西住みほ「アームレスリング・ウォー」 (103)

黒森峰女学園

エリカ「あなたたち、何か意見はないの?」

「「……」」

エリカ(くっ……。学園側も無茶な注文をしてきたわね。大体こんなこと私たちの性分じゃないのよ)

エリカ(いい案なんて出るわけがないのよ……)

まほ「いいか?」

エリカ「あ、はい。隊長」

まほ「過去の資料を流し読みしてみたが、やはり各学園艦ではそれなりに大きなイベントを毎年行っているようだ」

まほ「去年で言えば、大洗女子学園は泥んこプロレス大会。聖グロリアーナ女学院は利き紅茶大会、サンダース大付属はドキッ☆ガールズだらけのアメフト大会」

まほ「プラウダ高校は雪まつり、アンツィオ高校はピザの生地をどこまで大きくさせることができるのかギネス記録に挑戦」

まほ「我が黒森峰に関してはそのようなイベントを行った記録がない。文化祭などでも戦闘記録や各クラスの実験データ展示に留まっている」

エリカ「校風がありますから仕方のないことかと。黒森峰のイメージにそぐわないイベントをするわけにもいきませんし」

まほ「つまり、黒森峰のイメージを崩さないイベントならば問題はないのか」

エリカ「ええ。ですが、そのような企画があるでしょうか」

まほ「私に妙案がある。聞いてくれるか」

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数日後 大洗女子学園 生徒会室

桃「会長。黒森峰からメールが届きました」

杏「黒森峰? 珍しいとこから来たねぇ」

柚子「読みますね」

柚子「拝啓、天高く馬肥ゆる秋、皆様にはますますご壮健のことと拝察いたします」


まほ『さて、黒森峰女学園にて一大行事が開催することとなりました』

まほ『そこで懇意にして頂いている貴校のご参加を願っています』

まほ『都合が宜しければ黒森峰女学園まで足を運んでください』


柚子「秋気肌に染む時節、風邪など召されませぬようご自愛ください。敬具。黒森峰女学園、戦車道受講者代表、西住まほ」

杏「へぇ。黒森峰が一大イベントかぁ。あそこ、あんまりそういうのやらないって聞いてたけど」

桃「二年連続で優勝を逃したことで若干ではありますが、黒森峰の評判が落ち込んでいますからね」

柚子「そのイメージアップのためなのかな?」

桃「そういった面もあるのかもな」

杏「ふぅん。おもしろそうだねぇ。どんなことするのか一切書いてないのが特にね」

期待

2年A組 教室

杏「というわけだ」

みほ「は、はぁ」

杏「参加するよね、西住ちゃぁん」

みほ「は、はい。お姉ちゃんが参加してほしいっていってるなら」

杏「ありがと。んじゃ、みんなで参加決定ね」

華「わたくしもよろしいのですか?」

杏「戦車道受講者全員で参加したほうが面白そうだしな」

ねこにゃー「あ、あの黒森峰にいけるなんて……」

沙織「たのしみだね。どんなことするんだろー。ファッションショーかな、それともミス黒森峰コンテストとか!? それなら私のファンが黒森峰でも増えちゃうかもー。やだもーどうしよー」

華「黒森峰も女子校ですから、増えるのは女性ファンだけですね」

みほ「イベントの内容はわからないんですよね」

杏「西住ちゃんこそ、なんか聞いてないかなーって思ったんだけど」

みほ「いえ、特に連絡もなかったですから」

杏「ま、そこは行ってからのお楽しみでもいっか。それじゃ、みんなそのつもりでぇ」

戦車倉庫

優花里「黒森峰が他の学園艦まで誘うのは異例のことではないですか」

麻子「大洗に比べれば閉鎖的だからな」

みほ「うん。外部に向けてのイベントなんて多分初めてじゃないかな」

カエサル「それだけ黒森峰も追い込まれているということなのか」

みどり子「わざわざ風紀が大幅に乱れそうなことをしなくてもいいのに」

エルヴィン「事実、黒森峰は優勝を逃しているからな。そろそろ新しい風が欲しいのかもしれない」

おりょう「黒森峰を叩いてみれば、文明開化の音がする」

左衛門佐「叩いていいのか」

みほ「私の所為なのかなぁ」

ナカジマ「まぁまぁ西住さん。西住さんは正しいことをしたんだから、それでいいじゃないですか」

梓「そうです! きっとチームメイトを助けにいっていなかったら、先輩はずっと後悔していたと思います!」

あや「そーだ、そーだ」

あゆみ「事情はよくしらないけど、間違ってないと思います!!」

みほ「ありがとう……」

沙織「そんな黒森峰が他校を誘ってまでするイベントなんだと思う?」

優花里「やはり戦車道に関することではないでしょうか。戦術講座などを開いてくれるかもしれません」

華「レーション交換会などを希望します」

麻子「五十鈴さんが食べたいだけ」

カエサル「西住隊長の意見を聞こう。古巣のことだしな」

みほ「そ、そんな。私だって見当がつかなくて」

ツチヤ「モーターショーとかやってくれないかなぁ」

ホシノ「学園艦でするかな」

桂利奈「アニメ映画の上映会だったりして!!」

典子「交流を深めるのなら、やっぱりスポーツ大会だ!!」

妙子「黒森峰ではバレーボールは盛んですか!?」

みほ「盛んかどうかはわからないけど、普通に授業ではあったよ」

あけび「バレーボールの時代がきてます!!」

忍「バレーボール大会で決まりか」

みほ「そ、それはどうかな……」

黒森峰女学園

まほ「いつでもこい、エリカ」

エリカ「いいのですか」

まほ「構わない」

エリカ「では……」グッ

まほ「……」グッ

エリカ「パンツァー……」

まほ「フォー!」

エリカ「ふっ!」バンッ!!!

まほ「……」

エリカ「……」

まほ「もう一度だ」

エリカ「隊長。やはり今からでも遅くはありません。別の企画を考えましょう」

まほ「もう時間はない。各校への通達も済ませてある。企画の変更はない」

エリカ「しかし、これでは……企画そのものが……」

キャラの崩れきっていないまほさんは貴重なので嬉しいです

数日後 港

沙織「やっぱり、黒森峰の学園艦っておっきいぃ」

優花里「壮観ですねぇ」

桃「いいか!! これよりあの黒森峰の学園艦へと乗艦する!! 相手に対して粗相のないようにな!!」

「「はぁーい」」

桃「ではいくぞ!!」

優希「あとで買い物いきたぁい」

あゆみ「わたしもー」

あや「みんでいこうよー」

みどり子「こら、列を乱さないで」

モヨ子「きちんと2列に並んでください」

希美「私語もできるだけ謹んでください」

杏「結局、何するかは聞けてないんだ」

みほ「連絡がないってことはお姉ちゃんも秘密にしておきたいってことだと思って」

杏「それもそっか。聞いたところで教えてくれるかもわかんないしな」

スズキ「あ。あれって、カチューシャさんじゃない」

ナカジマ「ほんとだ。おーい、カッちゃーん」

カチューシャ「変な愛称で呼ばないで!」

みほ「カチューシャさん!」

カチューシャ「あら。ミホーシャ達も呼ばれたの?」

ノンナ「おはようございます」

ナカジマ「呼ばれたのはいいけど、何をするのかよくわからないんだよね」

カチューシャ「流石は黒森峰ね。情報とーせーは完璧ってこと」

杏「やあやあ、久しぶりだねぇ」

カチューシャ「そんなに間はあいてないでしょ」

みほ「カチューシャさんもいるってことは……」

ケイ「グッモーニン!! ミッホー!!」ギュゥゥゥ

みほ「わぁ!? ケイさん!?」

ケイ「元気だった? 今日はみんなでエンジョイしましょう!」

みほ「は、はい!」

ケイ「今日もプリティーね、カチューシャ」ナデナデ

カチューシャ「気安く頭を撫でないで!!」

ケイ「だって、撫でやすい位置にカチューシャの頭があるから」

カチューシャ「ぐぅぅ……!! ノンナ! 肩車!!」

ノンナ「分かりました」

カチューシャ「どう。これでカチューシャには気安く触れることはできないわ」

ケイ「はいはい」

杏「ケイは今日、なにするか知ってる?」

ケイ「ううん。何もイヤーには入ってないわ。そういうアンジーも?」

杏「そうなんだよね」

ケイ「まぁ、黒森峰のことだし、戦車に関することをプレゼンテーションするだけじゃない」

杏「それだけで一大イベントって言っちゃうかな」

ケイ「他校を呼ぶことが既にビッグイベントだけどね。オッドボール三等軍曹もそう思わない?」

優花里「へぇ!? あ、は、はい! 思います!!」

ケイ「よね。私はこうしてみんなでレクリエーションを楽しめるだけでもうれしいけど」

アリサ「隊長。向こうがイベント会場のようです」

ケイ「オッケー。みんなー、こっちよー! ゴーアヘーッド!」

桂利奈「わーい」

優希「はぁーい」

典子「みんな!! ケイさんにおくれるなー!!」

妙子・あけび・忍「「はいっ!!」」

桃「待てお前たち!! 他校の隊長が勝手に仕切るな!!」

柚子「いいじゃない、桃ちゃん」

桃「しかしだな!! 二年生以下の引率は私の役目で……!!」

みほ「アリサさんも来たんですね」

アリサ「なによ。来ちゃだめだったの」

沙織「そんなこといってないのにぃ」

アリサ「ふんっ」

ナオミ「すまないな。アリサも本当は君たちと仲良くしたいんだが、こういう性格だから素直になれなくて」

アリサ「なぁー!?」

会場

まほ「よく来た。歓迎する」

エリカ「……」

みほ「お、お姉ちゃん……?」

ケイ「アームレスリング会場?」

カチューシャ「丸テーブルがあるだけじゃない」

ノンナ「他にあるものは『アームレスリング会場』と大きく書かれた吊り看板だけですね」

みほ「あの、これって……」

まほ「看板に書いてある通り、ここはアームレスリングの会場だ」

桃「あ、あーむれすりんぐ……?」

まほ「知らないか。腕相撲のことだが」

桃「それぐらい知ってる!! どうして腕相撲大会なんだ!!」

まほ「我が黒森峰は昨年、今年と優勝を逃している。このままでは来年度以降の入学者が減ってしまう可能性がある」

まほ「そこで学園側は戦車道受講者に黒森峰の評判をあげるための企画を考えるようにと指示を出した」

杏「それが腕相撲なんだ」

まほ「そうだ」

ももがー「どうしてなり?」

ぴよたん「オンラインの戦車ゲーとかしたらいいのに」

まほ「どの学園艦のイベントも触れ合いを大事にしているように思えた」

典子「そうでしたっけ?」

桃「まぁ、大洗に住む者たちも参加できるようにはしているが」

まほ「プラウダにしてもサンダースにしてもそれは同じことだ」

ケイ「確かにアメフト大会はエキサイティングだったわ。あのとき、アリサの水着が取れちゃって大変だわよね」

アリサ「それは言わないでください!!!」

ナオミ「ビキニだったからな」

ノンナ「私たちの雪まつりも同じですね」

麻子「だが、みたところここには我々以外にいないが」

まほ「不思議なことだが、朝からここへ来たのはメールで誘った学園だけだ」

みほ「逸見さん。今日のこと宣伝は……?」

エリカ「しているなら、もう少しぐらい集まったでしょうね」

ゴミジャップ[ピーーー]

ちはたん聖グロにはメールおくっとらんのかな

みほ「(ど、どうして!? 黒森峰の貴重なイベントなのに!)」

エリカ「(バカ!! 考えなさい!! 腕相撲よ!! 腕相撲!! 隊長の恥を晒すなんてことはできないじゃない!!)」

みほ「(そういえば……お姉ちゃんは……)」

まほ「エリカ? 宣伝、していなかったのか」

エリカ「いえ。もっと大々的に宣伝をすればよかった、という意味です。申し訳ありません。広報担当には厳重注意しておきます」

まほ「各学園艦への通達が遅れていれば会場に来るものが皆無ということもあったのか。恐ろしい」

華「確かにこれだけ広い会場にお二人とテーブルだけというのは寂しいです」

まほ「それだけではない。用意した品も無駄になってしまう」

沙織「賞品があるんですか!?」

まほ「ああ。勝利者には相応の見返りがあるほうがいい」

華「やはりご当地ラーメンでしょうか?」

優花里「もしかしたら黒森峰限定の模型戦車かもしれませんよ!!」

麻子「単位がいい」

沙織「コスメとかかなぁ!?」

まほ「賞品は――」

ジャアアアアアアアアアアアアップ
ジャアアアアアップ
ジャアアアアアアアアアアップ
日本終わったな
ジャップ
ジャップ
ジャアアップ
ジャプカス共あの世に逝け

エリカ「隊長。それは最後まで秘密にすると決めたはずです」

まほ「そうだったな」

みほ「秘密、なの?」

まほ「勝ったものにだけ知る権利がある。勝利にはそれだけの価値がなくてはならない」

ケイ「どうやったらウィナーになれるわけ?」

まほ「私に勝てばいい」

みほ「え……」

優花里「西住殿のお姉さんですからね。きっと生半可な力では太刀打ちできないのではないでしょうか」

沙織「下手したら腕とか折れちゃうんじゃない?」

典子「それは困ります!! 尻相撲にしませんか?」

妙子「私の、出番……!!」

忍「尻相撲にはならないと思うけど」

みほ「あ、いや……」

ケイ「随分な自信ね。いいわ。わたしがチャレンジャーになってあげる!!」

みほ「ケ、ケイさん、あの……!!」

アフィカスってさあ、生きてる価値無いよな、人に依存してだらけで自分じゃ何も出来ない、まさに人間のクズみたいなものじゃないか
依存する人間は自分が無いとか言うけどこの場合っていうのは自分が無いと言い訳して楽してるだけだよね依存生活楽しいですか?
本当にアフィカスという人種は生きてる意味すらもないような奴らだよね自分じゃ何も生まないし、その癖他人のものをさも自分のもののように扱う
何度も繰り返してるようで悪いけれどもアフィっていうのはやっぱりそういう劣等人種なんだと思う劣等っていうか生まれつき劣ってるっていうか
そう、いわゆる障害者なんだよ自分で稼ごうとしても稼げないみたいなアイディアが無いみたいな哀しい哀しい生きてる価値もない障害者
つまらない人間と言い換える事もできるね、とにかく幼い頃からきっと他人に依存しないといけないみたいな障害に悩まされてきたんだよ
一種の青春病であってそこを責める事は出来ないとも最近思い始めてきたよそういう病気だもん、そういう人種だもん、クズだもん、そういう障害者だもの
そうでもなきゃこんな事考え付かないでしょ、「人の会話をコピペしてブログにまとめて金儲けする」とか普通は考えないよ
昔から日本には他人の褌で相撲を取るとかあるけど、そんな次元じゃない、他人の会話で金儲けするとか流石に無いですわ
ほら最近忍者の里の新ルールだとか何だとかで「転載禁止言えといわれても書かなかったら水遁」とか出来たじゃん
いや実はそのルールの議論の中心人物俺なんだけど、だけど早く実施してほしいもんだよ、まだまともに聞かれてないみたいだから
バカは死ななきゃ治らないだとか言うだろ?アフィは水遁でもされて痛い目でも見なきゃ判らないんだよ、●持ってるだろうからVIP二度といきたくなるぐらい絶望の淵に叩き落されるぐらい
だから何十回でも何百回でも水遁されて何百回でも何千回でも後悔して何千回でも何万回でも金銭難の地獄に叩き落せ
クソアフィブログはそうしてついに潰えるんだよ、「ブログ読者の皆さん……クリック……して」といいながら哀しく死ぬんだ、

エリカ「そうは行かないわ」

ケイ「ホワイ?」

エリカ「最初から隊長の手を握れるとでも思っているわけ?」

杏「握っちゃダメなの?」

エリカ「まずは、私を倒してからよ。隊長と戦うだけの力量があるのかどうか、見極めさせてもらうわ」

ケイ「ふぅん。なるほど。キングを落とすにはホースからってことね」

アリサ「だったら、私が!!」

ナオミ「いいから、下がっていろ」

みほ「はぁ……」

優花里「西住殿? どうしたでありますか?」

みほ「え? ううん、なんでもないよ。うん、ホントに」

優花里「……?」

杏「河嶋、準備」

桃「はっ」

柚子「次、桃ちゃんがいくの?」

ジャップ

ケイ「サンダースの力、見せてあげる!」

エリカ「負けるわけにはいかないのよ……」グッ

ケイ「ワオ、やる気満々ね。そうでないと面白くないけど」

エリカ「ここで私が……!!」

ケイ「さぁ、始めましょ」

エリカ「パンツァー……」

ケイ「フォー!!」

エリカ「はぁぁぁ!!!」バンッ!!!

ケイ「アウチ!?」

エリカ「私の……勝ちね……」

ケイ「え、ええ……」

アリサ「隊長!!」

ナオミ「まさか、隊長を倒す者がいるなんて」

エリカ「ふん。隊長と戦う資格はないようね」

ケイ「ソーリー、出直すわ。いやぁ、完敗ね」

ジャアアアアアアアアアアアアップwwwwww

杏「ケイ、怪我は?」

ケイ「心配ナッシング。ちょっと擦りむいただけよ」

ナカジマ「今の見た? 凄い気迫だったよね」

ホシノ「うん。鬼のような顔になってた」

みどり子「逸見さんも相当なのに、それ以上に強いまほさんって一体……」

みほ「逸見さん……ありがとう……」

沙織「勝てる人っているのかなぁ」

麻子「日ごろから鍛えている人でなければ困難かもしれない」

華「となれば……」

優花里「私の――」

おりょう「待つぜよ」

優花里「な、なんでしょう、おりょう殿」

左衛門佐「ここは拙者たちのリーダーに花を持たせてあげてほしいでござる」

カエサル「私は王ではない。カエサルである!」

エルヴィン「カバさんチーム、装填手、カエサルの出番だ!!」

ナイトでなくホースって所にエリカらしさを感じる

アリクイさんが最強になってしまう

アリクイさん最強やん

将を射んと欲すれば先ず馬を射よ、だな

エリカ「次は貴方ね」

カエサル「黒森峰の副将とこうして直接対話できる日が来るとは思ってもいなかった」

エリカ「そのマフラー、夏でもつけてたわね。暑くないの」

カエサル「よく見ている。その観察眼。名門の副将なだけはある」

エリカ「エラソーね」

まほ「エリカ。連戦は辛いはずだ。私が――」

エリカ「隊長はそこで座視していてください!! 私が完膚なきまでに挑戦者を潰していくところを!!」

まほ「エリカ……」

カエサル「隊長の助言は素直に聞くべきだと思うが」

エリカ「貴方には分からない。分かるはずがない」

カエサル「なに……」

エリカ「隊長には指一本、触れさせないわよ」

カエサル(この気合の入りようはなんだ……?)

エリカ「来なさい」

カエサル「承知した」グッ

エリカ「パンツァー……!」

カエサル「フォー!!」

エリカ「ふっ……!!」ググッ

カエサル「つっ……!!」

ケイ「耐えた!」

アリサ「バカな!! あの女、隊長以上だっていうの!?」

エルヴィン「カエサルは装填手になった次の日から腕立て伏せを初め、今日まで欠かしたことがない」

おりょう「努力家ぜよ」

左衛門佐「でも、夜に装填の練習は近所迷惑になる」

エリカ「やるじゃない……でも……!!」

カエサル「くっ……!?」

エリカ「勝つのは私よ!!!」バンッ!!!

カエサル「わぁ!?」

エルヴィン「カエサル!!」

カエサル「ブルー……タス……おまえもか……」ガクッ

エリカ「ふぅ……ふぅ……。わたし、の勝ち、ね……」

カエサル「強い……強すぎる……」

おりょう「カエサルでも勝てないなんて……どうするぜよ……」

エルヴィン「弱気になるな!! 我々にはソウルメイトがもう一人いる!!」

左衛門佐「はっ! そうだ……そうでござった……」

カエサル「やれるか、グデーリアン」

優花里「カエサル殿。しっかりと見ていてほしいであります。私の戦う雄姿を」

エルヴィン「頼む!! カエサルの仇を……!!」

エリカ「次は貴方なのね、秋山優花里」

優花里「私の名前を憶えてくれていたのですか!? 感激ですぅ」

エリカ「あんこうチームは嫌でも覚えたわ」

まほ「何度も資料に目を通していたからな」

ノンナ「あんこうチームだけでしょうか?」

ケイ「それは副隊長としてどうのかしら?」

エリカ「そこ!! うるさいわね!!」

沙織「ゆかりーん! ファイトだよー!」

優花里「ませてください!! 秋山優花里、日々の筋トレを無駄にしないためにも、がんばります!!」

華「優花里さんもカエサルさんと同じく、トレーニングは欠かしていませんから」

麻子「勝てるな」

エリカ「そう……。無駄なことだけどね」

優花里「やってみなければわかりません!!」

みほ「ま、待って!! 優花里さん!!」

優花里「はい?」

みほ「逸見さんは連戦で疲弊してるから、その、フェアじゃないと思います!」

優花里「え? いや、しかし……」

エリカ「副隊長……余計なことを……」

みどり子「何言ってるのよ。尚更、隊長を表舞台に出すチャンスじゃない」

みほ「そうだけど……でも、そうじゃないというか……」

「こんな格言を知ってる? 良い結果をもたらす嘘は、不幸をもたらす真実よりいい」

みほ「この声は……」

ダージリン「遅くなりましたわ」

まほ「聖グロリアーナの面々も来てくれたか」

オレンジペコ「お邪魔してます」

ダージリン「まほさんのお誘いですもの。断る理由はありませんわ。それにしても、この閑散としたイベント会場はなんでしょう。告知はなさったの」

まほ「手違いがあったようで。人は集められなかった。面目ない」

エリカ「隊長が謝ることではありません!!」

カチューシャ「遅いじゃないの、ダージリン。自慢の紅茶も冷めちゃうんじゃない?」

ダージリン「私の目に狂いがなければ、まだ飲み頃ではないようだけれど」

カチューシャ「どういうこと」

ダージリン「何せ、逸見エリカさんが最終防衛ラインを死守できている」

カチューシャ「よくわからないわ」

杏「……」

優花里「えっと、次は私が腕相撲をしてもいいのでしょうか?」

ダージリン「秋山さん。申し訳ありませんが、そのリングを譲っていただけないかしら。この、オレンジペコに」

オレンジペコ「わたしですか!?」

ジャアアアアアアアアアアアアアップ








日本終わったな

ダージリン「できるわね?」

オレンジペコ「私、腕相撲なんて!!」

優花里「私は構いませんが」

ダージリン「ありがとう。さぁ、行きなさい」

オレンジペコ「そんなぁ……」

エリカ「誰でもいいわよ。来た相手を返り討ちにするだけだから」

ダージリン「そして逸見さんも譲っていただけるかしら」

エリカ「は?」

ダージリン「わたくしに」

カチューシャ「ダージリン!! どういうことよ!?」

オレンジペコ「ホントにどういうことですか!?」

ダージリン「この場にいるものたちが黒森峰の敵とは限らないでしょう」

エリカ「ちょっと、どうして……」

ダージリン「選手交代よ。何度も撃てば砲身は焼け付いてしまうでしょう? 休んでいなさい」

エリカ「ダージリンさん……」

ダージリン「図らずも聖グロリアーナ同士の対決になりましたわね」

オレンジペコ「いや、ダージリン様が図ったようにしか見えませんけど」

ダージリン「貴方なんて紅茶を飲みながらでも倒せるわね。そして、一滴たりとも零すことはない」

オレンジペコ「むっ」

みほ「ダージリンさんまで……」

ケイ「ノンナはどう思う?」

ノンナ「まほさんを守ろうとしている。それも必要以上に」

ケイ「マホをリングに上げたくない理由がありそうね」

みほ(感づかれるのも時間の問題かも……そうなったときは……)

沙織「みぽりん……?」

華「先ほどからみほさんの様子がおかしいですね」

優花里「ええ。深刻な表情をしていますぅ」

麻子「……」

ダージリン「いきますわよ」

オレンジペコ「ダージリン様。本気で、腕相撲させていただきます」

何人かすでに気づいたか

ダージリン「楽しみね。パンツァー……」

オレンジペコ「フォー」ググッ

ダージリン「ふっ」

オレンジペコ「ふーん!! ふーん!!」ググググッ!!!!

ダージリン「……」ズズッ

オレンジペコ「くぅぅぅ……!!!」

優花里「す、すごい!! 微動だにしません!!」

カエサル「ダージリンさんの腕力は底なしか」

麻子「相手が非力という可能性はないか」

華「オレンジペコさんは優秀な装填手ですから、そのようなことは考えにくいかと」

カチューシャ「ダージリンに勝てるわけないわ」

沙織「そうなんですか?」

カチューシャ「ノンナに毎回勝てるカチューシャがいつも引き分けるんだもの」

みほ「そ、そうなんですか」

カチューシャ「このカチューシャと互角の相手を倒すのは、シベリアの冬を薄着で過ごして生き残るぐらい難しいんだから」

ダージリン「そろそろ、よろしいかしら」

オレンジペコ「え……」

ダージリン「今日は堂々と勇ましく、そして明日は墓の中。わたくしはこの瞬間に全ての力と紅茶を注ぐと決めているの」

オレンジペコ「あぁ……」

ダージンリン「ごきげんよう」ダンッ!!!!!

オレンジペコ「あぅ」

ダージリン「勝ち、ね」ズズッ

オレンジペコ「まけましたわ……」

ナカジマ「ナイスファイトでしたよー」

おりょう「次、勝てばよし、ぜよ」

オレンジペコ「ありがとうございます……」

ダージリン「さて、次の相手は誰ですの」

カチューシャ「ダージリンに勝てるのは、カチューシャしかいないわね」キリッ

ノンナ「いけません、同志カチューシャ。まだ、貴方がでるべきではない」

みほ「そ、そうです! カチューシャさんはまだ控えていてください!!」

カチューシャ「どうしてよ!? ダージリンの強さは本物なの!! それを知っているのはカチューシャだけなんだから!!」

ノンナ「分かってます。だからこそ、今はまだ出るべきではないのです」

みほ「カチューシャさんは、最終秘密兵器なんです。簡単には出せません」

ノンナ「今のカチューシャはフラッグ車のようなものです。貴方が負ければ、黒森峰の賞品は闇の中へと消えてしまう」

カチューシャ「そうね。ノンナの言うことも一理あるわね。仕方ないから、見ていてあげるわ。カチューシャの出る幕をつくっちゃだめだからね」

ノンナ「了解」

みほ「はぁ……」

まほ「ダージリン。私にも戦わせてほしい」

ダージリン「逸見さんはどう考えているのかによりますわ」

エリカ「隊長は私たちの戦いを見ていてください」

まほ「エリカ。この日のために私は自分を鍛え、更に磨きをかけたつもりだ」

エリカ「しかし! たった10日では……」

まほ「私を信じられないのか」

エリカ「そういうわけでは……」

まほ「賞品もみほたちに譲る気はない。ただ、このイベントのテーマは『ふれあい』だ。企画考案者である私が触れ合わなくてどうする」

エリカ「それでも、隊長に……」

ダージリン「とりあえず、ここはわたくしが戦います。よろしいですわね」

まほ「好きにしてくれ」

ダージリン「感謝します」ズズッ

優花里「次は私が行きます!!」

ねこにゃー「ま、まって、秋山さん」

優花里「はい?」

ねこにゃー「あの、ボクも自信、あるから」

みほ(そういえば猫田さん、激しい筋トレをしていたような)

ももがー「ねこにゃーならきっと勝てるなり!!」

ぴよたん「行かせてほしいずら!」

優花里「分かりました。では、猫田殿、よろしくお願いします」

ねこにゃー「う、うん。に、西住さん」

みほ「はい?」

ねこにゃー「黒森峰のレアアイテム、ドロップしたら、西住さんにあ、あげる、から」モジモジ

ダージリン「意外な相手が来ましたわね」

ねこにゃー「よ、よろしくお願いします」

ダージリン「宣言しますわ。わたくしは紅茶を優雅に飲みながら、貴方に勝利する、と」

ねこにゃー「うぅ……やっぱり、自信がなくなってきた……」

ももがー「相手に気おされちゃダメなり!!」

ぴよたん「練習は嘘をつかないだっちゃ!!」

ねこにゃー「ももがー……ぴよたん……」

典子「猫田さん!! 根性だー!!」

沙織「やっちゃえー、猫田さーん!!」

ダージリン「いつでも、構いませんことよ」

ねこにゃー「そ、それじゃあ……パンツァー……」グッ

ダージリン「フォー」グッ

ねこにゃー「えいっ!!」バァァン!!!!

ガシャーン!!! パリーン!!!

ダージリン「……」

ねこにゃ「あ……かった……」

ももがー「ねこにゃーが勝ったなりー!!」

ぴよたん「やったぁー」

ダージリン「……」

オレンジペコ「ダージリン様!! 紅茶どころかカップごと床に!!」

ダージリン「あら? 今のはフライングではありませんこと?」

まほ「それはない」

ダージリン「……」

カチューシャ「ま、まさか、ダージリンに圧勝するなんて……あの子、カチューシャ以上に強いっていうの……!!」

ももがー「ねこにゃーは最強なり!!」

ダージリン「面目ありませんわ。このような醜態をさらしてしまうとは」

エリカ「次は私がいきます」

ダージリン「やめておいたほうがいいわ」

エリカ「え?」

ダージリン「彼女、尋常ではないもの」

>>44
ねこにゃ「あ……かった……」

ねこにゃー「あ……かった……」

エリカ「どういうことですか?」

ダージリン「あの怪腕に勝ることができるのは、きっと一人しかいないもの」

まほ「私か」

ダージリン「違います」

みほ「まずい……」

ノンナ「ですね」

みほ「ノンナさん……?」

ノンナ「では、私が行くとしましょう」

カチューシャ「ノンナ、どこにいくの?」

ノンナ「申し訳ありません、カチューシャ」

カチューシャ「え?」

ノンナ「私のことは忘れてください」

カチューシャ「の、んな……?」

ノンナ「До свидания……」

カチューシャ「ノンナァァ!!」

ねこにゃー「あ、あの、次は……」

エリカ「勿論、私が――」

ノンナ「私がお相手します」

エリカ「え……!?」

ダージリン「ノンナ、貴方も気が付いてしまったのね」

ノンナ「はい。そして気が付いてしまった以上、手を貸さないわけにはいきません」

まほ「何故だ。どうしてここまでする」

ノンナ「副隊長の決意を無駄にしたくはないからです」

まほ「……」

ねこにゃー「よ、よろしくおねがいします」

ノンナ「はい」

カチューシャ「ノンナ!! やめなさい!! ダージリンに勝った相手なのよ!? いつもカチューシャにまけているノンナが勝てるわけないじゃない!!」

ノンナ「どうぞ」

ねこにゃー「そ、それじゃあ、パンツァー、フォー」グッ

ノンナ「Ураааааааа!!!!」ドンッ!!!!

ねこにゃー「え……あ……ぃぁぃ……」

ノンナ「ご安心を。骨は折れていないでしょうから」

ねこにゃー「ひぃぃ!!」

ももがー「ねこにゃー!! しっかりするなり!!」

ぴよたん「手が赤くなってるずら!! 武部さん!!」

沙織「ちょっと待って!! 湿布ぐらいなら持ってるから!!」

あや「さすが女子力たかいです、先輩!!」

みどり子「高いの?」

ダージリン「お見事な一本勝ちね」

ノンナ「伊達にカチューシャを肩車していません」

みほ「あ、あれなら……」

カチューシャ「ノンナ……」

ノンナ(カチューシャ……。今まで騙していてすみません。ですが、今はこうする他なかったのです)

カチューシャ「……」

華「猫田さんが負けてしまうとは……。わたくしたちの中にノンナさんを倒すことができる人が残っているでしょうか……」

チョビー!はやくきてくれー!

「らしくないな。大洗の諸君。お前たちは諦めないことだけは、誰にも負けないはずだ」

杏「来ちゃったか。チョビ子」

アンチョビ「アンチョビ!!! 我々に任せておけ。ブリザードのノンナはアンツィオ高校が倒して見せる!!」

杏「はいよぉ」

カルパッチョ「たかちゃん、大丈夫?」

カエサル「うん。もう痛みは引いたから」

アンチョビ「行かせてもらうぞ」

ノンナ「……」

ペパロニ「ねえさん!! ブリザードなんかぎったんぎったんにしちゃってくださいよぉ!! うちらの熱さをもってすればブリザードももえあがるってもんっす!!」

アンチョビ「とーぜんだ。アンツィオの火は吹雪では消えないんだ!!」

ノンナ「では……」グッ

アンチョビ「いくぞー! パンツァー・フォー!」

ノンナ「ふんっ!!!」バンッ!!!!

アンチョビ「あれ?」

ペパロニ「なにやってんすかぁ、ねえさん!! ちょっと代わってくださいっす!! あたしがやりますから!! おっしゃー、こい!!」

典子「こんじょー!!!」

ノンナ「……」バンッ!!!

典子「まけたー!!!」

妙子「キャプテンまで……」

あけび「もう誰もノンナさんには勝てないんじゃあ……」

忍「諦めちゃダメ!! まだ戦ってない人のほうが多いんだから!! いつまでもノンナさんだって元気でいられるはずもないし!!」

ペパロニ「いたっすぅ……」

沙織「はいはい、今冷やすから」

アンチョビ「こっちもたのむぅ」

杏「小山ぁ。手当してあげろー」

柚子「はぁーい」テテテッ

みほ(このままいけば、なんとかなるかも……)

麻子「西住さん。どうして安心している」

みほ「え……」

麻子「そんなにお姉さんが前に出てくるのが嫌なのか」

>>51
ペパロニ「いたっすぅ……」

ペパロニ「いたいっすぅ……」

みほ「そ、それは……」

杏「……」

ケイ「ねえ、ミホ? ミホはどっちの立場なの? マホを応援するなら、向こうにゴーよ」

みほ「……」

優花里「西住殿、何を隠しているのでしょうか」

麻子「言いたくないのならいい。だが、私は勝つぞ」

みほ「麻子、さん……?」

沙織「何言ってるのよ、麻子。ノンナさんに勝てるわけないでしょ」

麻子「力では勝てない。だが、知恵を絞れば勝てる。それは西住さんが教えてくれたことだ」

みほ「……」

ケイ「手を抜いて負けてあげる、なんて無礼よ。アンチ戦車道精神にもほどがあるとは思わない、ミホ?」

みほ「……!」

ケイ「私が好きなミホはそんなことしないって思ってるわ」

みほ「ケイさん……」

麻子「では、私がいく」

まほ「エリカ。いい加減、私にも戦わせてほしい」

エリカ「まだ、まだその時では……」

まほ「だが……」

麻子「別に良い。私たちは全員を倒すつもりでいる」

ノンナ「大きくでましたね。ですが、腕相撲は純粋な力の世界。戦略はありませんよ」

麻子「それはどうだろうな」

ノンナ「なにを……」

カチューシャ「ノンナ」

ノンナ「カチューシャ……」

麻子「貴方の相手は、カチューシャだ」

ノンナ「……!」

カチューシャ「勝負よ。ノンナ。偽りの勝利なんて、いらないわ。カチューシャは実力で勝つんだから」

ノンナ「……」

ナカジマ「カッちゃん、えらい!」

スズキ「がんばってー。応援してるからー」

カチューシャ「ノンナ。ずっと信じてたのに」グッ

ノンナ「私は……」

カチューシャ「ここで見極めるわ。今までカチューシャはノンナに実力で勝っていたのか。それとも、ノンナがわざと負けていたのかをね」

ノンナ「やめてください」

カチューシャ「教えて、ノンナ。カチューシャは強かったの? それとも、ずっとノンナのおかげで大きかったの?」

ノンナ「やめて……」

麻子「準備はいいな。パンツァー……」

カチューシャ「いくわよ」グッ

ノンナ「……!」

麻子「フォー」

カチューシャ「ピロシキー!!!」

ノンナ「……」パタリッ

麻子「カチューシャさんの勝ち」

カチューシャ「ノンナ……今のは……?」

ノンナ「私がカチューシャに勝てるわけありません……あなたはとても大きく、強いのですから……」

優花里「なんて深い言葉なんでしょうか。ノンナ殿から親愛の情が伝わってきます」

左衛門佐「ノンナさんは最高の家臣だったか。そう、片倉景綱のような」

おりょう「ノンナさんは副隊長ぜよ。つまり、土方歳三」

カエサル「ティトゥス・ラビエヌスだな」

エルヴィン「ハンス・シュパイデルだ」

おりょう・カエサル・左衛門佐「「それだぁ!!」」

カチューシャ「つまり、わざと負けたわけじゃないのね」

ノンナ「はい。貴方と出会ったときから、カチューシャには勝てないと確信しました」

カチューシャ「要するに、実力で勝ったのね」

ノンナ「そうなります」

カチューシャ「ふ……ふふふ……あーっはっはっはっは!! やっぱり、カチューシャがさいきょーなのよ!!!」

ダージリン「ある意味ね」

カチューシャ「さぁ、次は誰よ!! カチューシャが一ひねりにしちゃうんだから!!」

アリサ「だ、大丈夫なの、あれ」

ナカジマ「カッちゃんって純粋で良い子だなぁ」

エリカ「あなたねぇ……」

カチューシャ「さいきょーのカチューシャに勝てるかしらね」

エリカ「現実ってものを教えてやる――」

ノンナ「……」

エリカ「……!?」

ノンナ「(貴方のやるべきことは、分かっていますね?)」チャカ

エリカ「あ……の……」

ノンナ「(イエスかノーで答えてください)」

エリカ「(い、いえす)」

ノンナ「よろしい」

ケイ「ちょっとノンナ、今エリカになにか――」

ノンナ「……」

ケイ「……なんでもない」

みほ(ケイさんが負けた……!?)

麻子(勝ったな。カチューシャさんに勝てる相手は一人を除いていない)

カチューシャ「やー」

エリカ「くっ……まさか……こんな結果になってしまうなんて……」

カチューシャ「わーい、かったー」キャッキャッ

ノンナ「やはり、カチューシャはつよいですね」

カチューシャ「ノンナもね。カチューシャほどじゃないけど」

麻子「残るは西住まほさん、貴方だけになったな」

まほ「そのようだ」

エリカ「隊長……!!」

みほ「お姉ちゃん……」

まほ「カチューシャ」

カチューシャ「なによ」

まほ「私は手加減しない」

カチューシャ「誰も手加減なんてしてなかったと思うけど」

ノンナ「(貴方もわかっていま――)」

まほ「私にそのような脅しは通用しない。ブリザードのノンナ」

ノンナ「……!」

まほ「カチューシャにも知ってもらわなければならない。最強の意味を」

ノンナ「貴方はまだ分かっていないのです。カチューシャの強さを。私も一度は真実を見せる決心をしました。でも、それでもカチューシャが目の前にきたら……」

まほ「こい」

カチューシャ「雪山のウサギみたいに震えさせてあげるわ!!」グッ

まほ「……」グッ

麻子「パンツァー・フォー」

カチューシャ「やー!!!」グググッ

まほ「ふっ……!!」ググググッ

ノンナ「……?」

ケイ「ちょっと、マホまでアームを抜いてるわけぇ?」

みほ「……」

杏「そうじゃないみたいだな」

ケイ「え?」

ノンナ「まさか……!」

>>59
ケイ「ちょっと、マホまでアームを抜いてるわけぇ?」

ケイ「ちょっと、マホまでハンドを抜いてるわけぇ?」

カチューシャ「んー!!!」

まほ「手ごわい……!!」

ダージリン「まほさん……これほどまでとは……」

エリカ「くっ……だから、守ってきたのに……」

沙織「えっと、カチューシャさんってマジで強いの?」

華「てっきり、ノンナさんや逸見さんがわざと負けたものだと思っていましたが」

典子「カチューシャさん!! 根性だー!!!」

妙子「押してますよ!! ほんのすこしだけおしてます!!」

みどり子「まほさんって優しいのね」

モヨ子「とってもいい人」

希美「うん」

みほ「お姉ちゃん……」

ペパロニ「これは激アツな戦いっすよ、姉さん!!」

アンチョビ「ああ。こんなアームレスリングを間近でみられるとは、ついているな」

カルパッチョ「だから逸見さんやダージリンさんは必死になっていたんですね」

よく間違われるけどアームレスリングと腕相撲は違う競技なんだから!勘違いしないでよね!

なんてレベルの高い戦いなんだ(棒)

さすが二大強豪校の隊長同士の対決だな(棒)

西住流って不安定なキューポラの上で飛んでくる砲弾を素手で受け止める訓練をしてるから腕力は強いはず(棒)

まほ「ここで……みほの目の前で……負けるわけには……!!」ググッ

カチューシャ「まけ、ちゃう……いや、まけない……!! カチューシャは……さいきょー……なんだからぁ……!!!」グググッ

優花里「既に五分が経過しました」

麻子「眠い」

沙織「こら、そんなこといわないの」

華「とても白熱していますわ」

みほ「……」

ナオミ「カチューシャはどの程度の強さなのか」

アリサ「黒森峰の隊長が弱いわけがないから、カチューシャがケイ隊長よりもはるかに強いことになるわ」

ケイ「アンビリバボーね」

梓「どっちが勝つんだろう……」

優希「名門同士だから腕力の一緒ぐらいなんだねぇ」

桂利奈「すっごーい!! どっちもがんばれー!!」

あゆみ「おせおせー!!」

あや「ハラハラするー!!」

まほ「プラウダを背負うだけのことはある……その小さな体からは想像できないほどに大きな力だ……」ググッ

カチューシャ「マホーシャもやるじゃない……!! けど、最後に、わらうのは……カチューシャ……なんだからぁ……!!」ググッ

柚子「決着はつくんでしょうか?」

杏「根負けしたら終わりだな」

桃「会長。整いました」

杏「ありがと。んじゃ、干し芋でも食べて終わるのを待つか」

桃「どうぞ、お茶です」

カチューシャ「うぅ……」

カチューシャ(もう腕が……限界……)

まほ「限界、という言葉が過ったときが最後よ」

カチューシャ「え――」

まほ「私の、勝ちだ」バンッ!!!

カチューシャ「きゃぁ!?」

ノンナ「カチューシャが……負けた……」

みほ「お姉ちゃんが……勝った……」

まほ「はぁ……はぁ……はぁ……」

カチューシャ「ふふ……。すごかったわ。ノンナ以上に楽しめたわ。悔しいけど、清々しいわね」

まほ「私もカチューシャほどの好敵手に出会えたのは初めてだった」

カチューシャ「それは光栄ね。周囲には子ウサギしかいないんじゃ、やりがいがないものね。カチューシャもダージンリンに出会うまでは連戦連勝だったもの」

ダージリン「……」ズズッ

オレンジペコ「ダージリン様、負かしたことがあるんですか?」

ダージリン「一度だけね。そのときに大泣きされたから、以降は引き分けにしているけれど」

オレンジペコ「負けたくはないんですね」

まほ「いや、私の周りには私よりも強い者しかいなかった」

カチューシャ「マホーシャほど強い奴がいるっていうの?」

ナカジマ「誰なんだろう」

ツチヤ「逸見さんのことじゃないの」

エリカ「いや、私は」

まほ「そうだな、みほ?」

みほ「……」



>>68
カチューシャ「それは光栄ね。周囲には子ウサギしかいないんじゃ、やりがいがないものね。カチューシャもダージンリンに出会うまでは連戦連勝だったもの

カチューシャ「それは光栄ね。周囲には子ウサギしかいないんじゃ、やりがいがないものね。カチューシャもダージリンに出会うまでは連戦連勝だったもの

華「え……!? みほさん!?」

カチューシャ「ミホーシャはマホーシャほど強かったの?」

まほ「私よりもはるかに強い」

アリサ「マ、マジで……ゴリラじゃないの……」

みほ「ちょっと待って!! それは……!!」

エリカ「……」

みほ「……!?」

エリカ「(余計なことは言わないで!!)」

みほ「(すみません)」

梓「西住先輩がそんなに強かったなんて……」

あや「西住流、やっぱハンパない!!」

桂利奈「あれ、それじゃあ、西住先輩が最強ってことなの?」

あゆみ「そりゃそうでしょ」

みほ「最強なんかじゃ……!!」

まほ「そう。みほは最強だった。西住家では最も強かった。私は勿論、お母様も太刀打ちできなかったほどに」

優希「大人にも勝ってたんですかぁ?」

みほ「あの、それはお母さんが……」

杏「いいお母さんだねぇ」

麻子「おばあは絶対にまけなかったな」

ケイ「ハートフルファミリーね」

みほ「うぅ……」

アンチョビ「だが、今は違うかもしれない」

ペパロニ「え?」

典子「それはどういう意味でしょう」

アンチョビ「お互いに成長した今、どちらが最強なのかは分からないはずだ」

あけび「確かに。まほさんの言い方だとかなり昔のような」

妙子「腕相撲で遊んでたのって何歳ぐらいのときだったんですか?」

まほ「8歳か9歳ぐらいだったはず」

アンチョビ「10年近くも経過したんだ。あのときのままということはありえない」

杏「人間、そう簡単には成長できないけどな」

おっとこの姉余計な事を言いおって

力関係が一周しそう

華「そうですわ。ここはみほさんとまほさんで腕相撲をしてみてはどうでしょう」

みほ「え!?」

まほ「……」

優花里「五十鈴殿に賛成です。私も見てみたいです」

沙織「いいんじゃない? 黒森峰の賞品もきになるしぃ」

麻子「どうする?」

みほ「あぅ……どうしよう……麻子さん……」

麻子「私に相談されても困るが」

アンチョビ「西住流の最強は、姉か妹か。白黒つけるべきだと私は思うぞ」

ペパロニ「あたしもみたいっすぅ!!」

カエサル「勝敗の予想すらできないな」

カルパッチョ「みほさんが勝つと思うな」

エルヴィン「私たちの隊長が勝つに決まっている!!」

みどり子「まほさんだってまだまだ本気は出していないし、勝つのは簡単じゃないわね」

みほ「あ、盛り上がらないでください……」

典子「西住隊長!! 勝ってください!!」

妙子・あけび・忍「「根性です!!」」

みほ「た、戦わないといけないですか」

梓「西住先輩。私たち、信じてます」

桂利奈「先輩なら、絶対にかてます!!」

あゆみ「みんなー!! 応援するよー!!」

優希「ふれぇー、ふれぇー、た、い、ちょー」

あや「ぶっころせー!!!」

みほ「……」

紗希「……」

みほ「丸山さん……?」

紗希「がんばってください」

みほ「――お姉ちゃん!!」

まほ「良い目だ、みほ。リングへ上がってこい」

みほ「腕相撲、やります」

エリカ(どうするつもりなの……)

みほ(どうしたらいいんだろう……。ケイさんの言っていた通り、手を抜くのは失礼……。でもお姉ちゃんにも立場がある……)

まほ「……」

みほ(ここで私が勝ったら、お姉ちゃんの威厳が損なわれるし、私も……)

アリサ「あんたたちの隊長、ゴリラなんじゃない?」

沙織「みぽりんをゴリラって言わないでよ! 全然似てないじゃない!!」

華「そうですわ。たしかにゴリラのようにたくましい腕力ですが、みほさんはゴリラではありませんわ」

優花里「五十鈴殿、フォローになっていません」

みほ(ゴリラにされちゃう……)

杏「悩みどころだねぇ。西住ちゃん」

柚子「何を悩むんですか?」

杏「守るのは姉かそれとも自分か」

柚子「意味が分かりません。桃ちゃん、わかるぅ?」

桃「桃ちゃんというな。こう言いたいんだろう。姉を越えることは自分を越えること、だと」

柚子「そうなの?」

まほ「真剣勝負だ」

みほ「うん」

まほ「私を越えてみせて、みほ」

みほ「……」

ダージリン「わたくしがレフェリーをつとめますわ」

オレンジペコ「こんなときだけ……」

ダージリン「両者、見合って」

まほ「……」グッ

みほ「……」グッ

ダージリン「パンツァー・フォー」

まほ「ふっ!!」ググッ

みほ「……」

まほ「ふ……ん……!!」ググググッ

みほ「……」

優花里「やはり両者、拮抗しています!! 一瞬の気のゆるみが勝敗をわけそうです!!」

まほは力を入れているのに、みぽりんは微動だにしていない(ように見える)……

ゴリラパワーキンジラレタチカラ!

アンチョビ「まばたきもできないぞ」

ペパロニ「すげー迫力っすねぇ!! これが西住流同士の決戦ってやつかぁー!!」

カルパッチョ「みほさんの答えはどうなるのでしょう」

まほ「は……ん……ぁ……」グググググッ!!!!

みほ「……」

みほ(やっぱり、負けたほうがいいのかな。お姉ちゃんのためでもあるし、カチューシャさんだってショックを受けるかもしれない)

みほ(お姉ちゃんのためだもん……いいよね……)

ケイ「ノー!! ダメよ!!」

みほ「……!」

ケイ「ミホ!! それでいいの!?」

みほ(ケイさん……)

ケイ「レッツ・戦車道!! でしょ!!」

ナオミ「隊長……どうしてそこまで……」

みほ「……」

まほ「んっ……くっ……ぅ……」グググググッ!!!!

みほ(勝たなきゃ……ここでわざと負けたってお姉ちゃんは喜ばない、それどころかきっと怒る……)

みほ(お姉ちゃんのためを思うなら……勝つしか……!!)

エリカ「……」

みほ「……!?」

エリカ(隊長に恥をかかせたら、どうなるか。分かっているでしょうね)

みほ(エ、エリカさん……)

エリカ(年賀状も送らないし、携帯電話も着信拒否してやるわ)

みほ(何かを訴えてるけど、よくわからない。きっと、私が勝ってしまったの報復をエリカさんは考えてる……)

みほ(迷惑メールや悪戯電話かな……それとも……ううん……エリカさんはそんなことしない……)

みほ(もう分からない……どうしたら……どうしたら……)

まほ「くぅ……ん……は……ん……」グググググッ!!!!

ねこにゃー「もしかしてこれが賞品なのかな?」

ももがー「なんかみつけたなり?」

みどり子「ちょっと、勝手になにしてるのよ。賞品は秘密なんだから探しちゃダメでしょ」

ねこにゃー「ご、ごめんなさい。けど、置いてたから……。リボンもまいてあるし、これかなって……」

杏「ねこちゃん、見つけちゃったの。それはマズいんじゃない? みせてー」

ねこにゃー「こ、これです」

ナカジマ「これって」

ホシノ「ボコだ」

みほ「……!」バンッ!!!

まほ「なっ……!?」

みほ「あ……」

ペパロニ「ん? あれ、どうなったっすか」

アンチョビ「しまったー!! 賞品のほうへ目がいってて、決定的瞬間を見逃してしまったじゃないかー!!」

ダージリン「勝敗は決しましたわね」

みほ「あの、違うんです!! これはフライングで!!」

ダージリン「それはありえません。――勝者、西住みほさん」

みほ「あぁぁ……」

梓「やったぁー!! やっぱり西住先輩、最高です!!」

アリサ「ゴリラね。間違いなく」


>>81
みほ(何かを訴えてるけど、よくわからない。きっと、私が勝ってしまったの報復をエリカさんは考えてる……)

みほ(何かを訴えてるけど、よくわからない。きっと、私が勝ってしまったときの報復をエリカさんは考えてる……)

エリカ「やってくれたわね……みほ……」

みほ「エリカさん……これは……その……」

エリカ「どーしてくれるのよ!!!」

みほ「すみません!!」

まほ「エリカ、やめろ」

エリカ「隊長……」

まほ「みほ、やはり腕相撲では勝てないな」

みほ「ごめん」

まほ「謝らなくていい。賞品は角谷さんが持っているボコで間違いない。持って行ってほしい」

みほ「私……別に強くなんて……」

まほ「謙遜しなくてもいい。みほは、この場で最強のレスラーだ」

みほ「れす……らー……」

まほ「どうかした?」

みほ「ううん……ありがとう、お姉ちゃん……」

杏「ちょっと待ってくれない? ホントに西住ちゃんは最強って言えるのか、疑問だよねぇ」

最早誰がゴリラに相応しいのかを決める場になりつつある様な気がしてきた

みほ「会長……」

沙織「どうみてもみぽりんが最強なんじゃないんですか?」

優花里「私もそう思います」

杏「んじゃ、西住ちゃん。おいで」

みほ「もしかして……」

杏「あたしとやろっか」

みほ「……」

杏「……」

みほ「分かりました」

華「もしや、会長は……」

カチューシャ「これでミホーシャに勝っちゃったら……」

ノンナ「最強の称号が移ってしまいますね」

杏「パンツァー」

みほ「フォー!」

杏「ほいさっ」バンッ

沙織「えぇぇぇぇ!?」

ケイ「……」

アリサ「バカな!! あんなに華奢なのに……!!」

杏「これで証明されたな。最強はあたしだ。んじゃ、このボコはあたしものー」

まほ「待ってくれ。その賞品は私に勝った者へ贈る品だ。欲しいのであれば私と……」

杏「お姉さんを倒した西住ちゃんに勝ったんだから、勝負するまでもないよな」

まほ「だ、だが」

杏「大洗のゴリラこと、角谷杏をよろしくっ」

アンチョビ「なんか納得いかないぞ。トーナメントの超シード権みたいにいきなり決勝戦とか、卑怯だ!」

杏「まぁまぁ、そもそもこれってなんのイベントなんだっけ?」

まほ「それは黒森峰の一大イベントだ」

杏「テーマは?」

まほ「ふれあい。黒森峰の悪くなりつつあるイメージを改善するために、私をはじめとする戦車道選手と触れ合える場を設けた」

杏「それで腕相撲か」

まほ「黒森峰の校風を崩さないようにした結果だ。少しでも戦闘の要素があれば、この学園の印象を損なわずに済むと思った」

杏「だったら、隊長が負けるわけにはいかないな」

まほ「……」

杏「誰かに負けることを想定しての賞品っぽいのも気になるし」

まほ「あなたは……」

杏「だから、逸見ちゃんは頑張ってたんだと思うし」

エリカ「そんなことは……」

杏「あの黒森峰の隊長と腕相撲なんて確かに夢のようなイベントだ。憧れてる選手も多いしな。けど、逸見ちゃんはそれをなんとしても阻止しようとした」

杏「結果、集まったのは一部の学校だけ。お姉さんと触れ合えたのもカチューシャと西住ちゃんだけ。これは問題じゃないかねぇ」

エリカ「ぐっ……」

杏「だから、腕相撲よりも面白い企画を用意してみたよ。かわしまぁ」

桃「はっ。全員、吊り看板に注目!!」

柚子「え?」

ガコン!!

沙織「看板がおちた!?」

まほ「もう一枚、看板がつられている……いつのまに……」

杏「各隊長との握手かぁーい」

みほ「握手……かい……?」

杏「触れ合うことをテーマにするなら、腕相撲で手を握るんじゃなくて、普通に握手したらいいんじゃない?」

まほ「だが、それではイメージが……」

杏「握手して話して、それでイメージが良い方向に変わればいいじゃん。あたしはお姉さんとこうして遊んでも、そこまで崩れなかったけどな」

まほ「そ、そうなのか」

アンチョビ「ところで各隊長というのはどういうことだ」

杏「チョビ子を含めた全隊長で握手会を開く。既に今日ゲリラ開催することを告知しておいた」

桃「あと30分ほどで握手会が始まる」

ケイ「それで人が集まるわけ?」

ダージリン「集まるでしょうね」

華「どうして言い切れるのですか?」

ダージリン「近くにいくつの学園艦があると思っているのかしら」

優花里「そ、そうでした」

麻子「それぞれの学園艦の規模を考えれば相当な数が集まるかもしれないな」

エリカ「そんな隊長を安売りするような真似を……!!」

杏「なら、このまま腕相撲を続ける? それでもいいけど、大変だよぉ。何万人と戦えるかな、逸見ちゃん」

エリカ「ぐ……うぅ……」

みほ「会長……どこで、こんなことを思いついていたんですか……」

杏「ここに来た瞬間に思いついた」

みほ「あはは……」

沙織「ちょっと、それじゃあ色んな男の人もきちゃうんじゃないの!? やだもー!!」

華「沙織さんは握手しないのでは?」

まほ「私は間違っていたのか」

杏「戦うことを忘れたほうがいいってこと。戦車道は何も戦うだけってわけでもないんだしな」

みほ「こうしてみんなで何かをすることも大切、ですよね」

杏「そうそう。まぁ、腕相撲大会は別でやってもいいけどな。賞品とかを出すならトーナメントでやったほうがいいな」

柚子「会長!! 大変です!! なんだか、人がたくさん集まっているみたいです!!」

杏「そろそか。そど子ー、整理券を配ってきてー」

みどり子「名前を略さないでください!! もう!! パゾ美! ゴモヨ!! 行くわよ!!」

ワイワイ……ガヤガヤ……

みどり子「列は乱さないでくださーい」

モヨ子「西住まほ隊長と握手希望のかたはA列に、ケイ隊長はB列に」

希美「安斎隊長はE列にならんでくださーい」

「ファンなんです!! これからもがんばってください!!」

まほ「ああ。あ、ありがとう」

「まさかアンチョビ隊長と握手できる日くるなんて!!」

アンチョビ「そうか。お前も頑張ってくれ。アンツィオで待っている」

ペパロニ「姉さん、留年する気っすかね」

カルパッチョ「それはないって信じたいけど」

「キャー!! ケイたいちょー!!」

ケイ「握手じゃ物足りないわ!! ハグぐらいしないとね!! 折角、会いに来てくれたんだし!!」ギュッ

アリサ「なぁ……ぁぁ……!!」

ナオミ「落ち着け」

アリサ「で、でも!! 隊長が!! 隊長が!!」

「かわいー! 頭なでてもいいですか!?」

カチューシャ「ふざけないで!! みおろさないで!!」

「ご活躍をいつも楽しみにしていますわ。ダージリン様」

ダージリン「ありがとう。そんなあなたに格言を。愛は全てを信じ、しかも欺かれない。愛は全てを望み、しかも滅びない。愛は自己の利益を求めない」

みほ(握手会って大変なんだ……手が痛くなってきちゃった……)

紗希「……」

みほ「丸山さん!?」

紗希「握手」

みほ「あ、ああ、うん」ギュッ

紗希「……」ニッコリ

みほ「……」

優花里「握手、お願いします!!」

みほ「優花里さん!? 並んだの!?」

優花里「勿論です!!」

みほ「あはは……ありがとう……」

みどり子「握手会は終了しましたー。速やかに退場してください」

杏「おつかれ」

みほ「これが腱鞘炎なんですね」

ケイ「疲れるわね」

アンチョビ「髪が乱れたな」

カチューシャ「なによ、みんなでカチューシャをバカにして!!」

まほ「黒森峰にこれほどの人数が集まったことはなかったかもしれない」

杏「でっしょ」

桃「黒森峰に入学したいといっている者たちも多かったようだ」

まほ「そうか……」

柚子「サンダースを希望する人が一番多かったような気がするけどね」

ケイ「嬉しいわね」

アリサ「あれだけハグしていれば籠絡されるわよね」

ナオミ「隊長は無自覚だから尚更だ」

ケイ「どーしたの?」

まほ「学ばせてもらった。礼を言う」

杏「いいよ。こっちはイベント慣れしてるだけだし」

まほ「生徒を集めるためか」

杏「廃校は回避した。だから、もうがんばる必要はなくなったけどな」

まほ「あなたは、凄い人だ」

杏「お姉さんほどじゃないって。外部から人を呼ぶイベントの立案。大変だったんじゃない?」

まほ「なに?」

杏「学園側から依頼されたんじゃなくて、お姉さんの罪滅ぼしだったんじゃないかってこと」

まほ「何故、そう思う」

杏「多少、学園の評判が落ちたからってイメージに影響するような企画を生徒に任せるほど、黒森峰は自由じゃないはずだから」

まほ「……」

杏「二年連続で優勝逃して焦ってたのは、隊長自身だもんな」

まほ「もう少し、頭を柔らかくしていれば握手会も思いついていたのだろうか」

杏「かもね」

まほ「色々を迷惑をかけて、すまなかった」

みほ「お姉ちゃん」

まほ「みほも今日はありがとう」

みほ「ううん。また、何かあれば言って欲しいな。できることはするつもりだから」

まほ「そのときは、頼む」

エリカ「……」

みほ「逸見さん」

エリカ「なによ」

みほ「楽しかった。また誘ってください」

エリカ「気が向けばね」

アンチョビ「そろそろ帰るか」

ペパロニ「そーっすねぇ。ハラもへったし」

カエサル「またね」

カルパッチョ「うんっ」

ペパロニ「姉さん。結局、誰がゴリラなんっすかね」

アンチョビ「カチューシャもゴリラだろうな。パワー的に」

ノンナ「……」

カチューシャ「疲れちゃったし、帰るわ」

ダージリン「またね、カチューシャ」

カチューシャ「ええ。ミホーシャもまた、あいましょ」

みほ「はい」

カチューシャ「それじゃあ、ピロシキ~」

ノンナ「……」

カチューシャ「ノンナ、どうしたの?」

ノンナ「少し寄るところができたので、先に学園艦に戻っていてください」

カチューシャ「分かったわ」

ノンナ「カチューシャがゴリラとは……面白い……」

カチューシャ「……?」

ダージリン「わたくしも失礼しますわ」

オレンジペコ「また是非、招待してください」

まほ「そちらも気兼ねなく私たちを招待してほしい」

みどり子「ほら、二列にならんで! そこ! 列を乱さない!!」

桃「それでは学園艦に戻るぞ!! 家に帰るまで気を抜くな!! いいな!!」

「「はぁーい」」

沙織「遠足じゃないんだから」

優花里「でも、楽しかったですよね」

沙織「楽しかったけどさぁ」

ケイ「アンジー、腕相撲でついたイメージはどうするの?」

杏「うん? ゴリラ、いいじゃん。かっこよくて」

ケイ「あははは!! 確かに!! ゴリラ、サイコーね!!」

アリサ「隊長、帰りますよ」

ケイ「オッケー!! またね!!」

杏「うん。バイバーイ」

みほ「お姉ちゃん、それじゃあもう行くね」

まほ「また連絡する」

みほ「うん!」

優花里「黒森峰のイメージ改革、成功でしょうか」

華「あれだけ開放的になったことがないと言っていましたし、成功ではないでしょうか」

麻子「これからも定期的にああいうイベントを催せばいいかもしれない」

沙織「次やるとしたらなにかなぁ?」

みほ「うーん。次は戦車道に関することでもいいと思うな」

優花里「戦術講座ですね!! 西住流の戦術も交えれば全国の戦車乗りが集まること請け合いです!!」

みほ「それもいいけど、やっぱり私はもっと親しみやすいことをしてほしいな」

華「そうすればまた黒森峰に行けますね」

みほ「え!?」

沙織「あー、そういうことなんだー」

優花里「やはり、黒森峰が恋しく……」

みほ「違う違う!! そうじゃないから!!」

華「そうなのですか」

みほ「私はみんなと一緒がいい。この大洗にずっといたいよ」

麻子「ふっ。別に気を遣わなくてもいいのに」

エリカ「終わってしまいましたね」

まほ「そうだな」

エリカ「……」

まほ「寂しい?」

エリカ「何を言っているのですか。私は別に……」

まほ「私は、寂しい」

エリカ「隊長……」

まほ「次は何をする」

エリカ「え?」

まほ「今回は黒森峰のイベントとは言えなくなってしまったからな。来月、一大イベントを行う」

エリカ「来月ですか!?」

まほ「これからもう一度、会議をする。エリカ、協力してほしい」

エリカ「は、はい」

まほ「握手会は外せないが、もう一つぐらいイベントがあってもいいだろう。それをどうするか……」

エリカ(隊長……楽しそう……。これでいいかもしれないわね)

数週間後 大洗女子学園

杏「にしずみちゃーん、招待状がとどいたよー」

みほ「え?」

杏「黒森峰から」

みほ「お姉ちゃん!?」

沙織「次はなにするのー?」

華「気になりますわ」

みほ「え、えーと……」


まほ『黒森峰女学園にて一大行事を行うことが決定しました。つきましては貴校のご参加を願っています』

まほ『今度は各校のイベントを取り入れたものを企画しました。その名もドキッ☆ガールズだらけの泥んこまつりです。お待ちしています』


みほ「お、おねえちゃん……」

杏「どんなことするんだろうねぇ」

沙織「みぽりん、次も握手会だけにしたほうがよくない?」

みほ「うん。電話で説得してみる」


おしまい。

おつおつ

乙でした
泥んこまつり(湿地戦演習)

おつー

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