【ゆるゆり】結衣「全国大会・・・?」 (120)



京子「そう。今月末、ごらく部全国大会の地区予選があるんでみんなヨロシクー」

結衣「なんだそりゃ?」

ちなつ「また変な事言い出しましたよ」

あかり「ごらく部に大会があるなんて初耳だよぉ」



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1461670389



京子「あれ?言ってなかったっけ?」

結衣「言ってないも何も、初めて聞いたぞそんなもの」

ちなつ「ここ以外にごらく部が存在するってだけでも驚きでなんですけど」

あかり「去年はどうだったの?」



京子「去年は部員不足だったからね。最低3人いないと出場が認められないんだ」

結衣「何かとってつけたような言い訳だな」

ちなつ「都合が良すぎますよほんと」

あかり「でも全国大会かー。すごいねー」



京子「っていうわけで、みんな大会にむけて気合い入れて部活に励むようにー」

結衣「励むって、・・・何をどうしたらいいんだ」

ちなつ「あ、人をだましてからかってる時の言い方ですよこれ」

あかり「もー、京子ちゃんってば。ちょっと本気にしちゃったじゃない」



~1ヶ月後~

ピンポーン・・・

結衣「はーい」

ガチャ

京子「よっ」

結衣「なんだ、京子か」



京子「準備できてる?」

結衣「準備って・・・何の?」

京子「地区予選大会だよ」

結衣「は?」



京子「あかりもちなつちゃんももう会場に向かってるからさ。さぁ行くよ結衣」

結衣「は?ちょっとそれ冗談じゃ・・・おい引っ張るなって!」



~富山市民体育館~

京子「よー、お待たせー」

結衣「あ、2人とも」

ちなつ「京子センパイ、休日にこんな所に呼び出してどういう事ですか?」

あかり「あかり、まだ眠いよぉ・・・」



京子「今日はごらく部の地区予選大会があるって言ったじゃんか」

ちなつ「は?」

あかり「え?」



京子「さぁ、みんな張り切って予選突破するぞー!」


結衣「・・・この前の冗談まだ続ける気だ」

ちなつ「・・・どうオチをつける積もりなんでしょうか?」

あかり「ま、まぁちょっとだけ付き合ってあげようよ?」



京子「ささ、控え室はこっちだよ」

結衣「お、おい京子、裏口から勝手に入っていいのか?」

ちなつ「怒られますよ?」

あかり「京子ちゃん、本当に大丈夫なの・・・?」



~控え室~

ワイワイ・・・

結衣「な、なんだ?人がいっぱいいるぞ?」

ちなつ「これも京子センパイの仕込み?」

あかり「え・・・?もしかして大会って本当なの?」



京子「みんな、別に緊張しなくていいよ?リラックスしていこう」

京子「いつも通りの実力を発揮すれば、必ず予選は突破できるから!」

結衣「お前は何を言っているんだ?」

ちなつ「そもそも、何を競うんですか?」

あかり「実力って、どういうこと・・・?」



女子「あら今日は。あなたがたが七森中さん?」

京子「お、アンタらは二森中・・・」

女子「1回戦で私達に当たるとは、あなた達も不運ですね。ウフフ・・・」

京子「それはこっちのセリフだ、二森中さん」

女子「まあせいぜい、今のうちに粋がるがいいですわ。いい試合しましょうね・・・フフフ」

京子「くっ・・・!」


結衣「・・・なんか、それっぽいキャラまで現れたぞ?」

ちなつ「ごらく部ってこんなスポ根マンガみたいな部でしたっけ?」

あかり「し、試合ってどういう事なの・・・?」



京子「みんな、今のが1回戦の対戦相手の二森中だ」

京子「全国大会に、何度も出場してる強豪だ・・・」

京子「でも、大丈夫。みんなの普段の実力を発揮すれば、必ず勝てる!」

結衣「だから、お前は何を言ってるんだ?」

ちなつ「さっきから状況がさっぱりつかめないんですけど」

あかり「本当に冗談?じゃないの・・・?」



ピンポーン・・・

・・・七森中学校の皆さん、出場お願いします・・・


京子「おっ、みんな出番だ」

京子「さぁ、張り切って行くぞ!」

結衣「ちょ、ちょっと押すなって!」

ちなつ「本当に試合やるんですか?」

あかり「な、何がどうなってるの・・・?」



~会場~

ワァァァァ・・・

ガンバレー・・・!


結衣「か、観客席が満席!?」

ちなつ「い、一体全体何なんですかコレ?」

あかり「ひぇ~、い、今、すごく注目されてる・・・わぁい・・・」



実況「さぁ、七森中ごらく部の皆さんの入場です」

解説「彼女たちは今回が初出場ですね。いい内容を期待します」

実況「ところで、七森中の部室の構成はいかがでしょう?」

解説「廃部になった茶道部を利用しているパターンですね」

解説「残されている設備をどのように利用するかが勝負のカギとなりそうです」

実況「ありがとうございました」


結衣「実況と解説までいる!?」



京子「ほら、部室にそっくりのセットがあるだろ?」

京子「じゃあ、みんなそこに入ってスタンバイして」

結衣「あ、ホントだごらく部そっくりのセットが・・・」

ちなつ「て、手が込んでますね」

あかり「あれに入ればいいの?」



京子「そう。そんでみんな普段通りに過ごしてくれればいいから」

京子「リラックスして、いつもの実力を発揮しようぜ!」

結衣「・・・もう何から突っ込んでいいのやら」

ちなつ「こんな試合あるなんて聞いたことありませんよ?」

あかり「と・・・、とにかく、頑張ろうよ、ね?」


~部室のセット内~

結衣「な、なんか妙な気分だな・・・」

京子「ほら結衣、座って座って!」

京子「試合はもう始まってるんだよ?」

結衣「あ、ああ・・・」



京子「・・・さーって、今日は何すっかなー」

結衣「な、何だかものすごく落ち着かないな・・・」

ちなつ「そもそも、どんな状況なんですかコレ?」

あかり「い、いつも通り、いつも通りと・・・」



京子「うーん、とりあえずノドが乾いたかなー」

ちなつ「あ、じゃ、じゃあお茶いれてきますね」


審判「『プット・ア・ティー!』1ポイントッ!」ピィッ!

ワァァァー・・・


結衣「うおわっ!?」

あかり「な、何!?」



実況「さぁ、早速ポイントが入りましたね」

解説「お茶をいれて、リラックスできる雰囲気にする・・・」

解説「基本に忠実ですね。いい展開が期待できそうです」


結衣「な、何なんだ・・・」



京子「おっ、さすがちなちゅー!気がきくねぇー」

ちなつ「ちなちゅ言わないでください。京子センパイの分入れませんよ?」

京子「そんなぁ~、ねぇ、結衣~ちなつちゃんがぁ~」

結衣「えっ、えっと・・・」



京子(・・・ほら結衣、いつもみたく!)

結衣(あ、ああ・・・)

結衣「ち、ちなつちゃん、京子の分も入れてあげなよ」



京子「・・・」

京子「フゥ・・・」クビフリ

審判「・・・」

審判「・・・ハァ」ヤレヤレ


結衣「何なんだ2人のその反応!?」



実況「おーっと、これはいけませんねぇ」

解説「ええ。ありきたり過ぎますね。ここでもう一ひねり、ギャグを絡めるか・・・」

解説「角が立たないように『お前が悪いんだぞ?』等のセリフであれば・・・」

解説「『ルーゼン・アップ・ザ・アトモスフィア』でポイントに繋がったんですがねぇ~」


結衣「・・・なんか腹立つなぁ」



ちなつ「・・・もう、結衣センパイの頼みじゃしょうがありませんね」

ちなつ「京子センパイ、結衣センパイに感謝してくださいね?」

京子「おっ、さっすがちなつちゃん、優しーい!」


審判「『リアリィ・フレンドリィッ!』1ポイント!」ピィッ!

ワァァァー・・・


結衣「こ、今度は何だ?」

あかり「こ、これで得点なの・・・?」



実況「おーっと、ちなつ選手いいプレイですねぇ」

解説「ええ。一度冷たくしておいて、後から優しくする・・・」

解説「こうする事で、より一層優しさが強調されましたね」

実況「あと、京子選手のアシストも見事でしたね」

解説「ええ。最初にあえて嫌がらせをしておいて、このプレイを引き出しましたね」

実況「船見選手のミスを完璧にカバーしたといった所でしょうか」


結衣「くっ、何だこの屈辱感・・・」

あかり「ど、ドンマイだよ結衣ちゃん」



ちなつ「・・・さぁ、お待たせしました。お茶が入りましたよ」

京子「おー、いい香りじゃーん」

京子「どれどれ・・・」ズズ・・・

京子「んっ、おいしい!」

ちなつ「茶道部志望ですもん、当然ですよ」

ちなつ「いれかたに、ちょっとしたコツがあるんです」


審判「『メイク・ア・グッド・ティー!』1ポイントッ!」ピィッ!

ワァァァー・・・


結衣「またか・・・」

あかり「ちなつちゃん、大活躍だね・・・」



実況「おっと、珍しい得点が入りましたよ」

解説「そうですね。ただお茶をいれただけでは1得点なんですが・・・」

解説「おいしく入れる工夫をする事で、さらなる得点に繋げて来ましたね」

実況「えーと、資料によればちなつ選手は茶道部志望という事ですが・・・?」

解説「経歴と環境を上手に生かしたコンビネーション、これは見事ですね」


結衣「フツーにお茶入れただけだろ?」



実況「さて、ちなつ選手、京子選手のアシストもありここまで3得点をあげる快挙です」

実況「一方、先ほど手痛いミスを犯した船見選手と」

実況「得点にまったく絡まない空気のあかり選手」

実況「これからどう巻き返しを見せてくれるのでしょうか?」


あかり「ひっどーい!?」

結衣「ま、まぁよくわからないけど頑張ろうな・・・」



京子「ちなつちゃん、すごいじゃん!」

ちなつ「そ、そうですか?いつも通りのことしてるだけなんですけど・・・」

京子「その調子で頼むよ!」

ちなつ「え、ま、まぁ、任せてください!」


結衣「ちなつちゃんが、ついに向こうの世界に・・・」

あかり「ちなつちゃんって、なんだかんだで順応性高いよね・・・」



京子「・・・うん。ちなつちゃんのお茶は本当おいしいなぁー」ズズ

ちなつ「ありがとうございます」

結衣「・・・まぁ確かに、いつも通りお茶はおいしいな」ズズ

あかり「そうだよねー」ズズ


あかり「ちなつちゃんのお茶は、今日もおいシーラカンスだね」



京子「・・・」

審判「・・・」

あかり「・・・ん?え??」



実況「・・・」

解説「・・・」

あかり「な、なに?なに?」



京子「・・・でさー、昨日さー」

実況「さぁ、あかり選手本日まだ一言も発言がありません」

解説「会話も大事な要素ですから、発言がないのはそれだけでチームにとってマイナスですね」


あかり「ちょ、ちょっとぉぉ!?」



あかり「・・・あんまりだよぉー・・・」シクシク・・・

結衣「まぁまぁ、あかり気を落すなって(あのダジャレはないなぁ・・・)」



結衣(・・・けど、ダジャレか・・・)

結衣(・・・)

結衣(・・・よし!)



結衣「み、みんな」

京子「ん?どうした結衣?」

ちなつ「何ですか?」

あかり「・・・ん?」



結衣「このお茶飲んで、頑張らなくちゃーね」

結衣「なーんちゃって」



京子「・・・」

ちなつ「・・・」

結衣「あ、あの・・・」



京子「・・・プックク・・・」

ちなつ「フフッ・・・なんですかそれ・・・」

結衣「だ、だから・・・」

京子「プッ・・・」



京子「・・・あーっはっは!だ、ダメだツボに入った・・・」

ちなつ「フッ、フフ・・・」


審判「『ラフ・ウィズ・パンズッ!』1ポイントッ!」ピィッ!

ワァァァー・・・


結衣「おお!?」



実況「いやー、やりますねぇ結衣選手」

解説「そうですね。お茶に絡めたダジャレでポイントを稼いで来ましたよ」


結衣「い、いやぁ・・・」



実況「それにしても、お茶飲んで、頑張らなくちゃー、ですか」

解説「おまけに、なーんちゃって、と畳み掛けて来ましたね」


結衣「う・・・」カァ



実況「いやぁ、見事なダジャレです!皆さん、盛大な拍手を!」パチパチ・・・

解説「あのダジャレをいう勇気、さすがです!」パチパチ・・・

ワァァァー・・・パチパチ・・・


結衣「や、やめろーっ!」



京子「クックク・・・私達も、お茶飲んで頑張らなくちゃーね」

ちなつ「そ、そうですね・・・フフッ・・・」

結衣「うああー!」



結衣「うう、死ぬほど恥かしい・・・」

あかり「で、でも良かったじゃない結衣ちゃん」

あかり「あかりも、お茶飲んで頑張らなくちゃだよ!」

結衣「ホントにやめろぉー!」



実況「・・・さて、七森中ここまで中々いいペースですね」

解説「ええ。初出場ながらなかなかの健闘を見せていると思います」

実況「さぁ、先ほど見事なダジャレを見せた結衣選手に注目が集まります」

解説「さらなる活躍が期待できそうですね」


結衣「もう、帰りたい・・・」



京子「・・・さーて、それじゃあこれを使おう」

結衣「・・・何をする気だ」

ちなつ「それ、話題ボックスですよね?」

あかり「どうするの?」



京子「この中に、私が『ある物』を入れておいた」

京子「それを触って、何か当てるゲームだー」

結衣「・・・何だか猛烈に嫌な予感がするぞ?」

ちなつ「さ、触って大丈夫なモノなんでしょうね?」

あかり「へ、蛇とか入ってないよね?」



京子「大丈夫大丈夫。ささ、誰がやる?」

結衣「じゃ、じゃあ・・・私がやるよ」

ちなつ「ゆ、結衣センパイ気をつけてくださいね・・・」

あかり「が、頑張って結衣ちゃん」



実況「この動きはどうでしょうか?」

解説「ええ、中々素晴らしいと思いますよ」

解説「安易にトランプやウノに頼らないで、オリジナリティで勝負してきましたね」

解説「ここからの展開次第では、得点に結びつく可能性が十分にあります」

実況「ありがとうございます」


結衣「・・・やり辛いなぁもう」



結衣「こ、怖いな・・・本当に変なもの入れてないだろな?」

京子「大丈夫だってーの。指食いちぎらないから」

結衣「食いちぎられてたまるか!ったく・・・」

結衣「・・・ん」オソルオソル

プニ



結衣「あひゃんっ!」

ちなつ「ど、どうしたんですか?」

あかり「ゆ、結衣ちゃん大丈夫!?」

結衣「な、何かプニっとしてツルッとしたのが・・・」

京子「・・・プックック・・・!」



京子「ゆ、結衣・・・あひゃん!だって・・・あーっはっは!」

ちなつ「ぷぅっ・・・、ゆ、結衣センパイ、かわいい・・・」

あかり「あはは」

結衣「京子、おまえーっ!」


審判「『キュート・ヴォイス・ザット・アヒャンッ!』1ポイントッ!」ピィッ!

ワァァァー・・・


結衣「だから、やめろって!」



実況「いやー結衣選手、いい反応ですねぇ」

解説「そうですね。狙っては出来ないあの反応、これは素晴らしいですね」

解説「見た目クールな結衣選手の、意外な女の子らしさが評価されましたね」


結衣「いじめだろ、こんなのもう・・・」



京子「あっはっは、あー可笑しい・・・」

結衣「いつまで笑ってるんだ、京子!」

ちなつ「結衣センパイ、どんな感じでした?」

あかり「何が入ってるか、わかった?」



結衣「え、さぁ・・・何かプニプニした物が入ってたな」

ちなつ「プニプニ・・・?」

あかり「何だろう?」

京子「わかんない?じゃ、しょーがないなぁ。見せてあげよう」



京子「じゃーん!」パカ

結衣「うお?これは?」

京子「お茶菓子代わりのプリンだー!しかもボウル一杯ぶんー!」

京子「私の手作りだー!」

あかり「わぁ、すごーい!」



京子「どーだー。食べ放題だぞー」

結衣「フツーに出せお前は。触っちゃっただろ」

ちなつ「きゃあ、結衣センパイの味つきプリン!」

あかり「すごい、京子ちゃんプリン作れるんだー」


審判「『サプライズ・スイーツッ!』1ポイントッ!」ピィッ!

ワァァァー・・・



実況「これは、見事に決まりましたね」

解説「そうですね。ただお茶菓子を提供するだけではなくて・・・」

解説「そこに、しっかりと娯楽を挟んで来ましたね」

解説「さすが、ごらく部の部長と言ったところでしょうか」


京子「どんなもんだー」



京子「さぁさぁ、みんな取り分けて」

京子「ホラ食べて食べて」バクバク

結衣「お前が真っ先にがっついてどうするんだ」

ちなつ「京子センパイ、結衣センパイのさわったとこは私のですからね!」

あかり「あ、あかりもいただきまーす」



実況「・・・さて、本日まだ全く得点のないあかり選手もプリンを食べようとしておりますが」

解説「ええ。全くずうずうしいですね。空気のクセに」


あかり「えっ・・・」



京子「・・・」ジー

審判「・・・」ジー


あかり「うっ・・・」



あかり「・・・」

あかり「お、お茶とプリンで・・・」

あかり「・・・チャップリン」



京子「・・・」

結衣「・・・」

ちなつ「・・・」


あかり「・・・」



審判「試合終了ーーッ!」ピィーッ!


あかり「ちょっとーっ!?」



実況「おーっと、ここで試合終了のホイッスルです!」

実況「いかがでしたか?」

解説「ええ。素晴らしい内容だったと思います」

解説「茶道部の部室という特徴を生かし、メンバーそれぞれの持ち味を引き出しましたね」

解説「ただ、あかり選手が最後まで一言も発言がなかったのが残念です」


あかり「ひどいよーっ!?」



実況「それ以外は、素晴らしい内容でしたね」

実況「それでは、七森中の皆さんに盛大な拍手を!」

ワァァァー・・・パチパチ・・・


京子「・・・あっかりぃー、何やってんだよ全く」

ちなつ「もう、あかりちゃん、しっかりしてよ!」

結衣「ま、まぁ・・・よく頑張ったよあかりは」

あかり「うえぇーん・・・」



~控え室~


京子「とりあえず、みんなお疲れ様。よくやってくれたよ」

京子「全部で6得点か・・・これは、行けるぞ!」

ちなつ「いい点数なんですか?」

結衣「判断の基準がさっぱりだな」

あかり「勝てそうなの・・・?」



女子「・・・七森中さん、ご苦労様」

京子「お、アンタら」

女子「初めてにしては中々のものでしたけれど、所詮は弱小校・・・」

女子「私達二森中の敵ではないわね」

京子「なにぃ~」



女子「私達は、メンバーの質が違うんですのよ・・・」

女子「アナタ達と違って」

京子「メンバーの質?」



女子「そう。今回は必勝を期して・・・」

女子「バスケ部の全国大会出場者、サッカー部のエース、水泳部の副主将を」

女子「特別に引き入れたのよ!」

京子「何だってぇ~!?」


結衣「引き入れてどうするんだそれ?」



女子「特技もない雑魚たちの及びもつかない、私達の完璧なごらく部活動・・・」

女子「指をくわえて見てるがいいわ」

京子「くっ・・・」



京子「さすが強豪校、メンバーの層の厚さがちがう・・・」

結衣「そういうもんなのか?」

ちなつ「私達って、確かに毎日遊んでるだけですものね・・・」

あかり「き、きっと勝てるよ!」

京子「・・・とにかく、向こうの試合を見よう。観客席に移動するぞ」


~観客席~

京子「さぁ、そろそろ始まるぞ」

ちなつ「他のごらく部の活動を見るのって、なんか妙な気分ですね」

あかり「あ、あかりはちょっと興味あるかも」

結衣「しかしよくわからない競技だ」



実況「さぁ、二森中がスタンバイしました」

解説「今回は特別にバスケ部の全国大会出場者など、豪華なメンバーで挑んできたようです」

実況「そうですね。さて、どのような試合展開を見せてくれるのでしょうか?」

解説「非常に楽しみですね」



バスケ女子「ハッ!」ザシュ

ワァァァー・・・


実況「おおっと、いきなり3ポイントシュートが決まりましたよ?」

解説「ええ。当然のように決めてきましたね」

実況「いやぁ、綺麗なフォームでした。一方、向こうでは・・・?」



空手女子「エイ!ヤァ!」

ワァァァー・・・


実況「見事な演武が披露されております」

解説「あれは、中々難易度が高いんですよ」

実況「中学生とは思えない動きのキレですね」



京子「・・・さすが、強豪校」

京子「私達には、とてもマネができない・・・」

ちなつ「ど、どうなるんですか?」

あかり「あかり、負けたくないよぉ」

結衣「そもそも、何を競ってるんだこれは?」



実況「さて、一方こちらでは・・・?」


水泳部女子「・・・」


実況「水泳部の選手、プールが見当たらなくてウロウロしています」

解説「ここにプールはありませんから、当然でしょうね」



京子「この選手層の厚さ、さすがだ・・・」

結衣「水泳部はどー考えても人選ミスだろ?」



バスケ部女子「ハッ!」ザシュ

ワァァァー・・・


実況「おーっと、ここでまた3ポイントシュートが決まりました」

解説「バツグンの安定感ですね。素晴らしいと思います」

審判「試合、終了ーーッ!」ピィーッ!

ワァァァー・・・



実況「さぁ、ここで試合終了のホイッスルが鳴りました」

実況「バスケ部選手、空手部選手ともに素晴らしい動きでしたね」

解説「ええ。非常に見ごたえのある内容でした」

実況「その通りですね」


京子「くっ・・・」



京子「・・・さすが二森中、手ごわい・・・」

結衣「・・・最後の最後までよくわからなかったな」

ちなつ「ど、どうなんですか?私達、勝てそうですか?」

あかり「負けるのヤだよぉ」

京子「さぁ・・・とにかく、これから結果発表だ」

京子「みんな、会場に移動するぞ」


~会場~

女子「あら。七森中のみなさん」

女子「どうでした?私達の完璧な内容は」

京子「・・・くっ!」



京子「イヤミなやつ・・・!」

結衣「・・・アイツは1番何もしてなかったんじゃなかったか?」

ちなつ「あかりちゃん、仲間がいたよ。良かったね」

あかり「何が!?」



女子「まぁ、ザコの集まりが私達に勝とうなんて」

女子「100年早いわよ!」

京子「くっそぉ・・・!」


結衣「勝ったとしても、自分の力じゃなくないか・・・?」

あかり「あかり達、ザコじゃないよ!」

ちなつ「あかりちゃんはザコだったじゃない」

あかり「ひどい!?」



審査委員長「えー、それでは両チーム整列して下さい」

京子「あっ、ほらみんな並んで!」



審査委員長「両チームとも、お疲れ様でした」

審査委員長「・・・それでは、結果を発表したいと思います」


京子「・・・」ゴクリ

ちなつ「お願い・・・」

あかり「勝てますように・・・」

結衣「な、何かさすがにドキドキしてきたな・・・」




審査委員長「勝者は・・・」





審査委員長「七森中ごらく部!」

ワァァァー・・・


京子「・・・い、」



京子「いやったぁーー!」

ちなつ「ほ、ほんとに?ほんとに私達の勝ち?」

あかり「やったぁ!」

結衣「・・・はぁ、なんかよくわからんけど良かった」



バスケ女子「どうしてなんですか?」

空手女子「納得できません!」

審査委員長「・・・えー、それでは審査理由を発表します」



審査委員長「二森中ごらく部の活動内容は、バスケ部、空手部としては素晴らしい」

審査委員長「しかし、残念ながらごらく部の活動ではないですね」

女子「そんなー!?」


ちなつ「それもそうですね・・・」

結衣「バカなのかあいつは・・・」



京子「みんな、やったぞ!全国大会に出場だ!」

ちなつ「ぜ、全国大会ですか?」

あかり「わぁい!お姉ちゃんに報告しなくっちゃ」

結衣「ごらく部って、全国にあるもんなんだなぁ」



京子「全国大会は、1週間後!今度の会場は東京だ!」

京子「大会の様子は、テレビでも中継されるぞ!」

ちなつ「ほ、本当なんですか?」

あかり「ええー?て、テレビに映るのぉ?」

結衣「それはものすごく恥かしいぞ!?」



京子「そういうわけで、今日はゆっくり休んで・・・」

京子「明日から、また部活頑張るぞー!」

あかり「おーっ!」

ちなつ「こうなったら、優勝目指しましょう!」

結衣「・・・そうだな。もうとことんまでやってやるか!」



~結衣の家~

結衣「全国大会か・・・」

結衣「ふふ、始めは変な競技だと思ったけど」

結衣「何だか面白くなって来たな」

結衣「さて、今日は明日に備えて早めに寝るか」

結衣「明日、部活・・・・・・頑張って・・・・・・」zzz・・・

ーーー
ーー





~次の日、通学路~


結衣「よーっす」

京子「よお湯衣」

ちなつ「あ、結衣センパイ」

あかりおはよう、結衣ちゃん」



結衣「さて、今日はごらく部に行ったら私がお茶をいれるよ」

京子「お?結衣が?珍しいね」

結衣「そりゃ全国大会に向けて、私も少しは練習しなくちゃね」

ちなつ「・・・へ?」

あかり「全国大会?」



結衣「そう。お茶飲んでがんばらなくちゃーね」

結衣「なーんちゃって」

ちなつ「ど、どうしたんですか結衣センパイ?」

あかり「こ、こんなダジャレ言う結衣ちゃん、初めてだよ?」



結衣「え?だって、昨日ごらく部の全国大会予選が・・・」

ちなつ「・・・それって、京子センパイが前に言ってた冗談ですよね・・・?」

結衣「・・・へ?」



ちなつ「夢でも見たんじゃないですか?」

結衣「で、でも、昨日確かに・・・」

あかり「ごらく部に全国大会があるなんて、聞いた事ないよぉ」

京子「プッ、クク・・・」



京子「・・・お茶飲んで、頑張らなくちゃーね・・・クッ・・・!」

ちなつ「ぷぅーっ!」

あかり「あ、あはは・・・」

結衣「こ、こら京子ーっ!」



京子「あーっはっは!」

結衣「お、お前が変な冗談言うから変な夢を・・・」



京子「ひー、ひー・・・それよりさぁ、結衣」

結衣「何だ」


京子「今度、ごらく部がオリンピック競技になるんだって」

結衣「いいかげんにしろーっ!」



終わり

以上になります。
詠んでくれた方ありがとうございました

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom