【とらドラ!】 亜美「好感度メガネ?」 (42)

うひょひょひょひょひょひょかんけつしてるのでぼちぼちとうかしますひょひょひょ

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#heart

亜美「好感度メガネ?」

北村「ああ。かけて相手を見ると、好感度を測ってくれるメガネだ。面白そうだろ」

亜美「このメガネが? ……それ、ほんとなの?」

北村「ああ本当だ。命を懸けてもいいぞ」

亜美「……で、どこで買ったの?」

北村「いやいや、買ったんじゃない。実は俺の叔父が発明家でな。よくこういうのを作って、送ってくれるんだ。くれ悪じゃぞ、ってさ」

亜美「ふ〜ん、変なの」

北村「ほら、早速かけてみろよ」

亜美「……こう?」スッ

北村「そうだ。しばらく待ってろよ」


――登録されました。


亜美「え、なに? 登録?」

北村「ああ。亜美を使用者に登録したんだよ。次に――」

亜美「ちょっと待って。なんで登録なんかするのよ」

北村「それ、まだ完成してないみたいでさ。複数人がそれぞれ使用できるほど、性能が良いわけじゃないんだ」

亜美「うーんと……つまり、一人しか使えないってこと?」

北村「その通り。誤作動をなくすため、使用者を一人に限定する必要があったらしい。そのための使用者登録だ。ただ、対象に限りはないぞ」

亜美「ふ〜ん、いまいちよくわかんないけど……で、なんで私に?」

北村「えっ? あっと……」

北村 (面白そうだから、とは口が裂けても言えんな)

亜美「ん?」

北村「あ、亜美なら平気だと思ったんだよ。ほら、それが原因で喧嘩にでもなったら大変だろ? 下手に使わせてもさ」

亜美「まあ、みんなあみちゃんに対しては、好意しか抱いていないと思うけど……いいよ、面白そうだし。使ってあげる」

北村「ん? お、おお、そうか。じゃあ試しにかけて、俺を見てみてくれ」

亜美「わかった……はいっ」

北村「しばらくそのままだぞ」

――計測中……。

亜美「あれ? なんか右端に文字が……」

北村「だろうな。しばらく経てば、それが数字に変わるはずだ」

――結果、64。

亜美「出たよ。64だって」

北村「へぇ、悪くない数字だな」

亜美「そうなの? ……てか、目安を教えてよ」

北村「ああ、そうだったそうだった。――確か、100〜91は超好き。もう大大大大だーいすき、心の底から愛してる。あなたのためなら死んでもいい、って感じで……」

亜美「なにそれ、きっも」

北村「90〜81が大好き。もちろん、ここまでは恋愛としての好きって意味だ。しかしこれ以下はそうじゃなくなる」

北村「――80〜71は普通に好き。異性だと友達以上恋人未満、同性だと親友って感じで、家族ならこれが普通の数値だ」

亜美「ふーん」

北村「あとは下がるにつれて好感度の具合も違うが、まあ50以上なら仲の良い友達として意識してるって感じだな」

北村「最大100、最小-100。わかりやすく言うと、数値がプラスで好意あり、マイナスで敵意あり、0は無関心ってところだ」

亜美 (じゃあ祐作は私のこと、仲の良い友達と思ってるわけね)

北村「まあ、あくまでも目安だからな。――あっ、そうだ。言い忘れてたが……」

亜美「なに?」

北村「――って、やばい、もうこんな時間か!」

亜美「生徒会?」

北村「ああ。悪いがもう行かなくてわ。またな、亜美。上手に使えよ」

亜美「うん、わかった。バイバイ」

タッタッタ


亜美 (……なーんだ、面白そうじゃん。本当はタイガーに使わせたかったけど……でもこれで、“あみちゃんに対する”好感度を測れるってわけね!)ウフッ

亜美 (誰測ろっかな〜……)

亜美 (でもよくよく考えてみたらこれって、相手の本心がわかっちゃうんでしょ?)

亜美 (もし嫌われてたらどうしようかなぁ〜……)

亜美 (なーんて、あみちゃんそんなこと気にしないしー)

亜美 (……高須くん、どこかな)


「いっくぞー大河! うぉれの魔球を〜……喰らいやがれェ!!」

「こい、みのりん!」


亜美 (あっ、この声)

ガラガラガラ


櫛枝「ん? おお、あーみん!」

大河「なんだバカチー。まだ帰ってなかったのか」

亜美「ねえ、あんたたち。高須くん知らない?」

櫛枝「高須くん? 今飲み物買いに行ったけど……合わなかった?」

亜美「あれ〜、行き違いかな?」

大河「なに、竜児になんか用」

亜美「ちょっとね……あっ、そうだ」

大河「?」

亜美 (せっかくだから、タイガーたちの好感度も見とこっ)

亜美「二人ともー、そこに並んで並んで〜♪」

櫛枝「ん? なになに〜。記念撮影でもとるのかね?」

大河「あ? なによいきなり」

亜美「いいからいいから……じゃあちょっとそこでじっとしててね〜」

亜美 (よし、これで……)スッ


――計測中……結果、60。


亜美 (ヘぇー、みのりちゃんの好感度、これぐらいなんだぁ〜。じゃあ今度は大河を……)

――計測中……。……。


大河「おいバカチー。あんた、メガネなんか掛けてたっけ?」

亜美「え? えっと、これは……」


――結果、71。


亜美「うそ、まじ?」

大河「聞いてんのかバカチー」

亜美「え? あーっと、ただのメガネよ、メ・ガ・ネ」

大河「んなこと見れば――」

亜美「じゃ、じゃあ私そろそろいくねー。用事思い出しちゃったぁー」

大河「は? おい、あんたさっき竜児のこと――って……」

櫛枝「行っちゃったね〜。どうしたんだろ、あーみん」

大河「どーせまだ寝ぼけてんでしょ。ほっとこみのりん。それより続き続き!」

櫛枝「よっしゃ、大河。今夜は寝かせないぜ〜!」


スタスタスタスタ

亜美 (なによタイガーの奴。案外、私のこと好きなんじゃない。だからって、別に嬉しいわけじゃないけど)

竜児「……」ゴクゴク

亜美 (あっ、いた。高須くん)

亜美「おーい、高須く――」

亜美 (ストーップ!! ちょっと待って! 普段からメガネを掛けてない私が、やっぱ人前で堂々と測るのはまずいよね。祐作が口走ったらバレちゃうし……」

亜美「そ、それにもし悪い数字だったらどうしよう。高須くん、私のこと嫌いってことでしょ?」

亜美「な、な〜んてね。あみちゃんに限って、そそんなことないしー!」

竜児「おい、川嶋。独りで何ブツブツ言ってるんだ?」

亜美「げっ! たっ、高須く〜ん。どうしたのこんなところでー」

竜児「どうしたも何も、自販ならよく来るだろ」

亜美「あははー、そ、それもそうだったね〜」

竜児「?」

亜美 (……よしっ)

亜美「ねえ、高須くん。ちょっと後ろ向いてもらえない?」

竜児「後ろ? どうしてだ」

亜美「いいからいいから、ほら」

竜児「まー、いいけどよ」

亜美「そのまま、あみちゃんがいいって言うまで、後ろ向いちゃダメだからねー」

竜児「お、おう……」

亜美 (……)スッ


――計測中……。……。

竜児「な、なあ川嶋? 今なにやって……」

亜美「……」

竜児「川嶋?」

亜美「ちょっと黙って」

竜児「あ、はい……」


――計測中……。……結果、


亜美「出た!」

竜児「ん?」









――結果、……

亜美「……」ドキドキ







――……10

亜美「ぇ……」




――0。

亜美「……っ」





――結果、100。



亜美「……うそ」






北村『――確か、100〜91は超好き。もう大大大大だーいすき、心の底から愛してる。あなたのためなら死んでもいい、って感じで……』

亜美『なにそれ、きっも』





亜美「んんんんン〜!!??」

竜児「か、川嶋!?」

亜美「ちょ、ちょっと待って! あああありえねーよ! 高須くんが私に!? そんなにあるわけ……」

竜児「おい、どうしたんだよ川嶋!」

亜美「うるせぇ! まだいいって言ってねーだろ! 後ろ向いてろ!」

竜児「ははいッ!」

亜美「もう一回。今のはきっと間違いだ……もういっかい、もういっかい……」



――結果、110。


亜美「」



竜児 (どうしたんだ、川嶋……様子がおかしいってレベルじゃないだろ、あれ……)

竜児「……もういいか、川嶋」

亜美「うん……」

竜児「はぁ。なんかあったのか川嶋、そんな大声あげて。もしかして、変なものでも食べたんじゃ――」

亜美「私、用事思い出しちゃった。もう行くね」バッ

タッタッタ


竜児「……なんだあいつ」



タッタッタ

亜美 (……やばい、まさか高須くんが私のことそんな風に思ってたなんて、知らなかった)

亜美 (しかも100って、最高って意味だよね。それにさっき110にもなったし……)

亜美 (いやいやいや、キモいキモいキモい。高須くんが? 私のためなら死んでもいい? ちょっとさすがのあみちゃんも引いちゃうわー)

亜美 (でも高須くん、私のこと……)

亜美 (……)

ピタッ

ピタッ


亜美 (って……何考えてんだよバカァァアアアア!!!)

亜美 (しねーよ! 告白なんかしねーよ! 天下のあみちゃんが!? 高須に告白!? ぜ、ぜってぇーんなことしねーよ!!!」

亜美「……」

亜美「けど、どうしよう……なんか高須くんと顔、合わせづらくなっちゃったな……」

亜美「まさか私のことが好きだったなんて、しかもベタ惚れって……マジウケる」

亜美「……ふふっ、どうしちゃお〜かな///」



木原「ねえ、亜美ちゃんどうしたんだろう。さっきから高須、高須って。しかもあんなニヤけちゃって」

香推「なんでもないよ〜」

今日はここま乙"

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