速水奏「残骸たちの夜」 (33)



アニメ設定少しだけあり

時系列無視

更新不定期


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SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1462693176


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速水奏「...流石だわ。失せ物探しの趣味に偽りなし、ね」


依田芳乃「それほどでもないのでしてー、顧みられることなき物を顧みるのもわたくしの役目かとー」


奏「そうね.....停止してしまった骸の命を吹き返す...わくわくするわ」

芳乃「むー?、随分と大仰な物言いでしてー」

奏「そうかしら?...それはそうと、このままじゃ寂しいし、隣にいる誰かがほしいと思わない?」

芳乃「でしてー、なれば日を改め、共に人を募るということでー」

奏「ええ、もうすぐGWだから早い内に連絡しておかないと......それに」


「是非とも声をかけたい子もいるから...」






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翌日



奏「主催の速水奏よ」


芳乃「協力ー、依田は芳乃でしてー。今回使用する品々を探し、掘り出してきた者でしてー」





奏「皆が集まってくれて......とても、とても、嬉しいわ......素敵な時間にしましょう?」

芳乃「願わくば今日という日がー、良き日となると良いのでしてー」






工藤忍「............」

白菊ほたる「.........」

遊佐こずえ「......おぉー」






忍「(芳乃ちゃんに連れてこられて...なんなのこの部屋)」

ほたる「(奏さんからメールで招待されましたけど...なんでしょうこの地下室)」



奏「それじゃ、私と芳乃ちゃんが用意をすすめるから寛いでいて頂戴」



ほたる「えっと...あの......」

忍「芳乃ちゃん、これどういう集まり?プロジェクターと妙なDVDしかないけど」

こずえ「......おかしもー...あるよー?」

ほたる「...しかも......その、DVDの表記が...」



ダンボール箱「処分予定」

DVD「廃棄」

プロジェクター「中古」



忍「(楽しいことが起こる予感が全くしない......!!)」



奏「ふふふ、いやねぇ、とぼけちゃって...」

芳乃「でしてー」

奏「見ればわかるでしょ、やることは一つよ...?」

ほたる「はい、ゴミ掃除ですよね?」

奏「そう......上映会よ」

忍「(笑顔がとんでもなく眩しい...)」

ほたる「(怪しいDVDを胸に抱えて満面の笑み......すごい怖い)」




奏「美城専務が乗務だった頃に実行した、いくつかの改革については知っているわね?」

忍「ああうん、アイドル関連の企画が軒並みストップしちゃったやつ、だよね...」

ほたる「......知ってます。346プロなら倒産はしないと思ってましたけど、まさかあんなことになるなんて...」


奏「知ってる?白紙に戻されたプロジェクトの中にはアイドル個人のライブやイベント活動の他にも映像作品に関するものもあったの」

こずえ「...えいぞー?」

ほたる「それが...そこに積んであるんですか...」


奏「察しがいいわね」

忍「...察しも何も、余りにも説明してくれないからこっちから触れたんだけど?」

奏「忍ちゃん、ほたるちゃん......ワクワクしてこない?」

忍「少なくとも今の奏さんみたいなキュートな笑顔にはならないけど」

ほたる「......属性の壁を超えるほど楽しみなんですか...?」



奏「小梅ちゃん主演のゾンビガールスピンオフ、向井さんの山岳登頂記のメイキング...その他話題にもなれなかった幻の作品が今手の届くところにあるのよ?」

忍「...そういうのは幻じゃなくてお蔵入りって言うんだよ?」

ほたる「えぇ...と、もしかしなくとも、それ全部観るんですか?」



奏「......」

忍「......」

ほたる「......」

奏「......素敵でしょ?」

ほたる「不幸です」

忍「言っちゃうの!?」

こずえ「ぽっきー......おかわりー」



芳乃「ではではー、まずは一本目、スタートでしてー」



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人の気配の感じられない高架下で少女は振り返る



??「いい加減、姿を見せてよ。折角お花を傷つけずに済むところまで来たんだからさ」


振り返った先に佇んでいるのもまた別の少女


???「.........」


駆け引きは数分前、一方の少女が他方の少女の尾行を開始したときから始まっていた

それは強者同士の探り合い

尾行を通じて背後から相手を見定めようとする者と、待ち構えて返り討とうとする者の



相葉夕美「見たところ、アナタも”プレイヤー”なんだ?」



水木聖來「.........」




追い込まれたのか、誘い込んだのか


彼我の実力差を測りきれないままに状況は完成してしまった


ここで戦いの火蓋を切らぬ者に栄光の道はない




尾行者である黒みがかった茶髪の少女が、スマートフォンをかざす

その動作は決闘への宣誓。飾り気のない電子機器が見えざる切っ先を対面の少女に向ける



夕美「ここまで散歩してきた分くらいは楽しませてよっ!」



向けられた鋭い戦意に怯むことなく、金髪の少女もまた携帯電話を勢いよく掲げた

結び付けられた花のストラップがその勢いに追従してじゃらりと振れる



夕美「今から咲くよ!......[つぼみ]相葉夕美...!」


聖來「[ハートビートUSA]!水木聖來!思いっきり楽しむよ!」



シャン!シャンッシャン!シャン!
シャン!シャンシャンシャン!
シャン!シャンシャン!シャン!
シャン!シャンシャン!シャン!
シャララランシャラン!シャンシャン!


夕美「とりゃっ!ふにゅぁっ!」


(生存本能ヴァルキュリアMasterをプレイする音)


シャン!シャンシャン!シャン!
シャン!シャンシャン!シャン!
シャン!シャンシャン!シャン!
シャン!シャンカッ!シャン!


聖來「(くっ!!やっぱり指よりは足でやりたい!)」

(生存本能ヴァルキュリアMasterに苦戦する音)


シャシャシャシャシャシャシャ
シャシャシャシャシャシャシャ
シャシャシャシャシャシャシャ
シャシャカッシャシャシャシャ
シャシャシャシャシャシャシャ!




   劇場版

アイドルマスターシンデレラガールズ

スターライトステージ

予告




中野有香「分かるんです...ノーツを一つ叩くごとに自分が研ぎ澄まされていくのが」

夕美「そう、じゃあやっぱり戦うしかないんだね...!」



少女たちはしのぎを削る

磨き上げた技術を発揮し、手入れされた手指を振るい

雨霰と流れくる譜面を攻略していく



関裕美「...よろしくね夕美ちゃん、本当は一緒に戦ってくれる仲間が欲しかったの...」

東郷あい「裏で手を引いている人物がいる。それを突き止めるまでこの戦場で手を貸そう」



時に志を共にする仲間と出会う

だが、それは決して手堅い勝利を約束するものではなかった



持田亜里沙「ふふっ♪どうやらウサコチャンを外す時が来たみたいですね」


藤本里奈「ぽよよっ?!アリサ姐さんがついに両手プレイを解放するっぽい!?」

仙崎恵磨「ッシャアアアアア!!!!勝ったぞコレェ!!」



現れる強敵、広がる事を止めない戦禍



夕美「そんな...ここで畳み掛けてくるなんて...」

あい「...私が時間を稼ぐ。裕美を連れて君らだけでも逃げるんだ」



避けられない死闘、仲間との別離

運命は少女たちを容赦なく引っ掻き回す


裕美「知ってる?命を賭けることでしか成し得ない伝説の技が存在することを...」

夕美「それは、一体......?」



ねじれ、拡散した運命の糸は誰の手にも手繰れない


少女たちに分かるのはただ一つ


全ては唯一無二のスマホアプリの元へと収斂していくということ




??「沈み込むような柔らかさも、跳ねるようなお肌のハリも、先っぽの硬さも、アタシは等しく全てのお山を愛してきた......」


??「だからかな...ある日”神の指”がアタシの手に宿ったんだよ」



やがて立ちふさがる最強の敵





棟方愛海「はじめまして、[全指使い]棟方愛海だよ」





シャン!シャンッシャン!シャン!
シャン!シャンシャンシャン!
シャン!シャンシャン!シャン!
シャン!シャンシャン!シャン!
シャン!シャンシャンシャン!
シャン!シャンシャン!シャン!
シャン!シャンシャン!シャン!
シャン!シャンシャン!シャン!
シャン!シャンシャン!シャン!
シャララランシャラン!シャンシャン!


愛海「ほいほいほい!さぁそんなんじゃスコアAにも届かないよ!?」

(愛海が生存本能ヴァルキュリアMaster+をこなす音)


シャンシャンカッカッ!シャンカッ!!




夕美「お願い!持ちこたえて、私の体(スタミナ)!!」












夕美「.........オーバーロード......発動!!!!!!!」



   劇場版

アイドルマスターシンデレラガールズ

スターライトステージ

乙女達の譜戦前線

   ×月○日公開予定




忍「デレステしてるだけじゃん...デレステしてるだけじゃん!!」


芳乃「とくに対戦要素のない遊戯ゆえ、全く絵になっておりませんでしてー」

ほたる「ずっと棒立ちで画面見てるだけですもんね......」

こずえ「でれすてー...?」

奏「ふふ、こずえちゃんもきっと参戦できるわよ」

こずえ「......しらなーい」



奏「芳乃ちゃんに取り寄せてもらった資料によると、この映画は劇場版と銘打ってあるけど冗談みたいな予算しか組んでもらえなかったみたいね」

ほたる「冗談みたいな予算...ですか?」


奏「テープ代とスマホ代で予算の大半が消えたそうよ」

忍「文化祭の出し物か!!」


芳乃「ゆえにー特に宣伝されることもなく人知れず消えたそうでしてー」

ほたる「芸能界の闇ですね...」

忍「そういう話なの...?」




奏「さて、次よ。テキパキ行きましょう」

(取り出されたディスクが放られてどこかへ消える)

忍「捨てるの!?」

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高垣楓『は~い、こんにちは~......それともこんばんは、でしょうか? え~、今日はですね......昔の、はい、お友達と、飲みのお供を......んふふ~』



忍「(何故か酔っ払いのムービーが始まっとる...)」



楓『はいこちら、かれこれ5年以上の付き合いになる和久井さんちの留美さん~』


和久井留美『こんな時に何をやってるのあなたは!...早く手伝いなさい...』


カメラの中心が酔っ払った女性から、店内を慌ただしく移動する別の女性へと移る


留美『はい、この椅子を向こうの窓の下に運んで!』

楓『おっとと、椅子を運んでいいっすか......ふふ...それでは続いてのお友達紹介はこちら~』


カメラのフォーカスが切り替わり、店の入口に机を集めて積み上げている女性が現れる


木場真奈美『もう少し重い物が望ましいな、冷蔵庫か...あるいは金庫を持ってこよう、店の奥は大丈夫か?』

佐藤心『おっし!金庫だな、まかせろい!...おら働けそこの酔っ払い☆』

楓『は~い、ではこのお店にいる最後の一人のもとへ向かいましょ~』


カメラが回り、店の窓際席に待機している女性を捉える


片桐早苗『............ビール飲みたい......』

楓『じゃあここらで、浴びーるほど飲みましょうか~』

早苗『.......冗談よ。アルコールで手元が狂いでもしたらおしまいだもの』


窓辺の席の上に腰掛けた女性の手の中で拳銃が揺れた


楓『ピストル相手にびびっトル......』




ほたる「(楓さんだけものすごく浮いてる......というか何映画?)」

忍「(奏さんが真剣過ぎて突っ込めない...あと芳乃ちゃんこずえちゃんにお菓子あげすぎ)」

こずえ「...おいしー」





真奈美『来たぞ!!』




ほたる「!?」



ガシャンッ!!パリーーン!!!


留美『バリケード抑えて!!Pヘッドが予想以上の数よ!!!』

心『金庫持ってきた!!これを扉にっ!!』


首から上がアルファベットのPの形をした何者かが大量に押し寄せる


早苗『このっ!!』

真奈美『早苗さんっ、この際ガラスが割れても構わない!!撃ってくれ!』


発砲音が立て続けに響き、いくつかのPの字が弾け飛ぶも死骸を踏み越えスーツ姿の異形が押し寄せる


留美『まずいわ...アイツら、集まってバリケードを押し始めてる.....!』

心『おいおい...折角はぁとがいい位置に置いた金庫をどかすとか、キレんぞ☆』


楓『じゃあ、脱出するためにダッシュ、なんて...それにしても、長いですねぇ』



『......ドリームステアウェイの道のりは』



劇場版

 ドリームステアウェイ

  ガールズエンド

公開未定



奏「劇場版、ドリームステアウェイ”ガールズエンド”。酔っ払った楓さんたちが飲み屋を梯子するさなかに謎の存在Pヘッドに追われるというストーリーよ」

忍「何もかもヒドい...」


こずえ「ぴーへっどー?......」

奏「まぁ、映像を見る限りゾンビとか...その手の敵キャラじゃないかしら」

芳乃「ててーん、ここに取り出したるはー、販売されることのなくお蔵入りしたぱんふれっとでしてー、これを奏にー」

奏「ありがとう芳乃ちゃん。さてと......パンフによるとPヘッドは捕まえた人間を前の職業に関わらずアイドルに作り替えてしまう存在、らしいわね」

ほたる「なんですかその反応に個人差の出そうな怪人は...」

奏「それによってアイドル以外のあらゆる産業やビジネスをストップさせ、文明を麻痺させるのが目的らしいわ」

忍「いやらしすぎる......」



奏「この映画も冒頭部分までしか完成してなかったみたいね。クールで神秘的なイメージで通っていた楓さんの別の一面をプッシュしようとしたけれど......」

忍「そりゃ、専務も止めるでしょ。さりげなくドリームステアウェイの名前も使ってるし」

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「ガールズエンド

それは彼女、高垣楓の故郷にある、一軒のバーであり、若かりし頃の彼女の仲間たち、和久井留美、佐藤心、木場真奈美、片桐早苗の溜まり場でもあった。

数年後、それぞれが東京での忙しい毎日を生きる中、四人は楓からの不意の訪問を受ける。

酒癖の悪さだけは変わらないまま、むしろやや悪化したように見える彼女が四人を訪れた目的は一つ、

それは、上京を機に五人がバラバラになってしまう前に立ち上がった企画への”再挑戦”だった


その名も”ドリームステアウェイ”


五人の故郷である小さな町の十二軒の飲み屋、その全てを梯子しながら街を一周するという、一晩がかりの飲み歩き

十二の飲み屋の最後の一軒、ガールズエンドへの道のりを彼女たちは渋々(楓を除いて)歩き出した


既にその街が謎の存在”Pヘッド”に支配され、

世界征服を目的とした街ぐるみのアイドルプロダクションと化していることも知らず...

酔いつぶれるのが先か!?世界が支配されるのが先か!?

ノンストップアルコールアクション、開始!!」


こずえ「......ふぅ」

芳乃「朗読ご苦労様でしてー」

忍「こずえちゃん多才!?!」





奏「正直この監督は美穂ちゃんや友紀さんに謝罪したほうがいいんじゃないかしら」

忍「ここにきて今更まともなこと言ってる......何この人怖......」

ほたる「(......というか、楓さんの人気から考えればあのパンフ、マニア垂涎の品なんじゃ...)」



芳乃「ねくすとでぃすく、かもんでしてー」

一旦ここまで

総選挙終了間近に何書いてんだ

ほたるに投票しなきゃ


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346プロの休憩所らしき部屋が俯瞰で映し出される



五十嵐響子「....................................」

二宮飛鳥「......................................」




ガコン(自販機からコーヒーが転がり出る音)




飛鳥「.......................................」

響子「.......................................」




カキュッ(飛鳥がプルタブを開ける音)



飛鳥「.......................................」

響子「.......................................」





ほたる「(響子さんと飛鳥さんがリストラされたサラリーマンみたいにベンチに座り込んでる......)」



飛鳥「.......................................」



響子「.......................................それ」



飛鳥「..................なんだい?」



響子「............そのコーヒー、お砂糖入ってるけど、いいの?」



飛鳥「.......................................」



響子「.......................................」



飛鳥「..........いつもはブラックの味を無理に楽しんでるボクだけれど、今日くらいはその虚勢もお休みしたいのさ......」



響子「...............そっか........................」



飛鳥「.........今日くらいは.............自分に甘く、.........ってね........」



響子「.......................................はい」




飛鳥「...........................ぷはっ............」



響子「.......................................」




飛鳥「...エレベーターに頭が挟まったまま固定され、決まりが悪くなり、そのまま挨拶する............今西部長......」



響子「.......................................」



飛鳥「.......................................」



響子「...『ウノ』を言い忘れた事に遅れて気付き、慌ててウノ宣言をするも自分でも想像していないほど声を張り上げてしまった.........武内P...」



飛鳥「.......................................」



響子「.......................................」












「「まさかモノマネ披露後に、ご本人登場しちゃうなんて......!!」


飛鳥「...ボクとしたことが、らしくもなくはしゃいだ結果がコレさ...!!」

響子「......似合わない真似するんじゃありませんでした......武内Pさんのかつてない程の困り顔が頭を離れません......!!」












奏「あ、これ...CD第9弾発売祝いの打ち上げ後の映像だったわね」


芳乃「では止めましてー」


忍「今のノンフィクション!!?」



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数時間後




奏「思ったより消化が悪いみたい......一本一本はぶつ切りだから短いけれど、毎回ディスクを変えてるからかしら?」


芳乃「加えてー、座して楽しむ遊興とはいえー、幾分かの疲労も見て取れるのでしてー」





忍「.........うふふ、アタシはぴにゃこら太......醜怪と愛玩の忌み子......ハミガキ粉を何度だって使いまわせるの...」

ほたる「.....そこのピラフをどけて...チャーハンが置けなくなるから...早くしないと天津飯が降ってくる......」



奏「そうね、二人が見るも無残にしなだれているみたいだから、一旦やめましょうか。えっと今まで見てきたのは......」




『インサイドウーマン』

「エレベーターに閉じ込められた六人のアイドル。管理会社の人間も含め、初めは誰もがすぐに収束すると思っていた事態は思わぬアクシデントから難航を見せ始める。

脱出の可能性がどんどんと先延ばしにされていき、極度のストレスと緊張と性欲、恐怖に駆られ恐慌を来たすアイドルたち

エレベーターの外にいる武内Pはその室内をカメラで眺め、マイクで話しかけることしかできない。次第に険悪となっていくアイドルの密室を救うことができるのか?

ホラー映画マニア白坂小梅による全面協力に加え、武内P役はまさかの本人!

出演アイドル:日野茜 小日向美穂、城ヶ崎美嘉、十時愛梨、白坂小梅、棟方愛海」



奏「今にしてみれば豪華キャストなのよねぇ......資料によると撮影を進める傍ら、アイドルの知名度が上がってしまってスケジュールの延期が多くなったとか?」

芳乃「でしてー、この短編ドラマはー、小梅が監督や脚本も兼任していたらしくー、彼女らが忙しくなるにつれ後回しになったものかとー」

奏「で、延期に次ぐ延期で、最後に常務がトドメを刺したと......結構昔に撮られたムービーなのね......何というか、切なくなるわ」

忍「後半から延々、錯乱したフリした愛海ちゃんがセクハラしまくってただけじゃん」

ほたる「逃げ場のない密室で、あれは悲惨でした......撮影が打ち切られて当然かと」

奏「あら、二人共、もう頭は治ったの?」

忍「言い方」



『ワールドウォー・P』


「ある日突如始まったぴにゃこら太による地球侵略。彼らは人間以上の知能と身体能力をして次々と大陸を手中に納めていく。

彼らへの徹底抗戦を掲げるもの、全てを諦め迎合しようとするものたちの思惑が行き交う中。少女たちの行く末は?

出演アイドル:工藤忍 綾瀬穂乃香 桃井あずき 喜多見柚 大和亜季」



奏「このあたりで忍ちゃんの目からハイライトが消えたのよね...」

芳乃「よっぽど嫌な思い出だったらしいのでしてー」

忍「あの時は、穂乃香ちゃんが、ちょっとね......」

奏「ふふふ、演者の裏話って、私とっても気になるわ......」

忍「死んでも話さない」

奏「あら残念」

こずえ「じゅーすぅー」

ほたる「ああぁ...こずえちゃん、服にこぼれる...」

忍「......もうこずえちゃんがノリノリであらすじを読み上げても誰も何も言わなくなったね」




奏「あと観たのは...夏樹さんが主役のバイクアクション映画と...」

芳乃「輝子が山で遭難しー、最終的に危ないキノコをキメるサバイバルサスペンスとー」

ほたる「赤西さんと難波さんが主役のギャングものでしたね...」



奏「こうしてみるとアイドルたちの残してきた軌跡も多種多様ね...」

芳乃「なにぶんここは縁の集う地でしてー、おのずとそうなるのでしょー」

忍「それにしても、こぞって低予算の映画ばっかりだったね...だからこそ容赦なく切られたんだろうけど」

奏「創作活動は楽じゃないのよ」


ほたる「.........あれ?こずえちゃん?」

こずえ「......すぅー...」

奏「あら、寝ちゃったみたいね......じゃあ今日はここまでにしましょうか」



忍「そっか、やっと終わりかー」

芳乃「続きはまた後日、ということでー」

忍「ぜえったい来ない...」



ほたる「そういえば、どうして私たちが呼ばれたんでしょう?」

奏「あら?気になる?」

芳乃「それは互いの縁の結び付きによるものでしてー」

忍「暇そうな人に声をかけたとかじゃないの...?」

奏「もちろん私はちゃんと考えて選んだつもりよ...」

ほたる「ということは、私とこずえちゃんは何かしら理由が?」


奏「そうね......まずこずえちゃんは映画のお供としては評価が高いのよね」

こずえ「......すぅー...」

ほたる「そうなんですか?」


奏「”どんなB級映画を観ても文句を言わない子ランキング”、堂々の二位よ」

ほたる「なんですかその文句の出そうな順位...」

奏「一位はぴにゃこら太よ」

ほたる「無機物じゃないですか?」



忍「芳乃ちゃんはどうしてアタシに?暇そうだったから?」

芳乃「いえいえー、忍はわたくしとマブダチでしたのでー、いの一番に声をかけさせていただいて次第でー」

忍「うん?」

芳乃「マブダチでしてー」

忍「芳乃ちゃんはもう少し自分のイメージを大事にして喋ってよ...」




奏「さぁさ、映画同様こういうのが引き際が大事よ?後片付けは私がしておくからこずえちゃんを頼んだわ」

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女子寮廊下




忍「なんだかあっという間だったね...」

ほたる「かなり濃い数時間でしたけどね...」

忍「こずえちゃんも何だかんだで芳乃ちゃんが連れてったね...」


ほたる「奏さん、本当に映画好きなんですね......」

忍「恋愛映画が苦手とは聞いたけど、だからって未完の映画ばっかり集められてもなー」

ほたる「確かに、反応に困りました......でも、観られて良かったと思います」

忍「そうだね......本来なら誰にも相手されなかった訳だし、アタシもちょっと報われた」


ほたる「はい、私も、奏さんには少しだけ感謝です...」

忍「......?......」


忍「そういえばほたるちゃんは、どういう繋がりで呼ばれたんだろ?」

ほたる「多分、私も出演者だったから、奏さんも一緒に楽しもうとしてくれたんだと思います」

忍「えっ!?そうなの!?どれ?どの映画に出てたの?気づかなかったよ、ごめんね!!」

ほたる「............」
















ほたる「実は今日観た映画とかドラマは、全部、私がエキストラとして出演してたものなんです」





忍「.....................あっ」










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奏「今日はほたるちゃんの出た映画のおかげでハッピーな夜を送れたわね」

芳乃「ほー?いわゆる、多幸感のガンギマリでしてー?」

奏「貴方はもう少し自分のイメージを大事にして言葉を選ぶべきじゃないかしら......」



      END


以上、終了

私はほたると芳乃とこずえに票を注いでいるわけですが、

中間発表を見てよしのんボイスが現実のものになりそうなことに驚愕しております

総選挙は明日、5月9日の19時直前までなので票を取り残しにご注意ください


お読みいただきありがとうございました

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