遊戯「いきなりどうしたの、城之内くん」

城之内「だってよ遊戯、藍神のヤロー、海馬や遊戯とはデュエルしたくせに、俺のことはわけのわからねー世界にほっぽってそれきりだぜ？」

城之内「まぁ、未来のプロデュエリストであるこの俺に、恐れをなしたんだろーが」

城之内「それにしたってちょっとぐらい戦ってけっての」

遊戯「あはは……でも、彼の行う次元領域デュエルは、次元の狭間に無理矢理足場を作って行う、危険なデュエルなんだ。一歩間違えれば、すぐにこの世界から消滅してしまうような……」

遊戯「だから、やらないで済むなら、それに越したことはないよ」

城之内「うーん、そうだけどよ。結局危険な目に合うなら、デュエルの方が俺はいいぜ」

遊戯「そっか。城之内くんらしいね」

城之内「だろ！　あーあ、藍神のやつ、またこっちに来ねーかなー。遊戯んちでのデュエル大会も流れちまったしよー」



「フフフ……そんなに次元領域デュエルがしたい？」

遊戯「！？」

城之内「なっ……てめぇは！」



セラ「なら、わたしとデュエルしませんか？」

城之内（…………誰だ？？）

遊戯「セラ！」

セラ「また会いましたね、遊戯さん」

城之内「おい遊戯、誰だこのちっさい子は」

セラ「申し遅れました。わたしはセラ。ディーバ……藍神の妹です」

城之内「妹……あいつ、妹がいたのか。……そっか」

遊戯「どうしたの？　お兄さんと一緒に旅に出たはずじゃ」

セラ「少し事情があって……実はこれを」ｶﾁｬｯ


遊戯「これっ」

城之内「こ、こいつはっ…………新型デュエルディスクじゃねーか！！」

セラ「これは新型のデュエルディスクに更なる改造を加えた『新次元デュエルディスク』……海馬瀬人さんが開発した、王（アテム）と戦うための武器」

遊戯「海馬くん…………まさかっ」

セラ「海馬瀬人さんは、現世の意識を束ねるのみでなく、さらに高次元の意識にアクセスし、死者たちの作りだす意識領域…………冥界とも言える場所へと、足を踏み入れました」

城之内「か、海馬っ……あいつ、そこまでして」

遊戯「じゃあ海馬くんは、海馬くんはどうなったの！？」

城之内「……冥界って、つまり死……」

遊戯「っ……！！」

セラ「いいえ、瀬人さんは、まだ死んでいません」

遊戯「ほっ……よかったぁ」

セラ「ですが、危険な状態であることに変わりはなく……今も瀬人さんは、意識を冥界に置いたまま、目を覚ましません」

城之内「昏睡状態……ってことか？」

セラ「そう思ってもかまいません。……そして、そんな瀬人さんを心配したモクバさんが、この新次元デュエルディスクをわたしに託したのです」

遊戯「それじゃあ、このデュエルディスクはっ」

城之内「俺たちも、海馬を追って冥界へ行けってのか！！？」



セラ「あ、そうじゃないです」

遊戯「え、違うの？」

セラ「このデュエルディスク単体では、冥界にまでアクセスする力は持ちません。けれど……次元領域に干渉する技術の研究が進めば、瀬人さんを引き戻すことができるかもしれない」

城之内「え、えーっと……つまり、…………どゆこと」

遊戯「ボクたちは実験材料ってことだね」

セラ「はい。次元領域への干渉を研究するための、データが欲しい。そうモクバさんは言っていました」

セラ「……わたしたちは瀬人さんや皆さんにたくさん迷惑をかけました。なので、少しでも力になれればと、モクバさんに協力を申し出たのです」


城之内「へっ、よーやっと話が見えてきたぜ。つまりあれだろ？」ｶﾞｼｮﾝ

城之内「この新型デュエルディスクで、デュエルしろ。ってこった！」

遊戯「城之内くん！」

セラ「そう……それも、次元領域デュエルを」

城之内「いいぜ！　やってやろうじゃねーか！！」

遊戯「ちょ、ちょっと！」


城之内（へっへー、新型デュエルディスク、ゲットだぜ！）

城之内（しかも海馬のやつ、俺に助けられたと知ったらさぞ悔しがるだろうな～）

セラ「では、いきますよ」ｶﾞｼｮﾝ

城之内「あぁ！　デュエ」



セラ「デ　ュ　エ　ル　ッ　！　！　！　！　！　！　！　！　！　！」ｶｯ

城之内「」

セラ「先行はもらいますね、ドロー」

城之内（す、すげー気迫だった……ちょっとびびっちまったぜ。こんなちいさな子に）

セラ「わたしは、流星方界器デューザを次元召喚！！！！」

遊戯「！！」

城之内「次元召喚……！！」


セラ「はぁあああああああああああああああああ！！！！！！！！！！」

城之内「！？」



流星方界器デューザ［攻撃力８８００］ｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞ

城之内「こ、攻撃力８８００だぁ！？」

遊戯「次元召喚は、生贄を必要としない代わりに、自身の意識の強さでどれだけモンスターの力を引き出せるかが決まるんだ！」

遊戯（けど……集合意識の力はもうないはずなのに。すごいなぁ……）


城之内「気合いの勝負ってわけか……面白ぇ！　……っつっても、一撃でやられかねない攻撃力だぜ……！」

遊戯「いいや、次元領域デュエルでは、攻撃力の差ぶんじゃなくて、やられたモンスターの攻撃力ぶんのダメージを受ける。だから」

城之内「そ、そうか！　相手がどんなに強かろーが、こっちのモンスターの攻撃力が低ければ、たいしたダメージは受けねーんだな！」

セラ「その通りです。では……わたしはカードを二枚伏せて、ターンエンド」

城之内「よっしゃー！！　俺のターン！！」

城之内「ドロー！！！」


城之内（遊戯には守り方を教えてもらった。けどよ……ここは攻めるぜ！！）

城之内「俺は、真紅眼の黒竜を次元召喚！！！！」

遊戯「！　レッドアイズ！　城之内くんのエースモンスターだ！！」

城之内「ぅぉおおおおおおおおおおおおお……あっ」



ﾌﾟｩｰ

遊戯「えっ」

セラ「お、おなら？」///

城之内「は、ははは！　いやー力んだら屁が出ちまって……」


真紅眼の黒竜［攻撃力２００］ｸﾞｫｵ…

城之内「げげっ！？　攻撃力２００！！？」

遊戯「集中を切らすから……」

セラ「ウフフっ、おならって。攻撃力２００って」

城之内「う、うっせー！　笑うんじゃねーよ！」

城之内（……くっそぉ、けどこれじゃあどうしよーもねぇ）

城之内「俺はカードを二枚伏せて、ターンエンドだ！」

セラ「わたしのターン、ドロー。デューザでレッドアイズを攻撃！！　方界遠心拳（ﾌﾞｰｽﾄﾅｯｸﾙ）！！！」

デューザ［攻撃力８８００］→真紅眼の黒竜［攻撃力２００］

ﾄﾞｺﾞｫｵｵｵｯ！！


城之内「ぐぉっ……！　くっ、すまねぇ、レッドアイズ……」（ＬＰ８０００→７８００）


遊戯（レッドアイズはやられたけど、たいしたダメージじゃない……まだまだこれからだよ、城之内くん！）


セラ「わたしはこれでターンエンドです」

城之内「よし、今度こそ……俺のターン、ドロー！」

城之内「俺は、真紅眼の凶雷皇‐エビル・デーモンを次元召喚！！！！」


城之内「ぬぅおおおりゃああああああああ！！！！」

セラ「城之内克也さん、実はわたし、貴方のことが……」///

城之内「ぅえっ！？　なんだいきなり！？」

遊戯「！　城之内くん！　集中を切らしちゃだめだ！！」

城之内「っ！！」


エビル・デーモン［攻撃力２１００］ﾄﾞﾝ☆

城之内「あ、あっぶねぇー……最大値とはいかないが、どうにか攻撃力を保てたぜ」

セラ「クス……ごめんなさい。克也さん、なんだか面白くて……つい」

城之内「お、おぅ……いや、集中しきれてない俺がいけないんだけどよ。とにかく、いくぜ！！　エビル・デーモンで攻撃！！」

セラ「攻撃力はデューザが上ですよ？」

城之内「まぁ見てな！　リバースオープン！　悪魔のサイコロ！！」

セラ「これはっ……！」


ｺﾛﾝ、ｺﾛﾝｺﾛﾝ

［４］

遊戯「これでデューザの攻撃力は、４分の１だ！」


デューザ［攻撃力８８００→２２００］

セラ「フフ、惜しかったですね。もし最大値で召喚できていれば」

城之内「まだだ！　もう一枚のリバースも発動！！　鎖付きブーメラン！」


エビル・デーモン［攻撃力２１００→２６００］ｼﾞｬﾗﾝｯ


セラ「ならこちらもリバースカードを発動させます！」

城之内「なにぃっ！」

セラ「安全地帯！　これでデューザは破壊されません」

城之内「くそっ破壊できなきゃダメージも通らねぇ……！　カードを伏せてターンエンドだ」

セラ「では……わたしのターン、ドロー」

セラ「わたしは手札より方界業（ｶﾙﾏ）を発動。ヴィジャムを墓地へ！」


デューザ［攻撃力２２００→３０００］ｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞ

城之内「せっかく下げたデューザの攻撃力が上がっちまった！」


セラ「デューザでエビル・デーモンを攻撃！！」


デューザ［攻撃力３０００］→エビル・デーモン［攻撃力２６００］

ｽﾞｶﾞｧｱｱｱｱｱｯ


城之内「ぅああああああああっ！！」（ＬＰ７８００→５２００）

遊戯「城之内くん！！」

城之内「だ、大丈夫だ……まだやれる！」

セラ「さぁ、貴方のターンです」

城之内「おうよ！　俺のターン、ドロー！」

城之内「うっし！　こいつで決めてやる！　龍の鏡！！」

遊戯「ドラゴンズミラー……！　墓地融合カード！！」


城之内「来い！！　友情のモンスター……！！　うぅぉおおおおおおおおおおお！！！」



悪魔竜ブラック・デーモンズ・ドラゴン［攻撃力３２００］ｷﾞｬｫｵｵｵｵｵﾝ！！

セラ「攻撃力……３２００！！」

遊戯「やった！　最大値まで攻撃力が引き出された！」

城之内「見たか！　ざっとこんなもんよ！！」

セラ「けれど安全地帯があれば」

城之内「俺はさらに！！　モンスターを次元召喚！！！　うぉおおおおおおおお！！！」


人造人間‐サイコ・ショッカー［攻撃力２０００］ﾊﾞﾝ！

遊戯「うまい！　これならデューザを倒せる……！！」


城之内「いっけぇえ！！　ブラックデーモンズ！！　メテオフレア！！！」


悪魔竜［攻撃力３２００］→デューザ［攻撃力３０００］


ｺﾞｫｵｵｵｵｵｵｵｯ！！！

セラ「きゃぁあああっ！！！」（ＬＰ８０００→５０００）

ﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞ

ｸﾞﾗｧｱｱｯ

城之内「うぉおおおっ！！？　な、なんだっ！？　周りのソリッドビジョンがっ」

遊戯「！！　次元領域が不安定になってる！　すぐにデュエルをやめっ……」



ﾜｰ！　ﾜｰﾜｰ！！

城之内「あ、ありゃ……なんだ？　大勢の観客が見えるぞ……！」

セラ「次元の裂け目から、別の次元が垣間見えている……！？」



海馬『……』


遊戯「あれはっ…………海馬くん！！！！」


アテム『……』


城之内「もう片方はアテムだ！　まさかあいつらっ」

観客１『おぉお！！　またセト王とアテム王のディアハが始まるぞ！！』

観客２『いやぁー死してなお、お二人のディアハが見られるとはなぁ……生きてて、いや、死んでてよかった……』

観客３『これで何戦目だっけ？』

観客２『あぁ、３２０戦目だな。これまでセト王が１６２勝で勝ち越してる』



遊戯「」

城之内「」

セラ「まぁ……」

キサラ『……いつまでやるんでしょうね』

マハード『そろそろ連れ戻してやったらどうだ。本当に死ぬぞ』

キサラ『セト様、聞いてくださらなくて……』

マハード『アテム王も、けっこう負けず嫌いだしな……何戦すれば気が済むのやら』



海馬『出でよ！！　青眼の白龍（ﾌﾞﾙｰｱｲｽﾞ・ﾎﾜｲﾄﾄﾞﾗｺﾞﾝ）！！！』


キサラ『あ、呼ばれた。いってきまーす』ｽｩｯ

ブルーアイズ『……』ｽﾞｫｵｵｵｵ


遊戯『来い！！　マハード！！！』


マハード『はっ！　ここに！！』ｼｭﾊﾞｯ

城之内「……」

遊戯「……」

城之内「なぁ、遊戯」

遊戯「えっと……なに？」

城之内「連れ戻すか？」

遊戯「…………」

城之内「…………」



遊戯「ほっとこう」

城之内「だな」

セラ「えー……」





海馬『ワハハハハハハハハハ！！！　強靭！　無敵！！　最強！！！　これでとどめだ、遊戯ぃい！！』

アテム『それはどうかな？』

海馬『なにぃ！？』

アテム『伏せてある石板を発動！！　この石板の効果は……』






ENDLESS……