未央「一緒に寝よ...?」 (56)

短めになります。

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朝、事務所

ガチャ

未央「あっ、おはよう!プロデューサー♪」

未央「今日も朝から元気に...って、プロデューサーすごいクマじゃん!」

未央「また残業したのかね、プロデューサーく〜〜ん?」

未央「これはもう未央ちゃんが寝かしつけてあげるしかありませんなぁ〜うんうん」

未央「せっかく仮眠室もあるんだしさ!だからね?その...」


未央「そ、添い寝してあげよっか?なーんて...」


未央「...! そ、そうそう冗談だって!ノリが悪いなぁ〜もう...」

未央「あ、そうなんだ...じゃあ外回り頑張ってきてね!」フリフリ

バタン

未央「......うう」///

......

ガチャ

杏「おー、プロデューサーおか〜」ゴロゴロ

杏「うん、未央ちゃんはもう行ったよ。よろしくってさ」

杏「ていうかホントにお疲れっぽいね、プロデューサー」

杏「その未央ちゃんから聞いたんだよ、たまには杏みたいにゴロゴロした方がいいよ〜」

杏「うげ、もう仕事だっけ...じゃあ今日は送ってくれなくていいよ。杏1人で現場に行くから」

杏「逃げないってば、少しは休んで欲しいしね〜...その代わり来月は全部休みでよろしく!」ドヤッ

杏「ん、お礼なんていいよ。それよりもさ」


杏「杏の代わりにちゃんと休んでてね?プロデューサー」

......

ガチャ

楓「おはようございます。...あら?プロデューサー、この時間は出先のはずでは?」

楓「そうなんですか、杏ちゃんがそんな事を...確かに最近のプロデューサーはお疲れのように見えますね」

楓「未央ちゃんにも言われた?あらあら、そんな事を...うふふ♪」

楓「...でも確かに、誰かが一緒に寝てくれるのって、なんだか安心しますよね。私も子供の頃お母さんによく撫でて貰ってました♪」

楓「あと、この前お泊り会した時に菜々ちゃんにも...あら?」

楓「あ、そうそう、ですからプロデューサーもたまには誰かに甘えてみればいいと思います」

楓「頭をなでてもらったりして、あったまりましょうね?ふふっ」

ガチャ

未央「ただいま!プロデューサー!楓さんもおはようございます!」

楓「あら未央ちゃん、おかえりなさい。...それじゃ私はそろそろ失礼しますね」

未央「むむ、入れ違いでしたか...お疲れ様でした楓さん!また明日!」

楓「はい、お疲れ様でした。あ、あと未央ちゃん」チョイチョイ

未央ちゃん「ん?何ですか?」スッ

楓「......」ボソボソ

未央「......!」///

楓「......♪」ボソッ

未央「ガ、ガンバリマス...」///

楓「...うふふ♪ではプロデューサー、お疲れ様でした。さっき言ったこと、忘れちゃダメですからね?」

バタン

未央「......」チラ

未央「ねえ、プロデューサー。今は休憩中、なんだよね...?」

未央「う、うん!私も少し事務所で時間つぶす感じだよ!」

未央「あー、お話するのもいいけどさ、プロデューサーには疲れを取ってもらいたいと言いますか...」モゴモゴ

未央「私も実はちょっと寝不足でさ!...だからね?プロデューサーさえよければ、その...」



未央「い、一緒に寝よ...?」///


おわり

未央ちゃんが恥じらう所を書きたかった(まんぞく)
サクッと終える予定でしたが...少し続きを考えてきます

「い、一緒に寝よ...?」

そんな事を、未央は言ってきた。


続きです。ゆっくり投下になります。

※P視点、地の文が入ります。
ご注意くださいませ。


目の前の未央はこちらを静かに見上げている。
制服のシャツの上にパーカー、そしてスニーカーと、いつもの元気そうな格好。
そんないつも活発な未央が、今はじっと返事を待っている。
一瞬、またからかわれているのかと思ったが...

「............プロ、デューサー...?」

未央の声は、震えていた。
それはきっと緊張しているからで、それは未央が本当に仮眠室へ誘っているという事なのだろう。
なぜか、未央から目を逸らせない。

...未央はアイドルだ。
プロデューサーが、自分のアイドルと一緒に眠る。
そんな事はあってはならないし、するべきでないと入社した時から心に堅く誓っている。
のだが、


きっと、確かに疲れていたのだろう。
誰かに言われたからではないが、

「...!! じ、じゃあ、行こっか…?」

休んでみる事にしたし、甘えてみる事にした。

...

下のフロアに移動し、未央の後を着いていく。

「...さ、入ってよ、プロデューサー」

未央に促され、仮眠室の中へと入る。
使うのは初めてだが、眠るのに程よい光が、電気を付けずとも遮光カーテンの下から届いている。

うっすらと見える部屋の中は、さらにいくつかの小部屋に分かれており、それぞれのドアに鍵と「空室」と書かれたプレートが掛けられていた。

未央は仮眠室のドアを閉めると、すぐに仮眠室の奥まで行って、小部屋を確認した。

「ここ、にしよっか...?」

やや詰まり気味に未央が呼ぶ。
薄暗い中で、早足に追い抜いていった未央の表情は、よく見えなかった。


未央に誘われた、一番奥の小部屋。
中はベッドが1つとパイプ椅子が2つ、という簡単な作りだ。

隅の部屋なので、外側の壁には光をこぼすカーテンが吊るされている。

ドアのプレートを「使用中」に裏返し、2人で、中に入った。

「...それじゃ、プロデューサー」

そう言いながら未央は後ろ手に小部屋のドアもパタンと閉め、

「上着...脱いじゃって?」

鍵を、かけた。

今日(?)はここまで。寝ます...

呼び名把握漏れでした...以後気を付けます

おはようございます。
続きをゆっくりと投下していきます。

...

未央に背中を向けて、腕時計を外しポケットに入れる。
最後に見た時刻は、午後2時過ぎを示していた。

続けて、時計の入ったスーツのボタンを外していく。
お互い会話はなく、衣擦れの音だけが響く。

脱いだ上着を前の椅子にかけ、眠るのに窮屈なネクタイの結び目に指をかけた。

無言のまま、未央はどうしているのだろうか。ふと振り返る。

「......っっ!!」


未央は脱ぎかけていたパーカーを、バッと素早く着直した。


「ほっ、ほら!フードがジャマだから、さ...」

未央はパーカーごと肩を抱き、あわてて後ろを向いてしまう。
下にシャツも着ているはずの未央のシルエットは、今までで一番小さく見えた。

「でも、ごめん...脱いでる時は、ちょっとあっち向いてて...?」

小さな声で未央に頼まれて、椅子の方に向き直る。

そのまま、やや手間取りながらネクタイをほどいた。
胸元から入った空気が涼しく感じる。

時間が空いてしまい申し訳ありませんでした!
再開していきます。


「ん...もういいよ、プロデューサー」

シュルシュルという音がおさまったのを確認し、ゆっくりと振り返る。
シャツ姿の未央は、パーカーと制服のリボンを胸元に抱えて立っていた。

「じゃあ、準備するね」

未央は服を椅子に置き、スニーカーを脱いでベッドへ寝転ぶ。
そのまま未央は、枕の端に頭を乗せた。
そして横向きになり、右腕を枕に這わせるように伸ばして、


「はい、プロデューサー…いいよ?」


...腕枕を作ってくれた。

うす暗闇の中、未央が腕枕をして待っている。

「うう、寝かしつけてあげるって言ったでしょ...?だから、ね?」

朝、確かに未央はそんな事を言っていた。
しかし、まさか本当にそこまでしてくれるとは思っていなかった。


「何か言ってよ、プロデューサー...?」

未央はこちらを見つめているようだ。
理性はまだ残っていたが、今日はもう、どうするか決めている。


靴を脱ぎ、ベッドへ膝を乗せた。


「......っ!」

キシリと音が鳴る。
未央が少し、こわばったような気配を感じた。

今から、この未央の身体に甘えるのだ。

もう片方の膝もベッドに乗せ、膝立ちで未央を見下ろす。
そして未央に、最後の確認を取った。

「うん、来て...」

ポツリと、未央はうなずいた。

ぎこちなく付いた左手を軸に、体勢をずらす。
未央の伸ばした二の腕に向かって、左耳を下ろしていく。
そして未央の顔にどんどん近付いていき、

頬に、細く震えるやわらかさを感じた。

「......っ!!」

未央の腕が、ピクリと跳ねる。
そしてそのまま、未央の顔を見上げてみる。

そして、暗さに目が慣れてきたからだろうか、
未央にこんなにも近づいたからだろうか。

そこで、ようやく気づく事ができた。

「うううぅ......!」/////

未央の顔は、真っ赤だった。

もしかしたら仮眠室に入った時から、いや、もっと前から未央はこんな表情をしていたのだろうか。
そう思うと、未央の姿に釘付けになる。

「...っ...!」///

未央の瞳はうるんでいて、星空のように光をキラキラと反射しながら、こちらを見つめてくる。
長いまつ毛からは、どうしても未央から目を逸らせない魔力を発していた。

「ち、ちょっと、待ってね...!」///

そう言ってギュッとまぶたを閉じ、か細く息を整える。
未央の唇からこぼれた温かい吐息を感じる。
その度に、シトラスの制汗剤と、十代の女の子の入り交じった匂いが胸いっぱいに広がる。

自分を落ち着かせるために必死になる未央の姿が、目に焼きついて離れない。

「はぁぁ......すぅ......んぅ...」///

こんな未央は、見たことがなかった。

...

何セットか深呼吸をした後、未央はゆっくりとまぶたを開けた。

「...うん、おまたせ。もう大丈夫だから」

先程よりは落ち着いたようだが、まだ頬の赤みは取れきっていない。

「...プロデューサーも、腕に体重かけちゃっていいからね?休んで欲しいんだからさ」

未央の好意に応えるため、少し浮かせていた体の力を抜く。
未央のぷにぷにとした腕の感触が、さらに広がる。

「えへへっ...そうそう、素直にね...♪」

未央は嬉しそうにそう言った。
腕枕のおかげか、少しずつまぶたが重くなってくるのを感じる。

「あ、眠くなってきたかな?へへ...」

寝かしつけが効いてきたという事に、少し喜んでいるようだ。
すると、未央は仕上げとばかりに、もう片方の腕をこちらの背中にぎゅっと回して、

「じゃあ...はい」///

優しく、頭を撫でてくれた。

体格差のせいで、未央が頭を抱きよせるような状態になってしまっている。
そうなれば当然、視線は未央の顔の下に固定される。

第2ボタンまで開けたシャツの隙間に、未央のふくらみかけの谷間が見える...気がする。
奥から未央の香りが立ちのぼり、強く、脳にまで満たされる。

「よ、よしよーし...なんてね?」///

おどけた風に言いつつも、未央は髪を梳く手を止めないでくれている。
心地よい温かさに、頭が、心が、ぼうっとしてくる。

未央に、全身を包まれている。

「...私ね、プロデューサーには、もっとゆっくりして欲しいなーって思ってたんだよ?」

突然の告白を受けて、目だけでぼんやりと未央を見上げる。
ゆっくりと、未央は続ける。

「プロデューサーも、疲れた時は甘えていいんだからね。その方が、私も嬉しいな...」

後頭部をぽんぽんと撫でられる。
朦朧とした頭で考える。そうか、未央が喜んでくれるのなら...。

未央の背中に腕を回し、ぐっと引き寄せた。

体が暖かい物を求めて、目の前の熱源へ本能的に顔を埋めていく。
包み込んでくる弾力は、最後の意識を失わせるには充分過ぎるほどの安心感を与えてくれた。

「......っ!!」///

未央の胸に、思いきり抱きつく。

もう、すべてを預けることにした、未央は何でも受け止めてくれる...
今は、何も考えられない...

......

「ふふ、おやすみ...♪」///

甘やかされながら、
未央と一緒に、眠りについた。

...

......

......

...

その後は、いつも通りの1日だった。

「休んだ」分、少し残業はしたものの、すっきりとした気分で取り組めたのですぐに終えられた。
...強いて言えば、ネクタイの結び目が緩んでいる、なんて指摘されたりしたが。

おおむね、いつも通りの日常を過ごしたと言えるだろう。

あの日、何人ものアイドルに体調を心配されて以降、健康を意識するようになった。
しっかりと休息を取り、みんなに心配をかけないように心がけている。


ただ、またどうしても疲れてしまった時はきっと、


「い、一緒に寝よ...?」

そんな事を、未央は言ってくるのだ。

〜終わり〜

鷺沢さんに本を借りて表現力を勉強したい人生だった...
ありがとうございました。
HTML化は明日出してきます...おやすみなさいませ。

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