ボクっ娘「おはよう」 (18)

よく眠れたかい?

そうか、その手錠と足枷は君が寝ている間につけたんだ

なんでこんなことをって?それはもちろん君に逃げられないようにするためさ

外せと?それは無理なお願いだなあ

ああ、暴れても外れないから安心したまえ

そんなに動かせば手足を痛めるぞ?余計逃げにくくなる

ところで、一緒にいた女は?ああ、別に聞いてもその人には何もしないよ、君には何かするかもだけど

知らないって?こんな写真があるんだけどなあ?

道案内をしただけ?じゃあこのメールの履歴は?

なぜそのメールを?しかも裏アドレスなのになぜ?って顔をしてるね、ちょっと小細工させてもらっただけだよ

呆れるよ君には、ボクは物事を徹底的にやるタイプだと知っているはずなのに



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そうだ、この髪を見てくれ

金に染まった髪、それらをまとめあげたツインテール、髪先の穏やかな巻き

全部君の注文だったね、もちろん君のためにやったのだよ

君の愛を受けるために必要ならば、髪ぐらいよろこんで売ろう

まあベッドの上で散らかされるのがオチだったけれど

あと、この服を見てくれ、どう思う?

黒を基調にしたゴスロリ服、白いレースの装飾、紺の花模様に藍色のバラ

君が買ってくれたあの日を今でも覚えているよ

その次のデートの時に着ていって、お姫様のようだと褒めてくれたのを鮮明に思い出すよ

その時ボクは、君の着せ替え人形にだったらよろこんでなろうと思っていたよ

もっとも、君はこの服を着せるためじゃなく、脱がすために買ってくれたようだけどね

ボクの処女の味はどうだった?

ああ、言わなくてもわかる、大層不味かったことだろう

そうじゃなきゃ、あの女に手を出すなんてことはないだろう?

あの女、綺麗で可愛らしい人だったね

スタイル抜群だしな、胸だって大きい、それに大人の魅力に溢れる

妖艶と呼ぶべきかな

色気の欠片もないボクの貧相なまな板とは大違いだよ

さぞかし夜の営みも上手だったのだろう

ん?まだやってない?とぼけないで欲しいなあ

はいコレ、領収書、ラブホテルの

私も行きたかったなあ

ああ、あの女には何もしないけど君には何かするかもねって

だから、安心してくれ

ここで何をするかって?

生活する以外に何があると思う?

今日からここが、君の世界だ

この館の外には何も無い、いいね?

空腹になったら最高の食をここに持ってこよう、絶対に飢えさせやしない

暇ならば好きな娯楽を取り寄せる、君は遊ぶのが好きだろう?

相手が欲しいなら私がなろう、話相手はもちろん、添い寝の相手や抱き枕

君専用のダッチワイフにだってよろこんでなってやろう

君の願いは何だって応えよう

君が望むものを全てここに取り揃えよう

無理なものは無理だが

例えばこの部屋から出たいとか、その手錠を外してくれとか

この館は好きに使ってもくれて構わないよ

その代わり、ここから絶対に出ないと約束してくれ

それじゃあ失礼するよ、すぐに朝食を持ってくる




おはよう、いい朝だ

あれから1週間経ったね

この館の住み心地はどうだい?

住めば都か、嬉しいよ、苦労してこの館を用意した甲斐があった

それでもここから出たいのかい?それはできない相談だ

一昨日外した手錠だって、本当は外したくなかったんだ

あれから毎日同じ頼みを聞いている、そんなに外に出たいのかい?

君の世界はこの館の中だけだって言ったはずだよ

この館の外に、その壁の向こうに、君の望む世界はない

だから君はここにいるんだ

ふぅ、それじゃあ失礼するよ

今日の朝食は君の好きなベーコンエッグとトーストだ




大きなベッドが欲しいと言ったのは、このためなのだったのだね

髪を綺麗に直さなくては、服も

こんなに乱れたお姫様なんて、滑稽だろう?

流石に疲れたよ、ベッドの上ではいつもの君じゃなくなる

獣に襲われる感覚は、嫌いじゃない

それでも、もう少しボクにやさしくして欲しいな

君に壊されるなら本望だが、そしたら君のために動くことができなくなってしまう

だから、もっとやさしくしてくれ

承諾してくれるのかい?ありがとう

君は、とても優しい人だ

思えばあの時だって優しかったね

君と出逢った時のことだよ、ボクは覚えている

あの時の君は、何も知らなかったボクに色々教えてくれた

いつも独りだったボクと世界を結んでくれた

感謝してるよ

本当に

君には、感謝しきれないよ

だからこうしているんだ

君はただこの館で起きて食べて遊んで寝るを繰り返す、そうしているだけでいいんだ

この生活を支えているのが何なのかとか、考えなくていいんだよ

何も、考えなくていいんだ

ちょっとドレスアップしてくるよ、それと、夕食に何が食べたい?

ビーフシチューか、良いじゃないか、最高のものを用意するよ




君が悪いんだからね

最高の生活を提供していたというのに、外に出ようとしたのだから

今日からこの館の地下が君の世界だ、また着けた手錠も外す気は毛頭ない

この際話すけれど、外に行っても君の居場所は無いから

戸籍を消したし、君を知る人間も全員消したから

ああ、あの女は消してないから安心してくれ

でも少し謝らないと、嘘をついたって

あの女には何もしない、っていう嘘をね

もう一度言うよ、君が悪いんだからね

全て、君が悪いんだ

もう2度と、外に出るなんて思わないでくれ

それさえ心がけてくれれば、最高の生活を保証するよ




いい朝だね、太陽が恋しいかい?

そうか、でも君に拝める太陽は無いんだ

代わりにこのライトスタンドを置いておくよ

今日からこれが君の太陽だ

明るくて良いだろう?それにモダンでお洒落だ

それと、朝食だ

そういえば元気が無さそうだが、体調はどうだい?

そうか、なら適当に薬を用意しておく

具合が悪くなったらすぐに言ってくれ

ん?聞き間違いか?もう一度言ってくれないか?

死にたいだって?絶対に死なせはしないよ、私がいる限り永遠に

だから、安心してくれ




人ってのは、簡単に死んでしまうんだね

死なせはしない、か

約束を破ってしまったな

身体が壊れたか、それとも精神が摩耗したか

なぜ、気が付かなかったのかと、過去のボクに問い詰めたいよ

君の顔、綺麗だね、死んでるなんてとても信じられないよ

いや、信じたくない、って方が正しいかな

そういえば、明日は君の誕生日だったね

せっかくプレゼントを用意したのだけれど、これじゃあ渡せないな

決めたよ、君に添い遂げる

ボクの命が尽きるまで

寂しいだろう?ボクが一緒にいてやろう

だから、安心してくれ




そろそろ、限界のようだ

もう、悠長に減らす口を叩けないみたいだ

また来世でも、君に会えたら嬉しいな

会えたらいい

君の声を聞くだけでもいいんだ

遠目に見かけるだけでもいい

眠くなってきたようだ、そろそろ時間か

すぐに追いつく、だから安心して先に行っていてくれ

君のをひとりにはしない、ボクだってひとりはいやだ

もう、ひとりにはなりたくないんだ

すぐに追いつく、すぐに

だから、少し先で待っていてくれ




天国の階段を、君ひとりで登らせはしないよ


依頼出してきます

むしゃくしゃして勢いだけで書いた反省はしてない
というか最後のフレーズが先に思い浮かんでアレコレしたらこうなりました

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