女騎士「くっ、癒せ!」(93)

オーク「はい」

オーク「そりゃもちろん癒しますよ、ここはマッサージ店ですから」

女騎士「しかしまた何故マッサージなんか」

オーク「そろそろ定職につかないとなぁ、と思いまして」

女騎士「いい心構えだが…お前、マッサージ師の資格とかもってたのか?」

オーク「はい、学生のころに」

女騎士「そうか、なら技術に偽りはないな…さっそく癒してもらおうか」

オーク「はい、では服…じゃなくて鎧を脱いでください」

女騎士「なっ、鎧を脱げだと!?」

オーク「そりゃそうでしょ、うちはマッサージ店なんですよ」

女騎士「そ、そうか…なら仕方ないな」

ヌギッ ガシャン

女騎士「脱いだぞ」

オーク「はい、では下着も脱いでください」

女騎士「し、下着もか!?」

オーク「そりゃそうでしょう、うちはマッサージ店なんですよ」

女騎士「そ、そうか…なら仕方ないな」

ヌギッ スポーン

女騎士「ぬ、脱いだぞ…」

オーク「はい、では胸と陰部を隠している手をどけてください」

女騎士「なっ…全裸を見られてしまうではないか!」

オーク「そりゃそうでしょう、うちはマッサージ店なんですよ」

女騎士「し、仕方ないな…」

スッ
ハダカァ…

オーク「…」

ジッ

女騎士「ジ、ジロジロ見るなぁ…」

オーク「一流のマッサージ師は体のラインを見てどこを癒すべきかを判断するものです…そして俺は一流のマッサージ師…それを理解して頂きたい」

女騎士「本当なのかそれ…」

オーク「信じてください、最高の癒しの為に必要なんです…!」

ガンミ

女騎士「くぅっ…」

ジュンッ

女騎士(見られて…恥ずかしい…)

ジュンッ
ジュンッ

ジューン
ホタルゥー

オーク「…」

スゥッ…
カッ

オーク「見えた…女騎士さんの疲れている場所が!」

女騎士「!」

オーク「さぁ早く、ベットに寝るんです、早く!」

女騎士「あ、あぁ…」

オーク「仰向けで!」

女騎士「いきなり仰向け…そんな、心の準備が…」

オーク「早く!どうなっても知りませんよーーー!」

女騎士「わ、分かったよ…」

ネソベリ

オーク「力を抜いて…リラックス…リラックス…」

サワサワ

女騎士(ソフトタッチ…まるで子猫を撫でるような…)

オーク「…ムンッ!」

ズドム

女騎士「!?」

女騎士(ソフトタッチからのみぞおちに重い一撃…まるで鬼気迫るピアニストの如し!)

オーク「ムンッ!ムンッ!ムンッ!」

ズドム ズドム ズドム ソドム

女騎士(っ…内蔵がミンチにされているみたいだ…それに骨も何本か折れている…本当にこれが最高の癒しなのか…?)

オーク「フヒ、フヒヒ…ゲヒャヒャヒャヒャ…」

ヨダレェ…
シロメ グルンッ

オーク「たぁのしいなぁ~女を殴るのは、たぁのしいなぁ~」

女騎士(なんだこいつ…トランスしている…?)

オーク「あ、ひゃ…もっともっと…もっともっともっと、俺はぁ~」

ズドム ズドム リックドム

女騎士「オーク…お前…わぁっぐはぁぁぁ!」

ズドム

オーク「あぁ~?施術中は喋るンじゃあねぇよ~」

ズドム

オーク「今は俺の癒やしの時間だろぅがぁ~?」

イザム
シャズナ

女騎士(やはりこいつ…癒す気なんて無い…これっぽっちも!)

オーク「お次はぁ~膝頭だ!」

ガンッ

オーク「!?」

女騎士「残念だったな、私の膝頭はダイヤモンドより硬いのさ、これがな」

オーク「ひぃぃ~俺の、俺の拳が砕けたぁぁぁ~!?」

ボタボタ

女騎士「さんざんやってくれたな…お礼に次は私がお前を癒してやるよ…」

ザザッ
ズドム

オーク「ぐふっ…みぞおち…に…」

女騎士「今だ!脇からクロロホルムビーム!」

プワァン

オーク「zzz…」

説明しよう!
女騎士は過去に謎の組織に改造され
脇からクロロホルムが放出する体にされたのである!

女騎士「ンフフフフ…寝たか」

ガシャン

女騎士「鎧を着た。これで傷は治るはずだ」

説明しよう!
女騎士の鎧は特別製で
精霊の加護をうけているので
身につけているだけで傷を癒すのである!
傷だけでなく体や心を癒す効果もあるのである!
ならマッサージの癒しなんかいらんやんけと思った君!
言うねぇ…

女騎士「さぁ無抵抗のオーク…私が丁寧に、存分に、癒して…癒して癒して癒して!癒し殺してやる!」

ビリビリビリ

女騎士「よぅし、とりあえず全裸にしてやったわ…次は…」

ムンズ

女騎士「この緑色の肉棒を…癒してやろう…」

シュコ

女騎士「一撃目はゆっくりとした上下運動」

シシュシュシシュシュ

女騎士「そこからテンポを変える!変える!変える!ワックスをかける!かける!かける!」

シュシシュシュ

女騎士「ワックスをかける!ワックスをとる!ワックスをかける!ワックスをとる!」

ググン

女騎士「どうやら癒しパワーがたまってきたようだな…出せよ…オーク!出せよ!」

シシュシュシシュシュシュコ
シュシュット サンジョウ

女騎士「せいやぁぁぁ!」

ググン
バビュリュッセルゥゥゥゥゥ

その白濁液は
勢いよく飛び出し天井を突き抜けた。
その威力は雷獣シュート並みであったという…

女騎士「ふぅ…これでオークは癒されたに違いない」

オーク「…」

女騎士「どうした、癒されたんだから起きていいんだぞ?」

オーク「…」

女騎士「…おい」

ユサユサ

女騎士「どうしたんだ…起きろよ…目を開けろ、オーク!」

女騎士「オーーク!」

ピシパシ
ビンタ ビンタ ビンタ

女騎士「これでもか、これでもか!」

ビンタ

女騎士「目をさませ!」

シッペ デコピン チョップ

女騎士「いつもの冗談だよな…私の慌てる姿を見て楽しんでいるだけだよな…なぁ…オーク…」

オーク「しん…でる…」

女騎士「くそっ…」

女騎士「このままでは私は殺人者…いや、殺オーク者になってしまう…嫌だ、前科がつくのは嫌だ!」

キョロキョロ

女騎士「隠蔽工作をしなければ…だがこの巨体…どうすれば…」

女騎士「そうだ…生ゴミから肥料を作るコンポスト機…あれで細切れの死体を肥料にしてしまえば…いける!マンガで読んだことある!」

チャキッ

女騎士「そうと決まればさっそく…私の48の剣技のひとつ…疾風!迅雷斬り!の出番だな!」

オーク(疾風迅雷斬り…剣を極めた者の中でも数人しか会得できないといわれる剣技…まさか女騎士が使えるとはな…このまま死んだフリをしていては…マズいなぁ)

女騎士「疾風!迅雷斬り!は時間が必要な技だ…具体的には30分くらいかけて剣に雷魔法と風魔法を重ね掛けしなければならない…」

女騎士「私は魔法が得意じゃないから、もっとかかるかもしれない…まぁ、やるか」

パァァ

女騎士「まずは雷魔法…ライライラーイ!」

バリバリバリ

女騎士「これで約15分…と」

~15分経過~

女騎士「よし、次は風魔法だ…ブワブワブーワ!」

ソヨソヨソヨ

女騎士「さらに15分待つ…と」

オーク(さて、どうするかね…このまま細切れにされるのを待つのは嫌だ…肥料になんかなりたくない!)

ガバァ

オーク「俺は肥料じゃねぇ、肥料じゃねぇぞ!」

女騎士「う、うわぁぁぁぁ、生きてやがったらぁぁぁぁぁぁ!?」

ビクーン

女騎士「うっ、びっくりしたから持病の発作が…」

ビクビク

女騎士「ぐふっ…」

バタリ

オーク「女騎士…」

テクテク

オーク「どうやら気絶しただけみたいだな…おどか」

ヌギッ ボロン

オーク「しやが」

ビンッ

オーク「って」

オーク「まぁお前がこれくら」

ガシッ

オーク「いで死ぬような」

ヌプリ

オーク「奴じゃないって事は俺が一番知ってい」

パンパン

オーク「るからな」

ビクビクッ

オーク「!」

ドプリュ

ヘナッ

オーク「ふぅ…人は何故戦争などするのだろ」

ビンッ

オーク「う」

ヌプリ パンパン ドプリュ
ヘナッ
ビンッ
ヌプリ パンパン ドプリュ
ヘナッ
ビンッ
ヌプリ パンパン ドプリュ
(三回繰り返し)

オーク「…」

ヘーイ…
ダンシン!

オーク「♪オゥ、トゥナイト、ここにいるのは女騎士、いつか目指すぜ誇り高き死!」

ズンチャ ズンチャ
チェケラ チェケラ チェケラッ チョ

ムクリ

女騎士「♪そう私は生まれた混沌の時代、死ぬも生きるも自分次第!」

ズンチャ ズンチャ
チェケラ チェケラ チェケラッ チョ

オーク「♪Aha、やっぱ最高さ斉藤さん」

女騎士「♪ちょっと待って斉藤って誰さ」

オーク「♪えっお前斉藤じゃないの」

女騎士「♪たりめーだ、騒ぎてーんだ、ダンダンダンシン」

クイックイッ
チェケラッ

オーク「♪今日この日この時この場所で鳴らす俺らのソウル、そこのけそこのけ俺様通る!」

女騎士「ヒールな奴等のピークが今まさにここ」

オーク「なんだってんなら乗るしかねぇ!行くしかねぇ!」

ダダダッ
クイックイッ
チェケラッ

女騎士「♪あばれるくーん、カミングスーーーン!」

ダダダッ グルッグル ニョキッ

オーク「♪神も仏もありゃしないないなイナバウアー!」

ユビ チッチッ ギンッ

女騎士「♪高校生の光合成、チェケ!」

ヨロイ ヌギー
ゼンラ…
イナ!
フルチンスッポンポン!
ダイ!
ゼン!
ラー!

女騎士「らぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

ラァァァァァ…

女騎士「…」

オーク「…」

フワァ

女騎士「これが」

オーク「これこそが」





「「癒し」」

ザザッ

?「違うね、そんなものは偽りの癒しだわ…」

オーク「だ、誰かが背後に!」

女騎士「た、確かに背後に気配を感じる私!オークもか!」

?「偽りの…偽りの癒しが発動したからよ…私は狩る者…まがいものの癒しを狩る者…」

クルッ タンタン ターン キメッ

?「その名を僧侶という!」

女騎士「そ、僧侶だと…協会の犬が何故ここにいる!」

僧侶「…黙りなさい、貴方こそ帝国の犬のくせに!」

オーク「…噂は本当だったのか。あらゆる癒しを押収し、協会が公認した癒しを押し売りする…そうなんだろ!」

僧侶「そうりょ」

※そうよ、と言おうとして噛んだ為、そうりょ、と言ってしまったの図

女騎士「癒しを押し売りするだと…この外道が~!」

オーク「同感だな、癒しは人それぞれ。協会から押し売りされるなど言語道断!」

バサァ ビィィィン

オーク「俺のフォース(ちんぽ)が光輝いている…悪しき者を倒せ(犯せ)と唸っている!」

僧侶「ジェダイ…」

女騎士「やれ、オーク!協会の犬を犯して犯して犯し尽くせ!」

オーク「やらいでか!」

ダダダッ

僧侶「き、きゃあ。全裸の勃起オークが走ってくるわ」

オーク「トレーィントレーィン、走ってイけ~!」

ダダダッ

僧侶「このままでは犯されるに違いないわ…かくなる上は魔法でブッ殺してやる!」

パァァ…

僧侶「聖母の逆鱗に触れし愚者よ…幾多の創造主の裁きをその身に受けよ…ラス=オブ=ゴッド!」

ザザザン

オーク「!?」

女騎士「空中に白銀の剣が無数に!」

オーク「その剣で俺を針ネズミにしようってのかい!」

僧侶「そうだよ、ブッ死ね」

ザザザン
ブワッ

オーク「ちぃっ、二、三本はもらうしかないか…」

ヒュン ヒュン ヒュ ザクッ

オーク「ぐぬぅ!」

ザクッ

オーク「ぐっ、だがまだまだ!」

ザクッ ザクッ ザザザザザクッ

女騎士「酷い、まるで針ネズミだ…」

オーク「ぐ、ぁぁぁぁぁ!」

ザザザン

僧侶「白銀の剣は無限に出る…尽きはしないわ!」

ヒュン ヒュン ヒュン

オーク「どピンチだ!」

僧侶「どこまで耐えられるかしら、いくらオークの生命力が高くても、その体力には限界がある…!」

ザザザン

僧侶「でもこちらには!限界は無い!」

ザザザン ザザザン

女騎士「剣が空中に…数え切れない…!」

オーク「その剣で俺を針ネズミにしようってのかい!」

僧侶「…うん」

ザザザン

僧侶「ほな、いきまっせ」

ブワッ
ザザザザ

オーク「こ、これは死ぬに違いない!」

女騎士「諦めるなオーク…ピンチはチャンスだ!」

オーク「ピンチはチャンス…」

ピキーン

オーク「そうか…信じる奴が…ジャスティス!」

パァァ…

オーク「俺の残り体力を全て肉棒に集める…後の事は考えない…自分を…自分の力を信じるんだ!」

ゴゴゴゴゴ

オーク「集っ…中!」

女騎士「そうだオーク…」

女騎士「時を…空を駆けろ!」

女騎士「誰の為でもない…自分自身の為に!」

オーク「う、お、おおおおお!!!」

その時不思議な事が起こった。
オークの体が金色に輝きだしたのである。

ピカー

オーク「これも俺の力なのか…?」

僧侶「その光は…まさか…いえ、そんな筈は…そんな筈はぁぁぁ!」

ザザザン

僧侶「認めません…悪しき魔物に、光の力が宿るなど!」

ヒュン ヒュン

オーク「!」

オーク(何だ…剣の動きがゆっくり…いや、止まって見える…)

サッ サッ

僧侶「なっ…剣が当たらない…何なのあの動きは!?」

オーク「不思議だ…いとも簡単に避ける事が…できる」

女騎士「一体オークに何が起きたんだ…」

オーク「俺にも分からんが…とにかくよし!これで形勢逆転だな」

僧侶「ぐぬぬ…」

オーク「さんざんやられたんだ…お返ししなくちゃあな!」

ビンッ

オーク「金色(こんじき)の肉棒でな!」

ピカー

女騎士「肉棒が輝いている…目視するのもつらいくらいだ」

僧侶「その肉棒で私をどうするつもりですか…!?」

オーク「とっくにごぞんじなんだろう?」

ニマァ

バチバチバチッ
バシュゥゥゥ
ギュワンギュワンギュワンギュワン

女騎士「オークの体がさらに光輝いて…」

僧侶「認めない…認めない認めない認めない!」

ザザザン

僧侶「認めない認めない認めない!魔物に光の力が…聖なる力が宿るなんて、あってはならないのです!」

ザザザン ザザザン ザザザン

僧侶「最大出力でブッ殺してやる…ラス=オブ=ゴッド!」

ヒュンヒュンヒュンヒュンヒュンヒュンヒュンヒュン

オーク「だから…もうそれは通用しないんだよ」

サッ ササッ

僧侶「何故…何故当たらないの!?」

ムンズ

女騎士「剣を握った!」

オーク「そら、お返しだ」

ヒュン ザクッ

僧侶「ぎやあああああああ」

ザザザザザザザク

僧侶「ぐふっ…」

バタリ

女騎士「どうやら針ネズミになるのはお前の方だったようだな」

オーク「それ俺のセリフぅー…」

ショボーン

僧侶「ぐふっ…」

オーク「さて、このまま死なれては寝覚めが悪い…おい女騎士!」

女騎士「はい」

オーク「お前、復活水持ってるか?」

※復活水とは、飲んだら死人さえも元気になる不思議な水である

女騎士「あ、あぁ持ってるぞ。半分は私の尿だが」

オーク「貸せ。死にかけの僧侶に使う」

女騎士「協会の犬など捨て置けばいいのに…」

オーク「いいから貸せ。死体とヤる趣味はねぇよ」

パシッ
ジャバー

オーク「これだけブッかけりゃすぐに復活するだろう」

ムクリ

僧侶「復活しました」

オーク「よっしゃ、復活したな」

ビンッ

僧侶「いきなりちん立ちしてる」

オーク「俺の勃起速度は重力加速度を超える…!」

ギンッギン

オーク「暴れるなよ…すぐによくなる」

僧侶「仕方有りませんね、私は負けたのだから」

スルッ
ヌギー

僧侶「好きに…好きにしなはれ!」

女騎士「協会の犬にしてはいさぎいいわね」

僧侶「その協会の犬って言い方止めてくれません?そもそも私達の崇高なる『迷える子羊に協力する会』を略しないでくれます?」

オーク「長いよ長い」

オーク「そんなどうでもいい事忘れるくらいヘヴンに行かせてやるぜ」

ビンッ
ダダダッ

女騎士「は、早い!」

サッ
ヌプッ

オーク「ゴウトゥヘヴン!」

カクカク ドビュッシー

女騎士「は、早い!」

僧侶「快楽を感じる間も無く中で…」

オーク「俺の射精は結果が先に起き、その後過程が構築される…つまり因果律の操作だ」

僧侶「そ、そんな事が可能なの…?」

オーク「俺はかつて世界の調律者だった…因果律の操作なんてのは簡単なのさ、これがな」

女騎士「世界の…調律者…?」

オーク「それは神とも呼ばれ、それは創造主とも呼ばれ、それは地球の意志とも呼ばれる…」

僧侶「地球の意志…が、ガイア…!?」

オーク「確か、協会…いや、『教会』の人間はガイア神を信仰しているんだったな…」

僧侶「…なぜ私が元教会の人間だと?」

オーク「分かるさ…俺の嫌いな匂いがプンプンしてやがるからな」

僧侶「皮肉ね、まだ私にもガイアの加護があっただなんて」

女騎士(こいつら何話てんだ…)

オーク「ガイアは俺と同じ調律者…まぁ知り合いには違いないわな」

僧侶「では貴方は神に等しい存在だと?」

オーク「自分で名乗ったつもりはないさ…人間どもが勝手にそう呼ぶだけでな」

僧侶「…ふふ」

オーク「何がおかしい?」

僧侶「おかしいんじゃなです…嬉しいのです…探し物がこんなにもすぐ見つかってね!」

オーク「探し物…だと?」

僧侶「私は神を…それに近い存在を探しています…探して…それを抹消しているんです」

オーク「随分大きく出たな。たかが人間が神を抹消するだと?」

僧侶「私には…私達協会の会員には、それができるんです…!」

オーク「ほぅ」

僧侶「私が教会を抜け、協会に入ったも…神殺しの力を手にする為なんですよ!」

オーク「…ハッタリだ。神殺しの力は…人間に扱える者じゃない」

僧侶「神殺しの七宝具…それを扱えるのは神自身…」

ニヤニヤ

僧侶「なら…扱えるように…なるだけの話、じゃないですか?」

オーク「…なんだと?」

ナイフ

僧侶「…」

ザクッ

女騎士「じ、自分で胸にナイフを!?」

僧侶「…」

ジュワ…
ジュワジュワジュワ

女騎士「なっ…傷が一瞬で治った…!?」

僧侶「致命傷さえたちどころに治癒する…これが何を意味するか、貴方なら分かりますよね?」

オーク「…」

僧侶「死という結果を無かった事にし、傷を負ったという過程さえ因果律の彼方に飛ばす…貴方と同じ因果律の操作…そう、調律者の能力です」

オーク「…誰だ、誰がお前等協会に入れ知恵してンだ…?」

僧侶「それを言って何になるのですか?まぁもとより言うつもりはありませんし、知ったところで意味はありませんよ。何故なら貴方は…」

ヴゥン

僧侶「ここで消え去るのですから」

女騎士「い、いきなり空間に鎌が現れた!?」

僧侶「これが何なのか知っていますよね」

オーク「ハルパーの鎌…また懐かしいものを」

僧侶「この鎌は、あらゆるものを切り裂く…たとえそれが因果律であっても、です」

オーク「説明ご苦労様、あいにくその鎌の事はお前以上に知っているンだがね」

僧侶「あら、そうでしたか」

オーク「で、その鎌でどうする?」

僧侶「言ったでしょう…貴方を抹消するのです!」

ヴァン…
グガッ

女騎士「っ…頭が…痛い…頭痛に違いない…」

オーク「鎌の力を発動したか…この空間の歪みは人間には辛い。女騎士、離れていろ」

女騎士「わ、わかった」

ダダダッ

ダダダッ

女騎士「うおっ」

コケッ
ズザー

オーク「何やってんねん、はよ離れんか!」

女騎士「だが私はドジッ子だからコケるのは必然だ!」

オーク「自慢げに言ってないで早く離れろって!」

女騎士「せかすなよ…うおっ」

コケッ
ヨロイ シタギ スポーン

女騎士「しまった、こけた拍子に全裸に…」

オーク「何全裸になっとんねん!」

ビンッ

女騎士「おまはん、勃起しとるでぇ!」

僧侶「こいつら…戯れている」

グガッ

僧侶「馬鹿にしやがりますわね…女騎士から先にブッ殺してやる!」

グガガッ

僧侶「ハルパーの鎌!女騎士が全裸になったという結果を切り裂くのです!」

ブンッ
グガッ
モヤ~

ヴゥン…

女騎士「…?」

ゼンラジャナイ

オーク「…?」

チンポ ヘナッ

僧侶「女騎士が全裸になった事実は因果律の彼方に消えた…よってオークの勃起も無かった事になり萎えた…しかし本人はその事に気付く事は無い…ふふ、これがハルパーの鎌の能力です!」

オーク「…」

女騎士「…」

僧侶「おや?」

オーク「…」

女騎士「…」

僧侶「しまった、勢いで何か大切な物まで切り裂いてしまったようだわ…」

オーク「あ…う゛…」

女騎士「かゆ…うま…」

こうしてなんやかんやで
オークと女騎士は
大切な何かを失った。

だが彼は
すがすがしい表情をしていた。
重荷から解き放たれたような
そんな表情をしていた。

ある意味それは
究極の癒しを手に入れた事に
なるのではないだろうか…

【おしまい】

【おまけ】

~次元の裂け目~

僧侶「…」

ザザッ

魔法使い「…僧侶」

僧侶「あら魔法使いさん…来てくれたのですね」

魔「…やっぱり、行くの?」

僧侶「はい、もう決めたことですから」

魔「こんな言い方はいけないと思うけど…あの二人の事は不可抗力だったと思う。僧侶が気に病む必要は無い…」

僧侶「そうかもしれませんね…」

魔「だったら…」

僧侶「罪悪感が無い訳じゃ…無いです。でも、違うんです。これはただの…ただの気まぐれ…気まぐれ、ですよ」

魔「…」

僧侶「オークと女騎士の大切な何か…因果律を無視した場所…輪廻の輪の向こう側に…きっと、ある筈なんです…それを探して…返さなきゃ…いけないんです」

魔「そんなの!…そんなの…いつまでかかるかわからない…途方もない…事…」

僧侶「はい。ですが私には…私達には無限の時間がある…だって『英雄』ですもの…死ねないん、ですもの…」

魔「…」

僧侶「行きますわ…あの二人の事、お願いしますわね」

魔「…」

コクリ

僧侶「それでは魔法使いさん…また…いつか…」

魔「…また、会える?」

僧侶「…はい、きっと」

僧侶「輪廻の輪から外れた私達ですもの…会えますわ…この姿で…また…」

フッ

魔「…」

・ ・ ・ ・ ・

これは

手に入れた癒しを

再び手放すための物語

これは

永遠を生きる者達の

鎮魂歌《レクイエム》…

【never end】

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