玉城「やーめた」 (10)



V.V.「どうしたのまた」

助けを求めた俺のことを半目で見つめてるのは足首まで伸ばした金髪が目につく外国人の少年だ。
これで定年向かえてるような年寄りだそうだから本当は少年じゃなく老人なんだけどどういう体の構造してるんだろ。
この爺さん、商社勤めだった俺の祖父さんがブリタニアのペンドラゴン支店に勤務してた時に
命助けたことが切っ掛けで友情を築いたとかなんとかで俺んちとは昔から付き合いがあって
いまは実家を追い出された俺の身元引受人なんかやってくれたりしてる。

玉城「面接落ちた」

V.V.「おめでとうシンイチロウ これで25回目だから丁度君の年齢と同じ回数になったね」

玉城「スゲーだろ コンビニ 建築 商社 公務員 一通り全部駄目だったんだぜ」

V.V.「すごいねーそれ なかなかいないねー」

玉城「つまりこれはもう俺には就職するの無理ってことなんだよ」

すっ
手を伸ばした爺さんは無言でポットのお湯をついでる。
湯飲みの中身は梅昆布茶。

V.V.「ずずっ ふぅ 熱いお茶がおいしいねー  ――――で? だから僕にどうしろと?」

玉城「うむ つまりここは一つ爺さんのコネを使わせてもらい──」

V.V.「なんだって?」

玉城「だから爺さんのコネ――」

V.V.「年のせいか最近耳が遠くなってきてね」

茶菓子の羊羹を楊枝ぷすり。
口に放り込んでまた梅昆布茶をひとすすりする爺さん。

V.V.「面接官の返しが気に入らなかったからって横柄な態度と言動で相手の心象悪くしておいて自分から落とされることを希望したおバカな子が僕になんだって?」

玉城「・・・・・なんもねーよ」

自分でなんとかしろってんだろちくしょーが。

V.V.「言わなくてもわかってるじゃないか 世の中そんなに甘くないんだからあわよくばなんて考えは持つべきじゃない」

玉城「でもよーちょっとくらい助けてやろーとかいう気にはなんねーの? 俺ってかわいー孫みたいなもんだろ?」

V.V.「自分から口走るかねそんなこと まあ僕だって高校卒業からこのかた遊び呆けていたシンイチロウのことを亡くなった君のお祖父さんから頼まれた以上は恩返しの意味も込めてきっちり面倒見るけど」

玉城「恩返しなあ」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1462607409

なんか玉城とV.V.が絡んでるSSをネットで見つけたんで読んだらなんとなく書きたくなった。とくに意味はないの。



ピンポーン



玉城「お? 誰か来たぜ」

V.V.「は~い」


とことことこ。


歩いてく爺さんの髪の毛が床に擦れそうで擦れない。
もう少し伸びたら下に付くから箒の代わりになりそうだな。

玉城「プッ お掃除ロボットみてえ」


とことことこ。


爺さんが戻ってきた。青い目をした薄いピンクのロングヘアの女の子を引き連れて。

??「あっ シン君だ」

なんかこっち指差してる外国人の女の子のことはよく知ってる。

玉城「よっ ララちゃん」

ララちゃん。16歳女子高生。本名はクララ・ランフランクって名前で爺さんの養女だったりする。
中学からはアッシュフォードってブリタニアの有名校に入学して向こうの学生寮に入ってるから偶にしか帰って来ない。
深い事情は知らないが爺さんとその周りの人間関係は色々ややこしいんだよ。
エラソーなおっさんやどっかで見たような超絶美形の兄ちゃん姉ちゃんが訪ねてくることがあって、その都度家を追い出されてること考えると、実は相当ヤバイ筋と付き合ってるんじゃなかろーか?

ララ「シン君 勘当されて家追い出されたって聞いてたけど」

玉城「まあな 爺さんが住まわせてくれなかったら危うくホームレスだったぜ」

てとてと寄ってくるララちゃんが隣に座る。俺がまだ高校生だった時分に爺さんちに引き取られてきてからここが変わらずの定位置だ。
当時好きだった子に告白して失恋したとき、まだ幼女だったララちゃんの胸を借りて泣いたなんて我が人生最大の黒歴史の共有相手でもある。



ララ「そういえばシン君また面接落ちたんだってね」

玉城「おおそうよ聞いてくれよララちゃん あいつらムカつくんだぜー高卒ってだけで見下しやがってよー エリートぶった奴等ってかんに障らね? 態度に出てんだよああコイツはみたいなのがさあ 差別だよ差別」

ララ「う~んそれは可哀想だけど でもシン君の場合それだけじゃないような」

玉城「なんだよララちゃんまでそんなこというのかよ」

ララ「クララもパパのお仕事手伝ってるからわかるけど世の中大変なんだから」

《昨日発生したE.U.ユーロピア共和国連合現四〇人委員会委員の拳銃自殺の続報ですが、ブリタニア帝国政府の特務機関の関与が疑われている模様です。しかし自殺した委員は自らこめかみを撃ち抜いており、その瞬間も多数のSPや市民の面前であったことから≫

5時のニュース。

玉城「バカだろコイツ 死にたくない死にたくないってほざきながら頭ぶち抜いたんだろ? 相当なタカ派だっていってたのになんで自殺なんかすんだろな」

政治腐敗しきってるE.U.がどうなろうと知ったこっちゃねー。
んなことより自分の生活が大事なんだよ。
もうナマポの申請でもしてこよっかなー。

ララ「大変なんだよーみーんな 気付かない間に人生終わらせることがあるくらい・・・・・ね~パパ」

V.V.「そうだねクララの云うとおり大変なんだ 甘くないんだよ世の中は」

玉城「甘くねーよな 俺みてーやつが生きてくには難しすぎんだよ」

うし、つまり生きてけない世の中が悪いってことで俺の面倒を見るのは国の責任っつーことで。

玉城「俺 ヒキニートになって慎ましやかに生きるわ」

V.V.「は? なに抜かしてんのかなこのクソガキは」

ララ「あれ? シン君ヒッキーじゃなかったの?」

玉城「ガキみてー爺さんにガキっていわれたくねーってことでララちゃん 俺明日からナマポでヒッキーになるわ」


でっかいヒッキーに俺はなる。


おつ~、ギアスの平和なifってやつ?
玉城のダメさ絶妙でいいよ
クララが「犯人はあたし」になってるのもwwwwww



ララ「そういえばシン君また面接落ちたんだってね」

玉城「おおそうよ聞いてくれよララちゃん あいつらムカつくんだぜー高卒ってだけで見下しやがってよー エリートぶった奴等ってかんに障らね? 態度に出てんだよああコイツはみたいなのがさあ 差別だよ差別」

ララ「う~んそれは可哀想だけど でもシン君の場合それだけじゃないような」

玉城「なんだよララちゃんまでそんなこというのかよ」

ララ「クララもパパのお仕事手伝ってるからわかるけど世の中大変なんだから」

《昨日発生したE.U.ユーロピア共和国連合現四〇人委員会委員の拳銃自殺の続報ですが、ブリタニア帝国政府の特務機関の関与が疑われている模様です。しかし自殺した委員は自らこめかみを撃ち抜いており、その瞬間も多数のSPや市民の面前であったことから≫

5時のニュース。

玉城「バカだろコイツ 死にたくない死にたくないってほざきながら頭ぶち抜いたんだろ? 相当なタカ派だっていってたのになんで自殺なんかすんだろな」

政治腐敗しきってるE.U.がどうなろうと知ったこっちゃねー。
んなことより自分の生活が大事なんだよ。
もうナマポの申請でもしてこよっかなー。

ララ「大変なんだよーみーんな 気付かない間に人生終わらせることがあるくらい・・・・・ね~パパ」

V.V.「そうだねクララの云うとおり大変なんだ 甘くないんだよ世の中は」

玉城「甘くねーよな 俺みてーやつが生きてくには難しすぎんだよ」

うし、つまり生きてけない世の中が悪いってことで俺の面倒を見るのは国の責任っつーことで。

玉城「俺 ヒキニートになって慎ましやかに生きるわ」

V.V.「は? なに抜かしてんのかなこのクソガキは」

ララ「あれ? シン君ヒッキーじゃなかったの?」

玉城「ガキみてー爺さんにガキっていわれたくねーってことでララちゃん 俺明日からナマポでヒッキーになるわ」


でっかいヒッキーに俺はなる。


あ、失敗したごめんなさい
>>5
クララしらないひと多いからそこに気づいてくれてうれしい

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