阿笠「出来たぞ新一!欠点を改善する薬じゃ!」 (60)

コナン「どう言う事だ?」

阿笠「この薬を飲むと、その人の欠点を改善してくれるんじゃよ」

コナン「欠点を?具体的にどんな?」

阿笠「例えば、太ってるのを気にしてる人が飲むとみるみる痩せたり、気が弱い人が飲むと強気になったりじゃな。本人が無意識に気にしてる欠点も改善してくれるぞい」

コナン「へえ、効果はどれくらい続くんだ?」

阿笠「基本的に【欠点を改善する薬】じゃから改善されればそのままじゃぞ。特に副作用も無いし、飲んでみたらどうじゃ?」

コナン「ま、話の種に飲んでみるか。でも、俺に欠点なんてねーけどな、ハハハ」ゴクッ

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コナン「んっ......?特に変化は無いみたいだよ?」

阿笠「そうかな?ワシは変化を感じてるがのう?」

コナン「そうかなあ?変わった事は無いと思うんだけどなあ。あ、あれ?何だか僕、話し方が子供っぽくなった様な?」

阿笠「恐らく、君が無意識に気にしてる【誰にでも偉そう】【ナルシスト】【口が悪い】等の欠点を解消したんじゃろうな」

コナン「そうなの?僕そんなにみんなに迷惑掛けてたんだね、ごめんなさい」シュン

阿笠「いやいや、気にする事は無いぞい」

阿笠(【素直じゃない】点も解消された様じゃな)

コナン「ねぇ博士。これ、他の人にも飲ませてみようよ」

阿笠「そ、そうじゃな。みんなを呼ぶとしよう」

阿笠(新一じゃなくて本当に【コナン】になった様に感じるわい。ちょっと効きすぎたかの?)

暫く後。

歩美「面白い事があるって博士に呼ばれたけど......」

光彦「一体何が始まるんですか?」

元太「うな重食わしてくれんのか?」

灰原「私、まだ眠いんだけど......。ふぁーあ......」

蘭「何か私達まで呼ばれちゃったけど」

園子「ホントに面白い事があるんでしょうね?」

コナン「うん!きっと楽しいよ!」

歩美「ホント?コナン君?」

コナン「うん!歩美ちゃんにもきっと喜んで貰えるよ!」ニコッ

歩美「えっ///ど、どうしたのコナン君?」ドキッ

灰原「ちょっと、江戸川君?ふざけてるの?」

コナン「ふざけてないよ、哀ちゃん」ニコッ

灰原「あ、哀ちゃん......?」ゾゾッ

元太「おいコナン、何だか気持ちワリーぞお前......」

光彦「不気味ですよ......?」

コナン「まあまあ。元太君も光彦君もとにかく博士の話を聞いてあげてよ」ニコッ

光彦「み、光彦君......?」

元太「お前、頭でも打ったのか......?」

蘭「何だか、コナン君子供みたい?」

園子「は?元々ガキンチョじゃん?」

蘭「いや、いつもと違うと言うか......」

阿笠「その点については、ワシから説明しよう。実は、かくかくしかじかと言う訳でな」

光彦「じゃあ、いつものコナン君の態度を、本人は欠点だと思っていた訳ですか?」

阿笠「まあ、そうなるかのう」

灰原「大丈夫なの博士?欠点を直すと言うか、人間ごと変わった気分よ?」

阿笠「心配いらんよ。いざとなればちゃんと元に戻す方法は考えてある。自分の本当の気持ちをきちんと理解する良い機会だと思うがの?」

コナン「そうそう。みんなもやってみなよ」ニコッ

園子「何だか、あまりに素直すぎて不気味だわ。でも、それだけ変わるなら面白いかもね。私、飲んでみよ♪」ゴクッ

蘭「ちょっと、園子?大丈夫?」

園子「......ん?何も変わんないけど?」

阿笠「あー、コレはあれじゃな」

灰原「恐らく、あなたは無意識でも精神的に欠点は自分に無いと考えているのね」

園子「ホーッホッホ!あったりまえじゃない?この鈴木園子様に欠点なんかあるワケ無いじゃない?」

灰原(その根拠の無い自信は欠点の様な気もするけど......)

歩美「あ、でも見て!お姉さんの髪の毛!」

園子「あん?髪?あ、何これ?」サラサラッ

蘭「スゴい、キレイなロングヘアー!」

園子「キャーッ、スゴい!私、こんな長い髪に憧れてたのよ!!」

灰原(やっぱりあのオカッパヘアーは本人的にもイヤだったのね......)

歩美「スゴいスゴい!本当に自分の気になる所が変わるんだ!!」

元太「おもしれーな!」

光彦「僕達もやってみましょう!!」

灰原「あまり気乗りはしないけど......」

世良「や、お待たせ!遅くなっちゃった!何してるんだい?」

コナン「あ、真純お姉ちゃん!」ニコッ

世良「ど、どうしたんだいコナン君///何かいつもと違うよ?///」

蘭「実はね......」ヒソヒソ

世良「へぇ、欠点をね......。ボクはあんまり自分で意識してる欠点は無いけどなあ」

園子(いや、あるじゃん......)

灰原(分かりやすいのがね......)

世良「まあ、面白いから飲んでみようか」ゴクッ

歩美「どう?何か違う?」

世良「うん?まあ、特に......。あ、あれ?」ムクムクッ

元太「あ、オッ○イが!」

光彦「大きくなってます!」

園子(ですよねー、ハハハ......)

灰原(予想通りね......)

世良「スゴい、大きい......!!」

蘭「た、多分Hカップはあるわよ?」

世良「ど、どうかしらコナン君......。私、変わったかしら///」モジモジ

元太「うわ?!女みたいな喋り方になってるぞ?!」

光彦「いや、元々女性ですよ!」

園子「どうやら、男勝りって言うのも」

蘭「欠点だと思ってたんだね......」

世良「ね、どうかなコナン君?///」

コナン「うん、スッゴくキレイだよ!お姫様みたいだよ!!」ニコッ

世良「ホントに?嬉しい///」モジモジ

園子「よく見りゃ髪型も変わって、スゴい清楚な美人になってるわ......」

元太「別のねーちゃんみたいだぜ......」

蘭(もし、これで私の欠点を改善する事が出来たら......)

灰原(少しは工藤君に振り向いて貰えるかしら......)

世良「コナン君、抱っこしてあげましょうか?///」

コナン「え、良いの?」

世良「ええ、いらっしゃい///」

コナン「じゃあ」ギュッ

灰原「?!」

蘭「!?」

歩美「!!?」

コナン「うわあ、柔らかい///真純お姉ちゃんのオッ○イ///」ムギュッ

世良「フフ、良い子ね///」ナデナデ

灰原「博士?!あれどうなってるのよ?!欠点を改善するだけなんじゃないの?あれじゃ完全に子供に戻ってるわよ?!」

阿笠「ど、どうやら【素直じゃない】欠点を改善したは良いが、効きすぎて素直になりすぎたようじゃ」

蘭「つまり......」

灰原「オッ○イを触りたいと言う欲求にも素直になっていると言う事ね......。サイアクね」

歩美「コナン君......」

元太「おいおい、コナンの話ばっかりしてるなよな!次はオレな!!」ゴクッ

光彦「あ、ズルいですよ元太君!!」

歩美「元太君はどうなるの?!」

元太「ん、何にも起きない......。う、うわぁ?!」プシューッ

灰原「な、何て事......」

光彦「元太君が......」

元太「......これが、私か」キラキラ

歩美「元太君じゃないよ、もう......」

園子「スゴい、8頭身位のイケメン///」

蘭「見た目もそうだけど......」

元太「そこのお嬢さん、私とうな重でもいかがですか?」キラキラ

歩美「え、わ、私?元太君......。もうホントに別人だよ......」

光彦「話し方が理性的になってます!」

阿笠「ウム、頭の悪さと太った身体が欠点だと思っていたんじゃな......」

灰原「思うんだけど、これ欠点を改善すると言うより、コンプレックスをそのまま願望として叶えてるんじゃないの?ちゃんとテストしたの?これ?」



阿笠「だ、大丈夫じゃよ。ハハハ......」

阿笠(ホントはみんなをモルモットにしとるなんてバレたら殺されるワイ......)ポリポリ

光彦(うーん、効果はスゴい様ですが......。イマイチ望む結果になるのかどうか。もう少し皆さんを実験台に見るとしますかね)ニヤリ

蘭(......何となくギャンブルな様な気もするけど、上手くいけば劇的に変われる)チラッ

世良「どう?気持ち良い?コナン君///」ムギュッ

コナン「うん///」ギュッ

蘭(あんな風に......。私も欠点があるなら直して、新一にもっと振り向いて欲しい......!)

蘭「次は私が飲むわ」

灰原「ちょっ、やっぱり止めた方が......」

蘭「悪い所が直ったら、新一にもっと上手く気持ち伝えられるかも知れないしね」ニコッ

灰原「!!」

歩美「蘭お姉さん......」

園子「ホントに大丈夫?蘭?」

蘭「うん。大丈夫。じゃ、飲むね」ゴクッ

灰原「......」

園子「どう?蘭?」

蘭「うーん、まだ良く......?!」ビクッ

園子「どうしたの?蘭?」

蘭「えっ、あの、ごめんなさい......」ビクッ

灰原「えっ?」

蘭「ごめんなさい、あの、いきなり話しかけないで......。怖いの......」ビクビク

園子「ど、どうしちゃったの?蘭?急にオドオドして。髪も......。トレードマークのツンツンヘアーが萎れちゃって......」

灰原「これは、恐らく......」

阿笠「うむ。並みの男より強い......。と言うか強すぎる事を気にしておったんじゃろうな」

灰原「その結果、反動でか弱いを通り越して凄まじく臆病になってしまった......。やはり極端過ぎるわよ、この薬」

本日はここまで
明日か明後日には終わります

園子「ちょっと!ホントに元に戻せるんでしょうね?!」

阿笠「だ、だ、大丈夫じゃ!心配いらんよ!」

園子「治んなかったら許さないから!」

阿笠「う、うむ......」

灰原「もう止めましょう。やはり危険だわ。薬自体に問題が無いとしても、望む自分になれるかは別物だもの。やはり欠点を克服するのは自分次第って事よ」

歩美「でも、歩美も飲んでみたい。好きな人に見て欲しいって言う蘭お姉さんの気持ち、分かるもん」

灰原「吉田さん......」

灰原(そう言われたら、私には止める資格は......)

歩美「じゃあ、飲むね。コナン君。私が変わったら見てくれるかな」

元太「あなたは変わらなくてもとても美しい」

歩美「アハハ、ありがとう。じゃあ」ゴクッ

灰原「......」

光彦(どうでも良いですが、みんなコナン君コナン君って言うのがつまらないですね)チッ

歩美「......」

灰原「どう?変わりは無い?」

歩美「うん、まだ......。んっ////」ビクッ

灰原「どうしたの?!」

歩美「あ、あ、あ、あ......っ///」ムクムクッ

灰原「ウソ......」

園子「でしょ......」

歩美「あ、ふ......////」

灰原「吉田さんが大きくなった......」

園子「しかもヤバイ位キレイ......。て言うかエロい」

阿笠「う、うむ。思わず見てるだけで鼻血が出そうじゃ///」

歩美「......」スタスタ

灰原「ど、どこへ......?」

歩美「ボ・ウ・ヤ♡」

コナン「えっ......///誰?///」

歩美「私よ、あ・ゆ・み♡」ニコッ

コナン「えっ、ウソ?!」

歩美「ねぇ、私ともイイコトしない?」フッ

コナン「う、うん///」

世良「ちょっと、私からコナン君を取らないで」ギュッ

コナン「うはっ///」

灰原「......どうなってるの」

阿笠「お、恐らく【子供っぽい】と言うのを気にしていたから起きた結果じゃろうな」

灰原「じゃろうな、じゃないでしょ!!あれじゃ吉田さんの面影すら無いじゃない!!何あれ、ただの歩くわいせつ物よ?!」

園子「あれ、私達より全然レベルが上だわ......」

灰原「どうするのよ、江戸川君はあんなデレデレしてるし!!」

阿笠(そりゃ僻みが入っとるじゃろ......)

灰原「しかもアレ見なさいよ!!」ビシッ

元太「ああ、歩美さん。変わった姿も美しい......」

蘭「ごめんなさいごめんなさい、うまれて来てすいません、もう暴力は振るいません」カタカタ

灰原「最早誰か分からないわよ!!」

阿笠「ま、まあこれが彼等の欠点を取り除いたなりたい姿と言う事じゃし......」

灰原「寧ろ劣化してる人がいるじゃない?失敗作よ失敗作。もう止めましょう?」

阿笠「しかしのう......。勿体無いのう」

光彦(......勿体無いです!あの歩美ちゃんの姿!素晴らしすぎますよ!!)ニヤニヤ

光彦(簡単に元に戻されちゃ困りますね。よーし......)コソコソ

灰原「とにかく。1度リセットして。このままじゃ頭がおかしくなりそうよ」チラッ

歩美「もう♡私と彼女どっちが気持ち良い?♡」ムニュムニュ

コナン「ど、どっちも///」

世良「あー、絶対こっちって言わせるから♡」ムギュッ

コナン「うはぁ♡」

灰原(あんなになって。だらしないわね......。そんなに胸に挟まれたいの?あーイライラする)ハァ

阿笠「分かったわい。ワクチンを今飲ませるわい。おや?」

灰原「どうしたの?」

阿笠「いや、ワクチンのカプセルも一緒にここに置いておいたんじゃが......」

灰原「無いの?!」

阿笠「う、うむ。薬とワクチン。両方のビンをここに置いて置いたんじゃが、ワクチンのビンが無くなっておる」

灰原「まずいじゃない、みんなを元に戻せないわ。見た目は?誰か間違って持ってるんじゃない?」

阿笠「う、うむ。薬のカプセルは赤、ワクチンのカプセルは青色じゃ。しかし、ビン事無いのは......。おや?」チラッ

光彦「ギクッ」

灰原「あ、あのビン......」

阿笠「これ、光彦君!そのビンを返すんじゃ!」

光彦「嫌です!これが薬だと思いましたが、ワクチンならワクチンで返す訳にはいきません!歩美ちゃんに元に戻られたくないので!」

灰原「ふざけてないで、早く返しなさい!」

光彦「嫌です!あの状態の歩美ちゃんは、欠点を克服した僕が口説くんです!邪魔はさせませんよ!こんなもの......」ガラガラッ

阿笠「ああっ!!」

光彦「う、んぐ......。ゴクッ」

灰原「飲んじゃったわよ?!」

阿笠「な、何て事をしたんじゃ!!」

光彦「何を騒いでるんですか?ワクチンなら薬が効いてない限り只のカプセルに過ぎな......っあ、が?!」ボコボコ

灰原「な、何が起きているの?!」

阿笠「いかん!暴走が始まった!!」

灰原「どういう事?!」

阿笠「あの薬は、正確には欠点を克服する薬では無く、欠点を眠らせてなりたい自分を強調する薬なんじゃ。そして、あのワクチンは正確には眠らせた欠点を呼び起こす薬なんじゃ」

灰原「つまり、欠点を呼び起こす事で結果的に元に戻ると」

阿笠「そうじゃ。しかし、光彦君は薬を飲んでいない状態であのワクチンを大量接種した。結果......」

灰原「欠点のみが過剰に成樹されている......?!」

光彦「が、ぎゃあああァァァア!!」ボコボコ

一同「!?」

そこにいたのは、最早光彦では無かった

その身体は光彦の心を表すが如く黒く

しかも光すら返さぬくすみ汚れた黒に染まり

胴体はその邪な欲望を表すが如く肥大化し

腕や足は強欲を表すが如く触手が無数に生え

顔は己のコンプレックスを肥大化させた様に醜く爛れていた

顔のみが人肌の色を保ってはいたが、至るところにソバカスが浮き上がり肌色の部分を探すのが難しい程であった

阿笠「何と言う事じゃ......」

灰原「もう人の姿じゃ無いわ......」

コナン「あ、あれが光彦君......?」

光彦「うお、お......」

コナン「光彦君、大丈夫?光彦君?」

光彦「うるさいですねえ......」

一同「!!?」

光彦「せっかく良い気分なんですから、邪魔しないで下さいよ」

灰原「何を言ってるの?」

光彦「僕はですねぇ、ずっと僕が嫌いだったんですよ。みんなが薬を飲んでるのに周りをモルモットにして逃げる神経。コナン君ばかりが持て囃されるのを妬む僻み根性。ソバカスだらけの醜い顔等々......。キリがないくらいにね」

光彦「でも分かったんですよ。この薬を飲んだら。僕が欠点だと思っていたのはあなた達に思い込まされていたんですよ!」

阿笠「何を言っておるんじゃ?」

灰原「薬でおかしくなっているのよ。円谷君。落ち着いて。とにかく、まず薬を中和しましょう。今のあなたは正常じゃないわ」

光彦「何故ですか?僕はこんなに素晴らしい力を得たのに。それを手放す訳が無いじゃないですか!これからこの力で僕に不当な価値観を与えていたコナン君を○すんですから!」

コナン「えっ......」

灰原「何を言ってるの?!」

元太「友を○すなど恥ずかしいと思わないのか?!」

中断します
キャプテンアメリカ見に行ったら遅くなってしまいました
申し訳無い......

光彦「ともぉ?笑わせないで下さいよ。僕はコナン君のせいで存在価値を奪われたんですよ?僕よりちょっと頭が良くて顔が良くて運動が出来るからって。そんなカッコつけのメガネばかりがちやほやされ誰も僕を誉めなくなった!」

コナン「そ、そんな......。僕は......」

元太「醜いぞ、嫉妬で人を殺そうなど!」

光彦「やかましい!」ビターン

元太「ぐわっ!!」ドサッ

灰原「小嶋君!」

光彦「あなたも嫌いだったんですよぉ!ただの頭の悪いデブの癖に!力が強くて体力があるからって僕を抑え付けて!目障りなんですよクソウナギデブがぁ!!」

元太「ぐ、く......」

灰原「大丈夫?!」

元太「だ、大丈夫だ......」

園子「ちょっとアンタ!いい加減にしなさいよ!」

光彦「うるさいですねぇ、どいつもこいつも叩き潰してやりましょうか!」

灰原(このままじゃまずいわ......)

灰原「ねぇ、お願い!みんなを連れて逃げて!」

園子「え?!」

灰原「彼は私と博士で何とかするから!博士、大丈夫よね?!」

阿笠「うむ!こうなったのはワシの責任、逃げはせん!」

灰原「だから、お願い!早く!」

園子「で、でも......。みんなでやった方が」

灰原「あれを見てよ!」

蘭「ごめんなさいごめんなさい......。人間に生まれてごめんなさい......」カタカタ

世良「こ、怖いわ、どうしたら良いの......」

歩美「あらあら♡大変ね♡」

コナン「僕の、僕のせいで......」

灰原「あれじゃあ空手もジークンドーも使えない!戦力にはならないわ!だから、みんなを連れて逃げて!」

園子「......分かったわ。アンタも無理しないでよ!ヤバかったら逃げなさいよ!」

灰原「そうするわ、死にたくは無いから」ニコッ

光彦「逃がすと思ってるんですかあ?女性はみんな僕の性奴隷になって貰うんですから。逃がしませんよ?」シュルシュル

阿笠「そうはいかんよ!」パシュッ

光彦「ぎゃあああああ!!」ビリビリ

阿笠「特製のスタンガンじゃ!しばらくは動けまい!」

灰原「今よ!早く!」

園子「分かった!ホラ、立てる?!」グッ

元太「は、はい......」

園子「ホラ、みんなもこっちよ!」

コナン「えっ......、でも哀ちゃんが......」

園子「良いからホラ!」グイッ

コナン「あ、哀ちゃん!!」

灰原「......大丈夫よ、江戸川君。今度は私が、あなたを守るから」ニコッ

コナン「......!!」

灰原「さ、行って。私は必ず無事に帰るから」

園子「行くわよ、早く!」グイッ

コナン「あ、哀ちゃん!!」

灰原「......工藤君。どうか逃げきって」

園子「ホラ、蘭も、みんなも!」

蘭「ごめんなさい、ごめんなさい......」カタカタ

園子「大丈夫、大丈夫だからね、蘭!」

タタタ......

灰原「......行ったわね。博士!まだ保ちそう?」

阿笠「うむ、まだしばらくは......」

光彦「ごわあああああぁ!!」ビターン

阿笠「ぐわあっ?!」ドカッ

灰原「博士!」

光彦「ち、ちょっと痛かったですが......。今の僕がこの程度で止まるわけ無いでしょう!!」

>>32
訂正

成樹→刺激

灰原「博士!博士!大丈夫?!」

阿笠「......」

光彦「くたばった様ですね?邪魔なメタボジジイがくたばった訳ですし。まず灰原さんから性奴隷にしてあげますか」ニタリ

灰原(く......、対応策も考え付かない内に......。せめて、みんなが逃げる時間を稼がないと......)

灰原「ねぇ、あなたはさっき......。自分の価値を奪われた、と言ってたわね?」

光彦「何です?いきなり?時間を稼ぐ気ですか?」

灰原「ただの興味よ。あなたは、自分には欠点は無く、周りに勝手に価値観を押し付けられただけだと?」

光彦「そうですよぉ!そうに決まってるじゃ無いですかぁ!コナン君がしゃしゃり出るから僕はどんどん隅っこに!本来僕に惚れてしかるべき歩美ちゃんや灰原さんはコナン君に夢中!!こんなに頭が良くてスタイルも良くて万能な僕が評価されないのは全てコナン君のせいですよ!」

灰原「そう。薬のせいとは言え醜いわね」

光彦「何ですって?」

灰原「自分に周りが振り向かないのは周りが悪いんじゃない、自分が悪いのよ。自分の欠点を受け入れず、相手に自分の気持ちだけ押し付ける人など好きになるハズが無い」

光彦「は、あ?」

灰原「あなたは、きちんと自分の欠点を理解していた?嫉妬しやすいところ、慇懃が過ぎて無礼になるところ、小嶋君を見下しやすいところ、外側から見たら色々欠点があるのよ。ちゃんとそれを分かってた?改善しようとしてた?」

光彦「はあ?はあああ?」

灰原「もしそれもしないで江戸川君のせいにするなら、私があなたに振り向く事なんて未来永劫無いわ。自分を認められず逃げばかりのあなたなんかに......」

光彦「うるさぁい!!ドラマの見すぎじゃ無いですかぁ?クサイ台詞ばかり!!前からあなたやコナン君の芝居がかった喋りは気に入らなかったんですよ!!ウザったいったらありゃしない!!」

光彦「もう下らない話はたくさんです、そんな事より可愛がってあげますよ灰原さぁん」ニタリ

灰原「そう。残念ね。欠点があっても仲間思いだった頃のあなたなら、好意を持てたかも知れないのにね」

光彦「まだグダグダと......。まあ、イカせてしまえば少しは大人しくなるでしょう」シュルシュル

灰原(工藤君達は遠くに逃げたかしら。ごめんなさい、工藤君。私、ダメみたい。彼を止められなかった)

光彦「さあ、服をひっぺがしてあげますよ灰原さぁん!!」ニタリ

灰原(バイバイ、工藤君......)

ドシューン!!

光彦「ぐわぁっ!!」ドゴォッ

灰原「?!」

コナン「大丈夫、哀ちゃん!?」

灰原「工藤君?!な、何故ここに?!逃げたハズじゃ」

コナン「哀ちゃんを置いていける訳無いじゃないか!」

灰原「!!」

灰原「......フフ、そうよね。あくまで欠点が無くなっただけで、あなたの正義の心が消えた訳じゃ無いものね」ニコッ

コナン「笑ってる場合じゃないよ!」

灰原「分かってるわ。でもおかしくて。あなた本当に、バカね」クスッ

コナン「もう、本当にそんな場合じゃ」

光彦「ありませんよねぇぇぇえ!!」ガバァッ

コナン「!!」

灰原「あの威力のボールを喰らって無事なんて!!」

光彦「ちょっとは痛いけど何てことはありませんねぇ!!それよりワザワザやられに来ましたか?バカなコナン君ですねぇ!!」ニタリ

コナン「光彦君......」

光彦「あのまま逃げてれば良いものを。また僕をイラつかせてくれますねぇ!?吐き気がする正義感を振りかざして......」

コナン「......そんなんじゃない。君の本音を聞いた時はショックだったけど、それでも君は僕の友達だ」

光彦「......」

コナン「だから僕は君を助ける。友達だから」

光彦「......プッ、友達ぃ?笑わせないでくださいよぉ!!あなたは僕の障害!!道を塞ぐ岩!!邪魔で邪魔でしょうがない只のゴミクズに過ぎませんよ!!((ノ∀`)・゚・。 アヒャヒャヒャヒャ」

灰原「ムダよ、もう彼は人じゃないわ」

コナン「分かってる。だから止める!」

光彦「とめるぅ?君ごときがぁ? アヒャヒャヒャヒャ!!無理に決まってるじゃないですかぁ?!もう消えてもらいましょう、目障りです。そこのメス豚も必要ありませんねぇ!バカに靡く様なビッチはダメです。歩美ちゃんにしましょう!!アヒャヒャヒャヒャ!!」

灰原「下劣ね......。見た目ならあなたの方が豚みたいよ」

コナン「いや、タコかな」

光彦「この......!!さっさと消えろ!!」ブンッ

コナン「っと!!」ヒョイッ

光彦「チッ、ちょこまかと!!なら!!」ガバァッ

灰原「?!」

光彦の膨れ上がった胴体の真ん中には新たな大きな口が出来ていた。それを開いた瞬間、直線上にあった物は全て消失していた。

灰原はかろうじて回避したが、服の一部が消失したのを目の当たりにしてその脅威を感じた。

灰原「何なの、全く。ホンモノの化け物ね」

コナン「まるでどっかのホムンクルスみたいだ......」

灰原「じゃああなたはさしずめ......」

コナン「言わなくて良いよ。僕もTVで見て声がそっくりだからビックリしたから」

光彦「まだおしゃべりする余裕があるんですか?腹が立ちますねぇ。でもまあ、この僕の第2の口に掛かればみんなオダブツですがね」ニヤリ

灰原「確かにね......。どうしたら......」

コナン「......あれだ」ヒソヒソ

灰原「......薬?」ヒソヒソ

コナン「そう、欠点を過剰に刺激されてああなったのなら」ヒソヒソ

灰原「欠点を改善する事で元に戻ると言う理屈ね?でも」ヒソヒソ

コナン「うん。今より酷い事になるかも知れない。でも、やるしかない」ヒソヒソ

灰原「そうね、分かったわ。やりましょう」ヒソヒソ

光彦「人を前にして無視しておしゃべりするなあ!!」ブンッ

灰原「っ!!」サッ

光彦「この!!ハエみたいにちょろちょろと!!」ブンッ

コナン「当たらないよっ!!哀ちゃん!僕が引き受けるから、アレを!」サッ

灰原「分かったわ!!」

光彦「この、クズ、ゴミカスガァ!!」

コナン「それは今の君が言える事じゃない!!」

光彦「コロス......。オマエダケハゼッタイ......。コロス!!」

灰原「頑張って工藤君、今の内に......」ソロソロ

光彦「ム?ナニヲシテイルノデスカハイバラサァン?!」ギロッ

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2016年10月25日 (火) 01:57:37   ID: ierDKMcC

こうして光彦の永劫地獄(エンドレスインフェルノ)は始まり、彼にとっての惨劇であり、彼らにとっての喜劇であるこの物語が産声をあげたことは彼ら以外には知る由もなかった

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