沙織「えっと、うん。　もう一回言ってもらっていい？」

優花里「ゆかみほゆか分少ない気がする問題です！！」

優花里「ご存知の通り、不肖秋山優花里と私が尊敬してやまない西住殿とのふれあい（を描いた作品）のことです！」

沙織「うん……ご存知かどうかは置いといて……なるほど、ね。　それが少ない、って？」

優花里「はい！」

優花里「畏れ多くも、私と西住殿のカップリングはなかなかに有名なものとなっておりまして」

優花里「大洗が全国大会で優勝しその名を全国にとどろかせてからというもの、知名度はより確かなものとなりました」

優花里「実際に掲示板や絵の投稿サイトなどでも、私達二人を描いた作品というものは多く存在しています」

沙織「実在する人を題材にするって……それってセーフなの？」

優花里「セーフかどうかは議論の余地がありますが、私的には何も問題はありません。　むしろ大歓迎です！」

優花里「……聞くところによれば、我々が知らない、また別の世界においても、私達二人の関係を描いてくださる」

優花里「楽しんでくださるような方々がいるそうです。　これは大変ありがたいことです」

沙織「どこからそんな情報が入ってくるのよ……」

優花里「しかし、最近になって……いや、そう言うのは語弊が生じてしまうかもしれませんが」

優花里「私と西住殿以外のカップリング……」

優花里「聖グロリアーナのダージリン殿と西住殿……いわゆるダジみほ」

優花里「サンダースのケイ殿と西住殿。　ケイみほ」

優花里「カチューシャ殿と西住殿。　カチュみほ。　アンチョビ殿と、チョビみほ」

優花里「エリみほ、まほみほ、ありみほ……などなど、挙げればキリがありません！」

優花里「それらのカップリングがどんどん増えだし、圧倒的優勢であったゆかみほの勢いはどこへ行ってしまったのやら……うっうっ」ｻﾒｻﾞﾒ

沙織（まず本当に勢いがあったのかどうかすら怪しい……）

優花里「特にライバルという関係にある逸見殿、姉妹である西住まほ殿はとりわけ人気なんです……」

優花里「わかりますよ、わかります……冷たい時代を乗り越えさらに親密になるっていう展開はみなさんお好きですから……」

優花里「群雄割拠という言葉がふさわしい現状に、大学強化チームとの試合を経てからは」

優花里「西住殿と同じ好きなものを持つ、島田殿が加わり……もう誰が西住殿の隣を得るかは全く分からない展開になってしまっています」

沙織（みぽりん、なんかよくわかんないところでよくわかんないことにことに中心人物として巻き込まれてるよ）

優花里「勿論、武部殿とのカップリングもありますよ、ほら」ﾄﾞﾊﾞｰ

沙織「うぇぇ！？　あ、あたしぃい！？」

優花里「西住殿、誰にでも優しいですからね。　しょうがないです」

沙織「優しくしたらこうなっちゃうのぉ！？」ｸﾝｽﾞﾎｸﾞﾚﾂ

優花里「目ざとくて想像力豊かで見境ない人が多いですからね。　しょうがないです」

沙織「しょうがないで済ませ……やだもー……//」

沙織「まぁ確かにみぽりんってその辺にいる男よりもカッコよくて頼りがいがあるときはあるけど……ねぇ……///」

沙織「って言うかゆかりんはその、ゆかみほが少ないって言うことを嘆いてるけど……」

沙織「みぽりんと私のこういうのに関しては嫌だとか思わないの？」

優花里「嫌だとは思いません。　カップリングに関しては、様々な人の嗜好をある程度受容することが大変大事なことだと思っています」

優花里「そもそも、好きなこと、嫌いなことが全く同じ、寸分の狂いもない人間なんているわけがありません」

優花里「だからこそ、やれあれが好き、やれこれは嫌いだのといった論争が始まります」

優花里「しかしその論争の中では何も生まれません……生まれないと私は思っています」

優花里「互いの思想を尊重しあい、全て理解できずとも、分かりあえるところを見つけ出していくことが重要ではないでしょうか！」

沙織（何か深そうで殆どの人にとってはどうでもいいと思われそうなこと言ってる）

優花里「そもそも百合なんていうジャンルは弱小なんですから。　マイナーはマイナーらしく奢らず静かに暮らすべきです」

沙織（だいぶ熱く声を大にして語ってるけど）

優花里「小さいコミュニティの中で争うなんてばかばかしいです……」


優花里「ってことは正直どーだって良いんです！　今回の問題の本質はそこにあらず！」

優花里「ゆかみほが少ないという現状、これを打破するには！　っていうことですよ！」

優花里「打破するために多くの人にゆかみほ作品を作ってもらってですね……」

沙織「……ねぇゆかりん」

優花里「っと、はい、なんでしょう」


沙織「私、言うだけ言って、自分は何もしない人って、良くないと思うんだ」

優花里「……と、言いますと……」

沙織「ゆかみほが少ないんでしょ？　だったら自分でそういう展開にするしかないじゃん！」

優花里「え？　そういう展開って……」

沙織「だから、これからゆかみほ、すればいいんだよ！　ゆかりんが、ここで！」

優花里「え！？　わ、私がですかぁ！？」

沙織「ゆかりんがやらなくてゆかみほは成立しないでしょ！」

優花里「む、無理ですぅ！　私はひっそり西住殿の後姿を見ていればそれで満足なんですぅ！！」

沙織「さっきの堂々とした話しぶりは何処へ行ったの！？」

沙織「大丈夫！　恋愛に関することなら私にお任せだよ！」

優花里「余計に不安ですぅ～～！」

ダージリン「秋山さん、こういう言葉を知っていて？」ﾇ

沙織「うわ、出た！」

ダージリン「岸が見えなくなることを受け入れる勇気がなければ、海を渡ることは決してできない」

オレンジペコ「コロンブスですね」

優花里「今海上ですから！　学園艦の上ですからぁ～～！！」

ダージリン「まぁ、頑張ってってことかしらね」ｸｽ

沙織「適当！」

沙織「まぁ、いっか！　ダージリンさんもそう言ってることだし、頑張ろうね、ゆかりん！」

優花里「こ、こんなのおかしいですぅ～～！！」