千枝「事務所でリコーダーが盗まれました……」 (124)

千枝「明日授業で使うのに……」グスッ

舞「プロデューサーさん……」

梨沙「キモ……」

ありす「最低です」

薫「え?せんせぇが犯人なの?」

P「違う!そうじゃない!」

薫「せんせぇ犯人じゃないって!」

P「そうだそうだ!もっと言ってやれ!」

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みりあ「みんなでプロデューサーにごめんなさいしよう?」

P「いや、いいよ。それより犯人捜しだ」

舞「でもプロデューサーさんじゃないなら誰が……」

P「サラッと酷いことを言うな君は」

ありす「あの……」

P「ん?どうしたありす?」

ありす「女子のリコーダーを盗むなんて男子のやることですよね?」

P「あ、ああ……」

ありす「ここに男性はプロデューサーさんしかいないと思うのでやっぱりプロデューサーさんしか……」

梨沙「例えば、アンタの鞄の中とか探せば分かるってことよね」

P「!?」

薫「せんせぇを疑うなんて酷いよ!」

みりあ「そうだよ!ありすちゃん、梨沙ちゃん、プロデューサーに謝って!」

ありす「えっ……。う……すみません、でした……」

梨沙「悪かったわよ……」

P「いや、いいんだ。早く犯人を捜そう」

P「改めて状況整理だ。あったことを順番に整理していこう」

千枝「は、はい!確かあの時は千枝とみりあちゃんと千佳ちゃんの3人だけで…………」


―――――――

――――

――

みりあ「千枝ちゃん、それリコーダー?」

千佳「千枝ちゃんの学校って白のリコーダーなんだー!かわいー!」

みりあ「ちょっと珍しいよね!」

千佳「あたしのはこれ!黒い普通のやつ!」

みりあ「みりあのと一緒だぁ!」

千枝「あ、明日リコーダーのテストがあるから練習しようと思ってて……」

みりあ「あっ!みりあもこの前この曲でテストしたよ!」

千枝「ホント?じゃあちょっと聴いてもらっても……」

みりあ「いいよ!」

千佳「あたしも練習しようーっと!」


――

――――

―――――――

みりあ「しばらく練習してたら日菜子ちゃんが千佳ちゃんを迎えに来て、2人は一緒にお仕事に行っちゃったの」

P「確かに今日はその2人で収録があったはずだ」

千枝「それで2人が行った後千枝もお手洗いに行ったんです。それで戻ってきたら失くなってて……」

P「なるほどな……」

梨沙「みりあは千枝と一緒に行かなかったの?」

みりあ「うん……。で、でもみりあじゃないよ?」

梨沙「それをどうやって証明するのよ!」

みりあ「えっ……えっと……」

ありす「ではみりあさんが1人でここにいた間に誰か来ましたか?」

桃華「わたくしとプロデューサーちゃまが来ましたわ」

P「ああ。撮影現場まで桃華を送る前に用事があってな」

―――――――

――――

――

ガチャッ

P「ただいまー」

みりあ「あっ、プロデューサー!」

P「おっ、みりあちゃんか。ただいまー」

みりあ「おかえりなさい!お仕事終わったの?」

P「いや、これから桃華ちゃんをスタジオまで送っていくんだけど、そのついでに小春ちゃんの家に行ってドラマの台本を届けに行こうと思ってな……」ガサガサ

みりあ「そうなんだ。小春ちゃん風邪なんだよね?大丈夫かな……」

P「うーん……。さっき家に電話したら薬飲んで寝てるから大丈夫だろうってお母さんが言ってたぞ」ガサガサ

みりあ「そっか……。あ、さっき千枝ちゃんがねー」

P「おっ、あったあった。ごめんみりあちゃん!急いでるからまた後でな!」

みりあ「うん……」

――

――――

―――――――

桃華「わたくしは入り口のあたりからずっとその様子を見ていましたわ」

薫「ってことはせんせぇと桃華ちゃんとみりあちゃんは違うってことだね!」

梨沙「待って。桃華たちが出ていった後みりあはまた1人きりになったからまだ犯行は可能なはずよ」

薫「ううん!みりあちゃんはかおると一緒にココア飲んでたんだよー!」

P「ああ、そういえば俺達が出る時ちょうど薫ちゃんが入ってきたんだ」

―――――――

――――

――

薫「あっ!桃華ちゃん!せんせぇ!」

P「薫ちゃんか。お疲れ様」

桃華「なんですの?それ?」

薫「えっとね、かおる今日ココアのCMに出たからご褒美に貰ったの!」

桃華「そうでしたの」

P「桃華ちゃん!急がないと間に合わないぞ!」

桃華「そうですわね。では薫さん、ごきげんよう」

薫「うん!まったねー!」



薫「たっだいまーー!」

みりあ「あ、薫ちゃん!おかえり!……ココア?」

薫「さっき貰ったんだー!一緒に飲もー!」


――

――――

―――――――

みりあ「それで2人で給湯室に行って……」

桃華「ということはこの部屋に誰もいない時間があったということですの?」

みりあ「あっ!そっか……」

千枝「その時かも……。千枝が戻ってきた時2人とも給湯室から出てきたから……」

みりあ「ごめんね……。みりあがちゃんと見てなかったから……」

千枝「ううん……。みりあちゃんのせいじゃありません……」

P「犯人絶対許さねぇ!」


ありす「今のところアリバイが証明できていないのは舞さん、梨沙さん、それから私ということになりますね」

梨沙「ねぇ、アタシ達って失くなった後に来てるんだし関係なくない?」

ありす「甘いですよ。もしかしたら盗んでからすぐどこかに隠して千枝さんが泣き出すタイミングを見計らって白々しく戻ってきたのかも」

梨沙「へぇ、随分犯人の思考に詳しいじゃない」

ありす「なっ、わ、私は違います!鞄の中見ますか!?」

梨沙「アンタさっき自分で言ったじゃない!どこかに隠してって!」

舞「ま、まあまあ……。誰もいない時間があったなら私たち以外の誰かって可能性もあるし……」

ありす「そ、そうですよ!梨沙さん!いったん落ち着いてください!」

梨沙「っていうか思ってたんだけど舞!アンタあんまり喋ってなかったわよね?」

舞「えっ!?あ、あの……」

ありす「そういう梨沙さんこそ他の人に罪を擦り付けるような言動ばかり見受けられましたが?」

梨沙「アタシが犯人だって言いたいわけ!?」

ありす「そうやってヤケになれば誰かに庇ってもらえるとでも思ってるんですか?」

舞「ま、まあまあ……」

ありす・梨沙「舞(さん)は黙ってて(ください)!」

舞「……」グスッ

P「2人ともストップだ!」

梨沙「ごめん……。言い過ぎたわ……」

ありす「いえ、私の方こそ熱くなってしまいました……。ごめんなさい……」

P「コラコラ2人とも、もう一人謝らなきゃいけない人がいるだろ?」

梨沙「あ……」

ありす「ごめんなさい舞さん……」

梨沙「私も、ごめん……」

舞「ううん、私は大丈夫だけど……2人のどっちかは千枝ちゃんにも謝らなきゃいけないよね?」

梨沙「……は?」

ありす「……前言撤回です。戦う理由ができました」


P「なんで鎮火しかけたところにガソリン撒くんだよ……」

スポットライトニダイブ♪ワタシーラシサ

P「おっ、ちょっとごめんな」

小春『もしもし、プロデューサーさんですかぁ~?』

P「そうだよ。小春ちゃん、風邪は大丈夫かい?」

小春『はい~。明日からはお仕事に行けそうですぅ~』

P「それはよかった」

小春『あ、プロデューサーさん。台本届けてくれてありがとうございました~。一緒に入ってたリコーダーは……小道具ですか?』

P「え?リコーダー!?」

千枝「!」

P「ごめん!それ今探してたやつなんだ!」

小春『……?』

P「とにかくそのリコーダーすぐに取りに行くから!」

プツッ

P「どうやら桃華ちゃんから借りた手提げ鞄にドラマの台本と一緒に入れちゃってたみたいだ。アハハハ」

舞「なぁんだ……。そうだったんですか!」

梨沙「やれやれ。真剣に考えて損したわ」

みりあ「プロデューサーもおっちょこちょいなところあるんだね!」

薫「おっちょこちょいせんせぇだぁー!」

桃華「しょうがないプロデューサーちゃまですわね」

ありす「時間の無駄でしたね」

P「アハ、アハハハ……でも盗まれたわけじゃなくてよかったよな、な?千枝ちゃん。アハハ……」

もう日本は終わりました
とっくに先進国ではなくなっています
そして在日という言葉だけで差別するようです
在日を擁護するつもりはないが
「在日」とか「韓国」という言葉だけで反応しチョン[ピーーー]などと騒ぐ日本人wwwwww
今の日本は


ジャアアアアアアアアップwwww

もう日本は終わりました
とっくに先進国ではなくなっています
そして在日という言葉だけで差別するようです
在日を擁護するつもりはないが
「在日」とか「韓国」という言葉だけで反応しチョン[ピーーー]などと騒ぐ日本人wwwwwwwwwwww
今の日本は


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千枝(そんなはずは……。だって千枝のリコーダーは……)

千佳「ただいまー!」

日菜子「お仕事終わりましたぁ~」

ありす「お疲れ様です」

千佳「あれ?プロデューサーくんは?」

梨沙「さっき千枝と一緒に出て行ったわよ。まったく人騒がせなんだから」

みりあ「でも良かったよね!千枝ちゃんのリコーダー見つかって!」

千佳「あ、あたしもリコーダー仕舞わないと!出しっぱなしだったのお仕事中に思い出したんだー」

舞「え……?」

薫「もしかして……」

小春「どうぞ、これですぅ~」

P「悪いね、病み上がりなのに」

千枝「小春ちゃん、ありがとうございます。……千枝のリコーダーじゃない」

P「え!?」

千枝「千枝のリコーダーは白なんです!」

P「何!?」

千枝「あっ……そっか、あの時千佳ちゃんも一緒に練習してたから……」

P「つまりこれは千佳ちゃんのリコーダーってことか……?」

千枝「たぶん……」

日菜子「プロデューサーさんが千佳ちゃんのリコーダーを間違えて手提げ鞄に入れてしまったと仮定して、ですけど、日菜子だったらこうします」

日菜子「誰も見ていないタイミングを見計らってわざと自分のリコーダーをプロデューサーさんの鞄に忍び込ませ、被害者面を貫き通します」

日菜子「そして犯人がプロデューサーさんと分かった時、『日菜子とデートしてくれたら許してあげますよぉ~♪』と言い主導権を握ります」

ありす「そんな……。千枝さんが犯人ってことですか?ありえません……」

日菜子「まあ日菜子がちょうど今日妄想してたシチュエーションなんですけど、だいたい合ってるんじゃないでしょうかぁ~?ね、千枝ちゃん?」


千枝「……」

P「……ただいま」

薫「あっ!せんせぇ!千枝ちゃん!おかえりー!」

千枝「独り占めしたかったんです……」

千枝「プロデューサーさんが犯人になればみんなはプロデューサーさんを無視する……」

千枝「でも千枝が!千枝だけが優しくしてあげればプロデューサーさんは千枝のことしか考えられなくなるって思ったから……だから……!」

P「発想がやべぇよ……」

みりあ「千枝ちゃん……」

ありす「千枝さんのしたことは決していいこととは言えません。反省し、後悔してください」

梨沙「ま、待ちなさいよ……!」

梨沙「確かに千枝のしたことは良くないわ!だから何よ!好きな人を独占したいって気持ちは普通じゃないの!?」

ありす「私にはそういう気持ち、分かりません……。だから千枝さんのことはもう……」

千枝「……」

舞「ま、まあ……。千枝ちゃんのリコーダーは無事だったんだし、いいんじゃない……かな……?」

桃華「そ、そうですわね……!」

みりあ「プロデューサーの鞄に入ってるんだよね?」

P「ハッ!そうだった……!」

薫「あ、かおるが持ってきてあげるねー!」

P「やめろ……!やめろおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」

P(俺はその時一瞬でも期待したんだ。千枝ちゃんが俺の鞄にリコーダーを隠した時、“それ”を見つけて取り出しておいてくれた可能性を)

P(でも千枝ちゃんがやったのはリコーダーを鞄に入れるというだけの作業。鞄の中身になんて注目していなかったらしく、その希望は“それ”に描かれた水玉のように……)

P(弾け、消えた――)

薫「何これ?」

みりあ「パンツ……?」

P「あっ……あっ……」

梨沙「ちょっと、説明してくれる?」

早苗「署まで同行願える?」

ありす「いつから居たんですか?」


レッツゴー♪アーシタヘー

千枝「あ……千枝の……」

小春『もしもし千枝ちゃんですかぁ~?小春、さっきの紙袋に間違えて……その……パンツとか入れてませんでしたかぁ~?』

千枝「えっ……?」

小春『その……汗をかいたので着替えて脱いだのをそのままにしておいたら間違えて入れちゃったみたいで……ないんですぅ……』

千枝「それならプロデューサーさんが……」

小春『プロデューサーさん?』

みりあ「……」

桃華「……」

薫「」ポカーン

日菜子「むふふ……」

舞「気持ち悪いです……」

千佳(そういえばあたしのリコーダーどうしたんだろ?)

梨沙「やっぱりパパ以外の男ってゴミクズね……」

ありす「千枝さん……。車の中でひどいことされませんでしたか?もう大丈夫ですよ。私が守りますから」

千枝「は、はぁ……」

早苗「弁明は……」

P「……なあ千枝ちゃん」

P「千枝ちゃん言ったよなぁ!みんなが俺を無視したら千枝ちゃんだけは優しくしてくれるって言ったよなぁ!なぁ!」ガシッ

千枝「触らないで!」

ありす「これ以上千枝さんに近づいたら……早苗さん、お願いします」

早苗「任せて。っていうか近づかなくてもシメる」

P「ああああああああ!!チックショオオオオオオオオオ!!」

千枝(こうして事件の幕は閉じました)

千枝(ありすちゃんとの間にできかけた溝もプロデューサーさんが間を取り持ってくれたおかげで修復しましたし、プロデューサーさんには感謝しています)

千枝(プロデューサーさんはというと、あの直後逃げ出しそのまま行方不明になってしまったんです)

千枝(リコーダーのテストの結果、聞いて欲しかったのになぁ……)

千枝(なんて言ったって5点満点中5点だったんですから!きっと褒めてくれるのに……)

千枝(プロデューサーさん……どこに行っちゃったのかなぁ……)

[千枝の小学校]

先生「突然ですが今日はみんなに新しいお友達を紹介します」

転校生「Pといいます。20年前から復讐しにやってきました」

クラスメイト「アハハハwwwwwww」

千枝(あの人……どことなくプロデューサーさんに似てるような……)

先生「アハハ……個性的な挨拶ね。じゃあ席は……佐々木さんの後ろで」

P「はい……。よろしくね、佐々木さん」



今 日 は こ こ ま で

Pだけがいない街-ジョーカーゲーム編-(大嘘)はこれにて完結です。

次回からなんか始まります。

また、総選挙では今回特別出演した島村卯月ちゃんと今回大活躍だった横山千佳ちゃんの応援をよろしくお願いします。

P(俺は夢中で逃げ出していた)

P(逃げて逃げて逃げて、疲れ、倒れ、目覚めると……)

P(25年前の、小学5年生の俺になっていた)

P(しかしどういうことだ……?俺だけが子どもになって街はそのままだ)

P(ところでここはどこだろう……)

ガサッ

P「誰だ!?」

桃華「それはこっちのセリフですわ!あ、あなたどこから……って、きゃあ!あなた服は……」

P(桃華ちゃん……?じゃあここは……)

桃華「と、とにかく中へいらっしゃい」

P「え……?」

P(まさか桃華ちゃんの家の庭園に迷い込んでいたとはな……)

P(だがこれはあいつらに復讐するチャンスかもしれないな)

桃華「あなたにいくつか質問がありますわ」

P「はい」

桃華「まずどうして裸でウチの庭に居たんですの?」

P「逃げてきて、気づいたらあそこで倒れてました」

桃華「何から逃げてたんですの?」

P「それは言えません」

桃華「……家まで送ってさしあげますわ。お家はどちら?」

P「家はありません」

桃華「まあ!そうでしたの……。ご両親は?」

P「いません」

桃華「……仕方ありませんわね。しばらくウチで面倒を見て差し上げますわ」

P「いいんですか?」

桃華「わたくし、あなたのようなどうしようもない人を見ていると放っておけませんの」

P(やったぜ)ニヤリ

桃華「何ニヤけてますの……」

桃華「あなた、小学校はどちら?」

P「えーっと、それもこれからで……」

桃華「本当に何者なんですの……」

P「できれば桃華さんと同じところがいいです」

桃華「そうしたいのはやまやまですが……」

P(そういえば桃華が通ってるのは格式が高い学校なんだよな……。そりゃ無理か)

桃華「この近くですとこちらはどうでしょう?わたくしの友人の千枝さんという方も通っていて……」

P「じゃあここにします」

桃華「それではすぐに手続きさせますわね」


――

――――

―――――――


P「って感じで」

千枝「それで私のこと知ってたんだ……。桃華ちゃんに出会えよかったね」

P「はい。まあ……」

ブロロロロ

桃華「千枝さーん、こっちですわー」

千枝「あっ、桃華ちゃん……と美世さん?」

美世「千枝ちゃん、今日撮影入ってるでしょ?現場まで送ってってちひろさんが」

千枝「あ、ありがとうございます」

P(なるほど……。送迎は美世が代わりにやってくれてるのか……)

桃華「美世さん、彼も乗せていただいてもよろしくて?」

美世「え?私は構わないけど」

桃華「Pさん、あなたも現場まで着いてきてもらいますわ」

P「え?」

桃華「突然でごめんなさい」

P「いえ、俺はいいんですけど……」

千枝「どうしてPくんを?」

桃華「せっかくですからわたくしの仕事を見学していただこうと思って」

P「いいんですか?」

桃華「ええ、もちろんですわ」

千枝「?」

千枝「あの……桃華ちゃん。どうしてPくんを……」

桃華「なるべく近くに置いておいた方が都合がいいからですわ」

千枝「どういうこと……?」

桃華「Pさんは……プロデューサーちゃまなのですわ」

千枝「えっ!?」

桃華「彼を小学校に通わせるまでの期間、徹底的に調べていただいたのですが……」

桃華「その結果、信じられないとは思いますがPさんは25年前のプロデューサーちゃまだということが分かったのですわ」

千枝「そんなことって……」

桃華「あり得るあり得ないの話ではなく、実際に起こってしまったのですわ!」


桃華「まあ……千枝さんもご存知の通り通りプロデューサーちゃまは……その、小春さんの下着を……」

千枝「うん……」

桃華「きっと子どもの姿になったのをいいことに
また悪さをするはずですわ!」

千枝「そ、そんな……!プロデューサーさんだってちゃんと反省してるはずだし……それに悪いのは元々千枝だから……」

桃華「そう、プロデューサーちゃまも千枝さんが悪いと思っているはずですわ。だからきっと千枝さんに復讐を……」

千枝「それで許してもらえるなら……」

桃華「そんなこと千枝さんがよくてもこの櫻井桃華が許しませんわ!千枝さんはそんなにも反省しているのですから、プロデューサーちゃまも反省するべきですわ」

千枝「……ふふっ、そうだね」

桃華「それからこの事はなるべく皆さんには内緒でお願いしますわ。敢えて泳がせて動向を探るのですわ」

千枝「う、うん……」

ガチャッ


桃華「ごめんなさい。お待たせしてしまって」

千枝「衣装が脱ぎづらくて時間かかっちゃいました……」

P「いえ、全然大丈夫ですよ」

美世「あ、3人とも準備いいかな?」

千枝「は、はい……。あの、千枝……事務所に寄りたいんですけど」

美世「いいよー。桃華ちゃん、そっちの子も大丈夫?」

桃華「もちろんですわ」

P「いいんですか?部外者ですけど……」

桃華「平気ですわよ」

P「そうですか」

P(ククク、順調だな……)

美世「着いたよ」

P「へぇ、大きいビルですね」

千枝「ここの3階だよ」

P「3階って……あのガラスが割れてる?」

桃華「ええ、少し前にあそこから落ちた人がいまして……」

P(俺のことか)

P「大丈夫なんですかね……その人……」

桃華(しらじらしいですわね……)

美世「この機会にあちこち点検するって聞いたよ。だいぶ脆くなってるみたいだから」

千枝「そうなんですか……」

桃華「ごきげんよう」

千枝「おはようございます……」

P「おは……こんにちは」

ありす「おはようございます……その方は?」

桃華「櫻井家の新しい執事ですわ。研修期間中でわたくしのことを知っていただくためにこうしていろんなところに付いて回っているのですわ」

ありす「そうですか……。それにしては随分若いような……」

桃華「実は彼は身寄りがなく、櫻井家で引き取った際に何か恩返しがしたいと申し出たのですわ。それでこうしてできることだけでも手伝ってもらうようにしているんですの」

ありす「そうだったんですね……。失礼なことを聞いてしまって申し訳ありませんでした……」

P「いえ、気にしてませんよ」

千枝「千枝は今日からクラスメイトになったんだ。あ、Pくん、分からないことがあったら何でも聞いてね?」

ありす(千枝さんと同い年……ということは年下……?)

ありす「あ、あの……私のことも頼ってくれていいですからね……?その、一応お姉さんなんですから……」

P「うわっ、お姉さんありす可愛いな!」

ありす「えっ」

P「なんでもないです」

P(さて……と、奴らにどう復讐してやろうかな)

P(またパンツを盗むか……?いや、それだけじゃまだ甘いな)

P(奴らの固い結束を壊してやろうか……。うーん、それは仕事に支障が出るかもしれんしなぁ)

P(待てよ?奴らは俺の人生をメチャクチャにしてくれたんだぞ?奴らのアイドル生命など知ったことか!断ち切ってくれる!)

P(とは言っても相手はまだまだ未来の明るい女の子。こんなにも早く将来の可能性を奪ってどうする!)

P(はぁ……)


P(パンツ盗もう)

P(さて、やることは決まったが誰から狙おうか……ん?)

ガチャッ

仁奈「おはよーごぜーます!」

P(だ、誰だこのピー〇ーラビットみたいなチビっ子は!?)

桃華「ごきげんよう」

千枝「おはよう、仁奈ちゃん」

ありす「おはようございます」

桃華「彼女は市原仁奈さん、つい先日ウチに入ってきたばかりの新人ですわ」

P(そういえば前に新人発掘オーディションをしてたらしいがウチの部署に来てたのか……。よくプロデューサーが失踪したばっかりの部署に配属させようと思ったな)

P(ふむ……。見るからに警戒心は薄そうだが……。よし、決めた)

P(君には何の恨みもないが奴らの仲間というのなら犠牲になってもらう!市原仁奈ちゃん!君のパンツをもらうぞ!)

P(それから3週間かけて俺は仁奈ちゃんの動向を徹底的に探った)

P(レッスンの日程や仕事のスケジュール、普段穿いているパンツの色、柄、すべて把握した上で、作戦の決行を今日この日に定めたのだ)

仁奈「えへへー、今日は千枝ちゃんが怖くねーですよ!」

千枝「え?千枝、怖かったかな?」

仁奈「最近ずーっと仁奈のことジロジロ見ていやがったです!でも今日は怖くねーです!」

千枝「そっか……。今日は楽しみなことがあるから……かな?」

仁奈「さっきからモジモジしてやがるのが楽しみですか?」

千枝「そ、それは関係ないよ!」


P(レッスンの見学中だったが少し席を外し更衣室へ忍び込んだ。5分程度で済ませればトイレに行ってたとでも言って誤魔化せるだろう)

P「よし、誰もいないな……」

P「ここはありすのロッカーか……」

P(ここで欲深くなってはいけない。今回の目的はあくまで仁奈ちゃんのパンツ。欲を見せれば作戦は失敗してしまうだろう)

P「あったぞ。仁奈ちゃんのパンツだ!」

P(ククク……まったく同じ物を用意してすり替えてしまえば分かるまい。俺の完全勝利だ)

P「さて、持ち帰る前に少しだけ味わわせてもらおうかな」

P「おっと、服を脱ぐのを忘れていた。全裸で味わうのが礼儀だからな」ヌギヌギ

P「どれどれ……」

P「スゥゥゥゥウウウウウウウウ」

P「ああああ~~~~~」

P(快感のあまり俺はこの時自分の身に起きた異変に気づいていなかった……)

P(そして近づいていた足音にも気づいていなかったのだ……)


ありす「何……してるんですか……?」


ありす「プロデューサーさん……」

P「やべっ」

ありす「そんな格好で何してたんですか!ってその服は……」

P「またいつか会おう!アデュー!」ダッ

ありす「待ってください!……そうだ、非常ベル!」

ジリリリリリリリ

P「クソッ!余計なことしやがって!」


梨沙「それでアイツったら……」

晴「ふーん、大変だったんだな」


ありす「梨沙さん!晴さん!その人捕まえてください!」

P「うおおおおおお!邪魔だどけえええええ!」

梨沙「きゃっ!プ、プロデューサー!?」

晴「うわっ、ち、近寄るな!」

P「うおおおおおおおおお!」ドドドドドド

ありす「逃げられました……」

桃華「もう一度確認しますわ。本当にプロデューサーちゃまを見たんですわね?」

ありす「はい……」

梨沙「アタシたちも見たから間違いないわ」

ありす「晴さん達があそこで躊躇しなければ捕まえられたのに……」

晴「全裸の男が全力疾走してきて困惑しない方がおかしいだろ!」

千枝「ま、まあまあ……」

仁奈「そーいえばPおにーさんはどこへ行きやがったですか?」

ありす「あ……!そ、そうです!Pさんはあの人に身ぐるみを剥がされていたみたいなんです!」

梨沙「はぁ!?」

ありす「忘れ物を取りに更衣室に戻ったとき、あの人は裸で何かをしていました……」

ありす「後ろ姿だったので何をしていたかは分かりませんが、その時そばにPさんの衣服が綺麗にたたんで置いてあったんです」

ありす「逃げる時にそれも持っていかれてしまいましたが……」

晴「そういえば服っぽいもの持ってたな」

梨沙「アイツホモだったの?」

ありす「でも小春さんのも盗んでいましたし、男女は関係ないんじゃないでしょうか?」

梨沙「それ余計ヘンタイ度が増してるわよ……」

仁奈「それでPおにーさんはどこでごぜーますか?」

ありす「そうですね……。誘拐か、衣服だけ奪われたのならトイレに閉じ込められているとか……」

P(まずいな……。子どもの姿には戻れたが俺が俺少年の服を奪って逃げたことになっている……)

P(泣きながら全裸で戻るか……?そうだな。せっかく堂々と全裸になれるチャンスだしな)

P(それはそれとして一つ分かったことがある。俺は女の子のパンツの匂いを嗅ぐと一定時間だけ大人の姿に戻るということだ)

P(仁奈ちゃんのパンツもあることだし、今後はこの現象も利用していこう)

P(パンツと服はとりあえず男子トイレに隠しておけば見つかるまい)

P(よし、戻るか)

ガチャッ

P「ぃぐっ……えぐっ……」

ありす「Pさん!大丈夫……です……か……?」

仁奈「丸出しでごぜーます!」

梨沙「ちょ、ちょっと!はやく隠しなさいよ!」

ありす「梨沙さん!無理言わないでください!Pさんはあの人に服を盗まれて……」

ありす「と、とはいえ……やっぱり……直視はできないので……」

ありす「あ……私のトレーニングウェアでよければ……。さっき着ていたものですが何も無いよりはマシかと……」

P(マジかあああ!なんたる幸運!全国のありすファンごめんねええええwww)

晴「あー……待ってろ。今オレの替えの服持ってきてやるから」

P「え?」

晴「一応男物だし、ありすの借りるよりはいいんじゃねーか?」

ありす「あ……そ、そうですね。私が貸すまでもありませんね……」

P(晴のでも嬉しいぞ)ソワソワ


千枝「あの、桃華ちゃん……」

桃華「どうしたんですの?」

千枝「どうしてあの事をみんなに話さないのかなって思って……。その、言っちゃった方がみんな警戒するから動きを制限できると思うんだけど……」

桃華「それではダメですわ。子どものうちに証拠をつかんで何かがきっかけで大人に戻ったとき取り抑えるのですわ」

千枝「そ、そっか……」

桃華「それに……今話しても皆さんはすっかりPさんのことを信用してしまっていますから……」

千枝「そう……だね……」

晴「返す時はみっちり洗ってから返せよな。頼むぜ桃華」

桃華「お任せください」

千枝(桃華ちゃん……何かおかしいような……)

千枝(ありすちゃんが更衣室でプロデューサーさんを見たっていうのも変だし……。それに更衣室にアレが無かった……)

千枝(こうなったら私がPくんを陥れてプロデューサーさんだってことをみんなにバラすしか……)

桃華「……さん、千枝さん!」

千枝「は、はいっ!?」

桃華「交代の時間ですからもう出ませんと」

千枝「あ……。あんまりレッスンできなかったね……」

桃華「仕方ありませんわ」


桃華「さて、帰りましょうか。Pさん、今迎えを呼びますわね」

ありす「あの……今日はPさんにウチに来ていただいてもいいですか……?」

桃華「今……なんと?」

ありす「その……Pさんも今日は怖い目にあって疲れていると思います」

ありす「これは最初にあの人を見つけておきながら何もできなかった私の責任と言えます」

ありす「だからその……償いを……」

梨沙「Pが襲われたのってありすがアイツを発見する前だからありすは悪くないんじゃない?」

ありす「服くらいは取り返すことができたはずです!でも……できなかったんですから」

晴「そういうことならオレ達にも足止めできなかったって責任があるな」

ありす「足止めをお願いしたのは私ですから晴さん達は悪くありません!私の責任です」

桃華「はぁ……。正気ですの?」

ありす「え……?」

桃華「Pさんは男性ですのよ。何があるか分からないというのに」

ありす「桃華さんだって一緒に暮らしてるじゃないですか。それで何か間違いがあったんですか?それに桃華さんは自分の執事が信用できないんですか?」

桃華「うっ……。で、でも急に生活の環境が変わったら余計ストレスに……!」

P「俺は全然構わないですよ!!」

桃華「なっ、Pさん!」

P「いいですよね?桃華さん」

桃華「くっ……。お好きになさい!」


晴「オレ達も帰ろーぜー」

梨沙「そうね」

晴「あ、オレの服はありすが洗って返してくれよな」

ありす「は、はい」

仁奈「千枝ちゃんも仁奈と一緒に帰りやがるですよ!」

千枝「あ……えっと、ごめんね。千枝少し用事があるから……」

仁奈「そーでごぜーますか。じゃあまた明日、バイバーイ!」

千枝「うん、またね」

千枝(男子トイレ……)

千枝(……誰も見てないしちょっとくらい、見に行くだけだもん。大丈夫だよね?)

千枝(うう……千枝、悪い子です)

千枝「ここだと思ったんだけど……」

千枝「あっ!」


千枝「あった……」

ありす「携帯、持ってたんですね」

P「うん。いつでも連絡できるようにって桃華さんに持たされてて」

ありす「そうだったんですか……。あの……私とも連絡取り合いませんか……?」

P「いいですよ」

ピコン

ありす「……完了です」

P「試しにメールとか送ってみたらいいじゃないですか」

ありす「ちゃんと交換できてるはずなので今は不必要です!そ、それよりお腹空きませんか?何か買いに行ってきますよ」

P「買ってくる?コンビニ弁当ですか?」

ありす「何か問題でも?」

P「俺が作ります。橘さんに体調崩されたら俺も悲しいですし、栄養のあるものを食べてほしいですから」

ありす「でもそれでは罪滅ぼしには……」

P「罪滅ぼしにコンビニ弁当ですか?」

ありす「うっ……」

P「じゃあ、橘さんが一緒に作ってくれたら、今日の怖かったこと忘れられそうです。と言ったら?」

ありす「し、仕方ないですね……。それなら私もお手伝いします」

P(すごく申し訳ないんだが何も怖いことなんて無かったんだよな……)

ありす「ごちそうさまでした。料理……上手なんですね……」

P「一人が長かったから」

ありす「私も……私もずっと一人だったので、弟ができたみたいで嬉しかったんです……」

ありす「でもPさんは私よりずっと大人で……。私なんかがお姉さん振っても全然届かなくて……」

ありす「こんなところプロデューサーさんに見られたらからかわれるに決まってますね……」

P(ありす……)

ピーピーピー

ありす「お風呂が沸いたみたいですね」

P「一緒に入りましょう!」

ありす「それは嫌です」

P「ですよね」

P「さてと、ありすも風呂に入ってることだしこの隙に……」

プルルル プルルル

P「もしもし、桃華ちゃんか?」

桃華『Pちゃま!……今、大丈夫なんですの?』

P「今はありすが風呂に入ってる」

桃華『そうですか……。それで、計画は順調なんですの?』

P「計画?なんのことだ?」

桃華『ありすさんの下着を盗む気なんじゃありませんの?』

P「そういう計画なら中止だ!」

桃華『えっ!?』

P「俺は桃華ちゃんとは手を切らせてもらう!このままじゃありすが可哀想なんでな!」

桃華『なんですって!?』

ブツッ ツーツーツー


桃華「なんでわたくしが悪者みたいになってますの……」

桃華「悪いのはプロデューサーちゃまですのに……」

桃華「こうなるなら最初から千枝さんの手助けをしておくべきでしたわね……」

桃華「まずはありすさんの無事を確認しませんと……」

ありす「お風呂あきましたよ。次、どうぞ」

P「あ、はい」


P「あーあ、ありすの髪とか浮いてねーかなー」

P「無いな……」

P「シャワーだけで済ませたのか……?」

P「うーむ、俺のためにわざわざ沸かしてくれたのか……」


ピンポーン

P「ん?誰か来たのか?」

ありす「桃華さん?し、心配しなくたってPさんとは何もありませんよ!」

桃華「そうではなく……。Pさんの替えの服がないだろうと思って持ってきたのですわ」

ありす「そういえば……。あ、ありがとうございます」

桃華「それと明日の学校の準備も。明日は7時に迎えに来させますわ。よろしければありすさんも車をご利用になってください」

桃華「それではわたくしはこれで」

ありす「せっかく来たんですからお茶でも……」

桃華「ありがとうございます。でも帰って早く寝ませんと。夜更しは美容に良くないんですのよ」

ありす「はあ……。それでは、おやすみなさい」

桃華「おやすみなさい」

P(そういえば俺の替えの服ってどうするんだ?)

P(洗濯物漁れば何かあるかもしれないな……)

P(お、ありすのパンツ発見。どれどれ)

P「スゥゥゥゥウウウウウウウウ」


ガラッ

ありす「Pさん、桃華さんが替えの服を……って」

ありす「ど、どうしてあなたがここにいるんですか!Pさんはどうしたんですか!?」

P「……ふふ。ふふふふ」

P(しまった)

P「あの少年なら風呂で気絶させておいた」

ありす「なっ!そ、そこをどいてください!」

P「断る!次はありすの番だ!」

ありす「えっ!?」

ガバッ

ありす「う……」バタッ



――

――――

―――――――

ありす「うーん……」

P「あ、気がつきましたか?」

ありす「Pさん……?あの人は!?」

P「橘さんが気絶させられた後、後ろから脅かしてやったら逃げていきましたよ」

ありす「Pさんも気絶してたんじゃ……」

P「二度も同じ手には引っかかりませんよ。気絶したフリです」

ありす「そうですか……」

P「そういえば着替えありがとうございます」

ありす「あ……それは桃華さんが持ってきてくれたもので……」

ありす(更衣室で見た時は後ろ姿だったから分からなかったけど……)

ありす(あのお腹のホクロ……。レッスンルームで見たPさんにも同じものがあったような……)

ありす(……きっと、見間違いですよね)

ありす(でも、確かめてみないと……)

ありす「あの、Pさん……。今日は一緒に寝ませんか?」

P「い、いいんですか?」

ありす「はい……。Pさんも私も怖い思いをしているので少しでも安心できるように今日は一緒に寝るのが得策かと思います……」

P「そ、そうですね……」

P(きゃっほおおおおい!エロゲ展開キタコレ!ありすったら意外にDA・I・TA・N☆)

P(女の子の未来だと!?関係ないね!家に誘った時点でそういうことだろ!)

P「分かりました。一緒に寝ましょう。俺、上でいいですか?」

ありす「上?二段ベッドじゃありませんよ?」

ありす(身体の特徴、徹底的に調べなきゃ……)

P(カラダの相性、徹底的に確かめなきゃ……)

ありす(ベッドに座ってずっとこっちを見てる……。寝付けないのかな……)

P(タブレットを弄って目も合わせようとしない……。心の準備かな……)

ありす「あの……寝ないんですか?」

P「え?しないんですか?」

ありす「するって何を……あ……わ、私たちまだ小学生ですよ!それに私に何かしたら桃華さんに言いつけますからね!」

P「そんな……」

ありす「分かったら早く寝てください」

P「はい……。ぐぅ」

ありす(今です!)ペラッ

ありす(ホクロ……!まさか……。でもそんなことあり得ません……!)

P「なんだ……やっぱりしたいんじゃないですか」

ありす「違っ、これは……その……」

P「俺、下でもいいですよ」

ありす「黙って寝てください」ガンッ

P「がはっ」バタッ

ありす「おはようございます」

P「おはよう……ございます……」

ありす「7時にお迎えが来るそうですから、準備してくださいね」

P「はぁ……今朝はヤケに冷たいですね。昨夜の冗談が過ぎましたかね?ごめんなさい……」

P(冗談ではないんだけどなぁ……)

ありす「別に、気にしてませんよ」

P「?」


P(おかしい……今日は何かおかしい……)

P(千枝ちゃんも学校でよそよそしかったし……)

P(一緒に行こうと思ったのに先に事務所に行っちまうし……)

P(俺、何かしたのかなぁ……。いや、仁奈ちゃんのパンツ盗んだりはしてるけど)

P(あ、そういや事務所までどうやって行こう!)

P(昨日あんなこと言ったし櫻井家には頼れないだろうなぁ)

P(ってことは今日帰る家も無いのか!?)

P(まいったなぁ……)

P(あ、いいこと思いついた。事務所の面倒見のいいお姉さん達にお願いすれば泊めてくれるかも)

P(そうと決まればさっそく事務所へ出発だ!)

P(ふぅ~!体が軽いぜ!)

P「おはようございまー……え、何この雰囲気」


仁奈「あ!Pおにーさん!おはよーごぜーます!」

梨沙「おはよ。なんか千枝から大事な話があるらしいわよ」

P「え?大事な話?」

千枝「本当はPくんには聞かせないつもりだったんだけど……。いいよ……」

P「え、え?」

千枝「千枝、聞いちゃったんです」


千枝「Pくんは、プロデューサーさんなんだって……」

ありす「!」

千枝「桃華ちゃんの家でPくんを検査したらPくんは子どもの姿になったプロデューサーさんだって分かって」

千枝「千枝はそれが本当か確かめる為にある準備をしてたんです」

千枝「Pくんが初めて仁奈ちゃんに会った時から、Pくんが仁奈ちゃんのことばかり見ていたのに気がつきました……」

千枝「怪しいと思ったので千枝は2人とも観察することにしたんです」

千枝「そしてある日、Pくんが仁奈ちゃんのパンツを盗もうとしていることが分かりました」

千枝「それが昨日だったんですけど、それを阻止するために千枝は……」

千枝「仁奈ちゃんのロッカーに、その日仁奈ちゃんが穿いてたパンツを入れておいたんです」

千枝「Pくんが必死に調べあげたノートに書いてあったので、どんなパンツかはすぐに分かりました……」

千枝「調べてたってことはきっと同じものとすり替える気なんだって思いました。だから一箇所に刺繍を入れておいたんです」

千枝「そのパンツが……これです」

P「!?」

千枝「Pくん……いえ、プロデューサーさん。プロデューサーさんは一つ大切なことを見落としていました……それは!」

千枝「レッスン前にパンツを脱ぐ必要なんてないということです!」

晴「そ、そうか!脱ぐとしても普通はレッスンの後だぜ!」

P(ど、どういうことだ!?つまり俺が盗んだパンツは仁奈ちゃんのではなく千枝ちゃんのパンツだったってことか!?クソッ!やられた!)

千枝「仁奈ちゃんのロッカーに、その日仁奈ちゃんが穿いてたパンツを入れておいたんです」←誤

千枝「仁奈ちゃんのロッカーに、その日仁奈ちゃんが穿いてたパンツと同じパンツを入れておいたんです」←正

梨沙「待って!そのパンツのこと知ってたなら自分で買えばいいだけのことじゃない!」

千枝「千枝もそう思いました……。でもプロデューサーさんは誰も穿いてないパンツは盗む価値がないって思ったはずなんです……」

千枝「だから千枝はこのパンツを自分で穿いておいて、それを仁奈ちゃんのロッカーに入れたんです!」

梨沙「じゃあノーパンでレッスンしてたっていうの!?」

仁奈「だからあの時モジモジしてやがったですね!」


千枝「そして何らかの方法で大人に戻ったところをありすちゃんに見つかり逃亡……」

千枝「その時にパンツも持っていったんです!」

晴「で、でもおかしいぜ!Pがプロデューサーっていうならなんで裸で戻ってきたんだ?自分の服も持っていったんだろ?」

梨沙「それになんでそのパンツを千枝が持ってるのよ!」

千枝「それは……男子トイレに隠してありました……」

梨沙「ち、千枝!アンタ男子トイレに入ったの!?」

千枝「うん……。でもこうするしか無かったから……」

梨沙「ま、待ちなさいよ!また千枝が仕組んでるのかもしれないじゃない!Pがプロデューサーだっていうのもきっとデタラメよ!」

千枝「デタラメなんかじゃ……」

ありす「デタラメなんかじゃありません!」

梨沙「ありす……?」

桃華「まず、千枝さんの推理は当たっている……。と言っておきますわ」

桃華「それにプロデューサーちゃまを陥れる作戦もお見事でしたわ」

晴「そんなのはいいから早く話せよ」

桃華「そうでしたわね。あれは子どもになったプロデューサーちゃまを拾ってから数日後でしたわ……」

―――――――

――――

――



桃華「あなたの身体を調べさせてもらいましたわ」

P「はぁ……」

桃華「あなた、プロデューサーちゃまですわね?」

P「えっ!?」

桃華「隠しても無駄ですわ。白状なさい」

P「そ、そうです……」

桃華「安心なさい。別に警察に突き出したりはしませんわ。それにそんな姿じゃ言っても無意味でしょうし……」

P「そうですね……。あ、じゃあ見逃してくれたお礼に何かするよ」

桃華「べ、別にそんなの……結構ですわよ……。それに大人に戻ったら容赦はしませんわよ?」

P「いや、俺がすると決めたんだからするんだ!何かやりたい仕事とかあるか?」

桃華「まあ……今度千枝さんとありすさんが出演するCMが少し面白そうだと思いましたけど……。だいたいそんな姿でどうするつもりなんですの?」

P「そうだな。千枝ちゃんとありすを降ろそう」

桃華「え?」

P「何かにつけ込んで2人を降ろさせるんだよ。スキャンダルとか精神的なショックとかで。枠が空けば桃華ちゃんに出演のチャンスが回ってくるだろう?」

桃華「何もそこまでなさらなくても……」

P「任せておきなって!」

桃華「でも!」

P「大丈夫大丈夫!そのためにも俺のことは黙っておいてくれよな!」

P(ついでに俺も復讐できるしな。いい機会だぜ……。フッフッフッフッ……)

――

――――

―――――――



桃華「だから無理にでも止めなかったわたくしが悪いんですの……。止めるどころか言われるがまま指示に従ってしまって……」

千枝「千枝にだけ話したのもプロデューサーさんの指示?」

桃華「『千枝ちゃんなら墓穴を掘ってみんなに疑われる。それに耐えられなくなって自分から降りようとするよ。』と言っていましたわ……」

梨沙「つまり桃華の優しさを逆手に取って悪さしてたってこと?どうしようもないクズね!クズ!変態!ロリコン!」

P「……」ゾクッ

晴「最低だな……。オレの服もいかがわしいことに使ったんじゃねーだろうな」

仁奈「Pおにーさんなんて顔も見たくねーです!」

ありす「……私、帰りますね」

千枝「ありすちゃん?」

ありす「あのCM、私が降ります。桃華さんに引き継いでもらえるように話しておきますから……」


ありす「さようなら……」

晴「ありす……Pのこと相当気に入ってたもんな……」

梨沙「分かるわ……。アタシももしパパが悪いことしてたって分かったらショックで死んじゃうかも」

千枝「死んじゃう……?」

梨沙「あ、もちろんアタシのパパはそんなことしないわよ!?」

千枝「ありすちゃんが……死んじゃう……!」ダッ

P「!」

晴「お、オレ達も止めに行くぞ!」

梨沙「何ボサッとしてんのよ!アンタも行くのよ!桃華、留守番頼むわよ!」

桃華「えっ?わたくしが!?」

仁奈「行っちまったでごぜーます……」

[屋上]


千枝「ありすちゃん!」

ありす「千枝……さん……?」

千枝「死んじゃやだよ……?」

ありす「何のことですか……?あ……私がショックで自殺をするとでも思ったんですか?」

千枝「違うの……?」

ありす「生憎そんな度胸はありませんよ。アイドルになって少しは度胸がついたと思っていましたが……」

ありす「外の景色でも見て落ち着こうと思っただけです。ここなら見晴らしもいいですし」

千枝「寄りかかったら危ないよ……」


ありす「私……千枝さんや梨沙さんの気持ちが分かった気がします」

千枝「私や……梨沙ちゃんの気持ち?」


梨沙「い、今アタシの名前が聞こえたわよね!ねえ!」コソコソ

晴「落ち着け!」

ありす「好きな人を独り占めしたいって気持ちです」

千枝「あ……」

ありす「私、さっき千枝さんが責められた時、助け舟を出さなきゃよかったって、少し後悔してるんです」

ありす「Pさんとプロデューサーさんが同一人物なんてデタラメ、そういうことにしておけば私がPさんを独り占めできた可能性だってあったのに……」

ありす「でも私は千枝さんを守るって約束しましたから。だからかな……。千枝さんの考えに寄り添おうと思ったから……!気持ち、理解出来たのかも……」

千枝「ありすちゃん……」


ヒュゥゥウウ

千枝「風、強いね……。中に入ろう?」

ありす「そうですね……」

ガシャン

ありす「え……?」フラッ

千枝「ありすちゃん!」ガシッ


梨沙「い、今落ちなかった!?」

晴「オレ達も行くぞ!」

ガシッ

P「二人とも!無事か!?」

晴「待ってろ!今引き上げてやるからな!」

梨沙「くっ……重いわね……」


ありす「千枝さん!手を離してください!千枝さんだけでも……」

千枝「嫌だよ!ありすちゃん千枝のこと守ってくれたもん!千枝だって……ありすちゃんのこと……」

晴「とは言ってもさすがに子どもの力だけじゃキツいぜ……」

梨沙「せめてパパみたいな大人が一人いてくれれば……」

P「大人……ハッ!そうだ!」


P「梨沙ちゃん!今すぐパンツを脱ぐんだ!そしてその匂いを俺に嗅がせてくれ!」

梨沙「こんな時にまで何言ってんのよヘンタイ!」

P「説明してる余裕はない!早く!」

晴「梨沙!こんな奴の言うことなんか聞くな!」

ありす(匂い……?あっ!)

ありす「いえ!言う通りにしてください!」

梨沙「あ、ありす!?う、わ、分かったわよ!ほら!」

P「スゥゥゥゥウウウウウウウウ」

P「ムンッ!」ビリビリッ

梨沙「ウソ……大人になった……?」

P「うおおおおおおおおおおお!」グイッ

ありす「はぁ……はぁ……」

千枝「はぁ……はぁ……」

晴「よ、よかった……」

梨沙「よかったわよ……本当に……」グズッ

P「ああ……」

晴「この柵、建て付けが悪くなってたんだな」

梨沙「まったく……。調整中って書いてあるのに寄りかかるのが悪いのよバカ!バカありす!」

P「まあまあ」

梨沙「全裸マンはあっち向いてなさい!」

ヒュゥゥウウ

フワッ


P「……」

梨沙「……」

P「なんでまだ穿いてないの?」

梨沙「そんな暇なかったでしょ!」

P「パンツ握りしめながらありすのこと叱ってたのか……」

梨沙「うるさいわね!落とすわよ!」

P「恋に!?」

梨沙「ああああ!もう!ウザッ!キモッ!」

ありす「ふふっ」

P「ありす?」シュンッ

晴「あ、子どもに戻った」

ありす「はぁ……はぁ……」

千枝「はぁ……はぁ……」

晴「よ、よかった……」

梨沙「よかったわよ……本当に……」グズッ

P「ああ……」

晴「この柵、建て付けが悪くなってたんだな」

梨沙「まったく……。調整中って書いてあるのに寄りかかるのが悪いのよバカ!バカありす!」

P「まあまあ」

梨沙「全裸マンはあっち向いてなさい!」

ヒュゥゥウウ

フワッ


P「……」

梨沙「……」

P「なんでまだ穿いてないの?」

梨沙「そんな暇なかったでしょ!」

P「パンツ握りしめながらありすのこと叱ってたのか……」

梨沙「うるさいわね!落とすわよ!」

P「恋に!?」

梨沙「ああああ!もう!ウザッ!キモッ!」

ありす「ふふっ」

P「ありす?」シュンッ

晴「あ、子どもに戻った」

ありす「助けてくれてありがとうございます。私、本当に馬鹿でした……」

梨沙「もういいわよ。元々悪いのはコイツなんだし」

ありす「そうですね……。助けていただいたことは感謝してますけど勘違いしないでくださいね。Pさんのことなんてもうなんとも思ってません」

P「そんな……」

ありす「私が本当に好きなのは……」

ヒュゥゥウウ

梨沙「寒いわね……さっさと中入るわよ」

P「パンツは?穿いた?」

梨沙「穿いたわよ!アンタこそさっさと服着なさいよ!」

P「無いんだよ今!」

桃華「そうですか……。そんなことが……。ごめんなさい、わたくしのせいで……」

梨沙「アンタもそんなに気負わないの、誰も責めたりしないわよ」

仁奈「桃華ちゃんずっと泣いてたでごぜーますよ」

桃華「仁奈さん!何をおっしゃってますの!?」

晴「へぇ~」ニヤニヤ

P「その涙に免じて許してあげよう!なっ、みんな!」

梨沙「更衣室でパンツの匂い嗅いでたヘンタイは黙ってなさい」

千枝「あ、そっか……。大人になってたんだからそういうことだね……」

ありす「私の家でも大人になってましたよ」

晴「うわぁ……」

P「それは、本当にごめんなさい」

千枝(あれから色々ありました)

千枝(ありすちゃんは屋上から落ちそうになったことを時々思い出すようで、落ち着くまでは休業するそうです)

千枝(CMは桃華ちゃんに引き継ぎされて、桃華ちゃんはありすちゃんの分も頑張るんだってすごく張り切ってました)

千枝(プロデューサーさんについてはみんなで話し合って、ありすちゃんを助けてくれたということもあるので全部水に流してあげることにしました)

千枝(でも元の姿に戻れるのは今まで通り少しの間だけ……。もう元に戻れないのかなぁ……)


千枝母「千枝、ちょっといい?」

千枝「どうしたの?」

千枝母「この失踪したPってプロデューサー、千枝の担当の人よね?」

千枝「う、うん……。そうだけど……」

千枝母「心配ね。お母さん高校の時同級生だったから……」

千枝「え!?」

千枝母「あら?話してなかった?」

千枝母「お母さんが高校生の時にね、学校でジャージが盗られたことがあったの」

千枝母「みんながPくんが犯人だっていうからお母さんもそうだと思うって言ったら男の子たちがPくんの荷物を調べてくれたの」

千枝母「そしたらね、お母さんのジャージがあったのよ」

千枝「じゃあプロデューサーさんが犯人だったの……?」

千枝母「ううん。犯人は違う人」

千枝「え……?」

千枝母「後で分かったんだけど、誰かがPくんが犯人になるように仕向けたみたいだったの」

千枝母「でもそれを知っても私はPくんに謝らなかった。もしあの頃をやり直せるならPくんに謝りたいわ……」

千枝「もし……やり直せるなら……?」

千枝「それで……プロデューサーさんが子どもになったのはきっと昔のトラウマが原因だと思って……。どうですか?日菜子さん」

日菜子「そうですねぇ~。あくまで日菜子の考えですけど、いいですか?」

千枝「はい。お願いします」

日菜子「あの事件ではプロデューサーさんは犯人ではありませんでしたが、実は別の事件の犯人でした」

薫「小春ちゃんのパンツだね!」

小春「うぅ……」

日菜子「それに関しては自業自得ですが、そのせいで犯人じゃないのに犯人に仕立て上げられた過去が重なってしまい、その意識が表面化したんだと思いますぅ~」

桃華「なるほど……そういうことでしたのね……」

舞「全然分かんないね……」

みりあ「ねー!」

桃華「でも過去の事件はプロデューサーちゃまが高校生の頃に起こった事件なのですから、戻るとしても高校生くらいになるのではなくて?」

千枝「たぶん千枝に仕返ししたいって気持ちが強いせいで千枝と同い年になったんだと思う……」

日菜子「ついでにパンツの匂いを嗅ぐと戻るということについても考えてみたので聞いてもらっていいですか?」

千枝「お願いします」

日菜子「子どもに戻る前、プロデューサーさんが考えていたことはなんだと思いますか?」

晴「何ってそりゃ……。パンツのことがバレてヤバい、みたいなことじゃないのか?」

日菜子「そうです。つまり大きく括ってプロデューサーさんはパンツのことを考えていたんですぅ~」

日菜子「つまりプロデューサーさんを大人として繋ぎ止めていた最後の糸がパンツだったんです」

桃華「パンツの匂いが大人のプロデューサーちゃまの意識に働きかけることで一時的に大人のプロデューサーちゃまを呼び覚ましていたんですのね」

日菜子「そういうことです……。むふふ……」

千佳「日菜子ちゃんすごーい!名探偵だね!」

日菜子「褒めたって何も出ませんよぉ~」

千枝「千枝のせいでプロデューサーさんは傷ついたんですね……」

日菜子「それは違います。プロデューサーさんがバカなマネをしなければプロデューサーさんは悪くないってことで終わったんですから」

日菜子「むしろそれでトラウマが拭えたと考えれば千枝ちゃんはプロデューサーさんの為になることをしました。偉い、偉いですよぉ~。むふ、むふふふ……」ナデナデ

千枝「日菜子さん……」

仁奈「仁奈、大人になったPおにーさんに会ってみてーです!」

舞「あの、思ったんですけど、そういうことなら今度こそプロデューサーさんは悪くないってことで事件を終わらせてあげればいいんじゃないでしょうか?」

晴「そうか!昔のトラウマが消えるかもしれねーんだな!」

みりあ「そっか!そういうことならみりあも協力するね!」

薫「かおるもー!」

P「おはようございまー……え、何この雰囲気」

千枝「……千枝のリコーダーが盗まれました」

P「えっ!?またか!?誰だ犯人は!出てこーい!もうすぐリコーダーのテストがあるんだぞ!」

千枝「帰って練習しようと思ってランドセルに入れて、学校を出る前ランドセルを教室に置いてお手洗いに行ったんです」

P「そういえばそうだったような……」

梨沙「千枝と同じ学校にいるのはアンタだけよね。つまり……」

P「ま、待ってくれ!俺じゃない!く、クラスの奴かもしれないだろ……?」

晴「って言ってもパンツ盗んだりしてるしな……。信用ならねぇ」

P「そんな……」

みりあ「みりあもプロデューサーが怪しいと思う……」

薫「かおるも……」

小春「不潔ですぅ……」

仁奈「もうPおにーさんとは口きかねーです!」

千佳「あれ?プロデューサーくんは犯人じゃないんじゃないの?」ヒソヒソ

舞「しーっ、そういうドッキリだって言ったでしょ!」ヒソヒソ

桃華「日菜子さんが作ってくださった台本読んでませんの?」ヒソヒソ


P「みんな……違うんだ……。俺は本当に……」


千枝「プロデューサーさん、ごめんなさい……」

千枝「本当は盗まれてないんです……」

P「え……?」

千枝「本当はリコーダーなんて盗まれてないんです!プロデューサーさんは犯人じゃありません!」

千枝「みんなも巻き込んで、寄ってたかってプロデューサーさんのこと責めたけど!……プロデューサーさんは悪くないんです!」

千枝「プロデューサーさんは悪くないんですから……。もう……」

千枝「気にすることなんて何もないんですよ……?」

P「千枝ちゃん……」

P「……」ビリビリッ

千枝「……おかえりなさい、プロデューサーさん」

P「ただいま……」ギュッ

千枝「あ……そういうのは服着てからにしてください」

P「うん……」

千枝(プロデューサーさんも元に戻ってしばらく経ちました)

千枝(Pくんは桃華ちゃんの家の力で転校……ではなく元々クラスに居なかったということになりました)

千枝(プロデューサーさんは失踪してた間に溜まったお仕事をすぐに片付けちゃって、すぐにまた新しい企画まで用意してくれました)

千枝(こんなにお仕事ができるのになんでパンツを盗んだりしたんだろう……?)


コンコン ガチャッ

ありす「失礼します……」

千枝「ありすちゃん!」

ありす「ど、どうも……」

P「ありす!来たのか!顔色もいいみたいで何よりだ」

ありす「はい……。本当に戻れたんですね……」

千枝「今日はどうしたの?もしかして……復帰とか!」

ありす「えっと……以前電話でプロデューサーさんにはお話したんですけど……」

千枝「そっか……。ここ、離れちゃうんだ……」

ありす「はい。ここではいろいろありましたから……」

千枝「そうだよね……。いっぱい怖い思いしたもんね……」

ありす「でも、楽しい思い出もたくさんありました。それにあくまで部署異動ですから、事務所の中で会おうと思えばいつでも会えます!」

千枝「そっか……。そうだね。新しいところでも頑張ってね!」

ありす「当たり前です。心機一転頑張りますよ。美波さんたちも優しいですからきっと大丈夫です」

千枝「ありすちゃんならきっと大丈夫だよ。千枝も頑張るね」

ありす「はい。応援してますね。プロデューサーさんとのことも」

千枝「あ、ありすちゃん!」

ありす「それからプロデューサーさんにも」

P「ん?」

ありす「これ、食べてください」

P「おお。ありがとうな」

ありす「休業中に練習したんですよ。その……プロデューサーさんに体調を悪くされては皆さんが困りますから」

P「そうか。ありがとうな」

ありす「それと、私から盗ったものも返してください」

P「えっ!?何も盗んでなんかいないぞ!パンツか!?パンツの匂い嗅いだことか!?」

ありす「……そうです。それでいいんです。今、しっかり幻滅させてもらいました」

P「?」

ありす「それでは私はこれで」

P「ああ、またな……?」

ありす「プロデューサーさん、大好きでした」

千枝「お弁当ですか?」

P「ありすが作ってくれたんだ。千枝ちゃんも食べてみるか?」

千枝「いいんですか?じゃあ……」

P「……」モグモグ

千枝「……」モグモグ

P「もうちょっと練習が必要かもな……」

千枝「あはは……」


P「しかし驚いたな。千枝ちゃんのお母さんと俺が同級生だったなんて」

千枝「お母さんが、ごめんなさいって言ってました」

P「もう平気だよ。千枝ちゃん達が忘れさせてくれたんだ。ありがとうな」

千枝「はい……。どういたしまして」

千枝「あっ、そういえばこの前のリコーダーのテストで千枝満点取ったんですよ」

P「へぇ!すごいじゃないか!」ナデナデ

千枝「えへへ……」

P「じゃあ……そのリコーダーをペロペロさせてもらおうかな」

千枝「え……?」

早苗「」カチャッ

千枝「いつから居たんですか?」


P「こそこそやるのがダメなら堂々とすればいいと思ったんだよー!」ダッ

千枝「だ、ダメに決まってます!」

早苗「こーらー!待ちなさーい!」

千枝(しょうがないプロデューサーさん……)

千枝(でも……2人きりの時なら……)

千枝(だって千枝はもう、リコーダーじゃないものを盗られてるから……)


終わり

終わりです。

パレードが上手くいかなくてドキドキしました……。あんなに練習したのに……。

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