【モバマスSS】くねくね (18)

※こんなタイトルですがホラー要素はありません


~とある田舎~

杏「あー暑いーつかれたーもう歩きたくないー裕美ーおぶれー」

裕美「なっなんで私が?」

杏「裕美なら頼めばおぶってくれるかなーと思ってさ」

比奈「いくら杏ちゃんが軽くても裕美ちゃんがおぶるのはきついと思うっスよ」

裕美「ジュースも持ってるし・・・」

杏「というわけでプロデューサー、おぶってー」

モバP(以下P表記)「はいはい」

比奈「あ、じゃあスイカは私が持つッスよ」

裕美「じゃあ私もいっしょに持つよ、紐片っぽこっちに」

P「おお助かる。ほれ」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1462982625

比奈「よっと・・・大玉だけあってけっこう重いっスね」

P「川でスイカやジュースを冷やすってのは田舎ならではだよな」

比奈「こうやって裕美ちゃんと2人でスイカ持ってると、なんか手え繋いで歩いてるみたいじゃないっスか?」

裕美「てっ、手を繋いで・・・?」

P「ははっ照れるな照れるな」

裕美「照れてないから!」

杏「じゃあすっかりプロデューサーのお荷物になってる杏はー?」

比奈「お祭りで遊び疲れてお父さんにおぶってもらってる娘さんみたいっスね」

P「こんな大きな娘がいるような歳じゃないんだけどなあ・・・」

杏「あははー」

P「戻ったぞー」

莉嘉「あっPくんおかえりー!スイカ!スイカは!?」

比奈「うっわ、もうスイカしか目に入ってないっスね」

美羽「なんでいっしょに荷物取りに行った杏さんが荷物になってるんですか?」

杏「やむにやまれぬ事情が」

裕美「暑いーとか疲れたーとかって」

杏「てへぺろ」

P「やっべスイカめっちゃ美味い」

裕美「こんな大きくて甘いスイカ、初めて食べたかも・・・」

比奈「昼ごはん食べたのに普通に食べれるっスね」

杏「まあ大半は水分だしねー」

莉嘉「あ、Pくんってスイカに塩かける派なんだー」

P「ちょっと塩かけると甘さが増すんだよなあ、不思議なことに」

比奈「ここで美羽ちゃんが『スイカ』を使って面白いギャグを」

美羽「えっ、ちょ・・・む、無茶振りにもほどがありますよ!」

杏「思わぬ方向からの刃が」

裕美「みんなを弄るのは普段杏さんの役目だからね」

比奈「いやー田舎でのんびりが思ったより楽しくってテンション上がってるみたいっスよ」

P「さて今日の仕事は午前で終わったし、どこか遊びに行って来ればいいんじゃないか?」

莉嘉「いいね!いろいろ探検しようよPくん!」

P「すまん、俺は明日の夏祭りイベントの関係で仕事が・・・」

莉嘉「えーっ!」

比奈「まあまあ、みんなで行ってみるっスよ」

杏「えー、そのみんなには杏も入ってるのー?」

裕美「みんなで行った方が楽しいよ?」

比奈「いよいよ暑くなる時間っスからねえ、川遊びでもするっスか?」

莉嘉「さんせーい!いこいこー☆」

P「あんま深いところは行くなよー、水の事故は怖いぞ」

杏「スイカ冷やしてたあそこならいいんじゃない?」

裕美「杏さん、いつの間にかけっこう乗り気だね」

杏「この暑さが解消されるなら多少はねー」

美羽「うーん、スイカ、スイカ・・・」

P「なんか静かだと思ったらまだ考えてたのか」

比奈「いやー、なんだかんだでけっこう疲れたっスねー」

杏「だねー」

美羽「杏さん、ほとんど川の中で寝そべってただけじゃないですか」

裕美「少し涼しくなったし、風も気持ちいいね」

杏「空気もおいしいしねー」

比奈「しっかしほんとに田んぼだらけっスね」

莉嘉「あれー?せっかく気持ちいい風が吹いてたのに風が止ん・・・うわっ!」

美羽「なっ、なにこのなんか生ぬるい風!?」

裕美「なんか気持ち悪いね」

杏「そうだな・・・『メキシコに吹く熱風!』という意味の」

比奈「サンタナっスか?」

杏「さすが比奈」

比奈「ジョジョは一般教養っスよ」

比奈「ん?みんな、アレって何っスかね?」

莉嘉「アレって?」

比奈「えーとあの、ずっと向こうの田んぼの真ん中で動いてるアレっス」

裕美「ほんとだ、何か白いのがくねくねしてるね」

莉嘉「何か・・・人みたい?」

美羽「でも遠くてよく見えませんね」

杏「かかしか何かじゃない?たまに田舎のおじさんが面白いかかし作ったりするじゃん」

莉嘉「じゃあ風で動く面白いかかしってこと?」

比奈「ああそうかもしれないっスね・・・って」

比奈「風が止んだのに相変わらずくねくね動いたままっスよ?」

杏「んー・・・ちょっと気になるなあ、確か裕美の荷物の中に・・・」ゴソゴソ

裕美「人の荷物を勝手に・・・」

杏「あったあった、双眼鏡ー」ペカー

比奈「何ものぶ代ボイスで言わなくても」

比奈「でも今の子たちにはのぶ代ボイスじゃあ通じないらしいっスよ?」

杏「マジか」

比奈「って杏ちゃんいくつなんっスか」

杏「あ、杏はピッチピチの17歳ですよ?キャハッ☆」

美羽「菜々さんのモノマネも上手いですね!」

杏「とにかくこの双眼鏡であの謎の物体を・・・」

杏「・・・・・・んふっ」

比奈「あ、杏ちゃんどうしたっスか!?」

莉嘉「お腹を押さえてうずくまってる・・・どうしたの!?お腹痛いの!?」

杏「     」プルプル

比奈「笑ってる・・・っスか?」

裕美「無言で双眼鏡をこっちに・・・?」

比奈「とっとにかく、私もアレが何なのか確認してみるっスよ!」

比奈「・・・・・・ぶふっ!」

比奈「ふっ・・・うくくくくく」

美羽「比奈さんまで・・・」

杏「あっ・・・あれは・・・反則・・・ふふっ・・・」

莉嘉「なっ何なの一体!?」

比奈「わ、わからないほうがいいっス・・・ぷっ」

美羽「って言いながら何で双眼鏡をこっちに・・・わかりました、見てみればわかるんですよね!?」

裕美「ちょ、ちょっと」

美羽「・・・・・・ふっ」

美羽「ふふふっ・・・ふっ・・・」ピクピク

裕美「美羽ちゃんまで・・・わ、私も・・・」

裕美「・・・・・・ぷっ!」

裕美「ふふ、あはははは・・・はーっ、お、お腹痛い・・・」

莉嘉「もうっ、みんなどうしたの!?わ、私も見てみる!」

P「おーいっ!お前らー!」

莉嘉「あれ?Pくん?」

P「莉嘉!お前もアレを見たのか!?」

莉嘉「ううん、まだ・・・でもみんなアレを双眼鏡で見たらお腹抱えてうずくまっちゃって」

P「莉嘉、アレを間近で見たら・・・」

P「腹筋が壊れる」

杏「壊されるのが・・・腹筋でよかった・・・」ピクピク

比奈「ぶふっ!や、やめて欲しいっス!今笑いの沸点が低く・・・ふふっ!」

莉嘉「そ、そんなに面白い何か・・・?」ゴクリ

莉嘉「ア、アタシも」スッ

莉嘉(・・・あれは、ヘ、ヘレンさん!?)

莉嘉(何か白いふわふわしたものを着て・・・くねくね踊ってる・・・?)

ヘレン「ヘーイ!(ビシッ」(と言っているように見える)

莉嘉(ポ、ポーズ決めた!)

莉嘉「ぷっ・・・くふふふふふ」

莉嘉「     」プルプル

P「あー莉嘉もやっぱダメだったか」

P「俺たちが日本の夏を満喫してるって聞いたヘレンが『なら世界レベルの夏の過ごし方を教えてあげるわ!』」

P「という言葉を残して事務所から姿を消したという連絡があってな」

P「しかしまさか田んぼの中から野生のヘレンのように飛び出してくるとは」

美羽「や、野生の、ヘレンさん、ふっ・・・くふっ」

杏「な、何レベルで、出てくるのさ」

比奈「そっ、そんなの世界レベルに、決まってるじゃないっスか、ふふっ!」

杏「ぶふっ!や、やめ・・・ひーっ、ひっ、お、お腹痛い」

P「おっ、こっち歩いてくるぞ」

ヘレン「グッモーニンエブリワン!」

裕美「んふっ」

杏「な、何で英語、っていうか、今昼過ぎ・・・ふふっ」

P「お前こんなとこで何してんだよ」

ヘレン「私を求める声がしたのよ。それよりP、私のダンスはどうだった?」

P「いやあんな遠くで踊られても何かくねくねしてるようにしか見えなかったぞ」

比奈「双眼鏡で見ても、くねくねしてるようにしか、んふっ、見えなかったっスけどね」

ヘレン「タコ踊りに見える? そうね。でも、この私がやれば違うわ」

莉嘉「な、なにも違わなかったよ!?」

ヘレン「世界レベルのパフォーマンス・・・貴方たちも理解できるようになりなさい」

杏「む、むーりぃー・・・」

美羽「プロデューサーさんは、何で、平気なんですか?」

P「慣れてるからな」

ヘレン「ふふっ、覇者は孤独なものと思っていたけれど、やはりPは私の崇高な理想を理解しているようね」

P「重ねて言うが慣れてるだけだぞ」

P「晩飯はバーベキューだぞー」

杏「肉うまー」

比奈「杏ちゃん、ちゃんと野菜も食べるっスよ」

美羽「あれ?ヘレンさんは?」

P「なんか東京で花火大会があるってんでそっち飛んで行ったぞ」

莉嘉「ほとんどこっちにいなかったねー」

裕美「忙しい人だね」

美羽「でもヘレンさん、なんであんなところで踊ってたのかな」

比奈「きっとあふれ出る情動を抑えきれなかったっスよ」

杏「ふふっ・・・本当に言いそう」

P「黙ってたらすごい美人なのに、言動の破壊力が凄いよな」

裕美「あれはセクシーを超越した何かだね」

莉嘉「アタシも世界レベルになったらわかるのかなー?」

P「なんなくていいぞ、想像しただけで怖い」

以上で完結です。ここまで読んでくれた方ありがとうございました。
ネタ探しに洒落怖まとめを漁って久々に「くねくね」を読んだらヘレンを想像してしまったことによる一発ネタです。
あと草を生やさずに、笑ってることを表現するのって難しいと痛感。

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