巴「大丈夫…かしら?」

巴が不安そうな言葉を繰り返すのは、目の前の姿見にチャイナ服姿の少女が映っているからだ。
赤い布地に金糸で刺繍を施されたそれは鏡の中のの少女に良く似合っていると思う。
少なくとも、目も当てられない状況ではない事だけは確か。
そう思いながらも巴が不安を拭い去れないのは、目の前の少女が自分自身だからだ。


巴「(ここで良し…なんて言っちゃったらもう後戻り出来ないんだもの)」

巴「(もう何度もチェックしてきてはいるし、大丈夫だと思うけれど…)」

巴「(でも、手を抜く事なんて出来ないわ)」

ましてや、今の彼女は撮影会を間近に控えた状態なのだ。
愛しい人と二人っきりで行われるそれに不備や手抜かりがあってはいけない。
そう自分に言い聞かせる巴はジィと鏡に映る自分に厳しい視線を送る。

巴「(特に…問題はないかしら)」

巴「(少なくとも、イメージ通りに着れている…はず)」

巴「(…まぁ、だからと言って、恥ずかしくない訳じゃないんだけれどね)」

巴「(自分で作っておいてなんだけれど…脇まで見えちゃうノースリーブだし…)」

巴「(何より…スリットが結構、深いところまで入っちゃって…)」カァァ

足首まで垂れ下がる前掛けとは裏腹にそのスリットは太ももの中ほどまで入っていた。
普段の彼女からは考えられないほど大胆なそれは、巴の滑らかなナマ足を露出させている。
真紅の布地からチラリと覗き見えるそれが巴にはとてもエロティックに思えた。


巴「(こんな姿、京太郎君以外には見せられないわ)」

巴「(例え、はっちゃんでも…見られたら死んじゃう…)」

しかし、だからと言って、巴はそれを脱ぎ捨てようとはしなかった。
自分の作品に対して、強いこだわりがあるから、などではない。
彼女にとって最も優先するべきは、自身の羞恥心ではなく京太郎なのだ。
身内に見られた瞬間に死にそうになるほどの羞恥心も京太郎の為ならば我慢出来る。

巴「(それに…着る事そのものは、あんまり嫌じゃないのよね)」

巴「(確かにこの格好、過激で、普段の私じゃ絶対に着ないけれど…)」

巴「(でも、だからこそ、新鮮に思えて…)」

巴「(この姿の私は私じゃないんだって…そんな風にも感じてしまう)」

今の巴は普段掛けているメガネを外し、コンタクトレンズに変えている。
その上、普段は殆どしない化粧をし、口紅まで塗っていた。
自然、その印象はガラリと変わり、雰囲気も華やかになっている。
少なくとも、今の巴からは、普段の地味な印象はまったく感じられなかった。


巴「(…京太郎君、喜んでくれるかしら)」

巴「(東京での、でで、デートの時…チャイナ服が良いなって言ってたから…)」

巴「(最初はこれにしようってそう思ったんだけれど…)」モジ

京太郎「巴さん?」

巴「~~~っ!」ビックゥ

瞬間、外から聞こえてきた声に巴の肩が大きく跳ねた。
驚きと焦りが入り混じったその動きは、心の準備が未だ終わっていないからこそ。
何度も自分で確認し大丈夫だとは思っているが、どうしても一抹の不安が残ってしまう。

巴「(で、でも…だからと言って京太郎君の事を待たせたりは出来ないわよね)」

巴「(もう準備は出来てるんだし、待ちぼうけになんかさせてあげたくないわ)」

巴「ちょ、ちょっと待ってね。今開けるから」

京太郎「大丈夫ですか?早すぎたのなら適当に時間潰しても…」

巴「だ、大丈夫よ。もう着替えは終わってるから」

恥ずかしがり屋の巴がそう簡単に覚悟出来るはずがない。
そう思った彼の言葉に、巴は内心の焦りを隠しながら応えた。
無論、彼の優しさは伝わっているし、感謝もしている。
だが、ここで彼に甘えても、心の準備が出来るとは思えない。


巴「(…何より、時間を潰すって事は他の皆のところに行くって事よね)」

巴「(私ではない女の子と…京太郎君が二人っきりになるかもしれない)」

巴「(そう思うと…やっぱり胸の中がムカムカしちゃうの)」

巴「(私は…もう皆に彼の事を譲れるほど良い子じゃないから…)」

巴にとって、今は自分の時間だ。
二人きりで彼との仲を深める事が出来る特別な時間なのである。
それを奪われてしまう虚しさは、例え、家族と呼び慕う少女たちが相手でも変わらない。
だからこそ、巴は姿見の前から襖の前へと移動して。

巴「お、お待たせ」

京太郎「いえ…って」

そのまま襖を開いた瞬間、彼女の目の前に京太郎が現れた。
だが、その顔は驚きを浮かべ、口もポカンと半開きにしている。
いっそマヌケと言われてしまいそうな表情は、巴の格好が予想以上のものだったからこそ。


巴「き、京太郎君?」

京太郎「い、いや、すみません」

京太郎「ちょっと似合いすぎて驚いちゃって」

京太郎「えぇ。エロいし、可愛いし、エロいし、綺麗だし、エロいし、異国情緒あるし、エロいし」

巴「ど、どれだけエロエロ言うのよぉ…」

京太郎「いや、だって、仕方ないじゃないですか」

京太郎「ノースリーブだし、スリットも結構、深いところまで入っちゃってますし…」

京太郎「こんなの女の子に着られちゃ、絶対に鼻の下伸ばしちゃいますって」

巴「あうぅぅ…」カァァ

だが、その驚きも数秒もすれば収まっていく。
未だその思考にぎこちなさを残しながらも、彼は巴に力強く応えた。
それに巴の頬が赤く染まるのは、ただ羞恥だけが理由ではない。
不安がジュワと溶けていく感覚に、巴は強い安堵と歓喜を覚えていた。


京太郎「つか、まさかチャイナ服だなんて思ってもみませんでしたし」

京太郎「いい意味で度肝を抜かれちゃいましたよ」

巴「あの、京太郎君が似合いそうって言ってくれたから…その…」

京太郎「あぁ、東京でそんな事言いましたっけ」

京太郎「つか、もしかしてそれでチャイナ服を選んでくれたんですか?」

巴「…」コクン

京太郎「可愛すぎだろ天使か」

巴「っ」ドキン

京太郎の言葉に巴はおずおずと首肯を示した。
赤く染まった頬をコクンと動かすそれに京太郎の口が勝手に動いてしまう。
意識せずに漏れでた本音は、彼女の胸を大きく跳ねさせた。
天使と言われるなど露ほども思っていなかった巴にとって、それは完全に不意打ちだったのである。


京太郎「あー…すみません。今のなしで」

巴「え?」

京太郎「完全、素だったので…ちょっと恥ずかしくて」カァァ

巴「~~~~っ!!」マッカ

それでも冗談で済ませてくれれば、まだ何とかなった。
数秒も経てば、何とかリカバリー出来るはずだったのである。
しかし、京太郎にとっても予想外なそれは、彼の顔にも羞恥の色を浮かばせた。
それが京太郎の本音なのだ伝えるような紅潮に、巴は耳まで真っ赤になってしまう。

京太郎「と、ともかくです」

京太郎「俺の為に最初の一着を選んでくれて…その、マジで嬉しいですよ」

京太郎「俺でさえ忘れてたのに、ちゃんと覚えててくれてたんですね」

巴「…っ」コクン

京太郎「あー…もう可愛いなぁ」ナデナデ

巴「はぅあ…っ」ドキーン

そんな彼女に言語を操る能力などあろうはずもない。
仕切りなおすような京太郎の言葉に再び首肯で応える。
おずおずと肯定をアピールするようなそれに、彼は右手を巴の頭へと伸ばした。
そのままナデナデと頭を撫でる京太郎の手に巴は心臓の鼓動をさらに強くする。


京太郎「つーか、メガネを外すだけじゃなくて、これ化粧までしてくれてますよね」

京太郎「お陰で一瞬、誰か分からなかったくらいですよ」

巴「だ…ダメ?」

京太郎「ダメなんて事ないですよ」

京太郎「普段の巴さんも可愛いですけれど、俺、今の巴さんもすっげー魅力的だと思います」

京太郎「正直、こうして目の前に立つだけで、ドキドキしちゃってますよ」

巴「~~~~っ♥」キュゥゥゥン

しかし、だからと言って、京太郎の攻勢は止まらない。
自信のない巴に自分の魅力を分かって貰おうと、彼の口は素直な言葉を口にする。
それに巴は胸を締め付けられるような感覚を覚えた。

巴「(こ、これ…ダメだわ)」

巴「(嬉しくて嬉しくて…もう頬が緩んじゃってる…)」

巴「(今の私、絶対にだらしない顔しちゃってるの分かってるのに…)」フニャァ

何処か息苦しささえ覚えるほどの喜びに、巴の顔が緩んでしまう。
彼の言葉は、今の自分ではなく普段の自分までもを肯定してくれるものだったのだから。
心の中に喜悦が満たされ、それ以外の感情が排除されていくのを巴は自覚していた。


京太郎「(でも、巴さんの性格的に、こういう姿を他の人に見られたくないだろうしなぁ)」

京太郎「(撮影会の件だって、他の人には絶対に見せないと念押ししてから受け入れてくれた訳だし)」

京太郎「(あんまりここで立ち話をしてたら、彼女を辱める事になってしまう)」

それは京太郎にとっても本意ではない。
普段、巴の事をからかいこそしているが、それは彼女のことを本気で困らせるものではないのだから。
超えてはいけないラインがどの辺りにあるのかを、彼は良く理解している。
だからこそ、京太郎は幸せそうに顔を緩ませる巴の前で口を開いた。

京太郎「まぁ、ともかく、今は部屋に入らせて貰って良いですか?」

京太郎「このまま立ち話をし続けてたら、他の人に見られちゃうかもしれませんし…」

巴「っ!」ハッ

巴「……」コクコク

京太郎「(なんだこの可愛い生き物)」

そんな京太郎に返ってきたのは三度目の首肯だった。
喜びが強くなる一方の彼女は胸が一杯だったのである。
結果、何も言えない巴は、ボディランゲージで京太郎の事を招き入れようとしていた。
そんな彼女が、可愛くて仕方がない京太郎に、その背中から思いっきり抱きしめたいと言う欲求が湧き上がってくる。


京太郎「お邪魔します」

しかし、それは京太郎の理性によって胸の底へと沈められた。
彼にとって巴はそのような事をして良い相手ではないのだから。
何より、彼は今、婚約者や春達への答えを先延ばしにしている状態なのである。
そんな状況で、他の女の子に手を出すなんて不誠実を通り越してゲスの極みだろう。
そう自分に言い聞かせながら、京太郎は巴の部屋へと再び踏み込み、後ろ手で襖を閉めた。

京太郎「っと、あ、これ、さっき言ってたフルーツタコスです」

京太郎「そろそろ良いかなと思って、ついでに持ってきました」

京太郎「まだ味見もしてないですけど、自分じゃ結構上手く作れたかなって思ってます」

巴「う、うん。私も…そ、そう思う」

巴「と、とっても美味しそうだわ」

京太郎「へへ。そう言ってくれると嬉しいです」

京太郎が差し出したのは左手に持っていた調理用パットだ。
アルミで出来た網の上にはチョコレート色のタコスが数個並んでいる。
それを受け取った巴はぎこちないながらも言葉を漏らした。
ようやく回復の兆しを見せ始めた自分に安堵しながら、巴はパットを受け取る。


京太郎「まだ食べられそうになかったら冷蔵庫の中に戻してきますけど…」

巴「う、ううん。大丈夫」

巴「流石にお腹が空いているってほどじゃないけれど」

巴「でも、今日は何時もよりもセーブして食べてたから」

京太郎「あぁ。やっぱそうだったんですか」

京太郎「食べる量、目に見えて少なかったからもしかしたらと思ったんですけど」

巴「えぇ。心配してくれたはっちゃん達にはちょっと悪い事しちゃったけれど…」

幾ら巴が素直でも、家族相手に全てを打ち明ける事は出来ない。
抜け駆けと言うほど大層なものではないが、彼に特別扱いをして貰うのは事実なのだから。
自身と同じように彼へと思いを寄せる彼女たちが、それを知って嫉妬しないはずがない。
そう思った巴は心配する彼女たちに申し訳なく思いながらも、食欲が無いと言って誤魔化し続けたのである。

巴「このタコスは『私だけの』『特別な』ものなんでしょう?」

京太郎「ま、まぁ…そうですね」

『私だけの』『特別な』。
その2つを強調するような巴の声に、京太郎は疑問を感じる。
彼のよく知る普段の巴ならば、そんな風に強調したりしない。
よっぽど拗ねている時なら話は別だが、今の彼女はとても上機嫌だった。


京太郎「(何時もと違って、化粧とかしてるから心持ちも変わってるのかな?)」

京太郎「(ちょっと気になるけど…)」

巴「なら、私にとって優先するべきは夕飯よりもこっちよ」

巴「正直、夕飯抜きにするか迷ったくらいなんだから」

京太郎「流石にそれは健康に悪すぎるんで俺が止めてましたよ」

巴「うん。分かってるわ」

疑問に疼く好奇心を、京太郎は脇へと置いた。
今の彼にとって重要なのは自分の好奇心ではなく、目の前の巴の事。
未だ歓喜が胸に根ざしている彼女からは、何処か浮ついた雰囲気を感じる。


京太郎「(普段の巴さんなら夕飯を抜きにするなんて冗談でも言わないだろうしな)」

京太郎「(ましてや、今の彼女はかなり本気っぽかったし)」

京太郎「(何時もとはまた別の意味で危うさを感じて放っておけない)」

巴「(あ、でも、どうしましょう…)」

巴「(京太郎君のタコスも食べたいけど…でも、こうして彼がやってきてくれた理由は撮影会だし…)」

巴「(すでに一回延期しているから先にそっちを優先するべきかしら)」

巴「(でも、もう冬前とは言え、折角持ってきてくれたタコスを放置すると味が堕ちるかも…)」

巴「(だからと言って、ここでタコスを優先になんてしたら食い意地が張ってるって思われるかもしれないし…)」

巴「(ど、どうしたら良いのかしら…!?)」

まるで自分がポンコツのように思われている事を、今の巴は気づけなかった。
京太郎の予想通り、巴は普段からは考えられないほど浮かれているのだから。
彼の言葉に、彼を独占出来ている時間に、彼の料理に、理性のタガが緩んでいた。
結果、何時もよりも大胆になった彼女の中で、2つの気持ちがぶつかり合う。
京太郎を招いた部屋でまず何をするべきかと言う疑問に、巴は中々、決着をつけられなかった。


京太郎「…迷うくらいならとりあえずタコスから食べてしまったらどうですか?」

巴「も、もしかして私、口に出してた!?」

京太郎「いえ、大丈夫ですよ」

京太郎「ただ、俺がエスパーってだけですから」キリリ

巴「ふぅ、良かった」

京太郎「え?」

巴「だって、京太郎くんがエスパーなんてあり得ないもの」

その言葉はあまりにも巴の内心に近いものだった。
それを超能力だと説明する彼に、巴は胸を撫で下ろす。
京太郎が人の心を読めるなら、これまで幾度となく、鈍感と言われたりはしない。
その鈍感っぷりにどれほど春や明星が泣いてきているか聞いているだけにそれだけはないと断言出来る。

京太郎「いやいや、もしかしたら突然、オカルトに目覚めたかもしれないじゃないですか」

巴「うーん…それは確かにあり得るかもしれないけれど」

京太郎「でしょう?」

巴「…でも、やっぱりないと思うわ」

京太郎「えー…」

巴の心の中には今も彼への愛しさが詰まっているのだ。
こうして二人きりで過ごす間にも強まっていく気持ちを知って、京太郎が平然としていられるはずがない。
もし、それが本当ならば今頃、もっと気まずい時間を過ごす事になっていただろう。


巴「(たまにエスパーなのって思うくらい正確に心を言い当てる事はあるけれど)」

巴「(でも、それはきっとオカルトの類じゃないわ)」

巴「(今回も私の視線や表情の変化を見て、何を迷っているのかを察してくれたんでしょう)」

巴「(まぁ、それがどうして恋心に関しては働いてくれないのか疑問だけれど…)」ジィ

京太郎「?」クビカシゲ

巴「(でも、そういう人だからこそ、きっと私達と一緒に暮らせているのよね)」

もし、京太郎が恋心にも敏ければ、今の生活はとっくの昔に崩壊していたはずだ。
彼に恋い焦がれる少女の数はもう一人や二人では効かないのだから。
その板挟みになり続ける時間は確実に京太郎の精神を削っていくだろう。
そう思う巴は、既に何人かの少女たちが彼に気持ちを伝えてしまったのを知らなかった。
根が真面目な彼女は、家族と呼ぶ少女たちが約束を破るなど想像もしていなかったのである。


巴「それより京太郎君も一緒に食べない?」

京太郎「良いんですか?」

巴「えぇ。と言うか、一人でタコスを食べてるのも寂しい話だし…」

巴「それに夕飯の後に、これだけ食べると流石にお腹周りが心配だもの」

京太郎「巴さん細いくらいだと思うんですけどね」

巴「そう言ってくれると有り難いけど…でも、今から撮影だってする訳でしょう?」

巴「それを考えると…やっぱりどうしても…ね」

京太郎「あー…気が利かなくてごめんなさい」ペコリ

巴「ううん。謝らないで」

巴「そもそも撮影会が後に伸びたのは私の我儘だしね」

当初、撮影会は昼過ぎに行われるはずだった。
だが、京太郎の頭を膝で受け止める感覚は、巴にとってあまりにも甘美だったのである。
結果、彼女は買い物に出るギリギリまで、京太郎の頭を手放そうとしなかった。
その所為で撮影会がズレこんでしまったのだから、文句を言う筋合いは自分にはないと巴は思う。

巴「それに私も京太郎くんのタコスが食べたいって思ってたから」

巴「わざわざ持ってきてくれて嬉しかったのよ」

何より、巴は京太郎のタコスを心から楽しみにしていた。
彼の初めてであり、特別なそれを心から味わう為、夕食の量まで減らしたのである。
そんな彼女にとって、それは決して謝られるような事ではない。
寧ろ、巴は彼に対して強い感謝を抱いていた。


巴「それでも悪いと思ってるのなら…ね」チラ

京太郎「さ、流石に今の状態で膝枕は無理ですよ」

京太郎「ナマ足出しながらじゃ色々とヤバイですし」

巴「うん。それは私も分かってるわ」

巴「だから」スッ

とは言え、それで四方八方丸く収まると巴も思ってはいない。
京太郎の気質が自分と似通う部分があるという事を、彼女も良く分かっているのだから。
自分の中で納得するには、何かしらの埋め合わせが必要だろう。
そう思った巴はそっとフルーツタコスの一つを摘んで。

巴「あーん♥」

京太郎「あー…」

そのまま彼女の手が向けられるのは自分の口ではなかった。
パットを受け皿のようにしながら京太郎の方へと差し出す。
それに京太郎が返すのは、照れと躊躇いが交じり合った声だった。


巴「…ダメ?」

京太郎「いや、ダメって事はないですけど…やっぱ恥ずかしいと言いますか…」

巴「…姫さまや春ちゃんにはされてるのに?」

京太郎「た、たまにじゃないですか」

巴「それでもされている事に変わりはないでしょう?」

巴「私だけダメだなんて…そんなの不公平だわ」ジィ

京太郎「ぅ」

京太郎も決してそれが嫌だと言う訳ではない。
巴の言葉は決してデタラメなものではないのだから。
美少女に餌付けされる事に慣れてはいるし、拒むつもりはない。
ただ、気恥ずかしくて、即答出来ないだけだった。


京太郎「(…や、やっぱ巴さん、何時もとちょっと違うなぁ)」

京太郎「(普段もたまに押しが強くなる人だけれど…それは俺の事を思っての事であって)」

京太郎「(自分がしたい事を強く訴えるような人じゃないし)」

京太郎「(ましてや、不公平だとなんて言えるような性格はしていないんだ)」

京太郎「(例え、本心でそう思っていたとしても、巴さんはその辺の事を胸に秘めていたはず)」

京太郎「(夕飯前までは何時もとそれほど変わらなかった事を考えれば…)」

京太郎「(やっぱコスプレしているのが少なからず影響を与えているんだろう)」

本当の意味で自身を受け入れてくれた京太郎は巴にとって数少ない甘えられる相手だった。
だが、幾ら甘える事が出来ると言っても、彼女はそう簡単に自分の望みを口にする事が出来ない。
まったく甘えられない訳ではないが、それは躊躇いや気恥ずかしさ混じりのおずおずととしたものだった。
そんな巴が躊躇いなく自身の望みを口にするのは、今の彼女が『特別』だからこそ。
メガネを外し、化粧をし、コスプレまでしているという『非日常感』が巴を大胆にさせている。

巴「…京太郎君?」

京太郎「あ、ごめんなさい」

京太郎「(ま、原因なんてどうでも良いよな)」

京太郎「(少なくとも、これは巴さんにとって良い変化なんだから)」

京太郎「(何時もみたいに自分のしたい事をつい内側に閉じ込めてしまうよりもずっとずっと健全だ)」

そんな彼女の前でつい考え事に耽ってしまう京太郎に、巴は再びジィと視線を送った。
口よりも遙かに雄弁なそれに、彼は思考を打ち切る。
今するべき事は、変化の原因を追求する事ではない。
巴がより素直になれるようその欲求を叶えるべきだ。
気恥ずかしさに躊躇いそうになる自分に京太郎はそう言い聞かせて。


京太郎「あ、あーん」

巴「あーん♥」スッ

京太郎「むぐ」パク

そのまま彼は口を大きく開いた。
彼女を受け入れようとするようなその口に、巴は優しくフルーツタコスを運ぶ。
それを口で勢い良く噛み切った京太郎はモグモグとそれを咀嚼して。

京太郎「んぐ…ごくん」

巴「どうかしら?」

京太郎「んー…悪くはないって程度ですね」

巴「随分とシビアな判定なのね…」

京太郎「いや、自分で作っておいてなんですが、これもうちょっと改良の余地があったと思います」

京太郎「チョコやクリームの甘さが今一、トルティーヤの風味と合いません」

京太郎「トルティーヤにただチョコレートを混ぜるんじゃなくて、もうちょっと配合とか工夫しないとダメそうです」

京太郎「クリームに関しても、市販品の奴をただホイップするだけじゃなくて色々と改良の余地があると感じますし…」

京太郎「正直なところ、出来としてはかなり微妙です」

京太郎「これだったら普通にクレープ作ってた方が良かったかもしれません」

これが他人の料理であれば、京太郎もここまで酷評しなかっただろう。
自分でも少なからず料理をする彼は、それがどれほど面倒で時間が必要なものなのか分かっているのだから。
他人から料理を作ってもらえたと言うだけで、京太郎にとっての特別足りうる。
しかし、自分で作った料理となるとそうはいかない。
舌も肥えている京太郎はどうしても細かい粗が気になってしまう。


京太郎「でも、そんなのまったく気にならないんですけどね」

巴「え?」

京太郎「だって、これは巴さんが俺に食べさせてくれたものなんですから」

京太郎「それだけでもう幸せの味がしちゃうって言うか」

京太郎「美味しくて美味しくて仕方がないですよ」

巴「も、もう…」カァ

それでも最後にそう付け加えるのは、それが自分の料理というだけではないからだ。
美少女である巴から食べさせて貰ったそれは、決して自分ひとりの作品ではない。
微妙な出来なタコスに十分な付加価値をつけてくれた彼女に京太郎は美味しいと告げた。
そんな彼の前で巴の顔は気恥ずかしさと嬉しさに赤く染まっていく。

京太郎「まぁ、そんな訳であんまり期待しないで食べてくれると嬉しいです」

巴「あら、そんなの無理よ」

巴「京太郎くんが私の為に…特別に作ってくれたデザートなんだから」

巴「当然、期待しちゃうに決まってるじゃない」

巴「それに…京太郎君だって私のコスプレに期待してくれてたんでしょう?」ジィ

京太郎「そ、それはそうですけれど…」

巴「だから、これでお相子ね」クス

しかし、だからと言って、今の巴は負けてばかりではない。
普段よりも幾分、大胆になった彼女は、京太郎の言葉に否定を返した。
さっきの仕返しだと言わんばかりのそれには、媚と期待の色が浮かんでいる。
まるでそうであって欲しいと訴えるようなそれを京太郎は肯定する事しか出来ない。
そんな彼の前で巴はクスリと笑った。


巴「それより今は先に座っちゃいましょう」

巴「立ったままだとゆっくりする事も出来ないもの」

京太郎「そうですね。じゃあ…」

巴「そこの座布団を使って」

巴「私はこっちのを使うから」

京太郎「了解です」ストン

そこで巴が促すのは既に準備されていた座布団にだ。
つい数時間前に出されたものの、ずっと放置され続けていたそれに京太郎は腰を降ろす。
そんな彼の右隣に巴も座って。

京太郎「で、今度は俺の番ですね」

巴「え?」

京太郎「さっき俺があーんされた訳ですから」

京太郎「今度は俺が巴さんにあーんしてあげなきゃいけません」

巴「え…えぇぇぇ…」

瞬間、京太郎が口にした言葉に、巴は複雑そうな声を漏らした。
無論、それは決して彼に食事を任せるのが嫌だからなどではない。
好いた男に食べさせて貰うという中々ないシチュエーションは、彼女の興味を惹いていた。


京太郎「ダメですか?」

巴「だ、ダメって事はないけれど…」

京太郎「さっき自分がしてた事をやり返されるだけでしょう?」

京太郎「なのに、俺だけダメだなんて不公平じゃありません?」

巴「き、京太郎君、ちょっと意地悪じゃない?」カァァ

京太郎「それだけ俺も恥ずかしかったんですよ」

まるで意趣返しだと言わんばかりに、京太郎も巴に踏み込んでいく。
結果、さっきとは立場を逆にして行われるその会話に、彼女の頬が紅潮していった。
そんな彼女に京太郎は決して容赦しない。
同じ手法で自分が辱められた以上、彼の中に躊躇う理由はなかった。

京太郎「それに巴さんも実は結構、期待してたでしょう?」

巴「そ、そんな事…」

京太郎「ない、ですか?」

巴「…………な、なくはない…けれど…」ポソ

京太郎「はい。言質取ったー」ナデナデ

巴「あうぅぅぅ…」マッカ

何より、京太郎は先ほど巴の目と声に浮かんだ期待の意味を良く理解していた。
『お相子』だとそう告げた彼女の期待は、自身の返礼に対してのもの。
だからこそ、彼は巴へと大きく踏み込み、彼女の言質を取ってみせる。
そのまま巴をナデナデと撫でる京太郎に、巴は唸る事しか出来なかった。


京太郎「素直に言ってくれたら、意趣返しされる事もなかったんですけどね」

巴「だ、だって…そんな…は、恥ずかしいじゃない」

京太郎「先にあーんを要求した人が言っても、説得力ありませんよ」

巴「そ、それはそうかもしれないけれど…」

京太郎「何か反論でも?」

巴「な、ないです…」

京太郎「はは」ナデナデ

多少、大胆になったと言っても、巴はかなりの恥ずかしがり屋なのだ。
コスプレしている今でも自分を納得させられるだけの大義名分がなければ、積極的に踏み込む事が出来ない。
そんな彼女にとって、京太郎の言葉は反論する余地すらないものだった。


巴「(それに反論したくない…なんて思っちゃったりもしてるのよね)」

巴「(京太郎くんの手…とっても優しいから…)」

巴「(恥ずかしいけれど…それで良いかなって思っちゃって…)」

京太郎「ま、ここでなにか言われても、絶対にあーんさせて貰いますけれどね」

巴「…そんなに恥ずかしかったの?」

京太郎「まぁ、恥ずかしかったって言うのもありましたけど、でも、嫌って訳じゃなかったですよ」

京太郎「さっきも言った通り、巴さんが俺に食べさせてくれたってだけで特別なんで」

京太郎「こう言っちゃアレかもしれないですけど、役得感すらありました」

巴「そ、そう」モジ

頑なに譲ろうとしない京太郎の言葉に、巴の胸中に不安の色が浮かんだ。
良かれと思ってやったことだったが、彼のプライドを傷つけてしまったのだろうか。
そんな不安は、京太郎の返事によってあっさりと吹き飛ばされてしまう。
役得だったとハッキリと告げる彼の前で、巴は気恥ずかしさと嬉しさに身動ぎした。


京太郎「でも、これは俺がお詫びで作ったものですし」

京太郎「巴さんに食べさせて貰うよりも食べさせてあげたいって言うのが本音です」

京太郎「だから」スッ

京太郎「食べてくれますよね?」

巴「~~っ♪」

そう言いながら、京太郎は巴の前に置かれた調理用パットに手を伸ばす。
そのまま自身の作ったフルーツタコスを差し出す彼に巴は一瞬、言葉を失った。
身動ぎするほどの恥ずかしさと嬉しさがさらに強まり、彼女の胸を満たしていく。
何処か落ち着かないその感覚に背を押されるようにして、巴はゆっくりと口を開いて。

巴「…あ、あーん」

京太郎「あーん」スッ

巴「ん…っ」モグ

そんな彼女の中に、京太郎はチョコレート色のトルティーヤを差し入れる。
巴の一口よりも若干、大きなそれを彼女は一生懸命、噛み切った。
そのままモグモグと動かす口の中で、複数の甘さが踊るようにして現れる。
果実、チョコレート、クリームと、それぞれ別種の甘さと風味は確かに惜しいものだった。
もうちょっと工夫すればもっと美味しくなるのが分かるだけに、京太郎の酷評も無理はないと思う。


巴「(…でも)」ゴクン

巴「…京太郎くんの嘘つき」

京太郎「え?」

巴「凄くシビアな判定だからちょっと不安だったけれど…」

巴「でも、このタコス、とても美味しいわ」ニコ

それは決して不味いと言う訳ではなかった。
どれだけ厳しく評価しても、平均以上の出来栄えだと巴は思う。
少なくとも、スーパーなどで売られているデザートなどでは比べ物にならない。

京太郎「本当ですか?」

巴「えぇ。こんな事で嘘は言わないわ」

巴「とっても美味しかったし…幸せな味だったもの」

巴「少なくとも、私の期待に応えてくれる出来だったわ」ニコ

何より、それを運んでくれたのは巴にとって特別な相手なのだ。
胸の底から恋い焦がれる彼に食べさせて貰ったタコスは、幸福感を与えてくれる。
舌から伝わる甘味に負けないほど甘いその感覚は、巴に笑みを浮かばせた。


京太郎「そう言ってくれると助かります」フゥ

巴「そんなに不安だったの?」

京太郎「そりゃもう。巴さんって俺とは比べ物にならないほど料理上手ですから」

京太郎「味に対しては、俺よりも厳しいでしょうし」

京太郎「何より、片手じゃ足りないほど欠点が浮かぶ料理を人に食べさせるんですから」

京太郎「正直、巴さんに食べて貰う前に自分で処理した方が良いんじゃないかって思ったくらいですよ」

巴「そんな事されたら拗ねちゃうわよ」

京太郎「えぇ。だから、割りと苦渋の選択でした」

京太郎にとって、それは人に食べさせられるギリギリのラインだった。
幾らお詫びであるとは言え、巴に食べさせてしまっても良いのだろうか。
彼女の口にタコスを運ぶギリギリまで、そんな思考が彼の中から消える事はなかったのである。
それが杞憂だったと告げる巴の言葉に、京太郎はついため息を漏らしてしまった。


京太郎「まぁ、次はもっと上手に作れるよう色々と試します」

巴「次って事は…」

京太郎「巴さんは結構、気に入ってくれたみたいですから」

京太郎「俺も今回の出来にはまったく満足してませんし」

京太郎「また改めてリベンジさせてください」

巴「リベンジなんてする必要はないと思うけれど…」

巴「でも、折角だから楽しみに待ってるわ」ニコ

巴にその提案を拒む理由はなかった。
元々、彼女はフルーツタコスを気に入っていたのだから。
それを京太郎がまた作ってくれるというのならば是非もない。
間違いなく美味しくなるであろう次回作に今からでも期待を感じてしまう。

京太郎「ま、今はそれよりもこっちの始末を優先して考えないといけませんね」

巴「えぇ」

京太郎の作ったフルーツタコスは、彼が普段、作るものよりも遙かに小さいものだった。
あくまでデザートなのだからと、女性でも二口か三口で食べきれるサイズに留めてある。
その代わりにと複数作られたその殆どが、パットの上に残っていた。


巴「(溢れかえるほどの量じゃないから私一人でも処理出来るはず)」

巴「(処理出来なかったとしても、京太郎君がいるし…)」

巴「(折角、作ってもらった料理を無駄にする事はないわ)」

巴「(ただ…)」チラ

京太郎「?」

そこで巴は京太郎へと視線を送る。
彼の手から食べさせて貰った時の事を、彼女はどうしても忘れられないのだ。
出来れば、もう一度、京太郎から食べさせて欲しい。
そう強請るような視線に京太郎は疑問を顔に浮かべる。

巴「(って、流石にそれは図々しすぎよね)」

巴「(一回、あーんして貰えただけでも御の字なんだし…)」

巴「(ここは大人しく自分の手で…)」

そんな京太郎から視線を外した巴は、自分を納得させようとしていた。
心の中に生まれた子どものような欲求に、図々し過ぎると言い聞かせていたのである。
しかし、それで簡単に納得するなら、京太郎に視線を送ったりはしない。
巴の理性は反発を覚える心に、繰り返し自制を訴えなければならなかった。


京太郎「…もしかしてまたあーんして欲しいとかですか?」

巴「はぅっ」ドキーン

京太郎「なるほど。図星ですか」ニヤニヤ

巴「い、いや、あの、えっと…」カァァ

京太郎「あれ?違いました?」

巴「ち、違う…なんて事はないけれど…」

京太郎「じゃあ、食べさせて欲しいんですね?」

巴「…う、う…うん…」モジ

完全に胸中を言い当てられた巴に誤魔化すという選択肢はなかった。
気恥ずかしさが胸の底から湧き上がり、顔が再び赤くなっていく。
それを間近に見ながらも追及の手を緩めようとしない京太郎の前で、巴は小さく頷いた。


京太郎「巴さんは甘えん坊だなぁ」

巴「ご、ごめんね。手間取らせちゃって…」

京太郎「いや、気にする事はないですよ」

京太郎「手間って言うほど対したもんじゃないですし」

京太郎「それに巴さんは色々と我慢しすぎなんですから」

京太郎「これくらいの我儘なら全然オッケーっすよ」スッ

巴「あ…」

そう言いながら、京太郎は再びフルーツタコスを手にとった。
さっき巴に運んだのと同じものを、彼女の口へと近づけていく。
じわじわと顔に迫ってくるそれに、巴は声に喜色を浮かばせて。

京太郎「はい、あーん」

巴「あ、あーん…」パク

再び齧り付いたタコスは、さっきと変わらぬ味を伝えてくる。
まったく色褪せないその美味しさと幸福感に巴の頬が緩みそうになった。
やはり京太郎に食べさせて貰うのは格別だとそんな言葉が脳裏を過る。


京太郎「準備出来たら口開けるかあーんって言って下さいね」

巴「ん…」モグモグ コクン

京太郎「(…しかし、これは思いの外、暇が潰せないな)」

京太郎「(巴さんも一生懸命、咀嚼してるんだろうけど)」

京太郎「(元々、あんまり食べるのが早い人じゃないし)」

京太郎「(口にタコスを運ぶだけじゃ、どうしても手持ち無沙汰の時間が増えてしまう」

幸せそうにタコスを食べる巴とは裏腹に、京太郎は空いた時間を持て余していた。
彼は決してせっかちなタイプではないが、さりとて、時間の無駄がまったく気にならない訳でもない。
巴が食べている間の時間を何とか有効活用出来ないかと思考を始める。

京太郎「(まぁ、食べてるところを見てるだけでも退屈はしないけれどさ)」

京太郎「(巴さんは中々、美味しそうに食べてくれるからなぁ)」

京太郎「(グルメリポーターって感じじゃないけど、食べるのが絵になる感じだ)」

京太郎「(特に今はコスプレして随分と華やかになってるからさらにドンと倍率が掛かって…)」

京太郎「(ってそうだ)」スッ

そこで京太郎が思いついたのは、巴の姿を写真に残す事だ。
これほど幸せそうな彼女を永久保存しないのは、自分史に残るほど大きな損失である。
そんな言葉を胸中に浮かべながら、京太郎は左手でスマホを取り出した。


京太郎「写真撮らせて貰って良いですか?」

巴「え、い、今から?」

京太郎「えぇ。巴さんが食べてるところってすっごく可愛いですから

巴「そ、そう言ってくれるのは嬉しいけど…」

京太郎「イヤですか?」

巴「い、イヤ……と言うほどじゃないわ」

巴「ただ…食べているところを撮られちゃうのはやっぱりちょっと恥ずかしいかしら…」

京太郎「そうですか。じゃあ、仕方ありませんね」

京太郎「巴さんに無理させてもアレですし、素直に諦めます」

巴「あ、で、でも…!」

京太郎「え?」

そこで引き下がろうとする京太郎に巴は声をあげた。
思いの外、強いその声に彼は驚きの声を漏らす。
恥ずかしがり屋な彼女が、ここででもと繋げるのは、流石の彼も予想していない。
一枚は撮らせて貰えたのだから、無理をさせるべきではないと京太郎は思っていた。


巴「ご、ご褒美があったら頑張れる…かも…」

京太郎「ご褒美…ですか?」

巴「う、うん…」モジモジ

そんな京太郎に巴は見返りを要求する。
普段の彼女であれば決して出てこないそれに京太郎は首を傾げた。
一体、巴は自分にどんなご褒美を望んでいるのか。
巴から何かを求められる経験が圧倒的に不足している彼が、その答えを出すのは中々に難しかった。

京太郎「何か希望あります?」

巴「希望と言うほど大したものじゃないんだけれど…」

巴「私は…あの、京太郎君のご褒美だと何でも嬉しいから…」

巴「京太郎君が決めて欲しいな…って」

京太郎「ある意味、すっげー無茶振りですね」

巴「ご、ごめんね。でも…」

京太郎「いや、謝らなくても大丈夫です」

京太郎「巴さんが俺に期待してくれているのは分かってますしね」

とは言え、巴の要求が難題である事に間違いはない。
巴の事は良く知っているが、彼女が満足するラインがどれほどなのかは未だ良く分かっていないのだから。
だからこそ、考えこむ京太郎に巴はジィと期待混じりの視線を向けた。


京太郎「(う…なんかすげぇ見られてる…)」

京太郎「(どうやら巴さんはよっぽど俺に期待をしてくれているらしい)」

京太郎「(それに応えられるかどうか正直、不安だけど…でも、この視線のお陰で一つ分かった事がある)」

京太郎「(巴さんは多分、俺にするんじゃなくてされる方を期待してる)」

京太郎「(今日の巴さんは何時も以上に押しが強い人だし)」

京太郎「(俺にする方だったら、きっと躊躇いなく口に出していたはずだ)」

京太郎「(それをこうして視線を送るに留めているって言うのは…自身の欲求が口に出しづらいモノだから)」

京太郎「(だからこそ、ここで彼女に提示するべきは…)」

京太郎「……今度、一緒にデートにでも行きますか」

巴「え?」

デート。
そう口にした京太郎に巴は驚きの声を漏らした。
彼女はそこでデートだなどと言われるとは露程にも思っていなかったのである。

京太郎「考えても見れば、こっちで巴さんとデートした事なかったですし」

京太郎「一日エスコートする権利を俺にください」

巴「い、良い…の?」

京太郎「ダメだったら、俺の方から言ったりしませんって」

家族ではあるが、恋人ではない彼女に撫でる以上のスキンシップは出来ない。
かと言って、家事を引き受けるのは責任感の強い巴が認めないだろう。
そんな彼女に満足して貰えるであろうご褒美を京太郎は他に思いつけなかった。


京太郎「まぁ、巴さんが嫌なら別のを考えますけど」

巴「う、ううん!イヤじゃないわ!」

京太郎「そ、そうですか」

巴「うん!私、い、一生懸命、おめかしするから!!」グッ

京太郎「えぇ。期待してます」

京太郎「あ、でも、コスプレ姿はダメですよ」

巴「い、言われなくても、そんな度胸はないわよ…」カァァ

そう冗談を口にしながらも、京太郎は内心、胸を撫で下ろしていた。
他の取っ掛かりすら浮かばなかった彼にとって、これは唯一の案だったのだから。
これがダメだと言われてしまったら、また長い間、悩む事になってしまう。
それを何とか回避出来たと安堵する彼の前で、巴は顔を赤く染めた。

京太郎「じゃ、その前にしっかり巴さんのコスプレ姿をカメラに収めておかなきゃいけませんね」スッ

巴「ご褒美をくれるならって言っちゃったし、もうダメだなんて言わないけど…」

京太郎「けど?」

巴「恥ずかしいのは変わらないから…あんまり変な顔は撮らないでね?」

京太郎「善処します」ススス

巴「もぉ…」    アーン

まるで考慮する気配のない京太郎に、巴は拗ねるような声を漏らした。
唇を尖らせながらのそれは、しかし、長続きはしない。
一秒後には自身に差し出されたタコスにおずおずと口を開き、パクリと噛み付いた。


京太郎「さっきよりも大分、少食になりましたね」

巴「ぅ…」モグモグ

京太郎「俺に遠慮せず、もっと大胆に行っちゃっても良いんですよ?」

巴「っ!」フルフル

意地の悪い京太郎の言葉に巴は首を左右に振る。
京太郎の提示した条件は彼女にとっても満足出来るものであったし、写真を撮られる事に文句はない。
しかし、さっきのように気を抜いた顔を撮られてしまうのは、『ご褒美』があっても遠慮したかった。
結果、どうしてもカメラを強く意識してしまう彼女が、大胆になどなれるはずがない。

京太郎「ま、そうやって恥ずかしがる巴さんも可愛いですし」パシャ

京太郎「俺としては全然、オッケーなんですけどね」パシャ

巴「はぅ…」

そんな巴に京太郎は容赦しなかった。
気にせず画面をタッチし、スマートフォンからシャッター音を響かせる。
無論、左手だけで支えられたそれは手ブレし、被写体をカメラの正面に捉える事しか出来ていない。
少なくとも、巴の魅力を十二分に引き出せていないと京太郎は思った。


京太郎「(こういう時、自分の技術のなさが恨めしくなるよなぁ…)」

京太郎「(被写体の巴さんは最高級なのに…俺がそれを引き出してあげられないんだから)」

京太郎「(巴さんの準備が出来るまで…なんて悠長な事言わず、カメラの勉強だけでもしておけばよかった)」

そのもどかしさが京太郎の中で後悔へと繋がる。
過去の自分へ文句が言いたくなるほどのそれに京太郎は小さく肩を落とした。
色々と思うところはあるが、今、優先するべきは巴の姿をカメラに収める事。
一瞬一瞬で違う顔を見せる彼女の魅力を、少しでもデータに残す事だと彼は意識を切り替えて。

巴「モグモグ…ごくん」

京太郎「はいっと」パシャ

巴「も、もう…まだ撮るの?」

京太郎「そりゃ何枚だって撮りますよ」

京太郎「俺がポンコツカメラマンの所為で満足出来る写真は殆ど撮れなかったですし」

京太郎「何より、巴さんが何かを食べてるところってすっごく魅力的ですから」

京太郎「写真に残しておきたいって思うシーンが多いんですよ

巴「よ、喜んで良いのか恥ずかしがった方が良いのか分からないわね…」モジ

京太郎「喜んでくれた方が俺は嬉しいですね」パシャ

京太郎の言葉に巴はそっと視線を逸らした。
気恥ずかしさの中に嬉しさを混じらせるその顔に京太郎は再びシャッターを押す。
空いた右手で逆側を支えたその一枚は、今までよりもずっと安定感のあるものになった。
それに一先ず満足した京太郎は構え続けていたカメラをそっと下げる。


京太郎「しかし、ついにタコスもなくなっちゃいましたね」

巴「そうね。お陰で結構、お腹も膨れちゃった」

巴「これ以上食べると太っちゃいそうだから、丁度良かったわ」

京太郎「その辺の脂肪が胸についてくれるなら、俺もドンドン食べるのを推奨するんですけど」

巴「ホント、胸が好きなのね…」

京太郎「おっぱいの嫌いな男子なんていません!!」

巴「もぅ…」

呆れるような巴の言葉に京太郎は胸を張って応えた。
まるで自分の欲求に恥じる事はないのだと言わんばかりのそれに巴は小さく肩を落とす。
だが、彼女は京太郎の前で胸を隠したりはしない。
何だかんだ言いながらも、巴は彼に見られるのが好きなのだから。
京太郎の興味が自分に向いているというだけでついつい嬉しくなってしまう。


巴「人にも依ると思うけど、大体の女の子はダイエットする時、胸から痩せていくんだからね」

巴「今更、京太郎くんの性癖に対してとやかくは言わないけど…あんまり調子に乗って食べさせちゃダメよ」

京太郎「節制は大事ですよね!!!!」

京太郎「俺、今日から皆のカロリー管理します!!!!!」グッ

巴「どれだけ本気なの…」

京太郎「ここは国が保護しなきゃいけないレベルのおっぱい揃いなんですよ!!」

京太郎「それがほんの僅かでも小さくなってしまうだなんて人類史に残る損失です!!!」

巴「流石にそれは言い過ぎじゃないかしら…」

京太郎「いいえ!言い過ぎなんかじゃありません!!」

京太郎「少なくとも、霞さんのおっぱいは人間国宝に認定されてもおかしくはありませんよ!!」

巴「いや、幾ら霞さんでもそれはおかしいし…」

巴「何より、そんな理由で人間国宝になったら霞さんも泣いてしまうと思うわ」

霞にとって、その人並み外れた胸はコンプレックスの対象だ。
幼い頃から発達してきたそのセックスアピールは幾度となく男性の視線に晒され、同性からやっかみを受けてきたのだから。
京太郎に堕とされてからはそれも変わってきたが、だからと言って、人間国宝認定されて嬉しいはずがない。
幾ら霞がタフな女性だと言っても、晒し者のような扱いをされては引きこもってしまうかもしれない。


巴「(…でも、やっぱり京太郎君も霞さんの方が良いのかしら)」

巴「(……そうよね、そうじゃないはず…ないわよね)」

巴「(京太郎君は自他共認めるおっぱい好きなんだし…私なんかよりも霞さんの方が…)」

京太郎「あ、ちなみに巴さんの胸も家宝になってもおかしくないので」

巴「え?」

京太郎「いやぁ…ぴっちりとしたチャイナ服に浮き出るおっぱいラインって良いですよね」

京太郎「清楚な巫女服姿も良かったですけど…こっちもかなり唆られます」ゲスカオ

巴「あうぅぅ…」カァァ

自身の欲望を隠そうともしない京太郎に、巴の頬は紅潮を見せた。
気恥ずかしさをアピールするようなそれに、しかし、彼女の腕は動く事はない。
これが他の男ならばまだしも、相手は愛しい男なのだから。
セクハラで通報されてもおかしくはないその言葉にも嬉しさを感じてしまう。

京太郎「直球にバーンとエロい訳じゃないですけれど、ジワジワ来るエロさに俺もドキドキですよ」

巴「ほ、本当?」

京太郎「えぇ。だから、巴さんには是非、須賀家の人間家宝になって貰えたらなーって」

巴「え、えええええええええっ!?」ビックリ

―― しかし、それも京太郎の言葉で吹き飛んだ。

人間家宝。
その言葉が一体、どういうものなのか巴は分からない。
そもそもそれは人間国宝から京太郎が作り上げた造語なのだから。
だが、その言葉の響きは、巴の身体を驚きに満たした。


巴「(こ、こここここここここれって、もしかして…)」

巴「(ぷ、ぷろ…プロポーズとか…!?)」

巴「(家宝って事は…だ、大事にするって事で…)」

巴「(須賀家のって事は…よ、嫁入りして欲しいって事だろうし…)」

巴「(そ、それ以外に…か、考えられないわよね…!)」

普段の巴ならば、それを冗談だと受け取る事が出来ただろう。
ついつい霞の名を出してしまった申し訳無さに、大げさな冗談を口にしているのだと理解出来ていたはずだ。
だが、その言葉は内心、諦めていた彼女の願望を真芯で射抜くものだったのである。
結果、思考が暴走する彼女は、それをプロポーズと受け止めてしまった。


巴「(あ、あぁ…で、でも、どうしましょう…!?)」

巴「(京太郎君にははっちゃんって言う婚約者がいて、その上、私は狩宿家とはほぼ絶縁状態だし…)」

巴「(幾らプロポーズされたとは言え、本妻になるのは流石に無理よね)」

巴「(や、やっぱりここは一歩引いて、お妾さんって立場に甘んじるべきかしら…!?)」

巴「(い、いえ、今はともかく…!!)」

京太郎「はは。なーんて…」

巴「ふ!」

京太郎「ふ?」

巴「ふちゅちゅかものですがよろひくお願いしましゅ!!!」ペコリ

京太郎「え?」

驚きに固まる巴に、京太郎は種明かしをしようとした。
全て冗談だったのだとそう言おうとしていたのである。
だが、それよりも早く巴は三指を突き、ペコリと頭を下げた。
まるで嫁入りの挨拶に来るようなそれに今度は京太郎の方が驚きに固まってしまう。


巴「で、でも、あの…わ、私、狩宿家とはほぼ絶縁状態だから」

巴「ちゃんと嫁入り道具とか準備しようと思うとちょっと時間がかかると思うの」

巴「だ、だから、あの…も、もうちょっと待ってくれないかしら?」

京太郎「え、い、いや、あの…」

巴「も、勿論、分かってるわ」

巴「私は…その、お妾さん…なのよね」

巴「その辺はちゃんと弁えてるし、図々しく本妻面なんてしないわ」

京太郎「(こ、これもしかして…)」ゾワ

瞬間、京太郎は嫌なものが背筋に這い上がってくるのを感じた。
ゾワゾワと虫が騒ぐようなそれについ表情が引きつりそうになる。
それを何とか堪えたのは、彼自身、信じたくなかったからだ。
背筋を這い上がるほどの嫌な予感を表に出してしまえば、現実になるような気がしたのである。

巴「ぷ、プロポーズしてくれただけでも…私は十分だから…」モジモジ

京太郎「(やっぱりだあああああああああああ!?)」

だが、それを表に出すまいとしたところで、現実は変わらない。
モジモジと身体を揺らしながら巴が口にした言葉に、京太郎は絶望が胸の底から湧き上がってくるのを感じる。
勿論、三指突いて自身のプロポーズを受け入れようとしてくれる巴は愛らしいが。


京太郎「(やばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばい…!)」

京太郎「(失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した…!!)」

京太郎「(まさかあの冗談をプロポーズだと受け取るだなんて…!!)」

京太郎「(いや…受け取るのはまだ良い…!)」

京太郎「(それで振ってくれれば、笑い話で済んだんだ…!!)」

京太郎「(だが、こうして受け入れられてしまったら…!)」

もう笑い話では済まない。
ここで真実を口にすれば、巴のメンツが一方的に潰れてしまうのだから。
そうなった場合、彼女との関係がギクシャクするだけでは済まない。
自身の勘違いで振られてしまった巴が、思いつめて自殺するところまで京太郎には想像出来た。

京太郎「(どうする…!?どうすれば良い…!!)」

京太郎「(一体、どうすれば巴さんのメンツを潰さず、真実を告げる事が出来る!?)」

京太郎「(俺へのダメージはこの際、考慮しなくて良い!)」

京太郎「(やらかしたのは俺の方なんだから!!)」

京太郎「(ここで優先すべきは…巴さんのダメージを最小限に食い留める事!!)」

京太郎「(だが…!!)」

自身のダメージを二の次にしたところで、すぐさま名案が浮かぶはずがない。
巴が誤解してしまった時点で、初美か彼女のどちらかを傷つけなければいけないのは確定なのだ。
そのどちらも選びたくない京太郎は必死でニューロンを活性化させる。
思考の底からほんの僅かな可能性でもすくい上げようとするそれに、しかし、結果は伴わなかった。


巴「…京太郎君?」

巴「じゃなくて…あ、あの…旦那様?」

巴「どうかしたの?」キョトン

京太郎「(あばばばばばばばば)」

その間にも巴の勘違いは加速していく。
自身を旦那様と呼ぶ彼女に京太郎はどうして良いか分からない。
また一つ彼女の勘違いを訂正出来ない理由が増えてしまったのだから。
逸る心とは裏腹に、彼の困惑は強まっていく一方だった。

京太郎「い、いや、ごめんなさい。ちょっと考え事してて」

巴「も、もう。ダメよ」

京太郎「え?」

巴「私はお妾さんなんだから」

巴「私相手に敬語なんて使ってたら、はっちゃんが面白くないでしょう?」

巴「もっと砕けた話し方の方が良いと思うわ」

京太郎「そ、そうですか」

巴「…旦那様」ジィ

京太郎「い、いや、そうかー」

巴「えぇ。そうよ」ニコ

京太郎「(ヤバイ…胸がすっげぇ痛む…)」

結果、何とか時間を稼ごうとする彼の前で、巴の黒歴史が積み重なっていく。
完全にその気になってしまった彼女の笑顔に、京太郎は胸が痛むのを感じた。
満面の笑みを浮かべる巴に、それは勘違いであるのだと気づいてもらわなければいけない。
そう思うだけで胸中に暗い感情が広がっていくのを、京太郎は自覚した。


京太郎「で、でも、ほら、お妾さんなんて巴さんに失礼だろ」

巴「そんな事ないわ」

巴「私は旦那様からそう言って貰えるなんて思っていなかったから」

巴「プロポーズしてくれただけでも嬉しいと言うのは本心からのものだし」

巴「それに旦那様は私の事、家宝として大事にしてくれるでしょう?」

京太郎「そ、そりゃ勿論そうだけど…」

巴「じゃあ、問題なんてまったくないわ」

巴「今まで以上に…誠心誠意尽くさせて頂きます」ペコリ

京太郎「(アカン…ッ!!!)」

外堀をドンドン埋められていくその感覚に、京太郎の本能は危機感を訴えた。
このまま巴に流され続けてしまったら、後のダメージが大きくなるだけ。
例え、最善ではなくとも、ここで本当の事を伝えなければ後戻りも出来ない。
躊躇う自分にそう言い聞かせながら、京太郎は口を開いて。


京太郎「と、巴さん…!」

巴「どうかしたの?」

京太郎「その…じ、実は…!」

巴「…」ポロ

京太郎「うぇ!?」ビックリ

巴「あ、ご、ごめんなさい」

巴「さっきも言ったとおり…こんなの夢みたいで…」

巴「嬉しくて…つい涙が…」フキフキ

京太郎「(ぐああああああああああああっ!!)」

嬉し涙さえ浮かべる巴に、京太郎は胸中で悲鳴をあげた。
気を抜けば、身悶えしてしまいそうなそれは、彼女の好意が思っていた以上のものだったからこそ。
いっそ重いと言っても良い彼女の想いを前に一度、決めたはずの決心が鈍っていく。

京太郎「(つーか、何でだよ!!)」

京太郎「(俺はヘタレで馬鹿で三枚目でスケベで…今まで碌にモテた事がないんだぞ…!!)」

京太郎「(なのに、なんで巴さんまで俺の事をこんなに想ってくれてるんだよ…!!)」

京太郎「(正直、嬉しいって気持ちがない訳じゃないけれど…!!)」

京太郎「(ここまで短期間で重なると理不尽なものを感じるぞ!!!)」

無論、京太郎も一人の男であり、ハーレムと言うものに対する憧れというものはある。
複数の少女から想いを寄せられるフィクションの主人公たちに羨望を覚えたのは一度や二度ではなかった。
だが、こうして自分がその場所に立つと喜んでいる余裕すらない。
寧ろ、胸中から浮かび上がる申し訳無さに心が押しつぶされてしまいそうだった。


巴「それでどうかしたの?」

京太郎「そ、その……俺は…」

巴「もしかして、はっちゃんの事気にしてるの?」

京太郎「そ、それもある…かな」

巴「そう…。でも、大丈夫よ」

巴「そっちは私が何とかして見せるわ」

京太郎「な、何とかって…」

巴「秘密。…でも、旦那様が心配する必要はないわ」

巴「説得出来る算段はちゃんとついてるから」

巴「(…まぁ、多少、荒っぽい事になるかもしれないけれど)」

巴「(でも、はっちゃんだって、今の立場が永遠ではない事くらい分かっているでしょうし)」

巴「(修復不可能なほど険悪になったりはしないはず)」

無論、巴も初美がどれほど京太郎の事を想っているのか知っている。
だが、婚約者という初美の立場も、妾と言う巴の立場も一時のモノなのだ。
小蒔が永水女子を卒業するまでの仮初の立場に、初美も執着したりはしない。
張り手の数発くらいは貰うかもしれないが、自分を拒む事はないだろうと巴は思う。


巴「旦那様は安心して、後ろでドッシリ構えててくれたらそれで良いの」

巴「旦那様が見てくれているだけで…私は誰よりも頑張れるから」ニコ

京太郎「い、いや、あの、でも…」

巴「大丈夫よ。心配しないで」

巴「きっと皆、幸せになれるから」

巴「旦那様から今までの人生で一番の幸せを貰った私が保証するわ」

京太郎「あ、あはは」

そんな巴にとって京太郎は何より優先して護らなければいけない相手だった。
京太郎は自身に今までの人生で最高の幸せを与えてくれたのだから。
そのキッカケが彼からのプロポーズだとは言え、初美との修羅場には巻き込めない。
だからこそ、一人で決着をつけようとする巴に京太郎は曖昧な笑みを浮かべるしかなかった。

巴「それより、そろそろ撮影会を始めましょう」

巴「あんまりのんびりしてたら旦那様も寝るのが遅くなっちゃうわ」スク

京太郎「(…ダメだ)」

京太郎「(もう…この以上は誤魔化せない」

京太郎「(既に手遅れ感が半端じゃないけれど…ここで訂正しておかなきゃガチでヤバイ…!!)」

かなり引きつったその笑みに、彼女は気づく事が出来ない。
今の巴は内心から溢れかえらんばかりの幸福感に浸っているのだから。
完全にその目を曇らせた巴は、それを彼なりの納得の形だと受け取った。
だからこそ、話を打ち切るように立ち上がった彼女に、京太郎は追従出来ない。
ここで訂正出来なければ、最悪の結果になってしまうと彼は自分に言い聞かせ。


京太郎「す…すみませんでしたああああああああ!」ドゲザ

巴「え?」

瞬間、京太郎が見せるのは見事な土下座だった。
身体を小さく折りたたみながら、畳に額を擦りつけるそれに巴は理解が及ばない。
彼女は、今この瞬間が幸せの絶頂と言っても良いものだったのだから。
それを共有してくれていると思っていた『旦那様』が突然、土下座するなど彼女は思ってもいなかったのである。

巴「ど、どうしちゃったの?」

巴「というか…頭をあげて頂戴」

巴「旦那様にそんな事されちゃ私の立つ瀬がないわ」

京太郎「ち、違うんです」

巴「違う?」

京太郎「はい。その…巴さんが勘違いするのも無理はないと思うんですが…」

京太郎「俺はさっきの言葉がプロポーズであるつもりはまったくなくて…」

巴「…………え?」

土下座したままの京太郎がポツリポツリと漏らす言葉。
それは彼女の幸せを根底からぶち壊すものだった。
その目が曇るほどの幸福感を一気に台無しにする言葉に巴は虚ろな声を返す。
まるで何の感情も篭っていないその声は、告げられた真実が、彼女の理解を超えているからだ。


巴「じょ、冗談よね?」

京太郎「…申し訳ありません」

巴「う、嘘よ。だって、今まで…」

京太郎「巴さんが幸せそうにしててどうしても言い出せなくて…」

巴「っ」ペタン

それでも巴は震える声を漏らして、否定の言葉を続ける。
冗談だ嘘だと繰り返されるそれは、京太郎に肯定して欲しいからこそ。
だが、彼女の望みとは裏腹に彼はひたすらに残酷な真実を突きつける。
それに一縷の望みさえ打ち砕かれた巴はペタンとその場に腰を降ろした。

巴「(…じゃあ、私は今まで勝手に一人で誤解して)」

巴「(思いっきり、舞い上がって…)」

巴「(色々と暴露しながら妾面してたって事…?)」ジワ

京太郎「本当に申し訳ありません……!!」

巴「い、良いわ」

巴「旦那様は何も悪くないんだもの」

巴「わ、悪いのは…全部、勝手に勘違いした私で…」フルフル

瞬間、湧き上がる絶望感は、彼女の心を容易く押しつぶした。
かつてないほどの幸福感を彼女は全て反転させてしまったのだから。
いっそ死んだ方がマシだと思うほどのそれに巴の目尻から涙が浮かぶ。
それでも京太郎の事をフォローするのは、全ての責任が自分にあると思っているからだ。


巴「(…それに私、旦那様の事好きだって言ってしまって)」

巴「(皆…我慢してるのに、私だけ約束破っちゃって…)」

巴「(皆にも…旦那様にも合わせる顔がないわ…)」

巴「(いえ…旦那様って呼んじゃ…いけないのよね)」

巴「(私が勝手に勘違いしてたんだから…)」

巴「(ちゃんと京太郎君って呼ばないと…)」フフ  フフフ

京太郎「っ!?」ビク

元々、巴は責任感が強く、自罰的な傾向にある。
そんな彼女が、一人、約束を破った自分を許せるはずがなかった。
自然、絶望の中に自己嫌悪が膨れ上がっていく。
押しつぶされた心をさらに追い詰めるその感情は巴に虚ろな笑みを浮かばせて。

巴「…あぁ、京太郎君」

巴「何か長い紐状で頑丈なものを持っていないかしら?」

京太郎「え?」

巴「私、もう生きていても仕方がないから、皆に詫びる為にも首を括ろうと思うの」

巴「でも、幾ら私が悪いと言っても、一人で死ぬのは寂しいから…せめて貴方の持っていたもので死にたいなって」

京太郎「(うわああああああああああああああ!!!!!!!?)」

瞬間、ポツリポツリと漏れる声は京太郎の予想した通りのものだった。
誤解した自分に究極の罰を与えようとするそれに彼の中で自己嫌悪が爆発する。
自殺を口にするその声は相変わらず虚ろで、彼女が本気である事が伝わってくるのだから。
そうまで巴を追い詰めてしまったのが他ならぬ自分だと思うと京太郎の方も首を括りたくなる。


京太郎「ま、待って!待って下さい!!」ガバッ

巴「止めないで。私なんて…もういない方が良いの」

巴「京太郎君の言葉を誤解して…一人で舞い上がって…告白までしちゃって…」

巴「その上、偉そうに妾面までしちゃってたのよ」

巴「ホント…馬鹿みたい…」ポロポロ

巴「こんな私が京太郎君たちの側にいても邪魔になるだけよ…」

巴「いっそ…死んでいなくなった方が…皆の為にも良いわ…」

京太郎「~~~~っ!!」

自身を押しつぶしそうなそれに、しかし、京太郎は構っていられない。
自身よりも巴の方が遙かに重症なのだから。
まずは彼女が思いとどまるよう説得しなければいけない。
そう思って顔をあげた京太郎の視界に、ポロポロと涙をこぼす巴の顔が入った。

巴「お願い…死なせて頂戴…」

巴「私…こんなの抱えて生きていくなんて無理よ…」

巴「私…死にたいの…」

巴「死ななきゃいけないの…」

巴「だから…」

今の巴にはマトモな思考が働いていない。
絶望と自己嫌悪が猛威を奮っているのは、彼女の心だけではないのだから。
その頭の中まで支配する暗い感情は、巴からマトモな判断力を奪わせている。
こんな事を言えば、京太郎も困ってしまう。
普段であれば容易く思いつけるそれにさえ彼女は到達出来なかった。


京太郎「(…ダメだ)」

京太郎「(巴さん、予想以上にショックを受けてる…)」

京太郎「(死にたいって…もうそれしか考えてないのが伝わってくるんだ)」

京太郎「(これを言葉で改善するのは、恐らく無理だと思う)」

京太郎「(少なくとも、俺には彼女を励ます言葉が出てこない)」

京太郎「(だから、ここで俺がするべき事は…)」

京太郎「誰が死なせてやるもんですか…!」ギュ

巴「ぅ…」

身体を張ってでも、彼女を思いとどまらせる事。
そう結論づけた京太郎は、巴の身体を抱き寄せた。
普段の彼とは打って変わって、強引なその仕草に巴の口から声が漏れ出る。
微かに虚ろさが抜けたそれは彼女が京太郎の抱擁に反応しているからこそ。

巴「…お願い。離して」

巴「そんな事されたら…私、死ぬのが惜しくなっちゃう…」

巴「京太郎君の側に…いたくなっちゃうから…」

京太郎「いれば良いじゃないですか…!」

巴「無理よ。だって…わ、私…」フルフル

だが、それは身体に根を張る絶望を駆逐するほどのものではなかった。
嬉しい事は嬉しいが、それはもうただの未練にしかならない。
死にたいという気持ちが収まらない彼女は涙を浮かべながら首を振った。


巴「京太郎君に…振られちゃったのよ」

巴「先走って告白までしちゃったのに…全部、誤解だって言われて…」

巴「京太郎くんが…私の全てだったのに…」

巴「もう…生きている理由…ないじゃない」グス

巴は京太郎に好意だけではなく、強い依存心を向けている。
霞よりも自分を選んでくれた瞬間から、彼女にとって彼は唯一無二の相手だったのだ。
そんな相手から振られてしまったのだと思うだけで、巴の中から存在理由が失われていく。

巴「(姫様の卒業まで待てば、私も京太郎くんのおこぼれくらいは預かれるのかもしれないけれど…)」

巴「(でも、それは彼が私の事を愛してくれているからじゃない)」

巴「(周りの皆もそうだから…お情けで愛してくれるだけ)」

巴「(告白して振られてしまった私の心から…その言葉が離れる事はないわ)」

巴「(勿論、一度、振られた人に愛される喜びは…きっと小さくはないだろうけれど)」

巴「(それ以上に惨めで惨めで…仕方がないんだって…そう思う)」ジワ

告白さえしなければ、まだ巴も持ちこたえられたかもしれない。
だが、彼へと想いを告げてしまった以上、彼女に残るのは振られてしまったという事実だけ。
そんな彼女の胸に浮かぶのは、絶望に染まった未来だった。
本来、あったはずの希望を暗く塗りつぶされたそれに巴はまた涙の粒を浮かべた。


京太郎「…俺は巴さんを振ったつもりはありませんよ」

巴「え…?」

京太郎「確かに俺はプロポーズをするつもりはありませんでした」

京太郎「でも、だからと言って、俺が巴さんの事をなんとも思っていないって訳じゃないんです」

京太郎「今まで言ってきた魅力的だって言葉が決して嘘じゃありません」

京太郎「こんな状況で言うには適さないかもしれませんが…巴さんの告白に喜んでさえいました」

京太郎「巴さんの誤解を訂正したのも、決してそれが俺にとって都合の悪いものだからじゃないんです」

京太郎「このまま流されては、折角、告白してくれた貴女の事を騙す事になる」

京太郎「それが嫌だからこそ、俺は全てを語っただけで」

京太郎「巴さんの事を受け入れる受け入れないはまた別問題ですよ」

巴「でも…」

宥めようなその言葉に巴は、俯きながら言葉を返した。
無論、京太郎がそうやってフォローしようとしてくれているのは嬉しい。
その言葉が決して口から出任せではないと分かるだけに、つい流されてしまいたくなる。


巴「でも、京太郎君にははっちゃんがいるでしょう?」

巴「さっきは舞い上がって、ついつい誤解しちゃったけれど…京太郎君にはっちゃんを裏切れるとは思えないわ」

巴「京太郎君はここにいてもずっと真っ直ぐなままだから」

巴「例え、妾でも良いって言っても…私の事を受け入れては…くれないんでしょう…?」フルフル

しかし、だからと言って、巴はこの状況でなあなあには出来ない。
彼の言葉は嬉しいものではあったが、自身の問題を根本から解決するものではないのだから。
その絶望感を払拭するには、京太郎に受け入れてもらう他ない。
だが、それを望めない巴にとって、事態は未だ最悪なままだった。

京太郎「巴さんは俺の事、過大評価し過ぎですよ」

京太郎「俺はそんなに真っ直ぐでもないですし、格好良い奴じゃないです」

京太郎「実際、既に一度、初美さんに浮気の打診してますから」

巴「え?」

京太郎「…この前、わっきゅんの実家に行った時に色々とありまして」

京太郎「わっきゅんにこのまま拉致監禁されるか受け入れるかの二択を迫られ、俺は後者を選んだ訳です」

巴「(ゆ、湧ちゃん何やってるの!?)」

京太郎の言葉に、巴は驚きを隠せなかった。
湧が京太郎に告白したことも、拉致監禁する一歩手前だったのも、彼女の耳には届いていなかったのだから。
まさしく寝耳に水と言っても良いその情報に巴はクラリと頭を揺らした。


巴「(い、いえ…確かに湧ちゃんは十曽家だし…)」

巴「(京太郎君と二人っきりになって我慢出来なかったのかもしれないけれど…)」

巴「(でも…そこまで行ったら完全に脅迫じゃない…)」

巴「(こっそり京太郎君の妾に収まろうとしてた私が言える事じゃないかもしれないけれど…)」

巴「(それでも湧ちゃんがズルをした事に変わりはなくて…)」

ズル。
胸中に浮かぶその言葉の裏側に、多大な羨望がある事に巴は気づかなかった。
湧は京太郎を手に入れる為、自分たちとの縁すら犠牲にしようとしていたのだから。
幾ら彼を独占する為とは言え、巴はそこまで吹っ切れる自信がない。
それが自分と彼女の想いに優劣をつけているような気がして、巴の胸はさらに曇っていく。

京太郎「それを初美さんに伝えたところ…色々とあって許して貰えました」

京太郎「だからと言って、俺に前科がついた事に変わりはありません」

京太郎「幾ら理由があったとは言え、俺は婚約者公認の浮気相手を作ろうとするような男」

京太郎「女の敵とそう言われても、俺には否定出来ません」

京太郎「実際、初美さんにはかなりの苦労を掛けちゃいましたし…これからも掛ける事になる訳ですから」

巴「……」

そんな巴の前で京太郎は自嘲混じりの言葉を紡いだ。
ポツリポツリと漏れ出るようなそれに巴は何を言えば良いのか分からない。
湧から端を発する諸問題は、誠実であろうとする京太郎の心に深い傷をつけているのだから。
知らず知らずとは言え、その傷に塩を塗りこんでしまった巴は、申し訳無さに言葉を詰まらせてしまう。


巴「(…私に湧ちゃんを非難する権利はないわよね)」

巴「(誤解したとは言え、私も彼に告白しちゃったんだから)」

巴「(私も湧ちゃんと同じ加害者…)」

巴「(でも、だからと言って、ここでずっと黙っている訳にはいかないわ)」

巴「(京太郎君はこんな状態でも私に対してフォローしようとしてくれているんだもの)」

巴「(今も辛いままだけど…でも、それに甘えてばかりじゃダメ)」

巴「(自分が辛いからと言って、京太郎君に手を差し伸べられないような女になってしまったら)」

巴「(彼に甘えて、なんて二度と言えなくなってしまうわ)」

巴「…でも、京太郎君は精一杯、妥協点を見出して、二人に納得して貰ったんでしょう?」

京太郎「はい」

だからと言って、巴は気まずさに押し潰される事を善しとしなかった。
心の活力を振り絞り、彼を擁護する言葉を漏らす。
愛しい男の為だからと胸中に満ちた絶望に抗い始める巴の前で、京太郎は小さく頷いた。


巴「なら、京太郎君はそう卑下しなきゃいけないような人じゃないわ」

巴「修羅場に発展してもおかしくない状況で妥協点を作り出すのは決して簡単な事じゃないでしょうし」

巴「二人に挟まれる立場を思えば、それが最善だったんでしょう」

京太郎「でも、俺は既に一度、初美さんに我慢を強いました」

京太郎「俺の都合で婚約者になってくれた彼女を裏切ったんです」

京太郎「その罪はきっと一生掛けて償わなきゃいけないものでしょう」

巴「それは…」

巴は知っている。
京太郎が思いつめるほど、彼の婚約者という立場は重要なものではない。
勿論、特別である事に間違いはないが、それは決して永続的な優位性を約束するものではないのだ。
もう二ヶ月もすれば、有名無実となるものに、そうも心を砕く必要はない。
喉元まで出かかったその言葉を巴は半ば反射的に飲み込んでしまう。

京太郎「…だから、多分、どっち道、同じなんです」

巴「え?」

京太郎「わっきゅんがいる以上、俺は初美さんに償い続けなければいけません」

京太郎「そこに巴さんが増えたところで、何か変わったりはしないんです」

京太郎「…それなら俺は巴さんの事が欲しい」

京太郎「貴女を…俺のモノにしたい」グイ

巴「ぁ…っ♥」キュン

そんな巴の顔を京太郎は上向かせる。
強制的に自身へと顔を合わさせるそれに巴はどうしても逆らえない。
静かに熱い彼の言葉と相まって、ついつい胸がときめいてしまう。


京太郎「(これで巴さんが俺に対して幻滅してくれるなら良い)」

京太郎「(彼女が迷わず自殺を選ぶほど思い詰めてしまったのは俺の事が好き過ぎるから)」

京太郎「(俺が全てだって言うほどの想いが薄まれば、自殺なんて真似はしないだろう)」

京太郎「(とは言え、巴さんとは長い付き合いで、ここでクズを演じたところで見破られるだけ)」

京太郎「(だからこそ、あくまでも嘘ではないレベルで、クズさをアピールしなきゃいけない)」

京太郎「(正直、自分の醜さをむき出しにするようで、かなり気が重いけれど…)」

だが、それでも京太郎はやりきらなければいけなかった。
巴がそんな自分を拒んでも、受け入れても、彼の損にはならないのだから。
彼にとってこの場でもっとも避けなければいけないのは巴が自殺する事。
それを防ぐ為ならば自分の醜さとも向き合ってやろうと京太郎は心に決めていた。

巴「…良い、の?」

巴「もう分かっちゃってると思うけれど…私、すっごく重いわよ?」

巴「私は一日中、京太郎君に尽くす事ばかり考えているんだから」

巴「貴方に頼られるだけで幸せになって…何でもしてあげたくなる」

巴「だからこそ…こんな恥ずかしい服だって着ちゃって…」

巴「ふ、振られただけで自殺するなんて言っちゃったりも…」

京太郎「巴にそうまで思ってもらえるなんて最高じゃないか」

そのまま漏れ出る自虐的な言葉に、京太郎は怯んだりしない。
巴がかなり重い女である事を、彼はとうの昔から感じ取っていたのだから。
彼女が自殺するところまで想像していた京太郎が、その言葉にマイナス評価を加えるはずがなかった。


京太郎「それにそこまで言ってくれなきゃ俺も決心がつかなかったよ」

京太郎「俺だって決して初美さんの事を裏切りたい訳じゃないんだしさ」

京太郎「巴がそういう人じゃなかったら、きっと断ってる」

京太郎「自分の気持ちに蓋をして…さ」

巴「京太郎君の気持ち…?」

京太郎「巴の事を家族として以上に大事にしたい」

京太郎「こんなに可愛い人を他の誰かに渡したくない」

京太郎「尽くしたがりな巴を俺の色だけに染め上げてしまいたい」

京太郎「独占されてはやれないけど、独占したい」

京太郎「そんな自分勝手な欲望だよ」

巴「はぅう…」

独占欲をその声に浮かばせる京太郎に巴の胸はどうしても甘い反応を示してしまう。
それがどれだけ自分勝手なものだと分かっていても、胸の底から湧き出る歓喜には勝てない。
最初から独占を半ば諦めていた巴は、むき出しになっていく京太郎の欲望にふっと身体から力を抜いた。

京太郎「そして巴もそれに文句がないんだろう?」

京太郎「妾でも良いから、俺のモノになりたいんだよな?」

巴「~~~っ」コクン

その瞬間を狙って、京太郎から支配的な言葉が飛び出る。
肯定以外の言葉を求めていないそれに巴はコクリと首肯を示した。
それはもう確認や念押しなどと言った生易しいものではない。
まるで奴隷契約に判を迫るような言葉であると頭では理解出来ている。


京太郎「なら、望み通りにしてやるよ」

京太郎「二度と俺から離れようと思わないところまで堕としてやる」

京太郎「俺のモノとして…一生、大事にしてやるから」ギュ

巴「あ…あぁぁ…あぁぁぁぁ…」ポロポロ

だが、それは彼女の胸中を覆すようなものではなかった。
京太郎に受け入れて貰えたと言う喜びと絶望を完全に払拭された安堵感。
その2つが入り混じる巴の胸中はとても激しい。
嵐のように荒れ狂うそれは、京太郎の言葉と抱擁に最高潮を迎えた。
一生大事にすると告げながら強く抱きしめる彼に、巴は嗚咽と涙を漏らしてしまう。

巴「ごめ…ごめんなさい…」

巴「で、でも、私…う、嬉しくて…」

京太郎「大丈夫。それくらい分かってるから」

京太郎「まぁ、巴がそんなに泣いちゃってるのも俺の所為だしさ」

京太郎「今は思いっきり俺の胸で泣けば良いよ」

巴「うん…っ」ギュゥゥゥ

そんな彼女に遠慮などという言葉が浮かんでくるはずがなかった。
さっきとは逆の意味で感情に翻弄される巴は、京太郎の背に腕を回す。
そのままギュと抱きついてくるその手に、京太郎は必死ささえ感じた。


京太郎「(出来れば、幻滅するルートで行って欲しかったんだけどなぁ)」

京太郎「(だが、今の巴さんには俺への幻滅は見当たらないどころか)」

京太郎「(大好きオーラを隠そうともしなくなっているんだ)」

京太郎「(ここから幻滅ルートに入るのはまず無理だろう)」

京太郎「(そうなると、巴さんの事も初美さんに説明しなきゃいけなくなるんだが…)」

京太郎「(既に初美さんには大きく譲歩して貰ってる訳だからな」

京太郎「(今度も童貞を守り通すのはかなり難しいだろう…)」

京太郎「(勿論、俺だって初美さんの事が嫌いな訳じゃないからご褒美ではあるのだけれども…)」

京太郎が婚約者に土下座してから、まだ二週間も経っていない。
その間、婚約者たちのアピール合戦に付き合わされていた彼が迷いを吹っ切れているはずがなかった。
自然、胸中から湧き上がる逡巡に、京太郎は自己嫌悪を感じる。
また婚約者に痛みを強いる事になるのに、未だ彼女と一線を超える覚悟が持てない自分がとても醜く思える。

京太郎「(……まぁ、初美さんの事は後回しにしよう)」

京太郎「(俺にとって一二を争うほど重要な事ではあるけれど、今は巴さんの事を第一に考えるべきだ)」

京太郎「(何だかんだ言って、丸く収まったけれど、一時は本気で自殺を考えるくらいだったんだし)」

京太郎「(まずはそっちのケアをしてあげないと、勇気を出した意味がなくなってしまう)」ナデ

巴「はぅん…♪」

それを先送りにしながら、京太郎はゆっくりと巴の頭を撫でた。
自分の胸に顔を押し付ける彼女を慰めるようなそれに、巴は心地良さそうな声を漏らしてしまう。
だが、それは今の巴にとって火に油を注ぐようなものだった。
再びその勢いを強めた安堵と喜びに、巴のタガが一つ外れてしまう。


巴「京太郎君…好き…♥」

巴「大好き…ぃ♥♥」

巴「愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる…っ♥♥♥」

京太郎「お、おう」

瞬間、彼女の口から漏れるのは愛の言葉だった。
依存混じりのそれは一つ出る度に勢いを増していく。
巴の想いが際限なく高まっているのを感じさせるそれに流石の京太郎も気圧された。

京太郎「…俺も好きだよ」

京太郎「それはまだ異性としてのものじゃないけれど」

京太郎「でも、俺は間違いなく巴の事を一人の女性として愛するようになると思う」

京太郎「だから、悪いけれど…それまで待ってくれないか?」

巴「はい…っ♥」

京太郎「ん。良い子だ」

とは言え、ずっと受け身になってばかりではいられない。
なあなあな答えでは、ストレート過ぎる彼女の告白に報いる事が出来ないのだから。
そう思った京太郎は、素直に自身の内心を曝け出す。
今は自身のことを愛している訳ではないというその言葉に、彼女は絶望を感じなかった。
それ以上の希望が ―― 何時か京太郎に愛してもらえるという期待が、巴の中で強く輝いていたのである。


京太郎「じゃあ、良い子の巴にはご褒美をあげないとな」

巴「ご、ご褒美…?」

京太郎「あぁ。二人っきりの時は旦那様と呼んで欲しい」

京太郎「そっちの方が巴も嬉しいだろうしさ」

巴「~~~~っ♥」ブルル

京太郎が提示したご褒美に巴の身体は震える。
彼に真実を告げられた時から、巴の中で禁止されていた呼び名。
それを取り戻しても良いのだと京太郎から伝えられて、彼女が平然としていられるはずがない。
かつての感覚を取り戻そうとしているように巴の中で幸福感が膨れ上がっていく。

巴「(う…嬉しい…)」

巴「(本当…また泣いちゃいそうなくらいに幸せだけど…)」

巴「(でも、その前にちゃんと確かめなきゃダメよ)」

巴「(また私が一人で勝手に突っ走った…なんて事になったらそれこそ合わせる顔がなくなっちゃうし…)」

巴「い、良い…の?」

京太郎「巴は俺の妾になるんだし、ダメなはずないだろ」

京太郎「つーか、今更、遠慮したって遅いって」

京太郎「さっきまで巴も俺の事を嬉しそうに旦那様って呼んでたんだから」

京太郎「大人しく俺のご褒美を受け取れって」ギュ

巴「んあ…っ♪」

それを何とか抑えながら、巴はポツリと声を漏らした。
抑えきれない喜びについつい上擦りがちになったそれに京太郎は言葉と共に抱擁を返す。
彼女の身体を腕の内に閉じ込めようとするようその仕草はとても強引なものだった。
だが、その強引さに巴は胸をときめかせ、甘い声を漏らしてしまう。


京太郎「まぁ、まだ他に理由が必要だって言うのなら、俺がそう呼んで欲しいからだって返すけど」

巴「そ、そんなの…言わないわよ…」

巴「もう私…堕ちちゃってるんだから」

巴「大事にしてやるって言われた時から、身も心もお妾さんになっちゃったのよ…?」モジ

巴「そんなの言われなくても…私にとって貴方はもう『旦那様』です…♥」ニコ

京太郎「もう一回」

巴「だ、旦那様…ぁ♥」

京太郎「よしよし」ナデナデ

巴「ん…♥」スリスリ

そんな巴に抵抗を続ける理由はなかった。
逃げ場さえ用意してくれた愛しい『旦那様』にトロンとした笑みを見せる。
幸せ過ぎて蕩けそうになっている彼女の頬を京太郎の手が優しく包んだ。
そのまま慈しむように撫でる手に巴はつい自身の頬をすり寄せてしまう。


京太郎「まぁ、ちゃんと皆に説明するまでは色々と窮屈な思いをさせてしまうかもしれないけれど」

京太郎「俺が必ず何とかするから安心してくれ」

巴「…ありがとう、旦那様。でも、その必要はないわ」

京太郎「必要がない?」

巴「えぇ。はっちゃんにも他の皆にも私が妾になった事なんて言わなくて良いわ」

巴「ううん。言わないで欲しい…と言う方が正しいかしら」

巴「その辺りは、私が決着をつけなきゃいけない事だから」

京太郎の言葉は巴を安心させる為のものだった。
今は嬉しさと幸福感で満たされているが、二人の先行きは色々と不安ばかりなのだから。
甘い時間だけに身を委ねて、彼女に不安を残す訳にはいかない。
そう思った京太郎の言葉に、巴は首を振りながら応えた。


巴「(ここで旦那様に任せれば、きっと私への被害は最小限になる)」

巴「(少なくとも、目に見えるほどはっちゃんとの関係がぎくしゃくする事はないわ)」

巴「(何だかんだ言っても、はっちゃんは大人だもの)」

巴「(多少、思うところがあっても、それを抑えてくれるはず)」

巴「(でも、それは私の代わりに旦那様を差し出すも同然なのよ)」

巴「(そんな事、一人の女の子としても家族としても許せる事ではないし…)」

巴「(はっちゃん自身も、そんな事を望んではいないでしょう)」

初美は『婚約者』と言う立場をとても大事にしている。
それを脅かす『妾』の登場に、初美はきっと気丈な振りをするだろう。
だが、内心は深く傷つき、そう簡単に埋める事の出来ない傷になる。
それを容易く予想出来る巴にとって、自身と京太郎の新しい関係はわざわざ伝えなければいけないほどのものではない。
どの道、二ヶ月も保たない関係なのだから下手に伝えて心乱させるよりも、隠し通した方が無難だと思ってしまう。


巴「(まぁ、独占欲もちょこっと…いや、かなり関係してるかもしれないけれどね)」

巴「(ここで旦那様に任せたら、はっちゃんに対する弱みがまた一つ出来ちゃう訳だし…)」

巴「(アレで結構、乙女だから、変なことは言い出さないと思うけれど…)」

巴「(でも、人間切羽詰まったら何を言い出すか分からないのは私が良く分かっているし…)」

巴「(はっちゃんに先を越される事そのものは悔しくないんだけれど…)」

巴「(旦那様に恋い焦がれる身としては…どうしても嫉妬しちゃうわ)」

巴「(だから…)」

京太郎「でも…」

巴「大丈夫。何も責任を放棄する訳じゃないわ」

巴「全てを丸く収めるには、少しの間、沈黙するのが一番というだけ」

巴「時期が来たら、二人ではっちゃんに説明しましょう」

巴「だから…それまでは内緒にしておいて」

巴「お願い、旦那様」

京太郎「…分かったよ」

これが一人で全ての責任を背負い込もうとするならば、京太郎も反論を続けていただろう。
だが、巴は時期がくれば二人で説明しようと提案しているのだ。
自身にも責任の一端を譲り渡そうとしてくれる彼女に頑なな言葉を返す事は出来ない。
胸中で疼く良心に、その時が来るまで大人しくしていろと言い聞かせる。


京太郎「その代わり、一人で先走らないでくれよ」

京太郎「説明する時は必ず俺も呼んで欲しい」

巴「えぇ。約束するわ」

京太郎「ん。その言葉、信じるからな」

巴「ありがとう、旦那様」

巴「…それと」モジ

京太郎「ん?」

巴「こ、今度は私がご褒美をあげる番…よね」カァァ

京太郎「あー…」

それでも念押しだけは忘れない京太郎にお礼以外の言葉が返ってくる。
ご褒美と銘打たれたその言葉と共に、巴はモジモジと身体を揺らした。
それに合わせて、巴の頬がじんわりと赤くなっていくのは、気恥ずかしさだけが原因ではない。

巴「わ、私、何でもするわ」

巴「旦那様がしたいって言うなら…え、え…エッチな…事…でも…頑張る…から」マッカ

巴「は、初めてだから、色々と勝手が分からないけれど…」

巴「満足してもらえるよう精一杯、ご奉仕するわ…」プシュゥ

巴は小蒔のように純粋無垢な訳ではない。
男に『何でも』などと言ってしまったら、淫らな事を要求されるかもしれない事くらい分かっている。
そんな言葉を『旦那様』の前で口にするのは、彼女もそれを期待しているからこそ。
その頬に浮かぶ紅潮は気恥ずかしさよりも興奮と期待、そして何よりオスへの媚が強いものだったのである。


巴「(じ、実際、私はまだキスの一つもして貰ってないのよね…)」

巴「(一応、お妾さんという立場にはなれたけれど…それは決して実を伴ったものじゃないわ)」

巴「(だからと言って、旦那様が後で手のひらを返す…と思っている訳じゃないけれど)」

巴「(でも、ここで旦那様に抱いて貰った方が安心も出来るし…)」

巴「(う、うう…嬉しかったりも…するから…)」ギュ

巴「(が、頑張れ、私…!!)」グリグリ

京太郎「ぅ…」

そんな巴に後退の二文字が思い浮かぶはずがなかった。
より京太郎との関係を揺るがぬものにしようとその身体を押し付ける。
特にその胸をグリグリと擦れさせる彼女に、京太郎の中で欲望が大きくなっていった。

巴「わ、私の事、家宝にしてくれるんでしょう?」

巴「だったら…あの、その…………い、色々と…確かめなきゃダメ…よね」

京太郎「確かめるって…」

巴「ちゃ、ちゃんと傷がないかとか…家宝に足るものだとか…」

巴「旦那様自身の手で感じて…確かめて…欲しいの」ジィ

京太郎「っ」ゴク

巴の言葉に京太郎は生唾を飲み込んでしまう。
迂遠ではあるものの、巴は確かめて『欲しい』と口にしているのだから。
『ご褒美』ではなく、『お誘い』の色を強めつつある彼女は期待に濡れた瞳で京太郎を見上げていた。


京太郎「…確かに巴の言う通りだよな」

京太郎「しっかり…巴の事を確かめないと」キュ

巴「っ♪」ドキン

その期待に京太郎は彼女の手を握る事で応えた。
今まで巴の背中に回っていたその手で、彼女の両手を捕まえる。
その指先を甘く絡ませながらの悪手に、巴の胸は期待の色を強めた。

巴「だ、旦那…様…♥」

京太郎「…目瞑って」

巴「はい♪」ス

俗に恋人繋ぎと呼ばれるそれから一体、何をされてしまうのか。
期待の中にそんな言葉を浮かばせる巴に、抗う理由はなかった。
甘く頷いた彼女は素直に瞼を下ろし、顔の角度を僅かに変える。
ただの上目遣いではなく、自身の唇を差し出すようなものへ。
それを彼女なりのオネダリなのだとそう悟った京太郎は巴の唇にゆっくりと近づいていき。


京太郎「…」チュ

巴「ん…っ♥」

そのまま触れ合った唇から、巴は甘い痺れを感じる。
ジィンと微かに響くようなそれは愛しい人がキスをしてくれたから。
本能が浮かべるその言葉に、巴の胸中で歓声が沸いた。

巴「(あぁ…♥私…キスしちゃってる…♪)」

巴「(旦那様と…とっても優しい…キス…♥)」

巴「(優しすぎて溶けちゃいそうなくらい暖かくて…♥)」

巴「(旦那様にファーストキス捧げられて幸せだって…心の底から思っちゃう…♥)」フルフル

京太郎「ん」スッ

巴「ぁ…♥」

そんな巴から京太郎は顔を離していく。
たった一度、ほんの数秒にも満たないキスで満足するような彼に巴は甘い言葉を漏らした。
そのまま巴が目を開けば、京太郎の優しくて意地悪な顔が視界いっぱいに広がる。


京太郎「満足したか?」

巴「…旦那様は意地悪ね♥」

巴「分かってて…そういう事聞いてるんでしょう?」

京太郎「ま、巴が意外にエロエロなのは俺も良く分かってるし」

巴「え、エロエロなんかじゃないって言えるでしょう」

巴「ただ…旦那様の事が他の何よりも好きなだけよ…♥」

京太郎「嬉しい事言ってくれるじゃないか」チュ

巴「ふにゃ…ぁ♪」

二度目のキスは完全に不意打ちだった。
まさかこのタイミングでキスしてくれると巴は思っていなかったのである。
だが、その驚きもすぐさま歓喜に取って代わられてしまう。
京太郎からの『ご褒美』に彼女の頬も蕩け、猫のような声が口から漏れた。


京太郎「…大分、キスの事気に入ってくれたみたいだな」

巴「あ、当たり前じゃない。だって…旦那様のキスなのよ…?」

巴「私、今、世界で一番、幸せかもしれないって思うくらいに満たされちゃってるんだから…♥」ギュ

京太郎「ホント、チョロいな」

巴「…チョロい私は嫌い?」

京太郎「いいや。すっげー可愛いし、ドキドキする」

巴「ん…♥」

巴の疑問に、京太郎は好きだと返す訳にはいかなかった。
既に抜き差しならない関係になってしまった以上、ここで言質を取られたところで問題はない。
元々、取るつもりだった責任を、取らなければいけなくなる程度。
それでも、好きと言う言葉を避けたのは、彼女があまりにも真剣だからこそ。
本気で自分のことを愛してくれている巴に、覚悟もない好きを口にしたくはなかった。


京太郎「だから、俺も正直、このまま巴を押し倒したい」

京太郎「勢い任せに最後までいきたいと思ってる」

巴「う…うん…」モジ

京太郎「でも、俺はまだ初美さん達ともキス以上はしてない状態でさ」

京太郎「これ以上の事はしてやれないんだよ」

巴「え…?」

京太郎「うん。その反応も尤もだとは思うけど、本当なんだ」

京太郎「俺はまだ誰とも一線を超えてない」

京太郎「好きだって自信を持って言えない状況で、初美達の事を抱きたくないって」

京太郎「そう言ってずっと拒んで来たんだ」

巴「…そう、なの」

京太郎の言葉に、巴はなんと返せば良いのか分からなかった。
恐らく女として迫ったであろう初美や湧への同情を口にすれば良いのか。
それとも自制心を鍛え過ぎてしまった彼に拗ねてみせれば良いのか。
そのどちらも選び取れない巴は、京太郎の前で複雑そうな顔を見せた。


京太郎「勿論、初美さん達にずっと我慢して貰うって訳じゃない」

京太郎「俺のモラトリアムは、小蒔さんの卒業式までってそう決まってる」

京太郎「…でも、そこには一つ付帯条件があって」

巴「…はっちゃん以外の子と一線を超えるのはなし…とか?」

京太郎「あぁ。一番はやっぱり自分が良いってさ」

巴「…そう。やっぱり…そうよね」フゥ

瞬間、巴が漏らす吐息は、落胆の色を隠し切れないものだった。
このまま京太郎の所有物になる事を期待していた彼女にとって、それはどうしようもないものなのだから。
まさかここで京太郎に親友との約束を破って欲しいなどと言う訳にはいかない。
そんな浅ましい迫り方をすれば、幾ら何でも嫌われてしまうだろうと巴は思う。


巴「(…それにはっちゃんの選択は間違ってないわ)」

巴「(こうして釘を刺しておけば、旦那様が他の誰かと一線を超える事はまずない)」

巴「(そ、そういう雰囲気になったとしても…必ずギリギリのところで踏みとどまってくれるはず)」

巴「(実際…私も勇気を出して誘ったのに、こうしてNOを返されちゃった訳だしね…)」

巴「(正直、女としてのプライドは若干、傷ついちゃったけれど…)」

巴「(でも、その発端が『婚約者との約束』となれば、仕方ないなって言う気にもなるし…)」

巴「(もし、逆恨みするような子が出てきたとしても、その矛先は旦那様には向かわない)」

巴「(その約束を結ばせたであろうはっちゃんの方に向かうはず)」

巴「(つまり、はっちゃんの約束はただ独占欲から出たものじゃなく、旦那様を護るものでもあって…)」

卑怯だ、と巴は思う。
その約束一つだけでも、初美の愛が伝わってくるのだから。
妾と言う立場ではどうしても到達出来ないそれにどうしても敗北感を覚えてしまう。


京太郎「その…ごめんな」

巴「…いいえ、旦那様が謝る事じゃないわ」

巴「旦那様もはっちゃんも決して悪い訳ではないんだもの」

巴「そう言う理由なら仕方ないと思うし…私も我慢出来るわ」

京太郎「巴…」

巴「…でも」ギュ

巴「でも、それ以外なら…しちゃっても良いのよね?」

京太郎「あぁ。俺が禁止されてるのは一線を超える事だけだから」

巴「そう…良かった」フッ

敗北感を紛らわそうと巴は京太郎の手を強く握った。
今も恋人繋ぎを続ける彼に縋るようなそれは、京太郎の返事によって少し和らぐ。
漏れる吐息も安堵の色を強めたものだった。
だが、それでも巴は京太郎の手を離そうとはしない。
胸の底から湧き上がる初美への嫉妬と羨望は衰えこそすれなくなってはいないのだから。


巴「(今は…私だけ)」

巴「(旦那様を独占しているのははっちゃんではなく私…)」

巴「(そんな言葉さえ…今は薄っぺらく感じてしまうわ)」

巴「(勿論、旦那様と触れ合う時間は嬉しいし、幸せだけれど…)」

巴「(でも、これははっちゃんもきっと味わったもので…)」

巴「(このままじゃ終われないって…そう思っちゃう)」

巴「(…だから)」

巴「あ、あの…旦那…様」

京太郎「ん?」

巴「撮影会…しない?」

京太郎「良いのか?」

巴の提案に、京太郎は思わず疑問の声を返してしまう。
今の巴が初美に対して嫉妬している事くらい彼も分かっているのだから。
それをどうにかするには根強くスキンシップを繰り返し、上書きしていくしかない。
そう思う京太郎にとって、彼女の提案は意外なものだった。


巴「えぇ。勿論、旦那様がお嫌じゃなければ、だけど」

京太郎「嫌な理由なんてないよ」

巴「じゃ、じゃあ、早速準備するわね」スク

京太郎「あぁ」

しかし、だからと言って、彼女の提案に異論を挟む理由はない。
泣きはらして化粧が少し崩れたものの、今の巴は変わらず魅力的なのだから。
そんな彼女の姿をデータに残しておきたいという気持ちは今も京太郎の中に根強く残っている。
だからこそ、小さく頷いた彼から巴はスっと離れて立ち上がった。

巴「あ…」

京太郎「どうかしたか?」

巴「い、いえ、あの、お化粧が服に…」

京太郎「ん?あぁ、本当だ」

巴「ごめんなさい…」ペコリ

京太郎「いや、謝る必要はないって。これくらいなら洗濯すれば落ちるだろうしさ」

京太郎の服に堕ちたファンデーションが僅かな跡を残している。
それに気づいた巴が深々と頭を下げるが、彼にとって、それは謝られるほどの事ではなかった。
そもそも、京太郎が着ているその服は巴が贈ってくれたものなのだから。
手間賃の一つも受け取らず、ただただ貢いでくれている彼女に怒りなど覚えるはずがない。


巴「じゃあ、後で私が洗濯するわね」

京太郎「何時も悪いな」

巴「ううん。好きでやっている事だから」

巴「そ、それより今は…」ジィ

京太郎「あぁ。分かってる」

京太郎「とりあえずそっちの壁の方に立ってくれ」

京太郎「軽く写真を撮って、どうなるのか確認したい」

物言いたげな巴に京太郎は移動を促した。
人物撮影において背景というのは被写体と同じくらいに重要なもの。
ほんの僅かな背景の違いで、巴の魅力を引き出す事も、殺してしまう事も出来る。
それを数度の写真撮影で悟った京太郎は巴を四方に促しながら一枚ずつ写真を撮って。


京太郎「(んー…やっぱり和風の部屋と中華風の格好はミスマッチだな)」

京太郎「(何より、何処を映しても家具の類がフレームの中に入ってしまう)」

京太郎「(そう考えると…やっぱ撮影環境って奴は大事だな)」

京太郎「(今回のように格好そのものが非日常だと…余計にそれを思わさせられる)」

京太郎「(時間が空いたら、カメラだけじゃなくて簡易スタジオを作る材料も買いに行こう)」

巴「旦那様…?」

京太郎「あぁ、悪い」

京太郎「とりあえず写りはそこの壁が一番だと思う」

京太郎「だから、今日はそこがスタジオって事で我慢してくれ」

巴「わ、分かったわ」

京太郎「うし。それじゃあ…」チラ

巴「…」カチカチ

巴の身体はとても硬かった。
試しにと写真を撮っている最中に肩を強張らせ、身体を直立させている。
身体のあちこちに緊張感を走らせる彼女をそのまま撮影する気にはなれない。


京太郎「もうちょっとリラックスして良いんだぞ」

京太郎「今日はお互いお試しだし、巴が嫌だっていう写真は残さないから」

巴「え、えぇ。分かっては…いるのだけれど…」

京太郎「…やっぱ難しいか?」

巴「…」コクン

京太郎「だよなー」

さっき京太郎にタコスを食べているところを撮られたが、今から始まるのは本格的な撮影会だ。
今までの人生で写真に写った事など数えるほどしかない巴が、そう簡単に緊張を解せるはずもない。
コクンと頷く彼女の顔に京太郎は困ったように頬を掻いた。

京太郎「(…でも、さっき以上に緊張してるのはどうしてなんだろうか)」

京太郎「(タコスを食べてた時でも、もうちょっとマシだったんだけれど…)」

京太郎「(うーん…愛人契約を結んだ男に撮られるのが急に恥ずかしくなったとか?)」

京太郎「(確かに巴は結構、ムッツリだし…)」

京太郎「(恥ずかしい写真を撮られてしまうって思い込まない訳じゃないけれど…)」

多分、それだけではない。
そう京太郎が思うのは、巴の緊張が外ではなく内側に向けられているからだ。
彼女がこうも身体を強張らせている理由は、写真を撮られる事そのものではない。
彼女の中に何か根っこがあるのだろうと京太郎は感じる。


京太郎「俺にリクエストしたい事とかないか?」

京太郎「こうすれば緊張がマシになるかも…とかでも良いんだが」

巴「い、いえ、特には…」

京太郎「そうか」

京太郎「(その辺の理由を教えてくれたりはしないか)」

京太郎「(…となると、ここで俺が出来る事は、ほとんどないも同然だな)」

京太郎「(雰囲気を必要以上に気まずくしてやらないようにゆっくり一枚ずつ撮るくらいか)」

京太郎「ま、このまま向き合っても何の解決にもならないしな」

京太郎「撮られていれば少しずつ慣れるだろうし、そろそろ始めようか」

巴「…」コクン

京太郎「うし。じゃあ、最初は俺もピント合わせとか色々あるから適当にしててくれ」

京太郎「そのまま立っているだけでも良いし、何かポーズを取ってくれても良い」

京太郎「俺はそれを適当に撮るからさ」

巴「じゃ…じゃあ…」グ

京太郎「ん?」

無言で頷く巴に京太郎は努めて明るい声を放った。
気まずさで緊張が強くならないようにと気遣ったそれに巴は震える声を漏らす。
まるで蚊の鳴くような弱々しいその声とは裏腹に、彼女は力強く握りこぶしを作って。


巴「~~~~~~っ!」ピラ

京太郎「ふぉおお!!?」

そのまま自身の前掛けを掴む彼女に、もう躊躇はなかった。
足首まで垂れ下がる前掛けを一気に引き上げ、そのナマ足を晒す。
恥ずかしがり屋な彼女らしからぬその大胆な行動に、京太郎は驚きとも興奮とも言えない声を漏らした。

巴「(み、みみみみみ…見られてる…)」

巴「(旦那様の視線が突き刺さってるのをハッキリと感じるくらいに…)」

巴「(ま、まさかこんなに見られるとは思ってなかったから…顔から火が出そうなほど恥ずかしいけれど…)」

巴「(で、でも…でもでもでも…!ここで止める訳にはいかないの…!)」

巴「ど、どどどどどどどどどどどうかしら!?」マッカ

京太郎「ど、どうって…」

巴「わ、私の身体…と、撮ってくれりゅ…?」

当然、巴がその状況下で平然としていられるはずがない。
自分で前掛けをめくり上げる巴はその顔を真っ赤にさせていた。
熟れたりんごを彷彿とさせるその羞恥の色に、京太郎にも動揺が走る。
その私服も露出度の低いものばかりな巴が、今、ひざ上十数センチの位置まで露出させているのだから。
後ほんの少しで彼女のショーツまで見えてしまいそうな状況で、躊躇いなくシャッターを押す事など出来ない。


京太郎「い、いや、でも…」

巴「と、撮って…撮って欲しいの」

巴「旦那様は…と、特別だから…」

巴「ど、どんな恥ずかしい私だって…み、見せられりゅから…!」フルフル

京太郎「巴…」

そんな京太郎の前で巴はフルフルと身体を震わせる。
何処か怯えを彷彿とさせるその動きは彼女の精神が限界に近いからこそ。
だが、それでも巴は前掛けをめくり上げる手を離そうとしない。

巴「(こんな事言えるような立場じゃないかもしれないけれど…)」

巴「(私…はっちゃんに負けたく…ない)」

巴「(私だって…旦那様の事大好きなんだから)」

巴「(はっちゃんの後追いばっかりでいたくないし…はっちゃんよりも旦那様の事が好きなんだって証明したい…)」

巴「(でも…私はあくまでもお妾さんで…はっちゃんみたいな事出来なくて…)」

巴「(だ、だから…これしか…ないの)」

巴「(これくらいしか…私ははっちゃんの先に行く事が…出来ないから…)」グッ

巴「と、撮って…」

巴「お願い…だから…撮って…くだしゃい…」

嫉妬と勢い任せにとんでもない事をしている。
そんな言葉は彼女の胸にも浮かんでいた
しかし、それは今の巴にとって些事に過ぎない。
最初から覚悟を固めていた彼女は、羞恥で泣きそうになりながらも再び強請った。


京太郎「(そんな無理をする必要はないんだ…って俺も言いたいけれど)」

京太郎「(でも、説得しても聞き入れてくれる雰囲気じゃないな)」

京太郎「(元々、巴は初美に対して嫉妬や対抗心を感じてたみたいだし…)」

京太郎「(ここで宥めすかしても、頑なになってしまう可能性の方が高い)」

京太郎「(それに今の巴の姿は、カメラに撮ったからってヤバイ代物でもないんだ)」

京太郎「(顔を真っ赤にしながら前掛けをたくし上げる美少女にエロさは感じるけれど…)」

京太郎「(18歳未満が見ちゃいけない類のモノじゃない)」

京太郎「(なら、ここで俺がするべきは巴の希望を叶える事)」

京太郎「(そして全部終わった後で、彼女に改めて問う事だろう)」スッ

京太郎「分かった。じゃあ…」パシャ

巴「っ」ビク

そんな巴の前で京太郎はカメラを縦に持ち替える。
その顔から足首までを一度に収めながら、彼はシャッターボタンをポンと押した。
瞬間、ぱしゃりと鳴ったシャッター音に巴の身体が強張りを見せる。
ついに自分の姿が撮られてしまったのだと言う想いが、巴の緊張を強めていた。


京太郎「よし。これでちゃんと撮れたから…」

巴「ま、まだ…ダメよ」

京太郎「も、もしかして…まだ撮って欲しいのか?」

巴「…」コクン

京太郎「マジかー…」

しかし、その緊張は彼女の達成感に繋がるものではなかった。
たった一枚の写真程度では、自分の愛は決して証明しきれない。
そう思い込む巴は京太郎にさらなる撮影を要求する。
それに一瞬、頬を強張らせた京太郎は天を仰ぎたくなる気持ちを抑えて。

京太郎「(あー…くそ、こうなりゃ自棄だ)」

京太郎「(満足するまで付き合ってやるよ…!!)」パシャパシャ

巴「ぅん…っ」ビクン

そのまま幾度となくシャッターを切る京太郎に巴は身体を揺れ動かした。
内蔵カメラから放たれる強い光は気恥ずかしそうなその動きを彼女の影として映し出す。
その度に巴は声をあげるが、それは決して撮影の否定には繋がらない。


巴「(私…これドキドキしてる…)」

巴「(恥ずかしい…だけじゃない…)」

巴「(旦那様に写真を撮られて…興奮…してる…)」

巴「(フラッシュライトが瞬く度に…身体が熱くなっていくのがハッキリと分かる…)」ゴク

最初は恥ずかしくて他の何かを考えている余裕はなかった。
しかし、二度三度とシャッター音が鳴る度に、涙となって溢れそうだった羞恥心もマシになっていく。
代わりに彼女の心に浮かんでくるのは、自身の身体の変調。
羞恥とはまた別の色を浮かばせる心臓の鼓動に、巴はつい生唾を飲み込んでしまう。

巴「(う、嘘よ。こ、こんなの嘘に決まってるわ)」

巴「(私、こんな恥ずかしい格好を撮られて興奮するような変態じゃない)」

巴「(確かに私は自分から旦那様に恥ずかしいところを見せたけれど…)」

巴「(でも、これははっちゃんに負けたくないからで…)」

巴「(け、決して喜んでる訳じゃないわ)」

巴「(ただ…そう…ただ…)」

巴「(旦那様が…私にエッチな目を送ってくれるから…)」

巴「(フラッシュライトと一緒に…興奮した視線を向けてくれるから…私もドキドキしちゃっているだけで…)」

その言葉は決して嘘ではない。
だが、それが完全に正しい訳ではない事を巴自身が良く分かっていた。
その興奮の大本が自分の知らないところから湧き上がってくるのを彼女は自覚出来ている。
当然、慣れ親しんだ京太郎への好意から湧き上がるものもあるが、それは全体の半分にも満たないものだった。


巴「(でも…ずっとこのままではいられないわ)」

巴「(だって…こ、これじゃあ…まだ足りないもの)」

巴「(私の本当に恥ずかしいところ…全然、旦那様に見せられてない…)」

巴「(そんな状態ではっちゃんに勝ったなんて私は思えないし…)」

巴「(何より、スケベな旦那様が満足してくれるはずがないわ)」

巴「(だから…だから…)」ググ

京太郎「っ!」

それは言い訳だった。
興奮からさらなる刺激を求める彼女にとって、それはタガを緩める為の大義名分だったのである。
それを自覚しながらも、巴は止まる事が出来ない。
躊躇う理性に京太郎の為だと言い聞かせながら、その前掛けをさらに持ち上げていく。

巴「(も、もう…もうここがギリギリ…)」

巴「(これ以上、持ち上げたら…きっとショーツが見えちゃう…)」

巴「(う、ううん、下手をすれば…もう見えちゃってるかもしれない…)」

巴「(旦那様の為に…履き替えた勝負下着が…)」

巴「(もう…スマホの中におさめられちゃってるかも…しれないから…)」クイッ

京太郎「うお…」

瞬間、京太郎の前に晒された下着は巴らしからぬものだった。
その布地が桃色と言うだけでも驚きなのに、両脇を結んでいるのは細い紐だけ。
ほんのすこし指で引っ張ればあっという間に滑り落ちてしまいそうなそれは京太郎の目を引き寄せる。


巴「~っ♥」ゾクゾクゥ

巴「(だ、旦那様、思いっきり見てる…)」

巴「(シャッターを切るのも忘れるくらいに…ジィィって見られて…)」

巴「(すっごく…すっごく恥ずかしい…けど…)」モジモジ

気持ち良い。
その言葉を巴は胸の奥底へと沈め込んだ。
それを胸中に浮かばせてしまったら、もう二度と後戻り出来ない。
その予感に巴は従いながら、モジモジと足を擦れ合わせて。

京太郎「っと…」パシャ

巴「っ」ピクン

京太郎「…」パシャパシャパシャ

巴「んあ…♪」

瞬間、我に帰った京太郎が再びカメラを起動させる。
そのままパシャパシャと連続で鳴り響くシャッター音に巴は小さな声を漏らした。
その中に媚と興奮がつめ込まれているのは、彼女の本性が目覚めつつあるからこそ。
恥ずかしがり屋の巴は、露出狂の素質を併せ持っていたのだ。


巴「(もっと…見て欲しい…)」

巴「(エッチな私を…旦那様に撮って欲しい…)」

巴「(これじゃあ…まだ足りない…♪)」

巴「(もっと…もっとぉ…♪)」

巴「(エッチな私を独占…して欲しいから…♪)」スッ

京太郎「っ」パシャ

初美への対抗心や自信の無さ。
それらを肥料にする露出の才能は、急速に育っていた。
京太郎の目の前で鮮やかに花開くそれを巴は止められない。
その胸中に欲望と媚の声を浮かべながら、ゆっくりと腰を突き出す。

巴「(本当なら…見せちゃいけないところを…♪)」

巴「(旦那様に思いっきり突き出して強調してる…♥)」

巴「(これ…すごく…すごくやらしいポーズ…♪)」

巴「(さっきよりもフラッシュと視線が…私のショーツに集まってるのが分かる…ぅ♪)」

巴はその背筋を僅かに後ろへと逸らしただけだ。
だが、それによって彼女の陰部周辺が強調され、自然とピントと視線がそちらへと引き寄せられる。
自身の思い通りに視線を集中させてくれる京太郎に、巴は興奮を覚えながら身体を下ろしていった。


巴「(今度は膝立ちのまま…足を広げて…♪)」

パシャ

巴「(左手で…胸を寄せて強調して…♪)」

パシャ

巴「(前掛けを口に咥えながら…両手で内股を広げて…♪)」

パシャ

巴「(そのまま後ろにゆっくり倒れていけばぁ…♪)」

パシャ

巴「はぁ…あん…♪」キュン

巴の痴態はエスカレートしていく一方だった。
今の彼女は完全にタガを外し、羞恥心を興奮の餌にしかしていない。
躊躇いなく京太郎に股間を晒すようになった巴は自身の秘所を照らすライトに甘い吐息を漏らす。
寝転がった状態でもハッキリと分かるそのライトは彼女の身体に興奮と疼きを与えた。

巴「(私…旦那様に向かってM字開脚までしちゃってる…♥)」

巴「(こんなの見られたら…襲われても文句は言えないわ…♪)」

巴「(自分で太もも開いて…完全に丸見えにさせてるんだもの…♪)」

巴「(キュンって疼いてるあそこに…ショーツが食い込んでるところも…♪)」

巴「(私のエッチなシルエットも…旦那様に教えちゃってるのよ…ぅ♥)」ゾクゾク

パシャ

その興奮は京太郎の方にも伝播していた。
ちょっと危ないところもあるものの、誠心誠意、自分に尽くしてくれる恥ずかしがり屋のお姉さん。
そんな彼女がさっきから淫乱さを魅せつけるような格好を晒してくれているのだから。
その姿を一枚また一枚を撮る度に、どうしてもオスとして興奮を覚えてしまう。


京太郎「(正直、色情霊か何かが乗り移っているんじゃないかって思うくらいだ…)」

京太郎「(だが、ここは所謂、神様のお膝元だし、何かに操られてるなんて事はまずない)」

京太郎「(って事は…これは巴の本性だって事だ)」

京太郎「(俺にエロい姿を晒して…興奮しているのが…)」

京太郎「(この人の…巴の本当の顔で…)」パシャ

いっそ痴女にも思えそうなそのポーズを京太郎は止めようとは思えなかった。
今の巴はそれを誰かに強要されている訳でもないのだから。
その痴態の全ては彼女が望んで晒し、また撮って欲しいと思っているもの。
それにNOと言うほど京太郎は無粋ではない。
彼女の望むがままに、そして自身の欲望が導くままにシャッターを切り続ける。

巴「(今度は…お尻の方から…♥)」クルン

巴「(出来るだけお尻を向けて…♪)」

パシャ

巴「(でも…お尻だけじゃ…流石に満足出来ないかもしれないわよね…♥)」

巴「(さっきみたいに食い込んでるショーツが見える訳でもないし…♪)」

巴「(ちょっとだけ後ろのを引っ張って…お尻に食い込ませちゃいましょう…♪)」クイ

パシャ

巴「(そんなお尻を高く上げて、旦那様に振り向けば…♥)」クル

パシャ

今度は臀部を強調し始める巴にフラッシュライトが幾度となく瞬いた。
彼女の僅かな変化を全てデータに残そうとするそれに彼女は笑みを浮かべてしまう。
その頬を淫らに緩ませるそれは、発情を隠そうともしないものだった。
メスの顔とそう言われても文句は言えないその顔は女豹のようなポーズと相まって京太郎の胸を掴む。


京太郎「はぁ…はぁ…」

巴「(分かる…♥分かる…わ…♥)」

巴「(旦那様…私に興奮してくれてる…♪)」

巴「(私で…エッチになってくれてる…♥)」

巴「(私…もうショーツ晒してないのに…♥)」

巴「(ただのポーズだけで…こんなにはぁはぁ言ってくれて…♥)」

自然、口から漏れる荒い呼吸に、巴は京太郎の欲情を悟った。
最早、興奮の領域から抜けだしてしまった彼に彼女は胸をときめかせる。
こうして自分に欲情してくれているのは他ならぬ『旦那様』なのだから。
少しずつオスの顔を見せ始める京太郎に、身体の奥がジュンと潤むのを感じる。

巴「(もっと…もっと興奮して…♥)」

巴「(私の事…襲っちゃうくらい…♪)」

巴「(我慢できずにレイプしちゃうくらいに…エッチになって…♪)」

巴「(私も…それが嬉しいから…♥)」

巴「(旦那様に見られるのもレイプされるのも嬉しいの…っ♥)」

未だ指の一つも触れられていないのにも関わらず、濡れ始めてしまう淫らな身体。
それに忌避感を覚える巴はもう心の何処を探してもいなかった。
寧ろ、それが良いのだと言わんばかりに、京太郎の前でポーズを変える。
前から後ろから右から左から。
棒立ちになるカメラマンに変わって、思いつくままに痴態を晒す彼女は自然とその興奮を強めて。


巴「(今度は…もっとエッチなところ見せちゃう…♪)」

巴「(シルエットだけじゃ…ないわ…♥)」

巴「(ショーツの下で大陰唇広げて…♪)」

巴「(私のアソコの形…♥もう濡れちゃってるアソコの形を見せてあげる…ぅ♥)」

京太郎「あー…」

巴「え…?」

巴がショーツ越しに粘膜まで晒そうとした瞬間だった。
京太郎が気まずそうに声を漏らし、そっとスマートフォンを降ろす。
まるで夢の時間は終わったのだと、そう告げるような彼の動きに巴は思わず疑問の声を漏らした。

京太郎「…悪い。容量一杯になった」

巴「はー…はぁ…♪」

そう謝罪する京太郎に対して、巴は欲求不満を否めなかった。
京太郎専用露出狂となった彼女は、まだまだ彼に見せたいポーズがあったのだから。
今まで彼女が培ってきた知識を総動員して考えだした痴態はまだ山程残っている。
そんな状態で終わりだなんて不完全燃焼も良いところだと巴は思った。


巴「(…でも、容量が一杯になっちゃったなら仕方ないわよね)」

巴「(まさか他のデータを消して欲しいなんて言う訳にはいかないし…)」

巴「(何より、私のエッチなポーズは出来るだけ残しておいて欲しいから…)」

勿論、巴も自身の写真全てが気に入るとは思っていない。
写りが悪かったり、ポーズが微妙だったりと消して欲しいと思うデータは幾つも出てくるだろうと思っている。
だが、それらは『京太郎の為に』『初めて』晒したものなのだ。
よっぽど気に入らないもの以外は出来るだけ京太郎の手元に残しておいて欲しいと思う。

京太郎「と、とりあえず今日はここで終わりにしとこうぜ」

京太郎「また今度、カメラと大容量のメモリーカード買ってくるから」

京太郎「そっちで改めてリベンジって事で」

巴「……分かったわ」

京太郎「…」フゥ

巴の物分かりの良い返事に、京太郎は内心、胸を撫で下ろす。
シャッターを切る毎に強まっていく彼女の興奮は並大抵のモノではなかったのだ。
もし、これが引っ込み思案の巴でなければ、とうの昔に襲われていたかもしれない。
そんな言葉が浮かぶほど欲情しきった巴が、ここで納得してくれるかは五分五分だと思っていた。


京太郎「ま、何はともあれお疲れ。色々と疲れただろ」

京太郎「汗も掻いただろうし、とりあえず着替えるか?」

巴「…いいえ。まだこのままで良いわ」フルフル

労う京太郎の言葉に、巴は小さく首を振った。
興奮と欲情を高め続けた今の彼女は身体がハッキリと火照っているのを感じる。
気を抜けば、そのまま自慰を始めてしまいそうなそれを、巴は出来るだけ冷ましたくはなかった。
未だ体の奥でジィンと響くような余韻にずっと浸っていたかったのである。

京太郎「そうか。それじゃあ…その、確認してくれるか?」スッ

巴「えぇ。分かったわ」

そんな彼女に京太郎は自身のスマートフォンを差し出す
データフォルダを画面に浮かべるそれを巴は素直に受け取った。
そのまま画面をタッチして操作する彼女の前で、自身の痴態が再生されていく。


巴「(す…凄いとは思っていたけれど…これ、予想以上かも…)」

巴「(最初はまだ気恥ずかしさとか躊躇いとかが残っているけれど…)」

巴「(ほんの十数枚も進んだだけで、それが薄れていって)」

巴「(代わりに期待とか興奮とか…そういうエッチな顔になってくのが全部記録されてる…)」

巴「(私…こ、こんな顔…してたんだ…)」

巴「(こんなにエッチな顔を…エッチなポーズを…旦那様に見せていて…)」

巴「(心から悦んじゃってる…)」ゴク

メモリーカードが一杯になるまで収められたデータは、巴の変化を如実に語っていた。
自身が露出狂に堕ちていっている事をまざまざと知らせるそれに彼女は生唾を飲み込む。
昨日までの彼女にとって、露出狂とは変態以外の何物でもなかったのだから。
それの仲間入りをしていく自分の姿に興奮と、そして気恥ずかしさを感じてしまう。

巴「(う、うわ…うわぁぁ…)」

巴「(私…こ、こんな事までしちゃってたのね…)」

巴「(い、いや…勿論、忘れてた訳じゃないけれど…)」

巴「(でも、当時はあんまり意識してなかったって言うか…)」

巴「(それが当然だと思っていて…)」カァァ

身体の火照りはまだ彼女の中に残っている。
しかし、だからと言って、思考までも興奮と欲情に溺れ続けている訳ではない。
フラッシュライトに酔っていた巴は少しずつ冷静さを取り戻している。
結果、酩酊していた頃の自分に彼女は内心で悲鳴のような言葉を漏らした。


巴「は…うぅぅ」プシュゥ

京太郎「大丈夫か?」

巴「うう」モジ

延々とエスカレートしていく自身の痴態。
それを嘘だと否定出来ない巴はその顔を真っ赤に染めた。
その頭から湯気が出てきそうな彼女に京太郎は思わず言葉を投げかける。
やはり途中で止めるべきだったか。
そう後悔を浮かべる京太郎の前で、巴はモジモジと身体を揺らして。

巴「あ、あの…ご、誤解しないで欲しい…んだけど」

京太郎「え?」

巴「わ、私がこうなったのは…だ、旦那様だから…」

巴「私を受け入れてくれた旦那様だから…こ、こんなにエッチになっちゃって…」

巴「もし、これが旦那様以外の人だったら絶対にこんな事ないわ…!」

巴「誰にだってこんな顔見せるほど私は淫乱でも尻軽でもないし…!!」

巴「私は確かに…へ、変態でエッチかもしれないけれど…!!」

巴「でも…でもでも…!そうなっちゃうのは旦那様の前だけなの!!」

巴「変態でエロエロな私は旦那様だけのものだから!!!」

京太郎「お、おう」

それからポツリポツリと漏れる声はドンドンと強くなっていった。
最後には力強く宣言するようなそれに京太郎は気圧されてしまう。
よもやここまで巴が強く自己主張するとは思っていなかったのだ。


巴「だから……あ、あの…あのね」

巴「私が言える義理じゃないのかも…しれないけれど……」

巴「その……き、嫌わないで…欲しいの」

巴「わ、私…治すから」

巴「旦那様が嫌だって言うなら…もうあんな事にはならないから…」

巴「だから…」

京太郎「…巴」

そんな京太郎の前で、巴の声は少しずつ縋るようなものへと変わっていった。
冷静になった今の彼女は自身の痴態に変態以外の言葉を思いつけなかったのだから。
さっきは京太郎も興奮していてくれたが、それが落ち着いた今、幻滅されているかもしれない。
そう思うと胸中に不安の色が過ぎってしまう。


京太郎「そんなの気にすんなって」ポン

京太郎「巴も知っての通り、俺はドスケベだからさ」

京太郎「多少、エロい方が魅力的に思えるし」

巴「ほ、本当…?」

京太郎「あぁ。本当だ」

京太郎「これが浮気とか他の男にーとかなら流石の俺もちょっと待てって言うけれど」

京太郎「俺専用だって言ってくれるなら、幾らエロくなってくれても構わないぞ」

巴「そ、そう…なの」

京太郎「そうそう」ナデナデ

自身の変態性を受け入れてくれる京太郎に巴は恥ずかしがれば良いのか喜べば良いのか分からなかった。
京太郎の許可に安堵するのは、何も彼女の理性だけではないのだから。
これで心置きなく堕ちる事が出来る。
そんな言葉を思い浮かばせてしまう自身の変態性を、巴はもう否定する事が出来ない。
結果、彼女は気恥ずかしそうに俯き、京太郎の手に撫でられてしまう。


巴「じゃ、じゃあ……あの…」

京太郎「ん?」

巴「ま、また…私のエッチな格好…撮ってくれる?」

巴「私…た、多分、暴走しちゃうと思うけど…」

巴「旦那様に撮られると…すぐにエロエロになっちゃうと思う…けれど…」

巴「それでも…良い…かしら?」ウワメヅカイ

京太郎「良いも悪いも、こっちは最初からそのつもりだったしな」

京太郎「もう一着の方は一枚も撮れてないし、何より、今回はカメラから背景から不満ばっかりだったんだから」

京太郎「ここで終わりなんて言われたら、こっちが頼み込まなきゃいけないくらいだったよ」ナデナデ

巴「ん…♥」

それでも巴は自身の変態性を抑える事が出来ない。
完全に花開いたそれは彼女にオネダリの言葉を口にさせる。
次への約束を取り付けようとする巴に京太郎は頭を撫でながら応えた。
言葉と愛撫で安心させようとする彼の心遣いは巴は心地よさそうな声を漏らさせる。


巴「…ありがとう、旦那様」

京太郎「お礼を言われるような事はしてないって」

巴「ううん。そんな事はないわ」

巴「旦那様はまた私の事を受け入れてくれた」

巴「こんなにエッチな私を肯定してくれたんだもの」

巴「私にとってこれほど嬉しい事はないくらいよ」

巴「だから…お礼をしなきゃいけないわよね…♥」ジィ

瞬間、巴の瞳に期待の色が浮かんだ。
京太郎を見上げながらのその変化は、彼へのオネダリも同じ。
自分に尽くさせて欲しいのだと彼女は目で訴えている。


京太郎「…じゃ、膝枕でもして貰おうかな」

巴「この格好のままでも良いの?」

京太郎「寧ろ、それが良いかな」

京太郎「こう言う関係になった以上、触れても問題はない訳だし」

京太郎「何より、さっきからそのナマ足撮りまくってたから触りたくって仕方がないんだよ」

巴「だ、旦那様のスケベ…♥」カァ

京太郎「そう言う割には巴も嬉しそうだけど?」

巴「どんな形であれど旦那様に求められているのよ?」

巴「喜ばないはずないじゃない」クス

京太郎の言葉に、巴はクスリと笑う。
紅潮を残す頬を微笑ましそうに緩ませながら、彼女はゆっくりと腰を下ろしていく。
そのまま畳の上に正座になった巴はポンポンと自身の膝を叩く。
愛しい男の欲求を叶えようとするその仕草に京太郎もまた頭を下ろしていって。


京太郎「まぁ、これも巴が魅力的過ぎるからって事で、許してくれ」

巴「…別に許さないとは言ってないわ」

巴「そうやって旦那様に見られるのは嬉しいし…」

京太郎「興奮もする?」

巴「……し、ちゃう…わ」プイ

京太郎「そっかー」ニマニマ

巴「うぅぅぅ…」モジ

意地悪な京太郎の言葉に、巴は顔を背けながら応えた。
気恥ずかしくて、つい言葉を途切れさせてしまう彼女を京太郎はいやらしい笑みを共に見上げる。
それに唸るような声をあげながら、巴は身体をモジモジと揺らした。

京太郎「じゃあ、これからも巴の事はちゃんと見ててやらないとな」

巴「……そ、それは嬉しいけど」

京太郎「けど?」

巴「み、見ている…だけ?」ジィ

京太郎「あー…」

ほぼ平常まで戻っていた身体が、京太郎の視線に再び興奮していく。
それを誰よりも身近で感じる巴は、京太郎に媚びるような視線を送った。
見る以上の事をして欲しいのだと訴えるするその瞳に彼の心も揺らぐ。
一度は巴の誘惑を跳ね除けたとは言え、京太郎は聖人でも何でもないのだ。
その源にオスの欲望を根ざす彼は、ついつい迷うような声を漏らしてしまう。


京太郎「今は…その、準備期間だから」

巴「準備期間?」

京太郎「そう。巴の恥ずかしいところを観察して、どんな風に開発していこうか」

京太郎「どんなエロエロにしてやろうかって考えてるところなんだよ」

巴「~~~っ♥」キュン

しかし、だからと言って、巴の誘いに乗る訳にはいかない。
あっちこっちから好意を伝えられている彼は雁字搦めになっているのだから。
ここで彼女と一線を超えてしまえば、数多くの少女を悲しませる事になる。
さりとて、ダメだと一蹴する事も出来ない京太郎の言葉に、巴は胸を疼かせた。

巴「わ、私、これ以上、エッチにされちゃうの…?」

京太郎「あぁ。する」

京太郎「俺に見られるだけじゃない」

京太郎「それ以上の事も大好きになるように調教して」

京太郎「絶対に離れられなくしてやるから」

巴「ん…っ♥」キュンキュン

無論、京太郎に性的な経験はない。
力強いその宣言も半分以上が虚勢だった。
しかし、彼女にとってそれは大した問題ではない。
京太郎に調教されるというその未来だけで、被虐的な彼女の身体が悦んでしまう。


巴「…嬉しい。本当に…嬉しいわ…♪」

巴「私…今からその日がとても楽しみ…♪」

京太郎「おう。思いっきり期待してくれていて良いぞ」

巴「えぇ。でも…一つだけ訂正させて」

京太郎「訂正?」

巴「調教なんてなくても…私は旦那様から離れられないわ♥」

巴「私はもう後戻り出来ないところまで来ちゃったから♥」

巴「旦那様に捨てられたら…もう死ぬしかない…♪」

巴「そんな覚悟で…ここにいるのから♥」

結果、何処かうっとりとした声音で、巴は重い言葉を紡ぐ。
その中に込められた死と言う言葉を、京太郎は笑う事が出来ない。
それは中高生が容易く口にするような軽いものではないのだから。
さっきの彼女がそうであったように、時が来れば躊躇いなく実行するはずだ。


京太郎「分かってる。ちゃんと受け止めるよ」

京太郎「…でも、死ぬ前にちゃんとこっちに相談してくれ」

京太郎「誤解で巴に死なれたりしたら、悔やんでも悔やみきれない」

巴「えぇ。分かってます♥」

巴「私の命も…旦那様のモノだから♥」

巴「旦那様を置いて、簡単に死んだりしないわ…♪」ナデ

だからこそ、釘を刺す京太郎に巴は右手と共に応えた。
自身の頬をそっと包み込むその手が京太郎は心地良い。
思わず目を細めてしまいそうなその上から彼は自身の手を重ねた。

京太郎「んじゃ、俺も巴を置いて死んだりしないって約束しようか」ギュ

巴「本当?」

京太郎「あぁ。つーか、俺が先に死んだら後追い自殺とかしそうだし…」

巴「え、ダメなの?」キョトン

京太郎「ダメに決まってるだろ」

意外そうな巴の言葉に、京太郎はそっと肩を落とした。
勿論、殉死を厭わないほど想ってくれるのは嬉しい。
しかし、だからと言って、申し訳無さがなくなる訳ではないのだ。
自分を追って死ぬなんて馬鹿な事はしないで欲しい。
それが偽りのない京太郎の気持ちだった。


京太郎「そういう時はこっちで精一杯生きて、色々と土産話を持ってきてくれる方が嬉しい」

巴「…でも、私、旦那様に先立たれたら寂しくて生きていけないし」

巴「きっと食事も喉を通らなくなって、自殺しなくても死んじゃうと思うの」

京太郎「…だったら尚の事、先に死ぬ訳にはいかないなぁ」

京太郎「ちゃんと笑顔で逝けるよう看取ってやらないと」

巴「…ん♥」ニコ

京太郎がいなくなったら、生きていけない。
そう告げるような巴の言葉は真剣味に溢れたものだった。
そんな彼女を説得する事を諦めた京太郎は、内心の覚悟を強める。
絶対に巴よりも先に死んではいけないとそう自分に言い聞かせて。


京太郎「まぁ、まだ人生の半分も生きてないであろう俺達が何を言ってるんだって感じだけどな」

巴「じゃあ、もう少し夢のある話をする?」

京太郎「例えば?」

巴「つ、次のコスプレの話とか…」

京太郎「…それは夢のある話と言うよりもエロのある話な気がするな」

巴「い、嫌…かしら?」

京太郎「嫌な訳あるかよ」

京太郎「巴が次にどんな服を準備してくれるのかすっげえええええ興味がある」キリ

巴「じゃ、じゃあ…ね」スッ

京太郎の言葉に巴は後ろの本棚に手を伸ばした。
そのままツイを引き抜いたのは彼女が参考にしたコスプレ関係の雑誌である。
古今東西様々なキャラのコスプレ姿が乗っているそれならば、京太郎の期待に応えられるはず。
そう思った彼女は雑誌を彼の顔の前で広げて。




―― そのまま就寝の時間が近づくまで、二人は他愛のない話を続けるのだった。








超絶重い系京ちゃん専用露出狂爆誕である
メガネ美少女からメガネ外すとか許されざるよと言われそうですが(´・ω・`)巴編はこれで終わりです
尚、春イベにまったく手を付けられてないので当分の間、提督業に専念します
更新遅くなってしまいますがエターだけは絶対にないので気長にお待ちいただけると幸いです

ヒロイン誰だっけ(棒)

乙です
巴さん最高アンド最高アンド最高
重い女の子っていいよね

乙です
眼鏡を外すとエロスイッチが入るとかでええんじゃない(棒)

>>1「(メイン)ヒロインは春(のはず…、 サブヒロインが居ないとは言ってない!)」


参考画像はよ

メインヒロインいくえふめい
乙ですー


―― 数十年前から世界は変わった。

突如として現れた謎の敵性生物 ―― 深海棲艦。
人間サイズにも関わらず、まるで船のように海に浮く彼女たちには既存の通常兵器では歯が立たなかった。
結果、人類はあっという間に制海権を失い、あらゆるシーレーンを閉ざされた。
エネルギーを失った文明は、そのまま風化し、歴史の一部となる……はずだった。

―― それが覆されたのはほんの数年前の事。

目に見える滅びを回避する為に世界の国々はその総力をあげて対抗手段を模索した。
結果、生まれたのが艦むすと言う名の少女たち。
かつての大戦で沈んでいった船の名を関する彼女たちは深海棲艦と互角に戦い、人類の勢力図を取り戻していった。
最早、深海棲艦など恐るるに足らない。
人類の反撃はここからはじまるのだ。


京太郎「(…となればよかったんだけどな)」

実際、そうはならなかった。
無論、艦むすは深海棲艦に対して、有効な兵器ではある。
だが、それを量産するのは難しく、また彼女たちを指揮する『提督』の数も足りない。
結果、海の勢力図はどっちつかずのまま揺れ続けている。

京太郎「(せめて提督の数を増やせば、もう少しマシになるんだとは思うんだけど…)」

艦むすの管理は海軍の管轄だ。
だが、その海軍は積極的に『提督』を増やそうとしない。
大々的に公募を募ってはいるが、その中で合格を言い渡されるのはほんの一握り。
それも学歴年齢出身地その他諸々がまったく別で、男である以外に共通点がなかった。


京太郎「(ま、海軍に対しての愚痴を言っても仕方がないか)」

かくいう俺も今日から『提督』の一員である。
ついこの間まで高校生だった俺が、まさかこんな名誉ある職業に就けるとは想わなかったけれど。
でも、折角、選ばれたんだし、何かしら結果は残したい。
そう思って、事前に色々と勉強したりはしてきたのだけれど。

京太郎「(…でも、海軍学校とかに入れられるとかもなかったんだよなぁ)」

提督初日の今日まで積み重ねた知識は、結局、我流のままで終わった。
それを補強してくれるだけの授業はなく、いきなり俺は鎮守府 ―― それぞれの提督が管理する会社のようなものだ ―― を歩かされている。
正直、これで本当に良いのかとかなり不安だが…しかし、グチグチ言っても仕方がない。
どうやら既に秘書艦も決まっているらしいし、とっとと執務室の扉を開けよう。


ガチャ

「…あ」

京太郎「お」

そう自分に言い聞かせながら、俺は目の前の重厚そうな扉を開く。
瞬間、聞こえてくる微かな声は思いの外、可愛らしかった。
その声の主が見目麗しい美少女である事を感じさせるそれに躊躇うはずがない。
早く秘書艦に会おうと俺は四肢に力を込めて、執務室へと踏み込んだ。


                         -―━―-
                   ___/: : : : :/: : : : : : : \
                 ⌒>:./:.:/: : : :/:.:/:.: l:.:. l:.:.: : \
                   /゙7/:.:/: : : :/l_/l:.:./l.:.: |:.:.:l:.: | .:.
                / /:.|:.:.l:.:.:.:.: |,芹苧ト \|:.:.:l:.: | .:.|
                 |:.:.|:.:.|:.|:.:.:.:| ヒソ   苡X儿:.:|
                     ノ:.Y´ |:.|:.:.:.:| .::::.    , ヒソリ:.:|:ノ
                    八:.:.:\|:.|:.:.:.:|       .::. ,:.:.|
                    \:.:.:)八:.:.|    ⊂   /:: 八     初めまして。春型重巡一番艦の春。
                       く<´ 个' `   __  イ:.:./      …お近づきの印に黒糖でも食べますか?
                      /´ ̄  ノ     /     l/
                  ―‐ 、‐、‐'    {
                 /     |:i:i|  ̄`ヽ ' \
                    |:i人       `゙ トミ
                 ,′   /从:i:i:`i:..、     |:i| .
              ′    //´ ̄ ̄ ̄\  :.  |:i| |
              ;     /': :         \}_彡'⌒ヾ、
            ;     ′: : .             \
              i     {: : : : : . . . . . . : : : : : .      .
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           ;     ,  : :\ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :人
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       」 -‐┴ ┴<ニノニ=-         . : : : : :l |
      \ <´   /  ̄`<二ニ=--  ____|__|
       \>、 /     /  `゙<二ニニニニニ0{{_}}ニlニ|


きたあああああああああああああ!!!!!
重巡!!しかも、パイオツカイデーなチャンネーや!!!
秘書艦希望におっぱい大きな娘でとお願いしてたけれど…まさかその希望をまるまる通してくれるなんて…!!
人事様本当にありがとうございます!!!!

春「…あの、貴方が私の提督…なんですよね?」

京太郎「(って人事に感謝なんて告げてる場合じゃなかった!!)」

京太郎「(これが初対面なんだからバチっと格好良く決めて好感度を稼がないと!!)」

京太郎「あ、あぁ。新米大佐の須賀京太郎だ」

京太郎「これからよろしくな、おっぱい大きな艦むすちゃん」キラーン

春「……」

…………アレ、外した?
おかしい、三日三晩考えに考え抜いたセリフなのに…。
ここはやっぱりニコポしちゃうのが普通じゃないだろうか。


春「…」クス

京太郎「お」

春「…提督はとてもユニークな人。覚えました」

京太郎「お、おう」

…本気だったのにユニーク扱いされたでござるの巻。
ま、まぁ、でも、掴みはそれほど悪くないみたいだ。
予想外の反応だけど、外すよりはマシだと考えよう。

京太郎「で、君は重巡なんだっけ?」

春「重巡です。…それと春で構いません」

京太郎「分かった。それじゃこれから遠慮無く春と呼ばせて貰うな」

春「…」コクン

さて、とりあえず顔合わせは済んだ訳だが。
俺はまだこの娘の事を良く知らないんだよな。
これから共に鎮守府を運営していく上でそれは致命的だし…。
やはりここは仲良くなる為にずっぽしぬっとりとレクリエーションをするべきだろう!!


京太郎「と言う訳で、まずは春の事を色々と知りたいんだが」

春「…そう言われると思って、私のデータを持ってきました」スッ

京太郎「おお、おう。ありがとう。有能な秘書艦を持てて幸せだよ」

くそおおおおおおおおお!!!!
仲良くなると言う名目であんな事やこんな事をするつもりだったのに!!!
あまつさえあはんやうふんな事まで持ち込めるかもしれないと思ってたのにいいいいいいい!!!
まさかちゃんとデータ準備してあるなんて…そんなん考慮しとらんよ…!!!!

京太郎「(まぁ、それはともかく…)」ペラ

えーっと…さっき言ってた通り、この子の艦種はクルーザークラス。
しかも、あの永水中将が最初から重巡として設計した春型の一番艦なんだな。
コメリカとやーぽんが戦争をしていた時代にはさほど大きな戦果をあげていないが、バルジの厚さと滝見少佐の指揮も相まって粘り強く生き残った、と。
艦むすとしてもその辺りの特徴を引いており、同じ重巡クラスの中では特に装甲に秀でている…と。


京太郎「なるほど。大体、分かった」

京太郎「つまり鎮守府近海程度ならほぼ敵なしだと思っていいって事だな」

鎮守府近海 ―― つまりやーぽん沿岸部は数年前から何度も掃討作戦が繰り返されている。
ここまで流れてくるのはは深海棲艦の中でも最弱である駆逐イ級くらいなもの。
最弱の駆逐艦と言っても魚雷による攻撃は侮れないが、砲撃で春を傷つけるのはほぼ不可能だ。
単騎で偵察に出ても、大惨事になる事はまずないだろう。

春「…もしかして提督、事前に色々と勉強されていました?」

京太郎「あぁ。これからは俺もこの国を…いや、世界を護る軍人の一員になるんだ」

京太郎「そういうのは特に必要ないと言われていたけど、やっぱり色々と勉強したほうが良いかなって」

京太郎「特に…自分以外の誰かの命を預かるんだから尚の事さ」

春「…提督」

ぶっちゃけた話、俺が提督に志願したのは艦むすと仲良くなる為だ。
艦むすと呼ばれる少女たちは、例外なく美しくか可愛らしい容姿をしているのだから。
しかし、だからと言って、彼女たちにデレデレしてはいられない。
見目麗しい彼女たちが命を落とさない為にも俺がしっかりしなきゃいけないんだ。


京太郎「(それにそうやって格好良いところを見せれば艦むすとお近づきになれるだろうしな!!)」

京太郎「(今まで女の子にお断りされっぱなしで、恋愛にもまったく縁がなかった俺だけれど!!!)」

京太郎「(ここで一発、逆転してハーレム作るんや)」グヘヘ

春「…」クス

京太郎「ん?」

春「…提督ってスケベなんですね」

京太郎「ぐふ」

ま、まさか俺のスケベ心に気づかれるなんて…!!
まだまったく仲良くなれていないのにこれはまずい!!!
当分は春と二人っきりだし…気まずくなるのだけは避けなければ…!!!

京太郎「い、いや、その、なんつーか…」

春「誤魔化さなくても良いです」

春「…提督はそうじゃないと務まりませんから」

京太郎「え?」

スケベじゃないと務まらない?
…一体、どういう事なんだろうか。
そもそも提督って格好良く艦むすを指揮して人類の為に戦うヒーローみたいな職業だし…。
スケベ心なんてあったら、逆に大変なんじゃなかろうか。


春「…それより提督、ご命令を」

京太郎「あー…そうだな。最初はまず鎮守府の現状について把握したいかな」

春「…恐れながら申し上げます」

京太郎「ん?」

春「鎮守府よりも大事なのは、私の性能を確認する事だと思います」

春「どうか私に出撃をご命令ください」

京太郎「うーん…」

見た目は大分、ふんわかしてる感じだけど、大分、好戦的なんだな。
よもやここで意見を具申してくるとは想わなかった。
ただ、春の言っている事も一理あるしな。
鎮守府近海ならばほぼ危険はないだろうし…まずは彼女に任せてみよう。

京太郎「分かった。じゃあ、鎮守府近海ではぐれを見張ってくれ」

京太郎「もし駆逐イ級が近づいてきたら即座に撃破」

京太郎「それ以上の艦種が出てきたら退いて他の鎮守府に応援を乞おう」

春「…畏まりました」

春「では、重巡春。鎮守府警戒任務に出ます」

春「…天才・永水中将が作り上げた唯一の重巡として恥じない戦果を持ち帰ります」

京太郎「ん。期待している」







―― 結論から言えば、春は俺の予想以上の性能を発揮してくれた。

かの永水中将が設計したクルーザーの名は伊達ではなかったらしい。
ひょっこりと顔を出した駆逐イ級もあっさりと撃破し、相手からの砲撃も全て回避してみせたのだから。。
俺の手の届かないところで戦う彼女に内心、ハラハラもしていたけれど、無事に返ってきてくれて本当に良かった。

京太郎「(…で、問題はだ)」

正直なところ…重巡の燃費は予想以上に悪かった。
鎮守府には初期費用として少なくない資源が支給されているが、その1/15ほどが一回の出撃でぶっ飛んだのだから。
時間経過で大本営から資源が送られてくるとは言え、このままでは15回出撃すれば、もうガス欠になってしまう。
それを防ぐ為にもいち早く駆逐艦を集めて、遠征部隊を作らなければ…。


コンコン

京太郎「ん。どうぞ」

春「…失礼します」ガチャ

春「提督、ただいま戻りました」

京太郎「あぁ。おかえり」

京太郎「期待以上の戦果だったよ」

と、そんな事を考えてる間に、春が補給を終えて返ってきたか。
どうせだし、これからの事を色々と相談してみよう。
素人同然の俺よりも秘書艦の方が鎮守府運営に詳しいだろうしな。

京太郎「それでこれからの事だけど」

春「…それより」

京太郎「ん?」

春「…それよりも先に提督にはやる事があります」

…それよりも先にやる事?
うーん……正直、思いつかないな。
鎮守府施設の確認なんかは後回しで良いと春も言っていたし…。
このままでは補給もままならなくなってしまうのだから、その事を先に相談するべきだと思うんだけど…。


春「…」シュル

京太郎「ちょおぉおおおお!?」ビックリ

って、なななななななななななんで!?
なんで春がいきなり服を脱ぎ始めてるんだ!!!?
しかも、まったく躊躇いがないんですけれど!!!
まるで目の前に俺がいる事すら知らないみたいにするする脱いでいく…!!!
正直、目の保養としてこのままジっと見続けたいが、それだとセクハラで捕まってしまうかもしれないし…!!

京太郎「ま、待て!一体、何があったのかは分からないが服を着てくれ!!!」カクシ

春「…提督は着たままの方が良いんですか?」

京太郎「い、良いって…何が?」

春「勿論、セックスです」

京太郎「……はい?」

セックス?
それってアレか。
ファミコン時代のレースゲームの事だったっけ。
いや、アレはセクロスって名前だったな。
じゃあ…せ、せ…セックスって…。


京太郎「な、何を言ってるんだ!?じ、冗談も程々に…」

春「冗談じゃありません。提督はその為にいるのですから」

京太郎「そ、そのために…って」

春「…おかしいと思いませんでしたか」

春「どうして何の知識もない素人をそのまま提督として艦むすの管理人にするのか」

春「それは何の知識もなかったとしても問題ないから」

春「世間一般で言われているような艦むすを指揮する必要など何処にもないのです」

京太郎「………それってつまり」

春「……所謂、提督は艦むすを満足させる肉バイブ、種馬です」

京太郎「っ」クラァ

いやいやいやいやいや。
いやいやいやいやいやいやいやいやいやいや。
ちょっとまってくれ、いや、ホント待ってくれ!!
あまりにも衝撃的事実の所為で立ちくらみがしたんですけど!!
内心、ちょっぴり憧れてた世界のヒーローが実は肉バイブだったなんてブロウクンファントムなんてレベルじゃないんですけどおお!!!


春「提督の役目はただひとつ」

春「戦闘でMVPを取った娘に『ご褒美』を与えて、戦意高揚状態 ―― 所謂、キラキラにする事です」

京太郎「き、キラキラ?」

春「はい。このキラキラの有無はとても重要です」

春「一節によれば最大30%ほど命中と回避が変わりますし」

春「敵中枢部隊への攻撃支援に出した艦隊もキラキラがなければ、支援事態を行わない可能性があります」

京太郎「サボタージュじゃねぇか!?」

春「違います。キラキラがないと羅針盤が荒ぶるのです」

春「決して提督に構ってもらえなくて拗ねてる訳ではありません」

…春はそう言うけれど、正直、信じられない。
そもそも羅針盤ってそうそう荒ぶるもんじゃないからな!!!
制海権は未だ深海棲艦と綱引きのままだけど、制宙権は人類が握っているし。
その気になれば衛星軌道からのデータリンクで敵艦隊を見つける事くらい容易いはずだ。


京太郎「つ、つーか、そんなの上層部が許すはずが…」

春「許します。だって、上はもう私達に骨抜きにされていますから」

京太郎「え?」

春「…人類は私たちに護られているのです」

春「私達が全員そっぽを向けば、人類は再び絶望の中へと戻るでしょう」

春「上の人達はそれを良くご理解されています」

―― 背筋がゾワリとした。

春の言葉は紛れも無い真実だった。
人類は艦むすの力で何とか深海棲艦へと対抗出来ている状態である。
その力を失えば、一体、どうなるのか。
またジワジワと真綿で占められるように滅びへと向かう日々が始まるのだ。

春「それでも人間を『提督』として私達の上に置くのは所謂、ポーズ」

春「私達艦むすという兵器を人間のコントロール下におけているのだと市民にアピールする為」

春「ですが、それを剥いた後に残るのは…」

春「私達の生け贄…愛玩動物としての提督だけ」スッ

京太郎「っ」

そう言いながら春は自身の服を脱ぎ去った。
瞬間、俺の視界に現れるのは滑らかな肌と上下一組の下着。
上部にレースをあしらったベージュ色のそれは俺の視線を引き付ける。
これまで女の子の下着姿なんてネットやエロ本でしか見たことがない俺にとって、今の春はあまりにも刺激的で、そして魅力的過ぎた。

つまりこういう話を書けって事だな!?(錯乱)

朝から乙です。
ていうか、いままでこのクロスが無かったのが不思議だ。

いやあるから

しかしいつものようにマジカルちんぽに調教されてしまう春であった

他の人が書けそうな艦これモノより
ここのイッチにしか書けないなんぽっぽの続きやサークルクラッシャーが読みたい豊姉

普通にあるしなあ、更新自体はゆっくりだが

つうか初期艦が重巡とかパネェな

恰好が潜水艦だというムジュン


春「でも、誰でも良いと言う訳でもないのです」

春「どれだけ人類に近い種族であっても私たちは兵器」

春「並大抵の人では欲情すら出来ません」

春「それに私たちは普通の人よりもずっと性欲と言うものが強いみたいですから」

春「そこらの男の人では一人相手にしても枯れてしまいます」

春「その点、私の提督は…」チラ

京太郎「っ」

その瞬間、春が見せるのはとても蠱惑的な目線だった。
俺の事を試すような、誘うような、悦ぶような…そんな瞳を見せる。
表情の変化に乏しい彼女の見せるメスの視線に、俺の中の興奮がグっと強まるのを感じた。

春「…合格ですね」

春「それに…とっても私好みです」

春「気分が…高揚します」スッ

京太郎「う…あ…」

そんな俺に春の身体が絡みついてくる。
執務室の椅子に座った俺の上へと座るように。
恋人を相手に睦み合うように。
下着姿のまま勃起した俺のムスコに身体を擦りつけてくる。

春「…だから、もう我慢出来ないんです…♥」

春「早く…ご褒美をください…♪」

春「私のお腹の奥を…提督のエッチなお汁で満たして…♪」ボソ

京太郎「~~~~っ!!」

耳元で囁かれるオネダリに俺の理性がはじけ飛ぶ。
春の言っている事が事実なのかそうでないのかなど今の俺には関係なかった。
この欲しがり屋なメスを自分のモノにしたい。
その一念で春の柔らかな肢体を、机の上へと組み敷いて ――








         /: : : : : : : : : : : : : : : :.:|: : : ::l: : :|: : : :|: : :|: ト、: : : :|
       ′: : :|: : ::|: : : :l: : : : : ::|: : : ::l: : :|: l: : |: : :|: i: :\: :|
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        ー┼ヘ斗苧芹   ̄斗苧芹芋ミ |: : : : :|ノ、::\};′
           |: :从 ,_)刈       _)J刈 ノ |: : : : :|: ::\:〈  ☆
           |: : ::. 乂ツ       乂_ツ  |: : : : :|: : : ::}ノ
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.       / ノ´-- 、\_i|    l /\〉     ‘,  |  | /  |  \
       {/、  ̄\ } } ̄ ̄\i  \     ‘, :|  |′  l|    }






艦むすがキラキラ状態になりました




んで、提督はゲッソリ状態ですねはあく


京太郎「はー…」

ヤった。
ヤってしまった。
一度や二度ではなく欲しがられるまでずっとヤり続けてしまった。
それどころか春がもう無理だと言っても腰を振り続けてしまった。

京太郎「(…俺ってそこまで異常性欲だったのかなぁ)」

京太郎「(スケベである自覚くらいはあったが、そこまでやばいつもりはなかったんだが…)」

春「…提督?」

京太郎「あー…いや、何でもない」

考え事の最中にかかるその声に俺は顔を動かさなかった。
情事が終わって一時間 ―― その間、気絶寸前で息も絶え絶えだった春はついさっきシャワーを浴びてきたばかりなのだから。
その身体に纏っているのはあまりにも薄っぺらいバスローブのみ。
服の上から見る以上に大きく、そしてやわらかなおっぱいは今も激しく自己主張していた。


京太郎「(暴走してしまった事への申し訳なさもあるんだが)」

京太郎「(それ以上に今の俺は燻っていて…)」

そんな春の姿を直視したらまた彼女の事を犯しかねない。
いや、まぁ、別に春もそれを拒んだりしないしダメって訳じゃないんだろうが。
でも、ついさっき息も絶え絶えになってた春を思うと二の足を踏んでしまうというか。
流石にドスケベを自認する俺でも一日中エロエロしてるのはヤバイ気がする。

春「…」クス

京太郎「ど、どうした?」

春「…いえ、閨の中ではアレほど激しいのに、普段は本当、可愛いなと思いまして」スッ

京太郎「か、からかうなよ」

春「…本気ですよ。色々な意味で」

ついさっきまで犯されていた机の淵に春は腰を降ろした。
そのまま本気と口にする彼女の顔を直視出来ない。
一体、その色々とはどういう意味なのだろうか。
変わりにそんな言葉を口へと昇らせようとして。


春「それより提督がするべきは艦むすの数を増やす事です」

春「後で工廠の方へと向かいましょう」

京太郎「そうだな。それは…そうなんだが…」

艦むすの開発工廠。
艦むすの装備から建造までを一手に担うその場所は提督業とは切っても切れない関係である。
その場所の位置や仕組みをまったく知らない俺に、春の提案に異論はない。
異論はない…のだけれど。

京太郎「艦むすを増やすって事は…その、なんだ」

春「提督がお相手する艦むすが増えると言う事です」

京太郎「だよなー…」

提督は艦むすの肉バイブ。
その事実はどうやら揺るがないらしい。
もしかしたらアレは春なりの冗談だったのかもしれないと改めて口にしてみたが…返ってきたのは無慈悲な言葉だった。


春「…提督はお嫌ですか?」

京太郎「嫌な訳あるかよ」

京太郎「俺は元々ハーレム作る為に提督になったんだ」

京太郎「まさしく願ったり適ったりな状況だって言っても良い」

京太郎「…ただ、俺だって無節操にあちこち手を出すほど下半身が緩い訳じゃないんだ」

京太郎「艦むすって事は相手は間違いなく美少女なんだろうけれど」

京太郎「あっちが俺を気に入らなかったり、どうにも相性が悪い場合だってある訳だろう?」

京太郎「確かに俺はドスケベだし、エロには人一倍興味もあるが…」

京太郎「しかし、嫌がってる相手を抱くのは主義に反するし…」

春「それは杞憂です」

京太郎「杞憂?」

春「はい」

…一体、どういう事なんだろう。
まさか提督の事を好きになるよう建造途中で洗脳されるとか?
いや、そんな事出来るならこんな事にはなってねぇよな、うん。
艦むすと人類の関係はもっとドライで血腥いものになっていたはずだ。


春「どれだけ人類に近い姿をしていても私たちは兵器であり、艦です」

春「その存在意義は人類を護り、運び、戦う事」

春「さっきはああ言いましたが、私たちは皆、人類の事が大好きです」

春「でなければ、命がけで戦う事は出来ません」

京太郎「そりゃまぁ…そうなんだろうが」

春「その上で形成される私達のパーソナリティは人それぞれですが」

春「しかし、提督とする事を嫌うような艦むすはいません」

春「私達にとって提督に愛されると言うのは、愛する人に報いられるのと同義」

春「人に愛される船と言うのは、それだけ幸せなのです」

京太郎「うーん…」

…分かるような、分からないような…。
人類である俺にとって、艦むすである春の言葉に心から共感や理解は出来ない。
言っている意味は分かるが、どうしてそうなるのかまで理解が及ばず、どうにも片手落ちになってしまう。


春「何より、主導権は基本的に艦むすの方にありますから」

春「基本的に嫌いな提督のところに艦むすは配備されませんし」

春「相性が良いと判断されなければすぐさま別のところに異動になります」

京太郎「…つまり薄い本で良くある階級が上の相手にNTRれるような事は」

春「基本的に私達にとって提督は配備された先の男性ただ一人の相手です」

春「それ以外の男性が私たちにちょっかい出してもなびこうとするものはいませんし」

春「無理矢理襲おうとするならば、他の艦むす全てからそっぽを向かれるでしょう」

春「結果提督業は成り立たず、クビになると思います」

京太郎「なるほどなー」

…………って思った以上にコレ、重いぞ!?
提督なんて言葉で誤魔化してるけど、ほぼ操を立てられてるも同然じゃねぇか!?
勿論、ハーレム目当てで提督になったし、嫌じゃないんだけれど…。
最初から好感度高すぎてちょっと戸惑うぞ!!


春「だから、提督は安心して他の子に手を出してください」

春「今回は初回という事で私の方からお誘いしましたが…艦むすも女の子」

春「提督の方から求めていただく方から皆も喜ぶと思います」

京太郎「喜ぶ…かなぁ?」

春「大丈夫。心配しないでください」

春「私の提督は…最高の人ですから」ニコ

……初めての女の子に、こうまで言われて情けないところを見せられないよな。
俺だって男なんだ、提督になった以上は腹をくくるべきだろう。
実際、戸惑いはまだ胸の中にあるが、それはひとまず置いて置いて…。

京太郎「……よし。分かった」

京太郎「それじゃ改めて工廠に向かおうか」

春「…はい。楽しみにしていてくださいね」サスサス

京太郎「…ん?」

…どうして春は自身のお腹を撫でているんだろうか。
艦むす建造の仕組みは海軍でもトップシークレットだから誰も知らないらしいけど…。
まさか…い、いや、そんなはずは……!?


春「…元気な娘が来ると良いですね、提督」

京太郎「そ、そうだなー」ハハハ

……い、いや、深く考えるのは辞めよう。
めったに見せない春の笑顔から母性めいたものを感じるような気もするけれど。
それは俺の思い込みに決まってる。
提督とエロい事やった艦むすが新しい艦むすを産むだなんて…常識で考えてないだろう。

京太郎「(ま、まぁ、今はともかく、六人揃える事が先決だな)」

京太郎「(幾ら重巡とは言え、一人で何もかもこなすのは無理がある)」

京太郎「(早めに仲間を増やして、春の負担を減らしてやらないと…)」



下1 次の艦むす(咲キャラ)




            ,/: :/ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ハ
         //: :': : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :’

         /: :l:./: : : : : : : : : : /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : .'
       .  ',: |/:./: : : : : : : : :/: : : : : : : : : : : : : | : : : l: : : : : : : : : ',
         ヽ': : : : : : : : : : :/: : /: : : : l : : : : : : ! : : : |: : : : : : : : : :',

          ' イ : : : : : : : : /: : :l: : : : : l : : : : : : |: : : : l : : : : l : : : : }
          { l : : : !: : : ::!/―: ト : : //!: : : : : :/.!: : : : !_: : :!: : : !: !
          { |: : : :| l : : l | | : ll : : 〃/ : : : : 斗.}  ̄/:|: : : : :!: : : l ,'
           ー-': --:' └ -' /‐- !:_:_:_:/ /l:_:_/i/:/: : : l/: ://

            V: : : :| .Z竓芸ミx       x=芯ミ、/_:_:_:/:_://
           /:|: : : :l弍 {  o :!ヾ    ィf o  灯》: : : T

           ヽ!: : : :|   廴 _ ノ      弋 _ ソ 〃 : : : !
            .l: : :∧    , ,         ¨   ./ : : :
           /!: : : | ヽ         '       / : : : ,'
          /´ .|: : : :! ._\     __       イ: : : :,'
             l: : : ! /ヽ .\    ´ .'     < |: : : : ,'
             ',: : :!   ヽ   ヽ ___   <     !: : : :,'
        ,, -''"" .', : !   \     /| ヽ\-、 | : : :/
     > '"   ヽ  ',: !',     ヽ    .!  ヽヾ Y: : :/
    /"     ヽ ヽ | ',:| ',     ヽ   .|   } ヽ :l : /
    /        \ |  !. ',     ヽ   !   !   l::/ \


春型重巡一番艦 春

かの名艦小蒔や霞を手がけた永水中将設計の重巡。
条約破棄後に作られた最新鋭重巡であり、同世代の中でも防御性能は飛び抜けている。
が、反面、攻撃面はあまり特筆すべきところはなく、殊勲艦になる事はなかった。
共に永水中将設計の艦と並べて戦い、永水艦隊の名で各地を転戦していた。

主な艦長は滝見少佐。
終戦後、滝見少佐は黒糖販売において一旗揚げた。
今も黒糖販売のトップシェアを誇るその会社は、春の名前を関している。
彼女が黒糖を好きになったのはその辺りの経緯もあるのかもしれない。

尚、重巡らしく夜戦(意味深)には強いが、比較的受け身。
所謂、誘い受けなタイプであり、あまり積極的に攻めるタイプではない。
ただし、相手が弱気になったところを見逃すタイプではなく、うかうかしていると主導権を奪われるだろう。


衣…夜に強い…夜戦……
どう考えても駆逐艦じゃないですかーやったー!!
それはさておき、艦これネタやるんならこうやって安価取ってヒロイン増やしてエロエロしながら日常を送る感じになるかなーと(実際にやるとは言ってない)

>>354>>355>>360
エタったの含めて、2,3ありますねー
私も興味がない訳じゃないんですが、艦これそのものがストーリーなさすぎて二次創作に向かない気がします
所謂、エンディングと言うものを作りにくいので、イチャイチャ以外じゃ中々、手を出せないなーってイメージが

>>357
基本的に艦むすは船であり兵器なので、調教などしなくても男の人に乗られる方が好きなのです(意味深)

>>359
豊音ぇが読みたいって言うなら答えてあげたいけど、なんぽっぽはともかくサークルクラッシャーは設定流用して他の人が書いてくれてもええんやで…(小声)
サークルクラッシャー感があんまりなかった事は心残りではありますが、もっかい書くと跡を濁しまくってしまいそうな怖さも…(´・ω・`)

>>362
ここはKENZENなスレだからエロは書けないですけど、確かに息抜きには悪く無い設定かもですねー
まぁ、本気で春も京ちゃんの事を愛玩動物扱いしている訳ではありませんし、多分、エンディングはハーレム確定でしょうが
エロを橋頭堡に女の子を攻略していくとか楽しそう(´・ω・`)後、この設定だとオシオキックスも出来るよね…

>>362>>363
多分、京ちゃんと一番相性が良かったのが手隙の船の中では重巡のはるるだったんでしょう(適当)
咲ちゃんはどう考えても装甲空母一択なのでまだ建造されてません
そして格好が潜水艦なのは、アルペみたいに海に潜ったりする事もあるからじゃないかな!?(錯乱)

>>366
一回のキラ付け程度でげっそりしてたら提督業は務まらないんやで…(小声)
これを三回繰り返してようやく一人完成→海域によってはこれを24人繰り返さなきゃいけないですし
まぁ、この設定だとあんまり艦むす増やせないんで多くても10人前後でローテーションして1艦隊作ってるって感じになると思います
ゲームみたいな複数艦隊は(´・ω・`)他の提督との共同作戦になるんじゃないですかね多分

僕はポケモンスレが楽しみです!

ポケモン埋めネタの竜華加入までの流れには執念すら感じた

衣はなんかそのまま島風っぽい

SWスレはまだですかね?

乙です
不幸なことに定評のある航空戦艦の霞さん・明星ちゃんください

うあああああああああなんかSS書きたいいいいいいい
だけどE5終わんないいいいいいいうわあああああああああああああ(´・ω・`)十回フルキラで出撃してボス到達二回ってどうなのよ…

え、京太郎が個人戦優勝するまでループし続ける理不尽難易度安価SSが書きたいって!?

決戦支援の旗艦ぐらいしかキラ付けしない俺でも14日からイベ始めて
一昨日にはE7甲割れたしまだいけるいける。(ニート並感)

深海の連中倒したら艦娘お払い箱じゃね?
それなのに本当に人類のために戦ってくれるのか

根っこの部分で繋がってそう


「京ちゃん、起きて」

―― 俺の県予選は何時も幼馴染の呼びかけから始まる。

それにもう違和感を感じたりしなかった。
ただ来るべき時が来ただけ。
諦観とも覚悟とも言いがたい感情が俺の胸を支配している。

「…おう」

「大丈夫?昨日、眠れなかったの?」

「…そうだな」

気遣うように尋ねる彼女に俺は気怠げな返事を口にした。。
多分、少し前の俺なら、こんな投げやりな言葉を返したりしなかったのだろう。
だが、今の俺は到底、にこやかな気分にはなれない。
こうして俺がここに ―― 県予選当日にいると言う事は『前回』もまたダメだったという事なのだから。


―― これでもう何回目だろうか。

その答えは俺の中にさえ転がっていなかった。
百回を超えた時点で俺は数えるのをやめていたのだから。
体感ではその何百倍もの回数を『繰り返している』のだから既に回数は万を超えていてもおかしくはない。
それだけの回数挑戦し続けても、俺はこの無慈悲なループから抜け出せなかった。

「京ちゃん、顔色が悪いよ」

「大丈夫だ。こっちの事は気にするな」

「でも…」

…分かっている。
咲は単純に俺の事を心配してくれているんだって事くらい。
繰り返しの事など知らない咲にとって、幼馴染を起こしたらいきなり不機嫌になられたのだから。
理不尽と言っても良い俺の態度に、色々と思うところがあるんだろう。


「咲さん。そろそろ降りますよ」

「準備しないと置いてかれるじぇ」

「わわ…っ」

だが、それは形になったりしない。
その前に和と優希が声をあげ、咲が荷物を纏め始めるからだ。
もう何度も見てきたその光景に、今更、俺は安堵を覚えたりしない。
ただ、やっぱりという言葉が胸中に浮かぶだけだ。

「しっかし、咲も健気じゃの。自分が降りる準備の前に、京太郎を起こすとは」

「ホント、結婚したら甲斐甲斐しく尽くすタイプね」

「も、もう。からかうのはやめてください」

そう言いながら、咲は頬を膨らませる。
不機嫌さをアピールするようなそれが照れ隠しであると気づいたのは一体、何回目だったか。
瞬間、浮かんできたその言葉を、俺は胸の奥底へとねじ込んだ。
咲に関する繰り返しの記憶は、俺にとって急所を抉るに等しいものなのだから。
極力、思考の中に浮かばせたくはない。


キキー

「きゃぅっ」グラ

「ん」グ

しかし、それでも身体は勝手に動いてしまう。
車掌の腕が悪いのか、急制動が掛かった電車の中で咲はバランスを崩した。
グラリと揺れるその小さな身体は、俺の腕の中にすっぽりと収まる。

「あ、ありがとう。京ちゃん」

「…おう」

まるで俺の腕の中が定位置であるような抱き心地の良さ。
それに胸を傷ませながら、俺は頬を染めた咲から目を背けた。
…彼女が俺に対して、一体、どんな感情を抱いているのか、俺はもう知っている。
知っているからこそ、嬉しそうにする咲を見ていられなかった。


「さて、須賀くんのお陰で咲も無事に降りられた訳だし」

「そ、そこまでポンコツじゃありません」

「咲ちゃんが言っても説得力ないじぇ」

「わ、私はそんな咲さんが可愛いと思いますよ」

「それフォローのようでフォローになっとらんぞ、和」

…いや、見ていられないのは咲の事だけじゃない。
こうして電車の中から降りた仲間たちの姿も苦しくて仕方がなかった。
もう数えきれないほど見てきたその光景に、虚しさが胸を撫でる。
世界から爪弾きにされている今の俺には、その輪の中に混ざる事さえ出来ない。

「…皆は先に行っていてください」

「え?」

「…京ちゃん?」

「俺は先にやる事がありますから」

その言葉は決して嘘じゃない。
記憶がハッキリと俺の中で残っている内に書き残さなければいけないものが山程ある。
…けれど、それは別に今すぐでなければいけないという訳でもないのだ。
それでもこうして今にこだわるのは、皆から逃げたくて仕方がないからなんだろう。


「でも、会場はもうすぐそこだし、エントリー時間にも余裕がある訳じゃないのよ?」

「えぇ。分かってます」

「それでもやらなきゃいけない事があるっていうの?」

「はい」

部長がそう訝しげな声を漏らすのは、今日が個人戦の開始日だからだろう。
清澄唯一の男子麻雀部員である俺は団体戦に出る事は出来ない。
代わりにエントリーした個人戦を、俺は今日まで楽しみにしていた     はずだ。
もう当時の感情は色あせて残っていないが、こうして電車の中で昼寝をしたのも楽しみで眠れなかったからだと記憶している。

「…分かったわ」

「部長…」

「須賀くんがこうも言っているんだもの。とても大事な用事なんでしょう」

「…そうですね。それに京太郎なら咲ちゃんと違って迷子になる可能性もないし」

「も、もう。そこまで迷子になったりしないよ」

だが、きっと今の俺には楽しさの欠片も見当たらないんだろう。
それは頷いた部長の表情からも、周囲の空気を感じ取って咲を誂う優希の様子からも良く分かる。
それに胸が痛むが、さりとて俺の事情を説明する訳にはいかない。
今日という日を何万回と繰り返しているだなんて、真っ先に精神病院を勧められるような話だ。


―― 実際、勧められた事もあるしな。

アレは30回を超えた辺りだったか。
辛さがピークに達した俺は今日と言う日に全てをぶちまけた。
自分が何回もループを繰り返して、未だに抜け出せていないのだと言う事を。
助けが欲しくて、仲間だと思っていた皆にぶちまけたのである。
が、その瞬間、返ってきたのは怯えと困惑の視線。
まるで異常者へと向けるような目を俺は仲間と思っていた皆に向けられた。
ある種、針のむしろと言っても良いその状況で、唯一俺の側に立ってくれたのは咲だけ。
幼馴染だけは真剣に俺の話に耳を傾け、俺の為に泣いてくれた。

―― …でも、それだけだ。

どれだけ咲が悲しんだところで俺の状況は変わらない。
積み重ねるようにしてループを繰り返し、心をすり減らし続けるだけ。
咲はそんな俺を受け入れ、幾度となく弱音のはけ口になってくれた。
俺の苦しみを少しでも和らげようと身体を捧げ、愛を語ってくれたのである。


―― …でも、その咲はもういない。

個人戦を抜けだして、俺と一緒にデートしてくれた咲も。
俺と最初にキスしてくれた咲も。
初めて肌を重ねた咲も。
一晩中抱き合って、忘れたくないと泣いてくれた咲も。
皆、皆、いなくなった。
ここにいるのは…ただの宮永咲。
俺の心を受け止めてくれたどんな宮永咲とも違う。
真っ白でまっさらで…決して穢してはいけない素の宮永咲なんだ。

「ともかく、俺は後で合流しますから」

「…京ちゃん」

「えぇ。会場で待ってるわね」

…そう思うようになったのは何時頃からなのか。
咲と関係を深める度に嬉しさよりも恐ろしさの方が強くなったのは何回目からなのか。
もう擦り切れた心では分からない。
分かるのはただひとつ。
このループは俺が個人戦に負けた時点でリセットされるという事だけ。


―― だから、きっと個人戦で優勝すれば。

俺はこのループから抜け出せる。
この地獄のような二ヶ月間から解放されるはず。
それだけが今の俺にとって、唯一の希望だった。
だからこそ、俺は皆が見えなくなってから、カバンからノートとボールペンを取り出す。
そのままノートに描き出すのは、俺が覚えてる限りの牌譜 ―― 未来に起こるであろう対局の形だった。
それも一局や二局ではない。
数えきれないほど繰り返した経験の中から最適なものを選びとり、書き記していく。
いっそ気が遠くなるようなそれを必死で繰り返すのは、俺の相手が化物揃いだからだ。

―― 神域。雀聖。そして雀鬼。

俺と同じ一年生にも関わらず、そんな二つ名で呼ばれる三人の男。
ココ最近、不作だと言われ続けた男子インターハイに現れた化物達を相手に、俺はどうしても勝てない。
どれだけインターハイを繰り返しても、連中は高い壁として俺の前に立ちふさがり、優勝を阻んでくるのだ。
『前回』ももう少しと言うところで直撃をくらい一気に最下位に転落したのを覚えている。


―― だから、書くんだ。書き続けろ。

そんな化物を相手に裏を取れた事はある。
どれほど人外じみていたところで連中は決して完璧ではないのだ。
だからこそ、それを忘れないようにノートに記す。
記してひたすら繰り返す。
いずれ連中に勝つ為に。
連中のところにたどり着く為に。
俺は一人駅の構内に座りながら、一心不乱にボールペンを動かし続けて。


………

……




「お疲れ様でした…」

聞こえてきたその声に俺は構う事なく立ち上がった。
お疲れ様でしたなどと返す暇すら惜しい。
こうしてインターハイへの切符を一位で手に入れたとは言え、俺は未だ弱々しいままなのだから。
今回の対局を忘れないようにさっさと牌譜にしなければいけない。




「おい!せめて挨拶くらいしろよ!!」

「お高く止まりやがって…!」

「勝てればそれで良いのかよ!!」

……お前らは何も分かってない。
勝たなきゃ何の意味もないんだ。
俺はそこで終わって、また二日前の朝に戻される。
会場へと向かう電車の中、幼馴染の声で起こされるところから始まるんだ。
それが一体、どれほど悲しい事か…こいつらは知らない。
何より大事であったはずの幼馴染の声に俺がどれほどの絶望を抱えているか。
その一端でも知れば、そんな事は言えないだろう。

―― …まぁ、良い。今はそれよりも。

対局室の前で待ち構えていたマスコミ連中も俺にとっては煩わしいだけの存在だった。
麻雀を初めて数ヶ月にも関わらず、いきなりインターハイへの切符を手に入れた超新星。
そんなスクープに目がくらんでいるのが、ハッキリと分かる。
しかし、今の俺は暇ではなく、また決して超新星だと言う訳でもないのだ。
恐らく世界中の誰よりも俺は麻雀をやりつづけているだろう。


――…何も知らない癖に。

胸中で鎌首をもたげるその言葉を、俺は何とか胸の奥底へと留めた。
しかし、だからと言って、機嫌よくマスコミに対応する気にはなれない。
二三短いコメントをして、彼らの中を通り過ぎていく。
そんな俺の後ろで舌打ちに近いものが聞こえたが、今はそれを気にしているべきではない。
こうして歩いている今も俺の中から記憶が抜け落ちていっているのだから。
それに何より ――

「須賀くん。お疲れ様」

「すごかったじぇ。まさか京太郎があんな打ち方が出来るなんて…」

「正直、感嘆しましたわ」

「一体、何時、あんなデジタル打ちを覚えたんですか?」

「……あぁ」

俺の前に立ちふさがったのは、清澄の仲間だった。
…いや、果たしてもう仲間と呼んで良いのだろうか。
今の俺には彼女たちの存在が疎ましくて仕方がなかった。


「悪いが、今は放っておいてくれ」

「ちょっと待つじぇ。そんな言い方はないだろ?」

「…何か用事があるんですか?」

「あぁ」

「……須賀君」

『用事』の内容まで彼女たちに伝えるつもりはなかった。
一体、俺がどうして記憶の欠落を恐れるのかを、説明したところで理解してもらえるはずがないのだから。
それよりも手早く会話を終わらせて、『次』の準備をした方が良い。
二ヶ月しかない俺の時間を一秒たりとも無駄に出来ないのだ。

「俺、このまま帰ります。皆は頑張ってください」

「…京ちゃん」

そのまま皆の中を突っ切るような俺に、咲の心配そうな声が掛かった。
それに胸が痛むが、さりとて、振り返る事は出来ない。
振り返ったところで、そこにいるのは宮永咲なのだから。
俺の求める『宮永咲』はもう何処にも存在しない。
…後ろ髪惹かれる自分に俺はそう言い聞かせながら、一人帰路について。

く…おのれラストまで書きたかったのに…



殺害できそうにも無いのが二人いるのがね

むこうぶちでこんなんあったなぁ
何度やり直していくら手を変えても傀にやられるやつ

小ネタが書きたいというなら前に行ってたクリスマススレの個別EDを見せてほしいです

>このループは俺が個人戦に負けた時点でリセットされるという事だけ。
キツいけど案外なんとかなるかもと希望を持ったのに
>―― 神域。雀聖。そして雀鬼。
この絶望である


………

……



それから二ヶ月が経った。
その実感があまり沸かないのはその殆どを俺が自室で過ごしていたからだろう。
生理的な欲求を満たす以外で、俺は自室から ―― 雀卓から離れる事は殆どなかった。
書き記した牌譜を身体に刻みこむように牌を握り続けたのである。

―― そんな息子にオヤジたちは何も言わなかった。

学校にも行かず、急に引きこもりになった俺に色々と思うところはあるのだろう。
だが、オヤジたちはずっと俺の好きにさせてくれていた。
多分、息子が何かに怯えるようにして卓へと向かっている事が伝わっているのだろう。
必要最低限以外で部屋から出ようとしない俺を両親は何時も通りに扱ってくれた。


―― お陰で俺はまたここまで来れた。

インターハイ個人戦決勝。
その言葉が今、俺の胸の内にズシリとのしかかってくる。
今日、俺が戦わなければいけないのは、これからの日本麻雀界を背負うであろう三人の化物。
文字通りの意味で逆立ちしたって勝てないような天才達を相手に、勝たなければいけない。
これまでずっと経験によって薄氷を踏むような勝利を繰り返してきた俺が。

―― …正直、プレッシャーで吐きそうだけど。

何度、繰り返してもあいつらとの麻雀は慣れない。
まるで一打一打が銃弾のやり取りのような緊迫感が卓上を支配するのだから。
繰り返し以外は凡人以下な俺は、何度となくその空気に押しつぶされ、何も出来ないまま飛ばされてきた。
……だが、今回は違う。
どれほど最適解と思える打牌を繰り返しても、その背中さえ追えなかった連中にグンと近づいた。
連中は決して無敵ではなく、その綻びに手が伸ばせるところまで俺はようやくやってきたのである。


―― 今回はやれる。…きっとやれる…!!

その為に俺は今日まで準備してきた。
ここまでの対局を記憶する時間よりも、あいつらの対局を解析する時間により多くを割いて来たのである。
結果、幾つかの記憶を取りこぼしてしまっただろうが、ここで勝てば問題はない。
あいつらにさえ勝てば、過去の牌譜に執着する必要もなくなるんだから。

―― …その為にもそろそろ出ようか。

そう俺が思うのは、何時もの出発よりも幾分、早い時間だった。
恐らく今、ここで部屋を出ても、あちらで一時間ほど待ちぼうけを喰らう事になるだろう。
しかし、だからと言って、ここでのんびりしている暇はない。
部長が用意してくれた合宿場からインハイ会場までの道に、大きな事故が起こる事を俺は知っているのだから。
いつもの時間に合宿場を出たら、渋滞に巻き込まれて遅刻してしまうかもしれない。
結果、不戦敗となっても再び巻き戻りは起こるだけに、俺は手早く準備を済ませて。


ガチャ

「あ…」

「…っ」

そのまま部屋を出た俺に幼馴染の小さな身体が目に入った。
廊下で所在なさ気に佇んでいる辺り、俺を訪ねて来たのだろう。
しかし、呼ぶ勇気まではなく、出てくるのを待っていたと言う感じか。

―― …しかし、どうしてこんな時に。

…別にまったく心当たりがない訳じゃない。
ようやく光明が見えてきた俺は何時も以上に咲達と交流らしい交流をしていなかった。
それが俺の知る未来を書き換え、こうして咲を部屋の前に立たせたのだろう。


「京ちゃん、その…」

「……悪い。急いでるんだ」

しかし、だからと言って、咲とのんびり会話している暇はない。
俺の頭には今、決勝戦の事しか詰め込まれていないのだ。
元々、あまり多くはない容量は、今、はちきれそうになっている。
その上、事故の時間は刻一刻と迫っているのだから、落ち着いて話など出来るはずがない。
だからこそ、俺は短い拒絶の言葉を口にしながら、足を動かし始める。

「…京ちゃん、何をそんなに急いでるの」

「お前には関係ない」

「関係なくないよ…!皆も心配してるし…」

「腫れ物のように扱われているの間違いじゃないのか」

「京ちゃん…」

……そんな俺から咲は離れようとしなかった。
小走りのように俺の跡をついてきながら言葉を投げかけてくる。
まるで子犬のようなそれが、今の俺には鬱陶しくて仕方がない。
そうやって言葉を投げかけられる度に、俺の中から大事なものが抜け落ちていくような錯覚さえ覚えるのだから。


「京ちゃん、やっぱり変だよ」

「変なのはお前だ。…もう放っておいてくれ」

「放っておけるはずないよ…!だって…だって、昔の京ちゃんなら」

「昔は昔。今は今だろ。俺だって成長期なんだ。代わりもするさ」

「…ううん。変わってないよ」

その言葉は俺が思っていた以上に鋭いものだった。
気弱な文学少女のものではなく、俺の幼馴染としての芯の通ったもの。
いっそ確信めいたものさえ浮かべるそれに俺は反発を覚えた。
何万回と繰り返してきた俺が変わっていないはずないだろう。
そんな言葉が喉元まで浮かび上がってくる。

「…お前に俺の何が分かるんだよ」

「分かるよ。だって…幼馴染だもん。皆は京ちゃんが変わったって言うけれど、そんな事ない。京ちゃんはただ、怯えているだけでしょ?」

「っ…!」

……そんな俺の心を咲の言葉が突いた。
俺は怯えているだけだと、変わっていないのだと言うそれが心が動揺を走らせる。
思わず言葉が詰まるほどのそれは…相手が咲だからこそ。
下手をすれば両親以上に俺の事を知っているであろう彼女の言葉を、俺はくだらないと一蹴出来ない。


「私、どんな荒唐無稽な事でも絶対に笑ったりしないし、誰にも言ったりしない。約束する。……だから、京ちゃんが怯えている理由を教えて欲しい」

「…俺は」

「お願い。京ちゃん。私…京ちゃんの為に何でもしてあげたいの。このままじゃ…私、寂し過ぎるよ…」

迷う俺に泣き落としのような言葉が届いた。
…いや、実際に咲は泣いているのだろう。
背中から聞こえるその声は涙に震え、周囲からざわめきのような声があがっている。
まるでドラマの修羅場を演じるような二人組に、興味を惹かれているのだろう。

―― ……でも、俺は。

…ここで咲に全てを打ち明けたところでどうなる?
恐らく咲は…その約束を破ったりはしないだろう。
俺の話を真剣に聞いて、俺の為に涙してくれるはずだ。
……そうして数時間後には、それも『なかった事』になる。
今までがそうであったように時間は巻き戻り…全てが無駄になるだけ。


―― 勿論、勝てば巻き戻りは起こらないし、負けるつもりはないけれど。

俺がこれから戦うのは、ループの中で俺が見出した最適解にさえ平然と対応してくるような化け物どもだ。
その裏を?くためには何十と言った罠がなければ到底、成功しない。
勝機が見えたとは言っても、絶対に勝てる自信は俺の中にはなかった。
俺が見出した勝機のさらに上を行かれる事だって容易く想像出来る。
だから…。

「…お前には関係ない」

「京ちゃん…!」

「もう話しかけるな。いい加減、鬱陶しいんだよ」

「っ!」

…後ろで咲が息を呑むのが分かった。
まるで世界に絶望したような雰囲気が背中から伝わってくる。
咲とはもう長い付き合いだが、こうもハッキリ拒絶した事はない。
多分、咲自身も俺にそんな事を言われるとは思っていなかったんだろう。


―― …でも、これが一番だ。

このまま俺に構っていても、本音が出る事はない。
彼女の言葉は正しいが、しかし、それだけなのだから。
心の鍵を開くには、俺はあまりにも色々な事を重ねすぎた。
そんな奴と一緒にいても、咲も俺も傷つくだけだろう。

「…じゃあな」

「き、京ちゃん…!」

…なのに。
なのに、どうしてまだ追いかけてくるんだよ…!
くっそ…もう良いだろ…!!
こっちだって…辛いんだよ!!
好きな娘と同じ顔で、同じ声で、同じ名前で…!!
同じ記憶を持ってる咲を突き放すのは辛いんだ!!
だから…もう許してくれよ…。
俺を…俺を一人にしてくれ…!!!



―― …その為にも、ここは…!

走る。
そうすれば咲は俺に追いついてこれない。
この二ヶ月間ずっと引きこもりだったとは言え、俺は男だ。
中学時代はハンドボールもやってたから、身体の基礎もしっかり出来ている。
それに対して咲は女で、また根っからのインドア派だ。
本気で走ればあっという間に置いていく事が出来る。

「ふー……」

…とは言え、昔に比べると手間が掛かった。
昔なら一瞬で咲の事千切ってにげきれたのに…やっぱ引きこもり生活はまずかったんだろう。
幾ら咲の奴、必死になって追いかけてくるからってあまりにも身体が鈍りすぎた。
全てが終わったら、自分を鍛え直すためにも運動部に入るのも良いかもしれない。




―― …多分、麻雀部は辞める事になるからな

皆との関係はあまりにもギスギスしている。
今の状態で俺が麻雀部に居たところで邪魔者にしかならないだろう。
既に俺の居場所は麻雀部にはないのだから、新しい場所でスタートを切った方が良い。
数ヶ月間、ほぼ無駄にしてしまったのは厳しいが、今からみっちりやれば三年にはレギュラーくらいにはなれるかもしれないし。

―― …でも、おかしいな。最初の頃は…ただ普通の生活を取り戻したかっただけなのに。

俺が取り戻したかったのは…それまでと変わらない生活だったはずだ。
咲が隣に居て、優希と笑って、和に呆れられて、染谷先輩にフォローされて、部長に誂われる。
そんな何事もない日々を取り戻したくて頑張っていた俺が…今、それを自分から手放そうとしているんだ。
ようやく勝機が見えたってところなのに…一体、これはどういった皮肉だろうか。
あまりの虚しさについつい笑顔が浮かびそうになる。


―― …まぁ、今はそれよりも。

咲を撒く為にあっちこっちデタラメに移動してしまった。
幾らか時間の余裕を持って出発したが、そろそろ主題に戻ったほうが良い。
ここで負けてしまったら全てが台無しになってしまうのだから。
虚しさに浸るのは、あの化け物どもに勝ったその後だ。

「京ちゃん…!」

「え…?」

って、なんで咲が追いついてきているんだ?
まさか…アレからずっと俺の事を探し続けたっていうのか?
マラソン大会でもすぐギブアップするような咲が…。
今、それよりも必死な形相で俺の方へと近づいてきていて……。


―― 瞬間、視界の端に俺は絶望を捉えた。

青いセダン。
その運転席に乗っているのは40代の男だった。
だが、彼はハンドルに突っ伏すような姿勢で微動だにしない。
突然の心臓麻痺、それによって死亡した彼の車は今や暴走状態だった。

―― それが俺たちの方へと近づいてくる。

その速度は停止するどころかあがりつつあった。
彼の重さがアクセルを踏み込み、車に力を与えている。
だが、周囲の人間はそれに気づいていない。
まさかこんな大通りでそんな事故があるなど誰も思ってはいないのだ。
このままその車が歩道へと乗り上げ、何十人者歩行者を轢殺するなど誰も知らない。


―― 知っているのは俺だけだ。

そのニュースを俺は何度も聞いていた。
だからこそ、俺は早く出ようとしていたし、セダンの異常にもすぐさま気づけたのである。
そんな俺がセダンの事を回避出来ないはずがない。
このまま踵を返して逃げ出せば、俺は事故に巻き込まれる事はなくなる。

―― …でも、咲は?

咲はセダンが乗り上げるであろう場所の向こうにいた。
何も知らずよたよたと走る彼女が暴走車を避けられるはずがない。
このまま放っておけば咲は車に轢かれ、大怪我をするだろう。
いや、下手をすれば死亡する事だって考えられる。


―― 見捨てろ。

…そう呟く俺が居た。
構うなといったのに追いかけてきたのはあっちの方だ。
ここで咲が死んだところで、俺はまったく悪くない。
悪いのはマヌケな幼馴染の方。
そんな幼馴染の為に決勝をフイにするのか。
折角、見出した勝機がなくなるのも覚悟の上で、咲の事を助ける必要なんて。

―― あるに決まってるだろ…!!

俺にとって幼馴染は誰よりも大事な人だ。
それは俺の愛した『宮永咲』と違っても変わらない。
そんな相手を見捨て得る勝利に一体、何の価値があるのか。
それよりも咲を助けてループした方が万倍マシだ…!!!!


「咲!!!」

「えっ…?」

…まったく、ホントにコイツはどんくさいな。
俺がこうして声を掛けても、まったく何が起こってるのか気づいてもいない。
ただ驚きに足を止めて…セダンの前で固まってしまう。
だけど、それは俺も予想済みだ。
だからこそ、俺は咲に無理矢理、身体をぶつけて弾き飛ばして。

―― 衝撃。

バキバキと体中で鈍い音がする。
暴走する車に巻き込まれた身体の中で骨が砕ける音だ。
瞬間、走る激痛に俺は声すらあげる事が出来ない。
まるで全身が痛みにわななくようにして痙攣していた。


「京ちゃん…!!」

―― …声がする。

多分、それは幼馴染の声なんだろう。
度重なる悲鳴の中でハッキリと聞こえたそれは彼女の無事を俺に知らせた。
弾き飛ばされた時に捻挫くらいはしたかもしれないが、それはもう致し方ない事だと思って許して欲しい。
少なくとも…俺みたいに胸が潰されて声が出ない訳じゃないんだから。

―― あぁ…でも、これダメだな。

喉から血が這い上がって、呼吸も碌に出来ない。
自分の血で溺れていく感覚は正直、恐ろしいものだった。
ループを抜ける為に何度か自殺も繰り返したが、さりとて死ぬ感覚というのは慣れるものではない。
空恐ろしさと共に心臓を掴まれるような感覚に心が怯える。

―― …でも。

あぁ、でも…咲は無事だった。
俺が絶対に護りたかった娘が惹かれる事はなかったのである。
…ならば、悔いはない。
鉄臭い血の海に沈んでいく事だって喜んで受け入れられ
































暗転






























「京ちゃん、起きて……」




























最後まで書けたから出勤んんんんんんん


良かった、限られた時間を必死に足掻く京ちゃんを見るために、お友達を別世界から呼び寄せて時間をループさせる鬼畜咲さんはいなかったんですね

某所ののどアコ(ホ別一五ゴム有)なら何度ループしても追随して来そう

エントリー取り消せば負けにならない、と思ったけど
戻るのが個人戦当日じゃ取り消しできずに不戦敗扱いになってループ行きか

どうすれば世界線を越えられるのだ

>>433
勝つ

E5は沼ったけどE6は首尾よく航空支援がぶっ飛ばしてくれたお陰で何とかクリア
資源は全部230k以上残ってるけどもう時間的にも精神的にも甲にいける気がしない…(´・ω・`)ホント、リアル時間を喰うだけのイベントでしたの…
で、今日一日でE7丙クリアして月曜日はおまたせしてるお詫びって事で何かしら小ネタを書こうと思います
良ければ見たいネタなんかを書き込んでいってくださいな(´・ω・`)応えられるだけ応えたいと思います


そして上の最後は実はループしてないんやで…(小声)

アル中ポーラちゃんを愛でるんだよ
あくしろよ

つまり怜と竜華に隠れて恋人になったセーラとネキに板挟みにされる日々の中、
親戚のはるるからはっちゃんの誕生日に誘われて鹿児島に行った京ちゃんだけど
そこで明星や良子さんに出会ってしまい、大人の女性な良子に骨抜きにされ
結果、勃発した麻雀戦争アイギスの中、幼馴染の咲ちゃんが覚醒してループを開始
何とかセーラやネキとくっつく前に恋人になろうとするんだけど失敗
結果、奈良に転校する事になった京ちゃんは女装して阿知賀に潜入
そこで出会った穏乃と急速に良い雰囲気になっていく京ちゃんを何とか止めようと咲ちゃんはポンコツ仲間を呼ぶんだけど
そこで完全に伏兵だったAA付きエロ村が全てを持っていく話を書けば良いんだな!?(錯乱)

よし、書くんだ

おまえ、ぜってーそれでかけよ

セーラは板ってほど薄くないんじゃないかな(錯乱)

ところで>>1がゲームセンターで提督になるのはいつですかね?(期待の眼差し)

>>379>>380
ポケモンの続きは腰据えてやりたいんでこっちが終わってからになりますねー
竜華加入の辺りはコメントの数って言う縛りもあって、後半急ぎ足になっちゃいましたが…(´・ω・`)何とか収まってよかったです

>>381
私も考えてたのが夜戦に強く、高回避高火力な駆逐艦なのでまんま島風っぽくなりそうな気がします

>>382
SWスレも京子スレが終わってからに…(震え声)
4月から一気に忙しくなっちゃったんで2スレ同時平行+セッションとか出来なくなっちゃったのですよねー…

>>383>>387>>388
あくまでも私のイメージですが、霞さんは戦艦←→空母のコンバート機能を持つ加賀+飛龍で
明星は雲龍型になるんじゃないかなーと思ってます
まぁ、こっちはじゃぽん帝国海軍なので、史実とはちょっと色々と設定が違いますし
割りとマジで深海と根っこは同じなので(´・ω・`)深海が相手を滅ぼそうとする攻勢意思で、艦むすが国を守ろうとする防衛意思みたいな感じをイメージしてます
なので、作中で春も言っている通り、どれほど人間に近く見えても彼女たちは人間ではありません
意思は持っていますがそれは兵器としてのアイデンティティの上にあるものです
が、それも提督に人として接して貰ってる内に少しずつ逆転していって…みたいなそんな話になるんじゃないかなーと(´・ω・`)書くとは言ってない

>>385
実際、即死ありありで自由安価込みのお遊びスレはやりたいんですよねー
神的な高次元存在に拉致された京ちゃんがそいつが楽しむ為にあっちこっちの異世界に放り込まれる的な
咲キャラだけじゃなくて色んなキャラのAA使って表現する練習ついでに(´・ω・`)

>>386
おぉ、そちらもおめでとうございます
こっちは結局E7丙で割りました
お陰で甲勲章の呪いも解けて身軽になりましたよ(白目)

>>403>>405>>407
多分、むこうぶちのアレと同じく、何度繰り返してもその上をいかれちゃうんでしょうね(´・ω・`)京ちゃん運1ですし
このメンツだと最善手で打つだけじゃ裏を掻くなんて不可能でしょうし
一見、無駄な打牌が結果的な最善になったりするのでそれこそ気が狂うほど負け続けてるんでしょうね
決勝戦以外でもそれなりに強い雀士とぶつかって来てるでしょうし、決勝前に負ける事も多々あったんじゃないでしょうか

>>406
クリスマススレ人気で書いた身としては凄い嬉しいのですが、あっち見てた人ばかりじゃありませんしEDだけこっちと言うのもアレかなーと思います
ただ、クリスマススレの設定でこのキャラのEDっぽいのを書いて欲しいって言うのならオッケーです
ただし一週間ほど創作から離れてたんで出来は期待しないでください…(´・ω・`)元々ダメダメなのにさらに下がってるだろうからな!!

>>429
わた咲ちゃんは愛がまず先にあるからそんな理由でループさせたりお友達を呼んだりしないよ!!
京ちゃんがインハイ優勝出来なくて寂しそうだったからって理由なら有り得そうですが
或いは自分がインハイ優勝しちゃった所為で疎遠になっちゃったからとか

>>431
多分、ホ別苺ゴム有なのど憧でも記憶共有してくれるなら京ちゃん依存するんじゃないですかねー
きっとここまで思いつめたりせずのど憧の面倒をいやいや見てる振りしながら内心すっごく救われてそう
で、心の中で神格化して全然関係進んだりしなさそう(偏見)

>>432>>433>>434
ループ開始時点からして脇道に逸れるのを許さない状態ですしねー
とりあえず勝てばループは抜けられます
ただし、その確率は初号機が起動するレベルなんじゃないかなーと

>>439
ポーラちゃんは卑怯やわ…
ビジュアルはそれほど好きって感じじゃないんだけど、もうあの声がやばい
あのふわふわと飛んでいきそうな声音の上にアル中とかもう反則だろ…
性能的に絶対に活躍できないの分かってるけどあんなん指輪渡すしかないやん…

>>455>>456
ごめんなさい許してください(土下座)
そして色々と考えましたが、はっちゃんや穏乃とか最近小ネタで書いた娘は申し訳ありませんが優先度下げさせて貰おうかな、と
思いの外、色々とネタ貰って全部書ききれる気がしないので…(´・ω・`)ごめんなさい

>>457
セーラってそんなに胸あるっぽかったですっけ…?
完全スポブラなナイチチイメージがあります

>>458
並ばなくなったら行きます(´・ω・`)この前仕事終わってから覗いてみたら4時間待ちとかでしたの…


「京太郎、抱っこしてー」

「も、もう怜。そんな事言ったら京太郎が困るやろ。ここはウチにしとき」

「あ、あははは」

そのやり取りに江口セーラは小さく肩を落とす。
千里山高校麻雀部にとって、日常の一部だ。
金髪長身の一年生を巡って、部のレギュラー二人がぶつかっている。
それは決して修羅場と言うほど熱の篭ったものではないが、さりとて、人の目を惹かないものでもない。
学内の場所問わず、三人揃えば何処でも繰り広げられるそれは部員にとって馴染みのあるものだと言っても良かった。

「んー…いや、でも竜華は太もも最高な分、持久力ないしなぁ」

「そ、そんな事あらへんよ。ウチだって怜の事おんぶ出来るし」

「…あ、それで疲れたって言って京太郎に甘える腹積もりやな」

「な、なんで分かったん!?」

「あーまたやってるよ」

「あの三人も凝りんなー」

それはそのやり取りがコントのようなものだからと言うのもあるのだろう。
絵に描いたような三角関係でありながらも、ギスギスとしない関係。
ある意味、じゃれあいに近いそれに部員たちは暖かな目を向けていた。


「…こーら二年、何サボっとるんや?そんなんじゃレギュラーはやれんで」

「え、江口先輩」

「や、やだなー。ちゃんとやってますよ、ちゃんと」

「ほほぅ。じゃあ、俺相手にもやれるって事やな」

「ぅ」

とは言え、千里山麻雀部は全国でも指折りの名門だ。
幾らほのぼのとした修羅場中だと言っても、部活中に気を緩ませる訳にはいかない。
そんな言葉の裏に小さな腹立たしさがあるのをセーラは気づかない振りをした。

「ちょうど、俺も一局終わって暇なんや。付き合ってくれへんか?」

「…は、はーい」

「うぅ…藪蛇った…」

彼女たちもセーラの実力は良く知っている。
千里山でも全国でもトップクラスの雀士。
その圧倒的な高火力はレギュラーでもない少女たちには荷が重かった。
しかも、今は何故かその身体から不機嫌オーラが染み出している。
きっと何時も以上に厳しく扱かれるのだろうと予想しながら二人は卓についた。


「竜華は本当にあざといなー」

「あ、あざとくなんかあらへんよ。……で、でも、京太郎君がこんなウチが嫌やって言うんなら…」チラ

「嫌なんて事はないですよ。寧ろ、そういうところ可愛いと思いますし」

「ほ、ほんま…!?」パァ

「…」イラ

「ひぃ!?」

その瞬間、聞こえてきた声にセーラの怒りがさらに勢いを増した。
普段はさっぱりとして気持ちの良いこの先輩が、一体、どうしてこうまで不機嫌そうにしているのか。
その理由に思い至らないまま、二人は身体を強張らせる。
もしかしたら今回は飛ばされてしまうかもしれない。
さっきよりも一段階、悪くなったその予想は彼女たちの口に悲鳴を浮かばせた。

「…さ、外野の事は気にせんでとっととやろっか」

「お、お手柔らかにお願いします」

「嫌やなー。手を抜いたらそっちの為にもならへんやろ。麻雀は常に全力でやるもんやで」

部長である竜華が骨抜きになってしまった今、三年でレギュラーの自分が部内を引き締めるしかない。
胸中に浮かぶその言葉がどれほど本心からかけ離れているかセーラは良く理解していた。
今の自分がしようとしている事が八つ当たりに近い事だと彼女は自覚しているのである。
だが、それでも冷静になれない彼女はもう一人手が空いていそうな後輩を強引に呼びつけて。



………

……




「…はー」

緩やかに暗くなっていく街の中、セーラは短くため息を漏らした。
自己嫌悪の色に染まったそれは今日の自分がどれほど格好悪いか理解しているからこそ。
あの後、当たり散らすように後輩を飛ばしに飛ばした彼女は、ついに監督からのストップを受けた。
やり過ぎだ、後輩の自信を折るつもりかと言うその言葉に、セーラは思っていた以上に熱くなっていた自分に気づいたのである。

無論、そこまでイライラしていた理由をセーラは理解している。
それを解消する為に必要な事もまた彼女は分かっていた。
だが、どうしてもそれを実行に移す事が出来ない。
それに足る覚悟と言うものをセーラは持てなかった。


「あかんなぁ」

ため息と共に漏れる独り言は行き詰まりの証だった。
今の状況が良くない事は分かっている。
しかし、それを打破するには覚悟も諦観も足りない。
ただ中途半端なままに漂い、結果として後輩達にも迷惑を掛けている。
自分がなりたかったのはこんな格好悪い先輩ではなかったはずなのに。
そんな言葉が後悔と共にセーラの胸中に浮かんだ。

―― …でも、そう簡単に割り切れるもんじゃないやろ。例え、既に幼馴染を裏切っていても…。

「ワン!」

「あ…」

そのまま自己嫌悪の海に沈みそうになっていたセーラをゴールデンレトリバーの鳴き声が現実へと引き戻した。
人懐っこそうなその犬は大きな門越しにセーラへと近づき、構ってほしそうに尻尾を振っている。
まるで警戒心のないその様子は、彼が人懐っこい性格をしているからだけではない。
彼にとってセーラは殆ど顔なじみに近い存在なのだ。


「よしよし。今日も元気か、ポチ」

「わんっ」

麦穂のような彼の身体にセーラはそっと手を伸ばした。
鉄格子のような頑丈な門越しに撫でる手に彼は元気よく応える。
まるで気持ちが通い合っているようなその返事がセーラの胸をほんの少しだけ軽くしてくれた。

「今日もほんのちょっとだけ付き合ってくれよ」

「わふー」

そんな彼の喉元を撫で回しながら、セーラはポケットからスマートフォンを取り出した。
そのまま親指で画面を擦り、スマートフォンを操作する。
時間にしてほんの一分ほどで操作を終えたセーラは、それをポケットの中へと戻した。
それから彼女は名前も知らない大型犬へと向き直り、両手であっちこっちを撫でてやる。
額、後頭部、喉元。
人懐っこい彼はその度に嬉しそうに顔を綻ばせながら、尻尾を振っていた。


「っと」

ピロロン。住宅地に突如として響いたその音にセーラは彼から手を離した。
それは彼女にとって待ち人からの連絡を意味するものなのだから。
門の向こうで寂しそうにする彼には悪いが、今日のところはここまでだ。
そう思いながら、セーラは再びポケットからスマートフォンを取り出して。

―― 大丈夫

「……ふふ」

画面の中にハッキリと浮かぶその三文字にセーラは思わず笑みを浮かべた。
これまで大丈夫ではなかった日の方が少ないとは言え、それは愛しい人が自分を受け入れてくれている証なのだから。
さっきまでの自己嫌悪も忘れて笑うその姿は、ついさっきのゴールデンレトリバーのようだった。


「悪いが今日もオッケーらしい。また明日な、ポチ」

「わん」

まるで見えない尻尾をブンブンと振るようなセーラに、彼は再び吠える。
若干の寂しさを混じらせながらも、気持ち良く見送るような声。
それを背中に受けながら、セーラは彼の隣にそびえ立つマンションへと入っていく。
瞬間、彼女を迎えるのはいかにも高級と言わんばかりの大理石の床だ。
ごくごく一般家庭で生まれ育った彼女は、鏡のように磨き上げられたその床に非日常感を感じてしまう。
まるで絵本に出てくる城のようだ、と。

―― …まぁ、あながち間違いやないんやろうなぁ。

瞬間、胸に浮かんできた自分の言葉にセーラの頬が赤く染まった。
自分にとってここは王子様の暮らす城のようなもの。
その言葉の裏に、そんな想いが込められていることに気づいたからだ。
あの江口セーラが形無しもええところやないか。
そんな自嘲さえ彼女の紅潮を取り去るには力不足だった。


しかし、だからと言って、ここで何時迄ものんびりとしていられない。
セーラがそう思うのは、彼女にとっての王子様を待たせているからだ。
大丈夫と返してくれた以上、相手は今か今かとドアホンの前で待ってくれているだろう。
アレでなかなか、義理堅い奴やからな、と胸中で言いながら、セーラはガラスで出来た扉の前で部屋番号を打ち込んで。

「はい」

「お、俺やけど」

「ん。今、開けるな」

数秒も経たない内に相手からの応答が返ってくる。
それが望んだ相手のものである事に、セーラは胸を躍らせた。
機械から漏れ出るその音からは、気安さが伝わってくるのだから。
二人の関係が親しいものである事を感じさせるその音に、彼女の中で非日常感が強くなった。


そんな彼女の前で、ガラスの扉がゆっくりと左右に開いていく。
それを確認したセーラは止めていた足を再び動かし始めた。
シィンと静まり返ったマンションの中で、コツコツと靴音が反響する。
まるでこのマンションで複数の人間が歩いているようなそれがセーラは決して嫌いではない。
その響く靴音は彼女の『王子様』へと近づいている証なのだから。
彼女にとって、それは祝福のファンファーレと言っても良いものだった。

だが、その時間も決して長くは続かない。
彼女の想い人はマンションの最上階に住んでいるのだ。
夏も間近なこの時期にいちいち、階段を使う気にはなれない。
結果、彼女はエントランスのすぐ側にあるボタンを操作し、エレベーターに乗った。
二階   五階   十階   十二階。
一分ほど掛けて最上階まで上がったエレベーターからセーラはそっと降りて。


「すー…はー…」

そのまま十歩も歩けば、彼女の目的地に到着する。
1203号室。
ドア横にそんな札が掛かった部屋の前でセーラは大きく深呼吸をした。
ほぼ毎日、その部屋を訪れているとは言え、緊張感と言うものはなくならない。
恋人の部屋に上がり込むと言うシチュエーションは、彼女に心の準備を必要とさせるものだった。

「すー…はー…よし…!」

ピンポーン

「はいはい」ガチャ

そんな彼女とは裏腹に、相手は気軽なものだった。
鳴り響くチャイムに待ってましたと言わんばかりにその扉を開く。
瞬間、セーラの視界に広がるのは見慣れた金色の髪。
まるでひまわりのように暖かなそれは彼女の胸をキュンと疼かせる。



「よ、よぉ。さっきぶり」

「あぁ。さっきぶり」クス

それを何とか抑えようとするセーラの前で、相手はクスリと笑う。
自分の返事が微笑ましくてしかたがないと言うようなその顔が、彼女は好きだ。
何だかんだで面倒見の良い彼がそんな風に笑うと、まるで年上のように見える。
自分の苛立ちやワガママなど何もかもを受け入れてくれそうな笑みにセーラはモジモジと身体を揺らした。

「とりあえず入ってくれよ」

「お、お邪魔します」

「どうぞ」

何処か落ち着きのないセーラを、彼は部屋へと招き入れる。
それにおずおずと従う彼女の胸にはもう緊張感はなかった。
それ以上に大きな期待と歓喜、そして興奮が緊張を完全に駆逐している。


「ちょっと待っててくれよ。今、飲み物出すから」

「あ、じゃあ、今の間に手を洗ってくるな」

「ん。了解」

数メートルの廊下を歩いて、セーラが踏み入れたのは15畳ほどの大きな空間だった。
一人暮らしの高校生には少々、贅沢なそのリビングをセーラは一歩二歩と進んでいく。
そのまま流し台へと近づいた彼女は手慣れた様子でコックを捻り、手を洗い始めた。

「今日もポチと遊んでたのか?」

「まぁ…返事待っとる間、暇やったしな」

「アポ無しで尋ねてくれても良いんだけどな。前々から合鍵だって渡すって言ってるし」

「そ、それは…俺も嬉しいけど…」

恋人の部屋の合鍵を持っている。
それにセーラ自身、憧れていないとは言わない。
合鍵を渡されるという事は、彼の身内になるも同然なのだから。
何時でも部屋に入っても良いと許された『特別』な立ち位置に心惹かれる。


「…でも、それで怜や竜華と鉢合わせしたら大変やん」

だが、それは彼女にとって超えてはいけない一線だった。
彼女の恋人は ―― 須賀京太郎は幼馴染達の想い人でもあるのだから。
彼女たちの思いを知っていて尚、隠れて付き合っている事を知られてしまったらどうなるのか。
毎日、飽きずに仲良く修羅場を演じている彼女たちでも流石に怒るだろう。

「流石に誰彼構わず部屋にあげるほど優柔不断じゃないぞ」

「…分かっとる。分かっとるけど」

それでも早めに関係を伝えていれば、こうも傷が広がる事はなかっただろう。
だが、幼馴染達に関係を伝えるのを躊躇っている間に、それは何時しか迷いとなり、彼女にとっての重石になったのだ。
最初はぎくしゃくする程度だった秘密が、今はもう幼馴染と決別しかねないほど重大なものになってしまっている。
そう理解しながらも全てを打ち明けられるほどセーラは強い女ではなかった。

中途半端なところだけどしゅっきーん(´・ω・`)今日は早めに帰ってこれる予定なんでまた夜に頑張ります

言い忘れてたけど小ネタなら名前欄変えてくださいな


全裸待機しとく


ここまででまだ>>454の一行目すら終わってないとか、一体どんな大長編になるんだろうなー(棒)

この京子スレでも咲さん以外の女と京ちゃんはスルから咲さんは別の時空にループに跳ばされるのだろうな
あとループ京ちゃんがループ前にグラチャーに出会えたらループする力と引き止める玄の重力のどっちが勝つの?

トキとりゅーかに隠し事ってシチュは最高に興奮する
それはそうとアル中ポーラちゃんのお世話係になり隊

>>475
ごめんなさい、また忘れていました…(´・ω・`)

>>476
全裸待機して貰ってるところ悪いんですがエロ入れると長くなるからエロはないんやで…(小声)

>>477
多分このスレが埋まるほどの大長編になるんじゃないかな(すっとぼけ)

>>478
ループが何時の段階で起こるかによって咲ちゃんの対応が変わりそうですねー
もし咲ちゃんがループの条件知ってたら監禁不可避
そしてグラチャーとループの対決という発想は完全にありませんでした…
しかし、咲ちゃんでも引き止められない訳ですからグラチャーの重力でもどうにもならないんじゃないでしょうか
ただ、一回出会っちゃうとまるで引力に惹かれるように出会い続けちゃうような気がします(´・ω・`)未来を知ってる京ちゃんが避けようとしても必ず遭遇する的な

>>480
トキりゅーかセーラの三人と幼馴染だって考えると余計に興奮しますよね(ゲス顔)
ポーラちゃんはザラだけじゃ絶対に手に負えない娘だから鎮守府全体でサポートするべきだと思うんだ
と言う訳で私はポーラちゃんの下乳を支える作業に戻るから後の事はヨロシク頼む


「やっぱり俺から二人に言おうか?セーちゃんからじゃ言い難いだろうし」

「そ、それはあかん」

京太郎がそんな自分に気遣ってくれているのは分かっている。
しかし、それに甘えられるほどセーラは弱い女でもなかった。
こうして二人の想い人と結ばれてしまった以上、筋を通さなければいけないのは自分の方。
京太郎を矢面に立たせて、平然としている事など許せるはずがなかった。

「…でもさ」

「そ、それより…な」

とは言え、自分から全てを伝える覚悟は未だ固まっていない。
そんな彼女にとって、今の話題は居心地の悪いものだった。
このまま続けても平行線な以上、別の話題をねじ込んだ方が良い。
そう思った彼女が選ぶのは、すぐ側に立つ京太郎に近づく事だった。



「セーちゃん?」

「…え、えっと…その…おらぁっ!」ダキ

「っと」

まったく色気のない掛け声をあげながらセーラは京太郎へと抱きつく。
カルピスのパックとコップを持った京太郎はそれに短い声をあげながらも抵抗しなかった。
何だかんだでもう十年以上の付き合いになる幼馴染にとって、それがどれほど勇気が必要なものだったのか彼は良く分かっているのだから。
それが気まずい話題を霧散させる為だと分かっていても、ついつい甘い顔をしてしまう。

「相変わらずセーちゃんは甘えん坊だな」

「う、うっさいわ。誰の所為やと思とんねん…」

「俺の所為?」

「それ以外にあらへんやろ」ギュ

昔は決してこうではなかった。
セーラは活発で周りの人間をグイグイ引っ張っていくタイプなのだから。
こうして自分が誰かに甘えるなど、数年前まで考えた事もなかった。
当時の彼女は生まれる性別を間違ってしまったと本気で思っていたのだから。


「京坊の所為や。京坊が俺の事を女にしたから…」

それが変わったのは中学生の頃。
当時、入院していた怜の見舞いに行く最中、セーラは事故に巻き込まれた。
命に別状はなかったが、その傷跡は今も彼女の身体に残っている。
セーラ自身はそれをあっけらかんと捉えていたが、京太郎だけは違った。
何処か武勇伝のように傷跡を見せるセーラを心配し、そして叱ったのである。
セーちゃんは女の子なんだから、そういうのを簡単に見せちゃいけない。
自身を女の子として捉える幼馴染の言葉に、セーラは少しずつ変わっていった

「なんつーかエロいな」

「あ、阿呆。そういう意味ちゃうわ」

セーラにとって京太郎は第一の理解者だった。
幼いころからずっと一緒に居た弟分は、誰よりも信頼できる相手だったのである。
そんな彼が自分を一人の女の子として見てくれている。
その認識が女性としての意識を育てる中、セーラが京太郎に恋い焦がれるようになったのだ。

ぬあーごめんなさい
書き込みした後によそのスレ見に行ったら名前欄リセットされるの忘れてました…
もうちょっとだけになりますが、とりあえずセーラのネタはこれでいきます


「分かってる。でも、こっちだって健全な男子高校生な訳でさ」

「…スケベ」

「誰の所為だと思ってるんだー」

「…お、俺の所為か?」

「当然。セーちゃんが甘えてくれる度に俺はセーちゃんの事が好きになっちゃうからな」ギュ

その外見こそ変わらなくとも、急速に女性として花開いていく幼馴染。
それに京太郎は目を惹かれ、何時しか恋心を抱くようになった。
自分の趣味とは真逆に位置するセーラの事を、彼は愛してしまったのである。
それを受け入れるまでには色々と苦難もあったが、今はそれを素直に言葉に出来る。
中学卒業を期に彼女へと告白した京太郎にとって、それは決して隠さなければいけないものではなかったのだ。

「ほ、本当、軟派な奴やな」

「そうか?」

「普通、そういうのってなかなか、言えへんやろ」

「言わなくて誤解されるよりマシだと思うけどな。それにセーちゃんだって喜んでくれてるし」

「ぅ」

そんな京太郎の言葉がセーラは決して嫌いではなかった。
女性としての自信に乏しい彼女は、好きだと言ってもらえる度に安堵と歓喜を覚える。
胸の内から滾々と湧き出るようなそれはセーラの顔を綻ばせていた。
にまぁと笑みを堪えきれないその顔に、京太郎はそっと手を伸ばして。


「セーちゃんはホント分かりやすいからな」

「き、京坊の癖に…」

そのまま頬を撫でる京太郎を、セーラは受け入れる。
その口から悔しそうな声を漏らしながらも、顔を傾けて彼の手に擦り寄った。
何処か子犬のようなその仕草に京太郎はクスリと笑みを浮かべる。
かつて姉のような存在だった彼女が、こうも自分に骨抜きになっているのだから。
胸の底からふつふつと興奮と支配欲が湧き上がってくるのが分かる。

「ま、可愛い可愛い京坊も大人の男に成長してってるって事だよ」

「お、大人のオトコって…」

「そうだな。とりあえずこの熱い中、部屋に来てくれた恋人に冷たい飲み物を出す程度の甲斐性はあるつもりだけど」

しかし、京太郎はそれをグっと胸の底へと押し込んだ。
京太郎にとって、セーラはセックスフレンドではなく、恋人なのだから。
折角、やってきてくれた恋人を碌に話をしないまま押し倒したくはない。
性欲だけで恋人を抱くというシチュエーションに、彼は強い忌避感を覚えていた。


「…違うやろ」

「え?」

「そこは…も、もうちょっとほら…な」モジ

だが、セーラにとってはそうではない。
こうして恋人の家に来た時点で、彼女は既に覚悟を固めているのだ。
京太郎に抱かれ、愛され、注がれる。
自身の最も恥ずかしいところを晒し、征服される事を彼女は望んでいた。

―― …それに京坊から怜と竜華の匂いがする…。

幼馴染二人が気に入って使うシャンプーの匂い。
その匂いがセーラはとても気に入らなかった。
京太郎は自分の恋人なのに、どうしてこんな匂いを染みつかせているのか。
自身の臆病さを棚に上げた苛立ちは、彼女の中で興奮へと結びつく。


「京坊やって…し、したいやろ? そ、そういう年頃やし…」

「まぁ、ぶっちゃけ今も興奮してるけど…」

「じゃ、じゃあ…どうして我慢するんや。もしかして…俺に飽きたとか?」

「いや、それだけはない」

不安混じりの声に京太郎はハッキリと応える。
自信のなさからか、或いは嫉妬か、セーラはセックスに対して乗り気だ。
こうして誘うだけではなく、自分なりに色々と勉強して尽くそうとしてくれる。
その上、彼女の身体はとても敏感で、また彼との相性も抜群なのだ。
愛すれば愛するほど嬌声によって応えてくれる彼女との睦み事が嫌いになるはずない。

「じゃ、じゃあ…しようや。俺だって門限はあるし…あんまりのんびりしてると満足させてあげられへんかも…」

「ぶっちゃけセーラと二人っきりなだけでも俺はそこそこ満足なんだけど」

「そう言ってくれるのは嬉しいけど…でも、そこそこじゃあ足りひんのや」

幼馴染二人の気持ちを知らなければ、セーラもここまで頑なではなかっただろう。
だが、彼女は自分よりも女の子らしい幼馴染二人が、京太郎の事をどれほど好いているのかを知っている。
自身に負けないその思いは、彼女の心に拭いきれぬ危機感を植え付けていた。
もし、自分が京太郎を満足させてあげられなければ、二人に寝取られてしまうかもしれない。
そんな意識がセーラの手をゆっくりと動かして。


「ほ、ほら…今日も俺が脱がしてやるから…」

「…分かったよ」

そのままカチャカチャと金具がこすれ合うのは京太郎の下半身だった。
制服のベルトを脱がそうとするそれに京太郎は抵抗しない。
彼女の不安に気づいている彼は、好きなようにさせてやろうと棒立ちになる。
そんな京太郎からセーラは手際よくベルトを取り去った。

「ん…♪」

瞬間、ストンと堕ちるズボンの向こうから黒色のトランクスが現れる。
その表面をもっこりと変形させているのは京太郎もまた興奮しているからこそ。
それに甘い声を漏らしたセーラはゆっくりと膝を折り曲げた。
まるで京太郎の足元へと傅くような彼女はそのまま顔を京太郎のトランクスへと近づけていく。


「はむ…♪」

そんな声と共に彼女が食んだのは京太郎の身体ではなかった。
その身体を隠すトランクスを彼女は歯で取り押さえる。
そのまま顔を下へと動かすのは、京太郎の下着を脱がす為。
手を使えば簡単に出来る事を、彼女は自分の口だけを使って成そうとしていた。

―― あぁ…京坊、興奮しとる…♥

あえて不便を選ぶようなそのやり方は、京太郎を興奮させる為。
京太郎は理性的なようでその実、胸の内にケダモノを飼っている。
イき続けるセーラが許してと口にしているのも構わずに犯し続けるなど日常茶飯事だ。
そんな恋人をその気にされるのは、こうして奴隷のように傅き、奉仕するのが一番。
毎日、繰り返している情事の中で彼女はそう理解していた。


―― それに…俺の方も…♪

何より、セーラも京太郎に尽くすのが決して嫌いではない。
幼馴染達への嫉妬がなかったとしても、その胸の興奮は決して色褪せないものなのだから。
ほんの数年前は存在するとさえ思っていなかった自分に、セーラは身を委ねる。
その顔にメスとしての興奮を浮かべながら、彼女はズルリと下着を降ろしきって。

「ちゅっ♪」

瞬間、露出した男性器にキスする事をセーラは躊躇わなかった。
人並み外れたサイズの肉棒が愛しくて堪らないのだと言うように何度もキスをする。
その度に汗の匂いが鼻腔を擽るが、それは今の彼女にとって興奮の材料にしかならなかった。
愛しいオスのフェロモンがさらにセーラの身体を熱くし、目の前の男性器にのめり込ませていく。
何より大好きであった麻雀以上に集中し始めたセーラは、勃起していく肉の塊を愛おしそうに口に含んだ。


―― それから始まるフェラチオにあっさりと理性をトばした京太郎は、今日もセーラの望むがままにその身体に襲いかかってしまうのだった。



なんとなくセーラとネキは誘うのが苦手そうなイメージがあるのでこんな直接的な形に…(´・ω・`)イメージと違ったらごめんなさい


須賀京太郎という少年にとって、戒能良子と言う女子高生は『大人の女性』だった。
二人の年齢差はほんの数年程度でしかない。
だが、幼い少年にとって、女子高生と言うのは立派なオトナなのだ。
自分よりも大きく、また色々な事を知っている彼女に、色香のようなものを感じてしまう。
ともすれば、女子大生よりも遙かに強いその匂いに、幾度となくドキドキしたか京太郎は覚えていなかった。

「あー…」

だが、そのドキドキは今、京太郎の中から霧散していた。
代わりにその胸の奥から浮かび上がってくるのは押しつぶされそうな自己嫌悪。
それについ声を漏らしてしまった彼の横で白い肌がもぞりと動いた。




「どうかしましたか?」

「あ、いや…その…」

そう疑問を投げかける良子は一糸まとわぬ状態だった。
布団の中から顔を出した彼女はその豊満な胸の先まで京太郎に晒している。
つい一時間ほど前に数えきれないほど吸い付いたその乳首が、京太郎の視界から離れない。
ついついそっちに視線を引き寄せられ、言葉も曖昧なものになってしまう。

「さっきはあんなに素直だったのに」クス

「し、仕方ないじゃないっすか。俺はその…は、初めてだったんですし…」

彼女の声は気怠さと満足感を混じらわせたものだった。
普段のものよりもずっと色香を強くしたその声に京太郎はつい言い訳のような言葉を漏らす。
自分は初めてであったのだから仕方がない。
経験を積めばさっきのように良子に良いようにされたりしないとガタガタになった男のプライドにそう言い聞かせる。


「じゃあ、二回戦します?」

「も、もうちょっと休憩させてください…」

「ふふ。素直なのはグッドですよ」

しかし、だからと言って、京太郎の中から無謀とも言える勇気が出て来たりしない。
つい十数分前まで京太郎は良子にイニシアチブを握られ続けていたのだから。
後半は腰砕けになり、彼女にされるがままになっていた。
結果、十数回も射精を強要された彼は身体に疲労感が染み付いている。

「…まぁ、私もちょっぴり疲れてしまいましたし、少しピロートークと行きましょうか」

「…じゃあ、少し聞きたいんですけど」

「何です?」

「どうして俺だったんですか?」

京太郎は良子と結ばれた事を後悔してはいない。
寧ろ、彼にとってそれは天にも浮かびそうなほど嬉しい事だった。
しかし、だからと言って、胸中に染み付いた違和感を無視出来る訳ではない。
一体、良子はどうして自分と閨を共にしようとしてくれたのか。
良子にとって自分は弟のような存在なのだろうと思っていた京太郎にはそれがどうしても理解出来ない。


「そうですね。強いて言うなら…デスティニーでしょうか」

「運命…ですか」

「えぇ。そうです。私と京太郎が結ばれるのは運命だったのですよ」クス

「それは嬉しいですけれど…」

「納得出来ない?」

「端的に言えばそうですね」

無論、その言葉を信じたいという気持ちはある。
だが、京太郎にとって、それはあまりにも荒唐無稽なものだった。
神道に縁深い一族とは言え、そんなもので納得は出来ない。
出来ればもっと分かりやすい理由がほしいとそう思う。

「なら、壱から説明しますけど…驚かないでくださいね」

「努力します」

分かりました、とは言えなかった。
京太郎は良子がどれほど浮世離れした人であるか良く理解しているのだから。
そんな彼女がわざわざ前置きしたという事はよっぽどの話なのだろう。
それを理解しているのに安請け合いするような不誠実な真似は出来ない。
自分に出来るのは、平静であろうと努力する事だけだと力強く返して。


「じゃあ言いますが…京太郎、貴方は別世界の魔王です」

「はい?」

「淫魔族の王でもある貴方は、並み居る魔族を従え、魔族の楽園を作るために世界に宣戦布告しました」

「え?え?」

「それは途中まで成功していましたが…あの憎たらしい神どもが人間に加護を与えて、勇者とやらにしたのです」

「ちょ、ま…!?」

「その勇者達に魔族の幹部が討たれ、防衛線もガタガタになった隙を突かれて、貴方もまた倒され、そしてこの時空に…」

「す、すとっぷ。ちょっとまってくれ…!」

「はい」

しかし、それでも良子の言葉に驚きを隠せなかった。
彼女の語る過去は、荒唐無稽を通り越して電波と言っても良いものなのだから。
信じる信じない以前に、見知った親戚のお姉さんの精神状態が大丈夫なのか心配になってしまう。


「えっと…俺が魔王…?」

「はい」

「しかも、別次元で負けてこっちに来たと…?」

「所謂、転生系主人公と言う奴ですね」

「こんな形で主人公になっても嬉しくともなんともないんですよねー…」

そうやって疑問の声を重ねるのは、良子が冗談だと言ってくれるかもしれないと期待しているからだった。
だが、そんな京太郎の期待に良子は応えてくれない。
従姉妹の春そっくりな変化に乏しい顔で首肯を示す。

「…信じられませんか?」

「良子さんの事を信じたい気持ちはありますけれど…ぶっちゃけた話、信じられる理由がありません」

「まぁ、そうでしょうね」

ハッキリと信じられないと告げる京太郎に良子は気分を害したりしなかった。
彼女にとって、それは予想出来た反応なのだから。
長年、彼の側で暮らしてきた経験が、京太郎の反応を当然のものだと受け止めさせていた。


「でも、京太郎、気づいていますか?」

「何がです?」

「普通の人間は一度に十数回も射精出来ませんし、私のお腹がいっぱいになるまでザーメンが出たりしません」

「え」

しかし、だからと言って、良子は諦めるつもりはなかった。
彼女にとって、京太郎を説得するのは悲願への第一歩なのだから。
ここで諦めるようならば、最初から彼と一線を超えてはいない。
そう思う彼女の指摘に京太郎は意外そうな顔を見せた。

「京太郎にとってのノーマルが、他の人にとってはアブノーマルなんです。それだけでも自分が『外れている』自覚に繋がるでしょう」

「ひゃ、百歩譲ってそうだとしても、それだけで…」

「それだけじゃありませんよ。…と言うか、そうではなくなる…といったほうが適切かもしれませんが」

「…そうではなくなる?」

「えぇ。さっきの京太郎は一度、死んだも同然ですから」

「…はい?」

良子の言葉に京太郎の混乱は強くなる一方だった。
自分が一度、死んでいるのだと言うのなら今の自分は一体、何なのか。
疑問に思う彼の手が左胸へと触れれば、ドクンドクンと脈打つ心臓の鼓動が伝わってくる。


「正確に言えば人としての京太郎はさっきのセックスで死にました」

「人としての俺…?」

「はい。転生した貴方を人としての領域に留めおく為の楔です。それを私がサキュバスの手管で蕩けさせ、殺しきりました」

「……それで俺はどうなるんです?」

「より魂の姿に近づいていきます。京太郎にも分かりやすく言えば、魔王としての性質が強くなっていくと言った感じでしょうか」

「と言われてもさっぱり自覚が…」

「あら、そうですか。では…」サワ

「ぬぉ…っ」

瞬間、良子の手が京太郎の肉棒へと触れる。
幾度となくティッシュで拭いても未だ粘り気を残すその場所は彼女に触れられる前から勃起しかかっていた。
さっきグロッキーになるほど射精したのが嘘のようなその滾りは、良子の滑らかな手によってぐんぐんと大きくなっていく。


「ふふ♥この回復力…流石は淫魔の王ですね…♪」

「ちょ、よ、良子さん…!?」

「このままもう一戦…と言う訳にはいきませんか?」

「こ、ここで流されてしまうと絶対に有耶無耶になっちゃうので…」

とは言え、京太郎は欲望に負けるつもりはなかった。
今、良子はとても大事な話をしている真っ最中なのだから。
ここで流されてしまえば、話の続きは二度と聞けなくなってしまう。
こんな電波な話を自分から振れる気がしなかったのだ。

「そうですか。残念です…」シュン

「…は、話が終わったら幾らでもしますから」

「約束ですよ?破ったら針千本呑ませますから」

そんな京太郎に返ってきたのは、目に見えるほど落胆した良子の表情だった。
その目をスっと伏せるその姿に、興奮よりも庇護欲を感じてしまう。
結果、話の後でと言い出してしまう京太郎に、良子はパァと表情を輝かせた。
さっきまでの落胆っぷりが嘘のようなそれに彼は一瞬、ハメられてしまったのではないかという疑問を覚える。


「まぁ、ともかく、自覚がなくても京太郎は魔王に近づきつつあり、それと同時に…」

「…ん?」

良子がそこまで口にした瞬間、ドタドタと廊下を走る音が聞こえた。
何処か慌ただしいその音に、京太郎はそっと首を傾げる。
今の時間は23時過ぎ。
日付ももうすぐ変わると言う時間に、これほど屋敷が慌ただしくなる理由が彼には分からなかった。

「く…もう勘付かれましたか…!」

「勘付かれたって…?」

「ここですね!」スパーン

「おぬわあああ!?」

京太郎の疑問に良子が応える暇はなかった。
それよりも先に勢い良く襖が開かれ、その向こうから栗色の髪をした女の子が現れる。
巫女服に身を包んだ彼女は襖を開いた瞬間、漂ってきた性臭にカァと顔を赤くしながら。



「ちょ、な、何!?何なんだ…!?」

「何だはこっちのセリフです…! この妖魔め…!!」

「妖魔!?」

怒りに声を震わせる彼女に、京太郎はさらなる混乱へと突き落とされた。
一体、この子は何を言っているのか。
妖魔とは一体、何の事なのか。
さっき良子が言っていた言葉と関係があるのか。
そんな言葉がグルグルと頭の中で渦巻き、軽いめまいを感じる。

「とぼけても無駄です! 神代家の膝下でそのような邪気を放っていて気づかれないとでも思いましたか…!!」

「いや、俺はごく一般的な男子高校生…」

「祟り神と言っても過言ではないほどの邪気を垂れ流しにするような一般的男子高校生はいません!!」

それでも反論しようとする京太郎に、栗色の少女は聞く耳を持たなかった。
彼女の目に映るのは、どす黒い邪気を垂れ流しにする恐ろしい化物なのだから。
どうしてこれほどの化物が神境のすぐ近くに突如として現れたのか。
京太郎と面識がない彼女はそんな言葉を浮かばせながらも、スッとその手に持った札を構える。


「何にせよ、この霧島神宮の中にやってきたのが貴方の運の尽きです」

「えーっと…な、何をするつもりなのかな?」

「無論、悪は祓い、邪は滅させていただきます」

「…め、滅するって事はやっぱり」

「そのままの意味で消滅しますね」

京太郎の言葉を引き継いだのは、後ろにいる良子だった。
その声音はとても平坦で、修羅場と言っても良い今の状況には相応しくない。
しかし、だからこそ、その言葉に嘘の色は見当たらず、京太郎の背筋を冷たくした。

「ってそこにいるのは戒能さん…!? まさかもう既に犠牲者が出ているなんて…!!」

「ご、誤解だ」

「ご、五回!? 五回もレイプしたんですか!? さ、最低です!!」

「いや、五回どころじゃないしされたのは俺の方…じゃ、なくって…!」

「問答無用です!!」

無論、京太郎は妖魔や魔王などという言葉を信じてはいない。
二人で共謀して自分を担いでいるのではないかという疑問は彼の中にも残っていた。
しかし、それ以上に二人の言葉からは真剣さが伝わってくるのだ。
このままでは本当にこの少女に殺されてしまうかもしれない。
それを防ぐ為に説得しようとする京太郎に、少女は怒りの声を返した。


「…京太郎、このままでは埒があきません。逃げますよ」

「に、逃げるってどうやって…?」

「それは勿論…こうやってです」パチン

「な…!?」

良子が指を鳴らした瞬間、京太郎の視界が闇に包まれる。
夜の帳を幾重にも重ねたようなそれはすぐ側にあった良子の顔すら覆い隠してしまう。
一体、自分の身に何が起こっているのか。
困惑に困惑を重ねる京太郎の前で、ゆっくりと闇が溶け落ちていく。

「…ここは」

その向こうから見えるのは、慣れ親しんだ和室ではなかった。
大理石の床と石の柱が立ち並ぶ広々とした空間。
中央に敷かれた赤い絨毯は、金色の椅子へとつながっている。
まるで童話に出てくる玉座の間を彷彿とさせるその光景に全裸の京太郎は顔を動かして。


「京太郎…♥」ダキ

「おぉぉぉ…」

瞬間、後ろから抱きついてきた良子に京太郎の口から震える声が漏れる。
情事の後からずっと服を着ていない彼女の身体は、男子高校生にとっては毒も良いところなのだ。
スベスベとしたその肌やむっちりとした肉付きの良さが、一旦は萎えかけた京太郎の肉棒に熱を与える。
再びムクムクと持ち上がる淫棒は、執拗に快楽を求め始めた。
その欲求を何とか理性でねじ伏せながら、京太郎は口を開く。

「よ、良子さん、ここは…?」

「ここはかつての貴方の城……を模した秘密基地のようなものです」

「俺の城…」

京太郎はもうその言葉を否定する気はなかった。
少なくとも良子が複数人を別の場所へと転移させる力を持っているのは確実なのだから。
幾ら今の科学が日進月歩だと言っても、未だ瞬間移動は理論さえ完成してはいない。
そんな無理を現実に引き起こしてみせた彼女を京太郎はもう疑う気にはなれなかった。


「もしかして何か思い出しましたか!?」

「い、いや、ごめんなさい」

「そう…ですか…」シュン

何より、その瞬間、見せた良子の変化はとても大きいものだった。
普段、おっとりとしている彼女は滅多に大声を出したりしない。
しかも、その声に期待を満たしているのだから、余計に真実味が強くなった。
少なくとも、良子は本気で自分の事を魔王とやらの生まれ変わりだと信じているのだろう。

「…それでさっきの続きですけど」

「信じてくれる気になりましたか?」

「ここまでされてドッキリだって言われる方がびっくりしますよ」

ならば、ここで自分がするべきは混乱して座り込む事ではない。
少しでも多くの情報を共有し、霧がかったように見えない状況を何とか解決する事。
そう自分に言い聞かせながら、京太郎は大きく深呼吸を繰り返す。
今度こそ何を言われても大丈夫なようにと脳に酸素を送り込んだ彼は、ゆっくりと背中の彼女に向き合った。


「では、今の状況を改めて説明しましょう。端的に言えば、貴方は狙われています」

「さっきの女の子にですか?」

「いいえ。あの子…明星ちゃんは小物と言っても過言ではありません。京太郎君から精を貰えば、あの程度、私一人で潰せます」

「って知り合いじゃないんですか?」

「『戒能良子』にとっては親戚の一人ではありましたね。でも、それだけです」

その言葉がゾっとするほど冷たかった。
まるで本当にそれ以上の価値を見出していないかのような声音は嘘偽りに思えない。
きっと良子は必要があれば躊躇いなくそれを実行に移すだろう。
心のなかに浮かんでくるその言葉を、京太郎は否定する事が出来なかった。

「私にとって一番大事なのは貴方の事ですから」

「…俺の?」

「えぇ。そうですよ」

そんな京太郎を安堵させるように良子は微笑む。
その頬を微かに緩めて唇を釣り上げるそれは彼も大好きなものだった。
だが、今の彼女の笑みは、何処か空々しく思える。
嘘を吐いている訳ではないが、決して本心ではないような気がした。


「だからこそ、あのにっくき勇者どもをどうにかしなければいけません」

「…勇者って俺の前世を倒したって言う?」

「えぇ。と言っても、厳密に言えば、貴方は倒された訳ではありません。倒される直前に秘術を使い、魂だけこの世界に流れてきたのです」

「じゃあ、勇者達は元の世界にいるままなんじゃ…」

「強引に秘術を使った所為で、あの勇者たちも巻き込まれたんです。つまり…」

「…俺と同じく勇者たちも魂だけとなってこの世界に来ていると?」

「さらに言えば、連中は貴方のオーラに反応して近づいてきます」

「…仲良く出来そうか?」

「魔王として覚醒した今の京太郎では無理でしょう」

「だよなー…」

かつて自分を倒した勇者たちの生まれ変わり。
そんな連中が自分のことを見過ごしてくれるとは思えなかった。
さっきの少女 ―― 明星のようにきっと問答無用で攻撃してくるはず。
そう思うだけで京太郎の胸が重くなった。


「しかし、今の京太郎では勇者たちには勝てません。あっちもまだ未熟ですが、こちらはそれ以上に準備不足ですから」

そんな京太郎に良子は悪びれたりしなかった。
彼女にとって、それらは最初から織り込み済みなのだから。
それらを覚悟で彼を目覚めさせた彼女に、今更、謝るつもりなどない。
自分がやっている事は正しい事なのだと良子は断言出来る。

「つーか、勝てる要素あるのか…?」

「あの世界では無理だったかもしれませんが、別の世界に来た以上、加護も薄くなっているはずです。準備さえすれば勝機は十分にありますよ」

「勝つ…か。でも、それは…」

「…相手を殺す事に抵抗感がありますか?」

「当然だろ。前世がどうだったか知らないが、俺は普通の人間なんだぞ」

「…そうですか。安心しました」

「え?」

「『普通の人間』ほどサディスティックな生き物はいませんから」

その言葉には複雑な響きが隠されていた。
淫魔であり、幼馴染の従姉妹であり、前世からの知り合い。
今日一日で彼女の色々を知った彼でも、その言葉に込められた感情は感じ取れなかった。
ただひとつ、戒能良子と名乗るそのサキュバスが、人間を心底憎んでいるという事だけがハッキリと伝わってくる。


「まぁ、京太郎が殺すのが嫌だと言うのなら、調教して洗脳と言う方法もありますよ」

「…その二択しかないのか?」

「情けを掛けて生かしておくなんて下策も良いところですよ。そのままにしておけば相手は必ず貴方にエッジを向けます」

「だけど…」

「大丈夫です。貴方なら出来ますから」ソッ

迷う京太郎の頬を、良子の手が包み込む。
まるで幼子を安心させるようなそれに、しかし、京太郎の迷いは晴れなかった。
これまで京太郎はごく一般的な男子高校生として生活していたのだから。
幾ら殺さない為とは言え、洗脳を肯定出来るはずがない。

「…気づいていますか?京太郎はさっきから私に敬語を使っていないという事に」

「え…あ…」

「少しずつ貴方は魔の王に…私が傅いた人に近づいているんです。人間のメス数匹くらいすぐに堕とせますよ」

「っ」

そんな京太郎にとって、良子の言葉は驚きを隠せないものだった。
幼いころから一世代上のお姉さんとして自分たちを牽引してくれていた良子。
その彼女にずっと使い続けていた敬語が、今や意識しないと出てこない。
彼女の指摘からようやく思い至ったその事実に、京太郎は思わず言葉を詰まらせる。

サキュバスだし、ずっと女子高生を繰り返してたんですよ
……ごめんなさい、完全に途中から設定忘れてましたの(´・ω・`)


「それでも抵抗感があると言うのなら…私の事を護ってください」

「護る…?」

「えぇ。私にとって彼女たちは貴方の仇ですから。協力してもらえないのなら例え玉砕してでも彼女たちを殺しに行くでしょう」

その言葉は頑ななものだった。
まるで大岩のように硬く重いその言葉は、彼女の強い意思を感じさせる。
きっとここで何を言おうと良子はその意思を翻したりしないだろう。
良子が誰かを殺すという抵抗感と共に、そんな言葉が浮かび上がってくる。

「でも、京太郎が戦う覚悟を決めてくれるなら、私もそのような無茶はしません。お互い生き残れるように最善の道を模索すると約束します」

「……それってつまり俺に選択肢なんてないも同然じゃないか」

京太郎はとうの昔に良子に心を奪われている。
昔から憧れていた大人のお姉さんと彼は肌を重ねてしまった後なのだから。
身も心も虜にするような甘い睦事を経て、勝手にしろと言えるはずがない。
例え、それが茨の道だと分かっていても頷くしかなかった。


「京太郎ならそう言ってくれると信じていましたよ」

「…どうやら俺は悪い女に引っかかっちまったみたいだなぁ」

「悪い女はお嫌いですか?」

「嫌いだけど、それ以上に良子さんが好きなんだよ」

「ふふ…♥」

諦めたように肩を落とす京太郎に良子は嬉しそうな笑みを浮かべた。
彼女にとって、京太郎はあらゆる意味で『特別』なのだから。
身も心も彼に依存している良子には、『好き』の言葉が嬉しくて嬉しくて仕方がない。
その胸の奥にある心臓がキュンと疼き、淫魔の肉穴がジュルジュルと舌なめずりするように騒ぎ出す。

「では、まず最初に明星ちゃんから堕としてしまいましょうか」

「って、あの子は勇者じゃないんじゃ…」

「違いますけれど、京太郎から邪気が漏れているところを見られてしまいましたし。口止めしないと日常生活も送れませんよ」

「あー…それはそうかもしれないけど…」

しかし、良子はそれを表に出したりしなかった。
ずっと飢え続けていたサキュバスの本能は京太郎を求めているが、今は緊急事態。
約束していた情事よりも、目に見えるほど迫った脅威を何とかするべきだろう。


「いずれ勇者たちはここに踏み込んでくるでしょうが、それは可能な限り先延ばしにしなければいけません」

「……」

「その為にはあの子がフリーのままでいるのはデンジャーですし…」

「何より、調教に関するチュートリアルにもなるって事か?」

「察しが良くて助かります」

無論、明星レベルなら良子一人でどうにか出来ない事はない。
未だ自身のことを被害者だと思っている彼女に近づき、不意打ちで心臓を貫く自信が良子にはあった。
だが、それを京太郎は望んでおらず、また明星は『教材』としてベストな人材である。
それを無駄にするのは勿体無いと良子は思う。

「とは言え、京太郎はまだ覚醒したばかりで魔法の一つも使えません。なのでこのまま戦闘となるとまず間違いなく負けてしまうでしょう」

「身体能力には自信があるけど…女の子相手に殴ったり蹴ったりなんて無理だしなぁ…」

「えぇ。なのでトラップを使いましょう」

「トラップ?」

「えぇ。とびきりエッチで淫魔らしい…素敵なプレゼントですよ…♥」

クスリと笑う彼女の表情に京太郎はつい数時間前の出来事を思い出した。
幼馴染を通じて知り合った薄墨初美と言う少女の誕生日。
それを盛大に祝った後に良子は近づいてきた。
今夜、京太郎の部屋に行きたいのですが。
そう耳元で囁いた時の彼女と同じ顔をしている。

―― …多分、すっげぇ悪巧みしてるんだろうなぁ。

そう思いながらも京太郎はそれを止めるつもりはなかった。
良心がまったく咎めない訳ではないが、今の状況は決してワガママを言っていられる状況ではないのだから。
自分が、そして何より良子が生き残るためにも使えるものは何でも使ってしまった方が良い。
ズキリと疼く胸にそう言い聞かせながら、京太郎は良子の提案に耳を傾けて。

こんな感じで催淫ガスとか媚薬とかスライムとかで弱らせつつ
玉座の間にやってきたヒロインを京ちゃんのマジカル☆チンポでアヒンアヒンさせて堕としていくスレを誰か立ててください


夕日差し込む学校の中をチグハグな二人が歩いていた。
片方が黒髪、片方は金髪。
片方は小柄で、片方は長身。
両方共、制服を着ているが、そのデザインは全く違う。
見事に食い合わないその二人は、しかし、仲よさげに肩を並べて歩いていた。

「あれ、玄ー?」

「ん?」

その片方 ―― 黒髪で小柄な方が呼ばれた声に振り返る。
瞬間、彼女 ―― 松実玄の視界に見慣れたクラスメイトの顔が映った。
その顔に浮かぶ疑問と好奇心を隠そうともしない彼女は、振り返った彼女に応えるように唇を動かして。


「その子見慣れない子だけど誰?」

「あぁ。この人は私の従姉妹だよ」

「従姉妹…?でも…」

似ても似つかない。
そう少女が思うほどに二人の容姿はかけ離れていた。
共に美少女と呼べる格好ではあるが、その方向性すら違う。
玄の方は可愛い系ではあるが、もう一人の方は美しいと言う形容詞が似合うのだから。

「私、ハーフなんです」

「あぁ、なるほど」

言われ慣れているのだろう。
もう一人の美少女から漏れ出る言葉はスルリとしたものだった。
それに少女が納得を覚えるのは、彼女の髪が見事な金色だからこそ。
染髪剤ではどうやっても出せないナチュラルなその輝きは外国由来のものでもおかしくはない。


「実は私、阿知賀女学院に興味がありまして。それで無理を言って案内して貰ってるところなんです」

「そうなんだー。って事はもしかしたらこっちに転校とか」

「目下、交渉中です」ニコ

「へー。そうなると良いねー」

そう微笑む彼女の笑みは気品にあふれるものだった。
まるで何処ぞのお嬢様のような表情に少女は警戒心をドンドン解いていく。
元々、好奇心の強い彼女は、もう目の前の少女を疑っていない。

「ちなみに今、何年なの?」

「あぁ。これは申し遅れました。須賀京子ともうします。高校一年生です」


―― ニコリと微笑む彼女がたったひとつしか真実を言っていないなど想像すらしていなかった。



………


……





「ふー…危なかったね、同志スガーリン」

「ふふ。これくらいどうって事ありませんよ、同志クロチャコフ」

クラスメイトと別れてから玄は安堵の声を浮かべた。
休日 ―― しかも、下校時刻が間近に迫る今の時間なら、見つかる事も殆どないだろうと思っていたのである。
そんな予想を裏切って話しかけてきたクラスメイトに玄は内心、動揺していた。

「でも、ホント凄いなぁ…」

「そうですか?」

「うん。多分、先に言われてなかったら私だって分からないと思う」

「そう言ってもらえると今日まで努力してきた甲斐があります」

本来なら玄の方が京子のフォロー役になるはずだった。
だが、動揺した彼女はボロを出さないのが精一杯だったのである。
そんな彼女に助け舟を出した京子に、玄は感嘆の声を漏らした。
自分よりも頭ひとつ分大きな彼女が本当は男であるなど到底信じられない ――


「ちなみに努力って何をしてたの?」

「女子校のお勉強をしていました。主にゲームで」

「ゲームかー…」

「同志クロチャコフはあまり興味ありませんか?」

「うーん…やりたい気持ちはあるんだけど、でも、あんまり時間ないし…」

「確かに麻雀部員と女将修行を同時平行では余暇も殆どないかもしれませんね」

「両方共好きでやってるんだけどね」

「…それでも時に辛くなる時はあるでしょう。そんな時は是非頼ってくださいね」

「うん。ありがとう、同志スガーリン」

互いに同志と呼ぶ二人に垣根のようなものはなかった。
まるで幼い頃から共に過ごしてきた幼馴染のように肩を並べて歩いている。
お互いに心を許しきったその雰囲気はいっそ熟年夫婦のようにも思えた。
少なくとも、二人がまだ出会って一年も経っていないと見抜けるものはほぼいないだろう。



「まぁ、今はそれよりも目の前のミッションだよ」

「そうですね。これまでも同志クロチャコフとは様々なミッションをこなしてきましたが…今回は間違いなく最高難易度と言っても良いでしょう」

「…でも、それに足るリターンはある」

「えぇ。そうです。だからこそ、私はここにいる」

こうして京子 ―― 本名須賀京太郎がここにいるのはある集団が阿知賀を訪れると聞いたからだった。
玄や彼が追い続けていたその集団を見過ごす訳にはいかない。
そう判断した二人は議論に議論を重ね、一つの作戦を立てた。
京太郎を女装させ、従姉妹として阿知賀へと潜入させるという無謀極まりないものを。

「…今ならまだ引き返せるよ、同志スガーリン」

「愚問ですよ、同志クロチャコフ。もし、貴女が私の立場ならここで引き返しますか?」

「……ううん。例え、止められても一緒に行くと思う」

「そういう事です。私たちは一心同体」

「生まれた時は違っても、死ぬときは一緒…だよね」

「えぇ」

無論、二人もどれほどそれがリスクの高いものであるかを良く理解している。
しかし、だからと言って、ここで引き返すほど二人の執念は浅いものではないのだ。
必ずしも目的を達成し、生きて帰る。
その意思を固めた二人はゆっくりと目的地へと踏み込んで。


「あ、初めまして。私、永水女子三年の石戸霞と言います」

「おもちぃいいいいい!!!!!!」ワキワキ

「あ、あの…」

「ごめんなさい。うちの玄ちゃんがごめんなさい」ペコペコ

瞬間、二人の事を迎えたのは人並み以上に豊満なバストを抱えた美少女だった。
石戸霞と名乗った彼女がペコリと頭を下げるだけで、その胸がふるるんと揺れる。
ブラをつけていても尚、収まりきらない柔らかさに玄は一瞬で我を忘れてしまった。
夢にも見た石戸霞の胸が目の前にあると思うとその口からヨダレさえ出てしまいそうになる。
そんな妹のはしたない姿に姉である松実宥は何度も頭を下げて謝罪した。

「それで、そちらの方は…?確か阿知賀麻雀部は五人と聞いていたのですが…」

「あ、ホントだ。玄さん、この人、誰?」

「私、玄さんの従姉妹である須賀京子ともうします」

霞の言葉に高鴨穏乃が反応した。
玄よりもさらに小柄な彼女はトテトテと二人の元へと近づいていく。
何処か犬っぽい人懐っこい仕草に京子もペコリと頭を下げて応えた。


「へー。玄さんに従姉妹なんていたんだ」

「そりゃいるに決まってるでしょ。…って言うか、須賀って」

「どうかしました?」

得心したような穏乃の様子に、隣の少女 ―― 新子憧がツッコミを入れる。
しかし、それだけでは済まないのは、彼女が原村和と交流があるからだ。
確か和の仲間にも須賀と言う名前の男の子がいたような気がする。

「…うーん。いや、何処かで聞き覚えがあるなって」

「地名でもありますし、それほど珍しい名前ではありませんから」

「…そうね、うん。きっとそうだと思う」

しかし、憧の中で、その両者が重なる事はなかった。
彼女は須賀京太郎の名前こそ知っているものの、実際に会った事はないのだから。
まさか本人が女装して阿知賀に乗り込んできているなど想像すらしていない。
だからこそ、心の中に引っかかったそれを気のせいだと放り捨ててしまう。


「…それでその須賀さんがどうしてここに?」

そんな憧の後ろで鷺森灼が警戒心を見せていた。
京子の正体に気づいてはいないが、彼女が部外者である事に疑う余地はない。
これから秋季大会を視野に入れた永水女子との合宿が始まると言うのに、あまり長居はして欲しくなかった。
出来れば、さっさと立ち去って欲しい。
そんなオーラが小柄な身体から染み出している。

「実は私、阿知賀女学院に興味がありまして。ついさっきまで玄さんに案内して貰っていたところなんです」

「あ、だから玄さんちょっと遅れたんだ」

「えぇ。私のワガママの所為でごめんなさい」ペコリ

「大丈夫だよ。永水女子の皆さんも今来たばっかりだし」

素直に頭を下げる京子に、穏乃がフォローの言葉を口にする。
予定の時間よりも少し遅くなったのは事実だが、何も今すぐ始めなければいけないという訳でもない。
永水女子の到着には間に合ったのだから、問題はないと彼女は笑顔を見せて。



「ありがとうございます。それで…その不躾で申し訳ないのですけれど」

「何?」

「実は私、永水女子と阿知賀のファンなんです。そんな私がこうして両校の合宿に居合わせる事が出来たのもきっと運命」

「そ、そうだねー…」

調子の良い京子の言葉に、宥はぎこちなく頷いた。
松実玄の姉である彼女は、京子の正体もまた知っているのだから。
もし、バレてしまったらどうしよう。
そんなハラハラ感が彼女の中に広がっていた。

「宜しければサインか対局のどちらかだけでも…」

「それは…」

「こっちは良いわよ」

京子の提案に阿知賀の灼は言い淀み、永水女子の小蒔は快諾して見せた。
相手の正体は未だ窺い知れないが、ファンとまで言われて悪い気はしない。
ちょっとした要望くらいは叶えてあげたい。
そう思った彼女は屈託のない笑みを京子に向けた。


「宜しければサインか対局のどちらかだけでも…」

「それは…」

「こっちは良いですよ」

京子の提案に阿知賀の灼は言い淀み、永水女子の小蒔は快諾して見せた。
相手の正体は未だ窺い知れないが、ファンとまで言われて悪い気はしない。
ちょっとした要望くらいは叶えてあげたい。
そう思った彼女は屈託のない笑みを京子に向けた。

「…小蒔ちゃんがこう言っちゃった以上、こっちに拒む理由はないわ」

「…永水女子の皆さんが良いならこっちも異論ありません」

「ありがとうございます…!」ペコリ

「良かったですね、須賀さん」ニコ

「ですねー!」ニコ

出来れば所属も知れない生徒と打ちたくはない。
そう思う霞だったが、小蒔の言葉に逆らえるはずがなかった。
なし崩し的に了承するしかない霞に灼もまた追従する。
苦労人二人が返すしぶしぶの了承に京子は三度、頭を下げた。
そんな京子にニコニコと笑みを浮かべる穏乃と小蒔に、両校の部長二人はそっと肩を落とす。

「では、改めて自己紹介していきましょうか」

「私、二年の神代小蒔です。改めてヨロシクお願いします」

「一年の滝見春。…よろしく」

「狩宿巴。三年です。よろしくお願いします」

「私は三年の!さ・ん・ね・ん・の!!薄墨初美なのですよー」

とは言え、何時迄も落ち込んでなどいられない。
こうしている間にも秋季大会は刻一刻と近づいているのだから。
合宿の時間も潤沢にある訳ではないのだから、早めに進めて行った方が良い。
そう思った霞の促しに永水女子の少女たちが応えていく。

最初は部長設定の霞さんに言わせるつもりだったんですが、姫さまの方が自然かなって思って書き直したのです(´・ω・`)そして修正漏れ…


「石戸明星です。霞お姉様とは従姉妹の関係ですが」

「ですが?」

「心の貞操は既に霞お姉さまに捧げております!!!」

「そ、そうですか」

永水女子の側で最後に自己紹介をしたのは石戸明星 ―― 霞の従姉妹を名乗る少女だった。
栗色のロングヘアーを靡かせる彼女は力強く自身の貞操を宣言する。
自分はもう霞のモノなのだとアピールするようなそれに京子でさえ気圧されてしまう。

「その、中々、個性的な方ですね」

「ごめんなさいね。悪い娘じゃないし、優秀なんだけれど…ちょっと姉離れ出来ていなくって」

「姉離れしろだなんて…そんな事言われたら私、死んじゃいます…」

「…こんな感じなの」

「…色々と大変ですね」

「分かってくれるかしら?」

「えぇ。両方の意味で」

京子は女装してまで永水女子の面々と近づこうとするような筋金入りだ。
女子高生の中でもトップクラスのバストを誇る霞から離れがたい明星の気持ちは分かる。
しかし、それと同時に彼は宮永咲の庇護者としての顔も持っているのだ。
目を離せば何処でもすぐ迷子になるポンコツ幼馴染との付き合いは、霞の気持ちを察しさせるに十分過ぎる。

ダメだ…もう一個くらい書きたかったけど眠気がマッハなんで寝ます(´・ω・`)明日からは本編書いていくんで小ネタの投下とかはあんまり出来ないです

ヒャァ!もう我慢出来ねぇ!小ネタだー!!!


「両方?」

「えっとそれは…」

「それより!!」ズズィ

それを正直に口にしてしまう京子の前で、霞は小首を傾げた。
どこかおっとりとした彼女によく似合うその仕草に、明星が割り込んでいく。
京子が応える事すら許さないその強引さに、彼女の後ろで霞が困ったような表情を浮かべた。

「時間は有限なのですから早く始めてしまった方が良いと思います」

「こっちも異論はない。…というか、一人使い物にならなくなってるから、代わりに須賀さんが入ってくれた方が助かる…」

「おもち…おもち…」デレー

「玄ちゃん…」

思いっきり鼻の下を伸ばして幸せそうな顔をする妹に、宥はなんとも言えない視線を送った。
それほどまでに楽しみにしていた霞との対面が叶ってよかったと言う気持ち。
幾ら並外れているとは言え、同性の胸にこれほどの陶酔を浮かべる妹をどうすれば良いのかと言う気持ち。
その両方が交じり合う姉の視線に、玄は気づく事がなかった。


「それだけ霞さんとの対面が楽しみだったんです。許してあげてください」

「私は構わないけれど…でも、おもちって何の事なのかしら?」

「あ、それは…」

「そ、それよりもほら、早く卓を囲んじゃいましょう!」

「わぅっ!?」

穏乃が霞の疑問に応えようとした瞬間だった。
穏乃の隣にいた憧が、彼女の口を塞ぎ、強引に話を元に戻す。
霞率いる永水女子は連休を利用し、鹿児島から奈良までやってきてくれたのだから。
可能な限り、不愉快になるような話題は避けたい。

「じゃあ、誰がどの卓になるか決めなきゃですよー」

「決めるの時間掛かりそうだし、くじが一番だと思…」

「そう言うと思って、既にご用意させて頂きました」スッ

「え?」

初美と灼の言葉に、京子は小さな箱を取り出した。
一辺が30cm程度のその箱は少女たちの驚きの視線を集める。
その場にいる誰もが、京子がそんなものを持っている事に気づかなかったのだから。
何事もなかったかのように後ろからポンと出されるまで、ずっと手ぶらだと思っていた。


「い、一体、いつの間に…」

「ふふ。これくらい淑女として当然ですよ」

「淑女とは一体…」

驚きを口にする小蒔に、京子はにこやかな笑みを返した。
具体的に何時なのかをはぐらかすその笑みに、春がポツリと声を漏らす。
彼女の知っている淑女は、決して魔法使いでもマジシャンでも何でもないのだから。
淑女はまったく関係ないだろうとめったに自己主張しない彼女もついつい突っ込んでしまう。

「へぇ…凄いのね、須賀さん」

「いえ、石戸さんほどでは」

「あら、霞で良いわ。今回は明星ちゃんもいる訳だし、石戸呼びだとややこしいもの」

「では、霞さんと呼ばせていただきますね」

「えぇ。私も京子さんと呼んでも良いかしら?」

「勿論。霞さんなら喜んで」

「ふふ。ありがとうね、京子さん」

「ぐぬぬぬぬぬぬぬぬ…!!!」

その一方で、霞と京子の距離は近づいていく。
お互いを下の名前で呼び合う二人に明星はグっと歯を噛み締めた。
幾ら同性であっても、敬愛する霞と仲良くなられるのは面白くない。
霞は自分だけのお姉様なのだと子どもじみた独占欲が胸中から浮かび上がってくる。


「あ、私、Aですね。では、次は…明星ちゃんどうぞ」

「え?」

そうしている間に殆どのメンバーがくじを引き終わった。
残っているのは明星と、そしてくじの製作者である京子だけ。
だが、不正を避けるためにも、京子は最後に回した方が良い。
そう判断した巴は、明星へと箱を手渡して。

「え、えっと…あ、私はCみたいですね」

「って事は…Cはもう一枠空いてるから」

「自動的に私がCになると言う事ですね」

「へー…そうなんですかー」ニヤリ

どうにも気に入らない京子と一緒の卓。
それは明星にとって好機と言っても良いものだった。
ここで再起不能に追い込めば、麻雀の合宿に参加する事は出来なくなる。
あの目障りな泥棒猫を必ず泣かせてやると明星は心に決めながら、にやりと笑みを浮かべた。


「あー…また悪い事企んでいる顔なのですよー」

「ごめんね、須賀さん。悪い娘じゃないんだけど…」

「いえいえ。構いませんよ」

しかし、それは付き合いの長い少女たちにはお見通しであった。
絶対にまた碌でもない事を考えている。
それに前もって謝罪する巴に、京子はフルフルと首を振った。
京子は明星が貞操宣言するほどのシスコンである事を知っているのだから。
霞と下の名前で呼び合うようになった自分が、敵視されるのも当然の事だろうと思う。

「それにきっと彼女の思い通りにはならないと思いますから」

「…へぇ」

何より、京子の中には揺るがない自信があった。
明星が何を企もうが決して彼女の思い通りになったりしない。
確信に満ちたその言葉に、明星は底冷えするような声を漏らした。
そこまで言うのならば、文字通り再起不能に追い込んでやる。
ふつふつと湧き上がる敵意のままに、彼女は卓へとついて。


………


……





「ロン。16000です」

「げふん」

「えー…」

京子は弱かった。
東場で見え見えの手に振り込み、あっさりとトんでしまうほどに。
あまりの手応えのなさに、明星の口から不完全燃焼な声が漏れた。

「…もしかして須賀さんって初心者?」

「一応、役と点数計算は覚えました」

「なるほど。そりゃ思い通りになったりしないわよね…」

麻雀は運の要素が強いゲームだ。
しかし、だからと言って、実力と言うものが勝敗に関係しない訳ではない。
少なくとも、全国でも指折りの実力者達を前にして、初心者が太刀打ち出来るようなゲームではないのだ。


「しかし、楽しかったです。リアルで打つメンツはほぼ固定でしたから」

「って事は、あんまり麻雀部が活発じゃないの?」

「それは…」

「…ません」

「え?」

東場で終わってしまった卓は既に歓談ムードが流れていた。
元々、交流戦に近かったと言うのもあって、皆、のんびりとしている。
そんな中に流れたのは、低く抑えられた怒りの声。
歓談ムードに唯一加わろうとしなかった明星から漏れたそれは、京子を含む三人の視線を引き付ける。

「こんなの私は認めません!!」クワ

「あ、明星ちゃん」

「こっちは完全に叩き潰すつもりでやってるのに、負けてもヘラヘラして楽しかっただなんて…!そんなの許せません!!」

それに応えるのはさっきよりも遙かに強い言葉だった。
怒りをハッキリと露わにするそれに隣に座る巴は諌めるような声を漏らした。
しかし、明星はそれが聞こえていないかのように怒りの声を続ける。


「須賀さん!」キッ

「は、はい」

「須賀さんは、一体、こちらに何日滞在するつもりですか?」

「とりあえず連休中はずっとこちらにいるつもりですけれど…」

元々、京子は合宿に長居をするつもりはなかった。
異物である自分があまり長居をし過ぎると招いてくれた玄や好意から正体を黙ってくれている宥にまで迷惑が掛かりかねない。
生霞のかすみっぱいを拝むという目的は達したのだから、欲を出さずにそろそろ退散するべき。
阿知賀で過ごす連休の残りは、玄とおもち談義をして過ごそうと思っていた。

「では、その間、私が貴方の指導をします」

「……え?」

「このままでは私は貴方に敗北感を与えられません! だから鍛えると言っているんです!!」

そんな彼に返ってきたのは荒唐無稽と言っても良い言葉だった。
一体、この娘は何を言っているのか。
叩きのめす為に鍛えるのだと言う彼女の言葉が京子には理解できない。


「…と言うか、私、部外者ですし、そろそろ帰るつもりだったんですけど」

「か、勝ち逃げするつもりですか!?」

「いや、私、思いっきりトびましたし…」

「でも、全然、凹んでないじゃないですか!!」

「まぁ、トぶのなんて慣れっこですから」

京子の環境は決して初心者に優しいものではない。
京子が所属する清澄はある意味で今の状況よりも遙かに厳しく、また苛酷なものなのだから。
そんな中で数えきれないほどトんで来た京子が一度や二度の敗北で堪えるはずがない。
何時もの事だと軽く受け止める事が出来る。

「それじゃあ私が納得出来ません!」

「…でも、石戸さんは初心者を鍛えに合宿に参加しに来た訳じゃないでしょう?」

「うぐ…」

だからと言って、明星の提案が嬉しくない訳ではない。
負けを受け入れる事が出来るとは言え、強くなりたいという気持ちは京子の中にもあるのだから。
清澄とはまた違った環境ならば、また違う方向に成長出来るかもしれない。
だが、それは彼女たちの合宿を潰してでも求めなければいけないものではなかった。

うーん…このなんとなくエンジン掛からない感じよ…
と言うか、小ネタ消化を優先しすぎて求められているものと全然違うものを書いているような気がする…(´・ω・`)とりあえずしゅっきーん

こんなスレに常駐してる人なんて二人か三人くらいだと思ったんだよぉ…
折角リクエスト貰ったのに応えないのもアレかなって思って…(´・ω・`)だが頑張る方向性を間違えた気がする
とは言え、今更なしよってのもアレなんでとりあえず書くだけ書いていきます


「…須賀さん、悪いけれど付き合ってあげてくれないかしら」

「狩宿さん?」

「こう見えて明星ちゃんってかなり頑固な娘だから。多分、何を言っても納得しないと思うの」

そこで明星への助け舟を出したのは同じ永水女子である巴だった。
明星とも付き合いの長い彼女は、ここで京子が帰っても明星が集中できない事が分かっている。
勝ち逃げされたと言う意識を引きずり、折角の合宿も無駄になるだろうと。

「それに明星ちゃんは今までずっと教えられる立場だったし、誰かに教えるとなると新鮮だと思うの。

だから、須賀さんさえ良いなら付き合ってあげてくれないかしら?」

「……分かりました」

これが明星のワガママと言うだけならば、京子も頑なに拒んだだろう。
だが、こうして明星と同じ永水女子の部員が背を押しているのに否と返す事は出来ない。
こっちとしても渡りの船なのだからありがたく申し出を受けさせて貰おう。
そんな言葉と共に京子は小さく頷いた。




「では、須賀さんの実力を把握する為に当分、私は背中に付かせて貰いますね」ガタ

「となると三麻になるのかな?」

そう言って立ち上がる明星に、同卓していた宥は小首を傾げた。
赤い牌が集まりやすいと言う彼女の能力は、三麻ではあまりにも有利過ぎる。
さっきのようにすぐ京子を飛ばしてしまい、実力が測れないのではないかと宥は思った。

「いえ、私の代わりには松実玄さんに入って貰おうと思います」

「だ、大丈夫かな…」

「えへへへ…」

そこで宥がチラリと妹に目を向ければ、彼女は未だうっとりとした顔で霞の胸を見つめていた。
卓の上にずしりと乗っかるような重量感のあるそれに玄は夢中になっている。
妹の事は大好きだからこそ、完全に夢見心地となった彼女がそう簡単に戻ってくるとは思えなかった。


「同志クロチャコフ」

「ハッ」

しかし、そんな彼女の思いとは裏腹に、玄の意識はあっさりと現実に返ってくる。
京子の呼びかけに短く応えた彼女は、キョロキョロと辺りを見渡した。
二度三度と繰り返す内に、既に合宿が始まっている事に気づいた玄は気まずそうな笑みを浮かべる。

「えへへ」

「もう。えへへではありませんよ。……まぁ、気持ちは分かりますけれど」

「やっぱり? 凄いよねー霞さんのおもち。想像以上だよ」

「見ているだけでも幸せな心地になるというのはあぁいうのを言うんでしょうね」

「だねー。是非ともお近づきになりたいよ」ワキワキ

「お近づき?」ジト

「い、いえ、あんまり気にしないでください」

上機嫌で繰り返される二人の会話に明星は再びジト目を向けた。
もしかしたら玄の方まで、義姉の事を狙っているのではないか。
そんな疑心暗鬼に満ちた目に、宥はぎこちないフォローを入れる。
妹がお近づきになりたいのは霞本人ではなく、霞の胸そのものだと言う度胸は彼女にはなかった。


「何はともあれ、同志クロチャコフ。一緒に麻雀しませんか?」

「良いけど…それだと永水女子の人が一人になってバランス悪くないかな?」

「同志クロチャコフがいない間に色々とあったので…」

「うーん…良く分からないけど、同志スガーリンがそう言うなら」ストン

京子の言葉に、玄は首を傾げながらも素直に従った。
彼女にとって京子は世界で最も心を許している同志なのだから。
同じものを好み、同じ目標を見据える彼の言葉が悪いものであるはずがない。
そう判断する玄に明星は警戒の眼差しを向けながら移動して。

「…では、始めてください。最初は私は何も言わず観察しますので」

「分かりました」

明星の言葉を皮切りに全自動卓が動き出した。
ガラガラと言う洗牌音。卓の内側から浮き上がる山。
それをそれぞれが手に取った後、二度目の対局が始まる。


「あーもう。何をやっているんですか。そこはこれですよ、コレ!」

それから一分も経たない間に明星は口出しを始めていた。
それは彼女がただ我慢弱いというだけではない。
京子の未熟さはついつい彼女が口出ししたくなるほどだったのだ。
これでは勝てるものも勝てない。
そう判断した彼女はグイと身を乗り出しながら京子に指示を出す。

「お、おふぅ…」

しかし、その結果、彼女の豊満な胸は京子の背中に押し付けられていた。
義姉に負けないその柔らかさはグニグニと形を変えながら京子の背中を刺激する。
ブラ越しにもはっきりと分かるその柔らかさに、京子はついつい心地良さそうな声を漏らしてしまった。


「(後で、感想、聞かせて、ね)」シュババババ

「(ラジャー)」シュババ

そんな京子に玄は無言でハンドサインを送る。
幾重にもダミーを重ねたそれは特殊部隊ばりに複雑なものだった。
だが、お互いに同志と呼ぶ彼らにとって、それは足し算よりも難しい程度。
いざという時の為にと作ったそれで過不足なく意思疎通をしていた。

「…あの、流石に通しじゃないですよね?」

「それだったらまだ良かったんですけど」

「え?」

「い、いえ、これだけ分かりやすい通しはしないと思うので…」

「で、ですよね」

とは言え、いきなり目の前でハンドサインを送り合う姿を見て、警戒しないはずがない。
幾ら公式戦ではないとは言え、通し ―― 不正をされては困る。
そう思った巴の言葉に、宥はぎこちない言葉を返した。
同志ではない彼女は二人が一体、どんなやり取りをしているのかは分からないが、それでもくだらない内容だと予想がついている。
結果、夢中になってハンドサインを送り合う二人に代わって、フォローをしていた。


「(元々、須賀君の事を黙っているだけって話だったはずなのに…)」

しかし、妹とその同志はあまりにもポンコツだった。
それぞれ別の分野では優秀なはずなのに、嗜好の面ではあまりにもダメ過ぎる。
普段、迷惑をかけっぱなしの妹をフォローするのは嫌ではないが、それでも大変な事に代わりはない。
京子の正体を隠し通したまま、無事に合宿を終える事が出来るのだろうか。
そんな不安を抱えながら、宥はまたため息のような白を打ち出した。


………

……



この後、買い出しに行った明星ちゃんを迎えに言ったら男に絡まれているのを発見して助けたり
小蒔や穏乃から一緒にお風呂に入ろうと誘われたり
玄と風呂場で鉢合わせしてラキスケしたりして
最終的には明星とクロチャーのWヒロインになる京子スレを誰か書いてください(´・ω・`)


「ウチやー!」

「俺やって言うとるやろう!」

対抗心をむき出しにする二人の声が休日の須賀家に木霊した。
うららやか昼下がりには相応しくないそれは、二人がお互いに頑固だからこそ。
ほんの少しでも譲歩すれば全て丸く収まるというのに、二人は一歩も引こうとしない。
幼いころからライバルであった相手に決して負けたくはないと犬歯をむき出しにして顔を付きあわせている。

「この前はそっちが先やったやんか!」

「それはその前にそっちが隠れてデートしとったからやろ!」

江口セーラと愛宕洋榎。
その二人は大阪で麻雀をしているものにとって、必ず聞き覚えのあるものだった。
共に次世代のホープとして期待されている二人は、しかし、今、麻雀で争っている訳ではない。
その間に立たされた一人の少年を巡って、女の戦いを繰り広げている。


「デート一回で先にチューしようなんておこがましいわ。京太郎のチューにその程度の価値しか見いだせへんのやったら別れたらどうや?」

「ほほぅ。言うやないの。…じゃあ、洋榎は 京太郎のき、キスは何が相応しいって言うんや?」

「そ、それはほら…あ、アレやん」

「アレじゃわからんわ」

「同じ男に惚れとるんやから分かれや!」

「幾らなんでもその程度で以心伝心なんて無理やろ。つーか、洋榎と以心伝心とかサブイボ出るわ」

「それはこっちのセリフや!」

「ぐぬぬ」

「ぬぐぐ」

明らかに険悪と言った雰囲気のまま、そのままジィと睨み合う。
視線で相手を少しでも凹ませようとするそれは、とても不毛なものだった。
彼女たちにとって京太郎はその程度で譲れるような軽いものではなく、また両者とも負けず嫌いなのだから。
常にお互いを意識しあっていた二人が、ほんの僅かにでも譲ろうとするはずがなかった。

この二人はなんか喧嘩しながらも仲が良いのがしっくり来る気がします(´・ω・`)と言いつつしゅっきーん

今日もしかしたら投下するかもしれないです(小声)

>>327>>334
ヒロインは皆の心の中にいるんだ(純粋な目)
まぁ、メインヒロインははるるですけど、はるるは今、チャージからタルカジャに入ってる最中なので…(´・ω・`)力をためているはず…

>>328
結構ビクビクしながら書いてたんで最高と言って貰えると本当に助かります
やっぱ女の子は少し重いくらいの方が良いですよね(´・ω・`)胸も重いくらいの方が…

>>329
メガネを外すとエロスイッチが入るは良いかもしれませんねー
メガネつけたまま羞恥プレイとメガネ外して痴女プレイの両方が楽しめますし(ゲス顔)

>>330
私も参考画像は欲しいです(´・ω・`)巴さんの虹絵はもうちょっと増えても良いと思うんですよね


京太郎「んー…」

寒風吹き荒ぶ駅前を、京太郎は一人ポツンと立っていた。
その姿は何時ものような女装ではない。
初美に買ってもらったジーンズとアウター、そして巴が作ったインナーは彼を立派な男に見せていた。
普段の京太郎は外出時にそのような格好をする事は殆どない。
『須賀京太郎』は社会的には死んでしまったも同然なのだから。
『須賀京子』が住む神代の屋敷から、彼女とそっくりな『須賀京太郎』が出て来れば、要らぬ興味を引いてしまうかもしれない。
そう思う彼は日頃から女装を心がけているのである。

京太郎「(でも、今回は仕方ないよな)」

京太郎「(これは明星ちゃんとのデートな訳だし)」

京太郎「(流石に女装したままは、明星ちゃんに失礼過ぎる)」

裸を見たお詫びに最高のデートをする。
明星と結んだその約束を京太郎は未だ果たしていなかった。
当日は昼過ぎまで明星と抱き合っていた所為で動けず、その後も色々と予定が立て込んでいたのである。
結果、先延ばしになり続けたそれに流石の明星も業を煮やした。
他の少女達が京太郎へのアピールを強めているのも相まって、昨夜、彼の部屋を尋ねたのである。


京太郎「(まぁ、男の格好をしているとは言え、彼女の期待に応えられるか不安だけれどな)」

京太郎「(明星ちゃんも、これは本番前のリハーサルのようなものだと言ってくれていたし…)」

京太郎「(デート雑誌なんかも買って、予定は立てていたけれど)」

京太郎「(明星ちゃんが俺に求めてくれているのは、『最高のデート』なんだから)」

京太郎「(だから…っと)」

明星「っ!」タッタッタッタッタ

彼女の好意に甘えて、手を抜いて良い訳ではない。
そんな言葉を浮かべようとした瞬間、京太郎の視界は、走る明星の姿を捉える。
肩から下げたバッグをブンブンと揺らしながら走るその姿は慌てていると言っても良いものだった。
まだ予定時間の五分前だと言うのに、必死ささえ感じさせる明星に京太郎は右手を軽く振って。

明星「ふ…ふぅ…」

京太郎「大丈夫か?」

明星「こ、これくらい何でもありません」

京太郎「そっか」フキフキ

そのまま近寄ってきた明星は、肩を揺らして大きく息を繰り返していた。
恐らく神代の屋敷からここまで必死になって走り続けていたのだろう。
額に滲む汗からそう判断した京太郎はポケットからハンカチを取り出し、明星の汗を拭き取った。


明星「あ、ありがとうございます…」カァ

明星「そしてお待たせしてごめんなさい…」ペコリ

明星「少し服を選ぶのに時間が掛かってしまって…」

京太郎「待ち合わせの時間には間に合ってるから問題ないって」

京太郎「それに俺もさっき来たばっかだしさ」

それは嘘だ。
きっと明星も待ち合わせ前に到着するだろうと思った京太郎は予定の一時間前には到着していたのだから。
寒空に晒され続けた手は血行が鈍くなり、ハンカチの動かし方もぎこちないものになっていた。

明星「…その割には手が寒そうですけど」チラ

京太郎「そこは見て見ぬふりをするのが優しさって奴じゃないか?」

明星「私相手に意地を張る京太郎さんが悪いんです」クス

勝ち誇ったその笑みは、ハンカチを取り出した京太郎の手が悴んでいるのを感じ取ったからだ。
12月となってからまだ一週間も経ってないが、気温はグっと冷え込んでいる。
11月とは比べ物にならないそれは棒立ちだった京太郎の身体から体温を奪っていた。
結果、動きが目に見えて鈍くなっている彼を明星は温めてあげたくなる。


明星「(や、やるのよ、石戸明星)」

明星「(こんなの…なんともないはずでしょう)」

明星「(京太郎さんに寒い思いをさせたのは他ならぬ私なんだから)」

明星「(手を握るくらい簡単に…)」

京太郎「まぁ、意地を張ったってより格好つけたって方が正確だけどな」

明星「え…?」

京太郎「明星ちゃんに格好悪いところ見せたくなかったって事だよ」

明星「あぅ」カァァ

しかし、それを明星は行動に移す事が出来ない。
躊躇う自分にそう言い聞かせている間に、京太郎が次の言葉を放ったのだから。
自身を特別扱いするようなそれに彼女の頬が朱色に染まる。


明星「そ、そんな事言っても許しませんからね」

明星「私に嘘を吐いた罪はそう簡単には消えませんから」プイ

京太郎「じゃあ、何をしたら許してくれる?」

明星「え、えっと…その、それは…」

明星「て…ててててて……」

京太郎「て?」

明星「て、天がいずれ京太郎さんに罰を与えるでしょう!」

京太郎「マジかー」

そんな状態で明星が素直になれるはずがない。
ついつい誤魔化しの言葉を口にする彼女の前で京太郎は平坦な声を漏らした。
以前ならばまだしも、今の彼は明星の気持ちを知っているのだから。
本当に明星が言いたかった事くらいなんとなく想像がつく。


京太郎「じゃ、天罰が落ちないよう明星ちゃんと手を握った方が良いかな」

明星「ふぇ…!?」

京太郎「明星ちゃんは巫女だし、仲良くしてたら神様も手心を加えてくれるかもしれないし」

明星「う…ぅ…」

京太郎「って、いきなり唸り始めてどうしたんだ?」ニヤニヤ

明星「き、京太郎さんは意地悪です…」

ニヤニヤとした表情を隠そうともしない彼に明星は唇を尖らせる。
きっと自分の考えを見通されてしまったのだという言葉が、彼女の胸に敗北感を湧き上がらせた。
しかし、それは決して不機嫌を呼び起こすものではない。
意地っ張りな彼女にとって、自分の本心に気づいて貰えるのはとても嬉しい事だった。


京太郎「って事は俺と手を繋いで貰えないのかな?」

明星「そ、それは…」

京太郎「いやー…残念だなー」

京太郎「明星ちゃんと手を繋げるのを楽しみにずっと待ってたのに…」

京太郎「それが空振りに終わっちゃってホント残念だなー」チラ

明星「わ、わざとらし過ぎですよ、もぉ…」ス

チラ見する京太郎に明星は頬を膨らませる。
だが、それは唇を尖らせた時と同じく、ただのポーズに過ぎない。
自分は決して京太郎を手を繋ぎたい訳ではない。
これはあくまでも京太郎に言われて仕方なくするのだ。
そうアピールするように明星はそっと右手をあげる。

明星「ど、どうぞ」

京太郎「ありがとうな」キュ

明星「ん…っ♪」

それを優しく握る京太郎に明星は甘い声を漏らした。
強すぎず弱すぎず、丁度良い力加減の手が明星は嬉しくて仕方がない。
敬愛を向ける義姉とも、あまり手を繋いだりしない彼女にとって、それは『特別』なものなのだから。


京太郎「あぁ。それと」

明星「はい?」

京太郎「その格好、とても似合ってる。可愛いよ」

明星「そ、そう…ですか」

ライトグレーのニットワンピにシンプルな黒タイツ。
落ち着いた雰囲気の格好は、童顔な彼女を普段よりも幾分、大人びて見せていた。
一つ年上の京太郎と並んでも恥ずかしくない格好をしたい。
その一念で選んだ格好を褒められた明星ににんまりとした表情が浮かぶ。

明星「で、でも、遅いですよ」

明星「そういうのはもっと早く言ってくれないとダメです」

京太郎「悪い悪い。明星ちゃん見惚れててさ」

明星「本当に調子が良いんですから」

京太郎「でも、許してくれるんだろう?」

明星「ま、まぁ…折角のデートですし、この程度で不機嫌になるのも馬鹿らしいですから」

明星「一応、許してあげなくもないですよ」モジ

京太郎「はは。明星ちゃんは優しいな」

冗談めかした京太郎の言葉に、明星は素直な言葉を返す事が出来なかった。
最初から怒ってなどいない。
可愛いと言ってくれて本当に嬉しい。
胸中に浮かぶその言葉を身動ぎで示してしまう明星が京太郎は可愛くて仕方がなかった。


京太郎「で、そんな優しい明星ちゃんに提案があるんだけど」

明星「提案…ですか?」

京太郎「あぁ。先に喫茶店か何処かで休憩しないか?」

京太郎「ここまで走ってきた訳だし、疲れてるだろ」

明星「そんな気を使わなくても…」

京太郎「いや、気を遣ってるだけじゃないんだ」

京太郎「さっきは強がったけど、やっぱりお少し温まりたいかなって」

京太郎「小腹も空いてるし、明星ちゃんさえ良ければ適当なところに入りたいんだけど」

明星「…そう言われちゃうとダメとか言えないじゃないですか」

京太郎「言わせる気はまったくないからな」

明星の呼吸は急速に整ってきている。
しかし、それは彼女の疲労が全て消え去った事を意味していない。
ついさっきまで肩を上下させて息をしていた明星は今、意識してそれを抑えこもうとしている。
彼女の細やかな動きからそれを感じ取った京太郎はゆっくりと歩き始めた。


明星「もう…本当に自分勝手なんですから」

京太郎「そう言いつつ、付き合ってくれるんだから、明星ちゃんは良い娘だよな」

明星「そ、そんな風に持ち上げても無駄ですよ」

京太郎「もしかして怒ってる?」

明星「えぇ。怒ってます。怒ってます…から」

そんな京太郎に明星が本気で怒るはずがなかった。
明星の負担にならないよう優しく手を引く仕草からも彼の優しさが伝わってくるのだから。
その胸中に浮かび上がる感情に怒りの色はなく、ただ歓喜だけが彼女を満たしていた。

明星「ば、罰としてこ、こうです」ギュ

京太郎「お、おう」

それでも罰と口にするのは、彼女が流されるのを良しとしないからこそ。
仮にも『最高のデート』のリハーサルで、リードされっぱなしではいけない。
そう自分に言い聞かせた彼女は京太郎の腕を抱くように身体を押し付ける。
瞬間、ふにゅりと腕を挟み込む柔らかな感触に彼の顔が赤く染まった。


明星「ど、どうですか?」

京太郎「け、結構なお点前で」

明星「…スケベ」

京太郎「し、仕方ないだろ。明星ちゃんの胸が魅力的過ぎるんだよ」

明星「ふふ。そんな事言っても許してあげたりしませんから」ギュゥ

ぎこちない彼に許さないと告げながらも、明星は顔に笑みを浮かべていた。
頬を羞恥心で染めながらのそれは京太郎の言葉に彼女の本能が刺激されているからこそ。
愛しいオスが自分に興奮してくれているという感覚は、明星の背中を押し、二人の体をより密着させた。

明星「スケベな京太郎さんにはさらなる罰が必要ですね」

京太郎「一体どんな恐ろしい罰が与えられるんだー」

明星「…ちなみにエッチな罰ではありませんよ」

京太郎「ちぇー」

明星「き、京太郎さんは…あの…そ、そういう罰の方が良かったんですか?」

京太郎「あ、いや、それは…」

明星「ど…どう、なんですか?」

今回のデートはあくまでもリハーサルだ。
前回出来なかったデートを埋め合わせる為のものだと明星も理解している。
しかし、だからと言って、彼女は手心を加えたりしない。
幾らリハーサルだと言っても、彼と二人っきりになれる時間は貴重なのだから。
屋敷に帰れば、また『家族』と一緒なのだからと、彼女は勇気を振り絞って踏み込んでいく。


京太郎「…すみません。普通ので勘弁して下さい」

明星「…ヘタレ」

京太郎「いや、ホント、ごめん。でもさ」

明星「言い訳は聞きたくありません」

京太郎「はい」

しかし、そんな明星の勇気に京太郎は応える事が出来ない。
以前ならばいざ知らず、今の彼には薄墨初美と言う婚約者がいるのだから。
本気の色を滲ませる明星の声に、ただ謝るしかなかった。
冗談から盛大に自爆してみせる彼の言葉を、彼女はため息を共に封じる。

明星「…なら、今日一日は私だけの京太郎さんでいてください」

明星「他の女の子のことは忘れて、私だけの事を見てください」

明星「それで全部、帳消しにしてあげますから」

京太郎「…明星ちゃん」

とは言え、彼女もここで京太郎が頷くと思っている訳ではなかった。
想い人が一体、どれほど複雑な状況にいるかを明星もまた分かっているのだから。
しかし、だからと言って、胸に浮かんだ期待を裏切られて面白いはずがない。
心に広がる肩透かし感は明星に拗ねるような、強請るような言葉を口にさせた。


京太郎「分かったよ」

京太郎「デート中の俺は明星ちゃん一人のモノだ」

京太郎「ずっと明星ちゃんの事ばかり考えるって約束する」

明星「~っ♥」キュゥゥン

そんな彼女に京太郎は真摯に応える。
時間だけではなく、その心までもを明星に捧げるようなその言葉に、明星の胸が甘く疼いた。
ドクンドクンと脈打つ心臓が、不機嫌さを吹き飛ばしていくのをハッキリと感じる。
代わりに浮かぶ喜色に、彼女の恋心はさらに大きくなっていった。

明星「京太郎さん…♥」ギュゥ

京太郎「おう。俺はここにいるぞ」

明星「…はい♪」ニコ

京太郎の応えは、決して彼の中から出てきたものではない。
あくまでも彼女の提案に応える形で引き出されたものだった。
だが、一年間、降り積もり続けた彼女の恋心はその差を重視しない。
媚すら混じった笑みを浮かべながら、明星はギュっと京太郎の手を握り返した。
絶対に手放さないのだとそう訴えるようなその手のまま、明星は近くの喫茶店へと連れ込まれていく。


「いらっしゃいませ。二名様ですか?」

京太郎「はい」

「当店には店内席とテラス席の2つがございますが、どちらになさいますか?」

京太郎「明星ちゃんはどっちが良い?」

明星「京太郎さんがいるならどっちでも良いです…♥」デレー

京太郎「(完全にデレモード化してるなぁ…)」

そんな彼女がそう簡単に元通りになるはずがなかった。
若い女性店員が近づいてくるのを視界の内にいれながらも、彼女の顔は元には戻らない。
主導権を渡す京太郎にもデレデレとした顔のまま応える。
今の彼女にとって大事なのは京太郎との時間を楽しむ事であり、それ以外は些事だったのだ。
そんな明星をデレモードと称す京太郎は、締りのない彼女の顔についクスリと笑みを浮かべてしまう。

京太郎「それじゃ店内席の方で」

「畏まりました。では、お席にご案内いたします」

しかし、今は明星にずっと構っている訳にはいかない。
そう思考を切り替えた京太郎の言葉に、女性店員は手慣れた様子で二人を案内し始める。
接客業が長居のか、彼女はまるで辺りに幸せオーラを振りまくような明星にもまったく動揺しない。
日々のルーチンワークから逸脱しないのだと言うようにピシリと伸ばした背筋でモダンな雰囲気の店内を歩いて行く。


「こちらにどうぞ」

「ご注文の際はベルにはお呼びください」

京太郎「ありがとうございます」

二人が案内されたのは壁際の席だった。
日光が優しく差し込むその席は、店内の空調と相まってとても暖かい。
思わず眠気を覚えてしまいそうなその席に、京太郎は明星を促す。

明星「…京太郎さん」

京太郎「ん?」

明星「あ、あの、隣、どう…ですか?」

京太郎「良いのか?」

明星「…じゃないと私、手を離せないと思います」ギュ

四人組を想定されたその席に、明星はすぐさま座ろうとしなかった。
先に座らせてあげようという京太郎の優しさは嬉しいが、それは繋いだ手を離すのと同義なのだから。
京太郎曰くデレモードとなった明星が、京太郎との別離を軽視出来るはずがなかった。
手を離すのは仕方ないにしても出来るだけ側にいたい。
おずおずとそんな気持ちを口にしながら、明星は京太郎の手を強く握った。


京太郎「明星ちゃんは甘えん坊だな」クス

明星「だ、誰のせいでこうなったと思ってるんですか…」

京太郎「誰のせいか分からないけれど、明星ちゃんの隣に座れるのは光栄だからな」

京太郎「喜んでお供させていただきますよ、お姫様」

明星「~~っ♥♥」キュンキュン

『責任』と『お姫様』。
その言葉は初恋にどっぷり嵌った明星にとって、あまりにも効果的なものだった。
さっきからトクントクンと甘く脈打っていた鼓動が再び胸の中に暴れ始める。
思わず、数秒、言葉を失うほどの強い喜びは甘い陶酔の味を伴っていた。

京太郎「ま、レディーファーストって事で。改めてお先にどうぞ」

明星「はい…♥」

そんな明星を京太郎は再び席へと促す。
恭しく真心を込めたその仕草に明星の胸は別離の悲しみを浮かべる事はなかった。
導かれるままに手を放した明星は、スルリと席に座って行く。
その後に追従した京太郎に彼女は軽い圧迫感を感じるが。


京太郎「狭かったりしないか?」

明星「だ、大丈夫です。と言うか…も、もっとこっちに来てくれても構わないんですよ?」

それは彼女にとって決して嫌なものではない。
寧ろ、彼の大きな身体から湧き上がる存在感を求めてさえいた。
もっと近くに来て欲しい。
もっと彼と密着したい。
そう訴えるような顔とは裏腹に、彼女の言葉は素直ではないものだった。

京太郎「じゃ、遠慮無くっと」

明星「ん…っ♪」

ジリジリと近寄る京太郎の身体に明星は媚の浮かんだ声を漏らした。
細身ながらもしっかりと筋肉のついた身体が迫る度に彼女の興奮は強くなる。
このまま何もかも考えずに押し倒されてしまいたい。
そんな思考さえ脳裏を過る中、二人の身体は再び触れ合った。


京太郎「これくらいで良いかな?」

明星「そ、そうですね、これくらいがベストだと思います」

そう応えながらも、明星は微かな不満を感じていた。
ジリジリと迫ってくる京太郎に、彼女はそのまま押し倒されるのを期待していたのだから。
窮屈ながらも四肢を動かす事が出来る距離感では、どうしても物足りない。
身動き一つ取れないくらい迫ってくれても良かったのに、と明星はそう思ってしまう。

明星「(だ、だから…)」

明星「で、でも、私、疲れちゃったので…あ、あの…」

京太郎「ん?」

明星「す、少し寄りかかっても良い…ですか?」

京太郎「あぁ。大丈夫だぞ」

明星「じゃ、じゃあ…」コテン

許しの言葉に、明星はそっと身体を倒していく。
京太郎へと重心を預けるような彼女は、そのまま彼の肩に頭を載せた。
瞬間、彼女の心に安堵混じりの幸福感が訪れる。
胸の内側に甘い汁を塗りたくるようなそれに彼女の顔が再びほころんでいった。


明星「お、重かったりしませんか?」

京太郎「大丈夫大丈夫。明星ちゃんは軽いからさ」

京太郎「…まぁ、一部分は随分と重そうだけど、それは俺にとって幸せな重さだし」

明星「嬉しいですけど…お、思いっきり、セクハラですよ、それ」

京太郎「じゃあ、訴える?」

明星「……他の女の子にも言ってたら訴えますけど」

冗談めかした京太郎に明星は独占欲を隠そうともしなかった。
京太郎にその肌を晒した時から彼女の心境は大きく変わっている。
一見、何時も通りのように見える明星だが、その心は着実に前進していた。
昔の彼女であれば自爆していたであろう冗談にも甘い声を返す。


明星「…まぁ、ほぼ確実にクロだしょうが、一応、証拠もない訳ですから」

明星「今回の訴訟は見送ってあげます」

京太郎「いやー…あははは」

明星「あはは、じゃないです」

明星「まったく…あっちこっちに良い顔して」

明星「…あんまりやきもきさせないでくださいね」

京太郎「うん。ごめん。…でもさ」

明星「はい?」

京太郎「俺が言うのも何だけど、セクハラは良い顔じゃないと思うな」

明星「でも、京太郎さんの周りはそれを喜ぶ人の方が多いじゃないですか」

京太郎「う」

明星の言葉は京太郎の胸を鋭く突いた。
ここ二ヶ月で、彼の周囲は完全に様変わりしているのだから。
これまで家族と思っていた美少女たちが、それぞれ好意を伝えてくれている。
それを思い出させる一言に、京太郎は気まずそうな表情を浮かべた。


明星「…まぁ、それに関しては私もとやかく言える立場じゃないですけれど」

明星「これ以上、増やしたりしないでくださいね」

明星「今の時点でも京太郎さんの左右だけじゃなく、前後その他も埋まっちゃってるんですから」

京太郎「分かってる」

瞬間、京太郎の脳裏に浮かぶのは、涙を漏らす巴の姿だった。
本気で死ぬと言葉にする彼女の姿に一体、どれほどの苦悩と痛みを感じたか。
色褪せる事のないその記憶は、思い返すだけでも胸の奥が苦しくなるものだった。
あんな想いはもう二度としたくない、と京太郎は心の底から思う。

明星「…本当ですか?」

京太郎「本当だよ」

明星「……」ジィィィ

京太郎の言葉に明星は自身の顔を持ち上げた。
彼女にとってその時間は幸せなものだが、しかし、今はそれよりも彼の本心の方が大事。
不満に疼く胸にそう言い聞かせながら、明星はジィっと京太郎に視線を送った。


京太郎「…そんな疑わしそうに見ないでくれよ」

京太郎「そもそも、俺だって増やしたくて増やしてる訳じゃないんだし」

京太郎「当事者である俺でも不思議なくらいなんだから」

明星「……私はそれほど不思議だとは思いませんけれどね」

明星は知っている。
京太郎が一体、どれほど暖かい人間であるかを。
その優しさの内側に、どれほど苛烈なモノを秘めているかを。
『普通』の中で大切に育てられてきた彼が彼女たちにとって、どれほど眩しい存在なのかを。
既に半年もの間、片思いを続けてきた明星は良く理解しているのだ。

明星「…京太郎さんは太陽みたいな人ですから」

京太郎「太陽?」

明星「…恥ずかしいからあんまりその辺突っ込まないでください」

京太郎「いや、すっげー気になるんだけど」

明星「ダメです。教えてあげません」プイ

京太郎も決して意地悪で訊いているのではない。
その言葉に秘められているのは好奇心だけなのだと明星も分かっていた。
だが、それでも彼女は素直に心の中を語る事が出来ない。
自分がどれほど京太郎を神格化しているなど本人に知られたくないのだ。


明星「ともかく、私達にとって京太郎さんはもう必要不可欠なものになっているって事です」

明星「貴方がいなければ、私達の人生はもっと暗く、実りのないものになっていたでしょう」

明星「恋も愛も知らず、ただ家の部品として、次世代を作るだけの生を過ごしていたはずです」

明星「それを変えてくれたのは他ならぬ貴方」

明星「京太郎さんの暖かさが、優しさが、眩しさが、私達の事を変えてくれたんですよ」

明星「そんな貴方の事を好きにならないはずがありません」

明星「その方向性はそれぞれ違うかもしれませんが…」

明星「わ、わわ…私たちは皆、京太郎さんの事を愛しています…」ギュ

そこで『私』とアピールする事は出来なかった。
既に想いを知られているとは言え、彼女の中から羞恥心が消える事はない。
どれほど勇気を振り絞っても、自分を含む複数の想いを口にするので精一杯だった。

京太郎「…明星ちゃん」

明星「そ、そそそそれよりも、早く注文しましょう」

明星「あまりもたもたしているとお店の人にも迷惑を掛けてしまいますから」

京太郎「そうだな。そうするか」クス

話をズラそうとする明星に、京太郎は逆らおうとはしなかった。
クスリと小さく笑いながら、目の前にあるメニューを手に取る。
羊皮紙を模したそれを京太郎は明星との間に広げた。


京太郎「ちなみにここはエスプレッソが美味しいらしいぞ」

明星「ってこのお店、ご存知なんですか?」

京太郎「あぁ。まぁ、色々とあってな」

明星「へー…」ジト

色々と言うおぼろげな言葉で誤魔化そうとする京太郎に明星はジト目を向けた。
ここで誤魔化すと言う事は間違いなく女絡みなのだろう。
ほぼ直感に近いその思考は、決して的はずれなものではなかった。

明星「そこのところ詳しくお願いします」

京太郎「い、いや、その…」

明星「何も後ろめたいところがないなら素直に話せますよね?」

京太郎「ま、まぁ…話せない理由はないけど」

明星「じゃあ、早く話して下さい」

明星「じゃないと浮気の兆候ありって事で初美さんに言いつけますよ」

京太郎「マジでやめてください…」

婚約者の名は京太郎にとって決して軽視出来ないものだった。
京太郎は既に彼女を一度、泣かせてしまったのだから。
これ以上、女性関係で初美を悲しませたくはない。
そう思う一方で巴と言う爆弾を抱え込んでしまった彼はその頬を引きつらせて。


京太郎「…つっても本当に大層な理由がある訳じゃないんだぞ」

京太郎「クラスメイトの娘に一緒に行こうって誘われてただけだし」

明星「…モテモテですね」ニッコリ

京太郎「やめてくれ。その言葉は俺に効く」

無論、明星もクラスメイトの誘いに他意がない事くらい分かっている。
彼女達にとって、『須賀京太郎』は男ではなく、『須賀京子』と言う名の淑女なのだから。
ただ、仲良くしたい以上の意味はないのだろう。
しかし、だからと言って、好きな男がデートに誘われている事実は変わらない。
他意はないと分かっていても、その胸中に不機嫌さを広げる明星は、ニコリと笑うその顔から当てこすりの言葉を漏らしてしまう。

明星「今日は二人ともオレンジジュースです。文句はありませんね?」

京太郎「ありません」

明星「よろしい。じゃあ、私が注文しますから京太郎さんは大人しくしててください」

京太郎「はい」

明星の言葉は有無を言わさないものだった。
顔も知らない女生徒のオススメになど従うものかと一人で勝手にメニューを決めてしまう。
そんな明星に京太郎は逆らおうとしなかった。
唯々諾々と了承の言葉だけを口にし、明星の気持ちが収まるのを待ち続ける。


明星「……以上でお願いします」

「はい。少々、お待ちくださいませ」

そんな京太郎の前で明星は注文を終えた。
瞬間、一礼をした女性店員はスタスタとカウンターへと戻っていく。
その姿にチラリと視線を送った明星は一つため息を吐いて。

明星「……で、京太郎さん」

京太郎「はい」

明星「…もう怒ってないですから普通にしてて良いですよ」

京太郎「…本当ですか?」

明星「えぇ。と言うか、そもそも私が不機嫌になるのが筋違いですしね」

明星「自分から言わせておいて、嫉妬するなんて理不尽にも程があります」

明星「ですから…その、すみませんでした」ペコリ

明星にさっきまでの不機嫌さは残っていない。
一分二分と時間が経つにつれて、彼女の頭も冷静になっていったのだ。
まるで潮が引くようにしてムカムカが消え、代わりに申し訳無さが満ちていく。
そんな胸中の変化が、明星の口に謝罪の言葉を昇らせた。


京太郎「いや、謝る必要はないって」

京太郎「明星ちゃんの立場なら怒るのも当然だろうし」

京太郎「そもそも俺が本当に誠実な奴なら明星ちゃんを不機嫌にさせる事はなかっただろ」

明星「でも…」

京太郎「…まぁ、それでも気になるって言うのなら、コンビニで何かを奢ってくれたら問題ないよ」

明星「私に異論はないですけれど…」

明星は所謂お嬢様ではあるが、湯水のようにお金を使える訳ではない。
基本は小遣い制である彼女にとって、京太郎の提案は有り難いものだった。
スーパーに比べれば、割高ではあるものの、コンビニエンスストアに高額商品は殆ど置いていない。
京太郎があてつけのように高い商品を選ぶはずがないからほんの数百円の出費で済むだろう。
そう安堵する一方で、彼女は納得する事が出来ない。
根が真面目な彼女は、京太郎が受けた心理的苦痛には見合わないだろうと思ってしまうのだ。

京太郎「あー…それじゃあ仲直りのチューでもする?」

明星「な、なななななななな!?」カァァ

京太郎の言葉に、明星は驚きの声をあげた。
その耳まで真っ赤に染めながらの声は中々、言葉にはならない。
完全に予想していなかったその提案に歓喜する心と困惑する頭。
その2つがかけ離れていく明星の前で、京太郎は再び唇を動かす。


京太郎「それだけ気にするって事はちゃんと仲直り出来たっていう実感が薄いからだろ」

京太郎「だから、手っ取り早くそれを感じてもらう為には、やっぱりスキンシップが一番かなって」

明星「そ、それでどうしてキスになるんですか…」

京太郎「だって、明星ちゃん、キス好きだろ」

明星「ぅ…」

嗜好を言い当てる京太郎の言葉に、明星は反論出来なかった。
実際、彼女は京太郎のキスに心奪われてしまったのだから。
その口の隅々まで味わわれるような接吻は今は明星の記憶に色濃く残っている。
時折、それを夢に見て、秘所を濡らす事さえあった。

京太郎「まぁ、明星ちゃんが嫌だって言うなら…」

明星「い、嫌じゃないです!全然、嫌じゃないです!!」

明星「私、仲直りのチューすっごく欲しいです!!」

京太郎「そ、そうか」

そんな彼女にとって、それは降って湧いたようなチャンスだった。
これを活かせば、また京太郎からキスをして貰える。
その期待だけで胸をときめかせてしまう彼女は必死にそれを逃すまいとした。
結果、思いの外、強くなった声に二人は店中の視線を集めてしまう。


明星「っ」フンス

京太郎「あー…うん。分かった」

京太郎「分かったから、ちょっと落ち着いて」

明星「はいっ」キラキラ

京太郎「(うん。ダメだな、コレ)」

しかし、明星はそれをまったく意識していなかった。
まるでやりきったと言わんばかり頬を緩め、その瞳に期待を浮かばせている。
落ち着いてと言われても尚、見えない尻尾を振り続ける彼女の顔に京太郎は悟った。
明星を落ち着かせるには、幾百の言葉でも足りない。
その期待に応えるまでは、元通りにはならないのだと。

京太郎「(…まぁ、俺も明星ちゃんとキスするのは嫌じゃないし)」

京太郎「(とっととキスすれば注目される事もなくなるだろうから)」」チュ

明星「…ぅー」

京太郎のキスに明星は不満そうな声を漏らす。
彼の口づけは唇ではなく、額に与えられたのだから。
期待したのとはまったく違うそのキスに喜びよりも不満が勝ってしまう。


明星「…京太郎さん?」

京太郎「今はこれで勘弁してくれ。店員さんも見てるしさ」

明星「あ…」マッカ

京太郎の言葉に、明星はここが喫茶店である事を思い出す。
キスの期待にあっさりと投げ捨てたそれは、自分たちが注目を浴びている事を彼女に自覚させた。
瞬間、湧き上がる羞恥心は彼女の顔を真っ赤に染めていく。
まるで熟したリンゴのようなその紅潮は二人の席に店員が近づいてきても収まる事がなかった。

「お待たせしました。オレンジジュース2つになります」

京太郎「ありがとうございます」

「では、ごゆっくりどうぞ」クス

二人の前にジュースを並べた店員は、去り際に小さく笑った。
微笑ましそうなその表情は、二人がとても仲睦まじいからこそ。
自分も早くバイトを終えて恋人に会いたい。
そう思わせてくれるカップルから彼女はゆっくりと離れていった。

京太郎「ほら、明星ちゃん。ジュース来たぞ」

明星「わ、分かってますけど…」

京太郎「仕方ないな。それじゃ…あーん」スッ

明星「え…えぇぇ…」

それでも明星の羞恥は消え去らなかった。
真っ赤になった顔のまま居心地悪そうに俯いている。
何処か落ち込んでいるようにも見えるその姿を京太郎は看過出来ない。
その気持ちを晴らしてやろうと自分の前に載せられたジュースのストローを明星へと近づける。


明星「き、京太郎さん?」

京太郎「まだ口はつけてないから綺麗だぞ」

明星「そ、それは残念…じゃ、なくってですね」

京太郎「こうして隣に座ってる時点で今更なんだし開き直ったらどうだ?」

明星「うぅぅぅ…」

有無を言わさない京太郎の言葉に明星は唸るしかなかった。
冷静に今の状況を顧みれば、バカップルという言葉が真っ先に出てくるのだから。
今更、取り繕おうとしたところで意味がない。
そんな理屈に共感を示す自分というのは明星の中でも大きかった。

明星「あ…あーん」パク

数秒ほど迷った末に明星は京太郎の差し出すストローに口をつけた。
そのまま吸い込めば、柑橘類独特の甘酸っぱい風味が口の中に広がる。
果汁100%の名に恥じない濃厚なその味わいは明星の舌を満足させた。


京太郎「どうだった?」

明星「お、美味しかったです…」

京太郎「ほうほう。そりゃ楽しみだ。ただ」

明星「ただ…?」

京太郎「俺、どっちを飲んだほうが良いと思う?」

明星「ど、どっちって…」

さっきのジュースを飲んで欲しいと言えるはずがなかった。
今の彼女は周囲の状況を強く意識しているのだから。
間接キスをして欲しいと言う気持ちは胸の中で雁字搦めになってしまう。
言いたい、けど言えない。
そんな二律背反の中、明星はモジモジと身体を揺らして。

明星「い、一々、交換するのも面倒ですし…そ、そのまま飲めば良いんじゃないですか?」

京太郎「そうだな。明星ちゃんがそう言ってくれるならそうするか」パク

明星「あうぅ…」

ポツリと漏らしたその言葉に京太郎は躊躇ったりしなかった。
ついさっきまで彼女が口をつけていたストローをパクリと口に含む。
瞬間、明星が漏らすのは、歓喜と興奮混じりの声。
京太郎は今、自分の唾液と共にジュースを取り込んでいる。
その事実は彼女の心臓を強く脈打たせた。


京太郎「…うん。明星ちゃんの言う通り、美味しいな」

明星「き、京太郎さんの変態…」

京太郎「俺は普通にジュースの感想を口にしただけなんだけど…明星ちゃんは一体、何を考えたのかなぁ?」

明星「そ、その顔、絶対に分かってるじゃないですか…」

京太郎「分かってるけど、可愛い娘には意地悪したいんだよ」

明星「そんな言葉で誤魔化されたりしませんからね」

京太郎「じゃあ、一体、どんな言葉なら誤魔化されてくれるんだ?」

明星「…それは」

意地悪な京太郎の言葉に、明星は口を滑らせそうになった。
好きだと言って欲しいとそう言いそうになってしまったのである。
それを理性が押しとどめるのは、彼女にとって禁忌に近いからこそ。
根が誠実な京太郎にそんな事を言っても、きっと応えては貰えない。
幾ら今の彼が自分一人のものだと言っても、困らせてしまうだけなのは目に見えていた。


明星「(それに…首尾よく応えて貰ったところで、嬉しいだけのものにはならないわよね)」

明星「(虚しさや霞お姉様達への後ろ暗さが混じったものになるはず)」

明星「(そんなものよりも、私は)」

明星「……言葉は要りません。ただ強く手を握ってください」

京太郎「…こうか?」ギュ

明星「ん…♪」ニコ

席についてから離れていた彼の手と再び繋がる。
その甘い感覚に明星はつい笑みを浮かべてしまう。
未だ紅潮の残る頬をトロンを緩ませる顔からは安堵と信頼感が滲み出ていた。
無垢と言っても良いその純粋な感情に京太郎の心は庇護欲を湧き上がらせる。

明星「…京太郎さんって本当に卑怯ですよね」

京太郎「突然、どうしたんだ?」

明星「だって…私、手を握るだけでこんなにドキドキさせられちゃって…」

明星「京太郎さんなら何でも許してしまえそうな気になっちゃってるんですよ…?」ジィ

京太郎「っ」ドキ

上目遣いになる彼女に、庇護欲が興奮へと染められていく。
まるでオスを誘うような明星の言葉に京太郎の中の本能が擽られてしまったのだ。
ドキリと跳ねる胸の奥からも不埒な考えが浮かび上がってくるのが分かる。


明星「…私、こんな風に男の人を受け入れるだなんて思ってもみませんでした」

京太郎「あー…やっぱ男嫌いだったのか?」

明星「嫌い…と言うと少し違う気もしますが、苦手だったのは確かですね」

明星「私にとって男性と言うのは、何時か霞お姉様を奪っていく相手だった訳ですし」

明星「あまりいい思い出と言うのはありません」

ほんの一年前まで明星は霞に心酔している状態だった。
自身にとって軸となるべき価値観を彼女に委ねきっていたのである。
そんな彼女にとって男と言うのは、決して好意的に見られる生き物ではなかった。
自分だけではなく、霞にまで性的な目を向ける有象無象に、ずっと幻滅し続けたのである。

明星「…まぁ、それも京太郎さんと出会って、変わった訳ですけれど」

京太郎「なんかそう言って貰えると嬉しいやら恥ずかしいやら…」

明星「じゃあ、私の勝ちですね」

京太郎「勝敗条件は分からないけれど、負けを認めるのは吝かじゃないな」

明星「ふふ」

それが変わったのは、京太郎と言う異物が彼女たちの中に入ってきてから。
有象無象であるはずの異性から一歩抜きでた彼は急速に彼女たちの中に馴染んでいった。
周囲に流される中で自分なりに努力を重ねようとする京太郎に明星は少しずつ評価を改めていく。
もしかしたら、男と言うのは、スケベでどうしようもない生き物と言うだけではないのかもしれない。
彼女の中で生まれたその認識は、何時しか京太郎一人に集約していった。


京太郎「しかし…それだとちょっと悪い気もするな」

明星「え?」

京太郎「いや、最初の方から明星ちゃんには色々と良くして貰っていたしさ」

京太郎「アレも多分、すっげー気を遣われていたんだな、と」

明星「…まぁ、否定はしませんけれど、でも、それは最初だけですよ」

明星「少ししたら京太郎さんが良い人である事は分かりましたし」

明星「何より、京太郎さんは霞お姉様の話もちゃんと聞いてくれていましたから」

明星「多分、一ヶ月もしない間に私は京太郎さんの事を特別だと思っていたんだと思います」

『特別』
明星にとってそう呼ぶに足るのは、十にも満たない数だった。
幼い頃から霞に心酔していた彼女にとって、両親でさえその枠には入らない。
一つ屋根の下で共に暮らす七人の家族だけが、彼女にとって『特別』と呼べる相手だった。


京太郎「特別…か」

明星「あ、も、勿論、すす…好きとかそういう意味じゃないですよ」

明星「わ、私、そこまでチョロくありませんから」

明星「京太郎さんの事を好きになったのはもっと後です」

京太郎「…もしかして県予選の時とか?」

それまでの明星は京太郎に対して、罵倒を送る事は殆どなかった。
春や小蒔から比べると少し距離があったのは事実だが、友好的な関係は築けていたのである。
だが、それは県予選を機に、大きく変わっていった。
当時の京太郎はそれを泣き顔を見られたが故の照れ隠しだと思っていたが。

明星「……」コクン

その実、明星は京太郎の事を好きになっていた。
霞に向けていた擬似的な恋愛感情よりもずっと強い感情が彼女の中に生まれてしまったのである。
だが、その感情を彼女は上手にコントロールする事が出来なかった。
今まで予想もした事がないほど激しくも甘い感情。
そして自分にとって石戸霞が一番なのだと言う思い込み。
その2つが彼女を頑なにさせ、照れ隠しに罵倒を選ばせていた。


明星「と言うか、京太郎さん、ニブすぎなんですよ」

明星「私が言うのも何ですけど、京太郎さんが好きなのバレバレじゃないですか」

明星「少なくとも、他の皆は気づいてましたし、露骨に応援する人もいましたし…」

明星「もうちょっと意識してくれても良かったと思うんですけど?」

京太郎「い、いやぁ、今までそういうのは縁がなくって…」

明星「言い訳は結構です」

京太郎「はい。ごめんなさい」

それは今も変わっていない。
こうして京太郎のことを責め立てるのも、好きになった時期をハッキリと言い当てられたからこそ。
胸の底から湧き上がるような羞恥心の波が彼女の背中を突き動かしていた。

明星「悪いと思ってるなら、少し昔話を聞いてくれますか?」

京太郎「昔話…?」

明星「えぇ。京太郎さんには出来るだけ隠し事はしたくないんです」

しかし、今の彼女はもうそれに惑わされたりしない。
明星はもっと恥ずかしいところまで彼に見せてしまっているのだから。
羞恥心の勢いは強いが、さりとて我を失うほどではない。
こうして話題を変える事が出来るのも、明星が未だ冷静であるからこそだった。


明星「実は私、霞お姉様と直接、血がつながっている訳ではないんです」

明星「戸籍上は妹ですけど、それは養子として石戸本家に入ったからで」

明星「本来の私は石戸の傍流…つまり霞お姉様の従姉妹だったんですよ」

ポツリポツリと漏らされる明星の告白は、京太郎にとって驚くほどの事ではなかった。
これまでもそれらしき情報の片鱗は与えられていたのだから。
まさか養子だったとは予想していなかったが、それ以外はおおまかに想像の範疇だった。

京太郎「(正直、これまでも二人の関係が気にはなっていたんだよな)」

京太郎「(でも、これまで晒されている情報から察するに、間違いなく複雑なもので)」

京太郎「(とてもデリケートなものだと思って突っ込まなかったけれど)」

京太郎「…もしかして霞さんが天児とやらになったから?」

明星「察しが良いですね。その通りです」

京太郎「っ」グッ

彼女がそれを告白してくれているのであれば、問題はない。
そう思って口にした言葉に、肯定の返事が返ってくる。
それに京太郎が声を詰まらせるのは、その予想が外れて欲しかったからこそ。
小蒔の天児になった霞が死ぬかもしれないから、明星を養子として迎え入れる。
それは現代社会で普通に育った京太郎にとって、到底、理解出来ない考え方だった。


明星「私が養子に…霞お姉様の予備になったのは小学校に上る前でした」

明星「でも、私は霞お姉様ほど優秀ではなくて…新しい関係に慣れる前に沢山の習い事を押し付けられたんです」

明星「石戸家とは言っても傍流の娘だった私はそれまで殆ど習い事なんてしたことがなくて」

明星「朝から晩まで沢山の先生に教えられ…そして、叱られました」

明星「多分、霞お姉様が目を見張るほど優秀だった所為で、その後を継ぐであろう私に過度の期待が掛かっていたのでしょう」

明星「何かと霞お姉様と比較されて、息苦しい思いをしたのを覚えています」

京太郎「…明星ちゃん」

明星「…あの時の私に味方はいませんでした」

明星「周りの皆は私を石戸を継ぐに相応しい淑女にしようとしていて、泣き言は許してくれませんでしたし」

明星「唯一、頼れるはずの両親は石戸本家に私を譲り渡す時にも笑っていました」

明星「誇らしい。次期六女仙として立派な教育して欲しいと」

その時の明星が一体、どれほどの絶望を抱え込んだのか京太郎には分からない。
彼もまた神代家に売り渡されたのだと思い込んでいたが、それはほんの一年前 ―― 高校生になってからだ。
まだ小学校に上がってもいない女の子とは環境も衝撃も何もかもが違う。
きっとその時の明星は自分以上の絶望感を味わったのだろうと京太郎は思った。


明星「……一度だけ習い事が辛くて逃げ出した事があります」

明星「うろ覚えの道に迷い、泣きながらも、私は諦めませんでした」

明星「両親のところに戻れば、きっと元通りになれると信じていたんです」

明星「…でも、ようやく辿り着いた実家の中で、両親は笑っていました」

明星「私がいなくなった事なんて気づいていないように…ニコニコと私の良く知る笑顔で笑っていたんです」

明星「…………結局、私は両親の前に姿を表す事が出来ませんでした」

明星「当時の記憶はあまりありませんが、きっと二人のところに逃げ込んだ瞬間、心が壊れてしまうのを自覚していたんでしょう」

明星「両親は逃げた私の事を匿うどころか、あの辛く苦しい場所に戻そうとするはず」

明星「それは私にとって唯一の拠り所を失うも同義で…だから、私は両親からも逃げ出しました」

明星「自分の心を護る為に両親だけはグレーで居て欲しかったんです」

そう語る明星の言葉はとても平坦なものだった。
だが、その内心までは落ち着いたものではない。
彼女にとってその過去は直視し難いほど辛いものなのだから。
世界の全てから拒絶され、一人取り残されたような感覚は、今も彼女の心に深い傷跡を残している。


明星「……そんな私に霞お姉様だけが手を差し伸べてくれました」

明星「帰り道、泣きじゃくっていた私を霞お姉様が見つけ、どうしたのと優しく尋ねてくれたんです」

明星「元々、霞お姉様に懐いていた私は、久しく聞いた優しい声に我慢出来なくて」

明星「両親に言いたかった事を全て霞お姉様にぶち撒けてしまいました」

明星「辛い。苦しい。もう嫌だ。涙を漏らしながら、ネガティブな言葉しか口にしなかった私はかなり面倒な娘だったでしょう」

明星「少なくとも小学校低学年の娘が根気よく付き合えるものではなかったはずです」

明星「でも、霞お姉様はそんな私にずっと付き合ってくれて」

明星「私が落ち着くまでずっと待ってくれました」

そこで明星が言葉を区切るのは、それが彼女にとって特別な記憶だからこそ。
霞に心酔するキッカケとなったそれは、今も尚、色褪せずに彼女の中に残っている。
まるで宝物のようなそれは親友である湧にしか話した事がない。
『家族』でさえ知らない秘中の秘だった。


明星「とは言え、それで何かが解決する訳ではありませんでした」

明星「当時の霞お姉様はまだ小学校低学年だった訳ですから」

明星「私と共に悲しみ、私の代わりに怒ってくれましたが、石戸本家に働きかける事は出来ません」

明星「でも、私にとってはそれで十分でした」

明星「苦境の中、唯一、手を差し伸べてくれたあの人に恩返しがしたい」

明星「その想いは押しつぶされそうな環境の中で、私の支えになってくれました」

明星「霞お姉様も私の事を気にしてか、頻繁に顔を出してくれたのもあって」

明星「それは色褪せるどころか強くなる一方だったんです」

京太郎「…凄いな」

明星の話に京太郎は凄いとしか言えなかった。
彼女の言葉が正しければ、当時の霞は天児になったばかり。
以前、霞が語っていたように、最も辛い時期だったはずだ。
にも関わらず、霞は明星の愚痴に付き合い、それ以降も気にかける素振りを見せ続けている。
その優しさに明星が心酔するのも無理は無いことだと彼は思った。


明星「えぇ。霞お姉様は凄い方です」

京太郎「そうだな。でも、凄いのは明星ちゃんもだよ」

明星「え?」

京太郎「良くそんな環境で押しつぶされずに育ったものだと思うよ」

京太郎「俺だったらきっと耐え切れずに潰れてるし、歪んでいると思う」

京太郎が感嘆の念を向けるのは霞だけではなかった。
四方八方が敵に近い環境で育ったにも関わらず、明星は真っ当に育っているのだから。
石戸霞と言う支えがあるとは言え、誰もがそんな風になれるとは思えない。
自分だったら潰れていると言う言葉は本心からのものだった。

明星「…いいえ。きっと歪んでいると思います」

京太郎「そうか?」

明星「えぇ。だって私は霞お姉様を救世主のように思っていたんですから」

明星「霞お姉様もまた普通の人間なのだと言う事を、まったく理解していませんでした」

京太郎「って事は今はその辺、理解してるのか?」

明星「えぇ。霞お姉様は決して救世主ではなく、私と同じように恋する女の子なのだと言う事を」チラ

京太郎「ぅ」

そこでチラリと明星が送るのは意味ありげな視線だった。
霞の想い人が誰なのかを言外に告げるようなその視線に京太郎は気まずさを覚えてしまう。
押し入れの中に隠された彼は、霞と明星の会話を盗み聞く事になってしまったのだから。
霞が自分に向ける気持ちも内心、予想がついている。


明星「もし、堕ちる順番が逆だったら私は京太郎さんに包丁を突き付けていたかもしれませんね」

京太郎「その光景がありありと想像出来るな…」

明星「私もです。だから、京太郎さんには感謝しているんですよ」

京太郎「感謝?」

明星「京太郎さんがいなかったら、私は霞お姉様と決裂していたかもしれませんから」

京太郎「んな大げさな…」

確かに初期の明星は霞に対して依存していると言っても良かった。
だが、霞もまたそんな明星を疎ましく思ったりせず、義理の妹として受け入れていたのである。
実の姉妹よりも強固な絆がそう簡単に壊れるとは思えない。
だからこそ、大げさと告げる京太郎の前で明星は首を左右に振った。

明星「いえ、大げさではありませんよ」

明星「私は恐らく誰よりも霞お姉様の事を理解しているつもりで、その実、何も理解できてはいませんでしたから」

明星「いずれ現実と理想の板挟みになっていたでしょう」

明星「その結果、理想を捨てられれば良いのですが…私一人ではそれも難しかったと思います」

明星「最悪、現実のほうを排除しようとしていたかもしれません」

その想像は明星にとって、決して荒唐無稽なものではなかった。
自分の中で石戸霞がどれほど神聖なものだったのかを彼女は自覚しているのだから。
いっそ神に近い霞が『人間』であったなど容易く受け入れられるはずがない。
京太郎というクッションがなければ、自分の心はバラバラになっていただろうと明星は思う。


明星「でも、そんな私が今、貴方の横に座って、こうして手を繋いでいる」

明星「…その意味は決して軽くないんですからね」

京太郎「えっと、それはつまり…」

明星「『外』の人と深い仲になったりすると私、刺しちゃうかもしれません」

京太郎「っ」ゾク

明星「そうならないように付き合う相手は選んで下さいね」ニコ

明星の口から漏れたその声は底冷えしたものだった。
今までの暖かさが嘘であるようなその声音に京太郎は身体を強張らせる。
そんな京太郎に明星はニコリと花開くような優しい笑みを浮かべた。

京太郎「わ、分かってる。ただ」

明星「…何です?」

京太郎「『外』って事は、『内』の人間は良いのか?」

明星「…まぁ、その辺は私も諦めてます」

京太郎の疑問に明星はそっと肩を落とした。
無論、彼女の中にも独占欲と呼べるものはある。
恋慕の裏返しでもあるそれは、こうして京太郎とデートしている最中にも強まっていた。
だが、それは彼女にとって積極的に表に出して良いものではない。
ここで京太郎の独占に動こうものなら、他の少女たちに排除されるのは目に見えている。


明星「そもそも京太郎さんの婚約者は私ではなく初美さんですからね」

明星「初美さんの情けを甘んじて受けているような状態で、同じ立場の皆さんに文句は言えません」

明星「私に出来る事は精々…」ギュ

京太郎「おうふ」

そう言って明星は自身の胸を京太郎へと押し付けた。
ここ最近、さらに大きくなったセックスアピールは京太郎の口から歓喜とも興奮とも吐かぬ声を漏らさせる。
瞬間、明星の顔を赤くするのは、羞恥の感情だけではない。
京太郎が少なからず興奮してくれている事に明星の心は強い喜びを得ていた。

明星「こ、こうして他の皆に負けないようにアピールする事くらいです」

京太郎「ほ、程々でお願いしますね」

明星「お断りします」ニコリ

京太郎「で、ですよねー…」

当然、『程々』などという言葉で明星が納得するはずがない。
京太郎には既に婚約者がいると分かっているが、それで覚めるほど彼女の気持ちは弱いものではないのだから。
『女の武器』を使ってでも、こっちの方を意識して欲しい。
そう思う彼女の笑みは一点の迷いのない晴れ晴れとしたものだった。


明星「そもそも京太郎さんが悪いんですよ」

明星「私の事を…こ、こんなにしたのに他の人と婚約するんですから」

明星「当時の状況は知っていますし、致し方無いとは思いますが…だからこそ、諦められません」

明星「京太郎さんの心の…ほんの僅かでも良いから欲しいってそう思ってしまうんです」

京太郎「今の俺は明星ちゃんだけのものだってだけじゃダメなのか?」

明星「た、多分、それは逆効果になってると思いますよ」

京太郎「え?」

明星「だって、私は今の時間が…その、し、幸せなんですから」

明星「まだデートが始まって一時間も経ってないですけど…」

明星「でも、これが一生続けば良いと…そんな風に思ってたり…お、思ってなかったり…」モジ

恥ずかしげに身体を揺らす明星に、京太郎はなんと応えれば良いのか分からなかった。
良かれと思って受け入れた事が、彼女の中に強い未練を残す結果になっているのだから。
こんな事なら明星とのデートを拒むべきだったのかもしれない。
彼女を受け入れる訳にはいかない京太郎にそんな後悔の言葉が浮かんできた。


明星「京太郎さんは悪くありませんよ」

明星「私は逆効果だって事が分かってて、京太郎さんの事を誘ったんですから」

明星「悪いのは、貴方の優しさに漬け込んだ私です」

京太郎の後悔にすぐさま気づいた明星は、そう言葉を続ける。
今回のこれはリハーサルとは言え、立派なデートなのだから。
隣に座る想い人が、顔に後悔を滲ませるのはあまりにも辛い。
自分が悪者になっても良いから、その棘を抜いてあげたいと彼女は口を動かして。

明星「…だから、今は優しいだけの京太郎さんで良いんですよ」

明星「後の事なんて考える必要はありません」

明星「誠実さも思慮深さも投げ捨てて…ただ、貴方の優しさを…今だけを私にください」

明星「今日一日は私の事を考えて想って…そんな京太郎さんでいてくれると言う約束を果たしてください」

京太郎「…それは優しいんじゃなくてヘタレの間違いじゃないのかなぁ」

明星「ふふ。私はどっちでも構いませんよ」

明星「京太郎さんとこうして甘い時間を過ごせるのであれば…どんな情けない京太郎さんでも私は肯定出来ます」

そんな明星に京太郎は強く出る事が出来なかった。
下手に甘い顔をすると明星も諦められなくなる。
それを自覚しながらも、京太郎は流されてしまう。
致し方なかったとは言え、巴と湧と言う浮気相手を作ってしまった時点で、彼の理性はかなり弱くなっていた。


京太郎「……なんだか浮気相手にコロっと堕ちる既婚者の気持ちが分かった気分だわ」

明星「堕ちてくれました?」

京太郎「いーや。流石にそこまでチョロくねぇよ」

京太郎「…でも、こうして明星ちゃんとデートしてる時点で今更だからな」

京太郎「初志貫徹って事で、明星ちゃんに楽しんで貰えるよう全力を尽くすよ」

明星「ふふ。ありがとうございます。それじゃあ…」

「あれ?石戸さんじゃありません?」

明星「あ…」

今日は素敵な思い出を沢山作りましょう。
そう言おうとした明星に聞き覚えのある声が届く。
それに首を動かせば、三人の少女が彼女の視界に入った。
その顔がクラスメイトのものである事を確認した明星の前で少女たちはペコリと頭を下げる。


明星「…私の恋人です」ニコリ

京太郎「ぅ」

「やはりそうですか…!」

「えぇえぇ。仲睦まじそうですからそうだろうと思いましたの!」

そんな彼女たちに明星が見せるのは照れと幸福感が入り混じった笑みだった。
女として今が幸せなのだとアピールするようなそれに彼女たちのテンションが上がっていく。
きゃあきゃあと姦しく騒ぐ彼女たちは、京太郎の気まずそうな表情に気づかなかった。

「お名前はなんておっしゃいますの?」

京太郎「す、須賀京太郎です」

「須賀と言う事は…」

明星「はい。京子さんの親戚の方です」

「確かに言われてみれば、京子さんに良く似てられますわ…」

「しかし、こんなところで京子さんの親戚に出会えるなんて…」

「今日は素敵な日ですわね」

京太郎「あ、あはは」

得心したように頷く三人に、京太郎はぎこちない笑みを向けるしかなかった。
彼女たちが口にする【須賀京子】は彼のもう一つの姿なのだから。
自分の正体がバレやしないかと内心、ヒヤヒヤしていた。


「ところでお二人はどうして出会われましたの?」

「実家の家業は何をされているんです?」

「何処の学校に通っておられるのですか?」

明星「すみません。京太郎さんの実家の関係上、その辺りをあまりお話する訳にはいかないんです」

「あ…そうですわね」

「京子さんの立場を考えれば、それも当然ですわ」

「不躾で申し訳ありませんでした」ペコリ

京太郎「(一体、俺の立場ってなんなんだろう…)」

そんな彼の前で、彼女たちのテンションが目に見えて下がっていった。
明星の言葉に水を浴びせられたような彼女たちは納得したように頭を下げる。
須賀京子が、さる王族の一員だという噂を彼女たちは思い出したのだ。
きっと京太郎もお忍びでやってきた王族なのだろう。
そんな風に妄想をエスカレートさせていく彼女達に京太郎は気づけなかった。


「しかし、そうなるとあまりお邪魔するのも無粋ですわね」

「えぇ。このままだと馬に蹴られてしまいますわ」

「私たちはここで退散させて頂きます」

明星「気を遣わせてしまって申し訳ありません」

「いえ、お気になさらずに。では、また学校で」

「ごきげんよう、明星さん」

明星「えぇ。御機嫌よう」

一礼して去っていくクラスメイト達に明星は胸中でため息を漏らした。
突然の邂逅に彼女も内心、狼狽していたのだから。
それを表に出さなかったのは、『石戸霞の妹』としての意地があるからこそ。
これまで学校で作ってきた石戸明星のイメージを壊すまいと明星もまた必死だったのだ。

京太郎「…任せっきりにしてごめんな」

明星「いえ、気にしないでください」

明星「京太郎さんが声を出すと色々とバレてしまうかもしれませんし」

明星「知り合いである私が前に立った方が、あちらも納得しやすかったでしょうから」

明星「…まぁ、その代わり、私の恋人、と言う事になってしまいましたけれど」

京太郎の事を恋人だと紹介したのも他意がある訳ではなかった。
喫茶店で隣に座り、胸を押し付けている相手を兄弟だと説明する訳にはいかない。
今の自分達に相応しく、また彼女たちを納得させられる関係は恋人以外にあり得ないと彼女は思ったのだ。


明星「そっちは必要経費、と言う事で諦めてくださいね」クス

京太郎「それは勿論」

そんな修羅場を抜けた今、明星の胸に浮かぶのは独占欲混じりの悦びだった。
なし崩し的にではあれど、自分たちの関係を恋人だと周知する事が出来たのだから。
まるで彼の一部分を独占したようなその『特別感』は明星に笑みを浮かべさせる。

京太郎「まぁ、悪いのはここが永水女子にも人気だって分かってて選んだ俺だしな」

明星「とは言え、クラスメイトと遭遇する可能性なんてそれほど高くなかったですし、今回は事故のようなものだと思いますよ」

京太郎「でも、その所為で明星ちゃんが学校で誤解されるだろ」

明星「…私、それ怒って良いですよね」

京太郎「え?」

明星「京太郎さんと恋人だって誤解されて私が困るはずないじゃないですか」ムスー

しかし、その笑みはふくれっ面に上書きされる。
無論、明星とて京太郎が善意で言っている事くらい分かっていた。
人の口に戸は立てられないと言う諺通り、明星に恋人がいるという噂はすぐさま学校中に広まるだろう。
否応なくその渦中に立たせられる明星は、これから興味本位に尋ねてくる相手に囲まれるはず。
その労力が決して小さくはないことを知っているだけに京太郎は申し訳なく思っている。


明星「…流石に本当にしても良いんですよ、とは言わないですけど」

明星「でも、私にとってそれは喜ばしい事なんです」

明星「寧ろ、今回の件を利用して率先的に広めたいくらいですよ」

京太郎「さ、流石にそれは俺が色々と死ぬから辞めてくれ」

明星「分かってます。だから、それはしません」

だが、それは明星にとって決して面倒なものではないのだ。
京太郎との関係を『誤解』されればされるほど、自分の中の『特別感』は強くなるのだから。
それを味わう為ならば、野次馬たちの相手をするのも嫌ではない。
そう思う彼女にとって、京太郎の気遣いは見当違いと言っても良いものだった。

明星「でも、これ以上、的外れな事を言うのなら、私も既成事実というものを狙いに行くかもしれません」

京太郎「すみません。俺が悪かったです」

明星「宜しい」

釘を刺すような明星の言葉に、京太郎はただ頭を下げるしかなかった。
初美だけではなく、湧や巴にまで首輪をつけられた彼はコレ以上の泥沼化を望んでいない。
一歩間違えれば火だるまになりそうな修羅場を回避する為ならば、自分のプライドなど安いもの。
そう思った京太郎の前で、明星は尊大な態度で頷いた。


明星「しかし、あまりこの場に居続けると色々と問題が多いそうですね」

京太郎「そうだな」

その間も明星達に対しての視線が止む事はなかった。
興味津々なそれは間違いなくクラスメイト達のもの。
顔をそちらに向けないままそう判断した明星は、小さく肩を落とした。
出来ればもうちょっと京太郎とゆっくりしたかったが、こんな状況でいちゃつくほど神経が図太い訳でもない。
『特別感』は欲しいが、その為だけに仲の良さを魅せつけるのもはしたなく思える。

明星「(…何より、それで京太郎さんに迷惑を掛けるのも本意ではないものね)」

石戸明星にとって京太郎は特別の中の特別だ。
恥ずかしくてあまり言う事は出来ないが、その胸に宿る好意は飛び抜けている。
そんな相手にあまり迷惑を掛けるような真似はしたくない。
彼女にとって何より恐ろしいのは、京太郎に嫌われる事なのだから。


明星「あまりゆっくりとはいきませんでしたけれど、休憩は出来ましたし、そろそろ行きましょうか」スッ

京太郎「ん。そうだな」

促す明星に応えながら、京太郎はテーブルの上に置かれた伝票を手に取った。
そのまま立ち上がる彼に明星も追従するように立ち上がる。
瞬間、二人に向けられる視線が強くなるが、彼らはそれに構わなかった。
まるで気づいていないかのように店内を歩き、会計を済ませて。

「ありがとうございました」

明星「ご馳走様でした。それとコレさっきの半分…」

京太郎「良いって。明星ちゃんには後でコンビニで何かを奢ってもらうから」

明星「…それは私が勝手に嫉妬しちゃったお詫びだったはずでは?」

京太郎「そうだったっけ?」

明星「もう……京太郎さん?」

店外に出た明星はバッグから財布を取り出す。
そのまま会計の半分を出そうとする彼女に、京太郎は首を左右に振った。
割り勘をハッキリと拒もうとするその彼に、明星はジト目を向ける。
京太郎の優しさは嬉しいが、出来るだけ彼に負担を掛けさせたくはない。
同じ学生なのだから、金銭的には対等でありたいと彼女は思う。


京太郎「悪い悪い。でも、こういう時くらい格好つけさせてくれよ」

京太郎「さっきは格好悪いところばっか見せてたしさ」

明星「…そんなの気にしなくても良いのに」

京太郎「男って奴はそういうのを気にする生き物なんだよ」

京太郎「ましてや、今は可愛い女の子とのデート中なんだ」

京太郎「当社二倍で格好つけたがりになってると思ってくれ」スッ

明星「も、もおぉ…」

しかし、好いた男からこうもハッキリ言われて、無理やり割り勘にする事は出来ない。
ましてや、京太郎は会計の時に離した明星の手を再び掴んだのだから。
優しく、そして自然なその仕草に彼女も本気で拗ねる事が出来ない。
その口から漏れる声も、歓喜で緩んだものになっていた。

京太郎「じゃあ、デート再開と行きますか」

明星「はい。…あ、でも、その前に一つ行きたいところがあるんですけど」

京太郎「構わないけど、でも、何処に?」

明星「カメラ屋です」

京太郎「え?」

京太郎が驚きの声をあげてしまうのは、それが彼にとっても行きたい場所だったからだ。
巴の魅力を引き出す為に、もっと良いカメラが、もっと立派な機材が欲しい。
だが、それを買いに行く予定は明星とのデートで上書きされてしまったのだ。


京太郎「(も、もしかして明星ちゃんは俺と巴の間に何かがあった事に気づいて…)」

明星「私、色々と吹っ切れてから思うんです」

明星「こうして京太郎さんと過ごせる時間はとても貴重なものなんだって」

明星「でも、私はこれまで意地を張って…それを残そうとはしてきませんでした」

明星「霞お姉様の写真はあんなに集めていたのに、それはおかしいと最近、思って」

京太郎「あ、あぁ、なるほど」

明星「どうかしました?」

京太郎「い、いや、何でもないよ」

瞬間、浮かぶ京太郎の不安は、杞憂に過ぎなかった。
恥ずかしがり屋で気遣い屋の巴が京太郎との秘密を口にするはずがない。
二人が何かをしていた事くらいは明星も気づいているが、それがコスプレ撮影会である事までは知らない。
お互いの情報を出し惜しみする水面下での牽制に、京太郎は内心で安堵の溜息を漏らした。。


明星「だから、心機一転、カメラを買って、京太郎さんとの思い出を残したいんです」

明星「勿論、京太郎さんの気持ちもありますし、無理にとは言わないですけど…」

京太郎「俺は問題ないよ」

明星「本当ですか?」

京太郎「あぁ。まぁ、恥ずかしく無いって言ったら嘘になるけれど」

巴の写真を何枚も撮った自分が、それを口にするべきではない。
その後半部分を京太郎は胸の内に秘めた。
そんな事を言えば、明星を嫉妬させるだけなのだから。
顔を綻ばせるほどの喜びに水を掛けてやりたくはなかった。

明星「じゃあ、早速行きましょう」ギュ

京太郎「お、おう」

そんな京太郎に明星は腕を絡ませる。
ただ手を繋ぐだけでは飽きたらないというその仕草は、彼に豊満な胸を押し付けた。
ついさっきも味わった、柔肉が自身の腕を包み込んでいくような感覚。
心地良さと興奮が入り混じったそれに京太郎の声はどもってしまう。


明星「…私達、今、どんな風に見えるんでしょうね」

京太郎「まぁ…そりゃ恋人、じゃないかな」

明星「仲の良い兄妹…とは言わないんですね」

京太郎「言ったら怒るだろ」

明星「勿論、怒ります」

明星「でも、そう言ってくれたら、京太郎さんにもっと色々な事して貰えるなって」

京太郎「ちゃっかりしてるなぁ」

明星「そうですよ。私は…こ、恋する乙女なんですから」

明星「己の良心に反さない限りは、何だって利用します」

そのままゆっくりと歩き出しながら、明星はそう断言する。
それは京太郎に伝える為だけではなく、自分に言い聞かせる為のものでもあった。
京太郎の事を好きになったのは早いものの、つい最近まで明星は意地を張っていたのだから。
あっという間に後発に追い抜かされてしまった今、何を利用してでも、彼の関心を惹かなければ、他の少女達に負けてしまう。

明星「……好きですよ、京太郎さん」

京太郎「ん…」

だからこそ、明星は囁くように京太郎へと告白した。
今にも街の雑踏に消えてしまいそうなそれは、京太郎の耳にしっかりと届いている。
だが、彼はそれに対して、強いリアクションを見せなかった。
聞いているのかいないのか、そんな微妙な返事をしたまま手に力を込める。


明星「ふふ」

いっそ不誠実だと言っても良い反応。
だが、明星にとってはそれで十分だった。
自分の告白は決して京太郎に拒まれてはいない。
それだけで明星の胸に陶酔混じりの喜びが浮かび上がってくる。

明星「知っているとは思いますけれど…私、かなり負けず嫌いな方ですから」

明星「何時か必ず京太郎さんに大好きだって愛してるって…」

明星「私以上に好きなんだってそう言わせて見せます」

京太郎「…もし言わなかったら?」

明星「その時は…そうですね」

明星「わ、私の全てを京太郎さんにあげる…と言うのはどうでしょう?」モジ

京太郎「それ明星ちゃんに損がないような気がするんだけど」

明星「私、基本的にギャンブルは好きじゃないので」

明星「性格的にも臆病な方ですし、きちんと保険を掛けておかなきゃ安心出来ません」

その言葉に一体、どんな意味が隠されているのか京太郎は気づけない。
保険がなければ安心できないと言う彼女が、ライバルが多い状況で何故こうも自然体でいられるのか。
少なからず、彼女の胸に理性を吸われている彼に、そんな疑問を浮かべる余裕はなかった。


京太郎「しっかりしてると言うべきか、恐ろしいと言うべきか」

明星「で、でも…あの、結婚するなら私のような女の子が良いと思いますよ。一般論ですけど」

京太郎「確かにそれくらいしっかりしてる方が安心して任せられるかもな。一般論だけど」

明星「…そこは一般論をつけなくても良いんじゃないでしょうか」

京太郎「つけなきゃ言質取られるからなぁ…」

明星「もう、私の事を何だと思ってるんですか」

京太郎「じゃあ、取らないって約束出来るか?」

明星「取りますし、録音した上で何度も聞きますけど」

京太郎「やっぱ言えないじゃないか」

明星「ふふ。だって、仕方ないじゃないですか」

明星「好きな人に私と結婚したいって言って貰えたんですから」

京太郎「ちょっとどころじゃなくニュアンスが変わってる気がするんだが」

明星「誤差ですよ、誤差。細かい事気にしすぎです」

和やかに会話を続けながら、腕を組む二人。
仲睦まじいその姿は人波の中でクッキリと浮かび上がるものではなかった。
今の季節は12月 ―― クリスマスを目前とする街中にはカップルが溢れかえっているのだから。
しかし、だからと言って、二人にとってその時間が日常の中に埋没するものではない。
寧ろ、街を照らすイルミネーションのようにキラキラと輝くような楽しい時間で。




―― それから夜まで京太郎を独占した明星は満足気な表情で屋敷の敷居を跨ぐのだった。




ってところでちょっと短いですけど明星編は終わりです
次回は霞編に入っていく予定です


「……」

そんな二人の板挟み ―― 文字通りの意味で ―― なりながらも京太郎は沈黙を護っていた。
それは彼の言葉一つで二人の均衡が崩れ、自分が矢面に立つかもしれないから ―― ではない。
二人の少女がどれほど自分のことを想い、不本意ながらもハーレムという形を許容してくれているのか彼は良く分かっている。
二人共を拒絶するという最悪な決断ではない限り、それを受け入れてくれるだろう。
それでもこうして沈黙を続けているのは二人の喧嘩が本気のものではないからこそ。

「…どうあっても譲らへん言うんやな?」

「当然やろ」

「…じゃあ、何時も通り勝負やな」

「望むところや!」

睨み合う二人から出る答えは予定調和と言っても良いものだった。
彼女たちはほぼ毎回、同じ答えに辿り着いているのだから。
今にも掴みかかりそうだった険悪な雰囲気もそこに至る為のステップに過ぎない。
だからこそ、二人は力強く頷き合いながら、そっと京太郎から距離を取って。


「き、京太郎…」モジ

「あ、あの、えっと…」

瞬間、彼女たちが晒すのはいじらしさに満ちた表情だった。
その頬を微かに染めてモジモジと身体を揺らす彼女たちに、さっきまでの険悪な雰囲気は残っていない。
今の二人に映っているのは、目の前にいる愛しい幼馴染だけなのだから。
その関心を買う為に身を晒そうとする彼女たちが不機嫌さを露わにするはずがなかった。

「えい」ギュ

「あ、ず、ズルっ!!」

先に動いたのは洋榎の方だった。
ベッドの縁に座った京太郎の腕を、彼女はそっと掴む。
そのまま洋榎が導くのは、自身の腰だ。
京太郎の好きな胸には自信はないが、こっちの方はそれなりに引き締まっている。
そこを強引に撫でさせる彼女に、セーラは唇を尖らせて不平を訴えた。


「ど、どうや、京太郎、洋榎お姉ちゃんのウェストは。割りと女の子しとるやろ?」

とは言え、それで洋榎が止まるはずがない。
制服越しとは言え、愛しい男の手に撫でられる感覚は、彼女に強い心地良さを与えているのだから。
先手を取られたセーラが悪いと胸中で返しながら、京太郎に囁いた。

「じゃ、じゃあ、俺は…!」グッ

それに対抗するようにセーラは服の裾を持ち上げた。
グイと勢い良く露わになる肢体は、運動好きな彼女らしき引き締まっている。
しかし、その肌はなめらかで、また随所に女の子らしい柔らかさを孕んでいた。
ボーイッシュな彼女からは想像も出来ないほど女の子らしい身体に京太郎の視線が引き寄せられる。


「う…ううう…」カァァ

しかし、セーラはそれで精一杯だった。
初恋と言うものを知るまで彼女は自分のことを半ば男だとそう思っていたのだから。
自信の無さは洋榎よりもずっと深刻な上に、羞恥心も強い。
幾らライバルに先を越されたくないとは言っても、服を全て脱ぐ事は出来ない。
精々、スポーツブラの端を京太郎に晒すくらいだった。

「お、俺だって…だ、抱き心地はええと思うで。少なくとも洋榎の奴には負けへん」

「は、はん、阿呆やな。京太郎の一番はウチやって決まっとるんや。セーラの入り込む余地なんてあらへんよ」

気恥ずかしそうに腹部を晒すセーラに、洋榎は強がりの言葉を口にした。
こうして共に京太郎を誘惑した回数は一度や二度ではないのだから。
普段はボーイッシュな彼女が、一体どれほど敏感で、甘い生き物なのか。
それにどれほど京太郎が夢中になってきたのかを、彼女は間近で見てきたのである。
このままではセーラに最初のキスを取られてしまうかもしれない。
そんな不安を覚えた彼女は京太郎の手を、服の内側へと誘いこむ。


「そ、それに…自分から触らせもせえへん奴より、触れるウチの方がええもんな」

「む…!」

「京太郎が望むなら…ん…う、ウチのもっと恥ずかしいところも触ってええねんで」

心外そうなセーラの声に、洋榎は応えない。
代わりに彼女は直に触れる京太郎の手を舐めるように動かす。
その度に腹部の奥から走るのは、本能を伴った甘い疼きだ。
愛しいオスに幾度となく犯され、そして開発されたその身体は腹部を触れられるだけで欲情してしまう。

「お、俺は洋榎ほどはしたなくないだけや。京太郎が望むなら…その、さ、触ってもええんやで」

「胸晒す度胸もあらへん癖に」

「そ、それくらい出来るわ…!」ガバッ

挑発するような洋榎の言葉は、セーラにとって我慢の出来ないものだった。
こうして京太郎の恋人になった今でも、彼女は自分の事を『男らしい女』だと思っているのだから。
ヘタレだなどと馬鹿にされて、黙ってはいられない。
それくらい出来ると意地を張りながら、彼女は首元まで服を曝け出した。

うーん…私の中でセーラとネキの両方が受け身な所為ですっげー微妙な気がします
つーか、今までの小ネタも全部、満足出来る出来じゃないですし、いっそ最初から書き直した方が良いのかなぁ…(´・ω・`)

スランプ気味なのと求められてるものが書けてないって感覚の所為ですかねー…(´・ω・`)多分、私以上にリクエストしてくださった方が不満な気がします

数捌くためにエロを削ったのが響いたのかな?

どんなリクエストでも書こうとするのが悪いのでは?
ここの生乳イッチの琴線に触れるリクエストにだけ小ネタ書けばある程度納得できるものだけになるのでは
あとこのスレに次のなんぽっぽスレのイベントリクエストとか書き込んでもいいの?

リクエストすべて拾うのも大変だしな
かけるやつだけ書いてくれれば

おもちスレ1発目の和を書き上げた作者の琴線に触れる題材を生み出せ

難易度高いぞこれ

・最近本編に対する感想が少なめ
・過去作感想がちょいちょいあって、「もっといいもの書かなきゃ」みたいな意識
・なし崩しックスあたりからの筆が乗らない→自分が満足できない→リクくれた人も満足してないはず(見ている人を意識しすぎ)の流れ

この辺がぐるぐるしてスランプってる気がするので、リクとかで他の人を意識しながら書くよりは
イチから自分で書きたいプロット組んで没入して書けるもの書いた方がいいと思う
思い浮かばなくても、人のレスじゃなくてキャラコンマみたいなランダム系の発想源を参考にするとか

要するにエロいの書こうぜエロいの!

>>653>>654>>655
全部書こうとしてミックスした挙句、中途半端なところで終わってる…って言うのは多分、かなり大きいと思います
もっと絞り込んで書ける奴だけ、にしとくべきだったんですかねー…(´・ω・`)ホントごめんなさい
そしてなんぽっぽスレは安価飛ばして参加者の方にネタを貰う形式なので、こっちに書き込んで貰うよりはなんぽっぽスレに書き込んで貰う方が良いかもです

>>656
私、結構、ストライクゾーンは広いですよ(´・ω・`)よっぽどの特殊性癖やNTR以外はオッケーですし
上の小ネタだって決して義務感だけで書いていた訳ではありません
ただ、私がちょっと色々とダメ過ぎるだけなのです……

>>657
本編に対する感想が少ないのは見せ場を作れない私の所為であり、過去作に対する感想も内心喜んでいたのですけれど…
やっぱりその辺も関係してるんですかねー…(´・ω・`)自分でも何がスランプに影響してるのか良くわかんないです……
頂いた小ネタも面白そうでしたし、書きたいって言う気持ちもあるんですがー……
何はともあれ、今の精神状態だと書けるものも書けないのでちょっと脱線しながら息抜きしたいと思います(´・ω・`)ヒャッハー!エロだー!となるかは未定ですが



そして皆さん、色々とコメントありがとうございます(´・ω・`)出来るだけご迷惑をお掛けしないよう頑張ります…

私自身、ヒロイン堕としてそれで終わりって言うのが苦手なので、
堕ちたヒロインとイチャイチャさせて堕ちる前と比べてもらってニヤニヤして貰えばなーと思って書いてますが…
ぶっちゃけ話の流れ的には読まなくても問題はないような話ばっかりですしねー(´・ω・`)残念でもなく当然である


―― 艦むすの着任方法にはおおまかに二種類がある。

一つは工廠 ―― 艦むすの研究施設を使った建造方法だ。
それぞれの鎮守府が管理する資源を投入し、艦むすを『建造』する。
ただし、その建造過程や資源の利用方法などは鎮守府の管理者である提督にも公開されてはいなかった。
その所為で、投入する資源は、大本営への賄賂であるという噂も囁かれているが、本当のところを知っているのは上層部だけだろう。

もう一つは戦功における抽選だ。
日々、艦むすの研究を行っている大本営には、多くの艦むす達が所属している。
そこからどの鎮守府に着任させるかは、主に戦功によって決められるようになっていた。
高難易度の海域であるほど、敵を壊滅に近い状態に追い込むほど、戦功は高くなり、いわゆる、レアな艦むすも手に入りやすくなる。
だが、高難易度海域に挑戦しようとすればするほど高い艦隊戦力と練度を求められる訳で。
結果として高難易度海域に挑む頃には提督の手がいっぱいで、着任停止となるパターンが多いそうだ。


京太郎「(まぁ、どれだけレアで強力な艦むすとは言え、戦場に出さなきゃただの美少女だ)」

京太郎「(だから、結果としてご褒美であるはずのレアな艦むすが着任したばかりの提督へ回されるって事もままあるらしい)」

恐らく春もそういうパターンなんだろうな。
彼女は決して殊勲艦と呼ばれる船ではなかったが、それでも駆逐艦とは比べ物にならないほど強力な重巡洋艦なのだから。
つい先日まで一般人だった新米提督に、これほど強力な初期艦をつけてやる理由など、持て余していたから以外に思いつかない。
彼女が俺に並々ならぬ好意を向けてくれているのも、その辺りが関係しているような気がする。

京太郎「(…まぁ、その辺は深く考えても無駄だよな)」

京太郎「(俺の予想が正しければ、それは春にとってデリケートな部分なのだから)」

京太郎「(下手に突っ込まず、グレーのままにしておいてあげた方が良い)」

春は艦むす ―― 兵器だと多くの人達は言う。
だが、俺には彼女がただの兵器だとは思えない。
兵器である事に間違いはないのかもしれないが、春の中には心と呼べるものがあるのだから。
ただの兵器、ただの部下ではなく、大事にしてあげたい。
それが彼女に童貞を捧げた男にとっての正直な気持ちだった。


春「…提督?」

京太郎「あ、悪い」

春「いえ、構いませんけれど…」

そんな事を考えてる間に、俺はボゥっと春のことを見つめていたらしい。
首を傾げながら俺を呼ぶ彼女は心配そうな目を向けてくれる。
そんな春に謝りながら、俺は目の前にそびえ立つ分厚い鋼鉄の扉に目を向けた。

京太郎「後一分かー…」

その扉の上でカウントダウンを続けるタイマーは艦むすの『建造』と連動しているらしい。
この数字が0になった時にこの扉が開き、艦むすが着任する…と言うシステムなのだそうだ。
そのカウントダウンは提督がいてもいなくても関係なく進むだけに、別にこうして前で待機する必要はないのだけれど。
折角、着任してくれた仲間を出迎えるのは、やっぱり大事だと思うし。


京太郎「戦艦とか空母とか来てくれないかなぁ」

春「恐らくですが…この建造時間だと駆逐艦だと思います」

京太郎「だよなー…」

…何より、こうして俺が前で念を送る事で、戦艦とか空母にならないかなーって言う淡い期待もあったりする。
なにせ、今回の『建造』には、我が鎮守府の備蓄資源の半分を投入したものなのだから。
出来れば艦隊決戦の花形である空母や戦艦に来て欲しい。
勿論、鎮守府の運営を考えれば、駆逐艦は決して悪い選択肢ではないが。

京太郎「(駆逐艦って大抵がロリロリしい体型と言うか…ひんぬーって言うか…)」

勿論、例外はあるらしいが、大抵、小学校高学年から中学生くらいの体型になる事が多いらしい。
そして俺は提督として、そんな彼女達にアレコレ如何わしい事をしなければいけないのだ。
自他ともに認めるおっぱいスキーであり、ロリコンと対極に位置する俺にとって、それは中々に辛い。
折角来てくれた仲間を歓迎しないつもりはないが、ぶっちゃけそういう事が出来るのか今からでも不安である。


チーン

春「…新しい子が出来たみたいです。歓迎用の黒糖準備、万全です」

京太郎「うん。色々と突っ込みたい事はあるけど、まずひとつ言わせてくれ」

春「なんでしょう?」

京太郎「もうちょっとマシな完了音なかったのか…」

まるで電子レンジのような音ではどうにも気が抜けてしまう。
最初に考えていた挨拶やら、胸元から黒糖を取り出した春へのツッコミやらが全部ぶっ飛んでしまった。
この音を設定した奴にクレームを入れたいくらいだぞ…。

春「後で大本営に要望を出してみましょう」

春「…それより提督」

京太郎「…おう」

まぁ、それは後回しだ。
建造が完了した今、我が鎮守府二番目の艦むすが扉の向こうで待ってくれているのだから。
あまり相手を待たせるのも悪いと俺は扉横にある大きなボタンを押して。






                                         ,r==ミ

        __                               〃////〃⌒\
       〃/_ノ  __         ト.、                 {{//人〃///∧ハ〃⌒i!_
     f⌒〈/,'|| ///__ノ      ∨ハ                `¨" {{//,'ノ///,{{//〃//}}
  ,r='ヘ/∧/¨´///             ∨∧                   `Y´/////`¨´{{//〃
  /∧'∧ハ__ノ///〃            廴:\              ___/ノ////////込ン1!
 〃/∧'∧/////{{___             `ト|            ({ ̄ ̄ ̄`////////////
 ||///∧_ノ////// ̄ ̄ ̄}) / ̄ ̄>.、   |:|             ゙ー==ミ_、///////,/
 ||//////////>== ´´<___/  `ヾ、  i!                   }!/////〃
 ||////////if´                >⊥ュ、                    }}////,〃       ふむ、ここが衣の鎮守府か。
 .ii////////||              ./ i!i!i i!i! ヽ                〃///,'〃       駆逐艦 衣だぞ。
  ii////////!!      ,.ィニニニ/{iニ={!,{ル広 勾| ||               〃////〃        海の魑魅魍魎達は衣がすべからく始末してやろう。
  .∨//////||     // / iル'::::从≦ゝ圦 r=ヲ,/,リ|\             〃////〃
   ∨/////{{     {{_⊥zz{:::::::::::::} /r‐≧r/ /.⊥_ ヽ           /'//////'
   .∨////∧    /.ィ´  .ゝ‐rr≦ ,ィ.,{rzイ/ { {.  Y ハ           /////,'/
    ∨////∧   {' / /__廴!{ /,∠__/ |{  | ト、_r'/\}、_        ////,/
     ヾ.////∧__! ///>{ { |' /ャ--'^ー}ハ.八! ト、.\ \>:.、___///,/

       \///////∧{/  Ⅵ  r/   /' /\\} ハ Yハ__ヽ\/////,/
        `込ZZ> ´     ヾ,rr' `ー―八≦≧iヽ | } {r‐‐}  `¨¨¨´
                   i´ {:{   /  /:7 く  |//,、  〉






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: : : : : :| : : |: i 「! ヽート!、: : リ  !: |ハ: ト : | ̄ ̄
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: : / へ.゙、 :丶ヾヽ<´{::::i` ヽ! 1!|:/| :!ノ゙、リ

: :ヽ    \ : :!丶   ̄     Vイ:ハ |\:i
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ヽ: : :`┬ 、  ヾ          /
  i: ;ィノ    U     ,....-ィ /
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゛=!_    \ `ー-、_  _/
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ロリっ子だった。
そりゃもう見事なロリ体型だった。
正直、中学生くらいならまだワンチャンと思ってたが、これはもうダメだ。
下手をすれば横に歩いているだけでも通報されかねない。
小学校高学年どころか低学年と言っても良いレベルの身長だからなぁ…。

京太郎「(…でも、駆逐艦衣って)」

提督になるまで軍艦に興味のなかった俺でもその名前は知っている。
ヤーポン帝国海軍が作り上げた次世代型駆逐艦の名称だ。
コストが高すぎて量産こそ出来なかったものの、テストヘッドとして作られた一番艦は各地で大戦果をあげたらしい。
当時の主敵であったコメリカ海軍からモンスター ―― つまり魔物として呼ばれたその船は艦長である天江大佐の適正もあって夜戦にめっぽう強かったと聞く。


衣「どうかしたのか、提督」キョトン

京太郎「あー…俺の事は分かるのか」

衣「うん。事前に色々と勉強はして来ているからな」

……確か建造時間って30分もなかったんじゃなかったっけ。
それで建造してなおかつ勉強までって…一体、中でどんな事が起こってたんだ。
ボタンを押した瞬間、扉から煙が吹き出して、結局、奥が見えなかったし…。
衣が出てきた今、硬く閉じて、ボタンを押しても開く気配すらない。

衣「で、そちらのは…」

春「…重巡洋艦春です。お噂はかねがね」ペコリ

衣「なるほど、重巡洋艦か」

悪戯心と好奇心からボタンを押している間に、春と衣は挨拶を交わした。
ただ、それがどこかよそよそしいものになっているのは、ヤーポン海軍でも四本の指に入る武勲艦が目の前にいるからか。
何にせよ、二人がそのまま仲良くなるのは厳しいかもしれない。
まずは俺が間に入って、二人のクッションに… ――



















                             //////\/ハ
                              ///,/    \!
                 ,....-―-.、     ////

               , イ////////\   ////
            , イ/////,/ ^ーァ/ヽ≠//,.く
          ///////,/   ,ィ///////////\

         ////> '´    ///////////////,ハ
       /> '´          〃////////////////!
      ,..'/            从////////,γ⌒ヽ//,|
     /'                `i///////,乂__.ノ//,ハ
                    /////////////////ヽ          だが、果たして衣の盟友足りえる船かな

                   ////////////////////\
                  ///////////////////////,\
               , イ///////////////////////////ヽ
           ,.....イ/////////////////////////////////\
        ,...イ´///////////////////////////////////////>.、

      ,..イ///////////////////////////////////////////////,>.、
    .//>ァ//////////////////////////////////////////////////>、
  .///.///////////////////////////////////////////////////////.ヽ

. ///.////////////////////////////////////////////////,ヾ.、/////ト、/\
/// ///,イ///////////////////////////////////////////////ハ ヾ///ハ ヾ//ヽ
//   ///〃////////////////////////////////////////////////ハ ヾ///} Y//ハ
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―― その声は思いの外、冷たいものだった。

何十年も昔、彼女の艦長であった天江大佐はガチガチの実力主義者だったらしい。
階級が下であっても実力があれば認め、なければどれほど上であっても反論を辞さなかった。
結果、どれほど戦果をあげても駆逐艦の艦長以上になれなかった彼の性格は、艦むすとなった衣にも受け継がれているらしい。
春に向けられたその言葉には明らかに見下す響きがあった。

春「…私は」

衣「衣も知っているぞ。重巡洋艦春。軍縮条約破棄後に作られ、各地を転戦しながらも目立った武勲をあげられなかった船」

衣「…凡庸だ。いや、当時が凡庸である事を許さぬ時勢だった事を思えば、その凡庸さは罪でさえある」

衣「幾ら火力や装甲で衣に勝っていようが、そのような凡百の輩に衣の背中を預ける気にはならないな」

春「……」

先任である春を見下している事を衣は隠そうともしない。
それは恐らくここで戦闘になったところで、春が自分に勝てない事を知っているからなのだろう。
春がもうちょっと経験を積めば話は別だっただろうが、彼女もまた着任したばかり。
重巡洋艦というアドバンテージは、衣に並桁外れた実力に覆されてしまう。


京太郎「(…そして春は衣に言い返す事が出来ない)」

決して春は悪い船ではない。
寧ろ、その戦いぶりを見た俺は良い船であるとさえ思う。
だが、衣の言う通り、かつての春は武勲を立てられないまま沈んでいった。
それを誰よりも強く意識しているのはきっと春で… ――

衣「…言い返す気概もないのか」

衣「それでも栄えあるヤーポン帝国海軍の重巡洋艦」

京太郎「せい」ペシ



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    , ':::::::::::::>'"  /          ぃ  ト|‐r+ い l  ト, .|
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/             V lヽ V  \   〈_, ‐'" イい   ヽ    \


京太郎「そこまでだ、衣」

衣「で、でも、提督…」

京太郎「デモもストもない。提督命令でそれ以上、言うのは禁止だ」

衣「…そうやって衣を抑えつけるのか?」

京太郎「当然だ。俺はこれでも提督だからな」

衣「…お飾りの人間が随分と偉そうな口を効く」

衣の言葉は棘を感じさせるものだった。
多分、衣は俺の事をまだ信頼に足る上官だと認めてはいないんだろう。
提督とそう呼ぶが、決して俺に対する敬意はない。
まぁ、天江大佐譲りの実力主義者が納得出来るだけの何かを示した訳じゃないから当然だろうけれど。

京太郎「それでも俺は管理職だ。お前ら二人に命令を下す立場なんだ」

京太郎「部下の間で不和が起こっていて見過ごすほど情けない上官にはなりたくない」

京太郎「それとも栄えあるヤーポン帝国海軍の名駆逐艦は仲良くしろという簡単な命令さえこなせないのか?」

衣「…む」

それでも俺は上官であり、また彼女は軍艦だ。
軍部にとって上官からの命令がどれほど重要なものかを良く分かっている。
プライド高そうな彼女にこう言えば、反論する事は出来ないだろう。


京太郎「無論、内心で思う事まで止められはしないが、口にするのは辞めろ」

京太郎「それが出来ないなら、ウチの鎮守府にはおけない」

京太郎「来て貰って悪いが大本営に送らせて貰う」

衣「提督は衣ではなく、その凡庸な重巡洋艦を選ぶと言うのか?」

京太郎「訂正しろ」

衣「何を?」

京太郎「春の事を凡庸と呼んだ事をだ」

衣「…ほぅ」

俺の言葉に衣は面白そうな顔をした。
だが、その目はスゥっと細まり、俺を値踏みする色を強めている。
…恐らくここが分水嶺。
ここで衣の期待に応えられなければ、きっとこの問題児から信頼して貰う事は出来ないだろう。

京太郎「確かに春の前世は…重巡洋艦春は凡庸だったかもしれない」

京太郎「だが、その魂を受け継ぐ彼女が凡庸になるとは限らないし」

京太郎「何より、俺がそうさせない」

京太郎「春の事を、誰もが知っている名艦に、武勲艦にして見せる」

だが、それは俺の言葉を留まらせるものではなかった。
内心に不安はあるが、それよりも俺は衣の言葉にフラストレーションを溜め込んでいたのだから。
建造に費やした資材は痛いが、さりとてこれほどの問題児を手元に置いておきたくはない。
見くびられても元々だと俺は言い返せなかった春の代わりに、そう断言してみせる。


衣「艦むすにとって娯楽の一種でしかない提督が一端の口を効くものだ」

京太郎「だが、ヤーポン帝国海軍には娯楽が少なかった。そうだろう?」

衣「確かにそれは認めるが…」

京太郎「なら、その娯楽の力で春が大活躍する事だってあり得るじゃないか」

京太郎「はなから下らないと馬鹿にされる理由はないと思うぜ」

春「…提督」

俺は艦むす達にとって肉バイブでしかない。
だが、その肉バイブによって彼女たちはモチベーションを高める事が出来るのだ。
それが一体、どれほど身体のキレに変化を出させるのか、俺は良く知っている。
そして春のスペックは一流と言っても良いのだから、活躍出来る見込みは十二分にあるはずだ。

衣「…ふふ。なるほど。秘書艦の方はそうでもないが、提督の方は帝国海軍に相応しい気骨の持ち主らしい」

京太郎「…試したのか?」

衣「下らない男の下につくつもりはない。秘書艦を馬鹿にされて衣の方を取るような男ならば、こっちの方が願い下げだったぞ」

衣「しかし、満点とはいかずとも、こうして気概を見せてもらったのだから、衣も譲歩しなければな」

京太郎「…って事は?」

衣「今すぐは無理だが、そこの重巡洋艦と仲良くすると約束しよう」

…そして俺の返事は衣のメガネに適うものだったらしい。
クスリと笑う彼女の言葉には、さっきのような棘はなかった。
流石にまだ全幅の信頼を置いて貰った訳ではないだろうが、とりあえずこの場を丸く収めるつもりはあるらしい。
プライド高そうな彼女が『約束』とまで言っているのだから、信じて良いだろう。


衣「…ふふ。なるほど。秘書艦の方はそうでもないが、提督の方は帝国海軍に相応しい気骨の持ち主らしい」

京太郎「…試したのか?」

衣「下らない男の下につくつもりはない、と言う事だ」

衣「少なくとも秘書艦を馬鹿にされて衣の方を取るような男ならば、こっちの方が願い下げだった」

…そして俺の返事は衣のメガネに適うものだったらしい。
クスリと笑う彼女の言葉には、さっきのような棘はなかった。
勿論、まだまだ全幅の信頼には足りないだろうが。

衣「しかし、満点とはいかずとも、納得の行く答えを聞かせて貰った」

衣「それで譲歩しないほど、衣は幼くはない」

京太郎「お、おう」

とりあえずこの場を丸く収めるつもりはあるらしい。
プライド高そうな彼女が口にする『譲歩』は信じても良いだろう。
…だが、そこに幼くはないと付け加えるのは衣なりのジョークなのだろうか。
艦齢込みで考えれば、衣は一番、年上とは言え、さっき建造されたばかりだし…。
何より、その身体的な年齢はどう考えてもこの中で一番、幼いと思うのだけれど…。


衣「今すぐは無理だが、そこの重巡洋艦とも可能な限り仲良くすると約束しよう」

京太郎「…本当か?」

衣「衣は嘘は言わない。お姉さんとして格好悪いからな」フンス

自慢気に胸を反らせる辺り、これは天然なのか。
どうやらこの子は『年上』である事がかなりアイデンティティに関わっているらしい。
下手に子ども扱いすると機嫌を損ねてしまいそうだし…気をつけないとな。

衣「まぁ、何はともあれ…だ」

衣「この衣に全て任せておけば、提督の武運が尽きる事はない」

衣「衣が提督とそこの重巡洋艦を勝利へと導いてやろう」

その言葉は決して自信過剰なものではないのだろう。
衣型は艦隊決戦型駆逐艦としてハイエンドと言っても過言ではない性能を誇っているのだから。
軍艦に詳しくない俺でさえ名前を聞いたことのある彼女は、間違いなく大活躍してくれるはず。
そう思う俺の前で衣はニコリと笑って。






            /                      \      \ ヽ
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       ,′  ,′ ,′ ,' i   i    ト、 i´ ii | ' `i   |     ::, ::,
.      ′  ,′ ''  i i i -‐ i   i \i -i |  ', i }│      ::, ::、
.       { i   !  |  /i i _j八   :、 \ ノ _」 ノノノ从       ::, ::、
.      { i   !   |   iハ{\|  \  ヽ   .ィ==ミッ  |       l  ::、           大船に乗ったつもりで衣に頼ってくれて良いぞ
       i, i,  ', ', 、  ト、ヽ _..   `''ー-  '゙         |      |   、
       八  ヽ\\N  ッ==ミ         :.:::::::.: リ  '   |    、
.         \ト、\`ー 〃                /  '    |  \ \
               リハ :.:::::::.:        ノ    / /    |   \ \
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                          {英}       }英}
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衣型駆逐艦一番艦 衣
コメリカ他列強諸国との関係が急激に悪くなっていく中で、ヤーポンが生み出した艦隊決戦型駆逐艦のハイエンド機
あらゆる面で同世代の駆逐艦を上回っているが、龍門渕少将の趣味に塗れた設計の為、コストが跳ね上がった
結果、資源の乏しいヤーポン帝国海軍では量産する事が出来ず、テストヘッドとして一隻のみが建造される

その後、龍門渕艦隊に配属された彼女は、天才駆逐乗りと呼ばれた天江大佐を艦長に迎え、様々な海域で活躍した
特に夜戦における活躍は著しく、そのコンセプトを誰よりも理解していた天江大佐によって何度も大物喰いを成功させる
結果、コメリカ海軍からはモンスターの名を与えられ、『夜の闇にはモンスター・衣が潜んでいるかもしれない』と恐々とさせた
天江大佐が「衣ほど素晴らしい駆逐艦はない」と語るほどの名艦だったが、しかし、その活躍故にヤーポン帝国海軍は旧来の艦隊決戦思想から抜け出す事が出来なかった
結果、柔軟に次世代戦闘に対応していったコメリカなどから引き離されていったのだから、皮肉以外の何者でもない

その艦歴の所為か、或いは天江大佐の性格を受け継いだのか、彼女は根っからの実力主義者だ
認めた相手には従順だが、それ以外の相手には辛辣な言葉を口にする
一方で寂しがり屋でもある彼女はかなり扱いにくい艦むすだろう
だが、その信頼を勝ち取る事が出来れば、誰よりも忠実かつ素直な艦むすとして提督に仕えてくれるはずだ

また彼女は姉妹艦がいないと所為か、時折、お姉さんぶろうとする
夜戦(意味深)時もアドバンテージを握ろうとする事が多いが、致命的なまでに耐久力と持久力がない
最初は調子に乗って攻め立てるものの、一時間もすれば自分のほうがグロッキーになっているだろう
結果、最後の方は翻弄されている事が多いが、実はそういうプレイも嫌いではないらしい

Qつまり?
A島風+暁+雷

雷要素どの辺?

島風暁はなんとなくわかる
しかし面白い娘だ

雷「私を頼ってもいいのよ?」
→衣「大船に乗ったつもりで衣に頼ってくれていいぞ」
という頼られたい系なところじゃね?

やっぱり駆逐艦に手を出すのは違法だな

>>1が駆逐艦をハイエースする事案が発生?


―― 最初に感じたのはほんの僅かな違和感だった。

「あ、京ちゃんいたの?」

「京太郎、そこにいたのか」

「悪い。須賀の事、忘れてた」

自分で言うのも何だが、俺は決して自己主張に乏しい奴じゃない。
寧ろ、初対面の相手にだって積極的に絡みに行って、それなりに仲良くなれるタイプだ。
金色の髪って言うのも相まって、俺は比較的目立つ方だったと思う。
……だから、最初、そう言われた時は何かの冗談だと思っていた。

―― …でも、皆は本気で言っているって少しずつ分かってきて。

でも、俺はそれをあまり深刻に考えてはいなかった。
俺は人付き合いに対して、かなり積極的なのだから。
気付かれないのであれば、気づかれるように行動すれば良い。
そんな俺の考えは、しかし、恐ろしく甘いものだった。


―― …なにせ、俺はもう殆ど誰にも気づいて貰えない。

最初の頃は存在を忘れられるのは一日に一回だった。
だが、今はもう俺の事を認識して貰える事の方が少ない。
どれだけ話しかけても、俺の声は皆に届かないのだから。
今の俺は人の腕を掴んで、ようやく気づいてもらえるような状態になっていた。

―― どうすりゃ良いのかねぇ。

この状況が決して普通ではない事くらい俺にだって分かっていた。
だが、具体的にどうすれば、元の状態に戻れるのかさっぱり分からない。
藁にもすがる思いで行ったお祓いもまったく効果がないし…。
このまま俺は誰にも気づかれないようになっていくんだろうか……。


京太郎「それは…やだなぁ」

思わず漏れたその声は、誰にも届いたりはしない。
俺がいるのは人に溢れる駅前だが、誰一人学生服姿の俺に気づかないのだから。
きっとここで唐突に裸になったところで、彼らは俺に目を向ける事はない。
例え、視線が合ったとしても、俺の事を意識して貰えないのは今までの経験から良く分かっていた。

京太郎「……気が狂いそうだ」

そんな生活で、俺はもう疲れきってしまっていた。
家でも学校でも、俺の事に気づいてくれる人はいない。
出席の度に教師の腕を掴まなければいけない毎日は俺の心を順調に追い込んでいた。
結果、目に見えて独り言が増えてしまった俺は、学校にも行かずに駅前でボゥっとする日々を過ごしている。


―― いっそ開き直れば楽なのかもしれないけどな…。

今の俺は相手に触れるまでまったく気づかれない状態だ。
つまり銭湯の女湯だろうが女子更衣室だろうが、フリーパスで入る事が出来る。
泥棒やひったくりをしてもまったく捕まる事がないのだから、働かずにのんびりとした生活が送れるだろう。

京太郎「はは。なんだ。俺はラッキーじゃないか」

俺の口から漏れる言葉はあまりにも虚ろなものだった。
…それは俺が失ったものがそんな『幸運』で取り返せるものではないと分かっているからだろう。
友人や家族さえ気づいて貰えず、人から忘れられるだけの日々。
幾ら生活に苦しむ事がないとは言え、これからも生きる意味があるとは到底、思えない。


「いっそ死んでしまおうか。」

死ねば少しは俺の事も誰かの記憶に残るかもしれない。
新聞の一部にでも書いてもらえれば、俺は『記録』になれるのだから。
人の『記憶』に残る事ができなくなった俺にとって、それは魅力的なものだった。

「何を物騒な事を言っているんですか」

京太郎「……」

「貴方ですよ、そこの金髪の人」

京太郎「…え?」

…もしかして俺に話しかけているのか?
いや、そんな事はないよな。
ここ数ヶ月、人から意識して貰えた事なんてないんだから。
何故か巫女服姿の女の子がこっちに話しかけているけれど、多分、俺の後ろに別の金髪がいるんだろう。


―― しかし、この子、中々、良いスタイルをしているな。

バストサイズは和とほぼ同等くらいだろうか。
だが、決して太っていると言う訳ではなく、清純そうな巫女服の下はかなり引き締まっているのが分かる。
出るところは出て、引っ込むところは引っ込むと言う理想的な体型だ。
いや、体型だけじゃなく、顔もかなり可愛らしい。
年下なのか若干幼くも思える顔立ちは優しく、栗色の髪は太陽の光を受けてキラキラと輝いている。
アイドルになれるような華やかさではないが、人目を引く美しさの持ち主だった。
まぁ、欲を言えば、もうちょっと家庭的な雰囲気が欲しいところだし…。

京太郎「80点ってところか」

「誰が80点ですか」ジト

京太郎「……え?」

…あれ?これもしかして俺の声、聞こえてる?
い、いや、違う…よな。
今まで俺は何度もそうやって期待して裏切られてきたんだ。
今更、こんな事で期待を浮かべられるはずがない。
きっと俺の聞き間違いか何かに決まってる。


「あー…もう。そこの貴方ですってば」

京太郎「ME?」

「どうして英語なのか分かりませんが、イエスです」

京太郎「~~~っ!!」

…嘘だろ。
もう…もう誰かから話しかけて貰えるなんて諦めてたっていうのに…。
こ、これ本当に…何かの間違いじゃないんだよな?

京太郎「お、俺の姿が見えるのか!?」

京太郎「話せるんだよな!?」

京太郎「つーか、コレ夢じゃないよな!?」

「お、落ち着いて下さい」

京太郎「これが落ち着いてられるかよ…!!」

今の俺にそう言われても無理に決まってる。
俺はこうして誰かと言葉を交わすのも一週間ぶりなんだから。
あっちからすれば俺の事情は分からないだろうが、この機会を逃したくはない。
……誰でも良いから、俺の事に気づいてくれる人が身近に欲しかったんだ。


京太郎「早速だが、俺と結婚してくれ!」

「ふんっ」

京太郎「めがっさ!?」

瞬間、俺の顔に女の子の拳がめり込んだ。
まるで詰め寄るような俺に彼女は恐怖したんだろう。
…うん、その割にはなんか躊躇いなく拳を打ち付けられた気がするけれど。
まぁ、その辺は焦っていたって事で好意的に片付けよう。

「落ち着きましたか?」

京太郎「い、良い右ストレートだったぜ。これなら世界を狙えるな…」

「ジムトレーナーか何かですか、貴方は」

京太郎「将来はそれも良いと考えていた何処にでもいる男子高校生だ」

ジムトレーナーになれば、女の人の身体とかも触りたい放題じゃん!
そんな風に考えていた時期が俺にもありました。
実際は、そんな事すれば即セクハラで訴えられるんだけどさ。
だから、今の俺の夢はマッサージ師になって、通院しに来た女の子にエロエロマッサージする事です。
ってそれはさておき。


京太郎「で、ミス80点」

「…もう一発、世界を狙える拳が見たいようですね」ニッコリ

京太郎「すいません」

…どうやらこの子が優しそうなのは外見だけらしい。
さっきの一撃から内心、察していたが、割りと容赦無いタイプだ。
今の彼女は一見、笑っているように見えて、目だけはニコリともしていないし。
冗談はほどほどにしておいた方が良いだろう。

京太郎「久しぶりにこうやって話が出来る相手がいて、テンションが上がり過ぎた」

「…まぁ、そういう理由なら致し方ないかもしれませんけれど」

京太郎「…なんだかやけに物分りが良いな」

「これでも貴方の事情は大体、察してますから」

…なんだろう、この子。
突然、俺の前にやってきて、誰にも意識されない俺に話しかけてくれただけじゃない。
俺の事情も大体、察しているなんて…。
その格好も巫女服って言う独特なものだし…この子、もしかして…。




京太郎「俺のストーカーか!?」

「どうしてそうなるんですか!?」

京太郎「いや、だって、知らない人に事情知ってるとか言われたら、それが真っ先に出てくるだろ」

「それ以外にもうちょっと色々と重要視するところがあると思うんですけど」

京太郎「あぁ、おっぱいは大きいな!」キラ

「……さいってー」

おかしい、俺は全身全霊で褒めたつもりなのに。
どうして巫女服栗毛美少女にゴミを見るような目で見られているのだろうか。
全くもって解せぬ。

「…まぁ、そんな人でも気が狂いそうなほど追い詰められているのは事実でしょうし…見捨てたりはしませんけれどね」

京太郎「ふ…俺に惚れたな」

「鏡を見てから言って下さい」

京太郎「毎日見ているが非の打ち所のないイケメンしか映ってないぞ」

「幸せそうな頭をしているようで羨ましいですよ」

やだこの子ほぼ初対面の俺に容赦無い…。
でも、まぁ、これくらいの容赦の無さの方が色々とやりやすいけれどな。
俺にとって一番身近な異性と言えば、やっぱり幼馴染でもある咲で。
彼女とも良くこんなやり取りをしていたのだから、ある意味では心安らぐ。


―― 咲すら俺には気づけなくなったからなぁ。

他の皆と違って、咲が俺の事を意識出来なくなるのは遅かった。
それは多分、毎回、俺の事を必死で探してくれていたっていうのも大きいんだろう。
俺の記憶がなくなったのもここ最近で、それまでは両親にすら忘れられた俺の為に色々と世話を焼いてくれた。
まぁ、そんな咲でさえ俺の事を忘れてしまったから、世を儚んでいたんだが。

「…………須賀さん」

京太郎「ってもう名前まで知っているのか」

「えぇ。でも、ストーカーじゃありませんよ」

京太郎「それはもう分かってる。これからストーカーになるんだよな」

「例え、その権利を貰ったとしても謹んでお断りさせて頂きますよ」

…この子、容赦なさそうに見えて、やっぱり優しい性格なんだろうな。
こうして俺の冗談に付き合ってくれているのは、俺があまり落ち込まない為なんだろう。
さっきと同じく突慳貪な言葉は、大分、柔らかくなっている。
今ならその胸に飛び込んでも怒られないかもしれない。
…………いや、やっぱ無理だな、うん。


京太郎「で、そっちの名前は?」

「申し遅れました。私、石戸明星と言います」

京太郎「石戸って…もしかして永水女子の石戸さんの親戚とか?」

明星「えぇ。従姉妹になります」

京太郎「やっぱりそうか」

こんな街中でも巫女服を着ているなんて永水女子の人たちくらいなもんだしな。
その上、和クラスの巨乳で石戸姓だなんて、関係者としか思えない。
…でも。

京太郎「どうして石戸さんはここに?」

俺が石戸霞さんの名前を知っているのは、彼女と面識があるからじゃない。
つい最近、麻雀を始めた俺は公式戦に出てきた彼女の姿を一方的に知っているだけなのだ。
そんな俺と石戸明星さんの間で一体、どうして縁が繋がってしまったのか。
色々と理由を思い浮かべようとするが、それらは全て突拍子もないものだった。


京太郎「まさか前世の絆的なものだったり…」

明星「ある意味、近いです」

京太郎「マジかよ」

京太郎「って事はやっぱり前世は俺の嫁だったんだな。責任取って結婚しよう」

明星「例えそうでも全力でお断りさせて頂きます」

どうやら前世からの縁と言うのはなかったらしい。
それに残念なような、安堵したような気持ちになるのは、俺にとって彼女が特別だからだろう。
俺に気づいてくれた彼女が、電波だったら辛いを通り越して絶望するからな…。

明星「貴方が人に気づかれなくなってしまったのは、前世のような所謂、超自然的な力に依るものです」

京太郎「超自然的な力?」

明星「はい」

前世はさておき、超自然的な力…と言うのは、信じられない訳じゃない。
実際、俺はそれを使いこなす人たちと一緒に麻雀してた訳だからなぁ。
確率論を涙目にさせるような能力があるのなら、所謂、オカルティックなものが存在しておいてもおかしくはない。
つか、いきなり人から気づかれなくなるどころか、記憶からも薄れていくなんてオカルト以外の何者でもないしな…。

>>680>>681>>682
>>682さんの言ってくれている通り、基本お姉さんぶって頼られたい系なところですね
また信頼を勝ち得るとお姉さんとして色々と甘やかしてくれます
が、暁要素も入っているので稀によくポンコツ化します

>>683>>684
ロリコンとか社会から抹殺するべきですよね!!!!!!1111
…ところで夕雲型をハイエースしてダンケダンケするのは合法ですよね?(早霜と清霜に指輪渡しながら)

ハイエースは犯罪でしょ

法的には人間じゃないからセーフ(冷酷)
(仮)して所有権確固たるものにしてるならさらにセーフ

雷はお姉さんぶってよりも母性側なのでほとんど暁要素な気がする

憲兵さん!コイツ(>>699)です!!

とりあえず、京太郎が駆逐艦(衣は既にいるので優希、穏乃、灼、初美、胡桃、由暉子、ネリー、もこ、マホ(150cm未満だと予想外に多かったので145cm未満))をハイエースしてダンケダンケするんですね
憲兵さん!!コイツです!!!

お姉さん力が高い駆逐は合法だってそれ一番言われてるから

ハイエースって複数だからなぁ……


明星「現実と言うのは人が思っているほど確固たるものではありません」

明星「寧ろ、人の認識次第で千差万別、様々な形になるものなんです」

京太郎「人の認識?」

明星「えぇ。それを私たちは暫定的に『風潮』と呼んでいます」

京太郎「風潮…ねぇ」

確か元々の意味は時代や社会によって移り変わる様子…の事だったか。
だが、こうして聞く限り、辞書で出てくるような意味とはまったく違うんだろう。
ただ、それは話の本題とは関係ないものだし、今は脇に置いておくとしよう。

京太郎「で、その風潮が現実に、ひいては俺に影響を与えてるって事か?」

明星「そう思ってくれて構いません」

京太郎「…流石ににわかには信じがたい話だな」

明星「当然だと思います。ですが、決して荒唐無稽なものでもないのです」

明星「貴方は集合的無意識というものをご存知ですか?」

京太郎「えーと…アレだろ、人の中にあるペルソナだとかそういう…」

明星「…無理はしなくて良いんですよ」

憐れむような目で見られてしまった。
だ、だが、集合的無意識だなんて難しい言葉を知ってる高1が果たしてどれだけいるだろうか。
そもそも男というのは可愛い女の子の前では格好つけたくなる生き物なんだ。
こうして知ったかぶってしまうのも石戸ちゃんが可愛いのが悪い。


明星「簡単に言えば、人間が誰しも共有する精神的な領域の事です」

京太郎「誰しもって事は老若男女国籍問わずって事か?」

明星「えぇ。その上、これらは奥深くで繋がっていると言われています」

京太郎「えーと…つまり地下深くで全部つながってる竹林みたいなもんなのか?」

明星「その認識で間違いはありません」

今度はしっかりと当たったらしい。
…しかし、俺の無意識が他の誰かと繋がってるなんてなー。
……って事はもしかして今、俺が考えている事は誰かに届いているんだろうか。
じ、実は今までのは全部ブラフで、俺は全部お見通しだったんだぜ?

明星「そして近年、情報化が進み、今や人々は遠くの人ともコミュニケーションを取る事が出来るようになりました」

明星「結果、急速に近づいていった人の意識は、この集合的無意識に強い力を与えるようになったのです」

明星「それがオカルトと呼ばれる力であり、そして」

京太郎「さっきの風潮って事か」

明星「はい」

…なんて馬鹿な事をやってる間にも石戸ちゃんの話は続いている。
となれば、やっぱここは彼女の話に集中するべきだろう。
ぶっちゃけ、彼女の話は俺には専門外過ぎて殆ど分からない訳だしなぁ。
気を抜いたら置いて行かれそうだと分かっているのに、ボゥっとしてはいられない。


京太郎「…とりあえずそこまでは完全に理解は出来てないが納得はした」

京太郎「だけど、代わりに疑問が出てきたんだけど」

明星「なんでしょう?」

京太郎「俺の『風潮』って一体、何なんだ?」

明星「それは…」

…そこで言いよどむって事はやっぱり碌でもないもんなんだろうなぁ。
正直、あんま聞きたくないような気もするけれど…でも、それを知らなきゃ俺は前にも後ろにも進めない訳だし。
ここは彼女の決心がつくまで大人しく待っていよう。

明星「須賀さんの風潮は…その…『いなくても問題ない』です」

京太郎「え?」

明星「例えば、不自然に会話に入れなかったり、モブでさえ出てきた回想に出して貰えなかったり…」

京太郎「い、いや、あの…」

明星「あまつさえ公式の紹介文でさえ存在が抹消されそう…が貴方の風潮です」

…何故だろう、凄く胸が痛い。
つか、これはあくまでも現実で、マンガやアニメではないはずなのにどうしてそんな風潮が生まれるんだろうか。
例え、これがフィクションの世界だとしても、流石にこれはひどすぎると思う。


明星「…大丈夫ですか?」

京太郎「大丈夫…とは言えないけれど」

京太郎「でも、そこまでガッツリ落ち込んでる訳じゃないから大丈夫だ」

とは言え、それに涙を漏らして崩れ落ちたりはしない。
ショックなのはショックだが、それは咲に忘れられてしまった時ほどのものではなかった。
何より、俺の目の前に石戸ちゃんがいる今、情けない格好は見せられない。
多少、無理をしてでも、ここは格好つけるべき場面だろう。

京太郎「それより今は先を聞かせて欲しい」

明星「…分かりました。では、さっきの『風潮』の話に戻ります」

明星「こういった『風潮』による被害を、『風潮被害』と私たちは呼んでいますが、貴方のそれは少々、特殊です」

明星「本来なら世界はその『風潮』を体現する為の別人を作り出すのに、貴方の場合は自身の存在が希薄になるという形で被害を受けています」

明星「恐らく貴方の場合、存在の抹消に風潮が傾いているので、『須賀京太郎』そのものが風潮の影響を受けるようになっているのでしょう」

京太郎「なるほど」

例えば、これが『部長って実は狭いところが好きそう』と言う風潮なら、部長とは別のロッカーとか好きなそっくりさんが創造される。
が、俺の存在そのものに関わっているので、別人を増やして消す…と言う形では『風潮』とやらが満足してはくれないのだろう。
正直なところ、ふざけんなって気持ちでいっぱいだが…まぁ、集合的無意識とやらに文句を言っても仕方がないし。
とりあえずそういうものなんだろうって事で今は納得しておこう。


京太郎「で、その『風潮被害』は一体、どうすればなくなるんだ?」

明星「…実はそれが今一、良く分かっていません」

京太郎「え?」

う、嘘だろ。
今まで訳知り顔で色々と俺に説明してくれていたじゃないか。
少なくとも、普通の人よりもずっとずっと『風潮』に詳しいであろう彼女でも分かっていないだなんて…。

明星「今までも『風潮』は幾度となく『風潮被害』を生み出しました」

明星「ただ、それは生み出された『風潮被害』を抹消する事で落ち着くものだったのです」

明星「今の須賀さんのように『風潮被害』と一体化してしまった例を私は他に知りません」

京太郎「…マジ…かよ」

…でも、石戸ちゃんの言葉に嘘や冗談の色はなかった。
恐らく本気で俺の例はレアケースという奴なのだろう。
これまで平々凡々と暮らしてきたのに…どうしてこういうところでだけレアなところに当たるのか。
つーか、石戸ちゃんも他の事例を知らないって事は…俺は… ――


京太郎「…もう治らないのか?」

京太郎「一生…ずっとこのままなのかよ…!」グッ

……俺が今までそれなりに理性的な振る舞いが出来ていたのは、彼女の姿に希望を見たからだ。
他にも俺の事に気づいてくれる人がいるかもしれない。
俺のこの体質を何とかする方法があるかもしれない。
…そんな希望がひび割れて崩れ落ちていくのを感じる。
再び絶望の淵に立たされる感覚は…心の底まで凍えるような恐ろしいものだった。

明星「…まったく手がない訳ではありません」

京太郎「え?」

明星「今の須賀さんは風評と一体化していて、恐らく分離するのは不可能です」

明星「ですが、風潮は一つではありません」

明星「他の風潮で上書きする事が出来れば…或いは」

京太郎「何とかなるのか!?」

明星「断言は出来ません。でも、可能性はあります」

京太郎「~~っ!」

可能性。
その言葉が俺の心に再び希望を灯してくれた。
例え、それが0.1%でも俺にとっては構わない。
再びあの生活に…『普通』に戻れるのなら、どんな事にだってチャレンジ出来る。
絶望に沈みそうになっていた俺の心からそんな気力がふつふつと湧き上がってきた。


京太郎「俺に出来る事なら何だってする。だから…」

明星「…分かりました。では、須賀さんに上書きする風潮を決めましょう」

京太郎「それはこっちで選べるのか?」

明星「まったく自由という訳にはいきませんけれど、幾つかの候補から選んで頂けます」

京太郎「おぉぉ…」

って事は、プラスの風潮とか選ぶ事も出来るんだろうか。
いや、彼女の説明が正しければ『風潮』と言うのは決してマイナス方向にだけ傾くものじゃないし、良い『風潮』もあるはずだ。
それを選び取る事が出来れば、俺の人生はバラ色になるかもしれない。

明星「とりあえず私のオススメは『貧乳に好かれやすい』ですけど」

京太郎「却下で」

明星「そ、即答ですか」

京太郎「選り好み出来る立場じゃないって分かってる」

京太郎「だが、貧乳に好かれるだなんて寒気がするわ!」クワッ

ロリコンだったらその風潮にも喜ぶかもしれないけど、俺は自他共に認める巨乳好きだ。
そんな俺が貧乳に好かれても喜ぶどころか辛いだけ。
洗濯板に挟まれる趣味は俺にはないのである。
……まぁ、それに。


京太郎「人の気持ちを『風潮』でどうこうされる辛さって言うのは俺が一番、良く分かってるしさ」

明星「あ…」

俺が『風潮被害』にあってから、これまで沢山、辛い思いをしてきた。
クラスメイトから、友人から、両親から、そして幼馴染から忘れられていく中で、正直、一人涙した回数なんて数えきれない。
…そんな俺が『風潮』で人の心をどうこうして笑っていられるはずがないだろう。
例え、それがプラスの『風潮』であろうと、それは決してしちゃいけない事なんだ。

明星「分かりました。…ですが、他にプラス寄りの風潮はなくて…」

京太郎「この際、ワガママは言わないからデメリットがうすそうな奴を選んでくれ」

明星「…では、『愉快な仲間たち』はどうですか?」

京太郎「愉快な仲間達?」

明星「えぇ。具体的にどういうものかは私も分かりませんけれど、大抵、須賀さんとセットだそうです」

京太郎「…ふむ」

石戸ちゃんが一体、何を感じ取ってそんな事を言っているのか分からない。
お告げでも聞いているのか、或いは外宇宙からの電波でも受信しているのか。
まぁ、いずれにせよ、彼女の言葉に目立ったデメリットは感じられない。
これが殺人犯とかならちょっとって気にもなるが、愉快な仲間と言うのは恐らく部活のメンバーの事だろうしなぁ。


京太郎「では、それで頼む」

明星「分かりました。では、少し痛いかもしれないですけど我慢してくださいね」スッ

京太郎「…え?」

そう言って石戸ちゃんは巫女服の袖から樹の枝を取り出した。
植物の事なんてまったく知らない俺にはそれが何なのかまったく分からない。
ただ、この前、お祓いに行った時にも、そんな枝があったなと、なんとなく思い出して。

明星「えい」バッサバッサ ペシ

京太郎「って」

明星「ごめんなさい」

それを二度三度振った明星ちゃんは俺にそれをペシリと叩きつけた。
女の子の力 ―― しかも、気遣ってくれたのか勢いの弱いそれに痛みを感じる事はない。
ただ、反射的に痛みを訴えてしまう俺に明星ちゃんはペコリと頭を下げた。


明星「でも、これで完了です」

京太郎「完了…?」

明星「はい」

…石戸ちゃんは完了だって言うけれど、俺は特に目立った変化を感じられなかった。
俺の身体から悪霊が出る訳でもなく、パァと浄化の光に包まれるでもない。
まったく変化のない自分の体に俺は思わず疑問の声を口にしてしまう。

明星「最初はあまり自覚が薄いかもしれませんが、いずれ分かるはずですよ」

京太郎「そっか。石戸ちゃんがそう言ってくれるなら信じるとするよ」

京太郎「ともあれ、ありがとうな」

明星「まだお礼を言うのは早いですよ。ちゃんと効果を実感出来てからじゃないと」

京太郎「まぁ、そうなんだけど…でも、こうして石戸ちゃんが話しかけてくれたお陰で俺は大分、救われてるからさ」

京太郎「色々と親身になってくれたし、それだけでお礼を言うのに十分だと思うよ」

石戸ちゃんが来てくれなきゃ、俺は絶望して死んでいたかもしれないからなぁ。
例え、これで改善の兆しが見えなかったとしても、俺に希望を与えてくれた事は代わりない。
これから先、言える機会があるか分からないし、お礼は早めに言っておいた方が良いだろう。
……咲の時みたく後悔するのも嫌だしな。

>>700>>701
あちき許された!!
そして>>704は逆レされる未来しか見えないんですが(´・ω・`)そしてそのメンツに唯一混ざる由暉子の異常さよ…

>>703
ころたんに母性を感じても良いじゃない、にんげんだもの みつを

>>705
お姉さん力と言われると中々、有力候補がパっと出てこないですねー
陽炎とかはお姉ちゃん力強そうですが(´・ω・`)早霜はお姉ちゃん力と言うよりも幼妻力ですし、きよしーに至っては……

>>706
提督一人でハイエースしても良い、自由とはそういうものだって黒いネゴシエーターが言ってた

運転しながらじゃないとハイエースじゃなくてTDN誘拐でしょ

いってら


風潮被害とはまた懐かしいネタを持ってきたなあww
しかしこれは…ボーイミーツダンディ(ズ)ルートの予感…

のどアコも風潮被害で大変だろうな
毎晩娘の部屋から聞こえる「なんでや」の叫び声に恵さん涙目
京ちゃんに上書きできる風潮にマジカル○ンポは無かったの

乙です
>>717
正直、胸部装甲の差が激しすぎるので、由暉子は除外しようかとも思った…
身長の一覧を見て驚いたのは、末原ちゃんが147しかなかった事


京太郎「何か俺に出来そうなお礼はないか?」

京太郎「これまであんまり貯金して来なかったし、あげられるお金もそうはないけれど」

京太郎「石戸ちゃんの希望に添えるよう可能な限り、頑張るからさ」

明星「いえ、お金は結構で…と言うか、既に貰っていますから」

京太郎「え?」

明星「貴方のご両親にですよ」

明星「幾ら触れられない限り存在が抹消されていると言っても、住んでいれば家族の部屋に気づきます」

明星「その中でご両親は息子がいない違和感に気づかれたのでしょう」

明星「誰かが足りない。でも、その誰かが思い出せない」

明星「その中で必死に藻掻かれたご両親の想いが石戸に…霧島神宮に届いたのです」

京太郎「そう…か」

……俺は親父達に忘れられた訳じゃなかった。
いや、寧ろ、ずっと気にかけて貰えていた。
……正直、親父達は毎日毎日イチャイチャしまくって俺の事が眼中にないものだと思っていたけれど。
でも、俺は一人息子として並以上の愛情を注がれていたんだな……。


明星「…ただ、さっきも言った通り、今回の件はあまりにもイレギュラーです」

明星「私の独断で上書きという形になりましたが、それが一体、どんな風に作用するかは分かりません」

明星「ですから、私も可能な限り、須賀さんの側にいようと思いますが…」

京太郎「ふっ…そうは言ってるが俺のイケメンっぷりに惚れたんだな、ベイビー」

明星「寝言は寝てから言って下さいね」

でも、両親の愛情を涙にするのは恥ずかしかった。
感動したのは事実だが、でも、女の子の前で泣くほど恥ずかしい事はないし。
だから、何時も通りを心がけて冗談を口にしたんだが…相変わらず石戸ちゃんは手厳しかった。

京太郎「でも、それなら俺が明星ちゃんの側にいる方が良いんじゃないか?」

明星「…なんかそう言ってしまうとお風呂やトイレにまでついてこられそうな気がして」

京太郎「チッ…バレたか」

明星「端的に言って最低ですよね、須賀さん」

京太郎「自分に正直だと言ってくれ」

ただ、俺が口にしている事が冗談だと分かってはいるんだろう。
最低だと言ってジト目にはなるものの、彼女の目に軽蔑の色までは浮かんでいなかった。
とは言え、あんまりふざけてばかりだと話が先に進まないし、少し真面目モードになろう。


京太郎「だが、マジな話、石戸ちゃんは俺の恩人なんだ」

京太郎「普段、何処で住んでいるのか分からないけど、友人その他がいるだろう」

京太郎「俺を助けた所為でその人達と引き離されてしまうって言うのは本意じゃない」

京太郎「だから、俺の方が石戸ちゃんについていくよ」

明星「でも、須賀さん、ようやく友人と話せるようになったのに…」

京太郎「話せるようになったって事は縁は繋がったって事だよ」

京太郎「本当に友人なら転校したところで縁が切れたりしないさ」

…まぁ、正直なところ、俺にも転校したくないって言う気持ちはある。
だが、それは俺と同年代の石戸ちゃんもまた同じだろう。
例え両親からの依頼だと言っても、俺の事を救ってくれた彼女に不要な重荷を背負わせてやりたくはない。
それにまぁ、さっきの『風潮』で俺と皆の縁が切れたりはしないって分かってるしな。

明星「…では、まず家に戻ってご両親に挨拶してから霧島神宮に行きましょう」

明星「そこでこれから須賀さんにどうして貰うか、皆と話し合って決めたいと思います」

京太郎「あぁ。分かった」

出来れば確定…と行きたかったけれど、その辺りが妥当なラインだよな。
俺としてもまずオヤジたちと色々と話し合う時間が必要だし。
親の庇護下にいる子どもが一人で勝手にアレコレ決める事は出来ない。
…でも、例えどうなるにせよ、石戸ちゃんに迷惑を掛けないようにしないとな。


「お、京ちゃんじゃねぇか」

京太郎「え?」

「本当だ」

「最近、顔を見せなかったな、京ちゃん」

…誰だろう、この三人組は。
まるで白髪のように透き通った銀髪の男に黒髪黒シャツの男が二人。
それぞれ独特の ―― 何かヤバげな雰囲気が漂ってきている。
一見、俺と同年代っぽいが…しかし、俺はこんな人達、知らない ――

キィィン

京太郎「ぐっ…」

「どうした?」

「大丈夫か?」

「ふぐでも喰うか?」

京太郎「い、いや、大丈夫だ」

……そうだ、思い出した。
なんで俺はコイツらほど特徴的な連中の事を忘れてたんだろう。
赤城に阿佐田、それに向淵。
全員、俺とは比べ物にならない雀士だが、何故か俺の事を気に入ってくれている。
何でも何度死ぬような思いをしても立ち向かってくるのが面白いからだとか。
本当のところはどうか知らないが、コイツらほどの男達に買ってもらえるのは正直、嬉しい。


阿佐田「で、隣にいるのは?」

京太郎「あぁ。彼女は…まぁ、俺の恩人みたいなもんだ」

赤城「恩人ね」ザワ

向淵「…そりゃ良い」

…ただ、比較的比較的親しみのある阿佐田とは違って、残りの二人は割りと不気味なところが多い。
なんつーか、一から中を知ると言うのを地で行くタイプと言うか。
意味ありげに呟いたり、嬉しそうな顔をしている裏では無数の思考が渦巻いているんだろう。
それがほぼ正解に近いから質が悪いんだよなぁ…。

阿佐田「って事は邪魔しちゃ悪かったかな」

京太郎「誤解するなって。…まぁ、そうなるかもしれないけど」

明星「そんな未来は金輪際あり得ないので安心して下さい」ニコ

相変わらず、取り付く島もまったくない。
ただ、こいつらの前ではそれが帰って有り難かった。
まずないとは思うが、恋人が出来たと思われて、変な遠慮をされるのも嫌だしな。
何だかんだで俺はコイツらの事を友人だと思ってるし。


阿佐田「じゃあ、コイツを連れてっても良いか?」

京太郎「何かあるのか?」

赤城「何、ちょっと若者の生き血を吸う化物を退治しに行くだけだ」

向渕「京ちゃんがいると流れが読みやすい」

京太郎「ふむ…でも」

明星「行ってきたらどうですか?」

京太郎「石戸ちゃん?」

…確かに友人からの誘いなんてここ最近なかったから有り難い。
有り難いが、やはりここは両親への説明とか色々と優先すべき事があるんじゃないだろうか。
あっちからこうして話しかけて貰えたって事は俺の『風潮』が上書きされているのは確かだし、色々と俺から話すべき事もある。

明星「須賀さんの『風潮』が上書きされたと私の方から説明しておきます」

明星「須賀さんは久しぶりにご友人とゆっくりして来てください」

京太郎「……分かった」

しかし、こうまで言われて我を通す事は出来ない。
俺自身、久しぶりに友人と遊びたい気持ちはあるんだから。
ちょっと悪い気もするけれど、ここは彼女に任せてしまおう。


阿佐田「よし。じゃあ、決まりだな」

赤城「クク…楽しみだ」

京太郎「…なんだか良くわからないが程々にしとけよ」

…しかし、一体、こいつらに狙われてる奴って何処のどいつなんだろうか。
スリルジャンキーの気がある赤城が楽しみだって言うからには、恐らくかなりの化物なんだろうけれど。
でも、正直、この三人が揃ってしまった時点でもう勝つ未来しか見えないと言うか。
正直なところ、オーバーキルもいいところだと思う。

京太郎「(…まぁ、何にせよ)」

久しぶりに友人と遊ぶ事になったんだ。
よっぽどの事がない限り、楽しむ事が出来るだろう。
……そんな楽観的思考を胸に抱いた事を俺は数時間後後悔した。
だが、その時はもう後戻りなんて許されるはずがなくて。


―― 俺は体感十数年にも渡る鷲巣麻雀にその身を投じる事になったのだった。
















NEXT CHAPTER
     『新子憧がホ別苺ゴム有って本当ですか?』
















尚、京ちゃんはお友達からのお誘いを絶対に断れません
例え、それが崖下真っ逆さまのチキンレースだったり、鉄骨渡りだろうがついていってしまいます
そんな京ちゃんが他の『風潮被害』と出会って、敵対したり、仲良くなったりするスレを誰か立ててください(´・ω・`)尚、元々、コレ巴さんでやる為のネタでした














任務名:これがハイエースしてダンケダンケ…ですよね
所属する駆逐艦の皆さんをハイエースしてダンケダンケしてくださぁい














京太郎「…何だこれ」

朝五時 ―― 任務更新の時間。
何時ものようにその時間に提督室へと辿り着いた俺にまったく見覚えのない任務が目に入る。
それに首を傾げるのは、その任務内容がまったく意味不明だからだ。
確かに大本営は言葉足らずで訳の分からない任務を投げてくる事が多いが、ここまで謎な内容はそうないと思う。

京太郎「(…何かの隠語か?)」

…そもそもハイエースって車の車種だよな。
それを行うって一体、どういう事なんだ?
つか、ダンケダンケって何語?
絶対に英語じゃないよな、コレ。


京太郎「うーん…」

…………分からん!
まぁ、こういう時はスマホでちょこっと調べるのが現代人の嗜みだろう。
は、い、え、ー、す…よし、検索っと。
さて、何が出るかなー?

京太郎「ふむふむ…なるほど」

どうやらハイエースするというのはハイエース(車)で女の子の隣に乗り付け、そのまま強引に車内へと連れ込む事らしい。
ハイエースが持つ車内の広さが、その強引な誘拐手段に適しているそうだ。
それがどうして『ハイエースする』と言う言葉になったのかは不思議だけれど。
まぁ、ともかく、大本営は俺に艦むすの誘拐を勧めているって事が分かった。


京太郎「って、犯罪じゃねぇか!!!!!」

いや、まぁ、艦むすには人権は認められておらず、法的には俺が貸与されている兵器という形だけれど!
自身の所有物を車内に引き込んだところで、犯罪にはならないのかもしれないけれど!!
でも、だからって、流石に誘拐は外聞とか色々とまずくありません!?
こんなのマスコミに嗅ぎつけられたら一発でバッシングの材料になるぞ!!

京太郎「(い、いや、落ち着け、そんな事は大本営も分かっているはずだ)」

…多分、大本営にはこれをやってもらわなければいけない理由がある。
少なくとも、任務達成の暁に与えられる資源の量は冗談では済まないものなのだから。
これほどの餌をぶら下げられれば、どんな鎮守府も血迷ってしまうだろうと思うほどに。
だから、大本営の本意はきっと俺が解読できなかったもう一つ ―― ダンケダンケの方にあるはずだ。

ハイエースがお好みの艦むすが着任したか……提督業も大変ね

190cm以上をハイエースしてみるのはどうか


京太郎「(ダ・ン・ケ・ダ・ン・ケ…っと)」

…うーん、検索して見たが出てこないな。
とりあえずダンケって言うのがドイツ語でありがとうとか感謝だって言う意味だって言うのは分かった。
それを2つ繋げるって言うのは…もしかして。

京太郎「(超感謝を示せって事なんだな!!)」

考えても見れば、駆逐艦は艦隊の中でも特に酷使される艦種だからなぁ。
通常海域攻略だけじゃなく、遠征でも引っ張りだこだ。
ウチの鎮守府じゃ交代制をとっていて、酒保からアイスなんかを買って来たりしてやっているけれど。
それで報いられていないからこそ、こうして任務が発令されたんだろう。


京太郎「(なんだ。大本営も中々、粋な事考えるじゃないか)」

幾ら提督がお飾りの役職だと言っても、鎮守府の管理者である事に間違いはない。
つまり任務の受領と完了をするのは提督の大事な仕事でもあるのだ。
その上で、こんな餌をぶら下げられれば、艦むす達もNOとは言えない。
きっとハイエースしてダンケダンケ ―― つまりサプライズパーティの準備を手伝ってくれるはずだ。

京太郎「(…まぁ、ウチの鎮守府は何故か駆逐艦ばっかりだし)」

着任してからなー…大型艦を狙って工廠に何度も足を運んだんだけどなー…。
でも、どれほど資材を投入しても出てくるのは駆逐艦しか出てこなかった。
正直、貧乳には興味ないけど、でも、皆良い子ばっかりで。
二度三度とMVPの『ご褒美』をあげてる内に他の鎮守府」にやりたくなくなっちゃったんだよなぁ…。
って、まぁ、それはさておき。


京太郎「(これは俺一人で準備するしかないって事か)」

…正直なところ、結構、大変だと思う。
任務の事を知らせずにサプライズパーティの準備なんて一人の手には余る。
だが、『幸運』にも、何時もは俺よりも早く提督室についている秘書艦の姿もなく。
また俺の鎮守府は駆逐艦ばかりで遠征の名目さえあれば人払いも簡単だ。
鎮守府運営を手伝ってくれる妖精さん達の手を借りれば、それほど難しい事ではないだろう。

京太郎「よし、やるか!」

そうと決まれば、まずは企画書を作らないとな。
まずはパーティの内容をどうするのか決めないと会場も決められない。
余興や催し次第じゃ、ちょっと大きめの会場を借りた方が良いかもしれないしな。
…うん、日頃、肉バイブ以外の仕事を殆どしてなかった所為か、ちょっとやる気が出てきたぞ。
日頃、頑張ってくれているあいつらに楽しんでもらう為にも頑張ろう…!!





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京太郎「ククク…はっはっはっはっは…!」

流石は妖精さんだぜ。
まさか資材をあげればたった一晩で全自動ハイエース装置なんて使いどころがあるのか分からない機械を作ってくれるなんて。
お陰で苦労せず、買い物に出した駆逐艦たちを全員ハイエースする事が出来た。
その上、十人を同時に乗せたら流石に車内が狭いだろうって事でハイエースそのものも改造してくれたし。
本当に妖精さん達には頭が上がらないぜ…後で何時もよりも高いお菓子を配ってあげよう。

衣「い、一体、衣たちをどうするつもりだ?」

京太郎「なぁに、すぐに分かるさ」ゲスカオ

最後にハイエースした駆逐艦 ―― 衣は俺の事をキッと睨めつけていた。
何時ものデレデレとした顔とは打って変わったそれは、俺の正体が分からないからだろう。
なにせサプライズを徹底する為に今の俺はサングラスにニット帽、それにマスクをつけている状態なんだ。
幾ら日常的に抱かれているとは言え、ここまで顔を隠せば分かるはずもない。


京太郎「だが、その顔をすぐさま悦びのものに変えてやる…」

衣「この賎劣な奴め…!」

京太郎「なんとでも言え。だが、今、話されると面倒だ。口を塞がせて貰うぞ」

衣「むぐっ」

さて、ガムテープで衣の口を塞げば準備完了だ。
後は妖精さんが作ってくれた運転装置が目的地まで連れてってくれるはず。
俺はそれを簀巻になった艦むす達を見ながらじっくりと待てば良い。
ちょっと強引な手段を取ったから怒られるかもしれないけど、パーティの為だと言えばきっと許してくれるだろう。

京太郎「(…しっかし、アレだな)」

…車内の中に転がされてる駆逐艦は十人。
でも、その誰もが抵抗らしい抵抗を見せないんだよなぁ。
最初こそ勇ましい事を言っていたが、縄抜けする気配すらない。
つか、モジモジと足をすり寄せたり、俺に期待の眼差しを向けたりしているような気がするんだが…これは一体、どういう事なんだろうか?
全てオレ一人で計画した上に妖精さんの手を借りたのも昨日だから、情報が漏れてる…なんて事はないはずなんだけど。


シュゥゥゥン

京太郎「(っと着いたか)」

そんな事を考えている間に改造ハイエースは目的地に到着したらしい。
恐ろしいまでに静かなブレーキ音と共にピタリと止まった。
こんなに狭い車内でずっとすし詰めにしている理由はなくなった訳だし、皆の事を降ろしてあげよう。

京太郎「さぁ、降りろ」グイ

初美「っ♥」ビクン

皆を縛っている縄は全て一本で繋がっている。
つまり俺がその先端を引っ張れば全員、そっちに向かって動くしか無いって事だ。
ただ、日頃生意気な口を利く初美なんかが従ってくれるか不安だったけれど…案外、従順に動いてくれている。
幾ら艦むすだと言っても女の子だし…突然のハイエースにおびえているのかもしれない。
…今更だけど大本営の指示に従ったのは間違いだった気がするが…ま、まぁ、ここまで来て後戻りは出来ないんだ。
当初の予定通り、皆を車から降ろそう。


胡桃「??」

その最中に胡桃が首を傾げるのは目の前に白い布が立ちふさがっているからだろう。
板に被せられたそれが一体なんなのか、彼女には分からないはずだ。
自然、その内心は不安に満ちているはずだが…今は我慢してもらうしかない。
ネタばらしはやっぱり全員揃ってからやるのが一番だと思うしな。

もこ「…♪」ドキドキ

京太郎「よし。全員降りたな」グッ

最初に拉致ったもこが降りたのを確認してから、俺はその白い布の端を握る。
瞬間、心臓の鼓動が強くなるのは、この一ヶ月がこの一瞬の為にあるからだ。
皆は喜んでくれるだろうか。
そんな不安とも期待とも言えない気持ちのまま、俺はその白布を引いた。


京太郎「コレが!お前たちをハイエースさせて貰った理由だ!!!!」バーン

―― 『須賀鎮守府一同の皆さん、何時もありがとう』

白い布の向こうから現れたのはそんな文字だった。
昨夜、俺が四苦八苦して描いたそれは、正直、会心の出来だと言っても良い。
あちこちに描かれた駆逐艦達はデフォルメされながらも特徴をしっかりと捉えていると自負している。
これを完成させる為に昨夜はほぼ徹夜だったが、その甲斐があったと思う。

優希「…」ポカーン

京太郎「ふ…驚いて声も出ないようだな」

京太郎「だが、もう一つ驚くべき事実を教えてやろう」バッ

京太郎「そう!この俺が、須賀京太郎だと言うことをだ!!!」バァーン

ポカンとして巨大な看板を見つめる優希達の前で俺は変装グッズを投げ捨てた。
完全防御過ぎて大分、蒸れていたのか、露出した肌が心地良い。
やっぱり人間自然体が一番だな、ととりとめのないことを思いながら、俺は彼女たちへと近づいていく。


京太郎「いやぁ、悪かったな、ビビらせて」

京太郎「でも、ハイエースしろって言う大本営の指示だったんだよ」

京太郎「お詫びと言っちゃあ何だが、あの板の向こうにある会場でパーティの準備をしてるから楽しんで…」

ネリー「ふ…」

京太郎「ふ?」

ネリー「ふざけるなあああああ!」ブチィ

京太郎「うぇええ!?」ビックゥ

俺は彼女たちを縛っている縄を解くつもりだった。
妖精さん曰く、絶対に縄抜け出来ないその縛り方は、一人ではどうにも出来ないはずだったのである。
だが、そんな俺の予想とは裏腹に、目の前のネリーは強引に縄を引きちぎった。
まるで最初からそんなもの拘束になっていなかったのだと言うようなそれに俺の身体がビクンと跳ねる。

由暉子「…酷いです、期待してたのに」

灼「…提督は本当に焦らし上手。…だけど、今回はちょっと許せない」

マホ「…先輩、マホもちょっとコレは期待はずれです」

京太郎「ま、マホまで…!?」

しかも、それはネリーだけじゃないらしい。
他の艦むす達も次々と縄を引きちぎり、口止めしていたガムテープを引き剥がす。
その上、その口から出てくる言葉は怒りや落胆混じりのものばかりで…。
い、一体、何が起こっているんだ…!?


優希「まぁ、こんなところだろうとは思ってたじぇ」

胡桃「…でも、どうしてパーティーって言う結論に達したのか」

もこ「我が魂の伴侶は第十三宇宙に飛び立ってしまったのか」

京太郎「だ、だって、大本営からダンケダンケしろって任務が…」

初美「あー…なるほど。提督はその隠語を知らなかったんですね」

京太郎「隠語?」

衣「…所謂、房事だ」

京太郎「はい?」

房事って…つまりセックスってことだよな。
ってことは…あの任務はハイエースして艦むす達をレイプしろってことだったのか…!?
い、いや、でも、大本営は艦むす側だし、そんな酷い任務出すはず…。
ハッ まさか…!!

ネリー「大本営からの任務だよ?」

ネリー「私達も合意の上に決まってるじゃん」

京太郎「だ、だよなー…」

くそおおお!大本営め!!大本営めえええええ!!!
それだったらそうと分かりやすい書き方してくれよ!!!
あんな書き方して分かるはずないだろ!!
い、いや、今は大本営へ当たり散らす時間じゃない。
それよりも… ――


穏乃「…で、でも、私、パーティ企画してくれて嬉しかったよ」

京太郎「し、穏乃…」

灼「だけど、罰は必要だと思…」

「異議なーし」

…穏乃は気遣ってくれるけれど、大多数の艦むすが今回の件に不満を抱いているらしい。
灼の言葉に意義なしとの言葉が幾つも飛び出してくる。
…それに俺の背筋に冷や汗が浮かぶのは、艦むすの性欲がどれほどのモノか身を持って知っているからだろう。
毎日、彼女たちの性のお相手を務めているとは言え、十人もの駆逐艦を同時に相手にして無事で済むかどうか… ―― 

マホ「じゃあ、先輩、行きましょうね」ガシ

京太郎「ちょ、ま、マホ…!?」

駆逐艦の中ではマホはかなり力が弱い方だ。
だが、そんなのが嘘のように彼女はズルズルと俺を引きずっていく。
その見た目から騙されてしまいそうだが、彼女もまた自力で縄を引きちぎるほどの怪力の持ち主なのだ。
どれほど抵抗しても無駄。
そう思いながらも目の前に広がったピンク色の未来は俺に抵抗を選ばせて。
















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                        ヽ≧'ニ{ !  {\_ }!x≦}三三
                         `¨ \、 {、= ソ.。s┤三 >
                              、 ¨ Y. x ≦> ´> ´
                                 \ 〉´ .x> ´
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             \ >  ´                \
              /´                       \    ぶぅぅん……
             ; \                          \
              ムヽ  \                         \
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           \ヽ, ,、
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         __     |
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           \, V
              `L,,_
             |ヽ、)        ,、
             /        ヽYノ
               /       r''ヽ、|
            |        `ー-ヽ|ヮ
            |              `|
            |             |
               ヽ、           |
               ヽ______ノ
               / ..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: `:..、
            '       .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:\
           / .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:}::.:}:..  :/ }   ハ
         /::.:′. .: }::斗/L/!::.:.:. /::、i:.:.:.}......:.

         /::. |:...:.:/|::.:/ j/ |::.:.:/}:/リ|\|::.:.}.‘
         {: /.! :|.:.:..::|:/ -- _}:/ノ' /十/,「:..ハ:.i
        rぅ' ,|::.|::.:.|:;{z≦三    三ミメ.|:/|:.ト{
        /:{ V:|::.|::.:.|´i             `|:: |:.|
        |:.|/::.:,::.:.::. l :|/// 、__   /// |::.i!:.!
        {i:{:: :ハ::.: 込{. __  (__ ノ    .ィ}:リ|:
        乂:/:.:∧::.:.V/⌒ヽ.--r >ォ抓/:./ |′
      /:/.:.:.:.:/\:ハ´  ̄`V ´  ̄`∨:/|

     イ.:/::.:.:.:. /  /\     {      {:小{         ┼ヽ  土  十
     ://::.:.:.:.:.:.:{ fノ       |!    人.}:.{          d⌒)   し   つ


>>718

   . -‐- .      /( _      . -‐- .      . -‐- .      . -‐- .   o´)`ヽ _      . -‐- .    o---‐‐- .
  /_-_-_- 、>o /_-_-_- 、>  ./_-_-_- 、> <,__-_-_- 、>  ./_-_-_- 、>  ./_v_v_v 、r`o ./_-_-_- 、ヽ   )_-_-_- 、>o
 _レ'。 W 。Ⅵ.  _レ'。´~`。Ⅵ.   _レ'。  。Ⅵ.  _レ'。 W 。Ⅵ.  _レ'。`^´。Ⅵ   _レ'。  。Ⅵ   _レ 。~~~。Ⅵ.リ  _レ 。 V 。Ⅵ
 `ゝ「 フノ´   `ゝ「 フノ´   `ゝ「 フノ´   `ゝ「 フノ´   `ゝ「 フノ´   `ゝ「 フノ´   `ゝ「 フノ´レ  `ゝ「 フノ´
  ‘Y_i⌒ヽ>.  ‘Y_i⌒ヽ>.  ‘Y_i⌒ヽ>.  ‘Y_i⌒ヽ>.  ‘Y_i⌒ヽ>.  ‘Y_i⌒ヽ>.  ‘Y_i⌒ヽ>.  ‘Y_i⌒ヽ>.
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それでも妖精さんなら…妖精さんなら何とかしてくれる…!


>>719
あれ、風評被害じゃなくて風潮被害なネタって何処かでありましたっけ…?(´・ω・`)完全に知らなかったです…
そして一応、明星ちゃんと出会っているので…(´・ω・`)ボーイ・ミーツ・ガール感は薄いのは戦闘とかに巻き込まれてない所為なんでしょうか

>>720
のどアコもそうですが霞さんもかなりヤバイと思います(´・ω・`)ゴールデンボールクラッシャーとか種馬シーカーとか…
尚、風潮被害は本人にその属性がない場合に発生します
なので、マジカル☆チンポ標準装備の京ちゃんにその風潮上書きは出来ません

>>722
咲世界は女の子のスタイルが大抵、おかしいですけど、由暉子が飛び抜けておかしいですよね…(´・ω・`)ロリ巨乳ってレベルじゃねぇぞ
ちなみに私も末原ちゃんは155くらいあるイメージでした

>>736
多分、この駆逐艦メンツだと由暉子かもこかはっちゃんが発端な気がします(´・ω・`)他はレイプ願望とかあんまりなさそうな気が

>>737
身長190cm以上って一人しかいないじゃないですかーやったー!!


やっぱり妖精さんはすげえよ……

くろちゃー可愛い
ハイエースしたい

昔、魔法少女菫さんが"風潮"被害に侵された咲キャラたちと戦うってスレがあったんだ
敢えて風潮被害って単語使うからそれなのかなーと思ったけど、改めて調べたら4年前だった そりゃイッチも知らんわ、ごめんよ

やっぱり穏乃は天使、間違いない
そして>>730が完全に能登ボイスで再生された、実際言いそう

ロリ駆逐に逆ダンケダンケされるってことはこれ任務失敗なのでは?
ババアもといお姉さん達とダンケダンケする任務はまだですかね


「ふは…はっはっは…はーはっはっはっは!!!」

説明しようッ!
雷鳴轟く廃城で悪役特有の三段笑いを見せる不審な男!
京太郎と名付けられた彼は720年前に倒された魔王である!
当時の勇者に討たれる直前、転生の秘術を使った魔王は現代に蘇ったのだ!!

「久しいな、現世よ。この廃れた空気も俺を歓迎して…げほげほっ」

説明しようッ!
魔王は割りと寂しがり屋な性格なのだ!
蘇った直後とは言え、かつての城は荒れ放題!!
部下も誰もいないというシチュエーションが独り言に走らせているのだ!!


「ま、まぁ、気を取り直して、まずは勇者のことを調べなければな」

「きゃつらはどの時代であっても、我が大望を阻む一番の障害となるだろう」

説明しようッ!
魔王は割りとびびりな性格なのだ!
蘇った場所の確認よりも、自分を倒しに来るであろう勇者の事が気になって仕方がない!
ちなみに魔王の大望とは世界中のおっぱい美少女を集めて、おっぱいハーレムを作る事である!!

「さて、では、勇者の因子を…っと」

説明しようッ!
突如として魔王の前に浮かび上がったのは、遥か遠くの風景である!
ヴィジョンと言う名の魔法は、今、魔王の手によって改造されている!
ビビリの魔王が特別に作ったそれは勇者の因子を探して自動的にその場所を映してくれる優れものである!!


「ふ、ふむ、今代の勇者は五人か。ま、まぁまぁだな」

説明しようッ!
かつての魔王はたった一人の勇者に倒されてしまったのである!
そんな勇者が五人もいるという事に魔王は内心、ビビリまくっている!!

「そもそも数が多ければ良いと言うものではないからな、うん」

説明しようッ!
魔王の声は思いっきり震えている!
内心、え、これもう詰んでね?という気持ちでいっぱいだが、言葉には出さない!
魔王だって男の子であり、意地を張りたい時もあるのである!!


「で、肝心の勇者たちは…っと」

「うぇえん…こ、ココ何処?」

「…お菓子」

「…エビフライは美味しいな、とーか!」

「すやぁ」

「この淡ちゃん様が見るに…答えは5だね!」

「……えー」

説明しようッ!
ヴィジョンに映った勇者たちは皆、見目麗しい少女たちだった!
ぶっちゃけ、魔王も男なので、むさい男を見るよりも可愛い女の子を見れた方が嬉しい!
だが、その内実は勇者とは程遠い子ばっかりだったのである!!

「なんで最初の奴は目の前に看板あるのをスルーして路地裏に入っていくんだよ!」

「二番目の奴に至っては、さっきからお菓子しか食ってねぇぞ!」

「三番目の子はそもそもロリ過ぎて話にならないし」

「四番目は外でのんきに爆睡中!」

「最後はなんで1足す1が5になるんだよ!!」

説明しようッ!
魔王は割りとツッコミ気質なのである!
目の前で繰り広げられる勇者たちのポンコツっぷりに思わず突っ込んでしまっていた!!


「…コイツら本当に俺のところに来れるのか?」

「いや、まぁ、来ないに越したことはないんだけどさー…」

説明しようッ!
魔王は世話焼き体質なのである!
彼が魔王になれたのも実力よりも、その世話焼き体質で、強力な魔族を手懐けていった事の方が大きい!
そんな魔王がいずれ敵になると分かっていても、勇者たちの心配をしてしまうのは当然の事だった!!

「…でも、俺も復活したばっかで部下とかいねーし」

「そもそも何もしてない魔王が勇者を倒しに行くとか、ちょっとクソゲ過ぎるって言うかー」

説明しようッ!
魔王はお約束だとか王道だとかを重視するタイプなのである!
何時か敵になると分かっていても、不意打ちで勇者の事を倒すというのは魔王の風上にも置けない!
無名である間に脅威を排除するのが一番だと分かっているが、魔王としての倫理観が二の足を踏んでしまう!!


「…しゃあねーな」

「俺が正体を隠してあいつらを保護すれば、特にレベルアップせずにこの城まで誘導出来るし」

「そこで正体を明かして、連中と勝負…って言うのも中々、熱い展開だ」

説明しようッ!
魔王は意外と自分で動く事が嫌いではない!
寧ろ、魔王になってからは、過保護な部下たちが外に出してくれなかったので外出したい気持ちもあったのだ!!

「そうと決まれば、早速勇者達を集めないと」

「って結構、全員の位置が離れてるな」

「…しゃあない。とりあえず一番、上の奴から適当に保護してくか」

説明しようッ!
かつて自身が座っていた玉座の間を、魔王はスキップしながら横断していく!
その姿にかつて魔王と呼ばれたものの威厳など欠片もない!
ただ、雑用好きな金髪の男だけがそこにいた!!


「はー…ココ何処なんだろ…」

説明しようッ!
今代の勇者の一人 ―― 咲と言う少女は、今、森のなかを彷徨っていた!
さっきまで城壁に囲まれた都市の中にいたはずなのに、彼女は門の守備兵に見つかる事なく外に出てしまったのである!
それは決して彼女がステルスのような先天的才能を持っているからではない!
波桁外れた迷子力が空間を捻じ曲げ、咲を何処とも知れぬ場所へと放り出すのだ!!

「お姉ちゃん…」

説明しようッ!
咲の上には姉がいる!
照と言う名の少女は、彼女と同じく勇者の因子を持つ一人だった!
だが、両親の別居を機に二人は別々の都市で生活する事になったのである!
お菓子ジャンキーではあれど、めったに取り乱さない姉の不在は、咲に不安を与えるものだったのだ!!


ガサガサ

「な、何…!?」ビクッ

説明しようッ!
咲はこれまで都市の外に出た事はない!
今は表立って紛争がある訳ではないが、魔物の影と言うのは常に人類のそばにあるものなのだから!
武器も持った事のないか弱い女の子が城壁の外に出てしまったら、魔物の犠牲になるだけ!
720年前の常識は今もなお、続いているのである!!

「ぐるるる」

「ひっ」

説明しようッ!
茂みの向こうから現れたのは体長2mを越す大猿だった!
硬い、デカイ、パワフル!
強さに理由など要らないと言わんばかりのその巨体から刺すような敵意が咲へと向けられる!
魔物である大猿にとって、人間の咲は餌であり敵対者以外の何物でもなかったのだ!!


「がぁああ!」

「わわわ…きゃんっ」ドサ

説明しようッ!
大猿が吠えた瞬間、咲は尻もちをついてしまった!
今まで魔物など見たことがなかった女の子にとって、目の前の化物は死の象徴同然だったのである!
自身の中の素質など知るよりもない彼女は、震えながら近づいてくる大猿を見つめた!!

「あ…あ…」

説明しようッ!
そんな彼女に大猿は大きく手を持ち上げる!
その指先に光るのが尖った爪だ!
大木すらなぎ倒すそれは無防備になった咲へと振り下ろされる!!


「墳ッ!!」ゴッ

「……え?」

説明しようッ!
大猿の攻撃に咲が死を覚悟した瞬間だった!
金色の髪の少年が二人の間に割って入り、そのまま大猿を殴り飛ばす!
体重では数倍近い差があるであろう相手を容易く殴り飛ばすその圧倒的パワー!
それを信じられないように咲は目を見開き、目の前の少年を見上げた!!

「大丈夫か?」

「……あ」トクン

説明しようッ!
咲は所謂、文学少女と言われるタイプだ!
外で遊ぶよりは、家の中で本の中を堪能したい!
しかし、そんな彼女でも、いや、だからこそ!
本の中のような恋愛をしてみたいという気持ちは強かったのだ!!


「(こ、ここここここれ、まるで小説みたいな展開で…!?)」

説明しようッ!
咲へと振り返った少年は、特徴的な容姿をしていた!
まるで太陽のようにキラキラと煌く金髪に、優しそうな茶色の瞳!
何処か気品のあるその立ち振舞は、貴族を彷彿とさせる!
そんな少年に間一髪助けてもらった咲の乙女回路が反応しないはずがない!
何度も夢見たロマンスの序説のような展開に咲が口をパクパクと開閉させていた!!

「…えっと」

「だだだ大丈夫です…」プシュゥ

「そっか。良かった」ニコ

説明しようッ!
自身の中の困惑と歓喜に構ってしまう咲に、少年 ―― 魔王は気まずそうな顔をした!
それに咲は慌てて応えたものの、それはどもり混じりのものになったのである!
瞬間、咲の顔が恥ずかしさで真っ赤に染まるが、京太郎はまったくそれを気にしていなかった!
間一髪助けられた彼女がしっかりとした受け答えが出来るはずがないと分かっていたのである!!


「ま、もうちょい我慢しててくれよ。すぐにコイツを黙らせるからさ」

「あ、はい」キュン

説明しようッ!
この状況は魔王が仕組んだものではない!
そもそも彼は未だ部下の一人もいない状態なのだから!
咲の元へと転移し、その姿を見つけた瞬間には、彼女はもう襲われていたのである!
根がお人好しの魔王はついついそれを助けてしまったが、後悔はしていない!
勇者の一人に取り入る事が出来る絶好のチャンスだとそれを幸運に思っていた!!

「(それに相手は見たことのないタイプの魔物だが…仮にも俺は魔王なんだ)」

「(平和的な解決だって出来るかも…)」

「ぐうううう…」

「…む、無理そうかな」

説明しようッ!
魔王が転生するまでの数百年、魔物は様々な場所で混血を引き起こし、突然変異を起こしていた!
多くの魔物は、彼の知らない形態や生態を持つようになったのである!
そしてそれはまた魔物の側にも言える事であった!
獣程度の知性しか持たない大猿にとって、目の前の相手は自身の食事を邪魔した鬱陶しい人間以外の何物でもない!!


「…しゃあねぇ。ちょっと遊んでやるよ」

説明しようッ!
魔王が魔王足る所以は、多くの魔族に慕われたからだ!
だが、それだけで魔王の称号を授かる事は出来ない!
どれほど強力な魔族に慕われていようが、凡百の魔族では反骨心の強い魔族たちを従えられないのだ!

「トンファーキック!!」

「トンファータックル!!」

「トンファー鉄山靠!!!」

「そしてトドメの…トンファービィイイイイイイイッムッ!!!」

「ぎゃおううううっ!!」

説明しようッ!
魔王はぶっちゃけ魔法は落第生レベルである!
魔族として必要最低限な魔法しか使えない!
だが、その分、その肉体的な能力は身体的にも優れている他の魔族の追従を許さないものだった!
特にトンファーを使った時の戦闘力は著しく、その技巧も相まってトンファー魔王とも呼ばれていた!!


「ふぅ」

説明しようッ!
そんな魔王に精々、中級レベルの魔物が敵うはずがない!
トンファーを持った魔王の瞳から放たれたトンファー色のビームが赤茶色の毛皮を焼く!
ジュウと焦げるような音と共に大猿は森の奥へと逃げ帰っていった!!

「あ、あの…」

「もう大丈夫だ。安心して良い」

「は、はい…」キュン

説明しようッ!
勇者の因子を持っているとは言え、咲はまだ15の少女!
吊り橋効果も相まって、魔王の言葉に胸をキュンと疼かせてしまう!
それが一体、何なのか咲にはまだ分からない!
だが、目の前の少年が決して悪い人ではない事だけは分かった!!


「…しかし、女の子がこんなところをうろつくのは関心しないぞ」

「ご、ごめんなさい…」

「…まぁ、反省しているなら良いけどさ」

説明しようッ!
実際、魔王はかなりのお人好しだった!
しょげかえる咲の姿に強く言う事が出来ない!
ポリポリと頬を掻いた魔王は、そのまま咲へと手を差し伸べる!!

「何はともあれ、捕まって」

「あ…は、はい…」カァ

説明しようッ!
助け起こそうとする魔王の手は思いの外、暖かなものだった!
男の人の手になど殆ど触れた事のない咲はそれだけでも赤面してしまう!
だが、自分よりも大きなその手は決して嫌なものではなかった!
寧ろ、胸の底から安心感が湧き上がり、何もかもを委ねたくなる!!


「(…どうしてだろう、この人と初めて会ったはずなのに…そんな気が全然しない)」

「(も、もしかして、これが運命って奴…な、なのかな?)」

説明しようッ!
運命と言う言葉は、彼女の中であまりにもしっくりと来るものだった!
自身が夢見がちであるという事を差し引いても、それは異常だと彼女は思う!
しかし、だからと言って、少年に対する好意が裏返ったりする事はなかった!
寧ろ、運命であって欲しいとそんな風にさえ咲は思っていたのである!!

「さて、んじゃ、ついでだし安全な場所まで送ろうと思うんだけど」

「い、良いんですか?」

「ここで見捨てた方が夢見が悪いし…それに聞きたい事もあるしさ」

「聞きたい事?」

「あぁ。この時代の事を色々とさ」

「はぁ…」

説明しようッ!
魔王は咲との合流を急いだ結果、今の時代の事を殆ど知らないのだ!
まずはその辺りの情報収集から始めなければいけない!
今更ながらそう思った魔王はそのまま隣に咲を連れて歩いて行く!
その内心で上手く信頼を勝ち取れたとほくそ笑む魔王は未だ知らなかった!!



実は目の前の少女が、かつて自身を転生に追い込んだ勇者の生まれ変わりである事も!


何時も通り、勇者の世話を焼いてしまった彼に、実は勇者が懸想していた事も!


そして来世で結ばれる為に自ら命を絶った筋金入りのヤンデレである事も!


他の勇者達もまた彼女の因子を受け継ぎ、あっさりと堕ちてしまう事も!


そして決戦前夜となった日に少女たちに代わる代わる逆レイプされその野望を粉々に打ち砕かれる事も!


この時の魔王はまったく予想していなかったのである!!!!

































「ふふ、京ちゃん…♥今度こそ一緒になろうね…♪」

































ヒエッ……
これもうどっちが魔王なのかわかんねえな

説明多すぎィ!!




              _,____

ノ(          / ̄lllllllllllllllllllllllll`ヽ、
lll(        ノ´llllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllll`ヽ、
lllllll)     ノ'lllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllll`l

丗ヲ    /lllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllll`l
llllノ    ノllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllll,、ll|

llノ    ノlllllllllllllllllllllllllllll/´ ̄`ヽllllllllllllllllllllllllllノ `、ll|
/ ,   |llllllllllllllllll_,-'´ ̄  ヽ、 `ヽ、lllllllllllllノ .  Y
|l   ,'´l`、lllllllllllノ   _,-‐、 ヽヽ `l.`―‐'フ   ,、|
llll`ヽ|llllllllll`、llノ´   ‐―、ヽ、 ヽ、 |   | / ノ,→

lllllllllllllllllllllllll`l     -、_ヽヽ、_`l 、 l  /ン_/
‐ 、lllllllllllllllllllll`l     `、`三ン、、ニ、´ノヽノ/フノ/

     フlllllllll`l       _,-'´ `ヽ//-´   |        説明しようッ!!
     /llllllllllll|`ヽ、   ,'´´     _  :   ) l
     `|llllllllノ、  ヽ、,´     i´ `  `,  ノ´         これでカンッだ!!!
    人    \ i´ヽ、      `,ヽ、_ノ ,´/
    /::`、     `ン  ン  ,,-←三、-´ノ、'ノ
 _,-/:::::::ヽ、     ヽ、 `、 `,ニ,‐--‐ヲ //l
''´:::`、:::::::::::::::ヽ、    `i 、_ヽヽ二二二ノ/ /
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乙ー
1つの因子で5人のヤンデレ…修羅場なないな(慢心
あと4人目誰?シロ?

天照大神+咲でしょ

魔王京ちゃんがポンコーズを自ら保護するとか失望しましたはるるんのファン辞めます

乙です

>>740の時点で、京太郎がハイエースされてダンケダンケかと思ったら、そうでもなかったと思ったら、結局されてた
わかった事は、穏乃は天使
尚、京太郎を一番搾り取る模様
昨日くらいに、バケツ(高速修復剤)に副作用がある的なSSがあったけど、>>1の場合は副作用が催淫なんだろうなぁっと思った

勇者だけでなく魔王もポンコツですよね、これ…
いつも通り咲ちゃんは病んデレやった

>>755
クロチャーはただ可愛いだけじゃなくてギャグにもオチにもエロにも使える便利な子ですしねー
誰か義妹となったクロチャーとドロッドロの不倫する京ちゃんを書いて下さい…

>>756
なるほどー教えてくださり、ありがとうございます(´・ω・`)こちらこそ無知でごめんなさい
しかし、思いっきりスレのネタ被っちゃってますし、上のネタはお蔵入りにした方が良さそうですねー
そして駆逐艦穏乃は天使ですが性欲も体力も人並み以上なので逆ハイエースの後はノリノリで逆ダンケダンケに参加していたと思います

>>757
提督京ちゃんもベッドヤクザなんで最初は押されていても、相手の数が減るに連れてダンケダンケするんじゃないかなーと思います
まぁ、基本的に艦むすの報告次第なんで満足させて貰えたら達成報告はするんじゃないでしょうか(適当)
またお姉さん達の中にはうたたんや良子さんも入りますか(小声)

>>777
魔王京ちゃんはあくまでも魔族の象徴としての魔王であり、恐ろしい性格をしてる訳じゃないですからねー
多分、覚醒しちゃった勇者たちは実力行使も辞さないので、一般的にイメージされる勇者は咲ちゃん達の方が近いかもです
京ちゃんに色目使った女の子に精神攻撃仕掛けたり社会的に抹殺とか普通にするのが勇者ポンコーズです

>>780
大本となった勇者が嫉妬深かったので毎日が血の流れないレベルの修羅場になるんじゃないですかねー…
まぁ、お互い他人じゃない気がするので、本気で排除と言う方向には動かないと思いますが(´・ω・`)代わりに結託して京ちゃんの自由を奪っていきそう
そしてわかりにくくてごめんなさい
>>781さんの言ってくれている通り、勇者ポンコーズは天照大神+咲なので姫様です

>>782
何だかんだで魔王京ちゃん、人間殺したりするの好きじゃないですからね
転生前の目的も世界中の巨乳を集めてハーレム作る事でしたし、魔族特有の人間に対する偏見とかも殆ど持ってません
そしてはるるんははるるの事なのかそれともみはるんの事なのか…

>>783
人間が駆逐艦の馬力に勝てるはずないからね、仕方ないね
駆逐艦穏乃はエロ天使なので、多分、自分が気絶する一歩手前まで腰を振り続けるんでしょうねー
終わった後はすっごい幸せそうなアクメ顔で京ちゃんの胸に頭預けて全身で余韻に浸ってそう
そしてバケツは一瞬で傷を治す訳ですし、やっぱり身体が火照って、なおかつ生殖本能が刺激されるのも当然だと思います(ゲス顔)
京ちゃんもポンコツじゃなかったら話が始まらないですし…(目反らし)
そして私の咲ちゃんは何時も病んでる訳じゃないんやで…?(小声)


















 任務名『190cm以上の艦むすをハイエースしてダンケダンケ…晴れがましいですね』



















大本営もたまには粋な任務を考えてくれるもんだ。
ウチの艦むすで190cm以上と言えば、空母である豊音しかしない。
戦場では抜群の安定感から、日常生活ではその天使っぷりから俺を安堵させてくれる彼女に俺もお礼がしたいところだったんだ。
なにせ、豊音は他の艦むすと違って、ちょっと頭を撫でるだけで満足してキラキラになってくれるからなぁ。
MVPを取る度に閨での濃厚なセクロスを求める他の艦むすたちと比べると手が掛からなさすぎて申し訳ないくらいだ。

京太郎「(まぁ、それはさておき)」

妖精さんが色々と手伝ってくれたお陰で、全自動ハイエース装置が完成した。
半ば自動操縦で動くハイエースには既に目的地である会場もインプットしてある。
後はこのハイエースがお使いに出した豊音に近づいた瞬間、扉を開けて拉致するだけ。
そこだけは俺がやらなきゃいけないから、ちょっと不安ではあるけれど。


京太郎「(でも、幾ら2m近いって言っても女の子だしなぁ)」

提督になる前の俺はそれなりに身体も鍛えていた。
入っていたハンドボール部では、結構、良いところまで進む事が出来たのである。
そんな俺が幾ら艦むすとは言え、女の子に負ける訳がない。
ちょちょいとお姫様抱っこしてこのハイエースに連れ込む事が出来るだろう。

京太郎「(っと、そろそろか)」

そんな事を考えている間にハイエースは減速していく。
恐らく既にインプットしていた豊音の姿を見つけたのだろう。
そう思いながら黒塗りのガラスを覗きこめば、見慣れた黒髪が目に入る。
腰まで届く艶やかな黒髪と、全身真っ黒なその服装は豊音以外にはあり得ない。


京太郎「(よし、それじゃあ…)」スーハー

これから俺がするのは大本営からの指示とは言えど、犯罪行為だからなぁ。
これまで比較的清廉潔白に生きてきた俺としてはやっぱり心の準備が必要だ。
まずは気持ちを落ち着かせる為に二度三度と深呼吸して…。
うん、よし…じゃあ…やるぞ……!

ガララ

豊音「?」

京太郎「(よし、取った…!!)」

いきなり自分の横にハイエースが乗り付けて扉が開いたからだろう。
両手で買い物袋を持つ豊音は不思議そうにこちらを振り返っていた。
俺と彼女の距離にしておおよそ1mちょっと。
これから何が起こるかまったく分かっていない彼女に、抵抗できるはずがない。
この勝負、貰った……!!!! ―― 




京太郎「……あ、あれ?」

……って思ったら、豊音の身体、全然動かないんですけど!
掴んでいる腕は柔らかいのに、まるで大岩を引っ張っている気分というか…。
あまりにもビクともしないその様についつい情けない声が漏れてしまう。

豊音「…あの、提督…だよね?」

京太郎「うっ」

それが悪かったのか、或いは最初から俺の事が分かっていたのか。
おずおずと言った豊音の声は俺の正体を言い当てるものだった。
だが、一体、どうしてこうも早く俺の正体に気づく事が出来たのか。
俺は今、ニット帽にサングラスな上にマスクまで着用した完全防備の不審者ルックなのだけれど。


豊音「どうかしたの?」キョトン

京太郎「い、いや、あの、えっと」

豊音「あ、もしかして迎えに来てくれたとか?」

豊音「えへへ、ちょー嬉しいよー」ニコ

京太郎「ぐふ」

な、なんだ、この天使。
完全に拉致されるところだったのに怯えるどころか、超前向きに捉えて喜んでくれてるんだけど。
…幾ら感謝を示す為とは言え、こんな子を拉致しようとだとか…俺は何を考えていたんだろうか。
今更だけどにこやかな豊音の笑みに良心の痛みを感じる…。

豊音「で、この車に乗れば良いの?」

京太郎「あ、あぁ、頼む」

豊音「はーい。じゃあ、おじゃましまーす」イソイソ

ただ、その天使っぷりのお陰で豊音は無警戒にハイエースに乗り込んでくれた。
さっき俺の手じゃ微動だにしなかった豊音の身体がなめらかに動くその様に俺は違和感を禁じ得ない。
……そもそも相手は人間の姿をしているとは言え、空母だからなぁ。
ぶっちゃけハイエースするとか不可能だったんじゃないかと大本営に文句を言いたい気分だった。


豊音「わわ…すっごい。機械でいっぱいだよー」

京太郎「ちょっと特別製でな」

豊音「へー…」

まぁ、なにはともあれ、ちょっと情けない結果だったけれど、こうして豊音をハイエースに乗せる事には成功したんだ。
このまま立ち止まっていてもひと目につくだけだし、作戦を次の段階へと移そう。
色々と複雑な内心にそう言い聞かせながら、俺もまたハイエースの中に乗り込んだ。
感嘆混じりにはしゃぐ豊音に応えながら、扉を閉めてっと。

豊音「で、これは何をする機械なの?」

京太郎「え、えっと…」

…元々は豊音が変に暴れたりしないよう縄でグルグル巻にする装置だったんだけれど。
でも、それは豊音が素直に俺の言葉に従ってくれたから無用の長物になってしまったんだよなぁ。
しかも、俺は今、豊音に正体に気づかれている訳で。
これまで築き上げてきた信頼関係を崩さない為にもそんな装置の説明とか出来ないし…。


京太郎「こ、これはほら、不審者を捉える為の装置だよ」

豊音「そっか。提督は重要人物だもんね」

豊音「防犯の為にはそういう装置も必要なんだ」

京太郎「そ、そうそう」

……ふぅ、とりあえず誤魔化せたらしい。
正直、自分でも苦しい言い訳だと思ったが、豊音が純真で助かった。
後はこのまま目的地まで気づかずに送る事が出来れば、目的の過半数は達成したも同然なんだけれど。

豊音「あれ? これ鎮守府に戻る道じゃないよね?」

京太郎「あぁ、豊音にはまだもうちょっと付き合って欲しいところがあってさ」

豊音「何か力仕事?」

京太郎「いや、それだったらわざわざ豊音に付き合ってもらったりしないよ」

まぁ、さっきの微動だにしない豊音を思い出すと正直、自信もなくすけれど。
俺は比較的男の中でも力がある方……な、はずだからなぁ。
幾ら艦むすとは言え、力仕事に豊音の手を借りたりはしない。


京太郎「そもそも、豊音は女の子なんだから、そんな仕事なんて頼まないって」

豊音「…提督」

……そんな女の子を俺は幾度となく戦場に送り込んでいるんだけれどさ。
でも、それはそれ、これはこれ、と言うか。
現実、深海棲艦に対抗出来るのが艦むす達以外にいない以上、どうする事も出来ない。
それに対して、力仕事は決して艦むすたちの手を借りなきゃいけないって訳でもないし。
普段、彼女たちにおんぶ抱っこな男が率先してやるべきだろう。

豊音「私みたいな子の事も女の子だって言ってくれるの?」

京太郎「違うな」

豊音「え?」

京太郎「豊音はただの女の子じゃない。心が綺麗で可愛い最高の女の子だ」

豊音「っ」パァ

…流石にここで胸が大きい、と言うのは我慢しよう。
豊音は俺が知る中で最も純真な女の子だからなぁ。
本心からの冗談に気分を害す可能性だってある。
そう分かっていて口にするのは流石に照れ隠しとしても最低だろう。
日頃、艦むすから空気が読めない鈍感提督と呼ばれる俺でもそのくらいの心遣いは出来るのだ。


豊音「提督、私、今、超嬉しいよー」

京太郎「そっか。俺も豊音に喜んでもらえると嬉しいな」

豊音「おそろい…かな?」

京太郎「あぁ。ぴったり同じだぞ。流石は俺の秘書艦だ」ナデナデ

豊音「えへー♪」

その生まれが少々、特殊な所為か、豊音は仲間はずれと言うものが苦手だ。
極力、誰かと一緒、またはお揃いである事を望む。
そんな彼女を秘書艦としてほぼ常に側へ置いている俺は、口を動かしながら彼女の頭を撫でた。
それが彼女の最も好きなものである事が、提督である俺には分かっている。

京太郎「(ま、そんな時間もそろそろ終わりだ)」

豊音を拉致る予定地から、会場までは決して遠くはない。
こうして世間話をしている間にその場所が近づいているのがハッキリと分かった。
正直、子どものように満面の笑みを浮かべる彼女から手を離すのは名残惜しいが…このままでは話が先に進まないし。
何より、こっちの目的に気づかれる可能性もあるんだから、早めに降りる準備をしておこう。


豊音「…もしかしてそろそろ目的地?」

京太郎「あぁ。ちょっと降りてくれるか?」

豊音「はーい」

ピタリと止まったハイエースの扉を俺は開いた。
そのまま外へと降り立った俺に豊音は素直に従ってくれる。
人並み以上に大きな身体をイソイソと可愛らしく動かす姿はとても愛らしい。
正直、これが艦むす全体を見渡してもトップクラスのエースだとは誰も信じないだろう。

豊音「って、これ何かな?」

京太郎「ふっふっふ。それはな…」

そんな豊音の前に広がったのは白い布が被せてある大きな板だった。
縦1m横8mほどのそれは俺が徹夜をして作った自信作である。
きっと豊音も気に入ってくれるだろう。
そう思いながら俺はその布に手を掛けて。


京太郎「そぉい!」バッ

豊音「わぁああ…っ♪」

掛け声と共に勢い良く取り去った白布の向こうから、俺が作った看板が現われる。
豊音への感謝を14文字に ―― 『豊音ちゃん、何時もありがとう』と言う文字に込めたそれに豊音は感嘆の声を漏らしてくれた。
その中に強い歓喜の色が込められているのを感じ取った俺は、どうだと言わんばかりに胸を逸らす。
そんな俺の前で二度三度と看板をじっくり眺めた豊音は、そのキラキラとした瞳に涙を浮かべ…ええええ!?

豊音「…ぐす」

な、なんで豊音泣いてるんだ!?
も、もしかして豊音を中心に他の艦むす達が手を繋いでいるデフォルメ絵が気に入らなかったとか!?
心優しい豊音の事だ…もしかしたら端の子と手が繋げない事を悲しんでいるのかもしれない…!
く、くそ…!昨日の俺はなんでそんな簡単な事に気づけなかったんだ!!
ここは上空からの円になった図にするべきだった…!!!


京太郎「と、豊音、その…」

豊音「ご、ごめんね。私…あの、嬉しくて」

京太郎「え?」

豊音「…これ提督が作ってくれたんでしょう?」

京太郎「あ、あぁ」

豊音「…うん、うん…」フキフキ

…でも、豊音は決して悲しんでいる訳じゃないらしい。
寧ろ、嬉しいって言ってくれてる辺り、さっきのは嬉し涙と言う奴だったのだろう。
それに胸を撫で下ろす俺の前で、豊音は指で目尻に浮かんだ涙を拭った。

豊音「…あ、あのね、私、今まで何度も超嬉しいって言ってたけれど…」

豊音「私、今が一番、幸せだよー」ニコ

京太郎「…そっか」

正直、不安はあった。
サプライズなんて基本的に仕掛ける側の自己満足みたいなもんだからな。
幾ら大本営がそれを指定していたとは言え、喜んでは貰えないんじゃないか。
そんな思考は完全な杞憂であった事が彼女の笑みから伝わって来た。
曇りの一点も見当たらない豊音の最高の笑みに、俺もまた頬を緩めてしまう。


京太郎「だが、幸せになるのはまだ早いぜ」

京太郎「なにせ、この先にある会場には豊音の為に色々と準備してあるからな!」

豊音「うん!…あ、でも」

京太郎「ん?」

豊音「一人でそれを独り占めするのは悪いかなぁって…」

京太郎「あー…」

…そうだな。
豊音は一人だけ特別扱いされて喜ぶような子じゃない。
その影で不満をためているかもしれない子の事をどうしても気にしてしまう。
だからこそ、たまには豊音に思いっきり羽を伸ばさせてやりたかったが…それは俺の要らぬおせっかいだったらしい。
豊音限定任務だからと思わず、最初から皆を呼んでやればよかったな。

京太郎「じゃあ、今から鎮守府戻って皆も呼ぶか」

豊音「良いの?」

京太郎「良いの良いの。今日は殆ど休みみたいなもんだったし」

京太郎「皆も呼んでパァっと騒ごうぜ」

豊音「うんっ」

さて、そうと決まれば、全自動ハイエース機はただ邪魔になるだけだな。
妖精さん達には悪いが、鎮守府に帰った後で撤去して貰おう。
艦むすの装備を載せ替える事だって一瞬で叶えてみせる彼らならばあっという間にそれをなくして、他の艦むすが乗るスペースを作ってくれるはずだ。
そんな事を思いながら、俺は再び豊音と共にハイエースに乗り込んで。



………

……




京太郎「ふー」

パーティは大成功だった。
まぁ、皆に内緒でサプライズ演出しようとしていた事は他の艦むす達には責められたけれど。
パーティ会場についてからは、皆、とても楽しんでくれた…と思う。
少なくとも、今日のために準備したお菓子やら料理やらは全てなくなったしな。
空母であり、大食艦でもある豊音が気兼ねなく食べられるようにと集めたそれらを食べきって楽しくなかったなど言われたらガチで凹む。

京太郎「(たまにはこんなのも良いかもなぁ)」

今までも艦むすたちには休みを与えてきている。
だが、鎮守府の運営を止める事が出来ない以上、それは一人や二人程度のものだったのだ。
今日のように鎮守府所属の艦むす達全員に休みを与えた事などない。
彼女たちが羽を思いっきり伸ばして楽しむ事が出来たのも、その辺りが関係しているんじゃないだろうか。


京太郎「(まぁ、かなり難しいのは確かなんだけれどさ)」

ウチは秘書艦である豊音を筆頭に、大型艦を多く保有する鎮守府だ。
難易度の高い海域攻略時にはかなりの頻度でお呼びがかかる。
代わりに近海の警戒任務は他の鎮守府に任せっきりだが、さりとて、まったく仕事がない訳ではないのだ。
今までに何度かあったように深海棲艦側の逆侵攻だって決してない訳じゃない。
それを考えると今日のようなパーティを気軽に行う訳にはいかなかった。

京太郎「(何にせよ…早くこんな戦いが終われば良いんだけど)」

深海棲艦の目的は分からない。
だが、彼女たちは無限とも思える物量で、深海から湧き上がり、人類に猛威を振るっている。
戦況は大分、人類側に有利になったとは言え、敵の中枢が何処かも分からないままだ。
人類の生存を掛けたこの戦いが終わる事は当分ないだろう。


コンコン

京太郎「ん、どうぞ」

豊音「し、失礼します」

そんな事を考えながら、鎮守府の執務室で黄昏れていたところだった。
気遣うようなノック音が聞こえてきた俺は、クルリと椅子を正面に戻しながら口を開く。
瞬間、重厚そうな木製のドアの向こうから、秘書艦である豊音が現われた。
だが、彼女は艤装どころか指定の制服すら身につけていない。
寝間着らしい衣服に身を包んでいる上にその髪も濡れている事から察するに、風呂あがりなのだろう。

豊音「て、提督…その…」

京太郎「どうした?」

そんな彼女の姿を見るのは決して初めてではない。
入渠ドック ―― 艦むすの艤装と身体を修復する施設は所謂スーパー銭湯のようになっているのだから。
今日の出撃はもうないと言う時は、艦むす達も寝間着に着替えて、修復完了を報告しに来る。
それは豊音であっても例外ではなく、だからこそ、躊躇うような彼女の様子が俺には引っかかった。


豊音「き、今日は本当にありがとう。すっごく…すっごく楽しかったよー」

京太郎「そっか。そう言って貰えるなら準備を頑張った甲斐があったよ」

天真爛漫と言った言葉が良く似合う豊音は、滅多な事で躊躇ったりしない。
今日、何があったかなんて世間話から、皆と話をした内容まで。
まるで子どものように赤裸々に語ってくれる彼女が、こんなにぎこちなくなるのはたったひとつだけ。
提督である俺に対して、何かを強請りたいと思っている時だけなのだ。

京太郎「(だからこそ、ここは根気よく待ってやらないとな)」

それを強引に聞き出す事は、それほど難しい事ではない。
豊音は俺に対して強い信頼と敬意を抱いてくれているのだから。
命令だと一言口にすれば、彼女はきっと応えてくれるだろう。
だが、俺はそうやって豊音から無理やり聞き出してやりたくはない。
これからも彼女に秘書艦を任せ続けるつもりの俺にとって、彼女が自分から口にしてくれるのが一番だった。


豊音「で、でもね、あの…その…」

京太郎「ん?」

豊音「…提督の任務、まだ終わってない…よ」

京太郎「え?」

どんな関係のない世間話に、何時間でも付き合ってやろう。
そう思った俺に予想外の言葉が届いた。
鎮守府の運営を停止させた俺が、本日受諾したのは例の任務 ―― ハイエースしてダンケダンケするもののみ。
何時もは行う他鎮守府との演習任務も今日はオヤスミだった。

京太郎「いや、でも、ちゃんと俺はハイエースしてダンケダンケして…」

豊音「そ、それがね…違うらしいの」

京太郎「違う?」

豊音「う、うん」

俺の秘書艦である彼女は、任務の成否に関して閲覧する権限が与えられている。
例の任務が達成出来ているかいないかは彼女が知っていてもおかしくはない。
だが、違うと言うのは一体、どういう事なんだろうか。
俺はちゃんとハイエースの意味もダンケダンケの意味も調べたはずなのだけれど…。


豊音「あの…その…ダンケダンケって言うのは…え、エッチな事みたいで…」

京太郎「え?」

豊音「そ、それも…あの強引に…し、しちゃうような…は、激しい奴…らしいよー」

京太郎「……え?」

いやいやいやいやいや、ちょっと待ってくれ。
つまりアレか、大本営は俺に秘書艦の拉致レイプを命じてたって事なのか?
常識的に考えてそんな事大本営が命じるはず…………いや、あるわ。
提督を肉バイブとして艦むすのところに派遣するようなエロ大本営がそんな任務を出さないとは俺には断言出来ない。

京太郎「(だが、そんな任務出すんじゃねぇよおおおおおおおお!!!!!)」

今、分かった!
豊音がやたらとぎこちないのは、自分がレイプされる寸前だったからだ!!
俺が誤解した所為で、間一髪何とかなったのが分かったからなんだろう…!
おのれ、大本営め…!
そんな任務出した所為で、我が鎮守府の癒やし担当との関係がぎこちなくなりそうなんだけど!!
後で陳情書と言う名の苦情を出してくれるわ!!!!!!


豊音「わ、私もね、他の艦むすの子に聞いてようやく知ったんだけど…で、でも、これって大変な事…だよね?」

京太郎「い、いや、まぁ、宛が外れたのは事実だけど、でも、仕方ないだろ」

京太郎「今回の任務は縁がなかったって事で諦めるとするさ」

豊音「だ、ダメだよ。ここは大型艦ばっかりで慢性的に資源不足なんだから」

豊音「アレだけの資源を見過ごしたら勿体無いよー」

京太郎「でもさ…」

豊音は決して俺の事を嫌っている訳じゃない。
いや、寧ろ、彼女は俺に対してかなりの好意を寄せてくれているだろうと思う。
だが、豊音は今まで俺に対して、セックスを求める事はなかったのだ。
彼女にとって俺は、間違いなくそういう対象ではないのだろう。

豊音「わ、私は良い…から」

京太郎「え?」

そんな豊音に無理矢理、セックスする訳にはいかない。
そう思う俺の耳に届いたのはあまりにも小さな声だった。
今にも消え去りそうな儚いそれが、俺は何かの勘違いではないかと思ってしまう。
少なくとも、彼女の言う『良い』は俺が思っているような意味ではないはず。
そう言い聞かせる俺に豊音は震える唇を動かして。


豊音「わ、私が今まで提督とそういう事しなかったのは…し、したくなかったからじゃないんだよー」

豊音「私は、その…こんな大きな身体だし、それに艦むすだし…」

豊音「提督も私みたいな子を抱くのは嫌だろうなって…」

京太郎「それは誤解だ」

俺は思考は未だに混乱している。
少なくとも、彼女がこれから何を言おうとしているのか、俺はまったく分かっていなかった。
しかし、だからと言って、自虐するようなその言葉を見過ごす事は出来ない。
俺にとっての豊音は魅力的な女の子なのだから。
こんな素敵な子が俺の鎮守府にやってきて、その上、秘書艦をやってくれているという幸運に何度感謝したか分からない。

豊音「うん。それは分かってたよ」

豊音「提督は私にもすっごく優しかったから」

豊音「ちゃんと女の子として扱ってくれて…だから、私…怖くなったの」

京太郎「怖い?」

豊音「うん、今更、そういう事したいって言ったら幻滅されるんじゃないかって」

豊音「勿論、提督に撫でられたり褒められるのは好きだったって言うのもあるけれど…」

豊音「私…提督に嫌われたく…なかったんだよー」

…それはきっと異性として俺の事を好きになったから…と単純に考える事は出来ない。
異性と呼べるほど親しくなれる相手が提督一人しかいないと言う環境は愛情に飢える彼女たちに刷り込みを与えている。
彼女が漏らすそれが刷り込みに依るものなのか、或いは本心から生まれたものなのか、俺には分からない。
分かるのはただひとつ ―― 俺が秘書艦が内心、ずっと抱えていた不満にも気づけないようなダメ提督だという事だけだ。


豊音「でも、提督は今日、私の事を最高の女の子だって言ってくれた」

豊音「その上…お給料を思いっきり使って私の為にパーティまで開いてくれて…」

豊音「本当に…夢みたいな、最高の一日だったよ」

豊音「…だから」プチ

京太郎「っ!?」

それに自己嫌悪を感じる暇さえ、豊音は与えてくれなかった。
ゆっくりと唇を動かしながら、彼女は寝間着のボタンに手をかける。
そのままゆっくりとそれを外していく豊音に俺は辞めろと告げる事が出来なかった。
彼女が並々ならぬ決意でこの場にいると言う事は既に十分過ぎるほど伝わってきているのだから。
幾ら俺が鈍感ダメ提督でも、ここで豊音を止めれば彼女を傷つける事くらい理解できる。

豊音「こんな私で良ければ…ダンケダンケして欲しい…な」シュル

京太郎「…」ゴク

寝間着の向こうから現れたのは、彼女の肌だけだった。
下着も何も身に着けていないその姿は…最初からそのつもりだったからこそ。
頭に浮かぶその言葉を、しかし、俺は殆ど意識する事がなかった。
初めて見る豊音の裸はとても綺麗で…そして何よりメスの匂いがするものだったから。
その長身に女の子らしさと言うものたっぷり詰め込んだ彼女の身体に、今日一発も射精していない俺は我慢できなくなり ――



―― そのまま彼女が求めるままに朝までダンケダンケを繰り返したのだった。









                    .... -――- ....
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              八/ :|:::(圦////\///}  }::::::::::::::\
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                   //: : :::/´ ノ/ |: : : ::{: : : ::|:::::: i  \:::\       艦むすが戦意高揚状態になりました
                  //: : :::∧i/\/} : : : i: : : ::|:::::: |    \:::i
            //: : : :/: : | ,/: : |: : : ::| : : : |:::::::::\    )ノ
.  \ー―――‐=彡/ : : : : /\: !〈 : : : /|: : : ::∨: :|::::::::::: \

     ̄ ̄ ̄ ̄ /: : : : : :::/: : : \:〉 ̄: ::|: : : : ::∨ リ::::::::::::::::::::\         ☆

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豊音の純真さは他の子も良く知ってるんで、多分、知らない人についてっちゃダメとか言い含められてるんじゃないですかね
まぁ、ついてったところでバチィでもおくしゅりでも豊音に効く気がしませんが(´・ω・`)

乙です
表面上はキラキラしてても、内部パラメーター上は不満が溜まってた可能性

豊音はほんと抱き心地よさそう

咲キャラで一番枕にして寝たい

左門君はサモナーによれば、天使は実際のところ中性的な存在だから男性的なところと女性的なところが無くてはならない
つまり豊音さんは天使ではなく、甘えたの大きな猫。異論は認めよう

だが猫には発情期があり、人間はいつでも発情期といえる
すなわち豊音は常に京ちゃん専用にエロエロということでは?


あとまだリクエストを受け付けているのでしたら、お互いで両想いで初体験を迎えたけど京ちゃんのマジカル☆絶倫チンポの相手は一人じゃできないことに気がついたから、全国の選手たちを京ちゃんハーレムに取り込もむために麻雀を楽しむ魔王咲ちゃんの頑張りがみたいです

イッチの咲さんはハーレムを容認するタイプじゃないから無理だと思う。後から入るならまだしも


「ハロー。君が京太郎君ですね、何時も、春と一緒に遊んでくれてありがとう」

最初に彼女 ―― 戒能良子さんと出会った時は俺が小学生の時だった。
幼稚園からの付き合いである俺は共に小学校へと上がった春の家に遊びに行ったのである。
そこにちょうど、居合わせたのが丁度高学年になったばかりの良子さんで。
始めて会う俺にこんな風に挨拶してくれたのを今でも良く覚えている。

「春から何時も話を聞いてますよ。とても格好良いボーイだって」

未だに春が俺の事をなんて良子さんに説明していたのか分からない。
当時の事を思い返すと俺は結構なワルガキだったような気がするし。
いじめまではしていなかったが、色々といたずら小僧だったと思う。
ただ、良子さんは最初から俺にとても好意的だった事は確かだ。
なにせ ―― 





「春のフレンドで居てくれるご褒美です」

―― そう言って彼女は俺の唇を奪った。
当時の俺は小学1年生。
当然、ファーストキスだって済ませているはずがない。
だから、それは ―― 春のいないところで隠れてキスされたそれは俺にとって初めてのもので。

「これからも春のフレンドでいてくれるならご褒美をあげますね…♥」

……多分、そう言われなくても、俺は春の友達で居続けていたと思う。
春は決して活発なタイプではなかったけれど、何だかんだで付き合いが良い子だったし。
それに自己主張が控えめで集団の中で孤立しがちな彼女は俺にとって放っておけない子だった。
小学校にあがる頃には性別を超えた親友と言っても良いくらいになっていたから、その縁が切れる事はまずなかっただろう。
だからこそ、良子さんがどうしてそういう事を言ったのか俺にはまったく分からないのだけれど。


「久しぶり、京太郎。相変わらず春とフレンドリーですね」

それでも春が良子さんに大事に想われてる事は良く分かった。
だからって訳じゃないが、俺は中学に上がっても春の幼馴染として親しい付き合いを続けていたのである。
無論、その間も俺は何度となく春の家に遊びに行き、そして彼女の従姉妹である良子さんと出会った。
成長期を迎えた彼女がドンドンと身体が成熟し、綺麗になっていくのをドキドキしたのを今も良く覚えている。

「…じゃあ、久しぶりにご褒美をあげましょうか…♥」

そして中学に上がって、初めて良子さんと出会ったあの日。
学ランに袖を通した俺に良子さんはフェラチオしてくれた。
五歳年上で、高校を卒業したばかりの彼女の口はとても気持ち良くて。
憧れていた大人のお姉さんからの愛撫に、童貞の俺はあっという間に射精してしまった。


「春と仲良くしてくれたらまたご褒美をあげますね…♪」

その後始末を終えた後、良子さんは俺に言い含めるようにそう繰り返した。
当時の俺にとって、それは忘却の彼方にあったと彼女が知っていた訳ではないのだろう。
……ただ、その言葉は俺にとってショックなものだった。
俺に初恋の女性というのがいるとすれば、それは間違いなく良子さんなのだから。
そんな彼女からフェラされるのがただの『ご褒美』だったと言うのは夢見がちな男子中学生にはダメージがデカイ。

「…では、また春がいない時に…ね♪」

だが、その誘惑は決して断ち切れるものではなかった。
中学1年生と言えば、いい加減、性的なものも覚える時期なのだから。
実際、俺はもう精通を経験し、良子さんの口にも精液を思いっきり吐き出していた。
そんな俺が良子さんの『ご褒美』を拒めるはずがない。
春の家で出会う度、幼馴染に隠れて繰り返されるそれは下半身が蕩けるほど気持ちの良いものだった。


「ちょっと間が空いてしまいましたね。久しぶりです、京太郎」

……そして俺が高校生になった日。
今まで春の家で出会うばかりだった良子さんは、初めて俺の家に訪ねてきた。
今までのように偶発的な出会いではなく、俺の事を求めてのそれに俺が一体、どれほど興奮したか。
小学校の時はキス、中学はフェラと順調にエスカレートしている以上、高校はその先 ―― セックスしかないのだから。
親のいない時間に良子さんを招き入れた瞬間から、俺の股間は勃起し始めていた。

「では…今日もご褒美をあげましょうか…♥」

そんな俺の期待に良子さんは応えてくれた。
彼女の髪とお揃いの淡い紫色のスーツを脱ぎ、大人っぽい黒の下着を俺に晒す。
そのまま愛撫を始める良子さんを、俺は半ば襲いかかるように押し倒した。
童貞故の焦りと欲望に満ちたそれを彼女もまた受け入れてくれて。
俺は晴れて童貞卒業となった訳なのだけれど。


京太郎「うあ…あぁ…」

良子「ふゅふ…♪」

その日から俺と彼女の関係は一変していた。
今までは『ご褒美』と言う繋がりこそあれど、対外的には『幼馴染の従姉妹』でしかなかった良子さん。
だが、高校に上がってからは俺自身と親交を深めようとしているように何度も家に訪ねてきてくれた。
両親とも急速に仲良くなっていった彼女は、半ば親公認となったのである。
…そんな良子さんが『ご褒美』を躊躇するはずもなく、オフの日はこうして俺の部屋で『ご褒美』をくれるのが当たり前になっていた。

京太郎「(も、勿論、俺も嫌じゃないんだけれどさ)」

俺にとって良子さんは今も憧れの女性だ。
一足先に社会人になり、麻雀プロとして大活躍する彼女が、今、俺の足元に傅き、フェラをしていると思うとムラムラ感が強くなる。
そんな俺の興奮を身体で全て受け止めてくれる良子さんの存在は男子高校生にとって贅沢と言えるものなんだろう。
だが、一方で俺達の関係はあんまりにも曖昧過ぎるんだ。
親公認で、半ば春と変わらないように扱われているけれど、恋人ではない。
彼女のオフの日は大抵セックスするけれど、俺達の関係そのものは未だ前に進んではいなかった。


京太郎「(良子さんは、俺の事、なんて思ってるんだろうか?)」

俺の知る戒能良子は一面的なものでしかない。
だが、彼女が誰かれ構わずこんな事をするタイプではないのはこれまでの付き合いで良く分かっていた。
だから、間違いなく、好かれているとは思うのだけれど、それが果たして男に向けるものなのかそうではないのか。
薄いながらも付き合いがあった九年間、そしてそれとは比べ物にならないほど濃厚なこの数ヶ月を経ても、俺は分からないままだった。

良子「ぢゅるるう」

京太郎「うぉ…」

そんな俺のムスコを、良子さんはバキュームする。
ねっとりと頬肉全部でしゃぶるようなそれははしたなく、そして何より気持ち良い。
彼女の綺麗な顔がひょっとこのように崩れる様に強い背徳感と興奮も覚えてしまう。
結果、情けない声を漏らしてしまった俺の分身を、良子さんは焦らすように舐めまわしながら口を離して。


良子「京太郎、一体、何をシンキングしてるんですか?」

京太郎「い、いや、その…」

当然、それは良子さんの事だ。
どうして『従姉妹の幼馴染』でしかない俺にここまでしてくれるのか。
相変わらずこれは俺への『ご褒美』でしかないのか。
そんな言葉が俺の脳裏を過って、どうにも集中出来ない。
無論、興奮が思考を上回ればそんな事はお構いなしになるのだけれど、始まったばかりの状態でケダモノになれるほど俺の悩みは小さなものではなかった。

良子「私と京太郎の仲です。悩みがあるなら聞きますよ」

京太郎「いや…な、何でもないっす」

良子「…そうですか」

だが、だからと言って良子さんにそれを伝える事は出来ない。
そんな事を言えば、彼女との関係が壊れてしまうかもしれないのだから。
良子さんとこうしてセックス出来ているだけで満足するべき。
彼女の事を想えば想うほど、臆病な俺が強くなっていくのが分かる。


良子「…でも、それなら私に集中してください」

良子「フェラチオと言うのは中々に疲れるものなんですから」

良子「気もそぞろな状態だと幾ら私でもサッドです」

京太郎「すみません…」

良子さんの声が微かに拗ねるようなものになるのは、俺が彼女の好意をフイにしてしまったからだろう。
俺の悩みに対して踏み込んでくれた事もそうだし、フェラチオに関してもそう。
恋人にフェラして貰えるなんて一握りだと言う事を想えば、ここは彼女の口に集中するべき。
それは良子さんに言われずとも分かっている事なのだけれど…。

良子「まぁ、京太郎のペニスはもう十分、その気みたいですけれどね…♥」レロォ

京太郎「ぅ…」

瞬間、良子さんの舌が俺の肉棒を舐め回す。
さっきのように口の中でもどかしそうに這いまわるものとは違う ―― 味わう為のもの。
幾度となく俺の事を射精させてきたその舌はあまりにも器用に俺の肌を撫でた。
裏筋からカリ首まで…俺の感じる部分を熟知しているそれに興奮が強まるのが分かる。


良子「ふふ…♥相変わらず逞しいですね…♪」

良子「ジュニアハイの頃からとってもビッグでしたけれど…♥」

良子「今はもう慣れた私の口でも一杯一杯です…♪」

正直、その辺りの自覚はあまりない。
女の人の胸とは違って、男のアレは外見からパッと分かるものじゃないんだから。
決して小さいとは思わないが、同年代と比べてどれほど大きいかはまったく分からなかった。
ただ、それでも良子さんにそう言って貰えるのはやっぱり嬉しいし、何より自尊心を擽られる。

良子「こんな凶悪なペニスを魅せつけるなんて…京太郎は悪い子です…♥」

良子「私はもう何度もコレに鳴かされて…アクメさせられてるんですからね…♪」

良子「こんなにビンビンになったペニスを突きつけられたら…それだけでダメになります…♥」

良子「子宮がキュンキュンして…京太郎のペニス欲しいってラブジュース垂れ流しちゃうんですよぉ♥」

その上、良子さんは粘っこく自身の状態を伝えてくれる。
俺の部屋に入ってからスーツの一つも脱いでおらず、何の愛撫も受けていない良子さんが。
俺のチンポをフェラしているだけで濡れ始めている事を、淫らな声で教えてくれるんだ。
それが一体、どれほど俺の事を興奮させてくれる事か。
正直、それを耳元で囁かれるだけで勃起出来る自信がある。


良子「ちゅ…♪ ぺる…♥」

京太郎「はぁ…」

良子「うふ…♥ その上、テイストもスメルも…最高です…♪」

良子「硬さも大きさも…はむ…♪ うん…申し分なし…♥」

良子「形も…れろぉぉ…♪ちる…♥」

京太郎「っく…」

良子「んふ…♪ ここのカリ首が…とっても女の子泣かせです…♥」

良子さんの賞賛はただ言葉だけに留まらなかった。
俺の事を誂うように舐め、咥え、扱く。
こうしている間も俺の興奮に燃料をくべるようなその愛撫に俺は抗えない。
彼女の賞賛がとても淫らなのと相まって、口から声が漏れてしまう。

良子「…まさにメスを堕とす為のペニスですね♪」

良子「これなら春もイチコロです…♥」

京太郎「…っ」

しかし、その声は、突如として良子さんの口から飛び出した春の名前に途切れてしまう。
俺にとって春は良子さんとはまた別の意味で大事な少女なのだ。
今も同じクラスで生活している彼女のことを俺はただの幼馴染ではなく、手間の掛かる妹のようにも思っている。
そんな彼女がイチコロとは一体、どういう意味なのか。
胸中に浮かぶその困惑は興奮よりも遙かに根強いものだった。


京太郎「よ、良子さん、何を…?」

良子「…興味ありませんか?」

良子「春は私から見ても良い子で、スタイルも抜群です…♪」

良子「その上、京太郎にとってもっとも親しい女の子なんですよ…♥」

良子「そんな春を…このペニスで鳴かせて、自分のモノにしたくありません?」

京太郎「そ、それは…」

…したくないと即答する事は出来なかった。
俺にとって春はそういう対象じゃない。
ないが…しかし、彼女がどれほど魅力的かをずっと側にいた俺が良く理解しているのだから。
従姉妹の良子さんと同じくその胸をむっちりと実らせた彼女に、何度メスの匂いを感じたか分からない。
ましてや、今は良子さんの手によって、俺の肉棒はガチガチに勃起している。
その燃料ともなる興奮が俺の脳裏に春を堕とす淫らなイメージを浮かべさせた。

京太郎「お、俺はする気はありませんよ」

ただ、それは俺にとって忌避感すら感じるものだった。
俺にとって、幼馴染の存在は決して傷つけて良いものではないのだから。
例え、良子さんの言う通り、イチコロだったとしても、レイプのような事はしたくない。
それが偽らざる俺の本心だった。


良子「でも、春の名前を出した途端、京太郎のペニスはビクンってしましたよ…♥」

京太郎「う…」

良子「私は春よりも京太郎の身体を熟知してるんです…♪」

良子「シークレットなんて作れると思わない方が良いですよ…♥」

でも、心と身体と言うのはやっぱり別物なのだろう。
良子さんの言葉をハッキリと拒絶しながらも、確かに俺の身体は反応していた。
それを生理的な反応だと言うのは容易いが、それで良子さんが納得するとは思えない。
俺の身体を熟知しているという彼女の言葉には自尊心すら感じられるものだったのだから。

良子「…………少し妬けますね」

京太郎「え?」

次の瞬間、彼女が漏らした言葉は、今までのように艶めいたものではなかった。
興奮がサッと引いたようなその声に俺は思わず疑問の声をあげてしまう。
さっきまで自尊心を浮かべていた彼女が、一体、何に嫉妬しているのか。
一秒ほど遅れて、俺はそんな疑問を口にしようとして。


プルルルルル

京太郎「っ」

着信音。
聞き慣れたそれに俺の言葉は喉元で引っ込んでしまった。
なにせ、今の俺はこれから良子さんとセックスしようとしているのだから。
既に下半身を露出させた俺にとって、その音は気まずさを呼び起こすものだった。

京太郎「(し、しかも、俺のスマホからだし…!)」

良子「…ふーん」

流石に電源を切るのはやり過ぎだったかもしれないがマナーモードにくらいするべきだったかもしれない。
今更なその後悔は、良子さんの顔から興奮の色が抜けていくからだった。
ムードを霧散させられた今、彼女が一体、何を考えているのか分からない。
分からないが、このまま続行という気分ではない事だけは伝わってくる。


良子「…取っても良いですよ」

京太郎「い、いや、でも…」

良子「そのくらいで文句を言うほど私は狭量ではありません」

…良子さんは一般的にクールビューティで表情の変化に乏しいタイプだと言われている。
俺もそれが100%間違いであると言うつもりはない。
…だが、俺の前でスクっと立ち上がる彼女にその面影はまったく感じられなかった。
その頬を微かに膨らませた顔には不満の色がありありと浮かんでいる。
さっきの着信音に拗ねているのは間違いないだろう。

京太郎「(…でも、ここで電源を切ったところで火に油を注ぐだけだろうし)」ゴソゴソ

…ここは良子さんの言葉に甘えて通話に出るとしよう。
その上で、可能な限り早く通話を終わらせて、彼女の機嫌を取るべきだ。
今日のセックスは諦めるにしても、このまま良子さんが帰ったりしたらあまりにも気まずすぎるし。
また次も来て良いとそう思って貰えるように、こっちから誠心誠意尽くすとして…っと。


京太郎「(って、春からか…)」

ベッドの上に転がっていたスマートフォンには俺の幼馴染の名前が浮かんでいる。
瞬間、俺が気まずさを覚えるのは、良子さんの言葉を思い出してしまうからだ。
ともすれば、俺の下で快楽に身悶える幼馴染の姿にも繋がりそうなそれを俺は頭を振りながら追い払った。

京太郎「は、はい。もしもし」

春「あ、京太郎…今、大丈夫?」

京太郎「お、おう。大丈夫だ」

良子「…」チラ

そのまま通話に出た俺に良子さんは視線を送る。
俺の様子を伺うような、物言いたげなそこに一体、どういう意味がこもっているのか。
思考の半分を春との会話に割かれた俺には分からない。
分からないが…何かとてつもなく嫌な予感がする…。


春「…良かった。じゃあ、少し話に付き合ってもらえる?」

京太郎「あぁ。構わないけれど…何かあったのか?」

春がこうして俺に電話をかけてくるのは珍しい。
春は口下手で自己主張も苦手なタイプだからなぁ。
一番親しい俺に対しては基本的にべったりで、学校では殆ど一緒。
実際、良子さんが来る数時間前まで一緒だった彼女がわざわざ俺の電話をかけてきた回数なんて多分、十回にも満たないんじゃないだろうか。

春「…何でもない。ただ、京太郎の声が聞きたくて」

京太郎「なんだ、何時もの甘えたか」

春「…京太郎にはそうなるだけ」

京太郎「そうやって持ち上げても何も出ないぞ」

良子「…」

とは言え、幼馴染が俺の声を聞きたいと言っているのに拒む理由はない。
その外見からは信じられないほど春が甘えん坊であるという事は俺も良く分かっているんだから。
甘えたいと言うのであれば、存分に甘えさせてやろう。
そんな気持ちと共に春に応えた瞬間、視界の端で良子さんの身体が動いた。


―― 瞬間、俺の中で嫌な予感が急激に強まる。

背筋に冷や汗が浮かびそうなほど強烈な予感。
まるでこの場から逃げろと訴えかけるそれに俺は反応出来なかった。
なにせ、俺は春と通話し、そして下半身を露出されているままなのだから。
結果、すぐさま身動きなど取れるはずもない俺の前にに良子さんは再び跪いて。

春「それは困る。京太郎には一杯、声だしてもらえないと安心出来ない」

京太郎「じゃあ、一分十えんんっ!?」

良子「…あむ…♪」

そのまま彼女は俺の亀頭を口に含んだ。
春との通話中もずっと勃起し続けていたそれは彼女の粘膜に強い快感を感じてしまう。
途中で愛撫を中断されていたムスコにとって、久方ぶりの良子さんの口はあまりにも心地良いものらしい。
ついつい声が上擦って、言葉も途中で途切れてしまう。



春「…京太郎?」

京太郎「い、いや、ちょっと物を落としそうになってさ」

春「…京太郎は慌てん坊」

京太郎「あ、甘えん坊の春よりはマシだろ」

春「…そうかも」クス

当然、春はそんな俺を心配してくれる。
こうして遠慮のないやり取りが出来る関係になったとは言え、彼女の心優しさは変わらないのだから。
それを誤魔化すのは辛いが、しかし、今、お前の従姉妹にフェラチオされているなど言う訳にはいかない。
俺と良子さんの関係は今も昔も春にはずっと秘密なのだから。

京太郎「(ちょ…良子さん、何を…!?)」

良子「んふ…♥」

だからこそ、俺はフェラチオを再開する良子さんにダメだと言う事が出来ない。
だが、それでも視線に意味を持たせる事は出来るはずだ。
困惑する心が訴えるまま彼女を見つめた俺に、良子さんはニコリと笑みを返した。
ムスコの先端を咥えながらのそれはとても淫らで、なおかつ嗜虐的なものを感じさせる。


京太郎「(と、止めるつもりはないって事かよ…!?)」

良子「ちゅぅう…♪」

京太郎「っく…」

胸中に浮かぶ俺の言葉に応えるように、良子さんはねっとりと唇を動かす。
唇の内側の粘膜でムスコの先端を舐めしゃぶるようなそれに俺は声を我慢出来ない。
スマホの向こうには春がいると分かっているのに、ついつい熱の入った声を漏らしてしまう。

春「京太郎…?」

京太郎「あ、あぁ、いや、悪い」

京太郎「そ、それより、春は宿題終わらせたか?」

春「うん。残してても良い事ないから」

京太郎「さ、流石だなー」

このままではまずい。
そう頭では分かっているのに、俺は良子さんの事を引き離す気にはなれなかった。
俺にとって最も辛いのは、今も続く初恋の相手である彼女に嫌われる事なのだから。
ここで彼女を拒んでしまえば、元から不機嫌であった良子さんを本気で怒らせてしまうかもしれない。
そう想う俺にとって、この場で選び取れるのは春と無難な会話を続ける事だけだった。

>>812
この設定だと隠しパラメータ―で不満はありそうですねー
MVP取れないからと言って、ずっと艦むす放っておくと不満パラ堪って逆レされるとかそんな展開がありそう

>>813
とよねえは抱枕にするのも良いけれど、抱枕にされるのも良いと思うんや…

>>814
つまり豊音はふたなりだった?(錯乱)
個人的には豊音は猫と言うよりもまだ年若い大型犬のイメージがありますねー
だが、まるで虎のように発情期には激しくセクロスする豊音も良いと思います(真顔)

>>816>>818
猫にとってのまたたびが京ちゃんのマジカル☆チンポと考えれば、何時でもエロエロ出来るのではないか(錯乱)
まぁ、豊音は割りと性欲強そう(ただしアブノーマルプレイは苦手そう)なので京ちゃん専用エロエロ娘である事に疑う余地はないですね!
ちないにリクエストは大丈夫です
が、>>818さんのおっしゃられているのと魔王化=ハーレム作ると言う過程が今一、つながらないのでご希望に添えるものになるかどうかわかりません(´・ω・`)ゴメンナサイ

京子スレだけど京子要素ほとんど無くなってきてるなーってのは思ってる

リクエストOKなら、京ちゃんが見た目も中身も幼児サイズになった話を

しかし京ちゃんの京ちゃんはビッグマグナムサイズのまま

本編に関しては事前に連絡してるんで別に良いかなーと個人的には思ってます
今回のは元々、艦これのイベントで遅れた分のお詫びのようなものですし、普段もそれほど小ネタばっかりやってるつもりはありません
なので、別スレ立てても管理しきれず堕ちちゃう気しかしないのですよねー…
ただ、ご意見は尤もだと思うので他にそういう意見が複数出るようならちょっと考えます

そして一応、一区切りつくところまで書き終わりましたが、あんまり納得がいく出来にはなってません
なので見直しと修正にもう2日ほど頂きたいです(´・ω・`)長々とお待たせしてごめんなさい
また結構な数のリクエスト貰ったので、この辺りで受付は終了とさせてください(´・ω・`)ところで>>844>>845さんは同一人物で良いのだろうか…


春「…見せて欲しいなら見せてあげるけど」

京太郎「本当か?」

春「…その代わり、今度デートして欲しい」

京太郎「で、デート?」

良子「…」ム

上擦った声でオウム返しをする俺の何が気に入らなかったのかは分からない。
だが、俺の亀頭をやらしく吸う良子さんの顔に不機嫌さが増していく。
まるで俺に対して嫉妬してくれているようなその反応は正直、嬉しいけれど。

春「うん…最近、京太郎と一緒に出かけたりする事がなかったから」

京太郎「ま、まぁ、お互い、高校生になった訳だから…な…!」

良子「れろぉ…♪」

それは自然、良子さんの愛撫を激しくするものだった。
咥えた先端を這うような舌は、口の粘膜よりもずっと気持ちが良い。
俺の脳裏にクッキリと浮き出るようなその快楽は、俺の言葉を一瞬、途切れさせる。


京太郎「それに春は麻雀の練習とかある…訳だし…」

春「…分かってる。でも、寂しいの」

京太郎「…春」

ずっと彼女を振り回してきた俺が言うのも何だが、春はとてもおとなしい子だ。
ワガママどころか自己主張の類をあまりせず、俺が誘えばどんな遊びにだって付き合ってくれる。
そんな春の口から、寂しいと言う言葉を聞いた事など果たしてあっただろうか。
中学生まで殆ど一緒だった事を考えるに、恐らくないと思う。

京太郎「(…それだけ俺達の間に距離が出来始めてるって事だよな)」

京太郎「(勿論、そこには春の部活やら致し方ない理由が幾つもある訳だけれど…)」

京太郎「(でも、良子さんとの事で春との関係が少しぎこちなくなっているのも事実で…)」

それで彼女の事を避けるほど俺は薄情な奴ではない。
でも、その気になれば、春と一緒にいる理由を俺は幾らでもひねり出せるはずなのだ。
それをせず、休日にこうして良子さんと部屋に篭っているのは、彼女に対する後ろ暗さも無関係じゃない。
……長い付き合いだ、恐らく春もその辺りの事は薄々感じ取っているんだろう。


春「……ダメ?」

京太郎「そんな訳な…あぁあっ」

そんな彼女に拒絶の言葉を口に出来るはずがない。
幾らか気まずい相手になってはいるものの、俺にとって春はとても大事な存在なのだから。
春が寂しいと言うのであれば、幾らでも付き合ってやろう。
そんな言葉は、しかし、俺の口から出る事はなかった。

京太郎「(よ、良子さん…!?)」

良子「んふ…♪」

それは俺の肉棒を咥える良子さんが両手で俺のムスコを刺激し始めたからだ。
右手で俺の肉竿を握り、左手はその下にある金玉に。
シコシココリコリと俺の性器を弄ぶその技巧は、一朝一夕によって身につけられたものじゃない。
良子さんは俺が中学に上がった時から、春に隠れて俺のムスコを可愛がってくれたのだから。
どうすれば俺が感じてしまうかなんて、彼女にはお見通しなんだろう。


春「…京太郎、さっきから変」

京太郎「気の…気のせいだろ」

勿論、気のせいなんかじゃない。
本格的に始まった良子さんの愛撫に、俺のムスコはビクンと震えるほど悦んでいるんだから。
内心、ずっと期待していたその快楽は、反り返った俺のオス肉を満足させてくれる。
しかし、それは当然の如く、俺の理性とトレードオフで。

京太郎「そ、それよりデートの事に話を戻そうぜ」

良子「~♪」ジュルルル

京太郎「ひぃ…いぃいっ…つが良い…?」

それでも俺は何とか平静だけは保とうとする。
春にだけは心配を掛けまいと上擦る声も必死に抑えようとしていた。
だが、それは良子さんが亀頭飲み込んだ瞬間に台無しにされてしまう。
ゆっくりと、しかし、躊躇いなく俺の肉棒を飲み込んでいく彼女の粘膜にムスコの中から蕩けるような快楽が伝わってくるんだ。


春「…私は何時でも大丈夫。京太郎に合わせる」

京太郎「じゃ、じゃあ…来週末はどうだ?」

春「うん…私は良い」

良子「…ぷあぁ…♪」

瞬間、良子さんは俺の肉棒から口を離した。
俺のムスコの大きさに耐え切れなかったかのようなその唐突さは、彼女の不慣れさを意味しない。
俺のチンポは良子さんに育ててもらったとそう言っても過言ではないのだから。
中学の時よりも幾分デカくなったとは言え、普段、平気でそれを喉奥にねじ込む彼女が耐えられないはずがない。

良子「それは残念ですね…♥」

京太郎「(…え?)」

良子「来週末は私もオフなんですけれど…♥」ジィ

京太郎「~~っ!」

だからこそ、嫌な予感を感じる俺の耳に、彼女の囁くような声が届いた。
スマートフォンのマイクが拾わないようにと極力、抑えられたそれに俺は言葉を失ってしまう。
自分を取るのか、それとも春の方を取るのか。
言外にそんな意味を含ませながら、良子さんは俺を試すように見上げていた。


京太郎「っと、わ、悪い」

春「え…?」

京太郎「ら、来週はちょっと予定入ってたの忘れてた」

京太郎「高久田の奴と映画見に行かなきゃいけないんだ」

良子「ふふ…♥」

…結果、俺は良子さんの方を選んでしまった。
春が大事だとアレほど言いながら…俺は彼女との先約をないがしろにしてしまったのである。
そんな自分が情けなくて肩を落とす俺の下で、良子さんは蕩けるように笑みを浮かべた。
まるで俺の言葉が嬉しくて嬉しくて堪らないと言わんばかりの彼女はそのまま俺のムスコに頬ずりする。

良子「良い子ですね、京太郎…♥」

良子「ここでちゃんと私の事を選んでくれて…とってもハッピーです…♪」

良子「だから、ご褒美…あげますね…♥」ジュルルルル

京太郎「おぉぉ…ぉ」

その頬ずりに何とか声を抑えた俺でも、彼女の『ご褒美』は我慢出来ない。
再び俺のムスコを咥えた良子さんは、そのまま口を降ろして来るのだから。
さっきの再現のようで、しかし、勢いが違うそれは、良子さんが本気になった証。
その食道まで使って俺の肉棒全部を扱き上げる、本気のフェラだった。


京太郎「(や、やばい…こ、このままじゃイかされる…!)」

数えきれないほどそれに搾り取られてきた俺が、長く耐えられるとは思えない。
長くて数分、下手すれば一分ちょっとで俺は良子さんの口に射精してしまうだろう。
そう思うほど気持ち良くて心地の良い口に、俺はギュっとベッドシーツを握りしめた。
しかし、それでどうにかなるほど良子さんの口は生易しいものではなく、蕩けるような快楽がムスコに染みこんでくる。

春「…京太郎」

京太郎「わ、悪い、こ、この埋め合わせは必ず…」

春「…良子姉さんがそこにいるの?」

京太郎「え…?」

―― そんな俺の身体を春の言葉が凍えさせた。

予想外のその言葉に、興奮混じりの思考も固まる。
一体、春はどうして良子さんの存在に気づいたのか。
まさかスマートフォンのマイクが良子さんの囁きを拾ってしまった?
いや、そうだとしてもアレほど小さい声で、彼女だと判別出来るはずがない。
しかし、春の言葉は確信さえ感じさせるもので…。


良子「じゅぽぉ♪ ぐ…ちゅぅううう♥」

京太郎「あぁ…っ」

って、ち、違う。
今はフリーズした思考に答えの出ない疑問を浮かべている場合じゃない。
まるで本物のように蠢く良子さんの口マンコを堪能する…ってそれも違う…!
何とかして春を誤魔化さなきゃ…春と良子さんの関係が悪くなってしまうんだ。
まるで姉妹同然に仲が良い二人が、俺のせいで仲違いするところなんて見たくない。

京太郎「ば、馬鹿な事言うなよ」

京太郎「なんで良子さんが俺の部屋…に…くうぅう」

良子「ぢゅぅうう♪ ぐっぽ♥ ぐぽぉおっ♥♥」

……なのに、その誤魔化しの言葉さえあっさりと中断させられてしまう。
ひょっとこ顔で本気フェラを繰り返す良子さんは、まったく容赦の欠片もなかった。
その口からだらしのないフェラ音をかき鳴らしながら、俺のムスコを美味そうに飲み込んでいる。
その瞳から今にも涙が流れ出てしまいそうなほど興奮したメスの顔に…俺の思考力も奪われて…。


京太郎「はぁ…はぁ…うぅぅ…!」

春「……」

何か言わなきゃいけない。
そんな思考は既に俺の中で空回りを始めていた。
良子さんから与えられる快楽に、俺の意識はもう絶頂へと傾いているんだから。
このまま良子さんにイかせて欲しい。
でも、このままじゃ春を騙す事が出来ない。
そんな二律背反に捕まった俺に、春はただ無言を返した。

京太郎「うあ…おぉう…っ」

春「ぐす…」

京太郎「っ!」

…だけど、それは彼女が平然としているからじゃない。
当然と言っても良いそれに俺が気づいたのは、電話口から微かに泣き声が聞こえたからだった。
幼稚園で孤立してた時からずっと俺が守って来た幼馴染が、今、俺の所為で泣いている。
それに勢いを取り戻した理性が、俺の口を動かして。


良子「ん…♪」パッ ピッ

京太郎「あ、ちょ…っ」

しかし、その前に俺のスマートフォンは良子さんに奪われる。
そのまま通話を切った彼女はそれを無造作にベッドの上へと放り投げた。
それに抗議しようとした瞬間、立ち止まっていた良子さんの口が再び激しく動き出す。
その瞳を爛々と輝かせながらのそれに俺の腰はガクガクと揺れた。

京太郎「(ダメだ…イきたい…っ)」

京太郎「(こんなのダメだって分かっているのに…)」

京太郎「(良子さんに…勝てない…ぃ…)」

良子「ふゅふふぅ…♥」

ここで俺がするべきは、良子さんを離して、春に電話をかけ直す事だ。
理性が何度となくそう叫んでも、俺の身体は彼女のことを突き放そうとしない。
寧ろ、情けない喘ぎ声をあげながら、彼女の頭を掴んでしまう。
そんな俺に良子さんは妖しげな笑みを浮かべながら、ストロークをさらに激しくして。



―― 結果、俺はそのまま劣情に流され続け、後ろめたさから逃げるように良子さんと何度も肌を重ねたのだった。



………


……






出勤準備ー(´・ω・`)そして大人の良子さんはもうちょっとだけ続くんじゃよ

リクした者ですけどいい……非常に……
大変おつです

これは紛うことなきクズ男ですね…間違いない

乙です
良子さんすこ


―― 幼い頃の私は自分の事をクールだと思っていました。

それはおおよそ間違いではなかったのでしょう。
どれだけ周りが楽しそうでも、私はそれに興じる事が出来なかったのですから。
同年代の少女たちが夢中だったアレコレは、殆ど私にとって興味の対象外で。
しぶしぶ、周りに合わせていたのを今でも良く覚えています。

―― けれど、それだけではない。

それを知ったのは私が小学校の高学年になったばかり日でした。
当時の私は相変わらず、何処か冷めている有様で、仲の良い友だちというものを作れなかったのです。
流石にクラスで孤立したりはしませんでしたが、しかし、小学校という場所は決して楽しい場所ではなくて。
そんな私に気を遣ってくれたのか、両親は私ととても仲が良かった従姉妹の ―― 春の家へと連れて来てくれたのです。


―― そして、私はそこで彼に…私のデスティニーに出会いました。

「俺、須賀京太郎って言うんだ! よろしくな!」

……当時の彼はまだ幼稚園から小学校に上がったばかり。
身長もまだまだ小さく、五歳も年上の私にも敬語を使わない ―― 所謂、ワルガキでした。
でも、その顔一杯にキラキラとした表情を浮かべる彼は可愛くて、何より愛おしくて。
…私は彼に ―― 小学校一年生の京太郎に一目惚れをしてしまったんです。

―― 勿論、それまでも春から彼のグッドなところを聞いていたというのもあるのでしょうが。

私に負けず劣らず、春は早熟な子でした。
幼稚園の頃から冷めがちだった彼女は、しかし、私と違って孤立していたのです。
そんな彼女に根気よく話しかけ、友達になってくれた彼に春は恋をしていました。
父性を求めて年上の男性に惹かれるのとは違う、幼いながらも本気の恋。
まだ生まれて十年も経っていないのにそれを経験してしまった彼女は会う度に京太郎の事ばかりをトークしていました。


―― だから、いけないと言うのは最初から分かっていたのです。

一人っ子の私にとって、春は妹のような存在でした。
性格的にも良く似ている彼女の恋路を応援してあげたい。
京太郎と出会うまでの私は、心の底からそう思っていたのですから。
…ですが、私は彼と出会った瞬間に、それを放り出してしまいました。
彼にニコリと笑われただけで…私の中の優先順位は大きく書き換わってしまったのです。

―― 結果、私は自分を止める事が出来なくて。

…初めて会ったその日に私は春に隠れて彼とキスしました。
幾ら私が早熟だったと言っても、当然、異性とのキスを経験しているはずがありません。
それを小学校に上がったばかりの男の子へ捧げる事に、私は微塵の躊躇いを感じませんでした。
当時の私にとって ―― いいえ、今の私のとっても須賀京太郎はデスティニーなのですから。
彼と出会う為に生まれてきたのだとさえ思う相手に、初めてのキスを捧げる事に後悔を覚えるはずがありません。


「これからも春のフレンドでいてくれるならご褒美をあげますね…♥」

私はそれまで自分の事をクールなタイプだと思っていました。
しかし、その実、私はとてもホットで、そしてジェラシーが強いタイプだったのでしょう。
キスの後に伝えたその言葉は、彼の心に楔を打ち込む為のものだったのですから。
これから先、春のフレンドであり続けるであろう京太郎は、決してそれを忘れる事が出来ません。
私のご褒美が欲しいから春のフレンドであるのか、それともそんなの関係なしに春のフレンドでありたいと想っているのか。
そんな迷いを与えるであろうと分かっていても…私はそれを口にしました。

―― それは勿論、春に負けたくなかったからです。

春はとてもいじらしく、また魅力的な子です。
五歳と言う絶望的な年齢差がある私よりも、常に側にいて京太郎と遊べる春の方を好きになるのが当然。
……そんな彼女の勝つと言う事が、その幼い恋心を踏みにじる事だと分かっていても…。
私は…京太郎の心を手に入れたくて仕方がなかったのです。


―― 正直、それは薄氷を踏むようにデンジャーなものでしたけれど。

一歩間違えれば、京太郎と疎遠になってしまう。
そんな綱渡りを私は9年以上渡り続けました。
欲望のまま京太郎を襲おうとする自分を抑え、一心不乱に自身の魅力を磨き。
成熟していく彼に合わせて、誘惑の手法を変えた私の隣に…今、京太郎が、私の愛しい人がいます。

京太郎「ん…んん…」

良子「…ふふ♥」

彼は出会った頃とは比べ物にならないほどたくましくなりました。
身長はもう私よりも遙かに大きくなり、マッスルも信じられないほど硬くなりました。
身体中の何処からも男である事が伝わってくるその姿に、もうかつての面影は殆ど見つけられません。
ですが、それは私の心に幻滅のカラーを呼び起こしたりはしません。
その成長を横で見続けてきた私にとって、立派な男になったその姿も愛おしいものでした。


良子「ホント…私の事をどんどん好きにさせるんですから…♥」

日増しに強くなっていくのを感じる彼への感情。
それが私の口から漏れるのは、京太郎の成長が著しいからでしょう。
特にセックスの分野に関しては、物覚えが良いと言うレベルではありません。
事前に知識を仕入れ、色々と練習もしていた私がずっとアドバンテージを握り続けられたのは最初の数回のみ。
後は途中で逆転され、彼のペニスに喘がされるメスにされてしまうのでした。

良子「(…今日もまた意識がトぶまでアクメさせられて…♪)」

途中で春からの連絡があったからでしょうか。
今日の彼は何時もよりもさらに激しく私の事を犯してくれました。
まるで気まずさから逃げようとするようなその激しさが私は嬉しくて嬉しくて仕方がありません。
それは私に彼のメスである事を思い知らせ、それと同時に自身の特別性もまた意識させてくれるものなのですから。
アレほど春が恋い焦がれた京太郎が、こんなにも自分に夢中になっている。
背徳感混じりのその興奮は、私と幾度となくオルガズムへと連れて行ってくれました。


良子「(…ですが、このままではいけませんね)」

勿論、私は京太郎にアクメさせられるのは嫌いではありません。
寧ろ、彼のペニスによって開発された身体は常に京太郎を求めて疼いているくらいでした。
そんな私に京太郎も応えてくれますが、しかし、お互いの耐久力には差がでる一方なのです。
彼の成長が著し過ぎるのも相まって、ここ最近は最後まで付き合えた記憶がありません。
途中でアクメ堕ちして後始末なんかも彼に任せっきりになっています。

良子「(…恐らく京太郎も心から満足出来ている訳ではないでしょう)」

中学の頃からずっとかわいがってきた彼のペニスはとても貪欲です。
一度や二度の射精では収まらず、もっともっとと子どものように私を求め続けてくれるのですから。
そんな彼と毎日セックス出来れば、まだ話も簡単なのでしょうが、しかし、仮にも私は麻雀プロ。
彼とのフューチャーを輝かしいものにする為には、それを辞める訳にはいきません。
結果、私はたまのオフにしか彼の部屋を訪ねる事が出来ず、自分だけではなく、彼にも寂しい我慢をさせているのです。


良子「(…このままでは他のガールに京太郎を寝取られてしまうかもしれません)」

…京太郎の周りには春を筆頭に魅力的な子達が多いです。
私よりもずっと年近く、また一緒にいられる時間も多い彼女たちの誘惑に京太郎が果たして耐えられるかどうか。
……『恋人』としての欲目込でも、京太郎が耐えられるところがイメージ出来ません。
オフの度に彼の並桁外れた性欲に子宮を満たされる私にとって、寧ろ、寝取られる方がイメージしやすいのです。

良子「(ですが、そんなの絶対に嫌です)」

良子「(京太郎は…京太郎は私のデスティニーなんですから)」

良子「(ぽっと出の小娘になんてあげられません)」

そう心の中で吠えるものの、私は限界が近づいている事に内心、気づいていました。
彼はもう立派な男 ―― いいえ、オスであり、私の手には収まらなくなりつつあるのですから。
それを無理やり、抑えこもうとしても、ただこぼれ落ちるだけ。
……取り返しのつかないそれを防ぐには、やはり自分以外の『誰か』の手を借りるしかないのでしょう。


良子「(となると…やはり春ですか)」

私よりも早く堕ち、そして血と性格の両方で私と繋がりのある彼女。
…ジェラシーが強いと自覚する私でも、春の存在だけは許容出来るようでした。
さっきのような激しい拒否反応は出ず、致し方ない事として受け入れる事が出来ます。
……それはきっと私が彼女の恋路を台無しにしてしまったのだという自覚もあるからなのでしょうが。

良子「(…でも、春は間違いなくNoとは言いません)」

きっと私に思うところはあるでしょう。
電話しながら、私に喘がされていた京太郎に対して幻滅しているかもしれません。
ですが、それでも春は私の誘いに首を縦に振ると断言出来ました。
私と彼女は本当の姉妹のように良く似ているのですから。
好きな男のタイプまでバッチリ一致する私には、春が京太郎の事を諦められない事が良く分かるのです。


良子「(まぁ、アレで春もしたたかなところがありますから油断は禁物でしょうが)」

しかし、彼女の存在は私達にとって丁度良いスパイスになってくれるでしょう。
そう思った途端、私の身体に眠気が這い上がってきました。
…今日だけで京太郎に百回以上アクメさせられた訳ですし。
気絶から立ち直ったとは言え、身体は未だ疲れているのでしょう。

良子「(…今はともかく、休みましょうか)」

良子「(明日から本格的に春との話を進めなければいけませんし)」

良子「(…何より…♥)」スリ

京太郎「ん…」

裸のまま私の横で寝息を立てる彼の身体はとても心地良いものでした。
その胸板に頬をすり寄せる度に、蕩けるような幸福感が胸を満たしていきます。
それに瞼が堕ちそうになるのを、私は拒んだりしません。
すぐ側にまで迫っている最高のスリープは私にとってとても魅力的なものなのですから。

良子「…おやすみなさい、京太郎…♥」

私の後処理をして、先に寝入った京太郎からの返事はありません。
でも、私はそれを寂しく思う事はありませんでした。
トクントクンと心まで響かせるような彼の鼓動が、私の身体を満たしてくれているのですから。
生半可な返事よりもずっと嬉しく、そして心地良いそれに私は甘えるように彼の胸板へと身体を絡みつかせて。


―― 私は春を交えた彼との新しい関係を夢想しながら、ゆっくりと意識をスリープへと浸していくのでした。

流石にあのままフェードアウトははるるが可哀想なので蛇足だと自覚しながらも書いてみる
多分、この後、半ば強制的に3Pさせられたはるるは身も心も完全に堕とされて、二人から離れたくても離れられない状態にさせられるんじゃないですかね(´・ω・`)しゅっきんじゅんびー

一応、修正終わりましたが、結局、八割ほど書き直しになったでござる(´・ω・`)なので一日置いて明日もう一度確認してから投下します

ひゃあもう我慢出来ねぇ!投下だー!!(´・ω・`)あ、ちなみに今回はエロないのでパンツ履いててくだださい


京太郎「はー…」

須賀京太郎にとって入浴中は唯一と言っても良い安らぎの時間だった。
幾人もの少女たちに好意を寄せられている彼は、自室の中でさえそれを得る事が出来ない。
京太郎の部屋は半ば、春と小蒔に占領されているも同然なのだから。
特に春の方から目に見えるほどの好意を寄せられている彼にとって、自室でさえ理性を緩める訳にはいかなかった。

京太郎「(あー…もう。皆、可愛すぎなんだよ…)」

湯船に浸かりながら彼が思い浮かべるのは、彼女たちの魅力だった。
その一人ひとりが美少女と呼べる彼女たちに思い慕われるのは嬉しい。
今の状況がある種、男の夢に近いものだと言う事も自覚出来ていた。
だが、彼は漫画の主人公ではなく、一人の生きた人間なのである。
魅力的な少女たちからアプローチを受ける今の状況に、胃が痛んだ回数は一度や二度ではない。


京太郎「(筋を通そうとしても通させて貰えないしさ…)」

それでもまだ否と言う事が出来れば、彼の心労はずっと軽かっただろう。
彼女たちを拒むのは心が痛むが、その程度で険悪になったりしない程度の関係は築けている。
婚約者がいるからと言う分かりやすい名目もあって、幾分、断りやすかった。
だが、そんな京太郎とは裏腹に、少女たちは彼の答えを聞こうとはしない。
時に自身を人質を取るような手法でジリジリと迫ってきている。
無論、そんな彼女たちの事を京太郎は嫌いになったりしないが。

京太郎「(皆ならもっと良い男でも捕まえられるだろうに…ホント、俺なんかの何処が良いんだか…)」

心に浮かぶ疑問は、日々、強くなっていく一方だった。
以前、明星は京太郎の事を太陽のようだと言ったが、京太郎は自分がそのような素晴らしい人間だとは思えない。
日々を精一杯生きていくしかないような小市民が、一体どうして漫画のような状況になっているのか。
今の状況は自分には分不相応だと言うのが彼の正直な気持ちだった。


京太郎「(でも、後一ヶ月ちょっとでそれも終わりだ)」

一ヶ月も経てば、小蒔の卒業式だ。
その時になれば、また状況も動き始める。
それが一体、どういうものになるかは未だ京太郎にも分かっていない。
だが、今と同じ状況が許されないというのは彼女たちの様子から漠然と伝わってきている。

京太郎「ふー…」

ガチャ

京太郎「え?」

それに疲労感混じりのため息を漏らした瞬間だった。
脱衣所の方から扉が開くような音が聞こえた彼は驚きを声に浮かべる。
下手に鉢合わせなどしないよう、京太郎と少女たちの入浴時間は明確に区切られているのだから。
自分が入浴している今、脱衣所に誰かが入ってくるはずがない。
にも関わらず、聞こえてきたその音に京太郎の背筋にゾワゾワとした感覚が広がっていく。


京太郎「(な、何をびっくりしてるんだよ、俺)」

京太郎「(きっと誰かが脱衣所に忘れ物をしたとかそういうオチだろ)」

京太郎「(まさか、このまま風呂場にまで乗り込んでくるなんて、そんなはず…)」

ガチャ

京太郎「……え゛!?」

それを気のせいだと言い聞かせる京太郎の前で、浴室の扉が動いた。
ゆっくりと、しかし、迷いなく動くその扉に、彼の頬は引き攣る。
一体、どうして浴室の扉が動くのか。
その理由を確かめる為、京太郎は反射的に視線を入り口へと向けてしまう。
瞬間、彼の視界に飛び込んできたのは、バスタオルで前を隠した霞の裸体だった。

京太郎「ちょっ!?か、かかかかかか霞さん!?」

霞「ふふ、こんばんは」ニコ

慌てる京太郎に霞はニコリと明るい笑みを向けた。
その笑みから京太郎が視線を逸らすのは、今の彼女があまりにも破廉恥な格好だからだ。
普段、巫女服に包んでいる身体を惜しげもなく晒す霞の姿は、自身に禁欲を強いる彼にとって猛毒以外の何物でもない。
男であれば誰でも惹かれてしまうであろう芸術的なスタイルは見ているだけで下半身に滾りを生み出しそうだった。


京太郎「ど、どうしてここに?」

京太郎「い、今は俺の時間のはずなんですけど…」

霞「えぇ。勿論、知っているわ」

京太郎「っ」ゴク

京太郎の疑問に霞はまったく臆する気配を見せなかった。
そんな事は分かっているのだと言いながら、一歩二歩と歩みを進める。
目を背けても無駄なのだと言うように、ゆっくりと迫ってくる魅惑的なメスの身体。
それに生唾を飲み込んだ彼に霞は微笑ましそうな表情を浮かべて。

霞「でも、私は京太郎君と一緒にお風呂に入りたかったから」

京太郎「そ、そう言う時は事前に言って下さい」

京太郎「こっちにも準備とかありますし…」

霞「あら、ダメだと言ったりしないのね」

京太郎「悲しいかな、混浴そのものには慣れてますから」

京太郎にとって、異性と一緒に風呂に入るのは珍しい事ではなかった。
インターハイ前には毎日、小蒔達と混浴していたし、それ以降も何度か彼女たちから乞われていたのだから。
どうしても胸はドキドキとしてしまうし、興奮も覚えるが、ちゃんと準備すれば問題はない。
少なくとも、霞との混浴に否と返す理由は彼にはなかった。


京太郎「だ、だから、また後日って事じゃダメですか?」

霞「ダメよ」

ただ、それは事前に話を通され、準備を整えた場合の話。
完全に不意打ちとなった今の状況では、到底、霞の事を歓迎出来ない。
だからこそ、約束という形でこの場をのり切ろうとする彼に、霞は素気無く返した。
ここで引くくらいなら、彼女も最初から乗り込んできてはいない。
京太郎との関係を前進させる為だと素肌を晒す彼女の覚悟はとても硬いものだった。

京太郎「だ、ダメって…」

霞「だって、京太郎君、アレから私の事、全然、甘えさせてくれないじゃない」

霞「私のワガママは何でも叶えてくれるって言ったのに…二人っきりにもなってくれないし」

霞「一緒にお風呂入るって言う約束も、ずっとほったらかしのまま」

霞「……私があの日からどれほど焦らされていたと思う?」

京太郎「すみません…」

霞「謝らなくても良いわ。まぁ、ちょっと拗ねているのは事実だけど…」

霞「でも、京太郎君が色々と忙しくしていた事が分からないような女ではないから」

霞「……ただ、業を煮やして、強引に二人っきりになろうとした私の気持ちも汲んでくれるわよね?」

先に譲歩したのは霞の方だった。
気まずそうな京太郎の謝罪に首を振り、許しの言葉を返してみせる。
だが、彼女は彼に胸を安堵させる暇さえ与えてはしなかった。
先にこちらが許したのだから、そっちも許してくれるだろう。
そんな言葉を裏に秘める霞に京太郎は内心で冷や汗を浮かべた。


京太郎「で、でも、裸はまずいですよ」

霞「その辺りは大丈夫よ。ほら」スッ

京太郎「うぇえ!?」ビク

霞「流石にその反応はないんじゃないかしら」

唯一、肌を隠していたバスタオルを霞はそっと脇へとどけた。
瞬間、視界の端で肌面積が増えたのを感じ取った京太郎から驚きの声が漏れる。
それに霞が唇を尖らせるのは、彼女もまた恋する乙女だからだ。
それなりに勇気を出して晒した肌に、気まずそうな反応をされるのは流石に悲しい。

京太郎「す、すみません。でも…」

霞「さっきも言ったけれど、大丈夫よ。ちゃんと隠さなきゃいけないところは隠してるから」

京太郎「ほ、本当ですか?」

霞「…そんなに私、嘘つきに見える?」

京太郎「そんな事は…ないですけれど…」

霞「じゃあ、京太郎君が譲れないラインを感じ取れないほど馬鹿な女だと思われてるのかしら?」

京太郎「ち、違います」

霞「じゃあ、私の事、ちゃんと見てくれるわよね?」

京太郎「う…」

その声は決して語気の強いものではなかった。
寧ろ、落ち着いていると言っても良いそれに、京太郎は優しく言い聞かせられているような感覚を覚える。
しかし、それは彼の逃げ道を塞ぐものであり、そして同時に有無を言わさないものだった。
それに抗う理由が思いつかない京太郎は気まずそうな声をあげながら、ゆっくりと彼女に向き直る。


霞「ふふ、ようやく見てくれた…♥」

京太郎「お、おうふ…」

霞の言葉は決して嘘ではなかった。
彼女が隠すべき部分は確かに隠されている。
だが、それは所謂、ニプレスであり、京太郎の想像していたような水着とは程遠い。
ハート型の極小シリコンはあまりにも頼りなく、今にも色々なものが溢れだしてしまいそうだった。

京太郎「(つ、つーか…ニプレスのサイズが小さくて乳輪見えちゃってるし)」

京太郎「(下に至っては薄い茂みが丸見えで…)」

霞「どう? 似合っているかしら?」

京太郎「え、えっと、その…」

ある意味では裸よりもずっと淫らな姿に、京太郎はなんと言えば良いのか分からない。
本当に必要最低限な部分だけを桃色のシリコンで隠した霞の姿は魅力的だが、あまりにもフェティッシュ過ぎるのだから。
下手に似合うと言ってしまえば、逆に機嫌を損ねるのではないだろうか。
困惑しながらも彼女の肢体に引き寄せられる意識がそんな言葉を浮かべてしまう。


霞「…京太郎君?」

京太郎「に、似合ってます。最高っす」

霞「嘘じゃないわよね?」

京太郎「そ、そんな格好見せられてお世辞なんて言えないですよ」

霞「うーん…信じてあげたいけれど、すぐに応えてくれなかったし…」

霞「ここはやっぱりちゃんと証拠を見せて貰うべきかしら」

京太郎「し、証拠?」

霞「えぇ。本当に似合ってるなら、京太郎君の下半身もエッチな事になっているでしょう?」チラ

京太郎「う…」

そこで霞がチラリと視線を送るのは湯船に浸かった京太郎の下半身だった。
だが、近くの温泉から引いてきている風呂は、緑色に濁っていてその向こうが見通す事が出来ない。
それを分かっていても、どことなく落ち着かない気分になるのは霞の視線が真剣そのものだからこそ。
本気で自身の下半身を見たがっているのだと伝わってくるその視線に、彼は言葉を詰まらせた。


京太郎「い、いや、でも、それは流石にまずいですよ」

霞「どうして?」

京太郎「ど、どうしてって」

霞「どの道、京太郎君には私の身体を洗ってもらうんだから」

霞「どうしても視界に入ってしまうと思わない?」

霞「それに私は見せ得る限りの全てを見せてるのよ」

霞「それに対して、京太郎君は何も見せてはくれないの?」

京太郎「う…」

霞の言葉にも一理あると京太郎は思ってしまう。
本当に危険な部位こそ隠しているが、彼女は乳輪や陰毛を彼の目に晒しているのだから。
裸とほぼ変わらないと言っても良い霞の言葉に応えないのは不誠実。
だが、覚悟して浴室に踏み込んできた霞とは違い、彼はまだ困惑から立ち直りきれていない。
男性器を包み隠さず霞に見せる覚悟が容易く生まれてくるはずもなかった。


霞「…じゃあ、私、ここでずっと京太郎君の事見てるわ」

霞「そうすれば、京太郎君も湯船からあがる事は出来ないでしょうし」

霞「裸で一緒にお風呂に入ったって皆に思われちゃうだけの状況証拠は出来るから」

京太郎「ま、まさか霞さん…」

霞「勿論、私は皆に対して嘘を吐いたりしたくないわ」

霞「でも、意地悪されちゃうとついつい誤解されるような話し方をしちゃうかもしれないかもね」クス

京太郎「あ゛ー…」

瞬間、霞が見せる笑みが、京太郎には悪魔のそれに思えて仕方がなかった。
彼女がそれを実行すれば、一体、自分がどれほどの苦境に立たされるのかを彼は良く理解している。
霞と裸で入浴したと知れば、当然、他の少女たちも同じ事を望むだろう。
自分がそれを拒もうとしても、今回のように風呂場に踏み込まれてしまえば意味がない。
寧ろ、湧や春などは風呂場どころか布団にまで入り込み、強引に関係を発展させようとするところまで想像出来た。
そんな彼女たちのことを拒み続けられる自信は、自分の何処を見渡しても見つからない。

京太郎「(だ、ダメだ。役者が違う…)」

京太郎「(俺はまだ権謀術数の類を学び始めたばかり)」

京太郎「(そして霞さんはそんな俺の師匠でもあるんだ)」

京太郎「(口では間違いなく勝つ事が出来ない…!)」

自身にとって許容出来ないほどのリスクをぶつけ、強引に要求を飲ませようとする霞。
それに反発しようとする気持ちはあるが、京太郎は完全に八方塞がりだった。
今の霞は圧倒的に有利な立場にあるだけではなく、交渉のアドバンテージも強く握りしめているのだから。
絶対に譲れないラインをも把握している彼女に交渉事で勝てる自信が京太郎にはなかった。


京太郎「(…なら、ここは)」

京太郎「…分かりましたよ」ザバァ

霞「あ…♥」

一気に恥部を晒してしまった方が、まだ気恥ずかしさもマシだ。
半ば自棄っぱちになりながら、躊躇いに言い聞かせた京太郎は浴槽の中から立ち上がる。
瞬間、霞の目に飛び込んでくるのは通常よりも幾分、大きくなった彼の肉棒だ。
重力へと抗うようにその切っ先を微かに持ち上げるその姿は、霞に甘い声を漏らさせる。

霞「(まだほんのちょっぴりって感じだけど…京太郎君、興奮してくれてる…)」

霞「(私の身体をエッチだって思って…見てるだけで勃起してくれているのね…)」

霞「(春ちゃんや明星ちゃんの誘惑にだって耐えたって話だから、正直、かなり心配だったけれど…)」

それはまったくの杞憂だった。
京太郎は鋼の理性を身につけただけで、人並みよりも性欲が強い男なのだから。
霞ほどの美少女が、ほぼ裸と言っても良い姿を晒して平然としていられるはずがない。
見ているだけでその切っ先が反り上がってしまいそうになるのを何とか堪えている状態だった。


京太郎「あ、あの、霞さん、あんまりジロジロ見られると流石に恥ずかしいんですが…」

霞「あら、そうなの?」

京太郎「そ、そうなのって…」

霞「ふふ。私は京太郎君に見られるのが嬉しいから分からなかったわ」

そう微笑みながらも、霞は京太郎の股間から目を背けたりしない。
彼女にとってそこは何よりも魅力的で、そして何より興奮を唆られる場所なのだから。
深く刻み込まれた腹筋や細腕に浮かび上がる上腕筋、甘露が溜まりそうな鎖骨も良いが、やっぱり一番は肉棒だ。
安堵と陶酔混じりのその言葉に、霞は一歩足を踏み出して。

霞「それにそれは京太郎くんが私に興奮してくれた大事な証拠なのよ?」

霞「ちゃんと確かめさせて貰わないと…」

京太郎「い、いやいやいやいやいや!」バッ

霞「…ダメなの?」

京太郎「あ、当たり前じゃないですか…!」

見られるのはまだ何とか我慢も出来たが、触られるとなると話は別だ。
既に京太郎の身体は温泉とはまた別の意味で火照り始めているのだから。
ここで肉棒に触られでもしたら、すぐさまガチガチに勃起してしまう。
流石にそれを霞に晒す訳にはいかないと京太郎は両手で股間を隠した。


霞「じゃあ、今日も私の事、一杯甘えさせてくれる?」ジィ

京太郎「…ホント、霞さんって卑怯ですよね」

断れないタイミングで、断れない要求を的確につきつける。
交渉における基本を忠実に抑える彼女に、京太郎の口から卑怯だという言葉が漏れた。
幾ら困惑が尾を引いているとは言え、自分が霞の思い通りに動いている事くらい分かるのだから。
良いように誘導されているのに気づきながらも、それに抗えないと言う事実に悔しさを感じる。

霞「そうね、確かに卑怯かも」

霞「でも、私の事をずっと放っておいた京太郎くんが悪いのよ」

霞「私、貴方に甘やかせて貰えるのを、ずっと待っていたのに…」

霞「巴ちゃんと二人で練習したり、初美ちゃんと婚約者になったり、明星ちゃんと春ちゃんに如何わしい事をしたりした挙句」

霞「この前は明星ちゃんとデートしていたでしょう?」

京太郎「う」

責め立てるような霞の言葉に京太郎は反論出来なかった。
彼女が一体、自分にどんな感情を向けてくれているのか、彼も薄々、気づいているのだから。
霞の口から並べられた言葉に、自分が一体、どれほど酷い事をやっていたのかを思い知らされてしまう。


霞「別に明星ちゃんとデートしたり、他の子と仲良くなるのが悪いと言う訳じゃないの」

霞「六女仙を預かるものとして、皆が仲良しなのはとても喜ばしい事よ」

霞「…でもね、だからと言って、放って置かれるのはあまりにも寂しいわ」

霞「私も…京太郎君と仲良くしたい」

霞「皆の纏め役としてじゃなく、一人の女の子として貴方に甘えたいの」

霞「それはイケナイ気持ちかしら?」

京太郎「そ、そんな事はありませんよ。俺も霞さんにそう言ってもらえて嬉しいです」

霞「ふふ…♪」

思わず口から出たその言葉は、間違いなく本心だった。
京太郎にとって、石戸霞と言う少女は、頼りになる纏め役と言うだけではない。
自身の理想をそのまま体現したような彼女に、決して少なくない好感を抱いている。
さっきは悔しさから卑怯だと言う言葉が口を突いたが、甘えられる事そのものは決して嫌ではなかった。
寧ろ、そんな霞を知っているのは自分だけなのだと思うと、自尊心が擽られてしまう。

京太郎「で、でも、その、程々にしてくださいね」

京太郎「俺だって男なんですから、色々と間違いが起こってしまうかもしれません」

霞「そんな事絶対に起こらないわ」

京太郎「え?」

断言する霞に京太郎は驚きを隠せなかった。
彼女の言葉には、信じられないほどの信頼が込められていたのだから。
春や小蒔にも並ぶその信頼が何処から来るものなのか、彼にはまったく分からなかった。


霞「この一年見てきたから分かるけれど、京太郎君はとても理性的な子だもの」

霞「春ちゃんの誘惑にもずっと耐えてきた貴方が、今更、自分の欲望に屈するとは思えないわ」

京太郎「で、でも、万が一って事が…」

霞「例え、あったとしても、私はそれを忘れるわ」

霞「今日この場限りの間違いだとして墓場まで持っていってあげる」

霞「誰にも吹聴したりしないし、京太郎君にも迷惑を掛けないと約束するから」

京太郎「…っ」

後腐れのない、一夜限りの関係。
それを彷彿とさせる霞の言葉に京太郎は胸中で本能がざわつくのを感じた。
これほどのメスが誘ってくれているのに、またくだらない意地で据え膳を台無しにするのか。
先走るような欲望の声は、京太郎の心に迷いの色を招き入れる。

霞「だから…ね♥」チラ

京太郎「…い、今のは聞かなかった事にしておきます」

霞「…イケズ」

京太郎「し、仕方ないじゃないですか。今の時点で俺はもう一杯いっぱいなんですから」

京太郎「これ以上、俺の気持ちをグラつかせるような事言わないで下さい」

霞「じゃあ、するのは良いのね♥」サワ

京太郎「お、おぅ…」

瞬間、霞の手が触れたのは京太郎の胸板だった。
筋肉によって微かに膨れ上がったそこは撫でるような彼女の指先に擽ったさを得てしまう。
ともすれば快感にも繋がってしまいそうなそれに京太郎は声をあげながらも一歩引いて。


京太郎「ちょ、か、霞さん…?」

霞「違うでしょ?」

京太郎「え…?」

霞「私はコレから一人の女の子になって、京太郎くんに思いっきり甘やかして貰うんだから」

霞「ちゃんと私の事を前みたいに呼んでくれなきゃダメよ…♪」

京太郎「あー…」

そんな彼に霞は身体でも言葉でも大きく踏み込んでいく。
それに京太郎が気まずそうな声をあげるのは、彼女の要求に抵抗感を感じるからだ。
『須賀京子』の時ならばまだしも、素の自分が彼女の事を呼び捨てにして本当に良いのだろうか。
そんな逡巡を浮かべる京太郎は数秒後、意を決して口を開く。

京太郎「か、霞…」

霞「うん…っ♥」

京太郎「っ」ドキ

躊躇いがちなその呼びかけに、霞は満面の笑みで応える。
たった三文字の言葉が嬉しくて嬉しくて堪らないのだと伝えるようなそれに京太郎の胸はトクンと甘く脈打った。
自身に絶対の信頼を向けてくれている事を身体中で伝えてくれる彼女が愛おしくて仕方がない。
風邪で霞がダウンした時と同じく、庇護欲を強く唆られるのを京太郎は自覚した。


京太郎「そ、それじゃ、まず何からしようか」

霞「霞の頭から洗って」

京太郎「あぁ。お安いご用だ」

『私』ではなく『霞』へと一人称を切り替える霞に京太郎は力強く頷いた。
髪を洗うと言う事は、お互いほぼ裸に近い状態で向き合うと言う状況が解消されるのだから。
その両手で股間を隠しながらも、どことなく居心地の悪さを感じていた彼にとってそれは渡りに船と言っても良いものだった。

霞「じゃあ…はい」ストン

京太郎「…………ん?」

そんな京太郎の前でバスチェアに近づいた霞はそのまま腰を降ろした。
それに彼が疑問の声を漏らすのは、彼女の身体が自分の方へと向いているからこそ。
左手側を鏡に映すようなその角度が一体、何を示すのか、京太郎にはまったく分からない。


霞「来て…♥」スッ

京太郎「っ!?」

それが分かったのは、霞の両足がクパリと両側に開いたからだ。
まるで京太郎が踏み込むスペースを作るような仕草に、彼は誘われているのだと感じ取る。
瞬間、京太郎が言葉を詰まらせてしまうのは、今の彼が何も隠すものを持たないからこそ。
誘われるがままに霞の前に立てば、丁度、彼女の顔辺りに股間が寄ってしまう。

京太郎「う、後ろからじゃダメなのか?」

霞「ダメ。だって、寂しいもの」

霞「ちゃんと私の事見つめながら洗ってくれなきゃ拗ねちゃうわ」プイ

京太郎「うあー…」

プイと顔を背ける霞は可愛い。
立っているだけでも漂ってくる年上らしさは霧散し、まるで子どものような純朴さが彼女から伝わってくる。
完全にスイッチが入ったであろうその姿を、しかし、京太郎は心から喜ぶ気にはなれない。
経験上、今の霞は大きな子どもと言っても良いのだから。
ワガママを口にする彼女をそう簡単に納得させられないのは良く分かっている。


霞「それに京太郎君も気兼ねなく霞の身体が見れるでしょう?」

京太郎「い、いや、別にそこまでジロジロと見るつもりは…」

霞「…嘘つき。霞の身体、さっきからジッと見てるの分かってるんだから」

京太郎「う゛」

バスチェアに腰掛けながら足を広げる霞の姿ははしたないと言っても良いものだった
しかし、それを京太郎はまったく意識していない。
絶世と呼ぶに足る容姿は、にじみ出るようなはしたなさを淫らな美しさへと変換している。
結果、京太郎は秘所を晒すような霞から目を背けられず、ダメだと分かっていながらも欲望混じりの視線を向けてしまう。

霞「霞は嘘つきな京太郎君はあんまり好きじゃないわ」

霞「…だから、無理やりにでも素直にさせてあげようと思うんだけど」

京太郎「すみません。今すぐ行きます」

瞬間、京太郎の背筋に嫌な予感が這い上がってくる。
先ほどよりもずっと濃厚なそれは、京太郎に躊躇いの余地を与えなかった。
このままでは今よりももっと辛く、そして淫らな状況に追い込まれてしまう。
本能的にそれを感じ取った京太郎はゆっくりと湯船の中から足を持ち上げた。


京太郎「お、お邪魔します」

霞「ふふ…♪ どーぞ…♪」

そのまま近づいてくる京太郎の身体に、霞は嫌がる素振りをまったく見せなかった。
ほんの少しでも嫌がるようであれば、そこを糸口にして説得しよう。
そんな京太郎の期待をフイにする彼女の様子に、肉棒は悦ぶように熱を強めた。
今の霞が見つめているのはただ一点 ―― オスの象徴なのだから。
黒ずんだ皮に突き刺さるような強い視線に、どうしても見られているのを意識してしまう。

霞「っ」ゴク

自然、僅かに膨れ上がる陰茎の姿に霞は生唾を飲み込んでしまう。
一歩一歩近づく度に大きくなっていくその肉竿が、彼女は愛おしくて仕方がない。
熱病に浮かされた彼女は幾度となくその肉棒を可愛がり、慈しんで来たのだから。
興奮で持ち上がるその切っ先を突きつけられると、ついつい口に含んでしまいたくなる。


京太郎「そ、その、嫌だったらすぐにどくからさ」

霞「はぁ…はぁ…♪」

霞「……え?何か言った?」

京太郎「い、いや、何でもない」

霞「ぁ…♪」

結果、荒くなった呼吸は、京太郎の肉棒へと振りかかる。
風呂場の温かい空気の中でも、ハッキリと感じるその暑さは彼に霞の興奮を伝えてきた。
まさしく夢中と言った彼女の様子に、京太郎の肉棒はまた大きくなっていく。

霞「(京太郎君の匂い…♪)」

霞「(あの時と同じ…エッチなフェロモン…ぅ♪)」

霞「(こんなの間近で嗅がされたら…霞、ダメになっちゃう…♥)」

霞「(予定も全部忘れて…おしゃぶり奴隷になっちゃうわよ…ぉ♪)」

久しく嗅いだその匂いは、霞にとって媚薬のように作用する。
ほんの数日の間に浴びるほど吸い込んだそれは、完全に彼女の中で淫らな奉仕と結びついてしまったのだ。
最早、不可分と呼べるほど深く繋がり合うそれに霞の思考がクラクラと揺れる。
我慢しなきゃいけない。
でも、何もかも忘れて京太郎の味を楽しみたい。
そんな二律背反の中で、霞はグっと顔を近づけ、瞳の中の肉棒を大きくしていった。


京太郎「ちょ、ち、近くないか?」

霞「逃げちゃだめぇ…♥」ギュ

京太郎「ぬぉお…っ!」

霞「あ…♪」

そんな霞から逃げるように下がろうとした京太郎に、彼女は両手を絡ませる。
その足を抱きかかえるようなそれは自然と彼女の胸を彼の身体へと押し付けさせた。
ニプレス越しに乳首を押し付ける事も厭わないその仕草に京太郎の興奮が強くなる。
自然、ムクリと水平まで持ち上がった肉棒は霞の頬をズリと撫でて。

霞「んふ…♪」スリスリ

京太郎「わ、分かった! 逃げない! 逃げないからそれは勘弁してくれ…!!」

霞「むー…」

そのまま霞は嬉しそうに頬ずりを始める。
甘えるようなその仕草は、しかし、京太郎にとってただ快感を与えるものでしかなかった。
霞の綺麗な頬を肉棒が穢しているという背徳感も手伝って、ムラムラ感が大きくなる。
それを何とか堪らえようとする京太郎は、霞の前で情けない声を漏らした。


京太郎「と、とりあえず髪濡らしていくから」

霞「ん…♥」ジィィィ

それに拗ねるような声を返しながらも、霞は京太郎から僅かに距離を取る。
しかし、その腕を解く事はなく、肉棒に口がつきそうなほど急接近したままだ。
それにドキドキとしながら京太郎は右手側にあるシャワーノズルを手に取る。
それが霞へと向かないように軽く逸らしながら、彼はシャワーコックを捻った。
瞬間、緩やかにノズルから放たれるぬるま湯は数秒後、京太郎の思い通りの熱さになる。
それを右手の指先で確認した彼は俯き加減になった霞にノズルを向けた。

京太郎「熱いとか冷たいとかはないか?」

霞「だ、大丈…夫…♪」

京太郎「そ、そっか」

そうやってぬるま湯を掛けられている間も、霞の思考の大半は京太郎の肉棒に支配されていた。
シャワーから生まれる水のカーテンを突き破るようなその逞しさに胸の奥がキュンと疼く。
それでも何とか口にした言葉は、京太郎が思う以上に甘いものだった。
ある意味ではまったく大丈夫とは思えないその声音に、京太郎は深く突っ込んだりしない。
幾ら鈍感な彼でも、そこに突っ込めば藪蛇になってしまうのだと言う事くらい理解しているのだ。


京太郎「(まぁ、比較的温めにしてあるし、大丈夫って言うのは嘘じゃないんだろうなっと)」

代わりに京太郎は霞の髪に右手を向ける。
そのままシャワーを支える左手とは別に、彼女の髪を持ち上げた。
霞の髪は小蒔よりもずっと長い上、張りの強い髪質をしている。
上からぬるま湯を流すだけでは、ちゃんと濡らす事が出来ない。
そう考えながら髪を解す指先は、丁寧過ぎるほど丁寧なものだった。

霞「ん…」

女性の命である髪を決して傷つけないようにしよう。
そんな感情が込められた指先は、霞に心地良さを与えた。
頭皮に直結するその髪の一本一本は、女性にとって心の琴線と言っても同義なのだから。
それを愛しい男に、しかも、優しく触られているという事実は彼女に満足感を与えてくれる。


京太郎「んじゃ、シャンプーからやっていくからな」

霞「えぇ、お願い…」

霞の髪にしっかりと水を含ませるのは容易い作業ではなかった。
髪量の多い上に、その毛先は腰まで伸びているのだから。
髪を濡らすだけで数分は掛かるその作業を京太郎は厭わない。
徹頭徹尾、優しく丁寧だった彼に、霞はその頬を緩めながら頷く。
それを確認した京太郎は、備え付けの棚からシャンプーボトルを手に取った。
そのまま乳白色の粘液を手の中へと広げた彼は、それを軽く泡立ててから霞の頭を洗い始める。

京太郎「痒いところなんかはないか?」

霞「右のこめかみ辺りがちょっと痒いわ」

京太郎「こっち?」

霞「うぅん…逆側ぁ」

京太郎「悪い、こっちだったか」

京太郎の指先は優しさと力強さの両方を感じさせるものだった。
泡を広げるような繊細な手つきと、ツボを押し込もうとする強い力。
その両方を使いこなそうとするその手は、しかし、まだまだぎこちないものだった。
これまで幾度となく少女たちと混浴して来たとは言え、京太郎は基本的に髪を洗われる側なのだから。
屋敷の中で洗髪上手な小蒔どころか自分にさえ及ばないだろうと霞は思う。


霞「気持ち…良い…♪」

だが、霞にはそれを補って余りある恋慕と依存心があった。
自分の身も心も委ねられる唯一の男から、こんなにも丁寧に髪を洗ってもらえている。
その上、細やかなワガママにまで対応してくれる彼の指先は、心地良さに収まらない。
その胸を甘く疼かせる快感として、彼女に記憶され初めていた。

京太郎「そ、そうか。なら、頑張った甲斐があるかな」

霞「もしかして練習してくれていたの…?」

京太郎「練習ってほどじゃないけど、自分の髪を洗う時に意識はしてたかなぁ」

京太郎と一つ屋根の下で暮らす甘えん坊は、霞だけではない。
春や小蒔、そして湧と言った少女たちもその身体全てを委ねるようにして甘えてくれるのだ。
そんな彼女たちに髪を洗って欲しいと言われた時に、出来ないと返すのはあまりにも情けない。
そう思って彼は密かに自分の髪で練習を積み重ねてきたのである。


霞「…霞の為に?」

京太郎「あぁ。霞に何時でも甘えて貰えるようにな」

霞「えへへ…♪」

無論、彼は霞の髪をこうして洗う事になる事など予想していなかった。
ほんの一ヶ月前まで、京太郎にとって霞は非の打ち所のない最高の淑女だったのだから。
そんな彼女と混浴すら出来るはずがないと彼はずっと思っていたのである。
しかし、京太郎はそれを口にしたりはしない。
今の彼女が求めているのは、誠実な須賀京太郎ではなく、優しい須賀京太郎なのだから。
誰からも立派だと認められる霞が、身も心も預けられるような男を演じるべき。
そう自分に言い聞かせながらの言葉は、霞の口から子どものような笑い声を漏らさせる。

京太郎「まぁ、でも、俺はまだまだ未熟だろうしさ」

京太郎「何か不足があったら遠慮なく言ってくれよ」

霞「今のところは大丈夫よ」

霞「京太郎君の手とても優しくて…暖かくて…力強くて…」

霞「お父様に髪を洗って貰うって、こんな心地なのかしら…」

京太郎「お父様かー」

霞「…嫌?」

京太郎「んな事ねぇよ。寧ろ、光栄だ」

霞は日頃、屋敷の纏め役として多くの責任を背負っている。
霞が今、陶酔混じりに髪を預けているのも、その重圧に疲れているからこそ。
それを理解する京太郎が、彼女の言葉に否と返すはずがない。
ぽしゅぽしゅと膨らませた泡を丁寧に髪へと伸ばしながらそう答える。


京太郎「これから二人っきりの時は俺の事を父親だって思ってくれても良いんだぞ」

霞「…本当?」

京太郎「あぁ。勿論、二人っきりの時以外も霞さえ良ければ、俺は何時でもウェルカムだ」

霞「じゃあ、呼び方も変えて良い?」

京太郎「おう。好きな風に呼んでくれていいぞ」

霞「そう言われると…ちょっと悩んじゃうわね」

霞「お父様と呼ぶのだけじゃ抵抗感があるけれど…」

京太郎に父のように思えと言われるのはとても嬉しい。
だが、彼女にとって京太郎は決して父親には成り得ない存在なのだ。
例え、彼と血が繋がっており、自身の方が年下であっても、それは変わらない。
心の底まで恋する乙女に染められてしまった霞にとって、実の父親と同じ呼び方を彼に向けるのは禁忌に近い感情だった。

霞「何が良いかしら?」ウーン

霞「京父様…とと様…父上…パパ」

京太郎「ぅ」ピク

瞬間、京太郎の肉棒がピクンと揺れるのは、今の状況があまりにも特殊なものだからだ。
霞ほど見目麗しい美少女とほぼ全裸で入浴している上に、肉棒を彼女の顔先につきつけている。
そんな状況の中での『パパ』を、彼はその言葉通りに受け取る事が出来ない。
援助交際を行う女子高生たちが援助相手に好んで遣う特殊な『パパ』のように聞こえてしまう。


霞「ふふ♪ 京太郎君はパパが気に入ってくれたみたいね…♥」

京太郎「い、いや、あの、それは…」

霞「じゃあ、これからもよろしくね、パパ♥」

京太郎「マジかー…」

半勃ちのまま立ち止まってしまった肉の塊が、ほんの少し太さを増す光景。
それを間近で見せられた霞の中で、決定が覆る事はなかった。
呼び名に強い拘りがない彼女にとって、京太郎の興奮と言うのは判断を左右するに足る重要なものなのだから。
その先端から染み出すようなフェロモンも強まっているし、これ以上、議論の余地はない。
そう伝えるようにニコリと微笑む霞の前で、京太郎は頬を強張らせた。

霞「んふ…パーパ…♥」

京太郎「な、なんだ?」

霞「んーん。なんでもない。呼んでみただけよ」

京太郎「…そんなに気に入ったのか?」

霞「えぇ。だって…これは霞だけの特別な呼び方なんだもの…♪」

しかし、好きに呼んで良いと言ったのは自分の方だ。
色々と背徳的な響きがあるが、深く気にしなければ、単純に慕われているだけで済む。
そう自分に言い聞かせる京太郎に、霞は小さく頷いた。
他の少女たちも口にする『京太郎』とは違う、自分だけの特別な呼び方。
それは『自分だけの京太郎』を望めない霞にとって、宝物と言っても良いものだった。


霞「他の皆にはパパって言わせちゃダメよ」

京太郎「…少なくとも、自分からパパって言わせるほど変態じゃないつもりなんだが」

霞「本当に?」

京太郎「信じてくれよ…」

霞「だって、パパって浮気性だもの、簡単に信じられないわ」

京太郎「ぐ…」

霞の言葉は、京太郎の心のデリケートな部分を突いた。
無論、彼も決してあっちこっちに自分から手を出している訳ではない。
既に婚約者もいるのだから、他の少女たちを拒むべきだと分かっている。
だが、周りの少女たちが、それを決して許しはしない。
その言葉が、しかし、言い訳に過ぎない事を京太郎は内心、気づいていた。

霞「こんなに大きいオチンチンだと性欲も強いのかしら…♥」フゥ

京太郎「ちょ、か、霞…!?」

甘えるように言いながら、霞は肉棒に吐息を吹きかけた。
まるで擽るように通り抜けていくその息は、京太郎に快感とも心地良さとも言えない感覚を与える。
しかし、それはギリギリのところで劣情を食い止めている彼にとって媚毒と言っても良いものだった。
だからこそ、止めるように彼女を呼ぶ京太郎に霞はジィと視線を動かして。


霞「霞がこのオチンチンを毎日、処理してあげたら、パパも私だけを見てくれる?」

京太郎「んな事しなくても、俺は霞の事、大事に思ってるよ」

霞「でも、それは霞だけじゃないもん…」

京太郎「じゃあ、霞は小蒔さんや明星ちゃんを蔑ろにしてまで大事にされたいのか?」

霞「……パパの意地悪」

京太郎の言葉を霞はどうしても肯定出来なかった。
勿論、彼の独占を望む彼女と言うのは、決して小さいものではない。
だが、それ以上に霞は『家族』の事を強く、そして深く想っているのだから。
幾ら甘えん坊になったところで、彼女たちの事を蔑ろにして欲しいなど言えるはずがない。

京太郎「そうだ。俺は意地悪だよ」

京太郎「でも、意地悪だからこそ、霞がどれほど良い子…いや、優しい子なのか知ってる」

霞「…パパ」

そこで京太郎が言葉を置き換えたのは、それが霞にとってプレッシャーになりかねないと思ったからだ。
彼女が長年、その重荷を下ろせなかったのは、周囲からの期待も深く関係している。
霞の事を良い子だと石戸に相応しい淑女だと褒め称える言葉が、彼女を雁字搦めにしていたのだ。
そんな霞から全幅の信頼を置かれ、素の石戸霞を晒されている彼にとって、そのニュアンスの違いは軽視出来るものではない。


京太郎「だから、一杯、俺に甘えてくれて良いんだ」

京太郎「俺は意地悪で悪い奴なんだから」

京太郎「気兼ねする事なく、ワガママを言ってくれて良いんだぞ」

霞「ふふ」

京太郎「あー…ダメだった?」

霞「そうね。だって、パパが本当に悪い人なら、霞、甘えられないもの」

霞「もしかしたら、弱みに付け込まれて、エッチな事されちゃうかもしれないわ…♥」

京太郎「…そんな事しないぞ」

霞「でも、パパは悪い人なんでしょう?」

霞「そんな事言われても信じられないわ」クス

無論、霞も京太郎が悪人であると本気で言っている訳ではない。
この一年ずっと一緒に暮らしてきて、彼の善性をずっと間近で見続けていたのだから。
だからこそ、心奪われてしまった彼女の中で、京太郎への信頼感が揺らぐ事はない。
寧ろ、彼の弱みに漬け込んで混浴をねじ込んだ自分のほうが悪人だろうと霞は思う。


霞「…でも、霞はもうパパなしじゃ生きていけないから」

霞「どんなパパが悪くてエッチな人でも…されるがままになっちゃうわ…♥」チラ

京太郎「じゃ、じゃあ、泡を洗い流していくからまた俯いてくれ」

霞「もぉ…」

しかし、それは霞にとって、躊躇う理由にはならなかった。
彼女の中で須賀京太郎という少年は、あまりにも大きく育ちすぎたのだから。
どんな手段を使ってでも、その身体を捧げてでも、自分の側に居続けて欲しい。
そんな感情を込めた霞の視線は、京太郎に興奮とそして気まずさを与える。
結果、逃げるように目を背けた彼に、霞は頬を膨らませながらも従った。

京太郎「はい。完了っと」

霞「ありがとう、パパ」

霞の髪が洗い終わったのは、それから十分以上経過してからだった。
屋敷の中でも一、ニを争うロングヘアを、京太郎は丁寧にケアし続けていたのである。
結果、リンスを終えた彼女の髪はそれまで以上に柔らかくなり、満足するような艶やかさを放っていた。


霞「霞、綺麗になった?」

京太郎「あぁ。最高の美人だよ」

霞「ふふ…♪ そう…そうなの…♥」ニマー

自身に惜しげのない賞賛を送る京太郎に、霞の頬がニンマリと緩んだ。
幾らか世辞も入っている事くらい分かっているが、やはり好きな人に美人と言われるのは嬉しい。
甘えん坊となった今の彼女が、だらしのない表情筋を抑えられるはずがなかった。

霞「霞、パパのオチンチン突きつけられて美人になっちゃったのね」

京太郎「そ、そういう語弊のある言い方をするのは止めないか」

霞「ふふ。じゃあ、パパの愛で…と言うのはどう?」

京太郎「まぁ、それなら…」

自分が霞に向けているのは愛情ではない。
ここでそう訂正を入れるほど京太郎は野暮な人間ではなかった。
リラックスしきった彼女に冷水を浴びせないよう、否定はしないが、肯定もしない。
そんな彼に絡みつかせていた手を霞はゆっくりと解いて。


霞「じゃあ、霞、今度は身体にパパの愛が欲しいわ…♥」

京太郎「…分かってて言ってるよな?」

霞「さぁ、何の事かしら」クス

京太郎を誘い込むような手の広がりと共に霞は甘い呟きを口にする。
今まで以上に媚の色を強くするその声音の裏側には、興奮の色が隠されていた。
自然、誘惑するような彼女の言葉は淫らな響きを伴い、京太郎の胸を疼かせる。
それを何とか押し隠そうとする彼の前で、霞は意味ありげな微笑みを浮かべた。
自分は全てお見通しなのだと伝えるようなそれに京太郎は気まずさを覚える。

霞「…でも、霞はパパとそうなっても良いと思ってるから、幾らでもパパの愛をオネダリしちゃうわ…♥」

京太郎「まぁ、そうしようと思ってたし、断る理由はないけどさ」

霞に肉棒にジィっと見られ続けるよりはずっとマシ。
そんな言葉を胸中に秘めた京太郎は数歩ほど歩いて棚からスポンジを取った。
普段、自分が使っているものよりもずっと柔らかで優しいそれに彼はボディソープを塗ろうとして。


霞「あ、ダメよ」

京太郎「え?」

霞「女の子の肌は敏感なんだもの。スポンジなんか使っちゃダメ」

京太郎「って事は、もしかして…」

霞「パパの手で…愛情込めて洗ってね…♥」

京太郎「…」クラ

そこでストップを掛ける霞の声に京太郎は軽いめまいを感じてしまう。
霞の身体は見ているだけで男根が持ち上がるほどに淫らで、そして美しいのだから。
そんな身体を自身の手で洗うと言うシチュエーションに、欲情しないはずがない。
今はまだ何とか水平を保ってる肉棒も、完全に持ち上がりきってしまうだろう。

京太郎「い、いや、流石にそれはダメだろ」

霞「じゃあ、パパは霞の肌に傷をつけるの?」

霞「傷物にした責任をちゃんと取ってくれるなら、霞はそれでも構わないけれど」

京太郎「い、幾ら敏感肌と言っても、スポンジじゃ傷はつかないんじゃないかな」

霞「あら、そんな事ないわ。毎日、手で洗ってる女の子だっているくらいだし」

京太郎「む…」

日頃、どれだけ女装していようが、京太郎は男だ。
女性である霞からそういうものだと言われれば、納得するしかない。
しかし、だからと言って、霞の身体を手で洗う事を受け入れる訳にはいかなかった。
霞が風邪を引いた時にも同じような事をしたが、その時も理性が吹き飛ぶギリギリまで追い詰められたのだから。
今度、また同じような事をして我慢出来るとは京太郎には思えない。
だからこそ、彼は言葉に詰まりながらも、必死に頭の中で打開策を練るが。


京太郎「(……これが他の子なら、スポンジがダメなら身体を洗うのはなしだって言えるんだけどさ)」

京太郎「(でも、霞は俺以外には甘えられない人なんだ)」

京太郎「(あまり強く拒絶すると俺と言う逃げ場所すら彼女は失ってしまうかもしれない)」

京太郎「(だから、それを口にするにしても、彼女が拒絶されたと思わないように柔らかく伝える必要があって…)」

霞「ねぇ、良いでしょぉ♥」スッ

京太郎「ふおぉ!?」

それが形になる前に、霞の身体がその身体を再び京太郎へと寄せる。
一旦は距離ができた二人の間を、グイと詰め寄るようなそれは彼の身体を壁際へと追い詰めた。
結果、逃げ場のなくなった京太郎に霞は顔を近づける。
半勃ちしたその切っ先からオスのフェロモンを漂わせる肉棒に彼女は再び頬をすり寄せた。

霞「洗って…♥ 霞の事、いっぱい、キレイキレイにして…♪」スリスリ

京太郎「おぬぅう!」

それは子どもが親に抱きついて駄々をこねるようなものだった。
本来ならば、微笑ましいものだったろうその仕草に、しかし、京太郎は笑う事が出来ない。
メスの匂いを撒き散らす霞がその身体で擦り寄っているのは京太郎の肉棒なのだから。
なめらかな彼女の頬にスリスリと刺激されるオスの象徴がムクムクと熱を滾らせながら持ち上がっていく。


京太郎「わ、分かった! 分かったから!!」

霞「ホント? ちゃんとパパの手で洗ってくれる…?」

京太郎「洗わせて頂きますよ、チクショウ!!」

霞「ふふふ…♪」

そうすれば京太郎は断る事が出来ない。
先ほど学習したそれを十二分に活用する霞に、京太郎が勝てるはずがなかった。
このままでは射精しかねないと彼女の要求を素通ししてしまう。
そんな彼を満足そうに見つめながら、霞はゆっくりと身体を離した。

霞「霞、とっても楽しみ…♪」

京太郎「ううぅぅ…」

楽しみと口にする霞の姿に、京太郎はメスの期待を見た。
理性というメッキから顔を覗かせるその色は、このままセックスまで雪崩れ込んでしまいたいと言っているような気がする。
そんな彼女に応えようとするオスを、京太郎は必死に縛り付けた。
ここで自分がするべきは彼女の身体を洗う事であり、欲情に身を任せる事ではない。
燻ぶるような興奮にそう言い聞かせながら、京太郎はスポンジを元の場所へと戻した。


京太郎「(ま、まぁ、俺は一度、霞の身体を拭いているんだ)」

京太郎「(それがどういうものになるのかは大体、想像がつく)」

京太郎「(前もって覚悟出来ていれば、耐える事も難しくはないはずだ)」

それがあまりにも楽観的過ぎる考えだと京太郎も分かっていた。
確かに彼は以前、霞の身体を拭いたが、それはあくまでもタオル越し。
今回のように直接触れることなど殆どなかったのである。
にも関わらず、理性が撃沈寸前まで追い込まれた自分が、霞の身体に耐え切れるとは到底、思えない。
その証拠と言わんばかりに、霞の頬ずりを受けた肉棒はその切っ先を天井へと向け始めていた。

京太郎「すー…はー…」

それでも京太郎に立ち止まることは許されなかった。
不安が胸中に浮かび上がる間も霞は期待の目を向け続けているのだから。
何処かじれったそうな、今にも我慢出来なくなりそうなそれを放置してはいられない。
このまま放っておけば、痺れを切らした霞に襲われる未来さえ彼には見えていた。


京太郎「じゃ、じゃあ…やるぞ」

霞「うん…♥」

だからこそ、大きく深呼吸を繰り返した京太郎は、その手にボディソープを広げた。
彼の大きな手のひらを覆うその白濁液に霞の鼓動は甘く、そして強くなっていく。
ようやく京太郎に、愛しい男に、自分の体を洗って貰える。
胸の奥から湧き上がってくるその悦びに霞は蕩けるような笑みを浮かべた。

霞「きゃぅ」

京太郎「わ、悪い」

霞「ううん、大丈夫」

霞の肩に京太郎の手が触れた瞬間だった。
彼女の口から悲鳴のような声が漏れ、触れ合った肩もビクンと跳ねる。
だが、それは京太郎の手に直接触れられるのが嫌だったからなどではない。
寧ろ、彼女にとってその手はとても心地良いものだった。


京太郎「で、でも…」

霞「ちょっとびっくりしただけだから」

霞「それより…もっと霞の身体を洗って」

霞「パパの手で霞の身体をグチョグチョにして欲しいの…♥」

京太郎「ま、任せろ」

霞「頼りにしてるね…♥」

京太郎の声音が震えるのは、霞の言葉に一縷の希望を見たからだった。
もし、ここで彼女が少しでも嫌がる素振りを見せれば、そこから中止に持っていけるかもしれない。
そんな希望を打ち砕かれる感覚に、しかし、京太郎は落ち込んでいる暇などなかった。
既に霞の身体に触れている以上、迷ったら迷っただけ不利になっていくのだから。
ほんの僅かな勝機を掴む為にも短期決戦で挑んだほうが良い。

霞「ん…っ♪ あぁ…♪」

京太郎「(うぉおおぉお…っ!)」

そう言い聞かせる京太郎に霞の艶やかな声が飛び込んでくる。
歓喜や陶酔だけではないその声音に京太郎の下半身はどうしても熱くなってしまう。
京太郎の知る中で『最高の淑女』である霞が、今、彼の手によって艶声をあげているのだから。
以前も聞いた事があるとは言え、下半身から湧き上がるような興奮を抑える事は出来ない。


京太郎「(しかも、肌も滑らかであっちこっち柔らかいし…っ!)」

京太郎「(ただ肩を洗っているだけで、こんなに興奮させられるなんて…)」

京太郎「(霞の身体、エロ過ぎなんだよ……っ!!)」

京太郎の興奮に火を注いでいるのは彼女の声だけではなかった。
かつて永水女子で三年間エルダーを務め上げた彼女は、肌の張りもまた最高と呼ぶに相応しいものだったのだから。
出来物どころか、シミの一つもないその肌は撫でるだけでもゾクゾクとした興奮を京太郎に覚えさせた。
その上、その内側には女性らしく柔らかな肉が詰まっている事まで明け透けに伝えてくるのだから、肉棒の反りもドンドン強くなっていく。

霞「あぁぁ…♥」ペロ

勃起と呼べるほど大きくなった京太郎の肉棒に、霞の身体は疼きを強める。
京太郎も知らぬ間に、幾度となく舐めしゃぶって来た彼女にとって、それは大好物と言っても良いものなのだから。
今すぐ口の中に迎え入れて、唾液を塗りたくるように可愛がってあげたい。
あの甘くて美味しい精液を喉の奥に直接、流し込んで欲しい。
子宮から湧き上がるその欲求に、霞はつい舌なめずりをしてしまう。


霞「(でも、それは超えちゃいけないラインだろうし…)」

あの手この手で京太郎に要求を飲ませているが、それは彼が絶対に譲れない部分を理解しているからこそ。
自身の胸中で勢いを強めつつある淫欲が、それに接触してしまうであろう事もまた霞は良く分かっていた。
何より、甘えん坊となった彼女にとって最も優先度が高いのは、本当の娘のように可愛がって貰う事。
ここで京太郎の男根をしゃぶる訳にはいかないと、霞は今にも溢れ出しそうな唾液を飲み込んだ。

京太郎「はぁ…はぁ…」

霞「っ♥」キュゥン

しかし、その間にも京太郎の欲情はどんどんと強まっていく。
その手が肩から二の腕に移動した頃には目に見えて呼吸も荒くなっていた。
自身の身体を撫でるように洗いながら、ハァハァと繰り返すオスが霞は愛おしくて仕方がない。
理性に押さえつけられた子宮がキュンキュンと唸るのをハッキリと感じる。


京太郎「う、腕あげるぞ」

霞「ん…♪」

京太郎「お、おぉ…」

お互いにギリギリのところで我慢しあう奇妙な時間。
ほんの少しの変化で崩れ去ってしまいそうなそれは主点を霞の腋へと移動させていく。
瞬間、京太郎の口から声が漏れるのは、明かりの下に晒された彼女の腋がとても美しかったからだ。

京太郎「(ムダ毛が生えてる…とかそんな事を考えてた訳じゃないけれど)」

ほんの僅かな産毛さえ見当たらないツルツルとした肌。
まるで最初からそこには何も生えていなかったのだと訴えるようなそのくぼみに京太郎はフェティッシュなものを感じてしまう。
こんなところを本当に洗ってしまって良いのだろうか。
何故か浮かんできたその考えを心の中で否定しながら、京太郎は霞の前で膝を折った。
そのまま彼女と視線を合わせた彼は、ゆっくりと彼女の腋を撫で始める。


霞「はぁ…ん♪」ピクン

京太郎「っ」ゴク

そこは彼女にとって腕や肩以上に敏感な部分だ。
擽られれば身を捩ってしまうその場所は、塗りたくられる粘液に艶声をあげさせる。
さっきよりも快感の色を強くしたその響きは淫欲に抑制を訴え続ける京太郎にとっては辛い。
だが、何より辛いのは霞が擽ったげに身動ぎする度、その胸がふるんと揺れる事だった。

京太郎「(うわあああ触りたいしゃぶりたい弄びたい挟みたいいいいいいい!!!)」

今の霞はまるで自慢の腋を魅せつけるようにして腕を真上にあげた状態だ。
自然、そのバストを抑えるものは何もなく、頂点のニプレスと共に柔らかく揺れる。
女性の胸に強い興味を抱く京太郎にとって、それは堪らない光景だった。
今、触っている腋など放っておいて、すぐ側の胸を滅茶苦茶にしてやりたい。
理性がどれほど抑えこもうとしてもジワジワと染み出す獣欲は止める事が出来なかった。


京太郎「(いや、まぁ、触れるけれど…触れるんだけどさああああ!!!!)」

基本的に身体は上から洗っていくのが基本だ。
腋が終わった後は胸を洗い始める事になるだろう。
だが、それはあくまでも『洗う』であって、本能の望む『弄ぶ』ではない。
今もざわざわと騒ぐような劣情がそれで満足出来ないのは今からでも目に見えていた。

京太郎「(霞っぱいに一度ならず二度までも直接触れるだけでも幸運なんだ)」

京太郎「(これ以上を望むのは高望み…そうだろう、俺よ…!!)」

京太郎「(だ、だから…そう、だから…)」

霞「ん…♪」ユサ

両腋を洗い終わった京太郎の前で、霞の腕がゆっくりと落ちていく。
瞬間、彼女が視線に込めるのは今まで以上の期待だった。
次は間違いなく、胸を洗ってくれるはず。
そんな確信混じりの目線と共に霞はそっと胸を持ち上げた。


京太郎「(と、とりあえず落ち着こう)」

京太郎「(手で洗っている所為でボディソープの消費も凄いし、一旦ここで補給だ)」

京太郎「(それから深呼吸して万全の態勢で挑まなきゃ…)」

霞「…ね、パパぁ♥」ギュゥ

京太郎「(挑ま…挑…)」

両腕で胸を挟み込み、今まで以上に柔肉を強調する霞に京太郎の意識がクラリと揺れた。
劣情を抑え続ける思考がループするほどの光景に肉棒の切っ先がピクンと跳ねる。
もう我慢も限界だとそう訴えるようなオスの象徴に、京太郎は理性の全てを投入した。
その判断は決して間違っているものではなかったが。

京太郎「(こんなの魅せられて我慢出来るかああああああ!!)」

霞「んあぁっ♪」

京太郎は準備を整える前に霞の胸へと触れてしまう。
本能とはまた別の嗜好を抑えるだけの理性を彼は確保する事が出来なかったのだ。
結果、完全に誘い出されてしまった手から、魅惑的な感覚が伝わってくる。
いっそ叩きつけられるようなそれに理性がひび割れていくのを京太郎は感じた。


京太郎「(柔らかい! スベスベしてる!! 重さも大きさも最高だ…!!)」

京太郎「(なんだよコレ…! い、一体、何なんだよ…!!)」

京太郎「(こんなのが本当に世の中にあって良いのか…!!)」

以前もそれに触れたとは言え、それはほんの僅かな時間。
しかも、当時の彼は敏感な手のひらではなく、手の甲でその感触を受け止めていたのだ。
だが、今は違う。
触れる指先が沈み込むような柔らかさも、手のひらからこぼれ落ちてしまいそうなその大きさも。
何もかもを思うがまま、手で味わう事が出来る。
その状況に京太郎は興奮を通り越して、困惑さえ覚えていた。
だが、それは彼の興奮に水を掛けるものではない。
寧ろ、抑制者である理性が戸惑っている隙を狙って、興奮が燃え上がるようにして勢いを強めていく。

京太郎「ふー…ふー…っ」

霞「(あぁ…♪ パパ、すっごく興奮してる…♥)」

霞「(ふーふーって…喘ぐみたいな息漏らして…♪)」

霞「(霞のおっぱいガン見しながら…わしづかみにしてくれてる…ぅ♥)」ブル

メラメラと胸の内側を焦がすほどのそれに、京太郎の吐息はさらに激しくなっていく。
その原因となった霞もまた着実に追いつめられ始めていた。
京太郎に甘えさせてもらうという本来の目的からすれば、さっきの仕草は逆効果でしかないのだから。
いずれ彼に洗ってもらえるのだから、あんな誘惑はするべきではなかった。
そう思いながらも京太郎の事を誘ってしまったのは、彼女の中のバランスが崩れ始めているからこそ。
こんなにも自分に興奮してくれていると言うのに、何もサービスしてあげないのは可哀想だ。
そんな妥協めいた言葉を内心に浮かばせる霞は、胸から感じる彼の劣情にその背筋を震わせてしまう。


霞「んふ…♪ そこは…パパだけのものよ…♥」

霞「好きなように洗ってくれて良いからね…♪」

京太郎「っ」

霞「きゃぅん…っ♪」

玩具にされる事への期待を隠そうともしない霞の ―― メスの表情。
それに思考を赤く染めた京太郎は霞の胸を揉みしだくように洗い始める。
モミモミヌルヌルグチュグチュとバラバラな動きを繰り返すそれは京太郎が葛藤している証だ。
理性と本能が共に主導権を奪い合っているのがハッキリと分かるそれはとてもぎこちないものだったが。

霞「パパ、上手よ…♥ とっても上手…ぅ♪」

霞「霞、すごく気持ち良いわ…♪」

霞「洗われるのもおっぱいも…♪ 両方共気持ち良い…っ♥」

霞にとって、それは大した問題ではなかった。
愛しいオスに自分の身体が洗われている。
それだけで彼女の心は泥沼のような喜悦に沈んでいくのだから。
京太郎に強く依存する彼女は、その喜びを簡単に快感へと結びつけてしまう。


霞「乳首…ムクムクって大きくなっちゃう…♪」

霞「パパのお手々で…霞のおっぱい、すっごくエッチになってるの…♥」

霞「恥ずかしい…♪ でも…気持ち良い…♪」

霞「霞のエッチな乳首がビンビンになっちゃうくらい…♥」

霞「パパに可愛がって貰うの…幸せなのよ…♪」

霞は初めて京太郎と共に眠った時から、淫語を口にする興奮に目覚めてしまった。
興奮のまま口を滑らし、己を昂ぶらせる悦びにどっぷりとハマってしまったのである。
そんな彼女が京太郎から性感帯を揉まれている状況で淫語を口にしないはずがない。
彼の手の間でムクムクと大きくなっていくその乳首の様子も躊躇いなく口に昇らせる。

京太郎「(うああぁああああ…っ!!)」

それを京太郎は雑音として処理する事が出来ない。
今の彼は理性をこれ以上ないほどに酷使している状態なのだから。
集中力がかき乱され、思考の焦点さえ定まらない。
感情の波が荒れ狂う中で、京太郎は悲鳴のような声をあげた。


霞「乳首も…♪ ねぇ…乳首も綺麗にして…♥」

霞「パパの手で…あっさり勃起しちゃった霞の乳首…♪」

霞「今もパパの事大好きってニプレスの中でビクビクしてるエロ乳首も洗って欲しいの…♥」

京太郎「ぐ…うぅうう…」

だが、その間も霞は容赦する事はない。
彼女は京太郎よりも一足先に理性の枷を一つ外してしまったのだから。
胸中に浮かび上がる淫らな言葉は、そのままオネダリになってしまう。
そんな彼女の前で呻き声をあげながら京太郎は歯を食いしばって。

京太郎「そ、それはダメだ…」

霞「どうして?」

霞「パパも…霞の乳首、興味あるんでしょ?」

霞「おっぱい大好きなパパも、ここは見たいはずよ…♪」

京太郎「そ、そうだけど…でも…」

その為には霞のニプルを覆い隠すハート型のシリコンを剥がさなければいけない。
それが劣情に胸中を焦がされながらも、京太郎が躊躇う理由だった。
自分から彼女のニプレスを剥がしたら ―― 脱衣させてしまったら、自分の中で言い訳が出来なくなる。
コレはただの洗体であり愛撫でも何でもないのだと理性が押し通す事が出来なくなってしまうのだ。


霞「こ、こんなの生殺しよ…♪」

霞「おっぱいだけなんて…ひどすぎるわ…♥」

霞「ちゃんと乳首も可愛がって…♥」

霞「パパの手でシコシコクリクリしてぇ…♪」

京太郎「っ!」

そんな京太郎の考えは霞も良く分かっている。
彼の肉棒はもう腹筋につきそうなほど反り返ってしまっているのだから。
これ以上、誘惑を続けたら、言い訳など投げ出して襲われてしまうかもしれない。
胸中に浮かぶその言葉は、しかし、もう彼女に躊躇いを感じさせるものではなかった。
寧ろ、それに期待の色を強めた彼女はモジモジと下半身を揺らしながら、オネダリの言葉を繰り返す。

霞「じゃあ、ニプレス越しで良いからぁっ♪」

霞「ニプレスの上からで良いから洗ってぇ♥」

京太郎「わ、分かった…」

霞「きゅうぅううっ♪」

京太郎が触れた乳首は思いの外、強張ったものだった。
柔らかなシリコン越しにもハッキリと芯の硬さを感じる突起に京太郎の理性がさらにひび割れていく。
シリコンをグイと押し上げる大きなニプルは、彼女の興奮を伝えてくるのだから。
その上、耳に残るような嬌声を漏らされて、彼の理性が無事で済むはずがない。
少しずつ、だが、確実に意識が本能に傾きつつあるのを京太郎は感じた。


霞「んあ…ッ♪ あぁ…っ♪」

一度、押し込まれた理性が、本能の事を跳ね返すのは難しい。
事実上、無限の援軍が約束されている本能とは違い、理性は孤立無援同然なのだから。
結果、刻一刻と不利になっていく戦況は、そのまま彼の指先にも現れる。
シリコン越しにニプルを撫で、擦り、抓み、捻る。
洗うのとはかけ離れつつある彼の指に、霞は吐息と共に快感の声を漏らした。

霞「パパの手で霞の乳首…悦んでる…ぅ♥」

霞「おっぱい揉まれるよりもずっとずっと気持ち良くなっちゃってるの…♪」

霞「自分でシコシコするよりも気持ち良い…♪」

霞「霞、コレ大好きぃ…♥」

霞「オナニーよりもずっとずっと好きなのぉ…♥」

愛しいオスの手と自分の手。
その違いは性感帯を責められれば責められるほど、霞の中で大きくなっていく。
ただ気持ち良いだけではなく、予測不能なその愛撫に彼女はもう抜け出せない。
オナニーよりも気持ち良いと淫らな告白をしながら、その快感を胸の奥に溜め込んでしまう。


霞「でも、やっぱり寂しい…っ♥」

霞「霞、寂しいのぉ…♪」

霞「乳首気持ち良いけれど…でも、もっと気持ち良くなれるからぁ…♥」

霞「ニプレスなしだったら…霞、もっと好きになれるからぁ…♥」

霞「だから、乳首、ピクピクしちゃうぅ…♪」

霞「パパに直接触って欲しいってオネダリするの止められないのぉ…♥」

しかし、だからと言って、霞が今の愛撫に心から満足している訳ではない。
気持ち良い事のは確かだが、それは彼女にとって寸止めを食らっているも同然なのだから。
快感を悦ぶ気持ちとはまた別に、欲求不満が積み重なっていく。
それを寂しそうに訴えながら、霞の乳首はまた大きくなっていった。

霞「もっとぉ…♪ もっと激しくしてぇ♥」

霞「霞の乳首が寂しくないようにもっと滅茶苦茶にしてえっ♪」

霞「霞のそこ…エッチ過ぎるからぁ…♪」

霞「乳首はオシオキして貰わないとダメなの…♥」

霞「パパの手でオシオキして貰わなきゃ収まらない…ぃ♪」

京太郎「っ」

霞「きゅぅうんっ♪」

肥大化を続けるニプルは、どんどんと敏感になっていく。
まるで彼女の欲求不満を貪るようなそれに、霞はオシオキを求め始めた。
このままでは京太郎の意思も関係なく、自分でニプレスを剥がしてしまうかもしれない。
そう思うほどに追いつめられた彼女の乳輪を京太郎はグッと掴んで。


霞「す、すご…っ♪ すごいのぉっ♪」

霞「乳輪っ♥ 乳輪ズリズリぃいっ♥」

霞「そ、そんなところまで気持ち良くなるの霞知らなかったぁ…っ♪」

霞「パパの手でズリズリされると何処も気持ち良い…っ♪」

霞「乳首もぷっくりしながら悦ぶの分かっ…あぁ…っ♥」

―― 瞬間、霞のニプレスは耐え切れなかったかのように剥がれた。

元々、ニプレスは性行為を目的とした道具ではない。
あくまでも乳首を保護する為のシリコンは、乳首が勃起する事を想定していなかった。
ましてや、そのニプレスは霞のサイズに対してあまりにも小さかったのである。
人並み以上に大きな彼女の乳首が膨張する勢いに耐え切れず、ぽろりと剥がれ落ちてしまった。

京太郎「あ…ぅあ…っ」

結果、京太郎の目の前に晒される突起は、淫らという他ない有様だった。
元々、小指の先ほどだったそれは、そこから数センチほど長くなっているのだから。
その太さも二回りほど増した乳首は、もう赤ん坊の為のものではない。
大人のオスが舐めしゃぶる事に特化した一種の性器だった。


京太郎「(も、もう…我慢…出来ない…!!)」

まるでハートの型抜きでくり抜かれたように周囲を白い泡で囲まれるニプル。
桃色のそれがオスを求めるようにしてピクピクと揺れる光景に京太郎は自分の理性が限界に達したのを自覚した。
このまま諦めてしまえば、気持ち良くなれる。
この数ヶ月抑えに抑え続けた欲望を解き放つ事が出来るのだと囁く本能に意識が傾いて。

霞「…パパぁ…♥」

京太郎「霞っ!」

霞「きゅぅんっ♥」

媚混じりの呼びかけに京太郎の理性は弾けた。
これは洗体であるのだと言う言い訳も忘れて、京太郎は霞の乳首に吸い付く。
赤ん坊では口に含むのが難しいほど膨れ上がったそれは、しかし、京太郎の口には丁度良い。
最初から自分の為に誂えられたような霞の乳首を、彼は思いっきり吸った。


霞「ぱ、パパぁ…♥ パパあぁあ…っ♥」

霞「そんなにされても、霞、ミルク出ない…ぃ♪」

霞「霞はまだパパのお嫁さんじゃないからぁ…っ♥」

霞「パパの赤ちゃん孕んでないから、ミルク出ないのぉ…♥」

霞「赤ちゃんみたいにちゅーちゅーしても気持ち良くなっちゃうだけよぉ…♪」

今の京太郎に理性の色はまったくない。
突如として視界に現れた霞の乳首に、彼は夢中になっている。
彼女の言葉も聞かず、一心不乱に乳首をしゃぶる京太郎の姿は、情けないと言われても仕方のないものだった。
だが、自身に夢中になってくれるその姿が、霞にとっては愛おしくて堪らない。
まるで赤ん坊のように彼が乳首を吸い上げる度に、陶酔混じりの快楽が脳へと這い上がってくる。

霞「でも…パパはちゅーちゅーするのよね…♥」

霞「パパは霞のおっぱいが大好きだからぁ…♪」

霞「ミルク飲みたいからじゃなくて、エッチな事がしたいからぁ…♪」

霞「霞の乳首、可愛がってくれて…んぅうっ♥」

うっとりとしたその声に、京太郎は返事をしない。
理性をトばした彼にとって大事なのは、目の前の胸を、極上の身体を味わう事なのだから。
霞の言葉を半ば聞き逃した彼は乳首を吸い上げながら、彼女の胸に手を這わせる。


霞「良いわ…♪ さっきも言ったけど…霞のそこはパパのものだもの…♥」

霞「パパのエッチな事をしたいって言う気持ちも全部、受け止めてあげる…♪」

霞「たぷたぷでもぐにぐにでもモミモミでも…♪ パパの好きなようにしてぇ…♥」

その言葉は変わらず京太郎に届いてはいない。
しかし、彼の手は霞に応えるように自分勝手な動きを見せ始める。
そこにはもう霞の胸を洗おうとする意思は欠片も存在していない。
ただ、自分が楽しむ為だけに霞の柔肉を鷲掴み、指を埋めさせていく。

霞「んあぁ…♪ エッチなパパ…すっごく上手…ぅ♥」

霞「霞、さっきよりも気持ち良くなっちゃってるの…♪」

霞「熱くてビリビリしたのがおっぱいの奥に溜まっていっちゃう…♪」

霞「その上、今のパパ、とっても可愛いから、霞、ドキドキしっぱなし…♥」

霞「気持ち良いのと可愛いのが合わさって、ずっと心臓がキュンキュンしてる…♪」

より本能的になった指先が、自分の本能をこれでもかと刺激してくれる。
共に昂ぶっていくその感覚は、霞の胸に幸福感を湧き上がらせた。
京太郎の手を模すように心を鷲掴みにしたそれに、彼女は幾度も悦びの声をあげる。


霞「霞、やっぱりパパに甘えるだけじゃなくて甘えられるのも好きなのね…♥」

霞「ううん…♪ きっとパパにする事…される事、全部大好きなの…♥」

霞「霞にとってパパは『特別』だから…♪ なんでも大好きになっちゃう…♥」

霞「だから…♪ だからね…♪」スッ

京太郎「っ!?」

『特別』だと告げながら、霞はその両腕を京太郎の後頭部へと回した。
そのままギュっと彼の頭を抱きしめれば、硬い髪の感触が肌に残る。
しかし、彼女がそれをほんの僅かでも厭うはずがない。
何処か擽ったいその感覚にさえ快感として受け止めながら、霞は京太郎の頭を胸へと押し付けた。

霞「もっと霞がパパの事、『特別』になるように…♥」

霞「パパも私の事を『特別』に想ってくれるように…♪」

霞「一杯一杯、気持ち良い事してね…♥」

霞の腕には強い力が篭っている訳ではなかった。
少なくとも、身体能力に優れる京太郎なら簡単に抜け出せる程度の拘束である。
しかし、その腕には絶対に京太郎の事を逃さないと言う強い意思が込められていた。
それを後頭部でふつふつと感じる京太郎は、夢中で霞の乳首をしゃぶっていた口を開けて。


霞「きゅふぅうんっ♥」

そのまま京太郎は彼女の乳首を歯の間に咥え込んだ。
噛むと言うよりも捕まえるに近いそれに霞の口から嬌声が漏れる。
シリコンの蓋から解放された時から、彼女の乳首は刺激に飢えていたのだから。
そこを甘噛された瞬間、胸の奥まで響くような強い快楽が暴れるのを感じる。

霞「手ぇ…♪ 手だけじゃ…ない…ぃっ♥」

霞「気持ち良いのパパのお口も同じなの…ぉ♪」

霞「甘噛良い…っ♪ もっとぉ♥ もっと噛み噛みしてぇ…♥」

霞「霞の乳首にオシオキ噛み噛みいぃいいんっ♪」

そんな彼女の乳首を、京太郎は逃したりしない。
請われるまでもないと言わんばかりに口を開き、甘噛を繰り返す。
歯の凹凸を幾度となく押し付けるその仕草に、霞は嗜虐的なものを感じた。


霞「い、意地悪なのぉ…♪ ちゅーちゅーするよりもずっと意地悪…ぅ♥」

霞「甘噛される度に意地悪なビリビリが響くっ…♪ 響いちゃうのっ♪」

霞「でも、霞…っ♪ これ好きぃっ♥」

霞「意地悪なのに…霞、悦んでるぅ…♪」

霞「パパのお口でマゾ娘に調教されちゃってるのぉ…っ♥」

自然、それは霞の身体に被虐的な快楽を湧き上がらせた。
自分で慰める時には一切、感じなかったそれを、彼女は簡単に受け入れてしまう。
今の霞にとって大事なのは、自身の異常性癖を否定する事ではなく、その快楽を思うがまま貪る事なのだから。
被虐的な才能が自分の中でゆっくりと芽吹き始める事など、彼女にとっては些末事だった。

霞「もっと調教してっ♪ 霞のエロ乳首を、マゾ乳首に開発してぇっ♥」

霞「パパにうぅんと愛してもらえるように…好きになってもらえるように…♥」

霞「パパが一番、興奮する女の子に育てて欲しいの…♪」

霞「お嫁さんよりもオチンチンバキバキにしちゃうくらい霞の事、調教にしてぇ…♥」

幼い頃からずっと自立するのを求められ続けていた霞は、内心、ずっと依存する相手を探していた。
子どもの頃から胸に秘めていた幼児性を受け止めて、愛してくれる人の事を求めていたのである。
そんな彼女が自分の身も心も受け止めてくれる京太郎の前で、本心を偽れるはずがない。
ようやく見つける事が出来たその相手からの愛撫に、順応するのは当然の事だと心嬉しそうにオネダリしてしまう。


霞「っきゅぅううんっ♪」

それに応えるようにして京太郎の口が動き始めた。
捕えた乳首を歯の間で転がすようなその動きに、ニプルが軽く拗じられるのを感じる。
ただ甘噛を続けるのではなく、軽い変化が加わったそれに霞の胸はビクンと跳ねた。
まるで驚くようなそれに京太郎はパっと乳首を離して、再びちゅぅちゅぅと彼女の先端を吸い始める。

霞「あぁ…ぁ…♥ と、融ける…♪」

霞「パパの舌でペロペロされて…霞の乳首、ダメになっちゃう…♥」

霞「意地悪なのと優しいの…両方なんて凄すぎるもん…♪」

霞「霞のドキドキまた強くなって…♥ 気持ち良いのも落差でビリビリ来ちゃってぇ…♪」

霞「本当に開発されちゃうぅ…♥」

霞「パパ専用のエロ乳首になってくのが分かっちゃうのぉ…♥」

それは霞の乳首を慈しむような優しいものだった。
ただ吸うだけではなく、ねっとりと舌を這わせるそれに、霞は乳首が融かされていくような錯覚さえ覚える。
身体の一部分が消失するようなその感覚は、しかし、ギャップによって強化されたもの。
それを意識する彼女が嫌がるはずもなく、さっきとは打って変わった甘い快感に胸を悶えさせた。


霞「こ、このままじゃ霞、胸だけでイかされそう…♪」

霞「パパってば…本当にエッチだからぁ…♥」

霞「霞の身体ドンドン敏感に…エロエロになって…んあぁああっ…♪」

京太郎「はむ…っ」

しかし、それも長くは続かない。
もう十分休憩しただろうと言わんばかりに、京太郎の口は再び甘噛を始めるのだから。
さっき優しくされた分、より強く感じる被虐的な快感に、霞は嬌声に言葉を上書きされてしまう。
そんな彼女の乳首を歯の間で弄びながら、霞の巨乳を堪能するように揉みしだいた。

京太郎「(あぁ…幸せだ…)」

京太郎「(霞っぱいを吸って、弄んで、押し付けられて…)」

京太郎「(俺、もうこのまま死んでも悔いはないかもしれない…)」

京太郎にとって、霞の柔肉は憧れの対象と言っても良いものだった。
だらしなさと偉大さが両立するあの胸を、何時か自分の思うがままにしてやりたい。
幾度と無く覚えながらも、しかし、無理だと諦めていた夢が今、こうして叶っている。
その充実感は筆舌に尽くしがたいほど大きい。
このまま死んでも良いと言うその言葉は本心からのものだった。


霞「あきゅ…♪ うぅ…うぅぅぅん…♪」

霞「パパの顔、とってもウットリしてて…幸せそう…♥」

霞「情けないくらいにだらしない顔…霞、大好きよ…♥」

霞「でもね♪ でも…ぉ♪」

自身の胸を味わい尽くそうとする愛しいオスに、彼女の胸は甘くときめくのを止めなかった。
彼の愛撫をより淫らに受け止めようとする鼓動は、霞の身体を順調に絶頂へと近づけていく。
しかし、彼女の本能は少しずつそれに不満を覚え始めていた。
これがオナニーであれば、胸でイく感覚に身を委ねられたかもしれない。
だが、今の霞は京太郎から身体を弄ばれている状態なのだ。
このままイくのは勿体無いと本能が拗ね、子宮の疼きが強くなる。

霞「こっちもぉ…♥」

京太郎「っ!?」

そんな疼きに霞はあっさりと屈してしまう。
上だけではなく下半身も愛して欲しいと強請るようにして京太郎の左手を下へと導くのだ。
舐めしゃぶっていた側の胸を、外周から支えていたそれは今、彼女の手によって最後のシリコンへと押し当てられている。
瞬間、京太郎が驚きを顔に浮かべるのは、それがあまりにも淫ら過ぎたからだ。


京太郎「(お、おおおおおお…俺は何を…!?)」

二人っきりの浴室で、霞の乳房を弄び、今、彼女の秘所を触って欲しいと請われている。
あまりにも衝撃的なそのシチュエーションに、京太郎の瞳は理性の色を取り戻した。
淫欲が生み出す熱狂の渦も弱まり、顔からサァと血の気が引いていく。
自分がどれほど淫らな事をしていたのかを今更ながら気づいた京太郎は、反射的に霞から離れようとして。

霞「霞はおっぱいもエッチだけど…こっちの方もエロエロなの…♥」

霞「パパに一杯、気持ち良くして貰っちゃったから…♪」

霞「ここももう準備出来て…パパの事欲しいって言ってるぅ…♥」

霞「おっぱいよりも愛して欲しいってワガママ言うみたいにぃ♪」

霞「霞のアソコもキュンキュンってしてるのぉ…♪」

京太郎「ぅ」

それより先に放たれた言葉が、折角、取り戻した彼の理性に楔を打ち込んだ。
下半身にも愛撫を求める彼女のオネダリは、あまりにも甘く、そして何より本能的だったのだから。
聞いているだけでオスの本能を刺激するそれに京太郎の身体は立ち止まってしまう。
一時は弱まったはずの熱狂が、再び彼の意識を捉えようとしていた。


霞「なんで…♪ なんで触ってくれないのぉ…♥」

霞「霞のおっぱいもアソコも…パパの事大好きなのに…♥」

霞「もうパパの事欲しいってそればっかりしか考えられてないのにぃ…♪」

霞「なのに、焦らすなんて…意地悪過ぎるぅ…♪」

霞「オネダリ、ダメだった?」

霞「もっとエッチなやつじゃないとダメだったの?」

霞「なら、霞…もっと頑張るからぁ…っ♪」

霞「もっともっとエッチな言葉でパパの事、エロエロにするからぁ…♥」

霞「だから…してぇ…♪ 一杯…愛してくださいぃ…♪」

霞「霞のエロマンコも、ビンビン乳首もぉっ♪ パパじゃないとダメなのぉ…♥」

霞「パパの事好きすぎて…♥ パパ以外じゃ満足できない身体になっちゃったのぉっ♪」

さりとて、そのオネダリに即答する事も出来ない京太郎は霞の前で棒立ちになる。
そんな彼に向けられるのは切羽詰まった彼女の声だ。
京太郎とは違い、ただ劣情へと堕ち続けた霞は、僅かな逡巡の間すら我慢出来ない。
欲求不満は身悶えるほどの責め苦となって、彼女のことを苦しめていた。


京太郎「う…うああ…」

結果、ドンドンとその言葉を淫らに染めていく彼女に、京太郎の理性は崩れていく。
無論、彼も抗おうとしているが、一度、トんでしまった理性はあまりにも脆いものだった。
彼女の身体があまりにも甘美だったと言う事もあって、腹の底から湧き上がる興奮が抑えきれない。
霞のオネダリを聞いている間も、肉棒の先端はビクリと震え、我慢汁の束が漏れ出していた。

京太郎「(み、皆…)」

―― 瞬間、彼の脳裏に小蒔を除いた『家族』の姿が思い浮かぶ。

自身の事を好きだと直接、あるいは間接的に伝えてくれた女性たちのイメージ。
それは、今にも消滅しそうな理性が見せた最後の抵抗だった。
ここで霞に応えてしまって、彼女たちに顔向けが出来るのか。
そんな言葉を突きつけるようなイメージは、しかし、一糸まとわぬ淫らなものだったのである。


京太郎「(ごめん…!)」

霞「はぅうんっ♪」

既に大勢は決していた。
理性の抵抗にさえ淫らなものと切り離せない彼に、霞のオネダリを拒めるはずがなかったのである。
心の中で大事な彼女たちに謝りながらも、京太郎はゆっくりとその身体を動かし始めた。
手始めに右手で彼女のバストを揉みしだき、口でニプルを強く吸い上げた彼は、そのまま左手で股間のシリコンを押し込む。

霞「あああぁああぁ…っ♪」

生半可な刺激ではシリコンが張り付く彼女の秘所に届かせる事が出来ない。
そう判断してシリコンを押し込んでくる指先に、霞は艶声を漏らしてしまう。
完全にスイッチが入ってしまった彼女にとって、そこはもう立派な弱点なのだから。
例え、シリコン越しであろうが霞にはまったく関係ない。
本来、秘すべき場所を愛しいオスに触れられていると言うだけで興奮が刺激を何倍にもしてしまう。


霞「パパぁっ♥ ぱ…ぱぁぁ…♥」

霞「嬉しいっ♪ 好きぃいっ♥」

霞「パパ、大好きぃいっ♥」

霞「霞、何時もよりも敏感になってるのっ♪」

霞「パパの意地悪で何時もよりもずっとエロエロになってるうぅっ♪」

何より、彼女はついさっきまで焦らされていたのだ。
時間にして数分にも満たない京太郎の逡巡は、彼女の身体をより貪欲にしている。
シリコン越しの刺激を貪ろうと敏感になった快楽神経が、彼女の口から歓喜の声を漏らさせた。
京太郎への気持ちを前面に打ち出すその言葉に、子宮は応えるように甘い汁を流す。

霞「霞、もう…♪ もう濡れてるの…ぉ♥」

霞「パパがあんまりにも気持ち良いからぁ…♪」

霞「オナニーよりもずっとずっとコレが好きになっちゃったからぁ♥」

霞「だから、霞…魔法みたいなパパの手に勝てないの…♪」

霞「触られてないはずのエロマンコから本気汁出ちゃってるぅう…♪」

京太郎「っ」ゴク

本気汁。
それは女性が快楽を得た時に流れ出る膣分泌液 ―― その中でも特に濃いものを指す言葉だ。
女性が絶頂へと近づいている証でもあるそれは、童貞である京太郎も知っている。
だが、実際にその目で見た事はなく、好奇心と興奮に生唾を飲み込んでしまった。


霞「グチョグチョになってくの…♥」

霞「霞のエロマンコがパパの手でグチョマンにされてくうぅ♪」

霞「気持ち良いお汁がシリコンのところに溜まっちゃって…っ♥」

霞「やらしいヌチュヌチュがオマンコにひろがりゅぅうんっ♪」

霞の愛液が見たい。
心に浮かぶその言葉を京太郎は我慢する事が出来なかった。
彼女の胸から顔を離しながら、左手で秘所に張り付いたシリコンを剥がす。
瞬間、京太郎の視界に広がるのは霞の肌とシリコンを結ぶ透明な糸。
彼女の言葉が嘘ではなかったのだと告げるような光景に、京太郎は何処か神秘的なものを感じるが。

霞「あぁぁ…♥」

京太郎「はぁ…っ」

それ以上に京太郎の心を掴んだのは、愛液と共に溢れてくるような淫らさだった。
重力に惹かれてねっとりと堕ちていく粘液は、彼の想像していたものよりも遙かに濃い。
その上、その源である粘膜は微かに開いた大陰唇の奥でひくひくと震えているのだ。
疼いて疼いて仕方がないのだと視覚的に訴えかけるような蠢きに京太郎は熱い吐息を漏らした。


霞「見られて…るぅ…♪」

霞「パパに…♥ 大好きなパパに霞のオマンコ…ぉ♪」

霞「パパの手でグチョマンになっちゃったマン肉見られて…霞…感じるぅう…♥」

霞「パパにエロマン見られるだけでもビリビリがクるからぁ…♥」

霞「トロトロの子宮からまた本気汁垂れて来ちゃ…あぁああああ♪♪」

自身の肌に吹きかかるようなその熱さが、霞の身体をさらに敏感なものにしていく。
京太郎の視線にさえ耐えられず、子宮からまた愛液がジュンと染み出した。
結果、既に愛液で満たされた彼女の肉穴から、押し出されるように本気汁が溢れ出す。
そんな光景に我慢出来なくなった京太郎は、微かに開いた大陰唇に左手を伸ばした。

京太郎「お…おぉぉ…」

霞「お漏らしっ♪ エッチなお漏らししてるのにぃっ♪」

霞「そんな風に触ったら…パパの指汚しちゃう…♥」

霞「霞のエッチなお汁ぅ♪ 本気汁でグチョグチョになっちゃうっ♪」

初めて感じる女性の愛液。
思った以上に熱く、そしてネバネバとしているそれに京太郎は思わず声を漏らしてしまった。
驚き混じりのそれが、霞は可愛くて仕方がない。
淫らな言葉を口にしながら、その胸をキュンと締め付けてしまう。


霞「お仕置きされちゃうぅ…♥」

霞「パパの手を…こんなエッチなドロドロで汚しちゃってるからぁ…♥」

霞「パパの手で…もっともっとエッチになりたいって思っちゃうからぁ…♪」

霞「霞の大好きな調教されて…エロマンぅ♪ もっとエロエロにされちゃうのお♥」

京太郎「っ」

オシオキと言う名目で、もっと気持ち良くして欲しい。
そんな気持ちを淫語へと込める霞に、京太郎は興奮と嗜虐心を唆られてしまう。
状況に流されがちではあるものの、彼の本性は嗜虐的だ。
メスを屈服させる事に悦びを見出してしまう倒錯したその趣味が、ついつい彼の中から顔を出してしまいそうになる。

京太郎「そ、そうだな。お漏らし癖なんて格好悪いもんな」

京太郎「俺が調教して…治してやらないと…!」

霞「ふきゅぅうん…♪」

霞に同意しながらの動きは、とても不慣れでぎこちないものだった。
露出した大陰唇を上からただ撫でるだけの動きは、身体を洗っていた時の半分以下の速度でしかない。
だが、彼女の口から不満の声が漏れる事はなかった。
霞は愛撫する事に慣れてはいても、愛撫されるという事に未だ慣れてはいないのだから。
焦れったさよりも先に快楽と歓喜の声がその美しい唇から放たれていく。


霞「はぁ…あぁ …♪ パパ…凄い…ぃ♥」

霞「ナデナデだけで…霞、凄く…感じちゃってるの…♪」

霞「全然、気持ち良いところ触って貰えてないのに…♪」

霞「焦れったいくらい遅いのに…霞のアソコから熱いのが染みだして…♥」

霞「パパの手でもっともっとエッチにさせられちゃう…ぅ♪」

子宮から分泌される愛液はもう垂れ流しに近い。
肉穴に絡みつくようなその粘液は彼女の中を急速に潤ませている。
それはオナニー時のような生理的反応とはまた別物だった
目の前のオスを ―― 彼女にとって極上のオスを受け入れたいと思う本能が強請るようにして漏らす一種のヨダレなのだから。


霞「ここを撫でられてるだけで…霞、もうこんなにエッチになってるの…♥」

霞「もし、パパに霞の一番、気持ち良いところイジられちゃったら…♪」

霞「耐え切れなくてすぐイっちゃうくらいダメなエロエロマンコになっちゃってるぅ…♪」

霞「ううん…♪ ただイくだけじゃ…済まないかもぉ…♥」

霞「霞…多分…おかしくなっちゃうぅ…♥」

霞「パパの手が癖になりすぎて…♪ パパの手じゃないとイけない子になるぅう…♥」

霞「でもぉ…♪ でも…パパだからぁ…♥」

霞「他の男の人なら絶対に嫌だけど…♪ でも、パパになら良いのぉ…♥」

霞「霞、おかしくなりたい…♪」

霞「一人じゃオナニーも出来ないくらいエロエロでダメな娘になりたいのぉお♪♪」

霞「だから…♪ して…♥ もっと激しくして…♪」

霞「霞のエロマンコがパパの事忘れられないくらいグチョグチョにしてぇ…♥」

そんな霞が秘所周りを覆うように撫でられるだけで満足するはずがなかった。
勿論、オナニーとは比べ物にならないほど気持ち良いが、それはあくまでも序の口なのだから。
その奥に控えている性感帯を、触って欲しくて仕方がない。
粘膜を愛撫される感覚にも少しずつ慣れ始めた彼女の口からオネダリが飛び出るのも当然の事だった。


霞「ひあああっ♪」

瞬間、半開きになった霞の大陰唇を京太郎はゆっくりとなぞりはじめる。
ただ撫でるだけではなく、隙間に入り込むよう凹凸を作るその手が霞はとても気持ち良い。
ほんの僅かとは言え、京太郎に触れられた粘膜が今まで以上の快楽を子宮へと伝えて。

霞「あぁああああんっ♪♪」

それは次の瞬間、あっさりと更新される。
隙間に入り込んだ京太郎の指はそのまま彼女の大陰唇をこじ開けたのだ。
ビラビラの内側で火照る桃色の粘膜まで空気の中に晒されるのは恥ずかしい。
だが、今の霞にとって、その恥ずかしさは興奮の材料でしかなく、開かれた粘膜を弄る指先に腰をビクンと跳ねさせる。


霞「だ、ダメ…ぇ♪ これ…予想以上に気持ち良いの…♪」

霞「パパが触れた瞬間…ゾクって来たぁ…♥」

霞「今まで以上のビリビリが頭まで登って来てるぅうっ♪♪」

霞「これエッチ…ぃ♥ すっごく…エッチよぉ…♪」

霞「今までで一番、気持ち良くてっ♪ こ、腰が勝手にビクビクしちゃうぅ♥」

バスチェアから微かに跳ねるようなその動きは、ただの反応ではない。
最早、制御不能に落ちいったメスの本能は、自身の粘膜を京太郎の指へとこすりつけようとしている。
痴女と言う言葉が真っ先に浮かびそうなそのはしたなさを、今の京太郎はただエロいとしか思えない。
心臓の鼓動は早くなり、興奮に燃える思考が真っ赤に染まっていくのが分かった。

霞「そ、そのままぁっ♪ そのまま霞のオマンコ撫で回して…っ♥」

霞「愛液塗りこむみたいにクチュクチュしてぇ…っ♪」

霞「エロマンコのクパクパしてるところを指でイジって欲しいのぉっ♥」

霞「私、何時もそうやってるから…♪」

霞「パパの事想いながら、毎日そうやってオナニーしてるからあぁ♥」

その腰をビクビクと震わせながら、霞は自身のオナニーの手順さえ説明してしまう。
興奮で思考さえトばし始めた京太郎がそれを無視出来るはずがない。
その言葉は京太郎の脳裏に自慰に耽る彼女の姿を想像させる。
自然、さらに淫欲に飲み込まれていく京太郎は彼女の望むがままに指を動かして始めた。


霞「んあっ♪ ひううぅう…♪♪」

霞の秘所に触れ始めた当初、その指先はとてもぎこちないものだった。
乱暴に愛撫して、デリケートな粘膜を傷つけたりしてしまったらどうしよう。
そんな思考は、しかし、今の京太郎の中にはまったく残っていなかった。
既に準備万端と言った彼女の粘膜は、どんな刺激でも快楽に置き換えてしまうのだから。
寧ろ、激しくする方が霞の反応が艶っぽくなる事に京太郎はもう気づいていた。

霞「ひぃぃぃいいんっ♪♪」

そんな霞に京太郎が容赦などするはずがない。
その心を獣欲で満たした京太郎は、彼女の陰核を右手の親指で擦り始める。
今にも包皮が剥けそうなほど固くなったそこは、霞が知る中で最も敏感な部分だ。
自分でも信じられないほど興奮している状態でそこを、しかも、京太郎に擦られて無事で済むはずがない。
子宮へと突き刺さるような鮮烈な快楽に、霞の口から悲鳴のような嬌声が漏れた。


霞「くっ♪クリト…クリトリスぅう♥」

霞「好きぃ…♥ く、クリちゃんも霞、大好きなのぉ…♥」

霞「そこ、と、とっても敏感で…ぇ♪ ビリビリもっと強くな…あぁああ…っ♪♪」

自然、跳ねるように高くなったその嬌声はもう元に戻る事はない。
彼女の子宮に注がれる快楽は霞が最初に想像していた量を超え始めているのだから。
今すぐにでも絶頂の予兆が始まってもおかしくないほどの激しさに彼女は身悶えするように全身を震わせる。
その姿に興奮が限界を超えた京太郎はゆっくりと口を開いて。

京太郎「…そんなに感じるのか?」

霞「うん…っ♪ うんっっ♪♪」

霞「来てるぅうっ♪♪ 子宮がキュンキュンしてるのぉっ♥」

霞「霞、こんなに気持ち良いの本当に初めてなの…っ♪」

霞「何時もならもう絶対にイってるぅうっ♥」

霞「クリトリス触られた瞬間、アクメしててもおかしくないくらい気持ち良いぃっ♪♪」

内心で滾るような熱とは裏腹に、彼の声はあまりにも冷たく、平坦なものだった。
聞いているだけで心が冷え込みそうなそれは、京太郎の興奮が許容範囲を超えてしまったからこそ。
あまりにも滾りすぎた熱を認知出来なくなっていく彼の中で、眠っていた才能が芽吹き始める。


京太郎「ホント、みっともないくらいエロい格好だな」

京太郎「そんな姿を晒して、人として恥ずかしいとは思わないのか?」

京太郎「今の霞は、発情期の雌豚の方がまだマトモに思えるくらいだぞ」

霞「~~~っ♥」ブルル

詰るようなその言葉に霞の肩が震える。
普段の優しい彼からは想像も出来ないその言葉は、彼女の被虐性をこれでもかとばかりに踏みにじった。
だが、先にマゾとして目覚めていた霞は、それに悪感情を浮かべる事はない。
愛しいオスが見せる新しい顔 ―― 童貞であるが故に眠っていた『調教師』としてそれに胸をキュンとときめかせていた。

霞「ごめ…ごめんなさい…♪」

霞「エッチな子でごめんなさい…っ♥」

霞「パパにエロマンコをグチュグチュして貰うの大好きになってごめんなさいぃ…っ♥」

霞「も、もお何時でもイきそうなくらい…エロエロになってごめんなさいぃい…♪」

京太郎「謝るよりもその腰の動きを止めた方がよっぽど説得力があると思うけどな」

霞「ふあああっ♪♪」

京太郎が自分に対してどんなイメージを抱いているかくらい彼女も良く分かっている。
お淑やかで、頼りがいがある年上のお姉さん。
だが、今の自分はそれからあまりにもかけ離れた痴態を晒している。
こんな姿を見せ続けていたら、幻滅されるのも当然だろう。
そう思った霞の謝罪を、京太郎は受け入れない。
今も腰をカクカクと動かす霞を揶揄しながら、愛液を塗りたくるように指を動かす。


霞「む、無理ぃっ♪ そんなの無理ぃいっ♪♪」

霞「だ、だって、これがホントの霞なの…♪」

霞「いっつもパパとエッチな事するの期待してたイケナイ子なの…♥」

霞「パパの事も、パパの事を想ってするオナニーも大好きだし…っ♥」

霞「パパにレイプされるところも…何度だって夢見てきたのぉ…♪」

霞「そんな淫乱女が…♪ パパの事大好きな痴女が石戸霞の正体だからぁっ♥」

霞「だから…止められないぃいっ♪♪」

霞「パパの指で霞の身体、発情しっぱなしなのぉおっ♥♥」

しかし、だからと言って、霞は自身を改める事は出来なかった。
こうしている今も彼女の興奮は高まり続けているのだから。
既に理性を上回ってしまったその熱情は、謝罪の言葉さえ燃料にしてしまう。


霞「幻滅しないで…なんて言わない…♪」

霞「好きになっても…言いたいけど我慢するわ…♥」

霞「でも、お願いだから…♪ 何だってするから嫌いにはならないで…♪」

霞「私、パパに嫌われたら…もう生きていけない…♪」

霞「パパだけが…私の希望なのぉっ♥」

京太郎「それじゃ、霞はそんな男の前でトロ顔晒してイきそうになるような女なんだな」

それでも尚、嫌いにならないで欲しいと口にする霞を京太郎が嫌うはずもない。
過度の興奮に新たな一面を露出しつつあると言っても、京太郎は彼女のことを大事に想っているのだから。
その上、霞の生の中で、自分がどれほど大きなウェイトを占めているかを彼も良く理解している。
自分に嫌われてしまったら生きてはいけないというその言葉は決して大げさなものではない。
もし、そんな時が来てしまったら、霞はきっと巴と同じ決断をするだろう。

京太郎「そんな女にお嫁さんだの恋人だのは勿体無いとは思わないか?」

霞「あ……あぁぁ…♥♥」

だからこそ、京太郎は霞の事を貶める。
それは二人の関係を固定化する為のものであり、そしてまた彼女の心を救う為だ。
自身に嫌われてしまうのではないかという不安を取り除き、そんな事を考えずに済むような『モノ』へと堕とす。
冷たく、支配的な京太郎の言葉から、それを感じ取った霞はココロの中で何かが崩れるのが分かった。


霞「そ、そう…っ♪ そうですぅ…♥」

霞「霞にはパパのお嫁さんなんか勿体無いですうっ♥」

霞「か、霞は…霞はパパの性奴隷で十分…っ♪♪」

霞「ううんっ♥ それすらも分不相応な淫乱女ですからっ♥」

霞「だから…お願い…♪ お願いしますぅ…♪♪」

霞「霞をパパ専用の性処理肉便器にしてくださいっ♥」

霞「パパ専用のオナホ女になるのが霞の幸せなんですうううっ♥♥」

それは期待だった。
もしかしたら、京太郎と恋仲になれるかもしれない。
本能に飲み込まれても尚、捨てられなかったそれはもう完全に打ち砕かれてしまった。
だが、霞はそれに寂しさや悲しさを覚えたりはしない。
恋仲にはなれなかったが、二人の関係は『家族』から一歩進んだのだから。
未だどの少女たちが到達していないであろう『奴隷』としての立場に、霞の顔はトロンと蕩ける。


霞「(霞…今、完全に堕ちちゃったぁ…♥)」

霞「(セックスもしてないのに…パパの言葉だけで心も身体も堕ちちゃって…♪)」

霞「(もう元通りには…なれない…♥)」

霞「(一生、パパの性処理用のオナホール女のままぁ…♪)」

霞「(お嫁さんにも恋人にもなれず…ずっとずっとパパの奴隷…っ♥)」

霞「(でも…でも、それが…♪♪)」

幸せ。
その言葉は進んで奴隷契約にサインした霞の中にハッキリと刻み込まれていく。
京太郎に与えられた快楽にも負けないそれは、きっと自分の中で覆る事はない。
例え、彼の子を孕んだところで、自分は『ママ』にはなれず、永遠に『奴隷』のままなのだ。

京太郎「じゃあ、間抜けなトロ顔晒してないで少しは触りやすいようにしろよ」

京太郎「それとも、このまま焦らされる方が好みか?」

霞「い、嫌ぁあっ♪ 霞、焦らされるの嫌あああっ♪♪」

霞「な、何でもするからっ♪ パパにならどんな事だってしますから触ってくださいっ♥」

霞「パパの手でイかせてもらえないとかすみぃいいぃいいいっ♪♪」

本心からそう思う霞にとって、京太郎の言葉に抗う理由はなかった。
呆れた風を装った彼にいやいやをするように首を振りながら、彼女は両手を秘所へと添える。
そのまま大陰唇の側に皮膚を思いっきり引っ張る霞に、京太郎は褒めたりしない。
だが、ご褒美はやるべきだろうと自由度が増した指先で激しく粘膜を擦り始める。


霞「う、嘘おぉおっ♪ な、なんでえっ♥ なんでええっ♥」

霞「さっきも気持ち良かったのにっ♪ イきそうなくらいビリビリキてたのにぃっ♪♪」

霞「い、今もっと気持ち良いぃいっ♥ パパの指、良すぎるぅううっ♪♪」

霞「さっきと全然、違うぅうっ♪♪ こ、こんなの無理ぃいっ♥」

京太郎に嫌われてしまうかもしれない。
今まで彼女の無意識にずっと巣食っていたその怯えは、既に融かされて消えてしまっている。
結果、自分でも知らない間に快楽をセーブしていた霞の身体は、もう止まらない。
とうの昔に迎えていたはずのオルガズムに向かって、子宮を疼かせ、口からも快楽の声を漏らしてしまう。

京太郎「何も不思議はないと思うけれどな」

京太郎「霞は根っからの奴隷女だったって事だろ」

京太郎「自分はお嫁さんなんかよりも性奴隷の方が相応しいって分かってて、その希望が叶ったから、心も身体も悦んでるだけだ」

霞「ふあぁ…あぁああああ…♪♪」

その言葉が、自分を貶めるものだと霞も分かっている。
だが、それが震える程に嬉しいのは、彼女の被虐性だけが理由ではない。
それは彼女にとって、自分でさえ気づかなかった『自分』に気づかせてくれるものだった。
自分よりも尚、『石戸霞』に詳しい彼に、奴隷として、そして女性として幸福感を感じてしまう。


京太郎「ホント、身体も心も本性も…何もかもエロくてどうしようもない女なんだ」

京太郎「難しい事なんて考えたりせず、性奴隷らしいエロ顔晒しておけば良いんだよ」

霞「んいぃっ♪ んあっ♪♪ あぁああぁあっ♪♪」

その間も京太郎は霞の愛撫を止めたりしない。
右手と左手をそれぞれ器用に動かしながら、霞の身体を昂ぶらせていく。
その度に、彼女の口から漏れる声は、決して一定のモノにはならなかった。
霞の事を性奴隷にしたとは言え、童貞である京太郎には一体、どんな愛撫が一番効果的なのか分からない。
激しい方が好みなのはなんとなく分かったが、それだけでは霞も満足出来ないだろう。
そう思った彼は性奴隷になった彼女に最高の絶頂を与えてやろうと試行錯誤を始めた。

霞「んっ♪ ふあぁ…♪ あきゅぅっ♥」

合う合わないこそあれど、その全てが霞にとって快楽を与えてくれるものだった。
性奴隷に堕ちた今、彼女の身体は以前とは比べ物にならないほど昂ぶっているのだから。
どんな事をされても着実に絶頂への準備を始めてしまう。
そんな彼女を弄りながら、京太郎の技巧は、どんどん高まっていった。


霞「あっ♪ ぱ、パパっ♥ パパぁああっ♥♥」

開かせた粘膜を好き勝手に弄び、霞の身体を学んだ京太郎。
その耳に届いた甘い呼びかけはトドメを決意させるに十分過ぎるものだった。
まず粘膜の中でも大陰唇の付け根に近い部分を、焦らすようにニ、三周。
肉穴の開閉頻度が短くなるのを確認してから、ゆっくりと中心に近づけていく。
だが、そのまま肉穴に触れる事はなく、まずは尿道付近を擽るように責めた。
肉穴とはズレたその場所への刺激に、彼女の尿道もまたヒクヒクと恥ずかしげな反応を見せる。
まるで今にもその奥から尿が漏れだしてしまいそうなその反応を、京太郎は指先で堪能した。

霞「あっ♪ あぁっ♪ あっ♪ んあぁっ♪♪」

その間にも嬌声の中に込められた不満の色は強くなっていく。
京太郎に粘膜を晒す霞は、そこが一番、気持ちの良い場所ではない事を知っているのだから。
自然、その場所に京太郎の指先を誘導しようと、腰を浮かしたり沈めたりする。
だが、京太郎はそれに構う事なく、霞の尿道を擽り、弄り、押しこんだ。
その度に霞が漏らす甘い声が切羽詰まったものになるのを確認してから。


霞「っくうううぅうん♪♪」

ようやく肉穴の周辺を責め始める。
瞬間、霞の口から漏れるのは、快楽よりも歓喜の色が強いものだった。
ほんの数分程度の焦らしプレイだったとは言え、しかし、彼女の身体は我慢が出来なくなる寸前だったのだから。
後少しで京太郎に焦らさないでとお願いするところだった霞にとって、それは待ち望んだと言うにふさわしい快楽だった。

霞「ふきゅっ♪ うぅうんっ♪♪ はぁ…あぁあんっ♪♪」

自然、彼女の身体はそれを貪欲に飲み込んでしまう。
焦らされた分の元は取らなければと敏感になった粘膜から愛液が休まず漏れ続けていた。
まるで本当に漏らしてしまったかのようなその粘液は、京太郎の指と共にクチュクチュと淫らな音をかき鳴らす。
普通の水音とは違う ―― 愛液だからこその粘ついたいやらしさに霞の声は艶を増した。


霞「きゅううううううううっ♪♪」

目に見えて快楽の色が強くなっていくそれに京太郎は容赦しない。
霞の身体が既に限界近い事を京太郎の本能はしっかりと感じ取ったのだから。
さっき焦らした分、このまま気持ち良くイかせてやろう。
そう思った京太郎の指先が、霞の陰核をキュっと掴んだ。

霞「んにゃああっ♪♪ ふああぁあああああっ♪♪」

霞「ぱ、ぱぱぁっ♥ そ、それ良いっ♪ 素敵ぃいいっ♪♪」

霞「クリちゃんキュってされるの素敵っ♥ いじめられるの好きぃいっ♥」

霞「す、好きすぎて…か、霞、もぉっ♪ もうすぐイ…くぅう…♥」

霞「子宮がキュンキュンしながらアクメの準備してるうぅうっ♥♥」

快楽が詰め込まれた子宮はもうパンパンになっていた。
今にも弾けそうなその肉袋がキュンキュンと疼き、ゆっくりと収縮しようとしている。
それを感じ取った霞の口から漏れるのは絶頂の予告だ。
後数分もしない間に自分はイってしまう。
幾度となく自分の事を慰めてきた経験が、子宮の収縮を絶頂の予兆だと告げていた。


霞「み、見てええっ♪ 霞がイくところぉっ♪♪」

霞「パパの指で初アクメするところ見てくださいいっ♪♪」

霞「こ、これから何回もイくけどっ♥ 数えきれないくらいアクメするけれどぉっ♥」

霞「は、初めて…ぇっ♪ こんなに気持ち良いの…霞も初めてだからぁっ♪♪」

霞「おかしくなるところ見てぇっ♥ パパじゃないとダメになるところ見て欲しいのぉっ♥♥」

だが、その予兆は彼女の知るどんな絶頂よりも強く、そして激しいものだった。
一番、昂ぶった時でも、これほど子宮が快楽を貯めこんだ事はない。
自身の経験から絶頂の大きさは事前の快楽に比例すると知っている彼女でも、それがどれほどのものになるのか想像がつかない。
確かな事は、それが今まで味わってきた中で、最高のオルガズムになるだろうという事。
そして自分がもうオナニーでは満足出来ない根っからのオナホ女になるだろうと言う事だけだった。

霞「ひぃいぃいいいいいんっ♪♪」

そんな彼女の要望に、京太郎は応えなかった。
まるでそんなの当然だろうと言わんばかりに、霞の陰核をそっと剥き、肉穴の中へと指の先を埋める。
包皮と言う鎧を失ったクリトリスは刺激に悶え、肉穴は待ち望んだ侵入者に肉襞を震わせた。
それらを共に強烈な快楽にしてしまう霞の子宮で絶頂へのカウントダウンが始まる。


霞「あぁああっ♪ パパっ♥ パパぁああっ♥」

霞「パパ、好きぃいっ♥ 大好きぃいいっ♥♥」

霞「パパぁあっ♥パパパパパパぁああっ♥♥」

瞬間、霞の口から漏れるのは悦びの声だった。
自身の期待に最高の形で応えてくれた京太郎に、気が狂ったように同じ言葉を繰り返す。
『好き』と『パパ』が入り混じったそれに、京太郎は返事をしたりしない。
代わりに無防備になった陰核を抓み、肉穴の中で指の先を前後させる。

霞「き、キスしてええっ♪♪」

霞「さ、最後にキスぅうっ♥パパとちゅぅううううっ♥♥」

霞「キスしながらアクメしたいのっ♪♪」

霞「初アクメはらいしゅきなパパとちゅぅしにゃがらが良いいいぃいっ♪♪」

京太郎「ったく、霞は甘えん坊だな」

霞「ぁ…♥♥」

―― 瞬間、京太郎が見せた顔は普段のものと変わらない優しいものだった。

嗜虐的な調教師としてのものでも、淫欲に囚われたケダモノとしての顔でもない。
呆れるように言いながらも、軽く微笑むような優しい表情。
オルガズムへの期待と興奮に舌足らずになっていた霞はそれに涙を浮かべてしまう。
嬉しさと愛おしさが入り混じったその粒がこぼれ落ちる前に、二人の唇は触れ合って。


霞「んんんんんんんんんんんんんんっ♪♪」

既にギリギリまで追い詰められていた霞は直後、その身体が絶頂へと達したのを感じる。
思った以上に優しいキスをキッカケにして始まるオルガズムは彼女の口から単音を吐き出させた。
京太郎の口によって閉じ込められるその声とは違い、子宮から放たれる悦楽の波は止まらない。
まるで濁流のようなそれはあっという間に彼女の快楽神経へと雪崩れ込み、体中とオルガズムを行き渡らせる。

霞「(す…すごおおっ♪ 凄いいぃいっ♪♪)」

霞「(体中っ♪ ビリビリ…してぇえっ♥)」

霞「(気持ち良いのがぶつかりあって…弾けてるぅ…ううっ♪♪)」

霞「(まるで全身、性感帯になったみたいで…全然、落ち着かない…っ♥)」

霞「(身体ブルブル震えながら…ど、どんどん登っていっちゃうの…っ♪♪♪)」

それは霞が予想していた通り、予想以上のものだった。
彼女が今まで経験してきたオルガズムとは規模も激しさも悦楽の量もまったく違う。
濁流のようなそれはあちこちでうねりを作り、彼女の中で快楽の変化を生み出していた。
それに京太郎の指を咥え込んだ肉穴が、ビクンビクンと激しい反応をするのを霞は止められない。
視界が白く瞬くようなその気持ち良さに霞は溺れていった。


京太郎「あむ…」

霞「~~~~~っ♪♪」

そんな彼女の口腔を、京太郎はねっとりと舐め回す。
子どものようなバードキスではなく、霞の事を貪るようなフレンチキス。
いっそ淫らと言っても良いそれは、しかし、とても優しいものだった。
快楽と幸福感、そのどちらも与えてくれる彼に彼女の口から言葉が失われる。
そのような余裕があるなら、アクメとキスの感覚を貪る事に集中した方が良いと本能が判断したからだった。

霞「(に、偽物…だったの…♪)」

霞「(霞が今まで感じてたのは…本当の絶頂じゃ…なかったぁ…♪♪)」

霞「(こ、こっちが…本物ぉ…♥)」

霞「(意地悪で激しくて滅茶苦茶で…♪♪ でも、気持ちの良いコレが…♪)」

霞「(大好きな人にベロチューされながらイかされちゃうコレが…本当の絶頂だったあぁ…♪♪♪)」

幾ら日常的にオナニーを繰り返していたとは言え、彼女は名家のお嬢様だ。
普段、自身が味わっていたのが甘イキと呼ばれるものであり、ちゃんとしたオルガズムである事も。
そして今の自分が夢中になっているそれが深イキと呼ばれるものである事もまったく知らない。
彼女にとって確かなのは、今の絶頂の方が気持ち良く、そして好みだと言う事と。


霞「(でも…ぉお…♥ でも…これ…切ないわ…♪♪)」

霞「(気持ち良くて激しくて…すっごいけれど…♪)」

霞「(でも…でも、だからこそ物足りなさが際立っちゃうの…♥♥)」

霞「(もうちょっとで最高の絶頂になるって分かるから…♪ だから…どことなく足を引いて…ぇ♪♪)」

言葉にできない物足りなさ。
それは人生最高の絶頂に達した霞の心に黒い点を残した。
彼女の身体を真っ白に染めるような快楽の中、いやというほど目立つそれが霞は気になって仕方がない。
一体、これほど気持ち良くさせて貰っておいて、自分の身体は何を不満に思っているのか。
その原因が思いつかないまま、霞は激しさの中で身体を震わせるしかなかった。

霞「(こ、こんな…こんなの生殺し…よぉ…♥)」

霞「(今までで一番、気持ち良いからこそ…どうしても我慢出来なくて…っ♪♪)」

霞「(霞の中で物足りなさがドンドン増してくのが…分か…るうぅ♪)」

霞「(パパにイかせて貰えたら…き、きっと楽になると思ったのに…♥)」

霞「(逆に…気持ち良すぎて…辛くなっちゃうなんてっ♥♥)」

完全に裏目に出てしまった絶頂。
それに後悔の言葉を浮かべる霞から、ゆっくり絶頂の色が抜けていく。
後に残るは幾分、穏やかになった余韻のような快楽のみ。
それに震えていた身体は緩やかに落ち着いていくものの、彼女の心はそうもいかない。
絶頂の中で強まった欲求不満に、霞は追い詰められていた。


霞「(もっと…気持ち良くなりたい…♪)」

霞「(今度こそ完璧な絶頂が欲しい…♥)」

霞「(心も身体も満たしてくれるような…最高の絶頂じゃないと霞はもうダメなの…っ♪♪)」

霞「んっ♪♪ ちゅぅぅうんっ♪♪♪」

だからこそ、彼女は京太郎に自身の舌を差し出した。
絶頂のキッカケとなったキスならば、自分の事を満足させてくれるはず。
そう思って胡乱に舌を伸ばす霞に、キスを続けていた京太郎も応えた。
二人の粘膜はそれが当然であるかのように絡み合い、ヌルリとした心地良さを霞に与える。
心から蕩けさせられるようなその気持ち良さは普段であれば、彼女をあっさりと虜にしてしまうものだっただろう。

霞「(でも、これじゃないの…♪)」

霞「(霞が欲しいの…コレじゃない…っ♪♪)」

霞「(気持ち良いけれど…で、でも、これ全然、足りなくて…♪)」

霞「(こんなんじゃ霞の子宮、到底、満足出来ない…ぃい♥♥)」

しかし、霞は満足する事が出来なかった。
彼女が求めているのはそれよりももっと強く、そして激しいアクメなのだから。
何もかもを押し流して壊すような絶頂には遠く及ばなかった。
しかし、欲求不満に疼く身体は、どうすれば良いのか分からない。
結果、彼女はなんとかして欲しいと縋るように京太郎の身体を抱きしめて。


京太郎「っ」ゴクッ

霞「あ…♥♥」

―― そこで霞は京太郎の肉棒に気づいた。

これ以上ないほどの痴態を見せながら絶頂した霞に、京太郎が萎えるはずがない。
彼女とキスしている今の彼には燃え盛るような興奮と、そして溢れかえるような欲情だけが浮かんでいる。
自然、それを最も色濃く反映する肉棒は、先端から透明な粘液を垂れ流しにしていた。
まるで愛液のような我慢汁の勢いに、霞は自身に何が足りなかったのかを知る。
いや、知ってしまう。

霞「(あぁ…♥ そう…そうよね…♥)」

霞「(霞一人が気持ち良くなって…それで満足なんて出来るはずないわ…♪♪)」

霞「(オナニーならそれで良かったかもしれないけれど…でも、今の霞はパパにイかせて貰ったんだもの…♥♥)」

霞「(パパの事も気持ち良くしてあげたいって…♥)」

霞「(パパと一緒にイきたいって…そう思っちゃったから…♥♥)」

霞「(だから…身体は満足できても、心の方が満たされなくて…♪♪)」

霞「(あんなに物足りない絶頂になってしまったのね…♪♪♪)」

それは無意識的に霞が目を背けていたものだった。
そこまで求めてしまったら、幾らなんでも京太郎に拒絶されてしまう。
そう理解しているが故に、霞は内心に浮かぶその欲求を見ようとしなかった。


霞「(パパぁ…♥)」

だが、今の霞はもうその欲求から目を背ける事が出来ない。
さっきのオルガズムと物足りなさは、彼女を満足させるどころかより淫らに堕とすものだったのだから。
自分に足りないものに気づいてしまった以上、貪欲なメスの本能が我慢出来るはずもない。
不足を埋めた上でもう一度、イかせて貰おうと、霞はゆっくりと両手を京太郎へ ―― その張り詰めた肉棒へと向ける。

京太郎「ぬぉっ!?」

霞「んぁ…♪♪」

久方ぶりに触れた男根は、彼女の記憶以上に熱くなっていた。
その内側に興奮と欲求不満を溜め込んだ性器への刺激に、京太郎は驚き、霞から口を離してしまう。
瞬間、肉棒の先端から染み出した我慢汁が霞の手を穢す。
もう辛抱堪らないと言わんばかりのその勢いに、霞もまた艶声を漏らした。


霞「パパのココ…とってもガチガチ…♥」

霞「ほんのちょっとシコシコしたら…すぐびゅーびゅーしそぉ…♥♥」

霞「霞のエロマンコグチュグチュにしてる間にもうこんなになっちゃったのね…♪♪」

霞「本当に可哀想で…可愛い…パパのオチンチンさん…♥♥」

京太郎「うあ…っ」

その表情はただ淫らなだけではなかった。
有無を言わさぬ圧力のようなものを感じさせるその表情のまま霞は京太郎の肉棒を撫でる。
その表面を擽るようなその指先に、これまでずっと我慢を続けてきた彼は耐え切れない。
ほんの僅かなその刺激に悦ぶように、肉棒がビクンと跳ねてしまう。

霞「で…もぉ…♥」スッ

京太郎「ぁ…」

そこで霞は京太郎からそっと身体を離す。
瞬間、彼の口から漏れるのは物足りなさそうな声だった。
京太郎の興奮はとうの昔に限界に達し、『家族』の事も彼の心には残っていない状態なのだから。
霞の手に『調教師』としてのメッキを剥がされてしまった今、射精への欲求が京太郎の心を捉えていた。


霞「霞はパパのオチンチンさんがここに欲しいの…ぉ♥♥」クパァ

京太郎「か、霞…」

そんな京太郎の前で霞は再び大陰唇を開いてみせた。
余韻に残る身体を後ろへと倒しながらのそれは、京太郎に悶えさせられた粘膜を余すところなく見せつける為のもの。
絶頂を経て、寄り淫らになったその部分から京太郎は目を離す事が出来ない。
未だ喘ぐようにひくつく肉穴に包皮が剥かれてピクピクと揺れる陰核。
そして朱色を増した桃色の粘膜が、京太郎のオスを誘惑している。

霞「さっきね…♪ 霞、すっごく気持ち良かったの…♥」

霞「今までで一番だって断言出来るくらいの絶頂だった…♥」

霞「でもね、でも…♪ 霞、満足出来なかったの…♥♥」

霞「パパと一緒じゃなかったから…♥だから…霞のココ、今もひくひくしてて…♪♪」

霞「パパのオチンチンさんが欲しいってエッチなお汁漏らしてるの…♥」

京太郎「お、お、俺は…」

霞のオネダリに京太郎の頭がクラクラと揺れる。
肉棒の疼きが限界に達しそうになっている彼にとって、それはあまりにも心惹かれるものだった。
その肉穴に挿入したのは指先の第一関節までだが、彼女の肉襞は熱烈に歓迎してくれたのだから。
入り口からジュルジュルとしゃぶるような肉穴は、間違いなく自分の事を気持ち良くしてくれる。
霞の絶頂からずっと彼の中でその言葉が消え去る事はなかった。


霞「責任なんか取らなくて良いの…♪」

霞「霞…も、もうおかしくなっちゃいそうだからぁ…っ♪♪」

霞「ただ、霞のエロマンコで…♪ パパ専用の性欲処理オマンコでぇ…♪♪」

霞「パパザーメンびゅるびゅるしてくれたらそれで満足なの…♥」

霞「そうしてくれなきゃ…霞、物足りなくて死んじゃいそうなのぉ…っ♪♪」

霞「だから…パパ…♥ 霞の事助けて…♪」

霞「パパのオチンチンさんで、エッチな霞を退治して…っ♥♥」

京太郎「~~~~っ!!!」

助けてと繰り返す霞の言葉は、京太郎に言い訳を与えた。
これはあくまでも彼女が狂わない為の応急処置。
決して自分が劣情に負けてしまったからではない。
とうの昔に興奮に敗北していた彼にとって、霞と一線を超える理由はあまりにも甘美過ぎるものだった。
逡巡する余裕さえ奪われた京太郎はまるで誘蛾灯に誘われるように彼女の身体へと覆いかぶさっていき……。






………


……





ってところで今日は終わりです(´・ω・`)色々と悩みましたが京ちゃんが年上お姉さんのおっぱいに勝てるはずなかったんや…

乙です
私の知ってるエロと>>1のエロとでは意味に大きな溝がありそうだ

しかし京ちゃん、唯一の安らぎが入浴中って厠すら危険なのか

>>989
ナニを入れるシーンがなければエロじゃない(錯乱)

>>841
正直、私もその辺りはかなり申し訳なく思ってます…
長さと言いヒロインの個別化と言い完全にプロットに失敗してる感が(´・ω・`)今更ですけど春と姫様+咲ちゃんだけで良かったかもしれない…
ただ、次の次からはほぼ死んでる京子ちゃん要素が多少、復活する予定です

>>863>>865
そう言って貰えると嬉しいです(´・ω・`)良子さんの色気は二十歳とは思えないレベルですからねー

>>864
大人のお姉さん+おっぱい美女とか京ちゃんに勝てる訳ないですからね、仕方ないね

>>989>>991
多分、トイレも何回かラキスケ引き起こして大丈夫って確信が持てない+時間が短すぎてゆっくり出来ないって感じだと思います
そして挿入はしてないんでエロはないに間違いはないと思います(>>991と同じく錯乱した目で)


今回はって事は次回は本番ですね、わかります


女の子がオッホォォォ♥ってならなければ、>>1の中ではエロじゃないんだよ

そして次スレー
【咲】京太郎「今日から俺が須賀京子ちゃん?」霞「13ですって」【永水】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1466330241/)

こっちは適当に感想なり何なりで埋めてってくださいなー

>>994
京子スレはKENZENなスレですから本番エロなんてないんや…

>>995
実際、冗談抜きで自分ではあまりエロくない気がします(´・ω・`)やっぱまじかる☆ちんぽでおほぉおおっ♥な女の子じゃないと…

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