ミホ「花火大会」 (33)

AチャンネルのSSを投下していきますが、今回は実際にある場所を
舞台にしていますので、下のリンクにある場内マップも参考にしてご覧ください。
ttp://www.jra.go.jp/facilities/race/tokyo/stand.html

では、投下します。


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1375444582

7月21日 17:40 府中本町駅


ミホ「お待たせーー」

ユタカ「ミポリン、遅いですーー」

ミホ「これでもバイトを早めに終わらせた方よ」

ミホ「じゃあ、会場へ行くわよ」

ミホ「専用通路を通って行けるから楽だよね」

ユタカ「でも、凄い人ですーー」

ユタカ「場所取れますか?」

ミホ「多分、大丈夫だと思うわ。会場がかなり広いらしいから」

ミホ「ユタカに関節技を掛けられるくらいのスペースがあるといいけど…」

ミホ「…」キリッ

ミホ「何かやったら容赦なく関節技を掛けるからね!いいわね!」

ユタカ「は、はい…」

花火大会会場(東京競馬場)に到着


ミホ「わぁ~、凄い広い~」

ミホ「あっ、向こうでよさこいをやっているわよ」

ユタカ「という訳でユタカも踊ります」

ミホ「ちょっと、ユタカ、ここは…」

ユタカ「よさこい!よさこい!オイ!オイ!」パチッ!パチッ!パチッ!パチッ!

ユタカ「ソレ!ソレ!ソレ!ソレ!」

ユタカ「はっ」

ミホ「ユタカ…」ゴゴゴ…

101号岩手競馬発売所(全レース発売終了後)


ミホ「通路で何踊っているのよ!」ギギギギギ

ユタカ「ギャアアアアア」

ミホ「他の人の事、ちゃんと考えなさい!」

ユタカ「は、はい…」シュン

ミホ「(良かった。地下道に入ってすぐの所に誰もいないスペースがあって)」

ミホ「じゃあ、地下道に戻るわよ」

内馬場に続くトンネル


ミホ「な、長い…」

ユタカ「おやっ、ミポリンはこれくらいで疲れたのですか?」

ミホ「疲れていないけど、トンネルが長過ぎて…」

ミホ「あっ」

ユタカ「どうしたのですか?」

ミホ「ううん、何でもないわよ」

ミホ「(届いた祈り、叶った夢か…)」

ミホ「(私も素直になってそれを叶えたいわ)」

内馬場


ミホ「やっとトンネルを抜けた…」

ユタカ「ユタカ、あそこで花火を見たいです」

ミホ「コースの中に入れるのね。じゃあ、そこで見ましょう」

ユタカ「でも、あそこにある大型テレビが邪魔です」

ミホ「じゃあ、カーブがある付近で」ハッ

ミホ「…」

ユタカ「どうしたのですか?」

ミホ「やっぱりスタンドで見ましょう」

ユタカ「えー、ユタカ、コースで見たいです」

ミホ「そうだね。さっき見たらまだ空いてたから関節技が…」

ユタカ「ユタカもスタンドで見たいです…」

ミホ「(これでユタカと会わなくて済みそうですね)」

トオル「んっ」

ヒラ「トオルちゃん、どうしたの?」

トオル「いや、気のせいか。何でもない」

るん「じゃあ、コースの中に入るよ」

フジビュースタンド観客席


ミホ「何とか席が取れて良かったね」

ユタカ「ユタカは芝コースから見たかったです」ブー

ユタカ「でも、ここからの方が花火が綺麗に見られそうです」

ユタカ「ミポリン、ありがとうです」

ミホ「見て見て、馬がコースにいるわよ」

ユタカ「うわー、あの人たち、凄い乗り方しています!」

ミホ「馬の背中の上で倒立なんて凄い!」

ユタカ「ユタカは無理です」

ユタカ「馬の背中の上で立ち乗りするのも無理です」

ミホ「凄かったね、軽乗演技」

ユタカ「ユタカもああやって馬に乗りたいです」

ミホ「ダメよ、あれは相当訓練しないといけないんだから」

ユタカ「ユタカは馬の上で抱き合ったり、キスしたりしたいです」

ミホ「誰と乗るの?」

ユタカ「ミポリンと」

ミホ「えっ!」

ユタカ「ユタカは…」

ミホ「ユタカ、見て見て、今年の日本ダービーの映像が流れているわよ」

ミホ「(バ、バカ!何で素直になれないのよ)」

ミホ「(ユタカがせっかく告白しようとしているのに…)」


「キズナだ、キズナだ、キズナ差し切ってゴールイン!武豊です!」

ユタカ「武豊さん、カッコいいです!同じユタカとして素晴らしいです!」

「まもなく花火大会を開始いたします」

ミホ「まもなく始まるわよ」

ユタカ「わっ、場内の照明が消えました」

ユタカ「ミポリン、ちょっと怖いです…」

ミホ「もう高校生なんだからこれくらいで怖がらないで」

ミホ「(そうだ、この暗闇を使って…)」

ミホ「(でも、素直になろうとしてもいつもなれない私は何をやっても…)」


「それではカウントダウンを始めます」

ユタカ「わー、カウントダウン楽しみですー」

ミホ「(そうだ、これを使えば)」

「10、9」

ユタカ「はちっ、ななっ」

ミホ「6、5」

ミホ「(そろそろ行くわよ)」

ユタカ「よんっ、さんっ、にぃっ」

ユタカ「いちっ」

ユタカ「ゼローーーッ」

ギュッ

ユタカ「!」


(http://www.youtube.com/watch?v=gEj1oigVQJY)


パパパパパパパパパパパパパパパ パパパン


ユタカ「ミポリンがユタカの手を握ってる…」

ミホ「ユタカ…」


「手を繋ぎながら花火を見ましょう」

ユタカ「!」

ユタカ「ユタカもミポリンの手を繋いで花火を見たいです」


パーン! パパーン! パーン!

花火大会終了後


ミホ「あっという間に終わったね」

ユタカ「最後、めちゃくちゃ凄かったです」

ミホ「富士山花火もあったもんね」

ユタカ「アフロ花火とかも面白かったです」

ミホ「まだ出口は混んでいるわね」

ミホ「ユタカ、スタンドの上の方に上がりましょう」

スタンド上段


ユタカ「うわー、夜景が綺麗です」

ユタカ「競馬場が光輝いて見えるです」

ユタカ「でも、何でここに…」

ミホ「それは…」


ギュッ


ミホ「ユタカと手を繋ぎながらこの夜景を見たいから…」

ミホ「今まで素直になれなくて言えなかったけど、私…」

ユタカ「あっ、トオルンを見つけました!トオルーーーーン!」

ミホ「人の話をちゃんと聞きなさい!」ギリギリギリギリ

ユタカ「ぎぃえええええーーーー!」

帰り道


ミホ「(素直に告白する機会を逃しちゃった…)」

ミホ「(せっかく勇気を出して告白しようとしたのに…)」


ギュッ


ミホ「ユタカ!」

ユタカ「ユタカはミポリンが大好きです!」


ユタカ「だから、ユタカの方から先に告白します」

ミホ「…」ジワッ

ユタカ「わわわ、ミポリン、泣かないで」

ミホ「ありがとう.ユタカの方から言ってくれて…」

ミホ「これで私も素直になって言えるわ」


「私もユタカが好きです」

ミホ「(やっと言えた…)」

ミホ「(ユタカに素直に告白出来た…)」

ミホ「(最初から素直になれば良かったのに…)」ポロッ

ミホ「(何でいつもいつも素直になれないんだろう、私…)」ポロポロ

スーッ

ユタカ「ミポリン、泣かないでください」

ミホ「(ユタカがハンカチで私の涙を拭いた!)」

ミホ「(こんな事でユタカに迷惑を掛けるなんて…)」ポロッ

ミホ「うっ… うっ… うっ…」ポロポロ

ユタカ「あわわわ…」オロオロ

泣き止んだ後


ミホ「ごめんなさい… 私のせいでユタカのハンカチをびしょびしょにして…」

ユタカ「いいんです!それよりもミポリンがユタカに「好き」と告白した事が嬉しかったですから」

ミホ「ユタカ…」ウルッ

ミホ「これ以上、私を泣かさないでよ」ギリギリギリ

ユタカ「何でーーーー!」

ユタカ「(でも、いつもに比べて優しさがかなり込められています)」


ユタカ「(そんなミポリンがユタカは大好きです)」

ミホ「(いつも騒がしくてこうして技を掛けたりしているけど)」

ミホ「(ユタカがいない世界は考えられないわ)」

ミホ「(だからユタカ…)」


「ずっと私のそばに居て」


本編おしまい

おまけ

内馬場

ヒラ「あ~、どうしょう~、迷っちゃった~…」

ヒラ「一体、ここはどこなんだろう?」


「まもなく花火大会を開始いたします」


ヒラ「わっ、真っ暗になっちゃった~」

ヒラ「暗くて周りが見えない…」

ヒラ「…」ジワッ

ヒラ「もし、このままるんちゃんたちの場所に戻れなかったら…」ウルッ

ヒラ「せっかくるんちゃんたちと一緒に来たのに一人で花火観戦なんて…」ポロッ

ヒラ「やだよ… そんなのやだよ…」ポロポロ


「ヒラちゃん」


ヒラ「!」

ヒラ「トオルちゃん、ここだよ~」

トオル「よかった。なかなか戻らないから心配したよ」

ヒラ「迷惑を掛けてごめんなさい…」

トオル「そろそろ花火が上がるからるんちゃんたちのいる所へ戻ろう」

ヒラ「でも、暗いから…」


スーッ


トオル「私の手を持って」

トオル「そして離さないで」

トオル「そうすればるんちゃんたちの所に行けるから」

ヒラ「トオルちゃん…」

ヒラ「(トオルちゃんの手、暖かい…)」


(http://www.youtube.com/watch?v=gEj1oigVQJY)


パパパパパパパパパパパパパパパ パパパン


ヒラ「あっ、花火上がっちゃった~」

トオル「花火、綺麗だね」

ヒラ「うん」

トオル「もうすぐるんちゃんたちの場所に着くよ」

トオル「着くまで手を離さないで!」

ヒラ「…」

もうすぐ着くけれど、トオルちゃんの手を離したくない。
いつまでもトオルちゃんの手に触れていたい。
優しくて暖かいこの手を。
そしてわたしの好きな人の心を。


おしまい

補足

・題材にしたのは7月21日に東京競馬場で行われた「東京競馬場花火大会」です。

>>4のよさこいと>>10-11の軽乗演技は花火前のイベントとして行われていました。
(よさこいは16時30分から、軽乗演技は17時30分から行われました)

>>6でミホが言った「届いた祈り…」は場内に貼られていたヴィクトワールピサのポスターから

>>8でユタカたちが行こうとしたのは障害コースの中です。花火大会のために開放していました。

>>11の日本ダービーの映像は軽乗演技の後、花火大会直前までの間、大型ビジョンで流れていた物の一つです。
(他はディープインパクトの軌跡や上半期の中央競馬のGIレースダイジェスト、東京競馬場の歴史、花火大会絡みの案内を流していました)

>>13>>29は最初の花火の打ち上げの時に関東GIのファンファーレが使われることからリンクを貼りました

AチャンネルのSSは前から書いてみたかったですが、府中の東京競馬場の花火大会が
行われると知って、それを使ったSSにしたいと思って今回初めて書いて見ました。
実際、>>14までは花火までの時間と花火が終わってから閉門までの時間を使って現地で書いていました。
>>10-11に至ってはライブで書きました)
ただ、>>15以降の展開がなかなか思いつかなかったために今日まで時間が掛かってしまいました。

SSでヒラちゃんを登場させてみましたが、ヒラちゃんが登場するSSが増えて欲しいです。

ここまでありがとうございました。

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