【ガルパン】西住まほの戦車道実況観戦 Ⅱ号 (353)

注意:自己解釈とキャラ崩壊がちょっと入ります
   少しずつ更新していきますので、気長に付き合ってください


【ガルパン】西住まほの戦車道実況観戦 の続編ですが、読まなくても平気だと思います

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1462970782

まほ「お久しぶりです。昼間はみほを見守る絶対の盾、夜はみほへ攻め込みたい矛でお馴染み、西住まほです」

しほ「今晩はミホニストのみなさん。伝説を生む母、西住しほです」

まほ「本日は――大会前日ということで、大型特番です!」

しほ「いやぁ、特番いいですね。当番組も前回で300回を超えましたし、節目としてもばっちりではないでしょうか」

まほ「ええ、そうですねぇ。さて本日は私達二人が進行を務めます」

まほ「今放送では、これまでの実況を振り返り、明日の――大会へ気持ちを高めて頂きたい」

しほ「以前より募集していました。『もう一度見たい、貴方が選ぶ実況』」

しほ「まほさん見てください。これ全部お便りですよ」ドサ

まほ「これはすごい!んー、これだけお便りを頂くと全部採用したくなりますね」

しほ「しかし、残念ながら選ばなければいけません」

しほ「この箱の中からお便りを引いて、抽選します。選ばれた回を時間の許す限り、順次見ていきますよ」

まほ「さぁ一体どの試合が選ばれますかね。さっそく引いて行きましょう」

しほ「それではまほさん、一枚目をどうぞ!」

まほ「んーーーハッ!これだ!」シュパッ

まほ「『みほ実、毎回楽しく観てます。私がオススメするのはやっぱりこの回ですね。
第63回戦車道高校生大会第二回戦大洗VSアンツィオ戦です!
成長途中の大洗とドューチェの策略が見所です。大洗の奇抜な作戦の幅はここから広がったんじゃないでしょうか。
何よりカバさんチームのたかty..カエサル選手がかっこいいです!かっこいいんです!』」



まほ「えー、『タカチャンlover前菜』さんからのお便りですね。ありがとうございました」

しほ「ああ、この試合ですか。そうですね、大洗の欺瞞作戦などはこの試合の影響でしょうね」

しほ「タカチャンlover前菜さんの言うとおり、アンツィオの作戦とまだまだ手探りなみほ選手達が見所ですね」

まほ「個人的には、最後のみほの表情が最高でしたね。是非注目してください」

しほ「それではさっそくご覧下さい、大洗VSアンツィオ戦VTRどうぞ」

===過去放送VTR==============

【大洗VSアンツィオ戦】



―黒森峰女学園―

赤星「エリカさん、隊長が呼んでましたよ?」

エリカ「隊長が?わかったわ。すぐ行く」スタスタ

赤星「...」

赤星「えっと注目してください。隊長より伝令です!明日のよt~

・・・・・・・・・・・・・


エリカ「隊長、お呼びですか?」

まほ「ああ、待っていたぞエリカ。かけてくれ」

エリカ「はい。それで用とは?」ストン

まほ「明日、敵情視察に向かうぞ」

エリカ「え!?明日ですか?試合はもう明後日ですよ!?」

まほ「わかっている。試合が明後日でよかった。タイミングばっちりだな」フフ

エリカ「何が!?何がわかってるんですか!遅すぎますよ」

エリカ「それに継続対策は十分練ったじゃありませんか!必要ありません」

まほ「いや、これは私的な問題なんだ。私が見に行かないと、万全の状態で明後日を迎えられない」

まほ「だからこそお前にだけ話したんだ」

エリカ「え///...っ、でですが明日の練習はどうするんですか!」

まほ「その点に関しては、包囲陣の確認と整備だけ済まして、早めに休むよう赤星に伝令を任せた」

エリカ「なっ!(いつの間に)」

エリカ「し、しかしですね!s「エリカ!」

エリカ「!」

まほ「お前にしか頼めないんだ。他の者ではダメなんだ。一緒に来てくれ」ジ

エリカ「う///(真剣な目...それにそんなこと言われたら断れないじゃないですか」ポ

エリカ「...わかりました」

まほ「そうか!それではこの時刻に集合だ!菊代さんがヘリを出してくれる」ニコニコ

エリカ「はい///(あんなに笑顔で...私と行くのをそんなに喜んでくれるなんて)」ポッ

まほ「...」フフ

・・・・・・・・・・・・・・・・

―全国大会大洗VSアンツィオ戦会場―


まほ「こんにちは皆さん。3度の飯よりみほが好き、本日の実況を努めます。西住まほです」

まほ「本日はイタリアをモチーフとしたアンツィオと辛くもサンダースを破った新星大洗。アンツィオは戦車道の復興を、大洗は復活をさせたチームです。近い境遇を感じますねエリカさん」

エリカ「...あの...隊長?これはなんですか?」

まほ「おや、逸見さんどうしました?」

エリカ「『どうしました?』は、こちらの台詞です!継続の敵情視察ではなかったんですか!?」

まほ「ん?私は継続を見に行くなど一言も言ってないぞ」

エリカ「明日は私達が継続高校と試合なんですよ!」

まほ「やれやれ。エリカ落ち着け、みほを前に興奮するのもわかるが戦車乗りなら常に冷静にだ」

エリカ「誰のせいですか!?大体こんなことしてる場合ですか!?」

まほ「おい、『こんなこと』?...今こんなことと言ったか?」

エリカ「そもそも隊長ワザと、わかりにくく言いましたね!完全に騙されたわ!隊長聞いてr....」

まほ「...」ゴゴゴゴゴ

エリカ「あ、あの隊長?」アセ

まほ「エリカ、西住流とはなんだ?」

エリカ「どんなことがあっても前へと進み続ける流派です」

まほ「戦車道とはなんだ?」

エリカ「...戦車を通じて、競い協力し自分の道を歩くための武芸です」

まほ「だったら!」カッ

まほ「私が!試合前日だろうと、目的のため前へ進み続けるのは当然だろう!西住流の後継者なんだから!」

まほ「みほを撮るためなら、どんなことも些細なことだろうエリカ!それが私の戦車道なんだから!」クワ

エリカ「いやしかし...(前進してる方向がおかしい...というか意味がわかりません)」

まほ「しかしも案山子も無い!いいか!お前が否定しているのは西住流だぞ!」

まほ「黒森峰はそれに則ったチームだ、その在り方を否定するのと同義だぞ!」

エリカ「わかりました、わかりましたから!」ハァ

エリカ「(めんどくさすぎるこの人...)」

まほ「そうか、それならいいんだ」フフ

まほ「それでは気を取り直して...」コホン

まほ「さて、みほ選手の戦いを間近に、ちょっとテンションが上がってしまっている様子な本日の解説、逸見エリカさんです。よろしくお願いします」

エリカ「あ、やっぱりコレのためだったんですね...」

まほ「当たり前だろう、それに昨日言ったじゃないか。『お前じゃなきゃ(解説は)だめなんだ』って」

エリカ「ハァ、もう何でもいいです。...よろしくお願いします(期待して損した...)」ガク

まほ「おっと、エリカさんと戯れていたらもうこんな時間ですね」

まほ「第63回戦車道高校生大会2回戦グループBアンツィオVS大洗戦、間もなく開幕です」

まほ「開始までの間にエリカさん、アンツィオの戦略的特徴をお願いします」

エリカ「はい。CV33とセモベンテを主力として、機動力を生かしたヒット&アウェイを得意としていました」

まほ「『いました』というのは?」

エリカ「アンツィオは第60、61回では大会に出ていません。学内で戦車道履修者が減少したのが原因みたいです。先程までの説明はこのアンツィオが衰退する前までの戦術ですね」

まほ「なるほど」

エリカ「しかし昨年度第62回より復活し、フィールドや敵車両に合わせて戦略を変えるという柔軟なスタイルにかわりました。且つ持ち前の機動力を活かし、小隊での強襲なども行います」

エリカ「勢いのあるチームに、優秀なブレインが就いたようですね。徐々にその実力を伸ばしています」

まほ「疾走する馬に、轡を握る騎手がついたといった感じですね」

まほ「更に2回戦ではP40が投入されるようですからね。まだ見ぬ様相を見せてくれそうですよ」

エリカ「P40は性能としては中戦車で、火力には劣りますが機動力があります。これまでのアンツィオの戦い方にも合致しますからね。楽しみです」

まほ「そうですねぇ。むむ、そろそろ始まるようです!」



試合アナウンス「試合開始!」


まほ「始まりました!」

まほ「開始直後ですが、さっそく気象情報と今回のフィールドからお伝えしていきましょう」

まほ「現在気温は30℃・湿度が50% 綺麗な青空が広がっています」

エリカ「気温は高いようですが、風がありますからね。快適です」

まほ「山岳と荒地フィールドでの戦闘となります」

エリカ「ここは急勾配や、小さな崖などが多く有りますからね。立体的な視野を持って戦わないといけません」

まほ「んーなるほど。両チームがこの立地をどう扱うかが、ポイントになりそうですね」


早いですが寝ます
こんな具合に今回はちょくちょく書いていこうと思います
各試合は一週間以内に書き終える予定です

エリカ「当フィールドは東西南北に伸びる街道があり、丁度中心が十字路になってます。素直に街道沿いに進むと開けた十字路でかち合うことになりますね」

まほ「しかし両チームの車両的には、正面からの戦闘はお互い避けたいでしょうね」

エリカ「ええ、ですのでこの街道から外れたところで、どういった動きをするかが大切です」

まほ「ん?エリカさん、上空からの全体マップに注目してください」

エリカ「おお、アンツィオCV33早いですね。先行してもう街道中心ですよ」

まほ「はい、ですがこれは...停車してますね。待ち伏せでしょうか」

エリカ「んー車両としては遊撃と強襲向きですが...おや、動き出しましたね」

まほ「待ち伏せでは無いみたいです」

<~カイドウノヨウスヲ、ホウコクシテクダサイ

まほ「おおっとぉ、エリカさん。気がつきましたか?」ニヤ

エリカ「え?...!(このパターンは副隊長のことね)」

エリカ「ええと、みほ選手、前サンダース戦よりも落ち着いているように思います。隊長らしくなってきましたね」

まほ「ええ!わかってきましたねエリカさん。いいですよ、はぁい」ニッコニコ

<トウタツシマシタ!!テキハッケン

エリカ「まほさん、どうやら街道へ到達したようですよ(いい顔してるなぁ...」ハァ

まほ「むむ、これはおかしいですね。全体マップですと、車両は見られませんが...」

エリカ「恐らく、ダミーですね。足止めして先程の先行していたCV33が、東へ大きく回り込んでますから、まず間違いないですよ」

まほ「つまり挟撃を狙ってるんですね。なるほど」

まほ「さて、大洗はどう対応しますかね」

エリカ「北側街道にダミーがあるようですから、南側の街道から進行すると思いますよ」

まほ「大洗、南側へM3を先行させます。これも偵察ですね」

<テキハッケン、ミラレチャッタカモ

まほ「おやおや、こちらも全体マップには写っていません!」

エリカ「つまりこちらも」

まほ「dummyーーーー!!」

エリカ「(なんでそんなテンション上がってんですか)」

まほ「これは大洗からすると、予想外なんじゃないでしょうか」

まほ「大洗の視点では、アンツィオが衝軛陣で迎え撃とうとしてるように見ますからね」

エリカ「ええ、アンツィオが防衛戦をしてくるとは考えませんからね」

<~アルイミヨソウガイ

まほ「やはり困惑してますね。大洗」

エリカ「アンツィオの校風とは異なりますからね(そういえば、またナチュラルに盗聴してるわね)」

<~11リョウモイル!

まほ「!こ・れ・はwww」

エリカ「やっちゃいましたねぇ(草生やすな)」

まほ「聡明な、みほ選手はすぐに見抜きましたね」

エリカ「(いや誰でも疑問にもちますよ)」

まほ「んー酷いくらい早期にバレちゃいましたねー」

エリカ「コレ勢いで適当にダミー置いたんでしょうね。校風がでてます」

まほ「さぁ気がついた大洗、早くも追撃に入ります」

エリカ「どうやら大洗はこのまま進行して、アンツィオが分散してる間にフラッグ車を取るつもりのようです」

まほ「1回戦サンダース戦での鬼ゴッコといい、大洗は何か持ってますねww」

エリカ「珍プレイと言いますか、確かに愉快な状況が続けて見られますね

エリカ「しかしこれアンツィオ、作戦はよかったと思いますよ」

まほ「そうですね、車両の動きといいアンツィオは練度も高い!」

まほ「優秀な隊長のようです。ですがまだ指揮が甘いですね」

エリカ「余談ですが、その能力の高さからドゥーチェと呼ばれ慕われているそうですよ」

まほ「ドゥーチェ!ドゥーチェ!」

エリカ「!!ど、どうしたんですか急に」ビク

まほ「いや、やっておかないといけない気がしてな」

まほ「! おおおおと、両チーム隊長車がニアミス!フラッグ車のアンツィオP40、大洗の38tもいます」

エリカ「P40が西街道脇に隠れていたようですね。飛び出しでの接触のようですが、これは意図した邂逅では無いようですね」

まほ「両隊長判断が早い!みほ選手は固定砲の3凸にP40の後ろを取るように指示!」

まほ「対するアンツィオ隊長、アンチョビ選手はセモベンテにてそれを阻止!」

エリカ「指示出しを行いながら、すぐさまP40と並走する形で追撃に走ったⅣ号、見事ですね」

まほ「展開が早くて、我々が置いてかれてますよ」

エリカ「ほんとですねぇ。そもそも実況なんでしょうかこれは」

まほ「エリカさん...それ以上はぁ...いけません」ジト

エリカ「あ、はい(自覚あるんだ...)」

寝るます

明日はお休みなので、明日でアンツィオ編は書ききれると思います
レスありがとうございます

まほ「さて、3突とセモベンテすごいぶつかり合いですよ!」

エリカ「両車共に固定砲ですから、側面は晒せません。加えて、セモベンテはどこに当たっても装甲抜かれますからね」

エリカ「上手く砲身同士をぶつけて逸らしてますね」

まほ「では、3突が有利と?」

エリカ「いやぁ難しいですよこれ」

エリカ「正面からなら3突ですが、セモベンテの方が機動力がありますからね。横を取られると負けます」

まほ「激しいぶつかり合いが続いてます」

まほ「おや、追撃に出た89式はCV33に翻弄されてるようです」

エリカ「こっちも派手ですね。映画のカーチェイスみたいですよ」

まほ「機銃とは言え5両からの集中砲火は怖いですね」

エリカ「89式の後方は15mmと装甲も薄いですからね。CV33の8mm機銃でも馬鹿にできませんよ」

まほ「対する89式はCV33に有効打を与えられていないようです。苦戦してますね」

エリカ「アンツィオの車両は、どの車両も走行技術すごいですね。これは見習いたい」

まほ「さて気になる隊長車達は...」

まほ「んー、すれ違いざまに一撃!これを躱していく」

まほ「こちらも中々状況が変わっていませんね。そろそろ動きが出てくるんじゃないでしょうか」

エリカ「そうですねぇ。先に流れと掴んだ方に勢いが味方しますよ」

<アヒルサンチームナラ、キットデキマス!

まほ「んーみほ選手は1回戦とは見違えますね」

エリカ「元々黒森峰でも副隊長ですからね、馴染めば当然です」

まほ「ええ、その通りですね(ふむ、色々言うがエリカも認めているんじゃないか)」フフ

エリカ「...なんですか?」

まほ「いえ、なんでもありません。! うわぁっと!大洗危ない!」

エリカ「ええ、びっくりしました。危うく自チーム車と接触でしたね。まだお互いの位置把握はできていない様子。今後の課題ですね」

まほ「しかし見てください大洗89式、落ち着いてCV33を一両ずつ削り出しましたよ!」

エリカ「先制は大洗ですか。練度が上がっている所もしっかりと見られますね。まだ成長しますよこれは」

まほ「むむ、アンツィオP40の護衛車もやられました。これでフラッグ車は裸です」

まほ「大洗チャーンス!」

エリカ「アンチョビ選手、判断早いですよ。全体マップを見てください。アンツィオは合流を図るようです」

まほ「みほ選手も早い。フラッグ車38tを残して、Ⅳ号は移動を始めました」

まほ「分かりやすい囮ですね」

エリカ「でもこれは食いつちゃいますね。諸々を含めても、チャンスには違いありませんからね」

<ユウドウ、ヨロシクオネガイシマス

まほ「やはり囮のようです。にしても38tの操縦手もうまいですね」

エリカ「ええ、凹凸の激しいこの山岳フィールドを安定して走ってます。優秀ですよ」

まほ「他の戦況も見てみましょうか。ん?3突とセモベンテはまだ一騎打ち中のようです」

エリカ「このセモベンテのみP40へ合流を図ってませんね」

まほ「戦況的には上手くないですが、熱い一騎打ち。こういうの大好きですよ私は」

エリカ「射程外から狙える3突はP40にとって脅威ですから、ここで落としたいのかもしれません」

まほ「いやぁ、ここまで熱の入った戦いは、違う理由によるものじゃないですかね」

エリカ「というと?」

まほ「この車両には絶対勝ちたいっていう執着が感じられます。搭乗者同士は友人かもしれませんね」

エリカ「?それはなぜ?」

まほ「戦いを見ればわかります。踊っているようじゃないですか」フッ

エリカ「んー私にはわからない感覚ですね(どっかの隊長みたいにポエマーね)」

まほエリカ「!!」

まほ「エリカさん、見ましたか?」

エリカ「ええ、まったく同じ動きでしたね。互いに相手の裏を取りにいき、回り込んだ結果の正面からの撃ち合い」

まほ「踊っているようでしょう?」

エリカ「なるほど、確かに美しく、そして楽しそうでした」

まほ「いいですねぇ。私もみほ選手と華麗な一騎打ちしたいです」

エリカ「隊長車同士の一騎打ちなんて普通ないですよ」ハァ

まほ「ですねぇ残念です」

エリカ「(そんな状況に普通護衛車がさせませんよ、少なくとも黒森峰ならね)」フフン

まほ「さてその隊長車は...Ⅳ号は崖上で待機してますね」

エリカ「見てください38tが下にやってきましたよ」

まほ「ということは...来ましたP40です」

エリカ「これ結構賭けのような囮作戦だと思いましたが、38tの走行本当に見事でしたね」

まほ「十分に信頼出来る技術があったんですね」

まほ「遅れてセモベンテも到着、CV33も来ました」

エリカ「しかしどちらも見事に白旗。後方の二両を庇う形で後退しP40も...」シュボ

まほ「白旗ですね」



試合アナウンス「大洗女子学園の勝利!!」


<フフッ

まほ「いやあああああああああ!見ましたか!?見ましたか?」●REC(HD)

まほ「みほの悩殺スマイルだぞ!エリカ見ましたのか!?」

エリカ「落ち着いてください、日本語が変です(頭も)」

エリカ「2回戦も突破しましたね。これは本当に戦うことになるかもしれません」

まほ「いや、正直もう今のみほ選手の笑顔で全部内容飛びました」

エリカ「おい」

まほ「冗談です。さてエリカさん、今回すごいですよ」

エリカ「?笑顔はもうわかりましたから」

まほ「いえ、そのことじゃありません。敵車両をみてください」

エリカ「?...!全車白旗判定ですね!」

まほ「そうです!そして大洗は全車残ってますから、完封試合になります」

エリカ「...いや、本当にこれが戦車道を始めて半年も経たないチームだとは思えませんね」

まほ「ええ、今大会本当に大番狂わせがあるかもしれませんよ」ワクワク

エリカ「いやそれは期待しないでくださいよ。私達も戦うかもしれないんですから」アセ

まほ「これはいい風が吹いてますよ大洗。この勢いのまま決勝まできて欲しいものです」

まほ「情報によりますと、第二回戦グループAの結果が出たようです。相手は...プラウダ高校のようですね」

エリカ「...みほ選手には辛い試合になるかもしれませんね」

まほ「はい。ですが乗り越えてほしいですね。そしてその先で姉として、元仲間として迎え撃って見せましょう」

エリカ「はい」

まほ「皆さんそろそろお時間になりました」

まほ「本日の解説はイタリアンよりハンバーグ、逸見エリカさんでした。有難うございました」

エリカ「有難うございました(なんかあっという間だったわね)」

まほ「次回は準決勝グループA大洗VSプラウダをお送りします」

エリカ「え...ちょ!隊長、私達の準決勝前ですよ!?流石にそれはダメですって!」

まほ「フッ、次回も是非お楽しみに。実況は私、西住まほでした」

エリカ「ちょっと!?隊長!」

ウルサイゾエリカ、ホラハヤクシロ

キイテマスカ?ッテカ、ドコニイクンデスカ

アンツィオノ イロウカイニ、マザリニイク

ショウキデスカ!?フクタイチョウタチガ、イルンデスヨ 

ヘンソウスルカラ、ヘイキヘイキ

ア、チョットマッテクダサイヨォ


[アンツィオ編 完]




========VTR終了=========



おうふ

ごもっともです

>>53訂正


まほ「冗談です。さてエリカさん、今回すごいですよ」

エリカ「?笑顔はもうわかりましたから」

まほ「いえ、そのことじゃありません。敵車両をみてください」

エリカ「?...!全車白旗判定ですね!」

まほ「そうです!そして大洗は3突以外は残ってますから、ほぼ完全試合になります」

エリカ「...いや、本当にこれが戦車道を始めて半年も経たないチームだとは思えませんね」

まほ「ええ、今大会本当に大番狂わせがあるかもしれませんよ」ワクワク

エリカ「いやそれは期待しないでくださいよ。私達も戦うかもしれないんですから」アセ

========VTR終了=========



まほ「いやぁ、終始展開が早い試合でしたね」

しほ「ええ、それにタカチャンlover前菜さんの仰るとおり、このダミー作戦が大洗に影響を与えたのは間違いないですね」

まほ「そしてカバさんチーム、つまり3突ですが確かにこれはかっこよかった」

しほ「途中まほさんのコメントでもありました。踊っているという表現がぴったりな攻防は、非常に熱かったですね」

まほ「はい。しかしなんと言っても最後のみほ選手の笑顔ですね」

しほ「ここから隊長としての自信や、試合を楽しむ気持ちが育まれたんじゃないですかね」

まほ「なるほど。タカチャンlover前菜さん有難うございました」

しほ「VTRを見てて思いましたが、まだまだ実況と解説は荒削りですねぇ二人共」フフ

まほ「いやぁ、恥ずかしいです。そこに目がいきましたか」

しほ「ええ、それからもう一つ。先程のVTRアンツィオ戦では彼女達に、まったく注目していませんでしたね」

まほ「そこは私も気がつきました。この頃はまだ頭角を表していなかったようですね」

しほ「ここでもう少し彼女達への警戒が高まっていれば、決勝戦の黒森峰VS大洗戦はまた違ったかもしれません」

まほ「はい。現在の実力もそうですが、本当にM3ウサギさんチームは化けましたね」

しほ「こういったことも見えるので、過去回の放送というのは面白いです」

まほ「さて、お時間はまだたっぷりありますからね。次のお便りを引きましょうか」

しほ「ではどうぞ」スッ

まほ「次のVは...」ガサゴソ

まほ「これだ!」

まほ「『みほ実、放送300回おめでとうございます。是非みなさんに...と言うより私が見たいのだけれど、大洗VS聖グロの練習試合です。
この試合は当時の隊長が不在で、且つ3年生の引退を想定した新隊長による初試合でした。当時は見ることが出来なかったけれど、随分と面白い試合だったそうです。近い――大会の前に初心を思い出すためにも、ペコの最初の一歩をこの機会に見ておきたいの。本当はただ、昔のペコを見たいだけなのだけれどねフフッ』」


まほ「『ペンネームはよくわからないから、久しぶりにダージリンと名乗ろうかしら』さんからのお便りでした」

しほ「もうそれはダージリンさんで良くないかしら...」

まほ「ん?ああこれ全てがペンネームかと思いました」

まほ「改めまして『ダージリン』さんの見たい大洗VS聖グロ戦。この両チームはみほ選手が卒業するまで、公式戦では一度も戦うことがありませんでしたね」

しほ「そうですね。交流試合や練習試合は頻繁に行っていたようですから、かなりの激戦がみれたかもしれないだけに残念です」

まほ「この練習試合は私も生では見れていなかったんですよ。丁度大学選抜の事前入隊の日でしたので」

しほ「おや、ではこのVでの実況は...」

まほ「それは見てのお楽しみです」

まほ「さてこの回の見所は、みほ選手の試合を全て見てきた、聖グロの新隊長の冷静な対応力です」

まほ「あれだけ、執拗に格言を吹き込まれて、平静でいられる彼女の胆力と精神力は相当なものですよ」

しほ「そして更に変化していく、みほ選手率いる大洗にも注目です」

しほ「ではさっそくご覧下さい、大洗VS聖グロ戦VTRどうぞ!」

ここから大洗VS聖グロ編です
大学選抜後の設定となりますので、完全オリジナルで書きます。そういうのダメな人は飛ばしたほうがいいかもです。
続きは、今週中にちょいちょい出していきます


余談ですが、21日からまた劇場版の4DX復活するらしいので楽しみですね


====過去放送VTR=======

【大洗VS聖グロ戦】


――――横須賀港――――――


赤星「少し早く付いちゃいましたね、エリカさんはまだ来てないみたい」キョロキョロ チラ

赤星「急に『件名:今晩6時に横須賀港 本文:なし』なんてメールくるから驚きました」

赤星「しかもメールが来た時刻は午後2時。家元のとこのお手伝いさんがヘリで来てくれなかったら、どうやったって間に合わなかったですよ」

赤星「普段人と連絡取らないから、事前に伝えるっていう配慮ができないんですね」ハァ 

エリカ「ねぇ、貴方一回私と目があったわよね。気が付いてるわよね。ワザとやってんのよね?喧嘩売ってる?」ビキビキ

赤星「居たんですねエリカさん!パンツルックじゃなくてまさかのワンピース来てるから、別人だと思いましたよ」

赤星「あと急な誘いで慌てて準備させられた恨み言を言いたかっただけです」

エリカ「別にいいでしょ!あんた、私がスカートとか履いてくる度に、それ言うのやめなさいよ!」

エリカ「それからあのメールはあれで最速なのよ」

赤星「恒例の挨拶みたいでいいじゃないですか。それで最速ってどういう意味なんです?」

エリカ「隊長に急に指示出されて、要件言われた直後に送ったのよ」

赤星「え、じゃあこれって隊長の用事だったんですか!?てっきり暇なエリカさんの嫌がらせかと..」

エリカ「私のことなんだと思ってるのよ...」ビキ

赤星「冗談は置いといて、それで今日の用事っていうのは何なんです?」

エリカ「『エリカ、いつもの奴だ。適当に誰か捕まえて、横須賀で試合を撮ってきてくれ。ついでに海軍カレーが食べたい。期待してるぞ』」

エリカ「だそうよ」

赤星「カレーのお使いですか。エリカさん完全にパシリですね」

エリカ「そっちじゃないわよ!試合よ!試合!」

赤星「そっちでも結局パシリじゃないですか(笑)」

エリカ「うるさいわよ!」

赤星「試合っていうと聖グロですか?学園艦そこにありますし、もう一隻は...大洗!」パァ

赤星「みほさんも来てるんですね!」

エリカ「さっきまでとの温度差にビックリするから、落ち着きなさいよ。そうよ練習試合ですって」

エリカ「それを撮るのよ。...ハァやりたくないなぁ...」

赤星「?どうしたんですかエリカさん。撮るなら早く行って準備しないと」

エリカ「ええ、行くわ(隊長にしっかりやるよう念を押されてるけど、あのテンションを、ノリを、同期に見られたくない)」

エリカ「(私が隊長のポジ、つまり実況よね。リードしなきゃいけないのよね...)うわぁ..」

エリカ「(...いいえ、隊長に任せられたからには、やってやるわ。見ていてください隊長!)」

・・・・・・・・・・・・・


赤星「今晩は皆さん。いつも心に、みほ選手。寝ても覚めてもみほ選手。みほ選手非公式ファンクラブNO.4赤星小梅です」

赤星「本日はイギリスかぶれの紅茶狂い、聖グロリアーナ女学院VS大洗女子学園の練習試合の様子をお届けします」

エリカ「なんでよ!?」

赤星「先々週の聖グロと黒森峰の練習試合で、私の車両が最初に落とされましたからね。今日はちょっと辛辣にいきます」

エリカ「そこじゃないわよ!いや、そこも気になったけど!なんで貴方が、こなれた感じで実況始めてるのよ!?」

赤星「何を隠そう私は『みほ実』全放送見てきた、熱烈なファンの一人ですからね。一回やってみたかったんですよ」

エリカ「え!?ちょっと待って、あれって本当に放送してたの!?」

赤星「ネット配信で、全話無料で視聴できますよ。もちろん私はリアルタイムで見てましたが」ドヤァ

エリカ「」

赤星「エリカさんの解説も最近は良くなって来ましたね」ニコニコ

エリカ「」

赤星「さてやっと落ち着いてくださったようですので、紹介しましょう」

赤星「焼く前のハンバーグのような粘着質の嫌味な忠犬。解説の逸見エリカさんです。本日はよろしくお願いします」

エリカ「よろしくする気ないじゃないあんた!辛辣通り越してタダの罵倒じゃない!聖グロに対してだけじゃなかったの!?」

赤星「あの試合は逸見さんの指示で、前へ出なければ私はやられませんでしたので。オーバー?」

エリカ「逆恨みじゃない!完全に!」

赤星「どうやら試合が楽しみで、既にボルテージは最高潮のようですね」

エリカ「聞きなさいよ!」

赤星「本日の会場は横須賀市街一帯となります。聖グロのホームでの戦いですね」

エリカ「ちょっと聞いてr「これ隊長も視るんですよ?」

エリカ「ゴホン。ええ、そうですね。大洗がこちらで試合をするのは初めてです。その上、日の落ちた夜間試合も大洗は初めてじゃないでしょうか」

赤星「学生の試合で夜間は基本ありませんからね。本日は練習試合といっても祭事の一部としてのゲスト戦です」

エリカ「なるほど。車両情報はもう出てるんですか?」

赤星「はい。大洗の車両数に合わせた8対8のフラッグ戦です」

赤星「聖グロは、チャーチル1両,マチルダⅡ4両,クルセイダー3両です。大洗に変化はありません」

エリカ「フィールドは横須賀市一帯ですね。開戦は横須賀海軍基地の演習場からとなります」

赤星「両チームかなり近い位置からのスタートですね」

エリカ「電撃戦の場合、車両的に聖グロが優勢ですね。しかし...」

赤星「そこは大洗距離を取って絡め手でくるでしょうね」

エリカ「はい」

赤星「さて間もなく試合が始まりますので、ここで気象情報です」

赤星「現在気温は15℃・湿度は80%です。天候は雨となってます。視界不良が心配ですね」

エリカ「この雨が試合に影響しそうですね」

赤星「雨か...あの時のことを思い出してしましますね」

赤星「沈む戦車の中、私達はもうおしまいだと思いました...」

エリカ「ちょっ、ちょっと」

赤星「しかしそこへずぶ濡れになりながら、みほさんが私たちを助けてくれたんです」

エリカ「...」

赤星「雨が降るたびに、あの時の透けブラしたみほさんが私の頭から離れてくれません」

エリカ「...ん?」

赤星「そして意識を失ったフリして、人工呼吸まで受けた仲間への怒りも「おい」

赤星「なんですか、ここからが大事な「小梅」

エリカ「やめろ」マガオ

赤星「うす」

赤星「コホンおっと、もう始まるようですよ。タイミングばっちりですね」




試合アナウンス「試合開始!」



まさか出張で島、行かされると思ってなかったんです
全然書き溜められてないので、小出しで書いてきます

また4DXはよ見たいなぁ

赤星「さぁ始まりました!今回の聖グロは隊長が不在ですからね。どういった動きをするか楽しみです」

エリカ「なんでも一年生のオレンジペコさんが代理を勤めているようです」

赤星「なるほど。エリカさん、どんな戦いになると思いますか」

エリカ「んー難しいですね。従来の聖グロは連携を重視した戦い方をとります。別働隊のクルセイダーで敵陣を乱して、本体はタイミングを合わせての挟撃。時には、分散して確固撃破。常に動き続けることで、被弾率を下げつつ進行し、装甲を活かして近接戦をしかけます。さながら騎士と重装騎兵による白兵戦です」

赤星「従来のということは..」

エリカ「ええ、大洗の手を知り尽くしてるオレンジペコ選手。従来の英国騎士の如き戦いを貫くか、はたまた異なる戦いを見せてくれるのか。未知ですねぇ」

赤星「これは俄然期待が高まります。んん?大洗市街地へ向かうかと思いましたが、演習場から出てそのまま埠頭へ向かってますねこれ」

エリカ「聖グロのスタート位置が市街地に近いですからね。障害物の少ない演習場での接敵を避けたんでしょう」

赤星「おや、その聖グロですがクルセイダーが見当たりません」

エリカ「本当ですね。埠頭に先回りさせてる訳でも無いようですよ」

赤星「ちょっとモニター映像を遡って見てみましょう...どうやら市街地へ先に向かったようです」

エリカ「んー?機動力のあるクルセイダーを尖兵として扱うと思ったんですがね。意外です」

赤星「本体の方は綺麗な隊列を組んで大洗を追ってます」

赤星「対する大洗の方は...埠頭のコンテナ間にワザと車体を少し見せるように隠れてますね」

赤星「さっそく大洗、何か狙ってますねこれ。怪しい踊りです」

エリカ「怪しげな動き、ね」

エリカ「埠頭入口を正面に防御陣を組みました。何か違和感を感じますね」

赤星「ワザと車体を出しているのが気になります。おっと聖グロが来ましたよ」

エリカ「やはり警戒はしているようですが、前進します。マチルダⅡ3両が前衛、それにフラッグ車のチャーチルとマチルダⅡ一両が続く形で埠頭へ進行」

赤星「砲撃戦始まりましたね」

エリカ「しかし変ですね。大洗は4両しか撃ち返していません。頭を出しては隠れる、この一定の動作を繰り返してます」

赤星「3突とヘッツァーは回転砲塔じゃないため、頭だけ出して撃ちにくいのはわかりますが、PティーガーとⅣ号はおかしいですね」

エリカ「いえ、コンテナ間は狭いとはいえ旋回するには十分なスペースがあります。妙ですよ」

エリカ「...上空カメラの映像に切り替えてもらえますか?」

赤星「はい。...うわ!これは!また大胆な欺瞞作戦ですね。ふざけてる用にも思えますよ(笑」

エリカ「89式,ルノー,M3,3式がそれぞれ車両後部に、3突,ヘッツァー,Pティーガー,Ⅳ号の車両前部を模したハリボテを付けてますね」

赤星「大学選抜でも3突がハリボテで、カモフラージュしてましたね。今回は、ついに車両に直接装備しましたか」

エリカ「その状態で自車の頭とハリボテを、コンテナの両端から交互に出す。上から見てると笑ってしまいますが、雨天で夜間。視界が悪い今は、対峙してる側には判別は困難です」

赤星「なるほど、確かに聖グロは足を止めましたからね。効いてるようです」

エリカ「しかしこれ、気になるのは大洗の残り4両の行方ですね。全体マップを見ますと...」

エリカ「ああ、居ましたよ!埠頭奥の出口から、外周を回って来てます。聖グロの裏を取りに来てますね」

赤星「挟撃ですか。大洗がこうした単体による分離ではなく、2個中隊での行動は珍しいですね」

エリカ「そうですね。普段だと車両数の差がありますから、あまり分散は作戦的に上手くないんですよ。しかし今回は同数ですからね。対等な条件です」

赤星「なるほど。でしたら逆境を覆して来た大洗は、同数な今回の試合、かなり有利に運べるのでは「いやどうでしょう」

エリカ「聖グロは今のところ大洗に対して勝率7割ですからね。負け越してるんですよ大洗」

赤星「しかし今回は隊長も1年生ですし、経験的にも優勢では?」

エリカ「お忘れですか、大洗も短期間で成長したチームです。戦車道において、実力と経験期間はイコールじゃないんですよ」

赤星「なん...だと..」

エリカ「そういうのいいです」

赤星「あ、はい」

エリカ「ん!見てください。聖グロに動きが見られます」

赤星「全速で突撃を始めましたね。挟撃に気がついての前方突破でしょうか?」

エリカ「いえ、不信感は持ったと思いますが、雨でエンジン音も聞こえませんし。裏取りの接近には気がついてないと思いますよ」

赤星「ではこの進行は...!見てください。いつの間にかクルセイダーが埠頭周辺を疾走してます!」

エリカ「一両だけですね...。!これはもしかして」

赤星「エリカさん、どうしました」

エリカ「赤星さん恐らく、他二両のクルセイダーも、それぞれ違うエリアを走ってるんじゃないでしょうか」

赤星「ちょっとお待ちください...おお、その通りです。市街地、山の手と海手側に一両ずつ巡回しています」

赤星「もしかしてこれは」

エリカ「そうです。どうやらクルセイダーは尖兵ではなく、偵察として先行したようです。しかも町全域のです」

赤星「恐らく大洗の挟撃は、このクルセイダーによってバレたのでしょう」

赤星「なるほど、大洗は監視網に引っかかったんですね。おっと、早くも大洗のデコイ部隊から、ルノーが落とされました!大洗はそのまま埠頭奥まで後退していきます」

エリカ「突撃されてからの切り替えは早かったんですけどね。聖グロは最初から、逃げずらい位置のルノーを狙って動いてましたから仕方ありません」

赤星「更に埠頭外周で偵察のクルセイダーが、大洗の挟撃部隊に攻撃を始めました!」

<クルセイダーヲ、オトシマショウ

エリカ「足止めでしょうか。大洗はデコイがバレたことで、作戦を切り替えるようですね。クルセイダーを追いかけます」

赤星「一両落とされましたから、こちらも減らしておきたいところですからね」

エリカ「何より聖グロは、横に長く出入り口が両端にしかない埠頭の中に入りましたから、大洗は作戦がバレてもデコイ部隊が時間を稼いでる間は問題なく挟撃に迎えますからね」

赤星「いや待ってください!エリカさん!聖グロは大洗のデコイ部隊を追ってません!入口へ戻り始めました」

赤星「そして見てください、先ほどの大洗が追いかけたクルセイダーの向かう先を」

エリカ「んーどうやら聖グロは合流を優先したようですね」

<セイグロガフトウカラデタノデ、イッタンゴウリュウシマショウ

赤星「大洗も一度合流するようです」

赤星「ん~む、まず最初の接敵は聖グロが一本取った形ですね」

エリカ「そうですね。初めから一両だけ落として、引くつもりだったんじゃないですかね」

赤星「落としてからの動きが早かったですからね。偵察から挟撃の情報も入ってたのも大きいです」

赤星「それにしても聖グロ隊長オレンジペコ選手、手堅く慎重な様子ですね」

エリカ「ええ、欲張らず無理をせず、そして街全体に視野を持たせる。大洗に奇策を取らせないつもりですね」

赤星「これは手ごわいです。大洗はどうしますかね」

エリカ「そうですね。目となっているクルセイダーを一両ずつ落として行くかもしれません。んーしかしあの機動力ですからね。難しいですよ」

赤星「しかし、みほさんなら!私達のみほさんなら、やってくれる!」

エリカ「おお、何か根拠が?」

赤星「みほさんはかわいい=私に無限の活力を与える=無限の力=女神、故に勝ちます!」

赤星「みほさんは西住にて最強!」

エリカ「どうして私の周りは、こんなんばっかなのかしら(なるほど。みほ選手どう切り抜けるから期待です)」

赤星「エリカさん?逆じゃないですかね」

代休なんてなかったんや...
学園艦誰か作ってくれないっすかね。移住しますから


今日はここまで、寝まするノ

赤星「おっと聖グロはクルセイダーを残して、市街地へ向かうようです」

エリカ「この方向は山の手側ですね、更にそこから2方向へ分かれていきました。ここは台地になっていて、急勾配と住宅が多い立地です」

赤星「残ったクルセイダーの陽動に乗る形で、大洗も市街地へ向かいます」

エリカ「大洗が追う形なるのは珍しいですね」

赤星「珍しいと言えば、エリカさん気がつきましたか?」

エリカ「?何にでしょう」

赤星「今放送、未だかつてないほど真面目な実況になってしまってます!」

エリカ「え」

赤星「これはいけませんよ。非常にまずいです」

エリカ「良い事じゃない。このまま行くわよ」

赤星「せっかく私が出られたからには、記憶に残るような放送にしたいじゃないですか!」

エリカ「知らないわよ(小梅ってこんな子だったっけ)」トオイメ

エリカ「まぁ確かに、普段だと隊長は『みほみほ』うるさいから、すごくまともな実況に感じるわ」

赤星「そこですよ!まともな実況!細かい解説!一々長いんですよ!」

エリカ「え、いや実況って状況やプレイを伝えるのが役目なんだから、それでいいんじゃn「ナッシングっ!」

赤星「いいえ、違いますよ。大事ななのはハート。気持ちさえ乗せれば、余計な言葉はいらないのです!」

エリカ「いや流石に一言は無理でしょう。そもそもそれはもう実況じゃないんじゃ..」

赤星「やる前から諦めないでください!」

赤星「さぁエリカさん!速力を上げて、夜の街を駆けるクルセイダーの様子を一言で伝えてください!」

エリカ「えー....『疾走するクルセイダー夜を行く』とか?」

赤星「....ハンッ、国語力w」ボソ

エリカ「え、何今の。え、悪乗りにノってあげたのに?え?」

赤星「わかりました。大丈夫ですよ。エリカさんに出来るやり方で結構です。少しずつ解説してください」

赤星「これから学んでいったらいいんです」ニッコリ

エリカ「え、なんで慰められてるの。納得いかないんだけど」

赤星「あ!見てください聖グロが!」」

エリカ「ねぇ、ちょっとまだ話しは終わってないんd「見てくださいって!」

赤星「大洗が分断されました!」

エリカ「...細い路地と広い路地を交互に繰り返し逃げることで、大洗は自然と一列縦隊になってたようですね。その隊列になってすぐ、丘を迂回する急な坂道へクルセイダーは逃走。後を追う形の大洗でしたが、重量や速力で隊列に感覚が空いてましたね」

赤星「その僅かな車間へ脇道からマチルダーⅡの飛び出し。それに続く形でマチルダⅡが3両現れ、大洗後続を見事分断しました。」

エリカ「後続先頭は3突です。マチルダⅡは固定砲塔の砲身をうまく躱して、追突しましたね。この狭い道だと3突は完全に後続の壁になります。後続は支援ができませんよ」

<ゼンソクゼンシン!コウゾクハコウタイヲ!

赤星「んおおおあああ、危ない!」

エリカ「分断された前方大洗の最後尾はフラッグ車Ⅳ号。マチルダⅡの射線から逃げるように、そのまま坂を登り逃走」

赤星「大洗後続も早い!すぐさま全速後退。砲撃をしつつ逃走へ移ります」


赤星「んー危なかったですよ大洗。これ聖グロの残りの車両が坂上から来てたら挟まれてたんじゃないですか」

エリカ「いえ、その心配はないですね。市街地へ入った段階で、聖グロが逆方向へ分かれているのを大洗も確認してますからね。その一方が進んだ道からは、先ほどの坂上に回り込むには時間がかかりますから」

赤星「なるほど。援軍の心配がないから、それでクルセイダーを追ったんですね」

エリカ「見てください、マチルダⅡ3両は後続を。1両は別方向へ移動しました」

エリカ「そして現在の状況ですが、後続大洗は山の手市街地へ戻り、車両は3突,Pティーガー,3式。前方は坂を登りきってクルセイダーを追って自然公園へ、Ⅳ号,ヘッツァー,M3,89式です。大洗は火力に優れた車両を離された状態ですね」

赤星「後続へはマチルダⅡ3両が追撃へ。更に巡回していたクルセイダー一両も増援として向かいましたね」


<オカヲ、ウカイシテゴウリュウシマス

赤星「前方組は自然公園を突っ切り、行きとは違うルートで市街地へもどるようです」

赤星「普段の正面からくる、聖グロとはまるで違いますね。みほ選手も警戒して分散を嫌がってますよ」

エリカ「後続は逃走しつつ応戦。前方はクルセイダーの追激を辞めて撤退を図ります」

エリカ「んー、これは最初から大洗を分断するつもりだったんでしょうね」

赤星「狭い路地や立地をうまく使って、進路を塞いだり、分断したり...むむ、どこかで見たことがある気がしますね」

エリカ「これは黒森峰VS大洗の時に、私達がやられたことに近いですね」

赤星「なるほど、ペコさんはあの試合も当然見てますから参考にしたんでしょう」

赤星「おや、どうやら後続はその場に、釘付けにされてるようです。マチルダⅡが追い、クルセイダーが乱す。大洗後続思ったように動けません」

エリカ「聖グロは地の利が有りますからね、回り込んで進路を塞いでいます。合流させない気ですね」

赤星「この分断がペコ選手の狙いだとしたら、絶対仕掛けてきますね」

エリカ「そうですねぇ。しかし先が読めません。市街地で別れたもう一方の聖グロが向かったのは、自然公園の出口ですね。丁度山の手街と海側の街の境辺りですね」

赤星「そこで待ち伏せでしょうか?」

エリカ「んー開けた場所ですから、あまり向かないと思いますけど...ん?」

赤星「上空カメラで見てみましょう...居ますね。それもど真ん中に」

エリカ「えぇと...聖グロフラッグ車チャーチルは単騎で、公園出口の開けた場所に居ますね」

赤星「マチルダⅡ一両とクルセイダー2両は見当たりません」

赤星「これはまた囮でしょうか?にしても大胆ですね」

エリカ「分断された今、チャーチルに有効打を与えられるのはⅣ号だけですからね。それも正面からなら凌げます。しかし、どういった作戦なんでしょうか」

赤星「うちの時みたいな一騎打ちじゃないですかね」

エリカ「他にもおまけがいますから。それはないと思います」

赤星「ではやはり囮ですか?」

エリカ「チャーチルはそこまで足が早い訳じゃないですし、そうは思えません。周りに障害物も少ないし」

赤星「もう否定ばかりですねぇ。解説なんですから、有意義な説明してくださいよ~へいへい!」

エリカ「なんなのよそれ。煽ってんの?」

エリカ「えっと、この場所で待つメリットなんて、自然公園から飛び出してる樹木で街灯が隠れるから、暗くて少し視界が悪いってことぐらいかしら」

赤星「それでも市街地方面から伸びる道路側の街灯で、見えないってほどじゃないですし」

エリカ「んー」

赤星「あれ?...エリカさん市街地側から伸びる国道、街灯が消えてきてませんか?」

エリカ「え?」

赤星「あ、また消えました。チャーチルに近づくように消灯していきます」

赤星「...あれは!マチルダⅡです!マチルダⅡが街灯轢き倒してますよ!?」

エリカ「...公園出口周辺を暗闇にするつもりかもしれません。確かにこれなら隠れる必要もありませんからね」

赤星「公園出口周辺の8本前後でしょうか、チャーチルの真横にある街灯以外を轢き倒しましたね」

エリカ「直径80m程の暗闇ができましたね。その真ん中にスポットライトで照らされた様に、チャーチルが一両」

赤星「ちょっと詩的な表現にクスッと来ました(笑」

エリカ「今大事なとこだから黙ってなさい」

赤星「嫌です(笑)コホン、チャーチルの影に隠れるようにマチルダⅡが並びましたね。これだと出口から大洗が出てきても、フラッグ車の盾にならないですよね」

エリカ「見てください。いつの間にかクルセイダーが1両いますよ、後続と戦っていた車両のようです。そのまま暗闇の中へ消えて来ます」

赤星「一体何が始まるんでしょうか...そうこうしている内に、どうやら大洗が来たようですよ!」

続きはまた後日

仕事行かないで劇場版ずっと見てたいですね
ありすウォーまだ見れてないのに、出社...

ちょっと、なんですかあれは!
愛里寿ウォー最高じゃないですか!やだもー

生きる活力になりますわ
今日は劇場版ブルーレイ見続けたいので、
ちょっとだけ進めますね

<イッタン テイシ シテクダサイ!

赤星「案の定、警戒してますね」

エリカ「当然ですね。正面の視界は暗闇。見えるのはその中心に鎮座するチャーチルと、その更にずっと奥に見える市街地側の灯りのみです」

赤星「公園内の大洗4両と出口前のチャーチルが睨み合う状態です。どちらから動くか...」

赤星「!先に口火を切ったのは、聖グロです!」

エリカ「先程暗闇に消えたクルセイダーでしょうか。大洗へ砲撃しましたね」

<クジホウコウ ヨリ ホウゲッ!?

赤星「んあああと、公園内からも発砲!これは大洗が最初に追っていたクルセイダーです!大洗を後方から追い立てます!」

エリカ「無理やり大洗を動かすつもりですね。視界が悪いこの場の戦闘は厳しいですから、当然ここは動くしかありません」」

<ゼンポウ フラッグシャヘ、ツッコミマス!

赤星「吶喊!しかしマチルダⅡが伏兵でいます!みほさん気がついて!」

エリカ「!?チャーチルが真横の街灯を轢き倒しました!これで本当に真っ暗です。混乱を狙ったか?誤射に気をつけたいところです」

赤星「むむ!暗闇ですが、音は聞こえましたよ!一両市街地の海側へ向かったようです」

<フラッグシャガ トウソウシマシタ コノママ チャーチルヲ オイマス!

<ミポリン!カバサンチームタチガ、トッパセイコウダッテ!

<ウミガワノ シガイチヘ、ムカッテクダサイ!フラッグシャヲ、オイツツ ゴウリュウシマス

エリカ「みほ選手達も聞き逃さなかったようですね。追撃に移ります。しかし、クルセイダー2両がその大洗を更に追撃します」

赤星「逃走したチャーチルは、そのまま海へ向かってますね」

エリカ「この道は...海浜釣り公園へ向かってるんでしょうか」

赤星「おっと、これはみほ選手チャンスですね!」

エリカ「ええ、この公園も埠頭と同じように両端に入口がありますから、挟撃に向いてます。そして今大洗は2つに分割されていて、互いに違う出入り口が近いですから、当然...」

<ホカノテキセンシャガ キニナリマスガ、フラッグシャガ タンキノ イマ ココハ イッキニイキマス!

<コノママ ハサミウチニシマス!

赤星「マップをよく見てますね。見てください砲撃も進路を公園へ向けるように、誘導してますよ。さすがみほさん」

赤星「んー、しかし急にあっさり追い詰められてますね聖グロ。怪しいです」

エリカ「そうですね。しかし、罠だとしても単騎でフラッグ車がいるんであれば、追うべきですね今なら」

エリカ「少なくともクルセイダー2両は後ろ。更に大洗後続が突破できたということは、その後続と戦っていたマチルタⅡ3両も後方にいるはず。先に倒してしまえば...ん?」

赤星「どうしました?」

エリカ「いえ、何か忘れてる気がしたんですが...んーなんでしょう」

赤星「もうボケたんですか?可哀想に、このエリカは出来損ないだ。役に立たないよ」

エリカ「無理やり過ぎない?そのネタ。あと違うわよ、何か違和感があるのよ」

赤星「?クルセイダーがそう言えば、一両ずっと見えませんね」

エリカ「それも有るんだけど、もっと大事な...」

赤星「さぁ言ってるうちに、チャーチルが海浜釣り公園に入りましたよ!大洗の挟撃作戦開始です!」

<エンナイヘ ハイリマシタ!ハサミウチデス!

赤星「これは勝ちましたね大洗。前方から3両、後方から4両、挟まれたチャーチルに逃げ場はありません」

エリカ「...赤星さん....このチャーチル...


<ホウゲキ!




    小さくないですか?」

シュボ

赤星「チャーチルから白旗が!これで...」

赤星「あれ?アナウンスが流れませんね?」


<!!?ゼンシャ、ゼンソクコウタイ!リダツシマッ


シュボ シュボ ヘッツァー,Pティーガー白旗

赤星「な、なんだ!?大洗2両白旗」

エリカ「大洗の後を追っていたマチルダⅡ3両、クルセイダー2両がそれぞれ両端から来ました!そ、そしてクルセイダーと共にチャーチルです!チャーチルがいます!」

赤星「それでは、さっきやられたチャーチルは!」

マチルダⅡ 白旗

エリカ「...これは、してやられましたね」

赤星「エリカさん、一体どういうことでしょう」

エリカ「はい。自然公園の出口で大洗を待ち受けてた車両は覚えてますか?」

赤星「クルセイダー1両,チャーチル,マチルダⅡですね。そして追い立てる様に公園内からクルセイダーです」

エリカ「そうです。いたんですよマチルダⅡが」

赤星「しかし、いつの間に入れ替わったんでしょう。追撃の際、海側は街灯も少なく雨もあって、視界が悪かったですが、複数車両が居たら気が付く程度には見えていましたよ」

エリカ「違うんですよ。マチルダⅡがどこに待機していたか思い出してください」

赤星「待機していた場所?...!それじゃ」

エリカ「そうです。街灯が消えた後、音を立てて走り去ったのは、チャーチルの影で待機しいたマチルダⅡだったんです」

エリカ「恐らくチャーチルはあの場から動いてなかったんですよ」

赤星「しかし、車両数で気が付くのでは?」

エリカ「クルセイダーが来てからは一瞬で展開が動きましたから、考える時間は僅かでした。それにみほ選手達からは、マチルダⅡは見えていません」

赤星「なるほど。しかし...これはまずいですね...」

エリカ「ええ、現在6対5の状態で大洗が挟撃されました。聖グロは砲撃を辞めてジリジリ間合いを詰めてきてます」

赤星「いえ、そっちではありません」

エリカ「は?」

赤星「私達は車両数を知っていたのに、気がつきませんでした...ボケていたのは私もだったんですね...」

エリカ「『も』って言わないでくれる?あとココたぶん最終局面よ?ちゃんとやりなさいよ!」

赤星「まさかエリカさんに実況をちゃんとやるよう促されるとは..でも悔しいですけど、エリカさんの方が上手です。私は今回実況者らしく『逸見さん』で通そうと思っていたのに、ほとんど普段の呼び名で呼んでしまってました。それに引き換え、貴方は一貫して『赤星さん』これが経験の差なんですね..認めます。隊長の横に相応しいのは、エリカさん。あなたです」

エリカ「...いや、本当に何いってんの?珍しく長く話すと思ったら、すごいどうでもいいんだけど」

赤星「照れてるんですか?やだもー✩」

エリカ「あ?」イラ

赤星「コホン、さていよいよ最終局面です!大洗は3突,Ⅳ号,M3,3式,89式。聖グロはチャーチル,マチルダⅡ3両,クルセイダー2両がこの場に、そしてクルセイダー1両が未だに不明です」

エリカ「お互いに射程圏内ですからね。どちらかが動いた瞬間に、開戦です」

赤星エリカ「「...ゴクリ」」

ブオオオオオオオオオオン

赤星エリカ「「!?」」

ガダンン  

<ウテ!

赤星「公園側面から、フェンスを飛び越えてクルセイダーが乱入!それをきっかけに開戦です!」

エリカ「ほぼ逃げ場はありません。うまく園内の障害物を避けつつチャーチルを倒さないといけませんよ!」

赤星「クルセイダー2両が白旗。Ⅳ号を守って、3式,M3が白はたです」

エリカ「これでチャーチルの側には、飛び込んできたクルセイダー1両のみ!しかし展開が早いです!」

赤星「3突と89式がマチルダⅡ3両を抑えてますね。89式のあの走行技術は結構本気で尊敬しちゃいますね、はい」

エリカ「Ⅳ号はチャーチルと肉薄して、常にクルセイダーの射線をチャーチルで塞いでますね」

赤星「おおっと!クルセイダーが加速!チャーチルを中心に旋回するようにドリフト!」

エリカ「このクルセイダー大した走行技術ですね。雨で濡れた斜面を利用して、この速度を保って270度近い扇を描いて回り込みました! Ⅳ号後ろを取らr「!?」

赤星エリカ「「これは!」」

赤星「クルセイダー白旗!!同時に3突,89式,マチルダⅡ1両白旗です」

赤星「今のⅣ号の動きはすごかったですよ!見ましたか!」

エリカ「ええ、あの試合のセンチュリオンを思い出しますね。クルセイダー同様に、ぬかるんだ地面を利用して、擬似超信地旋回にて回避。そのままクルセイダーを迎え撃ちました」

赤星「さぁ、いよいよ大詰め!マチルダⅡ2両が接近する前に、チャーチルを倒さないといけません」

エリカ「聖グロが合流するまでの数秒で決まります!」

赤星「並走する二両!先に仕掛けたのは、チャーチルです!急停止からの砲撃!」

エリカ「しかしⅣ号これを回避!チャーチルへ突撃してきます!これは!」

赤星「あのドリフトですね!右方向へ大きく周り込「!」

エリカ「込まない!横滑りするように、側面を向いた状態でチャーチル正面で止まりました!」

赤星「対するチャーチルはドリフトを予想して、砲塔を大きく右に回転させてしまっています」

エリカ「即座に動くⅣ号が、先に側面部へ周り...」






シュボ チャーチル白旗






試合アナウンス「大洗女子学園の勝利!!」




赤星「んー大洗勝ちましたね」

エリカ「今回面白いところは、奇策を弄して来たのが大洗ではなく聖グロの方だったことですね」

赤星「そうですねぇ。終始大洗が受けに回っていたように思いました」

エリカ「ええ、恐らくオレンジペコ選手もそれが狙いだったんだと思います。大洗のペースに乗せないこと。それでいて自分達の得意とする、接近戦に持ち込もうとしたんじゃないでしょうか」

エリカ「最終局面の海浜釣り公園は、殆ど障害物がありませんから、大洗も小細工を出せないと踏んでたんでしょうね」

赤星「つまり、最初からあの公園に、大洗を引き込むのが目的だったということですか?」

エリカ「そうだと思いますよ。しかし、みほ選手達も日々成長してますからね。今回は近接戦でも無事勝利しましたね」

赤星「なるほど。そうだ、エリカさん。私非常に気になっている点があるんですが...」

エリカ「なんでしょう?」

赤星「最後に遅れて飛び出して来たクルセイダー、あれも作戦のうちなんでしょうか?」

エリカ「あぁ...推測ですが、本来は別の場面で参戦する作戦だったんだと思います」

赤星「というのは?」

エリカ「最初にクルセイダー達の役割を偵察であり、監視網と言ったのを覚えてますか?」

エリカ「そして聖グロは大洗全体を海浜つり公園へ引き込むのが目的だった」

エリカ「あくまでその過程で、大洗の全車両の位置を把握する為にクルセイダーは巡回していた訳ですから、山の手の自然公園と市街地で分断した大洗車両を全車確認できた時点で、必要がなくなったはずなんですよ」

赤星「確かにそうですね」

エリカ「ですので、多分ですがあのクルセイダーは単純にミスじゃないですかね」

赤星「んー急展開が続く後半でしたから、オレンジペコ選手も指示出しは大変だったでしょうね」

エリカ「コントロール出来てなかったのかもしれません。そう言った所は今後の経験で埋まっていきますよ」

赤星「ちなみにですが、あのクルセイダーの車長は...」

エリカ「確認してませんが、ローズヒップ選手じゃないですかね」

赤星「やはり彼女の轡はまだダージリンさんしか、握れていないのかもしれませんね(笑」

寝まする

絶賛ブルーレイ視聴中なんですが、
最高ですねこれ。

明日は4DX見納めに行くので、続きは後日


赤星「結局彼女は何がしたかったんですかね?」

エリカ「んー」

薔薇紅茶「『真打は遅れてやってくるものよ』ってダージリン様からの助言を実行したまでですわ!」フフ

エリカ「いや、それは遅れて取り戻せるだけの力が有る奴の特権でしょ...ん?」

赤星「どうしましたエリカさん?」

エリカ「今ローズヒップ...いえ、気のせいよね。疲れてるのかしら」

赤星「しっかりしてくださいよ。この後大事な用が控えてるんですから~」

エリカ「大事な用?」

赤星「それよりもまずは、シメですよシメ!」

赤星「さて皆様、残念ですがそろそろお時間です」

赤星「今回はゲストとして実況の大役を預ずからせていただきました。本日の実況は新規黒森峰副隊長、赤星小梅と」

エリカ「えぇ、それ言うの..?んんッ!コホン、解説は新規黒森峰隊長、逸見エリカでした!///」

赤星「本日の放送はここまで。これから様相を変えていくのは、聖グロだけではありません。これからの『みほ実』、同じ学校でも新に異なる戦いに期待してください!」

赤星「そして次回からもそれを破る、我らが軍神みほさんの活躍をお送りしていきます。お楽しみに!」

エリカ「なんで負ける前提なのよ!」



・・・・・・・・・・・・・・



赤星「さぁ、急いで向かいますよ」

エリカ「どこ行くのよ?帰らないの?」

赤星「もう結構遅い時間ですし、せっかくなので泊まって明日観光しましょう。隊長のカレーもあるじゃないですか」

エリカ「あぁ、完全に忘れてたわ」

赤星「泊まるとこはもう決まってますから、先に買い物を済ませましょう」

エリカ「あら、用意がいいじゃない。でも買い物って何?」

赤星「夕食に決まってるじゃないですか。エリカさんが作るんですよ」

エリカ「えぇー、コテージか何かなの?その辺のホテルでいいじゃない」

赤星「ホテルじゃないですよ。あと夕食は、宿代替わりってところです」

エリカ「ん?」

赤星「すぐそこの学園艦ですから、買い物済ませてさっさと向かいましょう!私も早く会いたいですし!」

エリカ「学園艦...会いたい...」

エリカ「ねぇ、もしかして学園艦って大洗の?」

赤星「そうですよ」

エリカ「泊まるとこって、誰かの家?」

赤星「そうですよ」

エリカ「私達の共通の友人?」

赤星「そうですよ!」フフ

エリカ「..元黒森峰副隊長?」

赤星「そうですよ!」

エリカ「帰る」

赤星「なんでですか!ダメですよ!もうメール送っちゃいましたし、OK貰っちゃってるんですから!」

エリカ「あんたはともかく、私が泊まったら気まずいじゃない!」

赤星「大丈夫ですよ!みほさんも喜んでくれますって!」グイグイ

エリカ「嫌よ!なんであの子なんかの世話にならなきゃいけないのよ!」グググ

赤星「そんなこと言って、この前の大学選抜戦も助けに行ったじゃないですか!ツンデレとかめんどくさいですね!」グイグイ

エリカ「なっ!///あ、あれは隊長が行くから、仕方なく、とういうかアレよ!あれ!」

赤星「言い訳下手くそですか。あぁ、せっかくみほさん楽しみにしてくれてるみたいなのになぁ。みほさん傷つくだろうなぁ。またエリカさんに対して壁感じちゃうだろうなぁ」

赤星「でも逆に来てくれたら、すっごい喜ぶだろうなぁ。これまでの分だけ色々話せると思うんだけどなぁ。開いた距離も詰めやすくなると思うのになぁ」

エリカ「うっ...わ、わかったわよ。行けば、行けばいいんでしょ!///」

赤星「ふぅ、やっと折れましたか手のかかる人ですねぇ」

エリカ「あんたねぇ」

赤星「いやだってですね。否定してる割に、顔ニヤけてましたし」

エリカ「なッ!///」

赤星「散々色々言ってた割に、みほさんのこと『私達の共通の友人?』って認識みたいですし?」

エリカ「っ///」

赤星「それから「ああああうるさい!さっさと行くわよ!」

赤星「あああ、ちょっと待ってくださいよぉおお」

赤星「ん?おっと、危ないカメラ忘れるとこでした。あら、カメラ止め忘れてましたね。まぁ後で編集とかしますよね、きっと」

赤星「エリカさん!待ってくださいってばー」


――――――――ブツン



[大洗VS聖グロ戦 完]


========VTR終了=========


まほ「...」

しほ「中々面白い試合でしたね。現在は公式戦でも夜戦試合が行われますが、当時では非公式でも強襲戦車競技ぐらいでしか、滅多にみれませんでしたからね。結構貴重な映像じゃないですかね」

しほ「?どうしましたまほさん?」

まほ「...あの日私達は、大学選抜選手達からの洗礼で、疲れきってすぐに床に就きました」

しほ「?」

まほ「だというのにッ!エリカ達は、みほの部屋でガールズトークだと!?私も行きたかった!」

まほ「『ウフフ、お姉ちゃんは好きな人いないの?(裏声)』『私が好きなのはみほだよ(イケボ)』とか、私もやりたかった!」

しほ「まほ」

まほ「何よりエリカの奴、話しすぎて喉痛めたから、それどころじゃなかったとか言ってカレーを忘れていたんだ!」

しほ「まほ」

まほ「話しすぎてって解説のことかと思ってた!解説のことかと思ってた!ガールズトークの方じゃないかこれ!羨ましい!」

しほ「西住流瞬獄殺!(ただのグーパンチ)」

まほ「ボコォッ」



―――――――遠く離れたどこか――――――



みほ・愛里寿「「ボコの気配!!」」ハッ



―――――――――――戻ってスダジオ――――


しほ「まほ、これは過去のことよ。気持ちはわからなくないけど、落ち着きなさい。まだ番組の途中よ」

まほ「し、しかし!」

しほ「西住流は?」

まほ「...前に進む流派。前進あるのみ」

しほ「落ち着いたかしら。貴方はもう立派な西住の顔なんだから、しっかりしなさい。同時に隊長でもあるんだから」

まほ「はい、少し取り乱しました。コホン、失礼しました」

まほ「さて先程のVTRでしたが確かに、面白い試合でしたね。夜戦の暗さ利用する為に、街灯まで壊すのは予想外でした。」

しほ「ええ。最後に甘さが見えましたが、うまく地形や環境を利用した上に奇策をぶつけて、相手にペースを作らせず、自分達の土俵へ」

しほ「初の指揮であれだけやれるオレンジペコ選手には、流石の一言ですね。この頃から頭角を表してたんですね」

まほ「んー機会があれば、私も敵として戦ってみたかったんですけどね」

しほ「戦車道戦としては非常にいい回でした。しかしちょっと残念です」

まほ「ええ、そうですね」

しほ「お気付きですか皆さん?そう、この試合みほ選手の活躍が殆ど伝えられていません」

まほ「んー非常に残念です」

しほ「エリカさんの解説はかなり、道に入ってきてたんですけどねぇ」

まほ「この当時はまだみほ選手に対して、照れがありますからね。恐らくこの試合の後の...クッ、みほ選手とのお泊り会で、そういった照れが消えたんでしょうね」

しほ「なるほど。確かに、大体この辺りからエリカさんもこっち側に、追いついてきましたからね」


しほ「しかしみほ選手の全てをお伝え出来るのは、まだまだ私達だけですけどね。ちなみに昨夜私は、そんな愛しいみほ選手と二人っきりでディナーに行きました」ドヤァ

まほ「なっ!」ガタ

しほ「安心しなさい、まほ。私は二人共愛してるわ。貴方とは今晩行くじゃない」フフ

まほ「そっちじゃありません!みほと二人なんて羨ましい!」

謎のスタッフY「母住殿ー、だいぶ脱線してます! そろそろ次へ!」ボソボソ

しほ「おっと。コホン、さてそれでは名残惜しいですが、最後のお便りに行きましょうか」

だいぶお待たせしました!今週から再開していきます
最後は劇場版編ですので、ブルーレイ再生しながら見ていただけたらって思います

でも今日は寝ます
(^ω^)zzZ

乙、リプレイ実況なのか生実況なのか

乙です
ん?最後…?

原作付きは最後という意味だろう
オリジナル展開も有りだというのも証明されたしな

>>156
特番の中で、当時の生実況を再度流してます

>>157
>>158
SSですので、なるべく250レスぐらいで一つを終わらせたいと考えてます。その方が気軽に読めるかなと。
ですので、劇場版編を終えたら一度終わりにしようと思います。
改めて、単体もしくは2試合セットで、第62回黒森峰VSプラウダ決勝戦とか書こうと思ってます。

如何せん仕事の都合で、時間が取れないのでちょいちょい進めていくと思いますです

まほ「おや、もう最後ですか?時間が経つのは早いですね」

しほ「んーまったく、残念です。さて、最後を飾るのは...」ゴソゴソ

まほ「これだ!」スパッ

しほ「おや?まほさん。お便り二枚引いてますよ」

まほ「むむ、これは失礼しました。引き直しま...あ~この2試合ですか」

しほ「どうされました?」

まほ「これはどちらも思い出深い放送回ですよ。どう選択しましょうか」

しほ「箱に戻して、もう一度お便りを選び直したらどうですか?」

まほ「ええ、もちろんそれが正しいんですけど...」

しほ「ですけど?」

まほ「この2試合は相当な一品ですからね。片や神回と言われるあの試合。もう一方は放送事故とも言われてます。両方視聴率が軒並み高かった回ですね」



しほ「...なるほど、どの試合か把握しました。それでしたら神回がいいんじゃないですか?」

まほ「ん、てっきりしほさんは、再抽選するべきと仰ると思ってました」

しほ「今日のこの放送は――大会前日特番ですからね。それに合わせた内容として非常にいいと思いますよ」

まほ「確かに..........本音は?」

しほ「放送事故の方はもう封印したいですね」

まほ「思いっきり個人的理由ですねぇ...」

しほ「コホン、しかし真面目な話、神回で締めるのが最も綺麗な流れだと思いますよ」

まほ「ん~」


謎の島田流A「私もそれがいいと思う。明日のモチベーションも上――」

<シマダドノ!ナニシテルンデスカ!モドッテクダサイ!


まほ「...」

しほ「いいと思う」

まほ「ん~~~!非常に勝手な話ですが、今回は私の独断選考とさせていただきます!」

まほ「視聴者の皆さん申し訳ない!」

しほ「改めて特番を組みますので、残りのお便りはそちらで扱わせていただきます」

<チョット!?イエモト ナニ カッテニ イッテルンデスカ?!

まほ「それでは改めまして本日最後のVはこちらです!」

まほ「『いや~、過去の放送回見れるんだって?助かるよ~見たかったんだけど、事後処理とかでこの回見れなくってさ~。周りの子も皆同じ状況だったし、誰も録画してなかったんだよね。...この試合は私らの大切の思い出だし、皆で歩いた道の証明でも有るんだ。ここでの繋がりは後生大事にって思うほどにね!んじゃ、希望回だけど高校生大洗連合VS大学選抜戦でよろしくー。私が西住ちゃんに惚れ直した、いや惚れ込んだ試合だね。期待していいよ~。
追伸:そうそう、みほ実300回放送おめでと~』」

まほ「ペンネーム『カメさんの頭』さんからでした」

しほ「カメさんのカシラ...ギリギリね」

まほ「ギリギリですね」

<アウトヨ!

まほ「んんッ!さてこの試合は、確かに締めに相応しいですね」

しほ「そうですね。これは明日の――大会出場選手達も多く出てますからね」

まほ「この試合、私も参加してましたが、実は相当熱くなっていました」

しほ「おや?そうだったんですか」

まほ「参戦時に声が裏返るくらいには、興奮してましたね」

しほ「ふふ、私も見ていて熱くなりましたね。この回の実況は普段にも増して熱が入りました」

しほ「ちなみに、この試合の放送回は二本立てだったんですよ」

まほ「ん?そうなんですか?大学選抜戦ともう一本?」

しほ「はい、その数日前の大洗企画のエキシビジョン戦も収録してます。もちろんそのVも流しますよ」

まほ「え」

しほ「さて、それではお待たせしました」

まほ「ちょ、お母様私はそんなの見せて貰ってないですよ?それ以前にそんな試合初耳で――」

しほ「戦車道が強く健やかな女を作るというのも、頷ける。そんな試合です」

まほ「あのお母様――」

しほ「戦車道が繋いだ少女達の奮闘とドラマ。ではご覧下さい、高校生大洗連合VS大学選抜戦VTRどうぞ!」


===過去放送VTR==============

【高校生大洗連合VS大学選抜戦】
   &
【知波単・大洗VS聖グロ・プラウダエキシビジョンマッチ】




~♪

アキ「ミカ!もう、フラフラどっか行かないでよ!」

ミカ「このモチャ 語モチャ ないモチャ」モグモグ

アキ「食べながら話さない」

ミカ「...ゴクン。ふぅ、この子達が私に語りかけてきたのさ」つジャガバター

アキ「出店回るなら、待っててくれればいいのに!なんで先行っちゃうのよ」

ミカ「もちろん、こうする為だよ」スッ

アキ「わぁ!私の分も買っといてくれたんだ!有難う!....ねぇ」

ミカ「ん?」ニコニコ

アキ「欠片しか残ってないじゃない!しかもバターの面影すらないよ!」

ミカ「先にバターを食べきってしまったからね」

アキ「どうせくれるなら、ちゃんとしたの取っておいてよ!」

ミカ「気がついたら、半分なくなっていたんだ。バランスが悪いから、両端を食べて整えたら...ご覧の有様さ」ポロロン♪

アキ「貰ってる側なのに、全然嬉しくないんだけど...あれ?」

ミカ「ふふ」ポロロン ●REC

アキ「ミカそのすんごいカメラどうしたの?まさかまた盗ってきたんじゃ」

ミカ「これかい?これはちょっとしたアルバイトさ」

寝ます!次はちょいオリジナル入れてエキシビジョンです

アキ「アルバイト?...盗撮とかだったら、いくらミカでも殴るよ」

ミカ「アキは私のことを、何だと思ってるんだい?」アセ

ミカ「これから始まる試合の撮影だよ。友達に頼まれてるんだ」ポロロン

アキ「!?」

ミカ「?どうしてそこまで驚いてるのかわからないな。私だって友人に頼まれたら、協力ぐらいするさ」

アキ「いや、ミカって私ら以外に友達居たんだって思って」

ミカ「...アキは本当に私を何だと思ってるんだい?」

アキ「スナフキn「それ以上はいけないよ」

アキ「コホン、それが理由で今日は珍しく偵察来たんだ」

ミカ「違う。風に誘われたからさ」

アキ「誘われたのは、ジャガバターの匂いにでしょ」

アキ「試合の撮影を頼むってことは、戦車道関係の人だよね?戦術の分析かな」

ミカ「フフ、そうじゃないよ」

アキ「?」

ミカ「あの子の理由は、ただの愛さ」


・・・・・・・・・・・・・・・・

アキ「そろそろ試合、始まりそうだよ」

ミカ「そうだね」ゴソゴソ

アキ「さっきから準備してるそれは何?」

ミカ「もちろん観戦の準備さ」

アキ「乗って来たポルトルカ使わないの?」

ミカ「使うよ。ただここに実況席用のカメラをね。ミッコ頼んだよ」

ミッコ「んー」

アキ「なんで高所作業車なんか乗ってんのミッコ?」

ミッコ「んー」

ミカ「いろんなアングルから取れるようにだよ」

アキ「試合を撮るんじゃないの?」

ミカ「ただ撮ればいいってもんじゃない」

ミカ「大事なのは撮って何を伝えるかだよ」

アキ「伝えるって誰に?」

ミカ「さぁ、誰だろうね」ポロロン



試合アナウンス「間もなく大洗・知波単VSプラウダ・聖グロ戦が始まります。観覧席は混雑が予想されますので、開戦前の移動をお願いします」


ミカ「それじゃぁ、始めようか」

アキ「?」

ミカ「ふぅ...潮風が気持ちのよい今日この頃、さぁ待たせたね。『西住みほの戦車道実況』通称『みほ実』の時間だよ」

アキ「??」

ミカ「さて今日の試合は、大洗・知波単・プラウダ・聖グロによるエキシビジョンマッチ」

ミカ「違う色同士でどう混ざるのか楽しみだね」

アキ「ミカ?」

ミカ「会場は茨城県大洗市全域。観覧席は地元の人、他校の学生、現役プロレスラー色んな人で溢れてるよ。開戦前からこの盛り上がり様。私も熱に当てられそうだ」

アキ「ミッコー、またミカが1人語り始めたんだけどー」

ミッコon高所作業車「いつもの発作」●REC

アキ「ミッコも何してんの?」

ミッコon高所作業車「んーバイト?」

アキ「もー、なんで二人共私に黙ってそんなことやってるのよ!」

ミカ「意地悪でしたんじゃないさ。ちゃんと意味があるんだよ」

ミカ「さて今試合の実況と解説を務めるのは。人生の探求者、サッキヤルブェン・ポルカの人、フードシーフミカの異名で知られる、継続高校隊長のミカがお送りします。本日はよろしくお願いします」ポロロン

アキ「ミカが敬語ってなんか不気味なんだけど」

ミカ「そして今回は視聴者目線でコメントをくれるアシスタント、石川県のムーミン、アキさんです」

アキ「コメント?試合についてってこと?もー説明ないとわかんないよ」

ミカ「今までの解説とは違う目線での意見を期待してるよ」

アキ「なんか面白そうだから良いけど、後で私にもバイト代頂戴ね?」

ミカ「それじゃあ早速、会場の気象情報から」

ミカ「天候は晴れ、気温は27℃、湿度は70%。少し暑いけど、海からの風で過ごしやすい陽気だね」

アキ「いい天気だから、走ってて気持ちい良さそう」

ミカ「そうだね。天候は試合で重要かもしれない。でも天候以外にも大切なものが、他に有るんじゃないかな」

アキ「2校のタッグマッチだから、連携とかかな」

ミカ「そうだね。連携は試合で重要かも知れない。でも連携以外にも――」

アキ「もー、特に思いつかないんだったら、余計な一言わなきゃいいじゃない!」

ミカ「違う。今のは天丼と言ってワザと同じことを言うんだ、導入に必要なボケってやつさ。掴みとも言うね」

アキ「よくわかんないし、使い方間違ってるよ。普段通りの方がボケてるよ」

ミカ「...アキ、言葉でも人は傷つくんだよ?」

アキ「それよりミカ、今日の試合ってどんなルールなの?」

ミカ「...試合形式は2校によるタッグマッチで、フラッグ戦だよ。各校8両で16対16での戦いになるね。ただし、各校の配置場所が異なるよ」

アキ「ミカがちゃんと説明してるのに、驚きなんだけど」

ミカ「おかしいな。いつもちゃんと説明しているじゃないか」

アキ「8割は変なこと言って、自分で考えさせようとしてるよ」

ミカ「変なこと...」

アキ「それにしてもタッグマッチなのに、スタート場所は違うって面白いね!」

ミカ「合流か分散か、スタートから早い行動が求められるね」



試合アナウンス「試合開始!」

ミカ「おっと、さぁ開戦だ」

ミカ「初期配置はプラウダが大洗サンビーチ、大洗女子が大洗町立第一中学校、聖グロが大洗キャンプ場、知波単がアクアワールドだね」

アキ「敵チームが交互になって直線配置だね」

ミカ「この配置だと、どんな展開が予想できるかな」

アキ「挟撃がやりやすいよね。とういうか、接近したら自然とそういう形になるよね」

ミカ「どっちも有利だけど、不利なスタート。早く自分達に有利な状況を作るのが重要だね」

アキ「『この配置に意味が有るとは思えない キリ』とか言わないの?」

ミカ「アキ、いい機会だからこれが終わったら、私のことをどう思ってるか。ちょっとお話しようか」

アキ「?好きだよ?」

ミカ「...///」

ミッコ「(アキは流石だなぁ)」

アキ「あ!早速動きが別れたよ!」

ミカ「プラウダは全車で聖グロと合流を目指すのかな。大洗女子は全車で聖グロへ向け前進。聖グロは4両が知波単へ、4両が海岸方面へと別れたね。知波単はゴルフ場を迂回する形で聖グロへ突っ込むのかな」

アキ「実況って言ってたけど、これだけ別々に動かれるとするの大変そうだね」

ミカ「全部を追うわけじゃない。大切なのは自分が感じたままを伝えることさ」

アキ「大切なことっていうと、フラッグ戦なんだからフラッグ車って大切だよね」

アキ「聖グロはチャーチルがフラッグ車なのに、4両も切り離して大丈夫なの?」

ミカ「遠距離からチャーチルを抜ける車両は大洗と知波単には無いからね。よっぽど接近されたら、3突とPティーガとⅣ号は危ないかな。でも接近戦は聖グロの得意とするところだから、包囲でもしない限りそこまでの脅威じゃないんじゃないかな」

アキ「でも今なら車両数倍だから、危ないんじゃない?」

ミカ「だから、足の早いクルセイダーで知波単を減らしに行ったのと、プラウダとの合流を図って、海岸側へ移動したんだろうね。普段ならやらなそうな甘い作戦だ。彼女もお祭りを盛り上げるつもりで動いてるのかな」

アキ「彼女ってダージリンって人?ミカの交友関係はよくわかんないなぁ」

アキ「あ!大洗89式と聖グロ本隊が接触したね。89式は偵察かな。うわっ!すごいね89式!建物の隙間から砲撃通してるよ」

ミカ「道路と建物の立地をよく把握してるんだろうね。それに動きも軽やかだ」

アキ「でもウチのミッコもすごいよね!」

ミカ「そうだね。おや、大洗本隊の接近に気がついたようだね。聖グロはゴルフ場方面へ後退するようだよ」

アキ「あれ?知波単、一両も減ってない。ゴルフ場を北西側から迂回して大洗女子を目指してる。クルセイダーは?」

ミカ「クルセイダーは北東方面から回り込む形で、アクアワールドへ向かったからね。うまく入れ違いになったんじゃないかな。最短で聖グロへの道を選んだ知波単に、良い風が吹いてるようだね」

アキ「知波単はクルセイダーの動きを予想してたのかな?」

ミカ「さぁ。どうだろうね。私は実況の依頼主みたいに、戦車にまで聞き耳を立ててはいないからね」

ミカ「それに敢て遠回りな海沿いを走った、クルセイダーの方が気にならないかい?」

アキ「確かに!なんでだろう、ミカはわかるの?」

ミカ「そこに海があるからだよ」ポロロン

アキ「ないよそれぇ?」

ミカ「広くて見晴らしの良い海岸沿い。走らないのは失礼だろぉ?」

アキ「え、じゃ作戦とかじゃなくて、クルセイダーは好みで海沿い選んだってこと?なんでそんなことわかるの?」

ミカ「ご覧、クルセイダーの動きが楽しいって語りかけてくるだろ?」

アキ「もー、また適当なこと言ってー」

ミッコ「(私も目的地だけ指示されたら、海沿い走るかなぁ)」

ミカ「ん?どうやら聖グロと大洗知波単がゴルフ場に入ったようだね」

アキ「すごいよ!早くも大洗と知波単は聖グロを挟み込める位置にいる!」

ミカ「まだ砲撃圏内では無いけど、確実に包囲しているね」

アキ「あれ?大洗が数量別れて移動しだしたよ。向かう先は...あ!プラウダが来てるのか!」

ミカ「大洗はプラウダの足止めに2両向かったね、知波単からも2両同様に向かってるね」

ミカ「プラウダは陣形を保ったまま速力の弱いKV-2やIS-2に合わせていたから、少し遅くなったみたいだね」

アキ「4両でプラウダの8両抑えられるの?」

ミカ「あのゴルフ場は勾配が激しいからね。高地で圧倒的な優位性を得られると思うよ」


ミカ「それとよく見てごらん?7両だ」

アキ「あれ?KV-2が居なくなってる」

ミカ「ふふ、どこに行ったんだろうね」

アキ「勝つための戦術的に隠したのかな?」

ミカ「さぁどうだろうね。」

アキ「?」

ミカ「この試合の目的は勝ち負けだけじゃないからね、戦車道の大切なことの一つの為の試合だからね」

アキ「よくわからないなぁ」

ミカ「アキにも目的や意味があるから、戦車道をやってるんだろ?一緒さ」

アキ「あんまり考えた事ないけど...うーん。あ!見てみて!大洗と知波単が合流して聖グロを追い詰めてる!包囲までの展開が早いね」

アキ「違う学校同士で上手く連携取れてるって凄いなぁ。なんか選抜戦みたいで...エキシビジョンってなんかカッコイイね!」

ミカ「カッコイイ。それは戦車道にとって大切なことかな」

アキ「えー、じゃぁミカはなんで戦車道やってんの?」

ミカ「戦車道は人生の大切なこと全てが詰まっているんだよ。でも殆どの人はそれに気づかないんだ」

アキ「なによそれー」

ミカ「探すことを続けたら、戦車道がアキに教えてくれるよ」ポロロン

ミカ「さて全体の状況を見てみようか、全チームがゴルフ場周辺に集まっているね」

アキ「マップを見るとわかりやすいね。合流した知波単と大洗が聖グロを包囲してて、その外からプラウダがジワジワ攻めて来てるね」

アキ「プラウダも聖グロもなんか余裕な感じするね」

ミカ「彼女達は信頼も有るし、この試合を楽しんでるんじゃないかな」

ミカ「おや、包囲が狭まりだしたね。マチルダ2両が白旗だ」

アキ「このまま順調に撃破かな...!あれ?えええ!うわー...」

ミカ「おっと、知波単が独断先行してしまったね。チハ新旧合わせて4両白旗かな」

ミカ「包囲は崩壊、増援のクルセイダー。プラウダも攻め込んできたね」

アキ「もー!折角のチャンスを不意にして、何やってんの」

ミカ「人は失敗する生き物だからね、大切なのはそこから何かを学ぶってことさ」ポロロン

ミカ「それに包囲が崩れなくても、プラウダとクルセイダーはすぐに合流したんじゃないかな。だからこそのあの落ち着きようだと思うよ」

アキ「そうかなぁ。どうしようもなくて、動かなかっただけゃないの?」

ミカ「いいや、そんなことないさ。戦車がそう教えてくれるからね」

アキ「戦車見ただけで、選手の様子までわかるのなんてミカくらいだよ...」

ミカ「ふふ。おや?知波単と大洗は、プラウダ聖グロを分断したいみたいだね」

アキ「でも皆フラッグ車のⅣ号だけを追ってるね」

ミカ「人は思い通りにならないものさ、だから工夫をするんだよ」

アキ「うわ!ルノーで体当たりって...大洗って結構大胆だよね。重量差あるけど、速度出てる戦車で体当たり玉突きとか中々...。思い切りいいな。そういう所はやっぱり西住流だね」

ミカ「たとえ変わったとしても、それまでに歩いた道は無くならないからね。足跡は案外残ってるものさ」

ミカ「Ⅳ号が単騎になったけど、見てごらん他の車両が配置についてるよ」

アキ「実力もだけど、土地勘あるから配置も早いね。早速待ち伏せ..って、M3でIS-2は流石に無理なんじゃ」

アキ「あっ」

ミカ「うわーすごい弾んだねM3」

アキ「うん、弾んだね」


ミカ「M3白旗。さて今度こそ待ち伏せが、生きるんじゃないかな」

ミカ「町役場あたりだね。遮蔽物がなく、見渡しがいい道路に誘導。こちらは壁に隠れつつ砲撃ができる。いい位置だね」

アキ「ホームでやる利点がはっきり出てるね。うまいなぁ、大洗とも試合したいなぁ」

ミカ「T-34/75 3両白旗。上手く機能したね」

アキ「でもプラウダも対応早いよ。IS-2を正面の盾に、白旗戦車を上手く壁にして進軍してきてる」

ミカ「プラウダの隊長は優秀だからね。合理的な対応が即時できるからね」

アキ「素直に褒めるのなんか珍しいね」

ミカ「彼女の合理的判断には、学園艦にお邪魔する時、非常に助かっているからね」

アキ「借りて(盗んで)逃げる時にやりやすいと、皮肉じゃない」

ミカ「違うよ、認めているのは事実だからね」フフ

アキ「はいはい。でも強固な戦車でノシノシ進軍してるのって、迫力あるね。ウチだとああいう戦い方はできないからなぁ」

ミカ「そうだね。こっちのクルセイダ-の動きは参考になるんじゃないかな」

アキ「軽快に走ってるけど、こんな正面切って攻めないじゃない」

ミカ「たまには、気持ちのままに走るのも良いものさ」

ミカ「おや話しているうちにクルセイダー2両白旗だ」

アキ「やっぱりⅣ号強いね。防衛戦はどうなってるんだろ」

ミカ「吶喊し隊の隊長が本懐を遂げたとこさ。Pティーガーもやられて白旗2両だね」

アキ「吶喊し隊って、知波単?...なるほど。あっ、クルセイダーがもう1両やられたよ」

ミカ「防衛戦は崩壊してしまったみたいだね」

アキ「あー散り散りになっちゃってるよ!Ⅳ号が追われてるのに!大洗知波単ピンチだね」

ミカ「フフ、そうかな?」

アキ「?」

アキ「うわ!あぶなーい!よく止まれたねT-34/85。危うく家に突っ込むと..あ」

<ドオオオオン

<イィヤッタァアアア!! マタカヨ オマエントコバカリウラヤマシイ

ミカ「とばっちりだね」

アキ「うん、とばっちり」

アキ「前から思ってたけど、市中戦する毎にいくら修繕費かかってるんだろうね」

アキ「ちょっとでもそのお金、ウチの学校に回してくれないかなぁ」

ミカ「さぁ、どれくらいだろうね。でもお金があればいいってもんじゃない」

アキ「そう?学食安くなっていっぱい食べれるようにn「お金は大切だね」

アキ「...」

ミカ「...」ニコ

ミカ「おっと3突がやられてたようだよ。そして今T-34/75も白旗になったね。ルノーでヘッツァーに乗り上げて、上方から無理やり俯角作を作る。面白いね」

アキ「決勝戦でもやってたけど、戦車に戦車載せるってすごい発想だよね」

ミカ「自由な発想が彼女達の強みなのかもしれない。でも思うがままに、生きるのも大変なものさ」

アキ「その周りの人が大変な気がするんだけど。誰かさんみたいに振り回すから」

ミカ「酷い奴だ。誰だろうね」ポロロン

アキ「...」

ミカ「ところで気がついてるかい?大洗知波単は最初の分断作戦にしっかりと形がなっているよ」

アキ「本当だ!てっきりただ逃げ回ってるだけだと思ってたのに!」

ミカ「Ⅳ号が走る大洗神社周辺から離れて、反対のサンビーチ方面へ引きつけていたようだね」

アキ「あれ?だけど分断成功してても大洗はフラッグ車のⅣ号はマークされてるけど、敵フラッグ車のチャーチルは見つけられてないよ」

ミカ「全部がうまくいくなんて、思っちゃいけないよ」

ミカ「おや、Ⅳ号は凄いところを走る気でいるね」

アキ「ん?あれ神社って行き止まりじゃ」

ミカ「そんなことは無いよ。ちゃんとあるだろう?参拝に来る人の入口が他に」

アキ「えええ!この階段降りるの!?って、うわああ凄い!無茶するなぁ」

ミカ「ミッコも崖くらいなら降れると思うよ」フフ

ミッコ「(『フフ』じゃないが)」

アキ「そうだね。今度の試合でやってみようか」

ミッコ「(『やってみよう』じゃないが...)」

カ「ここに来て、知波単95式がマチルダ1両撃破。そろそろ終盤だね」

アキ「タワー式駐車場使うなんて面白いね!絶対引っかかっちゃうよあれ!」

アキ「あっ、チャーチルも見つかったみたい!大洗に流れが来てるね」

ミカ「チャーチルは大洗ホテルの裏から海岸に出たようだね。追う大洗は残存車両と合流したようだ」

アキ「あー!消えてたKV-2!ここで来たんだ。追い込まれてる時に海から登場って、なんかボスっぽいね!」

ミカ「最初から、ここに配置してたんだろうね」

アキ「えー何のために?」

ミカ「アキと同じことをプラウダの隊長が思ったんじゃないかな」

アキ「??」

ミカ「好きな物は優遇したくなるものさ」

アキ「よくわからないけど...って、うわぁホテルが」

ミカ「今度はシーサイドホテルもだね」

アキ「オーバキルなんじゃないのっていう火力だね。これは脅威..って」

アキ「ええっー!これだけ派手に暴れたのに、自爆って何よ!」

ミカ「強いだけの火は扱いにくいからね、風に煽られたら扱う人だって火傷する」

アキ「でも、もう完全にチャーチルは裸だね!今度こそ大洗の絶好のチャンス」

ミカ「さぁどうかな?」

ミカ「ほら、3式が白旗だ」

アキ「!」

アキ「Ⅳ号を追ってたT-34/85とIS-2!道路側から並走してたんだ!」

ミカ「大洗はプラウダを無視して、チャーチルに集中するようだね」

アキ「ルノーも白旗!まずいよ。チャーチルがプラウダ2両と合流しちゃった」

ミカ「さてどうするのかな。おや...大洗の隊長は躊躇わないね」

アキ「正面に展開されてるのに、即座に先陣切って乗り上げるのはすごいね」

ミカ「相手も反応が遅れたみたいだ」

アキ「危ない!...もーヒヤヒヤするよ」

ミカ「チャーチルを盾にIS-2の砲撃を封殺してるね」

アキ「その上でチャーチルとT-34からの砲撃も回避してるって...優勝校は伊達じゃないね」

アキ「あ、最後のクルセイダー!...登場はかっこよかったんだけどなぁ白旗だね。このまま流れに乗って、大洗勝てるかな?優勝校の意地で」

ミカ「強くたって常に勝つとは限らないけどね、見ててご覧。もう決着するよ」

アキ「両階段から乗り上げて...大洗のがはやい!これって!」

ミカ「いーや、よーく見てごらん」

アキ「T-34!?あっ!」





試合アナウンス「大洗知波単フラッグ車走行不能よって、聖グロリアーナプラウダの勝利!」


アキ「聖グロの隊長の方が一枚上手だったね」

ミカ「考えられる相手の攻撃に備える。他校とも密な連携。どの局面でも余裕を持つ。一貫している彼女達の在り方だからこそ、最後に対応できたんだと思うよ」

ミカ「プラウダの副隊長は最後まで敵車を警戒していたし、プラウダの隊長も判断の速さや合理的な選択。強者達な上に相性もよかったように見えたね


アキ「ミカが素直に評価するなんて本当に珍しいね」

ミカ「それだけ興味深かったからね」

アキ「それと相性の話だったら、大洗の隊長とミカもかなり良いと思うんだけど...そしたらこの試合だって...」

ミカ「どうかな?『もし』は有ったかもしれないことだけど、今あることじゃないからね」ポロン

アキ「もーああ言えばこう言う.....はぁ負けちゃったぁ」

ミカ「そうだね」ポロン

アキ「やっぱり私達も出ればよかったのに...なんで参加しなかったの?」

ミカ「出れば良いってもんでも、ないんじゃないかな」ポロン

アキ「えー参加することに意義があるんじゃないの!」

ミカ「人生には大切な時が何度か訪れる。でも今はその時じゃない」ニッコリ ポロロン

アキ「もー何よそれぇ」

ミッコ「ミカー大体撮れたと思うよー」

ミカ「それじゃあそろそろ撤収しようか」

ミカ「お付き合いありがとう。本日の『みほ実』はここまで。お相手は私、ミカとアシスタントのアキでした」

ミッコ「はい、カーットっと。あとはそのまま渡せばいいんでしょ?」

ミカ「ああ、後で大洗の忠犬さんに渡せば届けてくれるそうだよ」

アキ「そういえば、撮ってたんだったね」

ミカ「さぁ機材を片付けて帰ろう」

アキ「あれ?てっきり大洗の美味しいものでも、食べて回るのかと思ったのに」

ミッコ「もうどっかから、くすねて来たんじゃ...」

ミカ「帰ったら二人に聞きたいんだけど、私のこと本当になんだと思ってるんだい?」

アキミッコ「「泥棒」」

ミカ「なんだか、潮風が目に染みるね」グスン

アキ「冗談は置いといて、本当にまっすぐ帰るなんて珍しいね」

ミカ「風が呼んでる気がしてね」

アキ「またはぐらかして」

ミッコ「わかった。試合見てたら戦車乗りたくなったんじゃないの?私も乗りたいし」

アキ「なんだー素直じゃないなーミカは」

ミカ「否定はしないよ。でもそれだけじゃぁない。よくない風を感じるんだ」

アキ「よくない風邪?」

ミカ「ああ、よくない風さ」

ミッコ「そっか風邪ね」

アキ「もーそれなら早く言ってよ、ミッコ運転お願いね」スタスタ

ミッコ「わかりにくいんだからなぁ、ミカは」スタスタ





ミカ「...」トオイメ

<ミカーハヤクノッテー



ミカ「...大切な時は案外直ぐかもしれないね」



ブロロロ...

~~~~~~~数日後黒森峰~~~~~~~~~~~~~ 


エリカ「小梅、貴方宛に荷物届いるわよ」

赤星「わぁ!こんなに早く届くとは思いませんでした!流石ですね」

まほ「DVD?何かの記録映像か?」

赤星「ふふ、すぐに分かりますよ♪」

エリカ「送り主は秋山..あっ(察し)」

まほ「?まぁいい。それよりこれを見てくれ」スッ

スマフォ画面(更衣室で着替えるみほの画像)

エリカ赤星「「」」

まほ「おっと、間違えた。こっちだ」

エリカ「いやいやいや!隊長!?なんて画像撮ってるんですか!?どう見ても盗撮でしたよね!!」

赤星「隊長!こういった参考資料(深い意味はない)は共有するって約束じゃないですか!後でくださいね!」

エリカ「ちょっ!何やってんのあんた達!?」

まほ「落ち着け二人共、その話は後だ。今はこれを見てくれ」

エリカ・赤星「「twitter?」」

まほ「ああ、見て欲しいのはこれだ」


====twitter画面TL====

カメさん会長@imooimo
『いや~サンダースの皆には本当に感謝だよ。ありがとね』

おK@keim4
『@imooimoどうってことないわ!協力するからなんでも言って!』

カチューシャのママ.カチューシャ合同誌10/10あ-21@lovek127
『@imooimo何かあったんですか?』

姫の騎馬ムカデさんチーム@maturin22
『姫の脚ぐぅエロいハァハァ///(画像添付』

田尻@darjeeling917
『情報は現場でとれ。常に現場に立ち、現場の情報を直接掴むことを怠ってはならない』

ペコちゃん@peco144
『牧野 昇ですね。でも田尻様も実際聞いたんじゃなくて、盗聴では...』

おK@keim4
『@lovek127大洗がまた廃校の危機みたい、それでちょっと戦車を運ぶ手伝いしたのよ』

カメさん会長@imooimo
『@lovek127ま~たピンチなんだよね』

カンテレ弾き@mumin00
『まwたwかwww』

ドゥーチェ総帥@tiyomi923
『@mumin00こらこら、草生やしてる場合じゃないだろ!』

田尻@darjeeling917
『@peco144大丈夫よ。どこの学校もやってるから』

ペコちゃん@peco144
『全然大丈夫じゃないですね』

====================

エリカ「え...」

赤星「隊長twitterやってたんですか?」

まほ「ああ、最近始めた」

赤星「あ、私もカンテレ弾きさんとペコちゃんフォローしてますよ」

まほ「カンテレ弾きは、草ばかりでたまにイラっとする」

赤星「あーすごいわかりますね。時たま良い事言うから、フォロー続けてますけど」

エリカ「ちょちょっ隊長!?大洗が廃校ってどういうことですか!?」

まほ「ん、そうだった。それを話したかったんだ」

赤星「また大洗を廃校にって話が、上がったとかですか?」

まほ「いや、もう決定しているらしい」

エリカ赤星「「!?」」

エリカ「そんな悪い状況なんですか!?」

赤星「ふざけてる場合じゃないですね」

まほ「ああ、現状は角谷に考えがあるらしい。彼女なら必ず上手くことを運ぶだろう。私はその結果に合わせて助力しようと思う」

赤星「私も手伝います!」

まほ「ああ、お前はそう言ってくれると思ってた。エリカお前はどうする」

エリカ「...手伝いますよ。大洗女子がなくなったら、あの子を叩き潰せなくなりますから」

まほ「ふふ、お前もそう言うと思っていたぞ」

赤星「でもどうするつもりなんですか?」

まほ「まだわからないが、協力者から連絡が」prrrrr!

まほ「丁度来たようだな」ガチャ

謎の協力者S『・・・・・。』

まほ「そうか。詳しい日程や条件はわかるか?」

赤星エリカ「「...」」

謎の協力者S『・・・・・・・・・・・。』

まほ「わかった。ありがとう私達もできることをしよう協力する」

謎の協力者S『・・・・。』

まほ「ふふ、気にしないでほしい。ああ、それでは」ピッ


エリカ「何か動きがあったんですか?」

まほ「ん?今聞いていた通りだ。すぐに準備に取り掛かってくれ」

赤星「はい」

エリカ「え、ちょっと小梅!?...あの隊長、聞こえた通りとは?」

まほ「大洗のさk..じゃなくて協力者Sさんが話した通りだ。通話中スピーカーにして話してたはずだが、エリカには聞こえなかったのか?」

エリカ「いや、なんにも聞こえませんでしたよ?」

まほ「だが赤星は聞こえていたようだぞ」

赤星「エリカさん!何やってるんですか!早く戦車と飛行船の貸出の申請出しますよ!」

エリカ「えぇ....(絶対無言だったじゃない...)」

まは「とにかくエリカ。赤星と別れて飛行船の手配。各車両の調整。乗員の確保と大洗の制服を用意してくれ」

エリカ「はい、わかりまし...ん?あの隊長、制服は必要ないのでは?」

まほ「詳しくはあとで話すが、絶対に必要なものだ。急いで大洗町の山○呉服店さんに連絡して用意して貰ってくれ」

赤星「プラウダ高校のバスマットやアンツィオのタオルセット、その他ガルパン関連タオルやタペストリーが充実してますよ。店前にある等身大のアンチョビパネルが目印。店内の写真撮影も快くOKしていただける、気前のいいご主人も素敵です。大洗に行った際は是非足を運ぶといいですよ!」

まほ「ただし、大洗女子の制服は残念だが戦車道をやってるJKにしか存在すら教えてくれないので、店長さんに注文しても売って貰えないぞ。というか困らせるだけだからやらないでくれ」

まほ赤星「「さぁ貴方もこの夏は是非大洗町へ」」

エリカ「...(隊長を理解することはまだ出来そうにないなぁ」トオイメ

まほ「それぞれ分担して、各手配を頼むぞ」







 


まほ「さて、二人は言ったな。学園への手続き関係は私が整えるか」

まほ「他の学校もきっと動くだろう...」




同じ頃に何かに後押しされるように、多くの少女達が動き出していた。



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

謎の少女A「輸送作戦、事後処理も含め無事終了しました」

謎の少女K「OK、それじゃ引き続き役人に関する情報収集よろしく!」

謎の少女K「それからラビットのとこの咲から連絡が来たわ。試合に乗り込むわよ!私とナオミとアリサの戦車の整備をお願いね」

謎の少女A「Yes mam!」

謎の少女K「んー!面白くなってきたわ!」

動き出したのは彼女達だけではない
~~~~~~~~~~~~~~~

紅茶D「アッサム首尾はどう?」

紅茶A「カメラと盗聴器から得た情報ですと、大洗は30両を相手に試合するようです」

紅茶O「戦車の整備は終わっています。何両で向かいますか?」

紅茶D「そうねチャーチル、マチルダ、クルセイダーの3両で行こうかしら」

紅茶R「私の出番ですわー!」

紅茶D「ふふ、私達だけじゃなくて他の学校も動いてるみたいだし、たまには皆さんでオカシを持ち寄って、お茶会というのもいいでしょう」

また別の少女達は暗躍する
~~~~~~~~~~~~~~

blizzardのN「カチューシャが眠りました。同士クラーラ今日の撮れ高はどうですか」

stalkerのK「254枚程になります。食事時と脱衣所での写真は会心の出来です」

blizzardのN「ふふ、今夜は長い夜になりそうですね」

そして中には普段と変わらぬ物達もいる
~~~~~~~~~~~~~~~~~~

西「よし!本日の訓練はここまで!皆宿舎に戻って夕餉の支度に移るぞ!」

知波単"s「「「了解(であります)」」」

西「よし!食堂へ吶喊!」

パスタを茹でる手を止める者達がいた
~~~~~~~~~~~~~~~~~~

ひなちゃん「ドゥーチェ大変です!大洗が廃校をかけて、大学選抜と試合するみたいです!」

ウィッグ「なんだって!同じ釜のメシを食った仲だ!何かできることはないか?」

屋台担当「今修理終わってるのCV33が何台かだけっスよ」

ウィッグ「な~にぃ!とりあえず情報だ!カルパッチョ!詳しい情報を調べてくれ!」

ひなちゃん「はい!」

ウィッグ「う~ん。CV33で助太刀って言ってもなぁ。何ができるか...」

屋台担当「いやぁ~大学選抜の戦車相手だと、CV33じゃ偵察くらいしかできないっスねw」

ウィッグ「それだ!いい案だぞペパロ二!」

屋台担当「いやぁそれ程でもないっスよ~。ん?...姉さん!パスタが!」

ウィッグ「え...。うあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁ!茹で過ぎたあああああ」


報せはなくとも感じる者がいた
~~~~~~~~~~~~~~

ムーミン「どうしたのミカ?ジャガバタ食べないの?」

スナフキン「風がね、強い風が流れ出してきたみたいだ」

ムーミン「そう?確かに涼しいくらいだけど、風なんて吹いてないよ?」

ミー「ねぇ、バター取って」

ムーミン「ミッコ寝ころんでないで、起きれば取れるでしょー。もう、はい」ヒョイ

ミー「あんがとー」モシャモシャ

スナフキン「...もうちょっと食いついてくれてもいいんじゃないかな?」

ミー「食いついてるよ」モシャモシャ

ムーミン「私も食いついてるよージャガバタに」モシャモシャ

スナフキン「...私の分もちゃんと残していてほ「「ミカは夕飯のシチュー、一人で食べたでしょ(だろ)!!」」

スナフキン「いい風が吹きだしたと思ったんだけどな。私にだけ良くない風が吹いてるね」



試合に向けて準備を急ぐのは少女達だけではない
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
バタバタバタバタ  オーイ、ハンニュウマダカ モウチョットデス

「理事長、設営状況はどこまで進んでいますか?」

「役人の彼が急ピッチで各業者を集めたみたいだけど、明日の夕方には終わるみたいだよ。結構優秀なのかもしれないね。ただ今回の試合の名目が広まってるみたいで、蝶野くん以外で審判を引き受けてくれる人が見つからなくてね...」

「わかりました。私の方で説得しお願いしてみます」

「助かるよ。みんな大学選抜が勝つに決まってるって考えてるみたいで、人数的にもアンフェアなこの試合を快く思ってないんだ」

「それでもそこに勝利を見出し尽力している子達がいる。その道を我々が閉ざすことは許されません。戦車道を嗜む者として、先陣は後続に道を開くものですから」

「助かるよ本当に」

「...自分の娘のことでも有りますからね」ボソ

「ん?今なにかいったかな?」

「いえ、なんでもありません」




準備は着々と進んでいく。大洗女子学園の命運を懸けた試合は目前に迫っていた

~~~~~~~試合前日夜~~~~~~~~

秋の日の ヴィオロンの 
  
 ため息の ひたぶるに 
   
  身にしみて うら悲し



エリカ「熱い紅茶ですね」

まほ「ああ」フ

赤星「でも、みほさんへの思いは私達の方が熱いですけどね」フフン

まほ「そうだな。こうしてみほの為に多くの人が動いてくれている...。嬉しいな」

エリカ「...」

まほ「必ずみほ達を勝たせよう」

赤星「はい!」

エリカ「ダメですよ」

赤星「!?」

赤星「エリカさん?」

エリカ「....本日付で私達も大洗女子学園の生徒です。ですからそんな他人行儀じゃなくて」

エリカ「今ぐらいは、『また同じチームとして、必ずあの子と私達が勝つ』くらい言いましょうよ」

まほ赤星「「!」」

まほ「ふふ、エリカ。口数が少ないと思ったが、お前も嬉しいんじゃないか」

赤星「みほさんとまたチームで戦えるからって、変にクサイこと言って。エリカさんも素直じゃないですね」

エリカ「...もー!悪かったわよ!なんか言いたくなったのよ!」

エリカ「隊長も笑わないでください!」

まほ「ああ、すまんふふ。いい状況ではないんだがな。私は負ける気がしないよ」

まほ「こうやって人を惹く魅力が大洗の、みほの戦車道にはある。それが大人の都合なんかで、遮られるものだとは思えないからな」

エリカ「はい!(なんかこうやって真面目な隊長は久しぶりに気がするわ」

赤星「明日は私も活躍しますよ!」

まほ「ああ期待している」

まほ「さて、そろそろ真面目な話は置いておこうか。明日の『みほ実』について話そう」

赤星「そうですね」

エリカ「あ(フラグだった...」

まほ「お母様からなんとか実況権をぶん取りたい。説得に協力してくれ」

赤星「家元が相手ですか...強敵ですが赤星小梅、お供いたします」

エリカ「いや、私達試合が...」




ホウソウヲジャックシテ ソレデイキマショウ イヤ、シアイデルジャナイデスカ ソレナラ――――






直下さん「私完全に空気ね...」ハァ

保守して頂いた方、ありがとうございます!
待っててくれた方もありがとうございます!
長い島生活から戻ってこれましたです。知ってましたか、東京でもネットに繋がらない所があるんですよ?

無事に出張から戻れたので、今晩から再開していきます。
ただ長い船旅で疲れたので、今日は寝させてください!おやすみなさい

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

―大学選抜VS大洗女子学園試合会場―


しほ「娘の為なら相手が国でも戦えますか?当然できますね?私はできます」

しほ「視聴者の皆様こんにちは。娘達を愛して18年。国政からも娘を守る良妻賢母、西住流家元西住しほです」

しほ「本日の実況を務めさせて頂きます。よろしくお願いします」

――「あら?実際に守れるかどうかは、娘さん達自身の活躍によるんじゃないですか?」

――「そもそもウチの愛里寿が負けるとでも?ふふふ、残念です。平等な試合で叩き潰せなくて」

しほ「おっと、随分と強気な発言ですね。現役時代に散々可愛がったはずですが、足りなかったのですか?千代さん。いえ、島田流家元さん」

千代「あら、捏造は辞めて頂けますか?徹底的に叩き潰していた気がしますけど?」

しほ「ふふ、少し年を取りすぎましたか?脳トレというものをご存知ですか?今の貴方にピッタリですよ?」フフ

千代「西住さんこそ大丈夫でしょうか?貴方の方がずっと年上なのですけど?」フフ

理事長「二人共その辺にしないと、いつまでも進まないんじゃないかな」ハァ

しほ「コホン、そうでしたね。さて本日解説をしていただくのは、変幻自在の指揮を執り、戦車を駆る貴婦人(笑)の異名で有名な島田流家元、島田千代さんです。よろしくお願いします」

千代「よろしくお願いします。途中に嘲笑が入った気がしますけど」

しほ「気のせいですね。さて改めて家元襲名おめでとうございます」

千代「有難うございます」

しほ「今試合は3大流派の二つがそれぞれ指揮を執るということで、私達二人で両者の視点から実況と解説をしてまいります。ゲストとして呼んでみました」

千代「『呼んでみました』というより、連行してきましたが正しいのでは?ゲストと言い切るなら、もう少し扱い方を変えるべきでは?」

しほ「さて、ゲストは彼女だけではありません。戦車道連盟理事長、児玉七郎さんです。よろしくお願いします」

理事長「よろしくお願いします」

しほ「理事長にも同様に解説者をお願いします。本日は二人の解説者と実況者で大学選抜VS大洗女子学園戦『みほ実』を放送していきます」

役人「あの...私はなぜここに呼ばれたのでしょう?」

しほ「これは失礼しました。最後に生の反応をお届けしてくれるコメンテーターとして、文科省学園艦局長が参加を快諾してくれました。辻康太さんです。よろしくお願いします」

役人「快諾...よろしくお願いします」

千代「随分と多いんですね」

しほ「そうですねぇ、今回の試合は人数やマップ、どちらも規模が大きいですからね。それぞれが違う視点で見て、異なる意見をいただきたいと思いまして」

千代「なるほど」

理事長「多いのは実況サイドだけではないみたいだよ。スタッフもそうだけど、見に来たお客さんがあんなに」

しほ千代「「おお~」」

しほ「観客席の規模も随分と大きいですね」

千代「実業団の試合でも、ここまでの規模はないですよ」

理事長「まぁ、それだけ注目を集めてるってことだよね。告知されてからまだ3日しか立ってないのに、これだけ集まってるんだから」

役人「うぅん...文科省にも抗議の電話がすごいですよ。しかし、これは決定事項ですからね。この試合の結果で納得して貰う他ないです」

理事長「平等な条件なら今の言葉も、実力次第の良いものに聞こえたのに...」

役人「ゴホンゴホン!」

千代「そう言えば本日の試合内容は、殲滅戦とのことでしたが」

しほ「ええ、フィールドは草原・湿地・森林・陵丘・山岳・荒地・廃墟の複数の特徴を有する、大型複合マップとなります。試合内容は、大洗VS大学選抜による最大車両数30での殲滅戦です」

千代「これ私が言うのもなんですが、ドン引きするほどの戦力差になりませんか」

役人「当然です!無理を押し通して、この試合を実現させたんですから!それなりに過酷になるのは当たり前です」

理事長「『それなり』の過酷さじゃないよね...」

しほ「そうですねぇ。この戦力差をどう埋めてくるのかが、最初の見所になりそうですね」

千代「?西住さん、始まる前から、かなり追い詰められている状況だと思いますが、その余裕はどこから?」

しほ「コホンコホン、私は喉から」

千代「そんな貴方には黄色のベンザ」

しほ「貴方の風に狙いを決めて♪」

千代「ベンザブロック♪........乗って上げましたけど、気は済みましたか?」

しほ「貴方もノリノリだったじゃないですか。さて、質問に答えましょうか」

しほ「みほ選手は逆境を、撥ね退けて全国を下したんですよ?不利な出だしは、いつものことですからね」

千代「それにしたって差があり過ぎです...。私は同数での試合こそが、正しく実力を証明できると思います」

しほ「優勝校としての実力を示せ。というのは、あくまでも建前ですからね。何がなんでも勝たせないつもりなんでしょうね」チラ

役人「ウウン!ゴホンゴホン。失礼咳き込んでよく聞こえませんでした」

役人「おやおや、整列が始まりましたよ!いや~これだけの戦力差があってまだ勝てたなら、私も上を説得できますよ。勝てたらですけどね」

千代「...」

しほ「大丈夫ですよ千代さん。貴方が同数での試合を望んでくれるならば、正しく対等な試合になりますから」

千代「?それはどういう...」

マッタアアアアアアアーーーーーーーーーーー

千代役人「「!」」

しほ理事長「「ふふっ」」

千代「あの校章は黒森峰の...」

役人「なんだ!?なんで他校の戦車が」

役人「ちょっと!?これどういうことですか!?」

しほ「どういうこととは?」

役人「選手が増えるなんて聞いてないぞ!」

しほ「何か不都合でも?元々最大数30両の殲滅戦でしたし、その範疇では?」

役人「いやいやいや!それに連盟の許可も受けてるって言いましたよ彼女!理事長!」

理事長「?何か問題でも?」

役人「くぅ~!大体戦車まで持ってくるのは反則だ!」

理事長「皆私物なんじゃないですか?私物がダメってルールありましたっけ?」

役人「卑怯だぞ!」

千代「増援は黒森峰だけじゃないみたいですね」

役人「!?どんどん増えるてるぞ!?くそっ」prrrrr

役人『蝶野さんこれはどういうことですか?』

蝶野『義勇兵みたいで熱いですね!!』

役人『そんなこと聞いてるんじゃない!試合直前での選手増員はルール違反じゃないのか!?』

理事長「フフフ」

蝶野『意義を唱えられるのは、相手チームだけです』

蝶野『ふむふむ....。相手チームの隊長は、構わないとのことですので、これで試合を行います』ニッコリ

役人『なっ!くそっ』ピッ

役人「島田さん!いいんですか!こんな不意打ちみたいなことを許して!」

しほ「どうやら丁度30両ずつの平等な試合になりそうですね」ニッコリ

千代「ふふ。ええ、それでこそ叩き潰し甲斐があります」ニッコリ

役人「っ」





試合アナウンス「1時間後試合開始となります。各選手は待機位置にて準備してください」




家元襲名はしぽりんじゃ…

>>240
うわっ!ごもっともです!
ミスしました。脳内変換お願いします

千代「こうなっては試合名も変更した方が、いいんじゃないですか」

しほ「そうですね。本日の『みほ実』は大洗女子学園VS大学選抜戦、改め高校生大洗連合VS大学選抜戦をお送りしていきます」

理事長「さてそれじゃ、開戦前に気象情報とか伝えようか」

しほ「はい。現在の気温は29℃・湿度80% 天候は晴れ/曇りです。今は澄んだ青空が広がっています」

千代「ですが観測データですと、大きな雨雲が接近しているようですね」

しほ「スコールの心配がありそうです」

しほ「広大な複合地形のマップと変化する天候。戦車も様々で、面白い試合になりますよ」

千代「ええ、楽しみです」

しほ「さて千代さん。試合展開にはどういったことが、予想できますか?」

千代「うーん。車両数、広大なマップ、この試合は選択肢が幅広いので、動きを見せるまでは読みづらいですね。
殲滅戦ですから、初戦で損失を抑えて相手の出方を見る。優位な地にいて待ち伏せ。電撃戦もありえます。どの戦法にも適した地形がありますので、最初にどこに向かうかで読めてくるんじゃないでしょうか」

しほ「なるほど」

千代「しかし王道で行くなら、大洗連合は正面の高地を取るかと思います。
対する大学選抜は、広く全面を警戒する為に横隊にて前進。先行して複数の偵察車両を配置し、大洗連合の行動を読みに来ると思います」

しほ「んー大学選抜は、相手を見て即座に対応を変える。島田流らしい初動ということですか」

千代「はい、これは例外を除き基本的な初動として教え込んでますからね。相手の情報がないなら確実にこれだと断言できます」

千代「大洗連合の方は噂では奇策によって、下克上を繰り返したと伺っています。実際に私は見たことがありませんから、なんとも言えないですね」

理事長「いやー、見事な動きをしますよ!その対応力は島田流に通じる物があるからね。島田さんも驚くんじゃないかな」

千代「それは楽しみですね」

役人「...出来たばかりのチームで、決勝でのような優れた連携なんかできませんよ。最初の交戦で負けるかもしれない」

理事長「ハァ、もう始まるんだから、切り替えてコメントしようよ」

千代「世界大会はそれこそ、バラバラのチームから選手が選ばれる混成チームなんですが」

役人「うっ」

しほ「ですが、最初の交戦は大洗連合は上手く連携を取れないでしょうね


千代「おや、意外ですね。なんでですか?」

しほ「高校生達は最大でも20両まででの練習しか基本的に行いません。それは大会での最大車両数が20両だからです。
たった10両と思うかもしれませんが、この数はかなり重要です」

千代「んー、たしかに。高校生大会でよく見られるのは、本隊・数両による小隊・偵察やフラッグ車とその護衛といった大雑把な分け方が多いです。中隊と小隊・偵察・潜伏等細かく分けるのは、強豪数校くらいでしょうか」

千代「今回は30両ともなると、複数の中隊編成と状況に応じて小隊も組み込むことになるので、その舵取りを行った経験が無いのは痛手ですね」

しほ「その通りです。加えて気がついたのは私も最近ですが、みほ選手は大隊指揮より中隊及び小隊指揮としての能力が高いようです。
要所での細かい連携指揮に高い適正があるように思います」

千代「それは黒森峰時代と大洗での現在の指揮を見て?」

しほ「はい」

千代「なるほど。確かに奇策を取るというのであれば、全体指揮より小隊でフットワークの軽い方がやりやすいですね」

しほ「ですから、役人さんの意見は十分可能性がありますね」

千代「うーん。一体どう試合は転がりますかね」

しほ「良い意味で期待を裏切って貰いたいです。さて間もなく試合開始となります」

しほ「それでは大洗連合のⅣ号に仕掛けた車内マイク、及びマップでの定点カメラや上空カメラを起動してください」

千代「え、そんなものあるんですか?」

しほ「あるんです」ニヤ

理事長「選手達はもちろん...」

しほ「知りません(一部を除いて)」フフ

理事長「」

千代「先に言って頂ければ、愛里寿選手の車内にも設置しましたのに!」

しほ「お忘れですか?これは『みほ実』、みほ選手の戦車道を実況する番組です!」ニヤ

千代「ちゃんと愛里寿の活躍も伝えてくださいね」

しほ「そこは勿論です。実況者として贔屓はしませんよ(あんまり...)」キリ



試合アナウンス「試合開始!」




しほ「さぁ開戦です!」

しほ「始まりましたね。両陣営共に中隊3つに分けて進軍を始めました。接敵は早くても20~30分後ぐらいでしょうか。先行して偵察を送りましたが、先に発見するのはどちらでしょう」

千代「大洗に近い位置に高地がありますから、発見は大洗が早いかと」

しほ「んー、マップ的には優位な配置ですね」

理事長「いやー流石に、大学選抜の陣形は綺麗だね。経験や鍛錬の成果が、細かいところで見えてくるね」

千代「大洗連は今回初の連携ですから、それを考えれば随分とまとまりがあると思いますよ」

しほ「さて接敵まで時間が有りますから、両チームの紹介に入りましょうか」

千代「それでしたら、敢て私が大洗連合を。しほs...コホン、西住さんは大学選抜の紹介をお願いします」

しほ「わかりました。それではどちらから紹介しましょうか」

理事長「ここは大洗連合からでいいんじゃないかな。大洗の命運を賭けた試合なんだし」

千代「それでは、コホン。今回の試合の理由となったのが大洗女子学園の存続。その存続を賭け戦車道大会で優勝を果たすも、文科省の非道によって再び廃校に追い込まれました。その窮地を救うべく、義憤に駆られた嘗ての宿敵達が結集したのが高校生連合です」

千代「...これだけで何かドラマに出来そうね。この大洗連合は、大洗、黒森峰、サンダース、聖グロ、プラウダ、継続、知波単、アンツィオの混成チームとなります。
各学校はそれぞれ特色を持っているため、戦車はバラバラ。これはうまく使えば強みになります。同時に異なる車両を上手く編成指揮しないといけない、苦労と手間もあります。他にももう一つ大きな強みを有していますね」

しほ「むむ、その強みとはなんでしょうか?」

千代「各高校の隊長達が参戦している点ですね」

役人「?それを言うなら、大学選抜にも元隊長だった選手が大勢いますよ?」

千代「はい、その通りです。しかしその強みは大隊や中隊という、大きな枠では生かされることはありません。指揮系統の混乱を避けるため、元隊長の彼女達が自由に動くことは、基本的にありませんから。
対して、大洗はバラバラの混成チームであるからこそ、状況によっては高い指揮能力者が、それぞれ独立した複数の小隊として動くことが可能です」

千代「その上、開戦前のみほ選手の才能の話しからすると、大隊ではなく多数の小隊に方向性だけ舵をとり、それぞれの指揮者に任せた戦い方ができます。その方が彼女も自由にやれるのではないでしょうか」

理事長「ああ、西住選手(妹)は事前に打ち合わせているようだけど、要所で各車両に自由にやらせる場面が大会でも見えたからね。確かにそれは強みになりそうだ」

千代「現在は全体の舵を取り、大隊長として指揮してますが、分散してから真価を発揮するんじゃないでしょうか」

役人「なるほど」

しほ「それでは続いて大学選抜チームですね。こちらは世界大会での期待も集まる程の熟練者が速力、火力、装甲を高い値でバランスのとれた車両を扱います。これだけで十分な脅威ですね。パーシングM26を主体に、チャーフィ、それから....。千代さん?」

千代「はい」

しほ「少し車両がおかしい気がするのだけど...」

千代「はい」

しほ「『はい』じゃないでしょう...」

千代「違うんですよ、聞いてください。役人さんに無理やり取り入れるよう言われまして」

役人「えっ」

理事長「どんな戦車が入ってたんだ...」

しほ「本音は?」

千代「正直、OKが出たならぶっぱなして見たかったんです、はい」

しほ「『はい」じゃないでしょう...」

しほ「貴方ただでさえ、センチュリオンなんか使ってるのに」

千代「まぁまぁ、車両に関しては登場してからにしましょう。その方が面白いですから」

しほ「...いいでしょう、ですが試合が終わったら少しお話があります」

千代「おぅふ」

しほ「さて気を取り直して、大学選抜の特徴は高性能のバランス型戦車と高い練度による、囲い込みを得意とします」

理事長「それだけ聞くと、そこまで怖く感じないね」

しほ「しかしこの大学選抜を率いているのは島田流です」

千代「ふふふ」ドヤ

しほ「島田流は、個々人、単騎での強さを深く追求している流派です。本来チームの中で、各車両で実力差はどうしても出来てしまいます。
ですが大学選抜の車両には殆どありません。しかも高いレベルであるにも関わらず。
わかりますか?一両一両が高い練度で穴が無い、そんな包囲が瞬時に形成され迫って来るんです。さながら漁のように一気に刈り取られます」

理事長「なるほど、十分その脅威が伝わったよ。つまり包囲前に切りくずさなければ、確実にやられるんだね。確かにそれは怖い」

千代「ふっふっふ」ドヤァ

しほ「いいえ、本当に怖いのはここからです。...理事長ならばどう対応しますか?」

理事長「ん?それは包囲される前に全速で逃げるか、包囲されないように攻撃して牽制かな」

しほ「そのどちらも正しいと思います。他のチームが相手であれば...」

理事長「...」ゴクリ

しほ「そもそも島田流は個々人の能力を重視すると言いましたが、その能力というのは技量ではありません。技術はあって当然、磨き続けて当たり前。
島田流は変幻自在の忍者戦法と言われていますが、その本質は相手を見て、行動の先を予見し対策する、その対処能力。これを瞬時にできるからこそ、単騎でも強く、逃げられないように対応し包囲できます。時には誘導して牽制の暇さえ与えません」

しほ「勿論、戦術の基本や連携は当然高レベル。圧倒的な対応力を誇る強者です。大洗にとっては今までで最大の壁と言えますね」

千代「流石は、西住さんですね。よくわかってます。単騎ならば相手の先を読み打ち払う。小隊でいるならば、相手の動きと味方の考えを読み取り、高度な連携を持って倒す。それが島田流の真髄です」ドヤ

理事長「うぬぬぬ、大洗女子はそんな相手に勝たないといけない...」

千代「高く評価してくださってるようですけど、その割には余裕ですね。西住さん」

しほ「ふふ、対応力であればみほ選手も負けていませんからね。それに、あくまで流派の強みについて語っただけです。
その能力がどの程度選手達に身についているかも、把握していますからね」

理事長「え?」

千代「ふう、そこまでわかってて、持ち上げたんですか。性格悪いですよ。
流派としての教えは仕込んでますし、鍛えてもいます。しかしそういった能力を完璧に身に付けているのは、愛里寿選手だけです。
かなり近づけているのも中隊長の3人。ほんの一握りです」

理事長「なんだ、脅かさないでよ。まだ成長途上でさっきの話しも今後の怖さってことか」

しほ「いいえ、そういうワケでもないんです」

理事長「え」

しほ「そういった対処能力が全員に無い為、数両ずつ確実に削れば、大洗にも勝機はあるというだけです。
というのも、包囲作戦に置ける予測対応は指揮者である愛里寿選手が指示するだけで、可能なんです」

千代「つまり、小隊規模まで戦線を分散できれば大洗にも勝機がある。
しかし大隊、中隊の大規模作戦では大学選抜に勝つのは厳しい、いや無理と言い切れるかもしれませんね。大洗が小隊規模に分散すると、混成チームの都合上車両の種類もバラバラになる為、大学選抜の対応はそれぞれ違う物が求められます。大学選抜選手も対処を考える時間が増えるかもしれません。
そういった状況にうまく運べれば、勝機はあるかもしれないです」

理事長「んー...」

しほ「簡単にまとめるならば、大洗は自分達の得意な舞台に持ち込めれば、勝機がある。しかし、このまま広大なマップで大隊中隊規模での戦闘では、絶対に勝てないと言ったところですかね」

千代「随分ざっくりとまとめましたね」

理事長「やはり大洗にとっては厳しい試合ということなんですね」

しほ「ええ、ですがこれまでのように乗り越えて欲しいですね」

しほ「おや、大きく動きが出てきましたよ。
大洗連合は3つの中隊に別れ、高地にヒマワリ、その麓湿地へタンポポ、森林にアサガオ。速度を合わせて進行。
大学連合は、2つの中隊を全速で先行させて来たようですね。それぞれ森林と湿地へ向かっています」

千代「これは恐らく、高地ヒマワリの挟撃を狙ってるんじゃないでしょうか」

しほ「というのは?」

千代「有利な高地から打ち下ろすならどんな戦車を配置しますか?
敵とも距離が有り、遅い戦車でも登る時間は十分あります。であれば重戦車を配置すると読んだんじゃないでしょうか。
そして恐らく大学選抜は偵察にて、高地ヒマワリに重戦車が集中していることは確認できたはずですから、脅威を先につぶしにいくと思われます」

しほ「しかし高地ヒマワリの方が優位ですから、逆に返り討ちでは?麓の湿地森林には大洗も展開していますし」

千代「そこはほら...さっき西住さんが、車両確認で気がついてしまったアレが有りますし、高地展開の維持は厳しいでしょうね」

しほ「あー...なるほど」

理事長「ん?さっき言いかけた車両かな?結局なんだったの?」

しほ「すぐに分かりますよ」ジー

千代「てへっ♪」ペロ

しほ「その年でそれは流石に...」マガオ

千代「本気で引かないでくださいよ」

理事長「すぐわかる???」

<――タンポポト アサガオヲ ツブシニキタ!――ヒマワリノ トウタツマデ タエマショウ!

しほ「どうやら接敵したようですね」

千代「ここからの展開は早いですよ。同時多方面に強襲を仕掛けてますからね」

しほ「森林にて交戦開始、ほぼ同時に湿地にて両チーム中隊が向かい合い、戦闘を開始。森林の大学選抜中隊は突破を測ってますね」

千代「開けた場所にある湿地にて敵を足止め、障害物の多い森林で相手に思うように走らせず、側面を突き抜ける。同時攻撃がうまく機能してますね」

<――コウゲキ シツツ シエンニ アタル

しほ「!」

千代「おっと、ヒマワリが山頂を取ったようですね。...西住さん?」

しほ「ふふふ、気がつきましたか?」

千代「え?(何?何か見落とした?)」アセ

しほ「ふふふふ、どうやら気がついてないようですね」ニヤ

千代「一体何が...(まさか全て大洗の手の平の上だというの?)」ゴクリ

しほ「では教えましょう!先程の車内音声.....あれはティーガーⅠの車内音声なんです!」

千代「..ん?」

しほ「今回はⅣ号のみほ選手だけでなく、ティーガーⅠのまほ選手の音声まで拾っています!
それもこの実況席の左側はみほ、右はまほ。二人が同時に喋ると、サラウンドで二人の声に包まれる。
即ち西住サンドを味わえるんです!」ドヤァ

理事長役人「「(うわぁ...)」」


千代「...いや、実況して?今そんな流れじゃなかったでしょ?落ち着いて貰えます?」

しほ「おっとこれは失礼しました。娘達の美声にアテられてしまったようですね」

千代「あんまりアレだったら、実況代わって貰いますからね」

しほ「それは怖い。反省します」ニコ

千代「(絶対してないな)」

しほ「えーと、それで現在は―――



ズドォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオンッ!!!




<ドウシタ!

理事長「!!?」

役人「ふふふ」ニヤ

しほ千代「「おぉ~」」

理事長「なんですか、今のは!?」

しほ「先程、私が言いかけた車両による砲撃ですね」

千代「いやぁ、ここまでスピーカではなく、生で音が響いてますよ?すごいですねぇ」

しほ「さぁ大洗はどう対応しますかね?」


<キット コレダヨ! ブルムクマ!――シュトゥルムティーガー!380mmデス!――


千代「砲撃の正体を探っているようです。ふふふ、380なんてモンじゃないんですよ」

ズドォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオンッ!!

チョ!?ウソ!ワタシノ デバン ココデオワリデスカ!?アンマリダアアアアアアアアアア

千代「このまま高地にいては良い的、早い対応が求めれますね。ところで、今砲撃音並みの声量で、絶叫が聞こえた気が...」

しほ「...全員に劇的なドラマがあるとは限らないんです。悲しいですね、これが現実です」

しほ「(赤星小梅ここに眠る)」ナムサン

千代「?」

<――タンポポト ゴウリュウスルゾ!

しほ「さてヒマワリ中隊は高地を捨てて、前方大学選抜本隊の側面部を抜けるようですね」

千代「タンポポと合流を狙うようですが、側面から当然大学選抜の本隊が来ます。削られるのは確実ですね」

しほ「殿のT34/85、これはプラウダの隊長カチューシャ選手の車両ですね。大学選抜は確実に一両ずつ削るつもりみたいです」

千代「集中砲火です。しかし操縦手が直撃を避けるように上手く走ってますね。ですが...」

しほ「逃げ切るのは厳しいですね。ヒマワリ中隊の心境を表すように、スコールも降り出しました。ん?これは...」

千代「プラウダT34/85が特攻を、KV-2が足止めに留まりました。被害無しでヒマワリが逃走出来ないと判断したんでしょうか」

しほ「カチューシャ選手のT34/85も反転迎撃に移...らない!IS-2が前方に壁になるよう見事なドリフトで割り込んできました!
降り出したスコールでの、ぬかるみを上手く利用してますね」

理事長「操縦手もすごいけどIS-2に搭乗しているノンナ選手は、砲手として大変優秀なんだけど、ここでやられちゃうのは勿体無いね」

しほ「無線の音声は拾えていませんが、今の壁になるような動きや他のプラウダの車両の動きを見てもヒマワリ中隊の為の時間稼ぎと、カチューシャ選手を逃がすための連携に見えますね」

千代「カチューシャ選手の車両が途中で急に反転したことから、恐らく指示による行動ではなさそうです。プラウダの選手達が自分達の判断でカチューシャ選手を逃がすことを選択したのかもしれません」

理事長「んー、ヒマワリはなんとか逃げ切れたけどノンナ選手を失ったのは大きいんじゃないかな」

しほ「彼女達があそこまでして守ったんです。カチューシャ選手の能力にそれだけの物があるんでしょうね」

千代「隊長が残ることで、小隊として分散した時の利点も残せました。犠牲はありましたが、いい選択だと思いますよ」

役人「ふふふ、随分と削られてますね」

しほ「確かに、大きく削られましたね大洗連合。一度残像車両の確認をしましょうか」

千代「おや、少し待ってください」

<――カイチョウ イソベサン ミカサン アンチョビサン オネガイシタイコトガアリマス!

しほ「どうやら上空からの砲撃に対して、行動を起こすようですね」

千代「新たに小隊を作り陽動と見せて、捜索に入ったようです」

しほ「んー、これは見事!」

千代「土煙に紛れて、小さな丘の稜線に隠れました。大した動きです」

しほ「さて全体マップを見てみますと、ほぼ直線に近い形で謎の砲撃車へ向かってますね」

しほ「これは一体どうしてわかったんでしょう?」

千代「恐らく着弾角、発射音、大型の車両が予想されますから、それを隠すだけのスペースと壁が必要になります。そうした点からマップ内で候補を推測したんでしょう」

しほ「なるほど。流石みほ選手」ニコニコ

役人「ふっふ、もう見えてきますよ!」ワクワク


理事長「...なっ!?これは!」ゴクリ

しほ「!大きいですねぇ」

千代「ホントですねー、あんな口径の砲撃とか、相手チームにしてみたら滅茶苦茶恐怖ですよ!いやぁ怖い!」

しほ「落ち着いてください島田さん。サッカー解説の北○さんみたいな口調になってますよ」

千代「カール自走臼砲です!驚異の600mm砲ですよ!600mm!もう言うなればロマン砲ですよ。興奮しちゃいますよこれは」

ズドオオオオオオオオオオオオオオン!

理事長「これを直前になって認可させたのは...この試合の為だったんですな」クッ

役人「言いがかりはよして頂きたい」ニヤァ

理事長「しかし、オープントップなのに戦車と認めていいんですか!」

役人「考え方次第ですよ」フゥ

しほ「千代さん、このカールは戦車道で実用するにあたって、改造されていると伺いましたが本来の物とどう違うんですか?」

千代「はい、本来はオープントップの戦車ですから、搭乗員が表に出るわけです。
しかしそれでは特殊カーボンさんでも搭乗者を守れないので、操縦席、装填及び砲手を車内にて行える様にしてあります。
それに合わせて、装填の全自動化も取り入れてます!本来だと20人以上必要な所をボタン一つでポンッ!科学ってすごいですねぇ」

しほ「なるほど」

理事長「え、『なるほど』で流していいの!?結構すごいこと言ってるよね」

役人「これが学園艦管理局の技術力です!我ら学園艦管理局の技術力はァアアア!世界一ィイイ!」フハハハ

しほ「...セミでしょうか?騒音が酷いですね」

千代「邪魔ですし処分します?」

理事長「(最初から呼ばなきゃいいのに...)」

しほ「コホン、さて興奮でふざけてしまいましたが、戯れもそろそろ止めましょう」

しほ「さぁこのカールですが、パーシングM26が3両で守っています。大洗連合の小隊は、どう突破するのでしょうか!」


しほ「最初に動きを見せたのは...BT-42です!」

千代「強襲からの一撃。んー見事です。パーシング1両撃破」

役人「くそっ!」

しほ「3両の中心に飛び込むことで、相手の判断を遅らせてましたね。うまい立ち回りでした」

千代「しっかり敵パーシングの射線に、別のパーシングを巻き込んでましたね。あれは撃てませんよ」

しほ「BT-42を2両のパーシングが追います」

しほ「おっと!敵小隊がカールから離れると同時に、大洗連合の小隊が接近していきます!」

千代「これは...89式にCV33が乗ってるんですかね。ふふ、シルエットが可愛いです。後方からはヘッツァーも向かいます」

理事長「あわわわ、橋上なんて逃げ場ないのに!こっち!こっち向いてるよ!?」


ドォオオオオオオオオオオオオオオオン!!


しほ千代理事長「「「うおおおおおおお!!」」」

しほ「ぎりっぎり!見事回避しましたね!」

役人「ちっ」

千代「上手く車体を端に寄せて、十分狙わせてから逆端へ移動。う~んシビアなタイミングで上手く誘導してますね」

理事長「何よりあの大口径の砲身が向いてるのに、そこを迷わず突っ込める胆力に驚きだよ」

しほ「いやいや、誘導と言うならBT-42も大したものですよ。カールの砲撃で、砕けた橋の残骸を利用してパーシング撃破!パーシングはあと一両のみです!」

理事長「うわ!BT-42が!」

役人「やったか!?」

しほ「フラグですね」

千代「はい、フラグです」

役人「何ぃいい!?履帯なしなのに!?」

しほ「どうやら大洗連合の攻撃は、まだ終わらないようです」

しほ「橋上に居た89式とCV33!土煙を抜けてきましたよ。...んあ!?とんだああああああ!!!」

千代「89式が急停止することで、載っていたCV33が慣性に従って見事に飛びましたね」

千代「届きませんでしたが...」

しほ「いやー狙いは良かったんですけどね」

千代「面白いことしますねぇ。しかし残念ですが次のカールの砲撃は...CV33これ回避無理でしょうね」

しほ「もうちょっと、彼女達の工夫戦見てみたかったですね。...おや?まだ終わってないようですよ?」

理事長「これは...CV33が履帯を回転させ」

千代「後ろからヘッツァーが乗り上げ!」

しほ「とんだあああああああああああ!!!」

役人「ああああああ!?カールがあああああああ」

千代「さながらカタパルトですね!カールの砲口へゼロ距離で発破!カール白旗!お見事です」

千代「ところで『とんだあああああ!!』って奴、気に入ったんですか?」

しほ「はい」キリ

千代常夫「「(この人、たまに何考えてるか本当にわかんないなぁ)」」シュッ

千代「ん!?」グルッ

しほ「どうしました?」

千代「..いえ。(今、西住さんの後ろに...気のせいかしら)」

しほ「んーそれにしても、大洗の選手は本当に自由度が高い」

理事長「いやいや本当に、私の知っている戦車道とはまるで違うよ!」

千代「忍者戦法..いえ、もはや曲芸でしょうか?奇想天外で且つ、魅せるプレイ、それでいて実利がある。私も知らない戦車道ですね」

しほ「おっとBT-42!片輪走行でパーシングを走り抜けざまに...砲撃!両車共に白旗!」

千代「さながら武士が敵を切り捨て、走り抜けたようでしたね」

役人「カールが...」

理事長「これで空からの砲撃がなくなったね!」


千代「いや、それにしても大洗連合のこの小隊すごいですね。この小隊の搭乗者リスト、後で頂いても構いませんか?」

しほ「ええ、私も感心しましたよ。突飛な作戦でしたが、それを実行する行動力、失敗からの即座の二次作戦への切り替え、圧倒的操縦技術、そんな走行時での安定した砲撃。この4両の搭乗者は相当優秀ですね」

千代「んー3年生もこの大洗連合には含まれているんですよね?...真面目な話、来年度の大学選抜へ勧誘したいですね」

しほ「そういうことでしたら、私も世界大会を視野に入れて、プロへの可能性がある子に声をかけたいですね」

理事長「ちょっとぉ、流石にこの場で大手を振って『どうぞ』なんて僕言えないからね?」

役人「先生、いや西住さん。プロ選手候補は他の委員の人にも、ある程度相談してから動いてくださいね?後々、トラブルになりますから」

理事長「君もなんでちょっと乗り気なの...」


しほ「さて大洗連合はヒマワリ、タンポポ、アサガオ全車結集しましたね」

千代「大学選抜も一度合流を測ってるようですので、ここで一度残存車両の確認をどうでしょう」

しほ「そうですね。まず、大洗連合BT-42・パンター2両・T34/85・IS-2・KV-2・チハ新旧1両ずつの8両が撃破されました。現存車両は計22両ですね」

千代「大学選抜カール・パーシング5両が撃破。残存車両は計24両ですね」

しほ「車両数は2両差ですか。中々接戦のように見えますが、千代さんどう思いますか?」

千代「そうですね。はっきりいうと火力面で大洗連合が不安な状況ですね」

しほ「やはり初期にT34/85・IS-2・パンターと安定した火力のある中戦車を、ごっそり削られたのが原因でしょうか」

千代「はい。大学選抜は大半を占める車両パーシングが火力、装甲、速力と平均して高いバランス車両です。それに比べると大洗連合の車両スペックは、全体平均でかなり劣ると思われます」

千代「装甲、火力、速力だけなど一点だけを見た場合は、突出した性能の車両は有ります。しかし全体の戦力として見るとやはり低く見えますね」

しほ「ふむ。では2両差という現状は、戦力で考えると車両数以上の開きがあると?」

千代「ええ、その通りです」

役人「ふふふ、カールがやられたのは焦りましたけど、まだまだこちらの優位は覆りませんよ」

理事長「うーん。でも空中からの砲撃が無い今なら、もう一度さっきみたいにやればどうかな」

千代「難しいですね。先ほどのように有利に働く高地はもう取れないと思います」

千代「さっきはカールが居る為、ワザと取らせていたんでしょう。今後優位な地を取らせるとは思えないですね。その為に現在大学選抜は高地麓で合流を図って、大洗連合を牽制しているようです」

理事長「なるほど」

しほ「そうなってくると、今後の展開はどういった物になってくるんでしょうか」

千代「はい。先程言いました通り、全体として見た場合、大学選抜の戦力は非常に強いです。ですので大洗連合としては、先程のように中隊に分かれての正面戦闘は避けてくるんじゃないでしょうか」

しほ「...」

千代「どうされました?」

しほ「いえ、何でもありません」コホン

しほ「確かに、そういうことでしたら大洗連合が向かう進路も納得がいきますね」

千代「目的地は廃墟方向。遊園地跡ですね。大洗は遭遇戦などの局地戦を得意としていると聞きます。ここからが本番ですね」

<――キョクチセンニモチコンデ チームワークデ タタカイマショウ!―――パンツァーフォー

しほ「あぁ~、仲間を信用して決意を感じさせる、だけど普段の自信ない感じも混ざったような『パンツァーフォー』というみほの声が最高ですねぇ」

千代「それでしたら試合になると幼さを残した声で、冷徹な上官のように命令口調になるウチの愛里寿は至高ですね」

しほ千代「「ふふふ」」ウットリ

理事長「ここからが本番っていったでしょ。僕らの実況もここからが盛り上がるとこじゃないの?帰ってきて」

役人「ある意味盛り上がってるのでは?」

理事長「むしろタチ悪いよ...」

役人「ごもっとも」

しほ「さて大洗連合が遊園地跡、敷地内に入りましたね」

<―――ワタシタチニ デキルタタカイヲ シマショウ

しほ「ん~良い事言いますねぇ、みほ選手。千代さん、あの子私の娘なんですよ、ふふふ」ウヘヘ

千代「ん~西住さん、気持ち悪いですねぇ。西住さん、今実況中なんですよ?ふふふ」ニコ

しほ「愛は他人から見ると気持ち悪いものです。それでも貫くから愛なんですよ」キリ

千代「理事長、西住さんが非常に鬱陶しいんですけど...」

理事長「ご息女の声がする時は、ちょっと可笑しくなるみたいだけど気にしたらダメだよ」

役人「人物像に一貫性が無くて怖いんですが、私の知ってる西住先生であってます?」

しほ「やれやれ、みほ選手の口から名言と美声が出たんですよ?高揚するのが普通でしょうに」ハァ

千代「...さて、3つの出入り口と中央の広場、4つに別れましたね」

しほ「無視は酷くありません?未だかつてそんな雑な返しされたこと無いんですけど」

千代「あら、だったら私が第一人者ですね。光栄です。さぁ実況に戻ってください」

しほ「貴方だってついさっき、娘自慢してたじゃないですか...」

千代「さっきはさっき今は今です。はよ、実況はよ」

しほ「本当に返しが雑ですねぇ、コホン。
中央広場に大隊長車Ⅳ号と破損車両が修理しつつ待機、その他の出入り口にて迎撃準備を行うようです」

しほ「おや?見てください!ジェットコースターのレールにCV33が乗り上げました。
うわぁ...若いからですかねぇ、勢いというかなんというか」

千代「しかし全体を俯瞰した情報はかなり心強いですよ。
大胆で危険ですが、高所からの索敵は大変効果的な作だと思います」

理事長「各戦車の位置がGPSみたいにわかるなんて、相当有利になるんじゃない?」

役人「ふん、あんな位置に居たらいい的ですよ」

しほ「彼女達がどう活きるか楽しみですね」

しほ「各出入り口の様子を見てみましょうか。南正門入口ティーガーⅠ・ティーガーⅡ・T34/85・Pティーガー・ヘッツァー・89式・M3・3突・3式・B1bis計10両、西裏門97式2両・新97式・95式計4両、東通用門チャーチル・マチルダⅡ・クルセイダー計3両・中央広場にM4A1・ファイアフライ・シャーマン・Ⅳ号計4両、ジェットコースターにCV33」

千代「南正門を重点的に、守る形での展開ですね」

しほ「大学選抜が全車両で接近してますから、それを警戒してでしょうか」

千代「恐らくそうでしょうね。これだけ土煙が上がってるとなると相当な速度ですね。本当に土煙ならですが...」

しほ「含みがある言い方ですね」

千代「ええ、ここまであからさまな動きは...」

<ニシウラモンノ ニシサン! テキガ マワリコモウトシテイマス!――

しほ「なるほど、陽動ですか」

千代「いやぁ、互いの策のぶつけ合いが際立ってきましたね」

理事長「駆け引きの応酬は見ていて面白いよね」

役人「相手の動きを見て、一箇所を集中的に固める。または援軍を向かわせる。こういった戦略的対応は、将棋のようで素人の私でもわかるから確かに面白い」

しほ「おや?役人さん、ノってきましたね?」

役人「え?..んんッ!そんなことありませんよ?」

しほ「ふふ、ここから先はもっとストレートに楽しませてくれますよ」フフ

理事長「にしても煙幕か。ここに来て始めて島田流の忍者戦法(?)が出たね」

千代「んー忍者戦法と言われてますが、それはあくまで手数の多さから付いた通称ですからね。別に忍者みたいに戦うわけじゃないですよ?」

役人「え」ショック

千代「え」

しほ「おや?島田流ではありませんが、見てください。西裏門の防衛組、水中に潜伏し始めましたよ!これこそ忍者のようでは?」

千代「おお、珍しいですね。突撃しか頭にn...突撃を得意とする知波単の選手達が、策を弄してますね」

しほ「んー島田さんの彼女たちの評価がよくわかりすね。まぁ私も変わりませんが」

理事長「君たちねぇ..」

しほ「おっと!東通用門に大学選抜が姿を現したようです!クルセイダーが知波単よろしく先陣を切ります!ん?!一瞬で戻って..」

しほ「うおおおお!」

千代「T28重戦車ですね!いやぁデカイ!クルセイダー咄嗟の判断で命を繋ぎました!」

しほ「いやぁ~いやいやいや、あの島田さん?いえ千代さん?カールといいT28といい、少し大人気ないのでは?」

千代「役人さんからよろしかったら是非、って譲って頂いたんですもの。せっかく貰ったんですから...ね?」

しほ「『ね?』じゃないですよね」

千代「ほら、でもこう言う迫力ある戦車出た方が、盛り上がるじゃないですか」

しほ「まぁ試合としてその方が、観客沸くのはわかりますけど...」

千代「それとも娘さんではこの程度の壁も越えられないと?」

しほ「は?余裕に決まってるじゃないですか?何言ってるんです?」

千代「なら問題ないですねー」

しほ「はっ!しまった」

理事長「茶番やってないで、戻ってきてよ。大学選抜はT28を盾にして見事に園内に進行してきたね」

千代「こちらが完全に本隊のようですね」

しほ「むむ、本隊のようですが隊長車が見えませんね。園外から指示を出しているんでしょうか」

千代「愛里寿選手は報告内容と相手の残存車両や地形から、戦況をほぼ完全に頭の中に再現できます。従って、前線指揮の必要が無いんですね」

しほ「なるほど。流石は島田流のご息女です。その『戦況』というのも勿論...」

千代「はい。実際に見てるかの様に、敵の動きを読んだ上で、対処し指示を出します」

しほ「千里眼みたいですね。ふふふ、大洗が繰り出す予想外の戦法をどこまで見通せてるか、楽しみですね。」

理事長「東通用門サイドは交代しつつ防衛戦かな」

千代「互いに本隊がぶつかる状況ですね。どう舵を取るかで流れが決まります」

<――エリカ タノム

しほ「南正門は煙幕を張っていた小隊を撃破。パーシング3両白旗です。それにしても堂々とした良い声ですね。誰に似たんでしょう」

千代「あーはいはい。しかし今の連携は見事でしたね。ティーガーⅡの思い切った飛び出しと正確な射撃、まほ選手の敵車両から上がる黒煙を利用した死角からの
回り込み、高い練度がなせる技ですね。搭乗している選手達が、完全に一つになっているからこその無駄のない動きでした」

役人「流石は強豪黒森峰ですね」

しほ「チャーフィーを追って、ティーガーⅠ・ⅡそしてT34/85は園内へ向かいます」

しほ「おっと西裏門にも進行の手が伸びてますね」

しほ「おおおっ!囮によって注意を引いて奇襲。即興にしては知波単うまくキメましたね!パーシング1両白旗!」

千代「ええ、狭い道幅ですから必然的に縦1列になります。そこを狙って先頭と最後尾車両の履帯を、第一に狙ったいい作戦でした。脳きn...えー今までの知波単からは考えられない行動ですね」

理事長「...もはや何も言わないよ」

<アイテノネライハ カリョクデ コチラヲ ブンサンサセテ カッコゲキハスルコトデス

しほ「相手の狙いしっかりと読めてるようですね」

千代「おや、今度は暴走しないんですね」

しほ「まぁ同じネタは使用制限を設けてますので」

千代「なるほど」

理事長「今までの反応は、とてもネタや冗談に見えなかったけど...」

千代「それは一旦置いときましょう。西住さん、大洗連合は東通用門付近の本隊が縦深防御によって大学選抜の消耗を狙ってますね。
同時に西裏門は潜伏からの遊撃で警戒させ、進行を遅らせつつ隙を突く。障害物が多く入り組んだこの地形をうまく利用した良い作戦ですね」

しほ「はい。でもこの流れは長く続かないんじゃないですか」

千代「ええ、大学選抜の対応は実に早いですからね。切り替えてきますよ」

しほ「分散を嫌がるなら」

千代「まとめて叩くが吉、です」

しほ「さっそく大学選抜の動きに変化が見られます!本隊をバラけさせて、多方面から大洗本体に攻撃を仕掛け出しました」

千代「進行方向を誘導するように、ワザと穴のある包囲を狭めてますね」

しほ「適度にパーシングを倒させつつ、後方からT28が迫るように送り出したことで、考える時間を奪ってますね」

理事長「驚くべきところは、T28の突撃・緩い包囲の展開・追い込むルートに合わせてパーシング数両を先行させる。
この3点を同時に行っているところだね。お互いの役割を理解して迅速に動いてるよ」

千代「指示の早さと正確さ、また受け取り手の理解力の高さも大きな要因ですね」

しほ「さすがの練度と言ったところですか」

<――ホウイモウノ カンセイヲ ソシシテクダサイ!

しほ「綺麗に追い込まれましたね。野外ステージで絶体絶命、ショーならば演目は悲劇でしょうか」

理事長「ちょっと!これは本当にまずいんじゃないの!?」

千代「おっと、知波単が切り崩しに飛び込みました!...が、難なく流され囲まれましたね」

役人「これは終わったんじゃないですか?勝ち確なんじゃないですか!?」ハハハ

千代「はっきり言って詰んだ状況ですが...西住さん。この後の展開は期待しても?」

しほ「ええ、大洗の中でも奇策...というより予想外の大物喰いが、一両本体から大きく離れて行きましたからね」

千代「この窮地から脱せられたら奇跡ですよ」

ゴォオオオオント!゙シン!

理事長「んのぉっ!?」

千代「何が?...ええええええええ!?」

<フォッ!?

しほ「おお、観覧車を突撃させて、包囲網を断ち切る。ぶっ飛んでますねぇ、千代さん奇跡起こしましたよ?」

役人「いやいやいや、なんですかこれ!?ツァーリタンクですか!?」

千代「こんな突飛なことを瞬時に思いついたっていうんですか!?しかも、Ⅳ号のマイクから音声がなかったということは、このM3の自主的な判断ということですよね!あの包囲からの数秒でここまでの結果を予想して動くなんて...何者ですか。来年度の選抜様に3年生の実力者は粗方チェックしたはずですが」

しほ「ふふふ、驚くのはまだ早いですよ。なんとM3搭乗者は全員1年生です」

千代「なっ!?」

理事長「その上彼女らはまだ半年しか戦車道をやってないんだから、もはや恐怖すら感じるよ(直感的なものだろうけど、すごいね)」

千代「」

役人「...最年少でこの実力...大洗の実力は本物なのかもしれませんね...」ボソ


しほ「それに2つ訂正しましょう。この観覧車特攻は即席の作戦ではありません。そして本当にすごいのは、みほ選手です」

千代「どういうことですか?」

しほ「おかしいとは思いませんか?大洗本隊が包囲されたステージに、綺麗に転がり落ちる位置に観覧車がある点。
T28が突撃をして本隊を切り崩す中、1両のみ戦線から離れる謎の行動。
包囲されるまでの間高台から、悠然と搭乗者全員で包囲網の形成を見下ろす余裕の態度」

千代「ま...まさか」

しほ「たまたま観覧車が落ちる位置で包囲されたのではなく、そこで包囲されるように大洗が誘導していたとしたら。
最初から観覧車を打ち落とすつもりで、離脱したんだとしたら。あの包囲を崩壊させられると知っていたとしたら」

千代「この遊園地へ入った時から、この流れを読んでいた?いえ、Ⅳ号の車内音声でこの作戦には言及していなかった...まさか試合開始の最初からここまでの流れを読んでいたというの...西住みほ..恐ろしい子」

理事長「(いやぁそれは無いでしょ...。それだったら、観覧車落ちてきた時の『ファッ!?』って車内音声はなんなのさ)」

しほ「ふふふ、これが西住みほ選手の大洗流、又の名を『西住流みほ式』です。
野外ステージのショーの演目はどうやら悲劇ではなく、彼女の手の上で大学選抜が踊らされる喜劇だったようですね」

理事長「(というか、あれティーガーⅠの音声だから、まほ選手の声か...結構変な声色々出すんだね...マッ↑タァ↓ー(笑))」

しほ「千代さんどうですか?島田流のやり方でこんな展開を予想できてましたか?」

千代「どうやら私の認識が甘かったようですね。本当に面白い試合です」

しほ千代「「ふふふ」」

役人「あのー大洗本隊、全車包囲突破しましたよ?ちょっと?」

しほ「おっと失礼、トリップ以外で脱線するのはいけませんね。失礼しました」

理事長「トリップもいかんでしょ」

<――プランFデ タタカイマス!

しほ「さて、大洗連合は包囲網から脱出し今度は大きく分かれるようです」

千代「ん?これは意外ですね。小隊規模に分散した場合、完全に各校で分かれると思いましたが複数校混合で編成されていますよ」

しほ「その高校だけの単色小隊も有りますが、やはり共に戦うと親交もより深まるんですかね」

理事長「こういう武芸を通して育まれる友情っていいよね」

しほ「さて大洗連合は立て直しを図り、反撃を狙うようですね」

千代「分散してからの各小隊の動きは迷いがありませんね。予めここでの戦闘を念頭においていたんでしょうか。
んー、案外先程の茶番は本当かもしれませんね」

理事長「え、全部手の内うんぬんってアレ本気じゃなかったの?」

しほ「当たり前じゃないですか」

千代「流石にそこまで読みきれてたら、女子高生じゃなくて軍神かなにかですよ(笑」

理事長「なんだ騙されちゃったよ。でも確かにそこまで読めてたら、圧倒して一方的な展開になるもんね」

役人「(フラグ立った気がします...)」

しほ「現在大洗連合22、大学選抜18両です」

千代「分散された各隊の戦い方に注目です」

しほ「おっと、早速面白いことしてますよ。なつかし横丁へ向かったのは、3突・クルセイダー・ルノーですね」

千代「先行した3突が、城壁を背にT字路で停車しましたね。車両的には待ち伏せが得意ですが、あそこだと発見され次第砲撃か後退されてしまいますね。ん?おー...」

しほ「足回りを活かしてクルセイダーとルノーが、パーシングを引きつけてきました!しかしその先には...」

千代「パーシング白旗!んー見てて気持いいくらいに綺麗に決まりました!手製のパネルを展開し、城壁に擬態!視界の悪い戦車からでは、あれは見破れませんよ!」

理事長「これはアンツィオが全国大会で使ってた作戦に似てるね。あれは陽動に使っていたけど、こっちは隠蔽に使ったんだね」

千代「まだ終わらないようです!今度は...自販機!店前にあっても違和感ないですからね。いやらしいですよこれは!」

しほ「そして勿論パーシング白旗!あんなパネル総何枚も持ってるとは思いませんからね。周到に準備されているのが分かります」

理事長「(あれ?西住さんが全部読んでたってのは冗談だったんだよね?でもここで戦闘する準備はされてた?あれ?)」

しほ「こちらのウエスタンエリアでは、Pティーガー・T34/85・3式が西部劇さながらの立ち回りで見事パーシング3両白旗!」

千代「セットをぶち破っての裏取り!砲塔の旋回ではなく、速度を維持した状態での車両旋回によって砲身を合わせて砲撃!」

しほ「続く3式は初撃を外し側面を晒しますが、走行の厚いT34/85が盾になり上手くフォロー、その上1両撃破!即座に立て直した3式が西部劇さながらの撃ち合いを制して残り1両撃破!」

千代「1分も無い時間で流れるようなこの攻防は、実に鮮やかでした」

しほ「即興チームでのこの連携力は、驚きですね」

千代「派手に動いたのは大洗の2両でしたが、2両がセットを突き抜ける中、正面から進行し囮となってPティーガーへの対応を逡巡させる。末尾の敵車両を迅速に処理しつつ、3式のフォロー。堅実に最適な動きで中心となっていたのは、T34/85でした」

ノンナ「誤解されがちですが、カチューシャ程部下をよく見て、活かし育てる優秀な隊長はいませんよ」

千代「プラウダの隊長は伊達じゃないということですね。優秀な指導者の片鱗が見えますよ」

しほ「指導者ですか...じゃぁジェロニモですね」

千代「ジェロニモも来年は大学選抜に欲しいですねぇ...」

役人「んーさすがジェロニモ、強豪校の隊長格はやはり違いますね」

理事長「役人くん、気に入ったのそれ?」

しほ「続いては知波単に加え89式が入った小隊。全車アヒルの風船を砲塔に被せるという変態っぷり」

千代「チハ旧のぬいぐるみに紛れた待ち伏せは失敗!」

しほ「おっとすぐさま横道から、お得意の突撃でチハ新が奇襲!ゼロ距離からの砲撃でパーシング白旗!」

千代「アヒルのせいで間抜けな外観ですが、砲身の向きを隠すという地味です凶悪な仕様です」

しほ「そんな狙いがあったんですね」

理事長「(無いだろうなぁ)」

しほ「!うまい!傾斜を利用して砲身誘導。2両で方針を固定し砲塔の旋回を阻止。走行の薄い砲塔の繋ぎをゼロ距離砲撃。パーシング白旗!」

しほ「んー、私が見てるのは本当に知波単なんでしょうか」

千代「突撃したくてしょうがない彼女達は常に、散歩に飛び出したい待て状態の犬と同じですからね。
案外、戦略を学んで隙を見て突撃することを覚えれば、彼女達の精神と戦い方はハマるんじゃないですかね」

理事長「ちょっと気になったけど、この小隊を引っ張ってるのが89式なんだね」

千代「単一で自由に策を練って戦うことに慣れている大洗の選手達は、幅広い対応力を培っているのかもしれません」

千代「鍛えれば十分隊長としての器になるかもしれませんよ」

しほ「まだ半年の経験車ですからね。伸び代は無限大です」

理事長「この小隊には知波単の隊長がいたけど、彼女は指揮官というより良い上司みたいな子だからね。
周りを指揮するというより、まとめる。人の意見をたてることに向いてるようだから、ある意味副隊長なんかの方が向いてるのかもしれないね」


しほ「活躍するのは彼女達だけじゃないです!ラブリーマイドーターみほ選手は、ヘッツァーと共に重戦車トータスランドの巨大迷路に入りましたね」

千代「んーどう見ても機関車トーマ○ですね!大丈夫ですかこの遊園地!」

しほ「大丈夫じゃなかったから跡地なんでしょうね!」

千代「ところで、この道幅だと追って側が非常に有利ですが大丈夫でしょうか」

しほ「んー...お!T字路で上手く砲塔を回してますよ!クルクルクルリンみたいです、パーシング白旗」

千代「なるほど、砲身を横道に入れるように回転させてるんですね。考えてますね。
その上挟み撃ちになる危険がある迷路のはずですが、綺麗に回避してますね」

役人「それはアレですよ、ジェットコースターのCV33」

千代「ああ~彼女達が安全な道を誘導してるんですね!」

しほ「おっとパーシングとチャーフィーが追加されましたね」

千代「数で道を削って追い込むつもりなんでしょうが、俯瞰されている以上この数だと逃げられちゃ..あれ?追い込まれましたよ?」

千代「なんで?..あっ!」

しほ「パーシング白旗。お忘れですか?ヘッツァーが居たことを」ドヤァ

千代「潜伏して待ってたんですね。上から俯瞰できるからこその作戦です恐れ入りますよ本当」

しほ「おっと、CV33に気がついたようですよ。中隊長車パーシングとチャーフィーが迷路から撤退しました」

千代「いい判断ですね。チャーフィーは...おっとジェットコースターの方へ向かうようですね」

しほ「うおおおお!チャーフィーまでもレールに乗り上げましたよ!」

千代「いやぁ肝が据わってますね。この車両の子達は後で褒めてあげましょう」

しほ「CV33は...うええええ!?急降下するレールを下り出しました!」

千代「ちょっ!これすごいですよ!?少しでもズレれば、真っ逆さまの道を全速力で走ってますよ!?
アンツィオ高校ってこんなレベル高い操縦手いたんですか!?」

理事長「!?チャーフィーまで降り始めたよ!?半端ないね!今の若い子!?」

千代「こちらではサンダースと聖グロの対T28小隊が、うまく誘導してT28を石づくりの門で身動きを封じましたね。砲身を狙った集中砲火で戦力を削ぐつもりでしょうか」

しほ「んんん!?パージしたああああ!!履帯の両側面が外され、一回り小さくなりました!なんですかあれは!?」

千代「いやぁこれは私も知りませんでしたね。恐らく選抜の整備隊がカール同様に手を加えたんでしょうね。しかしこれはかっこいい!その上、見事に状況の打開もしていますよ」

しほ「んー果たしてどうT28を相手どるのか...」


しほ「他の戦況も見てみましょう。おや大学選抜の隊長車の動きが目に見えて良くなってますよ」

千代「なつかし横丁のアズミ選手、3突の隠蔽待ち伏せを看破!白旗です」

しほ「いやぁー流石に定食屋さん見たいなあの家屋でハンバーガーは..」

しほ千代「「無いですねぇw」」

理事長「!...ねぇ気がついだんだけど、今の残存車両大洗連合22、大学選抜9だよ」

役人「」

千代「...冗談ではなく本当にみほ選手の手のひらの上かもしれませんね」

しほ「ふふん、我が娘は圧倒的じゃないですか」ドヤァ

千代「...」

しほ「しかし、んー残念です。みほ選手の凄さを一昼夜語りたいところですが、ラスボスの登場のようです。どうやらクライマックスが近いようですね」

千代「ふふふ、まさか高校生相手に愛里寿が、直接戦闘に出るまで追い詰められるなんて...。大学選抜の子達は後でシゴくとして、高校生達には本当の島田流を教えてあげましょう!」

しほ「センチュリオンに対して知波単と89式が吶喊!...が!」

理事長「秒殺!?5両相手に無傷で!?」

千代「私の愛里寿の前では、5両なんて紙も同然です!」

しほ「知波単と89式の動きは完全に読まれましたね。少量の動きで射線から外れ、次弾の装填の早い順に精密な射撃で撃破。
あまりにも呆気なく行われた攻防でしたが、その情報量は相当ですよ。それを一瞬で処理...」

役人「ハッ、なんですか!?大学選抜側が逆転し始めましたか!?ふははっははは!どうですか!
ここから蹂躙が始まるんですよ!勝ったとでも思いましたか!?甘いですね、甘甘です!」

理事長「さっきまで、負けると思ってショックで気絶してた人の台詞じゃないね..」

しほ「ふふふ、楽しくなってきましたよ。先の読めない展開、試合はこうでなくっては!」

千代「まったくですね」

しほ「ここからは、みほ選手とまほ選手の車内音声も切って実況に移りましょう。作戦が聞こえたら面白くありませんからね」

千代「本気の実況と行きましょう」

しほ「さぁ珍しい光景です。優雅な戦闘を一貫する聖グロんのチャーチル、サンダースのファイアフライトと共同でT28を撃破しました!」

千代「チャーチルが橋下に潜り込んで待ち伏せ、ファイアフライによってT28の足元を破壊。真下からT28をほぼゾロ距離射撃。正面装甲300mmのT28でも下は薄いですからね」

しほ「しかし橋の残骸でチャーチルが動けなく...あああ!残念白旗です!」

千代「T28は中隊長のメグミ選手が上手く守ってましたからね。手薄な側面を狙えないなら、犠牲覚悟で下からということでしょうか。お見事です」


理事長「見てよ!CV33がチャーフィーに挟まれてる!」

しほ「これは敗れたか!」

千代「!いえ!ここで、観覧車爆撃の鬼才M3です!パーシング2両白旗!」

しほ「いやぁ彼女達もいい活躍をしますね。これは本当に大成するんj!!うおおおおと!ここでセンチュリオン!M3白旗です!」

千代「切り捨てていく様は完全に辻斬りですね」


しほ「んあああ!?中隊長車3両圧倒的です!A1・ファイアフライ続いてケイ選手のM4も即時落とされました!」

千代「彼女達は一人では愛里寿に劣るけど、3両であれば愛里寿に匹敵する強さを持ってますからね」ドヤァ

しほ「打ち合わせたような、綺麗なドリフトは演舞のようです。ファイアフライの射線上に直線で並びつつの展開は、砲手からは分身してるように見えたんじゃないですかね!
最後の包囲も進行方向を一両塞ぎ、砲塔の向きを考えた完全な形でした!相手の思考を予測した島田流としての動きを三位一体で再現してますね!最高峰の選手ですね」

千代「自慢の選手達ですからね。さてどうやら彼女達は愛里寿選手と合流を目指しているようですね」

しほ「その愛里寿選手は...んー!続けざまにヘッツァーと3式を撃破!中央広場へ向かいます」

千代「...ちょっと気になりましたが、3式が急に旋回しながら前進しだしたので、何か狙っていたん出ようか?
まるでハンドルをへし折ってしまったかのような、急な動きの変化でしたが...」

理事長「女子高生が、ハンドルは折れないでしょう(笑)」

千代「もちろん冗談ですよw」

千代理事長「「ははは」」

しほ「大洗の選手ですからね。何か狙いがあったのかもしれません」

しほ「合流を図る大学選抜、それを阻止するべく戦う大洗連合。一様に中心へ向かいます」

千代「ん?それ以外の動きを見せる車両もいますね」

しほ「あれはクルセイダーとチャーフィーですね。高い機動力を誇る2両が一騎打ちです!」

千代「クルセイダーが加速!これはまさか!まさかあああああ」

しほ「とんだああああああ!」

しほ「クルセイダー・チャーフィー両車両白旗です!」

千代「いやぁ堀を飛び越えたまではカッコよかったんですがね。大胆さも大切ですが、その後を考えられるようになってくれれば更に高みに行けれると思いますよ」

しほ「お!ジェットコースターのCV33が降りてきましたね。ルノーと共同でハグレパーシングを襲います!」

千代「両車両の火力だと撃破は困難ですが、どう対処するのか」

しほ「なっ!すごい!」

千代理事長「「おおおお」」

千代「自身に注目を集めるように、執拗に煽って池を横断。ギリギリまで気がつかせず、池直前で停止させたパーシングを後方からのルノーが落として仕留める。いい連携です。というか、池を横断って!」

しほ「アンツィオ高校も相当自由な戦い方をしますね。発想力がずば抜けているといいますか」

千代「んーあの子達にはCV33以外の戦車も使ってもらいたいですね。更に面白い考えが見れる気がします」

しほ「発言が完全に監督のソレになってきましたね」

千代「この試合にいる高校生達も、いずれ私が面倒を見ることになりそうなですからね。今は両チーム中立の立場で応援してますよ」

しほ「それは私も同じ気持ちですね。是非ともこの試合の選手達にはプロリーグへ上がって来て欲しいです」

しほ「あー、しかしセンチュリオンに撃破されてしまいました。2両共白旗です」

理事長「アンツィオの隊長は、ほぼゼロからここまでのチームに育てた優秀な子だからね。しかも乏しい財源や戦車でこれだけの実力を発揮するんだ。それがもっと自由度の高い環境に変われば...」

千代「実に勿体ないですね!国の支援はもっとああいう学校へ向けるべきでは?ちょっと役人さん?」

役人「んー、確かに選手単体で見ると燻っているというのはよくわかりますが、全体で見るとやはりね。
それこそそういう優秀な選手を先生方が引き抜いて、大学選抜で育ててほしいんですよ」

理事長「ここに来て少し、落ち着いてきたね」

役人「大学選抜が追い返して来ましたからね。少し冷静になれました。それに実際に高校生達の実力が高いのも確かですからね」

理事長「ほう、なら廃校は」

役人「それとこれは話が別です。既に決まっていることですから、結果を残して貰わないと私にはどうにもできません」

しほ「つまり貴方自身の考えは少しは、変わったということですね?」

役人「...」

千代「沈黙は肯定と同じらしいですよ」


しほ「試合はまだ終わっていません。大学選抜中隊長車達、接敵した大洗連合のマチルダを撃破!」

千代「そのまま走り抜けて中央広場へ向かいます。速力的に大洗連合はこのままだと追いつけませんね。んんん!?」

しほ「Pティーガーが急加速!スリップストリームを利用してT34/85とティーガーⅡも追いつき、突撃!」

千代「パーシング・Pティーガー・T34/85・ティーガーⅡ白旗!」

しほ「島田さん、これは大きいですね」

千代「はい、恐らくモーターに手を加えたPティーガーの異常加速とその接近に、すぐに対応を考えたんでようね。
先程サンダースのM4を落とす時のトライアングル状包囲陣を、大学選抜は再び展開しようとしました。しかしT34/85が包囲展開中の1両を体当たりによって動きを止め、ティーガーⅡの全面へ押し出しこれを撃破。2両はパーシングに倒されましたが、この3両から1両を落とせたのは僥倖ですよ」

理事長「どういうこと?結局2両は中央広場に向かっちゃうよ?」

千代「単純な戦力差はもちろんですが、この3両はあくまで三位一体で、島田流を再現してます。つまり、もし3両が全車センチュリオンと合流していれば、1両で圧倒していた愛里寿選手のセンチュリオン2両を相手に取るようなものです。これを阻止できたのはかなり大きいですよ」

しほ「あそこで即座の砲撃ではなく、車両を止めるために体当たりを選択したカチューシャ選手は英断ですね」

ノンナ「やはりカチューシャは偉大ですね」スッ

役人「それでも大洗連合は2両、大学選抜は3両戦力差は依然ありますけどね」

しほ「中央広場に結集したのは、Ⅳ号・ティーガーⅠVSセンチュリオン・パーシング2両」

千代「さぁここが正念場ですよ!」

しほ「先制したのは、大洗!トンネル出口でティーガーがパーシングを留め、上方からズドン!」

千代「砲撃の反動を利用して、完全に傾いた車体を立て直す。失敗したら即時終了な策を思い切りよくやりましたね。パーシング白旗です」

しほ「Ⅳ号がセンチュリオンを引きつけ、ティーガーⅠがパーシングと一騎打ち」

千代「おおお、振り子状に動くアトラクションを巧みに使いパーシングを跳ね飛ばしました!これはきつい!」

しほ「体制を立て直す前に砲撃!パーシング白旗です!」

千代「さて...これで完全な形で西住流対島田流の戦いですね」

しほ「ええ、決しようじゃないですか。どちらの流派の方が強いのか!」

理事長役人「「...」」ゴクリ

しほ「動き出したのはセンチュリオン!速力を生かして常に2両に挟撃の体制をとらせません!」

千代「危ない!ティーガーⅠ掠めた!!」

しほ「あああっと、速度維持しつつの2回転の中の砲撃!2発!Ⅳ号の装甲を削ります!」

千代「大洗が全国大会決勝で見せたドリフトによる回り込みも、読んでの発破!また装甲が削れます!」

しほ「Ⅳ号ティーガーⅠの砲撃をギリギリで回避!くぅうう悔しいですが鮮やかです!

千代「営業時はカップルが戯れていたであろう、アトラクションハッピースカイも容赦なく吹っ飛ばします!気分がいいですね!」

しほ「実際飛ばないアトラクションASTRO LINER V2が!」

千代「飛んだあああ!やはいミサイルは飛んでなんぼですね!」

しほ「おっと、ここに来てまたツァーリタンク!当たり前のようにアトラクションを利用する様は派手で面白いですね!」

千代「先程から少し気になったんですが、まほ選手も結構自由に戦うんですね。意外です」

しほ「正直なところ私も驚いています。恐らく今は西住流の黒森峰ではなく、みほ流の大洗として戦っているんでしょう。彼女も非常に優秀ですが、ここまでの柔軟性を持ってるとは知りませんでしたよ」

しほ「まったく、親の知らない間に子供は先へ行ってしまいますね」

千代「3人とも当たり前のように車体をぶつけて、相手の体制を崩していきますね」

しほ「クラッシュギアみたいですね。ん?みほ選手とまほ選手何かハンドサインをしてましたね。
仕掛けるんでs「「うおおおおおおおあ!?」」

役人「危ない!」

千代「いやぁ、今の完全に終わったと思いましたよ!」

しほ「クマのアトラクションですか?クマかぁ...クマなら仕方ないすね(ボコキチだからなぁ」

千代「クマじゃ仕方ないですねぇ...(ボコキチですからね」

しほ「両チーム立て直して、正面をとります!恐らくこれで決めるつもりです!」

千代「先に動いたのは大洗!階段を一気に下ります!」

しほ「?みほ選手とまほ選手、何かアイコンタクトを...」

千代「なっ!?」

しほ千代「「!?空砲!?」」

しほ千代「「...」」ゴクリ

役人「はぁ..これから忙しくなりそうですね」

しほ「...Ⅳ号、センチュリオン白旗」




試合アナウンス「――残存車両確認中...目視確認終了、大学選抜残存車両なし。大洗女子学園残存車両1」

試合アナウンス「大洗学園の勝利!!」



ウワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!


理事長「勝ったぁ!勝ったぞぉおおお!なあはっはっはっは!」

役人「....」ハァ

しほ千代「「はぁー」」

しほ「いやぁ、随分と長く感じられました。島田さんお疲れ様です」

千代「お疲れ様です。後半に入ってからは遭遇戦の連続、加えて分散して各場所で見所ある戦いが行われましたからね」

しほ「どの戦闘ももっと深く実況したかったですが、展開の速さに追いつくのがやっとでしたね」

千代「そうですねぇ。そうした移り変わりの激しい展開に、大学選抜の選手は思いっきり翻弄されてしまいました。高校生達の練度も非常に高く、それでいて面白い良い試合になってました」

しほ「島田さん、終盤にかけてからセンチュリオンの乱入で、一気に巻き返したじゃないですか。
最初から愛里寿選手が陣頭指揮を取らなかったのは何故でしょうか?」

千代「ええ、愛里寿選手は単騎で圧倒的な強さを誇りますが、今は大隊長についてますからね。
指揮官が先行して万が一でもやられるという事態をさけるため、前半は出ないよう指導してます」

千代「それと実は今回は大学選抜の子にはパフォーマンスも兼ねた練習試合と伝えてるので、愛里寿選手は自体が悪くなるまで、監督という立ち位置でいてもらいました」

しほ「なるほど。しかし、それでしたらもう少し早めに動き出してもよかったように思いますが...」

千代「んーこれは推測になってしまいますが、大洗の戦い方が面白かったんじゃないでしょうか」

千代「ましてや愛里寿選手と戦術的に拮抗する選手は中々いませんからね。ラストの中央広場での戦いからも彼女が試合を楽しんでるのが伝わりましたよ」

しほ「ラストは見ていて本当に面白かったですね。その上姉妹の見事な連携は個人的に胸にくるものがありました」グスン

千代「元戦車乗りとして実に興味深かったです!あの場に参戦していたら、と思うと羨ましくてしょうがないです!」

千代「最後の一撃は、Ⅳ号を囮にしてティーガーⅠが攻めるのを予想して、センチュリオンも身構えてましたがまさかの空砲による加速!Ⅳ号が盾で有り矛となって終幕とは驚きました!」

しほ「ふふふ、親として誇りに思いますよ。それと同時に私も久しぶりに戦車に乗りたくなりましたね」

千代「激しく同意できますね。...おや?」

しほ「ん?...ふふふ、ぬいぐるみの勲章。愛里寿さん可愛いじゃないですか」

千代「次からは蟠りの無い試合をさせて頂きたいですね」フフ

しほ「まったく」ニコ

千代「そういえば、これ実況録画されているんですよね?後で今のところ送ってくださいね」

しほ「ええ、もちろんです。コホン。さて皆様いかがでしたでしょうか。運命を賭けた少女達の熱い戦い、この激しい熱を伝えられていれば幸いです」

千代「その熱を受け取った方が、また戦車道の新しい道を開いてくれると嬉しいですね」

しほ「ではそろそろ残念ですが、お時間となりました」

しほ「今回ゲストとして、解説を務めてくださいましたのは、ママ友の島田千代さんです。本日はありがとうございました」

千代「ありがとうございました。でもちょっといい?もうちょっと何かなかったの?ママ友って..」

しほ「んー島田さんが何か言っていますが、時間がないのでスルーです。きっと終わってしまうことを名残惜しんでいるんですね」

しほ「続いて、同じく解説者のゲストとしてお越しくださった戦車道連盟理事長の...?あれ理事長が居ませんね。どこへ?」

千代「理事長と役人さんでしたら、試合が終わってすぐに先に帰られましたよ。なんでも『ここからは、僕らの戦いだからね。先に行ってるよ』だそうです」

しほ「...あれ?それ私も行かないとダメなやつでは?」

千代「カッコつけて二人で行かれたんですから、安心して任せておいたらいいじゃないですか」

しほ「まぁそうですね。ではお任せしましょう。解説の戦車道連盟理事長、児玉七郎。学園艦管理局局長、辻康太お二人共ありがとうございました」

しほ「本日の放送はこれで終わりです。しかし、大洗の存続が決まった今、今後も『みほ実』は続いていきます!」

千代「今後は大学選抜との再戦なんかも面白いんじゃないですか?」

しほ「いいですねぇ。本日の実況は娘達が可愛すぎて3人目を検討中、西住しほでした」

しほ「また次回の『みほ実』放送で会いましょう!」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


千代「それでは私もそろそろ動きましょうか」

しほ「あら、何か仕事が?」

千代「いいえ、仕事なんてとんでもない。可愛い娘へのご褒美ですよ」フフ スタスタ


しほ「ふぅ、ママ友として少し娘達の話をしたかったのだけど...」

菊代「奥様、バッチリ良い画が撮れましたよ!」

しほ「菊代、お疲れ様。少しあの子達の顔を見たら帰りましょうか」

菊代「そうですね...あ、二人共あそこにいますよ」


しほ「ふふ、みほ嬉しそうね。菊代二人の写真を頼みます」

菊代「何を話してるんですかね」REC カシャパシャ

千代「『カレーライス食べたでしょ』」

千代「『食べてないよ』」

千代「『カレーのルー付いてるよ?』」

千代「『...た・べ・ま・し・た!』」

千代「『私のクーポン券使って?』」

千代「『..つ使ったような気がします。クーポンマガジンのホットペッ「やめなさい」

しほ「娘二人の綺麗なツーショットをホット○ッパーのCMのアテレコしないで貰える?」

千代「何話してるか気になってたようですから、親切心で」テヘペロ

菊代「奥様、録画してたんですが島田さんの声入っちゃって、良い画が台無しです」REC

しほ「...それで、なんでまだいるんですか?」

千代「愛里寿がみほさんの西住流に興味を持ったみたいだから、今度門下生との練習試合をお願いしたくて」

しほ「今日の試合で興味を持ったなら、それは西住流じゃなくてみほの戦車道です。大洗に直接連絡したほうがいいと思いますよ」

千代「んーわかりました。それじゃあ今度こそさようなら、また会いましょう先輩」

しほ「ええ、また」

しほ「さて私達も帰りましょうか」

菊代「二人に声をかけないんですか?」

しほ「まだみほは心の整理が出来てないでしょう。あの子から来るのを待つわ」スタスタ



――カエッタラ シアイノVヲ ヘンシュウシナクチャ キクヨ オネガイネ ワカッテマスヨ フフ



――――――――ブツン




【高校生大洗連合VS大学選抜戦】
   &
【知波単・大洗VS聖グロ・プラウダエキシビジョンマッチ】

        
         完


========VTR終了=========



まほ「ははは!見ましたか!みほと私の連携を!やはり姉妹の愛を超える絆なんてないんですよ!」

しほ「ええ、今回は珍しいですが貴方の言うとおり、実に見事でした」

まほ「おぅふ、普通に褒められると帰って恥ずかしいですね」

しほ「最後の空砲の前で、ちょっと心配そうな顔をするまほは非常に可愛かったですよ」

まほ「...お母様、これは『みほ実』ですので私の方にはそんなスポットを当てないでください///」


<キャー タイチョウカワイイ イツミドノ シュウロクチュウデスヨ!

まほ「コホン。一つ言いたいことが有るんですがいいですか?」

しほ「?どしたの?どうぞ」

まほ「エキシビジョンってなんだ!?私は聞いてないぞおおおお!なんで黒森峰には誘いが来てないんだ!」

スタッフE「隊長はその日カレー万博が有るから、どんな予定も入れるなと仰ってたので、断りました」

しほ「だそうよ?」

まほ「順位!優先順位を考えてくれ!!みほかカレーで私がどちらを選ぶかなんて一択だろ!」

しほ「...カレー?」

スタッフE「カレー?」

まほ「おかしいだろ!ここまで番組引っ張ってきておいて、『みほよりカレーが好き、実況の西住まほです』なんていう訳ないだろう!」

しほ「まぁ冗談は置いといて、VTRの感想をお願いします」

まほ「置いておけないぐらいには、納得いかないんですが...。ふぅ、大学選抜VS大洗高校連合の試合は非常に面白い試合でした。みほ選手も大隊長としての経験や、格上との戦闘が彼女の成長に大きく貢献しているのは間違いないです」

しほ「全体としても、高校生達の成長に繋がった大きな転機となる試合です。なにより怒涛の展開や普段の試合では見れないような、ダイナミックな戦いには心躍らされました」

まほ「そんな彼女達の再び結集します。それぞれ違う道に進み、戦車から離れた選手達もたくさんいますが、明日の――大会の応援に駆けつけてくれるとの連絡も受けてますからね。いやぁ楽しみですよ」

しほ「ええ、VTRの大学選抜戦があったからこそそれに感銘を受けた様々な人の尽力があって、明日の大会が日本で実現できました。あの試合があったからこそと言ってもいいかもしれません」

まほ「今回放送できなかった以外にも、たくさんの試合がありました。その全てが明日の試合へ繋がっていきます」

しほ「さてそろそろお時間となります。本日の放送はここで終わりますが、ご安心ください。『みほ実』は終わりません!」

まほ「301回目の『みほ実』は明日の大会...戦車道世界大会、開催地日本での実況を、完全生放送でお伝えしていきます!」

しほ「私、西住しほは運営委員長として、西住まほは日本代表大隊長として参加します」

まほ「みほ選手の戦いを!我々日本代表の戦いを!その勇姿をご覧下さい!」

しほ「世界大会の放送をお伝えしてくれるのは、元大洗女子学園生徒会から、角谷杏さん・小山柚子さん・河嶋桃さんの三名がお伝えしてくれます!」

まほ「明日から始まる世界大会にて、彼女達の新しい伝説が生まれるかもしれません!必見です!」

しほ「それでは皆さん良き良き戦車道を!」

まほ「良き観戦を!」

しほまほ「「パンツァーフォー!」」






――END――

これにて完結となります
長いことお付き合いありがとうございました

出張で間が空きまくって、最初の『みほ実』とは異なり、解説が長ったらしくなってしまい申し訳ないです。
正直感覚を忘れました!
現在進行形でまだ劇場版は映画館でやってるので、興味を持った方も何度も見てる方も是非見に行ってください

読んで頂いた方々、本当にありがとうございました!

おまけ1

~第62回 高校生戦車道大会決勝戦~
【プラウダVS黒森峰戦】一部シーン


試合アナウンス「プラウダ高校の勝利!――事故発生の為選手の方は安全なところまで移動、救護班急いでください!」



菊代「奥様!みほさんが!」

しほ「」

菊代「し..死んでる」

・・・・・・・・・・

まほ「あの試合がきっかけで、お母様の過保護スイッチがONになってな。それ以来みほの車両に一緒に搭乗するようになった」

エリカ「え」

赤星「あの試合以降の練習で家元、声しか聞こえないからどこにいるのかと思ったら...」

まほ「みほが戦車に乗るときは、常に一緒について回ったらしい。次第に寮の部屋、風呂トイレとどんどんエスカレートしていってな。
お母様は、あの試合が原因で戦車道が嫌いになったんだと考えていたようだが、みほが恐れたのはお母様自身だ」カタカタ

エリカ「えー...(何やってるんですか家元....)」

赤星「それは逃げますね」カタカタ

エリカ「ん?二人共さっきから何やってるんですか?」

まほ「ああ、みほの部屋の監視カメラの映像を整理しているんだ」ニコ

エリカ「」

赤星「そういえば、カメラ仕掛けだしたのもあの試合の後あたりでしたね」フフ

エリカ「これは...逃げるよなぁ」


――END――

おまけ2

~西住家の悲劇~

優花里「いやっほおおお!西住殿は最高だぜ!」ハァハァ

杏「いやぁ~秋山ちゃんなら録画してると思ったけど、まさか全回あるとはね~」

梓「助かりました!結構見れてなかったのあったんですよ!」

優花里「いえいえ!同好の士に対して、当然のことをしたまでです!それから番組最後にある、西住殿の隠撮セクシーカットのエンドカードまでしっかり録画してありますからね!おっと、ここです!」ピッ

梓「わぁ大胆...やっぱり隊長かっこいいなぁ...///」

杏「ん~西住ちゃんは競争率高いよ~がんばってねぇ(笑)」

優花里「会長さん目が笑ってないですよ」

杏「あれ?バレちゃった?まぁ誰が勝っても恨みっこ無しだよね」ハハハ

梓「負けませんよ!」

優花里梓杏「「「あはははは」」

みほ「...」

優香里梓杏「「「!?」」」

みほ「今見てるこれ...なんですか?」

梓「いや!これはちがくてですね!」

優花里「これはアレです!戦車道の試合を放送している番組の録画です!やましくないですよ!微塵も!」

杏「そんな言い方したら逆に怪しいって」

みほ「会長?」

杏「秋山ちゃんが言ってるのは本当だよ?そんな怖い顔しないでよ西住ちゃん」ハハハ アセ

みほ「じゃぁ私のお風呂入ってるこの画像はなんですか?」

杏「....いやぁ~なんだろうね?これの制作元の人が誤って入れちゃったのかな?」

優花里「ききっとそうですね!ほら!西住殿巻き戻すとちゃんと試合の映像ですよ!」アセアセ

梓「うっかりさんですね!あははは」アセアセ

みほ「ふーん。それで...制作元って?」

優花里「....た例え西住殿でもこればかりはお教えできません」ゴクリ


梓「秋山先輩...」

杏「秋山ちゃん...」

みほ「...ん?....そっか。大丈夫だよ優花里さんそんな顔しないで。ちょっと用事が出来たから午後の戦車道は欠席しますね会長」スタスタ

杏「う、うんわかった」

梓「ふぅ..怖かったぁ」

杏「前に河嶋がボコを悪く言った時と同じ顔してたよ...」

優花里「いやぁあの時は、怖かったですね。砲身に括りつけて、学園艦走りまわったんでしたっけ」

杏「にしても今回はあっさり引いたね。なんでだろ?」クルッ

杏「あ」

優花里「どうしまし...あ」クル

梓「え...テロップに制作元書いてありましたね...」

杏「あー...姉住ちゃんは、ご愁傷様だねこれは」



――END――

これにて本当に終わりです!
ではまたどこかで!

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2016年06月18日 (土) 05:44:00   ID: N0SLfxKY

つまんねえんだよカス
ポケモンタグ消せやタヒね

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